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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250212BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20250212BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021088621
(22)【出願日】2021-05-26
(65)【公開番号】P2022181589
(43)【公開日】2022-12-08
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 慎吾
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-175882(JP,A)
【文献】特開2013-223137(JP,A)
【文献】特開2014-095986(JP,A)
【文献】特開2004-139572(JP,A)
【文献】特開2014-017737(JP,A)
【文献】特開2015-176307(JP,A)
【文献】特開2004-348267(JP,A)
【文献】特開2020-087101(JP,A)
【文献】特開2011-124962(JP,A)
【文献】特開2019-074959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
特定サービスを利用可能な第1装置にて、ユーザの認証に成功した場合に、前記特定サービスを利用可能な第2装置において、前記ユーザにより選択された前記特定サービスの機能により入力された入力データが存在するときには、前記ユーザによる前記機能の選択を受付けることなく、前記機能が選択された際の画面を表示させ
存在する前記入力データが1つの場合、前記入力データに関連した関連データを前記特定サービスに送信可能な送信画面を前記画面として表示させる、
情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
特定サービスを利用可能な第1装置にて、ユーザの認証に成功した場合に、前記特定サービスを利用可能な第2装置において、前記ユーザにより選択された前記特定サービスの機能により入力された入力データが存在するときには、前記ユーザによる前記機能の選択を受付けることなく、前記機能が選択された際の画面を表示させ、
存在する前記入力データが複数の場合、前記入力データに関連した関連データを添付する前記入力データを選択する選択画面を前記画面として表示させ、
前記選択画面で前記入力データが選択された後、前記関連データを前記特定サービスに送信可能な送信画面を表示させる
情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記関連データを前記特定サービスに送信した場合、前記関連データの送信処理を行う処理時間に応じて前記画面の表示内容を変化させる請求項又はに記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記処理時間が予め定めた時間を超えることなく、前記送信処理が正常に終了した場合、前記送信処理が正常に終了した旨を示す情報を表示させる請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記処理時間が予め定めた時間を超えることなく、異常の発生により前記送信処理が終了した場合、前記送信処理が異常の発生により終了した旨を示す情報を表示させる請求項又はに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記処理時間が予め定めた時間を超えても前記送信処理が終了しない場合、前記送信処理の終了後に処理結果を提示する旨を示す情報を表示させる請求項からの何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータに、
特定サービスを利用可能な第1装置にて、ユーザの認証に成功した場合に、前記特定サービスを利用可能な第2装置において、前記ユーザにより選択された前記特定サービスの機能により入力された入力データが存在するときには、前記ユーザによる前記機能の選択を受付けることなく、前記機能が選択された際の画面を表示させ
存在する前記入力データが1つの場合、前記入力データに関連した関連データを前記特定サービスに送信可能な送信画面を前記画面として表示させる、
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
特定サービスを利用可能な第1装置にて、ユーザの認証に成功した場合に、前記特定サービスを利用可能な第2装置において、前記ユーザにより選択された前記特定サービスの機能により入力された入力データが存在するときには、前記ユーザによる前記機能の選択を受付けることなく、前記機能が選択された際の画面を表示させ、
存在する前記入力データが複数の場合、前記入力データに関連した関連データを添付する前記入力データを選択する選択画面を前記画面として表示させ、
前記選択画面で前記入力データが選択された後、前記関連データを前記特定サービスに送信可能な送信画面を表示させる、
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、容易な操作で所望の処理を実行させることのできる画像処理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-303805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、様々な分野のクラウドサービスの機能がAPIとして公開されているため、APIを通じてクラウドサービスを複数の装置で利用可能となっている。
ここで、ユーザは、クラウドサービスの認証に成功した後、所望の機能を選択することで、選択した機能による処理を認証した装置に行わせる。
【0005】
上記の選択した機能による処理の一例として、ユーザが、一の装置でデータ入力を行った後、他の装置で入力されたデータの証憑を示す証憑データを添付する場合がある。この場合は、一の装置で選択した機能を、他の装置においても選択する必要がある。結果として、一の装置及び他の装置の双方で共通の機能をそれぞれ選択する必要があり、作業が煩雑である。
【0006】
そこで、本発明は、一の装置及び他の装置で利用可能なサービスにおいて、一の装置でサービスの機能が選択され、入力データが入力された場合に、他の装置でのサービスの機能の選択を省略することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様の情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、特定サービスを利用可能な第1装置にて、ユーザの認証に成功した場合に、前記特定サービスを利用可能な第2装置において、前記ユーザにより選択された前記特定サービスの機能により入力された入力データが存在するときには、前記ユーザによる前記機能の選択を受付けることなく、前記機能が選択された際の画面を表示させる。
【0008】
第2の態様の情報処理装置は、第1の情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記画面を、前記ユーザの認証後に表示させる。
【0009】
第3の態様の情報処理装置は、第2の情報処理装置であって、前記プロセッサは、存在する前記入力データの数に応じて、前記ユーザの認証後に表示させる前記画面を変化させる。
【0010】
第4の態様の情報処理装置は、第3の情報処理装置であって、前記プロセッサは、存在する前記入力データが1つの場合、前記入力データに関連した関連データを前記特定サービスに送信可能な送信画面を表示させる。
【0011】
第5の態様の情報処理装置は、第3又は第4の情報処理装置であって、前記プロセッサは、存在する前記入力データが複数の場合、前記入力データに関連した関連データを添付する前記入力データを選択する選択画面を表示させ、前記選択画面で前記入力データが選択された後、前記関連データを前記特定サービスに送信可能な送信画面を表示させる。
【0012】
第6の態様の情報処理装置は、第4又は第5の情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記関連データを前記特定サービスに送信した場合、前記関連データの送信処理を行う処理時間に応じて前記画面の表示内容を変化させる。
【0013】
第7の態様の情報処理装置は、第6の情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記処理時間が予め定めた時間を超えることなく、前記送信処理が正常に終了した場合、前記送信処理が正常に終了した旨を示す情報を表示させる。
【0014】
第8の態様の情報処理装置は、第6又は第7の情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記処理時間が予め定めた時間を超えることなく、異常の発生により前記送信処理が終了した場合、前記送信処理が異常の発生により終了した旨を示す情報を表示させる。
【0015】
第9の態様の情報処理装置は、第6から第8の何れかの態様の情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記処理時間が予め定めた時間を超えても前記送信処理が終了しない場合、前記送信処理の終了後に処理結果を提示する旨を示す情報を表示させる。
【0016】
第10の態様の情報処理装置は、第1から第9の何れかの態様の情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記ユーザの認証後に、前記入力データに関連した関連データを前記特定サービスに送信可能な送信画面が表示される場合と、前記関連データを添付する前記入力データを選択する選択画面を経て前記送信画面が表示される場合とで、前記画面の表示内容を変化させる。
【0017】
第11の態様の情報処理装置は、第10の情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記ユーザの認証後に前記送信画面が表示される場合、前記関連データの送信先に関する注意を促す情報を表示させる。
【0018】
第12の態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、特定サービスを利用可能な第1装置にて、ユーザの認証に成功した場合に、前記特定サービスを利用可能な第2装置において、前記ユーザにより選択された前記特定サービスの機能により入力された入力データが存在するときには、前記ユーザによる前記機能の選択を受付けることなく、前記機能が選択された際の画面を表示させる、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
第1の態様によれば、一の装置及び他の装置で利用可能なサービスにおいて、一の装置でサービスの機能が選択され、入力データが入力された場合に、他の装置でのサービスの機能の選択を省略することができる。
【0020】
第2の態様によれば、特定サービスの機能が選択された際の画面を、認証後にユーザに認知させられる。
【0021】
第3の態様によれば、ユーザの認証後に同一の画面が表示される構成に比べて、ユーザの認証後に表示される画面の種類を多くできる。
【0022】
第4の態様によれば、特定サービスの機能を選択する画面を省略して送信画面を表示することができる。
【0023】
第5の態様によれば、特定サービスの機能を選択する画面を省略して選択画面を表示させた後に送信画面を表示することができる。
【0024】
第6の態様によれば、関連データを特定サービスに送信した場合に同一の画面が表示される構成に比べて、関連データを特定サービスに送信した場合に表示される画面の種類を多くできる。
【0025】
第7の態様によれば、送信処理が正常に終了した旨をユーザに認知させられる。
【0026】
第8の態様によれば、送信処理が異常の発生により終了した旨をユーザに認知させられる。
【0027】
第9の態様によれば、送信処理の終了後に処理結果を提示する旨をユーザに認知させられる。
【0028】
第10の態様によれば、送信画面が表示される状況に応じて、当該送信画面の表示内容を変化させることができる。
【0029】
第11の態様によれば、関連データの送信先に関する注意を促す情報をユーザに認知させられる。
【0030】
第12の態様によれば、一の装置及び他の装置で利用可能なサービスにおいて、一の装置でサービスの機能が選択され、入力データが入力された場合に、他の装置でのサービスの機能の選択を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】クラウドサーバ及びユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】ユーザ端末の表示部の表示例である。
図5】従来構成における画像形成装置の表示部の表示例である。
図6】決定処理の流れを示す第1のフローチャートである。
図7】情報処理システムにおける画像形成装置の表示部の第1の表示例である。
図8】情報処理システムにおける画像形成装置の表示部の第2の表示例である。
図9】決定処理の流れを示す第2のフローチャートである。
図10】情報処理システムにおける画像形成装置の表示部の第3の表示例である。
図11】情報処理システムにおける画像形成装置の表示部の第4の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る情報処理システム10について説明する。
【0033】
図1は、情報処理システム10の概略構成を示す図である。
図1に示すように、情報処理システム10は、画像形成装置20と、クラウドサーバ50と、ユーザ端末70とを含む。画像形成装置20、クラウドサーバ50、及びユーザ端末70は、ネットワークNを介して接続され、互いに通信可能となっている。このネットワークNには、一例として、インターネット、LAN(=Local Area Network)、WAN(=Wide Area Network)等が適用される。画像形成装置20は「情報処理装置」及び「第1装置」の一例であり、ユーザ端末70は「第2装置」の一例である。
【0034】
情報処理システム10は、クラウドサービスを画像形成装置20及びユーザ端末70を含む複数の装置で利用する場合に、ユーザ端末70においてユーザにより選択されたクラウドサービスのアプリケーション(以下、単に「アプリ」とする)による編集が行われた編集データの存在の有無に応じて、画像形成装置20におけるクラウドサービス利用時の画面の表示内容を変化させるシステムである。なお、クラウドサーバ50は、情報処理システム10において、クラウドサービスを提供するサーバコンピュータである。クラウドサービスは「特定サービス」の一例であり、アプリは「機能」の一例であり、編集データは「入力データ」の一例である。
【0035】
クラウドサービスは、「見積書」、「請求書」、「発注書」、「納品書」、及び「領収書」等の証拠として使う記録である帳票に関するサービスを提供する。一例として、ユーザは、クラウドサービスを利用して、ユーザ端末70で編集が行われた帳票の編集データに対し、画像形成装置20のスキャン機能により編集データの証憑を示す証憑データを添付することができる。証憑データは、取引が成立したことを立証するための書類であり、収書や請求書などの経費計上や申告をする際に必要な書類に関するデータや、納品書や契約書に関するデータが一例としてあげられる。なお、編集データの証憑を示す証憑データは「入力データに関連した関連データ」の一例であり、証憑データに限らず、編集データに関連したデータであればよい。
【0036】
図2は、画像形成装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、画像形成装置20は、画像形成装置20の動作を制御する制御部30を備えている。この制御部30は、CPU31(=Central Processing Unit)、ROM32(=Read Only Memory)、RAM33(=Random Access Memory)、及び入出力インターフェース(=I/O)34がバス35を介して相互に通信可能に接続されている。CPU31は「プロセッサ」の一例である。
【0037】
CPU31は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU31は、ROM32又は後述する記憶部36からプログラムを読み出し、RAM33を作業領域としてプログラムを実行する。CPU31は、ROM32又は記憶部36に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。第1の実施形態では、ROM32又は記憶部36には、少なくとも後述する決定処理を実行するための情報処理プログラムが格納されている。なお、情報処理プログラムは、画像形成装置20に予めインストールされていてもよいし、不揮発性の記憶媒体に記憶したり、又は、ネットワークNを介して配布したりして、画像形成装置20に適宜インストールしてもよい。不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM、光磁気ディスク、HDD(=Hard Disk Drive)、DVD-ROM、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0038】
ROM32は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM33は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0039】
I/O34には、記憶部36、表示部37、操作部38、原稿読取部39、画像形成部40、及び通信部41が接続されている。これらの各部は、I/O34を介して、CPU31と相互に通信可能とされている。
【0040】
記憶部36は、HDD、SSD(=Solid State Drive)又はフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0041】
表示部37には、例えば、液晶ディスプレイ(=LCD:Liquid Crystal Display)又は有機EL(=Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部37は、タッチパネルを一体的に有している。
操作部38には、テンキー又はスタートキー等の各種の操作キーが設けられている。
【0042】
表示部37及び操作部38は、画像形成装置20のユーザから各種の指示を受け付ける。この各種の指示には、例えば、帳票等の原稿の読み取りを開始させる指示、及び原稿のコピーを開始させる指示等が含まれる。表示部37は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果、及び処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0043】
原稿読取部39は、画像形成装置20の上部に設けられた図示しない自動原稿送り装置の給紙台に置かれた原稿を1枚ずつ取り込み、取り込んだ原稿を光学的に読み取って画像情報を得る。あるいは、原稿読取部39は、プラテンガラス等の原稿台に置かれた原稿を光学的に読み取って画像情報を得る。
【0044】
画像形成部40は、原稿読取部39による読み取りによって得られた画像情報、又は、ネットワークNを介して接続された外部のパーソナルコンピュータ(=PC:Personal Computer)等から得られた画像情報に基づく画像を、紙等の記録媒体に形成する。
【0045】
通信部41は、PC等の他の機器と通信するためのインターフェースである。当該通信には、たとえば、イーサネット(登録商標)若しくはFDDI等の有線通信の規格、又は、4G、5G、若しくはWi-Fi(登録商標)等の無線通信の規格が用いられる。
【0046】
上記の情報処理プログラムを実行する際に、画像形成装置20は、上記のハードウェア資源を用いて、当該情報処理プログラムに基づく処理を実行する。
【0047】
図3は、クラウドサーバ50及びユーザ端末70のハードウェア構成を示すブロック図である。クラウドサーバ50及びユーザ端末70には、一例として、サーバコンピュータ、若しくはPC等の汎用的なコンピュータ装置、又はスマートフォン、若しくはタブレット端末等の携帯端末が適用される。第1の実施形態では、クラウドサーバ50を「サーバコンピュータ」とし、ユーザ端末70を「PC」としている。なお、クラウドサーバ50及びユーザ端末70は、基本的には一般的なコンピュータ構成であるため、クラウドサーバ50を代表して説明する。
【0048】
図3に示すように、クラウドサーバ50は、CPU51、ROM52、RAM53、記憶部54、入力部55、表示部56、及び通信部57を備えている。各構成は、バス58を介して相互に通信可能に接続されている。
【0049】
CPU51は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU51は、ROM52又は記憶部54からプログラムを読み出し、RAM53を作業領域としてプログラムを実行する。CPU51は、ROM52又は記憶部54に記憶されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0050】
ROM52は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM53は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0051】
記憶部54は、HDD、SSD又はフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0052】
入力部55は、一例として、マウス等のポインティングデバイス、各種ボタン、キーボード、マイク、及びカメラ等を含み、各種の入力を行うために使用される。
【0053】
表示部56は、一例として、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部56は、タッチパネル方式を採用して、入力部55として機能してもよい。
【0054】
通信部57は、他の機器と通信するためのインターフェースである。当該通信には、たとえば、イーサネット(登録商標)若しくはFDDI等の有線通信の規格、又は、4G、5G、若しくはWi-Fi(登録商標)等の無線通信の規格が用いられる。
【0055】
次に、クラウドサービスの利用時に情報処理システム10を用いない構成(以下、「従来構成」とする)における画面の表示内容について説明する。
【0056】
図4は、ユーザ端末70の表示部76の表示例である。具体的には、図4(A)は、ユーザが、ユーザ端末70でクラウドサービスの認証に成功した当該ユーザの認証後、具体的には、認証直後に表示されるアプリ選択画面80の表示例であり、図4(B)は、アプリ選択画面80から画面遷移したレコード選択画面81の表示例であり、図4(C)は、レコード選択画面81から画面遷移した編集画面82の表示例である。
【0057】
図4(A)に示すアプリ選択画面80は、クラウドサービスが提供する複数のアプリの中から、ユーザによる所望のアプリの選択を受付ける画面である。当該アプリ選択画面80には、一例として、アプリ○○に対応するアイコン80A、アプリ××に対応するアイコン80B、アプリ□□に対応するアイコン80C、及びアプリ△△に対応するアイコン80Dが表示されている。そして、アプリ選択画面80上に表示された何れかのアイコンが選択された場合は、選択されたアイコンに対応するアプリが実行されてレコード選択画面81が表示される。
【0058】
図4(B)に示すレコード選択画面81は、アプリ選択画面80で選択されたアプリに対応する一又は複数のレコードを表示し、ユーザによる所望のレコードの選択を受付ける画面である。一例として、図4(B)は、アプリ選択画面80でアイコン80Aが選択された場合のレコード選択画面81であり、アイコン80Aに対応するアプリ○○の複数のレコードが表示されている。
【0059】
ここで、図4(B)では一部の図示を省略しているが、上記のレコードには、一例として、「レコード名」、「商品名」、「単価」、「数量」、「合計金額」、及び「添付書類」の複数の項目が設けられている。なお、当該項目は、上記の種類に限られず、他の種類が設けられていてもよい。
【0060】
項目「レコード名」は、各レコードを一意に識別するための識別情報を入力する項目である。
項目「商品名」は、各商品の名称を入力する項目である。
【0061】
項目「単価」は、項目「商品名」に入力された商品の単価を入力する項目である。
項目「数量」は、項目「商品名」に入力された商品の数量を入力する項目である。
【0062】
項目「合計金額」は、項目「商品名」に入力された商品の合計金額を入力する項目である。
項目「添付書類」は、項目「商品名」、「単価」、「数量」及び「合計金額」等に入力されたデータを含むレコードの編集データの証憑を示す証憑データを添付する項目である。
【0063】
また、図4(B)に示すレコード選択画面81には、一例として、「レコード名:レコードA」に対応するレコード81A、「レコード名:レコードB」に対応するレコード81B、及び「レコード名:レコードC」に対応するレコード81C等の複数のレコードが表示されている。そして、レコード選択画面81上に表示された何れかのレコードが選択された場合は、選択されたレコードに対応する編集画面82が表示される。
【0064】
図4(C)に示す編集画面82は、レコード選択画面81で選択されたレコードの編集データの編集を受付ける画面である。一例として、図4(C)は、レコード選択画面81でレコード81Aが選択された場合の編集画面82である。
【0065】
ここで、図4(C)に示す編集画面82には、項目「商品名」のデータの入力を受付ける受付部82A、項目「単価」のデータの入力を受付ける受付部82B、項目「数量」のデータの入力を受付ける受付部82C、項目「合計金額」のデータの入力を受付ける受付部82D、及び項目「添付書類」のデータの入力を受付ける受付部82Eが設けられている。
【0066】
受付部82Aは、上記のデータとして商品名が入力される部分であり、図4(C)では「☆☆」と入力されている。
【0067】
受付部82Bは、上記のデータとして商品の単価が入力される部分であり、図4(C)では「100」と入力されている。
【0068】
受付部82Cは、上記のデータとして商品の数量が入力される部分であり、図4(C)では「3」と入力されている。
【0069】
受付部82Dは、上記のデータとして商品の合計金額が入力される部分であり、図4(C)では「300」と入力されている。
【0070】
受付部82Eは、受付部82A、82B、82C、82Dに入力されたデータを含むレコードの編集データの証憑を示す証憑データの添付を受付ける部分である。図4(C)では、受付部82Eに「添付書類「未」」と表示されており、証憑データが添付されていないことを示している。
【0071】
以上のように、図4(C)に示す編集画面82は、「レコード名:レコードA」の項目「商品名」、「単価」、「数量」、及び「合計金額」にデータが入力され、項目「添付書類」に証憑データが添付されていないレコードの編集データを示している。なお、クラウドサービスでは、編集画面82におけるレコードの編集データをレコード情報として保存している。
【0072】
ここで、レコードに対する証憑データの添付方法は、一例として、ユーザ端末70に既に保存されている証憑データを編集画面82で添付する方法と、画像形成装置20のスキャン機能により証憑書類となる帳票を読み取って証憑データを添付する方法と、が想定される。そして、以下では、後者の画像形成装置20のスキャン機能により証憑書類を読み取って証憑データを添付する方法を採る場合について説明する。
【0073】
図5は、従来構成における画像形成装置の表示部370の表示例である。具体的には、図5(A)は、ユーザの画像形成装置でのクラウドサービスの認証直後に表示されるアプリ選択画面80の表示例であり、図5(B)は、アプリ選択画面80から画面遷移したレコード選択画面81の表示例であり、図5(C)は、レコード選択画面81から画面遷移した送信画面83の表示例である。
【0074】
図5(A)に示すアプリ選択画面80は、図4(A)に示すアプリ選択画面80と同様の表示内容であり、証憑データを添付するアプリの画像形成装置でのユーザによる選択を受付ける画面である。そして、アプリ選択画面80上に表示された何れかのアイコンが選択された場合は、選択されたアイコンに対応するアプリが実行されてレコード選択画面81が表示される。
【0075】
図5(B)に示すレコード選択画面81は、図4(B)に示すレコード選択画面81と同様の表示内容であり、証憑データを添付するレコードの画像形成装置でのユーザによる選択を受付ける画面である。一例として、図5(B)は、アプリ選択画面80でアイコン80Aが選択された場合のレコード選択画面81であり、アイコン80Aに対応するアプリ○○の複数のレコードが表示されている。そして、レコード選択画面81上に表示された何れかのレコードが選択された場合は、選択されたレコードに対応する送信画面83が表示される。
【0076】
図5(C)に示す送信画面83は、証憑データをクラウドサービスに送信可能な画面である。当該送信画面83には、一例として、アプリ選択画面80で選択されたアプリ名を示すアプリ名表示83Aと、レコード選択画面81で選択されたレコード名を示すレコード名表示83Bと、証憑データの送信処理を開始する送信ボタン83Cとが表示されている。一例として、図5(C)は、アプリ選択画面80でアイコン80Aが選択され、レコード選択画面81でレコード81Aが選択された場合の送信画面83である。
【0077】
ここで、ユーザ端末70でのレコードの編集データの編集後に、一連の作業の流れとして、画像形成装置のスキャン機能により証憑書類を読み取って証憑データを当該編集データに添付する場合があるが、この場合に、従来構成では以下の問題が発生する。従来構成では、上記のように、ユーザ端末70及び画像形成装置の双方でアプリ選択画面80及びレコード選択画面81を表示し、ユーザ端末70及び画像形成装置の双方で共通のアプリ及びレコードをそれぞれ選択する必要があるため、作業が煩雑となる。
【0078】
そこで、第1の実施形態では、ユーザ端末70でクラウドサービスのアプリが選択され、編集データが編集された場合に、画像形成装置20での当該アプリの選択を省略することを目的とする。
【0079】
ここで、第1の実施形態における情報処理システム10では、予め定めたイベント発生時に指定したURL(=Uniform Resource Locator)に情報を送信するwebhookを利用して、クラウドサービスからクラウドサーバ50に情報を送信している。第1の実施形態では、上記の予め定めたイベントを「編集画面82の表示」としている。つまり、編集画面82でレコードの編集データの編集が行われたか否かに関わらず、編集画面82が表示された場合に上記の「予め定めたイベント発生」となり、クラウドサービスからクラウドサーバ50に情報(以下、「クラウドサービス情報」とする)が送信される。当該クラウドサービス情報には、予め定めたイベントが発生したクラウドサービスのアプリ名及びレコード名を少なくとも含んでいる。そして、クラウドサーバ50は、取得したクラウドサービス情報と、予め定めたイベントを発生させたユーザのユーザ情報(例:認証時のユーザID)とを関連付けて記憶部54に保存する。
【0080】
第1の実施形態では、webhookを利用することで、ユーザが意図した予め定めたイベントに関する情報をクラウドサービスからクラウドサーバ50に送信することができる。
【0081】
図6は、画像形成装置20の表示部37に表示される画面を決定する決定処理の流れを示す第1のフローチャートである。CPU31がROM32又は記憶部36から情報処理プログラムを読み出して、RAM33に展開して実行することにより決定処理が行われる。
【0082】
図6に示すステップS10において、CPU31は、像形成装置20でのユーザの認証に成功した場合に、当該ユーザのユーザ情報(例:認証時のユーザID)をクラウドサーバ50に送信する。そして、ステップS11に進む。第1の実施形態では、一例として、画像形成装置20でのユーザの認証は、予め定めたポータルサイトの情報と紐付いたICカードを用いて行われる。
【0083】
ステップS11において、CPU31が、ステップS10で送信したユーザ情報に関連付いたクラウドサービス情報を取得した場合(ステップS11:YES)はステップS13に進む。一方、CPU31が、当該ユーザ情報に関連付いたクラウドサービス情報を取得しない場合(ステップS11:NO)はステップS12に進む。
【0084】
第1の実施形態では、ステップS10で画像形成装置20から送信されたユーザ情報を取得したクラウドサーバ50が、当該ユーザ情報に関連付いたクラウドサービス情報が記憶部54に保存されているか否かを検索し、検索結果を画像形成装置20に応答する。当該クラウドサービス情報が記憶部54に保存されている場合、クラウドサーバ50は、画像形成装置20に対して、上記の応答として当該クラウドサービス情報(例:アプリ名及びレコード名)を送信する。この場合、ステップS11では、CPU31がクラウドサービス情報を取得するため、ステップS13に進む。一方、当該クラウドサービス情報が記憶部54に保存されていない場合、クラウドサーバ50は、画像形成装置20に対して、上記の応答として当該クラウドサービス情報がない旨を示す情報を送信する。この場合、ステップS11では、CPU31がクラウドサービス情報を取得しないため、ステップS12に進む。
【0085】
ステップS12において、CPU31は、アプリ選択画面80を表示部37に表示させる。そして、ステップS15に進む。
【0086】
ステップS13において、CPU31は、ステップS11で取得したクラウドサービス情報(例:アプリ名及びレコード名)を用いて、クラウドサービスからレコード情報を取得する。そして、ステップS14に進む。ここでは、CPU31は、当該クラウドサービス情報に対応するレコードの最新の編集データをレコード情報としてクラウドサービスから取得する。
【0087】
ステップS14において、CPU31が、ステップS13で取得したレコード情報から、編集データが複数存在するか否かを判定し、編集データが複数存在すると判定した場合(ステップS14:YES)はステップS15に進む。一方、CPU31により編集データが複数存在しないと判定された場合(ステップS14:NO)はステップS16に進む。
【0088】
ステップS15において、CPU31は、レコード選択画面81を表示部37に表示させる。そして、ステップS16に進む。
【0089】
ステップS16において、CPU31は、送信画面83を表示部37に表示させる。そして、当該処理を終了する。
【0090】
次に、情報処理システム10における画面の表示内容について説明する。なお、情報処理システム10におけるユーザ端末70の表示内容は、上記で説明した図4に示す表示例と同様である。つまり、情報処理システム10におけるユーザ端末70の表示部76は、アプリ選択画面80、レコード選択画面81、及び編集画面82の順に画面遷移する。以下では、ユーザによりユーザ端末70が事前に操作されて、一又は複数の編集データが存在する場合の画像形成装置20の表示部37の表示例について説明する。
【0091】
図7は、画像形成装置20の表示部37の第1の表示例である。具体的には、図7(A)は、編集データが複数存在する場合において、像形成装置20でのユーザの認証後、具体的には、認証直後に表示されるレコード選択画面81の表示例であり、図7(B)は、レコード選択画面81から画面遷移した送信画面83の表示例である。このように、CPU31は、存在する編集データが複数の場合、ユーザによる画像形成装置20でのクラウドサービスのアプリの選択を受付けることなく、アプリが選択された際の画面としてレコード選択画面81を画像形成装置20でのユーザの認証直後に表示させる。つまり、この場合は、図5に示す従来構成と異なり、画像形成装置20でのアプリ選択画面80の表示を省略している。
【0092】
また、図7(A)に示すレコード選択画面81は、図5(B)に示すレコード選択画面81とは異なり、編集データが存在するレコードのみが表示されている。
【0093】
図7(B)に示す送信画面83は、図5(C)に示す送信画面83と同様の表示内容であり、証憑データをクラウドサービスに送信可能な画面である。一例として、図7(B)は、レコード選択画面81でレコード81Aが選択された場合の送信画面83である。
【0094】
図8は、画像形成装置20の表示部37の第2の表示例である。具体的には、図8は、編集データが1つ存在する場合において、像形成装置20でのユーザの認証後、具体的には、認証直後に表示される送信画面83の表示例である。このように、CPU31は、存在する編集データが1つの場合、ユーザによる画像形成装置20でのクラウドサービスのアプリ及びレコードの選択を受付けることなく、アプリが選択された際の画面として送信画面83を画像形成装置20でのユーザの認証直後に表示させる。つまり、この場合は、図5に示す従来構成と異なり、画像形成装置20でのアプリ選択画面80及びレコード選択画面81の表示を省略している。
【0095】
図8に示す送信画面83は、図5(C)に示す送信画面83と同様の表示内容であり、証憑データをクラウドサービスに送信可能な画面である。そして、図8に示す送信画面83は、図6に示すステップS13で取得したレコード情報に含まれる最新の編集データを用いることで、ユーザによる画像形成装置20でのクラウドサービスのアプリ及びレコードの選択を受付けることなく、当該編集データに対応するアプリ及びレコードが証憑データの送信先として入力された状態となっている。
【0096】
以上のように、第1の実施形態では、クラウドサービスを利用可能な画像形成装置20にて、ユーザの認証に成功した場合に、クラウドサービスを利用可能なユーザ端末70において、ユーザにより選択されたクラウドサービスのアプリによる編集が行われた編集データが存在するときには、CPU31は、ユーザによるアプリの選択を受付けることなく、アプリが選択された際の画面を表示させる。そのため、第1の実施形態によれば、ユーザ端末70でクラウドサービスのアプリが選択され、編集データが編集された場合に、画像形成装置20での当該アプリの選択を省略することができる。そして、CPU31は、当該アプリが選択された際の画面を、像形成装置20でのユーザの認証後、具体的には、認証直後に表示させる。そのため、第1の実施形態によれば、当該アプリが選択された際の画面を、画像形成装置20でのユーザの認証直後にユーザに認知させられる。
【0097】
また、第1の実施形態では、上記で図7及び図8を用いて説明したように、CPU31が、存在する編集データの数に応じて、像形成装置20でのユーザの認証直後に表示させる画面を変化させる。そのため、第1の実施形態によれば、像形成装置20でのユーザの認証直後に同一の画面が表示される構成に比べて、像形成装置20でのユーザの認証直後に表示される画面の種類を多くできる。
【0098】
また、第1の実施形態では、上記で図7を用いて説明したように、存在する編集データが複数の場合、CPU31が、証憑データを添付する編集データを選択するレコード選択画面81を像形成装置20でのユーザの認証直後に表示させ、レコード選択画面81で編集データが選択された後、証憑データをクラウドサービスに送信可能な送信画面83を表示させる。そのため、第1の実施形態によれば、アプリ選択画面80を省略してレコード選択画面81を表示させた後に送信画面83を表示することができる。レコード選択画面81は「選択画面」の一例である。
【0099】
また、第1の実施形態では、上記で図8を用いて説明したように、存在する編集データが1つの場合、CPU31が、証憑データをクラウドサービスに送信可能な送信画面83を像形成装置20でのユーザの認証直後に表示させる。そのため、第1の実施形態によれば、アプリ選択画面80及びレコード選択画面81を省略して送信画面83を表示することができる。これにより、第1の実施形態によれば、カラー設定及び解像度設定を含むスキャン設定が事前に完了している場合、又はスキャン設定が不要な場合には、像形成装置20でのユーザの認証直後に送信ボタン83Cが操作されるだけで証憑データの送信処理が開始される。
【0100】
ここで、第1の実施形態では、証憑データをクラウドサービスに送信した場合、CPU31が、証憑データの送信処理を行う処理時間に応じて画面の表示内容を変化させる。そのため、第1の実施形態によれば、証憑データをクラウドサービスに送信した場合に同一の画面が表示される構成に比べて、証憑データをクラウドサービスに送信した場合に表示される画面の種類を多くできる。
【0101】
図9は、画像形成装置20の表示部37に表示される画面を決定する決定処理の流れを示す第2のフローチャートである。
【0102】
図9に示すステップS20において、CPU31は、証憑データの送信処理を開始する。そして、ステップS21に進む。第1の実施形態では、一例として、送信画面83で送信ボタン83Cが操作された場合に、CPU31が証憑データの送信処理を開始する。
【0103】
ステップS21において、CPU31が、送信処理を行う処理時間が予め定めた時間を超えたか否かを判定し、予め定めた時間を超えたと判定した場合(ステップS21:YES)はステップS22に進む。一方、CPU31により予め定めた時間を超えていないと判定された場合(ステップS21:NO)はステップS23に進む。第1の実施形態では、一例として、予め定めた時間を「1分」としている。ステップS21において、CPU31は、クラウドサーバ50に対して送信処理の結果確認を要求し、クラウドサーバ50からの当該結果確認の応答が予め定めた時間を超えてもない場合に「処理時間が予め定めた時間を超えた」と判定する。
【0104】
ステップS22において、CPU31は、第1メッセージを表示部37に表示させる。そして、当該処理を終了する。なお、第1メッセージの詳細については後述する。
【0105】
ステップS23において、CPU31が、送信処理が正常に終了したか否かを判定し、送信処理が正常に終了したと判定した場合(ステップS23:YES)はステップS24に進む。一方、CPU31により送信処理が正常に終了していない、すなわち、異常の発生により終了したと判定された場合(ステップS23:NO)はステップS25に進む。一例として、CPU31は、クラウドサーバ50からの送信処理の結果確認の応答が正常終了を知らせる内容である場合に「送信処理が正常に終了した」と判定し、異常終了を知らせる内容である場合に「送信処理が正常に終了していない」と判定する。
【0106】
ステップS24において、CPU31は、第2メッセージを表示部37に表示させる。そして、当該処理を終了する。なお、第2メッセージの詳細については後述する。
【0107】
ステップS25において、CPU31は、第3メッセージを表示部37に表示させる。そして、当該処理を終了する。なお、第3メッセージの詳細については後述する。
【0108】
図10は、画像形成装置20の表示部37の第3の表示例である。具体的には、図10は、送信処理の結果を表示する結果画面84を示し、図10(A)は結果画面84に第1メッセージが表示された場合の表示例であり、図10(B)は結果画面84に第2メッセージが表示された場合の表示例であり、図10(C)は結果画面84に第3メッセージが表示された場合の表示例である。
【0109】
図10に示す結果画面84には、一例として、ユーザに対するメッセージを示すメッセージ表示84Aと、OKボタン84Bと、が表示されている。なお、結果画面84の表示中に、OKボタン84Bが操作された場合、CPU31は、表示部37の画面を予め定めた表示内容へと変化させる。
【0110】
図10(A)に示すメッセージ表示84Aには、第1メッセージの一例として、「処理に時間がかかっているため、処理結果をメール通知でお知らせします。」との文字が表示されている。このように、第1の実施形態では、送信処理を行う処理時間が予め定めた時間を超えても送信処理が終了しない場合、CPU31が、第1メッセージとして、送信処理の終了後に処理結果を提示する旨を示す情報を表示部37に表示させる。そのため、第1の実施形態によれば、送信処理の終了後に処理結果を提示する旨をユーザに認知させられる。また、第1の実施形態によれば、処理時間が予め定めた時間を超えても送信処理が終了しない場合に第1メッセージを表示させることでユーザの移動を促すことができ、一のユーザによる画像形成装置20の長時間の占有を抑制することが期待される。なお、クラウドサーバ50は、送信処理の終了後に、上記の処理結果として、画像形成装置20で送信処理を開始したユーザのユーザ端末70に対して、送信処理が正常に終了した旨を示す情報又は異常の発生により終了した旨を示す情報を送信する。
【0111】
図10(B)に示すメッセージ表示84Aには、第2メッセージの一例として、「送信完了しました。」との文字が表示されている。このように、第1の実施形態では、送信処理を行う処理時間が予め定めた時間を超えることなく、送信処理が正常に終了した場合、CPU31が、第2メッセージとして、送信処理が正常に終了した旨を示す情報を表示部37に表示させる。そのため、第1の実施形態によれば、送信処理が正常に終了した旨をユーザに認知させられる。
【0112】
図10(C)に示すメッセージ表示84Aには、第3メッセージの一例として、「異常発生により終了しました。」との文字が表示されている。このように、第1の実施形態では、送信処理を行う処理時間が予め定めた時間を超えることなく、異常の発生により送信処理が終了した場合、CPU31が、第3メッセージとして、送信処理が異常の発生により終了した旨を示す情報を表示部37に表示させる。そのため、第1の実施形態によれば、送信処理が異常の発生により終了した旨をユーザに認知させられる。なお、送信処理が異常の発生により終了した旨を示す情報として、上記の情報に加えて、エラーコード等の異常の種類を示す情報を表示部37に表示させてもよい。
【0113】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
【0114】
第2の実施形態では、クラウドサーバ50がユーザのクラウドサービスのログを解析して、編集データの編集が直近に行われたレコードを特定し、当該レコードに対応するクラウドサービス情報(例:アプリ名及びレコード名)を画像形成装置20に送信する。なお、第2の実施形態における決定処理は、第1の実施形態と同様に図6に示す第1のフローチャートの流れに沿って行われる。
【0115】
第2の実施形態では、図6に示すステップS10で画像形成装置20から送信されたユーザ情報を取得したクラウドサーバ50が、当該ユーザ情報に対応するログをクラウドサービスから取得し、当該取得したログを解析して編集データの編集が直近に行われたレコードを特定する。そして、編集データの編集が直近に行われたレコードが存在する場合、クラウドサーバ50は、画像形成装置20に対して、当該レコードに対応するクラウドサービス情報(例:アプリ名及びレコード名)を記憶部54から取得して画像形成装置20に送信する。この場合、ステップS11において、CPU31はクラウドサービス情報を取得し、ステップS13に進む。一方、編集データの編集が直近に行われたレコードが存在しない場合、クラウドサーバ50は、画像形成装置20に対して、当該クラウドサービス情報がない旨を示す情報を送信する。この場合、ステップS11において、CPU31はクラウドサービス情報を取得しないため、ステップS12に進む。
【0116】
第2の実施形態では、クラウドサービスのログを利用することで、webhookを利用する第1の実施形態とは異なり、利用前の事前設定が不要となる。
【0117】
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
【0118】
第3の実施形態では、CPU31が、像形成装置20でのユーザの認証直後に、送信画面83が表示される場合と、レコード選択画面81を経て送信画面83が表示される場合とで、画面の表示内容を変化させる。そのため、第3の実施形態によれば、送信画面83が表示される状況に応じて、当該送信画面83の表示内容を変化させることができる。
【0119】
具体的には、第3の実施形態では、像形成装置20でのユーザの認証直後に送信画面83が表示される場合、CPU31が、証憑データの送信先に関する注意を促す情報を表示させる。
【0120】
図11は、画像形成装置20の表示部37の第4の表示例である。具体的には、図11は、像形成装置20でのユーザの認証直後に表示される送信画面83の表示例である。そして、図11に示す送信画面83には、他の実施形態における送信画面83とは異なり、アプリ名表示83A、レコード名表示83B、及び送信ボタン83Cに加え、証憑データの送信先に関する注意を促す情報である注意表示83Dが表示されている。注意表示83Dは、ユーザに対するメッセージを示しており、一例として、「送信先をよく確認してください。」との文字が表示されている。
【0121】
以上の構成により、第3の実施形態によれば、証憑データの送信先に関する注意を促す情報をユーザに認知させられる。
【0122】
なお、注意表示83Dは、メッセージを文字で示すことに限らず、感嘆符(!)等の記号で示してもよい。また、上記の表示内容の変化として、注意表示83Dの表示に代えて又は加えて、送信画面83の背景色、文字の色及び寸法、並びに、アプリ名表示83A、レコード名表示83B、及び送信ボタン83Cの表示位置等を送信画面83が表示される状況に応じて変化させてもよい。
【0123】
(その他)
上記の実施形態では、ユーザ端末70に編集画面82を表示していたが、これに限らず、画像形成装置20に編集画面82を表示してもよい。つまり、情報処理システム10では、画像形成装置20及びユーザ端末70において、レコードの編集データの編集が可能である。ただし、レコードの編集データの編集は、表示部37の寸法及び操作部38の操作性等により作業が行いにくい点、並びに画像形成装置20の長時間の占有を回避する点等により、画像形成装置20で行うよりもユーザ端末70で行うことが好ましい。
【0124】
上記の実施形態では、編集データを「入力データ」の一例とした。ここで、編集データとは、編集画面82に一度表示されたレコードのデータである。つまり、編集画面82の表示後に、レコードに設けられた項目のデータの入力が行われることなく当該編集画面82が閉じられた場合のレコードのデータ、及びレコードに設けられた一部又は全部の項目のデータの入力が行われて当該編集画面82が閉じられた場合のレコードのデータの双方が「編集データ」に含まれる。
【0125】
上記の実施形態では、画像形成装置20を「情報処理装置」の一例としたが、これに限らず、クラウドサーバ50を「情報処理装置」の一例としてもよい。この場合、クラウドサーバ50のCPU51が「プロセッサ」の一例となり、ROM52又は記憶部54に「情報処理プログラム」が格納される。
【0126】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば CPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0127】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0128】
20 画像形成装置(情報処理装置の一例)
31 CPU(プロセッサの一例)
図1
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図3
図4
図5
図6
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図11