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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】ロッカーボギー車
(51)【国際特許分類】
   B62D 61/10 20060101AFI20250212BHJP
   B62D 15/00 20060101ALI20250212BHJP
   B60B 19/00 20060101ALI20250212BHJP
   B60G 3/12 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
B62D61/10
B62D15/00
B60B19/00 H
B60G3/12
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021108461
(22)【出願日】2021-06-30
(65)【公開番号】P2023006068
(43)【公開日】2023-01-18
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山中 和之
(72)【発明者】
【氏名】日吉 健太
(72)【発明者】
【氏名】牧野 洋三
(72)【発明者】
【氏名】興津 俊幸
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-222297(JP,A)
【文献】特開2020-124485(JP,A)
【文献】中国実用新案第212605542(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第111377006(CN,A)
【文献】特開2014-237359(JP,A)
【文献】特開2020-151160(JP,A)
【文献】特開2018-063615(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 61/10
B62D 15/00
B60B 19/00
B60G 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪、中輪及び後輪の各々が左右に一対ずつ設けられた計6輪のロッカーボギー車であって、
前記前輪及び前記中輪が各々軸支されるボギーリンクと、
前記後輪が軸支されるロッカーリンクと、
前記ロッカーリンクに接続される本体と、を備え、
前記ボギーリンクは、前記本体又は前記ロッカーリンクに軸支されて、自由回転又は動的な回転可能であり、
前記ロッカーリンクは、前記本体に固定され、
前記前輪及び前記後輪は、主輪の外周に、車軸に対して45°の傾きで回転可能に支持され、周方向に並んだ複数個のフリーホイールを有する構造であり、
前記中輪は、主輪の外周に車軸に対して90°の向きに回転可能に支持され、周方向に並んだ複数個のフリーホイールを有する構造であり、
左右一方の前輪及び左右他方の後輪を正転させ、前記左右一方の後輪及び前記左右他方の前輪を反転させ、左右双方の中輪を停止させることにより、前記左右他方へ横行し、
前記左右一方の前輪、中輪及び後輪を正転させ、前記左右他方の前輪、中輪及び後輪を反転させることにより、前記左右他方側へ旋回し、
前記左右一方の前輪、中輪及び後輪を正転させ、前記左右他方の前輪を反転させ、前記左右他方の中輪を前記左右他方の前輪よりも小さい回転速度で反転させることにより、前記左右他方の後輪を基準として、前記左右他方側へ旋回し、
前記左右一方の前輪、中輪及び後輪を正転させ、前記左右他方の後輪を反転させ、前記左右他方の中輪を前記左右他方の後輪よりも小さい回転速度で反転させることにより、前記左右他方の前輪を基準として、前記左右他方側へ旋回する、ロッカーボギー車。
【請求項2】
前記ロッカーボギー車の車体中心を原点とするxy座標系において、前記車体中心をx軸方向に移動する速度ベクトルをx、前記車体中心をy軸方向に移動する速度ベクトルをy、前記車体中心を反時計回りに回転するベクトルをθとし、前記車体中心から前記前輪、前記中輪及び前記後輪の中心までのx軸方向の幅をa、前記車体中心から前記前輪及び前記後輪の中心までのy軸方向の幅をbとし、前記前輪、前記中輪及び前記後輪の半径をrとするとき、前記左右一方の前輪、中輪及び後輪と、前記左右他方の前輪、中輪及び後輪とをそれぞれ以下の式(1)に示す回転速度ω 1 、ω 2 、ω 3 、ω 4 、ω 5 、ω 6 で駆動する、請求項1に記載のロッカーボギー車。
【数1】
【請求項3】
踏面が狭い連続的な段差では、前記前輪を振り上げて段差上に載せた後に前記前輪を横行させる、請求項1に記載のロッカーボギー車。
【請求項4】
遠隔操作を行う操舵手段を更に備え、
前記操舵手段は、2つのアナログジョイスティックを有し、
前記2つのアナログジョイスティックのうちの一方は、方向の操舵を行い、
前記2つのアナログジョイスティックのうちの他方は、スピンターンの操舵を行う、請求項1に記載のロッカーボギー車。
【請求項5】
車体に搭載された制御部による自律的な制御が行われる自律走行モードと、
前記操舵手段による遠隔操作が行われる遠隔走行モードと、を切り替え可能である、請求項に記載のロッカーボギー車。
【請求項6】
前記前輪及び前記後輪は、メカナムホイール(登録商標)であり、
前記中輪は、オムニホイール(登録商標)である、請求項1に記載のロッカーボギー車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッカーボギー車に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車輪により走行する移動装置では不整地の走行が困難であるため、このような移動装置に対して不整地の走行を可能とするための技術開発が進められている。
このような技術として、ロッカーボギー機構を例示することができる。
また、車輪により走行する移動装置には、不整地の走行を可能とするための技術のみならず、段差を乗り越えるための段差踏破性能も求められている。
【0003】
従来技術の一例である特許文献1には、接地面における凹凸や段差を乗り越えることを可能とし、凹凸や段差が存在する床面上において自由に走行することができる段差乗り越え可能な全方向移動車が開示されている。
【0004】
また、従来技術の他の一例である特許文献2には、強度と段差に対する走破性を併せ持つ走行装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3559826号公報
【文献】特許第6708488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来技術では、全方向への素早い走行を行うためには改善の余地があり、特に、走行面が狭い場合における全方向への素早い走行を可能とする技術が求められる。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、不整地の走行が可能であり、段差踏破性能を有する、全方向への素早い走行を可能とするロッカーボギー車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決して目的を達成する本発明の一態様は、前輪、中輪及び後輪の各々が左右に一対ずつ設けられた計6輪のロッカーボギー車であって、前記前輪及び前記中輪が各々軸支されるボギーリンクと、前記後輪が軸支されるロッカーリンクと、前記ロッカーリンクに接続される本体と、を備え、前記ボギーリンクは、前記本体又は前記ロッカーリンクに軸支されて、自由回転又は動的な回転可能であり、前記ロッカーリンクは、前記本体に固定され、前記前輪及び前記後輪は、主輪の外周に、車軸に対して45°の傾きで回転可能に支持され、周方向に並んだ複数個のフリーホイールを有する構造であり、前記中輪は、主輪の外周に車軸に対して90°の向きに回転可能に支持され、周方向に並んだ複数個のフリーホイールを有する構造である、ロッカーボギー車である。
なお、前記前輪及び前記後輪は、メカナムホイール(登録商標)であってもよく、前記中輪は、オムニホイール(登録商標)であってもよい。
【0009】
上記構成のロッカーボギー車では、前記前輪及び前記後輪の正転又は反転によって得られる駆動力と、前記中輪の正転又は反転によって得られる駆動力と、により、操舵性能が最適化されるとよい。
【0010】
上記構成のロッカーボギー車では、前記前輪、前記中輪及び前記後輪の各々の駆動力が、前記本体の中心位置と、前記前輪、前記中輪及び前記後輪の各々の位置と、の関係に基づいてベクトル換算され、前記ベクトル換算された駆動力により、前記前輪、前記中輪及び前記後輪の各々が駆動されるとよい。
【0011】
上記構成のロッカーボギー車では、前記前輪、前記中輪及び前記後輪の回転を正転又は反転させる駆動指令が各々独立であり、前進、後進、右横行、左横行、前進右斜行、前進左斜行、後進右斜行、後進左斜行、右スピンターン、左スピンターン、右後輪中心回転、右前輪中心回転、左後輪中心回転及び左前輪中心回転等の走行を可能とするとよい。
【0012】
上記構成のロッカーボギー車は、例えば図10に示すような踏面が狭い連続的な段差では、前記前輪を振り上げて段差上に載せた後に前記前輪を横行させることが好ましい。
【0013】
上記構成のロッカーボギー車は、遠隔操作を行う操舵手段を更に備え、前記操舵手段は、2つのアナログジョイスティックを有し、前記2つのアナログジョイスティックのうちの一方は、方向の操舵を行い、前記2つのアナログジョイスティックのうちの他方は、スピンターンの操舵を行うとよい。
【0014】
上記構成のロッカーボギー車は、車体に搭載された制御部による自律的な制御が行われる自律走行モードと、前記操舵手段による遠隔操作が行われる遠隔走行モードと、を切り替え可能であるとよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、不整地の走行が可能であり、段差踏破性能を有する、全方向への素早い走行を可能とするロッカーボギー車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施形態に係るロッカーボギー車の構成を示す上面図である。
図2図2は、実施形態に係るロッカーボギー車の重心及び車輪の構成例を示す側面概略図である。
図3図3(a)は、ロッカーボギー車の走行指令の例を極座標系で示す図であり、図3(b)は、図3(a)に示す走行指令をxyベクトルに分解した例をxy座標系で示す図である。
図4図4は、上面図におけるメカナムホイール(登録商標)の前進走行速度のベクトル分解図である。
図5図5は、上面図におけるオムニホイール(登録商標)の前進走行速度のベクトル分解図である。
図6図6は、上面図におけるロッカーボギー車の前進走行速度のベクトル分解図である。
図7図7は、上面図におけるロッカーボギー車の走行ベクトルを表す図である。
図8図8は、右前輪1aR、左前輪1aL、右中輪1bR、左中輪1bL、右後輪1cR及び左後輪1cLの6輪の駆動力による進行方向に対して、ロッカーボギー車の進行方向を示す上面模式図である。
図9図9は、図8の(k),(l),(m),(n)に示す合成ベクトルを説明する模式図である。
図10図10は、本実施形態に係るロッカーボギー車が段差を踏破する際の動作を示す図である。
図11図11は、本実施形態に係るロッカーボギー車の操舵手段を示す図である。
図12図12は、本実施形態における走行モードの切り替えを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。
ただし、本発明は、以下の実施形態の記載によって限定解釈されるものではない。
【0018】
(実施形態)
図1は、本実施形態に係るロッカーボギー車10の構成を示す上面図である。
図1に示すロッカーボギー車10は、左右対称のリンク構成を有し、6輪のロッカーボギー車体を構成している。
右前輪1aR及び右中輪1bRは、右ボギーリンク2Rに連結され、左前輪1aL及び左中輪1bLは、左ボギーリンク2Lに連結されている。
右後輪1cRは、右ロッカーリンク3Rに連結され、左後輪1cLは、左ロッカーリンク3Lに連結されている。
右ボギーリンク2Rと右ロッカーリンク3Rは、支持穴で軸支され、左ボギーリンク2Lと左ロッカーリンク3Lは、支持穴で軸支されている。
これらの軸支は、能動的に回転角を制御可能な機構であり、ボギーリンク角サスペッションと呼ばれる。
なお、右ボギーリンク2R及び左ボギーリンク2Lは、本体5に軸支されていてもよい。
図1に示すロッカーボギー車10は、右ボギーリンク2Rと右ロッカーリンク3Rとの間の角度を制御する機構として右リンク角モータ17Rを有し、左ボギーリンク2Lと左ロッカーリンク3Lとの間の角度を制御する機構として左リンク角モータ17Lを有する。
右リンク角モータ17R及び左リンク角モータ17Lは、軸支における角度制御を可能とし、又はトルクの掛からないフリージャンクション状態を作り出すことができる。
このような構成は、回転駆動力を自在に制御できるアクチュエータ、例えば、トルクモータ又はハーモニックドライブ(登録商標)等により実現可能である。
【0019】
図1に示すロッカーボギー車は、走行時に前面の段差を、図示しない公知のセンサーで検出すると、右ボギーリンク2R及び左ボギーリンク2Lが各々右前輪1aR及び左前輪1aLを振り上げるように動作し、段差を踏破する。
【0020】
右前輪1aR、左前輪1aL、右後輪1cR及び左後輪1cLは、メカナムホイール(登録商標)であり、右中輪1bR及び左中輪1bLは、オムニホイール(登録商標)である。
右前輪1aR、左前輪1aL、右中輪1bR、左中輪1bL、右後輪1cR及び左後輪1cLの6輪は、それぞれ独立に駆動制御可能である。
この6輪の回転を前進又は後進としてそれぞれ制御することで、ロッカーボギー車10の前進、後進、横行、斜行又はスピンターン等の走行が可能である。
なお、以下の説明において、右前輪1aR及び左前輪1aLは、前輪1aと記載し、右中輪1bR及び左中輪1bLは、中輪1bと記載し、右後輪1cR及び左後輪1cLは、後輪1cと記載し、右ボギーリンク2R及び左ボギーリンク2Lは、ボギーリンク2と記載し、右ロッカーリンク3R及び左ロッカーリンク3Lは、ロッカーリンク3と記載し、右リンク角モータ17R及び左リンク角モータ17Lは、リンク角モータ17と記載することがある。
【0021】
図2は、本実施形態に係るロッカーボギー車10の重心及び車輪の構成例を示す側面概略図である。
ロッカーボギー車10の車体の重量mg、前輪1aが対地で支える力N3、中輪1bが対地で支える力N2及び後輪1cが対地で支える力N1は、N1=N2=N3、且つmg=N1+N2+N3であり、ロッカーボギー車10はバランスをとるように構成されている。
前輪1aと軸支との間隔をA1とし、
中輪1bと軸支との間隔をA2とし、
ロッカーボギー車10の重心の位置とボギーリンク2の軸支の位置との間隔をB1とし、
ロッカーボギー車10の重心の位置とロッカーリンク3の後輪1cの位置との間隔をB2とすると、モーメントのつり合いから、A2×N2=A1×N3、B2×N1=B1×(N2+N3)となり、A1=A2、B2=2×B1である。
【0022】
図1に示す右前輪1aR、左前輪1aL、右後輪1cR及び左後輪1cLは、メカナムホイール(登録商標)であり、各々の主輪の外周には車軸に対して45°の傾きで回転可能に支持され、周方向に並んだ複数個のフリーホイールを有する。
なお、図1に示す、右前輪1aR、左前輪1aL、右後輪1cR及び左後輪1cL内の斜線は、フリーホイールの回転軸の方向を表している。
【0023】
右前輪1aRの主輪は、モータ14Rに接続されて駆動され、左前輪1aLの主輪は、モータ14Lに接続されて駆動され、右後輪1cRの主輪は、モータ16Rに接続されて駆動され、左後輪1cLの主輪は、モータ16Lに接続されて駆動される。
モータ14R,14L,16R,16Lは、各々独立しており、右前輪1aRの主輪、左前輪1aLの主輪、右後輪1cRの主輪及び左後輪1cLの主輪は、各々独立に制御可能である。
【0024】
図1に示す右中輪1bR及び左中輪1bLは、オムニホイール(登録商標)であり、各々の主輪の外周には車軸に対して90°の向きに回転可能に支持され、周方向に並んだ複数個のフリーホイールを有する。
なお、図1に示す、右中輪1bR及び左中輪1bL内の横線は、フリーホイールの回転軸の方向を表している。
【0025】
右中輪1bRの主輪は、モータ15Rに接続されて駆動され、左中輪1bLの主輪は、モータ15Lに接続されて駆動される。
モータ15R,15Lは、各々独立しており、右中輪1bRの主輪、左中輪1bLの主輪は、各々独立に制御可能である。
なお、以下の説明において、モータ14R,14Lは、モータ14と記載し、モータ15R,15Lは、モータ15と記載し、モータ16R,16Lは、モータ16と記載することがある。
【0026】
上述のように、ロッカーボギー車10は、右前輪1aR、左前輪1aL、右中輪1bR、左中輪1bL、右後輪1cR及び左後輪1cLの6輪の組み合わせにより、前後左右に自在に走行可能である。
【0027】
本実施形態に係るロッカーボギー車10の走行制御は、ジョイスティック等により行えばよく、ジョイスティック等により走行方向及び速度が管理される。
図3(a)は、ロッカーボギー車の走行指令の例を極座標系で示す図であり、図3(b)は、図3(a)に示す走行指令をxyベクトルに分解した例をxy座標系で示す図である。
図3(a)において、前面方向の角度指令θは0を起点に左回り-180°から右回りに+180°とし、速度指令Vは0から120とし、角度+θ方向に速度Vでロッカーボギー車を走行させるとすると、x方向速度指令Vx=Vsinθであり、y方向速度指令Vy=Vcosθである。
【0028】
本実施形態に係るロッカーボギー車10においては、右前輪1aR、左前輪1aL、右後輪1cR及び左後輪1cLは、メカナムホイール(登録商標)であり、右中輪1bR及び左中輪1bLは、オムニホイール(登録商標)であることから、動作原理として、メカナムホイール(登録商標)及びオムニホイール(登録商標)の逆運動学の式による制御式が構築可能である。
【0029】
図4は、上面図におけるメカナムホイール(登録商標)の前進走行速度のベクトル分解を示す上面図である。
ただし、図4は、メカナムホイール(登録商標)軸方向が斜線で表現されることにより、接地面における駆動力を表現している。
そのため、図1のように上面図におけるメカナムホイール(登録商標)上部のメカナムホイール(登録商標)軸とは斜線の傾きが90度異なる。
まず、車輪の回転速度ω、車輪半径rとおくと、ω=rv(iは、各ホイールを示す添字)である。
車体の左右ホイール中心までの長さをホイール幅2aとし、車体の前後ホイール中心までの長さをトレッド幅2bとする。
また、車体の中心から各ホイールの間の長さを長さlとする。
車体座標系(x,y)において、本実施形態に係るロッカーボギー車10が、無回転で速度ベクトル(v,v)に従って移動する場合を検討する。
メカナムホイール(登録商標)は、車軸に対して複数のフリーホイールが45°の傾きで回転する複数のローラー車輪(樽状フリーホイール)により45°の方向に滑る。
滑る方向に回転するローラー車輪(樽状フリーホイール)では対地摩擦が生じなくなり、駆動力は発生しない。
オムニホイール(登録商標)は、車軸に対して90°の向きに回転する複数のローラー車輪(樽状フリーホイール)によって軸方向に滑る。
【0030】
右前輪1aR中の斜線は、上面図におけるローラー車輪(樽状フリーホイール)の軸方向を表している。
車体を中心として、右前輪1aRを例として考える。
このとき、車体中心をx軸方向に移動する速度ベクトルをxとし、y軸方向に移動する速度ベクトルをyとし、車体中心を半時計回りに回転するベクトルをθとする。
なお、これらのベクトルは、式中においてはドットを付すものとする。
【0031】
車輪の回転速度から生成される車輪の走行速度は車輪軸の垂直方向であるが、実際はローラー車輪(樽状フリーホイール)が45°の傾きで付いているため、発生速度はcos(π/4)を乗じたものになり、残部はメカナム内ローラーの転がりになり、この方向には駆動力は発生しない。
これらを用いると、車輪の走行速度v1は以下のように表される。
まず、メカナムホイール(登録商標)の径rを用いて、車輪の回転速度ωと車輪の走行速度vとの間には下記の式(1)が成立する。
【0032】
【数1】
【0033】
更には、実際の発生速度v1´に対して、下記の式(2)のベクトルのつり合い式を立てる。
【0034】
【数2】
【0035】
上記の式を展開し、まとめると下記の式(3)が導出される。
【0036】
【数3】
【0037】
図5は、上面図におけるオムニホイール(登録商標)の前進走行速度のベクトル分解図である。
オムニホイール(登録商標)の場合には、x軸方向はフリーとなる。
よって、オムニホイール(登録商標)の回転時に発生する速度は、y軸及びθ軸方向のみに作用する。
ここでは、例として右車輪のオムニホイール(登録商標)について検討する。
図5に示す関係から、オムニホイール(登録商標)の走行速度v2は、下記の式(4),(5)で表すことができる。
【0038】
【数4】
【0039】
【数5】
【0040】
図6は、上面図におけるロッカーボギー車の前進走行速度のベクトル分解を示す上面図である。
ただし、図6は、メカナムホイール(登録商標)軸方向が斜線で表現されることにより、接地面における駆動力を表現している。
次に、前輪及び後輪をメカナムホイール(登録商標)とし、中輪をオムニホイール(登録商標)とした組み合わせにおける走行速度について検討する。
【0041】
このときの車体のx,y,θについては、上記の式(2)の導出と同様に、前輪と後輪とを合わせた4輪のメカナムホイール(登録商標)に対して、下記の式(6)を立式する。
【0042】
【数6】
【0043】
上記を整理すると、下記の式(7)となる。
【0044】
【数7】
【0045】
次に、上記の式(5)の導出と同様に、中輪のオムニホイール(登録商標)は、下記の式(8)で表される。
【0046】
【数8】
【0047】
すなわち、x,y,θを用いて各車輪の回転速度を同定すると、下記の式(9)が成立する。
【0048】
【数9】
【0049】
また、各車輪の回転速度における機台の走行速度は、上記の式(9)を用いて連立方程式を解くことにより下記の式(10)で表すことができる。
【0050】
【数10】
【0051】
【数11】
【0052】
なお、図7は、上面図におけるロッカーボギー車の走行ベクトルを表す図である。
【0053】
以上説明したように、ロッカーボギー車1についてそれぞれの車輪の車体中心を、x軸方向に移動する速度ベクトルと、y軸方向に移動する速度ベクトルと、車体中心を半時計回りに回転するベクトルと、を各車輪の車輪回転速度ωで表すことができ、これを用いて走行制御を行うことができる。
【0054】
本実施形態によれば、前輪が段差を上がる機構を有し、または、前輪を有したボギーリンク角サスペッションでボギーリンクを動的に上げる機構を有し、段差踏破可能な6輪ロッカーボギー車において、前輪と後輪はメカナムホイール(登録商標)とし、中輪はオムニホイール(登録商標)とすることで、走行制御が可能となり、狭い空間でも素早い全方位走行が可能となる。
更には、本実施形態によれば、ステアリング(方向操舵手段)の小型化及び軽量化が可能である。
更には、本実施形態によれば、6輪に走行方向性を決定するサスペッション機能を設けることなく、各車輪の駆動力によって走行制御が可能である。
【0055】
次に、右前輪1aR、左前輪1aL、右中輪1bR、左中輪1bL、右後輪1cR及び左後輪1cLの回転とロッカーボギー車10の挙動とについて以下に説明する。
図8は、右前輪1aR、左前輪1aL、右中輪1bR、左中輪1bL、右後輪1cR及び左後輪1cLの6輪の駆動力による進行方向に対する、ロッカーボギー車10の進行方向を示す上面模式図である。
【0056】
図8において、メカナムホイール(登録商標)の斜線は、フリーホイールの軸方向を示しているが、接地面側から見るとローラー車輪の軸方向は、斜線と垂直な方向となる。
右前輪1aR、左前輪1aL、右後輪1cR及び左後輪1cLは、メカナムホイール(登録商標)であり、
右中輪1bR及び左中輪1bLは、オムニホイール(登録商標)である。
【0057】
図8には、ロッカーボギー車10の各車輪の回転速度ωから生成した速度ベクトルと、回転ベクトルの結果による、基本の走行形態を示している。
車輪の矢印の方向は、回転速度ωの方向を示し、車輪の矢印の大きさ成分は、回転速度ωの大きさを示す。
図8に示す基本の走行形態は、操舵機構によって操作される、スティックの方向及びスティックの傾きの大きさから座標変換され、各車輪の回転速度ωに展開される。
図8における中輪の小さい矢印は、走行速度が速い指令により生成される回転速度である。
図8の各車輪の矢印は、各車輪の回転速度ωを表しているが、これは、後述の図11に示すような操舵機構により操作された結果である。
後述の図11では、左スティックの傾きの方向で方向が指定され、左スティックの傾きの大きさで速度の大きさの指定が行われる。
また、後述の図12に示すように、左スティックの操作は、アナログ座標から極座標に変換され、極座標から直交座標に変換された後に回転速度が算出されるので、各車輪の回転速度ωは、前述の操舵機構の結果から一義的に決定される。
【0058】
図8の(a)に示すように、右前輪1aR、左前輪1aL、右中輪1bR、左中輪1bL、右後輪1cR及び左後輪1cLのすべてを正転させると、ロッカーボギー車10は前進する。
図8の(b)に示すように、右前輪1aR、左前輪1aL、右中輪1bR、左中輪1bL、右後輪1cR及び左後輪1cLのすべてを反転させると、ロッカーボギー車10は後進する。
【0059】
図8の(c)に示すように、左前輪1aL及び右後輪1cRを正転させ、且つ右前輪1aR及び左後輪1cLを反転させると、ロッカーボギー車10は右に平行移動(右横行)する。
図8の(d)に示すように、左前輪1aL及び右後輪1cRを反転させ、且つ右前輪1aR及び左後輪1cLを正転させると、ロッカーボギー車10は左に平行移動(左横行)する。
【0060】
図8の(e)に示すように、左前輪1aL及び右後輪1cRを正転させ、右中輪1bR及び左中輪1bLを小さい回転速度で正転させると、ロッカーボギー車10は右斜め前方に移動(前進右斜行)する。
図8(f)に示すように、右前輪1aR及び左後輪1cLを正転させ、右中輪1bR及び左中輪1bLを小さい回転速度で正転させると、ロッカーボギー車10は左斜め前方に移動(前進左斜行)する。
【0061】
図8(g)に示すように、右前輪1aR及び左後輪1cLを反転させ、右中輪1bR及び左中輪1bLを小さい回転速度で反転させると、ロッカーボギー車10は右斜め後方に移動(後進右斜行)する。
図8(h)に示すように、左前輪1aL及び右後輪1cRを反転させ、右中輪1bR及び左中輪1bLを小さい回転速度で反転させると、ロッカーボギー車10は左斜め後方に移動(後進左斜行)する。
【0062】
図8(i)に示すように、右前輪1aR、右中輪1bR及び右後輪1cRを反転させ、且つ左前輪1aL、左中輪1bL及び左後輪1cLを正転させると、ロッカーボギー車10は時計回りに旋回(右スピンターン)する。
図8(j)に示すように、右前輪1aR、右中輪1bR及び右後輪1cRを正転させ、且つ左前輪1aL、左中輪1bL及び左後輪1cLを反転させると、ロッカーボギー車10は反時計回りに旋回(左スピンターン)する。
【0063】
図9は、図8の(k),(l),(m),(n)に示す合成ベクトルを説明する模式図である。
前述の図8(a)から(j)に示す動作の複数を組み合わせることで、図8の(k),(l),(m),(n)に示す旋回動作が可能になる。
これらの旋回動作は、図9に示すように基本動作の組み合わせによって、回転速度ωによる各車輪のx軸及びy軸方向の速度ベクトルと、回転ベクトルと、により実現される。
図8の(k)に示すように、図8(e)と図8(i)を合成させたような駆動指示をすると、図9((e)+(i))に示す合成ベクトルにより、右前輪1aRが反転し、右中輪1bRが小さい回転速度で反転し、左前輪1aL、左中輪1bL及び左後輪1cLがそれぞれ大きい回転速度で正転し、ロッカーボギー車10は右後輪1cRを基準として、時計回りに旋回(右後輪中心回転)する。
図8の(l)に示すように、図8(f)と図8(i)を合成させたような駆動指示をすると、図9((f)+(i))に示す合成ベクトルにより、右後輪1cRが反転し、右中輪1bRが小さい回転速度で反転し、左前輪1aL、左中輪1bL及び左後輪1cLがそれぞれ大きい回転速度で正転し、ロッカーボギー車10は右前輪1aRを基準として、時計回りに旋回(右前輪中心回転)する。
【0064】
図8の(m)に示すように、図8(f)と図8(j)を合成させたような駆動指示をすると、図9((f)+(j))に示す合成ベクトルにより、右前輪1aR、右中輪1bR及び右後輪1cRがそれぞれ大きい回転速度で正転し、左前輪1aLが反転し、左中輪1bLが小さい回転速度で反転し、ロッカーボギー車10は左後輪1cLを基準として、反時計回りに旋回(左後輪中心回転)する。
図8の(n)に示すように、図8(e)と図8(j)を合成させたような駆動指示をすると、図9((e)+(j))に示す合成ベクトルにより、右前輪1aR、右中輪1bR及び右後輪1cRがそれぞれ大きい回転速度で正転し、左後輪1cLが反転し、左中輪1bLが小さい回転速度で反転し、ロッカーボギー車10は左前輪1aLを基準として、反時計回りに旋回(左前輪中心回転)する。
【0065】
ロッカーボギー車10の操舵手段では、操舵パラメータとして、方向、速度及び回転等が定義される。
実施形態1における式(9)から、各車輪への走行速度、走行角度及び回転指令等が展開される。
これらの操舵パラメータは、使用するホイールを駆動するモータに対して、サーボモータに対する指令値、速度指令、電流指令及び電圧指令等によって、駆動指示を与える。
本実施形態では、ホイールを駆動するモータの駆動方式及びその制御回路は、特定の形態に限定されるものではなく、適宜選択すればよい。
【0066】
本実施形態によれば、前輪及び後輪はメカナムホイール(登録商標)とし、中輪はオムニホイール(登録商標)とし、それぞれの車輪を所定の回転方向に駆動することで、前進、後進、右横行、左横行、前進右斜行、前進左斜行、後進右斜行、後進左斜行、右スピンターン、左スピンターン、右後輪中心回転、右前輪中心回転、左後輪中心回転及び左前輪中心回転等の多様な走行が可能となる。
【0067】
図10は、本実施形態に係るロッカーボギー車10が特殊な形態の段差を有する走行面を踏破する際の動作を示す図である。
図10に示す走行面の段差は連続的であり、踏面が狭く、ロッカーボギー車10が方向転換して次の段差面に向かい、段差面に垂直に再度向き直すことが困難な踏み面である。
【0068】
本実施形態に係るロッカーボギー車10は、前輪1a及び後輪1cにメカナムホイール(登録商標)を備え、中輪1bにオムニホイール(登録商標)を備え、図10に示す走行面の段差を踏破可能である。
このような構成とし、図8に示す(c)及び(d)のように駆動制御すると、ロッカーボギー車を横行させることができる。
図10に示すように、本実施形態に係るロッカーボギー車10は、前進して段差を検出すると、前輪を振り上げ、段差に前輪を掛けた状態で前輪及び後輪を所定方向に回転させて横行を行う。
そして、ロッカーボギー車10は、次の段差のある位置まで横行移動した後に、中輪及び後輪も段差に乗り上げることで段差を踏破し、次の段差を検出するまで、前進する。
その後、ロッカーボギー車10は、再び、次の段差を検出すると、前輪を振り上げ、段差に前輪を掛けた状態で前輪及び後輪を所定方向に回転させて横行を行う。
本実施形態に係るロッカーボギー車10は、このようにして、段差方向が前進方向でない階段状の段差においては横行により効率的な段差踏破を可能とする。
【0069】
本実施形態によれば、上述のように所定の駆動を行うことで、特殊な形態の段差も踏破可能であり、効率的な段差踏破が可能となる。
【0070】
次に、ロッカーボギー車の操舵手段について説明する。
本実施形態に係るロッカーボギー車10は、車体に搭載されたコンピュータによる自律的な制御で、各車輪の回転速度制御を独立に行い、車体の走行性能を管理する。
更には、本実施形態に係るロッカーボギー車10は、車体に搭載されたコンピュータに対する、リアルタイムの人為的な操作により自律的な走行を実現することもできる。
【0071】
図11は、本実施形態に係るロッカーボギー車10の操舵手段を示す図である。
図11に示す操舵手段には、2つのアナログジョイスティックが搭載されている。
2つのアナログジョイスティックのうちの一方である左スティックは、前後、左右、右斜め前、左斜め前、右斜め後及び左斜め後等の方向への操舵を実現する。
2つのアナログジョイスティックのうちの他方である右スティックは、右スピンターン及び左スピンターンの操舵を実現する。
また、図11に示す操舵手段であるアナログジョイスティックでは、動作の方向、速度、強さ及び大きさ等を制御することができる。
例えば、アナログジョイスティックの傾倒角度を深くするほど、傾倒方向への移動を速くするように設定することができる。
【0072】
なお、本実施形態に係るロッカーボギー車10の操舵手段は、図11に示すものに限定されず、例えば、コンピューターゲーム機のコントローラの形態であってもよい。
【0073】
本実施形態によれば、2つのアナログジョイスティックを搭載した操舵手段により、高い操作性でロッカーボギー車を走行させることができる。
【0074】
また、本実施形態に係るロッカーボギー車は、自律走行と遠隔走行とを切り替え可能である。
自律走行は、車体に搭載されたコンピュータによる自律的な制御により、各車輪に回転速度制御等を行うことで、車体の走行性能を管理する、自立制御される走行モードである。
遠隔走行は、車体外の操舵手段が、例えば、シリアルケーブル通信、無線通信、公衆回線無線通信等を経由した情報伝達が可能な制御手段を備え、当該操舵手段からの情報により各車輪に対する回転速度の制御等が行われ、車体の走行性能を遠隔で管理する、遠隔操作される走行モードである。
このようなモードの切り替えは、図11に示すように、操舵手段に対し、選択スイッチ又はスライドスイッチ等の選択スイッチを搭載することで実現することができる。
【0075】
図12は、本実施形態における走行モードの切り替えを示す図である。
図12に示すように、モード切り替え処理によって、遠隔操作又は自立制御のいずれかの走行モードが選択される。
遠隔操作手順が選択されると、遠隔操作手段からの通信システムからのシリアル入力は行われ、アナログ座標は極座標に変換される。
自立制御によりシリアル入力が選択されると、ロッカーボギー車10内の図示しない自立走行処理部から制御コマンドをシリアル入力し、シリアルバッファは極座標に変換される。
いずれの走行モードにおいても極座標は直行座標に変換され、直交座標はサーボ回転速度に演算され、サーボ回転速度はサーボ送信され、各サーボモータへ速度が送信される。
図12に示すように、走行モードの選択分岐処理を行うことにより、本実施形態に係るロッカーボギー車10は、自律走行と遠隔走行とを切り替えることができる。
【0076】
遠隔操作においては、遠隔操作手段から、例えばアナログジョイスティック操作機構を有する装置からのBluetooth(登録商標)等の無線通信、公衆回線通信等のシリアル通信経由でアナログ座標情報が送信され、アナログ座標情報が極座標に変換され、その後、極座標が直交座標に変換されることにより、回転速度を演算して、各車輪への走行指令を送り、車体の走行が管理される。
【0077】
自律制御では、車体内に搭載したセンサーの情報及びコンピュータ処理等で得られた情報が極座標に変換され、その後、極座標が直交座標に変換されることにより、回転速度を演算して、各車輪に走行指令が送られ、車体の走行が管理される。
【0078】
本実施形態によれば、ロッカーボギー車10の走行モードについて、自律走行と遠隔走行とを切り替え可能となる。
【0079】
なお、本実施形態では、6輪のロッカーボギー車を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、8輪以上のロッカーボギー車も本発明に含まれるものとする。
すなわち、ボギーリンク2の進行方向側の一端に取り付けられた前輪が2つ以上のメカナムホイールである形態も本発明に含まれるものとする。
また、ボギーリンク2の他端に取り付けられた中輪が2つ以上のオムニホイールである形態も本発明に含まれるものとする。
また、ロッカーボギー車の進行方向とは逆側の一端に取り付けられた後輪が2つ以上のメカナムホイールである形態も本発明に含まれるものとする。
更には、両側の各々に第1のボギーリンク及び第2のボギーリンクを備え、第1のボギーリンクが、前輪、ボギーリンク及び中輪を備え、第2のボギーリンクが、中輪、ボギーリンク及び後輪を備えるロッカーボギー車も本発明に含まれるものとする。
【0080】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、上述の構成に対して、構成要素の付加、削除又は転換を行った様々な変形例も含むものとする。
【符号の説明】
【0081】
1a 前輪
1aR 右前輪
1aL 左前輪
1b 中輪
1bR 右中輪
1bL 左中輪
1c 後輪
1cR 右後輪
1cL 左後輪
2 ボギーリンク
2R 右ボギーリンク
2L 左ボギーリンク
3R 右ロッカーリンク
3L 左ロッカーリンク
5 台車
10 ロッカーボギー車
14,14R,14L,15,15R,15L,16,16R,16L モータ
17 リンク角モータ
17R 右リンク角モータ
17L 左リンク角モータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12