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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/14 20060101AFI20250212BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
B65G1/14 E
B65G1/04 555A
B65G1/04 521
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021167949
(22)【出願日】2021-10-13
(65)【公開番号】P2023058150
(43)【公開日】2023-04-25
【審査請求日】2023-12-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 豊
(72)【発明者】
【氏名】堂場 直樹
(72)【発明者】
【氏名】上田 信
(72)【発明者】
【氏名】黒木 哲也
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-029345(JP,A)
【文献】特開2000-289816(JP,A)
【文献】特開2006-206270(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0072391(US,A1)
【文献】特開2007-159948(JP,A)
【文献】登録実用新案第3155536(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00-1/133
1/14-1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って延在するレールと、前記レールに沿って走行して物品を搬送する搬送車と、上下方向に沿って延在する支柱と、前記上下方向に沿う上下方向視で前記第1方向に交差する第2方向に沿って延在し、前記支柱に連結されて前記レールを支持する支持梁と、を備えた物品搬送設備であって、
前記支柱は、側面に形成された係止孔を備え、
前記支持梁は、前記第2方向に沿って延在するように形成された梁本体と、前記支柱に取り付けられる取付部材と、前記梁本体に固定されており前記レールを支持する、前記取付部材とは別体の支持部材と、を備え、
前記取付部材は、前記梁本体の前記第2方向の端縁に固定された第1固定部と、前記支柱の側面に当接する第1当接部と、前記第1当接部に形成された係止爪と、を備え、
前記支持部材は、前記梁本体に固定された第2固定部と、前記レールに当接して前記レールを支持する支持部と、前記支持部とは異なる位置に設けられた第1貫通孔と、を備え、
前記係止爪が前記係止孔に係止することで前記取付部材が前記支柱に取り付けられるとともに、前記第1貫通孔に挿通配置される第1結着部材によって前記支持部材と前記支柱とが結着されることにより、前記支持梁と前記支柱とが連結されている、物品搬送設備。
【請求項2】
前記支持部材は、前記取付部材に対して上側の位置において前記支柱の側面に当接する第2当接部をさらに備え、
前記第1貫通孔が、前記第2当接部に設けられている、請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記支持部材は、前記梁本体における前記第1方向の一方側を向く面に当接する第3当接部をさらに備え、
前記第2固定部は、前記第3当接部に設けられた第2貫通孔を備え、
前記第2貫通孔に貫通配置される第2結着部材によって前記第3当接部と前記梁本体とが結着されることにより、前記支持部材と前記梁本体とが固定されている、請求項1又は2に記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記支持部材は、前記第2固定部から上側に延在するように形成された延出部をさらに備え、
前記延出部に対して、前記支持部と前記第1貫通孔とが、前記第2方向の一方側と他方側とに分かれて配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記支持部材における、前記第2固定部と、前記第1貫通孔が形成されている部分と、これらを接続する部分とが、平板状に形成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項6】
前記第2方向に沿って延在する第2レールと、前記搬送車を搭載して前記第2レールに沿って走行する第2搬送車と、前記第1方向に沿って延在し、前記支柱に連結されて前記第2レールを支持する第2支持梁と、をさらに備え、
前記第2搬送車は、前記搬送車が走行する車内レールを備え、
前記第2搬送車が前記第2レール上における規定位置に停止した状態で、前記車内レールと前記レールとが連続する位置関係となる、請求項1から5のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項7】
前記第2方向に沿って複数の前記支柱が設けられ、
前記第2方向に隣り合う一対の前記支柱どうしの間に前記支持梁が設けられている、請求項1から6のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項8】
前記レールは、前記搬送車の走行輪が転動する走行面部を有し、
前記第1貫通孔が、前記走行面部よりも上側の位置に設けられている、請求項1から7のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項9】
前記支持部材は、前記取付部材に対して上側の位置において前記支柱の側面に当接する第2当接部をさらに備え、
前記第1貫通孔が、前記第2当接部に設けられており、
前記第1貫通孔を有する前記第2当接部が、前記走行面部よりも上側の位置に設けられている、請求項8に記載の物品搬送設備。
【請求項10】
前記取付部材及び前記支持部材が、前記第2方向に離間した状態で、前記梁本体に固定されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項11】
第1方向に沿って延在するレールと、前記レールに沿って走行して物品を搬送する搬送車と、上下方向に沿って延在する支柱と、前記上下方向に沿う上下方向視で前記第1方向に交差する第2方向に沿って延在し、前記支柱に連結されて前記レールを支持する支持梁と、を備えた物品搬送設備であって、
前記支柱は、側面に形成された被係止部を備え、
前記支持梁は、前記第2方向に沿って延在するように形成された梁本体と、前記支柱に取り付けられる取付部材と、前記梁本体に固定されており前記レールを支持する支持部材と、を備え、
前記取付部材は、前記梁本体の前記第2方向の端縁に固定された第1固定部と、前記支柱の側面に当接する第1当接部と、前記第1当接部に形成された係止部と、を備え、
前記支持部材は、前記梁本体に固定された第2固定部と、前記レールに当接して前記レールを支持する支持部と、前記支持部とは異なる位置に設けられた第1貫通孔と、を備え、
前記係止部が前記被係止部に係止することで前記取付部材が前記支柱に取り付けられるとともに、前記第1貫通孔に挿通配置される第1結着部材によって前記支持部材と前記支柱とが結着されることにより、前記支持梁と前記支柱とが連結されており、
前記レールは、前記搬送車の走行輪が転動する走行面部を有し、
前記支持部材は、前記取付部材に対して上側の位置において前記支柱の側面に当接する第2当接部をさらに備え、
前記第1貫通孔が、前記第2当接部に設けられており、
前記第1貫通孔を有する前記第2当接部が、前記走行面部よりも上側の位置に設けられている、物品搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
レールに沿って走行して物品を搬送する搬送車を備えた物品搬送設備が利用されている。このような物品搬送設備の一例が、特開2019-119585号公報(特許文献1)に開示されている。
【0003】
特許文献1の物品搬送設備は、搬送台車12を備え、この搬送台車12は、第一走行レール13に沿って走行する親台車18と、親台車18に搭載可能な子台車19とを備えている。また、この物品搬送設備では、物品Wを収納する収納棚11が設けられている。親台車18は、子台車19を搭載した状態で第一走行レール13に沿って走行し、その後、親台車18から分離した子台車19が、第二走行レール14に沿って走行して収納棚11に物品Wを移載する。
【0004】
また、物品搬送設備は、上下方向に沿って延在する支柱39を備えている。特許文献1には明示はされていないが、第一走行レール13及び第二走行レール14は、強度の点から、支柱39に連結される支持梁を介して間接的に支柱39に支持されていると考えられる。
【0005】
ところで、物品搬送設備は、部品毎に製造・出荷した上で、現場において各部品を組み立てて完成させる場合が多く、支柱と支持梁との連結は簡単に行えることが望ましい。しかも、簡単に連結できるものでありながら、十分な強度が確保されることが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-119585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、十分な強度を確保しながら、支柱と支持梁とを簡単に連結することができる物品搬送設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る物品搬送設備は、
第1方向に沿って延在するレールと、前記レールに沿って走行して物品を搬送する搬送車と、上下方向に沿って延在する支柱と、前記上下方向に沿う上下方向視で前記第1方向に交差する第2方向に沿って延在し、前記支柱に連結されて前記レールを支持する支持梁と、を備えた物品搬送設備であって、
前記支柱は、側面に形成された係止孔を備え、
前記支持梁は、前記第2方向に沿って延在するように形成された梁本体と、前記支柱に取り付けられる取付部材と、前記梁本体に固定されており前記レールを支持する、前記取付部材とは別体の支持部材と、を備え、
前記取付部材は、前記梁本体の前記第2方向の端縁に固定された第1固定部と、前記支柱の側面に当接する第1当接部と、前記第1当接部に形成された係止爪と、を備え、
前記支持部材は、前記梁本体に固定された第2固定部と、前記レールに当接して前記レールを支持する支持部と、前記支持部とは異なる位置に設けられた第1貫通孔と、を備え、
前記係止爪が前記係止孔に係止することで前記取付部材が前記支柱に取り付けられるとともに、前記第1貫通孔に挿通配置される第1結着部材によって前記支持部材と前記支柱とが結着されることにより、前記支持梁と前記支柱とが連結されている。
【0009】
この構成によれば、係止による取付部材の支柱への取り付けと、第1結着部材による支持部材の支柱への結着との両方を併用することにより、支持梁と支柱との連結部分における強度と施工性とを両立することができる。例えば係止だけで連結する場合に比べて、第1結着部材による結着があることで、梁本体に作用する荷重に対する強度を高めることができる。また、第1結着部材だけで連結する場合に比べて、係止による連結箇所がある分だけ第1結着部材の数を減らすことができ、組み付けの手間を削減することができる。このように、本構成の物品搬送設備によれば、十分な強度を確保しながら、支柱と支持梁とを簡単に連結することができる。
【0010】
本開示に係るもう1つの物品搬送設備は、
第1方向に沿って延在するレールと、前記レールに沿って走行して物品を搬送する搬送車と、上下方向に沿って延在する支柱と、前記上下方向に沿う上下方向視で前記第1方向に交差する第2方向に沿って延在し、前記支柱に連結されて前記レールを支持する支持梁と、を備えた物品搬送設備であって、
前記支柱は、側面に形成された被係止部を備え、
前記支持梁は、前記第2方向に沿って延在するように形成された梁本体と、前記支柱に取り付けられる取付部材と、前記梁本体に固定されており前記レールを支持する支持部材と、を備え、
前記取付部材は、前記梁本体の前記第2方向の端縁に固定された第1固定部と、前記支柱の側面に当接する第1当接部と、前記第1当接部に形成された係止部と、を備え、
前記支持部材は、前記梁本体に固定された第2固定部と、前記レールに当接して前記レールを支持する支持部と、前記支持部とは異なる位置に設けられた第1貫通孔と、を備え、
前記係止部が前記被係止部に係止することで前記取付部材が前記支柱に取り付けられるとともに、前記第1貫通孔に挿通配置される第1結着部材によって前記支持部材と前記支柱とが結着されることにより、前記支持梁と前記支柱とが連結されており、
前記レールは、前記搬送車の走行輪が転動する走行面部を有し、
前記支持部材は、前記取付部材に対して上側の位置において前記支柱の側面に当接する第2当接部をさらに備え、
前記第1貫通孔が、前記第2当接部に設けられており、
前記第1貫通孔を有する前記第2当接部が、前記走行面部よりも上側の位置に設けられている。
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】物品搬送設備の平面図
図2】物品搬送車の斜視図
図3】物品搬送設備の一部の縦断正面図
図4】物品搬送設備の一部の縦断側面図
図5】第2支持梁の一部の分解斜視図
図6】支柱と第2支持梁と第2走行レールとの連結箇所の分解斜視図
図7】支柱と第2支持梁と第2走行レールとの連結箇所の斜視図
図8】別態様の支持梁の一部の斜視図
図9】別態様の支持梁の一部の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
物品搬送設備の実施形態について、図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態の物品搬送設備1は、支柱2と、支柱2に固定された第1走行レール4と、支柱2に固定された第2走行レール7と、第1走行レール4及び第2走行レール7に沿って走行して物品Wを搬送する物品搬送車8とを備えている。また、図3及び図4に示すように、物品搬送設備1は、支柱2に連結されて第1走行レール4を支持する第1梁ユニット3と、支柱2に連結されて第2走行レール7を支持する第2梁ユニット5とを備えている。
【0013】
支柱2、第1走行レール4、及び第2走行レール7は、互いに交差する方向に沿って延在している。以下の説明では、支柱2の延在方向を「Z方向」と称し、Z方向に交差(本例では直交)する第1走行レール4の延在方向を「X方向」と称し、Z方向及びX方向の両方に交差(本例では直交)する第2走行レール7の延在方向を「Y方向」と称する。なお、本例では、Z方向が上下方向(鉛直方向)であり、X方向及びX方向が互いに交差(本例では直交)する水平方向である。
【0014】
本実施形態では、X方向が「第2方向」に相当し、Y方向が「第1方向」に相当し、Z方向が「上下方向」に相当する。
【0015】
また、物品搬送設備1は、物品Wを収納する収納棚90を備えている。本実施形態では、収納棚90は、第1走行レール4に対してY方向の両側にそれぞれ設けられている。収納棚90は、複数の収納部91を有している。個々の収納部91は、Y方向に沿って複数の物品Wを収納可能に構成されている。複数の収納部91は、X方向に並ぶ状態で設けられている。本実施形態では、収納部91は、支柱2及び第2走行レール7を利用して構成されている。具体的には、支柱2に支持された第2走行レール7に、物品Wが載置可能な載置面部71が形成されており、X方向に隣接して互いに向かい合う一対の第2走行レール7の載置面部71により、収納部91が構成されている。
【0016】
なお、物品Wとしては、例えば荷Wbが載せられた状態のパレットWaや、空の(荷Wbが載せられていない状態の)パレットWaが例示される。もちろん、これ以外のものを物品Wとして搬送対象としても良い。
【0017】
図1及び図2に示すように、物品搬送車8は、親子台車で構成されている。物品搬送車8は、X方向に沿って第1走行レール4上を走行する親台車8Aと、Y方向に沿って第2走行レール7上を走行する子台車8Bとを備えている。親台車8Aは、子台車8Bを搭載した状態で第1走行レール4に沿って走行可能に構成されている。子台車8Bは、親台車8Aに搭載された状態でX方向に移動可能であるとともに、親台車8Aから分離した状態でY方向に走行可能に構成されている。
【0018】
本実施形態では、親台車8Aが「第2搬送車」に相当し、子台車8Bが「搬送車」に相当する。また、第1走行レール4が「第2レール」に相当し、第2走行レール7が「レール」に相当する。
【0019】
親台車8Aは、台車本体81と、走行輪82とを備えている。走行輪82は第1走行レール4を構成するレール本体41の走行面部41a上を転動する。走行輪82が電動モータ等の駆動装置により回転駆動されることで、親台車8Aが第1走行レール4に沿って走行する。台車本体81には、Y方向に沿う車内レール83が設けられている。この車内レール83に子台車8Bが搭載可能であるとともに、子台車8Bが車内レール83上を走行可能となっている。
【0020】
子台車8Bは、台車本体86と、走行輪87(図4を参照)とを備えている。走行輪87は第2走行レール7の走行面部74上を転動する。走行輪87が電動モータ等の駆動装置により回転駆動されることで、子台車8Bが第2走行レール7に沿って走行する。また、走行輪87は親台車8Aの車内レール83上を転動する。走行輪87が回転駆動されることで、子台車8Bが車内レール83に沿って走行する。なお、親台車8Aが第1走行レール4上における規定位置に停止した状態で、車内レール83と第2走行レール7とが連続する位置関係となり、子台車8Bは車内レール83と第2走行レール7とを乗り移って走行可能となる。
【0021】
また、子台車8Bは、物品Wを支持する支持面部88を備えている。支持面部88は、本実施形態において収納部91を構成している第2走行レール7の載置面部71よりも上側の上昇位置と、載置面部71よりも下側の下降位置との間で、昇降可能に構成されている。子台車8Bが第2走行レール7上にある状態で、支持面部88を上昇位置から下降位置に下降させることで、支持面部88で支持していた物品Wを載置面部71に移載して収納部91に収納することができる。また、子台車8Bが第2走行レール7上にある状態で、支持面部88を下降位置から上昇位置に上昇させることで、収納部91に収納されていた物品Wを支持面部88によって載置面部71から持ち上げて当該物品Wを支持面部88によって支持することができる。
【0022】
収納棚90に入庫する物品Wは、外部から入庫部92に搬入される。物品搬送車8は、収納棚90に入庫する物品Wを入庫部92から収納棚90(具体的には、収納部91)に搬送する。このとき、まず、親台車8Aに搭載された子台車8Bに、入庫部92から物品Wが移載される。次に、子台車8Bを搭載した親台車8Aを、目的の収納部91及びその第2走行レール7に対応する位置まで走行させる。次に、子台車8Bの支持面部88を上昇させて子台車8Bによって物品Wを支持した状態で、子台車8Bを車内レール83から第2走行レール7に乗り移らせ、物品Wを収納する位置まで子台車8Bを走行させる。その後、支持面部88を下降させて一対の第2走行レール7(載置面部71)上に物品Wを載置させ、当該物品Wを収納部91に収納する。
【0023】
収納棚90から出庫する物品Wは、出庫部93から外部に搬出される。物品搬送車8は、収納棚90から出庫する物品Wを収納棚90(具体的には、収納部91)から出庫部93に搬送する。このとき、まず、子台車8Bを出庫対象の物品Wの直下に移動させた後、子台車8Bの支持面部88を上昇させて子台車8Bによって物品Wを支持する。次に、子台車8Bを親台車8Aまで移動させる。次に、子台車8Bを搭載した親台車8Aを出庫部93に対応する位置まで走行させる。その後、子台車8Bから出庫部93に物品Wが移載される。
【0024】
物品搬送車8(親台車8A及び子台車8B)の軌道を構成する第1走行レール4及び第2走行レール7は、それぞれ第1梁ユニット3及び第2梁ユニット5を介して支柱2に連結されることで、支柱2に支持されている。本実施形態では、第1梁ユニット3が「第2支持梁」に相当し、第2梁ユニット5が「第1支持梁」に相当する。
【0025】
物品搬送設備1は、複数の支柱2を備えている。支柱2は、X方向及びY方向の複数箇所に配置されている。具体的には、支柱2は、X方向に並ぶように複数配置されているとともに、Y方向に並ぶように複数配置されている。それぞれの支柱2は、床部に立設されており、Z方向に沿って延在している。支柱2としては、例えばリップ溝形鋼等の形鋼を用いることができる。
【0026】
図4及び図6に示すように、支柱2は、Y方向を向く第1側面2aと、その両側でそれぞれX方向を向く第2側面2b及び第3側面2cとを有する。支柱2の第1側面2aには、係止孔21と貫通孔22とが形成されている。係止孔21は、X方向及びZ方向に並ぶように複数設けられている。貫通孔22は、係止孔21よりも上側に設けられている。本実施形態では、第1側面2aが「側面」に相当し、係止孔21が「被係止部」に相当する。
【0027】
図3に示すように、Y方向に並ぶ複数の支柱2に亘って、第1梁ユニット3が連結されている。図3及び図4に示すように、第1梁ユニット3は、Y方向に沿って延在する第1梁本体31と、支柱2と第1梁本体31とを連結するための下方連結部材32及び側方連結部材33とを備えている。第1梁本体31は、Y方向に並ぶ一対の支柱2間に亘って配置されている。第1梁本体31は、断面形状が矩形の筒状に形成されている。第1梁本体31としては、例えば角形鋼管等を用いることができる。
【0028】
下方連結部材32は、第1梁本体31の下面に固定されるとともに支柱2の第1側面2aに固定されることで、支柱2と第1梁本体31とを下側から連結している。側方連結部材33は、一対設けられている。一対の側方連結部材33の一方が第1梁本体31の一方の側面に固定されるとともに支柱2の第2側面2bに固定され、他方が第1梁本体31の他方の側面に固定されるとともに支柱2の第3側面2cに固定されることで、支柱2と第1梁本体31とを両側方から連結している。
【0029】
なお、第1梁ユニット3は、X方向の異なる位置に配置された、複数組の一対の支柱2に対してそれぞれ連結されている。これにより、Y方向に沿って延在して支柱2に連結される第1梁ユニット3が、X方向に沿って並ぶように複数設けられている。X方向に沿って並んだ複数の第1梁ユニット3は、X方向に沿って延在する第1走行レール4を下方から支持している。
【0030】
第1走行レール4は、第1梁ユニット3によって下方から支持され、X方向に沿って延在している。第1走行レール4は、X方向に沿って延在するレール本体41と、レール本体41と第1梁本体31とを連結するためのレール連結部材42とを備えている。レール本体41は、断面形状が矩形の筒状に形成されている。レール本体41の上面は、走行面部41aとなっている。この走行面部41a上を親台車8Aの走行輪82が転動することで、親台車8Aが第1走行レール4に沿って走行する。レール連結部材42は、レール本体41に対してY方向の両側で、レール本体41の側面と第1梁本体31を構成する側方連結部材33とを連結している。
【0031】
図4に示すように、X方向に並ぶ複数の支柱2に亘って、第2梁ユニット5が連結されている。図4及び図5に示すように、第2梁ユニット5は、第2梁本体50と、取付部材55と、支持部材60とを備えている。
【0032】
第2梁本体50は、X方向に沿って延在するように形成されている。第2梁本体50は、X方向に並ぶ一対の支柱2間に亘って配置されている。第2梁本体50は、断面形状が矩形の筒状に形成されている。第2梁本体50としては、例えば角形鋼管等を用いることができる。図5に示すように、第2梁本体50は、上面50aと、下面50bと、Y方向を向く側面50cとを有している。第2梁本体50の側面50cは、支持部材60が当接する当接面となっている。第2梁本体50におけるX方向の端部側の領域の側面50cには、複数の貫通孔51が形成されている。本実施形態では、第2梁本体50が「梁本体」に相当する。
【0033】
取付部材55は、第2梁本体50に固定されているとともに、支柱2に取り付けられる。取付部材55としては、例えば山形鋼(L形アングル)を用いることができる。取付部材55は、支柱2のX方向を向く第2側面2bに当接する第1当接面部56と、支柱2のY方向を向く第1側面2aに当接する第2当接面部58とを備えている。第1当接面部56及び第2当接面部58はそれぞれ平板状であり、それぞれ支柱2の第2側面2b及び第1側面2aと全面的に接している。本実施形態では、第2当接面部58が「第1当接部」に相当する。
【0034】
また、取付部材55は、第1固定部57と、係止爪59とを備えている。第1固定部57は、第2梁本体50に固定された部位であり、第1当接面部56に設けられている。本実施形態では、取付部材55と第2梁本体50とは、取付部材55の表面と第2梁本体50のX方向の端縁とが溶接によって固定されており、第1固定部57は第2梁本体50の端縁に沿う溶接部として構成されている。なお、本例では、第1当接面部56における支柱2側を向く面とは反対側の面(表面)に第1固定部57が設けられている。
【0035】
係止爪59は、第2当接面部58に形成されている。係止爪59は、第2当接面部58を切り起して形成されている。係止爪59は、下方を向く爪部として形成されている。本実施形態では、複数の係止爪59が、Z方向に並んで配置されている。係止爪59は、支柱2の第1側面2a形成された係止孔21に挿通され、係止孔21の端縁に上方から係止する。本実施形態では、係止爪59が「係止部」に相当する。
【0036】
支持部材60は、第2梁本体50に固定されているとともに、第2走行レール7を支持している。支持部材60は、第3当接面部61と、延出部64と、第4当接面部65と、支持部67とを備えている。
【0037】
第3当接面部61は、第2梁本体50のY方向を向く側面50cに当接する。第3当接面部61は、平板状に形成されている。第3当接面部61には、第2梁本体50に固定される第2固定部62が設けられている。本実施形態では、第3当接面部61には複数の貫通孔63が設けられており、これらの貫通孔63を含んで第2固定部62が構成されている。第2梁本体50の側面50cに形成された複数の貫通孔51と、支持部材60の第3当接面部61に形成された複数の貫通孔63とは、互いに対応する位置関係にある。そして、複数の貫通孔51と複数の貫通孔63とがY方向視で重なった状態で、これらに貫通配置されるリベットRによって第3当接面部61と第2梁本体50とが鋲着されることにより、第2梁本体50と支持部材60とが固定されている。
【0038】
本実施形態では、第3当接面部61が「第3当接部」に相当し、その第3当接面部61に形成された貫通孔63が「第2貫通孔」に相当する。また、リベットRが「第2結着部材」に相当し、そのリベットRによる鋲着が、「結着」の一例である。
【0039】
なお、本実施形態では、第3当接面部61の下端部には、Y方向に折り曲げられた折曲片部61Aが設けられている。折曲片部61Aは、第3当接面部61の下端部の全域(X方向の全域)に亘って設けられている。本実施形態では、支持部材60は、折曲片部61Aの上面が第2梁本体50の下面50bに当接する状態で、第2梁本体50に固定されている。これにより、折曲片部61Aが、第2梁本体50に対して支持部材60を位置決めする機能を果たしている。
【0040】
延出部64は、第2固定部62が設けられている第3当接面部61から上側に延在するように形成されている。延出部64は、第3当接面部61から連続して形成されている。延出部64は、支持部材60の中央領域に設けられた平板状部であり、第2固定部62が設けられている第3当接面部61と、後述する貫通孔66が形成されている第4当接面部65とを接続している。すなわち、延出部64は、第3当接面部61と第4当接面部65とを接続する“接続部”でもある。
【0041】
第4当接面部65は、支柱2の第1側面2aに当接する。第4当接面部65は、取付部材55に対して上側の位置において、第1側面2aに当接する。図4及び図6に示すように、第4当接面部65は、異形の略矩形状の延出部64の上部から、X方向に突出するように形成されている。第4当接面部65は、板状に形成されている。本実施形態では、第3当接面部61と第4当接面部65とこれらを接続する延出部64とが、全体としても平板状に形成されている。すなわち、第3当接面部61、延出部64、及び第4当接面部65が、同一平面に沿って延在する板状に形成されている。
【0042】
第4当接面部65は、取付部材55に対して上側に離間した位置に設けられている。取付部材55に対する第4当接面部65の上側への離間距離は、特に限定されないが、例えばZ方向に隣接する2つの係止爪59間の間隔以上に設定することができる。或いは、例えば第2梁本体50のZ方向の寸法程度に設定することができる。
【0043】
第4当接面部65に、貫通孔66が設けられている。本実施形態では、略矩形状の第4当接面部65の中央部付近に、1つの貫通孔66が設けられている。この貫通孔66は、支柱2の第1側面2aに形成された係止孔21に取付部材55の係止爪59が係止した状態で、Y方向視で支柱2の第1側面2a形成された貫通孔22と重なる。本実施形態では、第4当接面部65が「第2当接部」に相当し、貫通孔66が「第1貫通孔」に相当する。
【0044】
支持部67は、第2走行レール7に当接して第2走行レール7を支持する部位である。支持部67は、X方向において、延出部64に対して貫通孔66が設けられた第4当接面部65とは反対側に設けられている。すなわち、延出部64に対して、第4当接面部65と支持部67とが、X方向の一方側と他方側とに分かれて配置されている。本実施形態の支持部67は、延出部64と一体的に形成されている。また、支持部67は、延出部64から連続して延びる部分をY方向に屈曲させて形成されている。本実施形態の支持部67は、複数の屈曲片部を備えており、具体的には第1屈曲片部67Aと第2屈曲片部67Bと第3屈曲片部67Cとを備えている。
【0045】
第1屈曲片部67Aは、延出部64の上部に接続されているとともに、X方向及びY方向に沿って延在するように配置されている。第2屈曲片部67Bは、延出部64における上側の隅部が矩形状に切り欠かれた部位に接続されているとともに、Z方向及びY方向に沿って延在するように配置されている。第2屈曲片部67Bには、貫通孔68が形成されている。本実施形態では、第2屈曲片部67Bには、複数(本例では2つ)の貫通孔68がZ方向に並んで形成されている。第3屈曲片部67Cは、第2屈曲片部67Bよりも下側において、延出部64の側部に接続されているとともに、Z方向及びY方向に沿って延在するように配置されている。
【0046】
なお、図5では、第2梁本体50のX方向の一方側の端部での第2梁本体50と支持部材60との連結関係を示しているが、X方向の他方側の端部でも同様に、第2梁本体50と支持部材60とが連結されている。このとき、図4に示すように、X方向の一方側に配置された支持部材60と、X方向の他方側に配置された支持部材60とは、X方向の中心位置における鉛直面に対して、互いに鏡対称となるように配置されている。
【0047】
図6に示すように、支柱2と第2梁ユニット5とは、係止爪59による係止とボルトBによる締結との組み合わせによって連結されている。具体的には、取付部材55に設けられた係止爪59が支柱2の第1側面2aに設けられた係止孔21に係止することで、取付部材55が支柱2に取り付けられる。また、その状態で、支持部材60の第4当接面部65に設けられた貫通孔66と支柱2の第1側面2aに設けられた貫通孔22とに挿通配置される第1ボルトB1によって支持部材60と支柱2とが締結される。なお、支持部材60及び支柱2の第1側面2aを挟んで第1ボルトB1とは反対側(本例では支柱2の裏面側)に、ナットNが配置されており、第1ボルトB1が当該ナットNに螺合した状態で、支柱2と支持部材60とが固定されている。これにより、支柱2と第2梁ユニット5とが連結されている。
【0048】
本実施形態では、第1ボルトB1が「第1結着部材」に相当し、その第1ボルトB1とそれに螺合するナットNによる締結が、「結着」の一例である。
【0049】
このように、係止爪59による係止とボルトBによる締結との組み合わせによって支柱2と第2梁ユニット5とを連結することで、支柱2と第2梁ユニット5との連結部分における強度と施工性とを両立することができる。例えば係止爪59による係止だけで連結する場合に比べて、ボルトBによる締結があることで、第2梁本体50に作用する荷重に対する強度を高めることができる。また、ボルトBによる締結だけで連結する場合に比べて、係止爪59による係止による連結箇所がある分だけ締結箇所を減らすことができ、組み付けの手間を削減することができる。さらに、係止爪59による係止とボルトBによる締結との組み合わせによって支柱2と第2梁ユニット5とを連結していること、及び、リベットRによって鋲着されることにより支持部材60と第2梁本体50とが固定されていることにより、溶接箇所を減らすことができ、製造コストを低減することができる。このように、本実施形態の物品搬送設備1によれば、低コストに、十分な強度を確保しながら、支柱2と第2梁ユニット5とを簡単に連結することができる。
【0050】
また、本実施形態のように、第4当接面部65を取付部材55に対して上側に離間した位置に設けていると、第2梁本体50に作用するモーメント荷重に対する耐力がより大きくなり、強度をさらに高めることができる。取付部材55に対する第4当接面部65(貫通孔66)の上側への離間距離は、大きくなるに従ってモーメント荷重に対する耐力がより大きくなるので好ましい。一方で、第4当接面部65(貫通孔66)を上側に離間させ過ぎると支持部材60が過度に縦長形状となってしまい、全体としての強度が低下する可能性がある。これらを考慮して、両者が適度にバランスするように、取付部材55に対する第4当接面部65(貫通孔66)の上側への離間距離が、適正な大きさに設定されている。
【0051】
また本実施形態では、支柱2と第2梁ユニット5とは、支柱2の第1側面2aと取付部材55の第2当接面部58の内面(支柱2側を向く面)とが当接し、かつ、支柱2の第2側面2bと取付部材55の第1当接面部56の内面(支柱2側を向く面)とが当接する状態で連結されている。支柱2の第1側面2aと第2当接面部58だけでなく、支柱2の第2側面2bと第1当接面部56もが隙間なく当接することで、第2梁本体50に作用するモーメント荷重に対する耐力をより大きくすることができる。従って、支柱2と第2梁ユニット5との連結部分における強度をさらに高めることができる。
【0052】
なお、第2梁ユニット5は、Y方向の異なる位置に配置された、複数組の一対の支柱2に対してそれぞれ連結されている。これにより、X方向に沿って延在して支柱2に連結される第2梁ユニット5が、Y方向に沿って並ぶように複数設けられている。Y方向に沿って並んだ複数の第2梁ユニット5は、Y方向に沿って延在する第2走行レール7を下方から支持している。
【0053】
第2梁ユニット5によって支持される第2走行レール7は、図6に示すように、薄板状の鋼材を階段状に屈曲形成して構成されている。第2走行レール7は、Y方向に沿って延在するように形成されている。第2走行レール7は、載置面部71と、走行面部74と、これらを連結する連結部72とを備えている。上述したように、載置面部71は物品Wが載置される部位であり、第2走行レール7の一部を構成しつつ、収納部91を構成する部位を兼ねている。また、走行面部74は、子台車8Bの走行輪87が転動する部位であり、子台車8Bの軌道となっている。走行面部74は、載置面部71よりも下方に配置されている。
【0054】
連結部72は、載置面部71と走行面部74とをZ方向に連結している。連結部72におけるY方向の端部には、貫通孔73が形成されている。本実施形態では、連結部72には、複数(本例では2つ)の貫通孔68がZ方向に並んで形成されている。支持部材60の第2屈曲片部67Bに形成された複数の貫通孔68と、連結部72に形成された複数の貫通孔73とは、互いに対応する位置関係にある。そして、複数の貫通孔68と複数の貫通孔73とがX方向視で重なった状態で、これらに貫通配置されるボルトB(ここでは、2つの第2ボルトB2)によって第2屈曲片部67Bと連結部72とが締結されることにより、支持部材60と第2走行レール7とが固定されている。
【0055】
なお、第2屈曲片部67B及び連結部72を挟んで第1ボルトB1とは反対側(本例では連結部72の裏面側)に、ナットNが配置されており、第1ボルトB1が当該ナットNに螺合した状態で、支持部材60と第2走行レール7とが固定されている。このとき、図7に示すように、支持部材60の支持部67は、第1屈曲片部67Aがその上面で下方から載置面部71に当接するとともに、第3屈曲片部67Cがその上端縁で下方から走行面部74に当接する状態で、第2走行レール7を支持している。
【0056】
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、第4当接面部65が取付部材55に対して上側に離間した位置に設けられている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば図8に示すように、第4当接面部65と取付部材55とが離間することなく、第4当接面部65が取付部材55の直上の位置に設けられても良い。この場合において、取付部材55(ここでは第2当接面部58)の上端部と第4当接面部65の下端部とは、互いに接していても良いし、僅かな隙間を有して隣接して配置されていても良い。なお、図8の例では、第4当接面部65には複数(具体的には2つ)の貫通孔66がZ方向に並んで形成されている。また、同図の例では、支持部材60の支持部67は、2つの屈曲片部(第2屈曲片部67B,第4屈曲片部67D)で構成されている。第4屈曲片部67Dは、第3当接面部61の上部からX方向及びY方向に沿って延在するように配置されている。この第4屈曲片部67Dは、その上面で、第2走行レール7の走行面部74を下方から支持する。
【0057】
(2)上記の実施形態では、支持部材60の第4当接面部65と支柱2の第1側面2aとがボルトB(第1ボルトB1)によって締結されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば支持部材60の第4当接面部65と支柱2の第1側面2aとがリベットRで鋲着されても良い。この場合、そのリベットRが「第1結着部材」に相当する。
【0058】
(3)上記の実施形態では、第2梁本体50の側面50cと支持部材60の第3当接面部61とがリベットRによって鋲着されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば第2梁本体50の側面50cと支持部材60の第3当接面部61とがボルトBによって締結されても良い。この場合、そのボルトBが「第2結着部材」に相当する。或いは、第2梁本体50と支持部材60とが例えば溶接等の他の接合方法によって連結されても良い。
【0059】
(4)上記の実施形態では、第2梁本体50と支持部材60とが、第2梁本体50の側面50cと支持部材60の第3当接面部61とが当接する状態で固定されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば図9に示すように、第2梁本体50と支持部材60とが、第2梁本体50の上面50aと支持部材60の折曲片部61Aとが当接する状態で固定されても良い。第2梁本体50の上面50aと支持部材60の折曲片部61Aとの連結は、例えばボルトBによる締結、リベットRによる鋲着、及び溶接等、各種の手段によって行うことができる。
【0060】
(5)上記の実施形態では、支持部材60を構成する、第3当接面部61と延出部64と第4当接面部65とが、全体として平板状に形成されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、これらの一部が他の部位に対して交差するように屈曲して形成されても良い。例えば、第3当接面部61と延出部64とが平板状に形成され、これらに対して第4当接面部65がY方向に屈曲されて形成されても良い。この場合、支持部材60の第4当接面部65は支柱の第2側面2bに当接することになり、当該第2側面2bが「側面」に相当することになる。
【0061】
(6)上記の実施形態では、支柱2の第1側面2aに「被係止部」としての係止孔21が設けられ、取付部材55の第2当接面部58に「係止部」としての係止爪59が設けられている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば支柱2の第1側面2aに「被係止部」としての係止爪が設けられ、取付部材55の第2当接面部58に「係止部」としての係止孔が設けられても良い。また、係止爪と係止孔との組み合わせに限らず、例えばフック部と軸部との組み合わせ等、他の手段によって「係止部」及び「被係止部」が構成されても良い。
【0062】
(7)上記の実施形態において説明するとともに図面に示した各部品の具体的形状はあくまで一例に過ぎない。各部品の形状は、同等の機能を発揮し得るものであれば、適宜変更することができる。
【0063】
(8)上記の実施形態では、X方向とY方向とZ方向とが互いに直交する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、X方向、Y方向、及びZ方向のうちのいずれかが、残余の2方向に対して非直角に(すなわち、90°以外の角度で)交差しても良い。或いは、X方向とY方向とZ方向とが互いに非直角に交差しても良い。
【0064】
(9)上記の実施形態では、支柱2と第2梁ユニット5との連結箇所に本開示の技術を適用した例について説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば支柱2と第1梁ユニット3との連結箇所に、本開示の技術を適用しても良い。また、上記の実施形態のように親子台車で構成された物品搬送車8を備える物品搬送設備1に限らず、単純に往復走行する台車で構成された物品搬送車8を備える物品搬送設備1において、支柱2と梁ユニットとの連結箇所に、本開示の技術を適用しても良い。
【0065】
(10)上述した各実施形態(上記の実施形態及びその他の実施形態を含む;以下同様)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【0066】
〔実施形態の概要〕
以上をまとめると、本開示に係る物品搬送設備は、好適には、以下の各構成を備える。
【0067】
第1方向に沿って延在するレールと、前記レールに沿って走行して物品を搬送する搬送車と、上下方向に沿って延在する支柱と、前記上下方向に沿う上下方向視で前記第1方向に交差する第2方向に沿って延在し、前記支柱に連結されて前記レールを支持する支持梁と、を備えた物品搬送設備であって、
前記支柱は、側面に形成された被係止部を備え、
前記支持梁は、前記第2方向に沿って延在するように形成された梁本体と、前記支柱に取り付けられる取付部材と、前記梁本体に固定されており前記レールを支持する支持部材と、を備え、
前記取付部材は、前記梁本体に固定された第1固定部と、前記支柱の側面に当接する第1当接部と、前記第1当接部に形成された係止部と、を備え、
前記支持部材は、前記梁本体に固定された第2固定部と、前記レールに当接して前記レールを支持する支持部と、前記支持部とは異なる位置に設けられた第1貫通孔と、を備え、
前記係止部が前記被係止部に係止することで前記取付部材が前記支柱に取り付けられるとともに、前記第1貫通孔に挿通配置される第1結着部材によって前記支持部材と前記支柱とが結着されることにより、前記支持梁と前記支柱とが連結されている。
【0068】
この構成によれば、係止による取付部材の支柱への取り付けと、第1結着部材による支持部材の支柱への結着との両方を併用することにより、支持梁と支柱との連結部分における強度と施工性とを両立することができる。例えば係止だけで連結する場合に比べて、第1結着部材による結着があることで、梁本体に作用する荷重に対する強度を高めることができる。また、第1結着部材だけで連結する場合に比べて、係止による連結箇所がある分だけ第1結着部材の数を減らすことができ、組み付けの手間を削減することができる。このように、本構成の物品搬送設備によれば、十分な強度を確保しながら、支柱と支持梁とを簡単に連結することができる。
【0069】
一態様として、
前記支持部材は、前記取付部材に対して上側の位置において前記支柱の側面に当接する第2当接部をさらに備え、
前記第1貫通孔が、前記第2当接部に設けられていることが好ましい。
【0070】
この構成によれば、梁本体に作用する荷重を、支柱の側面と支持部材の第2当接部とが当接した状態で第1結着部材によって受けることができる。よって、支柱と支持梁との連結部分に作用する荷重を第1結着部材により効果的に支えることができる。
【0071】
一態様として、
前記支持部材は、前記梁本体における前記第1方向の一方側を向く面に当接する第3当接部をさらに備え、
前記第2固定部は、前記第3当接部に設けられた第2貫通孔を備え、
前記第2貫通孔に貫通配置される第2結着部材によって前記第3当接部と前記梁本体とが結着されることにより、前記支持部材と前記梁本体とが固定されていることが好ましい。
【0072】
この構成によれば、例えば支持部材と梁本体とを溶接によって固定する場合に比べて、溶接個所を少なくすることができるため、製造コストを低減することができる。また、梁本体に作用する荷重を、梁本体における第1方向の一方側を向く面と支持部材の第3当接部とが当接した状態で第2結着部材によって受けることができる。よって、支持部材と梁本体との連結部分に作用する荷重を第2結着部材により効果的に支えることができる。
【0073】
一態様として、
前記支持部材は、前記第2固定部から上側に延在するように形成された延出部をさらに備え、
前記延出部に対して、前記支持部と前記第1貫通孔とが、前記第2方向の一方側と他方側とに分かれて配置されていることが好ましい。
【0074】
この構成によれば、梁本体に対して上側にレールを支持することができるので、支持梁によってレールを安定的に支持しやすくなる。また、延出部に対して第2方向における第1貫通孔(支柱)とは反対側でレールを支持することができ、一対の支柱間で一対のレールが向かい合って配置される構成を実現しやすくなる。
【0075】
一態様として、
前記支持部材における、前記第2固定部と、前記第1貫通孔が形成されている部分と、これらを接続する部分とが、平板状に形成されていることが好ましい。
【0076】
この構成によれば、支持部材における支柱と梁本体とを連結する部分の剛性を高めることができ、梁本体に作用する荷重に対する強度を高めることができる。
【0077】
一態様として、
前記第2方向に沿って延在する第2レールと、前記搬送車を搭載して前記第2レールに沿って走行する第2搬送車と、前記第1方向に沿って延在し、前記支柱に連結されて前記第2レールを支持する第2支持梁と、をさらに備え、
前記第2搬送車は、前記搬送車が走行する車内レールを備え、
前記第2搬送車が前記第2レール上における規定位置に停止した状態で、前記車内レールと前記レールとが連続する位置関係となることが好ましい。
【0078】
この構成によれば、レールに沿って走行して物品を搬送する搬送車と、当該搬送車を搭載して第2レールに沿って走行する第2搬送車とを備えた物品搬送設備を実現できる。また、そのような物品搬送設備におけるレールの支持構造を、強度と施工性とを両立しつつ実現できる。
【0079】
本開示に係る物品搬送設備は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができれば良い。
【符号の説明】
【0080】
1 物品搬送設備
2 支柱
2a 第1側面(側面)
21 係止孔(被係止部)
22 貫通孔
3 第1梁ユニット(第2支持梁)
4 第1走行レール(第2レール)
5 第2梁ユニット(第1支持梁)
50 第2梁本体(梁本体)
50c 側面(第1方向の一方側を向く面)
55 取付部材
56 第1当接面部
57 第1固定部
58 第2当接面部(第1当接部)
59 係止爪(係止部)
60 支持部材
61 第3当接面部(第3当接部)
62 第2固定部
63 貫通孔(第2貫通孔)
64 延出部
65 第4当接面部(第2当接部)
66 貫通孔(第1貫通孔)
67 支持部
7 第2走行レール(レール)
8 物品搬送車
8A 親台車(第2搬送車)
83 車内レール
8B 子台車(搬送車)
B1 第1ボルト(第1結着部材)
R リベット(第2結着部材)
W 物品
X X方向(第2方向)
Y Y方向(第1方向)
Z Z方向(上下方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9