(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】買い物かご輸送装置、買い物かご洗浄機
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20250212BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20250212BHJP
B65G 59/10 20060101ALI20250212BHJP
B65G 21/20 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
B65G1/04 551A
B65G1/00 511E
B65G59/10
B65G21/20 Z
(21)【出願番号】P 2022005335
(22)【出願日】2022-01-17
【審査請求日】2024-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】福井 健太
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-075230(JP,A)
【文献】特開昭63-267694(JP,A)
【文献】特開昭49-019570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
B65G 59/00 - 59/12
B65G 21/00 - 21/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
買い物かごを把持する把持部と、
前記把持部を第1方向および該第1方向と異なる第2方向に移動させる輸送部と、
位置を固定され、前記把持部の第1方向に沿った移動を案内する第1固定ガイドと、
前記把持部に形成され、前記第2方向にみて前記把持部が前記第1固定ガイドと重ならない位置にある場合に
、前記輸送部に対する、前記把持部
の前記第1方向に沿った移動を案内する可動ガイドと、を備え
、
前記把持部が前記第1方向に沿って移動する場合に、前記可動ガイドが前記第1方向にみて前記第1固定ガイドと重ならない位置にある、買い物かご輸送装置。
【請求項2】
第1固定ガイドは、前記第1方向および前記第2方向と平行な第1面と、前記第1面の一端から立設し、前記第1方向と平行かつ前記第2方向と交わる第2面と、前記第1面の他端から立設し前記第2面と向かい合う第3面と、を有し、前記第1面、前記第2面、および前記第3面により前記把持部の位置を制限して前記把持部を案内する請求項1に記載の買い物かご輸送装置。
【請求項3】
前記把持部は、前記第1固定ガイドによって案内される間、前記第1面、前記第2面、および前記第3面のそれぞれと向かい合う、第1ローラ、第2ローラ、および第3ローラを含む請求項2に記載の買い物かご輸送装置。
【請求項4】
前記輸送部は、前記把持部を前記第1方向に沿って移動させる第1シフト機構と、前記把持部を前記第2方向に沿って移動させる第2シフト機構と、を含む請求項1から3の何れか1項に記載の買い物かご輸送装置。
【請求項5】
前記第2シフト機構が前記把持部と共に前記第2方向に沿って移動し、
前記可動ガイドと前記第2シフト機構との一方は円筒部を有し、前記可動ガイドと前記第2シフト機構との他方は突出部を有し、
前記円筒部の内側に前記突出部を挿入し、前記第2シフト機構に対する前記把持部の位置を制限することにより、前記可動ガイドが前記把持部を案内する請求項4に記載の買い物かご輸送装置。
【請求項6】
前記円筒部の内側に前記突出部が挿入された状態において、前記第2方向にみて前記把持部と前記第1固定ガイドとが重ならない請求項5に記載の買い物かご輸送装置。
【請求項7】
さらに、位置を固定され、前記把持部および前記第2シフト機構の前記第2方向の移動を案内する第2固定ガイドを備えた請求項4から6の何れか1項に記載の買い物かご輸送装置。
【請求項8】
前記第1シフト機構は前記把持部を引張して前記把持部を前記第1方向に移動させるベルトを含む請求項4から7の何れか1項に記載の買い物かご輸送装置。
【請求項9】
前記第1方向は鉛直方向であり、前記第2方向は水平方向である請求項1から8の何れか1項に記載の買い物かご輸送装置。
【請求項10】
請求項1から9の何れか1項に記載の買い物かご輸送装置と、
少なくとも一つの洗浄前の前記買い物かごを保持する第1保持部と、
洗浄前の前記買い物かごを洗浄する洗浄槽と、
該洗浄槽の前方に設置された洗浄前の前記買い物かごを前記洗浄槽に投入する投入機構と、を備え、
前記把持部は前記第1保持部が保持する洗浄前の前記買い物かごの一つを把持し、前記輸送部は前記把持部が把持する洗浄前の前記買い物かごを前記洗浄槽の前方まで移動させる買い物かご洗浄機。
【請求項11】
前記第1固定ガイドは、前記第1方向にみて前記把持部と前記第1保持部とが重なる位置における前記把持部の前記第1方向の移動を案内する請求項10に記載の買い物かご洗浄機。
【請求項12】
さらに、少なくとも一つの洗浄済の前記買い物かごを保持する第2保持部を備え、
前記洗浄槽は洗浄済の前記買い物かごを前記洗浄槽の前方に排出する排出機構を含み、
前記把持部は前記洗浄槽の前方に位置する洗浄済の前記買い物かごを把持し、前記輸送部は前記把持部が把持する洗浄済の買い物かごを前記第2保持部まで移動させる請求項10または11に記載の買い物かご洗浄機。
【請求項13】
前記第1固定ガイドは、前記第1方向にみて前記把持部と前記第2保持部とが重なる位置における前記把持部の前記第1方向の移動を案内する請求項12に記載の買い物かご洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、買い物かごを輸送する買い物かご輸送装置、および当該買い物かごを洗浄する買い物かご洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、積層された複数の買い物かごを含むコンテナを保管し、所望のコンテナを取り出せるコンテナ保管システムが開示されている。特許文献1には、ベルト等の含む動力部によって駆動される輸送装置を用いてコンテナを輸送する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるように、買い物かごを輸送装置によって輸送する場合、当該輸送装置の振動に伴い、輸送中の買い物かごの振動または輸送された買い物かごの設置位置のずれ等が生じる場合がある。輸送装置を案内するガイドを設置し、輸送装置の振動を低減することが考えられるが、輸送装置によって買い物かごを複数の方向に移動させる場合、当該ガイドが輸送装置または買い物かごと干渉する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る買い物かご輸送装置は、買い物かごを把持する把持部と、前記把持部を第1方向および該第1方向と異なる第2方向に移動させる輸送部と、位置を固定され、前記把持部の第1方向に沿った移動を案内する第1固定ガイドと、前記把持部に形成され、前記第2方向にみて前記把持部が前記第1固定ガイドと重ならない位置にある場合に前記把持部の少なくとも第1方向に沿った移動を案内する可動ガイドと、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一態様によれば、把持部により把持された買い物かごの振動または当該買い物かごの設置位置のずれを低減しつつ、把持部または買い物かごと第1固定ガイドとの干渉を低減する設計を可能とした買い物かご輸送装置を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る買い物かご洗浄機の把持部および輸送部について拡大した概略正面図および概略側面図である。
【
図3】実施形態に係る買い物かご洗浄機の概略正面図である。
【
図4】第1シフト機構による把持部の移動について説明するための、実施形態に係る買い物かご洗浄機の概略側面図である。
【
図5】実施形態に係る買い物かご洗浄機の第1ローラユニットおよび第1固定ガイドの概略平面図である。
【
図6】実施形態に係る買い物かご洗浄機による買い物かごの輸送および洗浄を説明するための、買い物かご洗浄機の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔実施形態〕
<買い物かごの概要>
本実施形態に係る買い物かご輸送装置により輸送され、また、買い物かご洗浄機により洗浄される買い物かごについて、
図2を参照し説明する。
【0009】
図2は、互いに上下方向に積み重ねられた複数の買い物かごXの概略側面図である。買い物かごXは、例えば、上部に有する取手により吊り下げ可能な容器である。買い物かごXは、他の買い物かごXの開口から容器部に差し込まれることにより、互いに上下方向に積み重ねることが可能である。
【0010】
なお、
図2においては、互いに積み重ねられた買い物かごXのうち、最上段と最下段との買い物かごXのみを図示し、他の買い物かごXの図示を省略している。
図2に示すように、例えば、キャスタを有する保持具Yに最下段の買い物かごXが差し込まれた状態において、上下方向に複数買い物かごXが積み重ねられてもよい。これにより、当該複数の買い物かごXは保持具Yごとまとめて輸送されてもよい。
【0011】
<買い物かご洗浄装置の概要>
次いで、
図3を参照し、本実施形態に係る買い物かご洗浄機について説明する。
図3は、本実施形態に係る買い物かご洗浄機2の概略正面図である。なお、本実施形態に係る各正面図、側面図、および平面図において、より各部を詳細に図示するため、ある部材の紙面に向かって奥側に位置する部材を透過して示す場合がある。また、これらの図面において、図示の簡単のため、一部の部材のみを抜き出して示し、他の一部の部材の図示を省略している場合がある。
【0012】
買い物かご洗浄機2は、買い物かごXを、第1方向D1と、第1方向D1と異なる第2方向D2とに個々に輸送しつつ、当該買い物かごXの洗浄を行う装置である。なお、本実施形態において、第1方向D1が鉛直方向であり、第2方向が水平方向である例を説明する。
【0013】
買い物かご洗浄機2は、例えば、買い物かご輸送装置としての輸送装置4と、第1保持部6と、洗浄槽8と、投入機構10と、排出機構12と、第2保持部14とを備える。買い物かご洗浄機2は、後述するように、輸送装置4によって買い物かごXを個々に輸送しつつ、洗浄槽8によって買い物かごXを洗浄する装置である。
【0014】
<輸送装置(買い物かご輸送装置)の概要>
以下、輸送装置4について説明する。輸送装置4は、把持部16と、輸送部18と、第1固定ガイド20と、第2固定ガイド22と、枠体24とを備える。さらに、輸送装置4は、詳細を後述する可動ガイドをさらに備える。なお、可動ガイドは、図示の簡単のため
図3においては図示を省略している。輸送部18は、2つの第1シフト機構26と、単一の第2シフト機構28とを有している。さらに、輸送装置4は、各第1シフト機構26に対し把持部16を備え、換言すれば、2つの把持部16を備える。
【0015】
輸送装置4は、枠体24を除く上記各部を枠体24の内部に備えている。ここで、把持部16および輸送部18は、枠体24に対し移動可能に構成される。第1固定ガイド20と第2固定ガイド22とは、枠体24に対し位置を固定されている。なお、買い物かご洗浄機2は、枠体24の全体を覆う直方形状の筐体を備えていてもよい。
【0016】
輸送装置4は、買い物かごXを把持した把持部16を輸送部18により移動させることにより、買い物かごXを輸送する。ここで、輸送部18による把持部16の移動は、少なくとも第1固定ガイド20および第2固定ガイド22によって案内される。第1固定ガイド20および第2固定ガイド22による把持部16の移動の案内については、詳細を後述する。
【0017】
輸送装置4について、
図3に加えて
図1を参照し、より説明する。
図1は、
図3に示す領域A、換言すれば、輸送装置4のうち、一つの把持部16および一つの第1シフト機構26と、第2シフト機構28の一部と、について拡大した概略側面
図A1を示す。さらに、
図1は、輸送装置4を、概略側面
図A1に示す方向B、換言すれば、概略側面
図A1に示す各部を第2方向D2の一方側からみた他の概略側面
図A2を示す。なお、概略側面
図A1および概略側面
図A2は、把持部16および輸送部18の近傍に位置する、第1固定ガイド20、第2固定ガイド22、および枠体24のそれぞれの一部も図示する場合がある。
【0018】
<把持部>
図1を参照して、はじめに、把持部16について説明する。なお、本実施形態において、2つの把持部16はそれぞれ同一の構成および機能を有しているため、
図3の領域Aに含まれない把持部16についての説明は省略する。
【0019】
図1の概略側面
図A1および概略側面
図A2に示すように、把持部16は、例えば、一対の把持アーム30を含む。各把持アーム30は、例えば、概略側面
図A2に示す動力部であるジャッキ32により互いに連動して回動することにより、買い物かごXを挟持する把持部材である。
【0020】
把持部16は、後述する方法により、輸送部18によって、第1方向D1と第2方向D2とに移動する。このため、把持部16は、把持アーム30により買い物かごXを挟持した状態において、輸送部18により輸送されることにより、買い物かごXを輸送することができる。また、把持部16は、一対の把持アーム30を開き、把持アーム30による買い物かごXの挟持を解除することにより、買い物かごXの把持を解除し、買い物かごXを載置することができる。
【0021】
把持部16は、さらに、第1ローラユニット34を含む。第1ローラユニット34は、複数の従動ローラを有する。特に、第1ローラユニット34は、第2方向と略平行の回転軸を有する第1ローラ34Aと、第1方向と第2方向との双方に略直交する回転軸を有し、第1ローラ34Aを挟んで形成された第2ローラ34Bおよび第3ローラ34Cとを有する。
【0022】
第1ローラユニット34は、第1固定ガイド20により把持部16の第1方向D1に沿った移動を案内するための機能を備える。ここで、第1固定ガイド20と、第1ローラユニット34が含む従動ローラと、の位置関係について、
図4を参照して説明することにより、第1固定ガイド20および第1ローラユニット34の機能を併せて説明する。
【0023】
図4は、本実施形態に係る第1固定ガイド20と第1ローラユニット34とを示す平面図であり、換言すれば、第1固定ガイド20と第1ローラユニット34とを、第1方向D1の上方側からみた概略図である。
図4においては、図示の簡単のため、第1固定ガイド20と第1ローラユニット34とを除く周囲の部材の図示を省略している。
【0024】
なお、
図4は、第1ローラユニット34が、第1固定ガイド20の後述する3面に囲まれた空間と重なる位置、かつ、第1固定ガイド20と重ならない位置にある場合を示す図である。特に、
図4において、第1ローラユニット34は、平面視、換言すれば、第1方向D1の上方から下方にみて、各面が第1ローラユニット34の周囲のうち3方を囲う位置にあるとする。
【0025】
<第1固定ガイド>
第1固定ガイド20は、
図4に示すように、第1面20A、第2面20B、および第3面20Cの3つの平板状の部材を含む。特に、第1面20Aは、第1方向D1および第2方向D2と平行な平面上に位置する。また、第2面20Bは第1面20Aの一端から立設し、第1方向D1と平行かつ第2方向D2と交わる平面上に位置する。さらに、第3面20Cは第1面20Aの他端から立設し、第1方向D1と平行かつ第2方向D2と交わる平面上に位置し、特に、第2面20Bと向かい合う位置に形成される。なお、第1固定ガイド20は、
図3に示すように、枠体24に固定されており、把持部16の移動に関わらず位置を固定されている。
【0026】
第1ローラユニット34が
図4に示す位置にある場合に、例えば、後述する方法により、把持部16が第1方向D1の下方側に移動したとする。この場合、把持部16の位置によっては、第1固定ガイド20と把持部16の第1ローラユニット34とが、第1方向D1と直交する方向において互いに重なる。この場合、第1ローラユニット34の第1方向D1と直交する方向における位置は、第1固定ガイド20の第1面20A、第2面20B、および第3面20Cによって制限される。
【0027】
ただし、第1面20A、第2面20B、および第3面20Cは第1方向D1に平行な平面上に位置するため、第1ローラユニット34、ひいては、把持部16の、第1方向D1に沿った移動を制限しない。したがって、第1固定ガイド20は、把持部16の、第2方向D2を含む第1方向D1に垂直な方向における移動を制限しつつ、把持部16の第1方向D1に沿った移動を案内する。
【0028】
第1固定ガイド20は、第2方向D2にみて第1ローラユニット34と重なる場合、第1面20A、第2面20B、および第3面20Cにより、把持部16の第1方向D1に垂直な方向のうち3方向における移動を制限する。また、第1固定ガイド20は、第1ローラユニット34を平面視において全周囲に渡って囲む構造を有さないため、把持部16の第1方向D1における移動は制限しない。
【0029】
したがって、第1固定ガイド20は、第1面20A、第2面20B、および第3面20Cを有することにより、把持部16が第1方向D1に沿って移動する間、把持部16の第1方向D1と直交する方向における把持部16の移動を効率的に制限する。ゆえに、第1固定ガイド20は、簡素な構成によって、把持部16により把持された買い物かごXの振動、および買い物かごXの設置位置のずれをより低減する。
【0030】
ここで、第1固定ガイド20と第1ローラユニット34とが、第1方向D1と直交する方向において互いに重なる場合、第1ローラ34Aは第1面20Aに、第2ローラ34Bは第2面20Bに、第3ローラ34Cは第3面20Cに、それぞれ向かい合う。このため、第1ローラユニット34の位置がずれ、第1固定ガイド20と第1ローラユニット34とが接触した場合においても、第1固定ガイド20は、第1ローラユニット34の何れかの従動ローラと接触する。
【0031】
さらに、第1ローラユニット34の各従動ローラの位置と回転軸の方向との関係から、各回転軸は、第1方向D1と略垂直、かつ、向かい合う第1固定ガイド20の各面の延伸方向と水平である。したがって、第1固定ガイド20と第1ローラユニット34とが接触した場合においても、第1固定ガイド20と接触した第1ローラユニット34の各従動ローラが回転することにより、第1ローラユニット34への衝撃を低減することができる。ゆえに、第1ローラユニット34の各従動ローラは、第1固定ガイド20との当接に伴う把持部16または第1固定ガイド20の損傷を低減し、把持部16の振動を低減する。
【0032】
なお、輸送装置4は、把持部16に形成され、第1固定ガイド20と共に把持部16の第1方向D1に沿った移動を案内する可動ガイドとして、円筒部36をさらに備える。円筒部36は、第1方向D1と略平行な方向に延伸する筒状部材であり、把持部16と共に移動する。円筒部36の機能については詳細を後述する。
【0033】
<輸送部>
上述の通り、輸送部18は、第1シフト機構26と第2シフト機構28とを含む。始めに、第1シフト機構26について詳細に説明する。なお、本実施形態において、2つの第1シフト機構26はそれぞれ同一の構成および機能を有しているため、
図3の領域Aに含まれる一方の第1シフト機構26について説明し、他方の第1シフト機構26についての説明を省略する。
【0034】
第1シフト機構26は、把持部16を第1方向に沿って移動させる機構である。例えば、第1シフト機構26は、ベルト固定部38と、ベルト40と、ウィンチ42と、滑車44とを含む。
【0035】
例えば、第1シフト機構26は、複数のベルト固定部38を含み、各ベルト固定部38には、ベルト40の一端がそれぞれ固定されている。また、ベルト固定部38は把持部16にも固定されている。これにより、ベルト40はベルト固定部38を介して把持部16を引張する。
【0036】
ウィンチ42は、不図示の動力部により回転することにより、ベルト40を、滑車44を介して巻き上げまたは巻き出す。このため、ウィンチ42の回転に伴い、ベルト40がベルト固定部38を介して引張する把持部16は、第1方向に沿って移動する。したがって、第1シフト機構26は、ウィンチ42の回転を制御することにより、把持部16を第1方向に沿って移動させる。
【0037】
第1シフト機構26は、把持部16の第1方向に沿った移動のためにベルト40を用いる。このため、例えば、把持部16の第1方向に沿った移動のために、チェーンおよびスプロケット、またはシリンダ等を用いる場合と比較して、輸送装置4は、第1シフト機構26をより簡素に構成できる。
【0038】
特に、把持部16の移動のためにシリンダを用いる場合、把持部16の移動範囲より上方および下方に当該シリンダを形成する必要がある。このため、第1シフト機構26がシリンダに代えてベルト40を備えることにより、輸送装置4は第1方向D1における寸法をより小さくでき、装置全体を小型化できる。
【0039】
また、上述した通り、第1方向D1は鉛直方向と略同一である。このため、第1シフト機構26は、ベルト40により引張される把持部16を重力にしたがって吊り下げ、ウィンチ42によりベルト40の巻き出すまたは巻き取ることによって、把持部16をおおよそ第1方向D1に沿って移動させることができる。したがって、第1シフト機構26は、簡素な構成により、把持部16第1方向D1と直交する方向のずれを低減することができる。
【0040】
次いで、第2シフト機構28について詳細に説明する。第2シフト機構28は、共通筐体46と、個別筐体48とを含む。共通筐体46と個別筐体48とは互いに連結され共に移動する。また、個別筐体48は第1シフト機構26にそれぞれ形成され、換言すれば、第2シフト機構28は2つの個別筐体48を含む。特に、個別筐体48は共通筐体46を挟んで配置されている。
【0041】
第2シフト機構28は、さらに、各個別筐体48に形成された突出部50を含む。突出部50は、例えば、個別筐体48から下方に突出する直棒部材である。特に、突出部50は、第1方向D1からみて円筒部36の開口と重なる位置にあり、当該開口よりも細い径を有する。さらに、突出部50の延伸方向は、円筒部36の延伸方向と略同一方向である。
【0042】
例えば、第1シフト機構26が把持部16を第1方向D1の上方に引き上げ、把持部16が第1方向D1の最も上側に移動したとする。この場合、
図1の概略側面
図A1および概略側面
図A2に示すように、突出部50の少なくとも一部は、円筒部36の内側に挿入される。このように、突出部50の少なくとも一部が円筒部36の内側に挿入された状態において、把持部16は第2シフト機構28に対し、第2方向D2を含む、第1方向D1と直交する方向への移動が制限される。
【0043】
さらに、第2シフト機構28は、チェーン固定部52と、チェーン54と、スプロケット56とを含む。チェーン固定部52は共通筐体46に形成され、さらに、チェーン固定部52にはチェーン54が連結される。例えば、チェーン54はチェーン固定部52を含めて一つの環を形成するように、チェーン固定部52に連結されていてもよい。
【0044】
チェーン54は、さらに、スプロケット56と噛み合い、スプロケット56の回転に伴い送り出される。このため、第2シフト機構28は、スプロケット56を不図示の動力部により回転させ、環状のチェーン54を送り出すことにより、チェーン固定部52を介して共通筐体46を移動させる。
【0045】
ここで、
図3を参照すると、第2シフト機構28は、2つのスプロケット56を第2方向D2と略平行に並べて含む。このため、2つのスプロケット56の間に延びるチェーン54は、第2方向D2と略平行に延伸する。このため、第2シフト機構28は、環状のチェーン54を送り出すことにより、共通筐体46を第2方向D2に沿って移動させる。
【0046】
<第2固定ガイド>
さらに、第2シフト機構28は、
図1の概略側面
図A2に示すように、第2ローラユニット58を含む。第2ローラユニット58は、第2固定ガイド22により把持部16の第2方向D2に沿った移動を案内するための機能を備える。例えば、第2固定ガイド22は、第2ローラユニット58の周囲に位置する。
【0047】
第2固定ガイド22は、第1固定ガイド20と同じく、第2方向D2と平行かつ第1方向と垂直な方向に延伸する3面を有する。特に、第2固定ガイド22は、第2方向D2にみて、各面が第2ローラユニット58の周囲のうち3方を囲う位置に形成されている。このため、第2固定ガイド22は、第2シフト機構28の、第1方向D1を含む第2方向D2に垂直な方向における移動を制限しつつ、第2シフト機構28の第2方向D2に沿った移動を案内する。なお、第2ローラユニット58は、第1ローラユニット34と同じく、第2固定ガイド22の各面と向かい合う従動ローラを備えていてもよい。また、第2固定ガイド22は、
図3に示すように、枠体24に固定されており、把持部16の移動に関わらず位置を固定されている。
【0048】
ここで、
図1の概略側面
図A1および概略側面
図A2に示すように、円筒部36の内側に突出部50の少なくとも一部が挿入されている場合、把持部16の第2方向D2における位置は、第2シフト機構28により制限される。さらに、上述の場合において、第2シフト機構28が第2方向D2に沿って移動すると、突出部50が円筒部36を押すことにより、把持部16が第2シフト機構28と共に移動する。
【0049】
したがって、上述した第2固定ガイド22による第2シフト機構28の第2方向D2に沿った移動の案内を考慮すると、第2固定ガイド22は、把持部16の第2方向D2に沿った移動を案内する。ただし、第1方向D1からみて第2固定ガイド22は把持部16と重なる位置に存在しないため、第2固定ガイド22は、把持部16の第1方向D1に沿った移動は制限しない。
【0050】
これにより、輸送部18は、第1シフト機構26により把持部16を第1方向D1に沿って移動させ、第2シフト機構28により把持部16を第2方向D2に沿って移動させる。このため、輸送部18は、第1シフト機構26および第2シフト機構28のそれぞれに、第1方向D1と第2方向D2との双方に把持部16を移動させる構成とする必要がない。したがって、輸送部18は、第1シフト機構26と第2シフト機構28との構成をより簡素としつつ、把持部16により把持された買い物かごXを、第1方向D1と第2方向D2とのそれぞれに輸送することができる。
【0051】
また、第1固定ガイド20は、把持部16の第2方向D2に沿った移動の案内を考慮する必要がなく、また、第2固定ガイド22は、把持部16の第1方向D1に沿った移動の案内を考慮する必要がない。したがって、輸送装置4は、第1固定ガイド20および第2固定ガイド22の構成をよりとし、また、把持部16の第1方向D1と第2方向D2とのそれぞれに沿った移動を互いに干渉しない第1固定ガイド20および第2固定ガイド22の設計をより容易とする。
【0052】
<輸送部による把持部の移動>
ここで、輸送部18による把持部16の移動について、
図5を参照してより詳細に説明する。
図5は、買い物かご洗浄機2を第2方向の一方からみた概略側面図であり、買い物かご洗浄機2のうち輸送装置4のみを抜き出して示した概略側面図である。
図5においては、第1方向D1の最も上方に位置する把持部16Uと、第1方向D1の最も下方に位置する把持部16Dと、を示す。なお、
図5においては、平面視にみて、第1ローラユニット34が、第1固定ガイド20の3面に囲まれた空間と重なる位置、かつ、第1固定ガイドと重ならない位置にあるとする。
【0053】
図5に示すように、第1ローラユニット34が、平面視にみて、第1固定ガイド20の3面に囲まれた空間と重なる位置にある場合に、第1シフト機構26がウィンチ42を回転させてベルト40を送り出されたとする。この場合、ベルト40により引張される把持部16は第1方向D1の下方側に移動する。ここで、把持部16が、
図5に示す把持部16Dの位置等、円筒部36の内側に突出部50が挿入されていない位置まで移動した場合、第1ローラユニット34は、第1方向D1と直交する方向において第1固定ガイド20と重なる位置まで移動する。したがって、円筒部36の内側に突出部50が挿入されていない位置にある場合、把持部16は第1固定ガイド20により第1方向D1に沿った移動を案内される。
【0054】
ここで、第1シフト機構26がウィンチ42を回転させてベルト40を巻き取ることにより、ベルト40により吊り下げられた把持部16は第1方向D1の上方側に移動する。ここで、把持部16が、
図5に示す把持部16Uの位置等、円筒部36の内側に突出部50が挿入された位置にある場合、把持部16の第1ローラユニット34は、第1方向D1と直交する方向において第1固定ガイド20と重ならない位置にある。
【0055】
換言すれば、円筒部36の内側に突出部50が挿入される位置にある場合、把持部16は第1固定ガイド20によっては第1方向D1に沿った移動を案内されていない。ただし、第1固定ガイド20によって移動を案内されていない位置においても、円筒部36の内側に突出部50が挿入されることにより、円筒部36の第2シフト機構28に対する第2方向D2に沿った位置は制限される。このため、第1固定ガイド20によって移動を案内されていない位置においても、把持部16は、可動ガイドである円筒部36によって、第2方向D2を含む第1方向D1と直交する方向における位置を制限されつつ、第1方向D1に沿った移動を案内される。
【0056】
さらに、上述した通り、円筒部36の内側に突出部50が挿入される位置にある場合、把持部16の第1ローラユニット34は、第1方向D1と直交する方向において第1固定ガイド20と重ならない位置にある。この状態において、第2シフト機構28がスプロケット56を回転させた、第2方向D2に沿って移動した場合、円筒部36が突出部50に押されることにより、把持部16は第2シフト機構28と共に第2方向に沿って移動する。ここで、第1方向D1と直交する方向において、把持部16と第1固定ガイド20とは重ならないため、把持部16は第2方向D2に沿った移動に関わらず、第1固定ガイド20と干渉しない。
【0057】
したがって、輸送装置4は、把持部16の第1方向D1における位置によらず、把持部16の第1方向D1に沿った移動を、第1固定ガイド20と、可動ガイドである円筒部36との何れかによって案内することができる。また、輸送装置4は、把持部16と第1固定ガイド20との干渉を低減しつつ、把持部16の第2方向D2に沿った移動を案内することができる。
【0058】
輸送装置4は、第1固定ガイド20が把持部16の移動を案内しない間、可動ガイドである円筒部36と、第2シフト機構28が含む突出部50とによって、把持部16の移動を案内する。このため、輸送装置4は、例えば第1固定ガイド20のように、可動ガイドが第2シフト機構28の3方を覆う構造とする場合と比較して、より可動ガイドを簡素な構成とすることができる。
【0059】
さらに、円筒部36の内側に突出部50が挿入されている状態において、把持部16は第2方向D2にみて第1固定ガイド20と重ならない位置にある。このため、円筒部36が突出部50に押されることに伴い、把持部16が第2シフト機構28と共に第2方向D2に沿って移動する場合、把持部16と第1固定ガイド20との干渉が低減している。したがって、輸送装置4は、可動ガイドである円筒部36によって、把持部16と第1固定ガイド20との干渉を低減しつつ、把持部16の第1方向D1と第2方向D2とのそれぞれに沿った移動を何れも案内できる。
【0060】
<第1保持部>
図3を参照し、買い物かご洗浄機2の説明に戻ると、第1保持部6は、後述する洗浄槽8において洗浄される前の買い物かごXを少なくとも一つ保持する空間を有する。例えば、第1保持部6は、
図2に示す、保持具Y上に上下方向に複数積み重ねられた買い物かごXを保持具Yごと格納可能な空間を有していてもよい。
図3に示すように、第1保持部6は、例えば、第2方向D2において洗浄槽8の一方側に複数形成されていてもよい。この場合、各第1保持部6は、それぞれ、少なくとも一つの買い物かごXを保持してもよい。
【0061】
ここで、
図3に示すように、買い物かご洗浄機2は、第1保持部6のそれぞれに対し、第1固定ガイド20を備えている。特に、第1固定ガイド20は、各第1保持部6の第2方向D2における中央かつ買い物かご洗浄機2の正面側に設置されている。このため、第1固定ガイド20は、第1方向D1にみて把持部16と第1保持部6とが重なる位置における、把持部16の第1方向D1の移動を案内する。
【0062】
<洗浄槽>
洗浄槽8は、投入された買い物かごXを、
図3の紙面に向かう方向を回転軸として回転させつつ、不図示のノズル等により液体を買い物かごXに噴射することにより、買い物かごXを洗浄する装置である。洗浄槽8は、外部から買い物かごXを内部に投入するための開口と、買い物かごXを洗浄する間当該開口を密閉するシャッタと、を含む。洗浄槽8は、買い物かごXに送風することにより買い物かごXを乾燥させるブロアを備えていてもよく、買い物かごXに噴射した液体を排出するための排水溝を備えていてもよい。
【0063】
<投入機構、排出機構>
投入機構10は、洗浄槽8の前に設置された買い物かごXを洗浄槽8の内部に投入するための機構である。例えば、買い物かご洗浄機2は、洗浄槽テーブル60をさらに備えていてもよく、投入機構10は、洗浄槽テーブル60上の買い物かごXを洗浄槽8の内部に押し込むことにより、買い物かごXを洗浄槽8の内部に投入してもよい。
【0064】
排出機構12は、洗浄槽8の内部に位置する買い物かごXを洗浄槽8の外部に排出するための機構である。例えば、排出機構12は、洗浄槽8の内部に形成されていてもよく、また、洗浄槽8の内部に位置する買い物かごXを洗浄槽テーブル60の上に押し出すことにより、買い物かごXを洗浄槽8の内部から排出してもよい。
【0065】
<第2保持部>
第2保持部14は、前述の洗浄槽8において洗浄された後の買い物かごXを少なくとも一つ保持する空間を有する。第2保持部14は、例えば、第2方向D2において洗浄槽8に対し第1保持部6と反対の側に形成されていてもよい。買い物かご洗浄機2は、第2保持部14の下方に、買い物かごXを上下方向に複数重ねて載置可能なベルトコンベア62をさらに備えていてもよい。買い物かご洗浄機2は、第2保持部14が保持する買い物かごXをベルトコンベア62によって輸送し、買い物かご洗浄機2の外部に搬出してもよい。
【0066】
ここで、
図3に示すように、買い物かご洗浄機2は、第2保持部14に対しても、第1固定ガイド20を備えている。特に、第1固定ガイド20は、第2保持部14の第2方向D2における中央かつ買い物かご洗浄機2の正面側に設置されている。このため、第1固定ガイド20は、第1方向D1にみて把持部16と第2保持部14とが重なる位置における、把持部16の第1方向D1の移動を案内する。
【0067】
<具体的な使用方法>
買い物かご洗浄機2を用いて買い物かごXを洗浄する具体的な方法について、
図6を参照し説明する。
図6は、買い物かご洗浄機2により買い物かごXが搬送および洗浄される様子を示す、買い物かご洗浄機2の概略正面図である。
【0068】
図6に示すように、買い物かご洗浄機2の第1保持部6のそれぞれは、上下方向に複数積み重ねられた、複数の洗浄前の買い物かごXを保持する。買い物かご洗浄機2を用いた買い物かごXの洗浄において、はじめに、輸送装置4は、各把持部16が第1保持部6と第1方向D1において重なる位置まで、第2シフト機構28を第2方向D2に沿って移動させる。
【0069】
この状態において、輸送装置4は、第1シフト機構26の制御により、把持部16を第1方向D1の下方側に移動させる。ここで、第1固定ガイド20は、把持部16の第1方向D1に沿った移動を案内する。第1保持部6が保持する買い物かごXのうち、最も第1方向D1の上側に位置する買い物かごXの直上まで把持部16が移動した後、輸送装置4は、把持部16の一対の把持アーム30を閉じることにより、当該買い物かごXを把持する。
【0070】
なお、例えば、互いに積み重ねられた買い物かごXの傾斜、または買い物かごXの変形等により、第1保持部6が保持する買い物かごXの載置位置は、第1方向D1と直交する方向にずれが生じる場合がある。ここで、把持部16は第1シフト機構26のベルト40によって引張され、また、第1ローラユニット34は第1固定ガイド20と常に接触はしない。このため、把持部16の第1方向D1と直交する位置は、第1固定ガイド20により案内される間、制限されるものの、ある程度のずれを許容する。したがって、第1保持部6が保持する買い物かごXの載置位置に多少のずれが生じた場合においても、把持部16は当該ずれを吸収して買い物かごXを把持することができる。
【0071】
把持部16が買い物かごXを把持した状態において、輸送装置4は、第1シフト機構26を制御し、円筒部36の内側に突出部50が挿入される位置まで把持部16を第1方向D1の上方側に引き上げる。この場合、把持部16の第1方向D1に沿った移動は、第1固定ガイド20と可動ガイドである円筒部36との少なくとも一方によって常に案内される。
【0072】
次いで、輸送装置4は、第2シフト機構28を第2方向D2に沿って移動させることにより、把持部16を第1方向D1において洗浄槽8の前方に位置する洗浄槽テーブル60と重なる位置まで移動させる。ここで、把持部16と第1固定ガイド20とは、第2方向D2にみて互いに重ならない位置にあるため、把持部16の第2方向D2に沿った移動に関わらず、把持部16と第1固定ガイド20とは干渉しない。
【0073】
次いで、輸送装置4は、第1シフト機構26の制御により、把持部16が把持する買い物かごXが洗浄槽テーブル60に接するまで、把持部16を第1方向D1の下方側に移動させる。次いで、輸送装置4は、把持部16の一対の把持アーム30を開くことにより、買い物かごXの把持を解除する。これにより、輸送装置4は、把持部16が把持する買い物かごXを、洗浄槽テーブル60に載置する。
【0074】
次いで、投入機構10が洗浄槽テーブル60上の買い物かごXを洗浄槽8に投入し、洗浄槽8が内部の買い物かごXを洗浄することにより、買い物かご洗浄機2は買い物かごXを洗浄する。洗浄槽8の内部の洗浄済の買い物かごXは、排出機構12により洗浄槽テーブル60上に排出される。なお、洗浄槽8において買い物かごXが洗浄されている間に、輸送装置4は、上述の方法により、一方の把持部16に新たな洗浄前の買い物かごXを把持させてもよい。
【0075】
ここで、第1方向D1にみて洗浄槽テーブル60と重なる位置における把持部16の第1方向D1に沿った移動は、第1固定ガイド20等により案内されなくともよい。この場合においても、把持部16の第1方向D1に沿った移動は可動ガイドである円筒部36によって一部案内される。また、上述の場合、洗浄槽テーブル60に対する買い物かごXの載置位置にはずれが生じる場合がある。このため、洗浄槽8および投入機構10は、洗浄槽テーブル60に対する買い物かごXの載置位置の多少のずれによらず、洗浄槽テーブル60上の買い物かごXを洗浄槽8の内部に投入可能に構成されていてもよい。
【0076】
次いで、輸送装置4は、把持部16による第1保持部6の買い物かごXの把持と同一の方法により、洗浄槽テーブル60上の洗浄済の買い物かごXを把持部16に把持させる。一方の把持部16が既に洗浄前の買い物かごXを把持している場合、輸送装置4は、買い物かごXを把持していない他方の把持部16に洗浄済の買い物かごXを把持させる。
【0077】
ついで、輸送装置4は、洗浄済の買い物かごXを把持する把持部16を移動させることにより、洗浄槽テーブル60上から洗浄済の買い物かごXを取り除く。輸送装置4は、洗浄槽テーブル60上から洗浄済の買い物かごXが取り除かれたのち、直ぐに洗浄前の買い物かごXを把持する把持部16の制御により、洗浄槽テーブル60上に洗浄前の買い物かごXを設置してもよい。これにより、買い物かご洗浄機2は、引き続き洗浄槽8により新たな買い物かごXの洗浄を行うことができる。
【0078】
次いで、輸送装置4は、洗浄済の買い物かごXを把持する把持部16が第2保持部14と第1方向D1において重なる位置まで、第2シフト機構28を第2方向D2に沿って移動させる。この状態において、輸送装置4は、第1シフト機構26の制御により、把持部16を第1方向D1の下方側に移動させる。ここで、第1固定ガイド20は、把持部16の第1方向D1に沿った移動を案内する。
【0079】
第2保持部14と平面視において重なるベルトコンベア62と把持部16が把持する買い物かごXとが接するまで把持部16が移動した場合、輸送装置4は、把持部16の一対の把持アーム30を開くことにより、当該買い物かごXの把持を解除する。これにより、輸送装置4は、第2保持部14に洗浄済の買い物かごXを載置し、第2保持部14に保持させる。
【0080】
以降、買い物かご洗浄機2の各部は、上述した動作を繰り返し実行する。特に、買い物かご洗浄機2は、洗浄槽8において買い物かごXを洗浄する間に、輸送装置4を制御して、洗浄済の買い物かごXの第2保持部14への移動と、洗浄前の買い物かごXの第1保持部6から洗浄槽テーブル60上への移動とを行う。これにより、買い物かご洗浄機2は、第1保持部6が保持する洗浄前の買い物かごXを、洗浄槽8において個々に洗浄しつつ、第2保持部14に洗浄済の買い物かごXを移動させて、当該洗浄済の買い物かごXを外部に搬送することができる。
【0081】
<まとめ>
本実施形態に係る買い物かご洗浄機2が備える買い物かご輸送装置である輸送装置4は、買い物かごXを把持する把持部16の第1方向D1に沿った移動を案内する第1固定ガイド20を備える。また、輸送装置4は、把持部16に形成された可動ガイドとして、円筒部36を含む。円筒部36は、第1方向D1と異なる第2方向D2にみて、把持部16が第1固定ガイド20と重ならない位置にあり、第1固定ガイド20により把持部16が案内されない場合に、把持部16の少なくとも第1方向D1に沿った移動を案内する。
【0082】
このため、把持部16が第2方向D2にみて第1固定ガイド20と重ならず、把持部16の第2方向D2における位置が第1固定ガイド20によって制限されない場合においても、把持部16は可動ガイドである円筒部36によって移動を案内される。したがって、輸送装置4は、把持部16が何れかのガイドによって案内されない期間を短縮、またはなくすことができる。ゆえに、輸送装置4は、把持部16の位置ずれを低減し、把持部16により把持された買い物かごXの振動、および輸送する買い物かごXの設置位置のずれを低減する。
【0083】
また、把持部16が円筒部36により移動を案内される間、第2方向D2からみて第1固定ガイド20と把持部16とは重ならない。さらに、輸送装置4は、突出部50を円筒部36の内側に挿入して、把持部16が円筒部36により移動を案内される間に、把持部16を第2方向D2に移動させる第2シフト機構28を輸送部18の一部として備える。これにより、輸送装置4は、把持部16の第2方向D2への移動に伴う、把持部16と第1固定ガイド20との干渉を低減できる。
【0084】
なお、本実施形態において、輸送装置4は可動ガイドとして円筒部36を備え、第2シフト機構28が突出部50を備えるが、これに限られない。例えば、輸送装置4は、可動ガイドとして、把持部16に形成され、第1方向D1の上方側に突出する突出部を有していてもよい。この場合、第2シフト機構28は、把持部16に形成された突出部を内側に挿入することにより、第2シフト機構28に対する把持部16の第2方向D2に沿った移動を制限する円筒部を有していてもよい。
【0085】
本実施形態に係る買い物かご洗浄機2は、洗浄前の買い物かごXを保持する第1保持部6、および洗浄済の買い物かごXを保持する第2保持部14を備える。このため、買い物かご洗浄機2は、洗浄前の買い物かごXを第1保持部6にまとめて投入し、洗浄済の買い物かごXを第2保持部14からまとめて取り出すことができる。したがって、買い物かご洗浄機2は、洗浄前の買い物かごXを逐一装置に投入する手間を削減できるとともに、洗浄済の買い物かごXを逐一装置から取り出す手間を削減することができる。
【0086】
輸送装置4は、第2方向D2において第1保持部6および第2保持部14のそれぞれと重なる位置における、把持部16の第1方向D1に沿った移動を案内する。したがって、輸送装置4は、第1保持部6が保持する買い物かごXの把持をより確実とし、また、第2保持部14への買い物かごXの載置位置の精度をより向上する。
【0087】
買い物かご洗浄機2は、例えば、スーパーマーケットの店舗内等、買い物かごXが利用される屋内に設置されてもよい。この場合、第1シフト機構26は、ベルト40により把持部16を第1方向D1に沿って移動させることにより、買い物かご洗浄機2の全体の小型化にも寄与し、より買い物かご洗浄機2を屋内に導入しやすくする。
【0088】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0089】
2 買い物かご洗浄機
4 輸送装置
6 第1保持部
8 洗浄槽
10 投入機構
12 排出機構
14 第2保持部
16 把持部
18 輸送部
20 第1固定ガイド
20A 第1面
20B 第2面
20C 第3面
22 第2固定ガイド
26 第1シフト機構
28 第2シフト機構
34 第1ローラユニット
34A 第1ローラ
34B 第2ローラ
34C 第3ローラ
36 円筒部(可動ガイド)
40 ベルト
50 突出部
D1 第1方向
D2 第2方向