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特許7632894ゲートウェイ機器、ルータ故障検査システム、方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】ゲートウェイ機器、ルータ故障検査システム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 43/0817 20220101AFI20250212BHJP
   H04L 12/66 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
H04L43/0817
H04L12/66
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022209520
(22)【出願日】2022-12-27
(65)【公開番号】P2024093261
(43)【公開日】2024-07-09
【審査請求日】2024-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】藤田 啓義
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/144537(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0016280(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 43/0817
H04L 12/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
WANインタフェイス部とLANインタフェイス部との間にルーティング制御部を備えたゲートウェイ機器であって、
ユーザの操作に応じて、検査される少なくとも1つ他の第1のゲートウェイ機器の第1のWANインタフェイス部、第1のLANインタフェイス部、及び第1のルーティング制御部に関するルータ故障検査を行う際に、運用モード又は検査機モード若しくは被検査モードに設定するように構成された検査モード設定部と、
自身の前記WANインタフェイス部及び前記LANインタフェイス部を制御するとともに、自身の前記検査モード設定部で設定された前記運用モード又は前記検査機モード若しくは前記被検査モードに応じて所定の情報処理を行うように構成された制御部と、
前記ルータ故障検査に関する検査結果を保存するように構成された情報保存部と、
を備え、
自身の前記制御部は、自身の前記ゲートウェイ機器が前記検査機モードに設定されているときに、
自身の前記WANインタフェイス部に、前記運用モードに設定された他の第2のゲートウェイ機器から配布された、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のWANインタフェイス部に設定されたものと抵触しない、WAN-IPアドレスを設定する処理と、
自身の前記LANインタフェイス部、及び、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のLANインタフェイス部のそれぞれに、抵触しないLAN-IPアドレスを配布して設定する処理と、
前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器から、前記他の第1のゲートウェイ機器に設定された機器情報を取得して自身の前記情報保存部に記録する処理と、
前記ルータ故障検査に関する検査用パケットを生成して、自身の前記LANインタフェイス部を介して、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器に送信する処理と、
前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器でルーティング処理された前記検査用パケットを、自身の前記WANインタフェイス部を介して受信することにより、送信時の前記検査用パケットに含まれた所定のデータと、受信時の前記検査用パケットに含まれた所定のデータとを比較して、比較した検査結果を自身の前記情報保存部に記録する処理と、
自身の前記情報保存部に記録された前記機器情報及び前記検査結果を、自身の前記WANインタフェイス部を介してサーバに送信する処理と、
を行うように構成されている、
ゲートウェイ機器。
【請求項2】
自身の前記ゲートウェイ機器は、前記ユーザの操作によりモードの変更を行うように構成されたモード変更操作部を備え、
自身の前記検査モード設定部は、自身の前記モード変更操作部の操作に応じて、前記運用モード又は前記検査機モード若しくは前記被検査モードに設定するように構成されている、
請求項1記載のゲートウェイ機器。
【請求項3】
前記被検査モードの前記他の第1のゲートウェイ機器は、複数台あり、
自身の前記制御部は、自身の前記ゲートウェイ機器が前記検査機モードに設定されているときに、前記被検査モードの前記他の第1のゲートウェイ機器の前記機器情報及び前記検査結果を自身の前記情報保存部に記録する際に、同じフォーマットで記録する処理を行うように構成されている、
請求項1記載のゲートウェイ機器。
【請求項4】
自身の前記制御部は、自身の前記ゲートウェイ機器が前記他の第1のゲートウェイ機器として前記被検査モードに設定されているときに、
自身の前記WANインタフェイス部に、前記運用モードに設定された前記他の第2のゲートウェイ機器から配布された、前記検査機モードに設定された他の第3のゲートウェイ機器の第3のWANインタフェイス部に設定されたものと抵触しない、WAN-IPアドレスを設定する処理と、
自身の前記LANインタフェイス部に、前記検査機モードに設定された前記他の第3のゲートウェイ機器の第3のLANインタフェイス部から配布された、前記検査機モードに設定された前記他の第3のゲートウェイ機器の前記第3のLANインタフェイス部に設定されたものと抵触しない、LAN-IPアドレスを設定する処理と、
前記検査機モードに設定された前記他の第3のゲートウェイ機器から、前記他の第3のゲートウェイ機器に設定された機器情報を取得して前記機器情報に含まれる前記他の第3のゲートウェイ機器のWAN-IPアドレスをデフォルトゲートウェイのIPアドレスとして自身の前記情報保存部に記録する処理と、
前記検査機モードに設定された前記他の第3のゲートウェイ機器からの前記検査用パケットを、自身の前記LANインタフェイス部を介して受信することにより、ルーティング処理する処理と、
ルーティング処理された前記検査用パケットを、自身の前記WANインタフェイス部を介して前記検査機モードに設定された前記他の第3のゲートウェイ機器に送信する処理と、
を行うように構成されている、
請求項1記載のゲートウェイ機器。
【請求項5】
自身の前記制御部は、自身の前記ゲートウェイ機器が前記他の第2のゲートウェイ機器として前記運用モードに設定されているときに、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のWANインタフェイス部、及び、前記検査機モードに設定された他の第3のゲートウェイ機器の第3のWANインタフェイス部のそれぞれに、抵触しないWAN-IPアドレスを配布して設定する処理を行うように構成されている、
請求項1記載のゲートウェイ機器。
【請求項6】
自身の前記検査モード設定部によって設定された前記運用モード又は前記検査機モード若しくは前記被検査モードに応じて発光するように構成された発光部を備える、
請求項1記載のゲートウェイ機器。
【請求項7】
自身の前記制御部は、自身の前記ゲートウェイ機器が前記検査機モードに設定されているときに、
前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器との間で、前記検査用パケットの連続通信試験を行う処理と、
自身、及び、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器から前記連続通信試験の試験結果を取得して自身の前記情報保存部に記録する処理と、
自身の前記情報保存部に記録された前記機器情報及び前記検査結果並び前記試験結果を、自身の前記WANインタフェイス部を介して前記サーバに送信する処理と、
を行うように構成されている、
請求項1記載のゲートウェイ機器。
【請求項8】
少なくとも1つの製造拠点検査システムと、
前記製造拠点検査システムと通信可能に接続されたサーバと、
を備え、
前記製造拠点検査システムは、
被検査モードに設定された少なくとも1つの第1のゲートウェイ機器と、
運用モードに設定された第2のゲートウェイ機器と、
検査機モードに設定された第3のゲートウェイ機器と、
第1のスイッチハブと、
第2のスイッチハブと、
を備え、
前記第1のゲートウェイ機器、前記第2のゲートウェイ機器、及び、前記第3のゲートウェイ機器は、請求項1乃至7のいずれか一に記載のゲートウェイ機器であり、
前記第1のスイッチハブは、前記第2のゲートウェイ機器の第2のLANインタフェイス部、及び、前記第3のゲートウェイ機器の第3のWANインタフェイス部と接続され、
前記第2のスイッチハブは、前記第1のゲートウェイ機器の第1のLANインタフェイス部、及び、前記第3のゲートウェイ機器の第3のLANインタフェイス部と接続され、
前記第2のゲートウェイ機器の第2のWANインタフェイス部は、前記サーバと接続されている、
ルータ故障検査システム。
【請求項9】
WANインタフェイス部とLANインタフェイス部との間にルーティング制御部を備えたゲートウェイ機器の前記WANインタフェイス部、前記LANインタフェイス部、及び前記ルーティング制御部に関するルータ故障検査を行うルータ故障検査方法であって、
前記ゲートウェイ機器は、
ユーザの操作に応じて、検査される少なくとも1つの他の第1のゲートウェイ機器の第1のWANインタフェイス部、第1のLANインタフェイス部、及び第1のルーティング制御部に関するルータ故障検査を行う際に、運用モード又は検査機モード若しくは被検査モードに設定するように構成された検査モード設定部と、
自身の前記WANインタフェイス部及び前記LANインタフェイス部を制御するとともに、自身の前記検査モード設定部で設定された前記運用モード又は前記検査機モード若しくは前記被検査モードに応じて所定の情報処理を行うように構成された制御部と、
前記ルータ故障検査に関する検査結果を保存するように構成された情報保存部と、
を備え、
自身の前記制御部は、自身の前記ゲートウェイ機器が前記検査機モードに設定されているときに、
自身の前記WANインタフェイス部に、前記運用モードに設定された他の第2のゲートウェイ機器から配布された、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のWANインタフェイス部に設定されたものと抵触しない、WAN-IPアドレスを設定するステップと、
自身の前記LANインタフェイス部、及び、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のLANインタフェイス部のそれぞれに、抵触しないLAN-IPアドレスを配布して設定するステップと、
前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器から、前記他の第1のゲートウェイ機器に設定された機器情報を取得して自身の前記情報保存部に記録するステップと、
前記ルータ故障検査に関する検査用パケットを生成して、自身の前記LANインタフェイス部を介して、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器に送信するステップと、
前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器でルーティング処理された前記検査用パケットを、自身の前記WANインタフェイス部を介して受信することにより、送信時の前記検査用パケットに含まれた所定のデータと、受信時の前記検査用パケットに含まれた所定のデータとを比較して、比較した検査結果を自身の前記情報保存部に記録するステップと、
自身の前記情報保存部に記録された前記機器情報及び前記検査結果を、自身の前記WANインタフェイス部を介してサーバに送信するステップと、
を行う、
ルータ故障検査方法。
【請求項10】
WANインタフェイス部とLANインタフェイス部との間にルーティング制御部を備えたゲートウェイ機器の前記WANインタフェイス部、前記LANインタフェイス部、及び前記ルーティング制御部に関するルータ故障検査を行う処理を自身の前記ゲートウェイ機器に実行させるプログラムであって、
自身の前記ゲートウェイ機器は、
ユーザの操作に応じて、検査される少なくとも1つの他の第1のゲートウェイ機器の第1のWANインタフェイス部、第1のLANインタフェイス部、及び第1のルーティング制御部に関するルータ故障検査を行う際に、運用モード又は検査機モード若しくは被検査モードに設定するように構成された検査モード設定部と、
自身の前記WANインタフェイス部及び前記LANインタフェイス部を制御するとともに、自身の前記検査モード設定部で設定された前記運用モード又は前記検査機モード若しくは前記被検査モードに応じて所定の情報処理を行うように構成された制御部と、
前記ルータ故障検査に関する検査結果を保存するように構成された情報保存部と、
を備え、
自身の前記ゲートウェイ機器が前記検査機モードに設定されているときに、
自身の前記WANインタフェイス部に、前記運用モードに設定された他の第2のゲートウェイ機器から配布された、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のWANインタフェイス部に設定されたものと抵触しない、WAN-IPアドレスを設定する処理と、
自身の前記LANインタフェイス部、及び、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のLANインタフェイス部のそれぞれに、抵触しないLAN-IPアドレスを配布して設定する処理と、
前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器から、前記他の第1のゲートウェイ機器に設定された機器情報を取得して自身の前記情報保存部に記録する処理と、
前記ルータ故障検査に関する検査用パケットを生成して、自身の前記LANインタフェイス部を介して、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器に送信する処理と、
前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器でルーティング処理された前記検査用パケットを、自身の前記WANインタフェイス部を介して受信することにより、送信時の前記検査用パケットに含まれた所定のデータと、受信時の前記検査用パケットに含まれた所定のデータとを比較して、比較した検査結果を自身の前記情報保存部に記録する処理と、
自身の前記情報保存部に記録された前記機器情報及び前記検査結果を、自身の前記WANインタフェイス部を介してサーバに送信する処理と、
を自身の前記制御部に実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲートウェイ機器、ルータ故障検査システム、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
WAN(Wide Area Network)インタフェイス部とLAN(Local Area Network)インタフェイス部との間にIP(Internet Protocol)ルーティング機能を備えたゲートウェイ(GW:Gateway)機器に関して、製造時にイーサネットポート(WANポート、LANポート)やIPルーティング機能(ルーティング制御部)の故障検査(ルータ故障検査)が行われている。また、GW機器の大量製造時には、複数台のGW機器を同時に検査することで検査時間の短縮や検査費用の削減が行われている。しかしながら、複数のGW機器を同時に検査するには、専用のネットワーク機器が必要になり、検査環境が複雑化するといった問題がある。そこで、これらの問題を解決する方法として、特許文献1に開示されているような、汎用的なスイッチングハブを用いることでイーサネットポートの検査を行う方法を用いることが考えられる。特許文献1では、通信装置の複数のイーサネットポートと、スイッチングハブの複数のイーサネットポートと、を接続し、L2レイヤの検査用パケットを各ポート間で送受信することにより、イーサネットポートの検査が可能であると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-90319号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下の分析は、本願発明者により与えられる。
【0005】
特許文献1の方法では、通信装置の各ポートの検査を行うことができるが、検査時にIPルーティング機能を無効化しているため、IPルーティング機能の故障検査を行うことができない。特許文献1の方法でイーサネットポートに問題ないことが分かってもIPルーティング機能が故障していた場合、LAN接続したパソコンやスマートフォン等の端末がインターネット接続できないため、IPルーティング機能の検査を別の設備を用いて実施する必要があり、検査環境の複雑化を回避することが困難である。
【0006】
本発明の主な課題は、ゲートウェイ機器の大量製造時においても検査環境の複雑化を回避しつつルータ故障検査を効率よく行うことに貢献することができるゲートウェイ機器、ルータ故障検査システム、方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の視点に係るゲートウェイ機器は、WANインタフェイス部とLANインタフェイス部との間にルーティング制御部を備えたゲートウェイ機器であって、ユーザの操作に応じて、検査される少なくとも1つ他の第1のゲートウェイ機器の第1のWANインタフェイス部、第1のLANインタフェイス部、及び第1のルーティング制御部に関するルータ故障検査を行う際に、運用モード又は検査機モード若しくは被検査モードに設定するように構成された検査モード設定部と、自身の前記WANインタフェイス部及び前記LANインタフェイス部を制御するとともに、自身の前記検査モード設定部で設定された前記運用モード又は前記検査機モード若しくは前記被検査モードに応じて所定の情報処理を行うように構成された制御部と、前記ルータ故障検査に関する検査結果を保存するように構成された情報保存部と、を備え、自身の前記制御部は、自身の前記ゲートウェイ機器が前記検査機モードに設定されているときに、自身の前記WANインタフェイス部に、前記運用モードに設定された他の第2のゲートウェイ機器から配布された、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のWANインタフェイス部に設定されたものと抵触しない、WAN-IPアドレスを設定する処理と、自身の前記LANインタフェイス部、及び、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のLANインタフェイス部のそれぞれに、抵触しないLAN-IPアドレスを配布して設定する処理と、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器から、前記他の第1のゲートウェイ機器に設定された機器情報を取得して自身の前記情報保存部に記録する処理と、前記ルータ故障検査に関する検査用パケットを生成して、自身の前記LANインタフェイス部を介して、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器に送信する処理と、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器でルーティング処理された前記検査用パケットを、自身の前記WANインタフェイス部を介して受信することにより、送信時の前記検査用パケットに含まれた所定のデータと、受信時の前記検査用パケットに含まれた所定のデータとを比較して、比較した検査結果を自身の前記情報保存部に記録する処理と、自身の前記情報保存部に記録された前記機器情報及び前記検査結果を、自身の前記WANインタフェイス部を介してサーバに送信する処理と、を行うように構成されている。
【0008】
第2の視点に係るルータ故障検査システムは、少なくとも1つの製造拠点検査システムと、前記製造拠点検査システムと通信可能に接続されたサーバと、を備え、前記製造拠点検査システムは、被検査モードに設定された少なくとも1つの第1のゲートウェイ機器と、運用モードに設定された第2のゲートウェイ機器と、検査機モードに設定された第3のゲートウェイ機器と、第1のスイッチハブと、第2のスイッチハブと、を備え、前記第1のゲートウェイ機器、前記第2のゲートウェイ機器、及び、前記第3のゲートウェイ機器は、前記第1の視点に係るゲートウェイ機器であり、前記第1のスイッチハブは、前記第2のゲートウェイ機器の第2のLANインタフェイス部、及び、前記第3のゲートウェイ機器の第3のWANインタフェイス部と接続され、前記第2のスイッチハブは、前記第1のゲートウェイ機器の第1のLANインタフェイス部、及び、前記第3のゲートウェイ機器の第3のLANインタフェイス部と接続され、前記第2のゲートウェイ機器の第2のWANインタフェイス部は、前記サーバと接続されている。
【0009】
第3の視点に係るルータ故障検査方法は、WANインタフェイス部とLANインタフェイス部との間にルーティング制御部を備えたゲートウェイ機器の前記WANインタフェイス部、前記LANインタフェイス部、及び前記ルーティング制御部に関するルータ故障検査を行うルータ故障検査方法であって、前記ゲートウェイ機器は、ユーザの操作に応じて、検査される少なくとも1つの他の第1のゲートウェイ機器の第1のWANインタフェイス部、第1のLANインタフェイス部、及び第1のルーティング制御部に関するルータ故障検査を行う際に、運用モード又は検査機モード若しくは被検査モードに設定するように構成された検査モード設定部と、自身の前記WANインタフェイス部及び前記LANインタフェイス部を制御するとともに、自身の前記検査モード設定部で設定された前記運用モード又は前記検査機モード若しくは前記被検査モードに応じて所定の情報処理を行うように構成された制御部と、前記ルータ故障検査に関する検査結果を保存するように構成された情報保存部と、を備え、自身の前記制御部は、自身の前記ゲートウェイ機器が前記検査機モードに設定されているときに、自身の前記WANインタフェイス部に、前記運用モードに設定された他の第2のゲートウェイ機器から配布された、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のWANインタフェイス部に設定されたものと抵触しない、WAN-IPアドレスを設定するステップと、自身の前記LANインタフェイス部、及び、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のLANインタフェイス部のそれぞれに、抵触しないLAN-IPアドレスを配布して設定するステップと、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器から、前記他の第1のゲートウェイ機器に設定された機器情報を取得して自身の前記情報保存部に記録するステップと、前記ルータ故障検査に関する検査用パケットを生成して、自身の前記LANインタフェイス部を介して、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器に送信するステップと、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器でルーティング処理された前記検査用パケットを、自身の前記WANインタフェイス部を介して受信することにより、送信時の前記検査用パケットに含まれた所定のデータと、受信時の前記検査用パケットに含まれた所定のデータとを比較して、比較した検査結果を自身の前記情報保存部に記録するステップと、自身の前記情報保存部に記録された前記機器情報及び前記検査結果を、自身の前記WANインタフェイス部を介してサーバに送信するステップと、を行う。
【0010】
第4の視点に係るプログラムは、WANインタフェイス部とLANインタフェイス部との間にルーティング制御部を備えたゲートウェイ機器の前記WANインタフェイス部、前記LANインタフェイス部、及び前記ルーティング制御部に関するルータ故障検査を行う処理を自身の前記ゲートウェイ機器に実行させるプログラムであって、自身の前記ゲートウェイ機器は、ユーザの操作に応じて、検査される少なくとも1つの他の第1のゲートウェイ機器の第1のWANインタフェイス部、第1のLANインタフェイス部、及び第1のルーティング制御部に関するルータ故障検査を行う際に、運用モード又は検査機モード若しくは被検査モードに設定するように構成された検査モード設定部と、自身の前記WANインタフェイス部及び前記LANインタフェイス部を制御するとともに、自身の前記検査モード設定部で設定された前記運用モード又は前記検査機モード若しくは前記被検査モードに応じて所定の情報処理を行うように構成された制御部と、前記ルータ故障検査に関する検査結果を保存するように構成された情報保存部と、を備え、自身の前記ゲートウェイ機器が前記検査機モードに設定されているときに、自身の前記WANインタフェイス部に、前記運用モードに設定された他の第2のゲートウェイ機器から配布された、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のWANインタフェイス部に設定されたものと抵触しない、WAN-IPアドレスを設定する処理と、自身の前記LANインタフェイス部、及び、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のLANインタフェイス部のそれぞれに、抵触しないLAN-IPアドレスを配布して設定する処理と、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器から、前記他の第1のゲートウェイ機器に設定された機器情報を取得して自身の前記情報保存部に記録する処理と、前記ルータ故障検査に関する検査用パケットを生成して、自身の前記LANインタフェイス部を介して、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器に送信する処理と、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器でルーティング処理された前記検査用パケットを、自身の前記WANインタフェイス部を介して受信することにより、送信時の前記検査用パケットに含まれた所定のデータと、受信時の前記検査用パケットに含まれた所定のデータとを比較して、比較した検査結果を自身の前記情報保存部に記録する処理と、自身の前記情報保存部に記録された前記機器情報及び前記検査結果を、自身の前記WANインタフェイス部を介してサーバに送信する処理と、を自身の前記制御部に実行させる。
【0011】
なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。また、本開示では、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。プログラムは、コンピュータ装置に入力装置又は外部から通信インタフェイスを介して入力され、記憶装置に記憶されて、プロセッサを所定のステップないし処理に従って駆動させ、必要に応じ中間状態を含めその処理結果を段階毎に表示装置を介して表示することができ、あるいは通信インタフェイスを介して、外部と交信することができる。そのためのコンピュータ装置は、一例として、典型的には互いにバスによって接続可能なプロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備える。
【発明の効果】
【0012】
前記第1~第4の視点によれば、ホームゲートウェイの大量製造時においても検査環境の複雑化を回避しつつルータ故障検査を効率よく行うことに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態1に係るルータ故障検査システムの構成を模式的に示したブロック図である。
図2】実施形態1に係るルータ故障検査システムにおけるGW機器の構成を模式的に示したブロック図である。
図3】実施形態1に係るルータ故障検査システムにおけるGW機器のモード設定時の動作を模式的に示したフローチャート図である。
図4】実施形態1に係るルータ故障検査システムにおけるGW機器にWAN-IPアドレス及びLAN-IPアドレスを設定する時の動作を模式的に示したシーケンスチャート図である。
図5】実施形態1に係るルータ故障検査システムにおけるGW機器にWAN-IPアドレスを設定した後の各GW機器のGW機器情報を模式的に示したテーブルである。
図6】実施形態1に係るルータ故障検査システムにおけるGW機器にLAN-IPアドレスを設定した後の各GW機器のGW機器情報を模式的に示したテーブルである。
図7】実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける被検査モードのGW機器と検査機モードのGW機器との間で相互にGW機器情報を記録する時の動作を模式的に示したシーケンスチャート図である。
図8】実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける被検査モードのGW機器で生成された検査機モードのGW機器宛てのGW機器情報通知パケットを模式的に示したテーブルである。
図9】実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける検査機モードのGW機器に保存された、GW機器情報通知パケット受信後のGW機器情報を模式的に示したテーブルである。
図10】実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける検査機モードのGW機器で生成された被検査モードのGW機器宛てのGW機器情報通知パケットを模式的に示したテーブルである。
図11】実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける被検査モードのGW機器に保存された、GW機器情報通知パケット受信後のGW機器情報を模式的に示したテーブルである。
図12】実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける被検査モードのGW機器と検査機モードのGW機器との間でのルーティング検査時の動作を模式的に示したシーケンスチャート図である。
図13】実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける検査機モードのGW機器で生成された検査用パケットを模式的に示したテーブルである。
図14】実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける検査機モードのGW機器宛ての検査用パケットを模式的に示したテーブルである。
図15】実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける検査機モードのGW機器に保存された、検査用パケット受信後のGW機器情報を模式的に示したテーブルである。
図16】実施形態2に係るルータ故障検査システムにおけるGW機器の構成を模式的に示したブロック図である。
図17】実施形態2に係るルータ故障検査システムにおける検査機モードのGW機器に保存された、GW機器情報通知パケット受信後のGW機器情報を模式的に示したテーブルである。
図18】実施形態2に係るルータ故障検査システムのルーティング検査後の連続通信試験に関する動作を模式的に示したシーケンスチャートである。
図19】実施形態3に係るゲートウェイ機器の構成を模式的に示したブロック図である。
図20】ハードウェア資源の構成を模式的に示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。また、下記の実施形態は、あくまで例示であり、本発明を限定するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。さらに、本願開示に示す回路図、ブロック図、内部構成図、接続図などにおいて、明示は省略するが、入力ポート及び出力ポートが各接続線の入力端及び出力端のそれぞれに存在する。入出力インタフェイスも同様である。プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備え、コンピュータ装置は、通信インタフェイスを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、交信可能に構成される。
【0015】
[実施形態1]
実施形態1に係るルータ故障検査システムについて図面を用いて説明する。図1は、実施形態1に係るルータ故障検査システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【0016】
ルータ故障検査システム1は、ゲートウェイ機器31、32(GW(Gateway)機器)の製造時にイーサネットポートやIPルーティング機能の故障検査(ルータ故障検査)を行うシステムである(図1参照)。ルータ故障検査システム1は、複数台のGW機器31、32のルータ故障検査を同時に行うことができる。ルータ故障検査システム1は、製造拠点検査システム71、72とサーバ50とがインターネット60を介して通信可能に接続された構成となっている。図1では製造拠点検査システム71、72が2つとなっているが、少なくとも1つあればよく、3つ以上であってもよい。
【0017】
製造拠点検査システム71は、製造拠点Aに設置されたGW機器31、32の検査システムである(図1参照)。製造拠点検査システム72は、製造拠点Bに設置されたGW機器の検査システムであり、製造拠点検査システム71と同様な構成とすることができる。製造拠点検査システム71は、GW機器10(運用モード)と、GW機器20(検査機モード)と、GW機器31、32(被検査モード)と、スイッチハブ41と、スイッチハブ42と、を備える。製造拠点検査システム71におけるGW機器の台数は、製造拠点検査システム72におけるGW機器の台数と同じでもよく異なっていてもよい。図1では製造拠点検査システム71におけるGW機器31、32(被検査モード)の台数が2台となっているが、少なくとも1台あればよく、3台以上であってもよい。
【0018】
GW機器10(運用モード)は、プロトコルが異なるネットワーク同士(ここでは、LANとWANとの間)を接続(中継)するゲートウェイ機器であり、一般に宅内やオフィスに設置されるようなネットワーク機器である(図1参照)。GW機器10(運用モード)は、製造拠点検査システム71、72をインターネット接続する運用機として繰り返し使用される。GW機器10(運用モード)は、WANインタフェイス部(WAN-IF)102と、LANインタフェイス部(LAN-IF)104とを備える。GW機器10(運用モード)のWANインタフェイス部(WAN-IF)102は、WAN用のインタフェイス(IF:Interface)であり、回線事業者網を介してインターネット60に接続される。GW機器10(運用モード)のLANインタフェイス部(LAN-IF)104は、LAN用のインタフェイス(IF:Interface)であり、ローカル(プライベート)な有線網を介してスイッチハブ41に接続される。
【0019】
GW機器20(検査機モード)は、GW機器10(運用モード)を基点にして、L3レイヤの故障検査機能を備えたネットワーク機器である(図1参照)。GW機器20(検査機モード)は、検査機として繰り返し使用される。GW機器20(検査機モード)は、WANインタフェイス部(WAN-IF)102と、LANインタフェイス部(LAN-IF)104とを備える。GW機器20(検査機モード)のWANインタフェイス部(WAN-IF)102は、WAN用のインタフェイス(IF:Interface)であり、ローカル(プライベート)な有線網を介してスイッチハブ41に接続される。GW機器20(検査機モード)のLANインタフェイス部(LAN-IF)104は、LAN用のインタフェイス(IF:Interface)であり、ローカル(プライベート)な有線網を介してスイッチハブ42に接続される。
【0020】
GW機器31、32(被検査モード)は、GW機器10(運用モード)を基点にして、L3レイヤの被故障検査機能を備えたネットワーク機器である(図1参照)。GW機器31、32(被検査モード)は、検査対象となるGW機器であり、検査が終わると新たなGW機器(被検査モード)に交換される。GW機器31、32(被検査モード)は、同じ機能を備える。GW機器31、32(被検査モード)は、WANインタフェイス部(WAN-IF)102と、LANインタフェイス部(LAN-IF)104とを備える。GW機器31、32(被検査モード)のWANインタフェイス部(WAN-IF)102は、WAN用のインタフェイス(IF:Interface)であり、ローカル(プライベート)な有線網を介してスイッチハブ41に接続される。GW機器31、32(被検査モード)のLANインタフェイス部(LAN-IF)104は、LAN用のインタフェイス(IF:Interface)であり、ローカル(プライベート)な有線網を介してスイッチハブ42に接続される。
【0021】
スイッチハブ41、42は、一般的なL2レイヤのブリッジ機能を備えた汎用的なネットワーク機器である(図1参照)。スイッチハブ41、42は、ブリッジ接続部品として繰り返し使用される。スイッチハブ41は、イーサネットケーブルを介して、GW機器10(運用モード)のLANインタフェイス部104、GW機器20(検査機モード)のWANインタフェイス部102、GW機器31、32(被検査モード)のWANインタフェイス部102と接続される。スイッチハブ42は、イーサネットケーブルを介して、GW機器20(検査機モード)のLANインタフェイス部104、及び、GW機器31、32(被検査モード)のLANインタフェイス部104と接続される。
【0022】
サーバ50は、一般的なWEBサイトやアプリケーション等を提供するネットワーク機器(情報処理装置)である(図1参照)。サーバ50は、インターネット60を介して、クライアントとなるGW機器10(運用モード)との間で通信を行う。サーバ50は、GW機器20(検査機モード)からGW機器10(運用モード)を介して送信された検査結果を含むGW機器情報を受信して保存し、WEBサイト上で情報提供可能である。
【0023】
インターネット60は、複数のネットワーク機器を接続するネットワークである(図1参照)。インターネット60は、製造拠点検査システム71、72とサーバ50とを通信可能に接続する。インターネット60は、主にWANを用いるが、LAN、PAN(Personal Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、GAN(Global Area Network)等を含んでいてもよい。
【0024】
実施形態1に係るルータ故障検査システムにおけるGW機器の詳細な構成について図面を用いて説明する。図2は、実施形態1に係るルータ故障検査システムにおけるGW機器の構成を模式的に示したブロック図である。
【0025】
GW機器10、20、31、32は、IPルーティング機能を備えるゲートウェイ機器である(図2参照)。GW機器10、20、31、32は、同じモデルのGW機器を用いることができるが異なっていてもよい。GW機器10、20、31、32は、運用モード、検査機モード、及び、被検査モードのモード切り替え可能に構成されている。運用モードは、検査時ではなく、インターネット通信を行う際にGW機器として使用するモードである。運用モードでは、汎用的なIPルーティング機能が動作し、WANのグローバルIPアドレスをインターネットサービスプロバイダから取得する。検査機モードは、他のGW機器(被検査モード)に対する検査用パケット(L3レイヤ検査用パケット)の送受信を行い、当該検査用パケットによるIPルーティング機能の故障検査を行い、検査結果を、GW機器10(運用モード)を介してサーバ50に送信するモードである。被検査モードは、他のGW機器(検査機モード)からの検査用パケットを受信するとIPルーティングを行い、当該検査用パケットを当該他のGW機器(検査機モード)に送信するモードである。
【0026】
GW機器10、20、31、32は、PPPoE(Point-to-Point Protocol over Ethernet)クライアント制御部101と、WANインタフェイス部102と、ルーティング制御部103と、LANインタフェイス部104と、ARP(Address Resolution Protocol)制御部105と、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ制御部106と、DHCPクライアント制御部107と、検査制御部108と、情報保存部109と、発光部(Light Emitting Diode)110と、検査モード設定部111と、モード変更操作部112と、を備える。
【0027】
PPPoEクライアント制御部101は、WANインタフェイス部102を介して外部のPPPoEサーバ(図示せず)と通信を行い、インターネット60への接続に必要なグローバルIPアドレスを取得する制御部である(図2参照)。PPPoEクライアント制御部101は、GW機器10(運用モード)の時のみ検査制御部108によって有効化される。
【0028】
WANインタフェイス部102は、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線、光ファイバ回線、CATV(Cable Television)回線等を用いて通信を行うネットワーク機器に接続されるインタフェイス部である(図2参照)。WANインタフェイス部102は、PPPoEクライアント制御部101、ルーティング制御部103、ARP制御部105、DHCPクライアント制御部107、及び、検査制御部108によって制御される。
【0029】
ルーティング制御部103は、IPルーティング処理を行う機能を備え、WANインタフェイス部102、LANインタフェイス部104から受信したIPパケットの宛先IPアドレスに基づいてルーティング処理を行う制御部である(図2参照)。
【0030】
LANインタフェイス部104は、パーソナルコンピュータ等の端末に有線LANで接続されるインタフェイス部である(図2参照)。LANインタフェイス部104は、ルーティング制御部103、ARP制御部105、DHCPサーバ制御部106、DHCPクライアント制御部107、及び、検査制御部108によって制御される。
【0031】
ARP制御部105は、ARPにより、WANインタフェイス部102、LANインタフェイス部104を介して、送信するパケットの宛先IPアドレスをもつネットワーク機器に到達可能なMAC(Media Access Control)アドレスを取得する制御部である(図2参照)。ARP制御部105は、検査制御部108によって制御される。
【0032】
DHCPサーバ制御部106は、DHCPにより、DHCPクライアント(自己以外のGW機器のDHCPクライアント制御部107)からのIPアドレス(WAN-IPアドレス、LAN-IPアドレス)の要求に対し、IPアドレス(他と抵触しないIPアドレス)を生成して配布する制御部である(図2参照)。DHCPサーバ制御部106は、検査制御部108によって制御される。
【0033】
DHCPクライアント制御部107は、DHCPにより、DHCPサーバ(自己以外のGW機器のDHCPサーバ制御部106)に対してIPアドレス(WAN-IPアドレス、LAN-IPアドレス)を要求し、IPアドレスを取得する制御部である(図2参照)。DHCPクライアント制御部107は、検査制御部108によって制御される。
【0034】
検査制御部108は、検査モード設定部111からGW機器のモード設定を受け取ると、モード設定(運用モード、検査機モード、被検査モード)に応じて、所定の検査処理を行う制御部である(図2参照)。検査制御部108は、PPPoEクライアント制御部101、WANインタフェイス部102、LANインタフェイス部104、ARP制御部105、DHCPサーバ制御部106、DHCPクライアント制御部107、及び、情報保存部109を制御する。
【0035】
検査制御部108は、モード設定が運用モードの場合、PPPoEクライアント制御部101を有効化し、かつ、DHCPサーバ制御部106を有効化する。
【0036】
検査制御部108は、モード設定が検査機モードの場合、PPPoEクライアント制御部101を無効化し、DHCPサーバ制御部106を有効化し、DHCPクライアント制御部107を有効化し、情報保存部109へのGW機器情報の保存処理と読み出し処理を行い、LANインタフェイス部104を介したGW機器情報の送受信を行い、WANインタフェイス部102に設定されたIPアドレスと抵触しないローカルIPアドレスのLANインタフェイス部104への設定を行い、LANインタフェイス部104を介した検査用パケットの送信を行い、WANインタフェイス部102を介した検査用パケットの受信を行い、かつ、送受信した検査用パケットの照合による結果判定を行う。
【0037】
検査制御部108は、モード設定が被検査モードの場合、PPPoEクライアント制御部101を無効化し、DHCPサーバ制御部106を無効化し、DHCPクライアント制御部107を有効化し、情報保存部109へのGW機器情報の保存処理と読み出し処理を行い、かつ、LANインタフェイス部104を介したGW機器情報の送受信を行う。
【0038】
情報保存部109は、各種情報を保存する機能部である(図2参照)。情報保存部109は、GW機器のモード情報、製造番号、MACアドレス、IPアドレス、デフォルトゲートウェイのIPアドレス、DNSサーバのIPアドレス、検査結果(所定のフォーマットの検査結果;疎通検査結果、ルーティング検査結果)を保存する。製造番号、MACアドレスは、GW機器製造時に記録される。情報保存部109は、検査制御部108によって制御される。
【0039】
発光部110は、発光(表示を含む)可能な機能部である(図2参照)。色、色数、表示は限定されない。発光部110には、例えば、LED(Light Emitting Diode)、ディスプレイ等を用いることができる。ここでは、便宜上、緑色、赤色、橙色で説明する。発光部110は、検査モード設定部111によって制御される。
【0040】
検査モード設定部111は、モード変更操作部112の操作(例えば、押下)に応じて、GW機器10、20、31、32のルータ故障検査の際に用いるモード(運用モード、検査機モード、被検査モード)を設定する機能部である(図2参照)。検査モード設定部111は、設定されたモードを検査制御部108に通知する。検査モード設定部111は、設定されたモードに応じて発光部110を所定の色に点灯制御する。
【0041】
モード変更操作部112は、検査を実施するオペレータ(ユーザ)がルータ故障検査を行う際、オペレータの操作によりGW機器のモードの変更を行うための機能部である(図2参照)。モード変更操作部112は、検査モード設定部111と接続されている。モード変更操作部112には、例えば、タクトスイッチ、タッチパネル等を用いることができる。ここでは、モード変更操作部112としてタクトスイッチを用いた例で説明する。
【0042】
次に、実施形態1に係るルータ故障検査システムにおけるGW機器のモード設定時の動作について図面を用いて説明する。図3は、実施形態1に係るルータ故障検査システムにおけるGW機器のモード設定時の動作を模式的に示したフローチャート図である。なお、ルータ故障検査システムの構成については、図1図2を参照されたい。
【0043】
GW機器10、20、31、32が起動すると、GW機器10、20、31、32は、運用モードに設定する(ステップA1)。これにより、GW機器10、20、31、32の検査モード設定部111は、運用モード設定通知を検査制御部108に送信し、かつ、発光部110を緑点灯させる。また、GW機器10、20、31、32の検査制御部108は、運用モード設定通知を受信することにより、PPPoEクライアント制御部101を有効化し、DHCPサーバ制御部106を有効化する。また、GW機器10、20、31、32のPPPoEクライアント制御部101は、インターネット60におけるPPPoEサーバ(図示せず)からグローバルIPアドレスを取得し、インターネット60への通信を実現する。また、GW機器10、20、31、32のDHCPサーバ制御部106は、LANに接続されたGW機器20、GW機器31、32の各WANインタフェイス部102に対し、IPアドレスを配布する。なお、運用モードをスキップする場合は、モード変更操作部112を1回押下してステップA3に進む。
【0044】
次に、GW機器10、20、31、32の検査モード設定部111は、運用モードに設定してから所定時間経過したか否かを確認する(ステップA2)。所定時間経過した場合(ステップA2のYES)、終了する。運用モードに設定するGW機器10については、ステップA1の後、所定時間放置して、終了することになる。
【0045】
所定時間経過していない場合(ステップA2のNO)、GW機器10、20、31、32の検査モード設定部111は、モード変更操作部112が押下されたか否かを確認する(ステップA3)。押下されていない場合(ステップA3のNO)、ステップA2に戻る。検査機モードに設定するGW機器20については、起動してからモード変更操作部112を押下(起動後、1回押下)してステップA4に進むことになる。
【0046】
押下されている場合(ステップA3のYES)、GW機器10、20、31、32は、検査機モードに設定する(ステップA4)。これにより、GW機器10、20、31、32の検査モード設定部111は、検査機モード設定通知を検査制御部108に送信し、かつ、発光部110を赤点灯させる。また、GW機器10、20、31、32の検査制御部108は、検査機モード設定通知を受信することにより、PPPoEクライアント制御部101を無効化し、DHCPサーバ制御部106を有効化し、DHCPクライアント制御部107を有効化し、かつ、情報保存部109のモードの欄に検査機であることを記録する。なお、検査機モードをスキップする場合は、モード変更操作部112を1回押下してステップA6に進む。
【0047】
次に、GW機器10、20、31、32の検査モード設定部111は、検査機モードに設定してから所定時間経過したか否かを確認する(ステップA5)。所定時間経過した場合(ステップA5のYES)、終了する。検査機モードに設定するGW機器20については、ステップA4の後、所定時間放置して、終了することになる。
【0048】
所定時間経過していない場合(ステップA5のNO)、GW機器10、20、31、32の検査モード設定部111は、モード変更操作部112が押下されたか否かを確認する(ステップA6)。押下されていない場合(ステップA6のNO)、ステップA5に戻る。被検査モードに設定するGW機器31、32については、モード変更操作部112を押下(起動後からカウントして2回押下)してステップA7に進むことになる。
【0049】
押下されている場合(ステップA6のYES)、GW機器10、20、31、32は、被検査モードに設定する(ステップA7)。これにより、GW機器10、20、31、32の検査モード設定部111は、被検査モード設定通知を検査制御部108に送信し、かつ、発光部110を橙点灯させる。また、GW機器10、20、31、32の検査制御部108は、被検査モード設定通知を受信することにより、PPPoEクライアント制御部101を無効化し、DHCPサーバ制御部106を無効化し、DHCPクライアント制御部107を有効化し、かつ、情報保存部109のモードの欄に被検査であることを記録する。
【0050】
次に、GW機器10、20、31、32の検査モード設定部111は、被検査モードに設定してから所定時間経過したか否かを確認する(ステップA8)。所定時間経過した場合(ステップA8のYES)、終了する。被検査モードに設定するGW機器31、32については、ステップA7の後、所定時間放置して、終了することになる。
【0051】
所定時間経過していない場合(ステップA8のNO)、GW機器10、20、31、32の検査モード設定部111は、モード変更操作部112が押下されたか否かを確認する(ステップA9)。押下されていない場合(ステップA9のNO)、ステップA8に戻る。押下されている場合(ステップA9のYES)、ステップA1に戻る。運用モードに設定するGW機器10について、誤って検査機モードや被検査モードの設定に進んでしまった場合は、モード変更操作部112を押下(起動後からカウントして3回押下)してステップA1に戻ることになる。
【0052】
次に、実施形態1に係るルータ故障検査システムにおけるGW機器20(検査機モード)、GW機器31、32(被検査モード)にWAN-IPアドレス及びLAN-IPアドレスを設定する時の動作について、図面を用いて説明する。図4は、実施形態1に係るルータ故障検査システムにおけるGW機器にWAN-IPアドレス及びLAN-IPアドレスを設定する時の動作を模式的に示したシーケンスチャート図である。図5は、実施形態1に係るルータ故障検査システムにおけるGW機器にWAN-IPアドレスを設定した後の各GW機器のGW機器情報を模式的に示したテーブルである。図6は、実施形態1に係るルータ故障検査システムにおけるGW機器にLAN-IPアドレスを設定した後の各GW機器のGW機器情報を模式的に示したテーブルである。なお、ルータ故障検査システムの構成については、図1図2を参照されたい。
【0053】
まず、GW機器31、32(被検査モード)、GW機器20(検査機モード)のWANインタフェイス部102は、WANリンクアップを検出し、WANリンクアップ通知を検査制御部108に送信する(ステップB1、ステップB5、ステップB9)。なお、ステップB1、ステップB5、ステップB9は、並行して行ってもよく、ステップB1、ステップB5、ステップB9のいずれかが先行してもよい。
【0054】
次に、GW機器31、32(被検査モード)、GW機器20(検査機モード)の検査制御部108は、DHCPクライアント制御部107、WANインタフェイス部102及びスイッチハブ41を介して、GW機器10(運用モード)にWANリンクアップ通知(WAN-IPアドレスを要求するための通知)を送信する(ステップB2、ステップB6、ステップB10)。
【0055】
次に、GW機器10(運用モード)のDHCPサーバ制御部106は、GW機器31、32(被検査モード)、GW機器20(検査機モード)からのWANリンクアップ通知を、LANインタフェイス部104を介して受信することにより、他と抵触しないWAN-IPアドレスを生成して、当該WAN-IPアドレスをLANインタフェイス部104及びスイッチハブ42を介してGW機器31、32(被検査モード)、GW機器20(検査機モード)に送信(配布)する(ステップB3、ステップB7、ステップB11)。
【0056】
次に、GW機器31、32(被検査モード)、GW機器20(検査機モード)の検査制御部108は、GW機器10(運用モード)からのWAN-IPアドレスを、WANインタフェイス部102及びDHCPクライアント制御部107を介して受信することにより、WAN-IPアドレスをWANインタフェイス部102に設定する(ステップB4、ステップB8、ステップB12)。この際、GW機器31、32(被検査モード)、GW機器20(検査機モード)の検査制御部108は、情報保存部109にWAN-IPアドレスを記録する。また、GW機器20(検査機モード)において情報保存部109にWAN-IPアドレスを記録する際、GW機器20(検査機モード)の検査制御部108は、DHCPクライアント制御部107、WANインタフェイス部102及びスイッチハブ41を介して、GW機器10(運用モード)からデフォルトゲートウェイ及びDNS(Domain Name System)サーバの各WAN-IPアドレスも取得して情報保存部109に記録する(図5参照)。また、GW機器31、32(被検査モード)、GW機器20(検査機モード)の各検査制御部108は、情報保存部109にWAN-IPアドレスを記録する際、WANポートの疎通ができたことも情報保存部109に記録する(図5参照)。
【0057】
GW機器20(検査機モード)においてWAN-IPアドレスの設定が完了すると、GW機器20(検査機モード)の検査制御部108は、DHCPサーバ制御部106でWAN-IPアドレスと抵触しないネットワークのローカルIPアドレスとしてLAN-IPアドレス(他と抵触しないLAN-IPアドレス)を生成して当該LAN-IPアドレスをLANインタフェイス部104に設定する(ステップB13)。この際、GW機器20(検査機モード)の検査制御部108は、情報保存部109にLAN-IPアドレスを記録し、LANポートの疎通ができたことも記録する(図6参照)。
【0058】
GW機器31、32(被検査モード)のLANインタフェイス部104は、LANリンクアップを検出し、LANリンクアップ通知を検査制御部108に送信する(ステップB14、ステップB18)。なお、ステップB14、ステップB18は、並行して行ってもよく、ステップB14、ステップB18のいずれかが先行してもよい。
【0059】
次に、GW機器31、32(被検査モード)の検査制御部108は、DHCPクライアント制御部107、LANインタフェイス部104及びスイッチハブ42を介して、GW機器20(検査機モード)にLANリンクアップ通知(LAN-IPアドレスを要求するための通知)を送信する(ステップB15、ステップB19)。
【0060】
次に、GW機器20(検査機モード)のDHCPサーバ制御部106は、GW機器31、32(被検査モード)からのLANリンクアップ通知を、LANインタフェイス部104を介して受信することにより、他と抵触しないLAN-IPアドレス(自GW機器のLAN-IPアドレスと同ネットワークのLAN-IPアドレス)を生成して、当該LAN-IPアドレスをLANインタフェイス部104及びスイッチハブ42を介してGW機器31、32(被検査モード)に送信する(ステップB16、ステップB20)。
【0061】
最後に、GW機器31、32(被検査モード)の検査制御部108は、GW機器20(検査機モード)からのLAN-IPアドレスを、LANインタフェイス部104及びDHCPクライアント制御部107を介して受信することにより、当該LAN-IPアドレスをLANインタフェイス部104に設定し(ステップB17、ステップB21)、その後、終了する。この際、GW機器31、32(被検査モード)の検査制御部108は、情報保存部109にLAN-IPアドレスを記録する。また、GW機器31、32(被検査モード)において情報保存部109にLAN-IPアドレスを記録する際、GW機器31、32(被検査モード)の検査制御部108は、DHCPクライアント制御部107、LANインタフェイス部104及びスイッチハブ42を介して、GW機器20(検査機モード)からデフォルトゲートウェイのLAN-IPアドレスも取得して情報保存部109に記録する(図6参照)。また、GW機器31、32(被検査モード)の検査制御部108は、情報保存部109にLAN-IPアドレスを記録する際、LANポートの疎通ができたことも情報保存部109に記録する(図6参照)。
【0062】
次に、実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける被検査モードのGW機器と検査機モードのGW機器との間で相互にGW機器情報を記録する時の動作について図面を用いて説明する。図7は、実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける被検査モードのGW機器と検査機モードのGW機器との間で相互にGW機器情報を記録する時の動作を模式的に示したシーケンスチャート図である。図8は、実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける被検査モードのGW機器で生成された検査機モードのGW機器宛てのGW機器情報通知パケットを模式的に示したテーブルである。図9は、実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける検査機モードのGW機器に保存された、GW機器情報通知パケット受信後のGW機器情報を模式的に示したテーブルである。図10は、実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける検査機モードのGW機器で生成された被検査モードのGW機器宛てのGW機器情報通知パケットを模式的に示したテーブルである。図11は、実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける被検査モードのGW機器に保存された、GW機器情報通知パケット受信後のGW機器情報を模式的に示したテーブルである。なお、ルータ故障検査システムの構成については、図1図2を参照されたい。
【0063】
WAN-IPアドレス及びLAN-IPアドレスの設定(図4のステップB1~ステップB21)が完了すると、GW機器31、32(被検査モード)の検査制御部108は、情報保存部109から自身のGW機器情報(GW機器31情報、GW機器32情報)を読み出し、読み出したGW機器情報に基づいてGW機器20(検査機モード)に通知するためのGW機器情報通知パケット(GW機器31情報通知パケット、GW機器32情報通知パケット)を生成する(ステップC1、ステップC7)。ここで、GW機器情報通知パケットにおいて、宛先MACアドレスはARP制御部105によりLANインタフェイス部104を介してARPで解決されたMACアドレスを指定し、送信元MACアドレスに自身のLAN-MACアドレスを指定し、送信元IPアドレスに自身のLAN-IPアドレスを指定し、宛先IPアドレスにデフォルトゲートウェイのIPアドレスを指定する(図8参照)。なお、ステップC1、ステップC7は、並行して行ってもよく、ステップC1、ステップC7のいずれかが先行してもよい。
【0064】
次に、GW機器31、32(被検査モード)の検査制御部108は、生成されたGW機器情報通知パケットを、TCP(Transmission Control Protocol)通信によりLANインタフェイス部104(例えば、TCP50000番ポート)及びスイッチハブ42を介してGW機器20(検査機モード)に送信する(ステップC2、ステップC8)。
【0065】
次に、GW機器20(検査機モード)の検査制御部108は、GW機器31、32(被検査モード)からのGW機器情報通知パケットを、LANインタフェイス部104を介して受信すると、GW機器情報通知パケットにおけるGW機器情報を情報保存部109に記録する(ステップC3、ステップC9、図9参照)
【0066】
次に、GW機器20(検査機モード)の検査制御部108は、情報保存部109から自身のGW機器情報(GW機器20情報)を読み出し、読み出したGW機器情報に基づいてGW機器31、32(被検査モード)に通知するためのGW機器情報通知パケット(GW機器20情報通知パケット)を生成する(ステップC4、ステップC10)。ここで、ステップC4、ステップC10で生成したGW機器情報通知パケットのMACアドレス及びIPアドレスは、ステップC3、ステップC9で受信したGW機器情報通知パケットの宛先と送信元とを入れ替えている(図10参照)
【0067】
次に、GW機器20(検査機モード)の検査制御部108は、生成されたGW機器情報通知パケットを、TCP通信によりLANインタフェイス部104(例えば、TCP50000番ポート)及びスイッチハブ42を介してGW機器31、32(被検査モード)に送信する(ステップC5、ステップC11)。
【0068】
最後に、GW機器31、32(被検査モード)の検査制御部108は、GW機器20(検査機モード)からのGW機器情報通知パケットを、LANインタフェイス部104を介して受信すると、GW機器20(検査機モード)のWAN-IPアドレスをデフォルトゲートウェイのIPアドレスとして情報保存部109に記録し(ステップC6、ステップC12、図11参照)、その後、終了する。
【0069】
次に、実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける被検査モードのGW機器31、32と検査機モードのGW機器20との間でのルーティング検査時の動作について図面を用いて説明する。図12は、実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける被検査モードのGW機器と検査機モードのGW機器との間でのルーティング検査時の動作を模式的に示したシーケンスチャート図である。図13は、実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける検査機モードのGW機器で生成された検査用パケットを模式的に示したテーブルである。図14は、実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける検査機モードのGW機器宛ての検査用パケットを模式的に示したテーブルである。図15は、実施形態1に係るルータ故障検査システムにおける検査機モードのGW機器に保存された、検査用パケット受信後のGW機器情報を模式的に示したテーブルである。なお、ルータ故障検査システムの構成については、図1図2を参照されたい。
【0070】
まず、GW機器20(検査機モード)の検査制御部108は、GW機器31、32(被検査モード)に対してルーティング検査を行うための検査用パケットを生成する(ステップD1、ステップD6)。検査用パケットでは、宛先MACアドレスに、ARP制御部105によりLANインタフェイス部104を介してARPで解決されたMACアドレスを指定し、送信元MACアドレスにGW機器20(検査機モード)自身のLAN-MACアドレスを指定し、送信元IPアドレスにGW機器20(検査機モード)自身のLAN-IPアドレスを指定し、宛先IPアドレスにGW機器20(検査機モード)自身のWAN-IPアドレスを指定し、検査用データには特定の文字列等を指定する(図13参照)。なお、ステップD1、ステップD6は、並行して行ってもよく、ステップD1、ステップD6のいずれかが先行してもよい。
【0071】
次に、GW機器20(検査機モード)の検査制御部108は、生成された検査用パケットを、TCP通信によりLANインタフェイス部104(例えば、TCP51000番ポート)及びスイッチハブ42を介してGW機器31、32(被検査モード)に送信する(ステップD2、ステップD7)。
【0072】
次に、GW機器31、32(被検査モード)の検査制御部108は、GW機器20(検査機モード)からの検査用パケットを、LANインタフェイス部104を介して受信すると、ルーティング処理を行い、受信した検査用パケットにおける、宛先MACアドレスをGW機器20(検査機モード)のWAN-MACアドレスに更新し、かつ、送信元MACアドレスをGW機器31、32(被検査モード)自身のWAN-MACアドレスに更新した検査用パケットを生成する(ステップD3、ステップD8、図14参照)。
【0073】
次に、GW機器31、32(被検査モード)の検査制御部108は、生成された検査用パケットを、WANインタフェイス部102及びスイッチハブ41を介してGW機器20(検査機モード)に送信する(ステップD4、ステップD9)。
【0074】
最後に、GW機器20(検査機モード)の検査制御部108は、GW機器31、32(被検査モード)からの検査用パケットを、WANインタフェイス部102を介して受信すると、ステップD2、ステップD7で送信した検査用パケットの検査用データと、今回受信した検査用パケットの検査用データとを比較し、比較した結果を情報保存部109に記録し(ステップD5、ステップD10)、その後、終了する。
【0075】
ここで、検査用データの比較により一致している場合は、検査用パケットの送信元MACアドレスと、情報保存部109のWAN-MACアドレスとを照合し、一致している場合は被検査モードのGW機器31、32のルーティング検査結果を「〇」として情報保存部109に記録し(図15参照)、一致していない場合は被検査モードのGW機器31、32のルーティング検査結果を「×(MACアドレス不一致)」として情報保存部109に記録する。
【0076】
一方、検査用データの比較により一致しない場合は、該当する被検査モードのGW機器31、32のルーティング検査結果を「×(検査用データ不一致)」として情報保存部109に記録する。この時、具体的な不一致箇所を合わせて記録してもよい。
【0077】
また、ステップD2、ステップD7の検査用パケットの送信後、一定時間経過しても、ステップD5、ステップD10で検査用パケットを受信できなかった場合は、該当する被検査モードのGW機器31、32のルーティング検査結果を「×(検査用データ受信不可)」として情報保存部109に記録する(図15参照)。
【0078】
全ての被検査モードのGW機器31、32についてルーティング検査が完了すると、GW機器20(検査機モード)の検査制御部108は、情報保存部109からGW機器情報を読み出し、当該GW機器情報をWANインタフェイス部102、スイッチハブ41、GW機器10(運用モード)、インターネット60を介して、サーバ50に送信することになる(ステップD11)。これにより、サーバ50は、GW機器10(運用モード)から送信されたGW機器情報を受信して保存し、WEBサイト上での情報提供を可能とする。なお、全ての被検査モードのGW機器についてルーティング検査が完了していなくても、一定時間ごとにサーバ50に送信してもよい。
【0079】
実施形態1によれば、ルータ故障検査システム1において、イーサネットポート及びIPルーティング機能のルータ故障検査の際、複数の被検査モードのGW機器31、32に対し、DHCPによるIPアドレスの配布および設定を行い、TCP通信によるMACアドレス、IPアドレスの通知を行い、L3レイヤ検査用パケットの送受信によるIPルーティング機能の故障検査を行い、かつ、検査結果のサーバへの通知を行っているので、複数の検査モードのGW機器31、32の同時検査をすることができるようになり、GW機器の大量製造時においても検査環境の複雑化を回避しつつルータ故障検査を効率よく行うことに貢献することができる。
【0080】
また、実施形態1によれば、ルータ故障検査システム1において、イーサネットポート及びIPルーティング機能のルータ故障検査を行う際、モード変更操作部により、運用モード、検査機モード、被検査モードに変更できるGW機器10、20、31、32を用いていることから、新たに検査機を手配しなくても、その場で製造が行われている正常なGW機器20を検査機として利用することができ、検査環境の複雑化を回避することができる。
【0081】
さらに、実施形態1によれば、ルータ故障検査システム1において、イーサネットポート及びIPルーティング機能のルータ故障検査を行う際、複数の製造拠点検査システム71、72の検査機モードのGW機器20のそれぞれから同じフォーマットで検査結果をサーバ50に送信しているため、サーバ50にて複数の製造拠点検査システム71、72に渡る全ての検査結果を把握、比較するといった一元管理が可能となり、製造拠点ごとの製造方法の問題の特定や、故障部品のロットの特定を効率的に実施することができる。
【0082】
[実施形態2]
実施形態2に係るルータ故障検査システムについて図面を用いて説明する。図16は、実施形態2に係るルータ故障検査システムにおけるGW機器の構成を模式的に示したブロック図である。
【0083】
実施形態2は、実施形態1の変形例であり、GW機器10、20、31、32の連続通信試験を行えるように、GW機器10、20、31、32において温度センサ113及びタイマ114を追加したものである(図16参照)。連続通信試験は、検査機モード及び被検査モードのGW機器20、31、32で行われる。GW機器20、31、32の検査制御部108は、タイマ114を用いて所定時間(図17のE1、E2、E3参照)の連続通信を実施し、温度センサ113を用いて連続通信開始時及び現在のGW機器10、20、31、32の温度(図17のT11、T12、T13、T21、T22、T23参照)を検出し、検出した温度に係る情報もGW機器10(運用モード)の情報保存部109に記録する。情報保存部109では、GW機器のモード情報、製造番号、MACアドレス、IPアドレス、デフォルトゲートウェイのIPアドレス、DNSサーバのIPアドレス、検査結果(所定のフォーマットの検査結果;疎通検査結果、ルーティング検査結果)の他に、連続通信開始時温度、現在の温度、連続通信経過時間、連続通信パケットロス率、連続通信スループットが関連付けられて保存されている。GW機器10(運用モード)の検査制御部108は、情報保存部109に記録されたGW機器情報をサーバ(図1の50)に送信する。
【0084】
温度センサ113は、GW機器10、20、31、32における所定の位置の温度を検出する。温度センサ113は、GW機器10、20、31、32の筐体表面に設置してもよいし、任意の部品に設置してもよい。温度センサ113は、検出した温度に係る情報を検査制御部108に送信する。
【0085】
タイマ114は、時間(時刻)を計測する。タイマ114は、計測された時間(時刻)を検査制御部108に送信する。
【0086】
次に、実施形態2に係るルータ故障検査システムの動作について図面を用いて説明する。図18は、実施形態2に係るルータ故障検査システムのルーティング検査後の連続通信試験に関する動作を模式的に示したシーケンスチャートである。
【0087】
ルーティング検査結果の記録(ステップD10)が完了すると、GW機器20(検査機モード)の検査制御部108は、連続通信試験を開始し、検査用パケット(図12のステップD1で生成された検査用パケットと同じもの)を、LANインタフェイス部104を介してGW機器31、32(被検査モード)に連続通信し、GW機器31、32(被検査モード)からの検査用パケット(図12のステップD4、ステップD9で送信された検査用パケットと同じもの)を、WANインタフェイス部102を介して連続受信する(ステップE1)。
【0088】
次に、GW機器20(検査機モード)及びGW機器31、32(被検査モード)の各検査制御部108は、連続通信試験結果を取得して情報保存部109のGW機器情報に記録する(ステップE2、ステップE3、ステップE4)。連続通信試験結果には、温度情報(連続通信開始時温度及び現在の温度)、連続通信パケットロス率、及び連続通信スループットが含まれる。連続通信経過時間及び現在の温度は、自身の温度センサ113から温度情報を読み出され、タイマ114の時間に基づいて一定時間ごとに更新される。連続通信パケットロス率及び連続通信スループットは、検査制御部108で計測され、タイマ114の時間に基づいて一定時間ごとに更新される。
【0089】
次に、GW機器20(検査機モード)の検査制御部108は、GW機器31、32(被検査モード)に対して連続通信試験結果を要求する(ステッE5)。
【0090】
GW機器31、32(被検査モード)の検査制御部108は、GW機器20(検査機モード)からの連続通信試験結果の要求に応じて、情報保存部109のGW機器情報における連続通信試験の試験結果をGW機器20(検査機モード)に送信する(ステッE6、ステップE7)。
【0091】
次に、GW機器20(検査機モード)の検査制御部108は、GW機器31、32(被検査モード)の検査制御部108からの連続通信試験結果を受信すると、当該連続通信試験結果を情報保存部109のGW機器情報に記録する(ステップE8)。
【0092】
連続通信試験が完了すると、GW機器20(検査機モード)の検査制御部108は、情報保存部109からGW機器情報を読み出し、当該GW機器情報をWANインタフェイス部102、スイッチハブ(図1の41)、GW機器10(運用モード)、インターネット(図1の60)を介して、サーバ(図1の50)に送信することになる(ステップD11)。
【0093】
実施形態2によれば、実施形態1と同様に、GW機器の大量製造時においても検査環境の複雑化を回避しつつルータ故障検査を効率よく行うことに貢献することができるとともに、GW機器は、イーサネットポートおよびIPルーティング機能の故障検査において、検査機モードのGW機器20および被検査モードのGW機器31、32の温度や長時間の連続通信試験結果をサーバに通知するため、故障条件の特定をより効率化できる。つまり、1回の疎通検査で正常性が確認されても、一定時間の連続通信を行う中で途中からスループットの低下が起きたり、部品の異常発熱が起きたりすることが原因で、その後の通信で異常が検出される場合や、疎通はできてもスループットが設計値通りに出ない場合があるので、検査として連続通信を行うとともに、GW機器の温度情報を記録しておくことは有用である。また、GW機器の動作保証ができる設置環境として温度条件があり、室温だけでなく、高温環境や低温環境における通信の長時間の安定性を確認することで、GW機器の信頼性を確保することができる。
【0094】
[実施形態3]
実施形態3に係るゲートウェイ機器について図面を用いて説明する。図19は、実施形態3に係るゲートウェイ機器の構成を模式的に示したブロック図である。
【0095】
ゲートウェイ機器10、20、31、32は、WANインタフェイス部102とLANインタフェイス部104との間にルーティング制御部103を備える。ゲートウェイ機器10、20、31、32は、検査モード設定部111と、制御部115と、情報保存部109と、を備える。
【0096】
検査モード設定部111は、ユーザの操作に応じて、検査される少なくとも1つの他の第1のゲートウェイ機器(図1の31、32に相当)の第1のWANインタフェイス部(図1の102に相当)、第1のLANインタフェイス部(図1の104に相当)、及び第1のルーティング制御部103に関するルータ故障検査を行う際に、運用モード又は検査機モード若しくは被検査モードに設定するように構成されている。
【0097】
制御部115は、自身のWANインタフェイス部102及びLANインタフェイス部104を制御するとともに、自身の検査モード設定部111で設定された運用モード又は検査機モード若しくは被検査モードに応じて所定の情報処理を行うように構成されている。なお、制御部115は、図2のPPPoEクライアント制御部101、ARP制御部105、DHCPサーバ制御部106、DHCPクライアント制御部107、及び検査制御部108に相当するものであるが、これに限るものではない。
【0098】
情報保存部109は、ルータ故障検査に関する検査結果を保存するように構成されている。
【0099】
制御部115は、自身のゲートウェイ機器20(図1の20に相当)が検査機モードに設定されているときに、以下の処理を行う。自身のゲートウェイ機器20の制御部115は、自身(ゲートウェイ機器20)のWANインタフェイス部102に、運用モードに設定された他の第2のゲートウェイ機器(図1の10に相当)から配布された、被検査モードに設定された他の第1のゲートウェイ機器(図1の31、32に相当)の第1のWANインタフェイス部(図1の102に相当)に設定されたものと抵触しない、WAN-IPアドレスを設定する処理を行う。自身のゲートウェイ機器20の制御部115は、自身(ゲートウェイ機器20)のLANインタフェイス部104、及び、被検査モードに設定された他の第1のゲートウェイ機器(図1の31、32に相当)の第1のLANインタフェイス部(図1の104)のそれぞれに、抵触しないLAN-IPアドレスを配布して設定する処理を行う。自身のゲートウェイ機器20の制御部115は、被検査モードに設定された他の第1のゲートウェイ機器(図1の31、32に相当)から、他の第1のゲートウェイ機器(図1の31、32に相当)に設定された機器情報を取得して自身の情報保存部109に記録する処理を行う。自身のゲートウェイ機器20(図1の20に相当)の制御部115は、ルータ故障検査に関する検査用パケットを生成して、自身のLANインタフェイス部104を介して、被検査モードに設定された他の第1のゲートウェイ機器(図1の31、32に相当)に送信する処理を行う。自身のゲートウェイ機器20の制御部115は、被検査モードに設定された他の第1のゲートウェイ機器(図1の31、32に相当)でルーティング処理された検査用パケットを、自身のWANインタフェイス部102を介して受信することにより、送信時の検査用パケットに含まれた所定のデータと、受信時の検査用パケットに含まれた所定のデータとを比較して、比較した検査結果を自身の情報保存部109に記録する処理を行う。自身のゲートウェイ機器20の制御部115は、自身の情報保存部109に記録された機器情報及び検査結果を、自身のWANインタフェイス部102を介してサーバ(図1の50に相当)に送信する処理を行う。
【0100】
実施形態3によれば、ルータ故障検査の際、複数の被検査モードのゲートウェイ機器31、32に対し、IPアドレス(WAN-IPアドレス、LAN-IPアドレス)を配布して設定を行い、検査用パケットの送受信によるゲートウェイ機器31、32のルーティング制御部103の故障検査を行い、かつ、検査結果のサーバ(図1の50に相当)への通知を行っているので、複数の検査モードのゲートウェイ機器31、32の同時検査をすることができるようになり、ゲートウェイ機器の大量製造時においても検査環境の複雑化を回避しつつルータ故障検査を効率よく行うことに貢献することができる。
【0101】
なお、実施形態1~3に係るゲートウェイ機器は、いわゆるハードウェア資源(情報処理装置、コンピュータ)により構成することができ、図20に例示する構成を備えたものを用いることができる。例えば、ハードウェア資源1000は、内部バス1004により相互に接続される、プロセッサ1001、メモリ1002、ネットワークインタフェイス1003等を備える。
【0102】
なお、図20に示す構成は、ハードウェア資源1000のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。ハードウェア資源1000は、図示しないハードウェア(例えば、入出力インタフェイス)を含んでもよい。あるいは、装置に含まれるプロセッサ1001等のユニットの数も図20の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ1001がハードウェア資源1000に含まれていてもよい。プロセッサ1001には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を用いることができる。
【0103】
メモリ1002には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いることができる。
【0104】
ネットワークインタフェイス1003には、例えば、LAN(Local Area Network)カード、ネットワークアダプタ、ネットワークインタフェイスカード等を用いることができる。
【0105】
ハードウェア資源1000の機能は、上述の処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ1002に格納されたプログラムをプロセッサ1001が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能は、何らかのハードウェアにおいてソフトウェアが実行されることによって実現できればよい。
【0106】
上記実施形態の一部または全部は以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0107】
[付記1]
WANインタフェイス部とLANインタフェイス部との間にルーティング制御部を備えたゲートウェイ機器であって、
ユーザの操作に応じて、検査される少なくとも1つ他の第1のゲートウェイ機器の第1のWANインタフェイス部、第1のLANインタフェイス部、及び第1のルーティング制御部に関するルータ故障検査を行う際に、運用モード又は検査機モード若しくは被検査モードに設定するように構成された検査モード設定部と、
自身の前記WANインタフェイス部及び前記LANインタフェイス部を制御するとともに、自身の前記検査モード設定部で設定された前記運用モード又は前記検査機モード若しくは前記被検査モードに応じて所定の情報処理を行うように構成された制御部と、
前記ルータ故障検査に関する検査結果を保存するように構成された情報保存部と、
を備え、
自身の前記制御部は、自身の前記ゲートウェイ機器が前記検査機モードに設定されているときに、
自身の前記WANインタフェイス部に、前記運用モードに設定された他の第2のゲートウェイ機器から配布された、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のWANインタフェイス部に設定されたものと抵触しない、WAN-IPアドレスを設定する処理と、
自身の前記LANインタフェイス部、及び、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のLANインタフェイス部のそれぞれに、抵触しないLAN-IPアドレスを配布して設定する処理と、
前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器から、前記他の第1のゲートウェイ機器に設定された機器情報を取得して自身の前記情報保存部に記録する処理と、
前記ルータ故障検査に関する検査用パケットを生成して、自身の前記LANインタフェイス部を介して、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器に送信する処理と、
前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器でルーティング処理された前記検査用パケットを、自身の前記WANインタフェイス部を介して受信することにより、送信時の前記検査用パケットに含まれた所定のデータと、受信時の前記検査用パケットに含まれた所定のデータとを比較して、比較した検査結果を自身の前記情報保存部に記録する処理と、
自身の前記情報保存部に記録された前記機器情報及び前記検査結果を、自身の前記WANインタフェイス部を介してサーバに送信する処理と、
を行うように構成されている、
ゲートウェイ機器。
[付記2]
自身の前記ゲートウェイ機器は、前記ユーザの操作によりモードの変更を行うように構成されたモード変更操作部を備え、
自身の前記検査モード設定部は、自身の前記モード変更操作部の操作に応じて、前記運用モード又は前記検査機モード若しくは前記被検査モードに設定するように構成されている、
付記1記載のゲートウェイ機器。
[付記3]
前記被検査モードの前記他の第1のゲートウェイ機器は、複数台あり、
自身の前記制御部は、自身の前記ゲートウェイ機器が前記検査機モードに設定されているときに、前記被検査モードの前記他の第1のゲートウェイ機器の前記機器情報及び前記検査結果を自身の前記情報保存部に記録する際に、同じフォーマットで記録する処理を行うように構成されている、
付記1記載のゲートウェイ機器。
[付記4]
自身の前記制御部は、自身の前記ゲートウェイ機器が前記検査機モードに設定されているときに、
前記WAN-IPアドレスを設定する際に、前記運用モードに設定された前記他の第2のゲートウェイ機器からデフォルトゲートウェイ及びDNSサーバの各WAN-IPアドレスを取得して自身の前記情報保存部に記録する処理と、
前記WAN-IPアドレスを設定する際に、前記WAN-IPアドレス、及び、自身の前記WANインタフェイス部での疎通結果を自身の前記情報保存部に記録する処理と、
前記LAN-IPアドレスを設定する際に、前記LAN-IPアドレス、及び、自身の前記WANインタフェイス部での疎通結果を自身の前記情報保存部に記録する処理と、
を行うように構成されている、
付記1記載のゲートウェイ機器。
[付記5]
自身の前記制御部は、自身の前記ゲートウェイ機器が前記他の第1のゲートウェイ機器として前記被検査モードに設定されているときに、
自身の前記WANインタフェイス部に、前記運用モードに設定された前記他の第2のゲートウェイ機器から配布された、前記検査機モードに設定された他の第3のゲートウェイ機器の第3のWANインタフェイス部に設定されたものと抵触しない、WAN-IPアドレスを設定する処理と、
自身の前記LANインタフェイス部に、前記検査機モードに設定された前記他の第3のゲートウェイ機器の第3のLANインタフェイス部から配布された、前記検査機モードに設定された前記他の第3のゲートウェイ機器の前記第3のLANインタフェイス部に設定されたものと抵触しない、LAN-IPアドレスを設定する処理と、
前記検査機モードに設定された前記他の第3のゲートウェイ機器から、前記他の第3のゲートウェイ機器に設定された機器情報を取得して前記機器情報に含まれる前記他の第3のゲートウェイ機器のWAN-IPアドレスをデフォルトゲートウェイのIPアドレスとして自身の前記情報保存部に記録する処理と、
前記検査機モードに設定された前記他の第3のゲートウェイ機器からの前記検査用パケットを、自身の前記LANインタフェイス部を介して受信することにより、ルーティング処理する処理と、
ルーティング処理された前記検査用パケットを、自身の前記WANインタフェイス部を介して前記検査機モードに設定された前記他の第3のゲートウェイ機器に送信する処理と、
を行うように構成されている、
付記1記載のゲートウェイ機器。
[付記6]
自身の前記制御部は、自身の前記ゲートウェイ機器が前記他の第2のゲートウェイ機器として前記運用モードに設定されているときに、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のWANインタフェイス部、及び、前記検査機モードに設定された他の第3のゲートウェイ機器の第3のWANインタフェイス部のそれぞれに、抵触しないWAN-IPアドレスを配布して設定する処理を行うように構成されている、
付記1記載のゲートウェイ機器。
[付記7]
自身の前記制御部は、自身の前記ゲートウェイ機器が前記他の第2のゲートウェイ機器として前記運用モードに設定されているときに、自身の前記WANインタフェイス部を介して外部のPPPoEサーバからグローバルIPアドレスを取得する処理を行うように構成されている、
付記6記載のゲートウェイ機器。
[付記8]
自身の前記検査モード設定部によって設定された前記運用モード又は前記検査機モード若しくは前記被検査モードに応じて発光するように構成された発光部を備える、
付記1記載のゲートウェイ機器。
[付記9]
自身の前記制御部は、自身の前記ゲートウェイ機器が前記検査機モードに設定されているときに、
前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器との間で、前記検査用パケットの連続通信試験を行う処理と、
自身、及び、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器から前記連続通信試験の試験結果を取得して自身の前記情報保存部に記録する処理と、
自身の前記情報保存部に記録された前記機器情報及び前記検査結果並び前記試験結果を、自身の前記WANインタフェイス部を介して前記サーバに送信する処理と、
を行うように構成されている、
付記1記載のゲートウェイ機器。
[付記10]
時間を計測するように構成されたタイマと、
自身の前記ゲートウェイ機器における所定の位置の温度を検出するように構成された温度センサと、
を備え、
自身の前記制御部は、自身の前記ゲートウェイ機器が前記検査機モードに設定されているときに、
前記連続通信試験を行う際、自身の前記タイマを用いて所定時間、前記連続通信試験を行い、前記試験結果として、連続通信パケットロス率、連続通信スループット、及び前記温度センサで検出された温度を取得する処理を行うように構成されている、
付記9記載のゲートウェイ機器。
[付記11]
少なくとも1つの製造拠点検査システムと、
前記製造拠点検査システムと通信可能に接続されたサーバと、
を備え、
前記製造拠点検査システムは、
被検査モードに設定された少なくとも1つの第1のゲートウェイ機器と、
運用モードに設定された第2のゲートウェイ機器と、
検査機モードに設定された第3のゲートウェイ機器と、
第1のスイッチハブと、
第2のスイッチハブと、
を備え、
前記第1のゲートウェイ機器、前記第2のゲートウェイ機器、及び、前記第3のゲートウェイ機器は、付記1乃至7のいずれか一に記載のゲートウェイ機器であり、
前記第1のスイッチハブは、前記第2のゲートウェイ機器の第2のLANインタフェイス部、及び、前記第3のゲートウェイ機器の第3のWANインタフェイス部と接続され、
前記第2のスイッチハブは、前記第1のゲートウェイ機器の第1のLANインタフェイス部、及び、前記第3のゲートウェイ機器の第3のLANインタフェイス部と接続され、
前記第2のゲートウェイ機器の第2のWANインタフェイス部は、前記サーバと接続されている、
ルータ故障検査システム。
[付記12]
WANインタフェイス部とLANインタフェイス部との間にルーティング制御部を備えたゲートウェイ機器の前記WANインタフェイス部、前記LANインタフェイス部、及び前記ルーティング制御部に関するルータ故障検査を行うルータ故障検査方法であって、
前記ゲートウェイ機器は、
ユーザの操作に応じて、検査される少なくとも1つの他の第1のゲートウェイ機器の第1のWANインタフェイス部、第1のLANインタフェイス部、及び第1のルーティング制御部に関するルータ故障検査を行う際に、運用モード又は検査機モード若しくは被検査モードに設定するように構成された検査モード設定部と、
自身の前記WANインタフェイス部及び前記LANインタフェイス部を制御するとともに、自身の前記検査モード設定部で設定された前記運用モード又は前記検査機モード若しくは前記被検査モードに応じて所定の情報処理を行うように構成された制御部と、
前記ルータ故障検査に関する検査結果を保存するように構成された情報保存部と、
を備え、
自身の前記制御部は、自身の前記ゲートウェイ機器が前記検査機モードに設定されているときに、
自身の前記WANインタフェイス部に、前記運用モードに設定された他の第2のゲートウェイ機器から配布された、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のWANインタフェイス部に設定されたものと抵触しない、WAN-IPアドレスを設定するステップと、
自身の前記LANインタフェイス部、及び、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のLANインタフェイス部のそれぞれに、抵触しないLAN-IPアドレスを配布して設定するステップと、
前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器から、前記他の第1のゲートウェイ機器に設定された機器情報を取得して自身の前記情報保存部に記録するステップと、
前記ルータ故障検査に関する検査用パケットを生成して、自身の前記LANインタフェイス部を介して、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器に送信するステップと、
前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器でルーティング処理された前記検査用パケットを、自身の前記WANインタフェイス部を介して受信することにより、送信時の前記検査用パケットに含まれた所定のデータと、受信時の前記検査用パケットに含まれた所定のデータとを比較して、比較した検査結果を自身の前記情報保存部に記録するステップと、
自身の前記情報保存部に記録された前記機器情報及び前記検査結果を、自身の前記WANインタフェイス部を介してサーバに送信するステップと、
を行う、
ルータ故障検査方法。
[付記13]
WANインタフェイス部とLANインタフェイス部との間にルーティング制御部を備えたゲートウェイ機器の前記WANインタフェイス部、前記LANインタフェイス部、及び前記ルーティング制御部に関するルータ故障検査を行う処理を自身の前記ゲートウェイ機器に実行させるプログラムであって、
自身の前記ゲートウェイ機器は、
ユーザの操作に応じて、検査される少なくとも1つの他の第1のゲートウェイ機器の第1のWANインタフェイス部、第1のLANインタフェイス部、及び第1のルーティング制御部に関するルータ故障検査を行う際に、運用モード又は検査機モード若しくは被検査モードに設定するように構成された検査モード設定部と、
自身の前記WANインタフェイス部及び前記LANインタフェイス部を制御するとともに、自身の前記検査モード設定部で設定された前記運用モード又は前記検査機モード若しくは前記被検査モードに応じて所定の情報処理を行うように構成された制御部と、
前記ルータ故障検査に関する検査結果を保存するように構成された情報保存部と、
を備え、
自身の前記ゲートウェイ機器が前記検査機モードに設定されているときに、
自身の前記WANインタフェイス部に、前記運用モードに設定された他の第2のゲートウェイ機器から配布された、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のWANインタフェイス部に設定されたものと抵触しない、WAN-IPアドレスを設定する処理と、
自身の前記LANインタフェイス部、及び、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器の前記第1のLANインタフェイス部のそれぞれに、抵触しないLAN-IPアドレスを配布して設定する処理と、
前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器から、前記他の第1のゲートウェイ機器に設定された機器情報を取得して自身の前記情報保存部に記録する処理と、
前記ルータ故障検査に関する検査用パケットを生成して、自身の前記LANインタフェイス部を介して、前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器に送信する処理と、
前記被検査モードに設定された前記他の第1のゲートウェイ機器でルーティング処理された前記検査用パケットを、自身の前記WANインタフェイス部を介して受信することにより、送信時の前記検査用パケットに含まれた所定のデータと、受信時の前記検査用パケットに含まれた所定のデータとを比較して、比較した検査結果を自身の前記情報保存部に記録する処理と、
自身の前記情報保存部に記録された前記機器情報及び前記検査結果を、自身の前記WANインタフェイス部を介してサーバに送信する処理と、
を自身の前記制御部に実行させる、
プログラム。
【0108】
なお、上記の特許文献の開示は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとし、必要に応じて本発明の基礎ないし一部として用いることが出来るものとする。本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(必要により不選択)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、本願に記載の数値及び数値範囲については、明記がなくともその任意の中間値、下位数値、及び、小範囲が記載されているものとみなされる。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本願発明の趣旨に則り、本願発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれる(属する)ものと、みなされる。
【符号の説明】
【0109】
1 ルータ故障検査システム
10、20、31、32 GW機器(ゲートウェイ機器)
41、42 スイッチハブ
50 サーバ
60 インターネット
71、72 製造拠点検査システム
101 PPPoEクライアント制御部
102 WANインタフェイス部
103 ルーティング制御部
104 LANインタフェイス部
105 ARP制御部
106 DHCPサーバ制御部
107 DHCPクライアント制御部
108 検査制御部
109 情報保存部
110 発光部
111 検査モード設定部
112 モード変更操作部
113 温度センサ
114 タイマ
115 制御部
1000 ハードウェア資源
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ネットワークインタフェイス
1004 内部バス
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