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特許7632984多用途多輪車両と、同車両に備えられた取り外し可能な荷台
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】多用途多輪車両と、同車両に備えられた取り外し可能な荷台
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/02 20060101AFI20250212BHJP
   B62D 61/10 20060101ALI20250212BHJP
   B62D 21/02 20060101ALI20250212BHJP
   B60G 3/12 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
B60P1/02 A
B62D61/10
B62D21/02 Z
B60G3/12
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024133239
(22)【出願日】2024-08-08
【審査請求日】2024-08-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】305037318
【氏名又は名称】山田 明
(72)【発明者】
【氏名】山田 明
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06910844(US,B2)
【文献】特公昭49-039448(JP,B1)
【文献】米国特許第04619578(US,A)
【文献】米国特許第08182193(US,B2)
【文献】特開昭58-199235(JP,A)
【文献】実開平04-035002(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 1/02
B60P 1/64
B62D 61/10,61/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(概要)
・車両の下部、縦型フォーク状荷台フレーム(B)の上面の凹凸と、噛み合う形状の凹凸を
その下部に持つ荷台コンテナ(C)からなる車両上部を組み合わせたことによる、荷台コン
テナ(C)を、自力で載せ替えできる機能を備えたコンテナ車であり、
(車両の下部)
(1)2輪以上の前輪をもち、前輪駆動、前輪操舵の機能を持ち
(2)4輪以上の、前輪よりも小さな後輪を持ち、
(3)シャーシをみると、車体の両側面にある2本の縦型フォーク状荷台フレーム(B)内
に、後輪走行ユニット(A)を、縦並びで、片側2個以上、備えている
(3-1)この後輪走行ユニット(A)は、車輪、アーム、ショックアブソーバー、ストラッ
ト、スプリング等をコンパクトにまとめたものであり、駆動力、あるいは操舵力をもたな
い車輪は、キャスタートレイルによって、前輪の動き、もしくは車全体の動きに従動する
ようにセッティングされている
(3-2)また、この後輪走行ユニット(A)は、2つ以上のアームからなるリンクを備えており、衝撃を緩衝し、車体を支える機能とともに
、アームを折り畳んだり、ストラットを調整することなどで、高さ調整ができ、縦型フォ
ーク状荷台フレーム(B)を上げ下げすることで、荷台フレーム(B)上にある器物を抱えあ
げ、保持する機能を持つ
(車両の上部)
(4)2本の縦型フォーク状荷台フレーム(B)の間のフォークギャップ(凹型)に乗り入
れできる(逆凸型)荷台コンテナ(C)を、取り外し自由に備えており、
(5)後輪走行ユニット(A)が荷台フレーム(B)を上げ下げすることにより、荷台コンテ
ナ(C)を、自力で保持、確保、あるいは開放する機能がある
(6)以上のようにして、荷台コンテナ(C)を、容易に移動できることから、コンテナご
との移動ができるため、荷物の手による積み替え仕事を軽減できる機能をもつ、
取り外し自由な荷台コンテナ(C)を、自力で載せ替えできる機能を備えた、縦型フォーク
状コンテナ多輪車。
【請求項2】
(概要)
・車両の下部、横型フォーク状荷台フレーム(D)の上面の凹凸と、噛み合う形状の凹凸を
その下部に持つ荷台コンテナ(E)等からなる車両上部を組み合わせたことによる、荷台コ
ンテナ(E)等を、自力で載せ替えできる機能を備えたコンテナ車であり、
(車両の下部)
(1)2輪以上の前輪をもち、前輪駆動、前輪操舵であり、
(2)4輪以上の小さな後輪を持ち、
(7)シャーシをみると、進行方向に直角、横向きにのびた1本もしくは2本以上の横型
フォーク状荷台フレーム(D)内に、後輪走行ユニット(A)を、横並びで何個か備えてい

(7-1)この後輪走行ユニット(A)は、車輪、アーム、ショックアブソーバー、ストラッ
ト、スプリング等をコンパクトにまとめたものであり、駆動力、あるいは操舵力をもたな
い車輪は、キャスタートレイルによって、前輪の動き、もしくは車全体の動きに従動する
ようにセッティングされている
(7-2)また、この後輪走行ユニット(A)は、衝撃を緩衝し、車体を支える機能とともに
、アームを折り畳んだり、ストラットを調整することなどで、高さ調整ができ、横型フォ
ーク状荷台フレーム(D)を上げ下げすることができ、横型荷台フレーム(D)上にある器
物を抱えあげ、保持する機能を持つ
(7-3)横型荷台フレーム(D)相互の間、もしくは1本の荷台フレーム(D)と車室との間
には、車両の側面、もしくは中央に、相互をつなぐフレーム(E)がある、
もしくは横型荷台フレーム(D)の上部から下部のいずれかの場所に、強度のある板が敷か
れて、横型荷台フレーム(D)と車室を支えている
(7-4)フレーム(E)のない側の車両側面にできたフォークギャップ(F)は、開放感のあ
る空間となる
(7-5)横型荷台フレーム((D)の床板下部から上部までのいずれかの場所に、板が張ら
れた場合、その上部は、低い床面を持つ開放感のある空間となる
(車両の上部)
(9)横型荷台フレーム(D)のフォークギャップ(F)の間、もしくは横型荷台フレーム(
D)の床板下部から上部までのいずれかの場所にある板の上部には、
荷台コンテナ(E)、あるいは、キッチン施設、キャンピング施設、高所クレーン施設、特殊装備、車付きの荷台など、さまざまな施設を、載せ替え自由に、あるいは固定的に載せることができる機能をもつ、
以上、さまざまな施設等を、自力で載せ替えできる機能を備えた、横型フォーク状コンテナ多輪車。
【請求項3】
(7-6)車両の上部に荷重のある施設を載せる場合、後輪駆動になることもある
請求項記載の、横型フォーク状コンテナ多輪車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数のキャスタートレイル式小後輪を備えた車台、ならびに、これらの車台に、取り外し可能な荷台コンテナ、施設、客室部分等、を備えた車両に関したものである。
【背景技術】
【0002】
イギリスで蒸気機関による動力車、農業機械などの機械が多く開発されたが、ガソリン自動車はアメリカでめざましく開発が進んだ。
【0003】
車輪の原型は馬車時代からくるのだろうか、パンクし易いというタイヤの欠点を補うため、予備のホイール1本を車の横や後ろに積んでいる写真がある。T型フォードあたりだろうか。
【0004】
サファリなど荒野を行く車も必ず一輪を後ろに積んでいる。パンクしやすいというタイヤの致命的欠点を補うため、いつでも交換できるようにガソリン自動車はその発達当初から、ホイールは4輪同じサイズのものが合理的とみなされるようになっていたのかもしれない。
【0005】
さて、日本、あるいは多くの先進国では、アスファルトをはじめとする道路の舗装がすすんでいる。
【0006】
一方、スチールコードが編み込まれた、パンクしにくいタイヤができ、空気の入っていないタイヤもできている。つまり路面もタイヤも進歩している現在、パンクの発生率は以前に比較すると激減していると言える。
【0007】
また、パンクしていても、小さなボンベで、一時的に空気圧を上げて、修理できる場所まで移動するという技術すらある。
【0008】
となると、自動車の車輪のサイズが、各輪とも同じである必要は、かつてほどはないのではないだろうか。それが、本発明の最初の出発点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
本発明に関する公知技術として次の特許文献をあげることができる。
【文献】特願2023-132762
【文献】特開2007-320502
【文献】特開平07-081639
【文献】実全昭59-012767
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、いままで見落とされてきた車輪のサイズ、ならびにFF車における後輪サスペンションの改良、さらに多目的車の荷台の改良を課題とする。
【0011】
●全体像の説明
【0012】
ここで、この発明の目標をかかげる。
【0013】
本発明では、前輪には、普通の乗用車、貨物車で使われる大きさ、直径約45センチから70センチ程度のサイズのタイヤを主に備え、前輪操舵、主に前輪駆動方式の車両を考える。これは一般にはFF方式と呼ばれている。
【0014】
普通のFF車では、通常、後輪は、前輪と同じものを使う。しかし、本願において、後輪は、サイズを大幅に小さくし、その数を増やすことで、荷重を受け止める方式を考える。
【0015】
以下、図を参照しながら説明を行う。
【0016】
●折りたたむと小さくなる走行ユニット
【0017】
ここで、走行ユニットとは、車台部と回転軸をもってつながり、アームとショックアブソーバー、ストラット、スプリング、車輪、車軸などを一体化して形成された独立の縣架装置で、車台と接地面の間に置かれている部分である。
【0018】
図1図2では、今までの4輪車の後ろ2輪を、より小さな径の車輪、8輪で受け持っている図である。
【0019】
今までの後ろ2輪分のタイヤの接地圧と、接地面積を、少なくとも後ろ4輪、あるいは4輪以上、(図1図2では8輪)で分散して受け持つことになる。
【0020】
荷重を分散することで、車輪の径を小さくすることができる。また、バネ下重量も軽くできる。
【0021】
この小さな径の車輪を支えるのに、ここでは、折りたたむことで、天地が小さくなる構造をもった、走行ユニット5を使っている。
【0022】
この独立縣架方式の走行ユニット5(図5図6)は、車輪、サスペンションなどをひとまとめにしたものである。後に詳しく述べる。
【0023】
図2では、通常走行時(上)5’と、折りたたんだ時(下)5’’の比較を行っている。車輪の径が小さいことは、走行ユニット5を折り畳んだ時の荷台の高さ2Lを小さく、荷台の天板を低くできるメリットがある。
【0024】
●走行ユニットを内蔵した車台フレーム部
【0025】
図1、2、3の車台部2は、運転席の後部から両袖のように伸びた車台フレーム部分内に、走行ユニット5が収納されているものである。見取図が図1。上から見たのが、図3である。
【0026】
形状が、フォークリフトのフォークのような形状になるので、この両袖車台フレーム部2をフォーク状車台部、両袖の間の空間を、テーブルウェアの「フォークの隙間」の部分名称からフォークギャップ3と呼んでみる。図1参照。
【0027】
このフォークギャップ3の幅は、荷台コンテナ6のパレット部分7より大きい。時にはスライドレール、ローラー等が仕込まれていることもある。
【0028】
フォーク型フレーム2の内側部は、ここでは平行に描かれているが、先細りのテーパー状にすれば、さらに楽にはまり込むこともできる。
【0029】
●取り外し自由の荷台コンテナ
【0030】
図1図2図3において、左にあるフォーク状車台部の右側に、専用の荷台コンテナ6がある。
【0031】
荷台コンテナ6の下、中央には、取り外し可能な、パレット状の部材7がある。部材7には、伸縮可、可動の足部8をつけることもある。
【0032】
単純に荷台コンテナを、下にでっぱりのある凸形状にしてもよい。
出っ張り部分が、折り畳んだ時の、フォーク状車台部の高さより高く、これらが、ちょうど噛み合う形状であることが必要である。
【0033】
図1の右のコンテナは、パレット部材7と畳んだ足8をとりつけたものであり、左の車台に載った状態を、わかりやすく右に移動した図である。
【0034】
フォークギャップ3には、何も張らないで吹き抜けで路面となっているが、下部、もしくは上部に薄い板を張ってもよい。
【0035】
そこには、荷台コンテナを支える車8’’などが、簡単に入り込むことができる。図3図2の下図。
【0036】
フォークギャップ3の上部に板を張っても、広く、低い荷台、ステージにすることができ、さらにそこに座席を取り付けてお客様を乗せるようにすることも可能である。
【0037】
●フォーク状車台部と荷台コンテナの組み合わせ
【0038】
図2で、フォーク型荷台部に、荷台コンテナの積み降ろしを行うところを説明している。
【0039】
図2の下の図、右にある荷台コンテナは、パレット状部材の車8’’が立ち上がっており、コンテナ6の底の高さは6Lである。
【0040】
下の図、左にあるフォーク型車台は、走行ユニット5が畳まれており、最低地上高2XLは、車が車高を低くして、ぎりぎり動けるという状態である。
【0041】
(1)この状態で、フォーク型車台は、ちょうどフォークリフトが動くように動くことができ、フォークギャップ3にパレット部材7をはさみ、とりこむように動くことができる。今は、バックモニター技術などが利用できるし、通常のハンドルとは別のコントローラーを使う方法もある。
コンテナの両脇の底の高さ6Lより、車台部2の天板高さ、2Lが低いことが必要である。
【0042】
(2)逆に、車台部を止めて、そのままにしておき、荷台コンテナの車輪8’’を使って、車台フォーク部のフォークギャップ3に、コンテナのパレット状部材7を動かして押し込んでいくこともできる。パレットの先端部7’は、角がとれて、フォークとフォークの間に侵入しやすくなっている。
【0043】
●走行ユニットのリフト機能
【0044】
(1)、(2)ともに、フォーク状車台部の上部に、荷台コンテナが来た時、走行装置5’’を立ち上げて5’にする。天板が通常の2Hの位置まで来ると、パレットはリフトされ、車台にしっかりと抱え込まれ、積み込まれたことになる。
ここで、ラッチとか、電磁クラッチのようなもので、フォーク状車台にコンテナを固定する。また、コンテナの足部8も縮めておく。
【0045】
リフト幅は、5’と5’’の間の幅、言ってみれば、通常走行時の最低地上高2XHとほぼ同じなので、15センチほど、微量、といってもいいだろう。
【0046】
普通のフォークリフトのように、高いところまで持ち上げたりはできないのは言うまでもない。
【0047】
こうして、この走行ユニットは、通常の走行という基本機能の他に、自分自身の車体を持ち上げ、かつコンテナを抱えあげる、必要最低限のリフトの機能も持っていることになる。
【0048】
注意が必要なのは、普通のフォークリフトとは異なり、フォーク型車台と、その中に仕込まれた走行ユニット、そして専用の、パレット状部材を下に取り付けた荷台コンテナのような条件がそろったときだけ、こうしたリフトが可能なことである。
【0049】
もちろん、フォークリフトのフォークのような部材を取り付ければ、非常に狭い範囲での上げ下げならできなくはない。
【0050】
フォークギャップの下側に板を張ったケースでは、走行ユニットを一番下5’’にしたとき、
【0051】
(A)車付きのパレット状部材等を備えた専用コンテナ、
(B)下に車を備えた各種機材、コンテナ等、
(C)台車に載せた各種機材、コンテナ等、
などを運び込んで積み込み、標準車高まであげて固定し、車を動かすことができる。
【0052】
こうして、積み込み、荷下ろしなどの際に、フォークリフト、ローラコンベアなどが不要になり、また、コンテナごとの入れ替えにより、荷物の手による積み替えの作業が減ることが、このシステムのメリットである。
【0053】
フォークギャップの上、もしくは下に板を張った場合は、手積みか、ローラコンベアなどで転がして積み込む、フォークリフトを使うなどする必要があり、現在のトラックと同じになるが、天板、下の板は、現在のトラックに比べて遥かに低い位置にある。
【0054】
●荷台コンテナとフォーク状車台の関係
【0055】
図1、車両の運転席部分の、後ろ部分は、今はオープン、であるが、ここに全天候性の覆いをつける方法がある。
【0056】
そうすれば、中に入るコンテナをスケルトンの枠組み、棚のようなものにして、積んである荷物を見やすく、発見しやすくすることもでき、トラックのコンテナの箱の奥まで探す必要もなくなる。
【0057】
図14には、このフォーク型車台に、3つに分割した荷台コンテナを積み込もうとしている図である。ここでは、パレット型部材は、細い足7’’になっており、これは折り畳める構造である。
【0058】
大型トラックに、小さな荷台コンテナをいっぱい積んで、運び、消費地の基地で、荷台コンテナをおろし、それをそれぞれ、小さい車に積んで、運ぶことになる。
【0059】
その他、縦フォーク型台車のコンテナは、さまざまに変形加工することができるだろう。
【0060】
●走行ユニットの通常走行
【0061】
ここで、走行ユニットについて説明したい。
【0062】
走行ユニット5は、図5図6図7図8、(図9)で説明している。走行ユニットとは縣架装置から車輪まで一式のことであるが、図では、スプリング、ショックアブソーバー、ストラットなどを外して示している。
アームやリンクも単純化しているし、キングピンの角度なども省略している。
【0063】
左右のフォーク状車台の各車輪は、それぞれ各々独立縣架の走行ユニットで支えられている。
【0064】
本願の走行ユニットの特徴は、シャーシとのつながりが、回転中心部12、中心Eが中心になっていることで、走行ユニットの回転によって、車輪の向く方向を変えることができることである。
【0065】
動力でその基部の回転を操作し、操舵を行う動力操舵(自力操舵)もできるが、ここでは、もっぱらキャスタートレイルによって、前の車輪、もしくは車台全体の動きに追従する従動で動く方式を考える。当然、自力操舵と従動操舵を切り替えることも可能であろう。
【0066】
図5の車台との接続部12は、下部ではアーム13を支える回転軸Aを持ち、回転中心18(E)を中心に走行ユニット全体を回転させる動きをする。
【0067】
前方に向かうアーム13と、後方に向かうアーム14によって車輪16は支えられている。
アーム13とアーム14では、アーム13の方が短い。
【0068】
このとき、図7にあるように、アーム14と車輪部16の間に、さらにひとつのリンクCを備え、車軸部の回転軸Fを用意することも可能である。ここにリンクC、回転軸Fがあると、デリケートに車輪の位置、角度を調整できる。
【0069】
この場合は、車輪の操舵がさらに自由度を増し、例えば、意図してオーバーステアリングにすることも容易であり、アンダーステアに変えることも、また可能である。
【0070】
横Gがかかっている時、車体の外側に、アームを突き出し、車輪を押し出すことで、さらに車の安定を図ることも可能である。
【0071】
横Gがかかっているとき、左右の走行ユニットの、サスペンション基部で、スプリングにかかる左右の圧力をコントロールして、車のロールを調整することもできる。
【0072】
●車輪間距離の調整
【0073】
車輪間距離の調整を行うには、図7にあるように、回転中心部18で、走行装置を回転させ、ホイール部分が、左右に移動したときにも、回転軸Fがあれば、車輪の角度を進行方向と同じ向きに調整できる。
【0074】
図8では、最初図7で、18と同じ線上Sにあった車輪の中心17が、図12では、平行移動し、矢印の下の点線Tまで動いている。
【0075】
これにより、車輪間の距離を自由に調整することができる。
【0076】
この状態で、車輪をレール用のものに変えれば、現在ある路面電車や電車、鉄道のレールの上などをも走行することが可能となる。
【0077】
また、横Gがかかるような運転の際には、Fを動力で制御し、車をオーバーステアリングにすることもできる。
【0078】
●走行ユニットの動き方
【0079】
図5、6に戻ろう。この多輪車の走行ユニット(後車輪部)は、現在の電子制御技術によってなら、回転中心18を中心に、思う方向に動かすことは実現可能であり、これにより、走行ユニットそれぞれに操舵性を与えることも可能である。さらに、後輪のすべて、もしくはいずれかを駆動式車輪にすることもまた可能である。
【0080】
走行装置に操舵性を持たせて、動力で操舵を行う場合、車輪のキャスタートレイルは小さいほうが、車輪の向きを変える時、無理がなく楽である。
逆に、車輪に従動性、つまり、前輪の操舵に従属して動くようにするには、多少のキャスタートレイルがあると都合がいい。
【0081】
このキャスタートレイルあるなしを電気的にオンオフすることも、できるだろう。接続部12部にさらに、進行方向に対して横置きの一つの回転軸(カムでもよい)などを与え、接続部を前倒し、あるいは後ろ倒しする、あるいはキングピンの角度調整を可能にすることで、キャスタートレイル値のコントロールが可能だろう。
【0082】
しかしながら、今回基本的には、後輪部では、動力操舵、電子制御も行わないこととし、もっぱら従動的な操舵、走行を中心として話を進めてみたい。
【0083】
●車両の旋回図
【0084】
図9の左には、普通の4輪車の旋回中の車輪と旋回中心Jが見える。
Uは、前輪G'の軌道であり、Vは後輪内側H'の軌道である。
右には多輪車の旋回中の車輪が見える。
右図、多輪車の前輪、K、K'は、左の4輪車のG、G’と何ら変わるところはない。
【0085】
さて、右にある多輪車の後部走行ユニットLからO’は、従動輪、つまり駆動力を使っていない状態、動力操舵も使っていない状態である。
【0086】
これらは、従動輪で、キャスタートレイルをもって前輪、もしくは車両全体の動きに追従するだけの車輪である。これらの車輪は、平らな地面、低速で、ハンドル操作が小さい場合は、前の車輪にほぼ忠実に追従することができる。
【0087】
しかし、早いスピードで急ハンドルを切った状態では、横Gが車両の重心部IやPにかかってくるので、さまざまな影響が出る可能性がある。左の4輪の図では、車輪GやHが横滑りしやすくなる。
【0088】
図Pに横Gがかかると、キャスタートレイルがついているだけの後車輪は、不安定になってしまうおそれがある。
【0089】
また、路面の凹凸、傾斜など、予期せぬことから走行ユニットの回転軸12が不用意に動き、前と後ろが逆になってしまったりすることもある。これは、キャスタートレイルによる従動輪である以上、避けられない。
【0090】
●走行ユニットの回転の制限角度を与える
【0091】
そこで、まず、キャスタートレイルによって動く走行ユニットに、回転角度の制限を与えることにする。図6の19の制限角度がそれである。機械的、もしくは電気的に制限を行う方法もある。
【0092】
●直進方向にすすみたがるようなジオメトリ調整
【0093】
また、ここで走行ユニットの回転軸18、E、あるいはキングピン等を調整することで、車輪が直進方向に進みたがる性格を与えることができる。
普通、キングピンを少し前倒しにすることで、車輪は車両の後ろ側に行きたがる傾向がある。
【0094】
●直進時のロック
【0095】
図9にある縦のRの各点線は、後輪部の各走行ユニットが前向き、直進方向であった場合の各車輪の旋回中心である。つまり車輪の方向がなりゆきによる従動でなく、直進固定であれば、このRに向かってのみ旋回するので、車は直進のみとなるだろう。
【0096】
ここで、対向する2つの、もしくは任意の走行ユニット、例えば図9ではNとN'のみ直進固定とし、他の走行ユニットはキャスタートレイルによる、前輪追従、なりゆき操舵とすることで、多輪車の旋回中心はQと決めることができる。
【0097】
図9では、なりゆきで動く、L、M列が、進行方向左向き、O列が右向きになっている。
【0098】
前輪のK'の軌道がUで、後輪N'の軌道がVとなり、通常の4輪車の走行感覚に近いものになる。
【0099】
なお、ここで、N列ではなく、L列とかO列とかを直進固定にすると、旋回半径がかわることがわかる。
L列の直進固定では、小回りのオーバーステアとなりM列では、車の重心にあるのでニュートラルステア、O列では大回りのアンダーステアぎみとなるので、どの車輪を直進固定にするかで、車の細かな操縦調整ができるだろう。
【0100】
また、電子的に状況に応じて、ロックする走行ユニットを決めることも可能であろう。
【0101】
動力操舵にして、電子制御で、どの車輪をどの角度で動かせばいいかを計算することも可能である。
【0102】
じつは、走行ユニットを動力で回転させ、自力の動力操舵を行えば、車全体を進行方向に直角に移動させたり、その場で回転させたり、さまざまな動きが得られるのだが、普通の路上走行では、ここで自力操舵ができたところで、得るところのものは、あるのだろうか。
【0103】
レースのコースを走る車ではなく、一般公道を走る車なので、横Gは、あまり気にしなくて良いとも言える。そもそも横Gは乗客にも荷物にもプラスになることは、まったくない。
【0104】
この点を考えると、通常の直線路を走る時は、直進ロックで良いが、キャスタートレイルのまま、成り行き走行でも、さほど問題はないだろう。
【0105】
しかし、後輪がキャスタートレイルで動いているとき、車がカーブなどに差し掛かり、車に横Gがかかったとき、キャスタートレイルのままでは、車の後輪部がどのように動くのか安定しない、予測困難になるのである。
【0106】
一見逆のように見えるが、キャスタートレイルで動いている後輪の一部車輪は、カーブではキャスタートレイルを中止し、直進ロックにする必要がある。
【0107】
逆に言うと、後輪が4輪以上の多輪の場合、少なくとも2輪は常時直進方向であってもかまわない、むしろ常時直進でなければならないということになる。この状態でなら、運転は普通の4輪車の感覚で行うことができる。
【0108】
●後進時の直進方向のロック
【0109】
次に、問題なのは後進時である。
走行ユニットのキャスタートレイルは、制限角19があったとしても、後進時には不安定になる。
【0110】
車輪に駆動力があれば、後ろ向きに引っ張ることもできるが、従動輪なので、なりゆきになってしまう。
【0111】
そこで、リバース時には、キャスタートレイルの動きを完全に止めてしまい、直進方向、あるいは逆進方向だけに固定するのが好ましい。
直進方向または逆進方向に動かすための機構と、電磁クラッチのようなロック機構があると、仕事が早いだろう。
【0112】
これは、動力を使って走行ユニットを回転させることもできるが、リバースにする前に一度前向きの、直進動作があれば、走行ユニットは、基本は直進位置になっているので、ここでロックすれば、直進方向のロックが容易にできる。
【0113】
キャスタートレイルや多輪のことは何も考えず、リバースにギヤが入った段階で、問答無用で、後輪を直進方向にロックしてしまうほうが、通常の4輪車のリバースと、操作感が同じになるので、なじみやすいだろう。
【0114】
反面、こうすると、わずかの平行移動も切り返しなどで手間がかかることになるが、普通の4輪車と操作感がほぼ同じなので、無理がなく、苦情も少ないだろう。
【0115】
●荷重の調整と走行ユニット
【0116】
後輪は、通常、4つ以上の車輪で荷重を支えているが、荷台が空になったり、想定したより軽くなった場合、必要のない走行ユニットを折り畳んでしまうという方法をとることもできる。
【0117】
つまり荷重によって最適の走行ユニット数、その位置などを選択することができるのだ。走行ユニットは、それぞれが独立縣架なので、最低2個の、前向きにロックした車輪の走行ユニットを残して、ほかを畳むことも問題なくできるのだ。
【0118】
皮肉で、不思議なことだが、こうすると、車両は、普通の4輪車と同じになってしまうのだ。
【0119】
以上は、縦フォーク型の場合のフレームと、足回りであるが、次に横フォーク型の場合を述べる。
【0120】
●横フォーク状車台
【0121】
図10が、横フォーク型の見取図である。
【0122】
図11が横フォーク型を横からと、上から見た図である。
【0123】
走行ユニットに大きな違いはない。横フォーク型は、2’’のつなぎフレーム部分があり、そこから直角に走行ユニットを収納したフォーク状部分が横向きに張り出すことになる。
【0124】
フォークの間の空間、フォークギャップ3を車両の右にするか、左にするかは、右側通行か左側通行かで変わるかもしれない。また、図にはないが、車両の中央に背骨、竜骨のように2’’を用意する方法もある。
さらに、床全体に剛性の高い板状のものを張ってしまう手もある。
【0125】
重量物を運ぶ車は、走行ユニットを数多く用い、さらに必要なら、この横フォーク部のフォーク数を増やすことも可能である。
【0126】
図1図2のような縦フォーク型は、コンテナのようなものを運び、コンテナごと、目的地まで動かしてしまい、積み下ろし、積替えを合理化できるため、コンテナ型の荷台を載せて移動するのに適している。
【0127】
それに対して、この横フォーク型は、地面に停車、フレームを着地した場合、手前からは、フォーク型荷台2’の断面部分が見えるだけで、フォークギャップ3は、広いオープンスペースになり、入口の段差もない状態になるところが、目的によっては使いやすいだろう。
【0128】
キッチンカー、キャンピングカーのように、設置したあと、横サイドからの出入りに無理がなく、段差もない、敷居すらなしにできるところが今までのキッチンカーなどと大きく異なる。
【0129】
図12には、横フォークのフォークフレーム内の走行ユニットを横向きにした図がある。前車輪を上げ、後ろの走行ユニットを回転させ、車輪を車の前後方向と直角に向かせることで、車は横に動くことができる。
【0130】
こうした場合、スピードはまったく必要がない。早く動くのは、むしろ危険であるし、速く動く必要すらない。
【0131】
なお、この形状は、コンテナを横方向に移動したり、コンテナだけをそこに残して車を移動することもできて、便利だろう。
【0132】
これら横フォークの車両は、キッチンカー、キャンピングカー、救急車、ドクターカー、介護用車両などに使いやすいだろう。
【0133】
重量級の横多フォーク車は、重量物運搬車、高所作業車、タンクローリーなどさまざまな用途で社会に貢献できるだろう。これら、用途によっては、後輪操舵、後輪駆動も必要になるかもしれない。
【0134】
一方、軽量級ではまた、横フォークが2列でなく、1列である場合も可能である。図13図14では、フォークのつなぎ部分2’’はなく、床板が堅固に作られている場合になる。
【0135】
図14は、一列横フォークの車両の見取図、ドアなどは外してある。
縦フォークの車でも、床板を張り、スポーツ向きの車両も作れるだろう。
【0136】
その際には、図7図8にあるように走行ユニットの回転軸をふやし、車輪の向く方向を外向きに動かせるようにすると、いままでの4輪車とはまったく異なった走行感覚が楽しめるかもしれない。後輪駆動を追加すれば、スポーツ走行もできなくはないだろう。
【0137】
まとめ
【0138】
以上を一応、まとめてみる。
足回り系Aと、シャーシ系Bで分けて述べてみる。
【0139】
(請求項A1) FFで、従動の多輪車
駆動と操舵を行う2個以上の前輪と、
キャスタートレイルによって、車の動きに従動する、径の小さい4個以上の後輪を持っており、
(1)後輪のうち少なくとも1個は、
・常時、
・ハンドルが切られているとき、
・車がカーブを曲がるとき、
・ウィンカーが出されているとき、
のいずれかのとき、前向き、直進方向の位置に設定されている、
(2)車がバックするとき、あるいはリバーギヤに入っているとき、後輪のうち少なくとも1個は、前向き位置、もしくは後ろ向き位置にロックされている。
(3)後輪の車輪はキャスタートレイルに設定されているが、不用意な方向に車輪が向くことがないように、動作角の制限がされている。
(4)後輪の車輪のキャスタートレイルのキングピンが、わずかに前傾しているなどの、アライメント調整で、車輪がほぼ常に前進方向寄りに向きたがるように、設定してある。
以上(1)から(4)のいずれか一つ以上を満足することによって、通常の4輪車に近い感覚で扱うことのできる、多目的多輪車の足回り。
【0140】
(請求項A2) FRまたは4駆以上の多輪車
駆動と操舵を行う、もしくは操舵を行う2輪以上の前輪と、
キャスタートレイルによって、車の動きに従動する、径の小さい4個以上の後輪を持っており、
(1)後輪のうち少なくとも2輪は、動力駆動の車輪であり、駆動輪は、
・普通の4輪車のニュートラルステア車的に扱われるためには、前向き直進方向の位置に固定されている。
・普通の4輪車のオーバーステア車的に扱われるためには、独自の操舵が可能になっている。
のいずれかの状態にある。
(2)車がバックするとき、もしくはリバースにギヤが入っているときは、少なくとも2個以上の後輪は、前向き位置、もしくは後ろ向き位置にロックされており、後ろ向きに駆動力を発揮している。
(3)後輪で、駆動輪でない車輪はキャスタートレイルに設定されているが、不用意な方向に車輪が向くことがないように、動作角の制限がされている。
(4)後輪で、駆動輪でない車輪のキャスタートレイルのキングピンが、わずかに前傾しているなどの、アライメント調整で、車輪がほぼ常に前進方向寄りに向きたがるように、設定してある。
以上(1)から(4)のいずれか一つ以上を満足することによって、通常の4輪駆動4輪車に、ある程度は近い感覚で扱うことのできる、多目的多輪車の足回り。
【0141】
(請求項A3) FFで、従動の多輪車、車高が変えられる車
駆動と操舵を行う2個以上の前輪と、
キャスタートレイルによって、車の動きに従動する、径の小さい4個以上の後輪を持っており、
車輪は、アーム、ストラットなどを、折り畳んだときと、伸ばしたときで、車高を変えることができる特徴があり、
その後輪の特徴は、
(1)後輪のうち少なくとも1個は、
・常時、
・ハンドルが切られているとき、
・車がカーブを曲がるとき、
・ウィンカーが出されているとき、
のいずれかのとき、前向き、直進方向の位置に設定されている、
(2)車がバックするとき、あるいはリバーギヤに入っているとき、後輪のうち少なくとも1個は、前向き位置、もしくは後ろ向き位置にロックされている。
(3)後輪の車輪はキャスタートレイルに設定されているが、不用意な方向に車輪が向くことがないように、動作角の制限がされている。
(4)後輪の車輪のキャスタートレイルのキングピンが、わずかに前傾しているなどの、アライメント調整で、車輪がほぼ常に前進方向寄りに向きたがるように、設定してある。
(4')積載の荷重が軽いとき、必要な走行ユニットを残し、必要のない走行ユニットを折り畳んで、接地輪の数を調整することもできる。
以上(1)から(4’)のいずれか一つ以上を満足することによって、通常の4輪車に近い感覚で扱うことができ、車高を変えることができる特徴を持つ、多目的多輪車の足回り。
【0142】
次にシャーシ系Bである。
(請求項B1) 縦型2本フォーク車と荷台コンテナ
(概要)
・車両の下部、縦型フォーク状荷台フレーム(B)の上面の凹凸と、噛み合う形状の凹凸をその下部に持つ荷台コンテナ(C)からなる車両上部を組み合わせたことによる、荷台コンテナ(C)を、自力で載せ替えできる機能を備えたコンテナ車であり、
(車両の下部)
(1)2輪以上の前輪をもち、前輪駆動、前輪操舵であり、
(2)4輪以上の小さな後輪を持ち、
(3)シャーシをみると、車体の両側面にある2本の縦型フォーク状荷台フレーム(B)内に、後輪走行ユニット(A)を、縦並びで、片側2個以上、備えている。
(3-1)この後輪走行ユニット(A)は、車輪、アーム、ショックアブソーバー、ストラット、スプリング等をコンパクトにまとめたものであり、駆動力、あるいは操舵力をもたない車輪は、キャスタートレイルによって、前輪の動き、もしくは車全体の動きに従動するようにセッティングされている。
(3-2)また、この後輪走行ユニット(A)は、衝撃を緩衝し、車体を支える機能とともに、アームを折り畳んだり、ストラットを調整することなどで、高さ調整ができ、縦型フォーク状荷台フレーム(B)を上げ下げすることで、荷台フレーム(B)上にある器物を抱えあげ、保持する機能を持つ。
(車両の上部)
(4)2本の縦型フォーク状荷台フレーム(B)の間のフォークギャップ(凹型)に乗り入れできる(逆凸型)荷台コンテナ(C)を、取り外し自由に備えており、
(5)後輪走行ユニット(A)が荷台フレーム(B)を上げ下げすることにより、荷台コンテナ(C)を、自力で保持、確保、あるいは開放する機能がある。
(6)以上のようにして、荷台コンテナ(C)を、容易に移動できることから、コンテナごとの移動ができるため、荷物の手による積み替え仕事を軽減できる機能をもつ、
取り外し自由な荷台コンテナ(C)を、自力で載せ替えできる機能を備えた、縦型フォーク状コンテナ多輪車。
【0143】
(請求項B2) 縦型2本フォーク車、極低床設定可能
(概要)
・車両の下部、縦型フォーク状荷台フレーム(B)の上面、もしくは下面に剛性の高い板を張ったもので、
(車両の下部)
(1)2輪以上の前輪をもち、前輪駆動、前輪操舵であり、
(2)4輪以上の小さな後輪を持ち、
(3)シャーシをみると、車体の両側面にある2本の縦型フォーク状荷台フレーム(B)内に、後輪走行ユニット(A)を、縦並びで、片側2個以上、備えている。
(3-1)この後輪走行ユニット(A)は、車輪、アーム、ショックアブソーバー、ストラット、スプリング等をコンパクトにまとめたものであり、駆動力、あるいは操舵力をもたない車輪は、キャスタートレイルによって、前輪の動き、もしくは車全体の動きに従動するようにセッティングされている。
(3-3)また、この後輪走行ユニット(A)は、衝撃を緩衝し、車体を支える機能とともに、アームを折り畳んだり、ストラットを調整することなどで、横型フォーク状荷台フレーム(B)の高さ調整ができる。
(3-4)横型フォーク状荷台フレーム(B)の上部から下部のいずれかの場所に、剛性の高い、板を張ってある。
(3-5)走行ユニットを動かすことで、車高を上下できる機能により、低い位置で、
(A)車付きのパレット状部材等を備えた専用コンテナ、
(B)下に車を備えた各種機材、客席、コンテナ等、
(C)台車に載せた各種機材、客席、コンテナ等
を運び込んで積み込み、標準車高まであげて固定し、車を動かすことができる機能を備えた、極低床設定が可能な多輪荷物車
(請求項B3) 横型フォーク車
(概要)
・車両の下部、横型フォーク状荷台フレーム(D)の上面の凹凸と、噛み合う形状の凹凸をその下部に持つ荷台コンテナ(E)等からなる車両上部を組み合わせたことによる、荷台コンテナ(E)等を、自力で載せ替えできる機能を備えたコンテナ車であり、
(車両の下部)
(1)2輪以上の前輪をもち、前輪駆動、前輪操舵であり、
(2)4輪以上の小さな後輪を持ち、
(7)シャーシをみると、進行方向に直角、横向きにのびた1本もしくは2本以上の横型フォーク状荷台フレーム(D)内に、後輪走行ユニット(A)を、横並びで何個か備えている。
(7-1)この後輪走行ユニット(A)は、車輪、アーム、ショックアブソーバー、ストラット、スプリング等をコンパクトにまとめたものであり、駆動力、あるいは操舵力をもたない車輪は、キャスタートレイルによって、前輪の動き、もしくは車全体の動きに従動するようにセッティングされている。
(7-2)また、この後輪走行ユニット(A)は、衝撃を緩衝し、車体を支える機能とともに、アームを折り畳んだり、ストラットを調整することなどで、高さ調整ができ、横型フォーク状荷台フレーム(D)を上げ下げすることができ、横型荷台フレーム(D)上にある器物を抱えあげ、保持する機能を持つ。
(7-3)横型荷台フレーム(D)相互の間、もしくは1本の荷台フレーム(D)と車室との間には、車両の側面、もしくは中央に、相互をつなぐフレーム(E)がある。
もしくは横型荷台フレーム(D)の上部から下部のいずれかの場所に、強度のある板が敷かれて、横型荷台フレーム(D)と車室を支えている。
(7-4)フレーム(E)のない側の車両側面にできたフォークギャップ(F)は、開放感のある空間となる。
(7-5)横型荷台フレーム((D)の床板下部から上部までのいずれかの場所に、板が張られた場合、その上部は、低い床面を持つ開放感のある空間となる。
(車両の上部)
(9)横型荷台フレーム(D)のフォークギャップ(F)の間、もしくは横型荷台フレーム(D)の床板下部から上部までのいずれかの場所にある板の上部には、
荷台コンテナ(E)、
あるいは、キッチン施設、キャンピング施設、高所クレーン施設、特殊装備、車付きの荷台など、
さまざまな施設を、載せ替え自由に、あるいは固定的に載せることができる機能をもつ、
さまざまな施設等を、自力で載せ替えできる機能を備えた、横型フォーク状コンテナ多輪車。
【0144】
(請求項B4)
(7-6)車両の上部に荷重のある施設を載せる場合、後輪駆動になることもある。
請求項3記載の、横型フォーク状コンテナ多輪車
【0145】
(請求項B5) 縦、横、操舵可能車
(1)2輪以上の前輪をもち、前輪駆動、前輪操舵であり、
(2)4輪以上の小さな後輪を持ち、
(10)シャーシをみると、後輪走行ユニット(A)を、
(10-1)車両両側面に縦に、あわせて4つ以上並べて配置する、もしくは、
(10-2)車両の後半部以降に横向きに、あわせて4つ以上、並べて配置する方法を取る。
(10-3)車両の床は強固な板で作られている。
(11-1)この後輪走行ユニット(A)は、車輪、アーム、ショックアブソーバー、ストラット、スプリング等をコンパクトにまとめたものであり、駆動力、あるいは操舵力をもたない車輪は、キャスタートレイルによって、前輪の動き、もしくは車全体の動きに従動するようにセッティングされている。
(11-4)後輪走行ユニット(A)の車輪のいくつかは、操舵機能、もしくは角度調整機能を持つ。
(11-5)走行ユニット全体を回転させる回転軸の他に、もう一つ、車輪部のみの方向を変える回転軸を持つことで、通常の4輪車で言う、オーバーステア傾向の操舵、車輪感距離の調整をも可能にしていることもある。
(11-6)後輪走行ユニット(A)の車輪のいくつかは、駆動力を備えていることもある。
(12)4個以上の走行ユニット(A)の上に、座席などさまざまな施設を載せることができる特徴を備えた、走行ユニット多輪車。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明は、多目的車両のベースとなりうる多輪車に関したものである。
後輪を小さく、数を多くし、主にキャスタートレイル方式をとり、アームもしくはストラットなどによって車両の路面からの高さを変化させることができ、この機能によって、荷台コンテナを持ち上げ、抱え込み、自力で積み替えることができる。
縦型フォークを備えたものは、フォークリフトなしで、大きなトラックからコンテナを移し、目的地、最終頒布地まで運ぶことができ、荷わけ作業、積みわけ作業を大幅に減らすことが可能となる。
一方、横型フォークの車は、通常より床を低くでき、横方向に開放口を用意できる特徴があるため、キャンピングカーやキッチンカー、救急車から、さまざまな特殊車両、重量運搬車にまでに応用が可能である。
こうして、縦型フォーク車は流通の合理化を図ることができ、横型フォーク車は、特殊車両のベースとなることよって、産業発展につつましく貢献できるものであると考える。
【図面の簡単な説明】
【0147】
図1】縦型フォーク形状の車両の車台部と、積まれた自走式荷台部分を後ろに下げた状態を見せている説明見取り図、一部透視図
図2】縦型フォーク形状の車両の動作比較図
図3】縦型フォーク形状の車台部分1と、取り外し可能な荷台部分6を上から見た図。
図4】3分割されたコンテナとそれを支える足の図
図5】走行ユニットの見取図
図6】走行ユニット上から見た図
図7】走行ユニット、回転軸を増やしたものを上から見た図
図8図7の走行ユニットの回転軸Eと、回転軸Fを回転させ、車輪を平行移動して車輪間の距離を変えたところの説明図
図9】通常の4輪車と、前輪駆動,前輪操舵,後多輪車のハンドル操作時の旋回の比較図
図10】横型フォーク形状の車両の見取図
図11】横型フォーク車を横から、そして上から見た比較図
図12】横型フォーク車の走行ユニットを、進行方向に直角、横方向に向け、横移動できる状態の説明図
図13】横フォーク1列の車説明図
図14】横フォーク1列の車の見取図
【符号の説明】
【0148】
1 車両本体 取り外し可能なコンテナを備えた、フォーク形状の荷台フレームを持つ車両の前部、運転席部分
2 縦フォーク部、車両本体の荷台フレーム部分(車台部)、形状は厚みのあるフォーク形状、ローマ字のUの字型形状、レール、凹凸部を備えることもある
2’ 横フォーク
2’’ 横フォークの縦張り出し、つなぎフレーム部分
2H 荷台フォーク部最高高さ(走行時)
2XH 最低地上高(走行時)
2L 荷台フォーク部積み下ろし高さ(積み込み時)
2XL 車両が動ける最低高さ
2XLが0のとき、車両着座となる
3 フォーク形状とフォーク形状の間の隙間、フォークギャップであり、コンテナ6のパレット状張り出し部分7、あるいは自走装置8の付いたパレット部分7、8が収まる空間
4 前車輪、基本的には前輪駆動、前輪操舵である
4’ 前車輪走行ユニットを畳んだ状態
5 後続車輪部の走行ユニット部分
5’ 走行ユニットを立ち上げた状態
5’’ 走行ユニットを畳んだ状態
5’’’ 走行ユニットの回転の最大円
6 取り外し可能な、荷台コンテナ部分、客席部分
6' 分割された荷台コンテナ部分
6L 積み下ろし時の荷台部の高さ
6Lが、2Lより高い時、荷台コンテナを荷台フォークにのせることができる
6XL 荷台コンテナのパレット部分の、積み込み収納時の高さ
6’’ 荷台自走時のパレット部の地上高
ここに、高さ保持用の部品をとりつけることもできる
7 取り外し可能なコンテナ部分、客車部分の下にあるパレット形状部分、パレット形状部材、
フォーク形状荷台、レールを備えた荷台フレームの隙間、フォークギャップ3にはまり込むことができ、自走式の車輪8をつけることもできる
7’パレット先端部が、フォークギャップに入りやすいように、丸められた部分
7’’コンテナ部分の足、簡易的
8 コンテナ部分の走行ユニット
8’ コンテナの走行ユニットを畳んだ状態
8’’ コンテナの走行ユニットを立ち上げた状態
8’’’ コンテナの走行ユニットは、荷台のフォークフレーム部から引き出されると、荷台のパレット部から、荷台の両裾に広がって、かつ下方向にも伸びて立ち上がることで、荷台を安定させ、地面から立ち上がり、自走できるようになる
12 車台、フレームとの取付部
13 上アーム
14 下アーム
15 車輪部の取付部材
15’ 車輪部の左右回転角
16 車輪
A 上アーム13の回転軸(上)
B リンク 下アーム14の回転軸(上)
C リンク 下アーム14の回転軸(下)と車輪部取付部材の回転軸
D 車輪の回転軸
E 走行ユニット全体5の回転中心
F 車軸部の左右回転軸
17 車輪の接地点
18 走行ユニットの回転軸
19 走行ユニット(後ろ)の操舵限界範囲、(制限角)
20 走行ユニット(後ろ)の直進ロック(後進時)
21 走行ユニット(後ろ)キャスタートレイル幅(角度はここでは無視)
G、G’ 通常の4輪車の前輪、操舵中
H、H' 通常の4輪車の後輪、操舵中
I 車両の重心
J 通常の4輪車の旋回中心
K、K’後多輪車(以下多輪車)の前輪
L、L’、M、M'、N、N'、O、O'多輪車の旋回中の後輪
P 車両の重心
Q 多輪車の旋回中心
R 多輪車の各車輪が直進状態であった場合の旋回中心
S 走行ユニットの中心線
T 走行ユニットを回転させ、車輪外に平行移動した時の車輪の中心線
U 前輪の軌道
V 後輪の軌道
【要約】      (修正有)
【課題】車輪のサイズ、ならびにFF車における後輪サスペンションの改良、さらに多目的車の荷台の改良を課題とする。
【解決手段】後輪を小さく、数を多くし、主にキャスタートレイル方式をとり、アームもしくはストラットなどによって車両の路面からの高さを変化させ、荷台コンテナを持ち上げ、抱え込み、自力で積み替えることができる車両であり、フォークリフトなしで、コンテナを移すことができ、荷わけ作業を大幅に減らすことが可能となる。また、通常より床を低くでき、横方向に開放口を用意できる特徴があるため、キャンピングカーやキッチンカー、救急車から、さまざまな特殊車両、重量運搬車にまでに応用が可能な車両である。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14