IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ KDDI株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図1
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図2
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図3
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図4
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図5
  • 特許-情報処理装置及び情報処理方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20250212BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023052060
(22)【出願日】2023-03-28
(65)【公開番号】P2024140745
(43)【公開日】2024-10-10
【審査請求日】2023-06-28
【審判番号】
【審判請求日】2024-04-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中菅 章浩
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 正寛
【合議体】
【審判長】山澤 宏
【審判官】篠塚 隆
【審判官】村松 貴士
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-182247(JP,A)
【文献】特開2013-073290(JP,A)
【文献】特開2004-295625(JP,A)
【文献】特開2008-028724(JP,A)
【文献】特開2005-086579(JP,A)
【文献】特開2013-157857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用するユーザ端末の位置を示す端末位置情報であって、前記ユーザ端末が通信した基地局の位置を示す端末位置情報と、前記ユーザ端末が前記位置に存在したときの日時を示す日時情報とを関連付けた位置履歴情報に基づく、前記ユーザ端末が移動を開始した日時から現在の日時までのユーザの移動経路である現在経路を特定する経路特定部と、
前記ユーザの過去の移動経路である過去経路を記憶する記憶部と、
前記経路特定部が特定した前記ユーザの現在経路と、前記記憶部に記憶されている前記ユーザの過去経路とに基づいて、前記ユーザの現在経路に対応する前記ユーザの目的地を予測する予測部と、
道路、鉄道、空路及び海路の位置を示す地図情報を取得する取得部と、
前記経路特定部が特定したユーザの現在経路と、前記取得部が取得した地図情報に含まれる道路、鉄道、空路及び海路とを比較することにより、前記ユーザの移動手段を特定する移動手段特定部と、
前記予測部が目的地を予測した後に前記位置履歴情報を所定時間おきに参照し、前記位置履歴情報が示す前記ユーザ端末の現在の位置が、所定時間にわたって前記目的地から所定範囲内の一つの基地局に対応する位置を示したことに応じて、前記移動手段特定部が特定した前記ユーザの移動手段と前記目的地とに対応する情報を前記ユーザ端末に配信する配信部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、公共交通機関の時刻表情報を取得し、
前記移動手段特定部は、前記経路特定部が特定したユーザの現在経路と、前記取得部が取得した地図情報に含まれる道路、鉄道、空路及び海路とを比較するとともに、前記現在経路に対応する複数の日時それぞれにおける前記ユーザ端末の位置と、前記時刻表情報に基づく交通手段の位置とを比較することにより、前記ユーザの移動手段を特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記配信部は、前記地図情報と、特定した前記ユーザの移動手段と、前記現在経路とに基づいて、前記ユーザが通過又は滞在するエリアを特定し、前記ユーザ端末が特定したエリアを通過する前に、特定した移動手段と特定したエリアとに対応する情報を前記ユーザ端末に配信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記配信部は、特定したエリアに所在する、前記ユーザ端末とは異なる他のユーザ端末の数を特定し、特定した他のユーザ端末の数に基づいて、特定したエリアにおける混雑度を特定し、特定した混雑度を示す情報を前記ユーザ端末に配信する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記配信部は、特定したエリアに所在する、前記ユーザ端末とは異なる他のユーザ端末の時間ごとの数を特定し、特定した他のユーザ端末の時間ごとの数に基づいて、特定したエリアにおける混雑度の変化状況を特定し、特定した混雑度の変化状況を示す情報を前記ユーザ端末に配信する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記移動手段特定部は、前記ユーザ端末の携帯通信端末の基地局へのアクセス状況を特定し、前記ユーザ端末が所定のエリアに設けられている前記基地局にアクセスした後、所定時間にわたって他の基地局にアクセスしていない場合、前記ユーザの移動手段を船舶又は航空機と特定し、
前記配信部は、特定された移動手段が船舶又は航空機である場合において、前記ユーザ端末が所定のエリアに設けられている前記基地局にアクセスした後、他の基地局にアクセスしたことに応じて、特定した前記ユーザの移動手段に対応する情報を前記ユーザ端末に配信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記移動手段特定部は、前記ユーザ端末の携帯通信端末の基地局へのアクセス状況を特定し、前記ユーザ端末が所定の基地局にアクセスしたか否かに基づいて、前記ユーザの移動手段を特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記端末位置情報は、前記ユーザ端末が通信した前記基地局の位置を示す基地局位置情報に関連付けられた、前記基地局を識別するための基地局識別情報であり、
前記所定の基地局は、互いに隣接する第1の基地局及び第2の基地局であり、
前記移動手段特定部は、前記位置履歴情報に含まれる前記端末位置情報と、前記日時情報とに基づいて、前記ユーザ端末が前記第1の基地局と通信した時刻である第1時刻と、前記ユーザ端末が前記第2の基地局と通信した時刻である第2時刻とを特定し、予め定められている前記第1の基地局と前記第2の基地局との距離と、特定した前記第1時刻と前記第2時刻との時間差とに基づいて前記ユーザの移動速度を特定し、特定した移動速度に基づいて、前記ユーザの移動手段を特定する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記配信部は、前記ユーザ端末の現在の位置から前記目的地に到着するまでの経路を示す経路情報を取得し、取得した経路情報を前記ユーザ端末に配信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記取得部は、公共交通機関の時刻表情報を取得し、
前記配信部は、特定された移動手段が船舶又は航空機である場合、前記現在経路に対応する前記ユーザ端末の複数の位置及び複数の日時と、前記時刻表情報とに基づいて、前記船舶又は航空機の到着予定地を特定し、特定した到着予定地に関する情報を前記ユーザ端末に配信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する、
ユーザが使用するユーザ端末の位置を示す端末位置情報であって、前記ユーザ端末が通信した基地局の位置を示す端末位置情報と、前記ユーザ端末が前記位置に存在したときの日時を示す日時情報とを関連付けた位置履歴情報に基づく、前記ユーザ端末が移動を開始した日時から現在の日時までのユーザの移動経路である現在経路を特定するステップと、
特定した前記ユーザの現在経路と、前記ユーザの過去の移動経路である過去経路を記憶する記憶部に記憶されている前記ユーザの過去経路とに基づいて、前記ユーザの現在経路に対応する前記ユーザの目的地を予測するステップと、
道路、鉄道、空路及び海路の位置を示す地図情報を取得するステップと、
特定したユーザの現在経路と、取得した地図情報に含まれる道路、鉄道、空路及び海路とを比較することにより、前記ユーザの移動手段を特定するステップと、
前記ユーザの目的地を予測した後に前記位置履歴情報を所定時間おきに参照し、前記位置履歴情報が示す前記ユーザ端末の現在の位置が、所定時間にわたって前記目的地から所定範囲内の一つの基地局に対応する位置を示したことに応じて、特定した前記ユーザの移動手段と前記目的地とに対応する情報を前記ユーザ端末に配信するステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが使用するユーザ端末に対して情報を配信することが行われている。例えば、特許文献1には、ユーザが使用する携帯端末から、携帯端末の位置を示す端末位置情報を取得し、取得した端末位置情報が示す携帯端末の位置に基づいて情報を配信する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-216021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザは車両や鉄道等、様々な移動手段を用いて移動する。このため、同じ位置に存在する複数のユーザに情報を配信する場合、ユーザの移動手段によっては、適切ではない情報が配信されてしまうという問題がある。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザの移動手段に適した情報を配信することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、ユーザが使用するユーザ端末の位置を示す端末位置情報と、前記ユーザ端末が前記位置に存在したときの日時を示す日時情報とを関連付けた位置履歴情報に基づく、前記ユーザ端末が移動を開始した日時から現在の日時までのユーザの移動経路である現在経路を特定する経路特定部と、道路、鉄道、空路及び海路の位置を示す地図情報を取得する取得部と、前記経路特定部が特定したユーザの現在経路と、前記取得部が取得した地図情報に含まれる道路、鉄道、空路及び海路とを比較することにより、前記ユーザの移動手段を特定する移動手段特定部と、前記移動手段特定部が特定した前記ユーザの移動手段に対応する情報を前記ユーザ端末に配信する配信部と、を有する。
【0007】
前記取得部は、公共交通機関の時刻表情報を取得し、前記移動手段特定部は、前記経路特定部が特定したユーザの現在経路と、前記取得部が取得した地図情報に含まれる道路、鉄道、空路及び海路とを比較するとともに、前記現在経路に対応する複数の日時それぞれにおける前記ユーザ端末の位置と、前記時刻表情報に基づく交通手段の位置とを比較することにより、前記ユーザの移動手段を特定してもよい。
【0008】
前記配信部は、前記地図情報と、特定した前記ユーザの移動手段と、前記現在経路とに基づいて、前記ユーザが通過又は滞在するエリアを特定し、前記ユーザ端末が特定したエリアを通過する前に、特定した移動手段と特定したエリアとに対応する情報を前記ユーザ端末に配信してもよい。
【0009】
前記配信部は、特定したエリアに所在する、前記ユーザ端末とは異なる他のユーザ端末の数を特定し、特定した他のユーザ端末の数に基づいて、特定したエリアにおける混雑度を特定し、特定した混雑度を示す情報を前記ユーザ端末に配信してもよい。
【0010】
前記配信部は、特定したエリアに所在する、前記ユーザ端末とは異なる他のユーザ端末の時間ごとの数を特定し、特定した他のユーザ端末の時間ごとの数に基づいて、特定したエリアにおける混雑度の変化状況を特定し、特定した混雑度の変化状況を示す情報を前記ユーザ端末に配信してもよい。
【0011】
前記移動手段特定部は、前記ユーザ端末の携帯通信端末の基地局へのアクセス状況を特定し、前記ユーザ端末が所定のエリアに設けられている前記基地局にアクセスした後、所定時間にわたって他の基地局にアクセスしていない場合、前記ユーザの移動手段を船舶又は航空機と特定し、前記配信部は、特定された移動手段が船舶又は航空機である場合において、前記ユーザ端末が所定のエリアに設けられている前記基地局にアクセスした後、他の基地局にアクセスしたことに応じて、特定した前記ユーザの移動手段に対応する情報を前記ユーザ端末に配信してもよい。
【0012】
前記移動手段特定部は、前記ユーザ端末の携帯通信端末の基地局へのアクセス状況を特定し、前記ユーザ端末が所定の基地局にアクセスしたか否かに基づいて、前記ユーザの移動手段を特定してもよい。
【0013】
前記移動手段特定部は、前記現在経路に対応する前記ユーザ端末の複数の位置と、複数の日時とに基づいて、前記ユーザ端末が所定の基地局にアクセスしたときの前記ユーザの移動速度を特定し、特定した移動速度に基づいて、特定した移動手段の速さを示す種別を特定してもよい。
【0014】
前記ユーザの過去の移動経路である過去経路を記憶する記憶部と、前記経路特定部が特定した前記ユーザの現在経路と、前記記憶部に記憶されている前記ユーザの過去経路とに基づいて、前記ユーザの現在経路に対応する前記ユーザの目的地を予測する予測部とを有し、前記配信部は、前記ユーザ端末の現在の位置から前記目的地に到着するまでの経路を示す経路情報を取得し、取得した経路情報を前記ユーザ端末に配信してもよい。
【0015】
前記配信部は、特定された移動手段が鉄道車両である場合、前記ユーザの鉄道の乗車券の購入履歴を示す購入履歴情報を取得し、取得した購入履歴に基づいて前記ユーザの鉄道の乗車区間を特定し、特定した乗車区間と前記現在経路とに基づいて無賃乗車が行われているか否かを特定し、前記無賃乗車が行われていると判定すると、前記無賃乗車が行われていることを示す警告情報を前記ユーザ端末に配信してもよい。
【0016】
前記取得部は、公共交通機関の時刻表情報を取得し、前記配信部は、特定された移動手段が船舶又は航空機である場合、前記現在経路に対応する前記ユーザ端末の複数の位置及び複数の日時と、前記時刻表情報とに基づいて、前記船舶又は航空機の到着予定地を特定し、特定した到着予定地に関する情報を前記ユーザ端末に配信してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、ユーザが使用するユーザ端末の位置を示す端末位置情報と、前記ユーザ端末が前記位置に存在したときの日時を示す日時情報とを関連付けた位置履歴情報に基づく、前記ユーザ端末が移動を開始した日時から現在の日時までのユーザの移動経路である現在経路を特定するステップと、道路、鉄道、空路及び海路の位置を示す地図情報を取得するステップと、特定したユーザの現在経路と、取得した地図情報に含まれる道路、鉄道、空路及び海路とを比較することにより、前記ユーザの移動手段を特定するステップと、特定した前記ユーザの移動手段に対応する情報を前記ユーザ端末に配信するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザの移動手段に適した情報を配信することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】情報処理システムの概要を示す図である。
図2】情報処理装置の機能構成を示す図である。
図3】位置履歴情報の一例を示す図である。
図4】決済履歴情報の一例を示す図である。
図5】広告管理情報の一例である。
図6】情報処理装置における広告情報を配信する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を示す図である。情報処理システムSは、ユーザが所持するユーザ端末2に情報を配信するためのシステムである。
【0021】
情報処理システムSは、情報処理装置1と、ユーザ端末2と、店舗端末3とを備える。情報処理装置1は、ユーザ端末2に広告情報等の各種情報を配信するサーバである。ユーザ端末2は、ユーザが使用する携帯端末であり、例えばスマートフォン又はタブレットである。図1ではユーザ端末2を1台のみ示しているが、異なるユーザが使用する複数のユーザ端末2が存在するものとする。店舗端末3は、店舗の管理者等が使用する端末であり、例えばパーソナルコンピュータである。
【0022】
以下、図1を参照しながら、ユーザ端末2に情報が配信されるまでの流れを説明する。まず、情報処理装置1は、店舗端末3から、店舗を識別するための店舗識別情報としての店舗IDと、配信情報としての広告情報と、広告情報の配信条件を示す配信条件情報とを取得する(図1における(1))。配信条件情報は、例えば、ユーザの移動手段が所定の移動手段であることである。情報処理装置1は、取得した店舗IDと、広告情報と、配信条件情報を関連付けて記憶する(図1における(2))。
【0023】
情報処理装置1は、位置履歴情報を取得し(図1における(3))、位置履歴情報を記憶する(図1における(4))。位置履歴情報は、ユーザのユーザIDと、当該ユーザが使用するユーザ端末2の位置を示す端末位置情報と、当該端末位置情報が示す位置にユーザ端末2が存在した日時を示す日時情報とを関連付けた情報である。情報処理装置1は、記憶した位置履歴情報を取得し、取得した位置履歴情報に基づいて、ユーザ端末2が移動を開始した日時から現在の日時までのユーザの移動経路である現在経路を特定する(図1における(5))。
【0024】
情報処理装置1は、道路、鉄道、空路及び海路の位置を示す地図情報を取得し、特定したユーザの現在経路と、取得した地図情報に含まれる道路、鉄道、空路及び回路とを比較することにより、ユーザの移動手段を特定する(図1における(6))。情報処理装置1は、特定した移動手段が、配信条件情報が示す所定の移動手段と一致する場合に、当該配信条件情報に関連付けられている広告情報をユーザ端末2に配信する(図1における(7))。このようにすることで、情報処理装置1は、ユーザの移動手段に適した情報を配信することができる。
【0025】
[情報処理装置1の機能構成]
続いて、情報処理装置1の構成の詳細を説明する。図2は、情報処理装置1の機能構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
【0026】
通信部11は、インターネット等のネットワークを介してユーザ端末2及び店舗端末3とデータを送受信するための通信インターフェースである。
記憶部12は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、制御部13を、登録部131、取得部132、特定部133、予測部134、及び配信部135として機能させる広告配信用プログラムを記憶する。
【0027】
また、記憶部12は、ユーザを識別するためのユーザID(Identification)と、当該ユーザが使用するユーザ端末2の位置を示す端末位置情報と、当該ユーザ端末2が当該位置に存在したときの日時を示す日時情報とを関連付けた位置履歴情報を記憶する。位置履歴情報は、ユーザ端末2が通信を行う携帯電話ネットワークの基地局が変化するごとに生成される情報である。端末位置情報は、例えば、ユーザ端末2と通信を行う基地局に対応した位置を示す情報であり、基地局の位置を示す基地局位置情報に関連付けられた、基地局を識別するための基地局IDである。情報処理装置1は、例えば、ユーザ端末2が接続されている基地局が変化したことに応じて、ユーザ端末2から位置履歴情報を受信し、記憶部12に記憶させる。
【0028】
図3は、位置履歴情報の一例を示す図である。図3に示すように、位置履歴情報は、ユーザのユーザIDと、日時情報と、端末位置情報としての基地局IDとを関連付けた情報である。なお、図示は省略するが、記憶部12には、基地局IDと、基地局位置情報とを関連付けた基地局情報が記憶されており、基地局IDに基づいて基地局位置情報が特定できるものとする。また、端末位置情報は、基地局IDであることとしたが、これに限らない。端末位置情報は、ユーザ端末2が存在した位置に対応する緯度及び経度を示す緯度経度情報であってもよい。
【0029】
また、記憶部12は、ユーザの過去の移動経路である過去経路と、当該過去経路が示すユーザの目的地に対応する店舗における当該ユーザの決済履歴を示す決済履歴情報とを関連付けて記憶する。記憶部12は、ユーザの複数の過去経路と、過去経路に対応するユーザの決済履歴情報とを関連付けて記憶する。決済履歴情報は、例えば、ユーザがユーザ端末2を用いて決済を行ったことに応じて、決済を行う決済処理装置(不図示)により生成される情報である。情報処理装置1は、決済処理装置から決済履歴情報を受信し、当該決済履歴情報に対応する過去経路を関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0030】
図4は、決済履歴情報の一例を示す図である。図4に示すように、決済履歴情報は、ユーザのユーザIDと、ユーザが決済を行った日時を示す決済日時情報と、ユーザが商品等を購入した店舗である購入店舗の店舗IDと、ユーザが決済を行った位置を示す決済位置情報としての端末位置情報(基地局ID)と、決済に対応する決済金額と、ユーザが購入した商品等を示す決済商品情報とを少なくとも関連付けた情報である。決済日時情報は、決済が行われた日時を示しているとともに、当該決済が行われた店舗にユーザ端末2が存在した日時を示している。決済商品情報には、ユーザが購入した商品等の商品名と、当該商品等の区分とが少なくとも含まれている。
【0031】
また、図4において、決済履歴情報に過去経路が関連付けられていることが確認できる。過去経路は、ユーザが移動を開始してから、ユーザの目的地までの端末位置情報(基地局ID)の遷移を示している。なお、図4では図示は省略するが、過去経路と、当該過去経路に対応する日時とが関連付けて記憶されているものとする。具体的には、過去経路を構成する端末位置情報には、当該端末位置情報が示す位置にユーザ端末が存在した日時を示す日時情報が関連付けられているものとする。また、過去経路の最終地点に対応する端末位置情報は、ユーザの目的地に対応しており、決済が行われた位置を示す端末位置情報と一致しているものとする。
【0032】
また、記憶部12は、店舗に関する広告情報と、当該広告情報の配信条件を示す配信条件情報とを関連付けた広告管理情報を記憶する。図5は、広告管理情報の一例である。図5に示すように、広告管理情報は、店舗の店舗IDと、店舗名と、当該店舗に関する広告情報を識別するための広告IDと、広告情報と、配信条件情報とを関連付けた情報である。広告情報は、例えば、店舗において利用可能な特典を示す特典情報である。特典は、例えば、店舗における決済に対応する決済金額に対する所定の割引額の割引、決済後におけるユーザへの所定の払戻額の払い戻し、又はユーザが店舗等で利用可能なポイント、又は景品の提供である。
【0033】
本実施の形態において、広告情報の配信条件には、移動手段条件、所在位置条件、訪問回数条件、ユーザ属性条件、決済条件、来店期間条件、訪問元条件、移動目的条件、同行条件が含まれている。移動手段条件は、ユーザの移動手段が所定の移動手段であるという条件である。例えば、図5に示す例では、広告ID「T003-001」に関連付けられている配信条件、及び「T003-002」に関連付けられている配信条件情報が示す配信条件に、移動手段条件が含まれていることが確認できる。なお、移動手段条件には、移動手段が所定の移動手段であるという条件だけでなく、所定の移動手段の種別が所定の種別であるという条件が含まれていてもよい。例えば、移動手段の種別は、移動手段が鉄道車両である場合には、急行や特急といった種別であり、移動手段が車両である場合には、有料道路利用、有料道路不使用といった種別である。
【0034】
所在位置条件は、予め定められた所定位置をユーザ端末の移動経路に含むという条件である。例えば、図5に示す例では、広告ID「T002-001」に関連付けられている配信条件、及び「T002-002」、「T002-003」に関連付けられている配信条件情報が示す配信条件に、所在位置条件が含まれていることが確認できる。なお、図5の広告ID「T002-001」に関連付けられている配信条件に示されるように、予め定めた所定位置は一つに限らず、複数であってもよい。また、所在位置条件には、予め定められた位置における滞在時間が定められていてもよい。
【0035】
訪問回数条件は、例えば、店舗IDが示す店舗、又は所定のカテゴリに属する店舗等へのユーザの訪問回数に対応する条件である。訪問回数条件は、例えば図5に示すように、過去一カ月間に店舗への訪問回数が所定回数未満であること、又は所定のカテゴリの店舗への訪問回数が所定回数以上であることといった条件である。
【0036】
ユーザ属性条件は、例えば、性別、年齢、居住地、職種といったユーザの属性に対応する条件である。例えば、ユーザのユーザIDと、ユーザの属性とを関連付けたユーザ情報が記憶部12に記憶されており、情報処理装置1は、ユーザIDに基づいてユーザの属性を特定し、当該ユーザの属性に基づいてユーザ属性条件を満たすか否かを判定することができる。
【0037】
決済条件は、ユーザの決済金額に関する条件である。決済条件は、例えば、ユーザの目的地に対応する店舗におけるユーザの決済金額の合計額若しくは決済金額の平均額が所定金額以上、又は所定金額未満であるという条件である。決済条件には、購入する商品名や商品の商品区分が含まれていてもよい。すなわち、決済条件は、ユーザが目的地に対応する店舗において所定の商品や所定の商品区分の商品を購入した場合の決済金額に関する条件であってもよい。来店期間条件は、ユーザが目的地に対応する店舗に来店する期間に関する条件である。訪問元条件は、ユーザの現在経路により特定可能な、ユーザの訪問元の位置に対応する条件であり、例えば、ユーザが関東地方から来店といった条件である。
【0038】
移動目的条件は、ユーザの目的地への移動目的に関する条件である。移動目的には、例えば、通勤、通学、日常の買い物といった日常の生活をするための移動目的である日常移動と、旅行、出張、非日常の買い物といった日常の生活とは行動をするための非日常移動とが含まれる。図5に示す例では、広告ID「T002-002」、「T002-003」に関連付けられている配信条件に移動目的条件が含まれていることが確認できる。
【0039】
同行条件は、ユーザの現在経路と、他の一以上のユーザの現在経路とが類似していること、すなわち、ユーザが、所定数の他のユーザと同行していることである。図5に示す例では、広告ID「T002-002」、「T002-003」に関連付けられている配信条件に同行条件が含まれていることが確認できる。なお、同行条件には、ユーザと、ユーザと現在経路が一致又は類似している他のユーザとの関係が所定の関係であるというユーザ関係条件が含まれていてもよい。ユーザ関係条件は、例えば、ユーザと他のユーザとが家族関係であること、又はユーザと他のユーザとが同居している関係にあることである。
【0040】
店舗の管理者等は、移動手段条件、所在位置条件、訪問回数条件、ユーザ属性条件、決済条件、来店期間条件、訪問元条件、移動目的条件、同行条件を組み合わせることで、店舗IDが示す店舗を目的地とするユーザに対して配信する広告情報の配信条件を設定することができる。
【0041】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶された広告配信用プログラムを実行することにより、登録部131、取得部132、特定部133、予測部134、及び配信部135として機能する。
【0042】
登録部131は、例えば、店舗の店舗端末3から、店舗に関する広告情報と、当該広告情報の配信条件を示す配信条件情報とを受信し、当該広告情報と、配信条件情報とを関連付けて広告管理情報として記憶部12に記憶させる。
【0043】
例えば、登録部131は、店舗の店舗端末3を介して、広告情報の配信者としての店舗の管理者から、店舗IDを含む広告設定要求を受信する。登録部131は、広告設定要求を受信すると、広告情報及び当該広告情報の配信条件の設定を行うための設定画面を店舗端末3に表示させる。登録部131は、設定画面を介して、店舗の管理者から、広告情報と配信条件とを受け付ける。
【0044】
登録部131は、設定画面を介して配信条件として、上述した移動手段条件、所在位置条件、訪問回数条件、ユーザ属性条件、決済条件、来店期間条件、訪問元条件、移動目的条件、同行条件の少なくともいずれかを組み合わせた条件を受け付ける。
【0045】
登録部131は、所在位置条件を受け付ける場合、複数の異なるスケールのエリアのうち、配信者が指定するスケールのエリアを、所在位置条件に含まれる位置として受け付ける。例えば、複数の異なるスケールのエリアは、渋谷区、新宿区、千代田区といった第1区分のエリア、東京、神奈川といった複数の第1区分のエリアを含む第2区分のエリア、関東地方、関西地方といった、複数の第2区分エリアを含む第3区分のエリアである。登録部131は、所在位置条件として、複数のエリアを受け付ける場合、異なる区分のエリアを受け付けてもよい。
【0046】
登録部131は、広告情報と、配信条件とを受け付けると、当該広告情報を識別するための広告IDを生成する。登録部131は、広告設定要求に含まれる店舗IDと、当該店舗IDに対応する店舗名と、生成した広告IDと、受け付けた広告情報と、配信条件を示す配信条件情報とを関連付けて広告管理情報として記憶部12に記憶させる。例えば、登録部131は、配信条件として、所在位置条件を受け付けた場合には、ユーザ端末2から受け付けたエリアを移動経路に含むことを示す配信条件に対応する配信条件情報と、店舗IDと、店舗名と、生成した広告IDと、広告情報とを関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0047】
取得部132は、ユーザが使用するユーザ端末2から、ユーザのユーザIDと、ユーザ端末2の位置を示す端末位置情報と、当該位置にユーザ端末2が存在した日時を示す日時情報とを関連付けた位置履歴情報を取得する。取得部132は、取得した位置履歴情報を記憶部12に記憶させる。
【0048】
また、取得部132は、ユーザ端末2又は店舗端末3から、ユーザの店舗における決済履歴を示す決済履歴情報を取得する。取得部132は、決済履歴情報を取得すると、記憶部12に記憶されている位置履歴情報に基づいて、ユーザ端末2が最後に移動を開始した日時から、決済が行われた日時までの端末位置情報の遷移をユーザの過去経路として特定する。そして、取得部132は、取得した決済履歴情報と、特定した過去経路と、特定した過去経路を構成する端末位置情報に対応する日時情報とを関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0049】
また、取得部132は、道路、鉄道、空路及び海路の位置を示す地図情報を取得する。取得部132は、例えば、外部装置に記憶されている地図情報を取得するものとするが、これに限らない。地図情報は、記憶部12に記憶されていてもよく、取得部132は、記憶部12に記憶されている地図情報を取得してもよい。
【0050】
特定部133は、経路特定部として機能し、記憶部12に記憶されている位置履歴情報に基づく、ユーザ端末2が移動を開始した日時から現在の日時までのユーザの移動経路である現在経路を所定時間おきに特定する。例えば、特定部133は、位置履歴情報に含まれる日時情報のうち、最も新しい日時情報から順に、直前の日時情報が示す日時との時間差を比較し、当該時間差が所定時間以上(例えば、3時間以上等)ある日時情報が示す日時を、移動を開始した日時と特定する。そして、特定部133は、特定した日時を示す日時情報に関連付けられている端末位置情報から、最新の日時の日時情報に関連付けられている端末位置情報までの端末位置情報の遷移を、現在経路として特定する。
【0051】
特定部133は、複数のユーザそれぞれの現在経路を特定する。すなわち、特定部133は、ユーザ端末2のユーザの現在経路を所定時間おきに特定するとともに、当該ユーザ端末2とは異なるユーザ端末のユーザの現在経路も所定時間おきに特定する。
【0052】
また、特定部133は、移動手段特定部として機能し、特定したユーザの現在経路と、取得部132が取得した地図情報に含まれる道路、鉄道、空路及び海路とを比較することにより、ユーザの移動手段を特定する。例えば、特定部133は、取得した地図情報に含まれる道路、鉄道、空路及び海路のうち、ユーザの現在経路を含む割合が最も高い路線に対応する移動手段を、ユーザの移動手段と特定する。
【0053】
また、特定部133は、地図情報に含まれる道路、鉄道、空路及び海路のうちの少なくとも2つの路線のユーザの現在経路を含む割合が所定の割合以上である場合、現在経路を構成する部分経路のうち、新しい部分経路を含む割合が最も高い路線に対応する移動手段を、ユーザの移動手段と特定する。例えば、特定部133は、道路及び鉄道の現在経路を含む割合が所定割合を超えている場合、現在経路のうちの最新の時刻から所定時間前までの部分経路を特定する。そして、特定部133は、道路及び鉄道のうち、部分経路を含む割合が高い方に対応する移動手段をユーザの移動手段と特定する。このようにすることで、情報処理装置1は、ユーザが移動途中で移動手段を切り替えた場合であっても最新の移動手段を特定することができる。
【0054】
ここで、特定部133は、地図情報に基づいてユーザの移動手段を特定したが、これに限らない。例えば、取得部132が、記憶部12又は外部装置に記憶されている公共交通機関の時刻表情報を取得してもよい。公共交通機関の時刻表は、例えば、鉄道、高速バス、路線バス、航空機、及び船舶の少なくともいずれかの時刻表である。そして、特定部133は、特定したユーザの現在経路と、取得部132が取得した地図情報に含まれる道路、鉄道、空路及び海路とを比較するとともに、当該現在経路に対応する複数の日時それぞれにおけるユーザ端末2の位置と、取得した時刻表情報に基づく交通手段の位置とを比較することにより、ユーザの移動手段を特定してもよい。
【0055】
特定部133は、地図情報に含まれる道路、鉄道、空路及び海路のうち、複数の路線の現在経路を含む割合が所定割合以上である場合、現在経路を構成する複数の端末位置情報が示すユーザ端末2の位置に、交通手段の出発位置である、駅、空港、港の位置が含まれているか否かを判定する。そして、特定部133は、現在経路に対応するユーザ端末2の位置に、駅、空港、又は港の位置が含まれている場合、当該ユーザ端末2の位置に関連付けられている日時と、時刻表に基づく当該駅、空港、又は港における交通手段の出発日時とが所定の時間以内であるか否かを判定する。特定部133は、ユーザ端末2の位置に関連付けられている日時と、時刻表に基づく当該駅、空港、又は港における交通手段の出発日時とが所定の時間以内であると判定すると、当該交通手段を、ユーザの移動手段と特定する。
【0056】
例えば、特定部133は、道路及び鉄道がユーザの現在経路を含む割合が所定割合以上であり、かつ、当該現在経路に駅に対応する位置が含まれており、当該位置に対応する日時が、時刻表が示す鉄道車両の出発日時から所定時間以内であると判定すると、ユーザの移動手段を鉄道車両と特定する。このようにすることで、情報処理装置1は、時刻表情報を用いない場合に比べて移動手段の特定精度を高めることができる。
【0057】
なお、携帯通信端末の基地局の中には、所定の移動手段をユーザが利用している場合にのみアクセス可能な所定の基地局が存在する。所定の基地局は、例えば、車両又は鉄道車両が通過するトンネルの中に設けられた基地局や、地下鉄駅の構内又は地下鉄の路線に設けられた基地局である。そして、所定の基地局の基地局IDは、当該基地局に対応する移動手段を示す情報と関連付けて記憶部12に記憶されている。
【0058】
特定部133は、現在経路を構成する端末位置情報(基地局ID)に基づいて、ユーザ端末2の所定の基地局へのアクセス状況を特定してもよい。そして、特定部133は、ユーザ端末2が所定の基地局にアクセスしたか否かに基づいて、ユーザの移動手段を特定してもよい。例えば、特定部133は、現在経路を構成する端末位置情報に、所定の基地局の基地局IDが含まれている場合、当該基地局IDに関連付けられている移動手段をユーザの移動手段と特定する。このようにすることで、情報処理装置1は、ユーザの移動手段を精度良く特定することができる。
【0059】
また、特定部133は、現在経路に対応するユーザ端末2の複数の位置と、複数の日時とに基づいて、ユーザ端末2が所定の基地局にアクセスしたときのユーザの移動速度を特定してもよい。例えば、所定の基地局は、隣接する2つの基地局であり、特定部133は、ユーザの現在経路が示す複数の端末位置情報(基地局ID)に、当該2つの基地局IDが含まれている場合、当該2つの基地局IDに対応する2つの日時情報が示す日時の時間差と、当該2つの基地局IDに対応する2つの基地局に対して予め特定されている距離とに基づいて、ユーザの移動速度を算出する。そして、特定部133は、特定した移動速度に基づいて、特定した移動手段の速さを示す種別を特定する。このようにすることで、情報処理装置1は、例えば、同一の路線を通過する新幹線等の鉄道車両の種別を精度良く特定することができる。
【0060】
また、ユーザの移動手段が航空機又は船舶である場合、航空機又は船舶が移動を開始し、航空機又は船舶が、携帯通信端末の基地局から離れると、情報処理装置1が、ユーザ端末2の位置を特定できなくなる場合がある。これに対し、特定部133は、ユーザ端末2の携帯通信端末の基地局へのアクセス状況を特定し、ユーザ端末2が所定のエリア(例えば、空港又は港を含むエリア)に設けられている基地局にアクセスした後、所定時間にわたって他の基地局にアクセスしていない場合、ユーザの移動手段を船舶又は航空機と特定する。
【0061】
この場合、例えば、記憶部12において、所定のエリアに設けられている基地局IDに対し、移動手段が船舶又は航空機であることを示す情報を関連付けて記憶させておく。特定部133は、現在経路に基づいて、ユーザ端末2が所定のエリアに設けられている基地局にアクセスした後、所定時間にわたって他の基地局にアクセスしていないと判定すると、所定のエリアに設けられている基地局の基地局IDに関連付けられている移動手段を示す情報に基づいて、ユーザの移動手段を船舶又は航空機と特定する。
【0062】
予測部134は、特定部133が特定したユーザの現在経路と、記憶部12に記憶されているユーザの過去経路とに基づいて、ユーザの現在経路に対応するユーザの目的地を予測する。例えば、予測部134は、ユーザの現在経路と、ユーザの過去経路と、当該過去経路に関連付けられている決済履歴情報とに基づいて、ユーザの目的地である店舗を予測する。
【0063】
具体的には、予測部134は、記憶部12においてユーザ端末2のユーザIDに関連付けられている過去経路のうち、現在経路を示す複数の端末位置情報が含まれる割合が所定の閾値を超えるとともに、現在経路の端末位置情報と同じ遷移順を有する過去経路を特定する。そして、予測部134は、特定した過去経路のうち、当該割合が最も高い過去経路を、現在経路に類似する過去経路と特定する。ここで、現在経路に類似する過去経路には、現在経路と一致する過去経路も含まれていてもよい。
【0064】
ここで、予測部134は、特定部133が特定した現在経路に対応する時間帯、曜日、又は現在経路に対応する日時が休日であるかを示す日時種別に対応し、かつ、現在経路と類似する経路を含むユーザの過去経路を、現在経路に類似する過去経路と特定してもよい。この場合、予測部134は、記憶部12に記憶されている過去経路に関連付けられている日時情報に基づいて、当該過去経路に対応する時間帯、曜日、日時種別を特定する。日時種別は、例えば、平日、休日、祝日を特定する種別である。
【0065】
そして、予測部134は、特定部133が特定した現在経路に対応する時間帯、曜日、日時種別の少なくともいずれかと同じ時間帯、曜日、日時種別に対応する過去経路を、現在経路に類似する過去経路と特定する。このようにすることで、情報処理装置1は、時間帯、曜日、日時種別により、ユーザが習慣的に行動する傾向を考慮して、現在経路に類似する過去経路を精度良く特定することができる。
【0066】
予測部134は、過去経路を特定すると、特定した過去経路に関連付けられている決済履歴情報に基づいて、ユーザの目的地である店舗を予測する。例えば、予測部134は、特定した過去経路に関連付けて記憶部12に記憶されている決済履歴情報に含まれる店舗IDが示す店舗を、ユーザの目的地である店舗と予測する。
【0067】
また、予測部134は、現在経路と類似する経路を含む過去経路に基づいて、ユーザの目的地への移動目的を予測する。まず、予測部134は、記憶部12に記憶されているユーザの複数の過去経路に基づいて、ユーザが所定時間以上にわたって滞在する位置であるユーザの拠点位置を特定する。予測部134は、ユーザの複数の過去経路の起点となる端末位置情報が示す位置における滞在時間を算出する。例えば、過去経路の起点が同じ位置を示している場合には、予測部134は、当該位置における滞在時間の合計時間を算出し、算出した合計時間が所定時間以上であるかに基づいてユーザの拠点位置を特定する。拠点位置としては、ユーザの自宅や勤務先が挙げられる。ここで、予測部134は、過去経路に基づいてユーザの拠点位置を特定したが、これに限らず、ユーザの位置履歴情報に基づいてユーザの拠点位置を特定してもよい。
【0068】
予測部134は、ユーザの目的地がユーザの拠点位置に対応しているか否かに基づいて、移動目的を予測する。例えば、予測部134は、ユーザの目的地としての店舗の位置がユーザの拠点位置から所定範囲内に存在している場合に、ユーザの目的地への移動目的を日常移動と特定する。また、予測部134は、ユーザの目的地としての店舗の位置がユーザの拠点位置から所定範囲内に存在していない場合に、ユーザの目的地への移動目的を非日常移動と特定する。
【0069】
なお、予測部134は、特定部133が特定したユーザの現在経路に対応する時間帯、曜日又は日時種別に対応し、かつ、現在経路と一致又は類似する経路を含むユーザの過去経路が存在しない場合、当該時間帯、曜日又は日時種別に対応し、かつ、現在経路と一致又は類似する経路を含む他のユーザの過去経路を特定し、当該過去経路に基づいて目的地を予測してもよい。
【0070】
予測部134は、複数の他のユーザのうち、ユーザの属性と一致又は類似する属性を有する他のユーザの過去経路を参照し、ユーザの現在経路と一致又は類似する他のユーザの過去経路を特定するようにしてもよい。そして、予測部134は、特定した他のユーザの過去経路に関連付けて記憶部12に記憶されている当該他のユーザの決済履歴情報に含まれる店舗IDが示す店舗を、ユーザの目的地として予測する。このようにすることで、情報処理装置1は、ユーザが、自身が訪れたことのない目的地に向かう場合であっても、当該目的地を予測することができる。
【0071】
配信部135は、予測部134が予測した目的地にユーザ端末2が到着する前に、目的地に関する情報をユーザ端末2に配信する。具体的には、配信部135は、予測部134が目的地として予測した店舗に関する情報として、店舗に対応する広告情報をユーザ端末2に配信する。
【0072】
より具体的には、配信部135は、記憶部12に記憶されている広告管理情報を参照し、予測部134が目的地として予測した店舗を示す店舗IDに関連付けられている広告情報のうち、配信条件情報が示す配信条件を満たしている広告情報を、ユーザ端末2に配信する。
【0073】
まず、配信部135は、予測部134が目的地として予測した店舗の店舗IDに関連付けられている配信条件情報が示す配信条件を特定し、当該配信条件を満たしているか否かを判定する。
【0074】
例えば、配信部135は、配信条件が所在位置条件である場合、特定部133が特定したユーザの現在経路に、所在位置条件において指定されている所定位置が含まれているか否かを判定する。配信部135は、所在位置条件において、指定されている所在位置における滞在時間が定められている場合には、ユーザの現在経路と、当該現在経路に関連付けられている時刻情報とに基づいて、現在経路を構成する端末位置情報が示すユーザ端末2の位置における滞在時間を算出する。配信部135は、算出した滞在時間に基づいて、指定されている所在位置における滞在時間を満たすか否かを判定する。
【0075】
また、配信部135は、特定した配信条件に移動手段条件が含まれている場合、特定部133が特定したユーザの移動手段が、移動手段条件を満たしているか否かを判定する。また、配信部135は、特定した配信条件に訪問回数条件が含まれている場合、予測部134が予測した目的地である店舗へのユーザの訪問回数を、当該ユーザのユーザIDと、当該目的地に対応する端末位置情報(決済位置情報)とを含む決済履歴情報の数に基づいて特定する。そして、配信部135は、特定した訪問回数に基づいて、訪問回数条件を満たすか否かを判定する。
【0076】
また、配信部135は、配信条件に決済条件が含まれている場合、記憶部12に記憶されている決済履歴情報に含まれるユーザの決済金額に基づいて、決済条件を満たすか否かを判定する。配信部135は、配信条件にユーザ属性条件が含まれている場合、記憶部12に記憶されているユーザ情報に含まれるユーザの属性に基づいて、ユーザ属性条件を満たすか否かを判定する。
【0077】
配信部135は、配信条件に来店期間条件が含まれている場合、現在の日時に基づいて来店期間条件を満たすか否かを判定する。配信部135は、配信条件に訪問元条件が含まれている場合、特定部133が特定したユーザの現在経路を構成する複数の端末位置情報に基づいて訪問元条件を満たすか否かを判定する。配信部135は、配信条件に移動目的条件が含まれている場合、予測部134が予測した移動目的が、移動目的条件を満たすか否かを判定する。
【0078】
配信部135は、配信条件に同行条件が含まれている場合、ユーザ端末2のユーザの現在経路と、当該ユーザとは異なる他の一以上のユーザの現在経路とに基づいて、同行条件を満たしているか否かを判定する。例えば、配信部135は、ユーザ端末2のユーザの現在経路が示す現在の位置と同じ位置に存在する一以上の他のユーザを特定する。配信部135は、特定した一以上の他のユーザのそれぞれに対応する現在経路を特定し、ユーザ端末2のユーザの現在経路との一致度を特定する。配信部135は、特定した一以上の他のユーザのうち、ユーザ端末2のユーザの現在経路との一致度が所定の割合以上の現在経路を有する他のユーザを、ユーザ端末2のユーザと同行している同行ユーザと特定する。配信部135は、同行ユーザの数に基づいて同行条件を満たしているか否かを判定する。
【0079】
また、配信部135は、同行条件にユーザ関係条件が含まれている場合において、ユーザが他のユーザと移動していると判定すると、ユーザのユーザ端末2が通信を行う場合に利用する通信サービスを提供する通信事業者と、ユーザとの契約情報を取得するとともに、他のユーザと通信事業者との契約情報を取得する。例えば、配信部135は、ユーザのユーザIDと、当該ユーザと通信事業者との契約に係る契約情報とを関連付けて記憶する外部装置を参照し、ユーザに対応する契約情報と、他のユーザに対応する契約情報とを取得する。
【0080】
契約情報には、ユーザの住所や氏名等の、他のユーザとの関係を特定可能な情報や、通信サービスに係る利用料の請求をまとめる一以上のユーザの氏名やユーザIDが含まれている。配信部135は、取得したユーザの契約情報と、他のユーザの契約情報とに基づいて、ユーザと、他の一以上のユーザそれぞれとのユーザ関係を特定し、特定したユーザ関係に基づいて、同行条件に含まれるユーザ関係条件を満たすか否かを判定する。
【0081】
配信部135は、配信条件に含まれる一以上の条件の全てを満たすと判定したことに応じて、当該配信条件に関連付けられている広告情報をユーザ端末2に配信する。例えば、配信部135は、所在位置条件を含む配信条件を満たすと判定すると、当該配信条件を示す配信条件情報に関連付けられている広告情報をユーザ端末2に配信する。また、配信部135は、移動手段条件を含む配信条件を満たすと判定すると、特定部133が特定した移動手段に対応する広告情報をユーザ端末2に配信する。また、配信部135は、決済条件を含む配信条件を満たすと判定すると、当該配信条件を示す配信条件情報に関連付けられている広告情報をユーザ端末2に配信する。
【0082】
また、配信部135は、訪問回数条件を含む配信条件を満たすと判定すると、ユーザの訪問回数に対応する広告情報、すなわち、当該訪問回数条件を含む配信条件に関連付けられている広告情報をユーザ端末2に配信する。また、配信部135は、移動目的条件を含む配信条件を満たすと判定すると、ユーザの移動目的に対応する広告情報、すなわち、当該移動目的条件を含む配信条件に関連付けられている広告情報をユーザ端末2に配信する。
【0083】
なお、予測部134が予測した目的地としての店舗に対応する広告情報を配信する場合、当該目的地が必ずしも正しいとは限らない。このため、配信部135は、ユーザ端末2に予測部134が予測した目的地を示す情報を送信し、ユーザ端末2から、当該目的地が正しいか否かの回答を受け付けてもよい。配信部135は、目的地が正しくない場合には、正しい目的地を受け付けてもよい。そして、配信部135は、受け付けた回答に基づいて広告情報を配信してもよい。
【0084】
例えば、配信部135は、目的地が正しいことを示す回答を受け付けた場合には、予測部134が予測した目的地としての店舗の店舗IDに関連付けられている広告情報をユーザ端末2に配信する。また、配信部135は、目的地が正しくなく、正しい目的地を回答として受け付けた場合には、当該目的地に対応する店舗を特定する。例えば、配信部135は、当該目的地から所定範囲内に存在する店舗を特定し、特定した店舗の店舗IDに関連付けられている広告情報をユーザ端末2に配信する。また、配信部135は、目的地が正しくないことを示す回答を受け付け、正しい目的地を受け付けなかった場合には、広告情報をユーザ端末2に配信しないように制御する。このようにすることで、情報処理装置1は、ユーザの正しい目的地に対応して広告情報を配信することができる。
【0085】
また、配信部135は、ユーザ端末2に広告情報を最後に配信してから所定時間内に広告情報を再配信しないようにしてもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、広告情報が高頻度でユーザ端末2に配信され、広告情報の配信に対してユーザが不快に感じることを抑制することができる。
【0086】
また、配信部135は、ユーザ端末2に広告情報を配信する場合に、ユーザ端末2のユーザが通信事業者と契約している契約内容に応じて、異なる広告情報を配信してもよい。例えば、配信部135は、ユーザと通信事業者との契約内容が示す、ユーザに対して所定期間に割り当てられる通信容量の大きさに基づいて、異なる情報量の広告情報を配信する。例えば、配信部135は、ユーザに対して所定期間に割り当てられる通信容量の大きさが所定の通信容量よりも大きい場合には、動画広告を示す広告情報を配信し、所定の通信容量以下である場合には、テキスト広告を示す広告情報を配信する。このようにすることで、情報処理装置1は、ユーザ端末2に対して適切な情報量の広告情報を配信することができる。
【0087】
また、配信部135は、目的地に関する情報として、広告情報を配信することとしたが、これに限らず、目的地における混雑状況を示す情報を配信してもよい。この場合、予測部134は、ユーザの現在経路と、ユーザの過去経路とに基づいて、ユーザの現在経路に対応するユーザの目的地への到着時刻を予測する。例えば、予測部134は、ユーザの現在経路と一致又は類似すると特定した過去経路を構成する端末位置情報が示す位置のうち、ユーザの現在経路が示す現在位置、又は現在位置の近傍の位置を特定する。そして、予測部134は、当該過去経路に関連付けられている日時情報を参照し、特定した位置に対応する日時と、過去経路が示す目的地に対応する日時との差分に基づいて、ユーザの現在経路に対応するユーザの目的地への到着時刻を予測する。
【0088】
また、予測部134は、目的地に対応する基地局の複数のユーザ端末それぞれとの過去の通信状況であって、予測した到着時刻が属する時間帯に対応する通信状況に基づいて、ユーザが目的地に到着する到着時刻における目的地における通信の混雑状況を予測する。例えば、予測部134は、現在の日時に対応する曜日の同じ曜日又は同じ日時種別に対応する位置履歴情報(例えば、1週間前の位置履歴情報)を参照し、予測されたユーザの目的地への到着時刻が属する時間帯と同じ時間帯に目的地に存在したユーザ端末の数を算出する。そして、予測部134は、算出したユーザ端末の数に基づいて、到着時刻における目的地における通信の混雑状況を予測する。
【0089】
配信部135は、ユーザ端末2が目的地に到着する前に、目的地に関する情報として、予測部134が予測した目的地の混雑状況を示す情報をユーザ端末2に配信する。このようにすることで、ユーザは、目的地に到着したときの混雑状況を事前に把握することができる。
【0090】
また、配信部135は、ユーザ端末2の現在の位置から目的地に到着するまでの経路を示す経路情報を取得してもよい。例えば、配信部135は、記憶部12に記憶されている複数のユーザの過去経路のうち、予測部134が予測した目的地を終点とし、ユーザ端末2の現在の位置を含む過去経路を特定する。そして、配信部135は、特定した過去経路における、ユーザ端末2の現在の位置から終点までの経路を特定し、特定した経路を示す経路情報をユーザ端末2に配信する。このようにすることで、ユーザは目的地までの経路を把握することができる。
【0091】
また、配信部135は、予測部134が予測した目的地としての店舗にユーザ端末2が到着する前に、当該店舗の広告情報を配信する場合に、当該広告情報を配信するタイミングを調整するようにしてもよい。例えば、配信部135は、ユーザ端末2が現時点において通信を行っている基地局の利用状況を特定し、特定した利用状況に基づいて、広告情報をユーザ端末2に配信してもよい。例えば、配信部135は、特定した利用状況が、基地局が混雑していないことを示していることを条件として、広告情報を配信してもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、基地局のリソースが余っている場合に広告情報を配信することができるので、基地局のリソースを有効利用することができる。
【0092】
また、配信部135は、特定部133が所定時間おきに特定した複数の現在経路に基づいて、現在の位置におけるユーザ端末2の滞在時間を特定してもよい。そして、配信部135は、特定した滞在時間が所定の滞在時間以上である場合に広告情報をユーザ端末2に配信してもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、ユーザが移動を開始したタイミングで目的に関する情報を配信することができる。
【0093】
また、配信部135は、取得部132が取得した地図情報と、特定部133が特定したユーザの移動手段と、現在経路とに基づいて、ユーザが通過又は滞在するエリアを特定してもよい。例えば、特定部133が特定した移動手段が車両であり、現在経路が高速道路を示している場合、ユーザが通過又は滞在するエリアは、高速道路におけるサービスエリアである。配信部135は、特定した移動手段が車両であり、現在経路に基づいてユーザが高速道路を移動していると判定すると、現在経路と、地図情報とに基づいて、ユーザが所定時間内に到着するサービスエリアを特定する。
【0094】
そして、配信部135は、最新の現在経路に基づいて、ユーザ端末2が特定したエリアを通過する前に、特定した移動手段と、特定したエリアとに対応する情報をユーザ端末2に配信してもよい。例えば、配信部135は、移動手段が車両である場合、ユーザ端末2が特定したエリアに到着する前に、特定したエリアに対応する情報として、当該エリアにおける混雑度を示す情報をユーザ端末2に配信する。
【0095】
配信部135は、混雑度を示す情報を配信する場合、ユーザとは異なる他のユーザの位置履歴情報を参照し、特定したエリアに所在する、他のユーザ端末の数を特定する。配信部135は、特定した他のユーザ端末の数に基づいて、特定したエリアにおける混雑度を特定する。配信部135は、特定したエリアをカバーする基地局を特定し、当該基地局と接続されているユーザ端末の数を特定することにより、特定したエリアにおける混雑度を特定してもよい。
【0096】
また、配信部135は、特定したエリアに所在する、他のユーザ端末の時間ごとの数を特定し、特定した他のユーザ端末の時間ごとの数に基づいて、特定したエリアにおける混雑度の変化状況を特定してもよい。そして、配信部135は、特定したエリアにおける混雑度を示す情報、及び特定した混雑度の変化状況を示す情報の少なくともいずれかを、ユーザ端末2が当該エリアに到着する前に配信する。このようにすることで、ユーザは、当該エリアの混雑状況を把握し、当該エリアに立ち寄るか否かを判断することができる。
【0097】
また、配信部135は、予測部134が目的地を予測した後に位置履歴情報を所定時間おきに参照し、位置履歴情報が示すユーザ端末2の現在の位置が、所定時間にわたって目的地から所定範囲内の一つの基地局に対応する位置を示したことに応じて広告情報をユーザ端末2に配信してもよい。ユーザ端末2の現在の位置が、所定時間にわたって目的地から所定範囲内の一つの基地局に対応する位置を示している場合、ユーザ2が目的地の近郊で休憩や食事をしており、ユーザ端末2を直ちに操作可能である確率が高い。情報処理装置1は、このようなタイミングにおいて広告情報をユーザ端末2に配信するので、ユーザが広告情報を閲覧する確率を高めることができる。
【0098】
また、配信部135は、記憶部12に記憶されているユーザの位置履歴情報に基づいて、現在のユーザ端末2の移動速度を特定してもよい。例えば、配信部135は、記憶部12に記憶されているユーザの位置履歴情報のうち、特定した現在経路に対応する位置履歴情報が示す端末位置情報が示すユーザ端末2の位置と、日時情報との関係に基づいて、ユーザ端末2の移動速度の最高値や移動速度の平均値を特定する。そして、配信部135は、特定した移動速度に基づいて現在経路に対応するユーザの移動手段を特定し、特定した移動手段に対応するタイミングで広告情報をユーザ端末2に配信する。
【0099】
例えば、配信部135は、特定した移動手段が徒歩又は自転車である場合には、ユーザ端末2の位置から目的地までの距離が第1の距離以下になったことに応じて広告情報をユーザ端末2に配信する。また、配信部135は、特定した移動手段が徒歩及び自転車と異なる場合に、ユーザ端末2の位置から目的地までの距離が第1の距離よりも大きい第2の距離以下になったことに応じて、広告情報をユーザ端末2に配信する。このようにすることで、情報処理装置1は、ユーザの移動手段に応じて適切なタイミングで目的地に関する情報を配信することができる。
【0100】
また、配信部135は、ユーザの移動手段を鉄道車両と特定した後に位置履歴情報を所定時間おきに参照し、位置履歴情報が示すユーザ端末2の現在の位置が、目的地から所定範囲内の基地局に対応する位置を示したことに応じて、目的地に関する情報を配信してもよい。目的地から所定範囲内の基地局は、例えば、目的地の最寄り駅をカバーする基地局に隣接する基地局である。このようにすることで、情報処理装置1は、目的地に到着する直前のタイミングで、目的地に関する情報を配信することができる。
【0101】
また、ユーザの移動手段が船舶又は航空機である場合、ユーザ端末2が空港又は港を含むエリアに設けられている基地局にアクセスした後、船舶又は航空機が目的地に到着する直前まで、ユーザ端末2が基地局にアクセスできなくなる場合がある。これに対し、配信部135は、特定部133が特定した移動手段が船舶又は航空機である場合において、ユーザ端末2が所定のエリアに設けられている基地局にアクセスした後、他の基地局にアクセスしたことを特定できたことに応じて、特定したユーザの移動手段に対応する広告情報をユーザ端末2に配信してもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、船舶又は航空機が目的地に到着する直前において、ユーザ端末2が基地局にアクセスできるようになったタイミングで、広告情報をユーザ端末2に配信することができる。
【0102】
また、特定された移動手段が船舶又は航空機である場合、取得部132は、特定された移動手段に対応する時刻表を示す時刻表情報を特定してもよい。そして、配信部135は、現在経路に対応するユーザ端末2の複数の位置及び複数の日時と、取得された時刻表情報とに基づいて、ユーザが移動手段として利用している船舶又は航空機の到着予定地を特定し、特定した到着予定地に関する情報をユーザ端末2に配信してもよい。例えば、配信部135は、到着予定地に関する情報として、天候に関する情報、到着予定地の混雑状況を示す情報、観光情報等をユーザ端末2に配信する。このようにすることで、ユーザは、到着地に関する情報を事前に把握することができる。
【0103】
また、配信部135は、特定部133が特定した移動手段が鉄道車両である場合、ユーザの鉄道の乗車券の購入履歴を示す購入履歴情報を取得してもよい。例えば、鉄道の乗車券の購入履歴と、ユーザのユーザIDとが関連付けられて外部装置に記憶されている。配信部135は、鉄道の乗車券の購入履歴を管理する外部装置にアクセスし、ユーザIDに関連付けられているユーザの鉄道の乗車券の購入履歴を取得する。
【0104】
配信部135は、取得した購入履歴に基づいてユーザの鉄道の乗車区間を特定し、特定した乗車区間と現在経路とに基づいて無賃乗車が行われているか否かを特定する。例えば、配信部135は、現在経路のうち、鉄道車両によりユーザが移動している経路を特定し、特定した経路が、鉄道の乗車区間が示す乗車経路を超えているか否かに基づいて、無賃乗車が行われているか否かを判定する。そして、配信部135は、無賃乗車が行われていると判定すると、無賃乗車が行われていることを示す警告情報をユーザ端末2に配信する。
【0105】
この場合において、配信部135は、警告情報を配信するとともに、乗車券の購入ページを表示させてもよい。また、制御部13は、購入部として機能し、警告情報を配信した後に、ユーザが乗車券を購入したか否かを特定し、購入していないと判定したことに応じて、無賃乗車が行われている乗車区間を特定し、当該乗車区間の乗車券を自動的に購入するようにしてもよい。この場合、乗車券の購入代金は、通信サービスを提供する通信事業者が管理する通信サービスの利用料と同時に請求されてもよいし、当該通信事業者が管理する電子マネーの残高から引き落とされてもよい。
【0106】
[動作フロー]
続いて、広告情報を配信する処理の流れについて説明する。図6は、情報処理装置1における広告情報を配信する処理の流れを示すフローチャートである。なお、本フローチャートの開始前に、広告管理情報が記憶部12に記憶されているとともに、決済履歴情報と過去経路とが関連付けて記憶部12に記憶されているものとする。
【0107】
まず、取得部132は、ユーザ端末2から位置履歴情報を取得する(S1)。取得部132は、取得した位置履歴情報を記憶部12に記憶させる。
続いて、特定部133は、記憶部12に記憶されている位置履歴情報に基づいて、ユーザ端末2が移動を開始した日時から現在の日時までのユーザの移動経路である現在経路を特定する(S2)。
【0108】
予測部134は、記憶部12に記憶されているユーザの過去経路及び他のユーザの過去経路を参照して、特定部133が特定したユーザの現在経路と一致又は類似する過去経路があるか判定する(S3)。ここで、予測部134は、現在経路を示す複数の端末位置情報が含まれる割合が所定の閾値を超えるとともに、現在経路の端末位置情報と同じ遷移順を有する過去経路が存在するか否かに基づいて、ユーザの現在経路と一致又は類似する過去経路があるか判定する。予測部134は、現在経路と一致又は類似する過去経路があると判定すると(S3のYES)、S4に処理を移し、現在経路と一致又は類似する過去経路がないと判定すると(S3のNO)、S1に処理を移す。
【0109】
S4において、予測部134は、現在経路と一致又は類似する過去経路に関連付けられている決済履歴情報に含まれる店舗IDが示す店舗を、ユーザの目的地と予測する。
続いて、配信部135は、ユーザの目的地として特定した店舗の店舗IDに関連付けられている広告情報のうち、配信条件を満たす広告情報を特定する(S5)。そして、配信部135は、特定した広告情報をユーザ端末2に配信する(S6)。
【0110】
[変形例1]
上述の実施形態では、過去経路と、決済履歴情報とを関連付けて記憶部12に記憶させておき、予測部134が、現在経路と一致又は類似する過去経路に関連付けられている決済履歴情報に基づいてユーザの目的地を予測したが、これに限らない。例えば、過去経路と、決済履歴情報とは関連付けて記憶されていなくてもよい。そして、予測部134は、現在経路と一致又は類似する過去経路が示す経路の終点を示す端末位置情報の位置を目的地として特定してもよい。この場合、配信部135は、目的地から所定範囲内に存在する店舗に対応する広告情報を目的地に関する情報として配信してもよい。
【0111】
[変形例2]
また、予測部134は、公共交通機関の予約情報を取得し、ユーザの現在経路と、ユーザの過去経路と、公共交通機関の予約情報とに基づいて、ユーザの目的地を予測してもよい。例えば、予測部134は、公共交通機関の予約情報を管理する外部装置から、ユーザの当日中の公共交通機関の予約情報を取得する。
【0112】
具体的には、予測部134は、記憶部12においてユーザ端末2のユーザIDに関連付けられている過去経路のうち、現在経路を示す複数の端末位置情報が含まれる割合が所定の閾値を超えるとともに、現在経路の端末位置情報と同じ遷移順を有する過去経路を特定する。そして、予測部134は、特定した過去経路のうち、予約情報が示す公共交通機関の行き先に対応する端末位置情報を含み、当該割合が最も高い過去経路を、現在経路に類似する過去経路と特定する。このようにすることで、情報処理装置1は、現在経路に類似する過去経路の特定精度を向上させることができる。
【0113】
[変形例3]
また、予測部134は、所定のイベント又は施設に対応するユーザの施設等予約情報を取得し、ユーザの現在経路と、ユーザの過去経路と、施設等予約情報とに基づいて、ユーザの目的地を予測してもよい。例えば、予測部134は、所定のイベント又は施設を識別するための識別情報を含む施設等予約情報を管理する外部装置から、ユーザの当日中の施設等予約情報を取得する。
【0114】
予測部134は、取得した施設等予約情報に含まれる識別情報に基づいて、ユーザが予約した所定のイベント又は施設を特定し、特定した所定のイベントの開催場所、又は施設の場所を特定する。そして、予測部134は、現在経路と一定又は類似する過去経路の終点を示す端末位置情報の位置から、特定した所定のイベントの開催場所又は施設の場所が所定の距離以内に存在する場合、所定のイベント又は施設をユーザの目的と予測する。このようにすることで、情報処理装置1は、予約情報を用いない場合に比べて目的地の予測精度を高めることができる。
【0115】
[変形例4]
また、予測部134は、ユーザ端末2のバッテリーの残量を示す情報をさらに用いて、ユーザの現在経路に対応するユーザの目的地を予測してもよい。この場合、取得部132は、ユーザのユーザIDと、ユーザ端末2の位置を示す端末位置情報と、当該位置にユーザ端末2が存在した日時を示す日時情報と、当該位置にユーザ端末2が存在したときのユーザ端末2のバッテリー残量を示す残量情報とを関連付けた位置履歴情報をユーザ端末2から取得し、記憶部12に記憶させる。
【0116】
また、記憶部12は、ユーザの過去経路と、当該過去経路に対応するユーザ端末のバッテリーの残量の変化状況とを関連付けて記憶する。例えば、記憶部12は、ユーザの過去経路を構成する複数の端末位置情報それぞれと、端末位置情報が示す位置にユーザ端末2が存在したときのユーザ端末2のバッテリー残量を示す残量情報とを関連付けて記憶する。
【0117】
特定部133は、ユーザの現在経路を特定するとともに、記憶部12に記憶されている位置履歴情報に含まれる残量情報に基づいて、ユーザ端末2のバッテリーの残量の変化状況を特定する。
【0118】
予測部134は、特定部133が特定したユーザの現在経路及び現在経路に対応するバッテリーの残量の変化状況と、記憶部12に記憶されているユーザの過去経路及び過去経路に対応するバッテリー残量の変化状況とに基づいて、ユーザの現在経路に対応するユーザの目的地を予測する。
【0119】
具体的には、予測部134は、記憶部12においてユーザ端末2のユーザIDに関連付けられている過去経路のうち、現在経路を示す複数の端末位置情報が含まれる割合が所定の閾値を超えるとともに、現在経路の端末位置情報と同じ遷移順を有する過去経路を特定する。予測部134は、特定した過去経路のうち、現在経路に対応するバッテリー残量の変化状況と、変化の傾向が類似する過去経路を特定する。そして、予測部134は、特定した過去経路のうち、当該割合が最も高い過去経路を、現在経路に類似する過去経路と特定し、特定した過去経路に関連付けられている決済履歴情報に基づいてユーザの目的地を予測する。
【0120】
ユーザが、通学や通勤等の日常行動を行う場合には、バッテリー残量の変化状況が類似する傾向にある。これに対し、情報処理装置1は、バッテリー残量に基づいて現在経路に類似する過去経路を特定するので、現在経路が日常行動を示している場合に、現在経路と同様に日常行動を示している過去経路を、現在経路と類似する過去経路として特定する確率を高めることができる。
【0121】
[変形例5]
また、情報処理装置1は、ユーザの現在経路と、記憶部12に記憶されているユーザの過去経路とに基づいて、ユーザの現在経路に対応するユーザの目的地を予測し、当該目的地に関する情報をユーザ端末2に配信したが、これに限らない。
【0122】
広告情報の配信条件が、所在位置条件又は同行条件に限定される場合には、情報処理装置1は、ユーザの目的地を予測しなくてもよい。そして、配信部135は、特定部133がユーザの現在経路を特定したことに応じて、配信条件情報が示す配信条件としての、所在位置条件又は同行条件を満たすか否かを判定し、当該一以上の条件の全てを満たすと判定したことに応じて、当該配信条件に関連付けられている広告情報をユーザ端末2に配信してもよい。
【0123】
例えば、配信条件が所在位置条件である場合、配信部135は、特定部133がユーザの現在経路を特定すると、当該ユーザの現在経路に対して、所在位置条件に対応する所定位置が含まれているか否かを判定してもよい。そして、配信部135は、所在位置条件に対応する所定位置が含まれていると判定すると、当該所在位置条件に対応する配信条件情報に関連付けられている配信情報をユーザ端末2に配信してもよい。
【0124】
[変形例6]
また、取得部132は、例えば、ユーザ端末2が接続されている基地局が変化したことに応じて、ユーザ端末2から位置履歴情報を受信し、記憶部12に記憶させることとしたが、これに限らない。ユーザ端末2が、所定時間おきにユーザIDと位置特定用情報とを送信し、取得部132が、当該ユーザIDと位置特定用情報とを受信してもよい。そして、取得部132は、受信した位置特定用情報が示す位置が、直前に受信した位置特定用情報が示す位置から変化したことに応じて、受信した位置特定用情報と、ユーザIDと、位置特定用情報を受信した日時を示す日時情報とを関連付けて位置履歴情報として記憶させてもよい。
【0125】
[変形例7]
また、配信部135は、配信条件に含まれる一以上の条件の全てを満たすと判定したことに応じて、当該配信条件に関連付けられている広告情報をユーザ端末2に配信することとしたが、これに限らない。配信部135は、配信条件に含まれる複数の条件のいずれかを満たすと判定したことに応じて、当該配信条件に関連付けられている広告情報をユーザ端末2に配信してもよい。また、登録部131は、配信条件に複数の条件が含まれる場合に、全ての条件を満たした場合に広告情報を配信するか、いずれかの条件を満たした場合に広告情報を配信するかの指定を店舗端末3から受け付けるようにしてもよい。
【0126】
[情報処理システムSによる効果]
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置1は、ユーザが使用するユーザ端末2の位置を示す端末位置情報と、ユーザ端末2が当該位置に存在したときの日時を示す日時情報とを関連付けた位置履歴情報に基づく、ユーザ端末2が移動を開始した日時から現在の日時までのユーザの移動経路である現在経路を特定する。そして、情報処理装置1は、配信情報に関連付けて、当該配信情報を配信する配信条件であって、予め定められた所定位置を移動経路に含むことを条件とする配信条件情報が記憶部12に記憶されている場合に、特定したユーザの現在経路に所定位置が含まれているとき、配信条件情報に関連付けられている配信情報をユーザ端末2に配信する。このようにすることで、情報処理装置1は、効果的に情報を配信することができる。
【0127】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0128】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0129】
1 情報処理装置
2 ユーザ端末
3 店舗端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 登録部
132 取得部
133 特定部
134 予測部
135 配信部
S 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6