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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】異常検出装置及び異常検出方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/06 20060101AFI20250212BHJP
【FI】
B25J19/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021062552
(22)【出願日】2021-04-01
(65)【公開番号】P2022157982
(43)【公開日】2022-10-14
【審査請求日】2024-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】奥村 宏克
(72)【発明者】
【氏名】尾辻 淳
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 隆之
(72)【発明者】
【氏名】上島 優子
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-080529(JP,A)
【文献】特開平5-346812(JP,A)
【文献】特開平11-129186(JP,A)
【文献】特開2006-102889(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 ~ 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直方向に移動させる垂直軸を有し各軸のモータがサーボドライバによって駆動制御され、前記垂直軸複数段にわたってそれぞれ設けられた前記モータを備えているロボットにおける異常を検出する異常検出装置であって、
前記垂直軸に関し、前記垂直軸の前記モータに対する前記サーボドライバにおけるトルク指令値の絶対値が、異常検出停止期間を除いて閾値以下であることを検出した場合に前記垂直軸に異常が発生したと判定する異常検出部を備え、
前記異常検出停止期間は、前記ロボットに対する動作指令により前記垂直軸が下降方向に加速されている下降加速期間の中に設定され、
前記異常検出部は、最下段の前記モータに関しては、前記異常検出停止期間中であっても前記トルク指令値の絶対値が前記閾値以下であることを検出した場合に前記異常が発生したと判定する、異常検出装置。
【請求項2】
垂直方向に移動させる垂直軸を有し各軸のモータがサーボドライバによって駆動制御されるロボットにおける異常を検出する異常検出装置であって、
前記垂直軸に関し、前記垂直軸の前記モータに対する前記サーボドライバにおけるトルク指令値の絶対値が、異常検出停止期間を除いて閾値以下であることを検出した場合に前記垂直軸に異常が発生したと判定する異常検出部を備え、
前記異常検出停止期間は、前記ロボットに対する動作指令により前記垂直軸が下降方向に加速されている下降加速期間の中に設定され、
前記異常検出停止期間は、前記下降加速期間の開始後、所定の遅延時間の経過後に開始する、異常検出装置。
【請求項3】
垂直方向に移動させる垂直軸を有し各軸のモータがサーボドライバによって駆動制御される、水平多関節ロボットであるロボットにおける異常を検出する異常検出装置であって、
前記垂直軸に関し、前記垂直軸の前記モータに対する前記サーボドライバにおけるトルク指令値の絶対値が、異常検出停止期間を除いて閾値以下であることを検出した場合に前記垂直軸に異常が発生したと判定する異常検出部を備え、
前記異常検出停止期間は、前記ロボットに対する動作指令により前記垂直軸が下降方向に加速されている下降加速期間の中に設定され、
前記異常検出部は、前記水平多関節ロボットの前記垂直軸以外の軸を動かす制御の実行中において、当該軸の前記モータに対する前記サーボドライバにおけるトルク指令値の絶対値が前記閾値以下であることを検出した場合に、当該軸に異常が発生したと判定する、異常検出装置。
【請求項4】
垂直方向に移動させる垂直軸を有し各軸のモータがサーボドライバによって駆動制御されるロボットにおける異常を検出する異常検出装置であって、
前記垂直軸に関し、前記垂直軸の前記モータに対する前記サーボドライバにおけるトルク指令値の絶対値が、異常検出停止期間を除いて閾値以下であることを検出した場合に前記垂直軸に異常が発生したと判定する異常検出部を備え、
前記異常検出停止期間は、前記ロボットに対する動作指令により前記垂直軸が下降方向に加速されている下降加速期間の中に設定され、
前記異常検出部は、前記トルク指令値の絶対値が所定の検出継続時間にわたって前記閾値以下であるときに、前記トルク指令値の絶対値が前記閾値以下であると検出する、異常検出装置。
【請求項5】
垂直方向に移動させる垂直軸を有し各軸のモータがサーボドライバによって駆動制御され、前記垂直軸が複数段にわたってそれぞれ設けられた前記モータを備えているロボットにおける異常を検出する異常検出方法であって、
前記ロボットに対する動作指令により前記垂直軸が下降方向に加速されている下降加速期間の中に異常検出停止期間を設定し、
前記垂直軸に関し、前記垂直軸の前記モータに対する前記サーボドライバにおけるトルク指令値の絶対値が、前記異常検出停止期間を除いて閾値以下であることを検出した場合に前記垂直軸に異常が発生したと判定し、
最下段の前記モータに関しては、前記異常検出停止期間中であっても前記トルク指令値の絶対値が前記閾値以下であることを検出した場合に前記異常が発生したと判定する、異常検出方法。
【請求項6】
垂直方向に移動させる垂直軸を有し各軸のモータがサーボドライバによって駆動制御されるロボットにおける異常を検出する異常検出方法であって、
前記ロボットに対する動作指令により前記垂直軸が下降方向に加速されている下降加速期間の中に異常検出停止期間を設定し、
前記垂直軸に関し、前記垂直軸の前記モータに対する前記サーボドライバにおけるトルク指令値の絶対値が、前記異常検出停止期間を除いて閾値以下であることを検出した場合に前記垂直軸に異常が発生したと判定し、
前記下降加速期間の開始後、所定の遅延時間の経過後に前記異常検出停止期間を開始する、異常検出方法。
【請求項7】
垂直方向に移動させる垂直軸を有し各軸のモータがサーボドライバによって駆動制御されるロボットにおける異常を検出する異常検出方法であって、
前記ロボットに対する動作指令により前記垂直軸が下降方向に加速されている下降加速期間の中に異常検出停止期間を設定し、
前記垂直軸に関し、前記垂直軸の前記モータに対する前記サーボドライバにおけるトルク指令値の絶対値が、前記異常検出停止期間を除いて閾値以下であることを検出した場合に前記垂直軸に異常が発生したと判定し、
前記ロボットが前記ロボットを水平面内で移動させる水平面内移動軸を有するときに、前記水平面内移動軸を動かす制御の実行中において前記水平面内移動軸の前記モータに対する前記サーボドライバにおけるトルク指令値の絶対値が前記閾値以下であることを検出した場合に、前記水平面内移動軸に異常が発生したと判定する、異常検出方法。
【請求項8】
垂直方向に移動させる垂直軸を有し各軸のモータがサーボドライバによって駆動制御されるロボットにおける異常を検出する異常検出方法であって、
前記ロボットに対する動作指令により前記垂直軸が下降方向に加速されている下降加速期間の中に異常検出停止期間を設定し、
前記垂直軸に関し、前記垂直軸の前記モータに対する前記サーボドライバにおけるトルク指令値の絶対値が、前記異常検出停止期間を除いて閾値以下であることを検出した場合に前記垂直軸に異常が発生したと判定し、
前記トルク指令値の絶対値が所定の検出継続時間にわたって前記閾値以下であるときに、前記トルク指令値の絶対値が前記閾値以下であると検出する、異常検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用ロボットにおける駆動用ベルトの切断などの異常を検出する異常検出装置及び異常検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークの搬送などに用いられる産業用ロボット(以下、ロボットと呼ぶ)では、各軸を駆動するためのモータが設けられるとともに、モータの駆動力を各軸のアームに伝達するための伝達機構が設けられる。伝達機構は、例えば、減速機、プーリー、ベルトなどによって構成される。伝達機構における異常、例えばベルトの切断が起きたときには、直ちにロボットの駆動を停止するとともにブレーキを作動させて各軸のアーム等が動かないようにする必要がある。そのため、ロボットの各軸における伝達機構などの異常を素早くかつ確実に検出できることが求められている。
【0003】
ロボットでは、モータに取り付けられたエンコーダなどの検出器によってモータの位置や速度を検出してフィードバックし、入力した位置指令とフィードバック値とに基づいてモータに対するトルク指令を生成し、モータを制御している。ロボットの各軸において例えばベルトの切断が発生した場合、モータが実質的に空転状態となるので、トルク指令値にもその影響が表れる。そこで特許文献1は、モータに対するトルク指令信号を積分処理し、その飽和状態となるまでの時間が所定時間より長くなった場合にベルトが切断されたと判断することを開示している。
【0004】
伝達機構一般の故障を検出する方法として特許文献2は、ロボットの各駆動軸への指令角度と、モータの位置データとしての実角度と、モータに対する駆動電流とに基づいて、入力側の仕事率と負荷側の仕事率を算出し、これらの仕事率の比または差により伝達機構における故障の有無を判定する方法を開示している。特許文献3は、各軸に設けられる減速機の異常を検出する方法として、速度指令と速度検出値とトルク検出値とに基づいて減速機における異常の有無を判定する方法を開示している。特許文献3に記載された方法は、減速機における異常の検出を目的とするものであり、ベルトの切断の検出に用いることはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平5-346812号公報
【文献】特開平11-129186号公報
【文献】特開2006-102889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ワークの搬送に用いるロボットでは、各軸のモータからの駆動力をプーリとベルトとを介してその軸のアーム等に伝達することが多く、ベルトの切断を素早く確実に検出できることが求められる。ロボットを鉛直方向に移動させる軸すなわち垂直軸に着目すると、垂直軸に関してロボットを静止させるときは、ロボットの自重が垂直軸に常時加わっているので、この自重による負荷に抗するためにモータは、常時、保持トルクを発生してロボットを支える必要がある。ここで垂直軸のベルトが切断すると、ロボットの自重がモータに伝達されなくなるので、垂直軸のモータの保持トルクはほぼ0に変化する。一方、ロボットの正規の駆動条件として垂直軸下降方向へ加速しているときにおいても、ロボットの自重が作用するので、瞬間的にトルク指令値が0近辺となることがある。特許文献1に記載された方法では、ベルトの切断によって保持トルクが0近辺となってトルク指令値が0近辺となったのか、ロボットが正規に下降しているからトルク指令値が0近辺になったのかを区別することができないから、結果として、垂直軸のベルトの切断を適切に検出することができない場合がある。特許文献2に記載された方法は、モデルを使用して計算を行うので、各軸における異常を検出するための演算量が大きくなるという問題点を有する。
【0007】
本発明の目的は、ロボットの各軸におけるベルトの切断に代表される異常を、少ない演算量で素早く確実に検出することができる異常検出装置及び異常検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の異常検出装置は、垂直方向に移動させる垂直軸を有し各軸のモータがサーボドライバによって駆動制御されるロボットにおける異常を検出する異常検出装置であって、以下に示す第1乃至第4の態様のいずれかの態様のものである。これらの異常検出装置は、垂直軸に関し、垂直軸のモータに対するサーボドライバにおけるトルク指令値の絶対値が、異常検出停止期間を除いて閾値以下であることを検出した場合に垂直軸に異常が発生したと判定する異常検出部を備える。異常検出停止期間は、ロボットに対する動作指令により垂直軸が下降方向に加速されている下降加速期間の中に設定される。
【0009】
ロボットの垂直軸のモータは、荷重を支えるというその特性から、常時、保持トルクを発生しているが、モータに機械的に連結しているベルトが切断するなどの異常が発生したときは保持トルクがほとんど0となり、それに対応して、モータに対するトルク指令値もほぼ0となる。したがって、トルク指令値の絶対値が閾値以下の場合に垂直軸に異常が発生したと判定することができる。しかしながら、垂直軸が正規に下降方向に加速されているときもトルク指令値が0に近づくことがあり、単純にトルク指令値の絶対値と閾値とを比較した場合には誤検出の恐れがある。そこで本発明の異常検出装置では、ロボットの下降加速期間内に異常検出停止期間を設定し、異常検出停止期間においては異常の検出を行わないようにする。それにより本発明の異常検出装置は、誤検出を防ぐことができる。
【0010】
第1の態様の異常検出装置では、ロボットにおいて垂直軸が複数段にわたってそれぞれ設けられたモータを備えているときに、異常検出部は、最下段のモータに関しては、異常検出停止期間中であってもトルク指令値の絶対値が閾値以下であることを検出した場合に異常が発生したと判定する。多段構成の垂直軸の最下段のモータでは、その負荷荷重が大きいため、正規の下降加速期間においてもトルク指令値が0に近づかないことがある。そのような場合には、最下段のモータについてトルク指令値を常時監視することにより、ベルトの切断などをより迅速に検出することが可能になる。
【0011】
第2の態様の異常検出装置では、下降加速期間の開始後、所定の遅延時間の経過後に異常検出停止期間が開始する。下降加速期間の開始直後は、正常状態であればトルク指令値は0から離れているので、異常検出停止期間の開始を遅らせることにより、下降加速期間の開始直後における異常を迅速に検出することが可能になる。
【0012】
第3の態様の異常検出装置では、ロボットは、水平多関節ロボットである。ロボットが水平多関節ロボットである場合、異常検出部は、水平多関節ロボットの垂直軸以外の軸を動かす制御の実行中において、その軸のモータに対するサーボドライバにおけるトルク指令値の絶対値が閾値以下であることを検出した場合に、その軸に異常が発生したと判定する。水平多関節ロボットにおいて垂直軸以外の軸は、水平方向にあるいは水平面内でロボットを移動させる軸である。そのような軸において例えばベルトの切断が起これば、その軸を動かす動作指令が入力しているにも関わらずその軸のトルク指令値が0に近づくから、トルク指令値の絶対値が閾値以下となることを検出することにより、その軸における異常の発生を検出することができる。
【0013】
第4の態様の異常検出装置では、異常検出部は、トルク指令値の絶対値が所定の検出継続時間にわたって閾値以下であるときに、トルク指令値の絶対値が閾値以下であると検出する。このように構成することによって、ノイズの影響や、異常検出停止期間を設定するときのばらつきの影響などを排除することができる。
【0014】
本発明の異常検出方法は、垂直方向に移動させる垂直軸を有し各軸のモータがサーボドライバによって駆動制御されるロボットにおける異常を検出する異常検出方法であって、以下に示す第1乃至第4の態様のいずれかの態様のものである。これらの異常検出方法では、ロボットに対する動作指令により垂直軸が下降方向に加速されている下降加速期間の中に異常検出停止期間を設定し、垂直軸に関し、垂直軸のモータに対するサーボドライバにおけるトルク指令値の絶対値が、異常検出停止期間を除いて閾値以下であることを検出した場合に垂直軸に異常が発生したと判定する。
【0015】
本発明の異常検出方法によれば、垂直軸のモータに対するトルク指令値が0に近づいたことによって垂直軸の異常を検出するときに、下降加速期間内に異常検出停止期間を設定し、異常検出停止期間においては異常の検出を行わないようにすることにより、誤検出を防ぐことができる。またこの異常検出方法は、ロボットを駆動制御する制御装置(ロボットコントローラ)が設けられる場合に、別途のハードウエア類を設けることなく、制御装置における簡単な演算処理によって実現することができ、制御装置がソフトウエア制御によるものであれば、ソフトウエアの改修によって実現することができる。
【0016】
第1の態様の異常検出方法では、ロボットにおいて垂直軸が複数段にわたってそれぞれ設けられたモータを備えているときに、最下段のモータに関しては、異常検出停止期間中であってもトルク指令値の絶対値が閾値以下であることを検出した場合に異常が発生したと判定する。多段構成の垂直軸の最下段のモータに関しては、その負荷荷重が大きいため、正規の下降加速期間においてもトルク指令値が0に近づかないことがある。そのような場合には、最下段のモータについてトルク指令値を常時監視することにより、ベルトの切断などをより迅速に検出することが可能になる。
【0017】
第2の態様の異常検出方法では、下降加速期間の開始後、所定の遅延時間の経過後に異常検出停止期間を開始する。下降加速期間の開始直後は、正常状態であればトルク指令値は0から離れているので、異常検出停止期間の開始を遅らせることにより、下降加速期間の開始直後における異常を迅速に検出することが可能になる。
【0018】
第3の態様の異常検出方法では、ロボットがそのロボットを水平面内で移動させる水平面内移動軸を有するときに、水平面内移動軸を動かす制御の実行中において水平面内移動軸のモータに対するサーボドライバにおけるトルク指令値の絶対値が閾値以下であることを検出した場合に、水平面内移動軸に異常が発生したと判定する。水平面内移動軸において例えばベルトの切断が起これば、その水平面内移動軸を動かす動作指令が入力しているにも関わらずその水平面内移動軸のトルク指令値が0に近づくから、トルク指令値の絶対値が閾値以下となることを検出することにより、その水平面内移動軸における異常の発生を検出することができる。
【0019】
第4の態様の異常検出方法では、異常検出部は、トルク指令値の絶対値が所定の検出継続時間にわたって閾値以下であるときに、トルク指令値の絶対値が閾値以下であると検出する。このように構成することによって、ノイズの影響や、異常検出停止期間を設定するときのばらつきの影響などを排除することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ロボットの各軸におけるベルトの切断に代表される異常を、少ない演算量で素早く確実に検出することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の一形態の異常検出方法が適用されるロボットを示す図であって、(a)は概略側面図、(b)は平面図である。
図2】昇降機構の構成の詳細を示す図である。
図3】動作制御と異常検出のための構成を示すブロック図である。
図4】速度の変化と速度に対応したトルク指令値の変化とを示す波形図である。
図5】トルク指令値の変化を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の一形態の異常検出方法が適用されるロボットを示す図であって、(a)は概略側面図であり、(b)は平面図である。このロボット10は、ガラス基板などのワークを搬送することを目的とするものであって、水平多関節ロボットとして構成されている。そしてロボット10には、ロボット10に対する動作指令が外部から入力してこの動作指令に基づいてロボット10を駆動し制御する制御装置(ロボットコントローラ)40が、ケーブルを介して電気的に接続している。制御装置40は、本発明に基づく異常検出装置としても機能する。なお、説明を分かりやすくするため、図1(b)には制御装置40とそれに接続するケーブルとは描かれていない。
【0023】
ロボット10は、ワーク60(図1(a)には不図示)をそれぞれ保持する2つのハンド13A,13Bを備えるいわゆるダブル・ハンド・ロボットとして構成されている。図1(a)は、ロボット10において水平多関節機構が上昇した状態を示している。制御装置40は、動作指令が入力するとともに異常の発生を検出する制御部41と、ロボット10に設けられている各軸のモータごとに設けられてそのモータを駆動するためにサーボドライバ45(図2参照)などを含む駆動回路42と、を備えている。制御装置40の詳細な構成については後述する。本実施形態のロボット10はワーク60の搬送に用いられるものであるので、動作指令は、基本的には、ハンド13A,13Bをどの位置に移動させるか、という移動動作の指令である。制御部41は、動作指令に基づいてロボット10の軸ごとにその軸についての速度を含む内部指令を生成し、駆動回路42は、軸ごとの内部指令によってロボット10の各軸のモータを実際に駆動する。
【0024】
ロボット10は、床面において直線に設けられた相互に平行な1対のレール21上を移動可能な基台22と、基台22の上に設けられ、基台22に内蔵されたモータ35THによって回転軸31の周りで水平面内で回転する回転台23と、回転台23に対して直立するように設けられた昇降機構24を備えている。レール21にはそれを覆うカバー25が取り付けられている。基台22にはレール21に沿って基台22を水平方向に移動させるためのモータ35Xが設けられており、モータ35Xは、基台22ごとロボット10をレール21に沿って水平方向に移動させる水平移動機構を構成するとともに駆動する。また、モータ35TH及び回転台23は、垂直な回転軸31の周りで基台22に対して昇降機構24を回転させる回転機構を構成し、この回転機構は、モータ35THによって駆動される。
【0025】
昇降機構24は、回転台23に取り付けられている固定部24Aと、モータによって固定部24Aに対して鉛直方向に昇降する移動部24Bとを備えている。図2は、昇降機構24の内部構造を示す図である。固定部24Aに対して移動部24Bを昇降させるためには1個のモータを用いてもよいが、質量が大きいロボットを高速かつ大きな昇降量で移動させるためには、複数のモータを用いて多段構成とすることが有効である。本実施形態では3段構成としている。固定部24Aの筐体に最下段のZ軸モータ35ZAが設けられ、このZ軸モータ35ZAは、プーリ51Aが取り付けられ、プーリ51Aに架け渡されたベルト52Aとプーリ53Cとを介してプーリ53Cに固定されたボールねじ54Aを回転駆動する。ボールねじ54Aには、ボールねじ54Aの回転に伴って昇降する昇降台55Aが取り付けられている。昇降台55Aには、2段目のZ軸モータ35ZBが設けられている。2段目のZ軸モータ35ZBも同様にプーリ51B、ベルト52B及びプーリ53Bを介してボールねじ54Bを回転駆動し、ボールねじ54Bには、ボールねじ54Bに伴って昇降する昇降台55Bが取り付けられている。この昇降台55Bには、3段目のZ軸モータ35ZCが設けられている。3段目のZ軸モータ35ZCも同様にプーリ51C、ベルト52C及びプーリ53Cを介してボールねじ54Cを回転駆動し、ボールねじ54Cには、ボールねじ54Cに伴って昇降する昇降台55Cが取り付けられている。昇降機構24の移動部24Bは、3段目の昇降台55Cに取り付けられている。
【0026】
移動部24Bには、水平多関節機構を保持するアーム支持部26が水平方向に延びるように設けられており、アーム支持部26の先端には2組の水平多関節機構が上下方向に配列して取り付けられている。昇降機構24は、モータ35ZA,35ZB,35ZCによって駆動されて基台22に対してアーム支持部26を昇降させる。上側の水平多関節機構は、アーム支持部26に取り付けられて共通軸32の周りで水平面内を回転可能な第1アーム11Aと、第1アーム11Aの先端に取り付けられて軸33Aの周りで水平面内を回転可能な第2アーム12Aとを備えており、第2アーム12Aの先端にハンド13Aが取り付けられている。同様に下側の水平多関節機構は、アーム支持部26に取り付けられて共通軸32の周りで水平面内を回転可能な第1アーム11Bと、第1アーム11Bの先端に取り付けられて軸33Bの周りで水平面内を回転可能な第2アーム12Bとを備えており、第2アーム12Bの先端にハンド13Bが取り付けられている。
【0027】
ハンド13A,13Bは、下から保持することによって板状のワーク60を水平状態に保ったまま搬送できるように、複数の棒状部材を平行に配置したフォーク状の形状となっている。ハンド13A,13Bは、処理装置のカセットやロードロック室などに収納されているワーク60を取り出してハンド13A,13B上に保持したり、保持しているワーク60をカセット内などに収納したりするときに、ワーク60に対して前進または後退する。このハンド13A,13Bの前進したり後退する方向は、棒状部材の延びる方向と一致している。ハンド13A,13Bの左右方向すなわち前後方向に直交する方向での幅は、搬送対象のワーク60の左右方向の幅よりも短くなっている。
【0028】
このロボットにおいて水平多関節機構は、第1アーム11A,11Bと第2アーム12A,12Bとに組み込まれたリンク機構により、アーム支持部26が延びる方向とは直交する方向に沿う直線運動でハンド13A,13Bが前進及び後退運動を行うように構成されている。すなわち両方のハンド13A,13Bは同一方向に前進及び後退を行う。中心軸32に対してハンド13A,13Bの先端が遠ざかる動きが前進運動であり、前進運動とは反対方向の動きが後退運動である。第1アーム11A,11Bと第2アーム12A,12Bとは全体して屈曲運動を行い、それにも関わらず水平面内でのハンド13A,13Bの向きを一定とするために、ハンド13A,13Bは、それぞれ、第2アーム12A,12Bの先端の位置で手首軸34A,34Bの周りで水平面内を回転可能に取り付けられている。上側の水平多関節機構では、アーム支持部26に設けられたモータ35RUによってリンク機構が駆動されることによって、第1アーム11A及び第2アーム12Aが動き、ハンド13Aはその向きを保ったまま、アーム支持部26の延びる方向とは直交する方向に移動する。同様に下側の水平多関節機構では、アーム支持部26に設けられたモータ35RDによってリンク機構が駆動されることによって、第1アーム11B及び第2アーム12Bが動き、ハンド13Bはその向きを保ったまま、アーム支持部26の延びる方向とは直交する方向に移動する。このロボットでは、ハンド13Aとハンド13Bとを独立して前進及び後退させることができる。第1アーム11A,11Bと第2アーム12A,12Bとの屈曲運動により、ハンド13A,13Bが前進または後退することをアームの伸縮と呼ぶ。
【0029】
結局、図1に示す産業用ロボットのロボット10での動きは、レール21に沿った水平方向の移動(これをX軸あるいは走行軸の動きとする)と、鉛直方向を向いた軸である回転軸31の周りでの基台に対する回転(これをθ軸あるいは回転軸の動きとする)と、ハンド13A,13Bの水平方向での前進及び後退運動すなわちアームの伸縮運動(これをR軸の動きとする)と、昇降機構24によるアーム支持部26の鉛直方向での昇降(これを垂直軸またはZ軸の動きとする)とに分けることができる。2つのハンド13A,13Bに対応して2つの水平多関節機構が設けられていることにより、このロボットでは、R軸は、上側のハンド13Aに対応するRU軸と下側のハンド13Bに対応するRD軸とに分けられる。RU軸とRD軸とは相互に独立している。X軸、θ軸、RU軸、RD軸は、それぞれの軸に対応するモータ35X,35TH,35RU,35RDによって、プーリやベルトを介して駆動される。X軸、θ軸、RU軸、RD軸は、ロボット10を水平面内で動かす軸であるので、水平面内移動軸である。垂直軸であるZ軸は、3段のモータ35ZA,35ZB,35ZCによって、プーリ51A,51B,51C,53A,53B,53Cやベルト52A,52B,52Cを介して駆動される。ロボット10は、動作指令に応じた制御装置40からの内部指令に基づく駆動制御により、これらの各軸のうちの1つの軸だけを動かす動作や、2以上の軸を同時に動かす動作とを実行する。Z軸を駆動するときは、基本的には3段のモータ35ZA,35ZB,35ZCが同時に駆動される。
【0030】
図3は、本実施形態でのロボット10の動作制御と異常検出とを説明するために、ロボット10の制御系を示したブロック図である。上述したようにロボット10には、各軸のモータとして、垂直軸である昇降機構24を駆動する3段のモータ35ZA,35ZB,35ZC、上下のハンド13A,13Bに対応するアームの伸縮をそれぞれ駆動するモータ35RU,35RD、水平移動機構を駆動するモータ35X、及び回転機構を駆動するモータ35THが設けられている。これらのモータはいずれもエンコーダ付きのモータであって、制御装置40内の駆動回路42においてモータごとに設けられたサーボドライバ45によってサーボ制御される。各軸のサーボドライバ45は、制御装置40内の制御部41から軸ごとに内部指令が供給され、内部指令に応じて対応するモータを駆動する。また各軸のサーボトライバ45からは、対応するモータに対するトルク指令値を示す信号も出力されている。
【0031】
制御装置40の制御部41には、ロボット10に所望の動作を実行させるための動作指令が入力する。動作指令は、例えばロボットに対する教示の結果として生成されたものであって、一例として、ハンド13Aの移動の始点と終点とを含んでいる。制御部41には、入力した動作指令を解析してロボットの軌道を生成し、軌道に基づいて各軸に求められる動きを算出して軸ごとの内部指令を生成する軌道計算部43が設けられている。軌道計算部43が出力する内部指令は、各軸のモータに対する位置指令及び速度指令の少なくとも一方を含んでいる。
【0032】
ロボット10の各軸における異常、特に、各軸の伝達機構におけるベルトの切断などの異常を検出するために、制御部41には、異常検出部44も設けられている。異常検出部44には、軌道計算部43から、各軸のサーボドライバ45に対してどのような内部指令を現在出力しているかという指令出力情報が入力するともに、各サーボドライバ45からのトルク指令値を示す信号も出力している。指令出力情報の代わりに、サーボドライバ45ごとの内部指令がそのまま異常検出部44に与えられてもよい。そして異常検出部44は、垂直軸であるZA軸、ZB軸及びZC軸に関し、それらの軸のモータ35ZA,35ZB,35ZCに対するサーボドライバ45におけるトルク指令値の絶対値が、異常検出停止期間を除いて閾値以下であることを検出した場合に、その軸に異常が発生したと判定する。ここで異常検出停止期間とは、ロボット10に対する動作指令により垂直軸が下降方向に加速されている下降加速期間の中に設定されている期間であり、例えば、下降加速期間の開始から所定の遅延時間が経過した後に開始する期間である。後述するように遅延時間や異常検出停止期間の長さはロボット10の構成や動作条件に基づいて予め定められている。異常検出部44は、軌道計算部43からの指令出力情報により下降加速期間が開始したことを知ると、そのときから遅延時間が経過した時点を異常検出停止期間の開始点と認識し、異常検出停止期間内はトルク指令値の絶対値に基づく異常検出を行わない。異常検出停止期間が経過すれば、異常検出部44は、トルク指令値の絶対値に基づく異常検出を再開する。
【0033】
異常検出部44は、水平面内移動軸であるX軸、θ軸、RU軸、RD軸についても、異常の検出を行う。水平面内移動軸の場合、その軸を移動させる内部指令が軌道計算部43から出力されているにも関わらず、その軸のモータに対するトルク指令値がほぼ0であれば、ベルトの切断などの異常が起きていると判断することができる。そのため異常検出部44は、軌道計算部43からの指令出力情報においてある水平面内移動軸を移動させる内部指令が出力されているときに、その水平面内移動軸のモータに対するサーボドライバ45におけるトルク指令値の絶対値が閾値以下であることを検出したら、その水平面内移動軸に異常が発生したと判断する。
【0034】
垂直軸に異常があると判定したときも、水平面内移動軸に異常があると判定したときも、異常検出部44は、異常を検出したことを知らせる信号を外部に出力する。ノイズの影響や、異常検出停止期間を設定するときのばらつきの影響などを避けるために、異常検出部44は、対応する軸のトルク指令値の絶対値が所定の検出継続時間にわたって閾値以下であるときに、トルク指令値の絶対値が閾値以下であると検出することが好ましい。
【0035】
以下、本実施形態でのロボット10における垂直軸での異常検出について、さらに詳しく説明する。図4は、ある位置にある昇降機構24を上昇させ、いったん停止したのち、下降させて元の位置に戻すときのZA軸、ZB軸及びZC軸での速度の変化と、速度の変化に対応したトルク指令値の変化とを示す波形図である。(a)は速度の変化を示し、(b)はトルク指令値の変化を示している。実線はZA軸での変化を示し、破線はZB軸での変化を示し、一点鎖線はZC軸での変化を示している。トルク指令値のグラフにおいて縦軸の上昇方向及び下降方向は、モータを上昇方向に回転させるトルク指令値であるのか、下降方向に回転させるトルク指令値であるかを示している。速度のグラフにおいて、ZB軸の速度波形とZC軸の速度波形とは重なっている。上昇の局面ではまず加速したのち一定の速度(定速区間)となり、その後、減速してロボットは停止する。そして、下降の局面でもまず加速する期間(下降加速期間)があり、続いて定速区間となって、最後に減速する期間(下降減速期間)となっている。
【0036】
トルク指令値のグラフにおいてZA軸、ZB軸、ZC軸のいずれもがほぼ全域において上昇方向のトルク指令値となっているのは、垂直軸がロボット10の自重やワーク60の重量を支える軸であり、垂直方向には動いていないとき(例えば図における「停止」の期間)であっても、モータが保持トルクを発生させる必要があるからである。ロボットが停止していても0でないトルク指令値となっていることが、垂直軸が水平面内移動軸と異なる点である。しかしながら図において領域Pで示すように、下降加速期間において、ZB軸とZC軸のトルク指令値が0に近づいている。垂直軸においてもベルトの切断などの異常が起こればトルク指令値が0に近づくので、そのことを検出すれば異常の有無を判定できるが、ロボットが正常に動作しているときにもトルク指令値が0に近づくことがあると、トルク指令値が0に近づいたかどうかでは異常と判断することができない。そこで本実施形態では、上述したように、下降加速期間内に異常検出停止期間を設定して、異常検出停止期間では、トルク指令値が0に近づいたとしても異常と判断しないこととして誤検出を防止し。垂直軸における異常を少ない演算量で素早く確実に検出することができるようにしている。なお、最下段であるZA軸については、下降加速期間においてもトルク指令値が0に近づいていない。これは、ZA軸は、ZB軸やZC軸に比べて負荷重量が大きいためと考えられる。したがって、ZA軸については、異常検出停止期間内であってもトルク指令値が0に近づいた場合には異常があったと判定することができる。
【0037】
次に、異常の検出と異常検出停止期間の設定について、図5を用いて説明する。図5図4の領域Pを拡大して示した図である。本実施形態では、正の定数であるaを閾値として、トルク指令値が+a(これを上側閾値とする)と-a(これを下側閾値)との間の値となったときに、すなわちトルク指令値の絶対値がa以下となったときに、トルク指令値が0に近づいていて異常が発生したと判定する。実際には、ノイズの影響や異常検出停止期間のばらつきを考慮して検出継続時間を設定し、トルク指令値の絶対値が検出継続時間にわたって閾値以下であるときに、異常が発生した判定する。検出継続時間は長さは、例えば、異常検出停止期間の長さよりも十分に短い長さとする。
【0038】
異常検出停止期間は、ロボット10が正常状態にあるときに下降加速期間においてトルク指令値の絶対値が閾値以下を求めてその期間を異常検出停止期間とすればよい。図5に示す例では、経過時間t0からt3までの期間が下降加速期間である。ZC軸のトルク指令値に着目すると、このトルク指令値は、経過時間t1からt2までの期間で上側閾値+a以下となっている。したがって、経過時間t1からt2までの期間を異常検出停止期間とすればよい。そして、経過時間t0からt1までの期間は、下降加速期間の開始から異常検出停止期間の開始までの遅延時間となる。ロボット10について、その機構や動作条件に応じて異常検出停止期間や遅延時間をひとたび求めておけば、それ以降は、異常検出停止期間と遅延時間を用いることにより、誤検出することなく垂直軸の異常を素早く見つけ出すことができる。
【0039】
以上説明した異常検出方法では、異常検出停止期間は、下降加速期間の開始時を基準として定められている。したがって、下降加速期間の開始時がいつであるかが分からないと、異常を正確に検出できないことになる。下降加速期間の開始時は、例えば、垂直軸における速度指令を監視して、速度指令値の変化したときに基づいて定めてもよいし、モータの回転速度を実測して回転速度の変化に基づいて定めてもよい。
【0040】
以上説明した本実施形態によれば、垂直軸に関しては、誤検出することなく、少ない演算量で異常の発生を素早く見つけることができる。水平面内移動軸に関しても、少ない演算量で異常の発生を素早く見つけることができる。
【0041】
本発明者らは、搬送用のロボット10の垂直軸を模するように、モータと、モータの回転軸に取り付けられた慣性リングと、慣性リングに巻き付けられたベルトと、ベルトの先端に設けられた重りとからなる実験装置を組み立てた。そして、サーボドライバを用いてモータに保持トルクを与え、その状態でベルトを瞬間的に切断する実験を行った。その結果、100ミリ秒程度以内の時間で、トルク指令値の絶対値が閾値以下となって異常の発生を検出できた。垂直軸に関しトルク指令値が0に近づくことを検出することで、異常の発生を素早く判定できることが立証された。
【符号の説明】
【0042】
10…ロボット;11A,11B…第1アーム;12A,12B…第2アーム;13A,13B…ハンド;21…レール;22…基台;23…回転台;24…昇降機構;24A…固定部;24B…移動部;25…カバー;26…アーム支持部;31…回転軸;32…共通軸;33A,33B…軸;34A,34B…手首軸;35RD,35RU,35TH,35X,35ZA,35ZB,35ZC…モータ;40…制御装置;41…制御部;42…駆動回路;43…軌道計算部;44…異常検出部;45…サーボドライバ;51A,51B,51C,53A,53B,53C…プーリ;52A,52B,52C…ベルト;54A,54B,54C…ボールねじ;55A,55B,55C…昇降台;60…ワーク。
図1
図2
図3
図4
図5