(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】使い捨ておむつ
(51)【国際特許分類】
A61F 13/49 20060101AFI20250212BHJP
A61F 13/534 20060101ALI20250212BHJP
A61F 13/535 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
A61F13/49 312Z
A61F13/49 410
A61F13/49 315Z
A61F13/49 315A
A61F13/534 110
A61F13/535 100
A61F13/535 200
(21)【出願番号】P 2021101942
(22)【出願日】2021-06-18
【審査請求日】2024-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】有田 光佑
(72)【発明者】
【氏名】蔵前 亮太
(72)【発明者】
【氏名】恩田 藍子
【審査官】住永 知毅
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-118973(JP,A)
【文献】特開2013-078444(JP,A)
【文献】特開2013-223688(JP,A)
【文献】特開2012-223230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の前後方向に対応する長手方向と該長手方向に直交する幅方向とを有し、腹側領域及び背側領域と、該腹側領域と該背側領域との間に位置する股下領域とを備え、該長手方向に沿って該腹側領域から該背側領域までの領域に配された吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを有する使い捨ておむつであって、
前記吸収性本体は、前記幅方向の両側部域に、長手方向に延びるように配された糸状又は帯状の股下側弾性部材を一本以上有し、
前記おむつは、前記吸収性本体と前記外装体とが接着された接着領域を前記腹側領域及び前記背側領域のうち少なくとも一方に有し、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、前記接着領域を長手方向に沿ってみたときに、
前記接着領域の長手方向における一方の端部から最も近い位置において、該接着領域の幅方向両外端を結び且つ幅方向に沿う最大の長さを有する第1仮想線分と、該接着領域の長手方向における他方の端部から最も近い位置において、該接着領域の幅方向両外端を結び且つ幅方向に沿う最大の長さを有する第2仮想線分との間に、前記接着領域の幅方向の長さが、第1仮想線分の長さ及び第2仮想線分の長さよりも短い中間接着領域を有し、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、前記股下側弾性部材の少なくとも一方の端部は、前記中間接着領域の幅方向の両側部に位置し且つ前記吸収性本体と前記外装体とが接着されていない非接着領域に存在す
る、使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記外装体は、幅方向に沿って延びる外装体弾性部材を複数本有し、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、前記非接着領域と、前記外装体弾性部材の配置位置とが重複している、請求項1に記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記腹側領域又は前記背側領域に前記中間接着領域を有し、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、
前記中間接着領域よりも長手方向内方端部側に位置する接着領域を内方接着領域とし、
前記中間接着領域よりも長手方向外方端部側に位置する接着領域を外方接着領域としたときに、
各接着領域の長手方向の長さは、前記内方接着領域、前記中間接着領域及び前記外方接着領域のうち、前記内方接着領域が最も短く、前記中間接着領域が最も長く、前記外方接着領域が両領域の中間の長さである、請求項1又は2に記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
前記腹側領域又は前記背側領域に前記中間接着領域を有し、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、
前記中間接着領域よりも長手方向内方端部側に位置する接着領域を内方接着領域とし、
前記中間接着領域よりも長手方向外方端部側に位置する接着領域を外方接着領域としたときに、
各接着領域の長手方向の長さは、前記内方接着領域、前記中間接着領域及び前記外方接着領域のうち、前記外方接着領域が最も短く、前記中間接着領域が最も長く、前記内方接着領域が両領域の中間の長さである、請求項1又は2に記載の使い捨ておむつ。
【請求項5】
前記おむつは、前記腹側領域に位置する前記外装体と前記背側領域に位置する前記外装体の両側部どうしが接合された一対のサイドシール部を有し、
前記背側領域に位置する前記外装体は、前記サイドシール部の長手方向内方端縁どうしを結ぶ仮想線よりも長手方向内方側に延出した背側延出部を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項6】
前記背側延出部は、おむつの着用時に着用者の脚周りに沿うように配された脚周り弾性部材を有する、請求項5に記載の使い捨ておむつ。
【請求項7】
前記脚周り弾性部材の一方の端部域が前記サイドシール
部に位置し且つ該脚周り弾性部材の他方の端部域が前記吸収性本体と平面視において重なっており、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、前記脚周り弾性部材の前記他方の端部域は、長手方向内方端部側に位置する接着領域である内方接着領域と重なる、請求項6に記載の使い捨ておむつ。
【請求項8】
前記吸収性本体は、同一の又は異なる2枚の繊維シートと、該繊維シート間に配された吸水性ポリマーの粒子とを備えた吸収性シートを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項9】
前記吸収性本体は、前記吸収性シートの肌対向面に隣接して配された補助層を更に備え、
前記補助層は、少なくとも吸水性天然繊維及び吸水性ポリマーを含む混合積繊体であり、
前記補助層の長手方向端部は、前記腹側領域と前記背側領域との少なくとも一方における長手方向内方端部側に位置する接着領域である内方接着領域と平面視において重なる、請求項8に記載の使い捨ておむつ。
【請求項10】
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、前記腹側領域側に位置する前記補助層の長手方向端部は前記腹側
領域に位置する前記外装体の長手方向内方端部よりも長手方向外方に位置し、
前記腹側領域における前記外装体上に位置する前記補助層の幅方向の長さは、前記背側領域における前記外装体上に位置する前記補助層の幅方向の長さよりも長い、請求項9に記載の使い捨ておむつ。
【請求項11】
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、腹側領域及び背側領域の少なくとも一方において、前記補助層の長手方向端部は、前記股下側弾性部材の端部を越えて長手方向外方に位置する、請求項9又は10に記載の使い捨ておむつ。
【請求項12】
前記腹側領域は前記非接着領域を有しない、請求項1~11のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項13】
前記外装体は、前記腹側領域に配され且つ前記幅方向に伸縮可能な腹側外装体と、前記背側領域に配され且つ前記幅方向に伸縮可能な背側外装体とを備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の使い捨ておむつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつに関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつは、一般的に、吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配され且つ伸縮可能な外装体とを備え、腹側部における該外装体の両側縁と、背側部における該外装体の両側縁とが接合されて、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されている。
【0003】
着用者にフィット性を与えることを目的として、例えば特許文献1には、腹側胴回り弾性部材及び背側胴回り弾性部材のうち少なくとも一方は、一対の脚回り弾性部材及び一対の防漏壁弾性部材の幅方向の間で切断されて、切断された箇所から脚回り弾性部材及び防漏壁弾性部材よりも幅方向の外側まで収縮している吸収性物品が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、外装部材を有し、前側部及び後側部において、一対の防漏壁部を起立不能に固定する端部固定部を有する吸収性物品が開示されている。この吸収性物品は、その前側部の上端部で防漏壁部と外装部材とを接合する前側接合部と、後側部の上端部で防漏壁部と外装部材とを接合する後側接合部と、上端部と下端部との間で防漏壁部と外装部材とを接合する中間接合部とを有することが同文献に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-202569号公報
【文献】特開2019-118555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1及び2に記載の吸収性物品は、股下部に配された弾性部材の収縮力に起因して、外装体や吸収体に皺やヨレが発生することがあり、おむつの外観が損なわれる。この点で、特許文献1及び2に記載の吸収性物品は改善の余地があった。
【0007】
したがって、本発明は、外観が良好な使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、着用者の前後方向に対応する長手方向と該長手方向に直交する幅方向とを有し、腹側領域及び背側領域と、該腹側領域と該背側領域との間に位置する股下領域とを備え、該長手方向に沿って該腹側領域から該背側領域までの領域に配された吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを有する使い捨ておむつであって、
前記吸収性本体は、前記幅方向の両側部域に、長手方向に延びるように配された糸状又は帯状の股下側弾性部材を一本以上有し、
前記おむつは、前記吸収性本体と前記外装体とが接着された接着領域を前記腹側領域及び前記背側領域のうち少なくとも一方に有し、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、前記接着領域を長手方向に沿ってみたときに、
前記接着領域の長手方向における一方の端部から最も近い位置において、該接着領域の幅方向両外端を結び且つ幅方向に沿う最大の長さを有する第1仮想線分と、該接着領域の長手方向における他方の端部から最も近い位置において、該接着領域の幅方向両外端を結び且つ幅方向に沿う最大の長さを有する第2仮想線分との間に、前記接着領域の幅方向の長さが、第1仮想線分の長さ及び第2仮想線分の長さよりも短い中間接着領域を有し、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、前記股下側弾性部材の少なくとも一方の端部は、前記中間接着領域の幅方向の両側部に位置し且つ前記吸収性本体と前記外装体とが接着されていない非接着領域に存在するか、又は該非接着領域よりも前記外装体の長手方向内方端部側の領域に存在する、使い捨ておむつを提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、外観が良好な使い捨ておむつが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の使い捨ておむつの一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつの自然状態を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すおむつの展開且つ最大伸長状態における肌対向面側(内面側)を模式的に示す展開平面図である。
【
図3】
図3(a)~(c)はいずれも、接着領域及び中間接着領域の一実施形態を模式的に示す平面図である。
【
図4】
図4は、
図2に示すおむつのI-I線での模式的な断面図である。
【
図5】
図5は、吸収性本体の一実施形態を構成する吸収性シートの一実施形態を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の使い捨ておむつを、その好ましい実施形態に基づき説明する。
図1及び
図2には、本発明の吸収性物品の好適な実施形態として、パンツ型使い捨ておむつの一実施形態が示されている。
図1及び
図2に示すように、吸収性物品としてのパンツ型使い捨ておむつ(以下、単に「おむつ」ともいう。)1は、その着用時に着用者の腹側に配される腹側領域F及び背側に配される背側領域Rと、腹側領域F及び背側領域Rの領域の間に位置する股下領域Mとを有する。おむつ1は、着用者の前後方向に対応して、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる長手方向Xと、これに直交する幅方向Yとを有している。腹側領域F、股下領域M及び背側領域Rは、着用者の前後方向に沿って連続して延びている。股下領域Mは、おむつ1の着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部(図示せず)を有している。
【0012】
本明細書において、「肌対向面」は、おむつ又はその構成部材(例えば吸収性本体)に着目したときに、おむつの着用時に着用者の肌に向けられる面であり、「非肌対向面」は、おむつの着用時に着用者の肌とは反対側に向けられる面である。つまり、肌対向面は、着用者の肌に相対的に近い側の面であり、非肌対向面は、着用者の肌から相対的に遠い側の面である。「着用時」は、おむつの適正な着用位置が維持された状態を指す。「展開且つ最大伸長状態」は、後述する各弾性部材を伸長させて設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法)となるまで対象となる部材を引き延ばした状態である。以下の説明では、単に「おむつの平面視」という場合には、特に断りのない限り「おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視」を意味する。
【0013】
図1及び
図2に示すように、おむつ1は、排泄物の吸収保持が可能な吸収性本体2と、該吸収性本体2の非肌対向面側に配される外装体3とを備えている。外装体3は、おむつ1の外形を形成する部材である。外装体3の周縁は、おむつ1の腹側領域F及び背側領域Rの輪郭線をそれぞれ形成している。
【0014】
本実施形態における外装体3は、幅方向Yに延び、腹側領域Fに位置するように配されている腹側外装体3Fと、これとは別体で、幅方向Yに延び、背側領域Rに位置するように配されている背側外装体3Rとを備える。つまり、本実施形態におけるおむつ1は、分割タイプとして知られるパンツ型の使い捨ておむつである。これに代えて、外装体3は、腹側領域Fから背側領域Rにわたって連続的に延在する形態であってもよい。
吸収性本体2は、長手方向Xに所定間隔を置いて配された両外装体3F,3Rに架け渡して配置されている。吸収性本体2の詳細は後述する。
以下の説明では、説明の便宜上、外装体3として腹側外装体3F及び背側外装体3Rを有する態様を例にとり説明する。
【0015】
おむつ1は、腹側外装体3Fの幅方向Yにおける両側部と、背側外装体3Rの幅方向Yにおける両側部とが互いに接合された一対のサイドシール部S,Sが形成されている。これによって、各外装体3F,3Rが環状に連結されている。また、おむつ1は、着用者の胴が通されるウエスト開口部WH、及び着用者の下肢が通される一対のレッグ開口部LHが形成されている。サイドシール部Sは、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の接合方法によって形成されている。
【0016】
上述のとおり、外装体3は、腹側外装体3Fと、これとは別体の背側外装体3Rとを有している。
図2に示すように、腹側外装体3Fは、腹側外層シート31と、腹側内層シート32と、これらのシート31,32の間に配された外装体弾性部材8を備える。同様に、背側外装体3Rは、背側外層シート33と、背側内層シート34と、これらのシート33,34の間に配された外装体弾性部材8を備える。両外装体3F,3Rはそれぞれ、糸状又は帯状の外装体弾性部材8が、幅方向Yに延びるように且つ伸長状態で複数本配されている。これによって、両外装体3F,3Rはそれぞれ幅方向Yに伸縮可能に構成されている。各外装体弾性部材8は、両外装体3F,3Rによって構成されるウエスト開口部WHの周縁部に配されており、外装体3は幅方向Yに伸縮性を発現できるようになっている。
【0017】
図2に示すように、吸収性本体2は、これを平面視したときに、長手方向Xに沿って延びる長方形形状となっている。吸収性本体2は、腹側領域Fから背側領域Rにわたって長手方向Xに延在している。吸収性本体2は、接着剤等の接合方法によって、腹側外装体3F及び背側外装体3Rそれぞれの幅方向Y中央域に接合されている。
【0018】
また、吸収性本体2は、その幅方向Yの両側部域に、糸状又は帯状の1本又は複数本の股下側弾性部材35が長手方向Xに延びるように伸長状態で一対配されていることが好ましい。これによって、一対のレッグ開口部LHそれぞれの開口縁には、その全周にわたって実質的に連続した環状のレッグギャザーLGが形成されるので、着用者へのフィット性が更に向上する。本実施形態では、股下側弾性部材35は複数本備えられており、各股下側弾性部材35はそれぞれ、その一方の端部が腹側領域Fに位置し、他方の端部が背側領域Rに位置しており、各股下側弾性部材35は、腹側領域F、股下領域M及び背側領域Rに連続して配されている。
【0019】
吸収性本体2は、典型的には、おむつ1の肌対向面を形成する液透過性の表面シートと、非肌対向面を形成する液不透過性若しくは液難透過性の防漏シートと、液保持性の吸収体とを備えている。吸収体は、吸収性本体2と同様に、平面視においておむつ1の長手方向Xに長い形状を有しており、表面シートと防漏シートとの間に介在配置されている。表面シート及び防漏シートは、吸収体の全面を覆い、吸収体の長手方向Xに沿う側縁の外方で、接着剤等の公知の接合方法によって接合されている。
【0020】
表面シートと防漏シートとの接合形態としては、例えば、表面シートが吸収体の肌対向面側を幅方向Yに横断し、且つ表面シートにおける吸収体5の長手方向Xに沿う両側縁からの延出部が、吸収体の非肌対向面側に巻きかけられた状態で、該延出部と防漏シートとが接合された形態が挙げられる。この場合、表面シートは、吸収体の非肌対向面の幅方向Yの中央域を覆っておらず、防漏シートによって覆われている。
【0021】
吸収体は、典型的には、吸収性コアと、吸収性コアを被覆するコアラップシートとを含んで構成される。吸収性コアは、例えば、パルプ繊維等の吸水性天然繊維の積繊体、吸水性天然繊維と吸水性ポリマーとを含む混合積繊体、及び/又は、同一の若しくは異なる2枚の繊維シートと、該繊維シート間に配された吸水性ポリマーの粒子とを備えた吸収性シートの少なくとも一種を含んで構成される。吸収性コアとして積繊体及び吸収性シートの双方を含んで構成される場合、その平面視における大きさは同一であってもよく、異なっていてもよい。コアラップシートは、ティッシュペーパーや透水性の不織布からなる。コアラップシートは、好ましくは吸収性コアの肌対向面側及び非肌対向面側の全体を被覆している。
【0022】
吸収性本体2の肌対向面における長手方向Xに沿う両側部には、液抵抗性又は撥水性で且つ通気性のシートから構成された一対の防漏カフ24,24が設けられている。各防漏カフ24の自由端部の近傍には、糸状の防漏カフ形成用弾性部材25が、防漏カフ形成シート26に内方された状態で、長手方向Xに沿って伸長状態で一本又は複数本配されている。防漏カフ24は、伸長状態で配された防漏カフ形成用弾性部材25がおむつ1の着用時に収縮することによって少なくとも股下領域Mで起立し、それによって尿等の排泄物の幅方向Yの外方への流出を阻止する。
【0023】
表面シート及び防漏シートとしてはそれぞれ、使い捨ておむつに従来用いられているものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シートとしては各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができる。防漏シートとしては樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。また、コアラップシートとして、表面シートと同様のものを用いることができる。また、防漏カフ形成用のシートとしては、防漏シートと同様のものを用いることができる。
【0024】
外装体3に関する説明に戻ると、背側外装体3Rは、サイドシール部Sの長手方向X内方端縁どうしを結ぶ仮想線よりも長手方向Xの内方側に延出した背側延出部3Eを備える。背側延出部3Eは、その周縁の幅方向Yの長さが長手方向内方に向かうに連れて徐々に短くなるように湾曲して形成されている。
【0025】
背側延出部3Eは、糸状又は帯状の脚周り弾性部材40が、幅方向Yの両側部に一対配されている。脚周り弾性部材40は、幅方向Yの側部ごとに一本又は複数本配されている。脚周り弾性部材40は、おむつの着用時に着用者の脚周りに沿うように、平面視で背側延出部3Eの外周縁に沿うように湾曲して、伸長状態で配されている。これによって、背側延出部3Eの少なくとも一部が着用者の脚周りに沿うように位置するので、着用者へのフィット性が向上する。
【0026】
脚周り弾性部材40は、その一端である幅方向Yの外側端40aを含む一方の端部域(外側端部域)が、サイドシール部Sの形成位置又はその近傍に位置して固定されている。一方、脚周り弾性部材40の他端である幅方向Yの内側端40bを含む他方の端部域(内側端部域)は、吸収性本体2の幅方向Yの両側縁よりも幅方向Y内方に配されて固定されている。各脚周り弾性部材40の内側端40bを含む他方の端部域はいずれも、吸収性本体2と平面視において一部の領域又は全域が重なるように配されている。本実施形態における各脚周り弾性部材40の内側端40bはいずれも、平面視における吸収性本体2の幅方向中央域には到達していないが、幅方向Y両側部域に位置しており、これによって吸収性本体2と平面視において重なるように配されている。
【0027】
脚周り弾性部材40の内側端40bを含む他方の端部域(内方端部域)が吸収性本体2と重なる長さは、好ましく20mm以上、より好ましくは25mm以上、さらに好ましくは30mm以上であって、好ましくは60mm以下、より好ましくは55mm以下、さらに好ましくは50mm以下である。
【0028】
本実施形態では、股下側弾性部材35と脚周り弾性部材40との配置位置においては、
図1及び
図2に示すように、おむつ1の平面視において、股下側弾性部材35の少なくとも一本と脚周り弾性部材40の少なくとも一本とが交差するように配されている。このような構成となっていることによって、おむつの着用時において、おむつが着用者の脚周り全体に沿うようになるので、着用者へのフィット性が更に向上する。
図2に示す実施形態では、複数本の股下側弾性部材35と、複数本の脚周り弾性部材40とがいずれも交差するように配されている。
【0029】
吸収性本体2及び外装体3の接合形態に関して説明すると、おむつ1は、
図2に示すように、吸収性本体2と外装体3とが接着された接着領域Aを有することが好ましい。詳細には、接着領域Aとして、吸収性本体2の長手方向Xの一方の端部域と腹側外装体3Fとが接着された腹側接着領域Af、及び吸収性本体2の長手方向Xの他方の端部域と背側外装体3Rとが接着された背側接着領域Arの双方が形成されていることが好ましい。つまり、本実施形態における接着領域Aは、吸収性本体2の長手方向Xの両端部域のそれぞれに形成されており、吸収性本体2の長手方向X中央域には形成されていない。
【0030】
接着領域Aに関して説明すると、おむつの平面視において、接着領域Aをおむつ1の長手方向Xに沿ってみたときに、接着領域Aの長手方向Xにおける一方の端部から最も近い位置において、接着領域Aの幅方向両外端を結び且つ幅方向Yに沿う最大の長さを有する第1仮想線分を考える。また同様に、接着領域Aの長手方向Xにおける他方の端部から最も近い位置において、接着領域Aの幅方向両外端を結び且つ幅方向Yに沿う最大の長さを有する第2仮想線分を考える。このとき、長手方向Xに沿ってみたときに、第1仮想線分と第2仮想線分との間に、接着領域Aの幅方向Yの長さが、第1仮想線分の長さ及び第2仮想線分の長さよりも短い中間接着領域A1を有していることが好ましい。
【0031】
より詳細には、
図2に示すように、おむつの平面視において、接着領域Aをおむつ1の長手方向Xに沿ってみたときに、接着領域Aの長手方向Xにおける一方の端部としての長手方向内方端部Amから、接着領域Aの長手方向Xにおける他方の端部としての長手方向外方端部Anまでの間に、中間接着領域A1を有することが好ましい。
図2に示す実施形態では、長手方向内方端部Amの幅方向に沿う辺が第1仮想線分に相当し、長手方向外方端部Anの幅方向に沿う辺が第2仮想線分に相当する。
なお、同図に示す実施形態では、接着領域Aが対称的な平面形状で連続的に形成されているが、例えば接着領域Aが不連続に形成されていたり、非対称な平面形状で形成されていたりする場合には、接着領域Aが形成されている幅方向の最も外端の位置に基づいて、第1仮想線分及び第2仮想線分を考えるものとする。
【0032】
中間接着領域A1は、長手方向内方端部Amにおける接着領域Aの幅方向Yの長さ及び長手方向外方端部Anにおける接着領域Aの幅方向Yの長さよりも幅方向Yの長さが短い領域である。中間接着領域A1は、腹側接着領域Afと背側接着領域Arとのうち少なくとも一方に形成されていることが好ましく、
図2に示すように背側接着領域Arにのみ形成されていることがより好ましい。中間接着領域A1を形成することによって、吸収性本体2と外装体3との接合状態を十分に維持しつつ、吸収性本体2と外装体3とが接合されない部分を形成することができるので、弾性部材の収縮によって発生した応力が外装体3及び外装体に接着された吸収性本体2に過度に付与されることを低減することができる。その結果、外装体3、吸収性本体2及び吸収性コアへの意図しない皺やヨレの発生を低減して、おむつの外観を一層向上することができる。
【0033】
特に、
図2に示すように、腹側接着領域Afは中間接着領域A1を有さず、背側接着領域Arは中間接着領域A1を有する構成とすることによって、着用者の動きの影響が比較的大きい腹側では接着面積を大きくして、おむつの成形性及び強度を十分に発現させつつ、着用者の動きの影響が比較的少ない背側ではおむつの外観を更に良好に維持できる点で有利である。
【0034】
本実施形態では、
図2に示すように、おむつの平面視において、中間接着領域A1は背側接着領域Arに形成されている。本実施形態における背側接着領域Arは、長手方向内方端部Amを含み、中間接着領域A1よりも長手方向内方端部側に位置する接着領域である内方接着領域A2と、長手方向外方端部Anを含み、中間接着領域A1よりも長手方向外方端部側に位置する接着領域である外方接着領域A3と、内方接着領域A2と外方接着領域A3との間に配された中間接着領域A1とを有する。本形態における中間接着領域A1、内方接着領域A2及び外方接着領域A3は1つずつ形成され、各領域がそれぞれ連結して配されている。
【0035】
図2に示す形態では、おむつの平面視において、内方接着領域A2及び外方接着領域A3はいずれも、その長辺の延びる方向と、おむつの幅方向Yとが概ね一致した矩形形状を有している。内方接着領域A2及び外方接着領域A3の幅方向Yの長さはいずれも、吸収性本体2の幅方向Yの長さと概ね一致している。中間接着領域A1は、その幅方向Yの長さが内方接着領域A2及び外方接着領域A3よりも短くなった矩形形状となっている。これによって、中間接着領域A1の幅方向Yの両側部に、吸収性本体2と外装体3とが接着されていない非接着領域A5が形成されている。
【0036】
なお、説明の便宜上、
図2に示すように、接着領域Aの長手方向内方端部Amの幅方向Yの長さと、接着領域Aの長手方向外方端部Anの幅方向Yの長さとは互いに同一となるように形成された形態を例にとり説明したが、当該形態に限られず、例えば、各端部の幅方向Yの長さが互いに異なるように形成されていてもよい。また、接着領域Aはその平面視において、例えば、楕円形や、矩形の角部が面取りされた形状等、矩形以外の幾何学形状で形成されていてもよい。
各端部の幅方向Yの長さが異なるように形成されている場合、中間接着領域A1は、接着領域Aの長手方向内方端部Amの幅方向Yの長さ及び接着領域Aの長手方向外方端部Anの幅方向Yの長さのうち、幅方向Yの長さが短い端部を基準として、該端部の幅方向Yの長さよりも幅方向Yの長さが短いすべての領域を中間接着領域A1とする。
【0037】
また、中間接着領域A1と股下側弾性部材35との配置位置においては、
図2に示すように、おむつの平面視において、少なくとも一本の股下側弾性部材35の端部は、非接着領域A5に位置するか、又は非接着領域A5よりも外装体3の長手方向内方端部側の領域に位置するように配されていることが好ましい。
図2に示す実施形態では、すべての股下側弾性部材35の一方の端部が、非接着領域A5に位置する。このような構成となっていることによって、弾性部材の収縮応力に起因して外装体3に生じる意図しない皺を少なくすることができ、おむつの外観が更に向上する。
【0038】
股下側弾性部材35が非接着領域A5と重なる長さは、皺形成の抑制及びフィット性向上の観点から、好ましくは150mm以下であって、より好ましくは130mm以下、さらに好ましくは100mm以下、よりさらに好ましくは50mm以下、よりさらに好ましくは30mm以下であって、0mm以上が好ましい。吸収性本体2の一方の端部に中間接着領域A1が複数形成され、非接着領域A5が複数ある場合はその領域の合計における重なる長さが上記範囲であることが好ましい。
【0039】
図2に示す中間接着領域A1を含む接着領域Aは平面視I字状のものとして説明したが、これに代えて、中間接着領域A1を含む接着領域Aとして、例えば、
図3(a)ないし(c)に示す平面形状となるように形成してもよい。
【0040】
図3(a)に示す接着領域Aは、長手方向内方端部Amと長手方向外方端部Anとの間を長手方向に二分する位置である接着領域Aの長手方向X中央部を考えたときに、長手方向内方端部Amから接着領域Aの長手方向X中央部に向けて幅方向Yの長さが漸減するとともに、該長手方向X中央部から長手方向外方端部Anに向けて幅方向Yの長さが漸増するように形成されて、接着領域Aにおける長手方向X中央部の幅方向端縁が内方にくびれた形状を有する。同図に示す接着領域Aは中間接着領域A1が1つ形成されている。同図に示す接着領域Aは、接着領域Aの長手方向内方端部Amの幅方向Yの長さと、接着領域Aの長手方向外方端部Anの幅方向Yの長さとは互いに同一となるように形成されているが、上述したように、各端部の幅方向の長さが異なるように形成されていてもよい。
【0041】
図3(b)に示す接着領域Aは、長手方向内方端部Amから長手方向外方端部Anに向けて幅方向Yの長さが漸減したあと、幅方向Yの長さが同一となり、その後、幅方向Yの長さが漸増するように形成されて、接着領域Aにおける長手方向X中央域が幅方向Y内方にくびれた形状を有する。同図に示す接着領域Aは中間接着領域A1が1つ形成されている。同図に示す接着領域Aは、接着領域Aの長手方向内方端部Amの幅方向Yの長さと、接着領域Aの長手方向外方端部Anの幅方向Yの長さとは互いに同一となるように形成されているが、上述したように、各端部の幅方向の長さが異なるように形成されていてもよい。
【0042】
図3(c)に示す接着領域Aは、幅方向Yの長さが長手方向内方端部Am及び長手方向外方端部Anの幅方向Yの長さよりも短くなった部位と、幅方向Yの長さが長手方向内方端部Am及び長手方向外方端部Anの幅方向Yの長さと同一となった部位とが長手方向Xに沿って交互に配されて、接着領域Aの幅方向端縁がジグザグに形成されている。同図に示す接着領域Aは、中間接着領域A1が複数形成されている。同図に示す接着領域Aは、接着領域Aの長手方向内方端部Amの幅方向Yの長さと、接着領域Aの長手方向外方端部Anの幅方向Yの長さとは互いに同一となるように形成されているが、上述したように、各端部の幅方向の長さが異なるように形成されていてもよい。
【0043】
中間接着領域A1、内方接着領域A2及び外方接着領域A3の長手方向Xの長さの関係においては、
図2に示すように、中間接着領域A1の長手方向の長さT1、内方接着領域A2の長手方向の長さT2、外方接着領域A3の長手方向の長さT3を考えたときに、長さT2<長さT3<長さT1の順に長くなるように接着領域Aが形成されていることが好ましい。すなわち、長さT2が最も短く、長さT1が最も長く、長さT3が長さT1及び長さT2の中間の長さであることが好ましい。
このような構成となっていることによって、吸収性本体2及び外装体3への意図しない皺の形成を効果的に防ぐことができ、おむつの外観が更に向上する。特に、長さT2<長さT3<長さT1となるように接着領域Aが形成されていることによって、外装体3への意図しない皺の形成を効果的に防ぐことができるので、吸収性本体2の液吸収性を十分に発揮させつつ、外装体3の外観の向上に起因したおむつの外観の一層の向上を達成できる点で有利である。
【0044】
上述した形態に代えて、長さT3<長さT2<長さT1の順に長くなるように接着領域Aが形成されていることも好ましい。このような構成であっても、吸収性本体2及び外装体3への意図しない皺の形成を効果的に防ぐことができ、おむつの外観が更に向上する。特に長さT3<長さT2<長さT1となるように接着領域Aが形成されていることによって、吸収性本体2への意図しない皺の形成と、それに伴う外装体3への意図しない皺の発生とを効果的に防ぐことができるので、着用者の腹部周囲へのフィット性を向上させつつ、おむつの外観の一層の向上を達成できる点で有利である。
【0045】
長さT1は、好ましくは100mm以上、より好ましくは110mm以上であり、好ましくは150mm以下、より好ましくは130mm以下である。
長さT2は、好ましくは10mm以上、より好ましくは20mm以上であり、好ましくは50mm以下、より好ましくは30mm以下である。
長さT3は、好ましくは10mm以上、より好ましくは20mm以上であり、好ましくは50mm以下、より好ましくは40mm以下である。
【0046】
中間接着領域A1、内方接着領域A2及び外方接着領域A3の幅方向の長さの関係においては、中間接着領域A1の幅方向の長さW1、内方接着領域A2の幅方向の長さW2、外方接着領域A3の幅方向の長さW3を考えたときに、長さW1<長さW2=長さW3の順に長くなるように接着領域Aが形成されているか、又は長さW1<長さW2<長さW3若しくは長さW1<長さW3<長さW2の順に長くなるように接着領域Aが形成されていることが好ましい。
すなわち、長さW1が最も短く、長さW2及び長さW3が同じ長さであることが好ましい。これに代えて、長さW1が最も短く、長さW3が最も長く、長さW2が長さW1及び長さW3の中間の長さであることが好ましい。またこれに代えて、長さW1が最も短く、長さW2が最も長く、長さW3が長さW1及び長さW2の中間の長さであることが好ましい。
特に、生産効率の向上の観点から、内方接着領域A2及び外方接着領域A3の幅方向の長さを同一とし、中間接着領域A1の幅方向の長さを内方接着領域A2及び外方接着領域A3の幅方向の長さよりも短くすること、つまり長さW1<長さW2=長さW3の関係であることがより好ましい。
【0047】
長さW1は、好ましくは100mm以上、より好ましくは130mm以上であり、好ましくは150mm以下、より好ましくは140mm以下である。
長さW2は、好ましくは151mm以上、より好ましくは160mm以上であり、好ましくは180mm以下、より好ましくは170mm以下である。
長さW3は、好ましくは151mm以上、より好ましくは160mm以上であり、好ましくは180mm以下、より好ましくは170mm以下である。
【0048】
外装体弾性部材8と接着領域Aとの関係においては、
図2に示すように、おむつの平面視において、外装体弾性部材8の配置位置が、中間接着領域A1と少なくとも一部が重なるように配されていることが好ましい。このような構成となっていることによって、おむつの着用時において、吸収性本体の意図しないヨレを防いで、吸収性本体が広がって臀部を含む排泄部及びその近傍を十分に覆うことができるので、吸収性本体2の液吸収性を十分に発揮できるとともに、おむつの外観が一層向上する。
【0049】
脚周り弾性部材40と接着領域Aとの関係においては、
図2に示すように、おむつの平面視において、脚周り弾性部材40の内側端40bは、内方接着領域A2と少なくとも一部が重なるように配されていることが好ましい。このような構成となっていることによって、おむつの着用時において、吸収性本体の意図しないヨレを防いで、吸収性本体が広がって臀部を含む排泄部及びその近傍を十分に覆うことができるので、吸収性本体2の液吸収性を十分に発揮できるとともに、おむつの外観が一層向上する。
【0050】
脚周り弾性部材40の内側端40bを含む他方の端部域(内方端部域)が内方接着領域A2と重なる長さは、好ましく20mm以上、より好ましくは25mm以上、さらに好ましくは30mm以上であって、好ましくは60mm以下、より好ましくは55mm以下、さらに好ましくは50mm以下である。
【0051】
吸収性本体2について、
図2、
図4及び
図5を参照して詳細に説明する。
図2及び
図4に示すように、吸収性本体2は、吸収性シート2Aを備えることが好ましい。本実施形態における吸収性シート2Aは、おむつの平面視において長手方向Xに沿って延びる矩形状であり、その長手方向Xの両端部は外装体3まで延在している。また、吸収性シート2Aの幅方向Y両端部は、股下側弾性部材35の配置位置よりも幅方向の内方に位置している。
【0052】
吸収性シート2Aは、
図5に示すように、第1繊維シート2aと、第2繊維シート2bと、両繊維シート2a,2bの間に配された吸水性ポリマー2cの粒子とを備えている。両繊維シート2a,2bは、互いに同一のシートであってもよく、異なるシートであってもよい。同図に示す吸水性ポリマー2cの粒子は、シート面方向に複数個配されている。同図に示す第1繊維シート2a及び第2繊維シート2bの外面はいずれも、他の部材が存在していないが、後述するように、補助層等の他の部材が各繊維シート2a,2bの外面に配されることは妨げられない。また、吸収性シート2Aがおむつなどの吸収性物品に組み込まれる場合、第1繊維シート2aが肌対向面側に配され且つ第2繊維シート2bが非肌対向面側に配されていてもよく、第2繊維シート2bが肌対向面側に配され且つ第1繊維シート2aが非肌対向面側に配されていてもよい。
両繊維シート2a,2bは、例えば接着剤やエンボスなど、本技術分野で通常用いられる接合方法で接合されており(図示せず)、これによって、吸水性ポリマー2cの粒子が両繊維シート2a,2bの間に保持されている。
【0053】
脚周り弾性部材40と吸収性シート2Aとの平面視における配置位置については、おむつの平面視において、脚周り弾性部材40と、吸収性シート2Aの幅方向Y両側部とが交差していることが好ましい。本実施形態では、幅方向Yの一方側に位置する脚周り弾性部材40の少なくとも一本は吸収性シート2Aの幅方向Yの一方の側部と交差しており、且つ幅方向Yの他方側に位置する脚周り弾性部材40の少なくとも一本は吸収性シート2Aの幅方向Yの他方の側部と交差している。
【0054】
吸収性本体2が吸収性シート2Aを備える場合、
図2及び
図4に示すように、吸収性本体2は補助層2Bを更に備えることが好ましい。吸収性シート2A及び補助層2Bはそれぞれ、吸収性本体2における吸収体の一部を構成する。補助層2Bは、吸収性シート2Aの肌対向面に隣接して配されていることも好ましい。また、補助層2Bは、少なくとも吸水性天然繊維及び吸水性ポリマーの粒子を含む混合積繊体であることも好ましい。本実施形態における補助層2Bは、おむつの平面視において、吸収性シート2Aの面積よりも小さい形状となっている。
【0055】
図4に示す実施形態では、吸収性シート2Aと補助層2Bとが積層された状態で、表面シート21及び防漏シート22によって被覆されている。吸収体を着用者側に起立させやすくして、排泄物の漏れを低減する観点から、吸収体の長手方向Xに沿う両側縁に、一対の側部弾性部材29が配されていることが好ましい。各側部弾性部材29は、表面シート21と吸収性シート2Aとの間に伸長状態で配されている。側部弾性部材29は、少なくとも股下領域Mに一本又は複数本配されている。
また、同図に示すように、股下側弾性部材35は、非肌側シート36に伸長状態で内包されている。この非肌側シート36は、接着剤などによって吸収性本体2及び/又は外装体3に接合されている。
【0056】
腹側外装体3F上に位置する補助層2Bの長手方向端部域における幅方向Yの長さは、補助層2Bの背側外装体3R上に位置する長手方向端部域における幅方向Yの長さよりも長い形状となっていることが好ましい。
図2に示すように、腹側外装体3F上に位置する補助層2Bの長手方向端部域は、背側外装体3Rから腹側外装体3Fに向かうに連れて幅方向Yの長さが連続的に又は階段状に増加した部位である。このような構成となっていることによって、尿などの排泄液の吸収面積を高めつつ、おむつ装着時に補助層が着用者の脚周りに沿って変形しやすくなる。その結果、おむつ装着時のフィット性が高まるとともに着用者が足を動かしやすくなる。
【0057】
図2に示すように、おむつの平面視において、腹側領域F側に位置する補助層2Bの長手方向Xの端部は、腹側外装体3Fの長手方向内方端部よりも長手方向X外方に位置するように配されることが好ましい。同様に、背側領域R側に位置する補助層2Bの長手方向Xの端部は、背側延出部3Eの長手方向内方端部よりも長手方向X外方に位置するように配されることも好ましい。このような構成となっていることによって、着用者の動きへの追従性を高めることができるとともに、吸収性本体2及び外装体3への意図しない皺やヨレの発生を低減することができる。
特に、腹側外装体3F上に位置する補助層2Bの長手方向端部域における幅方向Yの長さが、補助層2Bの背側外装体3R上に位置する長手方向端部域における幅方向Yの長さよりも長いことに加えて、腹側領域F側に位置する補助層2Bの長手方向Xの端部が、腹側外装体3Fの長手方向内方端部よりも長手方向X外方に位置するように配されることによって、着用者の動きが比較的大きい腹部での吸収性本体2及び外装体3への意図しない皺やヨレの発生を補助層の剛性によって低減することができる。その結果、おむつの外観が良好で、且つ吸収性本体2の液吸収性を十分に発揮させることができる。
【0058】
接着領域Aと補助層2Bとの配置位置との関係においては、おむつ1の平面視において、背側領域R側に位置する補助層2Bの長手方向X端部域は、腹側接着領域Afと背側接着領域Arとの少なくとも一方における内方接着領域A2と少なくとも一部重なることが好ましい。より具体的には、おむつの背側領域R側に位置する補助層2Bの長手方向X端部は、接着領域Aにおける長手方向内方端部Amよりも長手方向外方に位置するように配されていることがより好ましい。このような構成となっていることによって、吸収性本体2に剛性を持たせることができ、その結果、弾性部材の収縮応力が付与された場合であっても、意図しない皺やヨレの発生を効果的に低減することができる。
【0059】
補助層2Bの配置位置と股下側弾性部材35の配置位置との関係においては、おむつ1の平面視において、腹側領域F及び背側領域Rの少なくとも一方において、補助層2Bの長手方向X端部は、股下側弾性部材35の端部を越えて長手方向外方に位置することが好ましい。
図2に示す実施形態では、腹側領域Fにおいて、補助層2Bの長手方向X端部が、各股下側弾性部材35の腹側領域F側に位置する一方の端部よりも長手方向X外方に位置している。このような構成となっていることによって、股下側弾性部材35の収縮によって生じ得る外装体のヨレを、剛性を有する吸収性本体2によって防ぐことができる。このことは、着用者の動きが比較的大きい腹部での吸収性本体2及び外装体3への意図しない皺やヨレの発生を効果的に低減できる点で有利である。
【0060】
腹側外層シート31、腹側内層シート32、背側外層シート33及び背側内層シート34を構成するシート材としては、それぞれ独立して、不織布等の非弾性の繊維シートを用いることができる。腹側外層シート31、腹側内層シート32、背側外層シート33及び背側内層シート34に用いられる不織布としては、それぞれ独立して、例えば、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、メルトブローン不織布、エアスルー不織布等の本技術分野で用いられる不織布を用いることができる。
【0061】
各弾性部材8,25,29,35,40の構成樹脂としては、それぞれ独立して、例えば、天然ゴム、EVAゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム及びネオプレンゴム等の合成ゴム、ポリウレタン並びに熱可塑性エラストマー等の弾性樹脂が挙げられる。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、SBS(スチレン-ブタジエン-スチレン)、SIS(スチレン-イソプレン-スチレン)、SEBS(スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン)、及びSEPS(スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン)等のスチレン系エラストマー、エチレン系エラストマー、プロピレン系エラストマー、α-オレフィンエラストマー及びエチレン・ブテン・オクテン等の共重合物等のオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、並びにポリウレタン系エラストマーを挙げることができる。これらの構成樹脂は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0062】
以上の構成を有する使い捨ておむつ、好ましくはパンツ型使い捨ておむつは、股下側弾性部材35の一端が、接着領域Aに形成された中間接着領域A1の幅方向両側部に位置する非接着領域A5又は非接着領域A5よりも長手方向内方に位置することによって、股下側弾性部材35の収縮によって生じる応力が股下側弾性部材35の端部に位置する吸収性本体2及び外装体3に付与されにくくなるので、おむつの着用時において、意図しない皺やヨレが吸収性本体2及び外装体3に形成されることを防ぐことができる。その結果、弾性部材の収縮による着用者への密着性を十分に維持しながらも、着用時におけるおむつの外観が向上し、また使用感が向上する。
【0063】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されない。
【0064】
上述した本発明の実施形態に関し、更に以下の使い捨ておむつを開示する。
<1>
着用者の前後方向に対応する長手方向と該長手方向に直交する幅方向とを有し、腹側領域及び背側領域と、該腹側領域と該背側領域との間に位置する股下領域とを備え、該長手方向に沿って該腹側領域から該背側領域までの領域に配された吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを有する使い捨ておむつであって、
前記吸収性本体は、前記幅方向の両側部域に、長手方向に延びるように配された糸状又は帯状の股下側弾性部材を一本以上有し、
前記おむつは、前記吸収性本体と前記外装体とが接着された接着領域を前記腹側領域及び前記背側領域のうち少なくとも一方に有し、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、前記接着領域を長手方向に沿ってみたときに、
前記接着領域の長手方向における一方の端部から最も近い位置において、該接着領域の幅方向両外端を結び且つ幅方向に沿う最大の長さを有する第1仮想線分と、該接着領域の長手方向における他方の端部から最も近い位置において、該接着領域の幅方向両外端を結び且つ幅方向に沿う最大の長さを有する第2仮想線分との間に、前記接着領域の幅方向の長さが、第1仮想線分の長さ及び第2仮想線分の長さよりも短い中間接着領域を有し、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、前記股下側弾性部材の少なくとも一方の端部は、前記中間接着領域の幅方向の両側部に位置し且つ前記吸収性本体と前記外装体とが接着されていない非接着領域に存在するか、又は該非接着領域よりも前記外装体の長手方向内方端部側の領域に存在する、使い捨ておむつ。
【0065】
<2>
複数本の前記股下側弾性部材を備え、
前記各股下側弾性部材はそれぞれ、その一方の端部が前記腹側領域に位置し、他方の端部が前記背側領域に位置しており、
前記各股下側弾性部材は、前記腹側領域、前記股下領域及び前記背側領域に連続して配されている、前記<1>に記載の使い捨ておむつ。
<3>
前記接着領域は、前記吸収性本体の長手方向の両端部域のそれぞれに形成されており、且つ該吸収性本体の長手方向中央域には形成されていない、前記<1>又は<2>に記載の使い捨ておむつ。
<4>
前記中間接着領域は、前記背側領域にのみ形成されている、前記<1>~<3>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<5>
前記外装体は、幅方向に沿って延びる外装体弾性部材を複数本有し、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、前記非接着領域と、前記外装体弾性部材の配置位置とが重複している、前記<1>~<4>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
【0066】
<6>
前記腹側領域又は前記背側領域に前記中間接着領域を有し、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、
前記中間接着領域よりも長手方向内方端部側に位置する接着領域を内方接着領域とし、
前記中間接着領域よりも長手方向外方端部側に位置する接着領域を外方接着領域としたときに、
各接着領域の長手方向の長さは、前記内方接着領域、前記中間接着領域及び前記外方接着領域のうち、前記内方接着領域が最も短く、前記中間接着領域が最も長く、前記外方接着領域が両領域の中間の長さである、前記<1>~<5>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<7>
前記腹側領域又は前記背側領域に前記中間接着領域を有し、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、
前記中間接着領域よりも長手方向内方端部側に位置する接着領域を内方接着領域とし、
長手方向外方端部側に位置する接着領域を外方接着領域としたときに、
前記中間接着領域よりも各接着領域の長手方向の長さは、前記内方接着領域、前記中間接着領域及び前記外方接着領域のうち、前記外方接着領域が最も短く、前記中間接着領域が最も長く、前記内方接着領域が両領域の中間の長さである、前記<1>~<5>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
【0067】
<8>
前記腹側領域又は前記背側領域に前記中間接着領域を有し、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、
前記中間接着領域よりも長手方向内方端部側に位置する接着領域を内方接着領域とし、
前記中間接着領域よりも長手方向外方端部側に位置する接着領域を外方接着領域としたときに、
各接着領域の幅方向の長さは、前記内方接着領域、前記中間接着領域及び前記外方接着領域のうち、前記中間接着領域が最も短く、前記内方接着領域及び前記外方接着領域が同じ長さである、前記<1>~<7>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<9>
前記腹側領域又は前記背側領域に前記中間接着領域を有し、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、
前記中間接着領域よりも長手方向内方端部側に位置する接着領域を内方接着領域とし、
前記中間接着領域よりも長手方向外方端部側に位置する接着領域を外方接着領域としたときに、
各接着領域の幅方向の長さは、前記内方接着領域、前記中間接着領域及び前記外方接着領域のうち、前記中間接着領域が最も短く、前記内方接着領域が最も長く、前記外方接着領域が両領域の中間の長さである、前記<1>~<7>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<10>
前記腹側領域又は前記背側領域に前記中間接着領域を有し、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、
前記中間接着領域よりも長手方向内方端部側に位置する接着領域を内方接着領域とし、
前記中間接着領域よりも長手方向外方端部側に位置する接着領域を外方接着領域としたときに、
各接着領域の幅方向の長さは、前記内方接着領域、前記中間接着領域及び前記外方接着領域のうち、前記中間接着領域が最も短く、前記外方接着領域が最も長く、前記内方接着領域が両領域の中間の長さである、前記<1>~<7>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
【0068】
<11>
前記内方接着領域の長手方向の長さT2は、好ましくは10mm以上、より好ましくは20mm以上であり、
前記長さT2は、好ましくは50mm以下、より好ましくは30mm以下である、前記<6>~<10>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<12>
前記内方接着領域の幅方向の長さW2は、好ましくは151mm以上、より好ましくは160mm以上であり、
前記長さW2は、好ましくは180mm以下、より好ましくは170mm以下である、前記<6>~<11>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<13>
前記外方接着領域の長手方向の長さT3は、好ましくは10mm以上、より好ましくは20mm以上であり、
前記長さT3は、好ましくは50mm以下、より好ましくは40mm以下である、前記<6>~<12>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<14>
前記外方接着領域の幅方向の長さW3は、好ましくは151mm以上、より好ましくは160mm以上であり、
前記長さW3は、好ましくは180mm以下、より好ましくは170mm以下である、前記<6>~<13>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
【0069】
<15>
前記中間接着領域の長手方向の長さT1は、好ましくは100mm以上、より好ましくは110mm以上であり、
前記長さT1は、好ましくは150mm以下、より好ましくは130mm以下である、前記<1>~<14>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<16>
前記中間接着領域の幅方向の長さW1は、好ましくは100mm以上、より好ましくは130mm以上であり、
前記長さW1は、好ましくは150mm以下、より好ましくは140mm以下である、前記<1>~<15>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<17>
前記外装体は、幅方向に沿って延びる外装体弾性部材を複数本有し、
おむつの平面視において、前記外装体弾性部材の配置位置が、前記中間接着領域と重なるように配されている、前記<1>~<16>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
【0070】
<18>
前記おむつは、前記腹側領域に位置する前記外装体と前記背側領域に位置する前記外装体の両側部どうしが接合された一対のサイドシール部を有し、
前記背側領域に位置する前記外装体は、前記サイドシール部の長手方向内方端縁どうしを結ぶ仮想線よりも長手方向内方側に延出した背側延出部を備える、前記<1>~<17>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<19>
前記背側延出部は、おむつの着用時に着用者の脚周りに沿うように配された脚周り弾性部材を有する、前記<18>に記載の使い捨ておむつ。
<20>
前記背側領域に前記中間接着領域を有し、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、長手方向内方端部側に位置する接着領域を内方接着領域としたときに、
前記脚周り弾性部材の幅方向内側端は、前記内方接着領域と重なるように配されている、前記<18>又は<19>に記載の使い捨ておむつ。
【0071】
<21>
前記脚周り弾性部材の一方の端部域が前記サイドシール部又はその近傍に位置し且つ該脚周り弾性部材の他方の端部域が前記吸収性本体と平面視において重なっており、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、前記脚周り弾性部材の前記他方の端部域は、前記中間接着領域よりも長手方向内方端部側に位置する接着領域である内方接着領域と重なる、前記<18>~<20>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<22>
前記脚周り弾性部材の前記他方の端部域が前記吸収性本体と重なる長さは、好ましく20mm以上、より好ましくは25mm以上、さらに好ましくは30mm以上であり、好ましくは60mm以下、より好ましくは55mm以下、さらに好ましくは50mm以下である、前記<21>に記載の使い捨ておむつ。
<23>
前記脚周り弾性部材の前記他方の端部域が前記内方接着領域と重なる長さは、好ましく20mm以上、より好ましくは25mm以上、さらに好ましくは30mm以上であり、好ましくは60mm以下、より好ましくは55mm以下、さらに好ましくは50mm以下である、前記<21>又は<22>に記載の使い捨ておむつ。
<24>
前記吸収性本体は、同一の又は異なる2枚の繊維シートと、該繊維シート間に配された吸水性ポリマーの粒子とを備えた吸収性シートを有する、前記<1>~<23>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<25>
前記吸収性シートは、前記おむつの平面視において長手方向に沿って延びる矩形状を有し、その長手方向の両端部が前記腹側領域に位置する前記外装体及び前記背側領域に位置する前記外装体にそれぞれ位置するように延在している、前記<24>に記載の使い捨ておむつ。
<26>
前記吸収性シートの幅方向両端部は、前記股下側弾性部材の配置位置よりも幅方向内方に位置している、前記<24>又は<25>に記載の使い捨ておむつ。
【0072】
<27>
前記吸収性本体は、前記吸収性シートの肌対向面に隣接して配された補助層を更に備え、
前記補助層は、少なくとも吸水性天然繊維及び吸水性ポリマーを含む混合積繊体であり、
前記補助層の長手方向端部は、前記腹側領域と前記背側領域との少なくとも一方における長手方向内方端部側に位置する接着領域である内方接着領域と平面視において重なる、前記<24>~<26>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<28>
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、前記腹側領域側に位置する前記補助層の長手方向端部は前記腹側外装体の長手方向内方端部よりも長手方向外方に位置し、
前記腹側領域における前記外装体上に位置する前記補助層の幅方向の長さは、前記背側領域における前記外装体上に位置する前記補助層の幅方向の長さよりも長い、前記<27>に記載の使い捨ておむつ。
<29>
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、腹側領域及び背側領域の少なくとも一方において、前記補助層の長手方向端部は、前記股下側弾性部材の端部を越えて長手方向外方に位置する、前記<27>又は<28>に記載の使い捨ておむつ。
【0073】
<30>
前記外装体は、前記腹側領域に配され且つ前記幅方向に伸縮可能な腹側外装体と、前記背側領域に配され且つ前記幅方向に伸縮可能な背側外装体とを備え、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、前記腹側外装体上に位置する前記補助層の長手方向端部域における幅方向の長さは、前記背側外装体上に位置する前記補助層の長手方向端部域における幅方向の長さよりも長い、前記<27>~<29>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<31>
前記外装体は、前記腹側領域に配され且つ前記幅方向に伸縮可能な腹側外装体と、前記背側領域に配され且つ前記幅方向に伸縮可能な背側外装体とを備え、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、前記腹側領域側に位置する前記補助層の長手方向の端部は、前記腹側外装体の長手方向内方端部よりも長手方向外方に位置するように配される、前記<27>~<30>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<32>
前記おむつは、前記腹側領域に位置する前記外装体と前記背側領域に位置する前記外装体の両側部どうしが接合された一対のサイドシール部を有し、
前記背側領域に位置する前記外装体は、前記サイドシール部の長手方向内方端縁どうしを結ぶ仮想線よりも長手方向内方側に延出した背側延出部を備え、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、前記背側領域側に位置する前記補助層の長手方向の端部は、前記背側延出部の長手方向内方端部よりも長手方向外方に位置するように配される、前記<27>~<31>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
【0074】
<33>
前記外装体は、前記腹側領域に配され且つ前記幅方向に伸縮可能な腹側外装体と、前記背側領域に配され且つ前記幅方向に伸縮可能な背側外装体とを備え、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、前記腹側外装体上に位置する前記補助層の長手方向端部域における幅方向の長さは、前記背側外装体上に位置する前記補助層の長手方向端部域における幅方向の長さよりも長く、且つ
前記腹側領域側に位置する前記補助層の長手方向の端部は、前記腹側外装体の長手方向内方端部よりも長手方向外方に位置する、前記<27>~<32>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<34>
前記背側領域に前記中間接着領域を有し、
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、前記中間接着領域よりも長手方向内方端部側に位置する前記接着領域を内方接着領域としたときに、
前記背側領域側に位置する前記補助層の長手方向端部域は、前記内方接着領域と重なる、前記<27>~<33>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<35>
前記背側領域側に位置する前記補助層の長手方向端部域は、前記接着領域における前記長手方向内方端部よりも長手方向外方に位置する、前記<34>に記載の使い捨ておむつ。
【0075】
<36>
前記腹側領域及び背側領域の少なくとも一方において、前記補助層の長手方向端部は、前記股下側弾性部材の端部を越えて長手方向外方に位置する、前記<27>~<35>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<37>
前記腹側領域は前記非接着領域を有しない、前記<1>~<36>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<38>
前記腹側領域は前記中間接着領域を有さず、
前記背側領域は前記中間接着領域を有する、前記<1>~<37>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<39>
前記外装体は、前記腹側領域に配され且つ前記幅方向に伸縮可能な腹側外装体と、前記背側領域に配され且つ前記幅方向に伸縮可能な背側外装体とを備える、前記<1>~<38>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
<40>
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、前記接着領域の長手方向内方端部から長手方向外方端部までの間に、前記中間接着領域を有する、前記<39>に記載の使い捨ておむつ。
<41>
前記おむつの展開且つ最大伸長状態での平面視において、前記股下側弾性部材の一方の端部が、前記非接着領域と重なっており、
前記股下側弾性部材が前記非接着領域と重なる長さは、好ましくは150mm以下、より好ましくは130mm以下、さらに好ましくは100mm以下、一層好ましくは50mm以下、より一層好ましくは30mm以下であり、好ましくは0mm以上である、前記<1>~<40>のいずれか一に記載の使い捨ておむつ。
【符号の説明】
【0076】
1 使い捨ておむつ
2 吸収性本体
3 外装体
3F 腹側外装体
3R 背側外装体
3E 背側延出部
8 外装体弾性部材
35 股下側弾性部材
40 脚周り弾性部材
A 接着領域
F 腹側領域
M 股下領域
R 背側領域
X 長手方向
Y 幅方向