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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/44 20060101AFI20250212BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
H01R13/44 K
H01R13/52 302A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021104439
(22)【出願日】2021-06-23
(65)【公開番号】P2022133223
(43)【公開日】2022-09-13
【審査請求日】2024-04-16
(31)【優先権主張番号】P 2021031855
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】小園 誠二
(72)【発明者】
【氏名】津島 義高
(72)【発明者】
【氏名】岡本 征也
(72)【発明者】
【氏名】松川 友貴
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05385480(US,A)
【文献】特開2012-054057(JP,A)
【文献】特開2010-245040(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0013372(US,A1)
【文献】中国実用新案第211859029(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/44
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続端子を収容するハウジングと、
前記ハウジングを収容保持するアウターケースと、
前記アウターケースの両側壁にそれぞれ対応する可動ケース側壁に第1カム溝が貫通形成され、前記アウターケース内でコネクタ嵌合方向へ平行移動可能に配置される可動ケースと、
相手コネクタが嵌合される前記ハウジングの前面開口を覆うシャッター前壁と、前記シャッター前壁の両端部に設けられたシャッター側壁と、前記シャッター側壁の外面に突設されて前記第1カム溝に係合するシャッターボスと、を有するシャッターと、
前記可動ケースを前記相手コネクタ側へ弾性付勢するばねと、
前記アウターケースの両側壁に設けられ、前記シャッターボスと係合することで、前記可動ケースの移動に連動して前記シャッターを前記アウターケースに対しコネクタ嵌合方向に沿って移動させるための第3カム溝と、
前記可動ケースにおける前記可動ケース側壁の内面に突設された可動ケースボスと、
前記シャッターにおける前記シャッター側壁に形成されて前記可動ケースボスに係合することにより、コネクタ嵌合方向に沿って移動する前記シャッターの回転動作をサポートする第2カム溝と、を備え、
前記第1カム溝は、前記シャッターボスと係合することで、前記可動ケースの移動に連動して前記シャッターボスを中心に前記シャッターを開閉方向へ回転させる、
ことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記第3カム溝には、前記シャッターがシャッター閉鎖位置からシャッター開放位置へ回転する間に前記シャッター前壁が前記シャッターボス側へ変位するように、前記第3カム溝に係合した前記シャッターボスを介して前記シャッターを移動させる第3変位カム部が設けられる、
とを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1カム溝には、前記第3変位カム部と側面視で交差する方向に延び、前記シャッターがシャッター閉鎖位置からシャッター開放位置へ回転する直前に前記第3変位カム部と協働して前記シャッターボスを前記コネクタ嵌合方向に沿って前記相手コネクタ側へ変位させる第1変位カム部が設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記第2カム溝には、前記シャッターがシャッター閉鎖位置からシャッター開放位置へ回転する直前に前記コネクタ嵌合方向に沿って前記相手コネクタ側へ変位する前記シャッターの変位動作をサポートする第2変位カム部が設けられる、
ことを特徴とする請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記シャッター前壁は、前記前面開口の開口縁に当接する弾性パッキンを含む、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記ばねは、前記可動ケースと前記ハウジングの後壁との間に介装される、
ことを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載のコネクタ。
【請求項7】
コネクタ嵌合時、前記相手コネクタの先端部に押圧付勢される当接部が、前記可動ケースにおける前記可動ケース側壁と可動ケース上壁との交差部分の前端に設けられる、
ことを特徴とする請求項1~の何れか一項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッター機構を有するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等に搭載される各種電装品間を電気的に接続するワイヤハーネス(電線)は、コネクタによって接続されている。このようなコネクタは、通常、雄型コネクタと雌型コネクタとで構成されている。そして、例えば、オプション仕様に適用されるコネクタ構造の場合、予め配設された電線の端部に連結されている一方のコネクタは、他方のコネクタが嵌合されるまで、防塵、端子保護、周囲への感電防止等の目的で、ハウジングの前方開口にシャッター機構を設けたものが知られている。特に電気自動車等では、感電事故等を防止するうえでシャッター機構付コネクタ(インレット)が適用されて、コネクタの非接続時における前方開口での端子の露出を防いでいる。このような構成の一例として例えば特許文献1に開示されたシャッター機構付コネクタがある。
【0003】
このシャッター機構付コネクタは、一方のコネクタに、前面部に外力を受けると外側に回動するシャッターを設けると共に、他方のコネクタに先端部を設けることで、コネクタ嵌合時にこの先端部が一方のコネクタのシャッターの前面部を押圧してシャッターを回動させる構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8―138785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示されたシャッター機構付コネクタでは、コネクタ嵌合時、相手コネクタの先端部(嵌合フード部)がシャッターの前面部を押すことにより、ピンを中心にシャッターが外側(前方)に回動して開く。そこで、シャッターが開く回動軌跡を考慮し、相手コネクタのストローク(コネクタサイズ)を設定することで、コネクタ嵌合時の干渉を回避する必要がある。そのため、シャッター開閉スペース分だけ相手コネクタの嵌合フード部が長くなり、コネクタサイズが大きくなってしまう。
【0006】
また、シャッターは、コイルスプリング(ばね)によりハウジング内側へ向けて常時付勢されており、コネクタの非接続時においてハウジングの前方開口を塞ぐように構成されている。そして、シャッターを閉じ方向へ向けて常時付勢するコイルスプリングには、例えばシャッターを軸支するピンに巻装されたねじりコイルばねが用いられる。そこで、コイルスプリングは、ハウジングの前方開口付近に位置することになり、塵埃や水等の影響を受けやすい。そのため、従来のシャッター機構付コネクタは、ばね機能障害に対するリスクが高くなりやすい。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シャッター機構付きコネクタのばね機能を保証するとともに、コンパクトなコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 接続端子を収容するハウジングと、前記ハウジングを収容保持するアウターケースと、前記アウターケースの両側壁にそれぞれ対応する可動ケース側壁に第1カム溝が貫通形成され、前記アウターケース内でコネクタ嵌合方向へ移動自在に配置される可動ケースと、相手コネクタが嵌合される前記ハウジングの前面開口を覆うシャッター前壁と、前記シャッター前壁の両端部に設けられたシャッター側壁と、前記シャッター側壁の外面に突設されて前記第1カム溝に係合するシャッターボスと、を有するシャッターと、前記可動ケースを前記相手コネクタ側へ弾性付勢するばねと、を備え、前記第1カム溝は、前記シャッターボスと係合することで、前記可動ケースの移動に連動して前記シャッターボスを中心に前記シャッターを開閉方向へ回転させる、ことを特徴とするコネクタ。
【0009】
上記(1)の構成のコネクタによれば、相手コネクタの先端部は、アウターケース内でコネクタ嵌合方向へ移動自在に配置された可動ケースを介してシャッターを開閉方向へ回転させる。そこで、本構成のコネクタは、従来のシャッター機構付コネクタのように、シャッターの開閉軌跡を考慮して相手コネクタの嵌合フード部を長くする必要がなくなる。
【0010】
(2) 前記アウターケースの両側壁に設けられ、前記シャッターボスと係合することで、前記可動ケースの移動に連動して前記シャッターを前記アウターケースに対しコネクタ嵌合方向に沿って移動させるための第3カム溝と、前記可動ケースにおける前記可動ケース側壁の内面に突設された可動ケースボスと、前記シャッターにおける前記シャッター側壁に形成されて前記可動ケースボスに係合することにより、コネクタ嵌合方向に沿って移動する前記シャッターの回転動作をサポートする第2カム溝とを備える、ことを特徴とする上記(1)に記載のコネクタ。
【0011】
上記(2)の構成のコネクタによれば、相手コネクタを嵌合させる時、可動ケースボスが第2カム溝に係合することによって回転動作がサポートされたシャッターは、開方向へスムーズに回転しながら可動ケースと伴にアウターケースの後方へ移動することができる。そこで、シャッターは、相手コネクタとの干渉が防止し易くなり、設計自由度を高めることができる。
【0012】
(3) 前記第3カム溝には、前記シャッターがシャッター閉鎖位置からシャッター開放位置へ回転する間に前記シャッター前壁が前記シャッターボス側へ変位するように、前記第3カム溝に係合した前記シャッターボスを介して前記シャッターを移動させる第3変位カム部が設けられる、ことを特徴とする上記(2)に記載のコネクタ。
【0013】
上記(3)の構成のコネクタによれば、シャッター開放時には、第3カム溝の第3変位カム部によって回動先端(自由端)であるシャッター前壁が、回転中心であるシャッターボス側へ変位させられる。そこで、シャッター開放時、シャッター前壁がアウターケースの外方へ突出せず、シャッター開放時のコネクタをコンパクトにできる。
【0014】
(4) 前記第1カム溝には、前記第3変位カム部と側面視で交差する方向に延び、前記シャッターがシャッター閉鎖位置からシャッター開放位置へ回転する直前に前記第3変位カム部と協働して前記シャッターボスを前記コネクタ嵌合方向に沿って前記相手コネクタ側へ変位させる第1変位カム部が設けられる、ことを特徴とする上記(3)に記載のコネクタ。
【0015】
上記(4)の構成のコネクタによれば、シャッターがシャッター閉鎖位置からシャッター開放位置へ回転する直前には、第3変位カム部と側面視で交差する方向に延びる第1カム溝の第1変位カム部によって、シャッター前壁がシャッターボスを介してコネクタ嵌合方向に沿って相手コネクタ側へ変位させられる。そこで、シャッター前壁がシャッター閉鎖位置において前面開口の開口縁に当接した状態で前面開口を覆うように、シャッターを構成することができる。
即ち、シャッター前壁が前面開口の開口縁に当接した状態からシャッターがシャッター開放位置へ回転する直前には、シャッター前壁が相手コネクタ側へ変位させられて前面開口の開口縁から離れる。そこで、シャッター開放位置へ回転するシャッター前壁が前面開口の開口縁に擦られることはない。
その結果、開口縁に当接した状態で前面開口を覆うシャッターのシャッター前壁は、ハウジングの前面開口への塵埃や水等の浸入を確実に防止することができる。
【0016】
(5) 前記第2カム溝には、前記シャッターがシャッター閉鎖位置からシャッター開放位置へ回転する直前に前記コネクタ嵌合方向に沿って前記相手コネクタ側へ変位する前記シャッターの変位動作をサポートする第2変位カム部が設けられる、ことを特徴とする上記(4)に記載のコネクタ。
【0017】
上記(5)の構成のコネクタによれば、シャッター閉鎖位置からシャッター開放位置へ回転する直前にコネクタ嵌合方向に沿って相手コネクタ側へ変位するシャッターは、可動ケースボスが第2カム溝の第2変位カム部に係合することによって、変位動作がサポートされる。そこで、コネクタ嵌合方向に沿って相手コネクタ側へ変位するシャッターは、コネクタ嵌合方向と平行な姿勢が維持された状態で変位することができ、シャッター前壁が前面開口の開口縁に対して片当たり(開口縁の一部が強く接触)するのを防止できる。
【0018】
(6) 前記シャッター前壁は、前記前面開口の開口縁に当接する弾性パッキンを含む、
ことを特徴とする上記(4)又は(5)に記載のコネクタ。
【0019】
上記(6)の構成のコネクタによれば、シャッター前壁に設けられた弾性パッキンが、前面開口の開口縁に弾性接触することができる。そこで、開口縁に当接して前面開口を覆う弾性パッキンは、ハウジングの前面開口への塵埃や水等の浸入を更に確実に防止することができる。
【0020】
(7) 前記ばねは、前記可動ケースと前記ハウジングの後壁との間に介装される、ことを特徴とする上記(1)~(6)の何れか一つに記載のコネクタ。
【0021】
上記(7)の構成のコネクタによれば、可動ケースを相手コネクタ側へ弾性付勢するばねは、アウターケースに収容保持されたハウジングの後壁側に配置され、アウターケースの開口(ハウジングの嵌合開口)から離れる。そこで、開口から離れたアウターケース内に配置されたばねは、塵埃、水等の影響を受け難くなり、シャッター機構付きコネクタのばね機能を保証し易い。
【0022】
(8) コネクタ嵌合時、前記相手コネクタの先端部に押圧付勢される当接部が、前記可動ケースにおける前記可動ケース側壁と可動ケース上壁との交差部分の前端に設けられる、ことを特徴とする上記(1)~(7)の何れか一つに記載のコネクタ。
【0023】
上記(8)の構成のコネクタによれば、相手コネクタの先端部が、比較的剛性の高い可動ケース側壁と可動ケース上壁との交差部分の前端に設けた当接部を押圧付勢する。そこで、コネクタ嵌合時に相手コネクタの先端部に押圧付勢される可動ケースは、相手コネクタの押圧力による変形が起こり難くなり、可動ケースの肉厚を必要以上に厚くする必要がなくなる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、シャッター機構付きコネクタのばね機能を保証するとともに、コンパクトなコネクタを提供できる。
【0025】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第1実施形態に係るコネクタを構成するインレットと、このインレットに嵌合される相手コネクタであるインレットプラグとを示す斜視図である。
図2図1に示したインレットの分解斜視図である。
図3図2に示した可動ケース及びシャッターの背面側の斜視図である。
図4図1に示した天板を省略したアウターケースからシャッターが装着された可動ケースを分離した状態の斜視図である。
図5図1に示したインレットの一部を破断した要部拡大側面図である。
図6図1に示したインレットの中央部における縦断面図である。
図7図1に示したインレットとインレットプラグの嵌合開始状態を示す縦断面図である。
図8】本発明の第1実施形態に係るインレットとインレットプラグの嵌合開始状態を説明する図であり、(a)は第3カム溝を覆うカバーを省略したインレットの要部側面図、(b)はインレットの要部縦断面図である。
図9】本発明の第1実施形態に係るインレットとインレットプラグの嵌合途中状態を説明する図であり、(a)は第3カム溝を覆うカバーを省略したインレットの要部側面図、(b)はインレットの要部縦断面図である。
図10】本発明の第1実施形態に係るインレットとインレットプラグの嵌合完了状態を説明する図であり、(a)は第3カム溝を覆うカバーを省略したインレットの要部側面図であり、(b)はインレットの要部縦断面図である。
図11図1に示したインレットの正面図であり、(a)はハウジングの前面開口がシャッターに覆われた閉止状態を示し、(b)はハウジングの前面開口が開放された開口状態を示す。
図12】本発明の第2実施形態に係るコネクタを構成するインレットにおけるアウターケースからシャッターが装着された可動ケースを分離した状態の斜視図である。
図13図12に示した可動ケース及びシャッターの背面側の斜視図である。
図14図12に示したインレットの一部を破断した要部拡大側面図である。
図15図12に示したインレットの中央部における縦断面図である。
図16】本発明の第2実施形態に係るインレットとインレットプラグの嵌合開始状態を説明する図であり、(a)は第3カム溝を覆うカバーを省略したインレットの要部側面図、(b)はインレットの要部縦断面図である。
図17】本発明の第2実施形態に係るインレットとインレットプラグの嵌合直後状態を説明する図であり、(a)は第3カム溝を覆うカバーを省略したインレットの要部側面図、(b)はインレットの要部縦断面図である。
図18】本発明の第2実施形態に係るインレットとインレットプラグの嵌合途中状態を説明する図であり、(a)は第3カム溝を覆うカバーを省略したインレットの要部側面図であり、(b)はインレットの要部縦断面図である。
図19】本発明の第2実施形態に係るインレットとインレットプラグの嵌合途中状態を説明する図であり、(a)は第3カム溝を覆うカバーを省略したインレットの要部側面図、(b)はインレットの要部縦断面図である。
図20】本発明の第2実施形態に係るインレットとインレットプラグの嵌合完了状態を説明する図であり、(a)は第3カム溝を覆うカバーを省略したインレットの要部側面図であり、(b)はインレットの要部縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るコネクタを構成するインレット1と、このインレット1に嵌合される相手コネクタであるインレットプラグ5とを示す斜視図である。図2は、図1に示したインレット1の分解斜視図である。図3は、図2に示した可動ケース31及びシャッター41の背面側の斜視図である。図4は、図1に示したアウターケース51からシャッター41が装着された可動ケース31を分離した状態の斜視図である。
【0028】
図1及び図2に示すように、本第1実施形態に係るコネクタであるインレット1は、接続端子70を収容するハウジング21と、ハウジング21を収容保持するアウターケース51と、アウターケース51内でコネクタ嵌合方向へ移動自在に配置される可動ケース31と、インレットプラグ(相手コネクタ)5のプラグハウジング81が嵌合されるハウジング21の前面開口25を覆うシャッター41と、可動ケース31をインレットプラグ5側へ弾性付勢するばね30と、を備えている(図6,7参照)。
なお、本明細書中において、前後方向とはハウジング21のコネクタ嵌合方向(図7中、左右方向)に沿う方向であり、インレットプラグ5のプラグハウジング81が嵌合される側を前方とし、上下方向とはハウジング21のコネクタ嵌合方向と直交してシャッター41が開閉する方向(図7中、上下方向)であり、アウターケース51の天板50側を上方とする。
【0029】
ハウジング21は、電気絶縁性の合成樹脂から成形されたものである。ハウジング21の前壁26には、インレットプラグ5側へ突出する一対の端子収容筒部23,23が設けられている。
端子収容筒部23内には、高圧ケーブル71の端末部に接続された接続端子70が収容されている。端子収容筒部23の前端には、インレットプラグ5の接続端子90が挿入される前面開口25が形成されている。接続端子70に接続された高圧ケーブル71は、端子収容筒部23の後端開口から引き出される。
【0030】
接続端子70は、導電性金属材料から形成されたメス端子で、円筒形の棒状に形成されている。接続端子70は、その後端部に、接合穴72が形成されており、この接合穴72には、端子収容筒部23の後端開口から引き出される高圧ケーブル71の導体73が挿し込まれてカシメ接続されている(図7、参照)。
端子収容筒部23の後端開口から引き出される高圧ケーブル71にはシール部材75が装着され、端子収容筒部23に対して液密にシールされる。シール部材75は、端子収容筒部23の後端に装着されるリヤホルダー77によって離脱が規制される。
【0031】
ハウジング21の中央部には、図2示すように、圧縮コイルばねであるばね30をコネクタ嵌合方向に沿って収容する半円筒状のばね収容部29が設けられている。このばね収容部29に収容されたばね30は、後述する可動ケース31のばね受け部34とハウジング21の後壁に設けられたばね支持部27との間に介装されることで、可動ケース31をインレットプラグ5側へ弾性付勢する。
【0032】
アウターケース51は、図2示すように、第1筐体52と、第2筐体53と、天板50とで構成された扁平な筐体である。アウターケース51の前方には、インレットプラグ5の先端部が挿入される開口3が画成されている。
第1筐体52は、矩形状の底壁56と、底壁56の一側縁に立設された側壁54と、底壁56及び側壁54の後縁に連設された後壁57とが、一体に形成されている。
第2筐体53は、側壁54に対向する側壁55と、側壁55の後縁に連設された後壁58とが、一体に形成されている。
【0033】
アウターケース51の両側壁となる側壁54及び側壁55には、後述するシャッター41のシャッターボス47を従動案内するための第3カム溝60が、コネクタ嵌合方向に沿って貫通形成されている。第3カム溝60は、インレットプラグ5側端でアウターケース51における側壁54及び側壁55の高さ方向中間部に位置する基準部61と、基準部61から側壁54及び側壁55の後方に向かって斜め上方(図8の(a)中、右斜め上方)に延びる第3変位カム部63と、第3変位カム部63から側壁54及び側壁55の後方に向かってコネクタ嵌合方向と平行に延びる平行部65とを有する。
【0034】
なお、本第1実施形態のインレット1は、アウターケース51の底壁56側にシャッター41のシャッター前壁43が回動されることでシャッター開放位置となる構成である。そこで、第3カム溝60の第3変位カム部63は、基準部61から側壁54及び側壁55の後方に向かって斜め上方に延びる形態とされている。これに対して、シャッター前壁43がアウターケース51の天板50側に回動されることでシャッター開放位置となる構成とされた場合、第3カム溝60の第3変位カム部63は、基準部61から側壁54及び側壁55の後方に向かって斜め下方に延びる形態とされる。
【0035】
また、側壁54及び側壁55の内面には、後述する可動ケース31のガイドリブ36を摺動案内するためコネクタ嵌合方向に延びるガイド溝59が、互いに対向して凹設されている。アウターケース51の後壁となる後壁57及び後壁58に形成された開口からは、ハウジング21から引き出された高圧ケーブル71が導出される。
【0036】
天板50は、第1筐体52及び第2筐体53と共にハウジング収容空間を画成する上壁部13の前方に、庇部15が延設されている。
上壁部13の両側部における下面には、アウターケース51の両側壁に貫通形成された第3カム溝60をそれぞれ覆うための一対のカバー部17,17が垂設されている。また、庇部15の中央部における下面には、アウターケース51に収容されたハウジング21にインレットプラグ5のプラグハウジング81を嵌合案内するための拾いリブ19が、コネクタ嵌合方向に沿って延設されている。
【0037】
可動ケース31は、図2及び図3に示すように、長方形状の可動ケース上壁33と、可動ケース上壁33の両側縁から下方へ垂設された一対の可動ケース側壁35,35とを有する断面U字形状の枠体である。一対の可動ケース側壁35,35の下端部後方は、連結部32により連結され、内方への倒れ込みが防止されている。
可動ケース上壁33の後端中央部には、下方へ突出する突片状のばね受け部34が形成されている。
【0038】
アウターケース51の両側壁である側壁54及び側壁55にそれぞれ対応する可動ケース側壁35,35には、第1カム溝37がそれぞれ貫通形成されている。第1カム溝37は、可動ケース側壁35の後端から前方に向かって斜め上方に延びる切欠き開口により形成されており、後方から前方に延びる水平部により形成されたボス挿入部37aと、ボス挿入部37aの前端に連続する湾曲部により形成された第1回転カム部37bとを有している。
【0039】
可動ケース側壁35の外面には、コネクタ嵌合方向に沿って延びるガイドリブ36が突設されており、可動ケース側壁35の内面には、可動ケースボス38が突設されている。可動ケースボス38は、第1カム溝37における第1回転カム部37bの下方に位置している。
また、可動ケース31における可動ケース側壁35,35と可動ケース上壁33との交差部分の前端には、インレットプラグ5の先端部における押圧部87に押圧付勢される当接部39がそれぞれ設けられている。
【0040】
シャッター41は、シャッター前壁43と、シャッター前壁43の両端部に垂設されたシャッター側壁45,45と、シャッター側壁45の外面に突設されて可動ケース31の第1カム溝37に係合するシャッターボス47と、を有する。シャッターボス47は、シャッター前壁43の両端部に垂設されたシャッター側壁45,45の延出端側(シャッター前壁43と反対側)に位置しており、開閉方向へ回転されるシャッター前壁43の回転中心となる。
平板状のシャッター前壁43は、アウターケース51内に収容されたハウジング21の前壁26に突設された一対の端子収容筒部23,23の前面開口25をそれぞれ覆うことで、インレット1の非接続時における前面開口25での接続端子70の露出を防ぐことができる。
【0041】
シャッター側壁45には、可動ケース31の可動ケースボス38に係合する第2カム溝48が、シャッター前壁43と直交する方向に沿って直線状にそれぞれ形成されている。
そこで、シャッター41は、シャッターボス47が対応する第1カム溝37に係合すると共に、第2カム溝48が対応する可動ケースボス38に係合した状態で可動ケース31に装着される。
【0042】
次に、上述したインレット1の組立手順について説明する。
図5は、図1に示したインレット1の一部を破断した要部拡大側面図である。図6は、図1に示したインレットの中央部における縦断面図である。
先ず、接続端子70を収容したハウジング21が、第1筐体52における底壁56上の所定位置に配置され、シャッター41を装着した可動ケース31が、第1筐体52の所定位置に配置された後、第2筐体53がビス11によって第1筐体52に固定される。
【0043】
この際、可動ケース31は、一対のガイドリブ36,36が、アウターケース51の対応するガイド溝59にそれぞれ係合される。そして、可動ケース31は、アウターケース51に対してコネクタ嵌合方向に沿って相対移動可能とされる。
また、可動ケース31に装着されたシャッター41は、図5に示すように、それぞれ第1カム溝37を貫通した一対のシャッターボス47,47が、アウターケース51の対応する第3カム溝60にそれぞれ係合される。そこで、シャッター41は、可動ケース31の移動に連動してアウターケース51に対しコネクタ嵌合方向に沿って移動可能とされる。
【0044】
図6に示すように、可動ケース31が第1筐体52の所定位置に配置された際、ばね収容部29に収容されたばね30の前端とハウジング21の前壁26との間には、ばね受け部34が突入される。そこで、可動ケース31は、インレットプラグ5側であるハウジング21の前方へ弾性付勢される。
そして、最後に天板50がネジ10によって第1筐体52及び第2筐体53の上部に固定され、インレット1に組立が完了する。組立てられたインレット1は、天板50を介して例えば電気自動車の車体等に取り付けられる。ここで、車体の上下方向が車体取り付け時におけるインレット1の上下方向とされるが、取り付け方向はこれに限定されるものではない。
【0045】
ここで、上述した可動ケース31の第1カム溝37、シャッター41の第2カム溝48及びアウターケース51の第3カム溝60の作用について説明する。
インレット1とインレットプラグ5とが嵌合されない状態では、図5に示すように、可動ケース31がばね30の弾性付勢力によりアウターケース51に対してインレットプラグ5側(図5中、左側)に位置している。この際、シャッターボス47は、第1カム溝37のボス挿入部37aに位置すると共に、先端部が第3カム溝60の基準部61に位置する。そこで、第2カム溝48が可動ケースボス38に係合しているシャッター41は、シャッター前壁43がハウジング21の前面開口25を覆うシャッター閉鎖位置(図11の(a)、参照)となる。
【0046】
そして、可動ケース31がばね30の弾性付勢力に抗してアウターケース51に対してインレットプラグ5と反対側(図5中、右側)に移動すると、シャッターボス47が第1カム溝37の第1回転カム部37bに達する。すると、第2カム溝48が可動ケースボス38に係合(従動)することでコネクタ嵌合方向に沿って移動する際に回転動作がサポートされたシャッター41は、シャッター前壁43がシャッターボス47を回転中心として下方へ回動されてシャッター開放位置(図11の(b)、参照)となる。また、可動ケース31がアウターケース51に対してインレットプラグ5と反対側(図5中、右側)に移動することで、シャッターボス47が第3カム溝60の第3変位カム部63に達する。そこで、シャッター開放位置に回動されたシャッター41は、回動先端(自由端)であるシャッター前壁43が、回転中心であるシャッターボス47側(図5中、上側)へ変位させられる。可動ケース31がアウターケース51に対してインレットプラグ5と反対側に更に移動し、シャッターボス47が第3カム溝60の平行部65に達する。すると、シャッター41は、シャッター開放位置に回動された状態でアウターケース51の後方に平行移動する。
【0047】
図7は、図1に示したインレット1とインレットプラグ5の嵌合開始状態を示す縦断面図である。
インレット1に嵌合されて電気的に接続されるインレットプラグ5は、図1及び図7に示すように、インレット1の接続端子70に嵌合される接続端子90と、接続端子90を収容する一対の端子収容室83,83を有するプラグハウジング81と、を備えている。
プラグハウジング81は、電気絶縁性の合成樹脂から成形されたものである。プラグハウジング81の先端部両側には、可動ケース31の当接部39,39に対向して押圧付勢可能な押圧部87,87が設けられている。プラグハウジング81の上面には、嵌合ガイド溝85が形成されている。嵌合ガイド溝85は、インレット1に向かうにつれて幅が拡大するテーパ部を有する。この嵌合ガイド溝85は、インレットプラグ5がインレット1に嵌合される際、インレット1の天板50に設けられた拾いリブ19と係合することにより、プラグハウジング81をハウジング21に嵌合案内することができる。
【0048】
端子収容室83内には、高圧ケーブル91の端末部に接続された接続端子90が収容されている。接続端子90に接続された高圧ケーブル91は、端子収容室83の後端開口から引き出される。
【0049】
接続端子90は、導電性金属材料から形成されたオス端子で、円柱形の棒状に形成されている。接続端子90は、その後端部に、接合穴92が形成されており、この接合穴92には、端子収容室83の後端開口から引き出される高圧ケーブル91の導体93が挿し込まれてカシメ接続されている。
端子収容室83の後端開口から引き出される高圧ケーブル91にはシール部材95が装着され、端子収容室83に対して液密にシールされる。シール部材95は、端子収容室83の後端に装着されるリヤホルダー97によって離脱が規制される。
【0050】
次に、インレット1とインレットプラグ5の嵌合動作を説明する。
図8はインレット1とインレットプラグ5の嵌合開始状態を説明する図であり、図9及び図10は、インレット1とインレットプラグ5の嵌合途中状態及び嵌合完了状態を説明する図である。図11は、図1に示したインレット1の正面図であり、(a)はハウジング21の前面開口25がシャッター41に覆われた閉止状態を示し、(b)はハウジング21の前面開口25が開放された開口状態を示す。
【0051】
図7及び図8に示すように、インレット1とインレットプラグ5とが嵌合されない状態では、可動ケース31がアウターケース51に対してインレットプラグ5側(図8中、左側)に位置している。この際、シャッターボス47は、第1カム溝37のボス挿入部37aに位置すると共に、先端部が第3カム溝60の基準部61に位置する。そこで、第2カム溝48が可動ケースボス38に係合しているシャッター41は、図11の(a)に示すように、シャッター前壁43がハウジング21の前面開口25を覆うシャッター閉鎖位置となる。
したがって、インレット1の接続端子70は、シャッター41が閉止して露出されていない。これにより、インレット1は、防塵、端子保護及び感電が防止されている。
【0052】
このような状態から、インレットプラグ5のインレット1への挿入嵌合を開始する。先ず、図8の状態から、インレットプラグ5をインレット1側へ移動させ、プラグハウジング81のアウターケース51内への挿入嵌合を開始する。
この時、図9の(a),(b)に示すように、インレットプラグ5のプラグハウジング81における先端部の押圧部87が、可動ケース31の先端部における当接部39に当接して、当接部39をばね30の弾性付勢力に抗して押圧する。
【0053】
可動ケース31がアウターケース51に対してインレットプラグ5と反対側(図9中、右側)の後方に移動すると、シャッターボス47が第1カム溝37の第1回転カム部37bに達する。すると、第2カム溝48が可動ケースボス38に係合(従動)することでコネクタ嵌合方向に沿って移動する際に回転動作がサポートされたシャッター41は、シャッター前壁43がシャッターボス47を回転中心として下方へ回動される。
【0054】
この状態からさらにインレットプラグ5をインレット1の後方へ前進させるように深く挿入すると、図10の(a),(b)及び図11の(b)に示すように、シャッター41はシャッター前壁43がアウターケース51の底壁56と平行になるシャッター開放位置まで回動される。そして、シャッターボス47が第3カム溝60の平行部65に達すると、シャッター41はシャッター開放位置に回動された状態でアウターケース51の後方に平行移動する。
そして、インレットプラグ5の接続端子90がインレット1の接続端子70に嵌合されて接続され、これにより高圧ケーブル71と高圧ケーブル91とが電気的に接続される。
したがって、インレット1とインレットプラグ5とは、可動ケース31の先端部とプラグハウジング81の先端部とを突き合わせることで、互いに嵌合されて電気的に接続される。
【0055】
上述したように、本第1実施形態に係るインレット1によれば、インレットプラグ5の先端部は、アウターケース51内でコネクタ嵌合方向へ移動自在に配置された可動ケース31を介してシャッター41を開閉方向へ回転させる。そこで、本第1実施形態のインレット1は、従来のシャッター機構付コネクタのように、シャッターの開閉軌跡を考慮してインレットプラグの嵌合フード部を長くする必要がなくなる。
【0056】
また、本第1実施形態に係るインレット1は、アウターケース51の両側壁に設けられ、シャッターボス47と係合することで、可動ケース31の移動に連動してシャッター41をアウターケース51に対しコネクタ嵌合方向に沿って移動させるための第3カム溝60と、可動ケース側壁35,35の内面に突設された可動ケースボス38と、シャッター側壁45,45に形成されて可動ケースボス38に係合することにより、コネクタ嵌合方向に沿って移動するシャッター41の回転動作をサポートする第2カム溝48とを備える。
【0057】
したがって、本第1実施形態のインレット1によれば、インレットプラグ5を嵌合させる時、可動ケースボス38が第2カム溝48に係合することによって回転動作がサポートされたシャッター41は、開方向へスムーズに回転しながら可動ケース31と伴にアウターケース51の後方へ移動することができる。そこで、シャッター41は、インレットプラグ5との干渉が防止し易くなり、設計自由度を高めることができる。
【0058】
また、本第1実施形態に係るインレット1の第3カム溝60には、シャッター41がシャッター閉鎖位置からシャッター開放位置へ回転する間にシャッター前壁43がシャッターボス47側へ変位するように、第3カム溝60に係合(従動)したシャッターボス47を介してシャッター41を移動させる第3変位カム部63が設けられている。
【0059】
したがって、本第1実施形態のインレット1によれば、シャッター開放時には、第3カム溝の第3変位カム部63によって回動先端(自由端)であるシャッター前壁43が、回転中心であるシャッターボス47側(上方側)へ変位させられる。そこで、シャッター開放時、シャッター前壁43がアウターケース51の下方(外方)へ突出せず、シャッター開放時のインレット1をコンパクトにできる。
【0060】
また、本第1実施形態に係るインレット1におけるばね30は、可動ケース31の後端に設けられたばね受け部34とハウジング21の後壁に設けられたばね支持部27との間に介装されている。
したがって、本第1実施形態のインレット1によれば、可動ケース31をインレットプラグ5側へ弾性付勢するばね30は、アウターケース51に収容保持されたハウジング21の後壁側に配置され、アウターケース51の開口3(ハウジング21の前面開口25)から離れる。そこで、開口3から離れたアウターケース51内に配置されたばね30は、塵埃、水等の影響を受け難くなり、シャッター機構付きコネクタのばね機能を保証し易い。
【0061】
また、本第1実施形態に係るインレット1は、コネクタ嵌合時、インレットプラグ5の先端部における押圧部87に押圧付勢される当接部39が、可動ケース31における可動ケース側壁35,35と可動ケース上壁33との交差部分の前端に設けられている。
したがって、本第1実施形態のインレット1によれば、インレットプラグ5の先端部における押圧部87が、比較的剛性の高い可動ケース側壁35,35と可動ケース上壁33との交差部分の前端に設けた当接部39を押圧付勢する。そこで、コネクタ嵌合時にインレットプラグ5の先端部に押圧付勢される可動ケース31は、インレットプラグ5の押圧力による変形が起こり難くなり、可動ケース31の肉厚を必要以上に厚くする必要がなくなる。
【0062】
図12は、本発明の第2実施形態に係るコネクタを構成するインレット1Aにおけるアウターケース51からシャッター41Aが装着された可動ケース31Aを分離した状態の斜視図である。図13は、図12に示した可動ケース31A及びシャッター41Aの背面側の斜視図である。
なお、本第2実施形態に係るインレット1Aは、上述した第1実施形態のインレット1におけるアウターケース51、可動ケース31及びシャッター41に代えて、アウターケース51A、可動ケース31A及びシャッター41Aを用いた以外は、上記第1実施形態のインレット1と同様の構成である。そこで、上記第1実施形態のインレット1と略同様の構成部材には同符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0063】
本第2実施形態に係るインレット1Aにおけるアウターケース51Aは、図12に示すように、第1筐体52と、第2筐体53と、天板50(図示省略)とで構成されている。
アウターケース51Aの両側壁となる側壁54及び側壁55には、後述するシャッター41Aのシャッターボス47を従動案内するための第3カム溝60が、コネクタ嵌合方向に沿って貫通形成されている。
【0064】
可動ケース31Aの可動ケース側壁35,35には、図12及び図13に示すように、第1カム溝がそれぞれ貫通形成されている。第1カム溝37Aは、可動ケース31Aの前後方向に湾曲して延びる長穴により形成されている。
第1カム溝37Aは、第1カム溝37Aの中間部から後方側(図13中、右方側)へ第3変位カム部63と側面視で交差して斜め上方(図13中、右斜め上方)に延びる湾曲部及び水平部により形成された第1変位カム部と、第1変位カム部の前端に連続して斜め上方(図13中、左斜め上方)に延びる湾曲部により形成された第1回転カム部37bとを有している。
【0065】
シャッター41Aのシャッター前壁43は、図13に示すように、一対の端子収容筒部23,23における前面開口25の開口縁25aに当接する弾性パッキン49を含む。弾性パッキン49は、矩形シート状のスポンジやゴム等の弾性部材により成形され、シャッター前壁43の内面に一体に設けられる。
即ち、シャッター41Aと一対の端子収容筒部23,23とは、シャッター閉鎖位置においてシャッター前壁43が前面開口25の開口縁25aに当接した状態で前面開口25を覆うように構成されている。
【0066】
シャッター側壁45には、可動ケース31の可動ケースボス38に係合する第2カム溝48Aが、シャッター前壁43と直交する方向に沿って屈曲して延びる長穴により形成されている。
第2カム溝48Aは、第2カム溝48Aの中間部から後方側(図13中、右方側)へ延びる第2回転カム部48aと、第2回転カム部48aの前端に連続して斜め下方(図13中、左斜め下方)に延びる第2変位カム部48bとを有している。
そこで、シャッター41Aは、シャッターボス47が対応する第1カム溝37Aに係合すると共に、第2カム溝48Aが対応する可動ケースボス38に係合した状態で可動ケース31Aに装着される。
【0067】
次に、上述した可動ケース31Aの第1カム溝37A、シャッター41Aの第2カム溝48A及びアウターケース51Aの第3カム溝60の作用について説明する。
図14は、図12に示したインレット1Aの一部を破断した要部拡大側面図である。図15は、図12に示したインレット1Aの中央部における縦断面図である。
【0068】
インレット1Aとインレットプラグ5とが嵌合されない状態では、図14及び図15に示すように、可動ケース31Aがばね30の弾性付勢力によりアウターケース51Aに対してインレットプラグ5側(図15中、左側)に位置している。この際、シャッターボス47は、第1カム溝37Aにおける第1変位カム部の水平部に位置すると共に、先端部が第3カム溝60における第3変位カム部63の前端部に位置する。
そこで、第2カム溝48Aの第2変位カム部48bが可動ケースボス38に係合しているシャッター41Aは、シャッター前壁43の弾性パッキン49が端子収容筒部23の前面開口25の開口縁25aに当接してハウジング21の前面開口25を覆うシャッター閉鎖位置(図15、参照)となる。
【0069】
そして、可動ケース31Aがばね30の弾性付勢力に抗してアウターケース51Aに対してインレットプラグ5と反対側(図15中、右側)に移動すると、先ず、シャッター41Aのシャッターボス47が第1カム溝37Aにおける第1変位カム部の湾曲部に達する。すると、シャッターボス47は、第3カム溝60の第3変位カム部63と第1カム溝37Aの第1変位カム部とによって狭圧されてコネクタ嵌合方向に沿ってインレットプラグ5側へ変位させられる。そして、第1変位カム部の湾曲部の傾斜に合わせて前方斜め下方に傾斜している第2カム溝48の第2変位カム部48bが、可動ケースボス38に係合(従動)する。そこで、インレットプラグ5側へ変位する変位動作が可動ケース31Aによりサポートされたシャッター41Aは、コネクタ嵌合方向と平行な姿勢が維持された状態(シャッター側壁45,45の延出方向がコネクタ嵌合方向と平行に維持された状態)で第1変位カム部の湾曲部の傾斜に沿って前方斜め下方に変位することができる。
【0070】
更に、可動ケース31Aがアウターケース51Aに対してインレットプラグ5と反対側に移動すると、シャッターボス47が第1カム溝37Aにおける第1変位カム部の前端部に達すると共に、先端部が第3カム溝60における基準部61に達する。そして、第2カム溝48の第2回転カム部48aが可動ケースボス38に係合(従動)することでインレットプラグ5側へ変位する変位動作がサポートされたシャッター41Aは、コネクタ嵌合方向に沿って斜め下方(図15中、左斜め下方)のインレットプラグ5側へ変位させられる。
【0071】
そして更に、可動ケース31Aがアウターケース51Aに対してインレットプラグ5と反対側に移動すると、シャッターボス47が第1カム溝37Aの第1回転カム部37bに達する。すると、第2カム溝48が可動ケースボス38に係合(従動)することでコネクタ嵌合方向に沿って移動する際に回転動作がサポートされたシャッター41は、シャッター前壁43がシャッターボス47を回転中心として下方へ回動されてシャッター開放位置となる。
【0072】
また、可動ケース31がアウターケース51に対してインレットプラグ5と反対側(図15中、右側)に移動することで、シャッターボス47が第3カム溝60の第3変位カム部63に達する。そこで、シャッター開放位置に回動されたシャッター41は、回動先端(自由端)であるシャッター前壁43が、回転中心であるシャッターボス47側(図15中、上側)へ変位させられる。可動ケース31Aがアウターケース51Aに対してインレットプラグ5と反対側に更に移動し、シャッターボス47が第3カム溝60の平行部65に達する。すると、シャッター41Aは、シャッター開放位置に回動された状態でアウターケース51Aの後方に平行移動する。
【0073】
次に、インレット1Aとインレットプラグ5の嵌合動作を説明する。
図16は本発明の第2実施形態に係るインレット1Aとインレットプラグ5の嵌合開始状態を説明する図であり、図17はインレット1Aとインレットプラグ5の嵌合直後状態を説明する図であり、図18及び図19はインレット1Aとインレットプラグ5の嵌合途中状態を説明する図であり、図20はインレット1Aとインレットプラグ5の嵌合完了状態を説明する図である。
【0074】
図16に示すように、インレット1とインレットプラグ5とが嵌合されない状態では、可動ケース31Aがアウターケース51Aに対してインレットプラグ5側(図16中、左側)に位置している。この際、シャッターボス47は、第1カム溝37Aにおける第1変位カム部の水平部に位置すると共に、先端部が第3カム溝60における第3変位カム部63の前端部に位置する。
【0075】
そこで、第2カム溝48Aの第2変位カム部48bが可動ケースボス38に係合しているシャッター41Aは、シャッター前壁43の弾性パッキン49が端子収容筒部23の前面開口25の開口縁25aに当接してハウジング21の前面開口25を覆うシャッター閉鎖位置(図15、参照)となる。
したがって、インレット1Aの接続端子70は、シャッター41Aが閉止して露出されていない。これにより、インレット1Aは、防塵、端子保護及び感電が防止されている。
【0076】
このような状態から、インレットプラグ5のインレット1Aへの挿入嵌合を開始する。先ず、図16の状態から、インレットプラグ5をインレット1A側へ移動させ、プラグハウジング81のアウターケース51A内への挿入嵌合を開始する。
この時、図17の(a),(b)に示すように、インレットプラグ5のプラグハウジング81における先端部の押圧部87が、可動ケース31Aの先端部における当接部39に当接して、当接部39をばね30の弾性付勢力に抗して押圧する。
【0077】
可動ケース31がアウターケース51に対してインレットプラグ5と反対側(図17中、右側)の後方に移動すると、先ず、シャッターボス47が第1カム溝37Aにおける第1変位カム部の湾曲部に達する。すると、シャッターボス47は、第3カム溝60の第3変位カム部63と第1カム溝37Aの第1変位カム部とによって狭圧されてコネクタ嵌合方向に沿ってインレットプラグ5側へ変位させられる。即ち、第1変位カム部は、アウターケース51Aの第3変位カム部63と側面視で交差する方向に延び、シャッター41Aがシャッター閉鎖位置からシャッター開放位置へ回転する直前に第3変位カム部63と協働してシャッターボス47をコネクタ嵌合方向に沿ってインレットプラグ5側へ変位させることができる。
そして、第2カム溝48の第2変位カム部48bが可動ケースボス38に係合(従動)することでインレットプラグ5側へ変位する変位動作がサポートされたシャッター41Aは、コネクタ嵌合方向と平行な姿勢が維持された状態で変位することができる。
【0078】
更に、図18の(a),(b)に示すように、可動ケース31Aがアウターケース51Aに対してインレットプラグ5と反対側に移動すると、シャッターボス47が第1カム溝37Aにおける第1変位カム部の前端部に達すると共に、先端部が第3カム溝60における基準部61に達する。そして、第2カム溝48の第2回転カム部48aが可動ケースボス38に係合(従動)することでインレットプラグ5側へ変位する変位動作がサポートされたシャッター41Aは、コネクタ嵌合方向に沿って斜め下方(図18中、左斜め下方)のインレットプラグ5側へ変位させられる。
【0079】
そして更に、図19の(a),(b)に示すように、可動ケース31Aがアウターケース51Aに対してインレットプラグ5と反対側に移動すると、シャッターボス47が第1カム溝37Aの第1回転カム部37bに達する。すると、第2カム溝48が可動ケースボス38に係合(従動)することでコネクタ嵌合方向に沿って移動する際に回転動作がサポートされたシャッター41は、シャッター前壁43がシャッターボス47を回転中心として下方へ回動されてシャッター開放位置となる。
【0080】
また、可動ケース31Aがアウターケース51Aに対してインレットプラグ5と反対側(図19中、右側)に移動することで、シャッターボス47が第3カム溝60の第3変位カム部63に達する。そこで、シャッター開放位置に回動されたシャッター41Aは、回動先端(自由端)であるシャッター前壁43が、回転中心であるシャッターボス47側(図19中、上側)へ変位させられる。可動ケース31Aがアウターケース51Aに対してインレットプラグ5と反対側に更に移動し、シャッターボス47が第3カム溝60の平行部65に達する。すると、シャッター41Aは、シャッター開放位置に回動された状態でアウターケース51Aの後方に平行移動する。
【0081】
この状態からさらにインレットプラグ5をインレット1の後方へ前進させるように深く挿入すると、図20の(a),(b)に示すように、シャッター41Aはシャッター前壁43がアウターケース51Aの底壁56と平行になるシャッター開放位置まで回動される。そして、シャッターボス47が第3カム溝60の平行部65に達すると、シャッター41Aはシャッター開放位置に回動された状態でアウターケース51Aの後方に平行移動する。
【0082】
そして、インレットプラグ5の接続端子90がインレット1の接続端子70に嵌合されて接続され、これにより高圧ケーブル71と高圧ケーブル91とが電気的に接続される。
したがって、インレット1Aとインレットプラグ5とは、可動ケース31Aの先端部とプラグハウジング81の先端部とを突き合わせることで、互いに嵌合されて電気的に接続される。
【0083】
したがって、上記第1実施形態に係るインレット1の作用効果に加えて、本第2実施形態に係るインレット1Aによれば、シャッター41Aがシャッター閉鎖位置からシャッター開放位置へ回転する直前には、第3変位カム部63と側面視で交差する方向に延びる第1カム溝37Aの第1変位カム部によって、シャッター前壁43がシャッターボス47を介してコネクタ嵌合方向に沿ってインレットプラグ5側へ変位させられる。そこで、シャッター前壁43がシャッター閉鎖位置において前面開口25の開口縁25aに当接した状態で前面開口25を覆うように、シャッター41Aを構成することができる。
【0084】
即ち、シャッター前壁43が前面開口25の開口縁25aに当接した状態からシャッター41Aがシャッター開放位置へ回転する直前には、シャッター前壁43がインレットプラグ5側へ変位させられて前面開口25の開口縁25aから離れる。そこで、シャッター開放位置へ回転するシャッター前壁43が前面開口25の開口縁25aに擦られることはない。
その結果、開口縁25aに当接した状態で前面開口25を覆うシャッター41Aのシャッター前壁43は、ハウジング21の前面開口25への塵埃や水等の浸入を確実に防止することができる。
【0085】
また、本第2実施形態に係るインレット1Aによれば、シャッター閉鎖位置からシャッター開放位置へ回転する直前にコネクタ嵌合方向に沿ってインレットプラグ5側へ変位するシャッター41Aは、可動ケースボス38が第2カム溝48の第2変位カム部48bに係合することによって、変位動作がサポートされる。そこで、コネクタ嵌合方向に沿ってインレットプラグ5側へ変位するシャッター41Aは、コネクタ嵌合方向と平行な姿勢が維持された状態で変位することができ、シャッター前壁43が前面開口25の開口縁25aに対して片当たり(開口縁25aの一部が強く接触)するのを防止できる。
【0086】
また、本第2実施形態に係るインレット1Aによれば、シャッター前壁43に設けられた弾性パッキン49が、前面開口25の開口縁25aに弾性接触することができる。そこで、開口縁25aに当接して前面開口25を覆う弾性パッキン49は、ハウジング21の前面開口25への塵埃や水等の浸入を更に確実に防止することができる。
【0087】
上述した各実施形態のインレット1,1Aによれば、シャッター機構付きコネクタのばね機能を保証するとともに、コンパクトなコネクタを提供できる。
【0088】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0089】
例えば、上記実施形態では、シャッター機構付きコネクタとして電気自動車等に用いられるインレットを例に説明したが、本発明のコネクタはこれに限らず、本発明の趣旨に基づく種々のコネクタに応用することができる。
【0090】
ここで、上述した本発明に係るコネクタの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[8]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 接続端子(70)を収容するハウジング(21)と、
前記ハウジング(21)を収容保持するアウターケース(51,51A)と、
前記アウターケース(51,51A)の両側壁(54,55)にそれぞれ対応する可動ケース側壁(35,35)に第1カム溝(37,37A)が貫通形成され、前記アウターケース(51,51A)内でコネクタ嵌合方向へ移動自在に配置される可動ケース(31,31A)と、
相手コネクタ(インレットプラグ5)が嵌合される前記ハウジング(21)の前面開口(25)を覆うシャッター前壁(43)と、前記シャッター前壁(43)の両端部に設けられたシャッター側壁(45,45)と、前記シャッター側壁(45)の外面に突設されて前記第1カム溝(37,37A)に係合するシャッターボス(47)と、を有するシャッター(41,41A)と、
前記可動ケース(31,31A)を前記相手コネクタ(インレットプラグ5)側へ弾性付勢するばね(30)と、を備え、
前記第1カム溝(37,37)は、前記シャッターボス(47)と係合することで、前記可動ケース(31,31)の移動に連動して前記シャッターボス(47)を中心に前記シャッター(41,41A)を開閉方向へ回転させる、
ことを特徴とするコネクタ(インレット1,1A)。
[2] 前記アウターケース(51,51A)の両側壁(54,55)に設けられ、前記シャッターボス(47)と係合することで、前記可動ケース(31,31A)の移動に連動して前記シャッター(41,41A)を前記アウターケース(51,51A)に対しコネクタ嵌合方向に沿って移動させるための第3カム溝(60)と、
前記可動ケース(31,31A)における前記可動ケース側壁(35,35)の内面に突設された可動ケースボス(38)と、
前記シャッター(41)における前記シャッター側壁(45,45)に形成されて前記可動ケースボス(38)に係合することにより、コネクタ嵌合方向に沿って移動する前記シャッター(41,41A)の回転動作をサポートする第2カム溝(48,48A)と、
を備えることを特徴とする上記[1]に記載のコネクタ(インレット1,1A)。
[3] 前記第3カム溝(60)には、前記シャッター(41,41A)がシャッター閉鎖位置からシャッター開放位置へ回転する間に前記シャッター前壁(43)が前記シャッターボス(47)側へ変位するように、前記第3カム溝(60)に係合した前記シャッターボス(47)を介して前記シャッター(41,41A)を移動させる第3変位カム部(63)が設けられる、
ことを特徴とする上記[2]に記載のコネクタ(インレット1)。
[4] 前記第1カム溝(37A)には、前記第3変位カム部(63)と側面視で交差する方向に延び、前記シャッター(41A)がシャッター閉鎖位置からシャッター開放位置へ回転する直前に前記第3変位カム部(63)と協働して前記シャッターボス(47)を前記コネクタ嵌合方向に沿って前記相手コネクタ(インレットプラグ5)側へ変位させる第1変位カム部(37c)が設けられる、
ことを特徴とする上記[3]に記載のコネクタ(インレット1A)。
[5] 前記第2カム溝(48A)には、前記シャッター(41A)がシャッター閉鎖位置からシャッター開放位置へ回転する直前に前記コネクタ嵌合方向に沿って前記相手コネクタ(インレットプラグ5)側へ変位する前記シャッター(41A)の変位動作をサポートする第2変位カム部(48b)が設けられる、
ことを特徴とする上記[4]に記載のコネクタ(インレット1A)。
[6] 前記シャッター前壁(43)は、前記前面開口(25)の開口縁(25a)に当接する弾性パッキン(49)を含む、
ことを特徴とする上記[4]又は[5]に記載のコネクタ(インレット1A)。
[7] 前記ばね(30)は、前記可動ケース(31,31A)と前記ハウジング(21)の後壁(ばね支持部27)との間に介装される、
ことを特徴とする上記[1]~[6]の何れか一つに記載のコネクタ(インレット1,1A)。
[8] コネクタ嵌合時、前記相手コネクタ(インレットプラグ5)の先端部(押圧部87)に押圧付勢される当接部(39)が、前記可動ケース(31,31A)における前記可動ケース側壁(35,35)と可動ケース上壁(33)との交差部分の前端に設けられる、
ことを特徴とする上記[1]~[7]の何れか一つに記載のコネクタ(インレット1,1A)。
【符号の説明】
【0091】
1…インレット(コネクタ)
5…インレットプラグ(相手コネクタ)
21…ハウジング
25…前面開口
30…ばね
31…可動ケース
35…可動ケース側壁
37…第1カム溝
41…シャッター
43…シャッター前壁
45…シャッター側壁
47…シャッターボス
48…第2カム溝
51…アウターケース
54…側壁
55…側壁
60…第3カム溝
70…接続端子
図1
図2
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