(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】ユーザからの1つ以上の分析物を分析する方法、及びシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20250212BHJP
A61M 16/00 20060101ALI20250212BHJP
A61M 16/06 20060101ALI20250212BHJP
A61B 5/08 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
G16H20/10
A61M16/00 305A
A61M16/06 A
A61B5/08
(21)【出願番号】P 2021558813
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(86)【国際出願番号】 US2020025905
(87)【国際公開番号】W WO2020205830
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-31
(32)【優先日】2019-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521191403
【氏名又は名称】レズメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソーンダーズ、フランシス、エリック
(72)【発明者】
【氏名】ドス サントス、ホセ、リカルド
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/174983(WO,A1)
【文献】特開2013-039374(JP,A)
【文献】特表2009-529673(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0364758(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0140252(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0332951(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
A61B 5/08
A61M 16/00
A61M 16/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムが実行する、薬剤の投与量を調整する方法であって、
ユーザの呼気経路に配置され、前記ユーザの呼気中の分析物を検出するように構成される少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された情報を受信し、
前記情報を処理して、前記呼気中の第1の分析物の濃度及び第2の分析物の不在を判定し、
前記第1の分析物の濃度に少なくとも部分的に基づいて、前記薬剤を前記ユーザに送達するように構成される送達装置の調整を判定すること、を含み、
前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された前記情報は、前記ユーザの前記呼気中の前記分析物を検出する前記少なくとも1つのセンサの複数の個別のセッション中の複数の個別の測定から得るものであり、
ディスプレイ上に表示される1つ以上の視覚的命令を通して、判定された前記調整を実施するために前記送達装置をどのように操作するかを前記ユーザに命令し、
1つ以上の薬物がリストされているユーザに関連付けられた電子医療記録にアクセスすることで、前記ユーザが服用する前記1つ以上の薬物を判定し、
前記第2の分析物及び前記1つ以上の薬物に関連付けられた1つ以上の分析物の不在に基づいて、前記ユーザが摂取した1つ以上の薬物の不一致を判定し、
1つ以上の投薬における不一致の判定に基づいて、遠隔システムへ第1のメッセージを送信し、
前記遠隔システムから前記第1のメッセージの受信確認を受信し、
前記受信確認とともに送信されたキーに少なくとも部分的に基づいて、前記受信確認の信頼性を検証する、方法。
【請求項2】
前記情報と、前記薬剤が送達されている複数の追加ユーザの呼気の分析に基づいて生成されたクラウドソースの情報とを比較することをさらに含み、
前記送達装置の調整を判定することは、前記比較に少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の個別のセッションにわたる前記情報の少なくとも1つの傾向を判定することをさらに含み、
前記送達装置の調整を判定することは、前記少なくとも1つの傾向に少なくとも部分的に基づく、請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記調整は、前記薬剤の投与容量、投与頻度、又はそれらの組み合わせに基づく、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記調整を行うための許可を要求する第2のメッセージを遠隔システムに送信させることをさらに含む、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記遠隔システムは、前記ユーザに関連付けられたヘルスケアプロバイダに関連付けられている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの分析物は、前記薬剤の代謝産物である、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
情報を処理して、呼気中の第3の分析物の濃度を決定し、
前記第1の分析物の濃度及び前記第3の分析物の濃度をそれぞれの閾値と比較し、
前記第1の分析物の存在、前記第3の分析物の存在、及び前記比較に基づいて、薬物間相互作用の可能性について警告を発する、請求項1から請求項
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのセンサは、気道陽圧装置の患者インターフェース上に配置され、前記少なくとも1つの分析物は、前記ユーザの呼吸機能とは関係ない、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記薬剤の投与量の初期調整に対する前記ユーザによる予測される応答を判定し、
前記予測される応答と、前記初期調整に対する1人以上の追加ユーザによる1つ以上の実際の応答とを比較し、
前記予測される応答と、前記1つ以上の実際の応答との前記比較に基づいて、前記遠隔システムへの前記メッセージに含まれた前記薬剤の投与量の前記調整を生成するように前記薬剤の投与量の前記初期調整を修正する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記受信確認と共に送信された前記キーは暗号化され、暗号化された前記キーの復号化に少なくとも部分的に基づいて、前記受信確認が変更されていないことを確認する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
薬剤の投与量を調整するシステムであって、
ユーザの呼気経路に配置され、前記ユーザの呼気中の少なくとも1つの分析物を検出するように構成される少なくとも1つのセンサと、
機械可読命令を含むメモリと、
前記メモリと通信する1つ以上のプロセッサを有し、前記機械可読命令を実行するように構成された制御システムと、を含み、前記制御システムは、前記機械可読命令を実行し
て、
前記少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された情報を受信し、
前記情報を処理して、前記呼気中の第1の分析物の濃度及び第2の分析物の不在を判定し、
前記第1の分析物の濃度に少なくとも部分的に基づいて、前記薬剤を前記ユーザに送達するように構成される送達装置の調整を判定するように構成され、
前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された前記情報は、前記ユーザの前記呼気中の前記少なくとも1つの分析物を検出する前記少なくとも1つのセンサの複数の個別のセッション中の複数の個別の測定から得るものであり、
ディスプレイ上に表示される1つ以上の視覚的命令を通して、判定された前記調整を実施するために前記送達装置をどのように操作するかを前記ユーザに命令し、
1つ以上の薬物がリストされているユーザに関連付けられた電子医療記録にアクセスすることで、前記ユーザが服用する前記1つ以上の薬物を判定し、
前記第2の分析物及び前記1つ以上の薬物に関連付けられた1つ以上の分析物の不在に基づいて、前記ユーザが摂取した1つ以上の薬物の不一致を判定し、
1つ以上の投薬における不一致の判定に基づいて、遠隔システムへ第1のメッセージを送信し、
前記遠隔システムから前記第1のメッセージの受信確認を受信し、
前記受信確認とともに送信されたキーに少なくとも部分的に基づいて、前記受信確認の信頼性を検証する、システム。
【請求項13】
前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して、前記情報と、前記薬剤の送達を受ける複数の追加ユーザの呼気分析に基づいて生成されたクラウドソースの情報とを比較するように構成され、前記送達装置の前記調整は、少なくとも部分的に前記比較に基づく、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して、前記複数の個別のセッションにわたる前記情報の少なくとも1つの傾向をさらに判定し、前記少なくとも1つの傾向に少なくとも部分的に基づいて、前記送達装置の前記調整を判定するように構成される、請求項12及び請求項13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記調整は、前記薬剤の投与容量、投与頻度、又はそれらの組み合わせに基づく、請求項12から請求項14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
遠隔システムと通信するように構成される通信インターフェースをさらに含み、
前記制御システムは、前記機械可読命令を実行し、前記通信インターフェースを通して、前記調整を行うための許可を要求する第2のメッセージを前記遠隔システムにさらに送信させるように構成される、請求項12から請求項15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記遠隔システムは、前記ユーザに関連付けられたヘルスケアプロバイダに関連付けられている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの分析物は、前記薬剤の代謝産物である、請求項12から請求項17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの分析物は、前記ユーザによって代謝された後の前記薬剤である、請求項12から請求項18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つのセンサは、気道陽圧装置の患者インターフェース上に配置され、前記少なくとも1つの分析物は、前記ユーザの呼吸機能とは関係ない、請求項12から請求項19のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、ユーザの呼気を分析することに関する。本技術はまた、少なくとも1つの分析物について、ユーザの呼吸を分析することができる呼吸システム等の関連するシステム及びそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)のユーザ向けの持続的気道陽圧法(CPAP)装置等、呼吸に関連する様々な状態に応じて、様々な形態の呼吸治療及び呼吸治療装置、又はシステムが存在する。陽圧を使用し、吸息中のユーザの気道虚脱を防ぎ、再発性無呼吸又は低呼吸及びその後遺症を防ぐことができる。そのような呼吸治療装置は、治療圧力で呼吸可能なガス(通常は、酸素補給の有無にかかわらず、空気)を供給するように機能することができる。
【0003】
呼吸治療装置は、通常、流れ発生器、エアフィルタ、マスク又はカニューレ、流れ発生器をマスクに接続する送気管、様々な装置センサ、及びコントローラを含んでもよい。流れ発生器は、サーボ制御モータ及びインペラを含んでもよい。装置のセンサは、とりわけ、モータ速度、ガス体積流量、及び出口圧力等を含む、圧力変換器、流量センサ等を有する呼吸治療装置の状態を測定する。コントローラは、統合されたデータ検索/転送の有無にかかわらないデータ記憶容量及び表示機能を含んでもよい。
【0004】
呼吸治療装置による治療を受けているユーザは、モニタリングを必要とする他の生理学的状態又は疾患、及び場合によっては呼吸器治療の根本的な基礎に関連する及び/又は関連しない治療を受けることが多い。
【0005】
様々な分析物を検出する生化学的センサ等のセンサが開発されてきた。多くの疾患のプロセスは、呼気及び発汗等、様々な流体や様々な生理学的プロセスを通して体から排出され得る副産物を生成する。これらの副産物は、呼吸中の揮発性有機化合物(VOC)の形態の分析物、又は呼吸、唾液、発汗、及び同様の体液中の分析物の他の種類であり得る。同様に、ユーザが消費する物質は、体内の同様の分析物に関連付けられている。そのような物質には、例えば、薬物が含まれ得る。
【0006】
本技術によって示されるように、ユーザの呼気中の分析物をモニターする必要がある。さらに又は代わりに、呼吸治療装置、及び一般に、ある時点及びより長期にわたり、ユーザの状態をモニターするための装置及びプロセスの改善の必要性があり得る。さらに又は代わりに、呼吸治療装置、及び一般に、ある時点及びより長期にわたり、ユーザが消費する薬物をモニターするための装置及びプロセスの改善の必要性があり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の例示的な実施形態の様々な態様を、特定の他の例示的な実施形態の態様と組み合わせ、さらなる実施形態を実現してもよい。この技術の他の特徴は、以下の詳細な説明、要約、図面、及び特許請求の範囲に含まれる情報を検討することで明らかになるであろう。
【0008】
本技術の一実施形態は、ユーザの呼気を分析する方法を含む。前記方法は、前記ユーザの呼気経路に配置され、前記ユーザの前記呼気中の少なくとも1つの分析物を検出するように構成される少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された情報を受信することを含む。前記方法は、前記呼気中の前記少なくとも1つの分析物の存在を判定するために、前記情報を処理することをさらに含む。前記方法は、前記少なくとも1つの分析物の存在の前記判定に基づいて、遠隔システムにメッセージを送信することをさらに含む。
【0009】
前記方法の態様は、前記呼気中の前記少なくとも1つの分析物の濃度を判定するために、前記情報を処理することを含むことができる。前記方法の態様は、前記メッセージを送信することが、前記少なくとも1つの分析物の前記濃度が閾値を満たすときに行われることを含むことができる。前記方法の態様は、前記遠隔システムが、第1の応答者に関連付けられており、前記メッセージは、少なくとも前記ユーザの過量服薬可能性を示すことを含むことができる。前記方法の態様は、前記ユーザが禁止物質を消費したことを示す前記少なくとも1つの分析物の存在を含むことができる。前記方法の態様は、法的に禁止され、医学的に禁止され、又は栄養的に禁止される前記禁止物質を含むことができる。前記方法の態様は、前記禁止物質の代謝産物である前記少なくとも1つの分析物を含むことができる。前記方法の態様は、ペルオキシ亜硝酸、揮発性有機化合物、イソプロスタン、又はサイトカインである前記少なくとも1つの分析物を含むことができる。前記方法の態様は、前記遠隔システムから前記メッセージの受信確認を受信することを含むことができる。前記方法の態様は、前記確認とともに送信されたキーに少なくとも部分的に基づいて、前記確認の信頼性を検証することを含むことができる。前記方法の態様は、フレームに取り付けられる前記少なくとも1つのセンサを含むことができ、前記フレームは前記ユーザの前記呼気経路に沿って前記ユーザに接続される。前記方法の態様は、持続的気道陽圧装置のマスクである前記フレームを含むことができる。前記方法の態様は、前記判定された存在を前記ユーザに関連付けられた他のメトリックに相関させることを含むことができる。前記実施形態の態様は、1つ以上のプロセッサ及び機械可読命令が格納されるメモリを含む制御システムを含むことができる。前記制御システムは、前記メモリに結合されることができ、前記メモリ内の前記機械実行可能な命令が前記制御システムの前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つによって実行されるときに、前記方法及び/又は前記態様のいずれか1つを実施することができる。前記実施形態の態様は、ユーザの呼気を分析するシステムを含む。前記システムは、前記方法及び/又は前記態様のいずれか1つを実施するように構成される制御システムを含む。前記実施形態の態様は、コンピュータによって実行されると、前記方法及び/又は前記態様のいずれか1つを前記コンピュータに実行させる命令を有するコンピュータプログラム製品を含む。いくつかの態様によると、前記コンピュータプログラム製品は、非一時的なコンピュータ可読媒体であり得る。
【0010】
本技術の他の実施形態は、薬剤の投与量を調整する方法を含む。前記方法は、ユーザの呼気経路に配置され、前記ユーザの呼気中の少なくとも1つの分析物を検出するように構成される少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された情報を受信することを含む。前記方法は、前記情報を処理して、前記呼気中の前記少なくとも1つの分析物の存在、濃度、又はそれらの組み合わせを判定することをさらに含む。前記方法は、前記少なくとも1つの分析物の存在、濃度、又はそれらの組み合わせに少なくとも部分的に基づいて、前記薬剤を前記ユーザに送達するように構成される送達装置の調整を判定することをさらに含む。前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された前記情報は、前記ユーザの前記呼気中の前記少なくとも1つの分析物を検出する前記少なくとも1つのセンサの複数の個別のセッション中の複数の個別の測定から得るものである。
【0011】
前記方法の態様は、前記情報と、前記薬剤が送達されている複数の追加ユーザの呼気の分析に基づいて生成されたクラウドソースの情報とを比較することを含むことができる。前記送達装置の調整を判定することは、前記比較に少なくとも部分的に基づくことができる。前記方法の態様は、前記複数の個別のセッションにわたる前記情報の少なくとも1つの傾向を判定することを含むことができる。前記送達装置の調整を判定することは、前記少なくとも1つの傾向に少なくとも部分的に基づくことができる。前記方法の態様は、前記薬剤の投与容量、投与頻度、又はそれらの組み合わせに基づく前記調整を含むことができる。前記方法の態様は、前記調整を要求するメッセージを遠隔システムに送信させることを含むことができる。前記方法の態様は、前記ユーザに関連付けられたヘルスケアプロバイダに関連付けられている前記遠隔システムを含むことができる。前記方法の態様は、前記薬剤の代謝産物である前記少なくとも1つの分析物を含むことができる。前記方法の態様は、前記少なくとも1つの分析物が前記ユーザによって代謝された後の前記薬剤であり得る。前記方法の態様は、気道陽圧装置の患者インターフェース上に配置される前記少なくとも1つのセンサを含むことができ、前記少なくとも1つの分析物は、前記ユーザの呼吸機能とは関係ないことを含むことができる。前記方法の態様は、ディスプレイ上に表示される1つ以上の視覚的命令を通して前記送達装置の調整を実施する方式について前記ユーザに指示することを含むことができる。前記実施形態の態様は、1つ以上のプロセッサ及び機械可読命令が格納されるメモリを含む制御システムを含むことができる。前記制御システムは、前記メモリに結合されることができ、前記メモリ内の前記機械実行可能な命令が前記制御システムの前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つによって実行されるときに、前記方法及び/又は前記態様のいずれか1つを実施することができる。前記実施形態の態様は、ユーザの呼気を分析するシステムを含む。前記システムは、前記方法及び/又は前記態様のいずれか1つを実施するように構成される制御システムを含む。前記実施形態の態様は、コンピュータによって実行されると、前記方法及び/又は前記態様のいずれか1つを前記コンピュータに実行させる命令を有するコンピュータプログラム製品を含む。いくつかの態様によると、前記コンピュータプログラム製品は、非一時的なコンピュータ可読媒体であり得る。
【0012】
本技術の他の実施形態は、薬物間相互作用の可能性についてユーザに警告する方法を含む。前記方法は、前記ユーザの呼気経路に配置され、前記ユーザの呼気中の少なくとも2つの分析物を検出するように構成される少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された情報を受信することを含む。前記方法は、前記情報を処理して、前記呼気中の、前記少なくとも2つの分析物のうちの第1の分析物の存在、前記少なくとも2つの分析物のうちの前記第2の分析物の存在、又はそれらの組み合わせを判定することをさらに含む。前記方法は、前記呼気中の前記第1の分析物の存在及び前記第2の分析物の存在の判定をもとに、前記薬物間相互作用の可能性に関する警告を生成することをさらに含む。
【0013】
前記方法の態様は、前記呼気中の前記第1の分析物の存在及び前記第2の分析物の存在の判定をもとに、前記呼気中の前記少なくとも2つの分析物のうちの前記第1の分析物の濃度、前記少なくとも2つの分析物のうちの前記第2の分析物の濃度、又はそれらの組み合わせを判定するために、前記情報を処理することを含むことができる。前記方法の態様は、前記第1の分析物の濃度、前記第2の分析物の濃度、又はそれらの組み合わせと1つ以上の閾値とを比較すること、及び前記比較に基づいて前記薬物間相互作用の可能性についての前記警告を生成することを含むことができる。前記方法の態様は、前記第1の分析物の濃度、前記第2の分析物の濃度、又はそれらの組み合わせが、前記1つ以上の閾値のうちの少なくとも1つの閾値を超えることを示す前記比較をもとに、前記警告を生成することを含むことができる。前記方法の態様は、前記第1の分析物の濃度及び前記第2の分析物の濃度が、前記1つ以上の閾値のうちの少なくとも1つの閾値を超えることを示す前記比較をもとに、前記警告を生成することを含むことができる。前記方法の態様は、前記第1の分析物の濃度及び前記第2の分析物の濃度が、前記1つ以上の閾値のうちのそれぞれの閾値を超えることを示す前記比較をもとに、前記警告を生成することを含むことができる。前記方法の態様は、第1のセンサと、第2のセンサとを含む前記少なくとも1つのセンサを含むことができ、前記第1のセンサは、前記少なくとも2つの分析物のうちの前記第1の分析物を検出するように構成されることができ、前記第2のセンサは、前記少なくとも2つの分析物のうちの前記第2の分析物を検出するように構成されることができる。前記実施形態の態様は、1つ以上のプロセッサ及び機械可読命令が格納されるメモリを含む制御システムを含むことができる。前記制御システムは、前記メモリに結合されることができ、前記メモリ内の前記機械実行可能な命令が前記制御システムの前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つによって実行されるときに、前記方法及び/又は前記態様のいずれか1つを実施することができる。前記実施形態の態様は、ユーザの呼気を分析するシステムを含む。前記システムは、前記方法及び/又は前記態様のいずれか1つを実施するように構成される制御システムを含む。前記実施形態の態様は、コンピュータによって実行されると、前記方法及び/又は前記態様のいずれか1つを前記コンピュータに実行させる命令を有するコンピュータプログラム製品を含む。いくつかの態様によると、前記コンピュータプログラム製品は、非一時的なコンピュータ可読媒体であり得る。
【0014】
本技術の他の実施形態は、ユーザの呼気を分析するシステム及び方法を含む。前記システムは、前記ユーザの呼気経路に配置される少なくとも1つのセンサを含む。前記少なくとも1つのセンサは、前記ユーザの前記呼気中の少なくとも1つの分析物を検出するように構成される。前記システムは、通信インターフェース、メモリ、及び制御システムをさらに含む。前記通信インターフェースは、遠隔システムと通信するように構成される。前記メモリは、機械可読命令を含む。前記制御システムは、前記メモリと通信する1つ以上のプロセッサを有する。前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して、前記少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された情報を受信するように構成され、前記方法は、前記少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された情報を受信するステップを含む。前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して前記情報を処理し、前記呼気中の前記少なくとも1つの分析物の存在を判定するようにさらに構成される。前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して、前記少なくとも1つの分析物の存在の前記判定に基づいて、前記通信インターフェースを通して前記遠隔システムにメッセージを送信するようにさらに構成される。
【0015】
本技術の他の実施形態は、ユーザの呼気を分析するシステム及び方法を含む。前記システムは、前記ユーザの呼気経路に配置される少なくとも1つのセンサを含む。前記少なくとも1つのセンサは、前記ユーザの前記呼気中の少なくとも1つの分析物を検出するように構成される。前記システムは、通信インターフェース、メモリ、及び制御システムをさらに含む。前記通信インターフェースは、遠隔システムと通信するように構成される。前記メモリは、機械可読命令を含む。前記制御システムは、前記メモリと通信する1つ以上のプロセッサを有する。前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して、前記少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された情報を受信するように構成され、前記方法は、前記少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された情報を受信するステップを含む。前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して前記情報を処理し、前記呼気中の前記少なくとも1つの分析物の不在を判定するようにさらに構成される。前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して、前記少なくとも1つの分析物の不在の前記判定に基づいて、前記通信インターフェースを通して前記遠隔システムにメッセージを送信するようにさらに構成される。
【0016】
本技術の他の実施形態は、ユーザの呼気を分析するシステム、装置、及び/又は方法を含む。前記システムは、前記ユーザの呼気経路に沿って配置されたマスクを含む。前記マスクは、呼吸装置に接続される。前記システムは、前記マスクに取り付けられ、前記ユーザの前記呼気経路に配置される少なくとも1つのセンサをさらに含む。前記少なくとも1つのセンサは、前記ユーザの前記呼気中の少なくとも1つの分析物を検出するように構成される。前記システムは、通信インターフェース、メモリ、及び制御システムをさらに含む。前記通信インターフェースは、遠隔システム、前記呼吸装置、又はそれらの組み合わせと通信するように構成される。前記メモリは、機械可読命令を含む。前記制御システムは、前記メモリと通信する1つ以上のプロセッサを有する。前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して、前記少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された情報を受信するように構成され、前記方法は、前記少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された情報を受信するステップを含む。前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して前記情報を処理し、前記ユーザの前記呼気中の、前記少なくとも1つの分析物中の第1の分析物の不在、少なくとも1つの分析物中の第2の分析物の存在、又はそれらの組み合わせを判定するようにさらに構成される。前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して、(i)前記判定された不在、(ii)前記判定された存在、(iii)前記システムの使用確認及び前記判定された不在、前記判定された存在、又はそれらの組み合わせの欠如、又は(iv)それらの組み合わせを示すメッセージを、前記通信インターフェースを通して、前記遠隔システム、前記呼吸装置、又はそれら組み合わせに送信するようにさらに構成される。
【0017】
本技術の他の実施形態は、薬剤の投与量を調整するシステム及び方法を含む。前記システムは、少なくとも1つのセンサ、メモリ、及び制御システムを含む。前記少なくとも1つのセンサは、ユーザの呼気経路に配置され、前記ユーザの呼気中の少なくとも1つの分析物を検出するように構成される。前記メモリは、機械可読命令を含む。前記制御システムは、前記メモリと通信する1つ以上のプロセッサを有する。前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して、前記少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された情報を受信するように構成され、前記方法は、前記少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された情報を受信するステップを含む。前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された前記情報は、前記ユーザの前記呼気中の前記少なくとも1つの分析物を検出する前記少なくとも1つのセンサの複数の個別のセッション中の複数の個別の測定から得るものである。前記制御システムは、前記情報を処理して、前記呼気中の前記少なくとも1つの分析物の存在、濃度、又はそれらの組み合わせを判定するようにさらに構成される。前記制御システムは、前記少なくとも1つの分析物の存在、濃度、又はそれらの組み合わせに少なくとも部分的に基づいて、前記薬剤を前記ユーザに送達するように構成される送達装置の調整を判定するようにさらに構成される。
【0018】
本技術の他の実施形態は、薬剤の投与量を調整するシステム、装置、及び/又は方法を含む。前記システムは、少なくとも1つのセンサ、通信インターフェース、メモリ、及び制御システムを含む。前記少なくとも1つのセンサは、前記ユーザの呼気経路に配置され、一定の期間にわたって前記ユーザの呼気中の少なくとも1つの分析物を検出するように構成される。前記通信インターフェースは、遠隔システムと通信するように構成される。前記メモリは、機械可読命令を含む。前記制御システムは、前記メモリと通信する1つ以上のプロセッサを有し、前記機械可読命令を実行して、前記少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された情報を受信するように構成され、前記方法は、前記少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された情報を受信するステップを含む。前記制御システムは、前記情報を処理して、前記一定の期間の呼気中の前記少なくとも1つの分析物の存在、濃度、又はそれらの組み合わせを判定するようにさらに構成される。前記制御システムは、その存在、濃度、又はそれらの組み合わせにおける1つ以上の傾向を判定するようにさらに構成される。前記制御システムは、前記1つ以上の傾向に少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの前記薬剤の投与量を調整するための要求を通知するメッセージを、前記通信インターフェースを通して前記遠隔システムに送信するようにさらに構成される。
【0019】
本技術の他の実施形態は、ユーザの生理学的情報を取得するシステム、装置、及び/又は方法を含む。前記システムは、少なくとも1つのセンサ、メモリ、及び制御システムを含む。前記少なくとも1つのセンサは、前記ユーザの呼気経路に配置され、複数の個別のセッション中の複数の個別の測定を通して前記ユーザの前記呼気中の少なくとも1つの分析物を検出するように構成される。前記メモリは、機械可読命令を含む。前記制御システムは、前記メモリと通信する1つ以上のプロセッサを有し、前記機械可読命令を実行して、前記少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気における前記少なくとも1つの分析物を検出する前記少なくとも1つのセンサの前記複数の個別のセッション中の前記複数の個別の測定に基づいて生成された情報を受信するように構成され、前記方法は、前記ユーザの前記呼気における前記少なくとも1つの分析物を検出する前記少なくとも1つのセンサの前記複数の個別のセッション中の前記複数の個別の測定に基づいて生成された情報を受信するステップを含む。前記制御システムは、前記情報を処理して、前記複数の個別の測定、前記複数の個別のセッション、又はそれらの組み合わせを通して前記呼気中の前記少なくとも1つの分析物の存在、濃度、又はそれらの組み合わせを判定するようにさらに構成される。前記制御システムは、前記複数の個別の測定、前記複数の個別のセッション、又はそれらの組み合わせを通して、前記少なくとも1つの分析物の存在、濃度、又はそれらの組み合わせと、前記ユーザに関連付けられた1つ以上の生理学的パラメータ、1つ以上の薬理学的パラメータ、又はそれらの組み合わせとの間の1つ以上の関係を判定するようにさらに構成される。
【0020】
本技術の他の実施形態は、薬物間相互作用の可能性についてユーザに警告するシステム、装置、及び/又は方法を含む。前記システムは、前記ユーザの呼気経路に配置される少なくとも1つのセンサを含む。前記少なくとも1つのセンサは、前記ユーザの呼気中の少なくとも2つの分析物を検出するように構成される。前記システムは、機械可読命令を格納するメモリ及び制御システムをさらに含む。前記制御システムは、前記メモリと通信する1つ以上のプロセッサを有する。前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して、前記少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された情報を受信するように構成され、前記方法は、前記少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された情報を受信するステップを含む。前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して前記情報を処理し、前記呼気中の、前記少なくとも2つの分析物のうちの第1の分析物の存在、少なくとも2つの分析物のうちの第2の分析物の存在、又はそれらの組み合わせを判定するようにさらに構成される。前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して、前記呼気中の前記第1の分析物の存在及び前記第2の分析物の存在の判定をもとに、前記薬物間相互作用の可能性についての警告を生成するようにさらに構成される。
【0021】
本技術の他の実施形態は、ユーザが服用する1つ以上の薬物を検証するシステム、装置、及び/又は方法を含む。前記システムは、ユーザの呼気経路に配置される少なくとも1つのセンサを含む。前記少なくとも1つのセンサは、前記ユーザの呼気中の1つ以上の分析物を検出するように構成される。前記システムは、機械可読命令を格納するメモリ及び制御システムを含む。前記制御システムは、前記メモリと通信する1つ以上のプロセッサを有する。前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して、前記少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された情報を受信するように構成される。前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して前記情報を処理し、前記呼気中に存在する前記1つ以上の分析物を判定するようにさらに構成される。前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して、前記ユーザが服用する1つ以上の薬物の不一致を判定するようにさらに構成され、前記判定は、前記呼気中に存在する前記1つ以上の分析物と、前記1つ以上の薬に関連付けられた1つ以上の分析物との間の不一致に基づく。
【0022】
本技術の他の実施形態は、ユーザの投薬レジームを管理するシステム、装置、及び/又は方法を含む。前記システムは、ユーザの呼気経路に配置される少なくとも1つのセンサを含む。前記少なくとも1つのセンサは、前記ユーザの呼気中の少なくとも1つの分析物を検出するように構成される。前記システムは、機械可読命令を格納するメモリ及び制御システムをさらに含む。前記制御システムは、前記メモリと通信する1つ以上のプロセッサを有する。前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して、前記少なくとも1つのセンサから、前記ユーザの前記呼気に基づいて生成された情報を受信するように構成される。前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して前記情報を処理し、前記薬物に関連付けられた分析物の存在を判定するようにさらに構成される。前記制御システムは、前記機械可読命令を実行して、前記分析物の存在に応じて前記ユーザに関連付けられた記録内の前記薬物に関するエントリを生成するようにさらに構成される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係るユーザから放出される1つ以上の分析物に関する情報を判定する例示的なシステムのブロック図である。
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態に係るセンサ及びコントローラを有する例示的な呼吸治療装置である。
【
図3】
図3は、本開示の一実施形態に係る本技術のコントローラの様々な構成要素を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本開示の一実施形態に係るガス送達管の端に取り付けられた生理学的センサを含む呼吸治療マスクの正面図である。
【
図5】
図5は、本開示の一実施形態に係る
図4の呼吸治療マスクの左側面図である。
【
図6】
図6は、本開示の一実施形態に係るマスクのフレームに取り付けられた生理学的センサを含む呼吸治療マスクの正面図である。
【
図7】
図7は、本開示の一実施形態に係る
図6の呼吸治療マスクの左側面図である。
【
図8】
図8は、本開示の一実施形態に係るユーザの呼気を分析し、送達装置の調整を判定するプロセスのフロー図である。
【
図9】
図9は、本開示の一実施形態に係る薬剤の投与量を調整するプロセスのフロー図である。
【
図10】
図10は、本開示の一実施形態に係るユーザの生理学的情報を取得するプロセスのフロー図である。
【
図11】
図11は、本開示の一実施形態に係る薬物間相互作用の可能性についてユーザに警告するプロセスのフロー図である。
【
図12】
図12は、本開示の一実施形態に係るユーザが服用する1つ以上の薬物を検証するプロセスのフロー図である。
【
図13】
図13は、本開示の一実施形態に係るユーザの投薬レジームを管理するプロセスのフロー図である。
【
図14】
図14は、本開示の一実施形態に係るユーザの呼吸を分析するプロセスのフロー図である。
【
図15】
図15は、本開示の一実施形態に係るユーザの呼吸を分析する他のプロセスのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本技術は、ユーザの様々な生理学的特性をモニター及び検出する、及び/又はユーザを治療する及び/又はそれらの生理学的特性に応じて呼吸治療装置等の装置の制御を変更する方法及びシステムに関する。
【0025】
本技術はまた、ユーザが消費する薬物に関連付けられた様々な薬物又は分析物をモニター及び検出する方法及びシステムに関する。
【0026】
本技術は、他の体液中に呼吸ベースの分析物の時系列データをキャプチャーし、一定の期間にわたる存在及び/又は濃度に少なくとも部分的に基づいて、該分析物から有用な洞察を引き出す方法及びシステムを提供する。本技術は、センサと、ユーザの呼吸を捕捉するか又はユーザの呼吸をセンサに案内するメカニズムと、経時的にセンサから生成された情報を分析し、必要に応じて経時的に1つ以上の傾向を判定するメカニズムとを含む。本技術は、この情報から、例えば、体内における疾患又は薬の存在、関心のある特定化合物を体が代謝する速度、関心のある特定の化合物の過量服薬等の潜在的な悪影響に対する予測、治療計画の調整についての見越し(薬の投与量又は医療装置メカニズム作用の強度等)に関して有用に洞察する判断を可能にする。本技術はまた、ユーザの状態又は危険性を関係者に通知又は警告する自動通信、及び改善された集団健康管理についての集団レベルのデータを集める方式を提供することができる。
【0027】
時系列データについて、このようなデータ収集は、不定期の無作為抽出検査からは収集できない貴重な洞察を提供する。本技術のセンサの配置は、特にユーザが顔又は口にすでに医療機器を使用している場合、ユーザが貴重なバイオメトリックデータ及び健康情報を収集するのに邪魔にならない方式を提供する。
【0028】
1つ以上の実施において、本技術は、特定の化合物についてのユーザの代謝率を測定し、新しいユーザと、以前にシステムを使用したことがある同様の特性を有する他のユーザとの間の類似性に基づいて、特定の化合物についてのこのユーザの代謝率を予測し、収集された情報に基づいて、治療又は娯楽目的のいずれかのために、薬物等の化合物の投与量又は送達速度を調整する能力を提供する。本技術は、単純な回帰分析から複雑な機械学習等の1つ以上のアルゴリズムを使用して、個人及び/又は母集団全体の洞察を判断することができる。実際に、本技術は、単純な回帰分析から複雑な機械学習等の1つ以上のアルゴリズムを使用して、開示された方法及びプロセスのいずれかを実行することができる。
【0029】
1つ以上の実施において、本技術は、ユーザが服用した2つ以上の薬物間の相互作用を検出する能力を提供する。本技術は、ユーザの呼吸中に2つ以上の分析物を検出することができる。分析物は、ユーザが副作用を引き起こす可能性のある2つ以上の薬物を消費した可能性を示している。本技術は、ユーザが治療を求めることができるように、そのような薬物の消費についてユーザに警告することができる。
【0030】
1つ以上の実施において、本技術は、ユーザが服用する薬物を検証する能力を提供する。本技術は、ユーザの呼吸中の1つ以上の分析物を分析するために、経時的に単一サンプリング又は複数のサンプリングのいずれかを提供する。この分析に基づいて、本技術は、ユーザが薬物を服用しているか、又は薬物を服用していたかを検証することができる。
【0031】
1つ以上の実施において、本技術は、ユーザの薬物服用を補助するために、ユーザをさらに支援することができる。例えば、1つ以上に薬物服用をリマインダし、ユーザが薬物を服用したかを1回以上検証し、薬物及び/又は投与量に関する情報等の形態で支援することができる。
【0032】
1つ以上の実施において、本技術は、少なくとも部分的に、呼吸治療装置を使用する。そのような装置は、一般に、管類及びいくつかの種類のユーザインターフェースを通してユーザと流体連通する。ユーザインターフェースとしては、当業者に知られたものがあり、鼻マスク、鼻及び口マスク、フルフェイスマスク、鼻ピロー及び鼻カニューレが含まれるが、これらに限定されない。1つ以上の実施において、ユーザインターフェースは、それと結合さる送達導管を含むことができる。ユーザインターフェースは、ユーザの口及び/又はユーザの鼻孔を通して、ユーザの呼吸システムから気流を受けることができる。1つ以上の実施において、呼吸治療装置は、意図的な漏れを提供する通気口を含むことができる。
【0033】
空気は、ガス送達管又は導管を通して、ユーザと呼吸治療装置との間で交換される。一般に、ガス送達管又は導管は、一端で呼吸治療装置に取り付けられ、他端でユーザインターフェースに取り付けられる。
【0034】
本技術はまた、呼吸、唾液、発汗等ユーザからの流体中の1つ以上の分析物を検出する1つ以上のセンサを採用する。センサは、様々な生理学的信号の生成に適合させることができる。このような信号は、ユーザの呼吸又は発汗に起因し得るユーザの分析物を表すことができる。様々な信号の分析及び信号に含まれた情報に基づくさらなる処理のため、呼吸治療装置のプロセッサ等の1つ以上のプロセッサによって信号を処理することができる。
【0035】
異なる実施形態において、異なるセンサを採用することができる。例えば、呼吸中の亜酸化窒素のレベル上昇の検出は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又は喘息を示す可能性がある。従って、いくつかの実施形態は、亜酸化窒素センサを採用することができる。いくつかの実施形態において、二酸化炭素(CO2)の検出は、代謝性又は呼吸性アルカローシス及びアシドーシスを示す可能性がある。呼吸中のCO2レベルの上昇は、糖尿病及び腎不全を示す可能性もある。従って、いくつかの実施形態は、CO2センサを採用することができる。低pHは、喘息やアシドーシスを含む様々な疾患を示す可能性がある。従って、いくつかの実施形態において、ユーザの呼吸の凝縮物中のpHレベルを検出するために、pHセンサを実装することができる。同様に、過酸化物のレベルの増加又は存在の検出は、COPD及び喘息があるユーザの炎症を検出するのに適切であることができる。従って、いくつかの実施形態において、過酸化物センサを実装することができる。例えば、カールライネル社のECoCheckセンサを実装することができる。同様に、乳酸のレベルの上昇又は存在の検出は、様々な代謝状態に適切であることができる。従って、いくつかの実施形態において、乳酸センサを実装してもよい。いくつかの実施形態において、ケトン体を検出する化学センサを利用してもよい。さらに他の実施形態において、センサの少なくとも1つを実装し、呼吸中のアセトンレベルを検出及び評価してもよい。アセトンレベルは、糖尿病性ケトアシドーシス等の代謝状態の検出に有用であり得る。
【0036】
COPDユーザの呼気凝縮物は酸性化する可能性があり、酸性呼吸状態として知られている。唾液の酸及び塩基は、COPDや喘息等の他の肺炎症性疾患の評価にもることができる有用であり得る。唾液中のNH4
+及び酢酸塩等の酸性揮発性物質の存在は、COPD又は肺系の他の炎症状態を示す可能性がある。K+及びCa2+等の不揮発性陽イオンの存在も有用な診断ツールであると証明されることがある。同様に、唾液中の他の酸及び塩基の存在は、GERD等の非肺関連疾患を示す可能性がある。本明細書に記載の技術は、唾液中の他の分析物の他に、様々な唾液の酸及び塩基を検出及び分析する装置及びセンサを提供する。
【0037】
1つ以上の分析物は、様々な生理学的状態に関連付けられた様々な分析物であり得る。本技術の一形態によると、ユーザの呼気中に分析物として1つ以上のケトンが存在することは、ユーザに糖尿病及び/又は代謝性消化が存在することを検出するのに使用できる。本技術の一形態によると、ユーザの呼気中に分析物としてアセトンが存在することは、ユーザに糖尿病及び/又は代謝性消化が存在することを検出するのに使用できる。本技術の一形態によると、ユーザの呼気中に分析物としてグルコースが存在することは、ユーザに糖尿病が存在することを検出するのに使用できる。本技術の一形態によると、ユーザの呼気中に分析物としてインスリンが存在することは、ユーザに糖尿病が存在することを検出するのに使用できる。本技術の一形態によると、ユーザの呼気中に分析物として1つ以上のロイコトリエンB4、インターロイキン6、及びH2O2が存在することは、ユーザに1つ以上の酸化ストレス、喘息、糖尿病、COPDが存在することを検出するのに使用できる。本技術の一形態によると、ユーザの呼気中に分析物として高感度C反応性タンパク質(hs-CRP)が存在することは、ユーザに心臓自律神経制御が存在することを検出するのに使用できる。本技術の一形態によると、ユーザの呼気中のpHは、ユーザに喘息又は気管支炎が存在することを検出するのに使用できる。本技術の一形態によると、ユーザの呼気中の伝導率は、ユーザに喘息又は気管支炎が存在することを検出するのに使用できる。
【0038】
1つ以上の実施において、分析物は、薬物等ユーザが消費した物質、又はユーザが消費した物質の代謝産物であり得る。例えば、分析物は、ユーザがアルコール飲料を飲むことに応じて生成されるエタノールであり得る。或いは、分析物は、疾患や他の医学的状態、又は疾患や医学的状態の潜在的な発症を示す、呼吸中に存在する化合物又は元素であり得る。例えば、分析物は喘息を示す可能性のある一酸化窒素(NO)であり得る。上記のように、例示的な分析物は、NO、二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)等の有機及び無機ガス、及び/又はアセトン、ホルムアルデヒド、ケトン等の揮発性有機化合物(VOC)、及び/又はサイトカイン、イソプロスタン、ペルオキシ亜硝酸等の他の不揮発性化合物を含むことができる。
【0039】
特定の分析物は、リアルタイムで検出され、システムによって処理されるのに十分な量である場合がある。一方、いくつかの分析物(例えば、免疫学的マーカーやpH)は、微量でしか現れない場合がある。例えば、微量で検出可能な分析物は、一定の期間にわたって収集されてもよい。収集期間が完了すると、本明細書に記載の呼吸治療装置によって制御されるセンサを使用して分析を行ってもよい。必要に応じて、一定の収集期間は、治療装置の使用量(例えば、治療装置の稼働時間)に関連付けられてもよい。必要に応じて、一定の収集期間は、ユーザがコレクタに行った呼吸数に対応してもよい。場合によっては、センサの活性化はユーザの呼吸に合わせられてもよい。例えば、センサは、ユーザ有効期限中にのみ検知するようにトリガーされてもよい。
【0040】
本技術のセンサは、AND社(Applied Nanodetectors Ltd.)によって開発されたもの等、様々な種類のナノ検出器、特に赤外線分光検出器であり得る。場合によっては、そのようなセンサは、必要に応じて金属酸化物又は「MOx」受容体を採用してもよい。他の種類のセンサには、アセトン等の分析物を検知するのに有用な分光分析又は光分析を使用するものを含んでもよい。本技術の実施形態において、分光学的検出は、外部の発光源と組み合わせて使用されてもよい。
【0041】
1つ以上の実施形態において、本技術を実施して、単一測定のための分析物を検出することができる。或いは、又はさらに、本技術を実施して、長期にわたる複数の測定のための分析物を検出することができる。例えば、1つ以上の実施において、センサは、ユーザの呼気中の少なくとも1つの分析物を検出するセンサの複数の個別のセッション中の複数の個別の測定のためのユーザの呼気に基づいて情報を生成することができる。
【0042】
本技術において、検知は、呼吸治療装置のコントローラ等の1つ以上のプロセッサ、コンピュータ装置内の1つ以上のプロセッサ、及び/又はバックエンドサーバ内又はクラウドコンピューティングアーキテクチャの1つ以上のプロセッサによって実施されて分析されてもよい。本明細書に開示されるプロセッサは、1つ以上のセンサの信号から得られた情報と1つ以上の閾値とを比較することができる。検出のための好適な閾値は、比較が、センサの検出機能に関連付けられた様々な疾患状態又は疾患状態の変化を示し得るように、経験的に判定されてもよい。
【0043】
分析物の存在及び/又は濃度、又はその傾向の検出に基づいて、1つ以上の閾値を満たすことは、以下の説明に示すように、1つ以上の作用が起こり得る。1つ以上の実施において、メッセージをディスプレイ上に生成したり、リマインダをカレンダに追加したり、音声又は視覚情報をユーザに表示したり、音声アラームを通して検出された薬物間相互作用又は過量服薬等に応じた医療的な支援を求める勧告を促したりすることができる。いくつかの実施において、有線又は無線通信によってユーザのヘルスケアプロバイダに情報を送信してもよい。いくつかの実施において、検出された状態又は事件の性質に応じて、呼吸治療装置は、自動緊急通報(例えば、119番通報)を生成又は促してもよく、電話でより迅速な支援を要請するために、名前、住所、検出された状態又は検出された潜在的な相互作用や過量服薬等の情報等の自動音声メッセージを再生してもよい。
【0044】
図1は、ユーザ101からの1つ以上の分析物を分析し、それに応じて動作を行う例示的なシステム100のブロック図であり、本技術の一実施形態を示す。それに応じて行われる動作は様々である。1つ以上の実施形態において、動作は、例えば、ユーザ101に投与される薬剤の投与量を調整すること、薬物間相互作用の可能性についてユーザ101に警告すること、ユーザ101が服用する1つ以上の薬物を検証すること、ユーザ101の投薬レジームを管理すること、又は、本開示に記載されている他の方法や対応のいずれかを含むことができる。
【0045】
図1のシステム100は、ユーザインターフェース106を通して呼吸治療装置102に接続されるユーザ101を含む。ユーザインターフェース106は、ユーザの呼吸等、ユーザ101から放出される1つ以上の分析物の検出に基づいて情報を生成することができる上記のセンサ108aを含むことができる。従って、1つ以上の実施において、センサ108a及びユーザインターフェース106は、ユーザ101の呼気経路に配置されるように構成される。或いは、ユーザ101の呼吸中の分析物を検出するように構成された上記の任意のセンサ等のセンサ108bは、呼吸治療装置102に取り付けられ、及び/又はその中に組み込まれることができる。示されるように、センサ108(便宜上、センサ108a及び108bの一方又は両方を指す)は、呼吸治療装置102と電子通信することができる。
【0046】
2つのセンサ108a及び108bのみが
図1に示されているが、システム100の1つ以上の実施には、2つ以上のセンサ108a及び108bが含まれ得る。そのような実施形態又は
図1に示される場合において、各センサ108を、異なる特定の分析物に対して構成することができ、又は各センサ108を、1つ以上の同じ分析物に対して構成することができる。1つ以上の実施において、同じ分析物に対して複数のセンサ108を有することは冗長性を生み出し、これはシステム100の精度を改善することができる。
【0047】
1つ以上の実施において、分析物は、消費した物質又は生理学的状態の直接的な指標であり得る。或いは、又はさらに、分析物は、消費した物質又は生理学的状態の間接的な指標であり得る。例えば、上記のように、分析物は、ユーザが服用した薬物の代謝産物等、消費した物質の代謝産物であり得る。1つ以上の実施において、分析物は、関心のある物質に相関されることができるが、必ずしも消費した物質の代謝産物である必要はない。例えば、消費した物質は、連鎖反応を引き起こしてもよく、分析物は、それ自体が直接代謝産物ではないが、連鎖反応による1つの結果であってもよい。この一例では、呼気中に存在する二酸化炭素の量を測定する分析物として水素ガスを使用しているが、その理由は、水素ガスが二酸化炭素の代謝産物ではないが、2つのガスの間に相関関係があるためである。より具体的には、二酸化炭素センサの価格がより高い可能性がある。高精度を必要としない用途では、ヒトの呼吸中の2つのガス間に相関関係があることから、二酸化炭素の代わりに水素を測定することができる。
【0048】
再現可能であり且つ汚染されていない呼気サンプルを収集することは簡単ではなく、周囲の空気の状態、ユーザの行動や呼吸パターン、及びサンプリングシステムの材料との相互作用の影響を受けることができる。1つ以上の実施において、システム100は、環境センサ104を含むことができる。環境センサ104は、センサ108と同一であり得る。しかしながら、環境センサ104は、ユーザ101の呼気経路に配置されておらず、従って、ユーザ101の呼気に基づいて情報を生成しない。代わりに、環境センサ104は、周囲空気組成を測定し、周囲情報を生成するように構成される。次に、呼吸治療装置102は、周囲情報を処理して、呼気の測定に、周囲空気からのいずれの汚染もなく、ユーザ101からの影響のみを反映することを確実にすることができる。
【0049】
ユーザインターフェース106は、例えば、鼻ピロー、鼻マスク、フルフェイスマスク等であると本明細書にわたって説明されているが、1つ以上の実施形態において、ユーザインターフェース106は、ユーザインターフェース106のフレーム又はユーザ101の呼気経路の近くに位置する他の装置等、呼気経路中にセンサ108を配置させる任意の他の構造であり得る。
【0050】
1つ以上の実施において、センサ108は、例えば、ユーザ101の鼻及び/又は口の近く又はその中に配置することよって、ユーザ101の呼気経路に直接配置されることが可能である。例えば、センサ108は、鼻マスク又はフルフェイスマスク等、顔面に装着されたユーザインターフェース106のフレームに取り付けることができる。或いは、ユーザインターフェース106は、センサ108が口の中に配置された、マウスガード等の口装着式装置であってもよい。或いは、センサ108は、口から抜け出る小さな穴又は管等、マウスガードによって作成された呼気経路内に位置してもよい。1つ以上の実施形態において、センサ108が、例えば、ユーザの鼻の呼気経路に配置されるように、センサ108をマウスガードから延びるリブ上に配置することができる。
【0051】
或いは、1つ以上の実施において、例えば、センサ108をユーザの鼻及び口から離れて配置するが、ユーザの呼気をセンサ108に案内することによって、センサ108を間接的にユーザの呼気経路に配置することができる。そのような実施において、ユーザインターフェース106は、ユーザの呼吸をセンサ108に案内する1つ以上の特徴を有することができる。例えば、ユーザインターフェース106は、排気口を設けるための一方向弁等の好ましい呼気経路を備え、排気口に接続された管がセンサ108に導かれるマスク又は鼻ピロー等の呼吸捕捉装置であり得る。
【0052】
呼吸治療装置102は、センサ108によって生成された情報の処理を行うものとして本明細書にわたって説明されているが、1つ以上の実施形態において、センサ108によって生成された情報の処理は、代わりに、ユーザ101に関連付けられ、呼吸治療装置102とは別のユーザコンピュータ装置122によって行われることができる。ユーザコンピュータ装置122は、センサ108からの情報を処理し、以下で説明するネットワーク112を通して遠隔システム110と通信するように構成される。ユーザコンピュータ装置122は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレットコンピュータ、又はローカルメモリ若しくは遠隔メモリに格納された機械可読命令を実行できる1つ以上のプロセッサを有する装置等の様々な他のスマートユーザコンピュータ装置であってもよい。
【0053】
ユーザコンピュータ装置122は、少なくともメモリ114、1つ以上のプロセッサ116、及び通信インターフェース118を備える。メモリ114は、本明細書に開示される1つ以上の演算を引き起こすための機械可読命令を記憶する。メモリ114は、例えば、動的メモリ(例えば、RAM、磁気ディスク等)及び/又は静的メモリ(例えば、ROM、CD-ROM等)であり得る。
【0054】
1つ以上のプロセッサ116は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、或いは、ソフトウェア及び/又はファームウェア及び/又はハードウェアの組み合わせを通して実装することができる。例えば、本明細書に記載のプロセスは、プロセッサ、デジタル信号処理(DSP)チップ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等を通して有利に実装することができる。説明された機能を行うこのような例示的なハードウェアを、以下に詳述する。1つ以上のプロセッサ116は、センサ108からの情報の分析、及び分析に応じて遠隔システム(例えば、遠隔システム110)に送信されるメッセージの生成等の1つ以上の動作実行に関連付けられた機械可読命令によって特定される情報に対して演算セットを行う。機械可読命令は、特定の機能を実行する1つ以上のプロセッサ116及び/又はユーザコンピュータ装置122の操作のための命令を提供する命令又はステートメントセットである。命令は、例えば、1つ以上のプロセッサ116のネイティブ命令セットにコンパイルされるコンピュータプログラミング言語で書かれてもよい。コードは、ネイティブ命令セット(機械語等)を使用して直接書かれてもよい。演算セットには、通常、2つ以上の情報単位の比較、情報単位の位置のシフト、及び加算や乗算、又はOR、排他的論理和(XOR)、AND等の論理演算等、2つ以上の情報単位の組み合わせが含まれる。
【0055】
1つ以上の実施において、1つ以上のプロセッサ116は、ユーザコンピュータ装置122の一部として説明されているが、クラウドベースコンピューティングアレンジメント等でセンサ108及びユーザ101から離れて位置することができる。この場合、呼気に基づいて情報を生成するために、センサ108をユーザ101とともに位置させることができる。
【0056】
ユーザコンピュータ装置122は、ネットワーク112を介し、通信インターフェース118を通して遠隔システム110と通信する。通信インターフェース118は、ユーザコンピュータ装置122に対する双方向データ通信結合を提供する。例えば、通信インターフェース118は、ネットワーク112との有線又は無線通信のために構成されてもよい。ネットワーク112は、セルラーネットワーク、WiFiネットワーク、ブルートゥース(登録商標)ネットワーク、広域ネットワーク(WAN)、インターネット、又はいずれの他の通信ネットワーク等のいずれの標準ネットワークであり得る。単一の通信インターフェース118は、
図1に示されているが、複数の通信インターフェースを採用することもできる。ユーザコンピュータ装置122は、通信インターフェース118を通してネットワーク112との間で情報を送信することができる。インターネットの例において、サーバ(例示の便宜のために図示せず)は、通信インターフェース118を通して、本発明の実施形態を実施するためのアプリケーションプログラムに属する要請されたコードを送信してもよい。
【0057】
上記のように、1つ以上の実施において、センサ108は、ローカルネットワークプロトコル(例えば、ブルートゥース(登録商標))等のローカル(有線又は無線)通信プロトコルの形態等の通信インターフェース118を通してユーザコンピュータ装置122と通信する。1つ以上の別の実施形態において、センサ108は、センサ108の高度化に応じて、ネットワーク112を介してユーザコンピュータ装置122と通信することができる。例えば、センサ108は、ユーザコンピュータ装置122と通信するためにネットワーク112に接続可能になることで、WiFi対応にすることができる。
【0058】
遠隔システム110は、1つ以上の第三者によって操作される遠隔コンピューティングシステムであり得る。1つ以上の実施において、第三者は、第1の応答者、ユーザ101に関連付けられたヘルスケアプロバイダ、ユーザ101に関連付けられた栄養士、任意の保護者、管理人、又はユーザ101に関連付けられた権限のある人物(例えば、親、成人した子供、保護司、警察等)、ユーザ101に関連付けられた薬剤師等であり得る。遠隔システム110は、以下でさらに説明するように、ユーザコンピュータ装置122からメッセージを受信するように構成され、該メッセージを格納し、及び/又はメッセージをユーザコンピュータ装置122に送り返すように構成される。1つ以上の実施において、遠隔システム110は、1つ以上のプロセッサ、メモリ、及び以下の操作を実行するためのユーザコンピュータ装置122と同様の通信インターフェースを有することができる。
【0059】
図1には遠隔システム110が1つだけ示されているが、システム100は、複数の遠隔システム110を有してもよい。例えば、ユーザ101に関連付けられた様々な第三者のそれぞれに関連付けられた遠隔システム110が存在してもよい。
【0060】
いくつかの実施において、遠隔システム110は、例えば、遠隔システム110と通信している、又はそれに含まれている1つ以上のプロセッサを使用することで、メッセージ内に含まれる情報の後処理を実行してもよい。このような後処理の一例は、メッセージの受信確認を送信することである。後処理は、ユーザコンピュータ装置122との通信を認証するための様々な操作をさらに含むことができる。
【0061】
システム100は、他のそれぞれのユーザ(図示せず)に関連付けられた他のデバイス(図示せず)を含んでもよく、これらの他のそれぞれのユーザは、それぞれのユーザコンピュータ装置(図示せず)に関連付けられている。
【0062】
図2は、呼吸治療装置102の例を示す。呼吸治療装置102は、コントローラ208及び流れ発生器210を含む。呼吸治療装置102は、ユーザインターフェース106と流体連通している管204に接続されている。ユーザインターフェース106は、呼吸治療装置102と電子通信しているセンサ108を含む。
【0063】
1つ以上の実施において、呼吸治療装置102又はユーザインターフェース106は、薬剤をユーザに送達する薬物送達装置214を含んでもよい。例えば、薬物送達装置214は、エアロゾル化された送達システムであり得る。薬物送達装置214は、特定薬物等のユーザに特定された薬剤で予め充填されてもよい。呼吸治療装置102は、1つ以上の特定信号に基づいて薬剤の送達を制御してもよい。例えば、コントローラ208から信号を受信すると、薬剤は、薬物送達装置214によって管204に放出されてもよく、次いで、ユーザインターフェース106内でユーザ101(
図1)に移動する。従って、薬剤は、呼吸の吸気相の間に、ユーザ101へ投与される気流中に放出されることができる。
【0064】
図3は、本技術に好適なコントローラ208の例示的なシステムアーキテクチャをブロック図の形態で示している。この図において、コントローラ208は、呼吸治療装置102の他に、生理学的信号に対する1つ以上のプロセッサ302を含んでもよい。或いは、コントローラ208は、1つ以上のプロセッサ302を含んでもよく、それぞれのプロセッサ302は、様々な種類のデータを処理するために、又はコントローラ208全体の計算能力を高めるために用いられる。コントローラ208はまた、イベント検出レポート(例えば、呼吸数、心拍変動、分析物プロファイル等)、モニター又はLCDパネル等の結果若しくはグラフ、又は薬物情報若しくは投薬指示等の他の情報を出力するディスプレイ304を含んでもよい。1つ以上の実施において、ディスプレイ304は、1つ以上の警告灯(例えば、1つ以上の発光ダイオード)又は液晶ディスプレイ(LCD)等の表示画面を含むことができる。1つ以上の実施において、ディスプレイ304は、生理学的信号から導出された情報を表示するように制御することができる。
【0065】
キーボード、タッチパネル、制御ボタン、マウス等、ユーザ制御/入力インターフェース306はまた、本明細書に記載の制御方法論を活用又は変更するために提供されてもよい。コントローラ208はまた、プログラミング命令、圧力及び流量信号、顔面生理学的信号、呼吸収集関連信号、呼吸化学信号、心臓信号等のデータを送受信するためのバス等のセンサ又はデータインターフェース308を含んでもよい。コントローラ208はまた、通常、本明細書で論じられる方法論の制御命令を含むメモリ/データ記憶構成要素を含んでもよい。これらは、流れ及び/又は圧力信号処理(例えば、前処理方法、フィルタ等)のためのプロセッサ制御命令310を含んでもよい。これらはまた、信号検出(例えば、亜酸化窒素、CO2、アセトン、pH、病原体等)に基づく治療制御及び/又はモニターのためのプロセッサ制御命令312を含んでもよい。最後に、コントローラ208はまた、生理学的信号、履歴ルックアップデータ、臨界閾値、「危険ゾーン」を判定するための区域マップ等、これらの方法論のために記憶されたデータ314を含むことができる。
【0066】
いくつかの実施形態において、上記の方法論を制御するこれらのプロセッサ制御命令及びデータは、汎用コンピュータで使用されるソフトウェアとしてコンピュータ可読記憶媒体に含まれることで、汎用コンピュータ内でソフトウェアをロードして実行すると、本明細書で論じられる方法論のいずれかに従って、汎用コンピュータが特定目的のコンピュータとして機能してもよい。
【0067】
生理学的信号検出技術をいくつかの実施形態で説明してきたが、これらの実施形態は、単に技術の例示であることを理解されたい。この説明の精神及び範囲内で、さらなる修正が考案されてもよい。例えば、組み込まれた装置が本技術によって企図されているが、本明細書に記載の装置の構成要素の方法論は、システムにおける複数の構成要素にわたって共有されてもよい。例えば、コントローラは、単にユーザの信号を測定し、それらの信号を表すデータを他の処理システムに転送してもよい。次に、遠隔システム110等の第2の処理システムは、データを分析して、信号又は関連付けられたデータ及びそれからのメトリックを判定してもよい。次に、第2の処理システムは、本明細書に記載のデータを評価し、本明細書に記載の、例えば電子形式の1つ以上のメッセージを、ディスプレイ304上に表示するためのユーザモニター装置に送り返すこと等によって、本明細書に記載の警告メッセージを生成して、ユーザに警告するか、又は本明細書に記載の他の機能を実行する。他の変更は、本技術の精神及び範囲を逸脱しない範囲で行われることができる。
【0068】
図4及び
図5は、ユーザインターフェース106内に装着されたセンサ108の例を示す。センサ108は、ユーザの口の近くに配置されて、ユーザインターフェース106内からユーザの呼気を直接受けてもよい。この実施形態において、センサ108は、呼吸治療装置102に取り付けられるガス送達管又は管204の一側に装着される。
【0069】
1つ以上の実施形態において、センサ108はまた、ユーザインターフェース106からの唾液のサンプルを評価するように構成されてもよい。これらの唾液サンプルは、揮発性及び不揮発性の分析物の有無について分析してもよく、これには、NH4
+、酢酸塩、K+、及びCa2+、又は開示されたいずれの他の薬剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0070】
図6及び
図7は、センサ108がユーザインターフェース106のフレーム602に含まれる本技術のさらなる例を示す。
図4及び
図5に示される装置とは異なり、この例のセンサ108は、ガス送達管又は管204に接続されることなく、ユーザインターフェース106のフレーム602内に含まれる。
【0071】
本技術は、生理学的センサから呼吸治療装置に電子信号を送信するように様々な方式で構成されてもよい。本技術で利用されるセンサは、情報収集に関する信号又はデータを送信する発信電子回路(例えば、
図1の回路)を有してもよい。発信回路は、管204で構成されてもよい。データ送信用ワイヤに依存する発信電子回路の構成は、本明細書では「有線ソリューション」と呼ばれる。
【0072】
しかしながら、いくつかの実施形態において、センサ自体は、無線通信によって信号をコントローラ又は信号検出プロセッサに送信する構成要素で実装されてもよい。例えば、コントローラ208(
図2)の信号インターフェースは、センサ108と統合された1つ以上の送信機又はトランシーバと無線で通信する受信機又はトランシーバを含んでもよい。そのような場合、信号を表すデータは、例えば、ブルートゥース(登録商標)等のいずれの好適な無線プロトコルによってデジタルで送信することができる。必要に応じて、センサのセット又はアレイは、複数のセンサのデータをコントローラに送信する共通の送信機又はトランシーバを共有してもよい。本技術におけるデータ送信へのこのアプローチは、本明細書では「無線ソリューション」と呼ばれる。
【0073】
図8は、ユーザ101の呼気を分析し、薬物送達装置214の調整を判定するプロセス800の例を示す。プロセス800は、
図1のシステム100の要素のうちの1つ以上を実装することによって実行することができる。
【0074】
最初に(802)、ユーザ101の呼気経路に配置され、ユーザ101の呼気中の少なくとも1つの分析物を検出するように構成されたセンサ108(又は少なくとも1つのセンサ)は、呼気に関する情報を生成する。情報は、呼吸中の分析物の有無、分析物の濃度、又はそれらの組み合わせを示すことができる。センサ108は、継続的、定期的、又は要求に応じて情報を生成することができる。例えば、センサ108は、複数の連続呼吸のうちの各呼吸中に複数回、又は複数の連続呼吸のうちの各呼吸に対して1回で情報を生成することができる。或いは、センサ108は、1分ごと、1時間ごと、1晩等、定期的に情報を生成することができる。或いは、センサは、(例えば、ユーザ又は遠隔システム等から)要請を受信すると情報を生成することができる。要請は、呼吸ごとに、特定の呼吸回数等、呼気に基づいて、情報を生成する回数及び時間を示すことができる。
【0075】
センサは、ユーザの呼気中の少なくとも1つの分析物を検出する少なくとも1つのセンサの複数の個別のセッション中の複数の個別の測定のためのユーザの呼気に基づいて情報を生成することにより、時系列データを生成する。従って、情報は、1回の個別の測定だけでなく、一定の期間にわたってセンサから生成される。以下でさらに説明するように、システム100は、時系列データにより、薬物送達装置214の調整を判定する等、1つ以上のサンプリングポイントに依存する様々な動作を実行することができる。
【0076】
上記のように、センサ108は、フレームに取り付けることができ、フレームは、ユーザ101の呼気経路に沿ってセンサ108を配置するように、ユーザ101に接続されることができる。センサ108は、呼吸治療装置102のユーザインターフェース106に取り付けられることができるが、1つ以上の実施において、少なくとも1つの分析物は、ユーザの呼吸機能とは関係ない可能性がある。代わりに、少なくとも1つの分析物は、本明細書で論じられる生理学的機能及び/又は疾患のいずれかに関連付けられることができる。
【0077】
上記のように、薬物送達装置214によって、ユーザ101に薬剤を投与することができる。1つ以上の実施において、少なくとも1つの分析物は、薬剤の代謝産物であることができる。或いは、1つ以上の実施において、少なくとも1つの分析物は、薬剤自体であることができる。従って、センサ108から生成された情報は、ユーザが薬剤に反応する方式に関する情報を提供することができる。
【0078】
次に(804)、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、ユーザの呼気に基づいてセンサ108によって生成された情報を受信する。情報の生成と同様に、センサがコントローラに情報を送信することは、継続的、定期的、又は要求に応じて行われ得る。1つ以上の実施において、情報は、分析物の存在にのみ関連付けられたデータを含むことができる。或いは、1つ以上の実施において、情報は、人口統計データ、プロファイルデータ、センサの種類、及び他の種類のデータ等の他の情報を含むことができる。
【0079】
次に(806)、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、情報を処理して、呼気中の少なくとも1つの分析物の存在、濃度、又はそれらの組み合わせを判定する。存在を判定することについて、処理は、分析物の存在のバイナリ表示を提供する情報内のビットの値を単に判定することを含んでもよい。例えば、ビットが1である場合、呼気中に分析物が存在したことを示し、ビットが0である場合、呼気中に分析物が存在しなかったことを示す。情報は、センサ108の機能に応じて、複数の異なる分析物のバイナリ表示を提供する複数の異なるビットを含んでもよい。
【0080】
1つ以上の実施において、情報は、存在の程度等、より詳細であってもよい。例えば、この情報は、分析物が(i)検出されないか否か、(ii)通常のエラー又はノイズ量で検出されるか否か、(iii)分析物の存在を示す量で検出されるか否か、又は(iv)センサ108のエラー等、システム100のエラーを示す可能性がある大量で検出されるか否かを示すことができる。大量の例には、ヒトのアルコール消費能力を超えるエタノールレベル等、物理的に不可能な量が含まれてもよい。情報が分析物の存在及び分析物の濃度の両方を含むように、詳細の程度はより具体的であってもよい。
【0081】
しかしながら、1つ以上の実施形態において、情報は、濃度のみを含んでもよい。情報は、処理に情報から濃度を検索することが伴われるように、濃度を直接的に含んでもよい。或いは、情報は、情報を取得するためにサンプリングされた呼気の体積の他に、呼気中に見出された分析物のモル数、ミクロン、百万分率(ppm)等の分析物の量を含んでもよい。1つ以上の実施において、センサ108から生成される情報は、量のみを含んでもよく、他のセンサ又は他の装置から呼気の体積を取得してもよい。例えば、サンプリングされた空気の体積は、呼吸治療装置102から得てもよい。従って、情報の処理は、センサ108及び呼吸治療装置102の両方からの情報を含むことができる。
【0082】
1つ以上の実施において、処理は、濃度と、ユーザに関連付けられた1つ以上のメトリックとを比較することを含むことができる。メトリックは、分析物の濃度と組み合わせると、実行する適切な動作についてより深い洞察を提供する生理学的メトリックであることができる。例えば、濃度とメトリックとを比較することで、存在の判定に対する特定の応答を調整できる。このようなメトリックは、ユーザが糖尿病患者であるか否か等のバイナリメトリックを含むことができる。このようなメトリックは、ユーザの体重、身長、肥満度指数、及び/又は年齢を含む生理学的パラメータ等、より詳細にすることができる。
【0083】
1つ以上の実施において、処理は、センサ108からの情報と環境センサ104からの周囲情報とを比較することを含むことができる。この比較により、ユーザ101を取り巻く周囲空気を考慮に入れることができる。
【0084】
分析物の濃度に応じて、処理は、濃度と1つ以上の閾値とを比較することを含んでもよい。閾値は、分析物の濃度に基づいて医学的緊急事態が推定された場合等、取られるべき所定の行動と濃度とを相関させる。
【0085】
情報は、ユーザ101から得られる一定の期間にわたる時系列データを表すので、分析物の存在及び濃度のそれぞれ又は両方についての上記の処理は、特定の存在及び濃度データポイントごとに発生することができる。その結果、存在及び/又は濃度対する傾向がデータに現れることができる。次に、システム100は、存在及び/又は濃度の単一データポイントだけでは不可能な傾向に基づいて、追加の機能を実行することができる。
【0086】
次に(808)、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、少なくとも1つの分析物の存在、濃度、又はそれらの組み合わせに少なくとも部分的に基づいて、ユーザに薬剤を送達するように構成される薬物送達装置214の調整を判定する。薬剤の投与容量、投与頻度、又はそれらの組み合わせに基づいて調整を行うことができる。時系列データに関連付けられた一定の期間にわたる存在、濃度、又はその両方に基づいて薬物送達装置214の調整を行う。従って、効果の欠如又は効果が過剰に基づいて必要な薬剤の量を増減させる等、薬剤の治療有効性を説明又は表す可能性のある時系列データ内の傾向を考慮に入れて調整を行うことができる。さらに、薬剤有効性に関連付けられていない潜在的な変動を考慮に入れることができるように、存在及び/又は濃度の単一測定以上のものに基づいて調整を行う。
【0087】
1つ以上の実施において、上記の情報と、1つ以上のプロセッサ116は、薬剤が送達されている複数の追加ユーザの呼気の分析に基づいて生成されたクラウドソースの情報とを比較することができる。この場合、送達装置の調整は、上記の比較に少なくとも部分的に基づいて行うことができる。そのような比較は、複数の追加ユーザが調整にどのように対応したかに関連付けられることができる。複数の追加ユーザは、ユーザに類似性を有するユーザであることができる。そのような類似性は、年齢、性別、体重、身長、民族性、医学的状態、社会的行動等の1つ以上の類似した生理学的パラメータであり得る。
【0088】
1つ以上の実施において、システム100が複数のユーザの対応に基づく調整に対するユーザの応答を推定又は予測できるように、同様の薬剤に対して同様の調整を受けた複数のユーザに基づいて比較を行うことができる。
【0089】
1つ以上の実施において、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、遠隔システム110(
図1)と通信するように構成される通信インターフェース118(
図1)を有することができる。遠隔システム110は、例えば、ユーザ101に関連付けられたヘルスケアプロバイダに関連付けることができる。コントローラは、調整を要請するメッセージを遠隔システムに送信するように構成されることができる。例えば、送達装置のいずれの調整は、ヘルスケアプロバイダからの承認が必要になる場合がある。従って、メッセージは、薬剤の調整についてヘルスケアプロバイダからの承認を要請する上記の処理に応じて自動的に生成されることができる。ヘルスケアプロバイダが調整を承認することに応じて、ヘルスケアプロバイダからの応答をシステムが受信し、調整を行うことができる。これにより、ヘルスケアプロバイダによって少なくともいくつかのレベルのレビューが提供される。
【0090】
1つ以上の実施において、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、例えば、呼吸治療装置102のディスプレイ304上に表示される1つ以上の視覚的命令を通して、ユーザ101に薬物送達装置214の調整を実施する方式をさらに指示することができる。命令を通して、薬物送達装置214に対して正しい調整が行われるように、適切に手動調整を行う方式についてユーザ101を案内することができる。必要な調整が自動的に実行できない場合に、命令を提供することができる。例えば、1つ以上の実施形態において、調整によって、薬剤のカートリッジを変更する等で薬剤を異なる薬剤に変更することができる。命令は、薬物の様々な名前、薬物に関連付けられたカートリッジ、及び薬物の異なるカートリッジを変更するための命令を提供することができる。
【0091】
図9は、薬剤の投与量を調整するための承認を要請するプロセス900の特定の例を示す。プロセス900は、
図1のシステム100の要素のうちの1つ以上を実装することによって実行することができる。プロセス900は、前述した
図9のプロセス800と同様である。従って、プロセス800について上記で述べた要素は、特に定めがない限り、プロセス900にも適用される。
【0092】
上記のステップ802と同様に、最初に(902)、ユーザの呼気経路に配置され、ユーザの呼気中の少なくとも1つの分析物を検出するように構成されたセンサ(又は少なくとも1つのセンサ)は、呼気に関する情報を生成する。
【0093】
次に(904)、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、ユーザの呼気に基づいてセンサ108によって生成された情報を受信する。プロセス800における情報の生成と同様に、センサ108によって、連続的に、定期的に、又は要求に応じてコントローラに情報が送信されることができる。
【0094】
上記のステップ806と同様に、次に(906)、1つ以上のプロセッサ116は、情報を処理して、呼気中の少なくとも1つの分析物の存在、濃度、又はそれらの組み合わせを判定する。
【0095】
次に(908)、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、存在、濃度、又はそれらの組み合わせにおける1つ以上の傾向を判定する。1つ以上の実施において、傾向は、分析物が多く存在するか又は少なく存在するかに基づくことができる。1つ以上の実施において、傾向は、分析物の濃度の増加又は減少に基づくことができる。傾向は、単純な回帰分析から複雑な機械学習等、1つ以上のアルゴリズムを使用して判定できる。
【0096】
次に(910)、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、1つ以上の傾向に少なくとも部分的に基づいてユーザの薬剤の投与量を調整するための要求を通知するメッセージを遠隔システム110に送信する。遠隔システム110は、ユーザに関連付けられたヘルスケアプロバイダに関連付けることができる。分析物の有病率は、応答が必要であることを示すことがあり、この応答は、薬物送達装置214に対する調整であり得る。しかしながら、薬物送達装置214の調整は、実施のために、ヘルスケアプロバイダの承認を必要とすることができる。いくつかの実施において、例えば、薬剤が以前に送達されていなかった場合では、調整を通して薬物送達装置214が薬剤の送達を開始することができる。
【0097】
1つ以上の実施において、コントローラは、1つ以上の傾向が少なくとも1つの閾値を満たすか否かを判定し、さらに、少なくとも1つの閾値を満たすことに基づいてメッセージを送信することができる。1つ以上の実施において、少なくとも1つの閾値は、複数の追加ユーザの呼気に基づいて生成されたクラウドソースの情報に少なくとも部分的に基づくことができる。閾値は、同様の傾向を示し、送達装置に対して同様の調整を必要とする他のユーザに基づくことができる。
【0098】
1つ以上の実施において、コントローラは、少なくとも1つの分析物の濃度と、ユーザの1つ以上の生理学的パラメータとを比較することができる。それに応じて、コントローラは、上記の比較に少なくとも部分的に基づいて投与量の調整を判定することができる。
【0099】
1つ以上の実施において、ステップ910の前に、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、薬剤の投与量の初期調整に対するユーザ101の予測される応答を判定することができる。その後、1つ以上のプロセッサ116は、予測される応答と、初期調整に対する1人以上の追加ユーザによる1つ以上の実際の応答とを比較することができる。その後、1つ以上のプロセッサ116は、予測される応答と、1つ以上の実際の応答との比較に基づいて、遠隔システムへのメッセージに含まれた薬剤の投与量の調整を生成するように薬剤の投与量の初期調整を修正することができる。
【0100】
分析物の濃度の傾向に基づいて、同じ応答が発生することができる。濃度が閾値を超える前には、送達装置が薬剤を投与していなかった可能性がある。閾値を超えると、送達装置が薬剤の送達を開始することができる。或いは、調整は、送達される薬剤の量の増加又は減少であり得る。1つ以上の実施において、一連の存在及び/又は濃度の判定は、濃度の判定とともに起こることができる。処理は、複数の判定された濃度から濃度の傾向を判定することを含むことができる。応答は、判定された傾向に基づくことができる。単一濃度を単一閾値と比較することではなく、濃度の傾向を所定の傾向又は閾値の傾向と比較することができる。所定の傾向は、閾値を超える前に、分析物の濃度が閾値を超える可能性を示している。従って、判定された傾向が所定の傾向又は閾値の傾向を満たすことは、分析物の濃度が閾値を満たす前に緊急行動を必要とすることを示すことができる。これにより、分析物の濃度が危険なレベルに達する前に、追加的な応答時間を提供することができる。
【0101】
例えば、短時間に大量の薬を消費しても、すぐに薬の消費量を示すことができない場合がある。これは、薬を代謝する身体の固有の遅延結果であることができる。従って、薬に関連付けられた分析物(又は薬自体としての分析物)の存在の単一判定は、状況の重大度を示さない可能性がある。しかしながら、身体が薬を代謝し、呼吸中の分析物の濃度が急速に上昇し始めると、傾向が生じる。従って、濃度を用いた一連の存在の判定は、所定の傾向又は閾値の傾向を満たす傾向を明らかにすることができる。満足度は、注意する必要があることを示す個別濃度は存在しない(すなわち、個別には閾値を満たさない)が、ユーザ101が傷害又は死亡を防ぐために医療的な応答を必要とすることを示す。
【0102】
図10は、ユーザの生理学的情報を取得するためのプロセス1000の例を示す。プロセス1000は、
図1のシステム100の要素のうちの1つ以上を実装することによって実行することができる。
【0103】
最初に(1002)、ユーザの呼気経路に配置され、ユーザの呼気中の少なくとも1つの分析物を検出するように構成されたセンサ(又は少なくとも1つのセンサ)は、呼気に関する情報を生成する。前記少なくとも1つのセンサは、複数の個別のセッション中の複数の個別の測定を通して前記ユーザの前記呼気中の少なくとも1つの分析物を検出するように構成される。
【0104】
次に(1004)、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、少なくとも1つのセンサから、ユーザの前記呼気中の前記少なくとも1つの分析物を検出する少なくとも1つのセンサの複数の個別のセッション中の複数の個別の測定に基づいて生成された情報を受信する。
【0105】
次に(1006)、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、情報を処理して、複数の個別の測定、複数の個別のセッション、又はそれらの組み合わせを通して呼気中の少なくとも1つの分析物の存在、濃度、又はそれらの組み合わせを判定する。
【0106】
次に(1008)、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、複数の個別の測定、複数の個別のセッション、又はそれらの組み合わせを通して、少なくとも1つの分析物の存在、濃度、又はそれらの組み合わせと、ユーザに関連付けられた1つ以上の生理学的パラメータ、1つ以上の薬理学的パラメータ、又はそれらの組み合わせとの間の1つ以上の関係を判定する。1つ以上の実施において、ユーザと同様の特性を有する他のユーザとの類似性に基づいて、1つ以上の関係により、特定の化合物に対するユーザの代謝率を測定したり、特定の化合物に対するユーザの代謝率を予測したりすることができる。分析物は、治療用途等の薬物療法、又は娯楽用途等のユーザが摂取できる他の様々な化学物質に関連していることができる。本技術は、単純な回帰分析から複雑な機械学習等の1つ以上のアルゴリズムを使用して、個人及び/又は母集団全体の上記の洞察を判断することができる。
【0107】
1つ以上の実施において、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、1つ以上の関係を遠隔システム110(
図1)に伝達する。1つ以上のプロセッサ116は、1つ以上の機械学習アルゴリズムに基づいて1つ以上の関係を判定することができる。
【0108】
図11は、薬物間相互作用の可能性についてユーザに警告するためのプロセス1100の例を示す。プロセス1100は、
図1のシステム100の要素のうちの1つ以上を実装することによって実行することができる。
【0109】
最初に(1102)、センサ(例えば、
図1のセンサ108)は、ユーザ(例えば、
図1のユーザ101)の呼気経路に配置され、ユーザの呼気中の少なくとも2つの分析物を検出するように構成される。センサは、少なくとも2つの分析物を検出するように構成されていることで、1つの薬物に関連付けられた1つの分析物と、他の薬物に関連付けられた他の分析物とを検出することができる。センサは、呼気に基づいて情報を生成するようにさらに構成されている。情報は、第1の薬物に関連付けられた第1の分析物及び第2の薬物に関連付けられた第2の分析物の存在等、呼吸中の少なくとも2つの分析物の有無を示すことができる。センサは、継続的、定期的、又は要求に応じて情報を生成することができる。例えば、センサは、複数の連続呼吸のうちの各呼吸中に複数回、又は複数の連続呼吸のうちの各呼吸に対して1回、情報を生成することができる。或いは、センサは、1分ごと、1時間ごと、1晩ごと等、定期的に情報を生成することができる。或いは、センサは、(例えば、ユーザ又は遠隔システム(
図1の遠隔システム110)等から)要請を受信すると情報を生成することができる。要請は、呼吸ごとに、特定の呼吸回数等、呼気に基づいて、情報を生成する回数及び時間を示すことができる。
【0110】
上記のように、センサは、複数の異なる分析物を検出することができる単一センサであり得る。しかしながら、1つ以上の実施において、代わりに、センサは2つの異なるセンサにすることができる。2つの異なるセンサは、2つの異なる個別のセンサ、又は同一のセンサ本体上の2つの異なるセンサであり得る。各センサは、様々な分析物を検出するように構成できる。2つのセンサは、両方が管204内又はユーザインターフェース106上等の同一の位置、又は1つは管204内及び1つはユーザインターフェース106上等の異なる位置に配置することができる。
【0111】
次に(1104)、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、ユーザの呼気に基づいてセンサによって生成された情報を受信する。情報の生成と同様に、センサがコントローラに情報を送信することは、継続的、定期的、又は要求に応じて行われ得る。1つ以上の実施において、情報は、少なくとも2つの分析物の存在にのみ関連付けられたデータを含むことができる。或いは、1つ以上の実施において、情報は、人口統計データ、プロファイルデータ、センサの種類、及び少なくとも2つの分析物、センサ、装置(例えば、
図1のシステム100)に関連する他の種類のデータ等の他の情報等を含むことができる。
【0112】
次に(1106)、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、情報を処理して、呼気中の少なくとも2つの分析物のうちの第1の分析物の存在、少なくとも2つの分析物のうちの第2の分析物の存在、又はそれらの組み合わせを判定する。存在を判定することについて、処理は、少なくとも2つの分析物の存在のバイナリ表示、又は少なくとも2つの分析物の情報内の2つのビットを提供する情報内のビットの値を単に判定することを含んでもよい。例えば、ビットが1である場合、呼気中に少なくとも2つの分析物が存在したことを示し、ビットが0である場合、呼気中に2つの分析物のうちの少なくとも1つが存在しなかったことを示すことができる。或いは、2つのビットの両方が1である場合は、呼気中に少なくとも2つの分析物が存在したことを示し、2つのビットの両方が0である場合は、呼気中に少なくとも2つの分析物が存在しなかったことを示し、2つのビットが1及び0である場合は、呼気中に1つの分析物が存在し、且つ呼気中に1つの分析物が存在しなかったことを示すことができる。従って、情報は、センサの機能に応じて、複数の異なる分析物のバイナリ表示を提供する複数の異なるフォーマットを含んでもよい。
【0113】
1つ以上の実施において、コントローラは、機械可読命令を実行して、呼気中の第1の分析物の存在及び第2の分析物の存在の判定をもとに、呼気中の第1の分析物の濃度、第2の分析物の濃度、又はそれらの組み合わせを判定するために、前記情報を処理するように構成されることができる。第1及び第2の分析物の濃度を使用して、薬物間相互作用の可能性があるか、又は薬物間相互作用の可能性の程度を判定してもよい。
【0114】
次に(1108)、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、呼気中の第1の分析物の存在及び第2の分析物の存在の判定をもとに、薬物間相互作用の可能性に対する警告を生成する。第1及び第2の分析物の両方の存在は、第1及び第2の分析物に関連付けられた2つの薬物の存在又は存在可能性を示す。さらに、2つの薬物は、有害な健康状態を引き起こす可能性のある負の薬物間相互作用等の薬物間相互作用に関連付けられている。従って、ユーザがその可能性に対して適切な対応をとれるように、薬物間相互作用の可能性についてユーザに警告することが重要である。
【0115】
コントローラが第1及び第2の分析物の濃度を判定する実施において、コントローラは、まず、機械可読命令を実行して、第1の分析物の濃度、第2の分析物の濃度、又はそれらの組み合わせと、1つ以上の閾値とを比較し、この比較に基づいて薬物間相互作用の可能性に対する警告を生成するように構成されることができる。濃度と1つ以上の閾値との比較により、両方の分析物が検出されているが、薬物間相互作用の可能性が存在するか否かを示すことができる。例えば、第1及び第2の分析物の一方又は両方が存在すると検出される場合があるが、薬物間相互作用の可能性が存在しないような低レベルで濃度が検出される場合がある。その場合、両方の分析物が存在していても、システムは警告を生成しない可能性がある。
【0116】
1つ以上の実施において、分析物のうちの一方の濃度が閾値を満たし、他方を満たさない場合に警告を生成してもよい。これは予防措置として行われてもよい。例えば、一方の分析物の濃度判定が正しくない場合がある。一方の分析物の濃度が閾値を満たしている場合でも、他方の分析物の濃度判定が正しくない場合には、警告を生成することができる。
【0117】
1つ以上の実施において、第1及び第2の分析物の濃度が高いことは、薬物間相互作用の可能性を示すことがある。しかしながら、1つ以上の代替実施において、第1及び第2の分析物の濃度が低いことは、薬物間相互作用の可能性を示してもよく、又はそれぞれの分析物の低濃度及び高濃度は、薬物間相互作用を示してもよい。例えば、ユーザが服用する薬物は、例えば、薬物の目的が分析物に関連付けられたユーザの生理学的パラメータを低下させることである場合、分析物のより低い濃度をもたらす可能性がある。従って、1つ以上の実施において、閾値を満たす第1及び/又は第2の分析物の濃度は、閾値よりも低い濃度、又は閾値よりも高い濃度、若しくは一方が閾値より高く、一方が閾値より低い濃度の組み合わせであってもよい。
【0118】
1つ以上の実施において、各分析物は異なる閾値を有することができ、又は両方の分析物は同様の閾値を有してもよい。例えば、閾値は、分析物に依存しない濃度であってもよい。このような場合、例として、いずれの2つの分析物が採用されても、閾値は1ミリグラム/リットル(mg/L)、10ppm等になる。或いは、閾値は分析物に依存する濃度であってもよく、2つの分析物に対する閾値は異なってもよい。
【0119】
図12は、ユーザが服用する1つ以上の薬物を検証するプロセス1200の例を示す。プロセス1200は、
図1のシステム100の要素のうちの1つ以上を実装することによって実行することができる。
【0120】
最初に(1202)、ユーザ(例えば、
図1のユーザ101)の呼気経路に配置され、ユーザ101の呼気中の1つ以上の分析物を検出するように構成されたセンサ(例えば、
図1のセンサ108)は、呼気に関する情報を生成する。1つ以上の実施において、単一センサで、複数の異なる分析物を検出するように構成されることができる。或いは、1つ以上の実施形態において、複数のセンサを採用することができる。各センサは、単一分析物を検出するように構成するができ、複数のセンサで複数の分析物を検出するように構成することもできる。各分析物は単一センサで検出することができ、又は各分析物を複数のセンサで検出できるように冗長性を持たせることもできる。
【0121】
次に(1204)、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、ユーザの呼気に基づいてセンサによって生成された情報を受信する。情報の生成と同様に、センサがコントローラに情報を送信することは、継続的、定期的、又は要求に応じて行われ得る。1つ以上の実施において、情報は、1つ以上の分析物の存在にのみ関連付けられたデータを含むことができる。或いは、1つ以上の実施において、情報は、人口統計データ、プロファイルデータ、センサの種類、薬物情報、及び他の種類のデータ等の他の情報を含むことができる。
【0122】
次に(1206)、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、情報を処理して、1つ以上の分析物のどちらが呼気中に存在するかを判定する。処理は、1つ以上の分析物の存在のバイナリ表示を提供する情報内のビットの値を単に判定することを含んでもよい。処理は、上記の1106で説明した処理と同様であることができ、1つ以上の薬物に対して行うことができる。
【0123】
次に(1208)、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、呼気中に存在する1つ以上の分析物と、1つ以上の薬に関連付けられた1つ以上の分析物との間の不一致に基づいて、ユーザが服用する1つ以上の薬物の不一致を判定する。1つ以上の実施において、呼気中に存在する1つ以上の分析物が、ユーザが服用する1つ以上の薬物に関連付けられた1つ以上の分析物と一致しない場合、不一致が生じる。言い換えれば、ユーザが服用する各薬物に対して、分析物がユーザの呼気中にあると予想される。分析物がユーザの呼気中にない場合、不一致が存在する。
【0124】
1つ以上の実施において、コントローラは、不一致を判定する前に、ユーザが服用する1つ以上の薬物を判定する。1つ以上の実施において、コントローラは、1つ以上の薬物がリストされているユーザに関連付けられた電子医療記録にアクセスすることで、1つ以上の薬物を判定することができる。
【0125】
1つ以上の実施において、コントローラは、1つ以上の画像を処理することによって、1つ以上の薬物を判定することができる。特に、コントローラは、ユーザが服用する1つ以上の薬物、前記1つ以上の薬物の1つ以上の容器、又はそれらの組み合わせの1つ以上の画像を受信するように構成されることができる。コントローラは、1つ以上の画像を処理して、1つ以上の薬物を判定するようにさらに構成されることができる。処理は、1つ以上の薬物の1つ以上の色、1つ以上の薬物に関する1つ以上の標識、1つ以上の薬物の1つ以上の形状、1つ以上の容器に関する1つ以上の標識、又はそれらの組み合わせに少なくとも部分的に基づくことができる。例えば、コントローラは、画像内の薬物が特定の薬物に関連付けられた特定の色であると判定することができる。或いは、又はさらに、コントローラは、画像内の薬物上の薬物に関連付けられた特定の標識に基づいて、画像内の薬物を判定することができる。或いは、又はさらに、コントローラは、画像内の薬物の容器上の薬物に関連付けられた特定の標識に基づいて、画像内の薬物を判定することができる。1つ以上の実施において、標識は、任意の文字(例えば、文字及び/又は数字)又は任意の文字列(例えば、単語又は非単語)であり得る。
【0126】
1つ以上の実施において、コントローラは、一定の期間にわたる所定数のサンプリングに、ユーザの呼気中の1つ以上の薬物に関連付けられた1つ以上の分析物の存在を判定することによって、ユーザが服用する1つ以上の薬物を判定するように構成されることができる。より具体的には、コントローラは、ユーザが服用する1つ以上の薬物を検証する前に、1つ以上の薬物と関連付けられたユーザの呼気中の1つ以上の分析物を分析することによって、ユーザが服用する1つ以上の薬物を学習することができる。学習は、一定の期間及び多数のサンプルにわたって引き起こされることができる。或いは、学習は、サンプルの数に関係ない一定の期間にわたって、又は一定の期間に関係ないサンプルの数を超えて引き起こされることができる。コントローラは、1つ以上の薬物に関連付けられた1つ以上の分析物が呼気中にあることを判定することによって、1つ以上の薬物を学習する。
【0127】
1つ以上の実施において、コントローラは、一定の期間、サンプルの数、又はそれらの組み合わせにわたって、ユーザの呼気中に、サンプルの少なくとも50%を占める関連付けられた分析物に基づいて、ユーザが薬物を服用していると判定することができる。或いは、コントローラは、一定の期間、サンプルの数、又はそれらの組み合わせにわたって、呼気中に、サンプルの少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は100%を占める関連付けられた分析物に基づいて、ユーザが薬物を服用していると判定することができる。
【0128】
上記のように、呼気中に存在する1つ以上の分析物と、1つ以上の薬物に関連付けられた1つ以上の分析物との間の不一致は、呼気中に存在する1つ以上の分析物のうちの少なくとも1つの分析物の欠如である。或いは、呼気中に存在する1つ以上の分析物と、1つ以上の薬物に関連付けられた1つ以上の分析物との間の不一致は、呼気中に存在する1つ以上の分析物のうちの少なくとも1つの分析物の存在であり得る。例えば、ユーザが服用する薬物は、分析物が呼気中に存在することを防ぐ可能性がある。ユーザが薬物の服用を中止する後に、分析物が呼気中に現れることができる。その結果、呼気中の分析物の存在は、1つ以上の薬物の不一致を示す。
【0129】
1つ以上の実施において、コントローラは、機械可読命令を実行して、不一致に関連付けられた所定数のサンプリングを行った後に、不一致に関して第三者に警告を提供するように構成されることができる。警告は、ユーザ、又はユーザに関連付けられている第三者、例えば、ユーザに関連付けられている保護者やヘルスケアプロバイダ等に通知されることができる。
【0130】
図13は、ユーザの投薬レジームを管理するプロセス1300の例を示す。プロセス1100は、
図1のシステム100の要素のうちの1つ以上を実装することによって実行することができる。
【0131】
最初に(1302)、ユーザ(例えば、
図1のユーザ101)の呼気経路に配置され、ユーザ101の呼気中の少なくとも1つの分析物を検出するように構成されたセンサ(例えば、
図1のセンサ108)は、呼気に関する情報を生成する。情報は、呼吸中の分析物の有無、分析物の濃度、又はそれらの組み合わせを示すことができる。センサは、継続的、定期的、又は要求に応じて情報を生成することができる。例えば、センサは、複数の連続呼吸のうちの各呼吸中に複数回、又は複数の連続呼吸のうちの各呼吸に対して1回、情報を生成することができる。或いは、センサは、1分ごと、1時間ごと、1晩ごと等、定期的に情報を生成することができる。或いは、センサは、(例えば、ユーザ又は遠隔システム等から)要請を受信すると情報を生成することができる。要請は、呼吸ごとに、特定の呼吸回数等、呼気に基づいて、情報を生成する回数及び時間を示すことができる。
【0132】
次に(1304)、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、ユーザの呼気に基づいてセンサによって生成された情報を受信する。情報の生成と同様に、センサがコントローラに情報を送信することは、継続的、定期的、又は要求に応じて行われ得る。1つ以上の実施において、情報は、分析物の存在にのみ関連付けられたデータを含むことができる。或いは、1つ以上の実施において、情報は、人口統計データ、プロファイルデータ、センサの種類、薬物の種類、及び他の種類のデータ等の他の情報を含むことができる。
【0133】
次に(1306)、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、情報を処理して、呼気中の少なくとも1つの分析物の存在を判定する。上述のように、処理は、分析物の存在のバイナリ表示を提供する情報内のビットの値を単に判定することを含んでもよい。例えば、ビットが1である場合、呼気中に分析物が存在したことを示し、ビットが0である場合、呼気中に分析物が存在しなかったことを示す。情報は、センサの機能に応じて、複数の異なる分析物のバイナリ表示を提供する複数の異なるビットを含んでもよい。
【0134】
次に(1308)、コントローラ(例えば、
図1の1つ以上のプロセッサ116、又は
図2のコントローラ208)は、分析物の存在に応じて、ユーザに関連付けられた記録内の薬物に関するエントリを生成する。
【0135】
1つ以上の実施において、呼気中の分析物の存在を通して、ユーザが服用した薬物を確認する。従って、これに応じて、エントリは、ユーザが服用した薬物の記録の確認であり得る。この記録は、ユーザが薬物を服用したことをユーザにリマインダするものとして機能する。リマインダは、ユーザが薬物を2回服用することを防ぐために使用されることができ、又はユーザが必要な用量の薬をすでに服用したか否かを覚えていない場合に、2回服用することを恐れて薬物を服用しないことを防ぐために使用されることができる。
【0136】
1つ以上の代替実施において、エントリは、少なくとも1つの今後の薬物服用をユーザに思い出させるための記録内の少なくとも1つの今後のエントリであり得る。記録は、ユーザがすでに薬物を服用したことをユーザに思い出させる代わりに、ユーザに今後に薬物を服用する必要があることを思い出させることができる。
【0137】
1つ以上の実施において、エントリは、過去、現在、未来、又はそれらの組み合わせである複数のエントリであり得る。エントリの種類とエントリのタイミングは、薬物の処方箋に基づくことができる。処方箋は、各投薬量(例えば、錠剤の数、液体のオンス等)、ユーザが薬物を服用することになっている1日あたりの回数、ユーザが薬物を服用することになっている1週間の回数を示すことができる。1つ以上の実施形態において、コントローラは、ユーザに関連付けられた電子医療記録へのアクセスに基づいて、薬物の投与情報を判定するように構成されることができる。或いは、又はさらに、1つ以上の実施において、コントローラは、1つ以上の画像を処理することによって投与情報を判定するように構成されることができる。特に、コントローラは、ユーザが服用する1つ以上の薬物、前記1つ以上の薬物の1つ以上の容器、又はそれらの組み合わせの1つ以上の画像を受信するように構成されることができる。コントローラは、1つ以上の画像を処理して、1つ以上の薬物を判定するようにさらに構成されることができる。
図12に対して上記で説明するように、処理は、1つ以上の薬物の1つ以上の色、1つ以上の薬物に関する1つ以上の標識、1つ以上の薬物の1つ以上の形状、1つ以上の容器に関する1つ以上の標識、又はそれらの組み合わせに少なくとも部分的に基づくことができる。
【0138】
1つ以上の実施において、ユーザに関連付けられた記録は、パーソナル電子カレンダであり得る。パーソナル電子カレンダは、ユーザコンピュータ装置122上でユーザによってアクセスされることができる。
【0139】
1つ以上の実施において、コントローラは、薬物に関する情報をユーザに提供することができる。情報は、例えば、薬物と有害な相互作用を有する他の薬物、薬物の投与情報、又は薬物を服用しているユーザに一般的に関連付けられた他の情報を含むことができる。コントローラは、ユーザが服用している薬物がどれかを判定した後、遠隔システム(例えば、
図1の遠隔システム110)にアクセスし、遠隔システム上のその薬物に関する情報にアクセスすることができる。遠隔システムは、ユーザに関連付けられた薬局又は薬剤師、薬物を処方したヘルスケアプロバイダ等のユーザに関連付けられたヘルスケアプロバイダ、薬物の製造業者等に関連付けることができる。コントローラが情報にアクセスすると、コントローラはユーザに情報を提供することができる。情報は、装置(例えば、
図1の呼吸治療装置102)又はユーザコンピュータ装置(例えば、
図1のユーザコンピュータ装置122)内に提供されることができる。
【0140】
図14は、ユーザの呼気を分析し、生成された呼気に関するメッセージを遠隔システムに送信するプロセス1400の例を示す。プロセス1400は、
図1のシステム100の要素のうちの1つ以上を実装することによって実行することができる。
【0141】
最初に(1402)、ユーザの呼気経路に配置され、ユーザ(例えば、
図1のユーザ101)の呼気中の少なくとも1つの分析物を検出するように構成されたセンサ(又は、少なくとも1つのセンサ)(例えば、
図1のセンサ108)は、呼気に関する情報を生成する。この情報は、呼吸中の分析物の有無を示す。センサは、継続的、定期的、又は要求に応じて情報を生成することができる。例えば、センサは、複数の連続呼吸のうちの各呼吸中に複数回、又は複数の連続呼吸のうちの各呼吸に対して1回、情報を生成することができる。或いは、センサは、1分ごと、1時間ごと、1晩ごと等、定期的に情報を生成することができる。或いは、センサは、(例えば、ユーザ又は遠隔システム等から)要請を受信すると情報を生成することができる。要請は、呼吸ごとに、特定の呼吸回数等、呼気に基づいて、情報を生成する回数及び時間を示すことができる。
【0142】
上記のように、センサは、フレームに取り付けることができ、フレームは、ユーザの呼気経路に沿ってセンサを配置するように、ユーザに接続されることができる。1つ以上の実施において、フレームは、上述したように、持続的気道陽圧装置のユーザインターフェース(例えば、鼻ピロー、フルマスク等)であり得る。
【0143】
次に(1404)、1つ以上のプロセッサは、ユーザの呼気に基づいてセンサが生成した情報を受信する。情報の生成と同様に、センサによって、連続的に、定期的に、又は要求に応じて1つ以上のプロセッサに情報が送信されることができる。1つ以上の実施において、情報は、分析物の存在にのみ関連付けられたデータを含むことができる。或いは、1つ以上の実施において、情報は、人口統計データ、プロファイルデータ、センサ種類、及び他の種類のデータ等の他の情報を含むことができる。
【0144】
次に(1406)、1つ以上のプロセッサは、情報を処理して、呼気中の少なくとも1つの分析物の存在を判定する。処理は、分析物の存在のバイナリ表示を提供する情報内のビットの値を単に判定することを含んでもよい。例えば、ビットが1である場合、呼気中に分析物が存在したことを示し、ビットが0である場合、呼気中に分析物が存在しなかったことを示す。情報は、センサの機能に応じて、複数の異なる分析物のバイナリ表示を提供する複数の異なるビットを含んでもよい。
【0145】
1つ以上の実施において、情報は、存在の程度等、より詳細であってもよい。例えば、この情報は、分析物が(i)検出されないか否か、(ii)通常のエラー又はノイズ量で検出されるか否か、(iii)分析物の存在を示す量で検出されるか否か、又は(iv)センサのエラー等、システムのエラーを示す可能性がある大量で検出されるか否かを示すことができる。大量の例には、ヒトのアルコール消費能力を超えるエタノールレベル等、物理的に不可能な量が含まれてもよい。詳細の程度は、より具体的であってもよく、分析物の存在及び分析物の濃度の両方を含むことができる。情報は、処理に情報から濃度を検索することが伴われるように、濃度を直接的に含んでもよい。或いは、情報は、情報を取得するためにサンプリングされた呼気の体積の他に、呼気中に見出された分析物のモル数、ミクロン、百万分率(ppm)等の分析物の量を含んでもよい。1つ以上の実施において、センサから生成される情報は、量のみを含んでもよく、他のセンサ又は他の装置から呼気の体積を取得してもよい。例えば、ユーザコンピュータ装置がRPT装置である場合、サンプリングされた空気の体積は、RPT装置から取得されてもよい。従って、情報の処理は、センサ及びRPT装置等のユーザコンピュータ装置の両方からの情報を含むことができる。
【0146】
1つ以上の実施において、処理は、濃度と、ユーザに関連付けられた1つ以上のメトリックとを比較することを含むことができる。メトリックは、分析物の濃度と組み合わせると、実行する適切な動作についてより深い洞察を提供する生理学的メトリックであることができる。例えば、濃度とメトリックとを比較することで、存在の判定に対する特定の応答を調整できる。このようなメトリックは、ユーザが糖尿病患者であるか否か等のバイナリメトリックを含むことができる。このようなメトリックは、ユーザの体重、身長、肥満度指数、及び/又は年齢を含む生理学的パラメータ等、より詳細にすることができる。
【0147】
1つ以上の実施において、処理は、センサからの情報と環境センサからの周囲情報とを比較することを含むことができる。この比較により、以下の分析物の存在は、単にユーザを取り巻く周囲の空気からではなく、ユーザの呼気からのものであるという判定が可能になる。
【0148】
分析物の濃度に応じて、処理は、濃度と1つ以上の閾値とを比較することを含んでもよい。閾値は、分析物の濃度に基づいて医学的緊急事態が推定された場合等、取られるべき所定の行動と濃度とを相関させる。再びエタノールについて、エタノールの濃度が、相関された血中アルコール濃度を超える等、閾値を満たすことは、ユーザが傷害又は死亡を防ぐために医療的な応答を必要とすることを示す可能性がある。
【0149】
1つ以上の実施において、一連の存在の判定は、濃度の判定とともに起こることができる。処理は、複数の判定された濃度から濃度の傾向を判定することを含むことができる。応答は、判定された傾向に基づくことができる。単一濃度を単一閾値と比較することではなく、濃度の傾向を所定の傾向又は閾値の傾向と比較することができる。所定の傾向は、閾値を超える前に、分析物の濃度が閾値を超える可能性を示している。従って、判定された傾向が所定の傾向又は閾値の傾向を満たすことは、分析物の濃度が閾値を満たす前に緊急行動を必要とすることを示すことができる。これにより、分析物の濃度が危険なレベルに達する前に、追加的な応答時間を提供することができる。
【0150】
例えば、短時間に大量の薬を消費しても、すぐに薬の消費量を示すことができない場合がある。これは、薬を代謝する身体の固有の遅延結果であることができる。従って、薬に関連付けられた分析物(又は薬自体としての分析物)の存在の単一判定は、状況の重大度を示さない可能性がある。しかしながら、身体が薬を代謝し、呼吸中の分析物の濃度が急速に上昇し始めると、傾向が生じる。従って、濃度を用いた一連の存在の判定は、所定の傾向又は閾値の傾向を満たす傾向を明らかにすることができる。満足度は、注意する必要があることを示す個別濃度はない(すなわち、個別には閾値を満たさない)が、ユーザ1000が傷害又は死亡を防ぐために医療的な応答を必要とすることを示す。
【0151】
次に(1408)、ユーザコンピュータ装置は、ユーザの呼気中の検出された分析物の存在に基づいてメッセージを生成する。メッセージは、コンピュータ装置間で送信可能ないずれの種類の電子通信であり得る。1つ以上の実施において、メッセージは、電子メール又は専用プロトコルに基づく通信であり得る。ユーザコンピュータ装置はさらに、分析物の存在の判定に基づいて、遠隔システムにメッセージを送信する。メッセージの送信により、分析物の存在に基づいて第三者が関与することができる。第三者の関与は、例えば、問題の分析物、ユーザ、及び第三者とユーザとの関係等に応じたいくつかの理由に基づくことができる。
【0152】
例えば、分析物は禁止物質であることができる。この物質は、法的に禁止され、医学的に禁止され、及び/又は栄養的に禁止されている等、様々な理由で禁止されていることができる。このプロセスにより、ユーザが禁止物質を消費したことに応じて、第三者が関与することができる。
【0153】
1つ以上の実施において、禁止物質は、麻薬又は規制物質等、法的に禁止されている場合がある。遠隔システムに関連付けられた第三者は、麻薬を消費したユーザに警告を通知することができる第1の応答者であることができる。メッセージの重大度又は目的は、違法な麻薬の消費について警察に警告したり、ユーザに傷害又は死亡を引き起こす可能性のある違法な麻薬の消費について救急医療士に警告したりする等、様々である。第三者は、代わりに、例えば、保護司又はユーザの親であってもよく、メッセージは、必ずしも即時に対応又は介入する必要があることではない、単に違法な麻薬の消費を示す可能性がある。第三者は依然としてメッセージを受信することで違法な麻薬の消費が警告され、メッセージは、麻薬の消費以外の場合は発生しない可能性がある。例えば、ユーザは、罪悪感又は逮捕の回避を理由に、ユーザの保護司又は親に違法な麻薬の消費を通知しない可能性がある。
【0154】
1つ以上の実施において、禁止物質は、ユーザが消費している他の薬物又はサプリメントと負に相互作用するものであることができる。従って、必ずしも法的に禁止されているわけではないが、ユーザの詳細事項に基づいて物質が禁止されていることができる。メッセージは、薬剤師又は他のヘルスケアプロバイダ、又は第1の応答者の遠隔システムに送信され、起こり得る負の相互作用に関する警告を提供してもよい。
【0155】
1つ以上の実施において、分析物は、禁止物質自体であってもよく、禁止物質を消費した後にユーザの身体から生成される代謝産物であってもよい。実際に、すべての場合において、センサによって検出される分析物は、禁止物質だけでなく、ユーザが消費した物質、又はユーザが消費した物質の代謝産物であることができる。或いは、分析物は、代わりに、ユーザが消費した物質とは関係のない、ユーザの身体の生理学的プロセスに関連していることができる。例えば、一酸化窒素は、ユーザが喘息に苦しんでいることを示す可能性があり、ユーザが消費した物質とは関係ない可能性がある。
【0156】
1つ以上の実施において、分析物の存在は、疾患又は医学的状態、或いは疾患又は医学的状態の発症等の生理学的状態を示す可能性がある。このメッセージを通して、疾患や医学的状態を診断及び/又は治療するために必要なさらなる検査に関して、ユーザにフォローアップする必要があることを第三者のヘルスケアプロバイダに警告することができる。
【0157】
1つ以上の実施において、メッセージを遠隔システムに送信するか、又は特定の内容のメッセージを送信するかは、分析物の存在だけでなく他の要因によっても変えられる。要因は、例えば、設定濃度よりも高い又は低い、閾値を満たす分析物の濃度を含んでもよい。例えば、ユーザが消費した禁止物質と他の薬物又はサプリメントとの間に負の相互作用が存在しても、分析物の濃度は、第三者の介入又は第三者への警告が不要であることを示している場合がある。或いは、分析物の濃度は、単に分析物の存在を示す等、メッセージの内容の状態を即時の行動が必要であることを示すように変えることができる。
【0158】
1つ以上の実施(1410)において、ユーザコンピュータ装置は、必要に応じて、遠隔システムからメッセージの受信確認を受信することができる。確認することで、ユーザコンピュータ装置と遠隔システムとの間のループが閉じられ、送信が成功したことが確実になる。1つ以上の実施形態において、分析物が規制物質に関連し、遠隔システムがユーザの第1の応答者、警察、保護司、又は親に関連付けられている状況等、文書化の目的で確認が必要となる場合がある。1つ以上の実施において、確認を通して、ユーザにヘルスケアプロバイダ等の第三者の遠隔システムにメッセージを送信することを警告し、分析物の判定された存在に関連付けられたフォローアップのためのスケジュールされた予定についてユーザに警告することができる。
【0159】
1つ以上の実施において、メッセージは、意図された目的を破壊するシステムの変更部分は存在しないことを保証する認証を含んでもよい。例えば、メッセージには、遠隔システムで復号化することができる暗号化キーが含まれてもよい。メッセージの信頼性を検証するための暗号化キーの復号化は、分析物の存在の検出及び生成されたメッセージが変更されていないことの確認を支援する。1つ以上の実施において、ユーザコンピュータ装置によって受信された確認を認証することで、ユーザが遠隔システムでメッセージの送受信記録を有するようにしてもよい。さらに、確認の認証により、ユーザに確認受信が変更されていないことが確実になる。
【0160】
図15は、ユーザの呼気を分析するプロセス1500の例を示す。プロセス1500は、
図1のシステム100の要素のうちの1つ以上を実装することによって実行することができる。プロセス1500は、
図14で前述したプロセス1400と同様である。従って、プロセス1400について上記で述べた要素は、特に定めがない限り、プロセス1500にも適用される。
【0161】
最初に(1502)、ユーザの呼気経路に配置され、ユーザの呼気中の少なくとも1つの分析物を検出するように構成されたセンサ(又は少なくとも1つのセンサ)は、呼気に関する情報を生成する。
【0162】
次に(1504)、1つ以上のプロセッサは、ユーザの呼気に基づいてセンサが生成した情報を受信する。プロセス内の情報の生成と同様に、センサによって、連続的に、定期的に、又は要求に応じて1つ以上のプロセッサに情報が送信されることができる。
【0163】
次に(1506)、1つ以上のプロセッサは、情報を処理して、呼気中の少なくとも1つの分析物の不在を判定する。従って、呼気中に存在する分析物のプロセスに焦点を合わせたこととは対照的に、呼気中に存在していない分析物のプロセスに焦点を合わせる。プロセスは分析物の不在に焦点を合わせているので、1つ以上の実施において、センサが生成した情報は、単に分析物の不在を示す可能性がある。或いは、情報はより詳細である可能性があり、及び/又は追加情報を含むことができる。追加情報には、例えば、分析物が存在しなかった期間を含むことができる。分析物は、全期間中に存在しない場合もあれば、例えば、センサのノイズ又はエラーを説明するために、全期間中に平均して存在しない場合もある。
【0164】
分析物が存在しないという判定(1508)に応じて、1つ以上のプロセッサは、分析物の不在の判定に基づいて、通信インターフェースを通して遠隔システムにメッセージを送信する。メッセージの内容は、問題の分析物によって異なる。分析物が規制物質又は規制物質の代謝産物である場合、メッセージの内容は、ユーザが要件を遵守したことを示す可能性がある。要件は、例えば、ユーザが規制物質を消費したか否かを判定するためにユーザ自身の呼吸をサンプリングするという義務を順守することであることができる。義務は、例えば、裁判所命令によって適用され得る。従って、分析物の不在は、裁判所命令の遵守を示している。
【0165】
或いは、1つ以上の実施において、分析物の不在は、医療的又は栄養的レジームに対する無視等の抵抗を示す。ユーザは、ヘルスケアプロバイダ又は栄養士によってそれぞれ定義された医療的又は栄養的レジームに従う可能性があり、分析物の不在は、そのレジームに対する抵抗を示す。例えば、ユーザが処方薬物を忘れたか、又は服用しないことに決めた場合がある。ユーザの呼気に分析物がないことは、ユーザのシステムに薬物がないことを示す。メッセージを通して、ユーザが自分の薬物を服用しなかったことをユーザに関連付けられたヘルスケアプロバイダに警告することができる。
【0166】
他の例では、ユーザがサプリメントの摂取を忘れたか、拒否している場合がある。例えば、分析物は、ビタミン又はビタミンの代謝産物であり得る。ユーザの呼気に分析物がないことは、ユーザのシステムに薬物がないことを示す。メッセージを通して、ユーザが自分のサプリメントを服用しなかったことをユーザに関連付けられたヘルスケアプロバイダに警告することができる。
【0167】
1つ以上の実施において、システムは、ユーザの呼吸分析に基づいて、ユーザに不足しているビタミン又はサプリメントを判定することができる。メッセージを栄養士に送信し、ユーザにおいて適切なレベルを確報するため、ユーザが摂取する必要のあるビタミン及び/又はサプリメントを栄養士に通知することができる。
【0168】
前述の説明及び添付の図面には、本技術の完全な理解を提供するために、特定の用語及び記号が示されている。場合によって、用語や記号は、本技術の実践に必要ではない特定の詳細を暗示している場合がある。例えば、評価方法のプロセスステップは、図に順番に説明又は図示されているが、その順序は必要ない場合がある。当業者は、そのような順序付けを変更することができ、及び/又はその態様を並行して実施することができ、及び/又は省略することができることを認識するであろう。
【0169】
さらに、本明細書の技術は、特定の実施形態を参照して説明したが、これらの実施形態は、本技術の原理及び用途の単なる例示であることを理解すべきである。従って、例示的な実施形態に多くの修正を加えてもよく、本技術の精神及び範囲から逸脱することなく他の配置を考案してもよいことを理解されたい。