(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】スチーム掃除用アタッチメント及び電気掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 7/02 20060101AFI20250212BHJP
A47L 5/24 20060101ALI20250212BHJP
A47L 9/28 20060101ALI20250212BHJP
A47L 9/02 20060101ALI20250212BHJP
A47L 9/06 20060101ALI20250212BHJP
A47L 11/20 20060101ALI20250212BHJP
A47L 11/03 20060101ALI20250212BHJP
A47L 11/34 20060101ALI20250212BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
A47L7/02
A47L5/24 A
A47L9/28 U
A47L9/28 A
A47L9/02 D
A47L9/06 Z
A47L11/20
A47L11/03
A47L11/34
B08B3/02 Z
(21)【出願番号】P 2022007915
(22)【出願日】2022-01-21
【審査請求日】2024-07-02
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】及川 真愛
(72)【発明者】
【氏名】大下 悟
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-102052(JP,A)
【文献】国際公開第2021/130103(WO,A1)
【文献】特開2016-086981(JP,A)
【文献】特開昭63-296725(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 7/02
A47L 5/24
A47L 9/00 - 9/30
A47L 11/00 - 11/34
B08B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部に配置され、電池を電源として駆動されて、給液源から供給される洗浄液のスチームを生成するスチーム生成部と、
前記スチーム生成部で生成されたスチームが吹き出す吹出口と、
前記本体部に形成され、前記吹出口から吹き出して被掃除面に付着したスチームを拭き取る拭き取り部材が装着される拭き取り部材装着部と、
前記本体部に形成され、操作部を装着可能な操作部装着部と、
前記本体部に形成され、前記電池を着脱可能な電池装着部と、を備え
、
前記電池装着部に装着された前記電池が前記本体部の上部に位置し、前記拭き取り部材装着部に装着された前記拭き取り部材が前記本体部の下部に位置する
ことを特徴とするスチーム掃除用アタッチメント。
【請求項2】
把持部を有する掃除機本体と、風路管と、のいずれかが前記操作部として前記操作部装着部に装着可能である
ことを特徴とする請求項1記載のスチーム掃除用アタッチメント。
【請求項3】
前記電池装着部に装着される前記電池は、前記掃除機本体の被給電部に対して給電可能な電池
である
ことを特徴とする請求項2記載のスチーム掃除用アタッチメント。
【請求項4】
前記本体部に形成され、前記給液源を着脱可能な給液源装着部を備える
ことを特徴とする請求項1又は2記載のスチーム掃除用アタッチメント。
【請求項5】
前記本体部に形成され、被掃除面との間にスチーム室を構成する隔壁を備え、
前記吹出口は、前記スチーム室内にスチームを吹き出すように前記隔壁に配置された
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載のスチーム掃除用アタッチメント。
【請求項6】
前記隔壁は、左右方向に延びて前記被掃除面との間に前記スチーム室を左右方向に長手状に構成し、
前記吹出口は、前記隔壁に左右方向に複数配置された
ことを特徴とする請求項5記載のスチーム掃除用アタッチメント。
【請求項7】
前記隔壁は、左右方向に延びて前記被掃除面との間に前記スチーム室を左右方向に長手状に構成し、
前記吹出口は、前記隔壁に左右方向に延びて形成された
ことを特徴とする請求項5記載のスチーム掃除用アタッチメント。
【請求項8】
前記スチーム生成部は、前記隔壁の上方に位置する
ことを特徴とする請求項5ないし7いずれか一記載のスチーム掃除用アタッチメント。
【請求項9】
請求項1ないし8いずれか一記載のスチーム掃除用アタッチメントを備える
ことを特徴とする電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、スチームを利用して被掃除面を掃除するスチーム掃除用アタッチメント及びこれを備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スチームを利用して被掃除面の汚れを掃除する電気掃除機が知られている。この種の電気掃除機は、スチームを吹き出す掃除ヘッドを備えるとともに、水等の洗浄液を貯留するタンク、タンクに貯留された洗浄液からスチームを生成するスチーム生成部、スチーム生成部の電源となる電源部等を有する掃除機本体を備え、掃除ヘッドと掃除機本体とを組み立てることによって構成される。つまり、スチーム掃除専用に予め構成された掃除機本体及び掃除ヘッドの全体で電気掃除機が構成されることとなる。そのため、通常の吸引掃除をする場合には、別途の吸引掃除用の電気掃除機が必要になる。あるいは、同一の電気掃除機でスチーム掃除と吸引掃除とを実施できるようにする場合には、風路等の複雑な切り換え機構が必要になるとともに、スチーム掃除にのみ必要な構造と吸引掃除にのみ必要な構造とを掃除機本体等に両方備える必要があり、掃除機が大型化して取り回しが悪化する等、使い勝手が良好とはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、簡素な構成でスチーム掃除が可能であるとともに、使い勝手が良好なスチーム掃除用アタッチメント及びこれを備えた電気掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のスチーム掃除用アタッチメントは、本体部と、スチーム生成部と、吹出口と、拭き取り部材装着部と、操作部装着部と、電池装着部と、を備える。スチーム生成部は、本体部に配置され、電池を電源として駆動されて、給液源から供給される洗浄液のスチームを生成する。吹出口は、スチーム生成部で生成されたスチームが吹き出す。拭き取り部材装着部は、本体部に形成され、吹出口から吹き出して被掃除面に付着したスチームを拭き取る拭き取り部材が装着される。操作部装着部は、本体部に形成され、操作部を装着可能である。電池装着部は、本体部に形成され、電池を着脱可能である。電池装着部に装着された電池が本体部の上部に位置し、拭き取り部材装着部に装着された拭き取り部材が本体部の下部に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施形態のスチーム掃除用アタッチメントを模式的に示す断面図である。
【
図2】同上スチーム掃除用アタッチメントを被掃除面側から示す平面図である。
【
図3】同上スチーム掃除用アタッチメントを備える電気掃除機を示す斜視図である。
【
図4】第2の実施形態のスチーム掃除用アタッチメントを被掃除面側から示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0008】
図1において、ATはスチーム掃除用アタッチメントを示す。スチーム掃除用アタッチメントATは、スチームSTを利用して床面等の被掃除面CSの汚れを被掃除面CSから浮かしたり剥ぎ取ったりして掃除するものである。以下、スチーム掃除用アタッチメントATを単にアタッチメントATと記載する場合がある。なお、スチームSTとは、一般的には気体状態のもの、例えば高温の蒸気をいうが、本実施形態ではこれに限らず、気体状態から外気あるいは被掃除面CSとの接触により僅かに冷えて高温の液体状態に戻った湯気状又は微細な液体粒状のものも含む。また、アタッチメントATを水平な被掃除面CSに載置した状態を基準として上下方向を規定するとともに、掃除の際に使用者から見て掃除を進行する方向を前方向、その反対方向を後方向とし、上下方向と前後方向とに対して直交する方向を左右方向と規定する。図中においては、矢印FR方向を前方向、矢印RR方向を後方向、矢印L方向を左方向、矢印R方向を右方向、矢印U方向を上方向、矢印D方向を下方向とする。
【0009】
アタッチメントATは、本体部1を備える。本体部1は、前後方向よりも左右方向に大きい、つまり横長の形状に形成されている。本体部1は、合成樹脂等により形成される。
【0010】
スチーム源となる洗浄液Wとしては、基本的に水が用いられるが、水に洗剤を加えたもの等が用いられてもよい。洗浄液Wは、給液源2から供給される。本実施形態において、給液源2は、洗浄液Wを貯留するタンクである。つまり、給液源2は、内部に洗浄液Wを収容するケース部20を有する。ケース部20には、洗浄液Wを補充するための補充口と、洗浄液Wが排出される排出口と、が形成されている。補充口と排出口とは同一の口でもよいし、異なる口でもよい。これに限らず、給液源2は、市販されているペットボトル等、洗浄液Wを収容可能な容器を利用してもよい。
【0011】
本実施形態において、給液源2は、本体部1に形成された給液源装着部10に装着される。図示される例では、給液源装着部10は、本体部1の上部に位置する。本実施形態において、給液源装着部10は、本体部1の前後方向の中央部に配置されている。好ましくは、給液源2は、給液源装着部10に着脱可能となっている。給液源2は、給液源装着部10に対し、保持部によって保持される。保持部による保持は、着脱スイッチ22により解除可能となっている。図示される例では、着脱スイッチ22は、給液源2のケース部20の上部に位置し、使用者により操作可能となっている。これに限らず、給液源2は、本体部1から取り外せないように構成されていてもよい。この場合には、補充口を、ケース部20の上部等、使用者が外部からアクセス可能な位置に配置することが好ましい。
【0012】
給液源2からの洗浄液Wは、スチーム生成部3によりスチームSTに変換される。つまり、スチーム生成部3により、給液源2から供給される洗浄液WのスチームSTが生成される。スチーム生成部3は、給液源2から洗浄液Wを吸い出すポンプ30と、洗浄液Wを加熱するヒータ31と、これらポンプ30及びヒータ31の動作を制御する制御部32と、を有する。ポンプ30には、給液源2から吸い出した洗浄液Wを送る配管部35が接続されている。配管部35は、給液源2の排出口と連通する。例えば、配管部35は、熱伝導性が良好な金属等の部材により形成されている。配管部35は、少なくとも一部がヒータ31に近接して配置されている。そのため、ポンプ30の動作により給液源2から吸い出されて配管部35を通過する洗浄液Wが、ヒータ31により加熱されるように構成されている。スチームSTは、被掃除面CSに付着する位置で60℃以上であれば、一般的な油汚れを被掃除面CSから落とすことができるので、スチーム生成部3により被掃除面CSに付着する位置で60℃以上、好ましくは80℃以上となるように生成される。なお、ヒータ31には、その温度を検出するセンサ等を配置して、ヒータ31がスチームSTの温度を上記の温度とするのに十分な所定温度となったことをセンサによって検出したときに、インジケータやランプ等の表示手段により表示可能とすることが好ましい。
【0013】
スチーム生成部3は、本体部1に形成された収容室11に収容されている。収容室11は、本体部1の上部に位置する。本実施形態では、収容室11は、左右方向に延びて形成されている。図示される例では、収容室11は、給液源装着部10の前方に位置する。つまり、スチーム生成部3は、給液源2の前方に位置する。
【0014】
また、スチーム生成部3は、電池4を電源として動作する。本実施形態において、電池4は、複数のセル40を有する電池パックである。セル40は、ケース体41に収容されている。電池4は、一次電池でも二次電池又は蓄電池でもよい。電池4が二次電池又は蓄電池である場合、アタッチメントATは電池4の充電用の充電回路を備えていてもよい。
【0015】
好ましくは、電池4は、本体部1に形成された電池装着部12に着脱可能となっている。本実施形態において、電池装着部12は、本体部1において、スチーム生成部3の後方に位置する。図示される例では、電池装着部12は、収容室11及び給液源装着部10の後方に位置する。つまり、電池4はスチーム生成部3及び給液源2の後方に位置する。本実施形態において、給液源2を基準としてスチーム生成部3が前方に、電池4が後方に、それぞれ位置する。これに限らず、電池4は、本体部1の任意の位置に配置されていてよく、例えば本体部1に内蔵されていてもよい。
【0016】
電池4は、接続部42を介してスチーム生成部3と電気的に接続される。本実施形態において、接続部42は、制御部32と電気的に接続される。接続部42は、コネクタ等であり、電池装着部12に近接して位置する。
【0017】
電池4からスチーム生成部3への給電のオンオフは、電源スイッチSWにより切り換えられる。本実施形態では、電源スイッチSWは、スチーム生成部3のヒータ31の動作のオンオフを切り換えるヒータスイッチである。電源スイッチSWは、使用者により操作可能となっている。電源スイッチSWは、本体部1に配置されている。本実施形態において、電源スイッチSWは、本体部1の上部に位置する。図示される例では、電源スイッチSWは、本体部1にて収容室11の上部に位置する。
【0018】
スチーム生成部3で生成されたスチームSTは、吹出口5から吹き出す。本実施形態では、ポンプ30により給液源2から吸い出された洗浄液Wがヒータ31によって気化される気化圧によって、吹出口5からスチームSTが吹き出すように構成されている。
【0019】
吹出口5は、本体部1に形成されている。吹出口5は、スチーム生成部3の配管部35の下流端に位置する。本実施形態において、吹出口5は、本体部1に形成された隔壁15に配置されている。吹出口5は、吹き出すスチームSTの圧力を高めるように、小開口として隔壁15に形成されている。すなわち、吹出口5の開口面積は、所望するスチームSTの圧力に応じて設定される。
【0020】
隔壁15は、下部が開放され、被掃除面CSとの間に、吹出口5からスチームSTが吹き出して滞留するスチーム室16を構成する部分である。隔壁15は、本体部1の下部に位置する。本実施形態において、隔壁15は、給液源装着部10及び収容室11の下方に位置し、収容室11とスチーム室16とを仕切っている。つまり、隔壁15及び隔壁15に形成される吹出口5の上方に、給液源2及びスチーム生成部3が位置する。図示される例では、隔壁15又はスチーム室16の上下方向の投影内に給液源2の少なくとも一部及びスチーム生成部3の少なくとも一部が位置する。そのため、隔壁15は、給液源2及びスチーム生成部3の重量を直接的に受ける位置にある。
【0021】
隔壁15は、本体部1の前部から中央部に亘って位置する。そのため、スチーム室16は、本体部1の前部から中央部に亘る位置に区画される。
【0022】
また、隔壁15は、断面視で上に凸の円弧状又はアーチ状となっている。図示される例では、隔壁15は、上壁部150と、上壁部150の前部から下方に延びる前壁部151と、上壁部150の後部から下方に延びる後壁部152と、を一体に有する。上壁部150は、左右方向に略一定の高さを有する。本実施形態において、上壁部150は、前後方向の中央部で最も高く、その前後に向かい徐々に高さが低くなるように湾曲されている。この上壁部150に吹出口5が位置する。図示される例では、吹出口5は、上壁部150の前後方向の中央部、つまり上壁部150のうち最も高い位置にある。したがって、スチーム室16の最上部に吹出口5がある。
【0023】
前壁部151は、収容室11よりも前方に位置して、本体部1の前部を構成している。上壁部150と後壁部152とが、収容室11とスチーム室16とを仕切っている。また、前壁部151と後壁部152との下端部は、本体部1の下端部に位置し、アタッチメントATの本体部1を被掃除面CS上に載置した状態で、被掃除面CSに対し接触又は近接して位置する。そのため、アタッチメントATの本体部1を被掃除面CSに載置した状態で、スチーム室16の下部が被掃除面CSにより密閉又は略密閉される。
【0024】
図1及び
図2に示すように、本実施形態において、隔壁15は、左右方向に延びて形成されている。そのため、スチーム室16は、左右方向に長手状に構成される。図示される例では、スチーム室16は、上下方向から見て、左右方向に長い長方形状に構成される。本実施形態では、隔壁15に左右方向に吹出口5が複数配置されている。これら吹出口5は、左右方向に互いに離れて配置されている。図示される例では、吹出口5は、左右方向に等間隔又は略等間隔で配置されている。吹出口5は、隔壁15又はスチーム室16の左右方向の中央部と、その左右両側に複数ずつと、が配置されている。すなわち、吹出口5は、スチーム室16の左右方向の全体に亘り分散して配置されている。そのため、吹出口5から吹き出したスチームSTがスチーム室16の左右方向の全体に均等又は略均等に行き渡るように構成されている。
【0025】
本実施形態において、吹出口5からのスチームSTの吹き出しは、
図3に示すスチームボタンBTにより操作される。スチームボタンBTは、使用者により操作可能である。スチームボタンBTをオンにすることで、
図1に示す吹出口5からスチームSTが吹き出すようにスチーム生成部3が動作される。本実施形態では、
図3に示すスチームボタンBTは、
図1に示すポンプ30の動作のオンオフを切り換えるポンプスイッチである。ポンプ30は、
図3に示すスチームボタンBTをオンすることでスチームボタンBTをオフするまで連続的に動作するようにしてもよいし、スチームボタンBTを使用者が押下等して操作している間のみ動作するようにしてもよい。本実施形態において、スチームボタンBTは、本体部1の上部に位置する。図示される例では、スチームボタンBTは、本体部1にて収容室11の上部に位置し、電源スイッチSWと左右に並んで配置されている。なお、スチームボタンBTは、
図1に示すスチーム生成部3のヒータ31が所定温度に温まるまで操作不能となるように制御されてもよい。
【0026】
吹出口5から吹き出して被掃除面CSに付着したスチームSTは、汚れとともに拭き取り部材6により拭き取られる。拭き取り部材6は、拭き取りパッドとも呼ばれる。拭き取り部材6は、スチーム室16の外方に配置される。つまり、拭き取り部材6は、隔壁15の外側に位置する。好ましくは、拭き取り部材6としては、水分を一定量吸着保持できるマイクロファイバ等の繊維素材により形成された布等が用いられる。拭き取り部材6としては、専用のものを用いてもよいし、汎用の布等を用いてもよい。
【0027】
本実施形態において、拭き取り部材6は、本体部1に形成された拭き取り部材装着部18に装着される。拭き取り部材装着部18は、本体部1の下部に位置し、アタッチメントATの本体部1を被掃除面CSに載置した状態で被掃除面CSと対向する位置にある。本実施形態において、拭き取り部材装着部18は、スチーム室16すなわち隔壁15の後方に位置する。図示される例では、拭き取り部材装着部18は、隔壁15の後部つまり後壁部152に隣接して位置する。拭き取り部材装着部18は、電池4の下方に位置する。すなわち、拭き取り部材6は、電池4の下方に位置する。拭き取り部材装着部18に装着された拭き取り部材6は、給液源2、電池4、及び、スチーム生成部3の重量を受ける位置にある。
【0028】
好ましくは、
図2に示すように、拭き取り部材装着部18は、左右方向に長手状に形成されている。図示される例では、拭き取り部材装着部18は、スチーム室16と同幅又は略同幅に形成されている。そして、拭き取り部材6が、スチーム室16の左右方向の全体又は略全体に亘り連なって位置するように拭き取り部材装着部18に装着されている。
【0029】
好ましくは、拭き取り部材6は、拭き取り部材装着部18に対して着脱可能となっている。拭き取り部材6は、平面状に形成されて拭き取り部材装着部18に対して移動しないように固定されていてもよいし、拭き取り部材装着部18に、左右方向に軸方向を有して前後方向に回転可能に配置されてもよい。
【0030】
そして、
図1及び
図3に示すように、アタッチメントATは、操作部7によって使用者により被掃除面CS上で操作される。操作部7は、アタッチメントATに対し、本体部1に形成された操作部装着部19に装着される。操作部装着部19は、本体部1の後部に位置する。本実施形態において、操作部装着部19は、電池装着部12よりも後方に位置する。すなわち、操作部装着部19は、電池4よりも後方に位置する。図示される例では、操作部装着部19は、本体部1の最後部に位置し、本体部1から後方に突出する。
【0031】
本実施形態において、操作部装着部19は、軸状に形成され、本体部1に対し、一端部である前端部が回動接続部190を介して回動可能に接続されている。図示される例では、回動接続部190は、多軸構造であり、操作部装着部19を本体部1に対し前後左右に回動させることが可能となっている。
【0032】
好ましくは、操作部装着部19は、操作部7を着脱可能に構成されている。本実施形態では、操作部装着部19は、筒状に形成され、操作部7を着脱可能に係止するクランプ等の係止機構が他端部である後端部の内部に配置されている。係止機構は、操作部7を操作部装着部19に挿入することで操作部7を操作部装着部19に係止固定する。係止機構は、着脱ボタン等の着脱操作部191を有し、着脱操作部191を使用者が操作することで、係止を解除可能となっている。
【0033】
そして、本実施形態において、操作部7は、長尺状に形成されている。操作部7の一端部である前端部が操作部装着部19に装着される。操作部7は、単なる棒体でもよいし、工具等でもよいが、図示される例では、電気掃除機8に用いられる風路管である。本実施形態では、操作部7は、直管状の延長管である。操作部7の前端部には、アタッチメントATと択一的に、床ブラシ等のその他のアタッチメントが着脱可能となっている。
【0034】
電気掃除機8は、吸引掃除用の電気掃除機である。本実施形態では、電気掃除機8として、コードレス式のスティック型掃除機を例に挙げる。電気掃除機8は、掃除機本体80を有する。掃除機本体80には、吸引用の負圧を生じさせる電動送風機等の吸引源81、吸引源81により吸引された含塵空気から塵埃を分離捕集する分離部82、吸引源81等の動作を制御する本体制御部83等が配置されている。掃除機本体80に配置された吸引源81及び本体制御部83は、掃除機本体80に装着された電源部である電池から給電を受ける被給電部である。本実施形態では、吸引源81及び本体制御部83への給電用の電池を、アタッチメントATのスチーム生成部3への給電用の電池4として用いることが可能となっている。図示される例では、電池4は、掃除機本体80に着脱可能となっており、電気掃除機8の掃除機本体80とアタッチメントATの電池装着部12とに対して択一的に着脱される構成となっている。これに限らず、掃除機本体80の被給電部用の電池を別個に備えていてもよい。
【0035】
また、掃除機本体80には、吸引源81の動作、つまり電気掃除機8の運転のオンオフ等を操作する操作スイッチ85が配置されている。操作スイッチ85は、本体制御部83と電気的に接続されている。操作スイッチ85の操作により吸引源81の動作のオンオフ等が本体制御部83に設定され、その設定に応じて本体制御部83が吸引源81の動作を制御する。
【0036】
掃除機本体80には、使用者が把持可能な把持部800が形成されている。本実施形態において、掃除機本体80は、長手状に形成され、把持部800が掃除機本体80の長手方向に沿って配置されている。好ましくは、把持部800に操作スイッチ85が配置され、把持部800を把持した手で使用者が操作スイッチ85を操作可能となっている。また、掃除機本体80には、分離部82の上流側に連通する本体吸込口801が形成されている。本体吸込口801に、操作部7の他端部である後端部が接続される。図示される例では、本体吸込口801は、掃除機本体80の長手方向の一端部である前端部に配置されている。また、掃除機本体80には、吸引源81の下流側に連通する本体排気口802が形成されている。分離部82で塵埃が分離された空気が本体排気口802から排出される。図示される例では、本体排気口802は、掃除機本体80の長手方向の他端部である後端部側に配置されている。
【0037】
次に、第1の実施形態の動作を説明する。
【0038】
アタッチメントATを用いる場合には、操作部装着部19に操作部7の一端部を装着する。そして、操作部7の他端部を電気掃除機8の掃除機本体80の本体吸込口801に接続することで、掃除機本体80の把持部800を使用者が把持して掃除機本体80及び操作部7を介してアタッチメントATを被掃除面CS上で操作可能となる。
【0039】
被掃除面CSに載置するアタッチメントATには、洗浄液Wを貯留した給液源2、電池4、及び、拭き取り部材6を、給液源装着部10、電池装着部12、及び、拭き取り部材装着部18に装着しておく。
【0040】
電源スイッチSWを操作すると、電池4からスチーム生成部3に給電され、制御部32によってヒータ31が動作される。ヒータ31がスチームSTの生成に十分な温度まで温まった状態で使用者がスチームボタンBTを操作すると、制御部32によってポンプ30が動作され、給液源2から洗浄液Wが配管部35に吸い出される。配管部35に吸い出された洗浄液Wは、ヒータ31によって瞬時に気化され、その気化圧によって、配管部35の末端の吹出口5から高温高圧のスチームSTとして、隔壁15と被掃除面CSとの間に構成されるスチーム室16内に吹き出して充満し、スチーム室16の下部に位置する被掃除面CSにスチームSTが直接当たる。スチームSTは、高圧であり、かつ、気体又は微細な液体粒であるため、被掃除面CSに付着している汚れに浸透しやすく、単なる湯等で汚れを落とす場合と比較して、汚れを被掃除面CSから浮き上がらせたり、剥ぎ取ったりしやすくなる。
【0041】
そして、操作部7によってアタッチメントATを前進させると、スチーム室16の後方に位置する拭き取り部材6が被掃除面CSに擦り付けられることで、被掃除面CSにスチームSTとして付着した洗浄液Wとともに、この洗浄液Wによって被掃除面CSから浮き上がらせた又は剥ぎ取った汚れを拭き取る。被掃除面CSに吹き付けられるスチームSTは微量であるため、拭き取り部材6が水浸しになることなく広範囲を掃除可能となる。
【0042】
このように、第1の実施形態によれば、スチーム生成部3と、吹出口5から吹き出して被掃除面CSに付着したスチームSTを拭き取る拭き取り部材6が装着される拭き取り部材装着部18と、操作部7を装着可能な操作部装着部19と、を本体部1に設けることで、操作部装着部19に操作部7を接続することによって、例えばスチーム掃除専用の掃除機本体等を用いることなく、基本的にアタッチメントATのみの簡素な構成でスチーム掃除が可能になるとともに、電池4を電源とするコードレス式であるため、例えば電源コードを用いる場合と比較して、掃除範囲の制限を減らすことができ、使い勝手が良好である。
【0043】
電気掃除機8の風路管を操作部7として操作部装着部19に装着可能であるため、専用の操作部やスチーム掃除専用の掃除機本体等を用いることなく、汎用の電気掃除機8を利用してアタッチメントATを手軽に使用可能となる。また、電気掃除機8の風路管は、吸引掃除用のアタッチメントを用いて掃除をする際に、アタッチメントを被掃除面CS上で前後に走行させる等、スチーム掃除用アタッチメントATと操作方法が類似するため、スチーム掃除用アタッチメントATの操作用として好適である。
【0044】
掃除機本体80の被給電部に対して着脱可能な電池4をスチーム生成部3の電源として本体部1の電池装着部12に着脱可能とすることで、電池4をアタッチメントAT用と電気掃除機8用とで共用できるため、アタッチメントAT専用の電池が不要になる。また、アタッチメントATに直接電池4を装着できるため、例えば掃除機本体80側からアタッチメントATに給電するよりも単純な構造で電源を供給可能となる。
【0045】
しかも、本実施形態の場合、アタッチメントATを使用する際には、基本的に掃除機本体80側は被掃除面CS上でのアタッチメントATの操作用の把持部800を使用するのみであって、被給電部の機能を用いる必要がなく、また、掃除機本体80の被給電部として吸引源81を使用する場合にはアタッチメントATを使用しないから、アタッチメントATと吸引掃除用の掃除機本体80の被給電部とは、互いに択一的にしか使用されることがない。そのため、電池4をアタッチメントAT用と電気掃除機8用とで択一的に使用する構成であっても使い勝手が低下することがない。
【0046】
給液源2を着脱可能な給液源装着部10を本体部1に形成することで、給液源2からスチーム生成部3への洗浄液Wの供給経路を簡素化できるとともに、アタッチメントATの操作部装着部19に操作部7を装着することによって、アタッチメントATのみでスチーム掃除可能な構成を完結できる。
【0047】
被掃除面CSとの間に密閉空間又は略密閉空間であるスチーム室16を構成する隔壁15に吹出口5を形成して、吹出口5からスチーム室16内にスチームSTを吹き出すことで、スチームSTの温度低下を抑制するとともに、スチーム室16の空間全体に高温のスチームSTを充満させて、被掃除面CSの広範囲に高温のスチームSTを当てることができる。そのため、スチーム生成部3においてスチームSTの温度を過剰に高くしなくても被掃除面CSの汚れを落とす効果を発揮できるので、電池4であってもスチーム生成部3への電力を十分に賄うことができる。
【0048】
隔壁15を左右方向に延びて形成して、隔壁15と被掃除面CSとの間にスチーム室16を左右方向に長手状に構成するとともに、吹出口5を隔壁15に左右方向に複数配置することで、スチームSTを被掃除面CSの広範囲に対して当てることができる。
【0049】
スチーム生成部3を隔壁15の上方に配置することで、スチーム生成部3からその下方の隔壁15に形成された吹出口5へのスチームSTの供給経路を簡素化でき、スチーム室16にスチームSTを供給しやすいとともに、スチーム生成部3の重量が隔壁15に加わることでスチーム室16の密閉度を向上できるので、スチーム室16に吹き出されたスチームSTの温度低下を、より確実に抑制できる。
【0050】
拭き取り部材装着部18が少なくとも電池4の下方に位置するため、拭き取り部材装着部18に装着された拭き取り部材6に対して、少なくとも電池4の重量が加わる。本実施形態では、拭き取り部材装着部18に装着された拭き取り部材6に対して、洗浄液Wを含む給液源2の重量、スチーム生成部3の重量、及び、電池4の重量が加わる。そこで、拭き取り部材6が、上方から一定の圧力が加わった状態で被掃除面CSに圧接されるので、被掃除面CSの汚れを拭き取り部材6によって拭き取りやすくなる。
【0051】
しかも、本体部1の上部側に給液源2、スチーム生成部3、及び、電池4が位置するので、本体部1の上部側が下部側より重い構造となる。そのため、アタッチメントATを被掃除面CS上で操作したときにアタッチメントATが被掃除面CSから持ち上がることを抑制できる。
【0052】
スチーム掃除用アタッチメントATを電気掃除機8に備える、すなわち電気掃除機8のアタッチメントの一つとしてスチーム掃除用アタッチメントATを用いることで、一つの電気掃除機8において、操作部7に対しアタッチメントATやその他のアタッチメントを択一的に装着することにより、スチームSTによる被掃除面CSの掃除だけでなく、他のアタッチメントによる被掃除面CSの掃除も可能になる。したがって、使用者は、それぞれの掃除形態専用の電気掃除機を所有する必要がないので、電気掃除機の保管スペースも広く取る必要がなく、かつ、必要な掃除形態用の電気掃除機を都度取り出したり片づけたりする必要もなく、アタッチメントの交換のみで様々な掃除形態を手軽に実施できる。
【0053】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について
図4を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0054】
本実施形態において、吹出口5は、隔壁15の長手方向である左右方向に連なる長穴状に一つ形成されている。吹出口5は、スチーム室16の左右方向の中央部から左右両側に延びている。吹出口5は、両端部がスチーム室16の左右両側端の近傍に位置する。
【0055】
好ましくは、吹出口5は、前後方向の幅が狭く形成されたスリット状となっており、例えば第1の実施形態の複数の吹出口5の総開口面積と等しい又は略等しい開口面積となっている。
【0056】
そして、アタッチメントATでは、電池4から給電されたスチーム生成部3で生成された高温高圧のスチームSTが隔壁15と被掃除面CSとの間に構成されるスチーム室16内に吹出口5から吹き出して充満し、スチーム室16の下部に位置する被掃除面CSに当たって、被掃除面CSに付着している汚れを被掃除面CSから浮き上がらせたり、剥ぎ取ったりする。
【0057】
このとき、本実施の形態では、吹出口5を、スチーム室16を区画する隔壁15の長手方向である左右方向に延びて形成したことで、スチームSTを被掃除面CSの長手方向に連なる広範囲に対して当てることができる。
【0058】
なお、上記の各実施形態において、アタッチメントATの電池4をスチーム室16又は隔壁15の上方に配置してもよい。この場合には、電池4の重量を隔壁15に対して確実に加えることが可能となり、スチーム室16の密閉性をより向上できる。
【0059】
また、アタッチメントATの電源スイッチSW及び/又はスチームボタンBTに代えて、又は、電源スイッチSW及び/又はスチームボタンBTに加えて、電気掃除機8の操作スイッチ85によりアタッチメントATの電源のオンオフ及び/又はスチームSTのオンオフを操作可能としてもよい。
【0060】
さらに、電気掃除機8は、スティック型に限らず、床走行型又はキャニスタ型、ハンディ型等でもよい。キャニスタ型の電気掃除機8の場合、アタッチメントATの操作部装着部19には、延長管及びホース体からなる風路管の延長管の端部が装着され、ホース体等に配置された把持部を使用者が把持してアタッチメントATを操作可能となる。また、ハンディ型の電気掃除機8の場合、アタッチメントATの操作部装着部19には、把持部を有する掃除機本体が装着され、掃除機本体の把持部を使用者が把持してアタッチメントATを操作可能となる。これらの場合でも、スチーム掃除用アタッチメントATの操作用として好適な汎用の電気掃除機8を利用して、スチーム掃除用アタッチメントATを手軽に使用可能となる。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲をこれらの実施形態に限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
AT スチーム掃除用アタッチメント
CS 被掃除面
ST スチーム
W 洗浄液
1 本体部
2 給液源
3 スチーム生成部
4 電池
5 吹出口
6 拭き取り部材
7 操作部
8 電気掃除機
10 給液源装着部
12 電池装着部
15 隔壁
16 スチーム室
18 拭き取り部材装着部
19 操作部装着部
80 掃除機本体
800 把持部