(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】装置
(51)【国際特許分類】
H04R 17/00 20060101AFI20250212BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20250212BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
H04R17/00
B60R11/02 S
H04N5/64 541N
(21)【出願番号】P 2022173695
(22)【出願日】2022-10-28
【審査請求日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】10-2021-0194793
(32)【優先日】2021-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】鄭 議 鉉
(72)【発明者】
【氏名】金 治 完
(72)【発明者】
【氏名】朴 承 烈
(72)【発明者】
【氏名】咸 龍 洙
【審査官】川▲崎▼ 博章
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-167655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 17/00
B60R 11/02
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動部材と、
互いに重畳する複数の振動発生部と、
前記複数の振動発生部の少なくとも一部と前記振動部材を連結する連結部材とを含み、
前記複数の振動発生部のそれぞれが、振動部を含み、
前記複数の振動発生部が、互いに異なる方向または反対の方向に振動し、
前記複数の振動発生部の中の隣接する2つの振動発生部の間にある中間部材をさらに含み、
前記中間部材が、前記複数の振動発生部より剛性である、装置。
【請求項2】
前記複数の振動発生部のそれぞれが、
圧電物質を含む振動層と、
前記振動層の第1面にある第1電極層と、
前記第1面とは異なる面にある第2電極層とを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記連結部材が、前記複数の振動部の中の第1振動発生部の第1電極層に連結した、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記連結部材が、前記複数の振動部の中の第1振動発生部の第1電極層および前記振動部材との間にある、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記複数の振動発生部のそれぞれが、長方形形状である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の振動発生部の中の第1振動発生部が、前記振動部材に直接に連結する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の振動発生部の中の隣接する2つの振動部の間にある保護部材をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記連結部材が、前記複数の振動発生部の中の第1振動発生部の一部と重畳した、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記複数の振動発生部が、前記中間部材を挟んで互いに異なる方向または反対の方向に振動するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記振動発生部が、前記連結部材を挟んで前記振動部材から離隔した、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記連結部材が、
第1連結部材と、
前記第1連結部材を挟んで離隔した少なくとも2つの追加連結部材とを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも2つの追加連結部材が、前記追加連結部材と前記振動部および前記振動部材との間にエアギャップを定義する前記振動部の縁部分から離隔した、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも2つの追加連結部材が、前記追加連結部材と前記第1連結部材と前記振動部および前記振動部材との間にエアギャップを定義する前記第1連結部材から離隔した、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも2つの追加連結部材が、隣接する前記追加連結部材と前記振動部および前記振動部材との間にエアギャップを定義するように互いに離隔した、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも2つの追加連結部材が、
第2連結部材および第3連結部材を含み、
前記第2連結部材および第3連結部材は、前記第1連結部材を挟んで対称である、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記第1連結部材が、前記少なくとも2つの追加連結部材よりも剛性である、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも2つの追加連結部材が、前記第1連結部材よりも弾性である、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記第1連結部材を一側に置いた前記少なくとも2つの追加連結部材の第2連結部材が、
前記第1連結部材と前記振動部の先端の間に位置した、請求項11に記載の装置。
【請求項19】
前記第1連結部材を一側に置いた前記少なくとも2つの追加連結部材の第2連結部材が、
前記第1連結部材に隣接して位置した、請求項11に記載の装置。
【請求項20】
前記第1連結部材を一側に置いた前記少なくとも2つの追加連結部材の第2連結部材が、
前記振動部の一側に隣接して位置した、請求項11に記載の装置。
【請求項21】
前記振動部材が、金属、プラスチック、紙、繊維、布、木材、ゴム、皮革、ガラス、および鏡の中の1つ以上の材質を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記振動部材が、映像を表示する画素を有する表示パネル、表示装置から映像が投射されるスクリーンパネル、発光ダイオード照明パネル、有機発光照明パネル、無機発光照明パネル、サイネージパネル、運送手段の内蔵材、運送手段の外装材、運送手段のガラス窓、運送手段の座席内装材、建物の天井材、建物の内装材、建物のガラス窓、航空機の内装材、航空機のガラス窓、及び鏡の中の1つ以上を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
振動部材と、
互いに重畳する複数の振動発生部と、
前記複数の振動発生部の少なくとも一部と前記振動部材を連結する連結部材とを含み、
前記複数の振動発生部のそれぞれが、振動部を含み、
前記振動部は、振動層を含み、
前記振動層は、複数の第1部分、および前記複数の第1部分とは異なる材料を含む複数の第2部分を含み、
前記複数の振動発生部が、互いに異なる方向または反対の方向に振動し、
前記複数の振動発生部の中の隣接する2つの振動発生部の間にある中間部材をさらに含み、
前記中間部材が、前記複数の振動発生部より剛性である、装置。
【請求項24】
前記複数の第1部分のそれぞれが、圧電効果を有する無機材料を含み、
前記複数の第2部分のそれぞれは、前記第1部分である無機材料に比べて柔軟性を有する有機材料を含む、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記複数の第1部分および前記複数の第2部分が、第1方向に沿って交互に繰り返し配列された、請求項23に記載の装置。
【請求項26】
前記第1方向に沿って前記複数の第1部分のそれぞれの幅が、前記振動層の中間部分か前記振動層の両端部分に行くほど段々に減少、または増加する、および/または前記第1方向に沿って前記複数の第2部分のそれぞれの幅は、前記振動層の中間部分から前記振動層の両端部分に行くほど段々に減少する、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記複数の第1部分が
、第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に沿って互いに離隔され、
前記複数の第2部分は、前記複数の第1部分の間に配置された、請求項23
または24に記載の装置。
【請求項28】
前記複数の第1部分が
、第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に沿って互いに離隔され、前記複数の第2部分は、前記複数の第1部分のそれぞれを囲む、請求項23に記載の装置。
【請求項29】
前記複数の第1部分のそれぞれが、円形状、楕円形状、多角形状、またはドーナツ形状を有する、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記複数の第1部分のそれぞれが、三角形状を有し、
前記三角形状を有する前記複数の第1部分のうちの隣接する2N(Nは、2以上の自然数)個の第1部分は、2N角形状をなすように互いに隣接して配置された、請求項23、24、28、29のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
振動装置は、マグネットとコイルを含むコイル方式または圧電素子を用いた圧電方式などの方式によって振動して音響を出力することができる。
【0003】
圧電方式の振動装置は、圧電素子の脆性特性により外部衝撃により容易に破損し得、これにより音響再生の信頼性が低いという問題点がある。また、圧電方式の振動装置は、圧電素子の低い圧電定数により、コイル方式に比べて低音域帯領域での音響特性および/または音圧特性が低いという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本明細書の発明者らは、上記の問題を認識し、音響の音質を向上させることができ、音圧特性を向上させることができる振動装置を具現するためのいくつかの実験を行った。様々な実験を通じて、音響の音質を向上させることができ、音圧特性を向上させることができる新しい振動装置を含む装置を発明した。
【0005】
本明細書の実施例による解決課題は、振動部材を振動させて振動または音響を発生させることができ、音響特性および/または音圧特性を向上させることができる装置を提供することである。
【0006】
本明細書の実施例による解決課題は、上述の課題に限定されず、言及していない他の課題は、以下の記載から当業者には明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書の実施例による装置は、振動部材、互いに重畳した複数の振動発生部、及び複数の振動発生部の少なくとも一部と振動部材を連結する連結部材を含むことができる。
【発明の効果】
【0008】
本明細書による装置は、表示パネルを振動させて音響を発生させることができ、向上した音圧特性を有する音響を表示パネルの前方に出力することができる。
【0009】
本明細書による装置は、表示パネルの振幅変位の増加に伴う表示パネルの変位によって発生する音響の中音域帯、低音域帯、及び/又は中低音域帯の特性を向上させることができ、音響の平坦度を改善することができる。
【0010】
本明細書に係る振動装置は、振動板の変位によって発生する音響の中音域帯、低音域帯、及び/又は中低音域帯の特性を向上させることができ、音響の平坦度を改善することができる。
【0011】
上記の本明細書の効果以外に、本明細書の他の特徴および利点は、以下に記載されるか、またはそのような記載および説明から本明細書が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本明細書の実施例による装置を示す図である。
【
図3A】本明細書の実施例による振動装置の変位を説明する図である。
【
図3B】本明細書の実施例による振動装置の変位を説明する図である。
【
図3C】本明細書の実施例による振動装置の変位を説明する図である。
【
図3D】本明細書の実施例による振動装置の変位を説明する図である。
【
図4A】本明細書の実施例による振動装置の変位を説明する図である。
【
図4B】本明細書の実施例による振動装置の変位を説明する図である。
【
図4C】、本明細書の実施例による振動装置の変位を説明する図である。
【
図4D】、本明細書の実施例による振動装置の変位を説明する図である。
【
図5A】
図2に示した振動層の様々な実施例を示す斜視図である。
【
図5B】
図2に示した振動層の様々な実施例を示す斜視図である。
【
図5C】
図2に示した振動層の様々な実施例を示す斜視図である。
【
図5D】
図2に示した振動層の様々な実施例を示す斜視図である。
【
図6】
図2に示した本明細書の実施例による振動装置と実験例の音響出力特性を示す図である。
【
図7】本明細書の他の実施例による振動装置を示す断面図である。
【
図8】
図7に示した振動装置の背面を示す図である。
【
図9A】本明細書の他の実施例による振動装置の変位を説明する図である。
【
図9B】本明細書の他の実施例による振動装置の変位を説明する図である。
【
図10】本明細書の他の実施例による振動装置を示す断面図である。
【
図12A】本明細書の他の実施例による振動装置の変位を説明する図である。
【
図12B】本明細書の他の実施例による振動装置の変位を説明する図である。
【
図13】本明細書の他の実施例による振動装置を示す断面図である。
【
図15】本明細書の他の実施例による振動装置を示す断面図である。
【
図17】本明細書の実施例による装置を示す図である。
【
図19】本明細書の実施例による振動装置と比較される実験例の音響出力特性を示す図である。
【
図20】本明細書の実施例による振動装置と比較される実験例の音響出力特性を示す図である。
【
図21】
図7に示した本明細書の実施例による振動装置の音響出力特性を示す図である。
【
図22】
図7及び
図10に示した本明細書の実施例による振動装置と実験例の音響出力特性を示す図である。
【
図23】
図10に示した本明細書の実施例による振動装置と実験例の音響出力特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書の利点および特徴、ならびにそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述される様々な例を参照することによって明らかになるであろう。しかしながら、本明細書は、以下に開示される様々な例に限定されるものではなく、様々な形態で実施されるものであり、本明細書の様々な例は、本明細書の開示を完全にし、本明細書の技術的思想が属する技術分野において通常の知識を有する者に本明細書の技術的思想の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本明細書の例は特許請求の範囲によって定義されるだけである。
【0014】
本明細書の様々な例を説明するための図に開示された形状、大きさ、比率、角度、個数などは例示的なものであり、本明細書の面に示された事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって同じ参照番号は、同じ構成要素を指す。なお、本明細書の実施例の説明において、関連する公知技術の具体的な説明が本明細書の要旨を不必要に曖昧にし得ると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0015】
本明細書で言及される「含む」、「有する」、「からなる」などが使用される場合、「~のみ」が使用されない限り、他の部分が追加され得る。構成要素を単数で表現した場合に、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0016】
構成要素を解釈する際に、別途の明示的記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0017】
位置関係の説明である場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~横に」などで2つの部分の位置関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されない限り、2つの部分の間に1つ以上の他の部分が配置され得る。
【0018】
時間関係の説明である場合、例えば、「~後に」、「~に続いて」、「~次に」、「~前に」などで時間的前後関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されない限り連続的でない場合も含むことができる。
【0019】
第1、第2などが様々な構成要素を説明するために使用されるが、これらの構成要素はこれらの用語によって限定されない。これらの用語は、単一の構成要素を他の構成要素と区別するためにのみ使用される。したがって、以下で言及される第1の構成要素は、本明細書の技術的思想内で第2の構成要素であり得る。
【0020】
「第1水平軸方向」、「第2水平軸方向」及び「垂直軸方向」は、相互の関係が垂直からなる幾何学的関係のみと解釈されてはならず、本明細書の構成が機能的に作用する。可能な範囲内より広い方向性を有することを意味することができる。
【0021】
「少なくとも1つ」の用語は、1つ以上の関連項目から提示可能なすべての組み合わせを含むことを理解されなければならない。例えば、「第1項目、第2項目、第3項目の中の少なくとも1つ」の意味は、第1項目、第2項目、または第3項目のそれぞれだけでなく、第1項目、第2項目、および第3項目の中の2つ以上から提示できるすべての項目の組み合わせを意味することができる。
【0022】
本明細書のいくつかの例のそれぞれの特徴は、部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に様々な連動および駆動が可能であり、各例は互いに独立して実施可能であり、関連して一緒に実施することもできる。
【0023】
以下では、本明細書の実施例による装置の好ましい例を添付図を参照して詳細に説明する。各図の構成要素に参照符号を追加する際に、同一の構成要素については、異なる図に表示されていても、可能な限り同じ符号を有することができる。なお、添付の図に示した構成要素のスケールは、説明の便宜上、実際とは異なるスケールを有しているため、図面に示すスケールに限定されない。
【0024】
図1は本明細書の実施例による装置を示す図であり、
図2は
図1に示した線A-A’の断面図である。
図3A~
図3Dは、本明細書の実施例による振動装置の変位を説明する図であり、
図4A~
図4Dは、本明細書の実施例による振動装置の変位を説明する図である。
【0025】
図1及び
図2を参照すると、本明細書の実施例による振動装置1は、フレキシブル振動構造物、フレキシブル振動器、フレキシブル振動発生素子、フレキシブル振動発生器、フレキシブル音響器、フレキシブル音響素子、フレキシブル音響発生素子、フレキシブル音響発生器、フレキシブルアクチュエータ、フレキシブルスピーカー、フレキシブル圧電スピーカー、フィルムアクチュエーター、フィルム型圧電複合体アクチュエーター、フィルムスピーカー、フィルム型圧電スピーカー、またはフィルム型圧電複合体スピーカーなどで表現することができ、これに限定されるものではない。
【0026】
本明細書の実施例による振動装置1は、振動部材20および振動部10を含むことができる。例えば、振動部材20は、振動対象物、表示パネル、振動板、または前面部材であり得、これに限定されるものではない。
【0027】
本明細書の実施例による振動部材20は、映像を表示する表示パネルであり得る。表示パネルは、映像、例えば映像(electronic image、digital image、still image、またはvideo imageなど)を表示することができる。例えば、表示パネルは、光を出力して映像を表示することができる。表示パネルは、液晶表示パネル、有機発光表示パネル、量子ドット発光表示パネル、マイクロ発光ダイオード表示パネル、電気泳動表示パネルなどの任意の形態の表示パネルまたは曲面型表示パネルであり得る。表示パネルは、フレキシブル表示パネルであり得る。例えば、表示パネルは、フレキシブル発光表示パネル、フレキシブル電気泳動表示パネル、フレキシブル電子湿潤表示パネル、フレキシブルマイクロ発光ダイオード表示パネル、またはフレキシブル量子ドット発光表示パネルであり得、これらに限定されるものではない。
【0028】
本明細書の他の実施例によれば、振動部材20は、金属、木材、ゴム、プラスチック、ガラス、布、繊維、紙、鏡、および皮革の中の1つ以上であり得、これらに限定されるものではない。例えば、紙は、スピーカー用のコーン紙であり得る。例えば、コーン紙はパルプや発泡プラスチックなどであり得、これに限定されるものではない。
【0029】
例えば、振動部材20は、映像を表示する複数の画素を有する表示パネルを含むか、自動車の内装材、自動車のガラス窓、建物の室内天井、建物のガラス窓、建物の内装材、航空機の内装材、及び航空機の窓ガラス等の中の一つ以上であり得、これに限定されるものではない。例えば、振動部材20は、映像を表示する複数の画素を有する表示パネル、表示装置から映像が投射されるスクリーンパネル、照明パネル、サイネージパネル、運送手段の内装材、運送手段のガラス窓、運送手段の外装材、建物の天井材、建物の内装材、建物のガラス窓、および鏡の中の1つ以上を含むことができ、これらに限定されるものではない。例えば、表示パネルは、液晶表示パネル、有機発光表示パネル、量子ドット発光表示パネル、マイクロ発光ダイオード表示パネル、電気泳動表示パネルなどのような全ての形態の表示パネルまたは曲面型表示パネルであり得る。例えば、表示パネルはフレキシブル表示パネルであり得る。例えば、表示パネルは、フレキシブル発光表示パネル、フレキシブル電気泳動表示パネル、フレキシブル電子湿潤表示パネル、フレキシブルマイクロ発光ダイオード表示パネル、またはフレキシブル量子ドット発光表示パネルであり得、これらに限定されるものではない。例えば、非表示パネルは、発光ダイオード照明パネル(または装置)、有機発光照明パネル(または装置)または無機発光照明パネル(または装置)などであり、これらに限定されるものではない。例えば、振動対象物は、映像を表示する複数の画素を有する表示パネルを含むか、または発光ダイオード照明パネル(または装置)、有機発光照明パネル(または装置)、または無機発光照明パネル(または装置)の中の1つ以上であり得、これに限定されるものではない。
【0030】
振動部10は、振動部材20を振動させることができる。例えば、振動部10は、振動部材20を直接に振動させることができるように振動部材20の背面に設けることができる。例えば、振動部10は、振動部材20の背面で振動部材20を振動させることにより、振動部材20の振動に基づいて音響および/またはハプティックフィードバックを使用者に提供することができる。例えば、振動部材20は、振動部10の振動によって音響を出力することができる。振動部10は、振動部材20を振動板として用いて音響を出力することができる。例えば、振動部10は、振動板として振動部材20を用いて振動部材20の前面に音響を出力することができる。例えば、振動部10は、音の進行方向が表示パネルまたは振動部材20の前面となるように音響を発生させることができる。振動部10は、振動部材20を振動して音響を出力することができる。例えば、振動部10は、振動部材20を直接に振動して音響を出力することができる。例えば、振動部材20は、振動対象物、振動板、または前面部材であり得、用語に限定されない。
【0031】
本明細書の実施例によれば、振動部10は、振動部材20である表示パネルに表示される映像と同期する振動駆動信号によって振動して、表示パネルを振動させることができる。本明細書の他の実施例によれば、振動部10は、表示パネル上に配置、または表示パネルに埋め込まれたタッチパネル(またはタッチセンサ層)に対する使用者のタッチに同期するハプティックフィードバック信号(または触覚フィードバック信号)にしたがって振動して、表示パネルを振動させることができる。これにより、表示パネルは、振動部10の振動によって振動し、音響およびハプティックフィードバックの中の少なくとも1つ以上を使用者(または視聴者)に提供することができる。
【0032】
本明細書の実施例による振動装置1の振動部10は、複数の振動発生部10a、10bを含むことができる。
【0033】
複数の振動発生部10a、10bは、互いに同じ方向に変位(または駆動)するように、互いに重畳するか積層することができる。例えば、複数の振動発生部10a、10bは、実質的に互いに同じ大きさを有することができ、これに限定されるものではない。例えば、複数の振動発生部10a、10bは、製造工程上の誤差範囲内で実質的に互いに同じ大きさを有することができ、これに限定されるものではない。これにより、複数の振動発生部10a、10bは、振動部10の振幅変位および/または振動部材20の振幅変位を最大化することができる。複数の振動発生部10a、10bのそれぞれの一側(端部又は先端又は外側面又は各角部分)は、振動部材20の厚み方向(Z)に沿って延長した仮想の延長線に整列又は仮想の延長線に位置することができる。
【0034】
例えば、複数の振動発生部10a、10bの中で少なくとも一つが、複数の振動発生部10a、10bのそれぞれの変位方向と振幅変位が互いに一致しないと、振動部10の振幅変位が最大化となり得ない。例えば、複数の振動発生部10a、10bの中の少なくとも1つが、製造工程上の誤差範囲を超えて異なる大きさを有する場合、複数の振動発生部10a、10bのそれぞれの変位方向と振幅変位が互いに一致しないため、振動部10の振幅変位が最大化となり得ない。複数の振動発生部10a、10bの少なくとも一方が異なる方向に変位する場合、複数の振動発生部10a、10bのそれぞれの変位方向が一致しないため、振動部10の振幅変位が最大化となり得ない。
【0035】
本明細書の実施例による振動部10は、同じ方向に変位するように積層された2つ以上の振動発生部10a、10bを含むことができる。以下の説明において、振動部10は、第1および第2振動発生部10a、10bを含むものと仮定して説明する。
【0036】
本明細書の一実施例によれば、振動部10は振動部材20上に連結または配置することができる。例えば、第1振動発生部10aは、を振動部材20上に連結または配置することができる。第1振動発生部10aは、接着層31を介して振動部材20上に連結または配置され得る。
【0037】
本明細書の実施例による第1及び第2振動発生部10a、10bは、第1カバー部材41(または第1保護部材41)及び第2カバー部材42(または第2保護部材42)を含むことができる。第1カバー部材41は、第1振動発生部10aと第2振動発生部10bの間に配置され得る。第2カバー部材42は、第2振動発生部10b上に配置することができる。第1振動発生部10aの下面には、別個のカバー部材を配置しなくてもよい。例えば、第1振動発生部10aは、他のカバー部材なしで第1接着層31を介して振動部材20に直接に連結または配置され得る。
【0038】
第1振動発生部10aは、振動層11、第1電極層12及び第2電極層13を含むことができる。第2振動発生部10bは、振動層14、第1電極層15、及び第2電極層16を含むことができる。
【0039】
第1及び第2振動発生部10a、10bのそれぞれの振動層11、14は、圧電効果を含む圧電物質(又は電気活性物質)を含むことができる。例えば、圧電物質は、外力によって結晶構造に圧力やねじれ現象が作用しながら、正(+)イオンと負(-)イオンの相対的な位置変化による誘電分極(または誘電ポーリング)によって電位差が発生し、逆に印加される電圧電界によって振動が発生する特性を有することができる。振動層11は、相対的に高い振動の具現が可能なセラミック系の物質で構成するか、ペロブスカイト系の結晶構造を有する圧電セラミックで構成することができる。例えば、振動層11は、圧電層、圧電物質層、電気活性層、圧電物質部、電気活性部、圧電構造物、圧電複合層、圧電複合体、または圧電セラミック複合体などの他の用語で表すことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0040】
振動層11、14は、相対的に高い振動の具現が可能なセラミック系列の物質で構成することができ、ペロブスカイト系列の結晶構造を有する圧電セラミックで構成してもよい。ペロブスカイト結晶構造は、圧電および逆圧電効果を有し、配向性を有する構造であり得る。ペロブスカイト結晶構造は、ABO3の式で表され、Aサイトは2価の金属元素からなり、Bサイトは4価の金属元素からなり得る。本明細書の実施例として、ABO3の式において、AサイトおよびBサイトはカチオンであり、Oはアニオンであり得る。例えば、ABO3の式は、PbTiO3、PbZrO3、PbZrTiO3、BaTiO3、およびSrTiO3の中の少なくとも1つを含み得るが、本明細書の実施例はこれらに限定されない。
【0041】
ペロブスカイト結晶構造は、外部応力または磁場によって中央イオン、例えば、PbTiO3の場合、Tiイオンの位置が変動して分極(polarizationまたはpoling)が変化して圧電効果を発生することができる。例えば、ペロブスカイト結晶構造は、外部応力または磁場によって対称な構造であるキュービック(cubic)形状から、非対称構造である四角形、直方体形状、および菱形などの形状に変化することで、圧電効果を発生させることができる。対称でない構造を有する四角形および菱形の相転移境界領域(Morphotropic Phase Boundary)で分極(またはポーリング)が高く、分極(またはポーリング)の再配列が容易であるため、高い圧電特性を有することができる。
【0042】
本明細書の他の実施例による振動層11、14は、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、及びニオブ(Nb)の中の1種以上を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0043】
本明細書の他の実施例による振動層11、14は、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、及びチタン(Ti)を含むPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系物質、又は鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)ニッケル(Ni)、およびニオブ(Nb)を含むPZNN(ニッケルニオブ酸ジルコン酸鉛)系物質を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。または、振動層11は、鉛(Pb)を含まないCaTiO3、BaTiO3、およびSrTiO3の中の少なくとも1つ以上を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されない。
【0044】
第1及び第2振動発生部10a、10bのそれぞれの振動層11、14は、一定の温度雰囲気又は高温から常温に変化する温度雰囲気で、それぞれの第1電極層12、15と第2電極層13、16に印加される一定の電圧によって分極化(またはポーリング)することができ、これに限定されるものではない。例えば、振動層11、14のそれぞれは、第1電極層12、15及び第2電極層13、16に外部から印加される音響信号(又はボイス信号)による逆圧電効果により収縮又は膨張が交互に繰り返されることによって振動することができる。例えば、振動層11、14のそれぞれは、第1電極層12、15と第2電極層13、16によって、垂直方向の振動(d33)及び側面方向の振動(d31)で振動部材20を振動させることができる。
【0045】
第1及び第2振動発生部10a、10bのそれぞれの振動層11、14は、同一方向に分極化(またはポーリング)することができる。例えば、第1および第2振動発生部10a、10bのそれぞれの振動層11、14は、分極方向(またはポーリング方向)が、振動部材20の厚さ方向(Z)に基づいて、上部方向を向くように構成され得る。または、第1および第2振動発生部10a、10bのそれぞれの振動層11、14は、分極方向(またはポーリング方向)が振動部材20の厚さ方向(Z)に基づいて、下部方向を向くように構成され得る。第1および第2振動発生部10a、10bは、互いに積層され、互いに同じ分極方向(または互いに同じポーリング方向)を有するので、同様に垂直方向の振動(d33)で振動部材20を振動させることができる。例えば、第1振動発生部10aの振動層11は、第1電極層12と第2電極層13により、垂直方向の振動(d33)で振動部材20を振動させることができる。第2振動発生部10bの振動層14は、第1電極層15と第2電極層16により、垂直方向の振動(d33)で振動部材20を振動させることができる。振動層11、14の垂直方向の収縮および膨張により、振動部材(または振動板、または振動対象物)の変位を増加させることができ、これにより振動特性をさらに向上させることができる。
【0046】
第1及び第2振動発生部10a、10bのそれぞれの第1電極層12、15は、振動層11、14の第1面(又は下面)に配置され得る。第1電極層12、15は、振動層11、14と同じ大きさを有するか、振動層11、14よりも小さい大きさを有することができる。例えば、第1電極層12、15は、振動層11、14の端部分を除いた残りの第1面全体に形成することができる。
【0047】
第1及び第2振動発生部10a、10bのそれぞれの第2電極層13、16は、振動層11、14の第1面と異なる又は反対の第2面(又は上面)に配置することができる。第2電極層13、16は、振動層11、14と同じ大きさを有することができ、振動層11、14よりも小さい大きさを有することができる。例えば、第2電極層13、16は、振動層11、14の端部分を除く残りの第2面全体に形成することができる。例えば、第2電極層13、16は、振動層11、14と同じ形状を有することができるが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0048】
本明細書の実施例による第1電極層12、15および第2電極層13、16のそれぞれはカーボンを含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、第1電極層12、15と第2電極層13、16の中の少なくとも1つ以上は、透明導電性物質、半透明導電性物質、または不透明導電性物質からなり得る。例えば、透明または半透明の導電物質は、ITO(酸化インジウムスズ)またはIZO(酸化インジウム鉛)を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。不透明導電性物質は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、モリブデン(Mo)、マグネシウム(Mg)、またはガラスフリット(glass frit)を含む銀(Ag)などを含むかまたはそれらの合金からなり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。本明細書の他の実施例によれば、第1電極層12、15と第2電極層13、16のそれぞれは、振動層11、14の電気的特性および/または振動特性を向上させるために、比抵抗が低い銀(Ag)を含むことができる。例えば、カーボンは、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、およびグラファイトを含む炭素材料であり得る。
【0049】
第1及び第2振動発生部10a、10bのそれぞれにおいて、第1振動発生部10aの第1電極層12は、第2電極層13よりも振動部材20に近くに配置することができ、これに限定されるものではない。例えば、本発明の第1及び第2振動発生部10a、10bを含む振動部10は、第1及び第2振動発生部10a、10bのそれぞれの第1電極層12を、第2電極層13よりも振動部材20に近い位置に配置することができる。
【0050】
振動層11、14は、一定の温度雰囲気または高温から常温に変化する温度雰囲気で第1電極層12、15と第2電極部13、16に印加される一定の電圧によって分極化(またはポーリング)され得、これに限定されるものではない。例えば、振動部10は、外部から第1電極部12,13と第2電極部13、16に印加される振動駆動信号(又は音響信号又はボイス信号)による逆圧電効果によって収縮と膨張を交互に繰り返すことで変位または振動することができる。
【0051】
第1振動発生部10aの振動層11は、第2振動発生部10bの振動層11、14と同じ大きさを有することができる。振動部10の変位量または振幅範囲を最大化または増加させるために、第1振動発生部10aの振動層11は、第2振動発生部20の振動層14とずれることなく製造工程上の誤差範囲内で実質的に重なるかまたは重畳することができる。例えば、第1振動発生部10aの振動層11と第2振動発生部10bの振動層14とは、互いに同じ大きさを有しながら、ずれることなしに重なった積層構造で具現され、これにより、振動部10の変位量または振幅変位を最大化または増加させることができる。例えば、第1振動発生部10aの振動層11と第2振動発生部10bの振動層14とは、互いに同じ大きさを有しながら、ずれることなく正確に重なった積層構造で具現され、これにより、振動部10の変位量または振幅変位を最大化または増加させることができる。
【0052】
第1振動発生部10aにおいて、第1カバー部材41は、第2電極層13上に配置することができる。第1カバー部材41は、第2電極層13を保護することができる。例えば、第1カバー部材41は、プラスチック材質、繊維材質、または木材材質からなり得、これらに限定されるものではない。
【0053】
第2振動発生部10bでは、第2カバー部材42は、第2電極層16上に配置することができる。第2カバー部材42は、第2電極層16を保護することができる。例えば、第2カバー部材42は、プラスチック材質、繊維材質、または木材材質からなり得、これに限定されるものではない。
【0054】
第1及び第2振動発生部10a、10bのそれぞれに配置された第1カバー部材41と第2カバー部材42は、互いに同じか又は異なる材質からなり得る。第1カバー部材41と第2カバー部材42のそれぞれは、ポリイミドフィルムまたはポリエチレンテレフタレートフィルムであり得、これに限定されるものではない。
【0055】
第1及び第2振動発生部10a、10bのそれぞれには、少なくとも1つの第1接着層31、第2接着層32、第3接着層33及び第4接着層34を含むことができる。
【0056】
第1振動発生部10aでは、第1接着層31は、振動層11と振動部材20の間に配置することができる。例えば、第1接着層31は、振動層11上の第1電極層12と振動部材20の間に配置され得る。第1及び第2振動発生部10a、10bのそれぞれの第1接着層31、第2接着層32、第3接着層33及び第4接着層34の中で、第1接着層31は、部材間を接着する機能に加えて、部材を保護する機能をさらに付与することができる。例えば、第1接着層31は、熱硬化性接着剤、光硬化性接着剤、および熱融着接着剤の中の1つ以上を含むことができる。例えば、第1接着層31は、熱融着接着剤を含むことができる。熱融着接着剤は、熱活性タイプまたは熱硬化性タイプであり得る。例えば、熱融着接着剤を含む第1接着層31は、熱と圧力によって第1振動発生部10aと振動部材20を互いに連結または結合することができる。例えば、熱融着接着剤を含む第1接着層31は、熱によって第1振動発生部10aと振動部材20を互いに連結または結合することができる。
【0057】
第1振動発生部10aにおいて、第2接着層32は、振動層11と第1カバー部材41の間に配置され得る。例えば、第2接着層32は、振動層11上の第2電極層13と第1カバー部材41の間に配置され得る。第1カバー部材41は、第2接着層32を介して第1振動発生部10a上に配置され得る。例えば、第1カバー部材41は、第2接着層32を媒介とするラミネート工程によって、第1振動発生部10aの第2面(または第2電極層13)に結合または連結することができる。
【0058】
第1振動発生部10aにおいて、第1及び第2接着層31、32は、第1カバー部材41と振動部材20の間で、互いに連結又は結合し得る。例えば、第1振動発生部10aにおいて、第1及び第2接着層31、32は、第1カバー部材41と振動部材20の間の端部分で互いに連結又は結合し得る。したがって、第1振動発生部10aでは、振動層11は、第1および第2接着層31、32によって囲むことができる。例えば、第1及び第2接着層31、32は、第1振動発生部10a全体を完全に囲むことができる。
【0059】
第2振動発生部10bでは、第3接着層33を振動層14と第1カバー部材41の間に配置することができる。例えば、第3接着層33は、振動層14上の第1電極層15と第1カバー部材41の間に配置され得る。第1カバー部材41は、第3接着層33を介して第2振動発生部10bの第1面(または第1電極層15)上に配置され得る。例えば、第1カバー部材41は、第3接着層33を媒介とするラミネート工程によって、第2振動発生部10bの第1面(または第1電極層15)に結合または連結することができる。
【0060】
第2振動発生部10bでは、第4接着層34は、振動層14と第2カバー部材42の間に配置することができる。例えば、第4接着層34は、振動層14上の第2電極層16と第2カバー部材42の間に配置され得る。第2カバー部材42は、第4接着層34を介して第2振動発生部10b上に配置され得る。例えば、第2カバー部材42は、第4接着層34を媒介とするラミネート工程によって、第2振動発生部10bの第2面(または第2電極層16)に結合または連結することができる。
【0061】
第2振動発生部10bにおいて、第3及び第4接着層33、34は、第1カバー部材41と第2カバー部材42の間で互いに連結又は結合され得る。例えば、第2振動発生部10bにおいて、第3及び第4接着層33、34は、第1カバー部材41と第2カバー部材42の間の端部分で、互いに連結又は結合され得る。したがって、第2振動発生部10bでは、振動層14は、第3および第4接着層33、34によって囲むことができる。例えば、第3及び第4接着層33、34は、第2振動発生部10b全体を完全に囲むことができる。
【0062】
第1及び第2振動発生部10a、10bのそれぞれにおいて、第1、第2、第3及び第4接着層31、32、33、34のそれぞれは、電気絶縁物質を含むことができる。例えば、電気絶縁物質は、接着性を有し、圧縮および復元が可能な物質であり得る。例えば、第1、第2、第3および第4接着層31、32、33、34の中の少なくとも1つ以上は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、またはウレタン樹脂を含むことができ、これに限定されるものではない。
【0063】
本明細書の実施例による振動部10は、振動部材20の厚み方向(Z)を基準に、振動駆動信号によってd33方向(又はZ軸方向)に変位(又は振動)することができる。第1及び第2振動発生部10a、10bは、d33方向の変位を最大化できるように、横の長さ(b)(又はX軸長)と縦の長さ(a)(又はY軸長)を互いに異なって有するように構成することができる。例えば、振動部10は、横の長さ(b)または縦の長さ(a)のいずれか一方の長さをより長く構成することができる。例えば、振動部10の横の長さ(b)は、縦の長さ(a)よりも長く構成することができる。例えば、振動部10の横の長さ(b)は6cm~12cmであり、縦の長さ(a)は3cm~6cmであり得る。例えば、振動部10は、長方形構造で構成することもでき、これに限定されるものではない。
【0064】
図3A~
図3Dを参照すると、本明細書の実施例による振動部10は、横の長さ(b)が縦の長さ(a)より長く構成され得る。振動部10は、分極方向(またはポーリング方向)が振動部材20の厚さ方向(Z)を基準にして、上部方向を向くように構成することができる。そして、
図3A及び
図3Bに示すように、振動部10の上部電極(又は第2電極)に正電圧(+)(又は陽電圧)が印加され、下部電極(又は第1電極)に逆電圧(-)(または陰電圧)を印加することができる。これにより、分極(またはポーリング)の進行方向と正電圧(+)が互いに合うようになり、振動部10は、厚み方向(Z)に圧縮され、平面上で外側に拡張するように変形することができる。振動部10は、横の長さ(b)が縦の長さ(a)よりも長く構成されることで、d
31方向(または水平方向)の変形より、d
33方向(または垂直方向)をより大きく変形させることができる。
図3C及び
図3Dに示すように、振動部10の上部電極(又は第2電極)に逆電圧(-)(又は陰電圧)が印加され、下部電極(又は第1電極)に正電圧(+)(または陽電圧)を印加することができる。これにより、分極(またはポーリング)の進行方向と逆電圧(-)とが互いに合うようになり、振動部10は、厚み方向(Z)に拡張し、平面上で外側から縮小するように変形することができる。振動部10は、横の長さ(b)が縦の長さ(a)よりも長く構成されることで、d
31方向(または水平方向)の変形よりもd
33方向(または垂直方向または厚み方向)をより大きく変形させることができる。
【0065】
図4A~
図4Dを参照すると、本明細書の実施例による振動部10は、
図4A及び
図4Bに示すように、振動部材20の厚さ方向(Z)を基準として、互いに積層された第1及び第2振動発生部10a、10bで構成することができる。このような積層構造の振動部10は、水平方向(X又はY)に平行に配置して構成された振動部(
図4C及び
図4D)よりも、振動変位をより集中させることができることにより、振動部材(又は振動板、又は振動対象物)の変位を増加させることができ、これにより、振動特性をさらに向上させることができる。例えば、本明細書の実施例による振動部10は、
図4Aと
図4Cを対比して参照すると、d
33方向(または垂直方向)にさらに大きく変形することが分かる。本明細書の実施例による振動部10は、
図4Bおよび
図4Dを対比して参照すると、d
31方向(または水平方向)にさらに大きく変形することが分かる。
【0066】
図5A~
図5Dは、
図2に示す振動層の様々な実施例を示す斜視図である。
図5A~
図5Dには、振動部10の第1及び第2振動発生部10a、10bの中で、第1振動発生部10aの振動層11を示しているが、これに限定されるものではない。第2振動発生部10bの振動層14にも同様に適用することができる。
【0067】
図5A~
図5Dを参照すると、本明細書の実施例による振動層11は、複数の第1部分11aおよび複数の第2部分11bを含むことができる。
【0068】
図5Aを参照すると、本明細書の実施例による振動層11は、複数の第1部分11a及び複数の第2部分11bを含むことができる。例えば、複数の第1部分11aおよび複数の第2部分11bは、第1方向(X)(または第2方向(Y))に沿って交互に繰り返し配置され得る。例えば、第1方向(X)は振動層11の横方向であり得、第2方向(Y)は、第1方向(X)と交差する振動層11の縦方向であり得、これに限定されず、第1方向(X)は、振動層11の縦方向であり得、第2方向(Y)は、振動層11の横方向であり得る。
【0069】
複数の第1部分11aのそれぞれは、無機物質部で構成することができる。無機物質部は、圧電効果を含む圧電物質、複合圧電物質、または電気活性物質を含むことができる。
【0070】
複数の第1部分11aのそれぞれは、相対的に高い振動の具現が可能なセラミック系列の物質で構成するか、ペロブスカイト系列の結晶構造を有する圧電セラミックで構成することができる。ペロブスカイト結晶構造は、圧電および逆圧電効果を有し、配向性を有する構造であり得る。ペロブスカイト結晶構造は、ABO
3の化学式で表され、Aサイトは2価の金属元素からなり、Bサイトは4価の金属元素からなり得る。本明細書の実施例として、ABO
3の化学式において、AサイトおよびBサイトはカチオンであり、Oはアニオンであり得る。例えば、第1部分11aは、PbTiO
3、PbZrO
3、PbZrTiO
3、BaTiO
3、およびSrTiO
3の中の少なくとも1つ以上を含み得るが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、複数の第1部分11aのそれぞれは、
図2~
図4を参照して説明した振動層11と実質的に同じ圧電物質で構成されているので、これに対しては同じ符号を付して重複する説明は省略する。
【0071】
本明細書の実施例による複数の第1部分11aのそれぞれは、複数の第2部分11bの間に配置され、第1方向(X)(または第2方向(Y))と平行な第1幅(W1)を有しながら、第2方向(Y)(または第1方向(X))と平行な長さを有することができる。複数の第2部分11bのそれぞれは、第1方向(X)(又は第2方向(Y))と平行な第2幅(W2)を有しながら、第2方向(Y)(又は第1方向(X))と平行な長さを有することができる。第1幅(W1)は、第2幅(W2)と同じか異なり得る。例えば、第1幅(W1)は、第2幅(W2)より大きくてもよい。例えば、第1部分11aと第2部分11bは、互いに同じかまたは異なる大きさを有するライン形状またはストライプ形状を含むことができる。したがって、振動層11は、2-2振動モードの圧電特性を有する2-2複合体構造を有することにより、20kHz以下の共振周波数を有することができ、これに限定されるものではない。例えば、振動層11の共振周波数は、形状、長さ、厚さなどの中の少なくとも1つ以上によって変更することができる。
【0072】
振動層11において、複数の第1部分11aと複数の第2部分11bのそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに平行に配置(または配列)され得る。複数の第2部分11bのそれぞれは、隣接する2つの第1部分11aの間のギャップを埋めるように構成することによって、隣接する第1部分11aと連結または接着することができる。したがって、振動層11は、第1部分11aと第2部分11bの側面結合(または連結)によって所望の大きさまたは長さに拡張することができる。
【0073】
振動層11において、複数の第2部分11bのそれぞれの幅(W2)は、振動層11または振動装置1の中間部分から両端部分(または両先端)に行くほど、段々に減少し得る。
【0074】
本明細書の実施例によれば、複数の第2部分11bの中で最も大きい幅(W2)を有する第2部分11bは、振動層11または振動装置1が上下方向(Z)(または厚さ方向)に振動するとき、最も大きい応力が集中する部分に配置することができる。複数の第2部分11bの中で、最も小さい幅(W2)の第2部分11bは、振動層11または振動装置1が上下方向(Z)に振動するとき、相対的に最も小さい応力が発生する部分に配置することができる。例えば、複数の第2部分11bの中の最も大きい幅(W2)を有する第2部分11bは、振動層11の中間部分に配置され、複数の第2部分11bの中で最も小さい幅(W2)を有する第2部分11bは、振動層11の両端部分に配置することができる。これにより、振動層11または振動装置1が上下方向(Z)に振動するとき、最も大きい応力が集中する部分で発生する音波の干渉または共振周波数の重畳を最小限に抑えることができる。これによって、低音域帯で発生する音圧低下(dip)現象を改善することができ、低音域帯での音響特性の平坦度を改善することができる。音響特性の平坦度は、最高音圧と最低音圧の間の偏差の大きさであり得る。
【0075】
振動層11において、複数の第1部分11aのそれぞれは、互いに異なる大きさ(または幅)を有することができる。例えば、複数の第1部分11aのそれぞれの大きさ(または広さ)は、振動層11または振動装置1の中間部分から両端部分(または両先端)に行くほど、減少または増加し得る。この場合、振動層11は、互いに異なる大きさを有する複数の第1部分11aのそれぞれの振動による多様な固有振動周波数によって、音響の音圧特性を向上させることができ、音響の再生帯域を拡大することができる。
【0076】
複数の第2部分11bのそれぞれは、複数の第1部分11aの間に配置することができる。これにより、振動層11または振動装置1は、第2部分11bによって第1部分11aの単位格子内のリンクによる振動エネルギーを増加させることができ、振動特性を増加させることができ、圧電特性と柔軟性を確保することができる。例えば、第2部分11bは、エポキシ系ポリマー、アクリル系ポリマーであり、シリコーン系ポリマーの中の1つ以上であり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0077】
本明細書の実施例による複数の第2部分11bのそれぞれは、有機物質部で構成することができる。例えば、有機物質部は、無機物質部の間に配置されることにより、無機物質部(または第1部分)に加えられる衝撃を吸収することができ、無機物質部に集中するストレスを解放して、振動層11または振動装置1の耐久性を向上させることができ、振動層11または振動装置1に柔軟性を提供することができる。これにより、振動装置1は、柔軟性を有することで支持部材の曲面部の形状とマッチングする形状に反ることができる。例えば、振動装置1は、柔軟性を有することで支持部材の曲面部の形状に沿って配置され得る。
【0078】
本明細書の実施例による第2部分11bは、第1部分11aと比較して低い弾性率と粘弾性を有することができ、それによって1部分11aの脆性特性によって衝撃に弱い第1部分11aの信頼性を向上させることができる。例えば、第2部分11bは、0.01~1の損失係数および0.1~10Gpa(GigaPascal)の弾性率を有する物質で構成することができる。
【0079】
第2部分11bに構成される有機物質部は、第1部分11aである無機物質部と比較して柔軟な特性を有する有機物質、有機ポリマー、有機圧電物質、又は有機非圧電物質を含むことができる。例えば、第2部分11bは、柔軟性を有する接着部、伸縮部、曲げ部、ダンピング部、または軟性部などで表現することができるが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0080】
本実施例による振動層11は、複数の第1部分11aと第2部分11bが同一平面に配置(又は連結)されることによって、単一の薄いフィルム形態を有することができる。例えば、振動層11の複数の第1部分11aが一側に連結した構造を有することができる。例えば、複数の第1部分11aは、振動層11の全体で連結した構造を有することができる。例えば、振動層11は、振動特性を有する第1部分11aによって上下方向に振動することができ、柔軟性を有する第2部分11bによって曲面形状に曲がることができる。本明細書の実施例による振動層11において、第1部分11aの大きさ及び第2部分11bの大きさは、振動層11又は振動装置1に求められ圧電特性及び柔軟性によって、設定することができる。本明細書の一実施例として、柔軟性よりも圧電特性を要求する振動層11の場合、第1部分11aの大きさは第2部分11bの大きさより大きく構成することができる。本明細書の他の実施例では、圧電特性よりも柔軟性を要求する振動層11の場合、第2部分11bの大きさを第1部分11aの大きさより大きく構成することができる。したがって、振動層11の大きさを求められる特性によって調整することができ、振動層11の設計が容易であるという利点がある。
【0081】
第1電極層12は、振動層11の第1面(又は下面)に配置され得る。第1電極層12は、複数の第1部分11aそれぞれの第1面と複数の第2部分11bそれぞれの第1面に共通に配置または結合され得、複数の第1部分11aのそれぞれの第1面と電気的に連結することができる。例えば、第1電極層12は、振動層11の第1面全体に配置された単一電極(または1つの電極)形状を有することができる。例えば、第1電極層12は、振動層11と実質的に同じ形状を有することができるが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0082】
第2電極層13は、振動層11の第1面とは異なる(または反対側の)第2面(または背面)上に配置され得る。第2電極層13は、複数の第1部分11aのそれぞれの第2面と複数の第2部分11bのそれぞれの第2面に共通に配置または結合され得、複数の第1部分11aそれぞれの第2面と電気的に連結することができる。例えば、第2電極層13は、振動層11の第2面全体に配置された単一電極(または1つの電極)形状を有することができる。例えば、第2電極層13は、振動層11と同じ形状を有することができるが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0083】
本明細書の実施例による第1電極層12と第2電極層13の中の少なくとも1つ以上は、透明導電性物質、半透明導電性物質、または不透明導電性物質からなり得る。例えば、透明または半透明の導電物質は、ITO(酸化インジウムスズ)またはIZO(酸化インジウム鉛)を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。不透明導電物質は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、またはマグネシウム(Mg)などを含むか、またはそれらの合金からなり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0084】
振動層11は、一定の温度雰囲気または高温から常温に変化する温度雰囲気で第1電極層12と第2電極層13に印加される一定の電圧によって分極化(またはポーリング)することができるが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、振動層11は、外部から第1電極層13と第2電極層15に印加される音響信号(またはボイス信号)による逆圧電効果によって、収縮と膨張を交互に繰り返すことによって振動することができる。例えば、振動層11は、第1電極層12と第2電極層13によって、第1電極層12と第2電極層13の間および平面方向の振動(d31)によって振動することができる。振動層11の平面方向の収縮および膨張により振動部材の変位を増加させることができ、これにより振動をさらに向上させることができる。
【0085】
図5Bを参照すると、本明細書の実施例による振動層11は、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って互いに離隔した複数の第1部分11a、及び複数第1部分11aの間に配置された第2部分11bを含むことができる。
【0086】
複数の第1部分11aのそれぞれは、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って、互いに離隔するように配置され得る。例えば、複数の第1部分11aのそれぞれは、互いに等しい大きさを有する六面体形態を有しつつ格子状に配置することができる。複数の第1部分11aのそれぞれは、
図5Aを参照して説明した第1部分11aと実質的に同じ圧電物質からなるため、これに対しては同じ符号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0087】
第2部分11bは、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って、複数の第1部分11aの間に配置され得る。第2部分11bは、隣接する2つの第1部分11a間のギャップを埋めるか、または複数の第1部分11aのそれぞれを囲むように構成することによって、隣接する第1部分11aと連結または接着することができる。本明細書の一実施例によれば、第1方向(X)に沿って隣接する2つの第1部分11aの間に配置された第2部分11bの幅は、第1部分11aの幅と同じかまたは異なり得、第2方向(Y)に沿って隣接する2つの第1部分11aの間に配置された第2部分11bの幅は、第1部分11aの幅と同じかまたは異なり得る。第2部分11bは、
図5Aを参照して説明した第2部分11bと実質的に同一の有機物質からなるため、これに対しては同じ符号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0088】
このような、本明細書の第1変形実施例による振動層11は、1-3振動モードの圧電特性を有する1-3複合体構造を含むことにより、30MHz以下の共振周波数を有することができるが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、振動層11の共振周波数は、形状、長さ、厚さなどの少なくとも1つ以上によって変更することができる。
【0089】
図5Cを参照すると、本明細書の実施例による振動層11は、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って、互いに離隔した複数の第1部分11a、及び複数第1部分11aの間に配置された第2部分11bを含むことができる。
【0090】
複数の第1部分11aのそれぞれは、円形状の平面構造を有することができる。例えば、複数の第1部分11aのそれぞれは、円板形状を有することができるが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、複数の第1部分11aのそれぞれは、楕円形状、多角形状、またはドーナツ形状などを含む点形状を有することができる。複数の第1部分11aのそれぞれは、
図5Aを参照して説明した第1部分11aと実質的に同じ圧電物質からなるため、これに対しては同じ符号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0091】
第2部分11bは、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って、複数の第1部分11aの間に配置することができる。第2部分11bは、複数の第1部分11aそれぞれを囲むように構成されることによって、複数の第1部分11aそれぞれの側面と連結または接着することができる。複数の第1部分11aと第2部分11bのそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに平行に配置(または配列)され得る。第2部分11bは、
図5Aを参照して説明した第2部分11bと実質的に同一の有機物質からなるため、これに対しては同じ符号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0092】
図5Dを参照すると、本明細書の他の実施例による振動層11は、第1方向(X)と第2方向(Y)に沿って、互いに離隔した複数の第1部分11a、及び複数第1部分11aの間に配置された第2部分11bを含むことができる。
【0093】
複数の第1部分11aのそれぞれは、三角形状の平面構造を有することができる。例えば、複数の第1部分11aのそれぞれは、三角板形状を有することができる。複数の第1部分11aのそれぞれは、
図5Aを参照して説明した第1部分11aと実質的に同じ圧電物質からなるため、これに対しては同じ符号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0094】
本明細書の実施例によれば、複数の第1部分11aの中の隣接する4つの第1部分11aは、四角形(または正方形)をなすように隣接して配置することができる。四角形をなす隣接する4つの第1部分11aのそれぞれの頂点は、四角形の中央部(または正中央部)に隣接して配置することができる。
【0095】
第2部分11bは、第1方向(X)と第2方向(Y)のそれぞれに沿って、複数の第1部分11aの間に配置され得る。第2部分11bは、複数の第1部分11aそれぞれを囲むように構成することによって、複数の第1部分11aそれぞれの側面と連結または接着することができる。複数の第1部分11aと第2部分11bのそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに平行に配置(または配列)され得る。第2部分11bは、
図5Aを参照して説明した第2部分11bと実質的に同一の有機物質からなるため、これに対しては同じ符号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0096】
本明細書の他の実施例によれば、三角形状を有する複数の第1部分11aの中の隣接する2N(Nは2以上の自然数)個の第1部分11aは、2N角形状をなすように隣接して配置され得る。例えば、複数の第1部分11aの中の隣接する6つの第1部分11aは、六角形状(または正六角形)をなすように隣接して配置され得る。六角形状をなす隣接する6つの第1部分11aのそれぞれの頂点は、六角形状の中央部(または正中央部)に隣接して配置され得る。第2部分は、複数の第1部分11aのそれぞれを囲むように構成されることによって、複数の第1部分11aのそれぞれの側面に連結または接着することができる。
【0097】
図6は、
図2に示した本明細書の実施例による振動装置と実験例の音響出力特性を示す図である。
図6において、横軸は周波数(Frequency、Hz)であり、縦軸は音圧(Sound Pressure Level;SPL、dB)を示す。
【0098】
音響出力特性は、音響分析装置によって測定することができる。音響分析は、APX525オーディオ測定装置で測定したものである。音響分析装置は、制御用PC(Control PC)と音を送受信するサウンドカード、サウンドカードから発生した音を振動装置に増幅伝達するアンプ、および表示パネルから振動装置を通じて発生する音響を収集するマイクで構成することができる。例えば、マイクは振動装置の中心に配置し、表示パネルとマイクの間の距離は30cmであり得る。振動装置にマイクを垂直にして音響を測定することができる。マイクで収集された音響は、サウンドカードを介して制御用PCに入力され、これを制御用プログラムで確認して振動装置の音響を分析する。例えば、パルスプログラムを用いて200Hz~20kHzの周波数範囲の周波数応答特性を測定することができる。200Hz~20kHzでのサインスイープで1/3オクターブスムージングを適用して測定することができる。
【0099】
図6において、太い実線は、
図2に示した振動装置を分極(またはポーリング)の進行方向と正電圧(+)が互いに出会う正電圧駆動を行った場合の音響出力特性であり、点線は、実験例として、複数の振動部が水平方向に互いに平行に配置された振動装置を正電圧駆動した場合の音響出力特性である。
【0100】
図6から分かるように、150Hz~8kHzの平均音圧は、太い実線の場合には約80.65dBであり、点線の場合には約76.83dBであることが分かる。そして、周波数150Hz~20kHzの平均音圧は、太い実線の場合には約83.55dBであり、点線の場合は約80.56dBであることが分かる。
【0101】
したがって、振動装置は、水平方向に平行に配置するよりも垂直方向に積層するように構成することで音圧特性が向上することが分かる。
【0102】
図7は、本明細書の他の実施例による振動装置を示す断面図であり、
図8は、
図7に示した振動装置の背面を示す図であり、
図9A及び
図9Bは、本明細書の他の実施例による振動装置の変位を説明する図である。これは、
図1および
図2で説明した振動装置を変更したものである。したがって、以下の説明では、変更された振動装置およびそれに関連する構成を除く残りの構成に対する重複説明は省略または簡略にする。
【0103】
図7及び
図8を参照すると、本明細書の他の実施例による振動装置2は、フレキシブル振動構造物、フレキシブル振動器、フレキシブル振動発生素子、フレキシブル振動発生器、フレキシブル音響器、フレキシブル音響素子、フレキシブル音響発生素子、フレキシブル音響発生器、フレキシブルアクチュエータ、フレキシブルスピーカー、フレキシブル圧電スピーカー、フィルムアクチュエーター、フィルム型圧電複合体アクチュエーター、フィルムスピーカー、フィルム型圧電スピーカー、またはフィルム型圧電複合体スピーカーなどで表現することができ、これに限定されるものではない。
【0104】
本明細書の実施例による振動装置2は、振動部材20及び振動部10を含むことができる。例えば、振動部材20は、振動対象物、表示パネル、振動板、または前面部材であり得、これに限定されるものではない。
【0105】
本明細書の他の実施例による振動装置2の振動部10は、複数の振動発生部10a、10bを含むことができる。
【0106】
複数の振動発生部10a、10bは、互いに異なる方向に変位(または駆動)するように、互いに重ねるかまたは積層することができる。例えば、複数の振動発生部10a、10bは、実質的に互いに同じ大きさを有することができ、これに限定されるものではない。
【0107】
例えば、複数の振動発生部10a、10bは、製造工程上の誤差範囲内で実質的に互いに同じ大きさを有することができ、これに限定されるものではない。これにより、複数の振動発生部10a、10bは、振動部10の振幅変位および/または振動部材20の振幅変位を最大化することができる。複数の振動発生部10a、10bのそれぞれの一側(先端部又は先端又は外側面又は各角部分)は、振動部材20の厚み方向(Z)に沿って延長された仮想の延長線に整列又は仮想の延長線に配置され得る。
【0108】
本明細書の実施例による振動部10は、互いに異なる方向に変位するように積層された2つ以上の振動発生部10a、10bを含むことができる。以下の説明において、振動部10は、第1および第2振動発生部10a、10bを含むものと仮定して説明する。
【0109】
本明細書の実施例による振動部10は、振動部材20上に連結部材60を介して連結または配置することができる。例えば、第1振動発生部10aは、振動部材20上に連結部材60を介して連結または配置することができる。
【0110】
図8に示すように、連結部材60は、振動部10の少なくとも一部と振動部材20の間に配置することができる。連結部材60は、振動部10の少なくとも一部と振動部材20の間に連結され得る。連結部材60は、上下方向(Y軸方向)に沿って延長され、左右方向(X軸方向)に所定の幅を有するように構成することができる。
【0111】
本明細書の他の実施例による連結部材60は、振動部10の端部分を除く振動部10の中心部と振動部材20の間に連結することができる。例えば、連結部材60は、部分付着方式によって、振動部10の中心部と振動部材20の間に連結することができる。振動部10の中心部(または正中央部)は、振動の中心となる部分であるので、振動部10の振動を連結部材60を介して効率的に振動部材20に伝達することができる。振動部10の端部分は、連結部材60及び/又は振動部材20に連結せず、連結部材60及び振動部材20のそれぞれから離隔した持ち上げられた状態であるため、振動部10の屈曲振動(または曲げ振動)時に、振動部10の端部分の振動が連結部材60および/または振動部材20によって抑制(または減少)せず、これにより振動部10の振動幅(または変位幅)を増やすことができる。したがって、振動部10の振動による振動部材20の振動幅(または変位幅)が増大し、これにより振動部材20の振動によって発生する低音域帯の音響特性と音圧特性をさらに向上させることができる。
【0112】
本明細書の他の実施例による第1及び第2振動発生部10a、10bは、第1カバー部材41及び第2カバー部材42を含むことができる。第1及び第2振動発生部10a、10bの間には中間部材50を含むことができる。
【0113】
第1カバー部材41は、第1振動発生部10a上に配置することができる。第1カバー部材41は、第1振動発生部10aの第1面上に配置することができる。第2カバー部材42は、第2振動発生部10b上に配置することができる。第2カバー部材42は、第2振動発生部10bの第2面上に配置することができる。第1振動発生部10aの第2面と第2振動発生部10bの第1面との間に、中間部材50を配置することができる。
【0114】
第1振動発生部10aは、振動層11、第1電極層12及び第2電極層13を含むことができる。第2振動発生部10bは、振動層14、第1電極層15、及び第2電極層16を含むことができる。
【0115】
第1及び第2振動発生部10a、10bの振動層11、14は、圧電効果を含む圧電物質(又は電気活性物質)を含むことができる。例えば、圧電物質は、外力によって結晶構造に圧力またはねじれ現象が作用しながら、正(+)イオンと負(-)イオンの相対的な位置変化による誘電分極(または誘電ポーリング)によって電位差が発生し、逆に印加される電圧によって振動が発生する特性を有することができる。振動層11は、相対的に高い振動の具現が可能なセラミック系の物質で構成するか、ペロブスカイト系の結晶構造を有する圧電セラミックで構成することができる。例えば、振動層11は、圧電層、圧電物質層、電気活性層、圧電物質部、電気活性部、圧電構造物、圧電複合層、圧電複合体、または圧電セラミック複合体などの他の用語で表すことができが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0116】
本明細書の他の実施例による振動層11、14は、複数の第1部分11aおよび複数の第2部分11bを含むことができる。例えば、複数の第1部分11aおよび複数の第2部分11bは、第1方向(X)(または第2方向(Y))に沿って交互に繰り返し配置され得る。例えば、第1方向(X)は、振動層11、14の横方向であり、第2方向(Y)は第1方向(X)と交差する振動層11、14の縦方向であり得、これに限定されるものではない。例えば、第1方向(X)は、振動層11、14の縦方向であり得、第2方向(Y)は、振動層11、14の横方向であり得る。
【0117】
複数の第1部分11aのそれぞれは、無機物質部で構成することができる。無機物質部は、圧電効果を含む圧電物質、複合圧電物質、または電気活性物質を含むことができる。例えば、複数の第1部分11aのそれぞれは、
図1および
図2で説明した振動層11、14と実質的に同じ圧電物質からなるので、これに対して同一符号を付して、これに対する重複説明は省略する。
【0118】
本明細書の他の実施例による複数の第1部分11aのそれぞれは、複数の第2部分11bの間に配置することができる。複数の第2部分11bは、複数の第1部分11aを挟んで互いに平行に配置(または配列)され得る。複数の第1部分11aそれぞれは、第1方向(X)(又は第2方向(Y))と平行な第1幅(W1)を有しながら、第2方向(Y)(又は第1方向(X))と平行な長さを有することができる。複数の第2部分11bそれぞれは、第1方向(X)(又は第2方向(Y))と平行な第2幅(W2)を有し、第2方向(Y)(又は第1方向(X))と平行な長さを有することができる。
【0119】
本明細書の他の実施例によれば、第1幅(W1)は、第2幅(W2)と同じでも異なっていてもよい。例えば、第1幅(W1)は、第2幅(W2)より大きくてもよい。複数の第2部分11bのそれぞれは、同じ大きさ、例えば、広さ、面積、または体積を有することができる。例えば、複数の第2部分11bのそれぞれは、製造工程で発生する工程誤差(または許容誤差)の範囲内で、すべて同じ大きさ、例えば、広さ、面積、または体積を有することができる。例えば、第1部分11aと第2部分11bは、互いに同じかまたは異なる大きさを有するライン形状またはストライプ形状を含むことができる。
【0120】
したがって、振動層11、14は、2-2複合体構造を有することにより20kHz以下の共振周波数を有することができ、これに限定されるものではない。例えば、振動層11、14の共振周波数は、形状、長さ、厚さなどの少なくとも1つ以上によって変更することができる。
【0121】
本明細書の他の実施例によれば、複数の第1部分11aと複数の第2部分11bのそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに平行に配置(または配列)され得る。複数の第1部分11aと複数の第2部分11bのそれぞれは、同一平面(または同一層)に互いに平行に配置(または配列)され、互いに連結または結合され得る。
【0122】
複数の第2部分11bそれぞれは、隣接する2つの第1部分11a間のギャップを埋めるように構成することができる。複数の第2部分11bそれぞれは、隣接する第1部分11aと連結または接着するこことができる。複数の第2部分11bそれぞれは、隣接する2つの第1部分11a間のギャップを埋めるように構成されることによって、隣接する第1部分11aと連結または接着することができる。これにより、振動層11、14は、第1部分11aと第2部分11bの側面結合(または連結)によって、所望の大きさまたは長さに拡張することができる。
【0123】
本明細書の他の実施例によれば、複数の第2部分11bそれぞれの幅(W2)は、振動層11、14または振動装置2の中間部分から両端部分(または両先端)に行くほど、段々に減少し得る。
【0124】
本明細書の他の実施例によれば、複数の第2部分11bの中で最も大きい幅(W2)を有する第2部分11bは、振動層11、14または振動装置2が上下方向(Z)(または厚さ方向)で振動するとき、最も大きい応力が集中する部分に配置することができる。複数の第2部分11bの中で、最も小さい幅(W2)を有する第2部分11bは、振動層11、14または振動装置2が上下方向(Z)に振動するとき、相対的に最も小さな応力が発生する部分に配置することができる。例えば、複数の第2部分11bの中の最も大きい幅(W2)を有する第2部分11bは、振動層11、14の中間部分に配置され、複数の第2部分11bの中で最も小さい幅(W2)を有する第2部分11bは、振動層11、14の両端部に配置することができる。これにより、振動層11、14または振動装置2が上下方向(Z)に振動するとき、最も大きい応力が集中する部分で発生する音波の干渉または共振周波数の重畳を最小化することができ、これにより、低音域帯で発生する音圧低下(dip)現象を改善することができ、低音域帯での音響特性の平坦度を向上させることができる。
【0125】
本明細書の他の実施例によれば、複数の第1部分11aのそれぞれは、互いに異なる大きさ(または幅)を有することができる。例えば、複数の第1部分11aのそれぞれの大きさ(または広さ)は、振動層11、14または振動装置2の中間部分から両端部(または両先端)の方にいくほど、段々減少または増加することができる。これにより、振動層11、14は、互いに異なる大きさを有する複数の第1部分11aそれぞれの振動による様々な固有振動周波数によって音響の音圧特性を向上させることができ、音響の再生帯域を拡大することができる。
【0126】
複数の第2部分11bのそれぞれは、複数の第1部分11aの間に配置することができる。これにより、振動層11、14または振動装置2は、第2部分11bによって第1部分11aの単位格子内のリンクによる振動エネルギーを増加させることができるため、振動特性を増加させることができる。圧電特性と柔軟性を確保することができる。例えば、第2部分11bは、エポキシ系ポリマー、アクリル系ポリマー、およびシリコーン系ポリマーの中の1つ以上であり得、これらに限定されるものではない。
【0127】
本明細書の他の実施例による複数の第2部分11bのそれぞれは、有機物質部で構成することができる。例えば、有機物質部は、無機物質部の間に配置されることにより、無機物質部(または第1部分)に印加される衝撃を吸収することができ、無機物質部に集中するストレスを開放して、振動層11、14または振動装置2の耐久性を向上させることができ、振動層11、14または振動装置2に柔軟性を提供することができる。
【0128】
本明細書の他の実施例による第2部分11bは、第1部分11aと比較して低い弾性率(modulus)と粘弾性を有することができ、それによって第1部分11aの脆性特性によって衝撃に弱い第1部分11aの信頼性を向上させることができる。例えば、第2部分11bは、0.01~1の損失係数と0.1~10Gpa(GigaPascal)の弾性率を有する物質で構成することができる。
【0129】
第2部分11bに構成される有機物質部は、第1部分11aである無機物質部と比較して柔軟な特性を有する有機物質、有機ポリマー、有機圧電物質、又は有機非圧電物質を含むことができる。例えば、第2部分11bは、柔軟性を有する接着部、伸縮部、曲げ部、ダンピング部、または軟性部などで表現することができ、これに限定されるものではない。
【0130】
本明細書の他の実施例による振動層11、14は、複数の第1部分11aと第2部分11bを同一平面に配置(または連結)することによって、単一の薄いフィルム形態を有することができる。例えば、振動層11、14の複数の第1部分11aが、一側に連結した構造を有することができる。例えば、複数の第1部分11aは、振動層11、14の全体で、第2部分11bを介して互いに連結した構造を有することができる。例えば、振動層11、14は、振動特性を有する第1部分11aによって上下方向に振動することができ、柔軟性を有する第2部分11bによって曲面形状に曲がることができる。
【0131】
本明細書の他の実施例による振動層11、14において、第1部分11aの大きさ及び第2部分11bの大きさは、振動層11、14又は振動装置2に求められる圧電特性および柔軟性によって設定することができる。本明細書の一実施例として、柔軟性よりも圧電特性を要求する振動層11、14の場合、第1部分11aの大きさは第2部分11bの大きさより大きく構成することができる。本明細書の他の実施例として、圧電特性よりも柔軟性を要求する振動層11、14の場合、第2部分11bの大きさは、第1部分11aの大きさより大きく構成することができる。したがって、振動層11、14の大きさを求められる特性によって調整することができ、振動層11、14の設計が容易であるという利点がある。
【0132】
第1及び第2振動発生部10a、10bの振動層11、14は、互いに異なる方向または反対の方向に分極化(またはポーリング)することができる。例えば、第1振動発生部10aの振動層11は、分極方向(またはポーリング方向)が振動部材20の厚さ方向(Z)を基準に、下部方向を向くように構成することができる。第2振動発生部10bの振動層14は、分極方向(またはポーリング方向)が振動部材20の厚さ方向(Z)を基準に、上部方向を向くように構成することができる。第1及び第2振動発生部10a、10bは、中間部材50を挟んで積層され、互いに異なるまたは反対の方向の分極方向(または互いに異なるまたは反対の方向のポーリング方向)を有するため、互いに異なる水平方向の振動(d31)で振動部材20を振動させることができる。例えば、中間部材50は、第1および第2振動発生部10a、10bの間に配置または介在することができる。例えば、中間部材50は、第1振動発生部10aの第2面と第2振動発生部10bの第1面との間に配置され得る。例えば、中間部材50は、第1および第2振動発生部10a、10b間で、互いに反対の方向に変位する第1および第2振動発生部10a、10bの振動変位をガイドすることができる。例えば、中間部材50は、互いに異なる方向または反対の方向の振動変位をガイドすることができるように、剛性を有する物質からなり得る。例えば、中間部材50は、弾性率(またはヤング率)が数GPa(GigaPascal)以上の金属材質またはエポキシ材質で構成することができる。
【0133】
例えば、中間部材50は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレススチール(SUS)、イリジウム(Ir)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、窒化アルミニウム(AlN)、または酸化タンタル(TaOx)などの金属物質などを含むか、またはそれらの合金からなる材質からなり得、これに限定されるものではない。または、中間部材50は、エポキシ系ポリマー、アクリル系ポリマー、およびシリコーン系ポリマーの中の1つ以上であり得、これに限定されるものではない。
【0134】
例えば、第1振動発生部10aの振動層11と第2振動発生部10bの振動層14は、中間部材50を挟んで、変位が生じて垂直方向の振動(d33)が抑制される一方、水平方向の振動(d31)への振動が互いに反対に重畳することにより、水平方向の振動(d31)で振動部材20を振動させることができる。振動層11、14の互いに反対の水平方向の収縮および膨張により、振動部材(または振動板、または振動対象物)の変位を増加させることができ、これにより振動特性をさらに向上させることができる。
【0135】
第1及び第2振動発生部10a、10bの第1電極層12、15は、それぞれの振動層11、14の第1面(又は下面)に配置され得る。第1電極層12、15は、複数の第1部分11aそれぞれの第1面と、複数の第2部分11bそれぞれの第1面に共通に配置または結合され得、複数の第1部分11aそれぞれの第1面と電気的に結合することができる。例えば、第1電極層12、15は、振動層11、14の第1面全体に配置された単一電極(または共通電極)形状を有することができる。例えば、第1電極層12、15は、振動層11、14と実質的に同じ形状を有することができ、これに限定されるものではない。
【0136】
第1及び第2振動発生部10a、10bの第2電極層13、16は、それぞれの振動層11、14の第1面と異なる(又は反対の)第2面(または背面)に配置することができる。第2電極層13、16は、複数の第1部分11aそれぞれの第2面と、複数の第2部分11bそれぞれの第2面に共通に配置または結合され得、複数の第1部分11aそれぞれの第2面と電気的に結合することができる。例えば、第2電極層13、16は、振動層11、14の第2面全体に配置された単一電極(または共通電極)形状を有することができる。例えば、第2電極層13、16は、振動層11、14と同じ形状を有することができ、これに限定されるものではない。
【0137】
一実施例による第1電極層12、15及び第2電極層13、16のそれぞれは、
図1及び
図2で説明した第1電極層12、15及び第2電極層13、16のそれぞれと同じ材質で構成することができるので、これに対する重複説明は省略する。
【0138】
第1振動発生部10aにおいて、第1カバー部材41を第1電極層12上に配置することができる。第1カバー部材41は、第1電極層12を保護することができる。例えば、第1カバー部材41は、プラスチック材質、繊維材質、または木材材質からなり得、これに限定されるものではない。
【0139】
第2振動発生部10bにおいて、第2カバー部材42を第2電極層16上に配置することができる。第2カバー部材42は、第2電極層16を保護することができる。例えば、第2カバー部材42は、プラスチック材質、繊維材質、または木材材質からなり得、これに限定されるものではない。
【0140】
第1及び第2振動発生部10a、10bのそれぞれに配置された第1カバー部材41と第2カバー部材42は、互いに同じか又は異なる材質からなり得る。第1カバー部材41および第2カバー部材42のそれぞれは、ポリイミドフィルムまたはポリエチレンテレフタレートフィルムであり得るが、これに限定されるものではない。
【0141】
第1及び第2振動発生部10a、10bのそれぞれには、少なくとも1つの第1接着層31、第2接着層32、第3接着層33及び第4接着層34を含むことができる。
【0142】
第1振動発生部10aにおいて、第1接着層31は、第1電極層12と第1カバー部材41の間に配置され得る。例えば、第1接着層31は、振動層11上の第1電極層12と第1カバー部材41の間に配置され得る。
【0143】
第1振動発生部10aにおいて、第2接着層32は、振動層11と中間部材50の間に配置することができる。例えば、第2接着層32は、振動層11上の第2電極層13と中間部材50の間に配置され得る。中間部材50は、第2接着層32を介して第1振動発生部10a上に配置され得る。例えば、中間部材50は、第2接着層32を介するラミネート工程によって、第1振動発生部10aの第2面(または第2電極層13)に結合または連結され得る。
【0144】
第1振動発生部10aにおいて、第1及び第2接着層31、32は、第1カバー部材41と中間部材50の間で互いに連結又は結合し得る。例えば、第1振動発生部10aにおいて、第1及び第2接着層31、32は、第1カバー部材41と中間部材50の間の端部分で互いに連結又は結合し得る。したがって、第1振動発生部10aでは、振動層11を第1および第2接着層31、32で囲むことができる。例えば、第1及び第2接着層31、32は、第1振動発生部10a全体を完全に囲むことができる。
【0145】
第2振動発生部10bにおいて、第3接着層33は、振動層14と中間部材50の間に配置することができる。例えば、第3接着層33は、振動層14上の第1電極層15と中間部材50の間に配置され得る。中間部材50は、第3接着層33を介して第2振動発生部10bの第1面(または第1電極層15)上に配置され得る。例えば、中間部材50は、第3接着層33を介するラミネート工程によって第2振動発生部10bの第1面(または第1電極層15)に結合または連結され得る。
【0146】
第2振動発生部10bにおいて、第4接着層34は、振動層14と第2カバー部材42の間に配置することができる。例えば、第4接着層34は、振動層14上の第2電極層16と第2カバー部材42の間に配置され得る。第2カバー部材42は、第4接着層34を介して第2振動発生部10b上に配置され得る。例えば、第2カバー部材42は、第4接着層34を介するラミネート工程によって、第2振動発生部10bの第2面(または第2電極層16)に結合または連結され得る。
【0147】
第2振動発生部10bにおいて、第3及び第4接着層33、34は、中間部材50と第2カバー部材42の間で互いに連結又は結合され得る。例えば、第2振動発生部10bにおいて、第3及び第4接着層33、34は、中間部材50と第2カバー部材42の間の端部分で互いに連結又は結合され得る。したがって、第2振動発生部10bでは、振動層14は、第3および第4接着層33、34で囲むことができる。例えば、第3及び第4接着層33、34は、第2振動発生部10b全体を完全に囲むことができる。
【0148】
第1及び第2振動発生部10a、10bのそれぞれにおいて、第1、第2、第3及び第4接着層31、32、33、34のそれぞれは、電気絶縁物質を含むことができる。例えば、電気絶縁物質は、接着性を有し、圧縮および復元が可能な物質であり得る。例えば、第1、第2、第3および第4の接着層31、32、33、34の中の少なくとも1つ以上は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、またはウレタン樹脂を含むことができ、これに限定されるものではない。
【0149】
図9A及び
図9Bを参照すると、本明細書の他の実施例による第1及び第2振動発生部10a、10bそれぞれの振動層11、14は、互いに異なる方向または反対の方向に分極化(またはポーリング)することができる。例えば、第1振動発生部10aの振動層11は、分極方向(またはポーリング方向)が振動部材20の厚さ方向(Z)を基準に、下部方向を向くように構成することができる。第2振動発生部10bの振動層14は、分極方向(またはポーリング方向)が振動部材20の厚さ方向(Z)を基準に上部方向を向くように構成することができる。
【0150】
図9Aに示すように、第1及び第2振動発生部10a、10bのそれぞれの第1電極層12、15には、逆電圧(-)(又は負電圧)が印加され、第2電極層13、16には正電圧(+)(または陽電圧)が印加され得る。第1振動発生部10aの振動層11は、分極方向(またはポーリング方向)が振動部材20の厚さ方向(Z)を基準に、下部方向を向くように構成することができる。または、第2振動発生部10bの振動層14は、分極方向(またはポーリング方向)が振動部材20の厚さ方向(Z)を基準に、上部方向を向くように構成することができる。これにより、第1振動発生部10aでは、分極進行方向(またはポーリング進行方向)と逆電圧(-)互いに出会うようになり、第1振動発生部10aは、平面上で外側から縮小するように変形することができる。一方、第2振動発生部10bでは、分極進行方向(またはポーリング進行方向)と正電圧(+)が互いに出会うようになりながら、第2振動発生部10bは、平面上で外側に拡張するように変形することができる。
【0151】
第1振動発生部10aと第2振動発生部10bは、水平方向(d31)に互いに反対に駆動することにより、互いに振動方向による領域で、振動部材20への振動が大きく作用し得る。
【0152】
図9Bに示すように、第1及び第2振動発生部10a、10bのそれぞれの第1電極層12、15には、正電圧(+)(又は陽電圧)が印加され、第2電極層13、16に逆電圧(-)(または負電圧)が印加され得る。第1振動発生部10aの振動層11は、分極方向(またはポーリング方向)が振動部材20の厚さ方向(Z)を基準に、下部方向を向くように構成され得る。第2振動発生部10bの振動層14は、分極方向(またはポーリング方向)が振動部材20の厚さ方向(Z)を基準に、上部方向を向くように構成され得る。これにより、第1振動発生部10aでは、分極進行方向(またはポーリング進行方向)と正電圧(+)が互いに出会うようになりながら、第1振動発生部10aは、平面上で外側に拡張するように変形することができる。一方、第2振動発生部10bでは、分極進行方向(またはポーリング進行方向)と逆電圧(-)が互いに出会うようになりながら、第2振動発生部10bは、平面上で外側から縮小するように変形することができる。
【0153】
図10は、本明細書のまた他の実施例による振動装置を示す断面図であり、
図11は、
図10に示す振動装置の背面を示す図であり、
図12Aおよび
図12Bは、本明細書のまた他の実施例による振動装置の変位を説明する図である。これは、
図7および
図8で説明した振動装置を変更したものである。したがって、以下の説明では、変更された振動装置およびそれに関連する構成を除く残りの構成に対する重複説明は、省略または簡略にする。
【0154】
本明細書のまた他の実施例による振動装置3は、振動部材20および振動部10を含むことができる。例えば、振動部材20は、振動対象物、表示パネル、振動板、または前面部材であり得、これに限定されるものではない。
【0155】
本明細書の他の実施例による振動装置3の振動部10は、複数の振動発生部10a、10bを含むことができる。
【0156】
複数の振動発生部10a、10bは、互いに異なる方向または反対の方向に変位(または駆動)するように、互いに重ねるかまたは積層することができる。例えば、複数の振動発生部10a、10bは、実質的に互いに同じ大きさを有することができ、これに限定されるものではない。
【0157】
本明細書の一実施例によれば、振動部10は、振動部材20上に第1連結部材61、第2連結部材62及び第3連結部材63を介して、連結または配置することができる。例えば、第1振動発生部10aは、振動部材20上に第1連結部材61、第2連結部材62、及び第3連結部材63を介して連結又は配置され得る。
【0158】
図11に示すように、第1連結部材61、第2連結部材62及び第3連結部材63は、振動部10の少なくとも一部と振動部材20の間に配置することができる。第1連結部材61、第2連結部材62及び第3連結部材63は、振動部10の少なくとも一部と振動部材20の間に連結され得る。
【0159】
本明細書のまた他の実施例によれば、第1連結部材61は、振動部10の第1中心ライン(CL1)に沿って延長され、左右方向(X側方向)に所定の幅を有するように構成することができる。
【0160】
本明細書のまた他の実施例によれば、第2連結部材62は、振動部10の左右方向(X軸方向)に第1連結部材61と振動部10の右側先端の間に配置することができる。第2連結部材62の中心部(または正中央部)(CP)は、振動部10の上下方向(Y軸方向)の第2中心ライン(CL2)と第1連結部材61と振動部10の右側先端の間の第3中心ライン(CL3)が交差する位置に配置することができる。
【0161】
本明細書のまた他の実施例によれば、第3連結部材63は、振動部10の左右方向(X軸方向)に第1連結部材61と振動部10の左側先端の間に配置することができる。第3連結部材63の中心部(または正中央部)(CP)は、振動部10の上下方向(Y軸方向)の第2中心ライン(CL2)と第1連結部材61と振動部10の左側先端の間の第4中心ライン(CL4)が交差する位置に配置することができる。
【0162】
本明細書のまた他の実施例によれば、第2連結部材62と第3連結部材63は、互いに同じ大きさ、例えば、広さ、面積、または体積を有することができる。
【0163】
本明細書のまた他の実施例によれば、第1連結部材61と第2および第3連結部材62、63は、互いに異なる材質および/または物質からなり得る。
【0164】
例えば、第1連結部材61は、密着力又は接着力に優れた接着層を含む材質で構成することができる。第1連結部材61は、数MPa以上の高い弾性率(modulus)を有する材質で構成することができる。例えば、連結部材150は、両面テープ、または接着剤などを含むことができ、これに限定されるものではない。例えば、連結部材61の接着層は、エポキシ、アクリル、シリコーン、またはウレタンを含むことができ、これらに限定されるものではない。例えば、連結部材61の接着層は、アクリルとウレタンの中で相対的に接着力に優れ、硬度の高い特性を有するアクリル系の物質(または材質)を含むことができる。これにより、振動部10の振動を振動部材20に良好に伝達することができる。
【0165】
例えば、第2連結部材62及び第3連結部材63は、弾性力に優れた接着層を含む材質で構成することができる。第2連結部材62及び第3連結部材63は、数MPa以下の低弾性率を有する材質で構成することができる。例えば、第2連結部材62および第3連結部材63は、フォームパッド、片面テープ、両面テープ、片面フォームパッド、両面フォームパッド、片面フォームテープ、両面フォームテープ、または接着剤などを含むことができ、これに限定されるものではない。例えば、第2連結部材62及び第3連結部材63は、硬度が低く、弾性力に優れたウレタンフォーム、ポリウレタンフォームを含むことができる。これにより、振動部10の端部分は、第2及び第3連結部材62、63によって弾性的に支持することができるので、振動部10の屈曲振動(又は曲げ振動)時に、振動部10の端部分の振動が、第2及び第3連結部材62、63及び/又は振動部材20によって抑制(又は減少)されず、これにより振動部10の振動幅(あるいは、変位幅)を増やすことができる。したがって、振動部10の振動による振動部材20の振動幅(または変位幅)が増大し、これにより振動部材20の振動によって発生する低音域帯の音響特性と音圧特性をさらに向上させることができる。
【0166】
図12A及び
図12Bを参照すると、本明細書の他の実施例による第1及び第2振動発生部10a、10bの振動層11、14は、互いに異なる方向または反対の方向に分極(またはポーリング)することができる。例えば、第1振動発生部10aの振動層11は、分極方向(またはポーリング方向)が振動部材20の厚さ方向(Z)を基準に、下部方向を向くように構成され得る。第2振動発生部10bの振動層14は、分極方向(またはポーリング方向)が振動部材20の厚さ方向(Z)を基準に、上部方向を向くように構成され得る。
【0167】
本明細書のまた他の実施例による振動部10は、第1連結部材61、第2連結部材62及び第3連結部材63によって、振動部材20に連結または結合することができる。
【0168】
これにより、
図12A及び
図12Bに示すように、第1及び第2振動発生部10a、10bが互いに反対方向に振動したとき、第1連結部材61によって中心が固定され、第2及び第3連結部材62,63によって、端を弾性的に支持することができるので、振動部10の振動に伴う振動部材20の振動幅(又は変位幅)が増大し、これにより、振動部材20の振動によって発生する低音域帯の音響特性と音圧特性をさらに向上させることができる。
【0169】
図13は、本明細書のまた他の実施例による振動装置を示す断面図であり、
図14は、
図13に示した振動装置の背面を示す図である。これは、
図10および
図11で説明した振動装置を変更したものである。したがって、以下の説明では、変更した振動装置およびそれに関連する構成を除く残りの構成に対する重複説明は省略または簡略にする。
【0170】
本明細書のまた他の実施例による振動装置4は、振動部10と振動部材20の間に介在する第1連結部材61、第2連結部材62及び第3連結部材63を含むことができる。
【0171】
図14に示すように、第1連結部材61、第2連結部材62及び第3連結部材63は、振動部10の少なくとも一部と振動部材20の間に配置することができる。第1連結部材61、第2連結部材62及び第3連結部材63は、振動部10の少なくとも一部と振動部材20の間に連結され得る。
【0172】
本明細書のまた他の実施例によれば、第1連結部材61は、振動部10の第1中心ライン(CL1)に沿って延長され、左右方向(X側方向)に所定の幅を有するように構成することができる。
【0173】
本明細書のまた他の実施例によれば、第2連結部材62は、振動部10の左右方向(X軸方向)に第1連結部材61と振動部10の右側端の間に配置することができる。第2連結部材62の中心部(または正中央部)(CP)は、振動部10の上下方向(Y軸方向)の第2中心ライン(CL2)上に位置することができる。第2連結部材62の中心部(CP)は、第3中心ライン(CL3)と振動部10の右側端との間に配置され得る。
【0174】
本明細書のまた他の実施例によれば、第3連結部材63は、振動部10の左右方向(X軸方向)に第1連結部材61と振動部10の左側端の間に配置することができる。第3連結部材63の中心部(または正中央部)(CP)は、振動部10の上下方向(Y軸方向)の第2中心ライン(CL2)上に位置することができる。第3連結部材63の中心部(CP)は、第4中心ライン(CL4)と振動部10の左側端との間に配置され得る。
【0175】
図15は、本明細書のまた他の実施例による振動装置を示す断面図であり、
図16は、
図15に示した振動装置の背面を示す図である。これは、
図10および
図11で説明した振動装置を変更したものである。したがって、以下の説明では、変更した振動装置およびそれに関連する構成を除く残りの構成に対する重複説明は、省略または簡略にする。
【0176】
本明細書のまた他の実施例による振動装置5は、振動部10と振動部材20の間に介在する第1連結部材61、第2連結部材62及び第3連結部材63を含むことができる。
【0177】
図16に示すように、第1連結部材61、第2連結部材62及び第3連結部材63は、振動部10の少なくとも一部と振動部材20の間に配置することができる。第1連結部材61、第2連結部材62及び第3連結部材63は、振動部10の少なくとも一部と振動部材20の間に連結され得る。
【0178】
本明細書の他の実施例によれば、第1連結部材61は、振動部10の第1中心ライン(CL1)に沿って延長され、左右方向(X側方向)に所定の幅を有するように構成され得る。
【0179】
本明細書のまた他の実施例によれば、第2連結部材62は、振動部10の左右方向(X軸方向)に第1連結部材61と振動部10の右側端の間に配置することができる。第2連結部材62の中心部(または正中央部)(CP)は、振動部10の上下方向(Y軸方向)の第2中心ライン(CL2)上に位置することができる。第2連結部材62の中心部(CP)は、第3中心ライン(CL3)と第1連結部材61の間に配置され得る。
【0180】
本明細書のまた他の実施例によれば、第3連結部材63は、振動部10の左右方向(X軸方向)に第1連結部材61と振動部10の左側端の間に配置することができる。第3連結部材63の中心部(または正中央部)(CP)は、振動部10の上下方向(Y軸方向)の第2中心ライン(CL2)上に位置することができる。第3連結部材63の中心部(CP)は、第4中心ライン(CL4)と第1連結部材61との間に配置され得る。
【0181】
図17は、本明細書の実施例による装置を示す図であり、
図18は、
図17の線B-B’の断面図である。
【0182】
図17および
図18を参照すると、本明細書の実施例による装置は、受動振動部材100および1つ以上の振動発生装置200を含むことができる。
【0183】
本明細書の実施例による「装置」は、表示装置、音響装置、音響発生装置、サウンドバー、アナログサイネージ、またはデジタルサイネージなどであり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0184】
表示装置は、白黒またはカラー映像を具現する複数の画素を含む表示パネル、および表示パネルを駆動するための駆動部を含むことができる。例えば、表示パネルは、液晶表示パネル、有機発光表示パネル、発光ダイオード表示パネル、電気泳動表示パネル、電子湿潤表示パネル、マイクロ発光ダイオード表示パネル、または量子ドット発光表示パネルなどであり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、有機発光表示パネルにおいて、画素は有機発光層などの有機発光素子を含むことができ、画素はカラー映像を構成する複数の色の中のいずれか1つを具現する副画素であり得る。これにより、本明細書の実施例による「装置」は、液晶表示パネルまたは有機発光表示パネルなどの表示パネルを含む完成品または最終製品であるノートブックコンピュータ、テレビ、コンピュータモニタ、車両用または自動車用装置または車両の他の形態を含む電装装置、スマートフォンまたは電子パッドなどのモバイル電子装置などのセット電子装置またはセット装置も含むことができる。
【0185】
アナログサイネージは、広告用看板、ポスター、または案内板などを挙げることができる。アナログサイネージは、文章、絵、記号などのコンテンツを含むことができる。コンテンツは、装置の受動振動部材100側から視認可能に配置することができる。コンテンツは、受動振動部材100に直接に付着することができ、コンテンツが印刷などによって貼り付けられた紙などの媒体を受動振動部材100に付着させることもできる。
【0186】
受動振動部材100は、1つ以上の振動発生装置200の駆動(または振動)によって振動することができる。例えば、受動振動部材100は、1つ以上の振動発生装置200の駆動によって振動と音響の中の1つ以上を発生することができる。
【0187】
本明細書の実施例による受動振動部材100は、白黒またはカラー映像を具現する複数の画素を有する表示部(または画面)を含む表示パネルであり得る。これにより、受動振動部材100は、1つ以上の振動発生装置200の駆動によって振動と音響の中の1つ以上を発生することができる。例えば、受動振動部材100は、表示部に映像を表示しながら振動発生装置200の駆動によって振動することにより、表示部に映像と同期した音響を発生または出力することができる。例えば、受動振動部材100は、振動対象物、表示部材、表示パネル、サイネージパネル、受動振動プレート、前面カバー、前面部材、振動パネル、サウンドパネル、受動振動パネル、音響出力プレート、音響振動プレート、または映像スクリーンなどであり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0188】
本明細書の実施例による受動振動部材100は、1つ以上の振動発生装置200によって振動して音響を出力するのに適した物質特性を有する金属材質を含むか、または非金属材質(または複合非金属物質)を含む振動プレートであり得る。例えば、受動振動部材100は、金属、プラスチック、紙、木材、ゴム、繊維、布、皮革、ガラス、および鏡の中の1つ以上の材質を含む振動プレートであり得る。例えば、紙はスピーカー用のコーン紙であり得る。例えば、コーン紙は、パルプまたは発泡プラスチックなどであり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0189】
本明細書の実施例による受動振動部材100は、映像を表示する画素を有する表示パネルを含むか、非表示パネルを含むことができる。例えば、受動振動部材100は、映像を表示する画素を有する表示パネル、表示装置から映像が投射されるスクリーンパネル、照明パネル、サイネージパネル、運送手段の内装材、運送手段の外装材、運送手段のガラス窓、運送手段の座席内装材、建物の天井材、建物の内装材、建物のガラス窓、航空機の内装材、航空機のガラス窓、及び鏡の中の1つ以上を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。例えば、非表示パネルは、発光ダイオード照明パネル(または装置)、有機発光照明パネル(または装置)、または無機発光照明パネル(または装置)を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0190】
1つ以上の振動発生装置200は、受動振動部材100を振動させるように構成することができる。1つ以上の振動発生装置200は、連結部材150を介して受動振動部材100の背面100aに連結するように構成することができ、これにより、1つ以上の振動発生装置200は、受動振動部材100を振動させることにより、受動振動部材100の振動によって、振動と音響の中の1つ以上を発生または出力することができる。
【0191】
1つ以上の振動発生装置200は、
図1~
図16を参照して説明した振動装置1、2、3、4、5の中の1つ以上にある振動部10を含むことができる。したがって、
図1~
図16に示す振動装置1、2、3、4、5にある振動部10の説明は、
図17および
図18に示す振動発生装置200の説明に含めることができるので、これに対しては同じ符号を付し、これに対する重複説明は省略する。
【0192】
連結部材150は、振動発生装置200の少なくとも一部と受動振動部材100の間に配置することができる。連結部材150は、振動発生装置200の少なくとも一部と受動振動部材100の間に連結することができる。本明細書の実施例による連結部材150は、振動発生装置200の端部分を除く振動発生装置200の中心部と受動振動部材100の間に連結することができる。例えば、連結部材150は、部分付着方式によって振動発生装置200の中心部と受動振動部材100の間に連結することができる。振動発生装置200の中心部(または正中央部)は、振動の中心となる部分であるため、振動発生装置200の振動を連結部材150を介して効率的に受動振動部材100に伝達することができる。連結部材150は、全面接着方式によって、1つ以上の振動発生装置200の前面全体と受動振動部材100の背面100aを連結または接着することができるが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0193】
本明細書の実施例による連結部材150は、表示パネルまたは受動振動部材100の背面と、1つ以上の振動発生装置200のそれぞれに対して密着力または接着力に優れた接着層を含む材質で構成することができる。例えば、連結部材150は、フォームパッド、両面テープ、または接着剤などを含むことができ、これに限定されるものではない。例えば、連結部材150の接着層は、エポキシ、アクリル、シリコーン、またはウレタンを含むことができ、これらに限定されるものではない。例えば、連結部材150の接着層は、アクリルとウレタンの中で相対的に接着力に優れ、硬度の高い特性を有するアクリル系の物質(または材質)を含むことができる。これにより、1つ以上の振動発生装置200の振動を受動振動部材100に良好に伝達することができる。
【0194】
本明細書の実施例による装置は、支持部材300および結合部材350をさらに含むことができる。
【0195】
支持部材300は、受動振動部材100の背面100aに配置することができる。支持部材300は、振動発生装置200を覆うように受動振動部材100の背面100aに配置することができる。支持部材300は、受動振動部材100の背面100aと振動発生装置200の両方を覆うように受動振動部材100の背面100aに配置することができる。例えば、支持部材300は、受動振動部材100と同じ大きさを有することができる。例えば、支持部材300は、振動発生装置200とギャップ空間(GS)を挟んで受動振動部材100の背面全体を覆うことができる。ギャップ空間(GS)は、互いに対向する受動振動部材100と支持部材300の間に配置された結合部材350によって設けられ得る。ギャップ空間(GS)は、エアギャップ、収納空間、振動空間、または音響響筒などで表現することができ、用語に限定されるものではない。
【0196】
支持部材300は、ガラス材質、金属材質、およびプラスチック材質の中のいずれか1つの材質を含むことができる。支持部材300は、ガラス材質、金属材質、プラスチック材質の中の少なくとも1つ以上の材質を積層した積層構造を含むことができる。
【0197】
受動振動部材100と支持部材300のそれぞれは、正方形形状を有するか長方形形状を有することができるが、これに限定されず、多角形状、非多角形状、円形形状、または楕円形状を有することができる。例えば、本明細書の実施例による装置が音響装置または音響バーに適用されるとき、受動振動部材100および支持部材300のそれぞれは、長辺長さが短辺長さよりも2倍以上長い長方形形状を有することができるが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0198】
結合部材350は、受動振動部材100の後面端部分と支持部材300の前面端部分との間に連結するように構成することにより、互いに対向する受動振動部材100と支持部材300の間にギャップ空間(GS)を設けることができる。
【0199】
本明細書の実施例による結合部材350は、接着性を有しながら圧縮および復元が可能な弾性物質を含むことができる。例えば、結合部材350は、両面テープ、片面テープ、または両面接着フォームパッドを含むことができるが、これに限定されず、接着性を有しながら圧縮および復元が可能なゴムパッドまたはシリコンパッドなどの弾性パッドを含むことができる。例えば、結合部材350は、エラストマーによって形成することができる。
【0200】
代案として、支持部材300は、受動振動部材100の後面端部分を支持する側壁部をさらに含むことができる。支持部材300の側壁部は、支持部材300の前面端部分から受動振動部材100の後面端部分の方に突出又は曲げることにより、受動振動部材100と支持部材300の間にギャップ空間(GS)を設けることができる。この場合、結合部材350は、支持部材300の側壁部と受動振動部材100の後面端部分の間に連結されるように構成することができる。これにより、支持部材300は、1つ以上の振動発生装置200を覆い、受動振動部材100の背面を支持することができる。例えば、支持部材300は、1つ以上の振動発生装置200を覆い、受動振動部材100の後面端部分(または後端縁分)を支持することができる。
【0201】
代案として、受動振動部材100は、支持部材300の前面端部分と連結した側壁部をさらに含むことができる。受動振動部材100の側壁部は、受動振動部材100の後面端部分から支持部材300の前面端部分の方に突出または曲げることにより、受動振動部材100と支持部材300の間のギャップ空間(GS)を設けることができる。受動振動部材100は、側壁部によって剛性を高めることができる。この場合、結合部材350は、受動振動部材100の側壁部と支持部材300の前面端部分の間に連結するように構成することができる。これにより、支持部材300は、1つ以上の振動発生装置200を覆って受動振動部材100の背面100aを支持することができる。例えば、支持部材300は、1つ以上の振動発生装置200を覆い、受動振動部材100の後面端部分を支持することができる。
【0202】
本明細書の実施例による装置は、1つ以上のエンクロージャ250をさらに含むことができる。
【0203】
エンクロージャ250は、1つ以上の振動発生装置200を個別に覆うように、受動振動部材100の後面端部分に連結または結合することができる。例えば、エンクロージャ250は、結合部材251を介して受動振動部材100の背面100aに連結または結合することができる。エンクロージャ250は、受動振動部材100の背面100aに1つ以上の振動発生装置200を覆うかまたは囲む密閉空間を構成することができる。例えば、エンクロージャ250は、密閉部材、密閉キャップ、密閉ボックス、またはサウンドボックスであり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。密閉空間は、エアギャップ、振動空間、音響空間、または響筒であり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0204】
エンクロージャ250は、金属材質または非金属材質(または複合非金属材質)の中の1つまたは複数の材質を含むことができる。例えば、エンクロージャ250は、金属材質、プラスチック、および木材の中の1つまたは複数の材質を含むことができるが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0205】
本明細書の実施例によるエンクロージャ250は、受動振動部材100または振動発生装置200の振動時に、受動振動部材100に作用する空気(air)によるインピーダンス成分を一定に維持することができる。例えば、受動振動部材100の周囲の空気は、受動振動部材100の振動に対して抵抗を有し、周波数によって異なる抵抗とリアクタンス成分を有するインピーダンス成分として作用するようになる。したがって、エンクロージャ250は、受動振動部材100の背面100aに1つ以上の振動発生装置200を囲む密閉空間を構成することによって、空気によって受動振動部材100に作用するインピーダンス成分(またはエアインピーダンスまたは弾性インピーダンス)を一定に保ち、これにより低音域帯の音響特性および/または音圧特性を向上させ、高音域帯の音響の音質を向上させることができる。
【0206】
図19は、本明細書の実施例による振動装置と実験例の音響出力特性を示す図である。
図19において、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は音圧(SPL、dB)を示す。
【0207】
音響出力特性は、音響分析装置によって測定することができる。音響分析は、APX525オーディオ測定装置で測定したものである。音響分析装置は、制御用PCと音を送受信するサウンドカード、サウンドカードから発生した音を振動装置に増幅伝達するアンプ、および表示パネルから振動装置を通じて発生する音響を収集するマイクで構成することができる。例えば、マイクは、振動装置の中心に配置し、表示パネルとマイクの間の距離は30cmであり得る。振動装置にマイクを垂直にして音響を測定することができる。マイクで収集された音響は、サウンドカードを介して制御用PCに入力され、これを制御用プログラムで確認して振動装置の音響を分析する。例えば、パルスプログラムを用いて200Hz~20kHzの周波数範囲の周波数応答特性を測定することができる。200Hz~20kHzでのサインスイープで1/3オクターブスムージングを適用して測定することができる。
【0208】
図19において、太い実線は実験例として、
図7に示した振動装置で連結部材を全面付着に変更した振動装置に正電圧を印加した場合の音響出力特性であり、点線は実験例の振動装置に逆電圧を印加した場合の音響出力特性である。
【0209】
図19から分かるように、150Hz~8KHzの平均音圧は、太い実線(正電圧駆動)の場合には約72.68dBであり、点線(逆電圧駆動)の場合には約68.8dBであることが分かる。そして、150Hz~20kHzの平均音圧は、太い実線(正電圧駆動)の場合は約76.46dBであり、点線の場合は約70.75dBであることが分かる。これにより、振動装置は、連結部材を全面に配置した場合、逆電圧駆動が困難であることが分かる。
【0210】
図20は、本明細書の実施例による振動装置と実験例の音響出力特性を示す図である。
図20において、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は音圧(SPL、dB)を示す。
【0211】
音響出力特性の測定方法は、
図19で説明した内容と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0212】
図20において、太い実線は実験例であり、
図7に示した振動装置で連結部材を中心部の半分付着に変更した振動装置に正電圧を印加した場合の音響出力特性であり、点線は実験例の振動装置に逆電圧を印加した場合の音響出力特性である。
【0213】
図20から分かるように、150Hz~8KHzの平均音圧は、太い実線(正電圧駆動)の場合には約70.01dBであり、点線(逆電圧駆動)の場合には約68.2dBであることが分かる。そして、150Hz~20kHzの平均音圧は、太い実線(正電圧駆動)の場合は約73.91dBであり、点線の場合は約70.02dBであることが分かる。これにより、振動装置は、連結部材が占める領域が多い場合、逆電圧駆動が困難であることが分かる。
【0214】
図21は、
図7に示した本明細書の実施例による振動装置の音響出力特性を示す図である。
図21において、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は音圧(SPL、dB)を示す。
【0215】
音響出力特性の測定方法は、
図19で説明した内容と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0216】
図21において、太い実線は、
図7に示した振動装置に正電圧を印加した場合の音響出力特性であり、点線は逆電圧を印加した場合の音響出力特性である。
【0217】
150Hz~8KHzの平均音圧は、太い実線(正電圧駆動)の場合には約66.65dBであり、点線(逆電圧駆動)の場合には約69.77dBであることが分かる。そして、150Hz~20kHzの平均音圧は、太い実線(正電圧駆動)の場合は約70.77dBであり、点線の場合は約70.55dBであることが分かる。これにより、振動装置は、連結部材を中心領域に一部配置する場合、逆電圧駆動が可能であることが分かる。
【0218】
図22は、
図7及び
図10に示した本明細書の実施例による振動装置と実験例の音響出力特性を示す図である。
図22において、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は音圧(dB)を示す。
【0219】
音響出力特性の測定方法は、
図19で説明した内容と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0220】
図22において、太い実線は実験例であり、
図7に示した振動装置で連結部材を全面付着に変更した振動装置に正電圧を印加した場合の音響出力特性であり、点線は
図7に示した振動装置に逆電圧を印加した場合の音響出力特性であり、一点鎖線は、
図10に示した振動装置に逆電圧を印加した場合の音響出力特性である。
【0221】
図22において、150Hz~8KHzの平均音圧は、太い実線(正電圧駆動)の場合には約76.83dBであり、点線の場合には約76.16dBであり、一点鎖線の場合には約79.91dBであることが分かる。そして、150Hz~20kHzの平均音圧は、太い実線(正電圧駆動)の場合には約80.56であり、点線の場合には約77.66dBであり、一点鎖線の場合には約80.71dBであることが分かる。したがって、
図10に示した振動装置で構成した場合、音響出力特性の向上および平坦度が向上することが分かる。
【0222】
図23は、
図10に示した本明細書の実施例による振動装置と実験例の音響出力特性を示す図である。
図23において、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は音圧(dB)を示す。
【0223】
音響出力特性の測定方法は、
図19で説明した内容と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0224】
図23において、太い実線は、
図10に示した振動装置に逆電圧を印加した場合の音響出力特性であり、一点鎖線は実験例として、
図10に示した振動装置において中心部連結部材を排除した装置に逆電圧を印加した場合の音響出力特性であり、点線は実験例として、
図10に示した振動装置において連結部材を硬質の両面テープに変更した振動装置に逆電圧を印加した場合の音響出力特性である。
【0225】
図23において、150Hz~8KHzの平均音圧は、太い実線の場合には約79.91dBであり、点線の場合には約73.95dBであり、一点鎖線の場合には約75.76dBであることが分かる。そして、150Hz~20kHzの平均音圧は、太い実線の場合には約80.71dBであり、点線の場合には約76.38dBであり、一点鎖線の場合には約75.68dBであることが分かる。したがって、連結部材を硬質両面テープで構成した振動装置の場合、音圧出力特性の低下および平坦度が低下することが分かる。両端(または両側)にフォームテープで構成された振動装置の場合、700Hz以下の帯域で多少音圧出力特性が増加することが分かる。
【0226】
図24は、
図10、
図13及び
図15に示した本明細書の実施例による振動装置と実験例の音響出力特性を示す図である。
図24において、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は音圧(dB)を示す。
【0227】
音響出力特性の測定方法は、
図19で説明した内容と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0228】
図24において、太い実線は
図10に示した振動装置に逆電圧を印加した場合の音響出力特性であり、点線は
図13に示した振動装置に逆電圧を印加した場合の音響出力特性であり、一点鎖線は、
図15に示した振動装置に逆電圧を印加した場合の音響出力特性であり、実線は実験例として、
図10に示した振動装置において連結部材を硬質両面テープに変更した振動装置に逆電圧を印加した場合の音響出力特性である。
【0229】
図24において、150Hz~8KHzの平均音圧は、実線の場合には約73.95dBであり、太い実線の場合には約79.73dBであり、点線の場合には約79.54dBであり、一点鎖線の場合には約78.74dBであることが分かる。そして、150Hz~20kHzの平均音圧は、実線の場合には約76.38dBであり、太い実線の場合には約80.29dBであり、点線の場合には約79.76dBであり、一点鎖線の場合には79.41dBであることが分かる。
【0230】
したがって、
図10による振動装置は、音圧出力特性が全体的に増加し、平坦度が最も優れていることが分かる。
図13による振動装置は、8kHz以下の帯域にわたって増加し、250~800Hzの帯域で優れた音圧特性を有し、200Hz以下の帯域は、音圧出力特性が維持されることが分かる。
図15による振動装置は、400Hz以上の帯域で音圧出力特性が改善されることが分かる。
【0231】
本明細書の実施例による装置は、以下のように説明することができる。
【0232】
本明細書の実施例による装置は、振動部材、互いに重畳する複数の振動発生部、および複数の振動発生部の少なくとも一部と振動部材を連結する連結部材を含むことができる。
【0233】
本明細書のいくつかの実施例によれば、複数の振動発生部のそれぞれは、圧電物質を含む振動層、振動層の第1面にある第1電極層、および振動層の第1面とは異なる面にある第2電極層を含むことができる。
【0234】
本明細書のいくつかの実施例によれば、複数の振動発生部を同じ方向に振動させることができる。
【0235】
本明細書のいくつかの実施例によれば、連結部材は、複数の振動発生部の中の第1振動部の第1電極層に連結することができる。更に、連結部材は、複数の振動部の中の第1振動発生部の第1電極層および振動部材との間にあることができる。
【0236】
本明細書のいくつかの実施例によれば、複数の振動発生部のそれぞれは、長方形形状であり得る。
【0237】
本明細書のいくつかの実施例によれば、複数の振動発生部の中の第1振動発生部は、振動部材に直接に接することができる。
【0238】
本明細書のいくつかの実施例によれば、複数の振動発生部の中の隣接する2つの振動部との間にある保護部材をさらに含むことができる。
【0239】
本明細書のいくつかの実施例によれば、複数の振動発生部は、互いに異なる方向に振動させることができる。
【0240】
本明細書のいくつかの実施例によれば、連結部材は、複数の振動発生部の中の第1振動部の一部と重畳することができる。
【0241】
本明細書のいくつかの実施例によれば、複数の振動発生部の中の隣接する2つの振動発生部との間にある中間部材をさらに含むことができる。
【0242】
本明細書のいくつかの実施例によれば、中間部材は、複数の振動発生部よりも剛性であり得る。
【0243】
本明細書のいくつかの実施例によれば、複数の振動発生部は、中間部材を挟んで互いに異なる方向または反対の方向に振動するように構成され得る。
【0244】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動発生部は、連結部材を挟んで振動部材から離隔することができる。
【0245】
本明細書のいくつかの実施例によれば、連結部材は、第1連結部材および第1連結部材から離隔した少なくとも2つの追加連結部材を含むことができる。少なくとも2つの追加連結部材は、追加連結部材と振動部および振動部材との間にエアギャップを定義する振動部の縁部分から離隔することができる。少なくとも2つの追加連結部材は、追加連結部材と第1連結部材と振動部および振動部材との間にエアギャップを定義する第1連結部材から離隔することができる。少なくとも2つの追加連結部材は、隣接する追加連結部材と振動部および振動部材との間にエアギャップを定義するように互いに離隔することができる。
【0246】
本明細書のいくつかの実施例によれば、少なくとも2つの追加連結部材は、第2連結部材および第3連結部材を含み、第2連結部材および第3連結部材は、第1連結部材を挟んで対称であり得る。
【0247】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1連結部材は、少なくとも2つの追加連結部材よりも剛性であり得る。
【0248】
本明細書のいくつかの実施例によれば、少なくとも2つの追加連結部材は、第1連結部材よりも弾性であり得る。
【0249】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1連結部材の一側にある少なくとも2つの追加連結部材の第2連結部材は、第1連結部材と振動部の先端との間に位置され得る。
【0250】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1連結部材の一側にある少なくとも2つの追加連結部材の第2連結部材は、第1連結部材に隣接して配置され得る。
【0251】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1連結部材の一側にある少なくとも1つの追加連結部材の第2連結部材は、振動部の先端に隣接して配置され得る。
【0252】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部材は、金属、プラスチック、紙、繊維、布、皮革、木材、ゴム、ガラス、および鏡の中の1つ以上の材質を含むことができる。
【0253】
本明細書のいくつかの実施例によれば、振動部材は、映像を表示する画素を有する表示パネル、表示装置から映像が投射されるスクリーンパネル、発光ダイオード照明パネル、有機発光照明パネル、無機発光照明パネル、サイネージパネル、運送手段の内装材、運送手段の外装材、運送手段のガラス窓、運送手段の座席内装材、建物の天井材、建物の内装材、建物のガラス窓、航空機の内装材、航空機のガラス窓、及び鏡の中の一つ以上を含むことができる。
【0254】
本明細書の実施例による装置は、振動部材、互いに重畳する複数の振動発生部、および複数の振動発生部の少なくとも一部と振動部材を連結する連結部材を含み、複数の振動発生部のそれぞれは、振動部を含み、振動部は、振動層を含み、振動層は、複数の第1部分、および複数の第1部分とは異なる材料を含む複数の第2部分を含むことができる。
【0255】
本明細書のいくつかの実施例によれば、複数の第1部分のそれぞれは、圧電効果を有する無機材料を含み、複数の第2部分のそれぞれは、第1部分である無機材料に比べて柔軟性を有する有機材料を含むことができる。
【0256】
本明細書のいくつかの実施例によれば、複数の第1部分および複数の第2部分は、第1方向に沿って交互に繰り返し配列され得る。
【0257】
本明細書のいくつかの実施例によれば、第1方向に沿って前記複数の第1部分のそれぞれの幅は、振動層の中間部分から振動層の両端部分に行くほど段々に減少、または増加する、および/または第1方向に沿って複数の第2部分のそれぞれの幅は、振動層の中間部分から振動層の両端部分に行くほど段々に減少することができる。
【0258】
本明細書のいくつかの実施例によれば、複数の第1部分は、第1方向および第1方向と交差する第2方向に沿って互いに離隔され、複数の第2部分は、複数の第1部分の間に配置され得る。
【0259】
本明細書のいくつかの実施例によれば、複数の第1部分は、第1方向および第1方向と交差する第2方向に沿って互いに離隔され、複数の第2部分は、複数の第1部分のそれぞれを囲むことができる。
【0260】
本明細書のいくつかの実施例によれば、複数の第1部分のそれぞれは、円形状、楕円形状、多角形状、またはドーナツ形状を有することができる。
【0261】
本明細書のいくつかの実施例によれば、複数の第1部分のそれぞれは、三角形状を有し、三角形状を有する複数の第1部分のうちの隣接する2N(Nは、2以上の自然数)個の第1部分は、2N角形状をなすように互いに隣接して配置され得る。
【0262】
本明細書の実施例による振動発生装置は、装置に配置される振動発生装置に適用することができる。本明細書の実施例による装置は、モバイルデバイス、テレビ電話、スマートウォッチ(smart watch)、ウォッチフォン(watch phone)、ウェアラブル機器(wearable apparatus)、フォルダブル機器(foldable apparatus)、ローラブル機器(rollable apparatus)、ベンダブル機器(bendable apparatus)、フレキシブル機器(flexible apparatus)、カーブド機器(curved apparatus)、スライド機器(sliding apparatus)、可変型機器(variable apparatus)、電子手帳、電子書籍、PMP(portable multimedia player)、PDA(personal digital assistant)、MP3プレーヤー、モバイル医療機器、デスクトップPC(desktop PC)、ラップトップPC(laptop PC)、ネットブックコンピュータ(netbook computer)、ワークステーション(workstation)、ナビゲーション、車両用ナビゲーション、車両用表示装置、車両用装置、劇場用装置、劇場用表示装置、テレビ、ウオールペーパー機器、サイネージ機器、ゲーム機器、ノートブック、モニター、カメラ、ビデオカメラ、家電機器などに適用することができる。そして、本明細書のいくつかの実施例による振動発生装置は、有機発光照明装置または無機発光照明装置に適用することができる。振動発生装置が照明装置に適用される場合、照明装置は、照明およびスピーカーの役割を果たすことができる。そして、本明細書のいくつかの実施例による振動発生装置がモバイルデバイスなどに適用される場合、スピーカー、受信機、およびハプティックの中の1つ以上であり得るが、本明細書の実施例はこれに限定されるものではない。
【0263】
以上で説明した本明細書は、上述した実施例及び添付の図に限定されるものではなく、本明細書の技術的事項から逸脱しない範囲内で種々の置換、変形及び変更が可能であることが本明細書が属する技術分野で通常の知識を有する者には明らかである。したがって、本明細書の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、およびその等価概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本明細書の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0264】
1、2、3、4、5:振動装置
10:振動部
20:振動部材