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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】固体撮像素子
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/77 20230101AFI20250212BHJP
【FI】
H04N25/77
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022530065
(86)(22)【出願日】2021-05-11
(86)【国際出願番号】 JP2021017808
(87)【国際公開番号】W WO2021251041
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2024-03-21
(31)【優先権主張番号】P 2020099445
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(72)【発明者】
【氏名】山下 知憲
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-148541(JP,A)
【文献】国際公開第2016/013412(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/031439(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222-5/257
5/30-5/33
23/00
23/11
23/20-23/30
23/40-23/76
23/90-23/959
25/00
25/20-25/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を含む画素部と、
前記画素の画素信号を伝達する画素信号線と、
前記画素信号と比較される参照信号を伝達する参照信号線と、
前記画素信号と前記参照信号との電圧差に基づいて該画素信号に応じた第1出力信号を出力する第1コンパレータと、
前記画素信号と前記参照信号との電圧差に基づいて該画素信号に応じた第2出力信号を出力する第2コンパレータと、
前記画素信号線または前記参照信号線と前記第1コンパレータとの間に設けられ、第1ゲインに設定された第1容量部と、
前記画素信号線または前記参照信号線と前記第2コンパレータとの間に設けられ、前記第1ゲインよりも高い第2ゲインに設定された第2容量部と、を備える固体撮像素子。
【請求項2】
前記第1容量部は、
前記参照信号線と前記第1コンパレータとの間に設けられた第1入力容量素子と、
前記画素信号線と前記第1コンパレータとの間に設けられた第2入力容量素子と、を含み、
前記第2容量部は、
前記参照信号線と前記第2コンパレータとの間に設けられた第3入力容量素子と、
前記画素信号線と前記第2コンパレータとの間に設けられた第4入力容量素子と、を含む請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項3】
前記第1入力容量素子と前記第2入力容量素子との容量比は、前記第3入力容量素子と前記第4入力容量素子との容量比と異なる、請求項2に記載の固体撮像素子。
【請求項4】
前記第1および第3入力容量素子の容量はほぼ等しく、前記第2および第4入力容量素子の容量が互いに異なる、請求項2に記載の固体撮像素子。
【請求項5】
前記第1容量部のゲインは、前記第1入力容量素子と前記第2入力容量素子との容量比によって決定され、
前記第2容量部のゲインは、前記第3入力容量素子と前記第4入力容量素子との容量比によって決定される、請求項3に記載の固体撮像素子。
【請求項6】
前記第1および第3入力容量素子のそれぞれの一端は、前記参照信号線に共通に接続されており、
前記第2および第4入力容量素子のそれぞれの一端は、前記画素信号線に共通に接続されており、
前記第1コンパレータは、ゲートが前記第1および第2入力容量素子の他端に共通に接続された第1トランジスタを含み、
前記第2コンパレータは、ゲートが前記第3および第4入力容量素子の他端に共通に接続された第2トランジスタを含む、請求項2に記載の固体撮像素子。
【請求項7】
前記第1コンパレータは、前記第1トランジスタの一端に接続された第1定電流源をさらに含み、前記第1トランジスタと前記第1定電流源との間から前記第1出力信号を出力し、
前記第2コンパレータは、前記第2トランジスタの一端に接続された第2定電流源をさらに含み、前記第2トランジスタと前記第2定電流源との間から前記第2出力信号を出力する、請求項6に記載の固体撮像素子。
【請求項8】
前記第1コンパレータは、前記第1トランジスタの一端に接続された第1定電流源と、該第1定電流源に一端が接続された第3トランジスタと、前記第1および第3トランジスタの他端に接続された第1ミラー回路とをさらに含み、前記第3トランジスタと前記第1ミラー回路との間から前記第1出力信号を出力し、
前記第2コンパレータは、前記第2トランジスタの一端に接続された第2定電流源と、該第2定電流源に一端が接続された第4トランジスタと、前記第1および第4トランジスタの他端に接続された第2ミラー回路とをさらに含み、前記第4トランジスタと前記第2ミラー回路との間から前記第2出力信号を出力する、請求項6に記載の固体撮像素子。
【請求項9】
前記第1コンパレータは、ゲートが前記第1および第2入力容量素子の一端に接続され、一端が前記画素信号線に接続された第1トランジスタを含み、
前記第2コンパレータは、ゲートが前記第3および第4入力容量素子の一端に接続され、一端が前記画素信号線に接続された第2トランジスタを含む、請求項2に記載の固体撮像素子。
【請求項10】
前記第1および第3入力容量素子の他端は、前記参照信号線に共通に接続されており、
前記第2および第4入力容量素子の他端は、接地されており、
前記第1および第2トランジスタの各一端は、それぞれ前記画素信号線から同一画素信号を受け取る、請求項9に記載の固体撮像素子。
【請求項11】
前記第1および第3入力容量素子に同一の前記参照信号を供給する参照信号生成部をさらに備える、請求項2に記載の固体撮像素子。
【請求項12】
前記画素部への照射光の照度に応じて前記第1または第2出力信号のいずれかを選択して画像データとして出力する信号処理回路をさらに備える、請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項13】
前記画素部への照射光の照度に応じて前記画素部の露光時間を変更する制御部をさらに備える、請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項14】
前記画素部への照射光の照度に応じて前記参照信号の傾きを制御する制御部をさらに備える、請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項15】
前記画素部への照射光の照度に応じて前記第1または第2ゲインを制御する制御部をさらに備える、請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項16】
前記画素部への照射光の照度を取得する信号処理回路と、
該照度に応じて前記第1または前記第2ゲインを設定する制御部とをさらに備え、
前記画素部は、設定された前記第1または第2ゲインで撮像を実行して前記画素信号を生成し、
前記信号処理回路は、前記画素信号を変換して画像データを生成する、請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項17】
前記第1および第3入力容量素子のそれぞれの一端は、前記参照信号線に共通に接続されており、
前記第2および第4入力容量素子のそれぞれの一端は、前記画素信号線に共通に接続されており、
前記第1コンパレータは、ゲートが前記第1入力容量素子の他端に接続された第1トランジスタと、ゲートが前記第2入力容量素子の他端に接続された第3トランジスタを含み、
前記第2コンパレータは、ゲートが前記第3入力容量素子の他端に接続された第2トランジスタと、ゲートが前記第4入力容量素子の他端に接続された第4トランジスタを含む、請求項2に記載の固体撮像素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固体撮像素子に関する。
【背景技術】
【0002】
アナログの画素信号と線形変化する参照信号とをコンパレータにより比較し、参照信号が画素信号を横切るまでの時間をカウントすることにより、画素信号をAD(Analogue-to-Digital)変換するCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-148541号公報
【文献】特開2019-165313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のイメージセンサのAD変換器では、コンパレータのダイナミックレンジが比較的狭く、幅広い照度の照射光をAD変換することが困難であった。
【0005】
そこで、本開示による固体撮像素子は、幅広いダイナミックレンジを有するAD変換器を備えた固体撮像素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面の固体撮像素子は、複数の画素を含む画素部と、画素の画素信号を伝達する画素信号線と、画素信号と比較される参照信号を伝達する参照信号線と、画素信号と参照信号との電圧差に基づいて該画素信号に応じた第1出力信号を出力する第1コンパレータと、画素信号と参照信号との電圧差に基づいて該画素信号に応じた第2出力信号を出力する第2コンパレータと、画素信号線または参照信号線と第1コンパレータとの間に設けられ、第1ゲインに設定された第1容量部と、画素信号線または参照信号線と第2コンパレータとの間に設けられ、第2ゲインに設定された第2容量部と、を備える。
【0007】
第1容量部は、参照信号線と第1コンパレータとの間に設けられた第1入力容量素子と、画素信号線と第1コンパレータとの間に設けられた第2入力容量素子と、を含み、第2容量部は、参照信号線と第2コンパレータとの間に設けられた第3入力容量素子と、画素信号線と第2コンパレータとの間に設けられた第4入力容量素子と、を含んでもよい。
【0008】
第1入力容量素子と第2入力容量素子との容量比は、第3入力容量素子と第4入力容量素子との容量比と異なってもよい。
【0009】
第1および第3入力容量素子の容量はほぼ等しく、第2および第4入力容量素子の容量が互いに異なってもよい。
【0010】
第1容量部のゲインは、第1入力容量素子と第2入力容量素子との容量比によって決定され、第2容量部のゲインは、第3入力容量素子と第4入力容量素子との容量比によって決定されてもよい。
【0011】
第1および第3入力容量素子のそれぞれの一端は、参照信号線に共通に接続されており、第2および第4入力容量素子のそれぞれの一端は、画素信号線に共通に接続されており、第1コンパレータは、ゲートが第1および第2入力容量素子の他端に共通に接続された第1トランジスタを含み、第2コンパレータは、ゲートが第3および第4入力容量素子の他端に共通に接続された第2トランジスタを含んでもよい。
【0012】
第1コンパレータは、第1トランジスタの一端に接続された第1定電流源をさらに含み、第1トランジスタと第1定電流源との間から第1出力信号を出力し、第2コンパレータは、第2トランジスタの一端に接続された第2定電流源をさらに含み、第2トランジスタと第2定電流源との間から第2出力信号を出力してもよい。
【0013】
第1コンパレータは、第1トランジスタの一端に接続された第1定電流源と、該第1定電流源に一端が接続された第3トランジスタと、第1および第3トランジスタの他端に接続された第1ミラー回路とをさらに含み、第3トランジスタと第1ミラー回路との間から第1出力信号を出力し、第2コンパレータは、第2トランジスタの一端に接続された第2定電流源と、該第2定電流源に一端が接続された第4トランジスタと、第1および第4トランジスタの他端に接続された第2ミラー回路とをさらに含み、第4トランジスタと第2ミラー回路との間から第2出力信号を出力してもよい。
【0014】
第1コンパレータは、ゲートが第1入力容量素子に接続され、一端が第2入力容量素子に接続された第1トランジスタを含み、第2コンパレータは、ゲートが第3入力容量素子に接続され、一端が第4入力容量素子に接続された第2トランジスタを含んでもよい。
【0015】
第1および第3入力容量素子は、参照信号線に共通に接続されており、第1および第2トランジスタの各一端は、それぞれ第2および第4入力容量素子を介して画素信号を受け取ってもよい。
【0016】
第1および第3入力容量素子に同一の参照信号を供給する参照信号生成部をさらに備えてもよい。
【0017】
画素部への照射光の照度に応じて第1または第2出力信号のいずれかを選択して画像データとして出力する信号処理回路をさらに備えてもよい。
【0018】
画素部への照射光の照度に応じて画素部の露光時間を変更する制御部をさらに備えてもよい。
【0019】
画素部への照射光の照度に応じて参照信号の傾きを制御する制御部をさらに備えてもよい。
【0020】
画素部への照射光の照度に応じて第1または第2ゲインを制御する制御部をさらに備えてもよい。
【0021】
画素部への照射光の照度を取得する信号処理回路と、該照度に応じて第1または第2ゲインを設定する制御部とをさらに備え、画素部は、設定された第1または第2ゲインで撮像を実行して画素信号を生成し、信号処理回路は、画素信号を変換して画像データを生成してもよい。
【0022】
第1および第3入力容量素子のそれぞれの一端は、参照信号線に共通に接続されており、第2および第4入力容量素子のそれぞれの一端は、画素信号線に共通に接続されており、第1コンパレータは、ゲートが第1入力容量素子の他端に接続された第1トランジスタと、ゲートが第2入力容量素子の他端に接続された第3トランジスタを含み、第2コンパレータは、ゲートが第3入力容量素子の他端に接続された第2トランジスタと、ゲートが第4入力容量素子の他端に接続された第4トランジスタを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施形態による固体撮像素子の構成例を示すブロック図。
図2】画素部の半導体チップと処理回路の半導体チップとを積層した固体撮像素子の例を示す概念図。
図3】画素部に設けられる画素の構成例を示す回路図。
図4】画素部およびADC群の構成の一例を示すブロック図。
図5】容量部およびコンパレータの内部構成の一例を示す図。
図6】第1実施形態による固体撮像素子の動作の一例を示すタイミング図。
図7】画素部およびADC群の構成の一例を示すブロック図。
図8A】第2実施形態による固体撮像素子の構成例を示す図。
図8B】第2実施形態の変形例による固体撮像素子の構成例を示す図。
図8C】第2実施形態の他の変形例による固体撮像素子の構成例を示す図。
図9】第3実施形態による固体撮像素子の構成例を示す図。
図10】第3実施形態による固体撮像素子の動作の一例を示すタイミング図。
図11】第4実施形態による固体撮像素子の構成例を示す図。
図12】第1実施形態の変形例1による固体撮像素子の構成例を示す図。
図13】変形例2による固体撮像素子の露光時間と入力容量ゲインとの関係を示す表。
図14】変形例3による固体撮像素子の動作例を示すタイミング図。
図15】変形例3による参照信号と入力容量ゲインとの組み合わせを示す表。
図16】第5実施形態による固体撮像素子の構成例を示すブロック図。
図17】第5実施形態によるADC群の構成例を示すブロック図。
図18】入力容量素子の構成の一例を示す図。
図19】第5実施形態による固体撮像素子の動作を示すフロー図。
図20】本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図。
図21】撮像部の設置位置の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0025】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態による固体撮像素子100の構成例を示すブロック図である。固体撮像素子100は、画素部101と、タイミング制御回路102と、垂直走査回路103と、DAC(デジタル-アナログ変換装置)104と、ADC(アナログ-デジタル変換装置)群105と、水平転送走査回路106と、アンプ回路107と、信号処理回路108とを備える。
【0026】
画素部101には、入射光をその光量に応じた電荷量に光電変換する光電変換素子を含む単位画素(以下、単に画素とも称する)が行列状に配置されている。単位画素の具体的な回路構成については、図2を参照して後述する。また、画素部101には、行列状の画素配列に対して、行毎に画素駆動線109が図の左右方向(画素行の画素配列方向/水平方向)に沿って配線され、列毎に垂直信号線110が図の上下方向(画素列の画素配列方向/垂直方向)に沿って配線されている。画素駆動線109の一端は、垂直走査回路103の各行に対応した出力端に接続されている。なお、図1では、画素駆動線109を画素行毎に1本ずつ示しているが、各画素行に画素駆動線109を2本以上設けてもよい。
【0027】
タイミング制御回路102は、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータ(不図示)を備えている。タイミング制御回路102は、外部から与えられる制御信号等に基づいて、タイミングジェネレータで生成された各種のタイミング信号を基に垂直走査回路103、DAC104、ADC群105、及び、水平転送走査回路106等の駆動制御を行う。
【0028】
垂直走査回路103は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成されている。ここでは、具体的な構成については図示を省略するが、垂直走査回路103は、読出し走査系と掃出し走査系とを含んでいる。
【0029】
読出し走査系は、信号を読み出す単位画素について行単位で順に選択走査を行う。一方、掃出し走査系は、読出し走査系によって読出し走査が行われる読出し行に対し、その読出し走査よりもシャッタスピードの時間分だけ先行してその読出し行の単位画素の光電変換素子から不要な電荷を掃き出す(リセットする)掃出し走査を行う。この掃出し走査系による不要電荷の掃き出し(リセット)により、いわゆる電子シャッタ動作が行われる。ここで、電子シャッタ動作とは、光電変換素子の光電荷を捨てて、新たに露光を開始する(光電荷の蓄積を開始する)動作のことを言う。読出し走査系による読出し動作によって読み出される信号は、その直前の読出し動作又は電子シャッタ動作以降に入射した光量に対応する。そして、直前の読出し動作による読出しタイミングまたは電子シャッタ動作による掃出しタイミングから、今回の読出し動作による読出しタイミングまでの期間が、単位画素における光電荷の蓄積時間(露光時間)となる。
【0030】
垂直走査回路103によって選択走査された画素行の各単位画素から出力される画素信号VSLは、各列に対応する複数の垂直信号線110を介してADC群105に供給される。
【0031】
参照信号生成部としてのDAC104は、線形変化するランプ波形の信号である参照信号RAMPを生成し、ADC群105に供給する。DAC104は、参照信号線114を介して複数のコンパレータ121に共通に接続されており、同じ参照信号RAMPを複数のコンパレータ121に供給する。参照信号線114は、参照信号RAMPを複数のコンパレータ121に伝達する。
【0032】
ADC群105は、複数のコンパレータ121、複数のカウンタ122、及び、複数のラッチ回路123を備える。尚、図1では、ADC群105を1つだけ示しているが、ADC群105は、図2または図3に示すように、複数のADC群105a、105bに分割されている。ADC群105a、105bの構成については、後で説明する。
【0033】
コンパレータ121、カウンタ122、及び、ラッチ回路123は、それぞれ画素部101の画素列に対応して設けられ、ADCを構成する。
【0034】
コンパレータ121は、各画素から出力される画素信号VSLと参照信号RAMPを、容量を介して加算した信号の電圧と、所定の基準電圧とを比較し、比較結果を示す出力信号をカウンタ122に供給する。
【0035】
カウンタ122は、コンパレータ121の出力信号に基づいて、画素信号VSLと参照信号RAMPを、容量を介して加算した信号が所定の基準電圧を上回るまでの時間をカウントすることにより、アナログの画素信号をカウント値により表されるデジタルの画素信号に変換する。カウンタ122は、カウント値をラッチ回路123に供給する。
【0036】
ラッチ回路123は、カウンタ122から供給されるカウント値を保持する。また、ラッチ回路123は、信号レベルの画素信号に対応するD相のカウント値と、リセットレベルの画素信号に対応するP相のカウント値との差分をとることにより、CDS(Correlated Double Sampling:相関二重サンプリング)を行う。
【0037】
水平転送走査回路106は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、ADC群105の画素列に対応した回路部分を順番に選択走査する。この水平転送走査回路106による選択走査により、ラッチ回路123に保持されているデジタルの画素信号が、水平転送線111を介して、順番にアンプ回路107に転送される。
【0038】
アンプ回路107は、ラッチ回路123から供給されるデジタルの画素信号を増幅し、信号処理回路108に供給する。
【0039】
信号処理回路108は、アンプ回路107から供給されるデジタルの画素信号に対して、所定の信号処理を行い、2次元の画像データを生成する。例えば、信号処理回路108は、縦線欠陥、点欠陥の補正、又は、信号のクランプを行ったり、パラレル-シリアル変換、圧縮、符号化、加算、平均、及び、間欠動作などデジタル信号処理を行ったりする。信号処理回路108は、生成した画像データを後段の装置に出力する。
【0040】
尚、図1に示す固体撮像素子100は、全体として1つの半導体チップとして構成してもよく、あるいは、複数の半導体チップで構成してもよい。固体撮像素子100を複数の半導体チップとして構成する場合、画素部101およびそれ以外の処理回路をそれぞれ別々の半導体チップ511、512として形成し、半導体チップ511と半導体チップ512とを積層してもよい。
【0041】
例えば、図2は、画素部101の半導体チップ511と処理回路の半導体チップ512とを積層した固体撮像素子100の例を示す概念図である。図2に示されるように、固体撮像素子100は、積層される2枚の半導体チップ511および512で構成されている。尚、半導体チップの積層数は、3層以上であってもよい。
【0042】
半導体チップ511は、半導体基板上に形成された画素部101を備える。半導体チップ512は、他の半導体基板上に形成されたADC群105a、105b、ロジック回路516および周辺回路517を備える。ADC群105は、複数の部分(105a、105b)に分割されており、例えば、それぞれ異なるゲインを有するように設定される。ロジック回路516は、タイミング制御回路102、垂直走査回路103、DAC104、水平転送走査回路106等を含む。周辺回路517は、処理回路108等を含む。
【0043】
半導体チップ511の画素部101の各画素と半導体チップ512の処理回路(105a、105b、516、517)の素子は、例えば、ビア領域513、514に設けられたTSV(Through Silicon Via)のような貫通電極等を用いて電気的に接続してもよい。ADC群105a、105bは、TSVを介して画素部101と信号の送受信を行うことができる。また、半導体チップ511の配線と半導体チップ512の配線とを接触させるように、両方の半導体チップを貼り合わせてもよい(Cu-Cu接合)。さらに、図示しないが、画素部101と処理回路(105a、105b、516、517)の一部とを1つの半導体チップ511として構成し、その他の構成を他の半導体チップ512として構成してもよい。
【0044】
図3は、画素部101に設けられる画素150の構成例を示す回路図である。画素150は、光電変換素子としてたとえばフォトダイオード151を備え、フォトダイオード151に対して、転送トランジスタ152、増幅トランジスタ154、選択トランジスタ155、リセットトランジスタ156の4つのトランジスタを能動素子として備える。
【0045】
フォトダイオード151は、入射光をその光量に応じた量の電荷(ここでは電子)に光電変換する。
【0046】
転送トランジスタ152は、フォトダイオード151とFD(フローティングディフュージョン)153との間に接続されている。転送トランジスタ152は、垂直走査回路103から供給される駆動信号TXによりオン状態になったとき、フォトダイオード151に蓄積されている電荷をFD153に転送する。
【0047】
FD153には、増幅トランジスタ154のゲートが接続されている。増幅トランジスタ154は、選択トランジスタ155を介して垂直信号線110に接続され、画素部101の外の定電流源157とソースフォロアを構成している。垂直走査回路103から供給される駆動信号SELにより選択トランジスタ155がオンすると、増幅トランジスタ154は、FD153の電位を増幅し、その電位に応じた電圧を示す画素信号を垂直信号線110に出力する。そして、各画素150から出力された画素信号は、垂直信号線110を介して、ADC群105の各コンパレータ121に供給される。
【0048】
リセットトランジスタ156は、電源VDDとFD153との間に接続されている。リセットトランジスタ156が垂直走査回路103から供給される駆動信号RSTによりオンしたとき、FD153の電位が電源VDDの電位にリセットされる。
【0049】
図4は、画素部101およびADC群105a、105bの構成の一例を示すブロック図である。画素部101に含まれる複数の画素150の各画素列は、垂直信号線110を介してそれぞれADC群105a、105bの両方に接続されている。垂直信号線110は、複数の画素150からなる画素列ごとに設けられており、その画素列のうち選択された画素150から同一の画素信号VSLを伝達する。尚、図4は、垂直信号線110に対して1つの画素150のみを表示しているが、垂直信号線110は、図5に示すように、画素列内の複数の画素150に共有されている。
【0050】
ADC群105aは、画素列のそれぞれに対応して設けられた複数の容量部120aおよび複数のコンパレータ121aを備える。容量部120aは、垂直信号線110に接続されており、画素150からの画素信号VSLをコンパレータ121aに伝達する。このとき、容量部120aの容量は、画素信号VSLの入力容量ゲインを設定するために変更可能となっている。コンパレータ121aは、容量部120aを介して画素信号VSLを受け取り、画素信号VSLと参照信号RAMPとを比較した結果を図1のカウンタ122へ出力する。
【0051】
ADC群105bは、画素列のそれぞれに対応して設けられた複数の容量部120bおよび複数のコンパレータ121bを備える。容量部120bは、垂直信号線110に接続されており、画素150からの画素信号VSLをコンパレータ121bに伝達する。このとき、容量部120bの容量は、画素信号VSLの入力容量ゲインを設定するために変更可能となっている。コンパレータ121bは、容量部120bを介して画素信号VSLを受け取り、画素信号VSLと参照信号RAMPとを比較した結果を図1のカウンタ122へ出力する。
【0052】
容量部120a、120bは、互いに異なる入力容量ゲインを有する。例えば、容量部120aは、比較的低い入力容量ゲインを有し、容量部120bは、比較的高い入力容量ゲインを有する。入力容量ゲインは、参照信号RAMPに対する画素信号VSLの伝達率である。入力容量ゲインが高い場合、画素信号VSLの伝達率が大きくなり、固体撮像素子100は低照度の照射光であっても、正確に検出することができる。入力容量ゲインが低い場合、画素信号VSLの伝達率が小さくなり、固体撮像素子100は、高照度の照射光を短い時間で検出することができる。入力容量ゲインは、画素信号VSLを伝達する容量素子と参照信号RAMPを伝達する容量素子との容量比を変更することによって制御され得る。
【0053】
容量部120aは、比較的低い入力容量ゲインを有することによって、高照度の照射光を検出するために用いられる。容量部120bは、比較的高い入力容量ゲインを有することによって、低照度の照射光を検出するために用いられる。
【0054】
このように、各画素150は、対応する垂直信号線110を介して、互いに入力容量ゲインの異なる複数のADC群105a、105bにそれぞれ接続されている。
【0055】
図5は、容量部120a、120bおよびコンパレータ121a、121bの内部構成の一例を示す図である。
【0056】
第1容量部としての容量部120aは、垂直信号線110または参照信号線114とコンパレータ121aとの間に設けられ、第1ゲインとしての低ゲインに設定されている。容量部120aは、入力容量素子Crmpaと、入力容量素子Cvslaとを含む。第1入力容量素子としての入力容量素子Crmpaは、参照信号線114とコンパレータ121aのトランジスタTp1aのゲートとの間に設けられている。第2入力容量素子としての入力容量素子Cvslaは、垂直信号線110とコンパレータ121aとの間に設けられている。
【0057】
即ち、入力容量素子Crmpa、Cvslaの一端は、それぞれ垂直信号線110および参照信号線114に接続されている。入力容量素子Crmpa、Cvslaの他端は、トランジスタTp1aのゲートに共通に接続されている。
【0058】
第2容量部としての容量部120bは、垂直信号線110または参照信号線114とコンパレータ121bとの間に設けられ、第2ゲインとしての高ゲインに設定されている。第2ゲインは、第1ゲインよりも高い。容量部120bは、入力容量素子Crmpbと、入力容量素子Cvslbとを含む。第3入力容量素子としての入力容量素子Crmpbは、参照信号線114とコンパレータ121bのトランジスタTp1bのゲートとの間に設けられている。第4入力容量素子としての入力容量素子Cvslbは、垂直信号線110とコンパレータ121bとの間に設けられている。
【0059】
即ち、入力容量素子Crmpb、Cvslbの一端は、それぞれ垂直信号線110および参照信号線114に接続されている。入力容量素子Crmpb、Cvslbの他端は、トランジスタTp1bのゲートに共通に接続されている。
【0060】
さらに、容量部120a、120bは、対応する参照信号線114を共有しており、かつ、対応する垂直信号線110を共有している。従って、入力容量素子Crmpa、Crmpbの一端は、参照信号線114に共通に接続されている。入力容量素子Cvsla、Cvslbの一端は、ともに垂直信号線110を介して垂直信号線110に共通に接続されている。
【0061】
本実施形態において、入力容量素子Crmpa、Crmpbの容量は互いにほぼ等しいが、入力容量素子Cvsla、Cvslbの容量は互いに異なる。よって、入力容量素子Crmpaと入力容量素子Cvslaとの容量比(容量部120aの入力容量ゲインGa)は、入力容量素子Crmpbと入力容量素子Cvslbとの容量比(容量部120bの入力容量ゲインGb)と異なる。容量部120aの入力容量ゲインGaは、入力容量素子Crmpaに対する入力容量素子Cvslaの容量比(例えば、Cvsla/Cvsla+Crmpa)によって決定される。容量部120bの入力容量ゲインGbは、入力容量素子Crmpbに対する入力容量素子Cvslbとの容量比(例えば、Cvslb/Cvslb+Crmpb)によって決定される。
【0062】
本実施形態では、例えば、入力容量素子Cvslbは入力容量素子Cvslaよりも大きいので、容量部120bの入力容量ゲインGbは、容量部120aの入力容量ゲインGaよりも大きく設定されている。
【0063】
入力容量素子Crmpa、Crmpb、Cvsla、Cvslbは、可変容量素子である。例えば、入力容量素子Crmpa、Crmpb、Cvsla、Cvslbは、並列または直列に接続する同一容量の素子の個数をトリミングやスイッチ(図示せず)等で変更することによって調節される。入力容量素子Crmpa、Crmpb、Cvsla、Cvslbのトリミングまたは切替えは、固体撮像素子100の製造や出荷時に実行すればよい。あるいは、図11を参照して説明するように、入力容量素子Crmpa、Crmpb、Cvsla、Cvslbの切替えは、照射光の照度に基づいてスイッチSWc1、SWc2を切り替えることによって実行されてもよい。
【0064】
第1コンパレータとしてのコンパレータ121aは、容量部120aに接続されており、画素信号VSLと参照信号RAMPとの電圧差に基づいて(増幅して)画素信号VSLに応じた出力信号OUTaを出力するシングル型アンプである。
【0065】
コンパレータ121aは、n型トランジスタTn1aと、p型トランジスタTp1aと、n型トランジスタTn2aとを含む。トランジスタTn1a、Tp1a、Tn2aは、電源VddとグランドGNDとの間にこの順番で直列に接続されている。
【0066】
トランジスタTn1aのドレインは電源Vddに接続され、そのソースはトランジスタTp1aのソースに接続されている。トランジスタTn1aは、LDO(Low Dropout)リニアレギュレータとして機能する。
【0067】
第1トランジスタとしてのトランジスタTp1aのゲートは、上述の通り、入力容量素子Crmpa、Cvslaの他端に共通に接続されている。トランジスタTp1aのソースは、トランジスタTn1aのソースに接続されており、トランジスタTp1aのドレインは、出力端子およびトランジスタTn2aのドレインに接続されている。トランジスタTp1aは、容量部120aからの画素信号VSLとDAC104からの参照信号RAMPとの加算信号が基準電圧を超えるときに、導通状態から非導通状態となり、出力信号OUTaのレベルを反転させる。即ち、トランジスタTp1aは、画素信号VSLのレベルを増幅して検出するアンプとして機能する。
【0068】
トランジスタTn2aは、トランジスタTp1aに定電流を流すための定電流源として機能する。
【0069】
AZスイッチSW1aは、トランジスタTp1aのゲートと出力端子Toutaとの間に接続されており、画素信号VSLの検出前にトランジスタTp1aのゲートと出力端子Toutaとの間の電位を等しくしてオートゼロ動作を行う。
【0070】
このような構成により、コンパレータ121aは、トランジスタTp1aとトランジスタTn2aとの間の出力部から第1出力信号としての出力信号OUTaを出力する。
【0071】
第2コンパレータとしてのコンパレータ121bは、容量部120bに接続されており、画素信号VSLと参照信号RAMPとの電圧差に基づいて画素信号VSLに応じた出力信号OUT2を出力する。
【0072】
コンパレータ121bは、n型トランジスタTn1bと、p型トランジスタTp1bと、n型トランジスタTn2bとを含む。トランジスタTn1b、Tp1b、Tn2bは、電源Vddと接地電圧GNDとの間にこの順番で直列に接続されている。
【0073】
トランジスタTn1bのドレインは電源Vddに接続され、そのソースはトランジスタTp1bのソースに接続されている。トランジスタTn1bは、トランジスタTn1aと同様に、LDOリニアレギュレータとして機能する。
【0074】
第2トランジスタとしてのトランジスタTp1bのゲートは、上述の通り、入力容量素子Crmpb、Cvslbの他端に共通に接続されている。トランジスタTp1bのソースは、トランジスタTn1bのソースに接続されており、トランジスタTp1bのドレインは、出力端子およびトランジスタTn2bのドレインに接続されている。トランジスタTp1bは、容量部120bからの画素信号VSLとDAC104からの参照信号RAMPとの加算信号が基準電圧を超えるときに、導通状態から非導通状態となり、出力信号OUTbのレベルを反転させる。即ち、トランジスタTp1bは、画素信号VSLのレベルを増幅して検出するアンプとして機能する。
【0075】
トランジスタTn2bは、トランジスタTp1bに定電流を流すための定電流源として機能する。
【0076】
AZスイッチSW1bは、トランジスタTp1bのゲートと出力端子Toutbとの間に接続されており、画素信号VSLの検出前にトランジスタTp1aのゲートと出力端子Toutbとの間の電位を等しくしてオートゼロ動作を行う。
【0077】
このような構成により、コンパレータ121bは、トランジスタTp1bとトランジスタTn2bとの間の出力部から第2出力信号としての出力信号OUTbを出力する。
【0078】
尚、電流源CS1a、CS1bは、垂直信号線110に接続されており、垂直信号線110に定電流を流すように構成されている。
【0079】
コンパレータ121bの構成は、コンパレータ121aの構成と同じである。即ち、トランジスタTn1a、Tn1bは互いに同一構成であり、トランジスタTp1a、Tp1bは互いに同一構成であり、トランジスタTn2a、Tn2bも互いに同一構成である。これにより、ADC群105a、105bのゲインGa、Gbは、入力容量素子Crmpaに対する入力容量素子Cvslaの容量比および入力容量素子Crmpbに対する入力容量素子Cvslbとの容量比の相違によってほぼ決定される。従って、ADC群105aは、画素信号VSLと参照信号RAMPとの比較結果を低ゲインで出力信号OUTaとして出力する。ADC群105bは、画素信号VSLと参照信号RAMPとの比較結果を高ゲインで出力信号OUTbとして出力する。その結果、固体撮像素子100は、低照度から高照度まで幅広いダイナミックレンジ(HDR(High Dynamic Range))の照射光を検出することができる。また、コンパレータ121a、121bの構成を同じにすることによって、コンパレータ121a、121bは同一工程で同時に形成することができ、製造コストを低く抑えることができる。
【0080】
次に、本実施形態による固体撮像素子100の動作について説明する。
【0081】
図6は、第1実施形態による固体撮像素子100の動作の一例を示すタイミング図である。横軸は時間を示す。縦軸は、AZスイッチSW1a、SW1bの駆動信号、画素信号VSL、参照信号RAMP、トランジスタTp1a、Tp1bのゲート電圧、および、出力信号OUTa、OUTbの電圧レベル(信号レベル)を示している。尚、信号検出中において、トランジスタTn1a、Tn1bは、常時オンしているものとする。また、トランジスタTn2a、Tn2bは、トランジスタTp1a、Tp1bに定電流を流しているものとする。
【0082】
時刻t1において、読み出し対象となる画素150のFD153がリセットされ、画素信号VSLがリセットレベルに設定される。このとき、参照信号RAMPは、所定のリセットレベルに設定されている。
【0083】
時刻t2において、AZスイッチSW1a、SW1bの駆動信号がハイレベルに設定され、コンパレータ121a、121bのオートゼロ動作が行われる。具体的には、AZスイッチSW1aがオンし、トランジスタTp1aのゲートと出力部Toutaとの間が接続され、コンパレータ121aの入出力間が短絡される。これにより、トランジスタTp1aのゲート電圧及び出力信号OUTaの電圧が、出力信号OUTaのハイレベルとローレベルの中間に近い電圧に収束する。この収束した電圧がコンパレータ121aの基準電圧となる。よって、この後、AZスイッチSW1aがオフされると、トランジスタTp1aのゲート電圧(コンパレータ121aの入力電圧)が基準電圧より上がると、出力信号OUTaの電圧が下がり、ローレベルとなる。一方、トランジスタTp1aのゲート電圧(コンパレータ121aの入力電圧)が基準電圧より下がると、出力信号OUTaの電圧が上がり、ハイレベルとなる。
【0084】
AZスイッチSW1bもAZスイッチSW1aと同様にコンパレータ121bに対してオートゼロ動作を行う。即ち、AZスイッチSW1bがオンし、トランジスタTp1bのゲートと出力部Toutbとの間が接続され、コンパレータ121bの入出力間が短絡される。これにより、トランジスタTp1bのゲート電圧及び出力信号OUTbの電圧が、出力信号OUTbのハイレベルとローレベルの中間に近い電圧に収束する。この収束した電圧がコンパレータ121bの基準電圧となる。よって、この後、AZスイッチSW1bがオフされると、トランジスタTp1bのゲート電圧(コンパレータ121bの入力電圧)が基準電圧より上がると、出力信号OUTbの電圧が下がり、ローレベルとなる。一方、トランジスタTp1bのゲート電圧(コンパレータ121bの入力電圧)が基準電圧より下がると、出力信号OUTbの電圧が上がり、ハイレベルとなる。
【0085】
時刻t3において、AZスイッチSW1a、SW1bの駆動信号がローレベルに設定され、AZスイッチSW1a、SW1bがオフし、コンパレータ121a、121bのオートゼロ動作が終了する。トランジスタTp1a、Tp1bの電圧および出力信号OUTa、OUTbの電圧は、基準電圧のまま保持される。コンパレータ121a、121bの構成は同一であるので、コンパレータ121a、121bの基準電圧はほぼ同一となる。
【0086】
時刻t4において、参照信号RAMPの電圧が、リセットレベルから所定値だけ低下する。これにより、トランジスタTp1a、Tp1bのゲート電圧が基準電圧より下がり、出力信号OUTa、OUTbがハイレベルとなる。
【0087】
時刻t5において、参照信号RAMPの電圧レベルが線形的に増加する。これに合わせて、トランジスタTp1a、Tp1bのゲート電圧も線形的に増加する。また、図1のカウンタ122が、カウントを開始する。
【0088】
時点t5-1において、トランジスタTp1a、Tp1bのゲート電圧が基準電圧を上回ったときに、出力信号OUTa、OUTbの電圧がローレベルに反転する。出力信号OUTa、OUTbがローレベルに反転したときのカウンタ122のカウント値が、P相(リセットレベル)の画素信号VSLの値として図1のラッチ回路123に保持される。ラッチ回路123は、出力信号OUTa、OUTbの両方をラッチする。
【0089】
時刻t6において、参照信号RAMPの電圧がリセット電圧に再度設定される。これにより、トランジスタTp1a、Tp1bのゲート電圧が基準電圧に戻り、出力信号OUTa、OUTbが基準電圧とほぼ等しくなる。
【0090】
時刻t7において、画素150の転送トランジスタ152がオンされ、露光期間中にフォトダイオード151に蓄積された電荷がFD153に転送される。これにより、画素信号VSLが信号レベルになり、トランジスタTp1a、Tp1bのゲート電圧が信号レベルに対応する値だけ基準電圧から下がる。その結果、出力信号OUTa、OUTbがハイレベルとなる。ただし、画素信号VSLの信号レベルが小さい場合、出力信号OUTa、OUTbがほぼ基準電圧に近い値で保持される。
【0091】
時刻t8において、時刻t4と同様に、参照信号RAMPの電圧が、リセットレベルから所定の値だけ下げられる。これにより、トランジスタTp1a、Tp1bのゲート電圧が信号レベルからさらに低下する。
【0092】
時刻t9において、時刻t5と同様に、参照信号RAMPの電圧レベルが線形的に増加する。これに合わせて、トランジスタTp1a、Tp1bのゲート電圧も線形的に増加する。また、カウンタ122が、カウントを開始する。
【0093】
時刻t9-1~t9-3において、トランジスタTp1a、Tp1bのゲート電圧が基準電圧を上回ったとき、出力信号OUTa、OUTbがローレベルに反転する。例えば、照射光の照度が弱く、画素信号VSLが小さい場合、ラインL1に示すように、トランジスタTp1a、Tp1bのゲート電圧のレベルは画素信号VSLではあまり低下しない。この場合、比較的早い時刻t9-1において、トランジスタTp1a、Tp1bのゲート電圧が基準電圧を上回り、出力信号OUTa、OUTbがローレベルに反転する。照射光の照度が中程度であり、画素信号VSLが中程度である場合、ラインL2に示すように、t9-2において、トランジスタTp1a、Tp1bのゲート電圧が基準電圧を上回り、出力信号OUTa、OUTbがローレベルに反転する。照射光の照度が強く、画素信号VSLが高い場合、ラインL3に示すように、比較的遅い時刻t9-3において、トランジスタTp1a、Tp1bのゲート電圧が基準電圧を上回り、出力信号OUTa、OUTbがローレベルに反転する。このように、照射光の照度によって、参照信号RAMPの増加の開始から出力信号OUTa、OUTbの反転までの期間が異なる。
【0094】
出力信号OUTa、OUTbがローレベルに反転したときのカウンタ122のカウント値は、D相(信号レベル)の画素信号VSLの値として図1のラッチ回路123に保持される。ラッチ回路123は、出力信号OUTa、OUTbの両方をラッチする。ラッチ回路123は、D相の画素信号VSLと、時刻t5と時刻t6の間に読み出されたP相の画素信号VSLとの差分をとることにより、CDSを行う。このようにして、画素信号VSLのAD変換が行われる。AD変換は、ADC群105a、105bのそれぞれにおいて実行され、互いに異なる入力容量ゲインで検出された画素信号VSLに対して実行される。ADC群105aからのデジタル画像データおよびADC群105bからのデジタル画像データは、それぞれ信号処理回路108へ送信される。
【0095】
照射光の照度によって、参照信号RAMPの増加の開始から出力信号OUTa、OUTbの反転までの期間が異なるので、ADC群105a、105bからのデジタル画像データも照射光の照度に基づいた値となる。
【0096】
その後、信号処理回路108は、出力信号OUTa、OUTbのいずれかまたはその両方を用いて画素信号を選択または生成し、画像データを生成する。このとき、信号処理回路108は、照射光の照度に応じて、出力信号OUTa、OUTbを選択してもよい。
【0097】
時刻t10において、時刻t6と同様に、参照信号RAMPの電圧がリセット電圧に設定される。これにより、トランジスタTp1a、Tp1bのゲート電圧が基準電圧に戻り、出力信号OUT1が基準電圧にほぼ等しくなる。その後、時刻t11以降において、時刻t1~t10と同様の動作が繰り返される。
【0098】
本実施形態によれば、固体撮像素子100は、各画素列に対応するADC群が互いにゲインの異なる複数のADC群105a、105bに分割されている。ADC群105a、105bのそれぞれのゲインは、容量部120a、120bの入力容量ゲインGa、Gbによって設定される。これにより、信号処理回路108は、画素信号を複数のゲインで検出して生成された出力信号OUTa、OUTbのいずれかまたはその両方を用いて画素信号を選択または生成し、画像データを生成することができる。このとき、信号処理回路108は、照射光の照度(光強度)に応じて、出力信号OUTa、OUTbを選択してもよい。例えば、照射光の照度が比較的強い場合には、信号処理回路108は、ADC群105aによって低ゲインで検出された出力信号OUTaを選択して画像データを生成する。照射光の照度が比較的弱い場合には、信号処理回路108は、ADC群105bによって高ゲインで検出された出力信号OUTbを選択して画像データを生成する。これにより、固体撮像素子100は、低照度の照射光でも高感度(細かい階調)で撮像することができ、かつ、高照度の照射光でも飽和することなく短時間(低消費電力)で撮像することができる。即ち、本実施形態による固体撮像素子100は、照射光の照度に応じて幅広いダイナミックレンジ(HDR)で撮像することができる。
【0099】
また、本実施形態による固体撮像素子100は、図2に示すように、各画素列に対応するADC群が複数のADC群105a、105bに分割され、並列に接続されている。ADC群105a、105bは、ロジック回路516および周辺回路517の両側に設けられており、互いに離間している。もし、ゲインの異なる複数のADCが隣接している場合、近接効果によって複数のADCからの出力信号が互いに影響し合うことがある。これに対し、本実施形態によるADC群105a、105bは、互いに離間していることによって、異なるゲインを有していても、相互に影響し合うことを抑制することができる。これは、固体撮像素子100が正確な画像データを生成することを可能にする。
【0100】
本実施形態によれば、ADC群105a、105bのゲインは、容量部120aの入力容量素子CrmpaとCvslaとの容量比、および、容量部120bの入力容量素子CrmpbとCvslbとの容量比によってそれぞれ設定されている。従って、画素信号VSLおよび参照信号RAMPは、ADC群105a、105bに対して同じでよく共通でよい。例えば、図7に示すように、DAC104は、ADC群105a、105bに対して共通に設けられており、参照信号線114を介して同一の参照信号RAMPをADC群105a、105bへ供給すればよい。複数のADC群105a、105bを備えていても、DAC104は共通化することができるので、固体撮像素子100の全体の大きさを小さく抑えることができる。勿論、固体撮像素子100の大きさを考慮する必要が無ければ、DAC104は複数のADC群105a、105bのそれぞれに対応して設けてもよい。
【0101】
また、本実施形態では、コンパレータ121a、121bは、シングル型アンプで構成されておいる。従って、第2実施形態のような差動型アンプを用いる場合と比較して、第1実施形態による固体撮像素子100は、消費電流をほぼ半減することができ、消費電力を下げることができる。
【0102】
さらに、コンパレータ121a、121bの入力電圧は、画素信号VSLと参照信号RAMPとの加算信号となる。画素信号VSLと参照信号RAMPとが逆極性である場合、コンパレータ121a、121bの入力電圧は、画素信号VSLと参照信号RAMPとの差分電圧となり、振幅が小さくなる。これにより、コンパレータ121a、121bの電圧変動を小さくすることができ、電源Vddの電圧を下げることができる。その結果、固体撮像素子100の消費電力を低減することができる。
【0103】
(第2実施形態)
図8Aは、第2実施形態による固体撮像素子100の構成例を示す図である。第2実施形態では、コンパレータ121a、121bの構成が、第1実施形態と異なる。容量部120a、120bを含む他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。
【0104】
コンパレータ121aは、容量部120aに接続されており、画素信号VSLと参照信号RAMPとの電圧差に基づいて画素信号VSLに応じた出力信号OUTaを出力する差動回路である。
【0105】
コンパレータ121aは、p型トランジスタTp2a~Tp4aと、カレントミラー回路CMaと、AZスイッチSW2a、SW3aと、容量素子C1aとを含む。
【0106】
トランジスタTp2aのソースは電源Vddに接続され、そのドレインはトランジスタTp3a、Tp4aのソースに共通に接続されている。
【0107】
第1トランジスタとしてのトランジスタTp3aのゲートは、入力容量素子Crmpa、Cvslaの他端に共通に接続されている。トランジスタTp3aのソースは、トランジスタTp2aのドレインに接続され、トランジスタTp3aのドレインは、カレントミラー回路CMaに接続されている。
【0108】
第3トランジスタとしてのトランジスタTp4aのゲートは、容量素子C1aを介してグランドGNDに接続されている。トランジスタTp4aのソースは、トランジスタTp3aのソースと共通に、トランジスタTp2aのドレインに接続されている。トランジスタTp4aのドレインは、カレントミラー回路CMaおよび出力部Toutaに接続されている。
【0109】
第1ミラー回路としてのカレントミラー回路CMaは、トランジスタTp3a、Tp4aのドレインとグランドGNDとの間に接続されており、トランジスタTp3a、Tp4aにほぼ等しい電流を流すように構成されている。より詳細には、カレントミラー回路CMaは、トランジスタTp3aとグランドGNDとの間に接続されたn型トランジスタTn3aと、トランジスタTp4aとグランドGNDとの間に接続されたn型トランジスタTn4aとを備える。トランジスタTn3a、Tn4aのゲートは、トランジスタTn3aのドレインに共通に接続されている。
【0110】
AZスイッチSW2aは、トランジスタTp3aのゲートとドレインとの間に接続されており、画素信号VSLの検出前にトランジスタTp3aのゲートとドレインとの間の電位を等しくしてオートゼロ動作を行う。
【0111】
AZスイッチSW3aは、トランジスタTp4aのゲートとドレインとの間に接続されており、画素信号VSLの検出前にトランジスタTp4aのゲートとドレインとの間の電位を等しくしてオートゼロ動作を行う。
【0112】
トランジスタTp3aは、画素信号VSLと参照信号RAMPとの加算信号の電圧レベルが基準電圧を超えるときに、導通状態から非導通状態となる。カレントミラー回路CMaは、トランジスタTp3aに流れる電流に所定のミラー比を乗じた電流をトランジスタTp4aへ流す。トランジスタTp4aは、トランジスタTp3aに流れる電流に応じて、出力信号OUTaの電圧レベルを生成する。トランジスタTp3aが導通状態から非導通状態となったときに、トランジスタTp4aは、トランジスタTn3aと同様に所定電流を流すので、出力信号OUTaをローレベルからハイレベルへ反転させる。即ち、コンパレータ121aは、第1実施形態のそれと同様に、画素信号VSLと参照信号RAMPとの加算信号の電圧レベルが基準電圧を超えるときに、出力信号OUTaのレベルを反転させる。
【0113】
コンパレータ121bは、容量部120bに接続されており、画素信号VSLと参照信号RAMPとの電圧差に基づいて画素信号VSLに応じた出力信号OUTbを出力する差動回路である。
【0114】
コンパレータ121bは、p型トランジスタTp2b~Tp4bと、カレントミラー回路CMbと、AZスイッチSW1b、SW2bと、容量素子C1bとを含む。
【0115】
トランジスタTp2bのソースは電源Vddに接続され、そのドレインはトランジスタTp3b、Tp4bのソースに共通に接続されている。
【0116】
第2トランジスタとしてのトランジスタTp3bのゲートは、入力容量素子Crmpb、Cvslbの他端に共通に接続されている。トランジスタTp3bのソースは、トランジスタTp2bのドレインに接続され、トランジスタTp3bのドレインは、カレントミラー回路CMbに接続されている。
【0117】
第4トランジスタとしてのトランジスタTp4bのゲートは、容量素子C1bを介してグランドGNDに接続されている。トランジスタTp4bのソースは、トランジスタTp3bのソースと共通に、トランジスタTp2bのドレインに接続されている。トランジスタTp4bのドレインは、カレントミラー回路CMbおよび出力部Toutbに接続されている。
【0118】
第2ミラー回路としてのカレントミラー回路CMbは、トランジスタTp3b、Tp4bのドレインとグランドGNDとの間に接続されており、トランジスタTp3b、Tp4bにほぼ等しい電流を流すように構成されている。より詳細には、カレントミラー回路CMbは、トランジスタTp3bとグランドGNDとの間に接続されたn型トランジスタTn3b、および、トランジスタTp4bとグランドGNDとの間に接続されたn型トランジスタTn4bとを備える。トランジスタTn3b、Tn4bのゲートは、トランジスタTn3bのドレインに共通に接続されている。
【0119】
AZスイッチSW2bは、トランジスタTp3bのゲートとドレインとの間に接続されており、画素信号VSLの検出前にトランジスタTp3bのゲートとドレインとの間の電位を等しくしてオートゼロ動作を行う。
【0120】
AZスイッチSW3bは、トランジスタTp4bのゲートとドレインとの間に接続されており、画素信号VSLの検出前にトランジスタTp4bのゲートとドレインとの間の電位を等しくしてオートゼロ動作を行う。
【0121】
トランジスタTp3bは、画素信号VSLと参照信号RAMPとの加算信号の電圧レベルが基準電圧を超えるときに、導通状態から非導通状態となる。カレントミラー回路CMbは、トランジスタTp3bに流れる電流に所定のミラー比を乗じた電流をトランジスタTp4bへ流す。トランジスタTp4bは、トランジスタTp3bに流れる電流に応じて、出力信号OUTbの電圧レベルを生成する。これにより、トランジスタTp3bが導通状態から非導通状態となったときに、トランジスタTp4bはトランジスタTn3bと同様に所定電流を流すので、出力信号OUTbをローレベルからハイレベルへ反転させる。即ち、コンパレータ121bは、第1実施形態のそれと同様に、画素信号VSLと参照信号RAMPとの加算信号の電圧レベルが基準電圧を超えるときに、出力信号OUTbのレベルを反転させる。
【0122】
第2実施形態のその他の構成および動作は、第1実施形態の対応する構成および動作と同じでよい。従って、第2実施形態は、第1実施形態よりも消費電力が多くなるものの、それ以外の第1実施形態の効果を得ることができる。
【0123】
(変形例)
図8Bは、第2実施形態の変形例による固体撮像素子100の構成例を示す図である。本変形例では、コンパレータ121a、121bが、画素信号VSLと参照信号RAMPとの差動回路として機能する。入力容量素子Cvslaの他端は、トランジスタTp3aのゲートには接続されておらず、トランジスタTp4aのゲートに接続されている。入力容量素子Cvslbの他端は、トランジスタTp3bのゲートには接続されておらず、トランジスタTp4bのゲートに接続されている。
【0124】
入力容量素子Cgnda、Cgndbは、トランジスタTp3a、Tp3bのゲートとグランドGNDとの間にそれぞれ接続されている。入力容量素子Cgnda、Cgndbは、可変容量素子である。入力容量素子Crmpa、Crmpと同様の可変容量素子でよい。本変形例では、入力容量素子Cgnda、Cgndbの容量を互いに相違させことによって入力容量素子ゲインGa、Gbがそれぞれ設定される。
【0125】
コンパレータ121aは、画素信号VSLと参照信号RAMPとの差を増幅して出力信号OUTaとして出力する。コンパレータ121bは、画素信号VSLと参照信号RAMPとの差を増幅して出力信号OUTbとして出力する。このとき、容量部120aの入力容量ゲインGaは、入力容量素子Crmpa、Cgndaの容量比によって決定される。容量部120bの入力容量ゲインGbは、入力容量素子Crmpb、Cgndbの容量比によって決定される。
【0126】
本変形例の動作は、第2実施形態の動作と同じでよい。従って、変形例は、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0127】
(変形例)
図8Cは、第2実施形態の他の変形例による固体撮像素子100の構成例を示す図である。本変形例では、入力容量素子Cgnda、Cgndbは、トランジスタTp4a、Tp4bのゲートとグランドGNDとの間にそれぞれ接続されている。本変形例も、入力容量素子Cgnda、Cgndbの容量を互いに相違させことによって入力容量素子ゲインGa、Gbがそれぞれ設定される。容量部120aの入力容量ゲインGaは、入力容量素子Cvsla、Cgndaの容量比によって決定される。容量部120bの入力容量ゲインGbは、入力容量素子Cvslb、Cgndbの容量比によって決定される。本変形例のその他の構成は、図8Bの変形例の構成と同様でよい。本変形例の動作は、第2実施形態の動作と同じでよい。従って、本変形例も、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0128】
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態による固体撮像素子100の構成例を示す図である。第3実施形態では、コンパレータ121a、121bおよび垂直信号線110の構成が、第1実施形態と異なる。容量部120a、120bを含む他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。
【0129】
第3実施形態では、各垂直信号線110に定電流源CS1aが接続されている。定電流源CS1aは、画素信号の検出の際に、垂直信号線110に所定の定電流を流し、垂直信号線110に画素信号VSLを生成する。
【0130】
コンパレータ121aは、n型トランジスタTn5aと、p型トランジスタTp5aと、定電流源CS2aと、AZスイッチSW4a、SW5aとを含む。
【0131】
トランジスタTn5aのゲートは、入力容量素子Cvslaの他端に接続されている。トランジスタTn5aのドレインは電源Vddに接続され、そのソースはトランジスタTp5aのソースに接続されている。トランジスタTn5aは、画素信号VSLに応じた電圧レベルの信号を生成し、トランジスタTp5aのソースに伝達する。
【0132】
第1トランジスタとしてのトランジスタTp5aのゲートは、入力容量素子Crmpaの他端に接続されている。トランジスタTp5aのソースは、トランジスタTn5aのソースに接続され、そのドレインは、定電流源CS2aおよび出力部Toutaに接続されている。トランジスタTp5aは、ソース電圧とゲート電圧との電圧差Vgsに基づいた導通状態となる。
【0133】
例えば、第3実施形態では、画素信号VSLの検出の際に、参照信号RAMPの電圧レベルは、画素信号VSLよりも高いレベルから線形的に減少させる。これにより、参照信号RAMPが画素信号VSLを下回ったときに、トランジスタTp5aは、非導通状態から導通状態になる。定電流源CS2aは、トランジスタTn5a、Tp5aに定電流を流す。従って、トランジスタTp5aが非導通状態であるときには、出力信号OUTaはローレベルとなっており、トランジスタTp5aが導通状態であるときには、出力信号OUTaはハイレベルとなる。即ち、参照信号RAMPが画素信号VSLを下回ったときに、出力信号OUTaがローレベルからハイレベルへ反転する。このように、第3実施形態では、トランジスタTp5aが、画素信号VSLと参照信号RAMPとの差電圧を増幅した出力信号OUTaを生成することができる。
【0134】
入力容量素子Cgnda、Cgndbは、トランジスタTp5a、Tp5bのゲートとグランドGNDとの間にそれぞれ接続されている。入力容量素子Cgnda、Cgndbは、可変容量素子である。入力容量素子Crmpa、Crmpと同様の可変容量素子でよい。第3実施形態では、入力容量素子Cgnda、Cgndbの容量を互いに相違させことによって入力容量素子ゲインGa、Gbがそれぞれ設定される。
【0135】
AZスイッチSW4aは、トランジスタTn5aのゲートとドレインとの間に接続されており、画素信号VSLの検出前にトランジスタTn5aのゲートとドレインとの間の電位を等しくしてオートゼロ動作を行う。
【0136】
AZスイッチSW5aは、トランジスタTp5aのゲートとドレインとの間に接続されており、画素信号VSLの検出前にトランジスタTp5aのゲートとドレインとの間の電位を等しくしてオートゼロ動作を行う。
【0137】
コンパレータ121bは、n型トランジスタTn5bと、p型トランジスタTp5bと、定電流源CS2bと、AZスイッチSW4b、SW5bとを含む。
【0138】
トランジスタTn5bのゲートは、入力容量素子Cvslbの他端に接続されている。トランジスタTn5bのドレインは電源Vddに接続され、そのソースはトランジスタTp5bのソースに接続されている。トランジスタTn5bは、画素信号VSLに応じた電圧レベルの信号を生成し、トランジスタTp5bのソースに伝達する。
【0139】
第2トランジスタとしてのトランジスタTp5bのゲートは、入力容量素子Crmpbの他端に接続されている。トランジスタTp5bのソースは、トランジスタTn5bのソースに接続され、そのドレインは、定電流源CS2bおよび出力部Toutbに接続されている。トランジスタTp5bは、ソース電圧とゲート電圧との電圧差Vgsに基づいた導通状態となる。
【0140】
例えば、参照信号RAMPが画素信号VSLを下回ったときに、トランジスタTp5bは、非導通状態から導通状態になる。定電流源CS2bは、トランジスタTn5b、Tp5bに定電流を流す。従って、トランジスタTp5bが非導通状態であるときには、出力信号OUTbはローレベルとなっており、トランジスタTp5bが導通状態であるときには、出力信号OUTbはハイレベルとなる。即ち、参照信号RAMPが画素信号VSLを下回ったときに、出力信号OUTbがローレベルからハイレベルへ反転する。このように、トランジスタTp5bが、画素信号VSLと参照信号RAMPとの差電圧を増幅した出力信号OUTbを生成することができる。
【0141】
AZスイッチSW4bは、トランジスタTn5bのゲートとドレインとの間に接続されており、画素信号VSLの検出前にトランジスタTn5bのゲートとドレインとの間の電位を等しくしてオートゼロ動作を行う。
【0142】
AZスイッチSW5bは、トランジスタTp5bのゲートとドレインとの間に接続されており、画素信号VSLの検出前にトランジスタTp5bのゲートとドレインとの間の電位を等しくしてオートゼロ動作を行う。
【0143】
図10は、第3実施形態による固体撮像素子100の動作の一例を示すタイミング図である。第3実施形態では、参照信号RAMPが画素信号VSLよりも高いレベルから線形的に減少する。即ち、参照信号RAMPは、第1実施形態の参照信号RAMPの極性を反転させたものでよい。従って、出力信号OUTa、OUTbは、参照信号RAMPが画素信号VSLを下回ったときに反転する。第3実施形態のその他の動作は、第1実施形態の対応する動作と同様でよいので、その詳細な説明は省略する。尚、AZスイッチSW4a、SW4b、SW5a、SW5bの動作は、第1実施形態のAZスイッチSW1a、SW1bと同じでよい。
第3実施形態は、第1実施形態と同様に容量部120a、102bを有し、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0144】
(第4実施形態)
図11は、第4実施形態による固体撮像素子100の構成例を示す図である。第4実施形態では、入力容量素子Cvsla、Cvslb、定電流源CS1a、トランジスタTn5a、Tn5b、AZスイッチSW4a、SW4bが省略されており、入力容量素子Cgnda、Cgndbが追加されている点で第3実施形態と異なる。トランジスタTp5aのゲートは、入力容量素子Crmpaの一端に接続され、入力容量素子Crmpaを介して参照信号RAMPを受け取る。また、トランジスタTp5aのゲートは、入力容量素子Cgndaの一端に接続され、入力容量素子Cgndaを介してグランドGNDに接続されている。トランジスタTp5aのソースは、垂直信号線110に接続され、画素信号VSLを受け取る。トランジスタTp5bのゲートは、入力容量素子Crmpbの一端に接続され、入力容量素子Crmpbを介して参照信号RAMPを受け取る。また、トランジスタTp5bのゲートは、入力容量素子Cgndbの一端に接続され、入力容量素子Cgndbを介してグランドGNDに接続されている。トランジスタTp5bのソースは、垂直信号線110に接続され、画素信号VSLを受け取る。トランジスタTp5a、Tp5bは、入力容量素子Crmpa、Crmpbを介して同一参照信号RAMPをゲートで受ける。また、トランジスタTp5a、Tp5bは、垂直信号線110から同一の画素信号VSLを受ける。
【0145】
入力容量素子Crmpa、Crmpbの一端は、参照信号線114に共通に接続され、他端は、トランジスタTp5a、Tp5bのゲートにそれぞれ接続されている。トランジスタTp5a、Tp5bの各ソースは、垂直信号線110に共通に接続されている。入力容量素子Cgnda、Cgndbの一端は、トランジスタTp5a、Tp5bのゲートに接続され、他端は、グランドGNDに接続されている。
【0146】
入力容量素子Cgnda、Cgndbは、入力容量素子Crmpa、Crmpと同様に可変容量素子でよい。第4実施形態では、入力容量素子Cgnda、Cgndbの容量を互いに相違させことによって入力容量素子ゲインGa、Gbがそれぞれ設定される。例えば、入力容量ゲインGaは、入力容量素子Crmpaに対する入力容量素子Cgndaの容量比(例えば、Cgnda/Cgnda+Crmpa)によって決定される。入力容量ゲインGbは、入力容量素子Crmpbに対する入力容量素子Cgndbとの容量比(例えば、Cgndb/Cgndb+Crmpb)によって決定される。
【0147】
垂直信号線110に電流を流す電流源とコンパレータTp5a、Tp5bに電流を流す定電流は、定電流源CS2a、CS2bに共通化されている。よって、定電流源CS2a、CS2bは、垂直信号線110に定電流を流すとともに、コンパレータTp5a、Tp5bにそれぞれ定電流を流す。これにより、第4実施形態による固体撮像素子100の消費電力は、第3実施形態のそれよりも小さくなる。
【0148】
さらに、画素信号VSLは、図9のトランジスタTn5aを介さずに、トランジスタTp5aに直接入力される。画素信号VSLは、図9のトランジスタTn5bを介さずに、トランジスタTp5bに直接入力される。このように、定電流源CS1a、トランジスタTn5a、Tn5b、AZスイッチSW4a、SW4bが省略されるので、第4実施形態は、第3実施形態よりもADC群105a、105bのレイアウト面積が小さくなる。
【0149】
第4実施形態のその他の構成は、第3実施形態の対応する構成と同様でよい。また、第4実施形態の動作は、第3実施形態の動作と同様でよい。従って、第4実施形態は、第3実施形態と同様の効果も得ることができる。
【0150】
(変形例1)
図12は、第1実施形態の変形例1による固体撮像素子100の構成例を示す図である。第1実施形態では、2つのADC群105a、105bが各画素列に対して並列に接続されている。これに対し、変形例1では、3つ以上のADC群105a、105b、105c・・・が各画素列に対して並列に接続されている。ADC群105a、105b、105c・・・は、それぞれ異なる入力容量ゲインの容量部120a、120b、120c・・・を有する。このように、固体撮像素子100は、3つ以上のADC群105a、105b、105c・・・を各画素列に対応して設けてもよい。これにより、検出可能な照射光のダイナミックレンジをさらに大きくすることができる。
【0151】
(変形例2)
図13は、変形例2による固体撮像素子100の露光時間と入力容量ゲインとの関係を示す表である。上記実施形態において、画素部101の露光時間は等しくてもよいが、照射光の照度に応じて露光時間を変更してもよい。露光時間は、タイミング制御回路102によって変更され得る。例えば、固体撮像素子100は、画素部101の露光時間を、比較的長い第1露光時間と比較的短い第2露光時間とで選択可能にする。この場合、ADC群105a、105bは、第1および第2露光時間のそれぞれの画素信号VSLを、入力容量ゲインGa、Gbのそれぞれで検出する。従って、計4種類の第1~第4画像データが得られる。即ち、第1画像データは、比較的長い第1露光時間で得られた画素信号VSLを比較的低い入力容量ゲインGaで検出した画像データである。第2画像データは、比較的短い第2露光時間で得られた画素信号VSLを比較的低い入力容量ゲインGaで検出した画像データである。第3画像データは、比較的長い第1露光時間で得られた画素信号VSLを比較的高い入力容量ゲインGbで検出した画像データである。並びに、第4画像データは、比較的短い第2露光時間で得られた画素信号VSLを比較的高い入力容量ゲインGbで検出した画像データである。
【0152】
信号処理回路108は、これらの4つの画像データから適切な画像データを選択し、あるいは、これらの4つの画像データのうち複数の画像データを合成して1つの画像データを生成する。例えば、照射光の照度が低い(暗い)場合、信号処理回路108は、露光時間が長くかつゲインの高い第3画像データを選択すればよい。例えば、照射光の照度が高い(明るい)場合、信号処理回路108は、露光時間が短くかつゲインの低い第2画像データを選択すればよい。
【0153】
このように、変形例2では、露光時間と入力容量ゲインとの組み合わせによって、固体撮像素子100で検出可能な画素信号のダイナミックレンジが広がる。
【0154】
(変形例3)
図14は、変形例3による固体撮像素子100の動作例を示すタイミング図である。図15は、変形例3による参照信号と入力容量ゲインとの組み合わせを示す表である。
【0155】
上記実施形態において、参照信号RAMPの電圧レベルは、ほぼ等しい傾きで線形的に増加または減少しているが、参照信号RAMPの傾きは、切り替えてもよい。例えば、図14は、図10のt9~t10の参照信号RAMPを示している。参照信号RAMPaは、比較的小さい傾きで線形的に減少し、参照信号RAMPbは、比較的大きな傾きで線形的に減少する。
【0156】
参照信号RAMPa、RAMPbは、DAC104において切り替える。画素信号VSLの電圧レベルが閾値より高い低照度の照射光は、参照信号RAMPaによって高感度で検出する。一方、画素信号VSLの電圧レベルが閾値よりも低い高照度の照射光は、参照信号RAMPbによって比較的短時間(低消費電力)で検出され得る。
【0157】
図15に示すように、変形例3では、本実施形態による入力容量ゲインGa、Gbに、参照信号RAMPa、RAMPbを組み合わせている。即ち、ADC群105a、105bは、参照信号RAMPaまたはRAMPbを用いて、画素信号VSLを入力容量ゲインGa、Gbで検出する。これにより、変形例3は、第2変形例と同様に、計4種類の第1~第4画像データが得られる。即ち、第1画像データは、画素信号VSLを、参照信号RAMPaを用いて比較的低い入力容量ゲインGaで検出した画像データである。第2画像データは、画素信号VSLを、参照信号RAMPbを用いて比較的低い入力容量ゲインGaで検出した画像データである。第3画像データは、画素信号VSLを、参照信号RAMPaを用いて比較的高い入力容量ゲインGbで検出した画像データである。並びに、第4画像データは、画素信号VSLを、参照信号RAMPbを用いて比較的高い入力容量ゲインGbで検出した画像データである。
【0158】
信号処理回路108は、これらの4つの画像データから適切な画像データを選択し、あるいは、これらの4つの画像データのうち複数の画像データを合成して1つの画像データを生成する。例えば、照射光の照度が低い(暗い)場合、信号処理回路108は、傾きの小さな参照信号RAMPaを用いて高ゲインGbで検出された第3画像データを選択すればよい。例えば、照射光の照度が高い(明るい)場合、信号処理回路108は、傾きの大きな参照信号RAMPbを用いて低ゲインgaで検出された第2画像データを選択すればよい。
【0159】
このように、変形例3では、参照信号と入力容量ゲインとの組み合わせによって、固体撮像素子100で検出可能な画素信号のダイナミックレンジが広がる。
【0160】
変形例1~3は、第1~第5実施形態のいずれにも適用可能である。また、変形例1~3を互いに組み合わせてもよい。例えば、変形例2、3を組み合わせることによって、露光時間、参照信号および入力容量ゲインの組み合わせによって、固体撮像素子100で検出可能な画素信号のダイナミックレンジをさらに広けることができる。
【0161】
(第5実施形態)
図16は、第5実施形態による固体撮像素子100の構成例を示すブロック図である。図17は、第5実施形態によるADC群105a、105bの構成例を示すブロック図である。第5実施形態による固体撮像素子100は、照射光の照度に応じて、ADC群105a、105bのゲインの切替えまたは制御を行う。このために、固体撮像素子100は、制御部130と、レジスタ140とをさらに備える。
【0162】
信号処理回路108は、撮像する前に、アンプ回路107から供給される画素信号に基づいて、画素部101に照射される入射光の照度を検出する。信号処理回路108は、画素部101の全部または一部の画素信号を用いて、照度を取得する。照度は、画像データほどの解像度を必要としないので、CDSを行う必要はなく、参照信号RAMPの傾斜も急峻でよい。従って、照度は、短時間で検出可能である。信号処理回路108は、所定の画素からの画素信号の統計値(例えば、平均、中央値、最頻値)に基づいて照度データを計算してもよい。統計値は、任意の線形または非線形演算によって補間してもよい。尚、照度検出および演算は、固体撮像素子100の外部で行ってもよい。
【0163】
制御部130は、信号処理回路108から照度データを得て、レジスタ140からの設定データに基づいてDAC104および/または容量部120a、120bの設定を変更する。例えば、照度が閾値より低い場合、制御部130は、容量部120a、120bの入力容量素子Cvsla、Cvslbの容量を大きくして、入力容量ゲインを上昇させる。照度が閾値以上の場合、制御部130は、容量部120a、120bの入力容量素子Cvsla、Cvslbの容量を小さくして、入力容量ゲインを低下させる。尚、制御部130およびレジスタ140は、固体撮像素子100の内部または外部のいずれに設けられていてもよい。
【0164】
図18は、入力容量素子Cvsla、Cvslbの構成の一例を示す図である。入力容量素子Cvsla、Cvslbは、スイッチSWc1、SWc2を介して並列に接続された複数の容量素子Ceで構成された可変容量素子である。制御部130からのSW制御信号は、スイッチSWc1、SWc2をオンまたはオフに制御して、並列接続される容量素子Ceの個数を制御する。これにより、入力容量素子Cvsla、Cvslbの容量を変更することができる。尚、スイッチSWc1、SWc2および容量素子Ceの個数は特に限定されない。また、図18の構成は、入力容量素子Crmpa、Crmpbに適用してもよい。
【0165】
図17を再度参照する。レジスタ140は、照度の閾値を予め格納しており、その閾値を設定データとして制御部130へ送信する。レジスタ140は、複数の閾値を格納してもよい。これにより、制御部130は、図18の複数のスイッチSWc1、SWc2を制御し、入力容量素子Cvsla、Cvslbの容量を段階的に制御することができる。例えば、照度が第1閾値を下回った場合に、制御部130は、スイッチSWc1をオンし、照度が第2閾値(<第1閾値)をさらに下回った場合に、制御部130は、スイッチSWc2をさらにオンしてもよい。
【0166】
制御部130が容量部120a、120bの入力容量ゲインを設定した後、画素部101は、設定された入力容量ゲインで撮像を実行し、信号処理回路108は画素信号を変換して画像データを出力する。
【0167】
図19は、第5実施形態による固体撮像素子100の動作を示すフロー図である。固体撮像素子100は、フレーム毎に、画素部101への照射光の照度を計測し、その後、撮像を実行する。
【0168】
或るフレームの撮像において、まず、垂直走査回路103が画素部101の読出し行を設定する(S100)。次に、画素部101の画素行が検出した照射光に基づき画素信号を出力する(S110)。次に、ADC群105a、105bが画素信号をAD変換する(S120)。次に、ラッチ回路123がAD変換された照度データを信号処理回路108へ出力する(S130)。ステップS100~S130は、画素部101の最終行まで実行される(S140のNO)。
【0169】
信号処理回路108が画素部101の最終行まで照度データを取得すると(S140のYES)、信号処理回路108は、そのフレーム全体の照度データを生成し(S150)、照度データを制御部130へ出力する(S160)。次に、制御部130がレジスタ140からの設定データに基づいて照度を判断し、照度に応じたSW制御信号またはDAC制御信号を画素行毎に設定し出力する。容量部120a、120bの入力容量ゲインは、SW制御信号によって制御される。あるいは、DAC104からの参照信号RAMPの傾きは、DAC制御信号によって制御される。
【0170】
次に、固体撮像素子100は、そのフレームの撮像を開始する。
【0171】
ステップS180~S220は、ステップS100~S140と同様である。
【0172】
次に、信号処理回路108は、そのフレーム全体の画像データを生成し(S230)、該画像データを固体撮像素子100の外部へ出力する(S240)。これにより、画像データは、照射光の照度に応じた適切な入力容量ゲインまたは参照信号RAMPで生成され得る。
【0173】
このように、フレーム毎に、照度測定および撮像を繰り返すことによって、固体撮像素子100は、フレーム毎に最適なゲインで撮像することができる。尚、照度測定は、必ずしも各フレームで実行する必要はなく、例えば、数フレームごとに実行してもよい。
【0174】
画素部101を用いて照度の計測および撮像の両方を実行する場合、制御部130は、容量部120a、120bの入力容量ゲインを、照度を計測する計測モードと、画像を撮像する撮像モードとで切り替えてもよい。例えば、計測モードでは、低感度かつ短時間で画素信号を検出すればよいので、制御部130は、入力容量ゲインは低下させてもよい。あるいは、計測モードでは、信号処理回路108は、低ゲインを用いて得られた出力信号OUTaを選択してもよい。
【0175】
制御部130は、スイッチSWc1、SWc2とともに、あるいは、それに代えてDAC104を制御してもよい。例えば、制御部130は、DAC制御信号によって参照信号RAMPの傾きを変更する。これにより、参照信号RAMPの傾きは、照射光の照度に応じて変更することができ、上記変形例3のような動作が可能になる。
【0176】
また、第1~第4実施形態では、信号処理回路108が出力信号OUTa、OUTbの選択を行っている。この場合、信号処理回路108は、検出された照度に応じて出力信号OUTa、OUTbの選択を行ってもよい。
【0177】
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0178】
図20は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0179】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図20に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0180】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0181】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0182】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。本開示による固体撮像素子100は、撮像部12031に備えられていてもよい。
【0183】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。本開示による固体撮像素子100は、撮像部12031であってもよく、あるいは、撮像部12031とは別体として設けられていてもよい。
【0184】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0185】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0186】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0187】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0188】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0189】
図21は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0190】
図21では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0191】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0192】
なお、図21には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0193】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0194】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0195】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0196】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0197】
以上、本開示に係る技術は、例えば、車外情報検出ユニット12030に適用され得る。具体的には、車外情報検出ユニット12030に、上述の撮像部12031を実装することができる。撮像部12031に、本開示に係る技術を適用することにより、幅広い明るさダイナミックレンジの環境において、正確な距離情報を得ることができ、車両12100の機能性および安全性を高めることができる。
【0198】
なお、本技術は、以下のような構成をとることができる。
(1)
複数の画素を含む画素部と、
前記画素の画素信号を伝達する画素信号線と、
前記画素信号と比較される参照信号を伝達する参照信号線と、
前記画素信号と前記参照信号との電圧差に基づいて該画素信号に応じた第1出力信号を出力する第1コンパレータと、
前記画素信号と前記参照信号との電圧差に基づいて該画素信号に応じた第2出力信号を出力する第2コンパレータと、
前記画素信号線または前記参照信号線と前記第1コンパレータとの間に設けられ、第1ゲインに設定された第1容量部と、
前記画素信号線または前記参照信号線と前記第2コンパレータとの間に設けられ、第2ゲインに設定された第2容量部と、を備える固体撮像素子。
(2)
前記第1容量部は、
前記参照信号線と前記第1コンパレータとの間に設けられた第1入力容量素子と、
前記画素信号線と前記第1コンパレータとの間に設けられた第2入力容量素子と、を含み、
前記第2容量部は、
前記参照信号線と前記第2コンパレータとの間に設けられた第3入力容量素子と、
前記画素信号線と前記第2コンパレータとの間に設けられた第4入力容量素子と、を含む(1)に記載の固体撮像素子。
(3)
前記第1入力容量素子と前記第2入力容量素子との容量比は、前記第3入力容量素子と前記第4入力容量素子との容量比と異なる、(2)に記載の固体撮像素子。
(4)
前記第1および第3入力容量素子の容量はほぼ等しく、前記第2および第4入力容量素子の容量が互いに異なる、(2)または(3)に記載の固体撮像素子。
(5)
前記第1容量部のゲインは、前記第1入力容量素子と前記第2入力容量素子との容量比によって決定され、
前記第2容量部のゲインは、前記第3入力容量素子と前記第4入力容量素子との容量比によって決定される、(3)または(4)に記載の固体撮像素子。
(6)
前記第1および第3入力容量素子のそれぞれの一端は、前記参照信号線に共通に接続されており、
前記第2および第4入力容量素子のそれぞれの一端は、前記画素信号線に共通に接続されており、
前記第1コンパレータは、ゲートが前記第1および第2入力容量素子の他端に共通に接続された第1トランジスタを含み、
前記第2コンパレータは、ゲートが前記第3および第4入力容量素子の他端に共通に接続された第2トランジスタを含む、(2)から(5)のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
(7)
前記第1コンパレータは、前記第1トランジスタの一端に接続された第1定電流源をさらに含み、前記第1トランジスタと前記第1定電流源との間から前記第1出力信号を出力し、
前記第2コンパレータは、前記第2トランジスタの一端に接続された第2定電流源をさらに含み、前記第2トランジスタと前記第2定電流源との間から前記第2出力信号を出力する、(6)に記載の固体撮像素子。
(8)
前記第1コンパレータは、前記第1トランジスタの一端に接続された第1定電流源と、該第1定電流源に一端が接続された第3トランジスタと、前記第1および第3トランジスタの他端に接続された第1ミラー回路とをさらに含み、前記第3トランジスタと前記第1ミラー回路との間から前記第1出力信号を出力し、
前記第2コンパレータは、前記第2トランジスタの一端に接続された第2定電流源と、該第2定電流源に一端が接続された第4トランジスタと、前記第1および第4トランジスタの他端に接続された第2ミラー回路とをさらに含み、前記第4トランジスタと前記第2ミラー回路との間から前記第2出力信号を出力する、(6)に記載の固体撮像素子。
(9)
前記第1コンパレータは、ゲートが前記第1入力容量素子に接続され、一端が前記第2入力容量素子に接続された第1トランジスタを含み、
前記第2コンパレータは、ゲートが前記第3入力容量素子に接続され、一端が前記第4入力容量素子に接続された第2トランジスタを含む、(2)に記載の固体撮像素子。
(10)
前記第1および第3入力容量素子は、前記参照信号線に共通に接続されており、
前記第1および第2トランジスタの各一端は、それぞれ前記第2および第4入力容量素子を介して画素信号を受け取る、(9)に記載の固体撮像素子。
(11)
前記第1および第3入力容量素子に同一の前記参照信号を供給する参照信号生成部をさらに備える、(2)から(10)のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
(12)
前記画素部への照射光の照度に応じて前記第1または第2出力信号のいずれかを選択して画像データとして出力する信号処理回路をさらに備える、(1)から(10)のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
(13)
前記画素部への照射光の照度に応じて前記画素部の露光時間を変更する制御部をさらに備える、(1)から(12)のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
(14)
前記画素部への照射光の照度に応じて前記参照信号の傾きを制御する制御部をさらに備える、(1)から(13)のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
(15)
前記画素部への照射光の照度に応じて前記第1または第2ゲインを制御する制御部をさらに備える、(1)から(14)のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
(16)
前記画素部への照射光の照度を取得する信号処理回路(108)と、
該照度に応じて前記第1または前記第2ゲインを設定する制御部(130)とをさらに備え、
前記画素部は、設定された前記第1または第2ゲインで撮像を実行して前記画素信号を生成し、
前記信号処理回路は、前記画素信号を変換して画像データを生成する、(1)から(10)のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
(17)
前記第1および第3入力容量素子のそれぞれの一端は、前記参照信号線に共通に接続されており、
前記第2および第4入力容量素子のそれぞれの一端は、前記画素信号線に共通に接続されており、
前記第1コンパレータは、ゲートが前記第1入力容量素子の他端に接続された第1トランジスタと、ゲートが前記第2入力容量素子の他端に接続された第3トランジスタを含み、
前記第2コンパレータは、ゲートが前記第3入力容量素子の他端に接続された第2トランジスタと、ゲートが前記第4入力容量素子の他端に接続された第4トランジスタを含む、(2)から(5)のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
【0199】
本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【符号の説明】
【0200】
101 画素部、150 画素、105a、105b ADC群、110 垂直信号線、120a,120b 容量部、121a,121b コンパレータ、Crmpa,Cvsla,Crmpb,Cvslb 入力容量素子、Tp1a~Tp5a,Tp1b~Tp5b,Tn1a~Tn5a,Tn1b~Tn5b トランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21