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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】吸引装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/65 20200101AFI20250212BHJP
【FI】
A24F40/65
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022550259
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(86)【国際出願番号】 JP2020035240
(87)【国際公開番号】W WO2022059129
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100198845
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 善喬
(72)【発明者】
【氏名】山田 学
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-505063(JP,A)
【文献】特表2020-526208(JP,A)
【文献】特表2017-512459(JP,A)
【文献】国際公開第2019/198552(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置であって、
無線通信を行う第1の通信部と、
前記第1の通信部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、着脱可能に前記吸引装置に装着されるアクセサリが前記吸引装置に装着されたことが検出されたことをトリガとして、前記第1の通信部に対する制御を切り替え、
前記アクセサリは、無線通信を行う第2の通信部を備え、
前記制御部は、前記第2の通信部が送信する情報とは異なる情報を送信するよう前記第1の通信部を制御する、
吸引装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2の通信部の通信相手とは異なる通信相手と通信するよう、前記第1の通信部を制御する、
請求項1に記載の吸引装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2の通信部を制御する、
請求項1又は2に記載の吸引装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の通信部が送信する情報とは異なる情報を送信するよう前記第2の通信部を制御する、
請求項3に記載の吸引装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1の通信部の通信相手とは異なる通信相手と通信するよう、前記第2の通信部を制御する、
請求項3又4に記載の吸引装置。
【請求項6】
前記第1の通信部又は前記第2の通信部により送信される情報は、前記基材の識別情報を含む、
請求項1~5のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項7】
前記第1の通信部又は前記第2の通信部により送信される情報は、前記吸引装置の識別情報、又は前記吸引装置を使用する前記ユーザの識別情報の少なくともいずれかを含む、
請求項1~6のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項8】
前記第1の通信部又は前記第2の通信部により送信される情報は、前記吸引装置が前記エアロゾルを生成するために行う前記基材を加熱する動作を規定するプロファイルを示すプロファイル情報を含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項9】
前記第1の通信部による無線通信、及び前記第2の通信部による無線通信は、近距離無線通信である、
請求項1~8のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項10】
前記第1の通信部が使用する通信方式と、前記第2の通信部が使用する通信方式とは、異なる、
請求項9に記載の吸引装置。
【請求項11】
前記第1の通信部が使用する通信方式はBluetoothであり、前記第2の通信部が使用する通信方式はNFCである、
請求項9又10に記載の吸引装置。
【請求項12】
前記吸引装置は、無線通信を行う第3の通信部をさらに備え、
前記制御部は、通信相手ごとに及び/又は送信する情報ごとに、前記第1の通信部又は前記第3の通信部のいずれを使用して送信するかを切り替える、
請求項1に記載の吸引装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記アクセサリが装着されている場合に前記第1の通信部及び前記第3の通信部による通信を許可する、
請求項12に記載の吸引装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記アクセサリが装着されている場合に前記エアロゾルの生成を許可する、
請求項1~13のいずれか一項に記載の吸引装置。
【請求項15】
基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置により実行される制御方法であって、
前記吸引装置は、無線通信を行う第1の通信部を備え、
前記制御方法は、着脱可能に前記吸引装置に装着されるアクセサリが前記吸引装置に装着されたことが検出されたことをトリガとして、前記第1の通信部に対する制御を切り替えること、を含み、
前記アクセサリは、無線通信を行う第2の通信部を備え、
前記制御方法は、前記第2の通信部が送信する情報とは異なる情報を送信するよう前記第1の通信部を制御することを含む、
制御方法。
【請求項16】
基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置を制御するコンピュータにより実行されるプログラムであって
前記吸引装置は、無線通信を行う第1の通信部を備え、
前記プログラムは、前記コンピュータに、着脱可能に前記吸引装置に装着されるアクセサリが前記吸引装置に装着されたことが検出されたことをトリガとして、前記第1の通信部に対する制御を切り替えること、を実行させ、
前記アクセサリは、無線通信を行う第2の通信部を備え、
前記プログラムは、前記コンピュータに、前記第2の通信部が送信する情報とは異なる情報を送信するよう前記第1の通信部を制御すること、を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸引装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ及びネブライザ等の、ユーザに吸引される物質を生成する吸引装置が広く普及している。例えば、吸引装置は、エアロゾルを生成するためのエアロゾル源、及び生成されたエアロゾルに香味成分を付与するための香味源等を含む基材を用いて、香味成分が付与されたエアロゾルを生成する。ユーザは、吸引装置により生成された、香味成分が付与されたエアロゾルを吸引することで、香味を味わうことができる。
【0003】
近年では、吸引装置に関する情報を無線で送受信することで、吸引装置に関する各種のサービスを提供することが検討されている。例えば、下記特許文献1では、基材を販売する店舗側の端末が、スマートフォン等のユーザ端末から購入希望の基材の識別情報を無線で受信し、受信した識別情報に基づいて陳列棚における購入希望の基材の位置を特定する技術が開示されている。
【0004】
また、下記特許文献2では、通信機能を有さない吸引装置に、通信機能付きのアクセサリを装着して、アクセサリを介して吸引装置と他の装置との間で通信を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6691138号公報
【文献】国際公開第2016/156609号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献2に記載の技術は、通信機能を有さない吸引装置を対象とした技術である。一方で、上記特許文献1では、吸引装置自体が通信機能を有することが検討されている。このように、吸引装置の通信技術については、さらなる技術向上の余地があると言える。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、通信機能を有しアクセサリを装着可能な吸引装置が行う通信に関する新たな仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置であって、無線通信を行う第1の通信部と、前記第1の通信部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、着脱可能に前記吸引装置に装着されるアクセサリが前記吸引装置に装着されたことが検出されたことをトリガとして、前記第1の通信部に対する制御を切り替える、吸引装置が提供される。
【0009】
前記アクセサリは、無線通信を行う第2の通信部を備えていてもよい。
【0010】
前記制御部は、前記第2の通信部が送信する情報とは異なる情報を送信するよう前記第1の通信部を制御してもよい。
【0011】
前記制御部は、前記第2の通信部の通信相手とは異なる通信相手と通信するよう、前記第1の通信部を制御してもよい。
【0012】
前記制御部は、前記第2の通信部を制御してもよい。
【0013】
前記制御部は、前記第1の通信部が送信する情報とは異なる情報を送信するよう前記第2の通信部を制御してもよい。
【0014】
前記制御部は、前記第1の通信部の通信相手とは異なる通信相手と通信するよう、前記第2の通信部を制御してもよい。
【0015】
前記第1の通信部又は前記第2の通信部により送信される情報は、前記基材の識別情報を含んでいてもよい。
【0016】
前記第1の通信部又は前記第2の通信部により送信される情報は、前記吸引装置の識別情報、又は前記吸引装置を使用する前記ユーザの識別情報の少なくともいずれかを含んでいてもよい。
【0017】
前記第1の通信部又は前記第2の通信部により送信される情報は、前記吸引装置が前記エアロゾルを生成するために行う前記基材を加熱する動作を規定するプロファイルを示すプロファイル情報を含んでいてもよい。
【0018】
前記第1の通信部による無線通信、及び前記第2の通信部による無線通信は、近距離無線通信であってもよい。
【0019】
前記第1の通信部が使用する通信方式と、前記第2の通信部が使用する通信方式とは、異なっていてもよい。
【0020】
前記第1の通信部が使用する通信方式はBluetoothであり、前記第2の通信部が使用する通信方式はNFCであってもよい。
【0021】
前記吸引装置は、無線通信を行う第3の通信部をさらに備え、前記制御部は、通信相手ごとに及び/又は送信する情報ごとに、前記第1の通信部又は前記第3の通信部のいずれを使用して送信するかを切り替えてもよい。
【0022】
前記制御部は、前記アクセサリが装着されている場合に前記第1の通信部及び前記第3の通信部による通信を許可してもよい。
【0023】
前記制御部は、前記アクセサリが装着されている場合に前記エアロゾルの生成を許可してもよい。
【0024】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置により実行される制御方法であって、着脱可能に前記吸引装置に装着されるアクセサリが前記吸引装置に装着されたことが検出されたことをトリガとして、前記吸引装置が行う無線通信に対する制御を切り替えること、を含む制御方法が提供される。
【0025】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置を制御するコンピュータに、着脱可能に前記吸引装置に装着されるアクセサリが前記吸引装置に装着されたことが検出されたことをトリガとして、前記吸引装置が行う無線通信に対する制御を切り替えること、を実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように本発明によれば、通信機能を有しアクセサリを装着可能な吸引装置が行う通信に関する新たな仕組みが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】吸引装置の第1の構成例を模式的に示す模式図である。
図2】吸引装置の第2の構成例を模式的に示す模式図である。
図3】本実施形態に係る販売システムの構成の一例を示す図である。
図4】本実施形態の第2の構成例に係る吸引装置に装着されるアクセサリの一例を示す図である。
図5】本実施形態に係る吸引装置において実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0029】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素を、必要に応じて吸引装置100A、及び100Bのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、吸引装置100A、及び100Bを特に区別する必要が無い場合には、単に吸引装置100と称する。
【0030】
<<1.吸引装置の構成例>>
吸引装置は、ユーザにより吸引される物質を生成する装置である。以下では、吸引装置により生成される物質が、エアロゾルであるものとして説明する。他に、吸引装置により生成される物質は、気体であってもよい。
【0031】
(1)第1の構成例
図1は、吸引装置の第1の構成例を模式的に示す模式図である。図1に示すように、本構成例に係る吸引装置100Aは、電源ユニット110、カートリッジ120、及び香味付与カートリッジ130を含む。電源ユニット110は、電源部111A、センサ部112A、通知部113A、記憶部114A、通信部115A、及び制御部116Aを含む。カートリッジ120は、加熱部121A、液誘導部122、及び液貯蔵部123を含む。香味付与カートリッジ130は、香味源131、及びマウスピース124を含む。カートリッジ120及び香味付与カートリッジ130には、空気流路180が形成される。
【0032】
電源部111Aは、電力を蓄積する。そして、電源部111Aは、制御部116Aによる制御に基づいて、吸引装置100Aの各構成要素に電力を供給する。電源部111Aは、例えば、リチウムイオン二次電池等の充電式バッテリにより構成され得る。
【0033】
センサ部112Aは、吸引装置100Aに関する各種情報を取得する。一例として、センサ部112Aは、マイクロホンコンデンサ等の圧力センサ、流量センサ又は温度センサ等により構成され、ユーザによる吸引に伴う値を取得する。他の一例として、センサ部112Aは、ボタン又はスイッチ等の、ユーザからの情報の入力を受け付ける入力装置により構成される。
【0034】
通知部113Aは、情報をユーザに通知する。通知部113Aは、例えば、発光する発光装置、画像を表示する表示装置、音を出力する音出力装置、又は振動する振動装置等により構成される。
【0035】
記憶部114Aは、吸引装置100Aの動作のための各種情報を記憶する。記憶部114Aは、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0036】
通信部115Aは、有線又は無線の任意の通信規格に準拠した通信を行うことが可能な通信インタフェースである。かかる通信規格としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等が採用され得る。
【0037】
制御部116Aは、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って吸引装置100A内の動作全般を制御する。制御部116Aは、例えばCPU(Central Processing Unit)、及びマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。
【0038】
液貯蔵部123は、エアロゾル源を貯蔵する。エアロゾル源が霧化されることで、エアロゾルが生成される。エアロゾル源は、例えば、グリセリン及びプロピレングリコール等の多価アルコール、並びに水等の液体である。エアロゾル源は、たばこ由来又は非たばこ由来の香味成分を含んでいてもよい。吸引装置100Aがネブライザ等の医療用吸入器である場合、エアロゾル源は、薬剤を含んでもよい。
【0039】
液誘導部122は、液貯蔵部123に貯蔵された液体であるエアロゾル源を、液貯蔵部123から誘導し、保持する。液誘導部122は、例えば、ガラス繊維等の繊維素材又は多孔質状のセラミック等の多孔質状素材を撚って形成されるウィックである。その場合、液貯蔵部123に貯蔵されたエアロゾル源は、ウィックの毛細管効果により誘導される。
【0040】
加熱部121Aは、エアロゾル源を加熱することで、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成する。図1に示した例では、加熱部121Aは、コイルとして構成され、液誘導部122に巻き付けられる。加熱部121Aが発熱すると、液誘導部122に保持されたエアロゾル源が加熱されて霧化され、エアロゾルが生成される。加熱部121Aは、電源部111Aから給電されると発熱する。一例として、ユーザが吸引を開始したこと、及び/又は所定の情報が入力されたことが、センサ部112Aにより検出された場合に、給電されてもよい。そして、ユーザが吸引を終了したこと、及び/又は所定の情報が入力されたことが、センサ部112Aにより検出された場合に、給電が停止されてもよい。
【0041】
香味源131は、エアロゾルに香味成分を付与するための構成要素である。香味源131は、たばこ由来又は非たばこ由来の香味成分を含んでいてもよい。
【0042】
空気流路180は、ユーザに吸引される空気の流路である。空気流路180は、空気流路180内への空気の入り口である空気流入孔181と、空気流路180からの空気の出口である空気流出孔182と、を両端とする管状構造を有する。空気流路180の途中には、上流側(空気流入孔181に近い側)に液誘導部122が配置され、下流側(空気流出孔182に近い側)に香味源131が配置される。ユーザによる吸引に伴い空気流入孔181から流入した空気は、加熱部121Aにより生成されたエアロゾルと混合され、矢印190に示すように、香味源131を通過して空気流出孔182へ輸送される。エアロゾルと空気との混合流体が香味源131を通過する際には、香味源131に含まれる香味成分がエアロゾルに付与される。
【0043】
マウスピース124は、吸引の際にユーザに咥えられる部材である。マウスピース124には、空気流出孔182が配置される。ユーザは、マウスピース124を咥えて吸引することで、エアロゾルと空気との混合流体を口腔内へ取り込むことができる。
【0044】
以上、吸引装置100Aの構成例を説明した。もちろん吸引装置100Aの構成は上記に限定されず、以下に例示する多様な構成をとり得る。
【0045】
一例として、吸引装置100Aは、香味付与カートリッジ130を含んでいなくてもよい。その場合、カートリッジ120にマウスピース124が設けられる。
【0046】
他の一例として、吸引装置100Aは、複数種類のエアロゾル源を含んでいてもよい。複数種類のエアロゾル源から生成された複数種類のエアロゾルが空気流路180内で混合され化学反応を起こすことで、さらに他の種類のエアロゾルが生成されてもよい。
【0047】
また、エアロゾル源を霧化する手段は、加熱部121Aによる加熱に限定されない。例えば、エアロゾル源を霧化する手段は、振動霧化、又は誘導加熱であってもよい。
【0048】
(2)第2の構成例
図2は、吸引装置の第2の構成例を模式的に示す模式図である。図2に示すように、本構成例に係る吸引装置100Bは、電源部111B、センサ部112B、通知部113B、記憶部114B、通信部115B、制御部116B、加熱部121B、保持部140、及び断熱部144を含む。
【0049】
電源部111B、センサ部112B、通知部113B、記憶部114B、通信部115B、及び制御部116Bの各々は、第1の構成例に係る吸引装置100Aに含まれる対応する構成要素と実質的に同一である。
【0050】
保持部140は、内部空間141を有し、内部空間141にスティック型基材150の一部を収容しながらスティック型基材150を保持する。保持部140は、内部空間141を外部に連通する開口142を有し、開口142から内部空間141に挿入されたスティック型基材150を保持する。例えば、保持部140は、開口142及び底部143を底面とする筒状体であり、柱状の内部空間141を画定する。保持部140は、スティック型基材150へ供給される空気の流路を画定する機能も有する。かかる流路への空気の入り口である空気流入孔は、例えば底部143に配置される。他方、かかる流路からの空気の出口である空気流出孔は、開口142である。
【0051】
スティック型基材150は、基材部151、及び吸口部152を含む。基材部151は、エアロゾル源を含む。なお、本構成例において、エアロゾル源は液体に限られるものではなく、固体であってもよい。スティック型基材150が保持部140に保持された状態において、基材部151の少なくとも一部は内部空間141に収容され、吸口部152の少なくとも一部は開口142から突出する。そして、開口142から突出した吸口部152をユーザが咥えて吸引すると、図示しない空気流入孔から内部空間141に空気が流入し、基材部151から発生するエアロゾルと共にユーザの口内に到達する。
【0052】
加熱部121Bは、第1の構成例に係る加熱部121Aと同様の構成を有する。ただし、図2に示した例では、加熱部121Bは、フィルム状に構成され、保持部140の外周を覆うように配置される。そして、加熱部121Bが発熱すると、スティック型基材150の基材部151が外周から加熱され、エアロゾルが生成される。
【0053】
断熱部144は、加熱部121Bから他の構成要素への伝熱を防止する。例えば、断熱部144は、真空断熱材、又はエアロゲル断熱材等により構成される。
【0054】
以上、吸引装置100Bの構成例を説明した。もちろん吸引装置100Bの構成は上記に限定されず、以下に例示する多様な構成をとり得る。
【0055】
一例として、加熱部121Bは、ブレード状に構成され、保持部140の底部143から内部空間141に突出するように配置されてもよい。その場合、ブレード状の加熱部121Bは、スティック型基材150の基材部151に挿入され、スティック型基材150の基材部151を内部から加熱する。他の一例として、加熱部121Bは、保持部140の底部143を覆うように配置されてもよい。また、加熱部121Bは、保持部140の外周を覆う第1の加熱部、ブレード状の第2の加熱部、及び保持部140の底部143を覆う第3の加熱部のうち、2以上の組み合わせとして構成されてもよい。
【0056】
他の一例として、保持部140は、内部空間141を形成する外殻の一部を開閉する、ヒンジ等の開閉機構を含んでいてもよい。そして、保持部140は、外殻を開閉することで、内部空間141に挿入されたスティック型基材150を挟持してもよい。その場合、加熱部121Bは、保持部140における当該挟持箇所に設けられ、スティック型基材150を押圧しながら加熱してもよい。
【0057】
また、エアロゾル源を霧化する手段は、加熱部121Bによる加熱に限定されない。例えば、エアロゾル源を霧化する手段は、誘導加熱であってもよい。
【0058】
また、吸引装置100Bは、第1の構成例に係る加熱部121A、液誘導部122、液貯蔵部123、及び空気流路180をさらに含んでいてもよく、空気流路180の空気流出孔182が内部空間141への空気流入孔を兼ねていてもよい。この場合、加熱部121Aにより生成されたエアロゾルと空気との混合流体は、内部空間141に流入して加熱部121Bにより生成されたエアロゾルとさらに混合され、ユーザの口腔内に到達する。
【0059】
<<2.技術的特徴>>
<2.1.システム構成例>
図3は、本実施形態に係る販売システム1の構成の一例を示す図である。図3に示すように、販売システム1は、吸引装置100、ユーザ端末200、販売端末300及びサーバ400を含む。なお、図3では、販売システム1が、2つの吸引装置100(100A及び100B)、2つのユーザ端末200(200A及び200B)、1つの販売端末300、及び1つのサーバ400を有する例を示しているが、販売システム1に含まれる各装置の個数はかかる例に限定されない。
【0060】
(1)吸引装置100の構成
吸引装置は、ユーザにより吸引される物質を生成する装置である。以下では、吸引装置により生成される物質が、エアロゾルであるものとして説明する。他に、吸引装置により生成される物質は、気体であってもよい。以下では、吸引装置により生成された物質をユーザが吸引することを、「吸引」又は「パフ」とも称する。
【0061】
本実施形態に係る吸引装置100は、基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する。加熱部121は、エアロゾルを生成する生成部の一例である。第1の構成例におけるカートリッジ120及び香味付与カートリッジ130、並びに第2の構成例におけるスティック型基材150は、本発明における基材の一例である。吸引装置100は、吸引装置100に装着された基材を用いてエアロゾルを生成する。第1の構成例において、電源ユニット110に接続されたカートリッジ120及び香味付与カートリッジ130は、吸引装置100に装着された基材の一例である。第2の構成例において、吸引装置100に挿入されたスティック型基材150は、吸引装置100に装着された基材の一例である。
【0062】
吸引装置100は、上記説明した第1の構成例、又は第2の構成例のうち任意の構成例を取り得る。図3では、ユーザAにより使用される吸引装置100を吸引装置100Aとし、ユーザBにより使用される吸引装置100を吸引装置100Bとしている。つまり、図3における吸引装置100Aの構成は、図1に示した構成と必ずしも一致していなくてもよく、例えば図2に示した構成と一致していてもよい。同様に、図3における吸引装置100Bの構成は、図2に示した構成と必ずしも一致していなくてもよく、例えば図1に示した構成と一致していてもよい。
【0063】
とりわけ、本実施形態に係る通信部115は、NFC(Near Field Communication)又はBluetooth(登録商標)の近距離無線通信規格に準拠した無線通信を行い得る。
【0064】
(2)ユーザ端末200の構成
ユーザ端末200は、吸引装置100のユーザにより使用される端末装置である。例えば、ユーザ端末200は、スマートフォン、タブレット端末又はウェアラブルデバイス等により構成される。同一ユーザにより使用される吸引装置100とユーザ端末200とは、互いに対応付けられる。例えば、ユーザは、ユーザ端末200に吸引装置100の情報を登録したり、吸引装置100にユーザ端末200の情報を登録したり、サーバ400に吸引装置100及びユーザ端末200が同一ユーザにより使用されることを登録したりする。
【0065】
ユーザ端末200は、他の装置との間で、有線又は無線の任意の通信規格に準拠した通信を行う。一例として、ユーザ端末200は、NFC(Near Field Communication)又はBluetooth(登録商標)の近距離無線通信規格に準拠した無線通信を行い得る。
【0066】
なお、ユーザ端末200の機能は、アプリケーションを用いて実現されてもよい。当該アプリケーションは、プリインストールされていてもよいし、ダウンロードされてもよい。また、ユーザ端末200の機能は、PWA(Progressive Web Apps)により実現されてもよい。
【0067】
(3)販売端末300の構成
販売端末300は、基材を販売するための処理を行う端末装置である。販売端末300は、例えば、キャッシュレジスタ、又はPOS(Point Of Sales)端末として構成され得る。その場合、販売端末300は、基材を販売する店に設置される。基材を販売するための処理としては、例えば、金銭授受に係る会計処理、及び販売された基材の銘柄及び個数等を登録する販売管理処理等が挙げられる。販売端末300を使用するユーザは、典型的には店員である。
【0068】
販売端末300は、他の装置との間で、有線又は無線の任意の通信規格に準拠した通信を行う。一例として、販売端末300は、NFC(Near Field Communication)又はBluetooth(登録商標)の近距離無線通信規格に準拠した無線通信を行い得る。
【0069】
(4)サーバ400の構成
サーバ400は、吸引装置100に関する各種のサービスを提供する情報処理装置である。一例として、サーバ400は、吸引装置100のユーザに対する会員サービスを提供する。サーバ400は、吸引装置100の情報を収集及び蓄積し、蓄積された情報の分析を行い、分析結果に応じた会員サービスを提供する。例えば、ユーザは、サーバ400にアクセスして会員登録を予め行うことで、吸引装置100に関する情報提供等の各種の会員サービスを受けることができる。
【0070】
<2.2.アクセサリの装着に関する特徴>
(1)フロントパネルの構成
吸引装置100には、着脱可能に吸引装置100に装着されるアクセサリが装着され得る。図4は、本実施形態の第2の構成例に係る吸引装置100に装着されるアクセサリの一例を示す図である。図4に示すように、吸引装置100には、フロントパネル160が着脱可能に装着されてもよい。フロントパネル160とバックパネル162とは、間に吸引装置100を挟むようにして接合されることで、吸引装置100の外周を覆う外殻を形成する。フロントパネル160は、アクセサリの一例である。
【0071】
フロントパネル160は、通信部161を備える。通信部161の機能は、通信部115と同様である。吸引装置100の通信部115とフロントパネル160の通信部161とをより明確に区別するために、通信部115を本体通信部115とも称し、通信部161をフロントパネル通信部161とも称する。
【0072】
本実施形態では、本体通信部115及びフロントパネル通信部161の各々は、無線通信を行うものとする。本体通信部115は、無線通信を行う第1の通信部の一例である。フロントパネル通信部161は、無線通信を行う第2の通信部の一例である。
【0073】
とりわけ、本体通信部115による無線通信、及びフロントパネル通信部161による無線通信は、NFC及びBluetooth等の近距離無線通信である。かかる構成によれば、本体通信部115及びフロントパネル通信部161は、近距離にある他の装置との間で通信を行うことが可能となる。
【0074】
本体通信部115が使用する通信方式と、フロントパネル通信部161が使用する通信方式とは、異なることが望ましい。かかる構成によれば、後述するように、通信相手及び送信対象の情報に適した通信方式を採用して通信することが可能となる。
【0075】
例えば、本体通信部115が使用する通信方式はBluetoothであり、フロントパネル通信部161が使用する通信方式はNFCであってもよい。NFCの通信可能距離は、Bluetoothの通信可能距離よりも短い。NFCの伝送レートは、Bluetoothの伝送レートよりも低い。他方、NFCではペアリングが不要であるのに対し、Bluetoothではペアリングが要される。このように、NFCとBluetoothとは異なる特性を有するので、得意とする状況が異なると考えられる。その点、かかる構成によれば、本体通信部115及びフロントパネル通信部161の各々を、それぞれの通信方式の特性に応じて適切に使い分けることが可能となる。
【0076】
(2)フロントパネル装着をトリガとする制御
制御部116は、フロントパネル160が吸引装置100に装着されたことが検出されたことトリガとして、本体通信部115に対する制御を切り替える。例えば、制御部116は、装着されたフロントパネル160が有する機能に応じて、本体通信部115の動作を切り替える。かかる構成によれば、フロントパネル160の装着有無に応じて本体通信部115の動作を最適化することが可能となる。フロントパネル160が装着されたことの検出については、後に詳しく説明する。
【0077】
制御部116は、フロントパネル通信部161が送信する情報とは異なる情報を送信するよう本体通信部115を制御してもよい。例えば、制御部116は、フロントパネル160が装着されていない場合は送信対象の情報の全てを送信するよう本体通信部115を制御し、フロントパネル160が装着されている場合は送信対象の情報の一部を送信するよう本体通信部115を制御する。送信対象の情報については、後に詳しく説明する。かかる構成によれば、吸引装置100は、本体通信部115又はフロントパネル通信部161のいずれかにより、送信対象の情報を重複することなく送信することが可能となる。ここで、本体通信部115とフロントパネル通信部161とで異なる通信方式が採用される場合、送信対象の情報ごとに、より適切な通信方式を使用して送信することが可能となる。
【0078】
制御部116は、フロントパネル通信部161の通信相手とは異なる通信相手と通信するよう、本体通信部115を制御してもよい。例えば、制御部116は、フロントパネル通信部161の通信相手が販売端末300である場合、ユーザ端末200と通信するよう本体通信部115を制御してもよい。かかる構成によれば、吸引装置100は、本体通信部115又はフロントパネル通信部161のいずれかにより、通信相手と通信することが可能となる。ここで、本体通信部115とフロントパネル通信部161とで異なる通信方式が採用される場合、通信相手ごとに、より適切な通信方式を使用して通信することが可能となる。
【0079】
上記では、制御部116が本体通信部115を制御する点について説明した。制御部116は、本体通信部115の制御に加えて、フロントパネル通信部161を制御してもよい。一例として、制御部116とフロントパネル通信部161とは電気的に接続されていてもよく、制御部116は、フロントパネル通信部161に制御信号を送信することで、フロントパネル通信部161を制御してもよい。他の一例として、本体通信部115とフロントパネル通信部161とは無線通信可能であってもよく、制御部116は、本体通信部115を介してフロントパネル通信部161に制御信号を無線送信することで、フロントパネル通信部161を制御してもよい。かかる構成によれば、本体通信部115のみを制御する場合と比較して、本体通信部115及びフロントパネル通信部161の動作を最適化することが可能となる。
【0080】
制御部116は、本体通信部115が送信する情報とは異なる情報を送信するようフロントパネル通信部161を制御してもよい。例えば、制御部116は、送信対象の情報の一部を送信するよう本体通信部115を制御し、送信対象の情報の他の一部を送信するようフロントパネル通信部161を制御する。かかる構成によれば、吸引装置100は、本体通信部115及びフロントパネル通信部161のうち、送信対象の情報に適切な一方を使用して通信することが可能となる。
【0081】
制御部116は、本体通信部115の通信相手とは異なる通信相手と通信するよう、フロントパネル通信部161を制御してもよい。例えば、制御部116は、ユーザ端末200と通信するよう本体通信部115を制御し、販売端末300と通信するようフロントパネル通信部161を制御する。かかる構成によれば、吸引装置100は、本体通信部115及びフロントパネル通信部161のうち、通信相手に適切な一方を使用して通信することが可能となる。
【0082】
(3)フロントパネル160の着脱検出
吸引装置100は、フロントパネル160が装着されたこと及び取り外されたことを検出する。
【0083】
一例として、吸引装置100は、フロントパネル160の着脱を電気的に検出してもよい。例えば、吸引装置100とフロントパネル160とは電気的に接続可能に構成される。そして、センサ部112は、吸引装置100とフロントパネル160とが電気的に接続されたこと又は電気的な接続が解除されたことに基づいて、フロントパネル160の着脱を検出する。ここで、フロントパネル160ごとに接続時の電気抵抗は異なっていてもよい。その場合、センサ部112は、電気抵抗に基づいて吸引装置100に装着されたフロントパネル160を識別してもよい。
【0084】
他の一例として、吸引装置100は、フロントパネル160の着脱を物理的に検出してもよい。例えば、吸引装置100は、センサ部112として、フロントパネル160と接触する部分に圧力センサを有していてもよい。その場合、センサ部112は、圧力の高さに応じて、フロントパネル160の着脱を検出してもよい。ここで、フロントパネル160ごとに、圧力センサに加わる圧力は異なっていてもよい。その場合、センサ部112は、圧力の大きさに基づいて吸引装置100に装着されたフロントパネル160を識別してもよい。
【0085】
なお、ここでのフロントパネル160の識別とは、フロントパネル160を一意に識別することであってもよいし、フロントパネル160が有する機能(例えば、通信機能の有無及び通信方式)を識別することであってもよい。
【0086】
(4)送信対象の情報
本体通信部115又はフロントパネル通信部161により送信される送信対象の情報の一例を、以下に説明する。送信対象の情報は、以下に説明する情報の少なくともいずれかを含む。
【0087】
-銘柄情報
送信対象の情報は、基材の識別情報を含んでいてもよい。基材の識別情報とは、基材の銘柄(即ち、種類)を識別するための情報である。以下、基材の識別情報を、銘柄情報とも称する。銘柄情報は、販売端末300に送信された場合、購入を希望する銘柄を示す情報として取り扱われる。そのため、送信対象の情報として銘柄情報が販売端末300に送信されることで、基材購入時のユーザビリティを向上させることが可能である。
【0088】
-プロファイル情報
送信対象の情報は、吸引装置100がエアロゾルを生成するために行う基材を加熱する動作を規定するプロファイルを示すプロファイル情報を含んでいてもよい。吸引装置100は、プロファイル情報により示されるプロファイルに従って基材を加熱し、エアロゾルを生成する。
【0089】
第1の構成例におけるプロファイルは、加熱部121Aへの給電時間、及び単位時間当たりの給電量(例えば、電圧)を定義する情報である。制御部116は、プロファイルにおいて定義された単位時間当たりの給電量を、プロファイルにおいて定義された給電時間、電源部111から加熱部121Aに給電されるよう制御する。このような給電の制御は、例えば、パフが1回検出される度に行われる。
【0090】
第2の構成例におけるプロファイルは、加熱部121Bによる加熱開始からの経過時間と加熱部121Bの温度との関係を定義する情報である。制御部116は、プロファイルにおける温度変化と同様の温度変化が加熱部121Bにおいて実現されるよう、加熱部121Bを制御する。加熱部121Bは、抵抗器を含む導電トラックを含んでいてもよく、センサ部112は、導電トラックの電気抵抗に基づいて加熱部121Bの温度を検出してもよい。加熱部121Bの制御は、例えば電源部111から加熱部121Bへの給電を制御することにより、実現され得る。給電の制御は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御により行われてもよい。
【0091】
プロファイル情報は、プロファイルそのものであってもよい。プロファイルは、会員サービスにより提供される等、設定可能なプロファイルが予め決まっていてもよい。その場合、プロファイル情報は、プロファイルを示す識別情報であってもよい。プロファイルを示す識別情報は、プロファイルそのものと比較してデータ量が少ないので、他の装置と送受信する際の通信負荷が軽減される。他にも、プロファイルは、給電時間等のパラメータがユーザにより調節される等、ユーザによるカスタマイズが可能であってもよい。
【0092】
-銘柄情報とプロファイル情報との組み合わせ
銘柄情報とプロファイル情報とは対応付けられていてもよい。例えば、基材ごとにユーザが好むプロファイルが異なっていてもよく、銘柄情報と当該銘柄情報により示される銘柄の基材に好適なプロファイルとが対応付けられてもよい。そのため、送信対象の情報として、銘柄情報とプロファイル情報とが対応付けられて送信されてもよい。また、送信対象の情報は、銘柄情報とプロファイル情報との組み合わせを示す識別情報を含んでいてもよい。銘柄情報とプロファイル情報との組み合わせを示す識別情報のデータ量が、銘柄情報のデータ量及びプロファイル情報のデータ量の総和よりも少なくなるよう設計することで、他の装置と送受信する際の通信負荷を軽減することができる。銘柄情報とプロファイル情報との組み合わせを示す識別情報の一例を、下記の表1に示す。
【0093】
【表1】
【0094】
-デバイスID
送信対象の情報は、吸引装置100の識別情報を含んでいてもよい。吸引装置100の識別情報とは、吸引装置100を一意に識別するための情報である。吸引装置100の識別情報を、以下ではデバイスIDとも称する。
【0095】
-ユーザID
送信対象の情報は、吸引装置100を使用するユーザの識別情報を含んでいてもよい。ユーザの識別情報とは、ユーザを一意に識別するための情報である。ユーザの識別情報を、以下ではユーザIDとも称する。ユーザIDは、ユーザの名前等の個人情報であってもいし、会員サービスに登録されたアカウント名であってもよい。
【0096】
-認証情報
送信対象の情報は、認証情報を含んでいてもよい。認証情報とは、基材をユーザが購入する資格を有する旨を示す情報である。認証情報は、例えば、ユーザの年齢を証明する情報を含む。
【0097】
(5)通信機能の詳細
吸引装置100及びフロントパネル160に搭載される通信機能は、多様に考えられる。
【0098】
一例として、通信機能は、NFCタグにより実現されてもよい。NFCタグとは、NFCを用いた通信のためのアンテナとNFCを用いた通信のための処理を行うIC(Integrated Circuit)チップとを備えるタグであり、典型的にはシール状に薄く構成される。NFCタグには、NFCを介して情報を書き込んだり、読み取ったりすることができる。つまり、NFCタグは、通信機能の他に、情報を記憶する記憶機能をも有する。NFCタグに対する情報の読み書きには、NFCリーダライタが使用される。NFCリーダライタとは、NFCタグから情報を読み取ることが可能なNFCリーダと、NFCタグに情報を書き込むことが可能なNFCライタとの双方を兼ねる装置である。
【0099】
本体通信部115がNFCタグとして構成される場合、当該NFCタグは、記憶部114としても機能する。即ち、吸引装置100に搭載されたNFCタグに対し、情報の読み書きが行われる。フロントパネル通信部161がNFCタグとして構成される場合、当該NFCタグは、フロントパネル160に搭載される記憶部(以下、フロントパネル記憶部とも称する)としても機能する。即ち、フロントパネル160に搭載されたNFCタグに対し、情報の読み書きが行われる。
【0100】
一例として、通信機能は、NFC通信モジュールにより実現されてもよい。NFC通信モジュールとは、NFCによる通信が可能な通信モジュールであって、カードエミュレーションモード、リーダライタモード、及びP2P(Peer-to-Peer)モードの3つの通信モードをサポートする。NFC通信モジュールは、カードエミュレーションモードで動作する場合、自身がNFCタグであるものとして動作し、NFCリーダライタから読み書きされる。NFC通信モジュールは、リーダライタモードで動作する場合、自身がNFCリーダライタであるものとして動作し、NFCタグに対し読み書きを行う。NFC通信モジュールは、P2Pモードで動作する場合、P2Pモードで動作する他のNFC通信モジュールとの間で通信する。
【0101】
本体通信部115がNFC通信モジュールとして構成される場合、本体通信部115により受信された情報は記憶部114に記憶され、記憶部114に記憶された情報が本体通信部115により送信される。フロントパネル通信部161がNFC通信モジュールとして構成される場合、フロントパネル通信部161は、制御部116による制御に基づいて通信を行う。そして、フロントパネル通信部161により受信された情報は記憶部114に記憶され、記憶部114に記憶された情報がフロントパネル通信部161により送信される。
【0102】
一例として、通信機能は、Bluetooth通信モジュールにより実現されてもよい。Bluetooth通信モジュールとは、Bluetoothによる通信が可能な通信モジュールである。Bluetooth通信モジュールは、ペアリング済みの他のBluetooth通信モジュールとの間で接続を確立し、通信する。
【0103】
本体通信部115がBluetooth通信モジュールとして構成される場合、本体通信部115により受信された情報は記憶部114に記憶され、記憶部114に記憶された情報が本体通信部115により送信される。フロントパネル通信部161がBluetooth通信モジュールとして構成される場合、フロントパネル通信部161は、制御部116による制御に基づいて通信を行う。そして、フロントパネル通信部161により受信された情報は記憶部114に記憶され、記憶部114に記憶された情報がフロントパネル通信部161により送信される。
【0104】
以下では、記憶する主体が記憶部114であるかフロントパネル記憶部(例えば、フロントパネル通信部161として機能するNFCタグ)であるかを特に区別する必要がない場合、記憶する主体を吸引装置100として説明する。例えば、吸引装置100が情報を記憶する、との記載は、記憶部114が情報を記憶すること、及びフロントパネル記憶部が情報を記憶することの、双方を含み得る。
【0105】
吸引装置100は、送信対象の情報を記憶する。送信対象の情報は、記憶部114又はフロントパネル記憶部の少なくともいずれかにより記憶される。
【0106】
以下では、通信する主体が本体通信部115であるかフロントパネル通信部161であるかを特に区別する必要がない場合、通信する主体を吸引装置100として説明する。例えば、吸引装置100が通信する、との記載は、本体通信部115が通信すること、及びフロントパネル通信部161が通信することの、双方を含み得る。
【0107】
吸引装置100は、送信対象の情報を送信する。送信対象の情報は、本体通信部115又はフロントパネル通信部161の少なくともいずれかにより送信される。
【0108】
(6)ユーザ端末200における処理
ユーザ端末200は、吸引装置100に記憶される情報を管理する。一例として、ユーザ端末200は、吸引装置100との間で同期をとる。詳しくは、ユーザ端末200は、吸引装置100に記憶された情報とユーザ端末200に記憶された情報とが一致するように、吸引装置100(記憶部114及び/又はフロントパネル記憶部)に情報を書き込む、又は吸引装置100から情報を読み取って記憶する。このようにして同期される情報を、以下では同期対象の情報とも称する。同期対象の情報は、上述した送信対象の情報を含む。吸引装置100に記憶される情報を管理する機能は、専用のアプリケーション(以下、管理用アプリケーションとも称する)により実現され得る。
【0109】
例えば、ユーザ端末200は、サーバ400から提供される会員サービス又はWebサイトから銘柄情報を取得し、吸引装置100に書き込んでもよい。他の一例として、ユーザ端末200は、基材のパッケージを撮像した撮像画像に画像認識を適用することで取得した銘柄情報を、吸引装置100に書き込んでもよい。プロファイル情報についても同様である。
【0110】
ユーザ端末200は、所定の条件が満たされた場合に吸引装置100との間で同期のための通信を行う。所定の条件は、ユーザ端末200と吸引装置100との距離が近距離無線通信可能な距離に近づいたことを含み得る。所定の条件は、ユーザ端末200において、管理用アプリケーションが起動中であることを含み得る。所定の条件は、ユーザ端末200に記憶されている同期対象の情報と、吸引装置100に記憶されている情報とに相違があることを含み得る。
【0111】
なお、ユーザ端末200は、周期的にポーリングを行うことで、近距離無線通信可能な範囲に存在する吸引装置100を検出し得る。ユーザ端末200は、ポーリングにより近距離無線通信可能な範囲に存在する吸引装置100を検出した場合に、管理用アプリケーションを起動してもよい。そして、管理アプリケーションは、起動されると、吸引装置100との同期を自動的に行ってもよい。
【0112】
典型的には、ユーザ端末200は、ユーザ端末200に対応付けられた(即ち、同一ユーザにより使用される)吸引装置100に記憶される情報を管理する。例えば、ユーザ端末200Aは、吸引装置100Aに記憶される情報を管理する。
【0113】
(7)他の吸引装置100との間の通信
吸引装置100は、他の吸引装置100との間で送信対象の情報を送受信してもよい。吸引装置100同士で情報を送受信すること、即ち2つの吸引装置100の一方に記憶された情報を他方の吸引装置100が受信し記憶することを、以下ではコピーとも称する。
【0114】
吸引装置100間でコピーされる情報は、銘柄情報を含んでいてもよい。銘柄情報は、後述するように購入希望の銘柄を示す情報として販売端末300により取り扱われる。従って、ユーザ間で、気に入った銘柄をおすすめし合い、おすすめされた銘柄の基材を購入することが可能となる。
【0115】
吸引装置100間でコピーされる情報は、プロファイル情報を含んでいてもよい。その場合、ユーザ間で、気に入ったプロファイルをおすすめし合い、おすすめされたプロファイルに従った加熱を吸引装置100に実行させることが可能となる。
【0116】
吸引装置100間でコピーされる情報として、銘柄情報とプロファイル情報とが対応付けて送受信されてもよい。例えば、吸引装置100間でコピーされる情報は、銘柄情報とプロファイル情報との組み合わせを示す識別情報を含んでいてもよい。かかる構成によれば、ユーザ間で、気に入った銘柄とプロファイルとの組み合わせをおすすめし合い、おすすめされたプロファイルに従った加熱をおすすめされた銘柄で試すことが可能となる。
【0117】
(8)販売端末300における処理
販売端末300は、吸引装置100から送信対象の情報を受信する。例えば、販売端末300と吸引装置100とが近距離無線通信可能な程度の距離に近づいた場合、吸引装置100及び販売端末300は、近距離無線通信を行って情報を送受信する。かかる構成によれば、販売端末300は、近距離無線通信可能な程度に近づいた吸引装置100から情報を受信するので、例えば店舗が混みあっている場合であっても混信を防止することができる。
【0118】
販売端末300は、吸引装置100から送信対象の情報を受信すると、受信した情報に応じた処理を行う。かかる構成によれば、販売端末300は、ユーザ端末200ではなく吸引装置100から情報を取得し、取得した情報に応じた処理を行うことができる。従って、ユーザが情報送信のためにユーザ端末200を操作する手間が削減されるので、ユーザビリティを向上させることが可能となる。
【0119】
一例として、販売端末300は、吸引装置100から受信した情報に応じて基材を販売するための処理を行ってもよい。例えば、販売端末300は、吸引装置100から受信した銘柄情報により示される銘柄の基材を、ユーザが購入を希望する基材として、販売する処理を行ってもよい。かかる構成によれば、ユーザは、購入希望の基材を店員に口頭で指定したりせずとも、希望通りの基材を購入することが可能となる。
【0120】
他の一例として、販売端末300は、吸引装置100から受信した情報の少なくとも一部をサーバ400に送信する。サーバ400では、後述するように、受信した情報の蓄積及び分析が行われ、分析結果に応じた会員サービスが提供される。よって、ユーザは、吸引装置100を用いて基材を購入するだけで、即ちユーザ端末200を操作してサーバ400に情報を送信する手間を負うことなく、会員の購買行動を反映した好適な会員サービスを受けることが可能となる。
【0121】
他の一例として、販売端末300は、吸引装置100から受信した認証情報に基づいて認証を行ってもよい。例えば、販売端末300は、認証情報により示されるユーザの年齢が所定の年齢以上である場合に認証成功を判定し、それ以外の場合に認証失敗を判定する。かかる構成によれば、基材を購入する資格を有さないユーザに対し基材を誤って販売してしまうことを防止することが可能となる。
【0122】
(9)サーバ400における処理
サーバ400は、販売端末300を介して吸引装置100から送信対象の情報を収集する。サーバ400は、収集した情報を蓄積して分析を行い、分析結果に基づいて会員サービスを提供する。
【0123】
一例として、サーバ400は、収集した情報を、銘柄情報ごとに集計することで、数多く購入された銘柄、即ち会員内で流行している銘柄を特定してもよい。そして、サーバ400は、会員内で流行している銘柄をおすすめする情報を、会員サービスとして提供してもよい。
【0124】
他の一例として、サーバ400は、収集した情報を、プロファイル情報ごとに集計することで、数多く利用されているプロファイル、即ち会員内で流行しているプロファイルを特定してもよい。そして、サーバ400は、会員内で流行しているプロファイルをおすすめする情報を、会員サービスとして提供してもよい。
【0125】
他の一例として、ユーザID又はデバイスIDと銘柄情報との組み合わせに基づいて、販売端末300がどのユーザにどの銘柄の基材を販売したか、即ちどのユーザがどの基材を購入したかを分析してもよい。
【0126】
(10)処理の流れ
図5は、本実施形態に係る吸引装置100において実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0127】
図5に示すように、まず、制御部116は、吸引装置100にフロントパネル160が装着されているか否かを判定する(ステップS102)。
【0128】
吸引装置100にフロントパネル160が装着されていると判定された場合(ステップS102:YES)、制御部116は、本体通信部115又はフロントパネル通信部161のいずれを通信に使用するかを選択する(ステップS104)。例えば、制御部116は、通信相手及び送信する情報に応じて、本体通信部115又はフロントパネル通信部161のいずれを通信に使用するかを選択する。そして、制御部116は、本体通信部115又はフロントパネル通信部161のうち選択した一方による通信を実行する(ステップS106)。
【0129】
他方、吸引装置100にフロントパネル160が装着されていないと判定された場合(ステップS102:NO)、制御部116は、本体通信部115による通信を実行する(ステップS108)。
【0130】
<2.3.具体例>
(1)第1の具体例
本具体例は、本体通信部115がBluetooth通信モジュールとして構成され、フロントパネル通信部161がNFCタグとして構成される例である。
【0131】
吸引装置100は、フロントパネル160が装着されていない場合、全ての通信に、本体通信部115を使用する。他方、吸引装置100は、フロントパネル160が装着されている場合、ユーザ端末200との間での通信に本体通信部115を使用し、販売端末300との間での通信にフロントパネル通信部161を使用する。
【0132】
本具体例では、吸引装置100と販売端末300との間の通信にペアリングが不要なNFCが使用されるので、基材購入時のユーザビリティを向上させることができる。他方、吸引装置100とユーザ端末200との間の通信にペアリングが必要なBluetoothが使用されるので、セキュリティを担保することができる。
【0133】
なお、本具体例では、吸引装置100同士の通信は行われなくてもよい。吸引装置100同士の通信にはペアリングが不要なNFCが使用されることが望ましいものの、NFCタグ同士での通信は成立しないためである。
【0134】
(2)第2の具体例
本具体例は、本体通信部115がBluetooth通信モジュールとして構成され、フロントパネル通信部161がNFC通信モジュールとして構成される例である。
【0135】
吸引装置100は、フロントパネル160が装着されていない場合、全ての通信に、本体通信部115を使用する。他方、吸引装置100は、フロントパネル160が装着されている場合、ユーザ端末200との間での通信に本体通信部115を使用し、販売端末300及び他の吸引装置100との間での通信にフロントパネル通信部161を使用する。
【0136】
本具体例では、吸引装置100と販売端末300及び他の吸引装置100との間の通信にペアリングが不要なNFCが使用されるので、基材購入時及び情報コピー時のユーザビリティを向上させることができる。他方、吸引装置100とユーザ端末200との間の通信にペアリングが必要なBluetoothが使用されるので、セキュリティを担保することができる。
【0137】
<2.4.変形例>
上記実施形態では、吸引装置100が本体通信部115を有し、フロントパネル160がフロントパネル通信部161を有するものと説明したが、本発明はかかる例に限定されない。以下に説明するように、吸引装置100又はフロントパネル160のいずれかが通信機能を有していなくてもよい。
【0138】
(1)第1の変形例
本変形例は、吸引装置100が2種類の通信機能を有し、フロントパネル160が通信機能を有さない例である。
【0139】
吸引装置100は、無線通信を行う第1の通信部に加え、無線通信を行う第3の通信部をさらに備える。第1の通信部を第1の本体通信部115とも称し、第3の通信部を第2の本体通信部115とも称する。
【0140】
制御部116は、通信相手ごとに及び/又は送信する情報ごとに、第1の本体通信部115又は第2の本体通信部115のいずれを使用して送信するかを切り替える。かかる構成によれば、第1の本体通信部115及び第2の本体通信部115の各々を、状況に応じて適切に使い分けることが可能となる。ここで、第1の本体通信部115が使用する通信方式と、第2の本体通信部115が使用する通信方式とは、異なることが望ましい。例えば、第1の本体通信部115が使用する通信方式はBluetoothであり、第2の本体通信部115が使用する通信方式はNFCであってもよい。かかる構成によれば、第1の本体通信部115及び第2の本体通信部115の各々を、それぞれの通信方式の特性に応じて適切に使い分けることが可能となる。
【0141】
一例として、第1の本体通信部115がBluetooth通信モジュールとして構成され、第2の本体通信部115がNFCタグとして構成されてもよい。
【0142】
吸引装置100は、ユーザ端末200との通信に、第1の本体通信部115を使用する。吸引装置100とユーザ端末200との間の通信にペアリングが必要なBluetoothが使用されるので、セキュリティを担保することができる。他方、吸引装置100は、販売端末300との通信に、第2の本体通信部115を使用する。吸引装置100と販売端末300との間の通信にペアリングが不要なNFCが使用されるので、基材購入時のユーザビリティを向上させることができる。なお、吸引装置100同士の通信は行われなくてもよい。吸引装置100同士の通信にはペアリングが不要なNFCが使用されることが望ましいものの、NFCタグ同士での通信は成立しないためである。
【0143】
本変形例においても、制御部116は、フロントパネル160が吸引装置100に装着されたことをトリガとして、吸引装置100の制御を切り替える。
【0144】
一例として、制御部116は、フロントパネル160が装着されている場合に第1の本体通信部115及び第2の本体通信部115による通信を許可してもよい。他方、制御部116は、フロントパネル160が装着されていない場合に第1の本体通信部115及び第2の本体通信部115による通信を禁止してもよい。かかる構成によれば、吸引装置100は、フロントパネル160が装着されている場合に限定して、通信することが可能となる。
【0145】
他の一例として、制御部116は、フロントパネル160が装着されている場合にエアロゾルの生成を許可してもよい。制御部116は、フロントパネル160が装着されていない場合にエアロゾルの生成を禁止してもよい。その場合、フロントパネル160は、フロントパネル160が装着されている場合に限定して、電源部111から加熱部121への給電を行い、基材を加熱して、エアロゾルが生成することが可能となる。フロントパネル160は、例えば耐熱性の部材により構成され、基材の加熱に伴い発生する熱からユーザの手を守ることができる。この点、かかる構成によれば、フロントパネル160が装着されている場合に限定して加熱が行われるので、フロントパネル160が未装着の状態で加熱が行われユーザがやけどを負ってしまうことを防止することが可能となる。
【0146】
(2)第2の変形例
本変形例は、吸引装置100が通信機能を有さず、フロントパネル160に通信機能が搭載される例である。
【0147】
吸引装置100は、フロントパネル160が装着されていない場合、通信しない。他方、吸引装置100は、フロントパネル160が装着されている場合、全ての通信に、フロントパネル通信部161を使用する。
【0148】
本変形例によれば、フロントパネル160の装着をトリガとして、吸引装置100が通信することが可能となる。
【0149】
<<3.補足>>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0150】
例えば、上記実施形態では、吸引装置100に装着されるアクセサリとしてフロントパネル160を例示したが、本発明はかかる例に限定されない。アクセサリは、ストラップ及びシール等、吸引装置100に着脱可能な任意の構成をとり得る。
【0151】
例えば、上記実施形態では、吸引装置100にアクセサリが装着される例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。吸引装置100以外の任意の装置について、本発明は適用可能である。例えば、スマートフォンにスマートフォンケース等のアクセサリが着脱可能に装着されてもよい。そして、スマートフォンの制御が、アクセサリの着脱をトリガとして切り替えられてもよい。
【0152】
上記説明した実施形態と変形例とは、適宜組み合わせられてもよい。例えば、吸引装置100が本体通信部115を有し、フロントパネル160がフロントパネル通信部161を有する場合、フロントパネル160の着脱に応じて、本体通信部115による通信許可/禁止、及びエアロゾルの生成許可/禁止が、切り替えられてもよい。
【0153】
なお、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記録媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。上記記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0154】
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0155】
なお、以下のような構成も本発明の技術的範囲に属する。
(1)
基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置であって、
無線通信を行う第1の通信部と、
前記第1の通信部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、着脱可能に前記吸引装置に装着されるアクセサリが前記吸引装置に装着されたことが検出されたことをトリガとして、前記第1の通信部に対する制御を切り替える、
吸引装置。
(2)
前記アクセサリは、無線通信を行う第2の通信部を備える、
前記(1)に記載の吸引装置。
(3)
前記制御部は、前記第2の通信部が送信する情報とは異なる情報を送信するよう前記第1の通信部を制御する、
前記(2)に記載の吸引装置。
(4)
前記制御部は、前記第2の通信部の通信相手とは異なる通信相手と通信するよう、前記第1の通信部を制御する、
前記(2)又は(3)に記載の吸引装置。
(5)
前記制御部は、前記第2の通信部を制御する、
前記(2)~(4)のいずれか一項に記載の吸引装置。
(6)
前記制御部は、前記第1の通信部が送信する情報とは異なる情報を送信するよう前記第2の通信部を制御する、
前記(5)に記載の吸引装置。
(7)
前記制御部は、前記第1の通信部の通信相手とは異なる通信相手と通信するよう、前記第2の通信部を制御する、
前記(5)又は(6)に記載の吸引装置。
(8)
前記第1の通信部又は前記第2の通信部により送信される情報は、前記基材の識別情報を含む、
前記(2)~(7)のいずれか一項に記載の吸引装置。
(9)
前記第1の通信部又は前記第2の通信部により送信される情報は、前記吸引装置の識別情報、又は前記吸引装置を使用する前記ユーザの識別情報の少なくともいずれかを含む、
前記(2)~(8)のいずれか一項に記載の吸引装置。
(10)
前記第1の通信部又は前記第2の通信部により送信される情報は、前記吸引装置が前記エアロゾルを生成するために行う前記基材を加熱する動作を規定するプロファイルを示すプロファイル情報を含む、
前記(2)~(9)のいずれか一項に記載の吸引装置。
(11)
前記第1の通信部による無線通信、及び前記第2の通信部による無線通信は、近距離無線通信である、
前記(2)~(10)のいずれか一項に記載の吸引装置。
(12)
前記第1の通信部が使用する通信方式と、前記第2の通信部が使用する通信方式とは、異なる、
前記(11)に記載の吸引装置。
(13)
前記第1の通信部が使用する通信方式はBluetoothであり、前記第2の通信部が使用する通信方式はNFCである、
前記(11)又は(12)に記載の吸引装置。
(14)
前記吸引装置は、無線通信を行う第3の通信部をさらに備え、
前記制御部は、通信相手ごとに及び/又は送信する情報ごとに、前記第1の通信部又は前記第3の通信部のいずれを使用して送信するかを切り替える、
前記(1)に記載の吸引装置。
(15)
前記制御部は、前記アクセサリが装着されている場合に前記第1の通信部及び前記第3の通信部による通信を許可する、
前記(14)に記載の吸引装置。
(16)
前記制御部は、前記アクセサリが装着されている場合に前記エアロゾルの生成を許可する、
前記(1)~(15)のいずれか一項に記載の吸引装置。
(17)
基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置により実行される制御方法であって、
着脱可能に前記吸引装置に装着されるアクセサリが前記吸引装置に装着されたことが検出されたことをトリガとして、前記吸引装置が行う無線通信に対する制御を切り替えること、
を含む制御方法。
(18)
基材を用いてユーザに吸引されるエアロゾルを生成する吸引装置を制御するコンピュータに、
着脱可能に前記吸引装置に装着されるアクセサリが前記吸引装置に装着されたことが検出されたことをトリガとして、前記吸引装置が行う無線通信に対する制御を切り替えること、
を実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0156】
1 販売システム
100 吸引装置
110 電源ユニット
111 電源部
112 センサ部
113 通知部
114 記憶部
115 通信部、本体通信部
116 制御部
120 カートリッジ
121 加熱部
122 液誘導部
123 液貯蔵部
124 マウスピース
130 香味付与カートリッジ
131 香味源
140 保持部
141 内部空間
142 開口
143 底部
144 断熱部
150 スティック型基材
151 基材部
152 吸口部
160 フロントパネル
161 通信部、フロントパネル通信部
162 バックパネル
180 空気流路
181 空気流入孔
182 空気流出孔
200 ユーザ端末
300 販売端末
400 サーバ
図1
図2
図3
図4
図5