(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】装置、方法及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 16/28 20090101AFI20250212BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20250212BHJP
H04W 76/15 20180101ALI20250212BHJP
H04W 76/19 20180101ALI20250212BHJP
【FI】
H04W16/28
H04W72/0457 110
H04W76/15
H04W76/19
(21)【出願番号】P 2023086643
(22)【出願日】2023-05-26
(62)【分割の表示】P 2020554842の分割
【原出願日】2018-04-06
【審査請求日】2023-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】コスケラ,ティモ
(72)【発明者】
【氏名】ツルチネン,サムリ
(72)【発明者】
【氏名】コジオル,ダヴィド
(72)【発明者】
【氏名】ウ,チュンリ
(72)【発明者】
【氏名】セビール,ブノワ
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-208792(JP,A)
【文献】CATT,Summary of email discussion on beam failure recovery on SCell,3GPP TSG RAN WG1 #92 R1-1803397,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_92/Docs/R1-1803397.zip>,2018年03月01日
【文献】RAN1,LS reply on beam failure recovery,3GPP TSG RAN WG2 #101 R2-1803981,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_101/Docs/R2-1803981.zip>,2018年03月02日,p.2
【文献】MediaTek Inc.,Summary 2 on Remaing issues on Beam Failure Recovery,3GPP TSG RAN WG1 #92 R1-1803441,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_92/Docs/R1-1803441.zip>,2018年03月01日
【文献】vivo,Discussion on the SCell BFR,3GPP TSG RAN WG2 #101bis R2-1804696,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_101bis/Docs/R2-1804696.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータープログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備えるユーザー機器であって、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、
前記ユーザー機器と基地局との間のセカンダリーセルにおけるビーム障害であるとの判断に応答して、前記セカンダリーセルにおける少なくとも1つの候補ビームの情報を備えるビーム障害回復媒体アクセス制御要素(BFR MAC CE)をサービングセルのネットワークノードに送信することによってビーム回復手順を開始することと、
前記ネットワークノードに前記BFR MAC CEを送信することに応答してタイマーを始動することと、
前記タイマーが満了する前に、ビーム障害肯定応答が前記ネットワークノードから受信されるか否かを判断することと、
を行
い、
前記ビーム障害肯定応答が前記ネットワークノードから受信されずに前記タイマーが満了したときに前記ユーザー機器に前記基地局のセルを作動停止させるように構成される、ユーザー機器。
【請求項2】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記セカンダリーセルにおける前記ビーム障害の情報の送信と同時に前記セカンダリーセルにおける前記少なくとも1つの候補ビームの情報を前記ユーザー機器に送信させるように構成される、請求項1に記載のユーザー機器。
【請求項3】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記タイマーが動作している間、前記セカンダリーセルにおける前記少なくとも1つの候補ビームの情報を前記ユーザー機器に送信させるように構成される、請求項1又は2に記載のユーザー機器。
【請求項4】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記ネットワークノードへ前記セカンダリーセルにおけるN個の候補ビームの情報を前記ユーザー機器に送信させるように構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載のユーザー機器。
【請求項5】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記N個の候補ビームの情報と更新された候補ビーム情報との間で、前記セカンダリーセルにおける前記N個の候補ビームの情報のうちの全ての測定値が変化したとの判断に応答して、前記ネットワークノードへ前記更新された候補ビーム情報を前記ユーザー機器に送信させるように構成される、請求項4に記載のユーザー機器。
【請求項6】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記N個の候補ビームの情報と更新された候補ビーム情報との間で、前記セカンダリーセルにおける前記N個の候補ビームの情報のうちの所定の個数の候補ビーム情報の測定値が変化したとの判断に応答して、前記ネットワークノードへ前記更新された候補ビーム情報を前記ユーザー機器に送信させるように構成される、請求項4に記載のユーザー機器。
【請求項7】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記セカンダリーセルにおいて前記ビーム障害が発生したときに候補ビームがないとの判断に応答して、前記タイマーが動作している間に前記セカンダリーセルにおける少なくとも1つの候補ビームを前記ユーザー機器に探索させるように構成される、請求項1に記載のユーザー機器。
【請求項8】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記探索中に前記セカンダリーセルにおいて少なくとも1つの候補ビームを見つけたことに応答して、前記ユーザー機器に前記タイマーを再始動させ、候補ビーム情報を送信させるように構成される、請求項7に記載のユーザー機器。
【請求項9】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記ネットワークノードが前記基地局のセルを作動停止させたとの判断に応答して前記ユーザー機器に前記タイマーをリセットさせるように構成される、請求項1~8のいずれか1項に記載のユーザー機器。
【請求項10】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記ビーム障害肯定応答が前記ネットワークノードから受信されることに応答して、前記基地局の作動状態を制御するセル作動停止タイマーを始動させ、前記セル作動停止タイマーが満了したときに前記ユーザー機器に前記ビーム回復手順をキャンセルさせるように構成される、請求項1~
9のいずれか1項に記載のユーザー機器。
【請求項11】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記ビーム障害肯定応答が前記ネットワークノードから受信されることに応答して、前記基地局の作動状態を制御するセル作動停止タイマーを始動させ、前記ビーム回復手順の前記開始に応答して前記ユーザー機器に前記セル作動停止タイマーを停止させるように構成される、請求項1~
9のいずれか1項に記載のユーザー機器。
【請求項12】
前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記ユーザー機器において受信されるスケジューリングコマンドの検出に応答して前記ユーザー機器に前記セル作動停止タイマーを再始動させるように構成される、請求項
11に記載のユーザー機器。
【請求項13】
前記基地局は前記ユーザー機器のセカンダリーセルの基地局を含み、前記ユーザー機器はプライマリーセルの基地局とも通信する、請求項1に記載のユーザー機器。
【請求項14】
ユーザー機器と基地局との間のセカンダリーセルにおけるビーム障害であるとの判断に応答して、前記セカンダリーセルにおける少なくとも1つの候補ビームの情報を備えるビーム障害回復媒体アクセス制御要素(BFR MAC CE)をサービングセルのネットワークノードに送信することによってビーム回復手順を開始することと、
前記ネットワークノードに前記BFR MAC CEを送信することに応答してタイマーを始動することと、
前記タイマーが満了する前に、ビーム障害肯定応答が前記ネットワークノードから受信されるか否かを判断することと、
前記ビーム障害肯定応答が前記ネットワークノードから受信されずに前記タイマーが満了したときに前記ユーザー機器に前記基地局のセルを作動停止させることと、
を含む、方法。
【請求項15】
少なくとも、
ユーザー機器と基地局との間のセカンダリーセルにおけるビーム障害であるとの判断に応答して、前記セカンダリーセルにおける少なくとも1つの候補ビームの情報を備えるビーム障害回復媒体アクセス制御要素(BFR MAC CE)をサービングセルのネットワークノードに送信することによってビーム回復手順を開始することと、
前記ネットワークノードに前記BFR MAC CEを送信することに応答してタイマーを始動することと、
前記タイマーが満了する前に、ビーム障害肯定応答が前記ネットワークノードから受信されるか否かを判断することと、
前記ビーム障害肯定応答が前記ネットワークノードから受信されずに前記タイマーが満了したときに前記ユーザー機器に前記基地局のセルを作動停止させることと、
を前記ユーザー機器に実行させる命令を含む、コンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信に関し、より詳細には、無線通信システムにおける装置、方法及びコンピュータープログラムに関する。より詳細には、本開示は、無線通信システムにおけるビーム障害に関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムは、ユーザー端末、機械的端末、基地局及び/又は他のノード等の2つ以上のデバイスの間の通信を、それらの通信デバイスの間で情報を搬送する通信チャネルを提供することによって可能にする設備として見ることができる。通信システムは、例えば、通信ネットワーク及び1つ以上の互換性のある通信デバイスによって提供することができる。
【0003】
無線システムでは、通信の少なくとも一部は、無線インターフェースを介して行われる。無線システムはセルに分割することができ、そのため、セルラーシステムと呼ばれることが多い。基地局は、少なくとも1つのセルを提供することができる。
【0004】
ユーザーは、基地局と通信することが可能な適切な通信デバイス又は端末によって通信システムにアクセスすることができる。ユーザーの通信デバイスは、ユーザー機器(UE:user equipment)と呼ばれることが多い。
【0005】
通信システム及び関連したデバイスは、通常、システムに関連した様々なエンティティが許可された動作及びそれを達成すべき方法を規定した所与の規格又は仕様に従って動作する。
【発明の概要】
【0006】
第1の態様では、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータープログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置が提供され、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、該装置と第2の装置との間の1つ以上の通信ビームの障害であるとの判断に応答して、前記1つ以上の通信ビームの障害の情報を含むメッセージを第3の装置に送信することによってビーム回復手順を開始することと、前記第3の装置に前記メッセージを送信することに応答してタイマーを始動することと、前記タイマーが満了する前に、ビーム障害肯定応答が前記第3の装置から受信されるか否かを判断することとを行うように構成される。
【0007】
一例によれば、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第3の装置へ1つ以上の候補通信ビームの情報を前記装置に送信させるように構成される。
【0008】
一例によれば、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記1つ以上の通信ビームの障害の前記情報の送信と同時に前記1つ以上の候補通信ビームの情報を前記装置に送信させるように構成される。
【0009】
一例によれば、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記タイマーが動作している間、前記1つ以上の候補通信ビームの情報を前記装置に送信させるように構成される。
【0010】
一例によれば、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第3の装置へN個の候補ビームの情報を前記装置に送信させるように構成される。
【0011】
一例によれば、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記N個の候補ビームの全てが変化したとの判断に応答して、前記第3の装置へ更新された候補ビーム情報を前記装置に送信させるように構成される。
【0012】
一例によれば、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記N個の候補ビームの閾値数が変化したとの判断に応答して、前記第3の装置へ更新された候補ビーム情報を前記装置に送信させるように構成される。
【0013】
一例によれば、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記通信ビーム障害が発生したときに候補通信ビームがないとの判断に応答して、前記タイマーが動作している間に少なくとも1つの候補通信ビームを前記装置に探索させるように構成される。
【0014】
一例によれば、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記探索中に少なくとも1つの候補通信ビームを見つけたことに応答して、前記装置に前記タイマーを再始動させ、候補通信ビーム情報を送信させるように構成される。
【0015】
一例によれば、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、ビーム障害肯定応答が前記第3の装置から受信されずに前記タイマーが満了したときに前記装置に前記第2の装置のセルを作動停止させるように構成される。
【0016】
一例によれば、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記第3の装置が前記第2の装置のセルを作動停止させたとの判断に応答して前記装置に前記タイマーをリセットさせるように構成される。
【0017】
一例によれば、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、セル作動停止タイマーが満了したときに前記装置に前記ビーム回復手順をキャンセルさせるように構成される。
【0018】
一例によれば、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記ビーム回復手順の前記開始に応答して前記装置にセル作動停止タイマーを停止させるように構成される。
【0019】
一例によれば、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置において受信されるスケジューリングコマンドの検出に応答して前記装置に前記セル作動停止タイマーを再始動させるように構成される。
【0020】
一例によれば、前記装置はユーザー機器を含み、前記第2の装置は基地局を含み、前記第3の装置は、前記基地局を制御するネットワークノードを含む。
【0021】
一例によれば、前記第2の装置は前記ユーザー機器のセカンダリーセルの基地局を含み、前記装置はプライマリーセルの基地局とも通信する。
【0022】
第2の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータープログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置が提供され、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、ユーザー機器と基地局との間の1つ以上の通信ビームの通信ビーム障害の情報を前記ユーザー機器から受信することと、前記通信ビーム障害の情報の受信の肯定応答を前記ユーザー機器に送信することとを行うように構成される。
【0023】
一例によれば、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、1つ以上の候補ビームの情報を前記装置に受信させるように構成される。
【0024】
一例によれば、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記通信ビーム障害の前記情報の受信と同時に前記1つ以上の候補通信ビームの情報を前記装置に受信させるように構成される。
【0025】
一例によれば、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記1つ以上の候補ビームの情報を受信した後に、前記ユーザー機器から更新された候補ビーム情報を前記装置に受信させるように構成される。
【0026】
一例によれば、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータープログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に前記基地局のセルを作動停止させるように構成される。
【0027】
第3の態様によれば、装置と第2の装置との間の1つ以上の通信ビームの障害であるとの判断に応答して、前記1つ以上の通信ビームの障害の情報を含むメッセージを第3の装置に送信することによってビーム回復手順を開始することと、前記第3の装置にメッセージを送信することに応答してタイマーを始動することと、前記タイマーが満了する前に、ビーム障害肯定応答が前記第3の装置から受信されるか否かを判断することとを含む方法が提供される。
【0028】
一例によれば、前記方法は、1つ以上の候補通信ビームの情報を前記第3の装置に送信することを含む。
【0029】
一例によれば、前記方法は、前記1つ以上の候補通信ビームの情報を、前記1つ以上の通信ビームの障害の前記情報を送信するのと同時に送信することを含む。
【0030】
一例によれば、前記方法は、前記タイマーが動作している間に、前記1つ以上の候補通信ビームの情報を送信することを含む。
【0031】
一例によれば、前記方法は、N個の候補ビームの情報を前記第3の装置に送信することを含む。
【0032】
一例によれば、前記方法は、前記N個の候補ビームの全てが変化したとの判断に応答して更新された候補ビーム情報を前記第3の装置に送信することを含む。
【0033】
一例によれば、前記方法は、前記N個の候補ビームの閾値数が変化したとの判断に応答して、更新された候補ビーム情報を前記第3の装置に送信することを含む。
【0034】
一例によれば、前記方法は、前記通信ビーム障害が発生したときに候補通信ビームがないとの判断に応答して、前記タイマーが動作している間に少なくとも1つの候補通信ビームを探索することを含む。
【0035】
一例によれば、方法は、前記探索中に少なくとも1つの候補通信ビームを見つけたことに応答して、前記タイマーを再始動し、候補通信ビーム情報を送信することを含む。
【0036】
一例によれば、前記方法は、ビーム障害肯定応答が前記第3の装置から受信されずに前記タイマーが満了したときに前記第2の装置のセルを作動停止することを含む。
【0037】
一例によれば、前記方法は、前記第3の装置が前記第2の装置のセルを作動停止したとの判断に応答して前記タイマーをリセットすることを含む。
【0038】
一例によれば、前記方法は、セル作動停止タイマーが満了したときに前記ビーム回復手順をキャンセルすることを含む。
【0039】
一例によれば、前記方法は、前記ビーム回復手順の前記開始に応答してセル作動停止タイマーを停止することを含む。
【0040】
一例によれば、前記方法は、前記装置において受信されるスケジューリングコマンドの検出に応答して前記セル作動停止タイマーを再始動することを含む。
【0041】
一例によれば、前記装置はユーザー機器を含み、前記第2の装置は基地局を含み、前記第3の装置は、前記基地局を制御するネットワークノードを含む。
【0042】
一例によれば、前記第2の装置は前記ユーザー機器のセカンダリーセルの基地局を含み、前記装置はプライマリーセルの基地局とも通信する。
【0043】
第4の態様によれば、少なくとも、装置と第2の装置との間の1つ以上の通信ビームの障害であるとの判断に応答して、前記1つ以上の通信ビームの障害の情報を含むメッセージを第3の装置に送信することによってビーム回復手順を開始することと、前記第3の装置にメッセージを送信することに応答してタイマーを始動することと、前記タイマーが満了する前に、ビーム障害肯定応答が前記第3の装置から受信されるか否かを判断することとを装置に実行させる命令を含むコンピュータープログラムが提供される。
【0044】
第5の態様によれば、少なくとも次のこと、すなわち、装置と第2の装置との間の1つ以上の通信ビームの障害であるとの判断に応答して、前記1つ以上の通信ビームの障害の情報を含むメッセージを第3の装置に送信することによってビーム回復手順を開始することと、前記第3の装置にメッセージを送信することに応答してタイマーを始動することと、前記タイマーが満了する前に、ビーム障害肯定応答が前記第3の装置から受信されるか否かを判断することとを装置に実行させるプログラム命令を含む非一時的コンピューター可読媒体が提供される。
【0045】
第6の態様によれば、ユーザー機器と基地局との間の1つ以上の通信ビームの通信ビーム障害の情報を前記ユーザー機器から受信することと、前記通信ビーム障害の情報の受信の肯定応答を前記ユーザー機器に送信することとを含む方法が提供される。
【0046】
一例によれば、前記方法は、1つ以上の候補ビームの情報を受信することを含む。
【0047】
一例によれば、前記方法は、前記通信ビーム障害の前記情報の受信と同時に前記1つ以上の候補通信ビームの情報を受信することを含む。
【0048】
一例によれば、前記方法は、前記1つ以上の候補ビームの情報を受信した後に、前記ユーザー機器から更新された候補ビーム情報を受信することを含む。
【0049】
一例によれば、前記方法は、前記基地局のセルを作動停止することを含む。
【0050】
第7の態様によれば、少なくとも、ユーザー機器と基地局との間の1つ以上の通信ビームの通信ビーム障害の情報を前記ユーザー機器から受信することと、前記通信ビーム障害の情報の受信の肯定応答を前記ユーザー機器に送信することとを装置に実行させる命令を含むコンピュータープログラムが提供される。
【0051】
第8の態様によれば、少なくとも次のこと、すなわち、ユーザー機器と基地局との間の1つ以上の通信ビームの通信ビーム障害の情報を前記ユーザー機器から受信することと、前記通信ビーム障害の情報の受信の肯定応答を前記ユーザー機器に送信することとを装置に実行させるプログラム命令を含む非一時的コンピューター可読媒体が提供される。
【0052】
第9の態様によれば、装置であって、該装置と第2の装置との間の1つ以上の通信ビームの障害であるとの判断に応答して、前記1つ以上の通信ビームの障害の情報を含むメッセージを第3の装置に送信することによってビーム回復手順を開始する手段と、前記第3の装置に前記メッセージを送信することに応答してタイマーを始動する手段と、前記タイマーが満了する前に、ビーム障害肯定応答が前記第3の装置から受信されるか否かを判断する手段とを備える、装置が提供される。
【0053】
一例によれば、前記装置は、1つ以上の候補通信ビームの情報を前記第3の装置に送信する手段を備える。
【0054】
一例によれば、前記装置は、前記1つ以上の候補通信ビームの情報を、前記1つ以上の通信ビームの障害の前記情報を送信するのと同時に送信する手段を備える。
【0055】
一例によれば、前記装置は、前記タイマーが動作している間に、前記1つ以上の候補通信ビームの情報を送信する手段を備える。
【0056】
一例によれば、前記装置は、N個の候補ビームの情報を前記第3の装置に送信する手段を備える。
【0057】
一例によれば、前記装置は、前記N個の候補ビームの全てが変化したとの判断に応答して更新された候補ビーム情報を前記第3の装置に送信する手段を備える。
【0058】
一例によれば、前記装置は、前記N個の候補ビームの閾値数が変化したとの判断に応答して、更新された候補ビーム情報を前記第3の装置に送信する手段を備える。
【0059】
一例によれば、前記装置は、前記通信ビーム障害が発生したときに候補通信ビームがないとの判断に応答して、前記タイマーが動作している間に少なくとも1つの候補通信ビームを探索する手段を備える。
【0060】
一例によれば、前記装置は、前記探索中に少なくとも1つの候補通信ビームを見つけたことに応答して、前記タイマーを再始動し、候補通信ビーム情報を送信する手段を備える。
【0061】
一例によれば、前記装置は、ビーム障害肯定応答が前記第3の装置から受信されずに前記タイマーが満了したときに前記第2の装置のセルを作動停止する手段を備える。
【0062】
一例によれば、前記装置は、前記第3の装置が前記第2の装置のセルを作動停止したとの判断に応答して前記タイマーをリセットする手段を備える。
【0063】
一例によれば、前記装置は、セル作動停止タイマーが満了したときに前記ビーム回復手順をキャンセルする手段を備える。
【0064】
一例によれば、前記装置は、前記ビーム回復手順の前記開始に応答してセル作動停止タイマーを停止する手段を備える。
【0065】
一例によれば、前記装置は、前記装置において受信されるスケジューリングコマンドの検出に応答して前記セル作動停止タイマーを再始動する手段を備える。
【0066】
一例によれば、前記装置はユーザー機器を含み、前記第2の装置は基地局を含み、前記第3の装置は、前記基地局を制御するネットワークノードを含む。
【0067】
一例によれば、前記第2の装置は前記ユーザー機器のセカンダリーセルの基地局を含み、前記装置はプライマリーセルの基地局とも通信する。
【0068】
第10の態様によれば、ユーザー機器と基地局との間の1つ以上の通信ビームの通信ビーム障害の情報を前記ユーザー機器から受信する手段と、前記通信ビーム障害の情報の受信の肯定応答を前記ユーザー機器に送信する手段とを備える装置が提供される。
【0069】
一例によれば、前記装置は、1つ以上の候補ビームの情報を受信する手段を備える。
【0070】
一例によれば、前記装置は、前記通信ビーム障害の前記情報の受信と同時に前記1つ以上の候補通信ビームの情報を受信する手段を備える。
【0071】
一例によれば、前記装置は、前記1つ以上の候補ビームの情報を受信した後に、前記ユーザー機器から更新された候補ビーム情報を受信する手段を備える。
【0072】
一例によれば、前記装置は、前記基地局のセルを作動停止する手段を備える。
【0073】
次に、以下の例及び添付図面を参照して幾つかの実施形態を単なる例として更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【
図4】第1の基地局及び第2の基地局と通信するユーザー機器を概略的に示す図である。
【
図5A】ビーム障害検出構成を概略的に示す図である。
【
図5B】ビーム障害検出構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
例を詳細に説明する前に、説明する例の基礎をなす技術の理解を助けるために、無線通信システム及びモバイル通信デバイスの或る特定の一般原理を
図1及び
図2を参照して簡潔に説明する。
【0076】
図1に示すような無線通信システム100では、無線通信デバイス、例えば、ユーザー機器(UE)又はMTCデバイス102、104、105には、少なくとも1つの基地局又は同様の無線送信及び/又は無線受信を行う無線インフラストラクチャノード又は無線ポイントを介して無線アクセスが提供される。そのようなノードは、例えば、基地局若しくはeNodeB(eNB)とすることもできるし、5Gシステムでは、次世代NodeB(gNB)とすることもできるし、他の無線インフラストラクチャノードとすることもできる。これらのノードは、一般に基地局と呼ばれる。これらの基地局は、通常、その動作及び当該基地局と通信するモバイル通信デバイスの管理を可能にするように、少なくとも1つの適切なコントローラー装置によって制御される。コントローラー装置は、無線アクセスネットワーク(例えば、無線通信システム100)又はコアネットワーク(CN:core network)(図示せず)に配置することができ、1つの中央装置として実施することもできるし、その機能を幾つかの装置にわたって分散させることもできる。コントローラー装置は、基地局の一部とすることができ、及び/又は、無線ネットワークコントローラー等の別個のエンティティによって提供することができる。
図1には、それぞれのマクロレベル基地局106及び107を制御する制御装置108及び109が示されている。幾つかのシステムでは、制御装置は、上記に加えて又は上記に代えて、無線ネットワークコントローラー内に設けることができる。無線アクセスシステムの他の例としては、5G若しくは新無線、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN:wireless local area network)及び/又はWiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access(マイクロ波アクセスのための世界的な相互運用性))等の技術に基づくシステムの基地局によって提供されるものがある。基地局は、セル全体又は同様の無線サービスエリア全体のカバレッジを提供することができる。
【0077】
図1では、基地局106及び107は、ゲートウェイ112を介してより広い通信ネットワーク113に接続されたものとして示されている。別のネットワークに接続するために、更なるゲートウェイ機能を設けることができる。
【0078】
より小さな基地局116、118及び120も、例えば、別個のゲートウェイ機能によって及び/又はマクロレベル局のコントローラーを介してネットワーク113に接続することができる。基地局116、118及び120は、ピコレベル又はフェムトレベルの基地局等とすることができる。この例では、局116及び118はゲートウェイ111を介して接続される一方、局120はコントローラー装置108を介して接続する。幾つかの実施形態では、より小さな局は設けられない場合がある。
【0079】
図1には、ビーム119がUE104と基地局120との間に概略的に示されている。ビームは、リンク、例えば、無線リンク又は通信リンクとも呼ばれる場合がある。ビーム119はチャネルを含むことができる。例えば、ビーム119は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:physical downlink control channel)を送信するのに用いられるアンテナ放射パターンを含むことができる。
【0080】
次に、通信デバイス200の概略部分断面図を示す
図2を参照して、可能な無線通信デバイスをより詳細に説明する。そのような通信デバイスは、多くの場合、ユーザー機器(UE)又はユーザー端末と呼ばれる。適切なモバイル通信デバイスは、無線信号を送信及び受信することが可能な任意のデバイスによって提供することができる。非限定的な例として、モバイル局(MS:mobile station)又はモバイルデバイスがあり、モバイルデバイスには、モバイルフォン若しくは「スマートフォン」として知られているもの、無線インターフェースカード若しくは他の無線インターフェース設備(例えば、USBドングル)が設けられたコンピューター、無線通信能力が提供されたパーソナルデータアシスタント(PDA:personal data assistant)若しくはタブレット、又はこれらのもの若しくは類似のものの任意の組み合わせ等がある。モバイル通信デバイスは、例えば、音声、電子メール(email)、テキストメッセージ、マルチメディア等の通信を搬送するデータの通信を提供することができる。ユーザーは、したがって、自身の通信デバイスを介して非常に多くのサービスの供与及び提供を受けることができる。これらのサービスの非限定的な例として、2方向通話若しくは多方向通話、データ通信サービス若しくはマルチメディアサービス、又はインターネット等のデータ通信ネットワークシステムへの単純なアクセスがある。ユーザーには、ブロードキャストデータ又はマルチキャストデータも提供することができる。コンテンツの非限定的な例として、ダウンロード、テレビ番組及びラジオ番組、ビデオ、広告、様々なアラート、並びに他の情報がある。
【0081】
無線通信デバイスは、例えば、モバイルデバイス、すなわち、特定のロケーションに固定されていないデバイスとすることもできるし、静止したデバイスとすることもできる。無線デバイスは、通信用のヒューマンインタラクションを必要とする場合もあるし、通信用のヒューマンインタラクションを必要としない場合もある。本教示において、用語「UE」又は「ユーザー」は、任意のタイプの無線通信デバイスを指すのに用いられる。
【0082】
無線デバイス200は、無線信号を受信する適切な装置を介して空中若しくは無線インターフェース207で信号を受信することができ、無線信号を送信する適切な装置を介して信号を送信することができる。
図2には、送受信機装置がブロック206によって概略的に示されている。送受信機装置206は、例えば、無線部分及び関連したアンテナ機構によって提供することができる。アンテナ機構は、無線デバイスの内部又は外部に配置することができる。
【0083】
無線デバイスには、通常、少なくとも1つのデータ処理エンティティ201と、少なくとも1つのメモリ202と、当該無線デバイスが実行するように設計されたタスクの、ソフトウェア及びハードウェアの支援を受けた実行に用いられる他の可能な構成要素203とが設けられる。これらのタスクには、アクセスシステム及び他の通信デバイスへのアクセスの制御及びそれらとの通信が含まれる。データ処理装置、記憶装置及び他の関連のある制御装置は、適切な回路基板上及び/又はチップセット内に設けることができる。この特徴部は参照符号204によって示されている。ユーザーは、キーパッド205、音声コマンド、タッチスクリーン若しくはタッチパッド、又はそれらのもの若しくは同様のものの組み合わせ等の適したユーザーインターフェースによって無線デバイスの動作を制御することができる。ディスプレイ208、スピーカー及びマイクロフォンも設けることができる。さらに、無線通信デバイスは、他のデバイスへの、及び/又は、外部アクセサリー、例えば、ハンズフリー機器を当該無線通信デバイスに接続するための適切なコネクター(有線又は無線のいずれか)を備えることができる。通信デバイス102、104、105は、様々なアクセス技法に基づいて通信システムにアクセスすることができる。
【0084】
図3は、例えば、RANノード等のアクセスシステムの局に結合された、及び/又は、そのような局を制御するための通信システムの制御装置の一例を示している。このような局は、例えば、基地局、gNB、MME若しくはS-GW等のクラウドアーキテクチャの中央ユニット若しくはコアネットワークのノード、スペクトル管理エンティティ等のスケジューリングエンティティ、又はサーバー若しくはホストである。制御装置は、コアネットワーク又はRANのノード又はモジュールと一体化することもできるし、それらのノード又はモジュールの外部のものとすることもできる。幾つかの実施形態では、基地局は、別個の制御装置ユニット又は制御装置モジュールを備える。他の実施形態では、制御装置は、無線ネットワークコントローラー又はスペクトルコントローラー等の別のネットワーク要素とすることができる。幾つかの実施形態では、各基地局は、そのような制御装置及び無線ネットワークコントローラー内に設けられた制御装置を有することができる。制御装置300は、システムのサービスエリア内の通信に対する制御を提供するように構成することができる。制御装置300は、少なくとも1つのメモリ301、少なくとも1つのデータ処理ユニット302、303及び入力/出力インターフェース304を備える。このインターフェースを介して、制御装置は、基地局の受信機及び送信機に結合することができる。この受信機及び/又は送信機は、無線フロントエンド又はリモート無線ヘッドとして実施することができる。例えば、制御装置300又はプロセッサ201は、制御機能を提供する適切なソフトウェアコードを実行するように構成することができる。
【0085】
gNBの論理アーキテクチャは、中央ユニット(CU:central unit)及び分散ユニット(DU:distributed unit)の分割(CU/DU分割)を含むことができる。CUは、ユーザーデータの転送、移動度制御、無線アクセスネットワーク共有、測位、セッション管理等のgNB機能を含むことができる論理ノードである。他の機能をDUに割り当てることができる。幾つかの例では、DUはCUによって制御される。CUとDUとの間で機能を分割する方法は、実施態様間で変化し得る。
【0086】
3GPPでは現在、ビーム(又はリンク)障害回復手順が指定されている。ビーム回復は、リンク再構成と呼ばれる場合もある。ビーム回復の目的は、1つ又は複数のサービング制御チャネル(PDCCH)リンクがいつ障害状態にあるとみなされるのか及びいつリンクを回復したとみなされるのかを検出することである。リンクを回復するために、UEは、障害を示すシグナリングをネットワークに向けて開始することができる。可能性のある新たなリンク(ビーム)は、候補リンク(候補ビーム)と呼ばれる場合がある。UEから受信されたビーム障害回復要求に対する応答として、ネットワークは、新たなPDCCHリンクを用いてUEを構成することができる。ビーム回復は、3GPPによって仕様38.213及び38.321に指定されている。
【0087】
ビーム障害に関連し得る幾つかの態様及び術語を以下で論述する。
【0088】
ビーム障害検出RS(reference signals(基準信号))
ネットワークは、リンクの品質を監視する基準信号のセットを用いてUEを構成する。このセットは、「q0」又は「ビーム障害検出RS」若しくはBFD-RSと呼ばれる場合がある。通常、BFD-RS(複数の場合もある)は、PDCCH DMRS(demodulation reference signal(復調基準信号))と空間的にQCL(quasi co-located(疑似コロケーション))されるように構成されている。すなわち、これらの基準信号は、PDCCHを送信するのに用いられるダウンリンクビームに対応する。ダウンリンクビームは、SS/PBCH(synchronization sequences/physical broadcast channel(同期シーケンス/物理ブロードキャストチャネル))ブロックインデックス又はCSI-RS(channel state information reference signal(チャネル状態情報基準信号))リソースインデックスのいずれかの基準信号によって識別することができる。ネットワークは、RRC(radio resource control(無線リソース制御))シグナリングを用いてBFD-RSリストを構成することもできるし、RRCシグナリング及びMAC CEシグナリングを組み合わせたものを用いてBFD-RSリストを用いる方法を定めることも可能であり得る。この場合、MAC CEは、RRC構成されたリソースのセット又はサブセットをBFD-RSとして作動するのに用いることができる。
【0089】
UEは、BFD-RSリストを用いて明示的に構成されないとき、BFD-RSリソースを暗黙的に決定することができる。例えば、UEは、CORESETごとに、構成/表示/作動されたPDCCH-TCI(transmission configuration indication(送信構成表示))状態に基づいてBFD-RSリソース、すなわち、PDCCH DMRSと空間的にQCLされたダウンリンク基準信号(CSI-RS、SS/PBCHブロック)、換言すれば、PDCCHビームを暗黙的に決定することができる。作動されたTCI状態(PDCCHを監視するためにUEによって用いられる)は、ビーム障害検出用と考えられるが、PDCCHの全てのTCI状態に基づいて障害を判断することは本開示によって除外されない。
【0090】
ビーム障害の宣言
物理レイヤは、無線リンクの品質を(q0のセット内のBFD-RSに基づいて)周期的に評価することができる。評価は、BFD-RSごとに行うことができる。ビーム障害検出セット内の各BFD-RSの無線リンク状態が障害状態にあるとみなされるとき、例えば、RSを用いて推定された仮想PDCCH BLER(block error rate(ブロックエラーレート))が、構成された閾値を越えているとき、ビーム障害インスタンス(BFI:beam failure instance)表示が上位レイヤ(MAC)に提供される。BLER閾値の1つの例は、無線リンク監視OOS/Qout=10%に用いられる同期外れ閾値とすることができる。評価及び表示は、周期的に行うことができる。少なくとも1つのBFD-RSが障害状態にない場合には、表示は上位レイヤに提供されない。
【0091】
MACレイヤは、PHY(物理)レイヤからのBFI表示をカウントするカウンターを実装することができ、BFIカウンターが最大値又は閾値(ネットワークによって構成することができる)に達した場合には、ビーム障害を宣言することができる。このカウンターは、タイマーによって又はタイマーを用いて管理又は監視されるように構成することができる。例えば、MACが下位レイヤからBFI表示を受信するごとに、タイマーは(再)始動される。タイマーが満了すると、BFIカウンターはリセットされる(カウンター値が0に設定される)。これに代えて又はこれに加えて、タイマーは、ビーム障害回復手順を管理するように構成することもできる。タイマーは、ビーム障害を検出すると始動することができ、タイマーが満了すると、UEはビーム障害回復が不成功であると宣言する。タイマーが動作している間、UEはリンクの回復を試行することができる。
【0092】
候補RS(ビーム)リスト
ネットワークは、専用信号を用いて示すことができる回復のための候補RSのリストをUEに提供することができる。例えば、候補ビームL1-RSRP(reference signal received power(基準信号受信電力))測定値をMACレイヤに提供することができ、MACレイヤは、新たな候補の選択を行い、新たな候補をネットワークに示すアップリンクリソースを決定することができる。ネットワークは、候補ビーム固有の専用シグナリングリソース(例えば、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:physical random access channel)リソースのセット)を用いてUEを構成することができる。例えば、UEは、プリアンブルを送信することによって新たな候補を示すことができる。
【0093】
ビーム障害回復要求
ビーム障害回復手順は、UEがビーム障害を宣言し、UEがL1(レイヤ1)測定値(例えば、L1-RSRP)に基づいて単数又は複数の新たな候補ビームを検出した場合に開始することができる。専用信号は、候補-ビーム-RS-リスト内の候補RSごとに構成することができる。新たな候補(L1-RSRP測定値に基づく)のいずれかが閾値を越えている場合に、それらの候補を専用信号(セットq1内のリソースのセット)を用いて示すことができるように特定の閾値を構成することができる。指定された信号は、例えば、ビーム障害回復(BFR:beam failure recovery)用のBFRリソース又はCFRA(Contention Free Random Access(非競合ランダムアクセス))リソースと呼ぶことができるPRACHプール(又はPRACHプリアンブル信号リソースセット又は別個のプリアンブルリソース構成)からのものとすることができる。ビーム回復手順は、送信されたプリアンブルに対するgNB応答に関してランダムアクセス(RA:Random Access)手順と僅かに異なることに留意されたい。UEは、専用信号を用いて示すことができる候補のセットから候補ビームを選択し、(RSRP等の信号品質に関して)構成された閾値を超える候補ビームがない場合には、UEは、競合ベースのシグナリングを利用して新たな候補を示すことができる(CBRA(contention based random access(競合ベースのランダムアクセス))プリアンブルリソースが、特定のダウンリンクRS、例えば、SS/PBCHブロック/CSI-RSにマッピングされる)。上述した選択閾値は、RSRP閾値として構成することができる。RSRQ、SINR、BLER等の他の閾値も用いることができる。
【0094】
UEは、ビーム回復応答ウィンドウ(RARウィンドウと同様のもの)の間に、回復信号を送信するのに用いられたものと同じビームアライメントを用いて(すなわち、TXに用いられたものと同じビーム方向/空間フィルター/アンテナパターンがRXに用いられる)、BFRR(又はBFRQ)に対するネットワーク応答を監視することができる。UEは、ネットワークが、示されたダウンリンク基準信号と空間的にQCLされたビームを用いて応答を提供すると予想することができる。
【0095】
非競合シグナリングがビーム回復目的に用いられる場合には、UEは、CFRA(contention free random access(非競合ランダムアクセス))手順が用いられるときに、ネットワークが、RA-RNTI(random access-RNTI(ランダムアクセス-RNTI))の代わりにC-RNTI(cell-RNTI(セル-RNTI))を用いて当該UEに応答すると予想することができる。CBRAリソースが用いられる場合には、UEは、通常通り、RA手順における応答を予想する。
【0096】
現在、ビーム障害回復(BFR)又はリンク再構成手順は、プライマリーセル(Pcell)とセカンダリーセル(Scell)との間で異ならず、サービングセルに適用することができる。これは、Scellも対応するアップリンクキャリアを有する場合にも適用することができる。UEが、競合ベースのRACH構成を有する対応するULキャリアを有する場合には、現在のBFR/リンク再構成手順を直接適用することができる。Pcell及びScellの存在は、キャリアアグリゲーションを用いて構成されたUEが存在するときに起こり得る。UEは、2重接続又は多重接続を用いて接続することもでき、PCellは、セカンダリーノード(SN:secondary node)においてPSCellと呼ばれる場合がある。より一般的には、PCell/PSCell又はSCellは、サービングセルと呼ぶことができる。
【0097】
図4は、第1の基地局418及び第2の基地局420に接続されたUE404の一例を示している。例えば、基地局418は、MN(Master Node(マスターノード))を含むことができ、第2の基地局420は、SN(セカンダリーノード)を含むことができる。換言すれば、基地局418は、プライマリーセルの基地局を含むことができ、基地局420は、セカンダリーセルの基地局を含むことができる。UE404は、基地局418及び基地局420と2重接続することができる。UE404は、基地局418及び基地局420とキャリアアグリゲーションを実行している場合がある。基地局418及び基地局420は、2重接続又はキャリアアグリゲーションでUE404をサービングする1つの基地局のみから構成することもできることが理解されるべきである。通信ビーム又はリンク419が、UE404と基地局418との間に概略的に示されている。通信ビーム又はリンク421が、UE404と基地局420との間に概略的に示されている。ビーム419及び/又はビーム421は、障害を有する場合もあるし、遮断される場合もあることが分かる。これは、例えば、干渉、突然の障害物等に起因する場合がある。本明細書に開示された幾つかの例は、UE404とセカンダリー基地局420との間のビーム421が障害を有するか又は遮断される状況を取り扱う。UEのタイマーは、405に概略的に示されている。
【0098】
図5Aは、コンポーネントキャリアにわたるBFD-RSの空間QCLが仮定される(CSI-RS、SS/PBCHブロック)シナリオを考慮したBFD-RS構成選択肢を示している。
図5Aに概略的に示されるように、DL/ULを有するPCell(PCellはダウンリンク及びアップリンクの双方を有する)530と、DLのみを有するScell1(Scellはアップリンクを有しない)(すなわち、第1のSCell)532と、DLのみを有するScell2(すなわち、第2のScell)534とがある。CSI-RSシンボル536は、Pcell BFD-RSビーム530に対応し、CSI-RSシンボル538は、Scell1 BFD-RSビーム532に対応し、CSI-RSシンボル540は、Scell2 BFD-RSビーム534に対応する。
【0099】
クロスキャリア空間QCLがPCell及びScell(複数の場合もある)BFD-RSについて有効である
図5Aの例によれば、ビーム障害は、PCellのBFD-RSリソース(CSI-RS、SS/PBCHブロック)において検出することができ、リンク品質を評価するのに用いられる基準信号の空間QCL仮定に起因して、全てのSCell(複数の場合もある)がビーム障害状態にあることを暗黙的に意味する可能性がある。
【0100】
他方、BFD-RSの空間QCL仮定がキャリアにわたって有効でない場合には(
図5B参照)、UEは、ビーム障害を検出することができるとともに、各サービングセルの回復を個別に実行することができる必要がある。
図5Bに概略的に示すように、PCell DL/ULセル542があり、Scell1がDLセル532である。すなわち、
図5Aに示すようなScell2は存在しない。CSI-RSシンボル546はPcell BFD-RSビーム542に対応し、CSI-RSシンボル548はScell1 BFD-RSビーム544に対応する。
【0101】
図5Bのシナリオは、例えば、PcellがScellと異なる周波数範囲に配置されているときに起こり得る。例えば、Pcellは、FR1(周波数範囲1、すなわち6GHz未満)に配置される場合があり、SCellは、FR2(6GHzよりも大きい)にダウンリンクのみであるように構成される場合がある。或いは、PCell及びScellの双方は、同じFRにおいて動作する場合があるが、PDCCH TCI構成(セル固有である)に起因して、BFD-RS検出リソースが異なる場合がある。すなわち、Pcell及びSCellの障害の間の対応関係が存在しない場合がある。後者は、特に、複数の送信/受信ポイント(TRP:Transmission/Reception Points)を有するセルが配備される場合に起こり得る。
【0102】
一般性を失うことなく、
図5A及び
図5Bは、SCellがダウンリンクのみを有するキャリアアグリゲーションの可能な構成のサブセットを示している。本開示は、そのような場合にのみ限定されるものではない。すなわち、SCellは、アップリンクも有する場合がある。PCell及びSCellは上記で論述したが、サービングセルのみを指し、例えば、PCellが障害を有し、SCellをPCellの回復に用いることができるときに、SCell障害及びPCell回復の場合と同様の方法で上記例を用いることができると仮定することが可能である。SCellは、アップリンクを有する場合もあるし、有しない場合もあり、アップリンクがSCell用に構成された場合には、このアップリンクは、PCellアップリンクと同様の方法で用いられる場合もあるし、用いられない場合もある。一例として、CFRA信号は、SCellアップリンク用に構成することができるが、構成されたCBRAリソースを有しない場合がある。すなわち、ビーム障害回復は、PCellと同様の方法で動作しない場合がある。この場合には、SCellは、そのそれぞれのアップリンク上でCFRAリソースを用いて候補を示すことができない場合には、PCellアップリンクを用いて障害/回復を示すことが必要となる場合があり、その場合には、MAC CE等の他のシグナリングメカニズムを用いることが必要となる場合がある。また、SCell CFRA信号がPCellアップリンク上で構成される場合がある。
【0103】
本発明者らは、UEがSCellにおいてBFR手順をトリガーし、SCell BFR MAC CE又はCFRA/CBRAプリアンブル(複数の場合もある)をネットワーク(NW:network)にシグナリングしたときに、この手順はどのようにして終了されるのか、例えば、この手順はどのようにして管理されるのかが確立されていないという問題があることを確認した。本発明者らは、MAC CEが、RLC ARQ(radio link control automatic repeat request(無線リンク制御自動再送要求))プロトコルによって保護もカバーもされず、物理/MACレイヤにおけるHARQ(Hybrid ARQ(ハイブリッドARQ))のみを用いて保護又はカバーされるので、MAC CEがNWに到達するか否かをUEが確実に判断することができないことも確認した。
【0104】
幾つかの例によれば、UEは、サービングセルの回復のためのビーム障害回復要求(BFRR:beam failure recovery request)メッセージを送信した後にタイマーを開始する。BFRRは、MAC CEに含めることができる。MAC CEは、追加される少なくとも1つの候補ビームの情報、すなわち、障害を受けたビームに取って代わる候補ビームと呼ばれるものの情報も含むことができる。したがって、幾つかの例では、UEによって送信される情報は、MAC CE内に示された少なくとも1つの候補ビームを有するScell BFRR MAC CEを含むことができる。
【0105】
1つの例によれば、タイマーが動作しているとき、UEは候補ビーム情報をネットワークに送信する。候補ビーム情報は、ネットワークに周期的に送信することができる。タイマーが満了する前に、UEがビーム障害回復肯定応答及び/又は新たなビーム情報をネットワークから受信していないとUEによって判断された場合には、UEは、ビーム障害に関連したセルを作動停止する。例えば、タイマーが満了する前に、UEが、Scellの新たなBFD-RS及び/又はPDCCH TCI状態構成を受信しない場合には、UEは、Scellを作動停止することができる。作動停止に起因して、UEは、SCell PDCCHの監視を停止することができ、現在指定されているようにアップリンク送信(制御/データ)を開始しない。幾つかの例では、セルの「作動停止」は、セルへの接続が切断されるが、構成は必ずしも喪失されないことを意味することができる。
【0106】
別の例によれば、タイマーが満了する前に、UEがビーム障害回復要求肯定応答及び/又は新たなビーム情報をネットワークから受信していないとUEによって判断された場合には、UEは、候補ビーム情報(例えば、MAC CE内に示された少なくとも1つの候補ビームを有するMAC CE)をネットワークに再送信する。例えば、タイマーが満了する前に、UEがSCellの新たなBFD-RS及び/又はPDCCH TCI状態構成を受信していない場合には、UEは、更新された候補情報を有するSCell BFRR MAC CEを再送信する。すなわち、幾つかの例では、再送信されたMAC CEにおける候補ビーム情報は、最初に(又は以前に)送信されたMAC CEと比較して異なる場合がある。すなわち、幾つかの例では、UEは、タイマーが動作している間に、更新された候補ビーム情報をネットワークに送信することができる。幾つかの例では、候補情報が変化したとUEによって判断された場合には、UEは、タイマーが動作している状態においてScell BFRR MAC CEを示すことができると考えることができる。1つの例では、UEが、報告(例えば、MAC CE)に複数の候補を含めていた場合には、全ての候補又は(N-x)個の候補が変化した場合にのみ、更新された候補情報がネットワークに送信される。ここで、Nは、示された候補の数であり、xは、構成された数又は所定の数である。したがって、(N-x)は、幾つかの例では閾値と考えることができる。別の例では、報告された最も高いRSRP値が、新たな測定値に基づいて値Y(すなわち、対数スケールにおけるデシベル又は線形スケールにおけるワットとして表すことができる閾値量)だけ変化した場合に、UEは、ネットワーク構成に従って新たなMAC CEをトリガーして報告を行う。Yは、幾つかの例では、構成可能とすることができる。
【0107】
幾つかの例によれば、UEが、障害を受けたSCellの新たなBFD-RS及び/又はPDCCH TCI状態構成を受信すると、タイマー及び候補の報告が停止される。別の例では、ネットワークは、ビーム障害のUE表示に対する応答として明示的なシグナリング(新たな候補又は無候補のいずれかを有する)によってSCellを作動停止する。UEは、これをSCell BFRの完了成功と判断することができる。
【0108】
幾つかの例によれば、UEは、障害を受けたビームに取って代わるのに利用可能な候補ビームがない状況を取り扱うようにも構成される。これが行われるとき、UEは、ネットワークに「無候補」を示すことができる。例えば、この表示は、MAC CEにおいて提供することができる。MAC CEの送信(又はMAC CEの送信に成功したとの判断)によって、タイマーを再び開始することができる。そのような例では、タイマーが動作している間、UEは、Scellにおいて新たな候補を見つけることを試みる。新たな候補がUEによって見つけられた場合には、タイマーはキャンセル又はリセットされ、MAC CEは、新たな候補ビーム情報とともに再送信することができる(その結果、タイマーを再び始動させることができる)。幾つかの例では、Scellの新たな候補ビームは、Scellにおける新たなCSI-RS/SSブロックのRRCレベル再構成及びScellにおける測定値によって見つけることができる。幾つかの例では、これは、L1が新たな測定値を提供し、候補ビームを示す前には、MACレイヤには見えない場合がある。或いは、幾つかの例では、新たなPDCCH-TCI状態がMAC CEによって構成及び/又は作動されると、タイマーをキャンセルすることができる。タイマーが満了すると、Scellを作動停止することができる。幾つかの例では、ネットワークによる明示的なScellの作動停止も、タイマー(タイマーT1と呼ぶことができる)をキャンセルする。
【0109】
1つの例によれば、ネットワーク(gNB)が、障害を受けたSCellを作動停止するとき、UEは、ビーム障害回復手順が完了したと判断する。UEは、SCell BFR MAC CEを送信する手順又はCFRA/CBRAプリアンブルを送信する任意のランダムアクセス手順を停止する。
【0110】
幾つかの例によれば、ビーム障害回復手順が開始されたときのセル作動停止タイマーのハンドリングが考慮される。セル作動停止タイマーは、sCellDeactivationTimerと呼ばれる場合がある。sCellDeactivationTimerは、UEにおいてSCellの作動状態を制御するMAC仕様における現時点のタイマーである。sCellDeactivationTimerが満了した場合には、SCellは作動停止される。その結果、幾つかの例では、共存する2つ(又は3つ以上)のタイマーが存在し得る。第1のタイマー(T1)は、上述したように、ネットワークへのビーム障害報告の送信に応答して始動されるタイマーとすることができる。幾つかの例では、第2のタイマー(T2)がsCellDeactivationTimerである。1つの例示の選択肢では、sCellDeactivationTimerの満了は、BFR手順をキャンセル/停止する。1つの例では、これは、タイマーT1の代替の実施態様として考慮することができる。別の例示の選択肢では、sCellDeactivationTimerタイマーは、UEがBFRR(プリアンブル又はMAC CE)を送信するときに停止される(一時停止又はリセットを含むことができる)。これは、幾つかの例では、NWがUEのスケジューリングを試みた場合であっても、UEは障害を受けたサービングセルにおいてそのスケジューリングコマンドを復号化することができない場合があるので、sCellDeactivationTimerがUEにおいて再始動しないからである。幾つかの例では、sCellDeactivationTimerは、ビーム障害回復の完了に成功した後にのみ再始動することができる。或いは、sCellDeactivationTimerは、障害を受けたサービングセルにおけるPDCCHがスケジューリングコマンド(すなわち、アップリンク許可又はダウンリンク割り当て)を示した場合のみ再始動される。
【0111】
図6は、一例による方法を示すフローチャートである。もちろん、他の例では、この方法は異なり得ることが理解されるであろう。
【0112】
S1において、UEが、通信ビーム障害があると判断する。ビーム障害は、前述した手段によって、例えば、BFD-RSが障害状態にあるとみなされたときを判断することによって、判断/検出することができる。例えば、障害は、UEとセカンダリー基地局との間の通信ビームの障害である場合があり、この場合、UEは、プライマリー基地局及びセカンダリー基地局と通信していたことになる(例えば、キャリアアグリゲーションを実行していた)。
【0113】
S2において、UEは、通信ビーム障害を示すメッセージをネットワークノードに送信する。例えば、このメッセージは、アップリンクを用いてサービングセルに送信することができる。
【0114】
S3において、UEはタイマーを始動する。幾つかの例では、タイマーは、通信ビーム障害を示すメッセージをネットワークに送信するのと同時に又はほぼ同時に始動される。
【0115】
S4において、UEは、障害を受けた通信ビームに取って代わる候補通信ビームの情報をネットワークノードに送信する。幾つかの例では、S4は、S2に含めることができる。すなわち、UEは、通信ビーム障害を示す情報及び候補通信ビームの情報をともに送信することができる。
【0116】
S5において、肯定応答がネットワークノードから受信されたか否かの判断がUEによって行われる。これは、S2において送信された情報又はS4において送信された情報の肯定応答とすることができる。
【0117】
肯定応答が受信されない場合には、方法はS6に進み、S6において、タイマーが満了したか否かが判断される。
【0118】
タイマーが満了した場合(すなわち、タイマーが満了し、肯定応答がない場合、すなわち、新たなTCI状態又は作動停止状態の場合)には、方法はS7に進み、S7において、UEはセルを作動停止する。例えば、UEは、ビーム障害に関連したセカンダリー基地局との接続を作動停止する。
【0119】
タイマーが満了していない場合には、方法はS2及び/又はS4にループバックすることができる。
【0120】
S5において、肯定応答がネットワークノードからUEにおいて受信されたと判断された場合には、方法はS8に進むことができ、S8において、UEは、候補通信ビームの1つ以上を用いて新たな接続を開始することができる。候補通信ビームの1つ以上は、UEと通信ビーム障害に関連した基地局との間のものとすることもできるし、UEと新たな基地局との間のものとすることもできる。
【0121】
図7は、一例による方法のフローチャートである。
図7の方法は、装置、例えば、ユーザー機器の視点から見たものである。
【0122】
S1において、方法は、装置と第2の装置との間の1つ以上の通信ビームの障害の判断に応答して、メッセージを第3の装置に送信することによってビーム回復手順を開始することを含む。このメッセージは、1つ以上の通信ビームの障害の情報を含む。
【0123】
S2において、方法は、メッセージを第3の装置に送信することに応答してタイマーを始動することを含む。
【0124】
S3において、方法は、タイマーが満了する前に、ビーム障害肯定応答が第3の装置から受信されたか否かを判断することを含む。
【0125】
図8は、一例による方法のフローチャートである。
図8の方法は、装置、例えば、ネットワークノードの視点から見たものである。
【0126】
S1において、方法は、ユーザー機器と基地局との間の1つ以上の通信ビームの通信ビーム障害の情報をユーザー機器から受信することを含む。
【0127】
S2において、方法は、通信ビーム障害の情報の受信の肯定応答をユーザー機器に送信することを含む。
【0128】
幾つかの例によれば、新たに規定されたタイマーは、MAC CEが無線において喪失された場合に、UEがMAC CEを再送信する動作を取ることを確保することができる。或いは、UEは、例えば、ネットワークが再構成すること又は他の動作を取ることに忙しい場合には、更なるビーム障害報告手順をトリガーしないように、障害を受けたSCell(複数の場合もある)自体を作動停止することができる。
【0129】
タイマーによって、UEの時間ウィンドウは、ビーム障害を示した直後に新たな候補ビームを見つけることが可能になる。したがって、障害を経験し、その後、追加の測定を行って新たな候補を見つける代わりに、UEは障害を迅速に示すことができる。幾つかの例では、新たな候補なしでビーム障害を示すことによって、幾つかの場合には、ネットワークは、障害を示した後にSCellにおいて候補ビーム検出の新たなCSI-RSを構成することが可能になる。
【0130】
幾つかの例では、ネットワークは、SCellにおけるUEビーム障害の知識を有しない場合があり、したがって、UEが候補の探索を続けることができる間、UEビーム障害を迅速に報告することが有益である。そのような例では、UEが候補探索を実行する間、ネットワークは、SCellにおいてあらゆるデータ送信を一時停止することができる。これによって、シグナリングオーバーヘッドを削減することができ、無線リソースを節減することができる。
【0131】
一般に、様々な実施形態は、ハードウェア若しくは専用回路、ソフトウェア、ロジック又はそれらの任意の組み合わせで実施することができる。本発明の幾つかの態様は、ハードウェアで実施することができる一方、他の態様は、コントローラー、マイクロプロセッサ又は他の計算デバイスによって実行することができるファームウェア又はソフトウェアで実施することができる。ただし、本発明はそれらに限定されるものではない。本発明の様々な態様は、ブロック図、フローチャートとして、又は幾つかの他の図的表現を用いて図示及び説明することができるが、本明細書において説明したこれらのブロック、装置、システム、技法又は方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路若しくはロジック、汎用ハードウェア若しくはコントローラー若しくは他の計算デバイス、又はそれらの或る組み合わせで実施することができる。
【0132】
本発明の実施形態は、プロセッサエンティティ等におけるモバイルデバイスのデータプロセッサによって実行可能なコンピューターソフトウェアによって、若しくはハードウェアによって、又はソフトウェア及びハードウェアの組み合わせによって実施することができる。ソフトウェアルーチン、アプレット及び/又はマクロを含むプログラム製品とも呼ばれるコンピューターソフトウェア又はプログラムは、任意の装置可読データ記憶媒体に記憶することができ、それらは、特定のタスクを実行するプログラム命令を含む。コンピュータープログラム製品は、プログラムが実行されると、実施形態を実行するように構成される1つ以上のコンピューター実行可能な構成要素を含むことができる。1つ以上のコンピューター実行可能構成要素は、少なくとも1つのソフトウェアコード又はその幾つかの部分とすることができる。
【0133】
さらに、この点に関して、図にあるような論理フローのいずれのブロックも、プログラムステップ、若しくは相互接続された論理回路、論理ブロック及び論理機能、又はプログラムステップと論理回路、論理ブロック及び論理機能との組み合わせを表すことができることに留意されたい。ソフトウェアは、メモリチップ等の物理媒体、又はプロセッサ内に実装されるメモリブロック、ハードディスク又はフロッピーディスク等の磁気媒体、及び、例えば、DVD及びそのデータ変形体、CD等の光媒体に記憶することができる。物理媒体は非一時的媒体である。
【0134】
メモリは、ローカルな技術環境に適した任意のタイプのものとすることができ、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイス及びシステム、光メモリデバイス及びシステム、固定メモリ並びにリムーバブルメモリ等の任意の適したデータ記憶技術を用いて実施することができる。データプロセッサは、ローカルな技術環境に適した任意のタイプのものとすることができ、非限定的な例として、汎用コンピューター、専用コンピューター、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processors)、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuits)、FPGA、ゲートレベル回路、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ以上を含むことができる。
【0135】
本発明の実施形態は、集積回路モジュール等の様々な構成要素に実施することができる。集積回路の設計は、全般的に見て高度に自動化されたプロセスである。論理レベル設計を、半導体基板上にいつでもエッチング及び形成されるようになっている半導体回路設計に変換する複雑で強力なソフトウェアツールが利用可能である。
【0136】
上記説明は、本発明の例示の実施形態の情報を与える完全な説明を非限定的な例として提供したものである。しかしながら、上記説明を添付図面及び添付の特許請求の範囲と併せて読むと、上記説明に鑑み様々な変更形態及び適合形態が当業者に明らかになり得る。一方、本発明の教示のそのような全て変更形態及び類似の変更形態は、添付の特許請求の範囲において画定される本発明の範囲内に依然として含まれる。実際、1つ以上の実施形態と前述した他の任意の実施形態のうちの任意のものとの組み合わせを含む更なる実施形態が存在する。