(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】メモリモジュール実装テストシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01R 31/26 20200101AFI20250212BHJP
【FI】
G01R31/26 J
(21)【出願番号】P 2023107327
(22)【出願日】2023-06-29
【審査請求日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】10-2022-0162025
(32)【優先日】2022-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523249308
【氏名又は名称】アテコ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】テク・ソン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ホ・ナム・キム
(72)【発明者】
【氏名】サン・ボン・イ
(72)【発明者】
【氏名】キ・スン・キム
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2270587(KR,B1)
【文献】特開2000-200810(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2329230(KR,B1)
【文献】特開2013-148396(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/00-31/01
31/24-31/3193
31/40-31/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメモリモジュールが所定のパターンで位置したメモリモジュールアレイが積載されるテストトレイ;
前記テストトレイが安着されることが可能であり、前記所定のパターンに対応するソケットが形成されて前記メモリモジュールアレイに対するテストを行うテスター;
前記テストトレイを初期位置から、前記テストトレイが前記テスターに安着される安着位置に移送するトランスファ;及び
前記安着位置に移送された前記メモリモジュールアレイを前記ソケットに装着する装着器;を含み、
前記トランスファは、
前記初期位置に位置した前記テストトレイを支持する支持部;
前記支持部を前記初期位置から前記安着位置に移送する第1駆動部;
前記支持部を回転させる第2駆動部;
前記メモリモジュールアレイと前記ソケットとが整列されるために、前記支持部が回転すべき調節角を把握する角度調節センサ;及び
前記支持部が前記安着位置に移送され、前記調節角に対応して回転するように、前記第1駆動部と前記第2駆動部とを制御する制御部;を含み、
前記角度調節センサは、
前記ソケットに隣接して位置し前記ソケットの配置状態を案内する2つの設定領域を認識して前記調節角を把握する、テストトレイ整列機能を有するメモリモジュール実装テストシステム。
【請求項2】
前記2つの設定領域は、隣接する領域より突出または陥没し、
前記角度調節センサは、
前記2つの設定領域を含む領域をスキャンして距離を測定し、スキャンされた領域において周辺に比べて臨界的な距離差を有する2つの領域を前記2つの設定領域と認識する、請求項
1に記載のテストトレイ整列機能を有するメモリモジュール実装テストシステム。
【請求項3】
前記2つの設定領域は、隣接する領域より突出または陥没し、
前記角度調節センサは、
前記2つの設定領域のいずれか1つを含む第1領域と、前記2つの設定領域のうち他の1つを含む第2領域と、をそれぞれスキャンして距離を測定し、
前記第1領域と前記第2領域とにおいて周辺に比べて臨界的な距離差を有する2つの領域を前記2つの設定領域に認識する、請求項
1に記載のテストトレイ整列機能を有するメモリモジュール実装テストシステム。
【請求項4】
前記2つの設定領域には、光学的に認識可能なマーカーが配置され、
前記角度調節センサは、前記マーカーから反射された光に基づいて前記2つの設定領域を認識する、請求項
1に記載のテストトレイ整列機能を有するメモリモジュール実装テストシステム。
【請求項5】
前記初期位置と前記安着位置とは第1軸、第2軸及び第3軸による座標が異なり、
前記第1駆動部は、
第1軸に沿って前記支持部を移送する第1軸駆動部;
第2軸に沿って前記支持部を移送する第2軸駆動部;及び
第3軸に沿って前記支持部を移送する第3軸駆動部;を含む、請求項
1に記載のテストトレイ整列機能を有するメモリモジュール実装テストシステム。
【請求項6】
前記テストトレイは、第1軸及び第2軸に沿って移動した後、第3軸に沿って前記安着位置に進入し、
前記2つの設定領域は、
前記2つの設定領域を連結する仮想の線が前記第3軸に予め設定された角度を形成するように位置される、請求項5に記載のテストトレイ整列機能を有するメモリモジュール実装テストシステム。
【請求項7】
前記トランスファは、
前記第1軸駆動部が前記支持部を移送するように、第1軸に沿って形成されたレールをさらに含み、
前記テスターは複数備えられ、複数の前記テスターは前記レールの両側に前記レールの長さ方向に沿って配列され、
前記制御部は、予め設定された順にそれぞれの前記テスターに前記テストトレイを安着させる、請求項5に記載のテストトレイ整列機能を有するメモリモジュール実装テストシステム。
【請求項8】
前記テストトレイには前記メモリモジュールがそれぞれ挿入される複数の貫通
スリットが形成され、
前記装着器は、
前記貫通
スリットの一側において前記メモリモジュールアレイをプレスして、前記貫通
スリットの他側に位置した前記ソケットに前記メモリモジュールアレイを装着させる、請求項1に記載のテストトレイ整列機能を有するメモリモジュール実装テストシステム。
【請求項9】
複数のメモリモジュールが所定のパターンで位置したメモリモジュールアレイがテストトレイに積載される段階;
トランスファが前記所定のパターンに対応するソケットが形成されたテスターに前記テストトレイを移送する段階;
前記メモリモジュールアレイがソケットに整列されるように、前記トランスファが前記テストトレイを回転する段階;及び
装着器が前記メモリモジュールアレイを前記ソケットに装着して、前記テスターにより前記メモリモジュールアレイに対するテストが行われる段階;を含み、
前記トランスファが前記テストトレイを回転する段階では、前記トランスファの角度調整センサが、前記ソケットに隣接して位置し前記ソケットの配置状態を案内する2つの設定領域を認識して調整角を決定し、前記調整角は、前記メモリモジュールアレイを前記ソケットに配置するために前記テストトレイを回転させる必要がある角度である、メモリモジュール実装テスト方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリモジュール実装テストシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリモジュール(Memory module)はコンピュータの主記憶装置であり、マザーボード(Mother Board)に着脱可能に構成される。メモリモジュールは製造後に、個別の性能検査のために多様な品質検査テストを行う。しかしながら、異常がないと判断されたメモリモジュールも実際に使用する時に正常に動作しない場合が頻繁である。
【0003】
このような実情のため、メモリモジュールは出荷前に実際の使用と類似した環境で正常動作が可能であるか否かを判断する実装テストを行ったりする。実装テスト実行時、メモリモジュールは、実際マザーボード(または、メインボード)のソケットに挿入されて装着された状態で正常動作が可能であるか否かが評価される。
【0004】
このような実装テストは、作業者が手作業でまたは自動化されたハンドが、メモリモジュールをソケットに1つずつ装着して実現された。従って、多量のメモリモジュールに対する実装テストの実行には相当な時間がかかった。
【0005】
また、メモリモジュールの装着が自動化された場合、ソケットとメモリモジュールとがずれた状態で装着されると、装着不可となるか、装着過程でメモリモジュールが損傷することが発生した。これを防止するためには、それぞれのメモリモジュール装着に対する教示が必要であり、このような作業は同様に相当な時間がかかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、多量のメモリモジュールに対する迅速な実装テストが可能なメモリモジュール実装テストシステム及び方法を提供することである。
【0007】
また、本発明が解決しようとする課題は別途の教示作業がなくても、メモリモジュールを装着する過程でメモリモジュールとソケットとがずれてテスト実行が不可能になるか、メモリモジュールが損傷することを防止することである。
【0008】
本発明の課題は以上で言及された課題に限定されず、言及されていない他の課題は下記の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための本発明の実施例によるメモリモジュール実装テストシステムは、複数のメモリモジュールが所定パターンで位置したメモリモジュールアレイが積載されるテストトレイと、前記テストトレイが安着可能であり、前記所定パターンに対応するソケットが形成されてメモリモジュールアレイに対するテストを行うテスターと、前記テストトレイを初期位置から、前記テストトレイが前記テスターに安着される安着位置に移送するトランスファと、前記安着位置に移送された前記メモリモジュールアレイを前記ソケットに装着する装着器と、を含む。
【0010】
前記トランスファは、前記初期位置に位置した前記テストトレイを支持する支持部と、前記支持部を前記初期位置から前記安着位置に移送する第1駆動部と、前記支持部を回転させる第2駆動部と、前記メモリモジュールアレイと前記ソケットとが整列されるために、前記支持部が回転すべき調節角を把握する角度調節センサと、前記支持部が前記安着位置に移送され、前記調節角に対応して回転されるように前記第1駆動部と前記第2駆動部とを制御する制御部と、を含んでもよい。
【0011】
前記角度調節センサは、前記ソケットに隣接して位置し、前記ソケットの配置状態を案内する2つの設定領域を認識して前記調節角を把握する。
【0012】
前記2つの設定領域は隣接した領域より突出又陥没してもよい。
【0013】
前記角度調節センサは、前記2つの設定領域を含む領域をスキャンして距離を測定し、スキャンされた領域において周辺に比べて臨界的な距離差を有する2つの領域を前記2つの設定領域と認識する。
【0014】
前記角度調節センサは、前記2つの設定領域のうちいずれか1つを含む第1領域と、前記2つの設定領域のうち他の1つを含む第2領域と、をそれぞれスキャンして距離を測定し、前記第1領域と前記第2領域とにおいて周辺に比べて臨界的な距離差を有する2つの領域を前記2つの設定領域に認識する。
【0015】
前記2つの設定領域には光学的に認識可能なマーカーが配置され、前記角度調節センサは前記マーカーから反射された光に基づいて前記2つの設定領域を認識する。
【0016】
前記初期位置と前記安着位置とは、第1軸、第2軸及び第3軸による座標が異なってもよい。前記第1駆動部は、第1軸に沿って前記支持部を移送する第1軸駆動部、第2軸に沿って前記支持部を移送する第2軸駆動部及び第3軸に沿って前記支持部を移送する第3軸駆動部を含んでもよい。
【0017】
前記テストトレイは、第1軸及び第2軸に沿って移動した後、第3軸に沿って前記安着位置に進入する。
【0018】
前記2つの設定領域は、前記2つの設定領域を連結する仮想の線が前記第3軸に予め設定された角度を形成するように位置してもよい。
【0019】
前記トランスファは、前記第1軸駆動部が前記支持部を移送するように、第1軸に沿って形成されたレールをさらに含んでもよい。
【0020】
前記テスターは複数備えられ、複数の前記テスターは前記レールの両側に前記レールの長さ方向に沿って配列されてもよい。
【0021】
前記制御部は、予め設定された順にそれぞれの前記テスターに前記テストトレイを安着させる。
【0022】
前記テストトレイには前記メモリモジュールがそれぞれ挿入される複数の貫通スリートが形成されてもよい。
【0023】
前記装着器は、貫通スリートの一側において前記メモリモジュールアレイをプレスして、前記貫通スリートの他側に位置した前記ソケットに前記メモリモジュールアレイを装着させる。
【0024】
前記課題を解決するための本発明の実施例によるメモリモジュール実装テスト方法は、複数のメモリモジュールが所定パターンで位置したメモリモジュールアレイがテストトレイに積載される段階と、トランスファが前記所定パターンに対応するソケットが形成されたテスターに前記テストトレイを移送する段階と、前記メモリモジュールアレイが前記ソケットに整列されるように、前記トランスファが前記テストトレイを回転する段階と、装着器が前記メモリモジュールアレイを前記ソケットに装着して前記テスターにより前記メモリモジュールアレイに対するテストが行われる段階と、を含む。
【0025】
本発明のその他の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施例によれば、少なくとも次のような効果がある。
【0027】
多量のメモリモジュールに対する迅速な実装テストが可能である。
【0028】
本発明による効果は以上に例示された内容により制限されることなく、より多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施例によるメモリモジュール実装テストシステムの斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例によるテストトレイを示した図である。
【
図3】本発明の一実施例によるハンドラーを概念的に示した図である。
【
図4】本発明の一実施例によるトランスファを概略的に表現した図である。
【
図5】本発明のトランスファと制御部とに関するブロック図である。
【
図6】本発明の一実施例によるテスターアレイの斜視図である。
【
図7】本発明の一実施例によるテスターとテスターラックとを拡大図示した図である。
【
図8】テスターが隣接するテスターに対して非整列なことを表現した図である。
【
図9】角度調節センサが調節角を把握することを説明するための面である。
【
図10】角度調節センサが層数識別子を認識する方法の一例を表現した図である。
【
図11】メモリモジュールアレイをソケットに装着することを表現した図である。
【
図12】本発明の一実施例によるメモリモジュール実装テストシステムを概念的に示した図である。
【
図13】本発明の一実施例によるトランスファがテストトレイを初期位置から安着位置まで移送することを概念的に表現した図である。
【
図14】本発明の一実施例によるメモリモジュール実装テスト方法に対するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面とともに詳細に後述される実施例を参照すれば明確になるであろう。しかしながら、本発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく、相異なる多様な形態で実現されることができ、ただ本実施例は本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇により定義されるだけである。
【0031】
また、本明細書において記述する実施例は、本発明の理想的な例示図である断面図及び/又は概略図を参考にして説明される。従って、製造技術及び/又は許容誤差などにより例示図の形態が変形されることがある。また、本発明に図示された各図において各構成要素は説明の便宜を考慮して多少拡大または縮小されて図示されたものであり得る。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を指す。
【0032】
以下、本発明の実施例によるメモリモジュール実装テストシステム及び方法を説明するための図面を参考にして本発明について説明する。
【0033】
図1は、本発明の実施例によるメモリモジュール実装テストシステムの斜視図である。
【0034】
図1に示すように、本発明によるメモリモジュール実装テストシステム1は、ハンドラー100、トランスファ200、テスターアレイ300を含む。
【0035】
ハンドラー100は、外部から実装テストが必要なメモリモジュールを供給され、実装テストが完了したメモリモジュールを搬出前に保管するユニットでありうる。より詳しくは、ハンドラー100にメモリモジュールが搬入されると、ハンドラー100は後述のテストトレイにメモリモジュールを整列することができる。
【0036】
また、ハンドラー100は、実装テストが完了したメモリモジュールを搬出可能に配置する。この時、ハンドラー100は、実装テストの結果に従ってメモリモジュールを分類して配置することができる。
【0037】
トランスファ200は、テスター330とハンドラー100との間でメモリモジュールを移送する移送ユニットであってもよい。トランスファ200は実装テストを行うためにハンドラー100に保管されているメモリモジュールをテスター330に移送する。また、トランスファ200は、実装テストが完了したメモリモジュールをテスター330から引き出してハンドラー100に移送する。
【0038】
トランスファ200はテストトレイを支持した後、これを6軸方向に移動させることができるように形成されてもよい。また、トランスファ200はホールドしているテストトレイを回転させることができるように形成されてもよい。これに関する詳しい説明は後述する。
【0039】
以下では、説明の便宜上、トランスファ200がハンドラー100においてテストトレイ30を支持する位置を初期位置という。また、トランスファ200がテストトレイ30をテスター330に安着させる位置を安着位置という。
【0040】
テスターアレイ300は、複数のテスター330を配列して形成されることができる。テスター330は、メモリモジュールを実装テストするテストユニットであってもよい。テスター330はマザーボードとマザーボードに電気的に接続されるソケットとを含んでもよい。
【0041】
図1にはトランスファ200の一側にのみテスターアレイ300が配置されるものと図示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、テスターアレイ300は、必要に応じてトランスファ200の両側に対称的に配置されてもよい。一例として、テスター330は上下方向及び左右方向に所定間隔離隔して配列されてもよい。また、
図1においては、テスター330が上下2段に配置されたものを例にしているが、これに限定されるものではなく、テスター330の層数は自由に設定できる。
【0042】
図2は、本発明に一実施例によるテストトレイを示した図である。
【0043】
図2に示すように、テストトレイ30は、メモリモジュールアレイ10が積載されるトレイである。ここで、メモリモジュールアレイ10は、複数のメモリモジュール11を所定のパターンで配置して形成されるものであり得る。
【0044】
テストトレイ30にはメモリモジュール11が装着される貫通スリート(番号なし)が形成されてもよい。貫通スリートは、メモリモジュール11を選択的に固定する一対のインサート31間の空間により定義されてもよい。インサート31に装着された状態で、メモリモジュール11は上側がテストトレイ30の一面に露出され、下側がテストトレイ30の裏面に露出される。一方、メモリモジュールアレイ10の所定の配置パターンは、テスター330に形成されたソケットと整合するように設定されたものであり得る。すなわち、メモリモジュール11が配置されるパターンは、テスター330に形成された複数のソケットのパターンに対応するものでありうる。
【0045】
図3は、本発明の一実施例によるハンドラーを概念的に示した図である。
図3に示すように、ハンドラー100の内部の空間にはテストトレイ30とユーザトレイ20とが配置されてもよい。
【0046】
ユーザトレイ20は、メモリモジュール11を搬入及び搬出するためのトレイである。ユーザトレイ20には実装テストを行うためのメモリモジュール11が配置されてもよい。また、ユーザトレイ20には実装テストを完了したメモリモジュール11がテスト結果に応じて分類されて配置されておよい。これに関する説明は、ローディングサイトLとアンローディングサイトULとの説明に際して後述する。
【0047】
ハンドラー100内部の空間は目的に応じてローディングサイトLとアンローディングサイトULとに区別される。ローディングサイトLは実装テストのために、搬入されたユーザトレイ20のメモリモジュール11をテストトレイ30上にロードする空間でありうる。
【0048】
これに対して、アンローディングサイトULは実装テストを完了したメモリモジュール11を外部に搬出されるユーザトレイ20にアンロードする空間でありうる。この時、ユーザトレイ20には実装テストの結果別にメモリモジュール11が分類されて配置される。例えば、メモリモジュール11は、正常、不良、再検査必要に分類され、相異なる結果のメモリモジュール11はユーザトレイ20上において相異なる領域に配置される。
【0049】
一方、アンローディングサイトULにおいてアンロードを完了したテストトレイ30はローディングサイトLに移動してメモリモジュール11の積載が再び行われる。すなわち、テストトレイ30はメモリモジュール実装テストシステム1の内部において循環し、メモリモジュール11をロード又はアンロードする。
【0050】
このために、ハンドラー100はメモリモジュール11をピックアンドプレイス(Pick and place)する少なくとも1つのハンド(図示せず)を備える。好ましくは、ハンドラー100はローディングサイトLにおいてメモリモジュール11の移送を担当する第1ハンド(図示せず)とアンローディングサイトULとにおいてメモリモジュール11の移送を担当する第2ハンド(図示せず)とを含んでもよい。
【0051】
ローディングサイトLの一側及びアンローディングサイトULの一側にはトランスファ200がハンドラー100に進入してテストトレイ30をホールド及び/又は支持できるように構成される。これに対して、ローディングサイトLの他側及びアンローディングサイトULの他側は、ユーザトレイ20を外部とやり取りできるように構成される。例えば、AGV(Automated Guided Vehicle)のようなロボットによりユーザトレイ20が自動移送されるか、ユーザにより手作業で移送される。
【0052】
図4は、本発明の一実施例によるトランスファを概略的に表現した図である。
図4に示すように、本発明の一実施例によるトランスファ200は、フレーム240、移送プレート210、柱部材220及び支持部230を含んで構成される。
【0053】
フレーム240はトランスファ200が移動できる領域を定義し、トランスファ200を全体的に支持できるように構成される。具体的には、フレーム240は大略第1軸方向の長さを有し、第2軸方向の高さと第3軸方向の幅とを有する略長方体の形状であってもよい。
【0054】
レール241はフレーム240の一部を構成し、支持部230の第1軸線形運動のための部材である。このために、レール241は第1軸に沿って延長されて形成される。例えば、レール241はペアで備えられ、フレーム240の下側部分を構成する。
【0055】
移送プレート210は、フレーム240上において第1軸を基準に移動可能に構成されてもよい。移送プレート210はレール241にリニアガイドで結合され、後述する第1軸駆動部251(
図5参照)により第1軸に沿って運動する。
【0056】
柱部材220は、移送プレート210により支持されて上下方向に延長して構成される。柱部材220は、支持部230が上下方向(第2軸方向)に移動できるように形成される。
【0057】
支持部230は、テストトレイ30(
図2及び
図3参照)を支持または把持できるように構成されてもよい。また、テストトレイ30をハンドラー100またはテスター300とやりとりできるように所定の長さで第3軸方向直線移動可能に構成されてもよい。
【0058】
従って、トランスファ200がハンドラー100またはテスター300の内部に進入してテストトレイ30を安着させて抜け出るか、ハンドラー100またはテスター300の内部に進入してテストトレイ30を取り出すことができる。
【0059】
また、支持部230は支持されたテストトレイ30を回転させることができるように構成される。より詳しくは、支持部230は第2軸を回転軸にして、テストトレイ30を回転させることができる。
【0060】
このような支持部230はスライド部材231、支持プレート232、回転プレート233及び出没部材234の下部構成を含んでもよい。
【0061】
スライド部材231は、一側が柱部材220にスライド可能に結合されて、第2軸方向に沿って昇降できる。支持プレート232は、スライド部材231の他側に第3軸方向に移動可能に結合されてもよい。回転プレート233は支持プレート232の上面に結合され、第2軸を中心に回転可能に形成される。
【0062】
出没部材234は回転プレート233と共に回転し、回転プレート233上において出没可能に形成される。出没部材234は、テストトレイ30を直接把持または支持する役割を果たすように構成される。
【0063】
例えば、ハンドラー100からテストトレイ30を搬出する時、支持部230は出没部材234が回転プレート233の内部に挿入された状態でテストトレイ30の下側に進入する。支持部230が進入した後、出没部材234は突出してテストトレイ30を把持または支持することができる。
【0064】
また、例えば、支持部230がテスター330にテストトレイ30を安着する時は、支持部230がテスター330に設けられた引継装置(図示せず)にテストトレイ30を引き継いだ後、出没部材234が再び回転プレート233の内部に挿入されることができる。ここで、引継装置は多様な構成で実現できる。例えば、引継装置は支持部230が安着位置に進入することによりテストトレイ30の下側において、一対の出没部材234間に位置してテストトレイ30を引き継ぐことができる。または、引継装置は別途の第3ハンド(図示せず)として構成されてもよい。
【0065】
ただし、前述のトランスファ200の構成は例示的なものであり、トランスファ200は第1軸ないし第3軸が6方向運動と、第2軸中心の回転運動と、が可能であり、テストトレイ30を運搬できる構成であれば、前述の例とは異なるように実現されることもできる。
【0066】
図5は、本発明のトランスファと制御部とに関するブロック図である。
【0067】
図5に示すように、トランスファの運動を実現するために、トランスファ200は、第1駆動部250、第2駆動部260及び角度調節センサ270を含む。
【0068】
第1駆動部250は、トランスファを初期位置から安着位置に移動するための駆動ユニットであってもよい。例えば、第1駆動部250はピストン-シリンダ機構、モータなどの従来の多様な構成を利用して実現されてもよい。
【0069】
このような第1駆動部250は、支持部230を移動させる方向によって、第1軸駆動部251、第2軸駆動部253及び第3軸駆動部255に区分される。
【0070】
第1軸駆動部251は、移送プレート210を第1軸に沿って双方向(前後方向)移動させる駆動ユニットである。第2軸駆動部253はスライド部材231を第2軸方向に沿って双方向(上下方向)移動させる駆動ユニットである。これに対して、第3軸駆動部255は支持プレート232を第3軸に沿って双方向(左右方向)移動させる駆動ユニットである。
【0071】
第2駆動部260は、回転プレート233を第2軸を中心軸に回転させることができる駆動ユニットである。第2駆動部260は、例えば、モータに基づいて実現されてもよい。
【0072】
第1軸駆動部251、第2軸駆動部253、第3軸駆動部255と第2駆動部260とがモータに基づいて実現される場合、第1軸駆動部251、第2軸駆動部253、第3軸駆動部255と第2駆動部260とは移動量及び/又は回転量を把握できるエンコーダをさらに含んでもよい。
【0073】
より詳しくは、エンコーダはモータの回転速度、方向を感知して、感知情報を取得することができる。このような感知情報は、制御部280が支持部230の第1軸、第2軸及び第3軸座標を把握し、回転プレート233の回転状態を把握するために利用できる。
【0074】
角度調節センサ270は回転プレート233に対する調節角を把握する構成である。ここで、調節角とは、支持部230に支持されているテストトレイ30とテスター330のソケットとが整列されるために、回転プレート233が回転されるべき角を意味する。調整角に関する詳しい説明は後述する。
【0075】
制御部280は、第1駆動部250と第2駆動部260とをそれぞれ制御する制御ユニットであり得る。制御部280の制御により、支持部230はテストトレイ30(
図2及び
図3参照)を初期位置から引き継ぐことができる。また、制御部280の制御により支持部230は安着位置まで移動されてテスター330にテストトレイ30を引き継ぐことができる。
【0076】
図6は、本発明の一実施例によるテスターアレイの斜視図である。
【0077】
図6に示すように、テスターアレイ300は、複数のテスター330が装着されるテスターラック310を含んでもよい。テスターラック310は、複数のテスター330と複数の装着器320とが装着される骨組み構造物であってもよい。
【0078】
装着器320は、それぞれのテスター330の上側に位置するように、テスターラック310に装着されることができる。また、装着器320は上端がテスターラック310に位置固定された状態で下端が下降してプレスする動作が可能である。このようなプレス動作は、装着器駆動部321により実現されることができる。装着器駆動部321は、装着器320がプレス動作を実行できるようにする従来の多様な駆動ユニットで実現できる。
【0079】
一方、テスターラック310には座標識別子351、352が位置する。座標識別子351、352は、各テスター330に対する安着位置と調節角とを把握するために位置する。
【0080】
座標識別子351、352はトランスファ200の座標識別方法に応じて多様な構成で実現できる。座標識別子351、352の位置は、テスター330の第1軸座標、第2軸座標または第3軸座標を案内するか、テスター330(または、テスターのソケット)の配置状態を案内するために設定される。以下では、説明の便宜上、座標識別子351、352が位置した領域を設定領域という。
【0081】
また、以下では、説明の便宜上、角度調節センサ270が第1軸座標、第2軸座標、第3軸座標及びテスター330の配置状態を全て認識することを例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0082】
例えば、第1軸座標、第2軸座標、第3軸座標及びテスター330の配置状態は少なくとも1つ以上がいずれか1つのセンサによりセンシングされてもよく、または、それぞれ1つのセンサが担当してセンシングされてもよい。
【0083】
座標識別子351、352は、識別対象に応じて、長さ座標識別子351と層数座標識別子352とに区分される。長さ座標識別子351は、初期位置と同一の第2軸座標によって位置してもよい。層数座標識別子352は安着位置と同一の第2軸座標によって位置してもよい。
【0084】
以下では、
図7を参照して、テスターとその支持構造とについて追加説明する。
図7は、本発明の一実施例によるテスターとテスターラックとを拡大図示した図である。
【0085】
図7を参照すると、テスターラック310(
図6参照)は複数の支持ラック311に分割できる。例えば、テスターラック310は、複数の支持ラック311を第1軸方向に沿って配列して形成されてもよい。
【0086】
一方、支持ラック311においてソケット331に隣接する位置には2つの層数座標識別子352a、352bが位置する。層数座標識別子352a、352bの設定領域は、当該テスター330の安着位置の第2軸座標と同一の第2軸座標を有することができる。
【0087】
テスター330は支持ラック311上に平面方向に移動できるように、リニアガイド340と連結されることができる。従って、テスター330は必要に応じて引き出し可能であるので、メンテナンス時の接近性が向上できる。
【0088】
一方、テスターラック310が複数の支持ラック311を連結して形成できるので、支持ラック311を配置する過程でヒューマンエラーが発生するか、反復テストにより振動するなど、多様な理由で支持ラック311が他の支持ラック311に対してずれる現象が発生する可能性がある。
【0089】
以下では、
図8ないし
図9を参照して、このようなずれを補償してテストトレイ30を安着する機能を説明する。
図8は、テスターが隣接するテスターに対して非整列であることを表現した図である。
図9は、角度調節センサが調節角を把握することを説明するための図である。
【0090】
支持ラック311(
図7参照)がずれると、
図8に示すように特定テスター330bが隣接するテスター330a、330cに比べて所定角度ねじれる可能性がある。ただし、
図8に示された事項は理解を容易にするために誇張して表現したものであり、実際にはずれた角度が非常に小さい場合もある。
【0091】
このような場合、特定テスター330bに
図8に示された矢印のように移動して装着すると、メモリモジュールアレイ10とソケット331とが整合しないため、テストトレイ30がテスター330bに装着できなくなるか、メモリモジュール11が損傷する可能性がある。
【0092】
支持ラック311がずれると、該当テスター330bを案内するための層数識別子352a、352bも他のテスター330a、330cとは異なりずれるようになる。より具体的に、ずれていないテスター330a、330cの層数識別子352a、352bを連結した仮想の線は、進入方向(b)(または、第3軸方向)に対して略垂直である。これに対して、ずれているテスター330bの層数識別子352a、352bを連結した仮想の線が進入方向(B)(または、第3軸方向)と成す角は元の角度からずれた角度(A)の分だけ差が発生する。
【0093】
従って、層数識別子352a、352bのずれ程度(A)を把握すると、テストトレイ30をずれ程度(A)の分だけ回転させた後、テスター330bに装着することが可能である。
【0094】
図9を参照して説明し続けると、角度調節センサ270は層数識別子352a、352bを認識してずれた程度を把握し、これに基づいて調節角を把握することができる。このために、角度調節センサ270は測定波発信器271、測定波受信器272、センサ駆動部273の下部構成を含む。
【0095】
測定波発信器271は、角度調節センサ270のハウジング(番号なし)の正面に向かうようにハウジングに配置されることができる。測定波発信器271は距離測定が可能な測定波を発信するように備えられる。以下では、測定波発信器271が赤外線を外部に発信することを例にして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0096】
測定波受信器272は外部物体から反射された測定波を受信するユニットである。測定波受信器272も同様にハウジングの正面に向かうように位置することができる。角度調節センサ270は、測定波受信器272で受信された情報に基づいて外部物体との距離を把握するように構成される。
【0097】
センサ駆動部273は、ハウジングが対向する方向を調節する駆動ユニットである。例えば、センサ駆動部273は、角度調節センサ270のハウジングを回転させることができるモータなどで備えられてもよい。
【0098】
センサ駆動部273は、制御部280(
図5参照)により制御されて動作する。制御部280はセンサ駆動部273を制御して、角度調節センサ270が眺める方向を調節することができる。
【0099】
例えば、制御部280は、センサ駆動部273を制御して角度調節センサ270を大きい角度範囲で回転させることができる。この場合、角度調節センサ270は、層数識別子352a、352bを両方とも含む領域(SS)をスキャンして層数識別子352a、352bに対する距離情報を取得することができる。この時、領域(SS)は平均的なずれ程度を考慮して設定できる。
【0100】
他の例として、制御部280は、層数識別子352a、352bのそれぞれが含まれた領域をスキャンするようにセンサ駆動部273を制御することができる。この場合、角度調節センサ270は相異なる2つの角度範囲(第1角度範囲及び第2角度範囲)において2回のスキャンを行う。
【0101】
例えば、センサ駆動部273による第1角度範囲回転は、角度調節センサ270が第1領域(S1)をスキャンするようにすることができる。第1領域(S1)は平均的なずれ程度を考慮して、予め設定された、いずれか1つの層数識別子352aが存在する可能性が高い領域でありうる。
【0102】
これに対して、センサ駆動部273による第2角度範囲回転は、角度調節センサ270が第2領域(S2)をスキャンするようにすることができる。第2領域(S2)は、平均的なずれ程度を考慮して、予め設定された、いずれか1つの層数識別子352bが存在する可能性が高い領域であり得る。
【0103】
角度調節センサ270は、第1領域(S1)において層数識別子352aに対する距離情報を取得し、第2領域(S2)において層数識別子352bに対する距離情報を取得する。
【0104】
一方、距離情報を取得した角度調節センサ270は、層数識別子352a、352bのそれぞれに対する距離に基づいて調節角を演算することができる。このような演算のために、角度調節センサ270は層数識別子352a、352bのそれぞれに対する距離に基づいて調整角を演算する演算ユニットを含む。
【0105】
層数識別子352a、352bのそれぞれの距離に基づいて調整角を把握できる理由は(
図8を参照)、テスター330a、330cが正しく配置されている場合、各テスターに進入する前(支持部が第1軸及び第2軸にのみ移動した状態)に、角度調節センサ270に対する層数識別子352a、352bまでの距離は常に一定値として同一であるかまたは誤差範囲内であるためである。すなわち、角度調節センサ270から正しく配置されたテスター330a、330cに対する層数識別子352a、352bまでの距離と、ずれたテスター330bに対する層数識別子352a、352bまでの距離とは、相異なるためである。
【0106】
一方、角度調節センサ270が領域をスキャンして層数識別子352a、352bに対する距離を取得する方法は、層数識別子352a、352bの種類に応じて異なる。
【0107】
一例として、層数識別子352a、352bは支持ラック311から突出または陥没して形成されてもよい。この場合、角度調節センサ270は全てのスキャン領域に対する距離情報を測定するように構成されてもよい。
【0108】
図10を利用して説明し続けると、
図10は、角度調節センサが層数識別子を認識する方法の一例を表現した図である。
【0109】
この場合、制御部280は、角度調節センサ270が第1軸に平行な方向(D1)に層数識別子352a、352bが含まれた領域をスキャンするように、センサ駆動部273及び/又は第1軸駆動部251を制御する。
【0110】
層数識別子352a、352bが突出又は陥没した場合、スキャンされた領域の距離情報において層数識別子352a、352bに対する距離はその周辺に対する距離と大きな差を有する。従って、層数識別子352a、352bと周辺境界P11、P12において距離値に対する臨界的な差が発生する。
【0111】
角度調節センサ270は、第1軸方向(D1)に外部オブジェクトをスキャンした後、境界P11、P12の座標を把握し、境界P11、P12の中心にある第1軸中心座標P10を把握することができる。第1軸中心座標P10は境界P11、P12の第1軸座標を平均して取得できる。
【0112】
以後、角度調節センサ270は中心座標P10に関する情報を制御部280に伝達することができる。以後、制御部280は第1軸中心座標P10を通り、第2軸に平行な方向(D2)に層数識別子352a、352bが含まれた領域をスキャンするように、センサ駆動部273及び/又は第2軸駆動部253を制御する。
【0113】
角度調節センサ270は、第1軸中心座標P10の場合と同様に、境界P21、P22の座標を把握し、これを利用して、第2軸中心座標P20を把握する。以後、角度調節センサ270は方向(D2)に沿ってスキャンする過程で第2軸中心座標P20に対する距離値を該当層数識別子352a、352bに対する距離値として判断できる。
【0114】
一方、前述の例において大きい領域SS(
図9参照)をスキャンする場合、第1軸中心座標は2つであり、これはそれぞれ異なる層数識別子352a、352bに対するものである。この場合、角度調節センサ270は各第1軸中心座標からD2方向にスキャンして各層数識別子352a、352bに対する距離情報を取得することができる。
【0115】
また他の例として、層数識別子352a、352bは光学的に認識可能なマーカー形態で備えられてもよい。これに対応して、角度調節センサ270はマーカーから反射された光に応じてマーカーの存否を認識する追加的な装置(以下、マーカー認識ユニット)をさらに含んでもよい。
【0116】
例えば、マーカーはバーコードであり、角度調節センサ270はバーコードリーダーを有してもよい。または、マーカーは反射板であり、角度調節センサ270は光源と光源で反射された光を受信する光受信機とを有してもよい。
【0117】
層数識別子352a、352bが光学的に認識可能なマーカーである場合は、角度調節センサ270はスキャンされた全ての領域に対する距離測定を省略することができる。この場合、角度調節センサは前述の領域をスキャンする時、マーカー認識ユニットを使用することができる。この場合は、スキャン過程でマーカー認識ユニットがマーカーを発見すると、マーカーが認識された地点までの距離を測定して層数識別子352a、352bまでの距離を把握することができる。
【0118】
図8を参照して説明し続けると、前述の方法のように、角度調節センサ270が層数識別子352a、352bに対する距離をそれぞれ把握すれば、これに基づいてテスター330bがずれている程度(A)を把握することができる。角度調節センサ270は、テスター330bがずれている角を調節角にして、調節角に関する情報を制御部280に伝達する。制御部280は、調節に関する情報を受信すると、第2駆動部を制御して調節角の分だけ回転プレート233(
図4参照)を回転させる。その後、制御部は、第3軸駆動部を制御して支持プレート232(
図4参照)を第3軸方向に移動させる。このような第3軸方向移動が完了すると、テストトレイ30(
図8参照)がずれているテスター330bの安着位置に整列した状態で進入することができる。この時、整列した状態で進入とは、メモリモジュールがソケットに損傷なく進入できる状態であり、安着位置においてメモリモジュールをソケットに射影させれば、射影されたメモリモジュールとソケットとが整合されることを意味する。
【0119】
以下では、
図11を参照して、整列された状態に進入した後、メモリモジュールアレイをソケットに装着することを説明する。
図11は、メモリモジュールアレイをソケットに装着することを表現した図である。
【0120】
調節角が調節されて、ソケット331の配置状態とメモリモジュールアレイとが整列された状態でテストトレイ30が安着位置に移送されると、
図11(b)のような状態になる。
【0121】
図11(b)は、トランスファがテスター330に移送完了した後、テスター330の安着位置にテストトレイ30が安着した状態である。この状態で、それぞれのメモリモジュール11はソケット331の上部に安着されることができる。
【0122】
以後、
図11(a)のように、装着器320が下降してメモリモジュール11をプレスすると、それぞれのメモリモジュール11がソケット331内に挿入され、マザーボード332と電気的に接続されることができる。
【0123】
その後、テスター330は所定のアルゴリズムに従ってメモリモジュール11に対するテストを行う。
【0124】
図12は、本発明の一実施例によるメモリモジュール実装テストシステムを概念的に示した図である。
【0125】
図12に示すように、テスターアレイ300はトランスファ200の両側に配置される。具体的には、テスターアレイ300はレール242(
図4参照)の長さ方向に沿って両側に配置される。
【0126】
制御部280は、テスターアレイ300に含まれたそれぞれのテスター330に順次テストトレイ30が装着されるようにトランスファ200を制御する。トランスファ200は、制御部280の制御によりそれぞれのテスター330に順次テストトレイ30を供給し、テストが完了したテストトレイ30を回収してハンドラーに配置する。
【0127】
図12において、P1の矢印はそれぞれのテスター330にテストトレイが移送されることを表現したものであり、P2の矢印はテストのためにユーザトレイが搬入されるかテスト完了したユーザトレイが搬出されることを表現した図である。
【0128】
一方、本発明の一実施例によるメモリモジュール実装テストシステム1は、前述した調節角整列機能により、長いテスターアレイ300にもテストトレイの安定的な装着が可能な利点がある。
【0129】
具体的には、テスターアレイ300の長さが長くなるほど、公差が累積されるか、配置誤差が累積されるなど、多様な理由によりソケットの配置状態が
図8のようにずれる場合が発生することがある。
【0130】
このような場合でも、本発明は、テスターアレイ300を再整列するために再設置するか、トランスファ200を別途制御する必要なく、テストトレイの装着が自動教示されてテスターに正しい装着が可能な利点がある。
【0131】
図13を参照して説明し続けると、
図13は、本発明の一実施例によるトランスファがテストトレイを初期位置から安着位置まで移送することを概念的に表現した図である。
【0132】
図13において、st1~st4は、当該位置に移送されたテストトレイを示す。また、t100、t200、t300、t410、t320、t420はテスターラック310(
図6参照)に配置された座標識別子を示す。トランスファは座標識別子t100、t200、t300、t410、t320、t420を認識して現在位置に対する変位量を把握することができる。
【0133】
この時、t100、t200、t300は、第1軸座標の変位量を案内するための長さ座標識別子である。これに対して、t320とt420とはテストトレイを安着させようとする特定テスターの支持ラック311(
図7参照)に位置した座標識別子である。また、t310は特定テスターに対して下層に位置したテスターの支持ラックに位置した座標識別子である。
【0134】
以下では、角度調節センサが第1軸方向を基準にテストトレイの前端側に配置されていると仮定して説明するが、多様な実施例に変更できることは言うまでもない。また、以下では、トランスファが初期位置(st1)に相対的に近い座標識別子t320を基準にして、特定テスターに対する安着位置(st4)を探索すると説明するが、同様に多様な実施例に変更できる。
【0135】
トランスファが特定のテスターに、テストトレイを移送する過程は次のようである。
【0136】
初期位置(st1)においてテストトレイをホールドしたトランスファは、制御部からテストトレイを特定テスターに移送しろという制御信号を受信する。この時、センサ駆動部273(
図9参照)は、角度調節センサ270(
図9参照)が初期位置(st1)において第3軸と平行で、
図13基準に右側を対向するように調節できる。これは特定テスターの第3軸座標値が
図13基準に右側にあるためである。
【0137】
例えば、この時、角度調節センサは特定テスターに付与された座標識別子t320の第3軸座標が示す平面を眺めることができる。より詳しくは、第1軸がX軸、第2軸がZ軸、第3軸がY軸であり、t320のxyz座標が(a,b,c)であると、角度調節センサはY=cである平面を眺めることができる。
【0138】
以後、制御部は、第1駆動部を制御して、特定テスターに付与された座標識別子t320と同一の第1軸座標を示す長さ座標識別子t300が認識されるまでテストトレイを第1軸に沿って移送させることができる。
【0139】
移送を目的とする第1軸座標及び/又は長さ座標識別子t300を確認する方法は、認識された座標識別子の数字を用いることであってもよい。より詳しくは、各長さ座標識別子には登場順に該当する数字が設定される。制御部は、当該長さ座標識別子の登場順と同一数の座標識別子が認識されるまで第1駆動部を制御して、支持部を移送することができる。
【0140】
例えば、トランスファが第1軸に沿ってスキャンする過程で、突出又は陥没した部分が登場する回数(他の部分に比べて臨界的距離差を有する領域の登場回数)、バーコードリーダーがバーコードを認識した回数及び/又は光源(例えば、LED)から照射された光が反射板により反射されて、光受信機が反射された光を認識した回数は前述の登場順序を示すことができる。
【0141】
また他の例として、制御部はトランスファが認識したバーコードに基づいて現在の支持部に対する座標を把握することができる。この時、バーコードはトランスファに装着されたバーコードリーダーにより認識され、該当位置の第1軸及び/又は第2軸座標に対する情報を含む。
【0142】
制御部は、支持部の一次的な移送を目標とする長さ座標識別子t300が認識されると、該当位置(st2)において第1軸移動を完了することができる。以後、トランスファは特定テスターに付与された座標識別子t320が認識されるまで、テストトレイを第2軸に沿って昇降させることができる。
【0143】
制御部が認識された座標識別子の数字により移送を目標とする座標を把握する場合には、トランスファの昇降過程(第2軸移動過程)で認識された座標識別子の数字により第2軸座標を把握することができる。座標識別子の数字により第2軸の座標を把握することは、第1軸の場合と同一または類似する。
【0144】
これに対して、座標に関する情報を含むバーコードを利用する場合には、第1軸の場合と同様に、バーコードを認識して第2軸の座標を確認することができる。
【0145】
特定テスターに付与された座標識別子t320が確認されると、制御部は、支持部を該当位置(st3)において一時停止することができる。その後、トランスファは、角度調節センサを駆動して特定テスターの配置状態を把握することができる。説明の便宜上、以下ではt320を基準付与識別子、t420を補助付与識別子と称する。
【0146】
角度調節センサが基準付与識別子t320と補助付与識別子t420とを認識して、調節角を把握すると、トランスファは調節角の分だけテストトレイを回転させる。調節角の把握方法は前述したので省略する。
【0147】
回転が完了した後、角度調節センサは特定テスターとの直線距離を測定する。以後、制御部は測定された直線距離に予め設定された値を加えて、テストトレイを直線移動させることができる。この時、予め設定された値は、支持ラックから実際の安着位置(st4)までの距離でありうる。この時、調節角が0度である場合、トランスファは第3軸に平行な方向にテストトレイを移動させることができる。
【0148】
トランスファは安着位置(st4)まで移送を完了すると、テストトレイをテスターに安着させた後、再び初期位置(st1)に復帰することができる。
【0149】
以下では、
図14を参照して、本発明の一実施例によるメモリモジュール実装テスト方法について説明する。
図14は、本発明の一実施例によるメモリモジュール実装テスト方法に対するフローチャートである。重複した説明を避けるために、前述の説明において共通する部分の説明を省略する。
【0150】
図14に示すように、本発明の一実施例によるメモリモジュール実装テスト方法は、メモリモジュールがテストトレイに積載される段階(S100)、トランスファがテストトレイをテスターに移送する段階(S200)、トランスファがテストトレイを回転させて整列する段階(S300)、メモリモジュールアレイがテスターに装着されてテストが行われる段階(S400)及び実装テストが完了したテストトレイがハンドラーに移送される段階(S500)を含む。
【0151】
本発明の一実施例によるメモリモジュール実装テスト方法には、前述の本発明の一実施例によるメモリモジュール実装テストシステム1が利用される。または、本発明の一実施例によるメモリモジュール実装テスト方法には、前述の本発明の一実施例によるメモリモジュール実装テストシステム1ではない装置により実現されることもできる。
【0152】
メモリモジュールがテストトレイに積載される段階(S100)では、実装テストを行うメモリモジュールがテストトレイに積載される。テストトレイにはメモリモジュールが所定パターンで複数積載される。このような複数のメモリモジュールはメモリモジュールアレイを形成することができる。このような積載は、初期位置においてハンドラーにより行われることができる。
【0153】
トランスファがテストトレイをテスターに移送する段階(S200)では、トランスファが複数のテスターのいずれか1つにテストトレイを移送する。本段階では初期位置から安着位置までテストトレイが移送されるか、または、移送しようとするテスターの前までテストトレイが移送されることができる。この時、テスターには複数のソケットが形成され、ソケットはメモリモジュールアレイと整合されるパターンを有することができる。
【0154】
トランスファがテストトレイを回転させて整列する段階(S300)では、トランスファが調節角を把握して、テストトレイを調節角の分だけ回転させることができる。調節角の分だけ回転されると、テストトレイに積載されたメモリモジュールアレイとソケットが整列されることができる。
【0155】
トランスファがテストトレイをテスターに移送する段階(S200)で、テストトレイが安着位置まで移送されたら、テストトレイが回転した後、メモリモジュールアレイがテスターに装着されてテストが行われる段階(S400)が進行できる。
【0156】
トランスファがテストトレイをテスターに移送する段階(S200)で、テストトレイがテスターの前まで移送されたら、本段階でテストトレイは回転整列された後、安着位置まで追加的に移送されることができる。
【0157】
メモリモジュールアレイがテスターに装着されてテストが行われる段階(S400)では、整列が完了したメモリモジュールがソケットに装着されて実装テストを行われることができる。
【0158】
実装テストが完了したテストトレイがハンドラーに移送される段階(S500)では、実装テストが完了した後、トランスファが再び安着位置に位置したテストトレイをホールドして、初期位置であるハンドラー内部に復帰することができる。ハンドラーに復帰した後、テストトレイに積載されたメモリモジュールは実装テストの結果に応じて分類され、外部に搬出できる状態に整理されることができる。
【0159】
本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須的な特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施できることを理解できるであろう。従って、前述の実施例は全ての面で例示的なものであり、限定的でないと理解しなければならない。本発明の範囲は前記詳細な説明よりは後述する特許請求範囲により表され、特許請求範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導出される全ての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0160】
1:メモリモジュール実装テストシステム
10:メモリモジュールアレイ
11:メモリモジュール
30:テストトレイ
31:インサート
100:ハンドラー
200:トランスファ
210:移送プレート
220:柱部材
230:支持部
231:スライド部材
232:支持プレート
233:回転プレート
234:出没部材
250:第1駆動部
251:第1軸駆動部
253:第2軸駆動部
255:第3軸駆動部
260:第2駆動部
270:角度調節センサ
271:測定波発信器
272:測定周波受信器
273:センサ駆動部
280:制御部
300:テスターアレイ
310:テスターラック
311:支持ラック
320:装着器
321:装着器駆動部
330:テスター
331:ソケット
332:マザーボード
340:リニアガイド
351、352、352a、352b:座標識別子