(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】脳神経系疾患の治療または診断のための標的タンパク質としてのPCNT
(51)【国際特許分類】
A61K 35/15 20250101AFI20250212BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20250212BHJP
A61K 38/22 20060101ALI20250212BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20250212BHJP
C12N 5/078 20100101ALN20250212BHJP
A61K 35/51 20150101ALN20250212BHJP
【FI】
A61K35/15
A61P25/00
A61K38/22 ZNA
A61P25/28
C12N5/078
A61K35/51
(21)【出願番号】P 2023145820
(22)【出願日】2023-09-08
(62)【分割の表示】P 2021062910の分割
【原出願日】2018-01-11
【審査請求日】2023-10-05
(31)【優先権主張番号】10-2017-0004167
(32)【優先日】2017-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518018056
【氏名又は名称】スンクワン メディカル ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミンユン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ジェ イン
【審査官】林 康子
(56)【参考文献】
【文献】STEM CELLS,2013年,31,581-591
【文献】南山堂 医学大辞典 ,18版,1998年,1325ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 35/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチドを発現または分泌する臍帯血中の白血球を有効成分として含む、
脳性マヒを予防または治療するための薬学的組成物。
【請求項2】
前記臍帯血が、自家臍帯血または同種異系臍帯血である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
エリスロポエチン(EPO)をさらに含む、請求項1に記載の薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PCNTを発現または分泌する臍帯血または臍帯血由来細胞を有効成分として含む中枢神経疾患(脳神経系疾患)を予防または治療するための薬学的組成物、PCNTタンパク質のレベルを測定する薬剤を含む脳神経系疾患を診断するための組成物またはキット、PCNTタンパク質を利用し、脳神経系疾患診断に必要な情報を分析する方法、及び脳神経系疾患治療剤候補物質をスクリーニングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脳神経系は、脳、脊髄、脳神経、脊髄神経、自律神経系などから構成された身体調節システムを意味する。脳神経系疾患は、脳性マヒ、脳損傷、外傷性脳損傷、虚血性脳損傷、脳震蕩、脳打撲傷、脳卒中、脳梗塞、脳出血、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、脳卒中、痴呆、ルー・ゲーリック病、ハンチントン病、ピック(Pick)病、クロイツフェルト・ヤコブ(Creutzfeld-Jakob)病、筋萎縮性側索硬化症、原発性側索硬化症、退行性運動失調症、多発性硬化症、神経系機能障害、記憶力減退、癲癇、脳炎、プリオン病及び神経病症など多様である。脳損傷とは、内的または外的なさまざまな理由で、脳の神経組織に異常が生じ、行動上または機能上で異常をきたす状態を意味する。脳損傷は、開放性頭部損傷、閉鎖性頭部損傷、減速損傷、毒性物質の露出、酸素不足、腫瘍、感染、脳卒中のような脳血管疾患によって発生しうる。
【0003】
脳性マヒは、1つの疾病ではなく、類似した臨床的特徴を有した症侯群を集合的に表す用語であり、未成熟脳に対する非進行性病変あるいは損傷によって生ずる運動と姿勢との障害を示す臨床症侯群を言う。脳性マヒとは、発達過程中の脳に対する損傷により、筋肉調節能力や、歩行時の姿勢維持などに問題を引き起こす疾患であり、脳損傷は、出生前後や出生途中に主に発生するが、妊娠中にいつでも発生可能であり、甚だしくは、小児期の時にも生じうる。
【0004】
該脳損傷は、非進行性であるが、経時的に、神経運動障害の様相と、筋骨格系の障害とが変化するので、周期的な診察を介して、変化した臨床様相に最も適するリハビリテーション治療を提供しなければならない。それ以外の他の治療方法があるが、それらを介した画期的で根本的な治療方法がない実情である。
【0005】
脳性マヒの治療として、脳可塑性の可能性を刺激することにより、潜在的効果を示すことができると報告されており、それは、脳損傷患者において、肯定的な効果を示す。脳可塑性の可能性を刺激するための方法として、細胞治療の方法がある。
【0006】
韓国登録特許公報第14093336号(特許文献1)は、希突起膠前駆細胞の中枢神経系疾患の細胞治療剤としての用途に係わるものであり、Olig2遺伝子エンコーディング核酸分子を含む発現ベクターに形質転換された幹細胞である希突起膠前駆細胞を有効成分として含む中枢神経系疾患治療用組成物を開示している。
【0007】
一方、間葉系幹細胞を含んだ幹細胞を直接移植することになれば、生体内において、分化と生存とに失敗することもあり、定量的な投与が困難であるという問題点があり、細胞治療剤への使用が困難である。それにより、生体内で拒否反応がなく、運動及び認知の発達に治療効果がある細胞治療剤の開発が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そのために、本発明者らは、脳神経系疾患の細胞治療剤として、臍帯血を研究している中で、脳神経系疾患の治療または診断のための標的タンパク質としてのPCNTタンパク質を確認し、本発明を完成した。
【0010】
一様相は、ペリセントリン(PCNT)を発現または分泌する臍帯血または臍帯血由来細胞を有効成分として含む脳神経系疾患を予防または治療するための薬学的組成物を提供する。
【0011】
他の様相は、PCNTタンパク質またはその遺伝子のmRNAのレベルを測定する薬剤を含む脳神経系疾患を診断するための組成物またはキットを提供する。
【0012】
他の様相は、個体から分離された試料のPCNTタンパク質またはその遺伝子の発現量または活性レベルを測定する段階と、前記測定された発現量または活性レベルを、正常個体から分離された対照群試料で測定されたPCNTタンパク質の発現量または活性レベルと比較する段階と、を含む、脳神経系疾患診断に必要な情報を分析する方法を提供する。
【0013】
他の様相は、インビトロで、PCNTタンパク質を発現する細胞と試験物質とを接触させる段階と、前記細胞において、PCNTタンパク質の発現量または活性を測定する段階と、前記測定されたPCNTタンパク質の発現量または活性を、対照群で測定された発現量または活性と比較し、対照群に比べ、発現量または活性を増大させる試験物質を、脳神経系疾患治療剤候補物質として選択する段階と、を含む脳神経系疾患治療剤候補物質をスクリーニングする方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一様相は、PCNTを発現または分泌する臍帯血または臍帯血由来細胞を有効成分として含む脳神経系疾患を予防または治療するための薬学的組成物を提供する。
【0015】
他の様相は、PCNTタンパク質またはその活性断片を有効成分として含む脳神経系疾患を予防または治療するための薬学的組成物を提供する。
【発明の効果】
【0016】
一様相によるPCNTを発現または分泌する臍帯血または臍帯血由来細胞を含む組成物を使用すれば、脳神経系疾患を効果的に予防または治療することができる。また、PCNTタンパク質は、早期に脳神経系疾患を診断し、脳神経系疾患治療剤を開発するための標的に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1Aは、臍帯血施術の前(Pre)と該施術10日後(Post+10days)との血漿内タンパク質の変化を確認するための二次元ゲル電気泳動結果であり、実験1(4番,9番及び10番患児のサンプル分析)の結果である。
図1Bは、臍帯血施術の前(Pre)と該施術10日後(Post+10days)との血漿内タンパク質の変化を確認するための二次元ゲル電気泳動結果であり、実験2(6番,7番及び8番患児のサンプル分析)の結果である。
【
図2】13名の脳性マヒ患児の血漿に対して、臍帯血施術の前(Pre)と後(Post)とのPCNT発現を確認したウェスタンブロット結果である。
【
図3】
図2に示された全ての患児の結果を合算し、臍帯血施術前後のPCNT発現量の変化を示したグラフである。
【
図4】脳性マヒ誘発鼠モデルにおいて、臍帯血単核球(UCB)投与後、PCNT発現量をそれぞれ4回繰り返して確認した結果を示した図面である。比較群として、EPOを投与したモデルを使用した。
【
図5】脳性マヒを誘発していないシャム(Sham)モデルに臍帯血を投与していないときを基準にし、
図4のPCNT発現変化量を%に換算して示したグラフである。
【
図6】
図6Aは、臍帯血(UCB)血漿、正常人血漿、脳性マヒ患児血漿のサンプルにおけるPCNT発現量を示した図面である。
図6Bは、臍帯血1番サンプルを基準にし、臍帯血(UCB)血漿、正常人血漿、脳性マヒ患児血漿のサンプルにおけるPCNTの相対的な発現量(%)を示したグラフである。
【
図7】臍帯血内に存在する成分である血清(Serum)、血漿(Plasma)、単核球(Monocyte)、好中球(Neutrophil)、B-リンパ球(B-lymphocyte)、T-リンパ球(T-lymphocyte)、CD4 T細胞、CD8 T細胞、NK細胞、末梢血液単核球細胞(Peripheral blood mononuclear cell)、血小板(Platelet)、リンパ節(Lymph node)、扁桃腺(Tonsil)、骨髄間質細胞(Bone marrow stromal cell)及び骨髄間葉系幹細胞(Bone marrow mesenchymal stem cell)それぞれのPCNT発現量(Log
10,ppm)を示したグラフである。
【
図8】5番,11番及び13番脳性マヒ患児に対する臍帯血施術前(GMFCS_pre)及び該施術後(GMFCS_post)のGMFCS評価結果(総GMFCS(%))を示したグラフである。
【
図9】5番,11番及び13番脳性マヒ患児に対する臍帯血施術前(BSID_Motor_pre)及び該施術後(BSID_Motor_post)のBayley乳幼児発達検査の行動発達領域評価結果(BSID II motor)を示したグラフである。
【
図10】5番,11番及び13番脳性マヒ患児に対する臍帯血施術前(BSID_Mental_pre)及び該施術後(BSID_Mental_post)のBayley乳幼児発達検査の精神発達領域評価結果(BSID II mental)を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
用語「ペリセントリン(PCNT:pericentrin)」は、カルモジュリン(calmodulin)と結合されるタンパク質であり、中心体(centrosome)で発現され、中心小体と共に中心体をなすタンパク質を意味する。PCNTタンパク質は、細胞分裂時、重要な役割を行うと知られており(Liu Q et al., Aug 2010, Cell Research. 20 (8): 948-62)、このタンパク質の異常による精神に係わる疾患が報告されている(Unal S et al., Feb 2014, Pediatric Blood & Cancer. 61 (2): 302-5)。前記PCNTタンパク質は、臍帯血において、正常人血漿対比で、高い発現レベルを示し、脳性マヒ患者において、正常人血漿対比で、低い発現レベルを示すということを確認した。また、PCNTタンパク質は、臍帯血細胞治療を施術された脳性マヒ患者において、施術受け前対比で、高い発現レベルを示すということを確認した。このような結果は、PCNTタンパク質が、脳性マヒのような脳神経系疾患を診断するための診断マーカーとしても使用されるという点を示唆するだけでなく、PCNTタンパク質が、脳神経系疾患の予防または治療に関与するという点を示唆する。従って、PCNTタンパク質の発現率が高い臍帯血または臍帯血由来細胞は、脳神経系疾患を予防または治療するために使用されるであろう。
【0019】
前記PCNTタンパク質は、臍帯血または臍帯血由来細胞から分泌するものでもある。また、前記PCNTタンパク質は、哺乳動物に由来したものでもあり、例えば、ヒト、猿または齧歯類に由来したものでもある。一具体例において、前記PCNTは、配列番号1のアミノ酸配列(GenBank Accession No.XP_005261181)からなるものでもある。
【0020】
一具体例において、前記脳神経系疾患は、正常に比べ、PCNT発現が低減された脳神経系疾患でもある。他の具体例において、前記脳神経系疾患は、脳神経系を構成する脳、脊髄、脳神経、脊髄神経、自律神経系などのうち一部または全部に、異常や障害が発生した疾患をいずれも含む。他の具体例において、前記脳神経系疾患は、脳損傷疾患でもある。他の具体例において、前記脳神経系疾患は、神経損傷疾患でもある。他の具体例において、前記脳神経系疾患は、脳性マヒ、脳損傷、外傷性脳損傷(traumatic brain injury)、虚血性脳損傷、脳震蕩(concussion)、脳打撲傷(brain contusion)、脳卒中、脳梗塞、脳出血、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、脳卒中、痴呆、ルー・ゲーリック病、ハンチントン病、ピック(Pick)病、クロイツフェルト・ヤコブ(Creutzfeld-Jakob)病気、筋萎縮性側索硬化症、原発性側索硬化症、退行性運動失調症、多発性硬化症、神経系機能障害、記憶力減退、癲癇、脳炎、プリオン病及び神経病症からなる群からも選択されるが、それらに限定されるものではない。他の具体例において、前記脳神経系疾患は、脳性マヒでもある。
【0021】
用語「脳性マヒ(cerebralpalsy)」とは、未成熟脳に、出生時または出生後、さまざまな原因因子により、非進行性病変や損傷が発生し、臨床的に運動と姿勢との障害を示すことになる疾患を意味する。
【0022】
用語「臍帯血(cord blood)」は、胎盤内や臍帯内の血液を意味する。該臍帯血は、血液成分である白血球、赤血球、血小板などを作る造血幹細胞(hematopoietic stem cell)と、軟骨、骨、脂肪、筋肉、神経などを作る多様な幹細胞とを多量に含んでいる。用語「幹細胞(stem cell)」とは、原始段階の細胞であり、いかなる器官にも転換される未分化細胞であり、その種類は、胚芽幹細胞(embryonic stem cell)及び成体幹細胞(adult stem cell)を含んでもよい。臍帯血由来幹細胞は、間葉系幹細胞(MSC:mesenchymal stem cell)のような成体幹細胞でもある。該臍帯血は、出産後、臍帯から分離されて得られる。前記臍帯血は、赤血球及び血漿を除外した白血球濃縮液を使用することができる。前記臍帯血の白血球濃縮液は、造血幹細胞、単核球、好中球、B-リンパ球、T-リンパ球、CD4 T細胞、CD8 T細胞、NK細胞、末梢血液単核球細胞(PBMC:peripheral blood mononuclear cell:PBMC)、血小板、リンパ節、扁桃腺、骨髄間質細胞(bone marrow stromal cell)、骨髄間葉系幹細胞(bone marrow mesenchymal stem cell)など多様な臍帯血由来細胞を含んでもよい。
【0023】
一具体例において、前記臍帯血は、自家(autologous)臍帯血または同種異系(allogeneic)臍帯血でもある。前記同種異系臍帯血は、兄弟、親など家族の臍帯血を使用することができる。
【0024】
一具体例において、前記臍帯血由来細胞は、造血幹細胞でもある。他の具体例において、前記臍帯血由来細胞は、PCNTを発現または分泌する細胞でもある。他の具体例において、前記臍帯血由来細胞は、単核球、B-リンパ球、CD4 T細胞、CD8 T細胞、NK細胞、末梢血液単核球細胞、血小板及びリンパ節からなる群から選択されたものでもあるが、それらに限定されるものではない。他の具体例において、前記臍帯血由来細胞は、末梢血液単核球細胞でもある。他の具体例において、前記臍帯血由来細胞は、PCNTを発現または分泌したり、発現または分泌が増大したりするように遺伝的に操作されたものでもある。
【0025】
前記薬学的組成物は、エリスロポエチン(EPO:erythropoietin)をさらに含んでもよい。前記エリスロポエチンは、骨髄での赤血球生産を調節するホルモンでもある。エリスロポエチンを、臍帯血または臍帯血由来細胞と複合投与する場合、臍帯血の治療効果が増進され、患者の運動機能及び認知機能が一層さらに向上することができる。
【0026】
用語「治療」は、疾患、障害または病態、またはその1以上の症状の軽減、進行抑制または予防を指称するか、あるいはそれを含み、「有効成分」または「薬剤学的有効量」は、疾患、障害または病態、またはその1以上の症状の軽減、進行抑制または予防に十分な、本願で提供される発明を実施する過程で利用される組成物の任意量を意味する。
【0027】
用語「投与する」、「投入する」及び「移植する」は、相互交換的に使用され、一具体例による組成物の所望部位への、少なくとも部分的局所化をもたらす方法または経路による個体内への、一具体例による組成物の配置を意味する。一具体例による組成物の細胞、細胞成分の少なくとも一部、または細胞由来分泌成分を、生存する個体内において、所望位置に伝達する任意の適切な経路によっても投与される。個体投与後細胞の生存期間は、短ければ、数時間、例えば、24時間ないし数日、あるいは長ければ、数年でもある。
【0028】
前記薬学的組成物は、薬学的に許容可能な担体または希釈剤をさらに含んでもよい。薬学的に許容可能な担体または希釈剤は、当業界に公知のものでもある。前述の担体または希釈剤は、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、澱粉、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微細結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水(例えば、食塩水及び滅菌水)、シロップ、メチルセルロース、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、滑石、ステアリン酸マグネシウム、ミネラルオイル、リンゲル液、緩衝剤、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノール、デキストラン、アルブミン、またはそれらの任意の組み合わせでもある。前記薬学的組成物は、潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁液剤または保存剤をさらに含んでもよい。
【0029】
前記薬学的組成物は、当業者に公知の方法によって、薬剤学的に許容される担体及び/または賦形剤を利用して製剤化することにより、単位容量形態に製造されるか、あるいは多容量容器内に込めても製造される。このとき、剤形は、オイル中または水性溶媒中の溶液、懸濁液、シロップ剤または乳化液形態であるか、あるいはエキス剤、散剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤またはカプセル剤の形態でもあり、分散剤または安定化剤を追加的に含んでもよい。前記水性溶媒は、生理食塩水またはPBSを含むものでもある。一具体例による前記薬学的組成物は、経口または非経口の投与形態、望ましくは、非経口投与形態でも製剤化される。筋肉内、腹腔内、皮下及び静脈内への投与形態の場合、一般的に活性成分の滅菌溶液を製造し、溶液のpHを適切に調節することができる緩衝剤を含んでもよく、静脈内投与の場合、製剤に等張性が付与されるように、等張化剤を含んでもよい。
【0030】
一具体例による薬学的組成物は、臍帯血由来細胞を有核細胞数1x107/kg以上、具体的には、2x107/kg以上、3x107/kg以上、または3x107/kgないし10x107/kg、例えば、3x107/kgないし5x107/kgに含んでもよい。
【0031】
一具体例による薬学的組成物の投与量(有効量)は、1日約0.01ないし200ml、具体的には、約0.01ないし150ml、約0.01ないし100ml、約0.1ないし150ml、約0.1ないし100ml、約1ないし100ml、約1ないし50ml、約5ないし50ml、または約10ないし40ml、例えば、15ないし30mlでもある。必要な場合、前記臍帯血は、適切に濃縮して投与することにより、全体投与量を減少させることもできる。ただし、投与量は、製剤化方法、投与方式、患者の年齢・体重・性別・病的状態、食べ物、投与時間、投与経路、排泄速度、及び反応感応性のような要因によっても多様に処方され、当業者であるならば、そのような要因を考慮し、投与量を適切に調節することができる。投与回数は、1日1回、または臨床的に容認可能な副作用の範囲内において、2回以上が可能であり、投与部位についても、1ヵ所または2ヵ所以上に投与することができ、毎日、または2日ないし5日間隔で、総投与日数は、1回の治療時、1日から30日まで投与される。必要な場合、適正時期後、同一治療を反復することができる。ヒト以外の動物についても、kg当たりヒトと同一投与量にするか、あるいは、例えば、目的の動物とヒトとの器官(心臓など)の容積比(例えば、平均値)などにより、前述の投与量を換算した量を投与することができる。可能な投与経路には、非経口(例えば、皮下、筋肉内、動脈内、腹腔内、硬膜内または静脈内)、局所(経皮含む)、及び注射または移植性装置、または物質の挿入を含んでもよい。一具体例による治療の対象動物としては、ヒト、及びそれ以外の目的とする哺乳動物を例として挙げることができ、具体的には、ヒト、猿、マウス、ラット、兎、羊、牛、犬、馬、豚などが含まれる。
【0032】
他の様相は、PCNTタンパク質またはその遺伝子のmRNAのレベルを測定する薬剤を含む脳神経系疾患を診断するための組成物またはキットを提供する。
【0033】
PCNTタンパク質及び脳神経系疾患は、前述の通りである。
【0034】
一実施例において、PCNTタンパク質は、脳性マヒ患者において、正常人血漿対比で、低い発現レベルを示すということを確認した。従って、PCNTタンパク質の発現や活性レベルを測定し、正常人由来サンプルと比較することにより、脳性マヒのような脳神経系疾患の発病または進行のいかんを診断することができる。それにより、PCNTタンパク質は、脳神経系疾患、例えば、脳性マヒの診断マーカーでもある。
【0035】
用語「診断」は、病理状態の存在または特徴を確認することを意味する。従って、前記「脳神経系疾患の診断」とは、脳神経系疾患の発病いかんまたは発病可能性を確認したり、発病の危険を予測したりすることを意味する。
【0036】
用語「診断マーカー(diagnosis marker)」は、前記脳神経系疾患の発病いかんまたは発病可能性を診断することができる物質を意味する。
【0037】
前記タンパク質を測定する薬剤は、前記PCNTタンパク質またはその断片に特異的に結合する抗体でもある。
【0038】
前記遺伝子のmRNAレベルを測定する薬剤は、前記PCNTタンパク質またはその断片をコーディングする核酸に特異的に結合するプライマーまたはプローブを含んでもよい。
【0039】
公知されたアミノ酸配列を有するPCNTタンパク質から、それに特異的に結合する抗体を製造することは、当業者が公知された方法を利用し、容易に遂行することができるものである。PCNTタンパク質またはその断片に特異的に結合する抗体は、単一クローン抗体、多重クローン抗体及び組み換え抗体を含んでもよく、2個の重鎖と、2個の軽鎖との全体長を有する完全な形態以外にも、少なくとも抗原結合機能を保有する機能性断片であるFab、F(ab’)、F(ab’)2及びFvなどを含んでもよい。
【0040】
また、当業者であるならば、公知されたPCNT遺伝子の配列から、特定領域を特異的に増幅したり認識したりするプライマーまたはプローブを設計することができるのである。
【0041】
用語「プライマー」とは、短い自由3末端水酸化基(free 3’ hydroxyl group)を有する核酸配列であり、相補的なテンプレート(template)と塩基対(base pair)とを形成することができ、テンプレート鎖複製のための開始地点として機能する7個ないし50個の核酸配列を意味する。該プライマーは、普通合成するものの、自然に生成された核酸から利用することもできる。該プライマーの配列は、必ずしもテンプレートの配列と正確に同じである必要はなく、十分に相補的であるので、テンプレートと混成化されるものであればよい。該プライマーは、適切な緩衝溶液及び温度において、重合反応(すなわち、DNAポリメラーゼ(polymerase)または逆転写酵素(reverse transcriptase)のための試薬、及び異なる4種ヌクレオシド三リン酸(nucleoside triphosphate)の存在下で、DNA合成を開示することができる。PCR条件、センス及びアンチセンスプライマーの長さは、当業界に公知されたところを基に変形することができる。従って、PCNT遺伝子のヌクレオチド配列部位のセンス(sense)プライマー及びアンチセンス(antisense)プライマーを利用し、PCR増幅を実施し、脳神経系疾患を診断することができる。
【0042】
用語「プローブ」とは、mRNAと特異的結合をなすことができる、短くは、数塩基、あるいは長くは、数百塩基に該当するRNAまたはDNAなどの核酸断片を意味し、ラベリング(labeling)されており、特定mRNAの存在有無を確認することができる。該プローブは、オリゴヌクレオチド(oligonucleotide)プローブ、単鎖DNA(single stranded DNA)プローブ、二重鎖DNA(double stranded DNA)プローブ、RNAプローブなどの形態にも作製される。適切なプローブの選択及び混成化条件は、当業界に公知されたところを基に変形することができる。従って、PCNT遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なプローブを利用して混成化を実施し、混成化いかんを介して、脳神経系疾患を診断することができる。
【0043】
前述のプライマーまたはプローブは、ホスホロアミダイト(phosphoramidite)固体支持体方法、またはその他広く公知された方法を使用し、化学的に合成することができる。そのような核酸配列は、基本性質を変化させない追加的な特徴を混入させることができる。混入させることができる追加的特徴の例として、メチル化、キャップ化、1以上の核酸の同族体への置換、及び核酸間の変形などがあるが、それらに制限されるものではない。
【0044】
前記キットは、RT-PCRキット、マイクロアレイチップキットまたはタンパク質チップキットでもある。
【0045】
前記キットは、分析方法に適する1以上の他の構成成分をさらに含んでもよい。該分析方法が、RT-PCRである場合、前記キットは、PCNTタンパク質に特異的なプライマーセット以外に、必要な容器、反応緩衝液、デオキシヌクレオチド(dNTP)、PCR用DNAポリメラーゼ及び逆転写酵素などをさらに含んでもよい。また、分析方法がELISAである場合、結合された抗体検出用試薬、例えば、二次抗体、発色団、酵素及びその基質をさらに含んでもよい。
【0046】
他の様相は、個体から分離された試料のPCNTタンパク質またはその遺伝子の発現量または活性レベルを測定する段階と、前記測定された発現量または活性レベルを、正常個体から分離された対照群試料で測定されたPCNTタンパク質の発現量または活性レベルと比較する段階と、を含む、脳神経系疾患診断に必要な情報を分析する方法を提供する。
【0047】
PCNTタンパク質及び脳神経系疾患は、前述の通りである。
【0048】
前記方法は、個体から分離された試料のPCNTタンパク質またはその遺伝子の発現量または活性レベルを測定する段階を含む。
【0049】
用語「個体」とは、脳神経系疾患の発病いかんまたは発病可能性を確認したり、発病危険度を予測したりしようとする個体を意味する。前記個体は、脳神経系疾患が発病する動物であるならば、その種類を限定するものではないが、具体的には、哺乳動物でもあり、例えば、ヒト(Homo sapiens)でもある。
【0050】
前記試料は、個体の体外に分離された組織、細胞、全血、血清、血漿、唾液、喀痰、脳脊髄樺液、尿のような試料などを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。一具体例において、前記試料は、血漿でもある。
【0051】
前記PCNTタンパク質またはその遺伝子の発現量を測定する段階は、PCNT遺伝子のmRNA、またはPCNTタンパク質の量を測定することによっても遂行される。
【0052】
前記PCNTタンパク質の発現量、すなわち、mRNAレベルを測定する段階は、RT-PCR、競争的RT-PCR(competitive RT-PCR)、リアルタイムRT-PCR(real-time RT-PCR)、RNase保護分析法(RPA:RNase protection assay)、ノーザンブロッティング(Northern blotting)、DNAチップなどの方法によっても遂行されるが、それらに限定されるものではない。
【0053】
前記PCNTタンパク質の活性レベルを測定する段階は、ウェスタンブロッティング、磁石ビード・抗体免疫沈降法、ELISA、質量分析器、放射線免疫分析法、免疫沈澱法などの方法によっても遂行されるが、それらに限定されるものではない。
【0054】
前記方法は、試料で測定された発現量または活性レベルを、正常個体から分離された対照群試料で測定されたPCNTタンパク質の発現量または活性レベルと比較する段階を含む。試料でのPCNTタンパク質の発現または活性レベルが、正常個体から分離された対照群試料のレベルよりさらに低ければ、前記試料は、脳神経系疾患が発病するか、あるいは進行する確率が高いと判断することができる。従って、前記方法は、前記測定された発現量または活性レベルが、前記対照群試料で測定された発現量または活性レベルより低い場合、脳神経系疾患があると判断することを含んでもよい。
【0055】
他の様相は、インビトロで、PCNTタンパク質を発現する細胞と試験物質とを接触させる段階と、前記細胞において、PCNTタンパク質の発現量または活性を測定する段階と、前記測定されたPCNTタンパク質の発現量または活性を、対照群で測定された発現量または活性と比較し、対照群に比べ、発現量または活性を増大させる試験物質を、脳神経系疾患治療剤候補物質として選択する段階と、を含む脳神経系疾患治療剤候補物質をスクリーニングする方法を提供する。
【0056】
PCNTタンパク質及び脳神経系疾患は、前述の通りである。
【0057】
PCNTタンパク質は、臍帯血細胞治療を施術された脳性マヒ患者において、施術受け前対比で、高い発現レベルを示すということを確認し、それにより、脳性マヒの好転効果を確認した。従って、PCNTタンパク質の発現や活性を特異的に増大させる物質は、脳性マヒのような脳神経系疾患の治療効果を発揮することができる。そのような効果は、PCNTタンパク質またはその遺伝子が、脳性マヒのような脳神経系疾患治療の標的ということを示す。
【0058】
前記方法は、インインビトロで、PCNTタンパク質を発現する細胞と試験物質とを接触させる段階を含む。
【0059】
前記PCNTタンパク質を発現する細胞は、例えば、血液細胞、脳細胞などでもあるが、その種類を制限するものではない。
【0060】
前記試験物質との接触は、試験物質の形質感染、形質転換または注入によって行われてもよい。
【0061】
前記試験物質との接触は、前記細胞の成長を維持することができる培地中でなされる。
【0062】
前記方法は、細胞において、PCNTタンパク質の発現量または活性を測定する段階を含む。
【0063】
前記測定は、PCNTタンパク質またはその断片を特異的に認識する抗体、またはPCNTタンパク質またはその断片をコーディングする核酸を特異的に認識するプライマーまたはプローブによっても行われる。
【0064】
前記発現量の測定は、PCNT遺伝子のmRNAまたはPCNTタンパク質の量を測定することによっても行われる。
【0065】
前記mRNAの量は、RT-PCR、競争的RT-PCR、リアルタイムRT-PCR、RNase保護分析法(RPA)、ノーザンブロッティングまたはDNAチップによって測定することができるが、その種類を制限するものではない。
【0066】
前記タンパク質の量は、ウェスタンブロッティング、磁石ビード・抗体免疫沈降法、ELISA、質量分析器放射線免疫分析法または免疫沈澱法によって測定することができるが、その種類を制限するものではない。
【0067】
前記方法は、測定されたPCNTタンパク質の発現量または活性を、対照群で測定された発現量または活性と比較し、対照群に比べ、発現量または活性を増大させる試験物質を、脳神経系疾患治療剤候補物質として選択する段階を含む。
【0068】
試験物質の処理後、PCNTタンパク質の発現または活性レベルがさらに増大された場合、前記試験物質をPCNTタンパク質の発現や活性を増大させ、脳神経系疾患の治療のために使用される物質としても選別される。
【0069】
前記対照群は、前記試験物質と接触させる段階を除いては、等しい条件にある細胞である。
【0070】
以下、本発明について、実施例を介してさらに詳細に説明する。しかし、それら実施例は、本発明について例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲は、それら実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0071】
実施例1:臍帯血施術後、発現レベルが変化したタンパク質スクリーニング
臍帯血細胞治療を受けた脳性マヒ患児の施術前後の血液を採取し、血漿内に存在する特定タンパク質の変化を観察した。該臍帯血細胞治療において、臍帯血は、赤血球と血漿とを除去し、白血球濃縮液を作り、冷凍保管されたものを使用した。冷凍保管された白血球濃縮液は、施術前、37℃ウォーターバス(water bath)で解凍した後、それを、10%デキストラン(dextran)40(100gデキストラン40/1l水)及び5%アルブミン(50gアルブミン/1l水)を同量で希釈した溶液で洗浄した。洗浄を終えた白血球濃縮液は、10%デキストラン40及び5%アルブミンを同量で希釈した混合液10mlに、最小総有核細胞数が、3x107/kgになるように懸濁した後、静脈内注射で、15mlから30mlの投与量を投与した。
【0072】
1-1.スクリーニングに使用する血漿サンプルの準備
表1は、血漿内タンパク質をスクリーニングするために選別された脳性マヒ患児の診断名及び臍帯血施術いかんを示した表である。表1に示された脳性マヒ患児の血液1~3ccほどをEDTAチューブに採取し、2,000rpmの速度で遠心分離を行った。このとき、血液の層が、最下側に、赤血球、中層に、単核球、最上層に、血漿と分けられ、そのように分けられた血液から血漿のみを分離し、-80℃超低温冷凍庫で冷凍保管した。
【0073】
【0074】
1-2.臍帯血細胞治療前後の血漿内タンパク質のスクリーニング
前記実施例1-1で分離した血漿内に存在している特定タンパク質の変化を確認するために、二次元ゲル電気泳動(2DE:2-dimensional gel electrophoresis)技法を使用した。準備したサンプルに対する2DE技法、イメージ分析及び定性分析は、延世大学校内延世プロテオーム研究院を介して進めた。
【0075】
表1の10名の脳性マヒ患児中、臍帯血施術を受けた後で好転を示した6名、すなわち、4番,6番,7番,8番,9番及び10番患児を選別して実験を進めた。
【0076】
表2は、臍帯血施術を受けた後で好転を示した6名患児の血漿内タンパク質のスクリーニングのための実験サンプルに係わる情報である。実験1においては、臍帯血治療前、血漿に、4番,9番及び10番患児の血漿を混ぜた混合物を使用し、臍帯血治療10日後、血漿として4番患児の血漿をサンプルとして使用して分析した。実験2においては、臍帯血治療前、血漿に6番,7番及び8番患児の血漿を混ぜた混合物を使用し、臍帯血治療10日後、血漿として、6番患児の血漿をサンプルで使用して分析した。
【0077】
【0078】
図1Aは、臍帯血施術前(Pre)と該施術10日後(Post+10days)との血漿内タンパク質の変化を確認するための二次元ゲル電気泳動結果であり、実験1(4番,9番及び10番患児のサンプル分析)の結果である。
図1Bは、臍帯血施術前(Pre)と該施術10日後(Post+10days)との血漿内タンパク質の変化を確認するための二次元ゲル電気泳動結果であり、実験2(6番,7番及び8番患児のサンプル分析)の結果である。横軸は、pH、縦軸は、タンパク質サイズを示す。
【0079】
表3は、2DE結果により、それぞれのタンパク質を定性分析した結果、臍帯血施術後に好転を示した患児の血漿内において、3倍以上増加すると見られるタンパク質を示したものである。アルファ-2-マクログロブリンアイソフォームの場合、2個の点で示されるものと見られ、一般的に血漿内に存在するタンパク質で実験を進めるとき、サンプルにおいて完璧に濾過されないと見られる。626点の結果で出たタンパク質は、フィブリノーゲンに結合する断片(fragment)と見られ、それも、血漿内フィブリノーゲン除去がなされずに示された結果と見られる。従って、ペリセントリン(PCNT)が、臍帯血施術後に血漿内で増加する特定タンパク質であるということを確認した。
【0080】
【0081】
実施例2:臍帯血施術を受けた脳性マヒ患児でPCNT発現確認
2-1.脳性マヒ患児の血漿サンプル準備
表4は、臨床脳性マヒ患児の名簿、施術した臍帯血の種類、及びエリスロポエチン(EPO:erythropoietin)の注入いかんに係わる情報を示した表である。同種異系臍帯血は、兄弟や家族の臍帯血を使用した。表4に示した総13名の脳性マヒ患児の血液を分離し、血漿のみを採取した。採取した血漿は、PBS(phosphate-buffered saline)で5:1に希釈し、ブラッドフォード法(Bradford assay)で定量した。定量したタンパク質は、30μgをサンプルバッファに混ぜ、7分間煮沸した後、スピンダウン(spin down)して準備した。
【0082】
【0083】
2-2.臍帯血施術後、PCNTタンパク質の発現確認
臍帯血施術後、PCNTタンパク質の発現をウェスタンブロット(Western blot)技法で確認した。
【0084】
まず、前記実施例2-1で準備した血漿サンプルを、8% SDS-ポリアクリルアミドゲル(polyacrylamide gel)に、臍帯血施術前後の順序通り分注して落とした。ゲルに落とされたタンパク質を、ニトロセルロース(NC;nitrocellulose)メンブレンに移し、PCNT抗体と16時間以上反応させた後、臍帯血施術前後のPCNT発現量をバンドで確認した。
【0085】
図2は、13名の脳性マヒ患児の血漿に対し、臍帯血施術前(Pre)とその後(Post)とのPCNT発現を確認したウェスタンブロット結果である。
【0086】
図2に示されているように、各サンプルの施術前後の日付差があるが、臍帯血の種類差なしに、全般的に臍帯血施術後、PCNT量が増えることを確認することができた。
【0087】
図3は、
図2に示された全ての患児の結果を合算し、臍帯血施術前後のPCNT発現量の変化を示したグラフである。
【0088】
図3に示されているように、臍帯血施術後、3日または10日が経ったとき、PCNT発現量が増加することを確認し、結果に有意性があった。
【0089】
従って、脳性マヒ患児に臍帯血施術を施したとき、PCNT発現量が大きく増加することを確認することができた。
【0090】
実施例3:脳神経系疾患動物モデルでのPCNT変化の確認
3-1.脳性マヒ誘発鼠モデルの作製
生後7日目になるICR鼠を利用し、脳性マヒ誘発鼠モデルである低酵素虚血(HI:hypoxic ischemia)モデルを作製した。生後7日目になるICR鼠の右側総頚動脈を、5-0ブルーナイロン(blue nylon)を利用して縛った後、O2 8%、N2 92%に維持される密閉された特殊容器に入れ、37℃に維持した後、1時間低酸素・脳虚血を誘導した。HIモデルを作製した後、6日後、脳組織の損傷程度を目で確認し、50%以上損傷されたモデルは除外した。
【0091】
3-2.脳性マヒ誘発鼠モデルに対する臍帯血投与
臍帯血は、車病院臍帯血銀行アイコード(icord)から寄贈された研究用臍帯血を使用した。該研究用臍帯血は、2,200rpmで遠心分離し、赤血球、単核球層、血漿に分離した後、血漿は別途に保管し、フィコール(Ficoll,Pharmacia Corp.,米国)を利用し、単核球層のみを分離した。具体的には、フィコール上に、血漿を除いた赤血球と単核球層とを、PBSに希釈して載せた後、2,200rpmで20分間遠心分離した。フィコールの原理により、フィコールより重い赤血球は、下に沈み、フィコール真上に単核球層が分離される。分離された単核球層のみを別途に移した後、4X105cells/10g濃度を100μlサリン(saline)に溶かした。準備した臍帯血単核球は、脳性マヒ誘発鼠モデルを作製した後、7日目になるモデルにランダムに腹腔投与した。
【0092】
3-3.脳組織内でのPCNT発現変化確認
臍 帯血単核球を投与して一週間が経った脳性マヒ誘発鼠モデルに対し、血液を除去して死亡させた後、脳組織を摘出した。摘出した脳組織を、溶解バッファ(lysis buffer)を使用し、破砕した後、遠心分離し、タンパク質を分離した。分離したタンパク質30μgに対して、ウェスタンブロット(Western blot)技法で、PCNTの変化した発現量を確認した。
【0093】
図4は、脳性マヒ誘発鼠モデルにおいて、臍帯血単核球(UCB)投与後、PCNT発現量をそれぞれ4回反復して確認した結果を示した図面である。比較群として、EPOを投与したモデルを使用した。
【0094】
図4に示されているように、臍帯血投与を受けた脳性マヒ誘発鼠モデルにおいて、PCNT発現量が増加することを確認し、比較群として、EPOを投与したモデルと比較したときにも、臍帯血によるPCNT発現量が増加するということを確認することができた。
【0095】
図5は、脳性マヒを誘発していないシャム(Sham)モデルに、臍帯血を投与していないときを基準にし、
図4のPCNT発現変化量を%に換算して示したグラフである。
【0096】
図5に示されているように、臍帯血を投与していない正常鼠であるシャムモデルと比較したときにも、脳性マヒ誘発鼠モデルに臍帯血を投与したとき、PCNT発現量がさらに多かった。
【0097】
実施例4:臍帯血、正常人及び脳性マヒ患児の血漿内に存在するPCNT量差の検証
4-1.臍帯血、正常人血液及び脳性マヒ患児血液内での血漿分離
臍帯血は、アイコード(icord)から寄贈された研究用臍帯血を遠心分離し、血漿のみを分離し、-80℃超低温冷凍庫に冷凍して保管した。正常人の血液は、20~30代の女性と男性との血液3ccを遠心分離し、血漿のみを分離し、脳性マヒ患児の血液は、入院中の脳性マヒ患児の臍帯血施術前の血液を遠心分離し、血漿のみを分離し、2つの血漿は、冷凍保管した。表5は、臍帯血内に含まれているPCNT発現を確認するために、比較群として選定した正常人と脳性マヒ患児との情報を示した表である。
【0098】
【0099】
4-2.臍帯血、正常人血漿及び脳性マヒ患児血漿内に含まれたPCNT発現量の確認 前記実施例4-1で保管した血漿を、氷上で徐々に融かした後、PBSで、5:1に希釈した。希釈されたサンプルを、ブラッドフォード(Bradford)試薬を利用して定量し、30μgに対してウェスタンブロット(Western blot)技法実験を進めた。
【0100】
図6Aは、臍帯血(UCB)血漿、正常人血漿、脳性マヒ患児血漿のサンプルにおけるPCNT発現量を示した図面である。
図6Bは、臍帯血1番サンプルを基準にし、臍帯血(UCB)血漿、正常人血漿、脳性マヒ患児血漿のサンプルにおけるPCNTの相対的な発現量(%)を示したグラフである。
【0101】
図6A及び
図6Bに示されているように、脳性マヒ患児の血漿には、PCNT発現量が顕著に少なく示され、その次に正常人であり、PCNTを最も多く含んでいるのが臍帯血であると示された。血漿内基準になるタンパク質がないので、ポンソー(Ponceau)で染色したバンドを基準に取り、PCNT発現量を%に換算したときにも、臍帯血内に、PCNTが最も多く発現されているということを確認することができた。
【0102】
実施例5:PCNTを発現する臍帯血内細胞種類の確認
臍帯血は、臍帯の組織にある血液であり、造血幹細胞(造血幹細胞)が多量含有されている。該造血幹細胞は、血液の主要構成成分であり、骨髄で生成される単核球、大食細胞、血小板細胞と、T-細胞、B-細胞、NK細胞のようなリンパ系細胞とに分化することができる潜在的な細胞である。従って、臍帯血内に存在する細胞のうち、どの細胞がPCNTを発現するかということで、その種類を確認した。PCNTを発現する細胞に係わる情報は、GeneCardsウェブサイト(http://www.genecards.org/)から確認した。
【0103】
図7は、臍帯血内に存在する成分である血清(Serum)、血漿(Plasma)、単核球(Monocyte)、好中球(Neutrophil)、B-リンパ球(B-lymphocyte)、T-リンパ球(T-lymphocyte)、CD4 T細胞、CD8 T細胞、NK細胞、末梢血液単核球細胞(peripheral blood mononuclear cell:PBMC)、血小板(Platelet)、リンパ節(Lymph node)、扁桃腺(Tonsil)、骨髄間質細胞(bone marrow stromal cell)及び骨髄間葉系幹細胞(bone marrow mesenchymal stem cell)それぞれのPCNT発現量(Log
10,ppm)を示したグラフである。
【0104】
図7に示されているように、臍帯血内に存在する細胞において、単核球、B-リンパ球、CD4 T細胞、CD8 T細胞、NK細胞、末梢血液単核球細胞、血小板及びリンパ節においてPCNTが分泌され、そのうち、末梢血液単核球細胞(PBMC)が、最も多くのPCNT発現を示すということを確認した。
【0105】
実施例6:臍帯血の脳神経系疾患治療効果の確認
臍帯血施術が、実際に脳神経系患者の脳神経系疾患を治療する効果があるか否かということを確認するために、脳性マヒ患児に自家臍帯血施術を進めた。
【0106】
該臍帯血細胞治療において、臍帯血は、赤血球と血漿とを除去して白血球濃縮液を作って冷凍保管されたものを使用した。冷凍保管された白血球濃縮液は、施術前、37℃ウォーターバス(water bath)での解凍後、それを、10%デキストラン(dextran)40(100gデキストラン40/1l水)及び5%アルブミン(50gアルブミン/1l水)を同量で希釈した溶液で洗浄した。洗浄を終えた白血球濃縮液は、10%デキストラン40及び5%アルブミンを同量で希釈した混合液10mlに、最小総有核細胞数が3x107/kgになるように懸濁した後、静脈内注射で、15mlから30mlまでの間の投与量を投与した。
【0107】
表6は、臍帯血の治療効果を確認するために選別された13名の脳性マヒ患児の性別、診断名、及び臍帯血治療後の機能評価結果を示した表である。
【0108】
表6に示されているように、13名の脳性マヒ患者において、臍帯血施術後、全般的な機能向上が示されるということを確認した。
【0109】
【0110】
また、臍帯血施術2~4ヵ月後、5番,11番及び13番患者に対し、粗大運動能力分類システム(GMFCS:gross motor function classification system:GMFCS)、Bayley乳幼児発達検査行動発達領域(BSID(Bayley scales of infant development)II motor)及びBayley乳幼児発達検査精神発達領域(BSID II mental)による評価を行った。
【0111】
図8は、5番,11番及び13番脳性マヒ患児に対する臍帯血施術前(GMFCS_pre)及び該施術後(GMFCS_post)のGMFCS評価結果(総GMFCS(%))を示したグラフである。
【0112】
図9は、5番,11番及び13番脳性マヒ患児に対する臍帯血施術前(BSID_Motor_pre)及び該施術後(BSID_Motor_post)のBayley乳幼児発達検査の行動発達領域評価結果(BSID II motor)を示したグラフである。
【0113】
図10は、5番,11番及び13番脳性マヒ患児に対する臍帯血施術前(BSID_Mental_pre)及び該施術後(BSID_Mental_post)のBayley乳幼児発達検査の精神発達領域評価結果(BSID II mental)を示したグラフである。
【0114】
図8ないし
図10に示されているように、臍帯血施術前後脳性マヒ患児に対し、GMFCS、BSID II motor及びBSID II mentalの検査を行った結果、臍帯血施術後、好転様相が観察された。
【産業上の利用可能性】
【0115】
脳神経系疾患の治療または診断のための標的タンパク質としてのPCNTタンパク質を確認したが、PCNTタンパク質は、初期に、脳神経系疾患を診断し、脳神経系疾患治療剤を開発するための標的として活用することができる。
【0116】
従って、PCNTを発現または分泌する臍帯血または臍帯血由来細胞を含む組成物を使用すれば、脳神経系疾患を効果的に予防または治療することができる。
【0117】
また、PCNTタンパク質またはその遺伝子のmRNAのレベルを測定する薬剤を含む組成物またはキットを使用すれば、脳神経系疾患を診断することができる。
【0118】
また、PCNTタンパク質またはその遺伝子の発現量または活性レベルを測定することにより、脳神経系疾患診断に必要な情報を分析することができる。
【0119】
また、PCNTタンパク質を発現する細胞と試験物質とを接触させた後、PCNTタンパク質の発現量または活性を測定することにより、脳神経系疾患治療剤候補物質をスクリーニングすることができる。
本開示は以下の実施形態を包含する。
[1] ペリセントリン(PCNT)を発現または分泌する臍帯血または臍帯血由来細胞を有効成分として含む、中枢神経系疾患を予防または治療するための薬学的組成物。
[2] 前記PCNTは、配列番号1のアミノ酸配列を有することを特徴とする実施形態1に記載の薬学的組成物。
[3] 正常個体に比べ、PCNT発現レベルが低減された中枢神経系疾患を予防または治療するためのものであることを特徴とする実施形態1に記載の薬学的組成物。
[4] 前記中枢神経系疾患は、脳性マヒ、脳損傷、外傷性脳損傷、虚血性脳損傷、脳震蕩、脳打撲傷、脳卒中、脳梗塞、脳出血、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、脳卒中、痴呆、ルー・ゲーリック病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性側索硬化症、原発性側索硬化症、退行性運動失調症、多発性硬化症、神経系機能障害、記憶力減退、癲癇、脳炎、プリオン病及び神経病症からなる群から選択されたものであることを特徴とする実施形態1に記載の薬学的組成物。
[5] 前記臍帯血は、自家臍帯血または同種異系臍帯血であることを特徴とする実施形態1に記載の薬学的組成物。
[6] 前記臍帯血由来細胞は、造血幹細胞であることを特徴とする実施形態1に記載の薬学的組成物。
[7] 前記臍帯血由来細胞は、単核球、B-リンパ球、CD4 T細胞、CD8 T細胞、NK細胞、末梢血液単核球細胞、血小板及びリンパ節からなる群から選択されたものであることを特徴とする実施形態1に記載の薬学的組成物。
[8] エリスロポエチン(EPO)をさらに含むものであることを特徴とする実施形態1に記載の薬学的組成物。
[9] ペリセントリン(PCNT)タンパク質またはその遺伝子のmRNAのレベルを測定する薬剤を含む、中枢神経系疾患を診断するための組成物。
[10] 前記タンパク質を測定する薬剤は、前記PCNTタンパク質またはその断片に特異的に結合する抗体であるか、あるいは前記遺伝子のmRNAレベルを測定する薬剤は、前記PCNTタンパク質またはその断片をコーディングする核酸に特異的に結合するプライマーまたはプローブを含むものであることを特徴とする実施形態9に記載の組成物。
[11] 前記中枢神経系疾患は、脳性マヒ、脳損傷、外傷性脳損傷、虚血性脳損傷、脳震蕩、脳打撲傷、脳卒中、脳梗塞、脳出血、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、脳卒中、痴呆、ルー・ゲーリック病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性側索硬化症、原発性側索硬化症、退行性運動失調症、多発性硬化症、神経系機能障害、記憶力減退、癲癇、脳炎、プリオン病及び神経病症からなる群から選択されたものであることを特徴とする実施形態9に記載の組成物。
[12] ペリセントリン(PCNT)タンパク質またはその遺伝子のmRNAのレベルを測定する薬剤を含む、中枢神経系疾患を診断するためのキット。
[13] 個体から分離された試料のペリセントリン(PCNT)タンパク質またはその遺伝子の発現量または活性レベルを測定する段階と、
前記測定された発現量または活性レベルを、正常個体から分離された対照試料で測定されたPCNTタンパク質の発現量または活性レベルと比較する段階と、を含む、中枢神経系疾患診断に必要な情報を分析する方法。
[14] 前記試料は、血漿であることであることを特徴とする実施形態13に記載の方法。
[15] 前記測定された発現量または活性レベルが、前記対照試料で測定された発現量または活性レベルより低い場合、中枢神経系疾患があると判断することをさらに含むことを特徴とする実施形態13に記載の方法。
[16] 前記中枢神経系疾患は、脳性マヒ、脳損傷、外傷性脳損傷、虚血性脳損傷、脳震蕩、脳打撲傷、脳卒中、脳梗塞、脳出血、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、脳卒中、痴呆、ルー・ゲーリック病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病、筋萎縮性側索硬化症、原発性側索硬化症、退行性運動失調症、多発性硬化症、神経系機能障害、記憶力減退、癲癇、脳炎、プリオン病及び神経病症からなる群から選択されたことであることを特徴とする実施形態13に記載の方法。
[17] インビトロで、ペリセントリン(PCNT)タンパク質を発現する細胞と試験物質とを接触させる段階と、
前記細胞において、PCNTタンパク質の発現量または活性を測定する段階と、
前記測定されたPCNTタンパク質の発現量または活性を、対照群で測定された発現量または活性と比較した結果として、PCNTタンパク質の発現量または活性を増大させる試験物質を、中枢神経系疾患の治療剤候補物質として選択する段階と、を含む中枢神経系疾患治療剤の候補物質をスクリーニングする方法。
[18] 前記細胞と試験物質との接触は、前記細胞の成長を維持することができる培地においてなされることを特徴とする実施形態17に記載の方法。
[19] 前記発現量の測定は、PCNT遺伝子のmRNAまたはPCNTタンパク質の量を測定することによってなされることを特徴とする実施形態17に記載の方法。
[20] 前記中枢神経系疾患は、脳性マヒ、脳損傷、外傷性脳損傷、虚血性脳損傷、脳震蕩、脳打撲傷、脳卒中、脳梗塞、脳出血、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、脳卒中、痴呆、ルー・ゲーリック病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病気、筋萎縮性側索硬化症、原発性側索硬化症、退行性運動失調症、多発性硬化症、神経系機能障害、記憶力減退、癲癇、脳炎、プリオン病及び神経病症からなる群から選択されたことであることを特徴とする実施形態17に記載の方法。
【0120】
本開示は以下の配列情報を包含する。
SEQUENCE LISTING
<110> SUNGKWANG MEDICAL FOUNDATION
<120> PCNT AS A TARGET PROTEIN FOR TREATMENT OR DIAGNOSIS OF
BRAIN-NERVOUS SYSTEM DISEASES
<130> PA23-455
<150> KR 10-2017-0004167
<151> 2017-01-11
<160> 1
<170> PatentIn version 3.2
<210> 1
<211> 3229
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 1
Met Phe Thr Val Ser Asp His Pro Pro Glu Gln His Gly Met Phe Thr
1 5 10 15
Val Gly Asp His Pro Pro Glu Gln Arg Gly Met Phe Thr Val Ser Asp
20 25 30
His Pro Pro Glu Gln His Gly Met Phe Thr Val Ser Asp His Pro Pro
35 40 45
Glu Gln Arg Gly Met Phe Thr Ile Ser Asp His Gln Pro Glu Gln Arg
50 55 60
Gly Met Phe Thr Val Ser Asp His Thr Pro Glu Gln Arg Gly Ile Phe
65 70 75 80
Thr Ile Ser Asp His Pro Ala Glu Gln Arg Gly Met Phe Thr Lys Glu
85 90 95
Cys Glu Gln Glu Cys Glu Leu Ala Ile Thr Asp Leu Glu Ser Gly Arg
100 105 110
Glu Asp Glu Ala Gly Leu His Gln Ser Gln Ala Val His Gly Leu Glu
115 120 125
Leu Glu Ala Leu Arg Leu Ser Leu Ser Asn Met His Thr Ala Gln Leu
130 135 140
Glu Leu Thr Gln Ala Asn Leu Gln Lys Glu Lys Glu Thr Ala Leu Thr
145 150 155 160
Glu Leu Arg Glu Met Leu Asn Ser Arg Arg Ala Gln Glu Leu Ala Leu
165 170 175
Leu Gln Ser Arg Gln Gln His Glu Leu Glu Leu Leu Arg Glu Gln His
180 185 190
Ala Arg Glu Lys Glu Glu Val Val Leu Arg Cys Gly Gln Glu Ala Ala
195 200 205
Glu Leu Lys Glu Lys Leu Gln Ser Glu Met Glu Lys Asn Ala Gln Ile
210 215 220
Val Lys Thr Leu Lys Glu Asp Trp Glu Ser Glu Lys Asp Leu Cys Leu
225 230 235 240
Glu Asn Leu Arg Lys Glu Leu Ser Ala Lys His Gln Ser Glu Met Glu
245 250 255
Asp Leu Gln Asn Gln Phe Gln Lys Glu Leu Ala Glu Gln Arg Ala Glu
260 265 270
Leu Glu Lys Ile Phe Gln Asp Lys Asn Gln Ala Glu Arg Ala Leu Arg
275 280 285
Asn Leu Glu Ser His His Gln Ala Ala Ile Glu Lys Leu Arg Glu Asp
290 295 300
Leu Gln Ser Glu His Gly Arg Cys Leu Glu Asp Leu Glu Phe Lys Phe
305 310 315 320
Lys Glu Ser Glu Lys Glu Lys Gln Leu Glu Leu Glu Asn Leu Gln Ala
325 330 335
Ser Tyr Glu Asp Leu Lys Ala Gln Ser Gln Glu Glu Ile Arg Arg Leu
340 345 350
Trp Ser Gln Leu Asp Ser Ala Arg Thr Ser Arg Gln Glu Leu Ser Glu
355 360 365
Leu His Glu Gln Leu Leu Ala Arg Thr Ser Arg Val Glu Asp Leu Glu
370 375 380
Gln Leu Lys Gln Arg Glu Lys Thr Gln His Glu Ser Glu Leu Glu Gln
385 390 395 400
Leu Arg Ile Tyr Phe Glu Lys Lys Leu Arg Asp Ala Glu Lys Thr Tyr
405 410 415
Gln Glu Asp Leu Thr Leu Leu Gln Gln Arg Leu Gln Gly Ala Arg Glu
420 425 430
Asp Ala Leu Leu Asp Ser Val Glu Val Gly Leu Ser Cys Val Gly Leu
435 440 445
Glu Glu Lys Pro Glu Lys Gly Arg Lys Asp His Val Asp Glu Leu Glu
450 455 460
Pro Glu Arg His Lys Glu Ser Leu Pro Arg Phe Gln Ala Glu Leu Glu
465 470 475 480
Glu Ser His Arg His Gln Leu Glu Ala Leu Glu Ser Pro Leu Cys Ile
485 490 495
Gln His Glu Gly His Val Ser Asp Arg Cys Cys Val Glu Thr Ser Ala
500 505 510
Leu Gly His Glu Trp Arg Leu Glu Pro Ser Glu Gly His Ser Gln Glu
515 520 525
Leu Pro Trp Val His Leu Gln Gly Val Gln Asp Gly Asp Leu Glu Ala
530 535 540
Asp Thr Glu Arg Ala Ala Arg Val Leu Gly Leu Glu Thr Glu His Lys
545 550 555 560
Val Gln Leu Ser Leu Leu Gln Thr Glu Leu Lys Glu Glu Ile Glu Leu
565 570 575
Leu Lys Ile Glu Asn Arg Asn Leu Tyr Gly Lys Leu Gln His Glu Thr
580 585 590
Arg Leu Lys Asp Asp Leu Glu Lys Val Lys His Asn Leu Ile Glu Asp
595 600 605
His Gln Lys Glu Leu Asn Asn Ala Lys Gln Lys Thr Glu Leu Met Lys
610 615 620
Gln Glu Phe Gln Arg Lys Glu Thr Asp Trp Lys Val Met Lys Glu Glu
625 630 635 640
Leu Gln Arg Glu Ala Glu Glu Lys Leu Thr Leu Met Leu Leu Glu Leu
645 650 655
Arg Glu Lys Ala Glu Ser Glu Lys Gln Thr Ile Ile Asn Lys Phe Glu
660 665 670
Leu Arg Glu Ala Glu Met Arg Gln Leu Gln Asp Gln Gln Ala Ala Gln
675 680 685
Ile Leu Asp Leu Glu Arg Ser Leu Thr Glu Gln Gln Gly Arg Leu Gln
690 695 700
Gln Leu Glu Gln Asp Leu Thr Ser Asp Asp Ala Leu His Cys Ser Gln
705 710 715 720
Cys Gly Arg Glu Pro Pro Thr Ala Gln Asp Gly Glu Leu Ala Ala Leu
725 730 735
His Val Lys Glu Asp Cys Ala Leu Gln Leu Met Leu Ala Arg Ser Arg
740 745 750
Phe Leu Glu Glu Arg Lys Glu Ile Thr Glu Lys Phe Ser Ala Glu Gln
755 760 765
Asp Ala Phe Leu Gln Glu Ala Gln Glu Gln His Ala Arg Glu Leu Gln
770 775 780
Leu Leu Gln Glu Arg His Gln Gln Gln Leu Leu Ser Val Thr Ala Glu
785 790 795 800
Leu Glu Ala Arg His Gln Ala Ala Leu Gly Glu Leu Thr Ala Ser Leu
805 810 815
Glu Ser Lys Gln Gly Ala Leu Leu Ala Ala Arg Val Ala Glu Leu Gln
820 825 830
Thr Lys His Ala Ala Asp Leu Gly Ala Leu Glu Thr Arg His Leu Ser
835 840 845
Ser Leu Asp Ser Leu Glu Ser Cys Tyr Leu Ser Glu Phe Gln Thr Ile
850 855 860
Arg Glu Glu His Arg Gln Ala Leu Glu Leu Leu Arg Ala Asp Phe Glu
865 870 875 880
Glu Gln Leu Trp Lys Lys Asp Ser Leu His Gln Thr Ile Leu Thr Gln
885 890 895
Glu Leu Glu Lys Leu Lys Arg Lys His Glu Gly Glu Leu Gln Ser Val
900 905 910
Arg Asp His Leu Arg Thr Glu Val Ser Thr Glu Leu Ala Gly Thr Val
915 920 925
Ala His Glu Leu Gln Gly Val His Gln Gly Glu Phe Gly Ser Glu Lys
930 935 940
Lys Thr Ala Leu His Glu Lys Glu Glu Thr Leu Arg Leu Gln Ser Ala
945 950 955 960
Gln Ala Gln Pro Phe His Gln Glu Glu Lys Glu Ser Leu Ser Leu Gln
965 970 975
Leu Gln Lys Lys Asn His Gln Val Gln Gln Leu Lys Asp Gln Val Leu
980 985 990
Ser Leu Ser His Glu Ile Glu Glu Cys Arg Ser Glu Leu Glu Val Leu
995 1000 1005
Gln Gln Arg Arg Glu Arg Glu Asn Arg Glu Gly Ala Asn Leu Leu
1010 1015 1020
Ser Met Leu Lys Ala Asp Val Asn Leu Ser His Ser Glu Arg Gly
1025 1030 1035
Ala Leu Gln Asp Ala Leu Arg Arg Leu Leu Gly Leu Phe Gly Glu
1040 1045 1050
Thr Leu Arg Ala Ala Val Thr Leu Arg Ser Arg Ile Gly Glu Arg
1055 1060 1065
Val Gly Leu Cys Leu Asp Asp Ala Gly Ala Gly Leu Ala Leu Ser
1070 1075 1080
Thr Ala Pro Ala Leu Glu Glu Thr Trp Ser Asp Val Ala Leu Pro
1085 1090 1095
Glu Leu Asp Arg Thr Leu Ser Glu Cys Ala Glu Met Ser Ser Val
1100 1105 1110
Ala Glu Ile Ser Ser His Met Arg Glu Ser Phe Leu Met Ser Pro
1115 1120 1125
Glu Ser Val Arg Glu Cys Glu Gln Pro Ile Arg Arg Val Phe Gln
1130 1135 1140
Ser Leu Ser Leu Ala Val Asp Gly Leu Met Glu Met Ala Leu Asp
1145 1150 1155
Ser Ser Arg Gln Leu Glu Glu Ala Arg Gln Ile His Ser Arg Phe
1160 1165 1170
Glu Lys Glu Phe Ser Phe Lys Asn Glu Glu Thr Ala Gln Val Val
1175 1180 1185
Arg Lys His Gln Glu Leu Leu Glu Cys Leu Lys Glu Glu Ser Ala
1190 1195 1200
Ala Lys Ala Glu Leu Ala Leu Glu Leu His Lys Thr Gln Gly Thr
1205 1210 1215
Leu Glu Gly Phe Lys Val Glu Thr Ala Asp Leu Lys Glu Val Leu
1220 1225 1230
Ala Gly Lys Glu Asp Ser Glu His Arg Leu Val Leu Glu Leu Glu
1235 1240 1245
Ser Leu Arg Arg Gln Leu Gln Gln Ala Ala Gln Glu Gln Ala Ala
1250 1255 1260
Leu Arg Glu Glu Cys Thr Arg Leu Trp Ser Arg Gly Glu Ala Thr
1265 1270 1275
Ala Thr Asp Ala Glu Ala Arg Glu Ala Gly Thr Ala Val Thr Ala
1280 1285 1290
Ala His Lys Asp Ser Ala Leu Arg Lys Glu Val Glu Asp Leu Thr
1295 1300 1305
Lys Glu Gln Ser Glu Thr Arg Lys Gln Ala Glu Lys Asp Arg Ser
1310 1315 1320
Ala Leu Leu Ser Gln Met Lys Ile Leu Glu Ser Glu Leu Glu Glu
1325 1330 1335
Gln Leu Ser Gln His Arg Gly Cys Ala Lys Gln Ala Glu Ala Val
1340 1345 1350
Thr Ala Leu Glu Gln Gln Val Ala Ser Leu Asp Lys His Leu Arg
1355 1360 1365
Asn Gln Arg Gln Phe Met Asp Glu Gln Ala Ala Glu Arg Glu His
1370 1375 1380
Glu Arg Glu Glu Phe Gln Gln Glu Ile Gln Arg Leu Glu Gly Gln
1385 1390 1395
Leu Arg Gln Ala Ala Lys Pro Gln Pro Trp Gly Pro Arg Asp Ser
1400 1405 1410
Gln Gln Ala Pro Leu Asp Gly Glu Val Glu Leu Leu Gln Gln Lys
1415 1420 1425
Leu Arg Glu Lys Leu Asp Glu Phe Asn Glu Leu Ala Ile Gln Lys
1430 1435 1440
Glu Ser Ala Asp Arg Gln Val Leu Met Gln Glu Glu Glu Ile Lys
1445 1450 1455
Arg Leu Glu Glu Met Asn Ile Asn Ile Arg Lys Lys Val Ala Gln
1460 1465 1470
Leu Gln Glu Glu Val Glu Lys Gln Lys Asn Ile Val Lys Gly Leu
1475 1480 1485
Glu Gln Asp Lys Glu Val Leu Lys Lys Gln Gln Met Ser Ser Leu
1490 1495 1500
Leu Leu Ala Ser Thr Leu Gln Ser Thr Leu Asp Ala Gly Arg Cys
1505 1510 1515
Pro Glu Pro Pro Ser Gly Ser Pro Pro Glu Gly Pro Glu Ile Gln
1520 1525 1530
Leu Glu Val Thr Gln Arg Ala Leu Leu Arg Arg Glu Ser Glu Val
1535 1540 1545
Leu Asp Leu Lys Glu Gln Leu Glu Lys Met Lys Gly Asp Leu Glu
1550 1555 1560
Ser Lys Asn Glu Glu Ile Leu His Leu Asn Leu Lys Leu Asp Met
1565 1570 1575
Gln Asn Ser Gln Thr Ala Val Ser Leu Arg Glu Leu Glu Glu Glu
1580 1585 1590
Asn Thr Ser Leu Lys Val Ile Tyr Thr Arg Ser Ser Glu Ile Glu
1595 1600 1605
Glu Leu Lys Ala Thr Ile Glu Asn Leu Gln Glu Asn Gln Lys Arg
1610 1615 1620
Leu Gln Lys Glu Lys Ala Glu Glu Ile Glu Gln Leu His Glu Val
1625 1630 1635
Ile Glu Lys Leu Gln His Glu Leu Ser Leu Met Gly Pro Val Val
1640 1645 1650
His Glu Val Ser Asp Ser Gln Ala Gly Ser Leu Gln Ser Glu Leu
1655 1660 1665
Leu Cys Ser Gln Ala Gly Gly Pro Arg Gly Gln Ala Leu Gln Gly
1670 1675 1680
Glu Leu Glu Ala Ala Leu Glu Ala Lys Glu Ala Leu Ser Arg Leu
1685 1690 1695
Leu Ala Asp Gln Glu Arg Arg His Ser Gln Ala Leu Glu Ala Leu
1700 1705 1710
Gln Gln Arg Leu Gln Gly Ala Glu Glu Ala Ala Glu Leu Gln Leu
1715 1720 1725
Ala Glu Leu Glu Arg Asn Val Ala Leu Arg Glu Ala Glu Val Glu
1730 1735 1740
Asp Met Ala Ser Arg Ile Gln Glu Phe Glu Ala Ala Leu Lys Ala
1745 1750 1755
Lys Glu Ala Thr Ile Ala Glu Arg Asn Leu Glu Ile Asp Ala Leu
1760 1765 1770
Asn Gln Arg Lys Ala Ala His Ser Ala Glu Leu Glu Ala Val Leu
1775 1780 1785
Leu Ala Leu Ala Arg Ile Arg Arg Ala Leu Glu Gln Gln Pro Leu
1790 1795 1800
Ala Ala Gly Ala Ala Pro Pro Glu Leu Gln Trp Leu Arg Ala Gln
1805 1810 1815
Cys Ala Arg Leu Ser Arg Gln Leu Gln Val Leu His Gln Arg Phe
1820 1825 1830
Leu Arg Cys Gln Val Glu Leu Asp Arg Arg Gln Ala Arg Arg Ala
1835 1840 1845
Thr Ala His Thr Arg Val Pro Gly Ala His Pro Gln Pro Arg Met
1850 1855 1860
Asp Gly Gly Ala Lys Ala Gln Val Thr Gly Asp Val Glu Ala Ser
1865 1870 1875
His Asp Ala Ala Leu Glu Pro Val Val Pro Asp Pro Gln Gly Asp
1880 1885 1890
Leu Gln Pro Val Leu Val Thr Leu Lys Asp Ala Pro Leu Cys Lys
1895 1900 1905
Gln Glu Gly Val Met Ser Val Leu Thr Val Cys Gln Arg Gln Leu
1910 1915 1920
Gln Ser Glu Leu Leu Leu Val Lys Asn Glu Met Arg Leu Ser Leu
1925 1930 1935
Glu Asp Gly Gly Lys Gly Lys Glu Lys Val Leu Glu Asp Cys Gln
1940 1945 1950
Leu Pro Lys Val Asp Leu Val Ala Gln Val Lys Gln Leu Gln Glu
1955 1960 1965
Lys Leu Asn Arg Leu Leu Tyr Ser Met Thr Phe Gln Asn Val Asp
1970 1975 1980
Ala Ala Asp Thr Lys Ser Leu Trp Pro Met Ala Ser Ala His Leu
1985 1990 1995
Leu Glu Ser Ser Trp Ser Asp Asp Ser Cys Asp Gly Glu Glu Pro
2000 2005 2010
Asp Ile Ser Pro His Ile Asp Thr Cys Asp Ala Asn Thr Ala Thr
2015 2020 2025
Gly Gly Val Thr Asp Val Ile Lys Asn Gln Ala Ile Asp Ala Cys
2030 2035 2040
Asp Ala Asn Thr Thr Pro Gly Gly Val Thr Asp Val Ile Lys Asn
2045 2050 2055
Trp Asp Ser Leu Ile Pro Asp Glu Met Pro Asp Ser Pro Ile Gln
2060 2065 2070
Glu Lys Ser Glu Cys Gln Asp Met Ser Leu Ser Ser Pro Thr Ser
2075 2080 2085
Val Leu Gly Gly Ser Arg His Gln Ser His Thr Ala Glu Ala Gly
2090 2095 2100
Pro Arg Lys Ser Pro Val Gly Met Leu Asp Leu Ser Ser Trp Ser
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Ser Pro Glu Val Leu Arg Lys Asp Trp Thr Leu Glu Pro Trp Pro
2120 2125 2130
Ser Leu Pro Val Thr Pro His Ser Gly Ala Leu Ser Leu Cys Ser
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Ala Asp Thr Ser Leu Gly Asp Arg Ala Asp Thr Ser Leu Pro Gln
2150 2155 2160
Thr Gln Gly Pro Gly Leu Leu Cys Ser Pro Gly Val Ser Ala Ala
2165 2170 2175
Ala Leu Ala Leu Gln Trp Ala Glu Ser Pro Pro Ala Asp Asp His
2180 2185 2190
His Val Gln Arg Thr Ala Val Glu Lys Asp Val Glu Asp Phe Ile
2195 2200 2205
Thr Thr Ser Phe Asp Ser Gln Glu Thr Leu Ser Ser Pro Pro Pro
2210 2215 2220
Gly Leu Glu Gly Lys Ala Asp Arg Ser Glu Lys Ser Asp Gly Ser
2225 2230 2235
Gly Phe Gly Ala Arg Leu Ser Pro Gly Ser Gly Gly Pro Glu Ala
2240 2245 2250
Gln Thr Ala Gly Pro Val Thr Pro Ala Ser Ile Ser Gly Arg Phe
2255 2260 2265
Gln Pro Leu Pro Glu Ala Met Lys Glu Lys Glu Val Arg Pro Lys
2270 2275 2280
His Val Lys Ala Leu Leu Gln Met Val Arg Asp Glu Ser His Gln
2285 2290 2295
Ile Leu Ala Leu Ser Glu Gly Leu Ala Pro Pro Ser Gly Glu Pro
2300 2305 2310
His Pro Pro Arg Lys Glu Asp Glu Ile Gln Asp Ile Ser Leu His
2315 2320 2325
Gly Gly Lys Thr Gln Glu Val Pro Thr Ala Cys Pro Asp Trp Arg
2330 2335 2340
Gly Asp Leu Leu Gln Val Val Gln Glu Ala Phe Glu Lys Glu Gln
2345 2350 2355
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Leu Gly Gly His Ser Ser Leu Leu Glu Arg Leu Glu Lys Ile Ile
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Arg Glu Gln Gly Asp Leu Gln Glu Lys Ser Leu Glu His Leu Arg
2390 2395 2400
Leu Pro Asp Arg Ser Ser Leu Leu Ser Glu Ile Gln Ala Leu Arg
2405 2410 2415
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2420 2425 2430
His Leu Arg Thr Ala Leu Thr Ser Ala Glu Ala Arg Gly Ser Gln
2435 2440 2445
Gln Glu His Gln Leu Arg Arg Gln Val Glu Leu Leu Ala Tyr Lys
2450 2455 2460
Val Glu Gln Glu Lys Cys Ile Ala Gly Asp Leu Gln Lys Thr Leu
2465 2470 2475
Ser Glu Glu Gln Glu Lys Ala Asn Ser Val Gln Lys Leu Leu Ala
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Ser Arg Gln Lys Ser Glu Gln Leu Ser Arg Ser Leu Cys Glu Val
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Gln Gln Glu Val Leu Gln Leu Arg Ser Met Leu Ser Ser Lys Glu
2525 2530 2535
Asn Glu Leu Lys Ala Ala Leu Gln Glu Leu Glu Ser Glu Gln Gly
2540 2545 2550
Lys Gly Arg Ala Leu Gln Ser Gln Leu Glu Glu Glu Gln Leu Arg
2555 2560 2565
His Leu Gln Arg Glu Ser Gln Ser Ala Lys Ala Leu Glu Glu Leu
2570 2575 2580
Arg Ala Ser Leu Glu Thr Gln Arg Ala Gln Ser Ser Arg Leu Cys
2585 2590 2595
Val Ala Leu Lys His Glu Gln Thr Ala Lys Asp Asn Leu Gln Lys
2600 2605 2610
Glu Leu Arg Ile Glu His Ser Arg Cys Glu Ala Leu Leu Ala Gln
2615 2620 2625
Glu Arg Ser Gln Leu Ser Glu Leu Gln Lys Asp Leu Ala Ala Glu
2630 2635 2640
Lys Ser Arg Thr Leu Glu Leu Ser Glu Ala Leu Arg His Glu Arg
2645 2650 2655
Leu Leu Thr Glu Gln Leu Ser Gln Arg Thr Gln Glu Ala Cys Val
2660 2665 2670
His Gln Asp Thr Gln Ala His His Ala Leu Leu Gln Lys Leu Lys
2675 2680 2685
Glu Glu Lys Ser Arg Val Val Asp Leu Gln Ala Met Leu Glu Lys
2690 2695 2700
Val Gln Gln Gln Ala Leu His Ser Gln Gln Gln Leu Glu Ala Glu
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Ala Gln Lys His Cys Glu Ala Leu Arg Arg Glu Lys Glu Val Ser
2720 2725 2730
Ala Thr Leu Lys Ser Thr Val Glu Ala Leu His Thr Gln Lys Arg
2735 2740 2745
Glu Leu Arg Cys Ser Leu Glu Arg Glu Arg Glu Lys Pro Ala Trp
2750 2755 2760
Leu Gln Ala Glu Leu Glu Gln Ser His Pro Arg Leu Lys Glu Gln
2765 2770 2775
Glu Gly Arg Lys Ala Ala Arg Arg Ser Ala Glu Ala Arg Gln Ser
2780 2785 2790
Pro Ala Ala Ala Glu Gln Trp Arg Lys Trp Gln Arg Asp Lys Glu
2795 2800 2805
Lys Leu Arg Glu Leu Glu Leu Gln Arg Gln Arg Asp Leu His Lys
2810 2815 2820
Ile Lys Gln Leu Gln Gln Thr Val Arg Asp Leu Glu Ser Lys Asp
2825 2830 2835
Glu Val Pro Gly Ser Arg Leu His Leu Gly Ser Ala Arg Arg Ala
2840 2845 2850
Ala Gly Ser Asp Ala Asp His Leu Arg Glu Gln Gln Arg Glu Leu
2855 2860 2865
Glu Ala Met Arg Gln Arg Leu Leu Ser Ala Ala Arg Leu Leu Thr
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Met Ala Ala Glu Leu Gln Phe Gln Phe Val Asp Val Leu Leu Lys
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Lys His His Leu Gln Lys Gly Cys Ser Pro Ser Arg Ser Glu Arg
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Arg Ala Glu Ser Phe Arg Lys Ala Leu Ile Tyr Gln Lys Lys Tyr
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3080 3085 3090
Arg Val Val Ile Ala Ile Leu Arg Leu Arg Phe Leu Val Lys Lys
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Trp Gln Glu Val Asp Arg Lys Gly Ala Leu Ala Gln Gly Lys Ala
3110 3115 3120
Pro Arg Pro Gly Pro Arg Ala Arg Gln Pro Gln Ser Pro Pro Arg
3125 3130 3135
Thr Arg Glu Ser Pro Pro Thr Arg Asp Val Pro Ser Gly His Thr
3140 3145 3150
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3155 3160 3165
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3170 3175 3180
Arg Ser Leu Thr Ala Ser Gln Asp Pro Glu His Ser Leu Thr Glu
3185 3190 3195
Tyr Ile His His Leu Glu Val Ile Gln Gln Arg Leu Gly Gly Val
3200 3205 3210
Leu Pro Asp Ser Thr Ser Lys Lys Ser Cys His Pro Met Ile Lys
3215 3220 3225
Gln
【配列表】