(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】調光装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13 20060101AFI20250212BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20250212BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20250212BHJP
G02F 1/1347 20060101ALI20250212BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20250212BHJP
F21V 9/40 20180101ALI20250212BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20250212BHJP
【FI】
G02F1/13 505
G02F1/1335 500
G02F1/1345
G02F1/1347
F21S2/00 350
F21V9/40 400
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2023580085
(86)(22)【出願日】2022-12-06
(86)【国際出願番号】 JP2022044878
(87)【国際公開番号】W WO2023153064
(87)【国際公開日】2023-08-17
【審査請求日】2024-05-07
(31)【優先権主張番号】P 2022020863
(32)【優先日】2022-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小糸 健夫
(72)【発明者】
【氏名】池田 幸次朗
【審査官】植田 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-528461(JP,A)
【文献】特開昭63-236016(JP,A)
【文献】特開平10-253995(JP,A)
【文献】特開2020-027210(JP,A)
【文献】特開2020-194086(JP,A)
【文献】特開平05-159613(JP,A)
【文献】特開2021-092686(JP,A)
【文献】国際公開第2006/035482(WO,A1)
【文献】特開2020-042193(JP,A)
【文献】特開2021-113951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
G02F 1/1335
G02F 1/1345
G02F 1/1347
F21S 2/00
F21V 9/40
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性の第1基板と当該第1基板に重なる透光性の第2基板とを有する多角形の調光パネルが、第1方向に複数積層されるパネルユニットと、
前記パネルユニットに対して前記第1方向の一方側に配置される光源と、
を備え、
複数の前記調光パネルのそれぞれにおける前記第1基板または前記第2基板は、
前記光源の光が照射される調光領域と、
前記調光領域の周りに配置された第1配線と、第2配線と、を有し、
前記第1配線は、前記多角形における複数の辺のうち少なくとも1つの辺と、前記調光領域との間を覆う第1遮光領域となり、
前記第2配線は、前記複数の辺のうち他の辺の縁部にある非遮光領域と、前記調光領域との間を覆う第2遮光領域となり、
前記パネルユニットを前記第1方向から見た場合に、複数の前記調光パネルのそれぞれの前記第1配線が、前記パネルユニットの全ての辺に配置され、複数の前記調光パネルのそれぞれの非遮光領域を遮光する、
調光装置。
【請求項2】
前記第1配線は、モリブデン、アルミニウム、ニッケルおよび銅の少なくともいずれかを含む、
請求項1に記載の調光装置。
【請求項3】
1つの前記調光パネルにおける前記第1基板または前記第2基板に設けられる前記第1配線は、隣接する複数の辺に配置される、
請求項
1に記載の調光装置。
【請求項4】
前記パネルユニットにおける前記第1方向の他方側にカバー部材を配置する、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の調光装置。
【請求項5】
前記第1基板は、フレキシブルプリント基板に接続可能な複数の端子からなる端子群を2以上有する、
請求項1から
4のいずれか1項に記載の調光装置。
【請求項6】
前記第1基板に設けられる2以上の前記端子群において、
一の端子群に含まれる端子と、他の端子群に含まれる端子とは、電気的に接続されている、
請求項
5に記載の調光装置。
【請求項7】
前記調光パネルは、前記第1基板と前記第2基板との間に液晶層を有する、
請求項1から
6のいずれか1項に記載の調光装置。
【請求項8】
前記調光パネルにおける前記第1基板および前記第2基板には、それぞれ配線が設けられ、これらの配線同士は、導電柱を介して電気的に接続される、
請求項1から
7のいずれか1項に記載の調光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、調光装置およびパネルユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
LED等の光源にプリズムパターンが刻まれた薄型レンズを組み合わせ、光源と薄型レンズとの距離を変化させることにより、配光角を変化させる照明器具がある。このような照明器具では、光源と薄型レンズとの距離を変化させるために薄型レンズを駆動するために小型モーターを用いている。
【0003】
また、特許文献1では、透明電球の前面を液晶調光素子で覆い、液晶層の透過率を変えることで直達光と散乱光とを切り替える照明器具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液晶セルを用いた構成では、液晶層を挟む2枚の基板に電極が設けられ、この2枚の基板にそれぞれ設けられた電極間に駆動電圧が印加されることにより、液晶分子の配向が制御される。配向膜は、電極が設けられることによって液晶分子の配向を制御可能な領域に設けられるが、その周辺の領域では、液晶分子の制御が行えないために配向乱れが生じて光漏れが生じる可能性がある。
【0006】
本発明は、光漏れがより少ない調光装置およびパネルユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る調光装置は、透光性の第1基板と当該第1基板に重なる透光性の第2基板とを有する多角形の調光パネルが、第1方向に複数積層されるパネルユニットと、前記パネルユニットに対して前記第1方向の一方側に配置される光源と、を備え、複数の前記調光パネルのそれぞれにおける前記第1基板または前記第2基板は、前記光源の光が照射される調光領域と、前記調光領域の周りに配置された第1配線と、第2配線と、を有し、前記第1配線は、前記多角形における複数の辺のうち少なくとも1つの辺と、前記調光領域との間を覆う第1遮光領域となり、前記第2配線は、前記複数の辺のうち他の辺の縁部にある非遮光領域と、前記調光領域との間を覆う第2遮光領域となり、前記パネルユニットを前記第1方向から見た場合に、複数の前記調光パネルのそれぞれの前記第1配線が、前記パネルユニットの全ての辺に配置され、複数の前記調光パネルのそれぞれ非遮光領域を遮光する。
【0008】
本開示の別の態様に係る調光装置は、透光性の第1基板と当該第1基板に重なる透光性の第2基板とを有する多角形の調光パネルが、第1方向に複数積層されるパネルユニットと、前記パネルユニットに対して前記第1方向の一方側に配置される光源と、を備え、複数の前記調光パネルのそれぞれにおける前記第1基板または前記第2基板には、前記多角形の辺に沿って延び、且つ、遮光性を有する帯状電極が設けられ、前記パネルユニットを前記第1方向から見た場合に、当該パネルユニットの全ての辺に沿って前記帯状電極が配置される。
【0009】
本開示の一態様に係るパネルユニットは、透光性の第1基板と当該第1基板に重なる透光性の第2基板とを有する調光パネルが、第1方向に複数積層されるパネルユニットであって、各調光パネルのそれぞれにおける前記第1基板または前記第2基板は、中央部に光を透過させる調光領域を有すると共に、当該調光領域を包囲する周辺領域を備え、当該周辺領域の一部は遮光領域によって遮光されており、各調光パネルは、互いに相対的に回転させた状態で重畳されており、当該パネルユニットを前記第1方向から見た場合に、各調光パネルの周辺領域が互いの遮光領域によって遮光されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る調光装置を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係るアレイ基板を上側から見た模式図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る対向基板を上側から見た模式図である。
【
図4】
図4は、
図2のIV-IV線による断面を示す模式図である。
【
図5】
図5は、比較例による断面を示す模式図であり、
図4に対応する図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る調光装置を模式的に示す平面図である。
【
図7】
図7は、
図6の調光装置を構成する調光パネルを上側から見た模式図である。
【
図8】
図8は、
図7の調光パネルに含まれるアレイ基板を上側から見た模式図である。
【
図9】
図9は、
図7の調光パネルに含まれる対向基板を上側から見た模式図である。
【
図10】
図10は、
図6の調光装置を構成する第1調光パネルを上側から見た模式図である。
【
図11】
図11は、
図6の調光装置を構成する第2調光パネルを上側から見た模式図である。
【
図12】
図12は、
図6の調光装置を構成する第3調光パネルを上側から見た模式図である。
【
図13】
図13は、
図6の調光装置を構成する第4調光パネルを上側から見た模式図である。
【
図14】
図14は、第2実施形態に係る調光装置を上側から見た遮光状態を示した模式図である。
【
図15】
図15は、第1変形例に係る調光パネルを模式的に示す平面図である。
【
図18】
図18は、第2変形例に係る調光装置を模式的に示す断面図である。
【
図19】
図19は、第3変形例に係る調光装置を模式的に示す断面図である。
【
図20】
図20は、第4変形例に係る調光装置を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0012】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0013】
なお、図に示すXYZ座標において、X方向は、前後方向であり、X1側はX2側の反対である。X1側は後側とも称し、X2側は前側とも称する。Y方向は、左右方向であり、Y1側はY2側の反対である。Y1側は左側とも称し、Y2側は右側とも称する。Z方向は、上下方向(積層方向)である。Z1側はZ2側の反対である。Z1側は上側とも称し、Z2側は下側とも称する。なお、Z方向は第1方向とも称し、Z2側は第1方向の一方側とも称し、Z1側は第1方向の他方側とも称する。
【0014】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る調光装置を模式的に示す斜視図である。
図2は、第1実施形態に係るアレイ基板を上側から見た模式図である。
図3は、第1実施形態に係る対向基板を上側から見た模式図である。
【0015】
図1に示すように、第1実施形態に係る調光装置100は、パネルユニット110と、フレキシブルプリント基板(FPC:FLEXIBLE PRINTED CIRCUITS)400と、光源700と、を備える。なお、本実施形態に係る調光装置100においては、p波偏光用の液晶セルとs波偏光用の液晶セルとを積層して組み合わせている。
【0016】
図1に示すように、パネルユニット110は、第1実施形態では、平面視で矩形であるが、本発明のパネルユニットは、矩形に限定されず、八角形、十角形、十二角形、二十角形などの種々の多角形を含む。即ち、本発明に係るパネルユニット110の形状は、辺の数が3以上の多角形である。パネルユニット110は、Z方向(第1方向)に複数の調光パネル1を積層させて形成される。本実施形態では、調光パネル1を複数(実施形態では4つ)積層させている。なお、調光パネル1の形状も、辺の数が4以上の多角形である。また、フレキシブルプリント基板400は、1つの調光パネル1に1つずつ電気的に接続される。
【0017】
調光パネル1は、透光性のアレイ基板(第1基板)2と、アレイ基板2の上側に配置される透光性の対向基板(第2基板)3と、を備える。以下、アレイ基板2について説明する。
【0018】
図2に示すように、本実施形態では、アレイ基板2は、矩形であり、第1辺21と、第2辺22と、第3辺23と、第4辺24と、を有する。
図2に示すように、アレイ基板2には、配線、液晶駆動電極および接続部が設けられる。なお、アレイ基板2の接続部202と、対向基板3の接続部306(
図3参照)とは、導通可能な導電柱(図示せず)を介して電気的に接続される。同様に、アレイ基板2の接続部207と、対向基板3の接続部305(
図3参照)とは、導通可能な導電柱(図示せず)を介して電気的に接続される。
【0019】
図2に示すように、端子群10は、第1端子101、第2端子102、第3端子103および第4端子104を含む。第1端子101、第2端子102、第3端子103および第4端子104は、X方向に沿って並ぶ。
【0020】
第1端子101と接続部202とは配線201を介して接続される。配線201は、Y方向に沿って延びる。第2端子102には、配線203が接続される。配線203は、Y方向に沿って延びる。配線203は、配線201よりもX2側に位置する。第3端子103には、配線204、205が接続される。配線204は、X方向に延びる。配線204は、第3端子103から端204aまで延びる。配線205は、Y方向に延びる。配線205は、端204aから端205aまで延びる。第4端子104には、配線206、208が接続される。配線206は、X方向に延びる。配線206は、第4端子104から接続部207まで延びる。配線208は、Y方向に延びる。配線208は、接続部207から端208aまで延びる。配線206は、配線204よりもY1側に位置し、配線208は配線205よりもX2側に位置する。
【0021】
複数の液晶駆動電極251は、配線203に接続される。液晶駆動電極251は、X方向に直線状に延びる。液晶駆動電極251は、Y方向に等間隔に配置される。複数の液晶駆動電極252は、配線205に接続される。液晶駆動電極252は、X方向に直線状に延びる。液晶駆動電極252は、Y方向に等間隔に配置される。なお、液晶駆動電極251と液晶駆動電極252とはY方向に交互に配置される。
【0022】
次に、対向基板3について説明する。
図3に示すように、対向基板3は、矩形であり、第1辺31と、第2辺32と、第3辺33と、第4辺34と、を有する。第1辺31および第2辺32は、平行で且つX方向に延びる。第3辺33および第4辺34は、平行で且つY方向に延びる。対向基板3には、4つの帯状電極310、320、330、340が設けられる。帯状電極310、320、330、340は、遮光性を有する金属電極である。帯状電極310、320、330、340は、例えば、スパッタリングや真空蒸着などの薄膜形成法によって形成される。帯状電極310、320、330、340は、遮光性のある金属を含む。遮光性のある金属は、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)および銅(Cu)である。モリブデン(Mo)およびアルミニウム(Al)は、一般的に配線や電極に使用される材料であるため、新たに準備する必要性が少ないため、帯状電極の製造に有利であり、コストも安価に抑えられる。ニッケル(Ni)および銅(Cu)は、反射率の低い材料であるため、遮光対策として有利である。
【0023】
帯状電極310は、対向基板3におけるX1側の端部に位置する。帯状電極310は、第3辺33に沿ってY方向に延びる。帯状電極310は、端301aから端301bまで延びる。端301bは、接続部306である。帯状電極320は、対向基板3におけるY2側の端部に位置する。帯状電極320は、第1辺31に沿ってX方向に延びる。帯状電極320は、端301bから端302aまで延びる。帯状電極310および帯状電極320は繋がってL字形状を形成している。
【0024】
帯状電極330は、対向基板3におけるY1側の端部に位置する。帯状電極330は、第2辺32に沿ってX方向に延びる。帯状電極330は、端303aから接続部305まで延びる。帯状電極340は、対向基板3におけるX2側の端部に位置する。帯状電極340は、第4辺34に沿ってY方向に延びる。帯状電極340は、接続部305から端304aまで延びる。帯状電極330および帯状電極340は繋がってL字形状を形成している。
【0025】
複数の液晶駆動電極371は、帯状電極320に接続される。液晶駆動電極371は、Y方向に直線状に延びる。液晶駆動電極371は、X方向に等間隔に配置される。複数の液晶駆動電極372は、帯状電極330に接続される。液晶駆動電極372は、Y方向に直線状に延びる。液晶駆動電極372は、X方向に等間隔に配置される。なお、液晶駆動電極371と液晶駆動電極372とはX方向に交互に配置される。
【0026】
以上のように、4つの帯状電極310、320、330、340によって、対向基板3における縁部が囲まれている。換言すると、パネルユニット110を上下方向(第1方向)から見た場合に、帯状電極310、320、330、340がパネルユニット110の全ての辺に配置される。
【0027】
図4は、
図2のIV-IV線による断面を示す模式図である。
図5は、比較例による断面を示す模式図であり、
図4に対応する図である。
【0028】
図4に示すように、アレイ基板2における配線201、203および対向基板3における帯状電極310には、配向膜610が設けられる。アレイ基板2の上面は、配線や端子が設けられる表面2aであり、下面は、表面2aの反対側の裏面2bである。対向基板3の下面は、配線や端子が設けられる表面3aであり、上面は、表面3aの反対側の裏面3bである。アレイ基板2と対向基板3との間には、液晶層4が充填され、シール600で封止されている。また、帯状電極310の端310aおよび配線203の端203aは、Y方向の位置が同一であり、当該位置よりもY1側は遮光領域(非有効領域)A11であり、当該位置よりもY2側は非遮光領域(有効領域)B11である。遮光領域A11と非遮光領域B11との境界P1は、端310a、203aとY方向の位置が一致する。
【0029】
図5に示すように、比較例においては、アレイ基板2および対向基板3に、通常の配線209、309が設けられる。配線209、309の端209a、309aのうち、端209aの方がY2側に位置するため、端209aの位置が遮光領域A12と非遮光領域B12との境界P2となる。ここで、
図4と
図5を比較すると、
図4の方が、遮光領域A11が大きくなっている。
【0030】
以上説明したように、第1実施形態によれば、調光パネル1は、多角形の辺に沿って延びる帯状電極310、320、330、340を有する。そして、パネルユニット110を上下方向(第1方向)から見た場合に、帯状電極310、320、330、340がパネルユニット110の全ての辺に配置される。帯状電極310、320、330、340は、遮光性を有する金属電極である。具体的には、帯状電極310、320、330、340は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)および銅(Cu)の少なくともいずれかを含む。
【0031】
このように、帯状電極310、320、330、340は、遮光性を有する金属電極であるため、本実施形態によれば、光漏れがより少ない調光装置100を提供することができる。また、調光装置100に遮光機能を持たせるために、例えば遮光性テープを基板に貼る場合も想定できるが、この場合は、遮光機能のためだけに遮光性テープを貼る。これに対して、本実施形態では、帯状電極に遮光機能を持たせている。帯状電極は、電極としての機能と遮光機能との双方を兼ねているため、遮光性テープよりも製造工数が少なくコストも安価である。
【0032】
また、調光パネル1には、全ての辺に沿って延びる帯状電極310、320、330、340が設けられる。従って、積層される複数の調光パネルのうち調光パネルが1つあれば、調光装置100からの光漏れを抑制することができる。
【0033】
調光パネル1におけるアレイ基板2および対向基板3には、それぞれ配線が設けられ、これらの配線同士は、導電柱を介して電気的に接続される。このため、アレイ基板2および対向基板3のそれぞれにフレキシブルプリント基板400を接続する必要がなく、アレイ基板2および対向基板3のいずれか一方に、1つのフレキシブルプリント基板400を接続すればよい。
【0034】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。
図6は、第2実施形態に係る調光装置を模式的に示す平面図である。
図7は、
図6の調光装置を構成する調光パネルを上側から見た模式図である。
図8は、
図7の調光パネルに含まれるアレイ基板を上側から見た模式図である。
図9は、
図7の調光パネルに含まれる対向基板を上側から見た模式図である。
【0035】
第2実施形態に係る調光装置100Aは、正八角形の調光パネルを4枚積層している。以下、具体的に説明する。
図6に示すように、調光装置100Aに含まれるパネルユニット110Aは、平面視で正八角形であり、中央に円形の調光領域(透光領域又は有効領域)B10が設けられ、調光領域B10の外周側の周辺領域(額縁領域)に遮光領域Aが設けられる。調光領域B10は、光源の光が照射される円形の領域である。なお、積層される調光パネルのうち最も上側は、
図7に示す調光パネル1Aであるため、
図6では、調光パネル1Aのみが実線で示される。
【0036】
図7に示すように、調光パネル1Aは、平面視で正八角形である。調光パネル1Aは、第1辺11、第2辺12、第3辺13、第4辺14、第5辺15、第6辺16、第7辺17および第8辺18を有する。調光パネル1Aは、2つの端子群(端子群10A、20A)を有する。端子群10Aは、第2辺12の縁部に設けられ、端子群20Aは、第1辺11の縁部に設けられる。調光パネル1Aは、透光性のアレイ基板(第1基板)2Aと、アレイ基板2Aの上側に配置される透光性の対向基板(第2基板)3Aと、を備える。以下、アレイ基板2Aについて説明する。
【0037】
図8に示すように、本実施形態では、アレイ基板2Aは、正八角形であり、第1辺21Aと、第2辺22Aと、第3辺23Aと、第4辺24Aと、第5辺25Aと、第6辺26Aと、第7辺27Aと、第8辺28Aと、を有する。
図8に示すように、アレイ基板2Aには、配線、液晶駆動電極および接続部が設けられる。なお、アレイ基板2Aの接続部210と、対向基板3Aの接続部306A(
図9参照)とは、導通可能な導電柱(図示せず)を介して電気的に接続される。同様に、アレイ基板2Aの接続部211と、対向基板3Aの接続部305A(
図9参照)とは、導通可能な導電柱(図示せず)を介して電気的に接続される。
【0038】
図8に示すように、端子群10Aは、第1端子101A、第2端子102A、第3端子103Aおよび第4端子104Aを含む。第1端子101A、第2端子102A、第3端子103Aおよび第4端子104Aは、X方向に沿って並ぶ。
【0039】
また、端子群20Aは、第5端子201A、第6端子202A、第7端子203Aおよび第8端子204Aを含む。第5端子201A、第6端子202A、第7端子203Aおよび第8端子204Aは、Y方向に沿って並ぶ。
【0040】
図8に示すように、アレイ基板2Aの中央部には、一対の半円状の配線216A、213Aが対向して配置される。配線216AがY1側に位置し、配線213AがY2側に位置する。配線216Aは、端2161から端2162まで延びる。配線213Aは、端2131から端2132まで延びる。配線216A、213Aの内周が円弧状であり、配線216Aの内周と213Aの内周とで、有効領域B(
図7参照)の円が形成される。
【0041】
第1端子101Aと第8端子204Aとは配線217Aを介して接続される。接続部211は、配線217Aに接続される。第2端子102Aは、配線216Aに接続される。第3端子103Aと第6端子202Aとは、配線211Aを介して接続される。第4端子104Aと第5端子201Aとは、配線210Aおよび接続部210を介して接続される。接続部210は、配線210Aに接続される。第6端子202Aは、配線212Aを介して配線213Aに接続される。第7端子203Aは、配線215Aを介して配線216Aに接続される。配線215Aは、配線217Aの内側(基板の中心側)に配置され、配線213Aは、配線215Aの内側に配置される。
【0042】
複数の液晶駆動電極251Aは、配線213Aに接続される。液晶駆動電極251Aは、Y方向に直線状に延びる。液晶駆動電極251Aは、X方向に等間隔に配置される。複数の液晶駆動電極252Aは、配線216Aに接続される。液晶駆動電極252Aは、Y方向に直線状に延びる。液晶駆動電極252Aは、X方向に等間隔に配置される。なお、液晶駆動電極251Aと液晶駆動電極252AとはX方向に交互に配置される。
【0043】
図9に示すように、対向基板3Aには、配線、液晶駆動電極および接続部が設けられる。本実施形態では、
図9に示すように、対向基板3Aは、正八角形からやや形を崩した八角形であり、第1辺31Aと、第2辺32Aと、第3辺33Aと、第4辺34Aと、第5辺35Aと、第6辺36Aと、第7辺37Aと、第8辺38Aと、を有する。ここで、対向基板3Aをアレイ基板2Aの上側に重ねた場合、
図8の二点鎖線で示すように、第1辺31A、第2辺32Aおよび第3辺33Aは、アレイ基板2Aの第1辺21A、第2辺22Aおよび第3辺23Aよりも内側に位置する。具体的には、
図8に示すように、第1辺31Aは、第1辺21AよりもX1側に位置し、第2辺32Aは第2辺22AよりもY2側に位置し、第3辺33Aは第3辺23AよりもX1側かつY2側に位置する。従って、
図7および
図8に示すように、調光パネル1Aでは、アレイ基板2Aにおける第1辺21Aに沿った縁部、第2辺22Aに沿った縁部および第3辺23Aに沿った縁部が露出する。よって、端子群10A、20Aも露出する。
【0044】
また、
図9に示すように、対向基板3Aには、対向基板3Aの外形や調光領域B10の外形に沿って形成される第1配線350と、第2配線360と、が設けられる。これら第1配線350と第2配線360は、協働して遮光層としても機能すべく、その幅は十分に大きい。
【0045】
この点、
図6を参照して、第1配線350および第2配線360の概略形状を説明する。
図6において、第1配線350および第2配線360の外形が太い実線で示される。つまり、対向基板3Aには、第1配線350および第2配線360の2つの配線によって遮光領域Aが形成される。当該遮光領域Aは、概略的には、外形が正八角形で中央に円形の調光領域B10が形成される中央部分A1と、正八角形の当該中央部分A1における8つの辺のうち隣り合う2辺の外側に設けられる拡張部分A2とを有する。調光パネル1Aそれ自体の外形は正八角形であり、中央部分A1は、当該調光パネル1Aの正八角形形状を一回り小さくした正八角形形状を呈し、拡張部分A2は、当該調光パネル1Aの外形及び中央部分A1の間を埋めるように2辺に亘って設けられる。かかる態様により、拡張部分A2は、中央部分A1から見ると一部隣接辺に突出した突出部分A3を有することとなる。なお、第1配線350と第2配線360との間には、ショートを回避すべく間隔Gが設けられており、当該間隔Gでは光が透過することが考えられるが、下記で詳述するように複数の調光パネル1Aを積層することで当該間隔Gは別の調光パネル1Aの遮光層と重畳する。
【0046】
第1配線350および第2配線360は、
図9にて具体的に示されるように、調光領域B10の周りに配置される。第1配線350は、対向基板3AにおけるX1側に配置され、第2配線360は、対向基板3AにおけるX2側に配置される。第1配線350および第2配線360は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)および銅(Cu)の少なくともいずれかを含む。このため、第1配線350および第2配線360は、遮光性を有する。なお、第1配線350および第2配線360は、これら金属層のベタ膜として形成しても構わないし、かかる金属材料をち密なメッシュ状とすることで形成しても構わない。なお、当該メッシュ状とすることにより、遮光層がわずかに光を透過する可能性があるが、後述されるように複数の調光パネル1Aを積層することによって互いの遮光層が重なる。かかる態様によって、全体としてみた場合に遮光層を透光してくる光は最終的には著しく低減される。
【0047】
第1配線350は、対向基板3Aの第5辺35Aおよび第6辺36Aと、調光領域B10と、の間に配置される部分を含み、且つ、第4辺34Aの一部及び第7辺37Aの一部に到達する分まで拡張されている。これにより、第1配線350は、第2辺32Aの一部、第4辺34Aの一部、第5辺35A、第6辺36Aおよび第7辺37Aの一部と調光領域B10との間を覆う第1遮光領域A10を構成する。換言すると、第1配線350は、多角形における複数の辺のうち少なくとも1つの辺(第2辺32A、第4辺34A、第5辺35A、第6辺36Aおよび第7辺37A)と、調光領域B10と、の間を覆う第1遮光領域A10となる。当該第1遮光領域A10は、
図6に示す遮光領域の中央部分A1の上半分(X1側)を構成すると共に、拡張部分A2と突出部分A3を構成する。第1配線350をさらに詳述すると、第1配線350のX2側の内周357aは、円弧状である。第1配線350におけるX2側の端には、端部357b、357cが設けられる。第1配線350における縁353は第5辺35Aに重なり、縁354は第4辺34Aに重なる。また、第1配線350における縁355は第6辺36Aに重なり、縁356は第7辺37Aに重なる。また、第1配線350は遮光領域の中央部分A1から対向基板3Aの第2辺32Aに向けて突出する接続部305Aを有している。当該接続部305Aは、第1配線350に接続される。
【0048】
そして、対向基板3Aにおける第1辺31Aおよび第8辺38Aの縁部300には、非遮光領域B20が設けられる。第2配線360は、非遮光領域B20と調光領域B10との間に配置される。第2配線360は、第3辺33Aの一部、第1辺31A、第8辺38A及び第7辺37Aの一部に縁部300に沿って設けられる非遮光領域B20と、調光領域B10との間を覆う第2遮光領域A20を構成する。換言すると、第2配線360は、複数の辺のうち他の辺(第1辺31Aおよび第8辺38A)の縁部300にある非遮光領域B20と、調光領域B10と、の間を覆う第2遮光領域A20となる。当該第2遮光領域A20は、
図6に示す遮光領域の中央部分A1の下半分(X2側の半分)を構成し、間隔Gを空けて第1遮光領域A10と並んで設けられる。第2配線360の内周360aは、円弧状である。第2配線360は、端部360bから端部360cまで延びる。また、第2配線360は遮光領域の中央部分A1から対向基板3Aの第1辺31Aに向けて突出する接続部306Aを有している。当該接続部306Aは、第2配線360に接続される。
【0049】
複数の液晶駆動電極371Aは、第2配線360に接続される。液晶駆動電極371Aは、X方向に沿って直線状に延びる。液晶駆動電極371Aは、Y方向に等間隔に配置される。また、複数の液晶駆動電極372Aは、第1配線350に接続される。液晶駆動電極372Aは、X方向に沿って直線状に延びる。液晶駆動電極372Aは、Y方向に等間隔に配置される。なお、液晶駆動電極371Aと液晶駆動電極372AとはY方向に交互に配置される。
【0050】
次に、調光装置100Aにおける調光パネルの積層状態を説明する。
図10は、
図6の調光装置を構成する第1調光パネルを上側から見た模式図である。
図11は、
図6の調光装置を構成する第2調光パネルを上側から見た模式図である。
図12は、
図6の調光装置を構成する第3調光パネルを上側から見た模式図である。
図13は、
図6の調光装置を構成する第4調光パネルを上側から見た模式図である。
【0051】
図6に示すパネルユニット110Aは、上側から順に、調光パネル1A、調光パネル1B、調光パネル1C、調光パネル1Dが積層される。パネルユニット110Aを上下方向(第1方向)から見た場合に、複数の調光パネルのそれぞれの第1配線350が、より具体的には、遮光領域の拡張部分A2がパネルユニット110Aの全ての辺に配置され、複数の調光パネルのそれぞれの非遮光領域B20を遮光する。また、このように第1配線350と第2配線360間の間隔Gがずれて積層されることにより、当該間隔Gは他の調光パネルの遮光領域と重なる。
【0052】
図10に示すように、調光パネル1Aにおいては、
図7と同様に、第1遮光領域A10の拡張部分A2が第5辺15および第6辺16に配置される。
【0053】
調光パネル1Bは、調光パネル1Aの下側に積層される。
図11に示すように、調光パネル1Bは、調光パネル1Aをパネルの中心Cを中心にして180度回転させたものである。従って、調光パネル1Bにおいては、第1遮光領域A10の拡張部分A2が第1辺11および第3辺13に配置される。
【0054】
調光パネル1Cは、調光パネル1Bの下側に積層される。
図12に示すように、調光パネル1Cは、調光パネル1Aをパネルの中心Cを中心にして反時計回り(左回り)に90度回転させたものである。従って、調光パネル1Cにおいては、第1遮光領域A10の拡張部分A2が第2辺12および第4辺14に配置される。
【0055】
調光パネル1Dは、調光パネル1Cの下側に積層される。
図13に示すように、調光パネル1Dは、調光パネル1Aをパネルの中心Cを中心にして時計回り(右回り)に90度回転させたものである。従って、調光パネル1Dにおいては、第1遮光領域A10の拡張部分A2が第7辺17および第8辺18に沿って配置される。
【0056】
次に、調光装置100Aを上側から見た遮光状態を説明する。
図14は、第2実施形態に係る調光装置を上側から見た遮光状態を示した模式図である。
図14に示すように、パネルユニット110A(調光装置100A)において、一番上側には、調光パネル1Aが配置されるため、調光パネル1Aの第1遮光領域A10および第2遮光領域A20(
図7参照)の領域(
図14にハッチングで示す)によって調光装置100Aが遮光される。上から二番目の調光パネル1Bは、調光パネル1Aの下に位置するため、上側から見ると、当該調光パネル1Aの第1遮光領域A10と重なっていない部分は透光領域となる。ここで、当該透光領域の一部は、調光パネル1Bの第1遮光領域A10によって遮光される。より具体的には、当該透光領域は、調光パネル1Aの第4辺14の一部から反時計回りに第8辺18の一部に至るが、そのうち、第2辺12の一部から第8辺18の一部に至るまでの部分が調光パネル1Bの第1遮光領域A10(より具体的には、遮光領域Aの拡張部分A2)によって遮光される。
【0057】
上から三番目の調光パネル1Cを重ねることにより、上記透光領域のうち、第5辺の一部から第2辺12の一部に至るまでの部分が当該調光パネル1Cの第1遮光領域A10によって遮光される。
【0058】
さらに、上から四番目の調光パネル1Dを重ねることにより、上記透光領域のうち、第7編の一部から第1辺11の一部に至るまでの部分が当該調光パネル1Dの第1遮光領域A10によって遮光される。
【0059】
なお、このように調光パネル1Aから調光パネル1Dまでのそれぞれが配置されることで、各遮光領域Aの突出部分A3は、調光パネル間で互いに重畳する。
【0060】
以上説明したように、第2実施形態によれば、調光パネルにおける対向基板3Aには、第1配線350と、第2配線360と、が設けられる。第1配線350は、第5辺35Aおよび第6辺36Aと調光領域B10との間を覆う第1遮光領域A10となる。第2配線360は、第1辺31A、第7辺37Aおよび第8辺38Aの縁部にある非遮光領域B20と、調光領域B10との間を覆う第2遮光領域A20となる。パネルユニット110Aを上下方向(第1方向)から見た場合に、複数の調光パネルのそれぞれの第1配線350が、パネルユニット110Aの全ての辺に配置され、複数の調光パネルのそれぞれの非遮光領域B20を遮光する。また、第1配線350および第2配線360は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)および銅(Cu)の少なくともいずれかを含む金属電極である。このように、第2実施形態では、1つの調光パネル1Aにおいて、遮光性を有する第1配線350が設けられるため、周方向に調光パネル1Aを所定角度回転させて第1配線350の周方向位置を少しずつずらした調光パネル1Aから1Dを複数積層させることによって、光漏れがより少ない調光装置100Aを提供することができる。
【0061】
調光パネル1Aにおいて、隣接する複数の辺(第2辺32A、第4辺34A、第5辺35A、第6辺36Aおよび第7辺37A)に第1配線350が設けられる。従って、1つの辺に第1配線350が設けられる調光パネルよりも少ない数の調光パネルで、パネルユニット110Aを上下方向(第1方向)から見た場合に、パネルユニット110Aの全ての辺に第1配線350を配置することができる。
【0062】
調光パネル1Aにおいて、第1配線350は、対向基板3Aに設けられる。従って、アレイ基板(第1基板)2Aと対向基板3Aとの双方に第1配線350を設けるよりも、作業工数が少なく且つコストが安価になる。
【0063】
アレイ基板2Aは、フレキシブルプリント基板400に接続可能な複数の端子からなる2つの端子群10A、20Aを有するため、端子群が1つの場合よりも、フレキシブルプリント基板400を引き出す方向をより自由に選択できる。
【0064】
端子群10Aに含まれる端子(第1端子101A、第2端子102A、第3端子103Aおよび第4端子104A)と、端子群20Aに含まれる端子(第5端子201A、第6端子202A、第7端子203Aおよび第8端子204A)とは、電気的に接続されている。従って、フレキシブルプリント基板400を、端子群10Aおよび端子群20Aのいずれにも接続することができる。
【0065】
なお、本実施形態においては、対向基板側の第1配線350と、第2配線360とによって遮光層を形成するとしたが、これに替えて、アレイ基板側の配線(配線210A~配線217A)の線幅を太くする、或いは緻密なメッシュ状に形成することにより、これら配線によって遮光領域を形成する構成も採用可能である。
【0066】
[第1変形例]
次に、第1変形例について説明する。
図15は、第1変形例に係る調光パネルを模式的に示す平面図である。
図16は、
図15の調光パネルに含まれるアレイ基板を上側から見た模式図である。
図17は、
図15の調光パネルに含まれる対向基板を上側から見た模式図である。
【0067】
第2実施形態では、調光パネル1Aに2つの端子群(端子群10A、20A)を設けたが、第1変形例では、端子群を1つにしている。以下、第2実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0068】
図15に示すように、第1変形例に係る調光パネル1Eは、平面視で正八角形である。調光パネル1Eは、1つの端子群10Bを有する。端子群10Bは、第2辺12の縁部に設けられる。
【0069】
図16に示すように、アレイ基板(第1基板)2Eの中央部には、一対の半円状の配線216A、213Aが対向して配置される。配線216AがY1側に位置し、配線213AがY2側に位置する。配線216Aは、端2161から端2162まで延びる。配線213Aは、端2131から端2132まで延びる。配線216A、213Aの内周が円弧状であり、配線216Aの内周と213Aの内周とで、有効領域B(
図15参照)の円が形成される。なお、アレイ基板2Eには、接続部210、211Eが設けられ、対向基板3Aには、接続部305A、306Aが設けられる。アレイ基板2Eの接続部210と、対向基板3Aの接続部306A(
図17参照)とは、導通可能な導電柱(図示せず)を介して電気的に接続される。同様に、アレイ基板2Eの接続部211Eと、対向基板3Aの接続部305A(
図17参照)とは、導通可能な共通電極(図示せず)を介して電気的に接続される。
【0070】
第1端子101Bは、接続部211Eに接続される。第2端子102Bは、配線216Aに接続される。第3端子103Bは、配線211Aを介して配線213Aに接続される。第4端子104Bは、配線210Aを介して接続部210に接続される。
【0071】
複数の液晶駆動電極251Aは、配線213Aに接続される。複数の液晶駆動電極252Aは、配線216Aに接続される。
【0072】
なお、
図17に示す対向基板3Aは、第2実施形態で説明した対向基板3A(
図9参照)と同じである。
【0073】
以上説明したように、第1変形例によれば、調光パネル1Aにおける端子群10Bを1つにしているため、端子群を2つに設定するよりも、アレイ基板2Eの配線の数が少なくなり、調光パネル1Aのコストも安価となる。
【0074】
[第2変形例]
次に、第2変形例について説明する。
図18は、第2変形例に係る調光装置を模式的に示す断面図である。
【0075】
第2変形例に係る調光装置100Bは、パネルユニット110Aと、光源700と、カバー部材730と、を備える。
【0076】
光源700は、例えば、LED(発光ダイオード:Light emitting diode)が用いられる。光源700から発せられる光710は、上側(Z1側)に向けて進行する。
【0077】
パネルユニット110Aでは、4つの調光パネル1Aが積層される。調光パネル1Aは、アレイ基板2Aと、対向基板3Aと、を有する。対向基板3Aには、
図9で説明したように、第1配線350および第2配線360が設けられ、第1配線350は、Y1側の端部357cと、Y2側の端部357bと、を有する。第2変形例においては、全ての調光パネル1Aについて、端部357cのY方向長さおよび端部357bのY方向長さを同一にしている。これにより、
図7で説明した調光領域B10の径(大きさ)が全ての調光パネル1Aで同一となる。
【0078】
また、パネルユニット110Aの上端には、カバー部材730が設けられる。カバー部材730は、例えば、加飾ガラス等である。加飾ガラスは、透明性が高い無機質基材であるガラス基材に着色剤を付与して定着させている。カバー部材730の下面には、遮光帯731が設けられる。遮光帯731は、例えば、パターニングによってカバー部材730に印刷される。遮光帯731のY方向長さは、端部357cのY方向長さおよび端部357bのY方向長さよりも小さい。また、カバー部材730は加飾しないガラス板によって形成されていても構わないし、透明樹脂により形成されていても構わない。
【0079】
なお、カバー部材730は、パネルユニット110Aに透光性接着剤720を介して接着される。また、上下に隣接する調光パネル1A同士も透光性接着剤720を介して接着される。透光性接着剤720は、例えば、透光性の両面粘着シート(OCA:Optical Clear Adhesive)を用いることができる。
【0080】
以上説明したように、第2変形例によれば、パネルユニット110Bにおける上側(第1方向の他方側)にカバー部材730を配置する。従って、カバー部材730によって、パネルユニット110Aが保護されパネルユニット110Aの損傷が抑制される。また、カバー部材730に加飾ガラスを用いることにより、外観に優れた種々の用途に適用しうる。
【0081】
また、調光領域B10の径(大きさ)が全ての調光パネル1Aで同一である。従って、調光領域B10の径(大きさ)の大きさが異なる複数種の調光パネルを積層するよりも、製造工数が少なくコストも安価となる。
【0082】
[第3変形例]
次に、第3変形例について説明する。
図19は、第3変形例に係る調光装置を模式的に示す断面図である。
【0083】
第3変形例に係る調光装置100Cは、第2変形例に係る調光装置100Bに対して、有効領域Bの大きさを調光パネル1Aごとに変えている。以下、簡単に説明する。
【0084】
図19に示すように、第3変形例においては、上側の調光パネル1Aに行くに従って調光領域B10の径(大きさ)の大きさが大きくなる。つまり、一番下の調光パネル1Aの調光領域B10の径(大きさ)よりも下から2番目の調光パネル1Aの調光領域B10の径(大きさ)が大きい。また、下から2番目の調光パネル1Aの調光領域B10の径(大きさ)よりも下から3番目の調光パネル1Aの調光領域B10の径(大きさ)が大きく、一番上の調光パネル1Aの調光領域B10の径(大きさ)が最も大きい。
【0085】
以上説明したように、第3変形例によれば、上側の調光パネル1Aに行くに従って調光領域B10の径(大きさ)の大きさが大きくなるため、一番上の調光パネル1Aから出る光710をより広がった光とすることができる。
【0086】
[第4変形例]
次に、第4変形例について説明する。
図20は、第4変形例に係る調光装置を模式的に示す断面図である。
【0087】
第4変形例に係る調光装置100Dは、有効領域Bの大きさを2つの調光パネル1Aごとに変えている。以下、簡単に説明する。
【0088】
図20に示すように、第4変形例においては、上側の2つの調光パネル1Aと、下側の2つの調光パネル1Aと、で調光領域B10の径(大きさ)の大きさが異なる。具体的には、一番下の調光パネル1Aの調光領域B10の径(大きさ)と、下から2番目の調光パネル1Aの調光領域B10の径(大きさ)とは、同じ大きさである。下から3番目の調光パネル1Aの調光領域B10の径(大きさ)と、最も上側の調光パネル1Aの調光領域B10の径(大きさ)とは、同じ大きさである。そして、下から3番目の調光パネル1Aの調光領域B10の径(大きさ)および最も上側の調光パネル1Aの調光領域B10の径(大きさ)は、一番下の調光パネル1Aの調光領域B10の径(大きさ)および下から2番目の調光パネル1Aの調光領域B10の径(大きさ)よりも大きい。
【0089】
以上説明したように、第4変形例によれば、調光領域B10の径(大きさ)の大きさを2つの調光パネル1Aごとに変えているため、全てのパネルの調光領域B10の径(大きさ)の大きさが異なる第3変形例よりも調光装置の製造工数が少なくコストも安価となる。また、下側の2つの調光パネル1Aよりも上側の2つの調光パネル1Aの方が調光領域B10の径(大きさ)が大きいため、一番上の調光パネル1Aから出る光710をより広がった光とすることができる。
【符号の説明】
【0090】
1、1A、1B、1C、1D、1E 調光パネル
10、10A、10B、20A 端子群
11 第1辺
12 第2辺
13 第3辺
14 第4辺
15 第5辺
16 第6辺
17 第7辺
18 第8辺
2、2A、2E アレイ基板(第1基板)
2a 表面
2b 裏面
21、21A 第1辺
22、22A 第2辺
23、23A 第3辺
24、24A 第4辺
25A 第5辺
26A 第6辺
27A 第7辺
28A 第8辺
3、3A 対向基板(第2基板)
3a 表面
3b 裏面
31、31A 第1辺
32、32A 第2辺
33、33A 第3辺
34、34A 第4辺
35A 第5辺
36A 第6辺
37A 第7辺
38A 第8辺
4 液晶層
100、100A、100B、100C、100D 調光装置
101、101A、101B 第1端子
102、102A、102B 第2端子
103、103A、103B 第3端子
104、104A、104B 第4端子
110、110A パネルユニット
201A 第5端子
202A 第6端子
203A 第7端子
204A 第8端子
201、203、204、205、206、208、209、210A、211A、212A、213A、215A、216A、217A 配線
202、207、210、211、211E 接続部
203a、204a、205a、208a、209a、301a、301b、302a、303a、304a、310a、2131、2132、2161、2162 端
251、251A、252、252A、371、371A、372、372A 液晶駆動電極
300 縁部
305、305A、306、306A 接続部
309 配線
309a 端
310、320、330、340 帯状電極
350 第1配線
353、354、355、356 縁
357a 内周
357b、357c 端部
360 第2配線
360a 内周
360b、360c 端部
400 フレキシブルプリント基板
600 シール
610 配向膜
700 光源
710 光
720 透光性接着剤
730 カバー部材
731 遮光帯
A、A11、A12 遮光領域
A1 中央部分
A2 拡張部分
B11、B12 非遮光領域(有効領域)
A10 第1遮光領域
A20 第2遮光領域
B20 非遮光領域
P1、P2 境界
C 中心