(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-12
(45)【発行日】2025-02-20
(54)【発明の名称】組立方法
(51)【国際特許分類】
H01R 43/20 20060101AFI20250213BHJP
H01R 24/50 20110101ALI20250213BHJP
【FI】
H01R43/20 Z
H01R24/50
(21)【出願番号】P 2021109267
(22)【出願日】2021-06-30
【審査請求日】2024-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000100746
【氏名又は名称】アイコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 英行
(72)【発明者】
【氏名】西尾 良太
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-162491(JP,U)
【文献】特開2009-206025(JP,A)
【文献】特開2007-141570(JP,A)
【文献】特開2006-004838(JP,A)
【文献】特開平05-144488(JP,A)
【文献】実開平02-076494(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2005/0167145(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 43/20
H01R 24/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタの中心に設けられた第1電極に接触する第1接触金具、および前記第1電極の両側方に前記第1電極と間隔をおいて設けられた、前記コネクタの第2電極に接触する第2接触金具を基板の実装面に実装することにより実装基板を作製する実装工程と、
前記実装基板を、前記コネクタが取り付けられており、前記実装基板を支持する支持部材に組み付ける組付工程と、を含み、
前記第1接触金具は、前記実装面より上方に位置し、かつ前記実装面に沿う方向の前記実装基板側に突出する前記第1電極を前記第1電極の両側方から挟み込む第1弾性変形部を有し、
前記第2接触金具は、前記実装面より上方に位置し、かつ前記実装面に沿う方向の前記実装基板側に突出する前記第2電極を前記第2電極の外面側から挟み込む第2弾性変形部を有し、
前記組付工程において、前記実装基板を前記支持部材の上方より下降させることにより、
前記第1弾性変形部の下端から前記第1電極を挟み込む位置まで前記第1電極を通過させるように、前記第1弾性変形部を弾性変形させ、
前記第2弾性変形部の下端から前記第2電極を挟み込む位置まで前記第2電極を通過させるように、前記第2弾性変形部を弾性変形させることを特徴とする組立方法。
【請求項2】
前記組付工程において、前記実装基板を下降させるときに、前記第1電極および前記第2電極を前記基板に設けられた切欠き部を通過させることを特徴とする請求項1に記載の組立方法。
【請求項3】
前記実装工程において、リフローはんだ付けによって前記第1接触金具および前記第2接触金具を前記実装面に実装することを特徴とする請求項1または2に記載の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタと基板との電気的接続に関する。
【背景技術】
【0002】
信号線とグランド線とを有するケーブルの終端には、コネクタ(プラグ)が設けられている。このプラグは、機器側のコネクタ(レセプタクル)と接続される。レセプタクルは、機器の筐体やシャーシに取り付けられており、基板と接続される接触電極を有している。接触電極としては、レセプタクルの中心に設けられており、信号線が接続される信号電極と、信号電極の周囲に設けられており、グランド線が接続される接地電極とが設けられる。
【0003】
特許文献1には、筐体に設けられたコネクタの中心電極(信号電極)と、基板とを接続する接続構造が開示されている。この接続構造では、接続金具の弾性電極が、中心電極に押し当てられたときに弾性変形して中心電極を受け入れた後、弾性復元力によって中心電極を押圧して電気的な接続状態を保持する。上述のような従来技術では、中心電極と基板とが接続金具を介して接続されるので、中心電極と基板とを接続するためのはんだ付けが不要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来技術では、接地電極と基板との接続が、接続金具を介して行われないので、はんだ付けを必要とする。このため、接地電極と基板との接続に手間がかかる。したがって、コネクタと基板とを接続する作業の効率が低いという問題があった。
【0006】
本発明の一態様は、コネクタと基板との電気的接続を容易に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る組立方法は、コネクタの中心に設けられた第1電極に接触する第1接触金具、および前記第1電極の両側方に前記第1電極と間隔をおいて設けられた、前記コネクタの第2電極に接触する第2接触金具を基板の実装面に実装することにより実装基板を作製する実装工程と、前記実装基板を、前記コネクタが取り付けられており、前記実装基板を支持する支持部材に組み付ける組付工程と、を含み、前記第1接触金具は、前記実装面より上方に位置し、かつ前記実装面に沿う方向の前記実装基板側に突出する前記第1電極を前記第1電極の両側方から挟み込む第1弾性変形部を有し、前記第2接触金具は、前記実装面より上方に位置し、かつ前記実装面に沿う方向の前記実装基板側に突出する前記第2電極を前記第2電極の外面側から挟み込む第2弾性変形部を有し、前記組付工程において、前記実装基板を前記支持部材の上方より下降させることにより、前記第1弾性変形部の下端から前記第1電極を挟み込む位置まで前記第1電極を通過させるように、前記第1弾性変形部を弾性変形させ、前記第2弾性変形部の下端から前記第2電極を挟み込む位置まで前記第2電極を通過させるように、前記第2弾性変形部を弾性変形させる。
【0008】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る組立体は、コネクタの中心に設けられた第1電極に接触する第1接触金具、および前記第1電極の両側方に前記第1電極と間隔をおいて設けられた、前記コネクタの第2電極に接触する第2接触金具が基板の実装面に実装された実装基板と、前記コネクタが取り付けられており、前記実装基板が支持される支持部材と、を備え、前記第1接触金具は、前記実装面より上方に位置し、かつ前記実装面に沿う方向の前記実装基板側に突出する前記第1電極を前記第1電極の両側方から挟み込む第1弾性変形部を有し、前記第2接触金具は、前記実装面より上方に位置し、かつ前記実装面に沿う方向の前記実装基板側に突出する前記第2電極を前記第2電極の外面側から挟み込む第2弾性変形部を有している。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、コネクタと基板との電気的接続を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る無線機の構成を示す斜視図である。
【
図2】上記無線機における組立体の分解斜視図である。
【
図3】上記組立体の実装基板に実装される内側金具の構成を示す平面図である。
【
図6】上記実装基板に実装される外側金具の構成を示す平面図である。
【
図9】上記実装基板の底面側から見たレセプタクル周辺の構成を示す図である。
【
図10】上記内側金具が上記レセプタクルの中心電極と接触している状態の上記組立体の一部を拡大して示す拡大斜視図である。
【
図11】上記外側金具が上記レセプタクルの側部電極と接触している状態の上記組立体の一部を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態〕
以下、本発明の一実施形態について、
図1~
図12を参照して詳細に説明する。
【0012】
〈無線機の構成〉
図1は、本発明の一実施形態に係る無線機1の構成を示す斜視図である。
図2は、無線機1における組立体10の分解斜視図である。
【0013】
図1および
図2に示すように、無線機1(電子機器)は、筐体2と、シャーシ3(支持部材)と、実装基板4と、レセプタクル5(コネクタ)と、ネジ6と、ナット7と、内側金具8(第1接触金具)と、外側金具9(第2接触金具)とを備えている。
【0014】
筐体2は、金属、樹脂などによって箱状に形成されている。シャーシ3および実装基板4は、筐体2に内蔵されている。
【0015】
シャーシ3は、金属板による折り曲げ加工、ダイカスト、樹脂成型などの成形方法によって形成されており、支持部3aと、立ち上げ部3bとを有している。支持部3aは、実装基板4を支持するように、平板状に形成されている。立ち上げ部3bは、支持部3aから垂直に立ち上がるように細長い長方形に形成されており、筐体2の1つの側面に沿うように配置されている。立ち上げ部3bの一端付近には、レセプタクル5が取り付けられている。支持部3aには、複数のネジ孔3cが形成されている。
【0016】
実装基板4は、基板41の実装面41aに、内側金具8および外側金具9を始めとして、図示しない各種の電子部品が実装されることにより形成されている。内側金具8および外側金具9は、基板41において、レセプタクル5の位置に近い端部に配置されている。
【0017】
基板41は、信号パターン、グランドパターン、電源パターンなどの各種の配線パターンが実装面41aに形成されている。基板41には、複数のネジ孔41bが設けられている。ネジ孔41bは、それぞれ、シャーシ3のネジ孔3cと対応する位置に、実装面41aからその反対側の面にまで貫通するように形成されている。実装基板4は、ネジ孔41bに通されたネジ11が、支持部3aのネジ孔3cに締め付けられることにより、シャーシ3に組み付けられている。
【0018】
実装基板4の裏面と支持部3aの表面との間には、ネジ孔3cの周囲に図示しない絶縁性のスペーサなどが設けられている。これにより、実装基板4とシャーシ3との間に一定の間隔が設けられ、実装基板4とシャーシ3との電気的絶縁が確保されている。
【0019】
レセプタクル5は、アンテナに接続されるケーブルを無線機1に接続するために設けられている。レセプタクル5は、フランジ5aと、インナーコンタクト5bと、アウターコンタクト5cと、中心電極5d(第1電極)と、一対の側部電極5e(第2電極)とを有している。レセプタクル5として適用可能なコネクタとしては、BNC(Bayonet Neill Concelman)コネクタ、F型コネクタ、RCAコネクタなどが挙げられる。
【0020】
インナーコンタクト5bおよびアウターコンタクト5cは、フランジ5aの一方側に設けられている。中心電極5dおよび側部電極5eは、フランジ5aの他方側に設けられている。フランジ5aは、インナーコンタクト5bおよびアウターコンタクト5cとともに、立ち上げ部3bの筐体2に対向する面に配置されている。フランジ5aは、2組のネジ6およびナット7により立ち上げ部3bに固定されている。
【0021】
インナーコンタクト5bは、ケーブルの終端に設けられたプラグのピンが挿入される信号伝送用のメス型のコンタクトである。アウターコンタクト5cは、プラグの外環部が嵌合されるように環状に形成されている接地用のコンタクトである。インナーコンタクト5bと、アウターコンタクト5cの一部とは、プラグと接続可能となるように筐体2から露出している。
【0022】
レセプタクル5の実装基板4に配置される部分は、円形を成す円形部5fを有している。レセプタクル5は、円形部5fが立ち上げ部3bに設けられた図示しない貫通孔を介して実装基板4側に現れるように配置されている。
【0023】
中心電極5dは、円形部5fの中心に配置されている。中心電極5dは、基板41の実装面41aより上方に位置し、かつ実装面41aに沿う方向の実装基板4側に突出するように設けられている(
図10参照)。中心電極5dは、根元から中間まで円筒形状を成しているが、中間から先端まで下側が欠かれた上側のみの半円筒形状を成している。中心電極5dは、レセプタクル5の内部でインナーコンタクト5bと電気的に接続されている。
【0024】
なお、中心電極5dの形状は上記の形状に限定されない。例えば、中心電極5dは、ピン状に形成されていてもよい。
【0025】
側部電極5eは、中心電極5dの両側方に中心電極5dと間隔をおいた円形部5fの外周縁にそれぞれ1つずつ配置されている。側部電極5eは、基板41の実装面41aより上方に位置し、かつ実装面41aに沿う方向の実装基板4側に、中心電極5dよりも短く突出するように設けられている(
図10参照)。側部電極5eは、中間から先端にかけて2つに分割された形状に形成されている。側部電極5eの外面は、円形部5fの外周面と連続して形成されている。側部電極5eは、レセプタクル5の内部でアウターコンタクト5cと電気的に接続されている。
【0026】
なお、側部電極5eの形状は上記の形状に限定されない。側部電極5eは、少なくとも、中心電極5dの両側方に中心電極5dと間隔をおいて配置されていれば、例えば、もう少し広い範囲にまで形成されていてもよいし、連続した円環状の単一構造で構成されていてもよい。
【0027】
〈内側電極および外側電極の構成〉
図3は、内側金具8の構成を示す平面図である。
図4は、内側金具8の構成を示す正面図である。
図5は、内側金具8の構成を示す側面図である。
図6は、外側金具9の構成を示す平面図である。
図7は、外側金具9の構成を示す正面図である。
図8は、外側金具9の構成を示す側面図である。
【0028】
図3~
図5に示すように、内側金具8は、本体部81と、一対の実装部82と、一対の差込部83と、一対の弾性変形部84(第1弾性変形部)と、一対の可動部85とを有している。内側金具8は、導電性の金属材料から成る板金の折り曲げ加工によって形成されている。
【0029】
本体部81は、上面部81aと、一対の側面部81bとを有している。上面部81aは、内側金具8における最上の位置に配置されており、細長い長方形を成している。側面部81bは、長辺側の両側端から、上面部81aの高さの3分の1程度垂下するとともに、一端側からほぼ中央部にわたる部分で、さらに下端(実装面41a)まで垂下するように形成されている(全垂下部)。
【0030】
実装部82は、実装面41aにはんだ付けされるために設けられた板片である。実装部82は、側面部81bの全垂下部の下端における、上面部81aの長手方向の端部に設けられている。実装部82は、側面部81bの面に垂直であり、互いに離反する方向に伸びるように形成されている。一対の実装部82は、同一の平面に含まれるような底面を有するように形成されている。これにより、実装部82は、実装面41aと平行に面することができる。
【0031】
差込部83は、基板41への位置決めに用いられる部分であり、かつ実装部82と同じく実装面41aにはんだ付けされる部分である。差込部83は、側面部81bの全垂下部の下端における、実装部82と間隔をおいた位置に設けられている。また、差込部83は、基板41に挿入される挿入端子である。このため、差込部83は、側面部81bの下端よりさらに下方に伸びるように形成されている。
【0032】
弾性変形部84は、側面部81bの実装部82が設けられた端部と反対側の端部に設けられている。弾性変形部84は、側面部81bの下端から側面部81bの外面側に膨らむように形成されている。具体的には、
図4に示すように、一対の弾性変形部84は、上面部81aの端部側から見た内面の形状が、同一の円の円弧を成すように形成されている。当該円の直径D1は、中心電極5dの円筒形状を成す部分(円筒部)の外周面の直径D2よりもやや小さい。これにより、一対の弾性変形部84は、弾性変形することで中心に向かう押圧力を中心電極5dに作用させて、中心電極5d(円筒部)を中心電極5dの両側方から挟み込む。
【0033】
可動部85は、弾性変形部84の下端に設けられている。可動部85は、中心電極5dが弾性変形部84に挟み込まれていない状態では、実装部82と同じ方向に伸びるように設けられている。可動部85は、後述するように、実装基板4をシャーシ3へ組み付ける組付工程において、中心電極5dが内側金具8の内部を移動するときに、中心電極5dによって押し広げられるように動く。弾性変形部84と可動部85との境界部分は、曲面状に形成されている。また、可動部85は、後述する実装工程において、内側金具8が基板41に対して水平に安定して実装されるように保持する機能も有している。
【0034】
図6~
図8に示すように、外側金具9は、本体部91と、一対の実装部92と、一対の差込部93と、一対の弾性変形部94(第2弾性変形部)とを有している。外側金具9は、導電性の金属材料から成る板金の折り曲げ加工によって形成されている。
【0035】
本体部91は、上面部91aと、一対の側面部91bと、対面部91cとを有している。上面部91aは、外側金具9における最上の位置に配置されており、ほぼ正方形の形状を有する方形部と、当該方形部よりも幅が広く、方形部の両側に張り出した張出部とを有している。側面部91bは、方形部の両側端から、外側金具9の下端(実装面41a)まで垂下するように形成されている。対面部91cは、方形部における張出部と対向する側端から、外側金具9の下端まで垂下するように形成されている。対面部91cは、レセプタクル5と対面するように設けられている。
【0036】
本体部91は、上面部91aの方形部と、一対の側面部91bと、対面部91cとで、箱形状を成す被覆部91dを形成している。被覆部91dは、内側金具8を被覆する大きさに形成されている。
【0037】
実装部92は、実装面41aにはんだ付けされるために設けられた板片である。実装部92は、対面部91cの下端における両端部に設けられている。実装部92は、対面部91cの面に垂直であり、上面部91aの張出部から遠ざかる方向に伸びるように形成されている。一対の実装部92は、同一の平面に含まれるような底面を有するように形成されている。これにより、実装部92は、実装面41aと平行に面することができる。
【0038】
差込部93は、基板41への位置決めに用いられる部分であり、かつ実装部92と同じく実装面41aにはんだ付けされる部分である。差込部93は、側面部91bの下端における、上面部91aの張出部側の端部に設けられている。また、差込部93は、基板41に挿入される挿入端子である。このため、差込部93は、側面部91bの下端よりさらに下方に伸びるように形成されている。
【0039】
弾性変形部94は、上面部91aの張出部の端部から下方に向かうに連れて内側に向き、端部が外側に向くように屈曲した形状に形成されている。弾性変形部94は、一対の弾性変形部94の幅が広がる方向に弾性変形すると、その逆の方向に弾性復元力を生じる。一対の弾性変形部94が一対の側部電極5eを挟み込む部位の間の距離D3は、一対の側部電極5eの外面間の距離D4よりも短い。これにより、一対の弾性変形部94は、弾性変形することで中心に向かう押圧力を一対の側部電極5eに作用させて、側部電極5eを側部電極5eの外面側から挟み込む。
【0040】
〈組立体の組み立て〉
組立体10の組み立て(組立方法)について説明する。
図9は、実装基板4の底面側から見たレセプタクル5周辺の構成を示す図である。
図10は、内側金具8がレセプタクル5の中心電極5dと接触している状態の組立体10の一部を拡大して示す斜視図である。
図11は、外側金具9がレセプタクル5の側部電極5eと接触している状態の組立体10の一部を拡大して示す斜視図である。
図12は、
図11のA-A線矢視断面斜視図である。なお、
図10においては、便宜上、外側金具9の図示を省略している。
【0041】
まず、基板41に内側金具8および外側金具9を実装する(実装工程)。実装工程においては、内側金具8および外側金具9と、それ以外の電子部品とを、基板41の実装面41aにマウンタ(実装機)によって配置していく。
【0042】
次いで、内側金具8および外側金具9などが配置された基板41をリフロー炉によって加熱し、基板41に予め印刷されたクリームはんだを溶融させることにより、内側金具8および外側金具9など基板41にはんだ付けする。このようにして実装基板4を作製する。
【0043】
なお、内側金具8および外側金具9の実装については、リフロー炉に代えて、人手によるはんだ付けで行ってもよい。
【0044】
続いて、実装基板4をシャーシ3に組み付ける(組付工程)。組付工程においては、実装基板4を組み付け装置に装着し、
図1に示すように実装基板4を上方から下方に設置されたシャーシ3に向けて下降させる。
【0045】
ここで、上述したように、レセプタクル5の中心電極5dおよび側部電極5eは、実装面41aに沿う方向の実装基板4側に突出している。これに対し、
図9に示すように、実装基板4の基板41は、中心電極5dの付近の領域に切欠き部41cが設けられ、側部電極5eの付近の領域に切欠き部41dが設けられている。実装基板4を下降させるときには、中心電極5dおよび側部電極5eをそれぞれ切欠き部41c,41dを通過させる。
【0046】
実装基板4が下降すると、やがて、
図4に示すように、内側金具8が中心電極5dに接触し、
図7に示すように、外側金具9が側部電極5eに接する位置まで達する。この状態から、実装基板4がさらに下降すると、中心電極5dが弾性変形部84と可動部85との境界部分を押し広げていく一方、側部電極5eが弾性変形部94の下端を押し広げていく。そして、実装基板4がシャーシ3への所定の組付位置まで下降すると、中心電極5dは、弾性変形部84と可動部85との境界部分を超えて弾性変形部94の間に嵌まり込む一方、側部電極5eは、弾性変形部94の屈曲部よりやや上方の部位で挟まれる。
【0047】
このように、組付工程においては、実装基板4の下降に伴い、弾性変形部84の下端から中心電極5dを挟み込む位置まで中心電極5dを通過させるように、弾性変形部84を弾性変形させる。この過程で、
図4に示すように、中心電極5dは、弾性変形部84の下端における弾性変形部84と可動部85との境界部分を押し広げ、弾性変形部84に達すると弾性復元力によって弾性変形部84に挟み込まれる。
【0048】
これにより、
図10および
図12に示すように、実装基板4がシャーシ3上の所定の位置まで下降した状態では、中心電極5dが内側金具8の弾性変形部84に挟み込まれた状態で保持される。このようにして、中心電極5dと内側金具8との電気的な接触が得られる。
【0049】
また、組付工程においては、実装基板4の下降に伴い、弾性変形部94の下端から一対の側部電極5eを挟み込む位置まで側部電極5eを通過させるように、弾性変形部94を弾性変形させる。この過程で、
図7に示すように、一対の側部電極5eは、弾性変形部94の広がった下端部に当接して一対の弾性変形部94を押し広げ、弾性変形部94の屈曲部を乗り越えると弾性復元力によって弾性変形部94に挟み込まれる。
【0050】
これにより、
図11および
図12に示すように、実装基板4がシャーシ3上の所定の位置まで下降した状態では、側部電極5eが外側金具9の弾性変形部94に挟み込まれた状態で保持される。このようにして、側部電極5eと外側金具9との電気的な接触が得られる。
【0051】
そして、実装基板4をシャーシ3にネジ11で固定する。これにより、組立体10の組み立てが完成する。
【0052】
〈組立方法の効果〉
このように、上記の組立方法によれば、組付工程において、実装基板4を下降させることにより、中心電極5dを内側金具8の弾性変形部84に挟み込ませ、側部電極5eを外側金具9の弾性変形部94に挟み込ませることを同時に行うことができる。これにより、内側金具8を介した中心電極5dと実装基板4との電気的接続と、外側金具9を介した側部電極5eと実装基板4との電気的接続とを、簡単な動作で行うことができる。したがって、組付工程をロボットなどにより容易に自動化することができる。
【0053】
しかも、中心電極5dおよび側部電極5eと実装基板4との電気的接続をはんだ付けで行わない。これにより、実装基板4をシャーシ3から容易に取り外すことができる。
【0054】
さらに、
図4に示すように、内側金具8の弾性変形部84の下端(弾性変形部84と可動部85との境界部分)は曲面状に形成されている。これにより、一対の弾性変形部84における当該下端の間の幅を一対の側面部81bの幅よりも広くすることができる。また、
図7に示すように、外側金具9の弾性変形部84の下端部は外方に広がるように形成されている。
【0055】
これにより、実装基板4が下降している間、内側金具8が中心電極5dに当接し、かつ外側金具9が側部電極5eに当接してから、それぞれ所定の接触位置に到達するまでに、実装基板4は規定の位置に案内される。これにより、実装基板4のシャーシ3に対する位置が僅かにずれていても、そのずれを吸収することができる。したがって、シャーシ3に対して実装基板4を正確に位置決めしなくてもよい。
【0056】
また、実装工程においては、リフローはんだ付けによって内側金具8および外側金具9を実装面41aに実装する。これにより、内側金具8および外側金具9を基板41に実装するときに手作業によるはんだ付けを行わなくてもよい。したがって、実装工程を容易に自動化することができる。
【0057】
また、組付工程において、実装基板4を下降させるときに、中心電極5dおよび側部電極5eをそれぞれ切欠き部41c,41dを通過させる。これにより、下降している実装基板4が中心電極5dおよび側部電極5eに接触することを回避できる。
【0058】
上記のように、組立体10の組み立ての自動化が容易になれば、人による組立作業を省略することが可能になる。これにより、持続可能な産業化を促進することができる。したがって、本実施形態に係る組立方法によれば、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献することができる。
【0059】
〈組立体の効果〉
組立体10を構成する実装基板4には、内側金具8および外側金具9が実装されている。内側金具8は、基板41の実装面41aより上方に位置し、かつ実装面41aに沿う方向の実装基板4側に突出する中心電極5dを中心電極5dの両側方から挟み込む弾性変形部84を有している。外側金具9は、実装面41aより上方に位置し、かつ実装面41aに沿う方向の実装基板4側に突出する側部電極5eを側部電極5eの外面側から挟み込む弾性変形部94を有している。
【0060】
これにより、実装基板4をシャーシ3に組み付けるときに、実装基板4を下降させることにより、中心電極5dが弾性変形部84に挟み込まれ、側部電極5eが弾性変形部94に挟み込まれる構造を提供することができる。それゆえ、内側金具8を介した中心電極5dと実装基板4との電気的接続と、外側金具9を介した側部電極5eと実装基板4との電気的接続とを、簡単な動作で行うことができる。
【0061】
また、外側金具9は、内側金具8を被覆する被覆部91dを有している。これにより、中心電極5dをシールドすることができる。したがって、外来ノイズなどによる信号品位の低下を軽減することができる。
【0062】
また、内側金具8の弾性変形部84は、レセプタクル5側に配置されている。内側金具8は、レセプタクル5から弾性変形部84よりも離れた位置に設けられ、上面部81aと、上面部81aの両側端から実装面41aまで垂下する側面部81bと、レセプタクル5から最も離れた位置で実装面41aに実装される実装部82とを有している。
【0063】
実装基板4のシャーシ3への組み付けにおいて、弾性変形部84の下端から中心電極5dを挟み込む位置まで中心電極5dを通過させるときに、上方への応力が弾性変形しながら中心電極5dに接する弾性変形部84に作用する。これに対し、内側金具8において、上面部81aと、側面部81bとで剛性の高い箱形状の構造が形成される。このような剛性の高い構造により、内側金具8上記の応力のために上方に反るように変形することを抑えることができる。
【0064】
なお、本実施形態では、電子機器として無線機1について説明した。しかしながら、本発明に係る電子機器は、上述したような組立体10を備えておれば、無線機1に限定されることはない。このような電子機器としては、AV機器、分析機などが挙げられる。
【0065】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る組立方法は、コネクタの中心に設けられた第1電極に接触する第1接触金具、および前記第1電極の両側方に前記第1電極と間隔をおいて設けられた、前記コネクタの第2電極に接触する第2接触金具を基板の実装面に実装することにより実装基板を作製する実装工程と、前記実装基板を、前記コネクタが取り付けられており、前記実装基板を支持する支持部材に組み付ける組付工程と、を含み、前記第1接触金具は、前記実装面より上方に位置し、かつ前記実装面に沿う方向の前記実装基板側に突出する前記第1電極を前記第1電極の両側方から挟み込む第1弾性変形部を有し、前記第2接触金具は、前記実装面より上方に位置し、かつ前記実装面に沿う方向の前記実装基板側に突出する前記第2電極を前記第2電極の外面側から挟み込む第2弾性変形部を有し、前記組付工程において、前記実装基板を前記支持部材の上方より下降させることにより、前記第1弾性変形部の下端から前記第1電極を挟み込む位置まで前記第1電極を通過させるように、前記第1弾性変形部を弾性変形させ、前記第2弾性変形部の下端から前記第2電極を挟み込む位置まで前記第2電極を通過させるように、前記第2弾性変形部を弾性変形させる。
【0066】
上記の構成によれば、組付工程において、実装基板を下降させることにより、第1電極が第1弾性変形部に挟み込まれ、第2電極が第2弾性変形部に挟み込まれる。これにより、第1接触金具を介した第1電極と実装基板との電気的接続と、第2接触金具を介した第2電極と実装基板との電気的接続とを、簡単な動作で行うことができる。
【0067】
本発明の態様2に係る組立方法は、態様1の前記組付工程において、前記実装基板を下降させるときに、前記第1電極および前記第2電極を前記基板に設けられた切欠き部を通過させてもよい。
【0068】
上記の構成によれば、実装基板が第1電極および第2電極に接触することなく、実装基板を第1電極および第2電極よりも下方の位置に下降させることができる。
【0069】
本発明の態様3に係る組立方法は、態様1または2の前記実装工程において、リフローはんだ付けによって前記第1接触金具および前記第2接触金具を前記実装面に実装してもよい。
【0070】
上記の構成によれば、第1接触金具および第2接触金具を基板に実装するときに手作業によるはんだ付けを行わなくてもよい。これにより、組立方法の自動化を行いやすくすることができる。
【0071】
本発明の態様4に係る組立体は、コネクタの中心に設けられた第1電極に接触する第1接触金具、および前記第1電極の両側方に前記第1電極と間隔をおいて設けられた、前記コネクタの第2電極に接触する第2接触金具が基板の実装面に実装された実装基板と、前記コネクタが取り付けられており、前記実装基板が支持される支持部材と、を備え、前記第1接触金具は、前記実装面より上方に位置し、かつ前記実装面に沿う方向の前記実装基板側に突出する前記第1電極を前記第1電極の両側方から挟み込む第1弾性変形部を有し、前記第2接触金具は、前記実装面より上方に位置し、かつ前記実装面に沿う方向の前記実装基板側に突出する前記第2電極を前記第2電極の外面側から挟み込む第2弾性変形部を有している。
【0072】
上記の構成によれば、実装基板を支持部材に組み付けるときに、実装基板を下降させることにより、第1電極が第1弾性変形部に挟み込まれ、第2電極が第2弾性変形部に挟み込まれる構造を提供することができる。これにより、第1接触金具を介した第1電極と実装基板との電気的接続と、第2接触金具を介した第2電極と実装基板との電気的接続とを、簡単な動作で行うことができる。
【0073】
本発明の態様5に係る組立体は、態様4において、前記第2接触金具が、前記第1接触金具を被覆する被覆部を有していてもよい。
【0074】
上記の構成によれば、第1電極をシールドすることができる。これにより、外来ノイズなどによる信号品位の低下を軽減することができる。
【0075】
本発明の態様6に係る組立体は、態様4または5において、前記第1弾性変形部が、前記コネクタ側に配置され、前記第1接触金具が、前記コネクタから前記第1弾性変形部よりも離れた位置に設けられ、上面部と、当該上面部の両側端から前記実装面まで垂下する側面部と、前記コネクタから最も離れた位置で前記実装面に実装される実装部とを有していてもよい。
【0076】
実装基板の支持部材への組み付けにおいて、第1弾性変形部の下端から第1電極を挟み込む位置まで第1電極を通過させるときに、上方への応力が弾性変形しながら第1電極に接する第1弾性変形部に作用する。これに対し、上記の構成によれば、第1接触金具において、上面部と、側面部とで剛性の高い箱形状の構造が形成される。このような剛性の高い構造により、第1接触金具が上記の応力のために上方に反るように変形することを抑えることができる。
【0077】
本発明の態様7に係る電子機器は、態様4から6のいずれかの組立体を備えている。
【0078】
上記の構成によれば、電子機器が効率的に組み立てることが可能な組立体を備える。これにより、製造コストが低減された電子機器をより安価に提供することができる。
【0079】
〔付記事項〕
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。また、本発明は、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0080】
1 無線機(電子機器)
3 シャーシ(支持部材)
4 実装基板
5 レセプタクル(コネクタ)
8 内側金具(第1接触金具)
9 外側金具(第2接触金具)
10 組立体
41 基板
41a 実装面
41c,41d 切欠き部
51d 中心電極(第1電極)
51e 側部電極(第2電極)
81a 上面部
81b 側面部
82 実装部
84 弾性変形部(第1弾性変形部)
91d 被覆部
94 弾性変形部(第2弾性変形部)