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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-12
(45)【発行日】2025-02-20
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20250213BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20250213BHJP
   A63F 13/847 20140101ALI20250213BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20250213BHJP
【FI】
A63F13/69 500
A63F13/58
A63F13/847
G06Q50/10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022014049
(22)【出願日】2022-02-01
(65)【公開番号】P2023112325
(43)【公開日】2023-08-14
【審査請求日】2024-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】丸山 敦史
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-137753(JP,A)
【文献】特表2020-533699(JP,A)
【文献】国際公開第2013/118708(WO,A1)
【文献】シリーズ1作目の魅力はそのままに、追加要素でさらにパワーアップした『剣と魔法と学園モノ。Anniversary Edition』のプレイリポートをお届け! [PR],ファミ通.com[online],2018年05月18日,インターネット<URL:https://www.famitsu.com/news/201805/18157469.html>,[2024年10月23日検索]
【文献】自由なキャラメイクや手軽に楽しめる本格アクションが魅力のMMORPG『Bless Unleashed』CBTプレイレポ!,Game*Spark[online],2021年01月25日,インターネット<URL:https://www.gamespark.jp/article/2021/01/25/105551.html>,[2024年10月23日検索]
【文献】ライバルに打ち勝て!「タイマンバトル」正式リリース!(1/26 23:30更新),「龍が如く ONLINE」プレイヤーズサイト[online],2021年01月26日,インターネット<URL:https://ryu.sega-online.jp/news/i_taimanbattle/>,[2024年10月24日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、イベント制御ステップと、特定ステップと、付与ステップとを実行するように構成され、
前記イベント制御ステップでは、複数のキャラクタによるイベントの進行を制御し、
前記キャラクタは、第1ユーザに対応付けられた第1キャラクタと、前記第1ユーザ以外の少なくとも1つの第2ユーザに対応付けられた第2キャラクタとを含み、
前記イベントは、前記キャラクタのパラメータに基づいて進行され、
前記特定ステップでは、前記第1キャラクタと紐付けられた少なくとも1つの前記第2キャラクタの特性を特定し、
前記特性は、前記パラメータに影響を与えない身体的または心理的な特性で、
前記付与ステップでは、
前記第1キャラクタの前記特性と、前記第2キャラクタの前記特性との組み合わせに基づき、前記第1ユーザまたは前記第2ユーザに特典を付与
前記組み合わせが多様であるほど、前記第1ユーザまたは前記第2ユーザに有利な特典を付与する、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記特性は、前記キャラクタの人種と、ジェンダーアイデンティティと、身体的ハンディキャップと、前記キャラクタが患う疾患とのうち少なくとも1つを示す、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記付与ステップでは、前記組み合わせにおける重複の度合いに基づき、前記第1ユーザまたは前記第2ユーザに特典を付与する、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記付与ステップでは、前記第1キャラクタの前記特性と、前記第2キャラクタの前記特性との類似度に基づき、前記第1ユーザまたは前記第2ユーザに特典を付与する、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項1~請求項の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記特性は、ユーザの選択に基づき決定され、そのユーザに対応するキャラクタに対応付けられる、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理システムにおいて、
前記特性は、前記キャラクタの形態を構成するパーツの少なくとも1つに関連付けられた情報に基づき決定され、そのキャラクタに対応付けられる、
情報処理システム。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記付与ステップでは、前記組み合わせに基づき、前記第1キャラクタおよび前記第2キャラクタによるイベントにおいて、特典を付与する、
情報処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理システムにおいて、
前記付与ステップでは、前記組み合わせに基づき、前記第1キャラクタおよび前記第2キャラクタによるイベントにおいて、前記第1キャラクタのパラメータにも前記第2キャラクタのパラメータにも影響を与えない効果を付与する、
情報処理システム。
【請求項9】
請求項7に記載の情報処理システムにおいて、
前記付与ステップでは、前記組み合わせに応じて、前記第1キャラクタおよび前記第2キャラクタによるイベントにおける報酬を優遇して付与する、
情報処理システム。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて
前記特典は、前記キャラクタの能力パラメータには影響を与えず、且つ前記イベントの進行中に前記キャラクタによって発動されるスキルに関するパラメータを一時的に変動させる
情報処理システム。
【請求項11】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項10の何れか1つに記載の各ステップを実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、持続可能でよりよい世界を目指す国際的な開発目標である。特許文献1には、社会的マイノリティー(社会的少数派)と呼ばれる人達への配慮措置を充実させるための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-68400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、SDGsの実現に向けて、さらなる技術発展が望まれる。
【0005】
本開示では上記事情を鑑み、多様性を尊重した社会の実現に寄与する技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、イベント制御ステップと、特定ステップと、付与ステップとを実行するように構成される。イベント制御ステップでは、複数のキャラクタによるイベントの進行を制御する。キャラクタは、第1ユーザに対応付けられた第1キャラクタと、第1ユーザ以外の少なくとも1つの第2ユーザに対応付けられた第2キャラクタとを含む。イベントは、キャラクタのパラメータに基づいて進行される。特定ステップでは、第1キャラクタと紐付けられた少なくとも1つの第2キャラクタの特性を特定する。特性は、パラメータに影響を与えない身体的または心理的な特性である。付与ステップでは、第1キャラクタの特性と、第2キャラクタの特性との組み合わせに基づき、第1ユーザまたは第2ユーザに特典を付与する。
【0007】
本開示によれば、多様性を尊重した社会の実現に寄与する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る情報処理装置2のうち、制御部23の機能構成を示すブロック図である。
図3】主にキャラクタCの作成の流れを示すアクティビティ図である。
図4】主にイベントの進行の流れを示すアクティビティ図である。
図5】プリセットキャラクタCaの一例を示すイメージ図である。
図6】キャラクタCの形態を決定する詳細設定画面の一例を示すイメージ図である。
図7】特性5の設定画面の一例を示すイメージ図である。
図8】特性5の一例を示すイメージ図である。
図9】クエストに参加するメンバーの募集画面の一例を示すイメージ図である。
図10】クエストに参加するキャラクタCの特性5を示すイメージ図である。
図11】評価部233による評価結果50の一例を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ゲームの説明
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示す情報処理システム1では、情報処理装置2および複数のゲーム装置3が通信ネットワーク11を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置3においてゲームが実行される。
【0014】
本実施形態に係るゲームは、情報処理システム1にて実行されるオンラインのゲームである。このゲームでは、ゲーム装置3のユーザは、1または複数のプレイヤキャラクタPCを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタPCを、ノンプレイヤキャラクタNPCである敵キャラクタECと対戦させたりする。また、キャラクタCは、オブジェクトの一例である。
【0015】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などの電子機器であるゲーム装置3を用いて実行される。
【0016】
2.情報処理システム1の概要
図1に示されるように、情報処理システム1は、情報処理装置2および複数のゲーム装置3にて構成される。情報処理装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置3の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。情報処理装置2は、例えばサーバにより構成される。複数のゲーム装置3それぞれは、互いに同じ構成を有する。なお、本実施形態において、システムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、例えば後述の情報処理装置2やゲーム装置3単体であっても情報処理システム1の一例となりうる。
【0017】
ゲーム装置3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置3は、通信ネットワーク11を介して、情報処理装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置3に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置3から情報処理装置2に送信され、情報処理装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0018】
ユーザ認証を経て、情報処理装置2とゲーム装置3との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置3は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を情報処理装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ4aおよびスピーカ4bに出力しながら、ゲームを進行させる。
【0019】
2.1 ハードウェア構成
以下、図1を参照して、情報処理システム1の各ハードウェア構成について説明する。
【0020】
<情報処理装置2>
図1に示されるように、情報処理装置2は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。通信部21および記憶部22は、通信バス20を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0021】
通信部21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク11を介して各ゲーム装置3と通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。情報処理装置2が通信部21を介して受信する主な情報としては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、オートプレイの実行/終了の要求、アカウント情報、ゲームデータなどが挙げられる。情報処理装置2が通信部21を介して送信する主な情報としては、ゲームプログラムをゲーム装置3が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0022】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムやゲームに関する各種データなどが記憶されている。
【0023】
具体的には例えば、記憶部22は、ユーザDBや抽選リストなどを記憶している。ユーザDBには、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザ名、ユーザランク、ユーザが操作するプレイヤキャラクタPCに関するステータス等の情報、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、パラメータPに関する情報などが、対応付けられて記憶されている。抽選リストは、一般にガチャと呼ばれる抽選処理に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選リストには、ゲーム媒体に関する情報(名称、能力パラメータAP、レアリティ、レベルなど)と、抽選による選択割合とが、対応づけられている。また能力パラメータAPとは、例えば、ゲーム媒体がプレイヤキャラクタPCの場合、戦力、HP、攻撃力、防御力、賢さ、または速さなどを含む。
【0024】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置である情報処理装置2の動作を制御する。特に、制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置である情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0025】
制御部23によって実行される情報処理として、例えば、課金の決済処理、ユーザアカウントの認証処理、ガチャの抽選選択処理などが挙げられる。課金の決済処理は、例えばゲーム中のパラメータPを所定量回復するために必要な課金の要求に基づいて実行される。ユーザアカウントの認証処理は、例えばゲーム装置3から受信したユーザの識別情報を用いて実行される。ガチャの抽選選択処理は、ガチャの抽選要求に伴って、抽選リストの中から、ゲーム媒体ごとの選択確率に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する処理である。ガチャの抽選選択処理によれば、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とが、ユーザDBにて関連付けられ、これにより、当該ユーザには、自身でガチャを引いた結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0026】
ここで、上記をさらに補足すると、「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタPCとして使用するキャラクタCの名称、プレイヤキャラクタPCが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDBに記憶され管理される。さらに、「ガチャ」とは、情報処理装置2にて、抽選リストの中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置3に付与される。「ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する」とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0027】
<ゲーム装置3>
ゲーム装置3には、ディスプレイ4a、スピーカ4bおよび入力デバイス4cが外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置3は、通信部31、記憶部32、制御部33、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cを有する。通信部31、記憶部32、グラフィック処理部34a、オーディオ処理部34bおよび操作部34cは、通信バス30を介して制御部33と電気的に接続されている。
【0028】
通信部31は、ゲーム装置3と情報処理装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク11に通信可能に接続される、いわゆるネットワークインターフェースである。ゲーム装置3が通信部31を介して受信する主な情報としては、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求などが挙げられる。ゲーム装置3が通信部31を介して送信する主な情報としては、ダウンロード要求情報に応じて情報処理装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0029】
記憶部32は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部32には、情報処理装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置であるゲーム装置3のアカウント情報、ユーザ情報などが格納されている。なお、ユーザ情報は、情報処理装置2の記憶部22で記憶するユーザDBの少なくとも一部の情報である。ユーザDBでユーザ情報のマスタを管理し、ゲーム装置3の記憶部32は、このマスタの少なくとも一部の情報が情報処理装置2から配信され、これを記憶する。
【0030】
制御部33は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置であるゲーム装置3の動作を制御する。特に、制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、自装置であるゲーム装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、後述の各機能部が実行されうる。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0031】
特に、制御部33は、自装置であるゲーム装置3のユーザによる入力デバイス4cの操作に従って、ゲームを実行するように構成される。具体的には、制御部33は、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部32から読み出すか、または情報処理装置2から受信したデータを用いて、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部34aによって処理されることにより、ディスプレイ4aには処理後のゲーム画像が逐次表示される。換言すると、制御部33は、ゲームの実行にあたり、自装置であるゲーム装置3のユーザの操作などに応じてディスプレイ4aの表示制御およびスピーカ4bの音声出力制御を行うように構成される。
【0032】
グラフィック処理部34aは、制御部33から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタCおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部34aは、例えば液晶型であるディスプレイ4aと接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ4a上に表示される。オーディオ処理部34bは、スピーカ4bと接続され、制御部33の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ4bから出力させる。操作部34cは、入力デバイス4cと接続され、操作入力に関するデータを入力デバイス4cとの間で送受信する。ユーザは、入力デバイス4cを操作することで、ゲーム装置3に操作信号を入力する。なお、入力デバイス4cは、ディスプレイ4aと一体化されたタッチパネル、外付けのゲームパッド、マウスやキーボード等の総称である。
【0033】
2.2 機能構成
次に、情報処理装置2の制御部23の各機能構成について説明する。ここで、本実施形態に係るシステムは、情報処理システム1により実現され、特に制御部23により実現される。
【0034】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置2のうち、制御部23の機能構成を示すブロック図である。制御部23は、記憶部22に記憶された各種プログラムを実行することにより、受付部231、特定部232、評価部233、付与部234、イベント制御部235、表示制御部236および管理部237として機能する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。
【0035】
受付部231は、受付ステップを実行可能に構成される。受付ステップにおいて、受付部231は、通信部21または記憶部22を介して情報を受け付け、これを作業メモリに読出可能に構成される。特に、受付部231は、通信ネットワーク11および通信部21を介して種々の情報を受け付けるように構成される。本実施形態では、受付部231が受け付けた種々の情報は、記憶部22に記憶されるものとして説明する。
【0036】
特に、受付部231は、ゲームのユーザによる操作指示を受け付け可能に構成される。操作指示は、キャラクタCを操作するための指示であり、キャラクタCの移動、攻撃、防御、アイテムの使用、魔法の使用、体力回復その他の行動を指示するものである。
【0037】
特定部232は、特定ステップを実行可能に構成される。特定ステップにおいて、特定部232は、マルチイベントに参加するキャラクタCの特定を特定する。詳細は後述する。
【0038】
評価部233は、評価ステップを実行可能に構成される。評価ステップにおいて、評価部233は、マルチイベントに参加するキャラクタCにおける特性5の組み合わせを評価する。
【0039】
付与部234は、付与ステップを実行可能に構成される。付与ステップにおいて、付与部234は、評価部233による評価に基づき、評価対象となったキャラクタCに対応付けられたユーザに対して、特典51を付与する。
【0040】
イベント制御部235は、イベント制御ステップを実行可能に構成される。イベント制御ステップにおいて、イベント制御部235は、ゲームの進行を制御する。イベント制御部235は、キャラクタCを制御してゲームイベントを進行可能に構成される。特に、イベント制御部235は、複数のキャラクタCによるイベントの進行を制御する。
【0041】
表示制御部236は、表示ステップを実行可能に構成される。表示ステップにおいて、表示制御部236は、記憶部32に記憶された種々の情報またはこれらを含む画面等を、ゲーム装置3で視認可能な態様で表示させる。具体的には、表示制御部236は、画面、画像、アイコン、メッセージ等の視覚情報を、ゲーム装置3のディスプレイ41aに表示させるように制御する。表示制御部236は、視覚情報をゲーム装置3に表示させるためのレンダリング情報だけを生成するものであってもよい。
【0042】
管理部237は、イベント制御ステップを実行可能に構成される。管理ステップにおいて、管理部237は、複数の情報を対応付けて記憶部32に記憶させることで、複数の情報を管理する。
【0043】
3.種々の情報と用語の説明
本節では、情報処理システム1によって扱われる種々の情報、用語等について説明する。
【0044】
本実施形態において、「クエスト」とは、ゲームの構成単位であるステージであって、課題や目標が設定されているものである。特に、複数ユーザが同時にゲームに参加してプレイするクエストは、「マルチクエスト」と称される。
【0045】
クエストには、終了条件が設定されている。また、クエストのクリアに対しては、クリア報酬がユーザに付与される。クエストの終了条件には、対戦する敵キャラクタEC全滅、ボスキャラクタを倒すこと、ゴール地点への到達等のクエスト終了条件と、制限時間オーバー等のプレイ時間に関する終了条件と、ターン制ゲームにおけるターン数オーバー等の終了条件とが含まれる。クエストには、これらの終了条件のうち少なくとも1つが設定されている。クエストに複数の終了条件が設定されている場合には、どの終了条件が優先されるかが予め設定されている。例えば、達成条件よりも制限時間が優先される場合、ボスキャラクタを倒すことができず、達成条件が満たされていないときに制限時間が切れると、クエストは終了することとなる。
【0046】
また、クエストは、同一のユーザにより何度も繰り返しプレイされる場合がある。クエストを繰り返しプレイすることは、「クエスト周回」と称される。ユーザがクエスト周回する具体的な例として、クリアすることで一定の確率で所定の報酬を得られるクエストにおいて、その報酬が得られるまでクエスト周回する場合や、クリアすると高い報酬が得られるクエストにおいて、その報酬をできるだけたくさん得る目的でクエスト周回する場合等が挙げられる。
【0047】
情報処理システム1において提供されるゲームは、ユーザがプレイする主たるパートであるインゲームと、インゲームをプレイするにあたっての準備や待機等を担うパートであるアウトゲームとを含む。以下において、インゲームの一例として対戦ゲームを取り上げ、アウトゲームの一例として、対戦ゲーム以外のゲームパートを取り上げるものとする。ユーザは、アウトゲームにおいて、自身が操作するキャラクタCを生成したり、ゲーム内通貨を使用して買い物をしたりすることができる。また、ユーザは、キャラクタCを操作して、インゲームにおいて敵キャラクタECと対戦し、クエストの達成を目指すこととなる。
【0048】
また、情報処理システム1において提供されるゲームは、4人のキャラクタCが協力して、コンピュータが制御する敵キャラクタECと戦うマルチクエストを実行するものであるとして説明するものとする。しかしながら、ゲームの形態はこれに限られるものではない。すなわち、3人以下または5人以上のキャラクタCが協力して戦うことができるようにしてもよく、各ユーザが操作するキャラクタC間で戦えるようにしてもよい。
【0049】
キャラクタCには、イベント中に発動可能なスキルが対応付けられている。「スキル」とは、クエスト中に各キャラクタCが使用できる特殊能力を指す。例えば、ユーザによって特定のコマンド操作がなされることで、キャラクタCが特殊能力としてスキルが発動する。また、スキルの例として、アクションの瞬間に発動されるものや、一定時間の間は常時発動するものが挙げられる。また、スキルはユーザの操作によらず、イベント中は常時効果が発動するものであっても良い。また、スキルは、キャラクタCだけでなく武器に対応付けられていてもよい。スキルが武器に紐付けられている場合、スキルは、そのスキルが対応付けられた武器をキャラクタCが使用する際に発動する。
【0050】
4.情報処理システム1の動作
本節では、前述した情報処理システム1の動作の流れについて説明する。好ましい態様の一例として、ユーザがゲームを進めるためのキャラクタCを作成した後、複数のキャラクタCによってマルチクエストを実行する場面を例に挙げて説明する。
4.1 情報処理の概要
まず、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れについて、主にキャラクタCの作成の流れと、主にイベント(クエスト)の進行の流れとを分けて概説する。
【0051】
<キャラクタCの作成>
図3は、主にキャラクタCの作成の流れを示すアクティビティ図である。以下、このアクティビティ図に沿って、情報処理の流れを概説する。
【0052】
ユーザは、ディスプレイ41aに表示された不図示の画面において、入力デバイス4cを用いてキャラクタCの作成指示を送信する。受付部231が作成指示を受信すると、イベント制御部235は、キャラクタCを作成するキャラメイクイベントを開始する(A101)。
【0053】
表示制御部236は、キャラクタCの作成画面を表示させる(A102)。キャラクタCの作成画面において、表示制御部236は、ユーザがキャラクタC作成の基礎とする候補として、複数のプリセットキャラクタCaを表示させる。プリセットキャラクタCaとは、キャラクタCの作成に必要な各項目が予め設定されているキャラクタCである。
【0054】
続いて、イベント制御部235は、複数のプリセットキャラクタCaのうち、ユーザによって選択されたプリセットキャラクタCaをベースキャラクタCbとして決定する(A103)。次いで、表示制御部236は、ベースキャラクタCbをもとに、ユーザがキャラクタCの作成に必要な複数の項目iを選択可能な詳細設定画面を表示させる。本画面において、ユーザは、ベースキャラクタCbの形態を構成するパーツを変更したり、新たな要素を追加することで、キャラクタCを作成するために詳細な項目を編集可能である。
【0055】
受付部231は、ユーザから、上述した項目iの指定を受け付ける(A104)。このとき、ユーザは、キャラクタC自体、またはキャラクタCの形態に対応付ける特性5を、提示された複数の特性5の中から任意に選択可能である。特性5は、クエスト等のイベントを進行させる際に参照される、キャラクタCに関連付けられたパラメータPに影響を与えない身体的または心理的な特性5である。また、特性5は、複数の種類を有する。例えば、特性5は、キャラクタCの分類(種族、種別、人種等)と、キャラクタC自身のアイデンティティ(エスニックアイデンティティ、ジェンダーアイデンティティ等)と、身体的ハンディキャップと、キャラクタCが患う疾患と、生態(活動地域、主な活動時間帯等)とのうち少なくとも1つを示す。身体的ハンディキャップとは、主としてキャラクタCの形態について、先天的または後天的に機能の全てまたは一部に制限を受けた状態をいい、形態を構成する複数のパーツのうち少なくとも一つを有しない場合を含む。また、疾患とは、キャラクタCの心または身体について不調、不都合等が生じた状態をいう。そして、ユーザは、これらの特性5のうち、好みの特性5を選択指定可能である。
【0056】
なお、ユーザは、キャラクタCの作成後に特性5を変更することが可能である。この際、キャラクタCのパラメータPは変更されない。なおこの場合、表示制御部236は、キャラクタCの作成後において、キャラクタCの特性5を変更可能な画面を表示させるものとする。
【0057】
ユーザによって特性5の選択が行われた場合、受付部231は、かかる選択に係る情報を受け付ける(A105)。そして、管理部237は、特性5の選択結果をキャラクタCに関連付けて記憶部22に記憶させる。このように、特性5は、ユーザの選択に基づき決定され、そのユーザに対応するキャラクタCに対応付けられる。
【0058】
その後、受付部231がユーザの操作に基づき、全ての項目に関する指定が終了した旨の選択を受け付けると、イベント制御部235は、キャラクタCの作成および編集を終了させる(A106)。そして、管理部237は、完成したキャラクタCを、ユーザに対応付けて管理させる。
【0059】
<イベントの進行>
図4は、主にイベントの進行の流れを示すアクティビティ図である。以下、このアクティビティ図に沿って、さらに情報処理の流れを概説する。
【0060】
なお、以下において、説明上の主たるユーザであって、マルチクエストのホストユーザであるユーザを第1ユーザと称し、これ以外のユーザを第2ユーザと称する。また、第1ユーザによって操作されるプレイヤキャラクタPCを第1キャラクタC1と称する。第2ユーザによって操作されるプレイヤキャラクタPCまたはノンプレイヤキャラクタNPCを第2キャラクタC2と称することとする。換言すると、キャラクタCは、第1ユーザに対応付けられた第1キャラクタC1と、第1ユーザ以外の少なくとも1つの第2ユーザに対応付けられた第2キャラクタC2とを含む。
【0061】
まず、表示制御部236は、第1ユーザに対して発注されたクエストの一覧を表示させる。ユーザは、入力デバイス4cを介して、複数のクエストの中からどのクエストを受注するかを選択することができる。受注するクエストをユーザが選択すると、受付部231は、受注するクエストの選択結果を受け付ける(A201)。
【0062】
続いて、受付部231が第1ユーザによるクエスト参加者の募集要求を受け付けると、表示制御部236は、クエストに同行する他のユーザ(第2ユーザ)の募集画面を表示させる(A202)。募集画面には、第1ユーザによって受注されたクエストの参加希望者として、複数の第2キャラクタC2に関する情報が表示される。受付部231が入力デバイス4cを介して第2ユーザの決定要求を受け付けると、管理部237は、かかる第2ユーザ(第2キャラクタC2)をクエストの参加メンバーに決定し、そのクエストおよび第1ユーザ(第1キャラクタC1)と関連付けて管理する(A203)。
【0063】
次いで、特定部232は、第1キャラクタC1と紐付けられた少なくとも1つの第2キャラクタC2の特性5を特定する(A204)。具体的には、特定部232は、参加メンバーそれぞれの特性5を特定する。
【0064】
評価部233は、第1キャラクタC1の特性5および第2キャラクタC2の特性5の組み合わせを参照する(A205)。そして、評価部233は、特性5の組み合わせにおける重複の度合いおよび重複の度合いを評価する(A206)。評価部233は、参加メンバーである第2キャラクタC2同士の特性5の組み合わせを参照し、同様に重複の度合いおよびその類似度を評価する。具体的には、評価部233は、クエストの参加メンバーであるキャラクタC同士の特性5の組み合わせを、その種類ごとに評価する。例えば、評価部233は、キャラクタC同士の分類と、アイデンティティと、疾患とについて、それぞれ重複の有無およびその類似度を評価する。
【0065】
ここで、評価部233は、クエストに参加するキャラクタC同士において、特性5が重複する数によって、重複の度合いを評価する。例えば、評価部233は、特性5が重複しているキャラクタCの数に応じて、重複が1つもない場合に最も良い評価を行い、全てのキャラクタCの特性5が同一である場合に、最も低くなるように評価を行う。また、評価部233は、特性5同士が非類似であるほど良い評価をする。
【0066】
続いて、付与部234は、評価部233による評価結果50に基づき、第1ユーザまたは第2ユーザに付与する特典51を決定する(A207)。表示制御部236は、決定された特典51を表示させる。そして、入力デバイス4cを介するユーザの操作指示に基づき、イベント制御部235は、複数のキャラクタCによるマルチクエスト(イベント)を開始させる(A208)。
【0067】
イベント制御部235は、マルチクエスト(イベント)を、キャラクタCのパラメータPに基づいて進行させる(A209a)。ここで、パラメータPとは、イベントにおいて参照されるキャラクタCの能力パラメータAP等を示すものである。例えば、イベント制御部235は、キャラクタCが敵キャラクタECに攻撃した場合の付与ダメージ量を、キャラクタCの攻撃力に基づき算出する。そして、イベント制御部235は、敵キャラクタECが受けたダメージ量が閾値に達すると、敵キャラクタECが完了し、イベントの終了条件を満たしたものとしてクエストを終了させる。また例えば、イベント制御部235は、キャラクタCの体力が0になった場合、クエストは失敗したものとして、イベントを終了させる。このように、イベント制御部235は、キャラクタCのパラメータPに基づいて、イベントを進行させる。
【0068】
ここで、クエストの進行に際して、付与部234は、評価部233による評価結果50に基づき、第1ユーザまたは第2ユーザに特典51を付与する(A209b)。具体的には、付与部234は、第1キャラクタC1の特性5と、第2キャラクタC2の特性5との組み合わせに基づき、第1ユーザ(第1キャラクタC1)または第2ユーザ(第2キャラクタC2)に特典51を付与する。例えば、付与部234は、組み合わせに基づき、第1キャラクタC1および第2キャラクタC2によるマルチクエスト(イベント)において、第1キャラクタC1のパラメータPにも第2キャラクタC2のパラメータPにも影響を与えない効果を付与する。この場合における特典51は、クエストに参加するキャラクタCの外見を変更する効果や、キャラクタCが配置された仮想空間の表示態様を変更する効果である。このように、付与部234は、イベントに参加するキャラクタCに対応付けられた特性5の組み合わせに基づき、第1キャラクタC1および第2キャラクタC2によるイベントにおいて、特典51を付与する。
【0069】
ここで、付与部234は、特性5の組み合わせにおける重複の度合いに基づき、重複の度合いが小さいほど有益な特典51を第1ユーザ(第1キャラクタC1)または第2ユーザ(第2キャラクタC2)に付与する。例えば、付与部234は、特性5の重複の度合いが小さいほど、レアリティの高い外見に変更可能な効果を付与する。また例えば、付与部234は、特性5の重複の度合いが小さいほど、参加メンバーであるキャラクタCの外見をお揃いの衣装に着せ替える。一方、付与部234は、重複の度合いが大きいほど、参加メンバーであるキャラクタCの外見を統一感のない衣装に着せ替える。
【0070】
このように、付与部234は、第1キャラクタC1の特性5と、第2キャラクタC2の特性5との類似度に基づき、第1ユーザ(第1キャラクタC1)または第2ユーザ(第2キャラクタC2)に有益な特典51を付与する。有益な特典51としては例えば、付与部234は、クエストに参加するキャラクタCの能力を向上させる効果を付与する効果である。このように、付与部は、イベントに参加するキャラクタCに関連付けられた特性5の組み合わせが多様であるほど、第1ユーザまたは第2ユーザに有利な特典を付与する。
【0071】
マルチクエストの終了条件が満たされると、イベント制御部235は、クエストを終了させる(A210)。このとき、付与部234は、クエストの結果に応じて、第1ユーザ(第1キャラクタC1)および第2ユーザ(第2キャラクタC2)に対して、報酬を付与する。
【0072】
<まとめ>
以上をまとめると、本実施形態に係る情報処理システム1は、次の各構成要素を備える。イベント制御部235は、複数のキャラクタCによるイベントの進行を制御する。キャラクタCは、第1ユーザに対応付けられた第1キャラクタC1と、第1ユーザ以外の少なくとも1つの第2ユーザに対応付けられた第2キャラクタC2とを含む。イベントは、キャラクタCのパラメータPに基づいて進行される。特定部232は、第1キャラクタC1と紐付けられた少なくとも1つの第2キャラクタC2の特性5を特定する。特性5は、パラメータPに影響を与えない身体的または心理的な特性5である。付与部234は、第1キャラクタC1の特性5と、第2キャラクタC2の特性5との組み合わせに基づき、第1ユーザまたは第2ユーザに特典51を付与する。
【0073】
また、別の態様によれば、本実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、次の各ステップを実行させる。イベント制御ステップでは、複数のキャラクタCによるイベントの進行を制御する。キャラクタCは、第1ユーザに対応付けられた第1キャラクタC1と、第1ユーザ以外の少なくとも1つの第2ユーザに対応付けられた第2キャラクタC2とを含む。イベントは、キャラクタCのパラメータPに基づいて進行される。特定ステップでは、第1キャラクタC1と紐付けられた少なくとも1つの第2キャラクタC2の特性5を特定する。特性5は、パラメータPに影響を与えない身体的または心理的な特性5である。付与ステップでは、第1キャラクタC1の特性5と、第2キャラクタC2の特性5との組み合わせに基づき、第1ユーザまたは第2ユーザに特典51を付与する。
【0074】
さらに、別の態様によれば、本実施形態に係る情報処理装置2が実行する情報処理方法は、次の各ステップを備える。イベント制御ステップでは、複数のキャラクタCによるイベントの進行を制御する。キャラクタCは、第1ユーザに対応付けられた第1キャラクタC1と、第1ユーザ以外の少なくとも1つの第2ユーザに対応付けられた第2キャラクタC2とを含む。イベントは、キャラクタCのパラメータPに基づいて進行される。特定ステップでは、第1キャラクタC1と紐付けられた少なくとも1つの第2キャラクタC2の特性5を特定する。特性5は、パラメータPに影響を与えない身体的または心理的な特性5である。付与ステップでは、第1キャラクタC1の特性5と、第2キャラクタC2の特性5との組み合わせに基づき、第1ユーザまたは第2ユーザに特典51を付与する。
【0075】
このような態様によれば、付与部234は、イベントに使用するキャラクタCの特性5が多様であるほど、ユーザに有利な特典51を付与し、その結果、マルチクエストを行うユーザに対して、多様な特性5のキャラクタCを選択することが推奨される。これにより、多様性を尊重した社会の実現に寄与する技術を提供することができる。特に、人種やジェンダーアイデンティティ等の多様性の尊重に寄与することで、持続可能な開発目標(SDGs)の目標5である「ジェンダー平等を実現しよう」の達成に貢献することができる。
【0076】
特に、表示制御部236は、マルチクエストに参加する参加メンバーのそれぞれの特性5を表示させる。また、表示制御部236は、参加メンバーの特性5の組み合わせに応じてどのような特典51が付与されるのかをユーザに視認可能に表示させる。これらの態様により、ユーザは、クエストを進める際の仲間の特性5をより意識しながらクエストを進めることとなり、多様性に対する理解の向上が期待される。
【0077】
4.2 情報処理の詳細
上記概説された情報処理の詳細部分を、図を用いて説明する。
【0078】
図5は、プリセットキャラクタCaの選択画面一例を示すイメージ図である。表示制御部236は、それぞれ外見の異なる複数のプリセットキャラクタCaを表示させる。具体的には例えば、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24,26,28,30,32,34,36,38,40,42,44,46,48,50種類のプリセットキャラクタCaであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。図5の例において、表示制御部236は、それぞれ異なる形態である8種類のプリセットキャラクタCa(プリセットキャラクタCa1、プリセットキャラクタCa2、プリセットキャラクタCa3、プリセットキャラクタCa4、プリセットキャラクタCa5、プリセットキャラクタCa6、プリセットキャラクタCa7、プリセットキャラクタCa8)を表示させる。
【0079】
このとき、ユーザによってプリセットキャラクタCa4(プリセットキャラクタCa41)が選択されたものとする。この場合表示制御部236は、プリセットキャラクタCa4を拡大させたプリセットキャラクタCa42を表示させる。そして、プリセットキャラクタCa4が選択された状態でユーザによりボタンB1が押下されると、表示制御部236は、画面を遷移させ、図6で示される画面を表示させる。このように、ユーザは、表示されたプリセットキャラクタCaの中から自身が作成するキャラクタCのイメージに最も近いプリセットキャラクタCaを選択可能である。
【0080】
図6は、キャラクタCの形態を決定する詳細設定画面の一例を示すイメージ図である。図6で示されるように、表示制御部236は、ユーザに選択されたベースキャラクタCbとともに、表示制御部236は、キャラクタCの形態を構成する複数の項目iをユーザが選択可能に表示させる。項目iとは、例えば、キャラクタCの身体的特徴を表す各項目である。図6の例において、身体的特徴を表す項目iの例として、頭i1、肌i2、顔i3、眉i4、目i5、鼻i6、口i7、ひげi8、化粧i9、手i10、足i11、尻尾i12が示される。なお、これ以外の項目iの例としては、身長(全長)、体重、性別、体格(骨格)、肩幅、筋肉量、脂肪量、手、足、歯、爪、髪、えら、ひれ、鱗、表皮、尻尾、羽などのパーツの形、色、大きさ、質感等が挙げられる。
【0081】
また、図6の例において、表示制御部236は、ユーザによる編集操作に応じてベースキャラクタCbの表示態様を変化させる。これにより、ユーザは、現時点のキャラクタCの外見を確認しながら、項目iを編集可能である。受付部231がユーザによるボタンB2の押下を受け付けると、表示制御部236は、項目iの選択を終了したものとして画面を遷移させて図7で示される画面を表示させる。
【0082】
図7は、特性5の設定画面の一例を示すイメージ図である。図7で示されるように、表示制御部236は、キャラクタCに対応付ける特性5を選択可能に表示させる。ユーザは、キャラクタCの形態だけでなく、キャラクタCの種5a、アイデンティティ5b、習性、活動性向、疾患等の特性5を選択することができる。図8は、特性5の一例を示すイメージ図である。図8の例において、表示制御部236は、特性5の一種である種5aおよびアイデンティティ5bについて、例えば、2~50種類の中から少なくとも一つをユーザが選択可能に表示させる。具体的には例えば、2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24,26,28,30,32,34,36,38,40,42,44,46,48,50種類であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0083】
受付部231がユーザによるボタンB3の押下を受け付けると、表示制御部236は、キャラクタCの作成が終了したものとして画面を遷移させる。一方、形態の再選択を所望するユーザによるボタンB4の押下を受付部231が受け付けた場合、表示制御部236は、画面を遷移させて図7で示される画面を再度表示させる。
【0084】
受付部231は、第1ユーザによるクエスト参加者の募集要求を受け付ける。ここで、第1ユーザは、受注するクエストに同行する参加者となる第2キャラクタC2に対して、レベル制限等の参加条件を設定可能である。具体的には、受付部231が参加条件の指定を受け付けると、管理部237は、そのクエストと参加条件とを紐付けて記憶させる。そして、表示制御部236は、参加者が募られたクエストの内容と、その参加条件とを含む情報を第2ユーザそれぞれに対して、識別可能に表示させる。受付部231が第2ユーザからの参加希望を受け付けると、表示制御部236は、参加希望を要求した第2ユーザに係る第2キャラクタC2を、第1ユーザが視認可能に表示させる。
【0085】
図9は、クエストに参加するメンバーの募集画面の一例を示すイメージ図である。表示制御部236は、ホストである第1ユーザにより操作される第1キャラクタC1と、参加メンバーの候補である第2キャラクタC2a、第2キャラクタC2b、第2キャラクタC2cを表示させる。
【0086】
ここで、第1ユーザは、クエスト同行者(第2キャラクタC2)の決定に際して、参加候補である第2キャラクタC2の特性5を確認可能である。図10は、クエストに参加するキャラクタCの特性5を示すイメージ図である。受付部231がユーザによるボタンB5の押下を受け付けると、表示制御部236は、図10で示される画面を表示させる。図10に示されるように、表示制御部236は、第1キャラクタC1および参加候補である第2キャラクタC2それぞれの特性5を表示させる。このような態様によれば、第1ユーザは、クエスト参加候補者それぞれの特性5の種類を考慮した上で、クエストの参加者を決定可能となる。
【0087】
クエストの参加メンバーを他の第2キャラクタC2に入れ替えたい場合、ユーザは、ボタンB6を押下することによって第2キャラクタC2を入れ替え可能である。具体的には、受付部231がボタンB6の押下を受け付けると、表示制御部236は、新たな参加候補者である第2キャラクタC2を表示させる(不図示)。一方、現在の候補者でクエストを実行したい場合、ユーザはボタンB7を押下することで次の画面に進むことができる。換言すると、受付部231がユーザによるボタンB7の押下を受け付けた場合、表示制御部236は、図11で示される画面を表示させる。
【0088】
図11は、評価部233による評価結果50の一例を示すイメージ図である。図11で示されるように、評価部233は、第1キャラクタC1の特性5および第2キャラクタC2の特性5の組み合わせに基づき、クエスト参加者である第1キャラクタC1および第2キャラクタC2(以下、各々を区別しない場合、参加メンバーとよぶことがある)に対応付けられた特性5それぞれの多様性を評価する。具体的には、評価部233は、クエストの参加者同士の種5aおよびアイデンティティ5bそれぞれの重複および類似度について、数値化して評価する。クエストの参加メンバーが4名である場合における評価方法の一例は、表1で示される。
【表1】
特性5の一例として、「種5a」の重複の有無を判断する場合、評価部233は、クエストの参加メンバーのうち、比較対象とするキャラクタCを2名ずつ取り出して重複の有無を判定する。そして、評価部233は、参加メンバーの全ての組み合わせについて、重複の有無を確認する。参加メンバーである第1キャラクタC1および第2キャラクタC2aは、どちらも「人族」である(図10)。この場合、図11で示されるように、評価部233は、「種5a」についての重複が1組あるものとして、2ポイント加算する(表1)。このように、評価部233は、特性5が重複しているユーザの数に基づいて評価する。また、評価部233は、重複の度合いが小さいほど、点数を加点して高く評価する。
【0089】
また、評価部233は、参加メンバー同士の類似度を評価する。クエストの参加メンバーが4名である場合における評価方法の一例は、表2で示される。
【表2】
この場合、評価部233は、重複度合いの判断方法と同様に、クエストの参加メンバーのうち、キャラクタCを2つずつ取り出して、類似の有無を判定する。特に、評価部233は、参加メンバーの全ての組み合わせについて、特性5が類似するか否かを評価する。ここで、第2キャラクタC2bおよび第2キャラクタC2cは、種が異なるものの活動地域が共通する(図10)。この場合、評価部233は、第2キャラクタC2bおよび第2キャラクタC2cの特性5は類似であると判断する。そして、図11で示されるように、評価部233は、特性5のうち「種」について類似するメンバーが1組あるものとして、2ポイント加算する(表2)。また、図11で示されるように、評価部233は、「アイデンティティ5b」等の他の特性5についても同様に重複度合いおよび類似度について点数化する。そして、評価部233は、各特性5における点数の和を算出し、これをクエストに参加するグループ(パーティ)の最終的な評価結果50とする。図11の例では、9ポイントが最終的な特性5の評価結果50となる。
【0090】
なお、表示制御部236は、特性5の評価結果50とともに、特性5の評価に応じて決定された特典51の内容を表示させることが好ましい。図11で示される特典51の内容は、「衣装お揃い(レベル3)」である。当該パーティでクエストを開始したい場合、ユーザは、ボタンB8を押下する。受付部231がユーザによるボタンB8の押下を受け付けると、表示制御部236は、クエスト開始画面を表示させる。一方、当該パーティの再編成や参加メンバーの特性5を再度確認したい場合、ユーザは、ボタンB9を押下することで、前の画面に戻ることができる。具体的には、受付部231がユーザによるボタンB9の押下を受け付けると、表示制御部236は、図9で示される画面に遷移させる。
[その他]
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0091】
特性5は、キャラクタCの形態を構成するパーツの少なくとも1つに関連付けられた情報に基づき決定され、そのキャラクタCに対応付けられてもよい。このとき、ユーザは、キャラクタCの形態を構成する各パーツに対応付ける特性5を複数の特性5の中から任意に選択可能である。また、ハンディキャップは、何らかの条件によって一時的に発生するものである場合を含む。例えば、ユーザは、任意のハンディキャップを魚類であるキャラクタCの下半身に対応付けて、陸上を移動する際の歩行に支障が出るという身体的ハンディキャップが発現するように設定可能である。
【0092】
また、疾患は、慢性的なもののみならず、予め設定した条件を満たした場合に一時的に発現するものである場合を含む。予め設定した条件は、例えば、時期的条件、環境的条件であり、キャラクタC自身または他のキャラクタCによって所定の行動が実行されることを含む。時期的条件とは、例えば、春夏秋冬や季節に依存する条件や、ハロウィン場等の所定のイベント期間中であるという条件である。環境的条件とは、例えば、太陽下であること、新月または満月の夜であること、水中であることなどの環境要因を満たす条件である。例えば、ユーザは、夜行性の鬼であるキャラクタCに対して、太陽の光を浴びる環境に置かれた場合に所定の症状が発現するという疾患を設定可能である。
【0093】
上述の実施形態において、説明の都合上、表示制御部236は、キャラクタCの形態の選択後に画面を遷移させて特性5を選択可能な画面を表示させる例を示したが、これに限られない。例えば、表示制御部236は、キャラクタCの特性5を、キャラクタCの形態の選択と同時に選択可能に表示させることができる。
【0094】
表1および表2で示した特性5の評価方法は一例であり、これに限られない。例えば、特性5が類似する特性5が隣同士に並べられたデータである場合や、二次元データで表される場合、評価部233は、評価対象となる特性5同士の距離に基づき、重複の度合いまたは類似度を評価してもよい。評価部233は、比較対象とする特性5の位置関係に基づき、特性5同士の距離の離れているほど重複の度合いが小さく、非類似であると評価する。
【0095】
上述の実施形態において、付与部234は、イベントの実行中に特典51を付与する例を示したが、これに限られない。具体的には、付与部234は、イベント終了時またはイベント終了後にマルチクエストに参加したキャラクタCに係る特性5の組み合わせに応じて、第1キャラクタC1および第2キャラクタC2によるイベントにおける報酬を優遇して付与してもよい。例えば、付与部234は、イベント終了時にイベント参加者が取得するゲーム内通貨の金額を一定割合増加させる。また例えば、付与部234は、クエストに参加したキャラクタCが獲得する経験値を一定割合増加させる。
【0096】
上述の実施形態において、付与部234は、キャラクタCのパラメータPに影響を与えない特典51を付与すると示したが、これに限らず、付与部234は、評価部233による評価結果50に応じて、キャラクタCが発動するスキルのパラメータPを向上させてもよい。ただしこの場合でも、キャラクタCに付与される特典51は、キャラクタCに対応付けられたスキルの発動効果よりも小さい効果であることが好ましい。また、特典51は、キャラクタCの能力パラメータAPには影響を与えず、イベント進行中にキャラクタCによって発動されるスキルの攻撃力、防御力、スキルの発動時間等を示すパラメータPを一時的に変動させるものであることが好ましい。このような態様により、たとえ評価部233による評価に基づき、クエストを有利に進めることができる場合であっても、クエスト進行への影響が小さいこととなる。これにより、ユーザは、クエストに参加するキャラクタCの特性5について、多様性を重視することを過度に強いられることないので、情報処理システム1は、ユーザ自身の価値観が尊重されたゲームを提供することができる。
【0097】
図11の例において、付与部234は、種5aの評価結果50と、アイデンティティ5bの評価結果50とを合算したポイントに応じたレベルの特典51を付与する例を示したが、これに限られない。例えば、付与部234は、評価対象となる特性5の種類ごとに、その評価結果50に応じた特典51を付与してもよい。図11において、種5aの評価結果50は4ポイントであり、アイデンティティ5bに係る特性5の評価結果50は5ポイントである。これに対し、付与部234は、種5aおよびアイデンティティ5bそれぞれについて、それぞれのポイントに応じて異なる特典51を付与してもよい。また、付与部234は、特性5の重複度合いの評価がよい場合と、類似度の評価がよい場合とで、異なる特典51を付与してもよい。
【0098】
また、情報処理システム1において提供される仮想空間はクエストのようなゲーム的な要素を含んでいなくてもよく、複数のユーザによって、それぞれ操作されるキャラクタCを通して、ユーザ主導で開催されるイベントを実行するもの、いわゆるメタバースであってもよい。この場合におけるイベントとは、例えば、セミナー、ライブ、オンラインミーティング等のバーチャルイベントである。この評価部233は、イベントに参加した聴衆であるキャラクタCについて、特性5の組み合わせを評価する。イベントの主催者が複数である場合、評価部233は、かかる主催者となるキャラクタC同士の特性5の組み合わせを評価してもよい。
【0099】
本実施形態では、受付部231、特定部232、付与部234、イベント制御部235および表示制御部236を、情報処理装置2の制御部23によって実現される機能部として説明しているが、この少なくとも一部を、ゲーム装置3の制御部33によって実現される機能部として実施してもよい。
【0100】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理システムにおいて、前記特性は、前記キャラクタの人種と、ジェンダーアイデンティティと、身体的ハンディキャップと、前記キャラクタが患う疾患とのうち少なくとも1つを示す、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記付与ステップでは、前記組み合わせにおける重複の度合いに基づき、前記第1ユーザまたは前記第2ユーザに特典を付与する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記付与ステップでは、前記第1キャラクタの前記特性と、前記第2キャラクタの前記特性との類似度に基づき、前記第1ユーザまたは前記第2ユーザに特典を付与する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記付与ステップでは、前記組み合わせが多様であるほど、前記第1ユーザまたは前記第2ユーザに有利な特典を付与する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記特性は、ユーザの選択に基づき決定され、そのユーザに対応するキャラクタに対応付けられる、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記特性は、前記キャラクタの形態を構成するパーツの少なくとも1つに関連付けられた情報に基づき決定され、そのキャラクタに対応付けられる、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記付与ステップでは、前記組み合わせに基づき、前記第1キャラクタおよび前記第2キャラクタによるイベントにおいて、特典を付与する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記付与ステップでは、前記組み合わせに基づき、前記第1キャラクタおよび前記第2キャラクタによるイベントにおいて、前記第1キャラクタのパラメータにも前記第2キャラクタのパラメータにも影響を与えない効果を付与する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記付与ステップでは、前記組み合わせに応じて、前記第1キャラクタおよび前記第2キャラクタによるイベントにおける報酬を優遇して付与する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記特典は、前記キャラクタに対応付けられたスキルの発動効果よりも小さい効果である、情報処理システム。
プログラムであって、コンピュータに、前記各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0101】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
1 :情報処理システム
11 :通信ネットワーク
2 :情報処理装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
231 :受付部
232 :特定部
233 :評価部
234 :付与部
235 :イベント制御部
236 :表示制御部
237 :管理部
3 :ゲーム装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34a :グラフィック処理部
34b :オーディオ処理部
34c :操作部
4a :ディスプレイ
4b :スピーカ
4c :入力デバイス
41a :ディスプレイ
5 :特性
5a :種
5b :アイデンティティ
50 :評価結果
51 :特典
B1 :ボタン
B2 :ボタン
B3 :ボタン
B4 :ボタン
B5 :ボタン
B6 :ボタン
B7 :ボタン
C :キャラクタ
C1 :第1キャラクタ
C2 :第2キャラクタ
C2a :第2キャラクタ
C2b :第2キャラクタ
C2c :第2キャラクタ
Ca :プリセットキャラクタ
Ca1 :プリセットキャラクタ
Ca2 :プリセットキャラクタ
Ca3 :プリセットキャラクタ
Ca4 :プリセットキャラクタ
Ca41 :プリセットキャラクタ
Ca42 :プリセットキャラクタ
Ca5 :プリセットキャラクタ
Ca6 :プリセットキャラクタ
Ca7 :プリセットキャラクタ
Ca8 :プリセットキャラクタ
Cb :ベースキャラクタ
P :パラメータ
AP :能力パラメータ
PC :プレイヤキャラクタ
EC :敵キャラクタ
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