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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-12
(45)【発行日】2025-02-20
(54)【発明の名称】装具の継手装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/01 20060101AFI20250213BHJP
   A61H 3/00 20060101ALN20250213BHJP
【FI】
A61F5/01 N
A61H3/00 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024117435
(22)【出願日】2024-07-23
【審査請求日】2024-07-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520175075
【氏名又は名称】株式会社総合リハビリテーション研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】524277256
【氏名又は名称】有限会社光井鉄工所
(73)【特許権者】
【識別番号】524277267
【氏名又は名称】江口 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】110004510
【氏名又は名称】弁理士法人維新国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(74)【代理人】
【識別番号】100179729
【弁理士】
【氏名又は名称】金井 一美
(72)【発明者】
【氏名】大谷 道明
(72)【発明者】
【氏名】光井 秀樹
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05938629(US,A)
【文献】米国特許第06993808(US,B1)
【文献】米国特許第05997493(US,A)
【文献】特開2005-144156(JP,A)
【文献】特開2000-189448(JP,A)
【文献】米国特許第06203511(US,B1)
【文献】米国特許第05460599(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/01
A61H 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアーム部と、第2のアーム部を備え、上肢又は下肢に装着される装具の継手装置であって、
前記第1のアーム部の下端に設けられる第1のベース部と、
前記下端に対向する、前記第2のアーム部の上端に設けられる第2のベース部と、
前記第1のベース部と前記第2のベース部に並列して配置され、前記第1のアーム部と前記第2のアーム部がなすアーム部角度を変更する角度変更部材と、
前記第1のベース部の少なくとも一方の側面に設けられる第1の保持部材と、
前記第2のベース部の少なくとも一方の側面に設けられる第2の保持部材と、
前記第1のベース部と前記第1の保持部材に保持され、前記角度変更部材に対する前記第1のベース部の位置を変更可能に固定する第1のストッパーと、
前記第2の保持部材と前記角度変更部材を枢支する枢軸と、
前記第2のベース部と前記第2の保持部材に保持され、前記角度変更部材の前記枢軸を中心とする回動を制限する第2のストッパーを備え、
前記角度変更部材が前記枢軸を中心として回動しない場合において、
前記第1のアーム部は、前記第1のストッパーが、前記角度変更部材に対する前記第1のベース部の前記位置を固定する場合に、前記アーム部角度が変化することなく前記枢軸を中心として回動不能であり、
前記第1のアーム部は、前記第1のストッパーが、前記角度変更部材に対する前記第1のベース部の前記位置の固定を解除する場合に、前記アーム部角度が変化して前記枢軸を中心として回動可能であり、
前記第2のストッパーは、前記角度変更部材に接離する先端面と、この先端面を挟んで設けられる一方及び他方の端面を有する第2の係止部と、この第2の係止部を前記角度変更部材に対して進退させる第2の進退構造を備え、
前記角度変更部材は、円弧状をなす外周縁と、円弧状をなす内周縁と、前記外周縁の両端と前記内周縁の両端をそれぞれ連結する第1及び第2の端縁を備えるとともに、前記内周縁に前記枢軸が貫通する貫通孔を備え、
前記第1のベース部は、前記角度変更部材を収容する切欠部が形成され、
前記切欠部は、その内周面に、前記角度変更部材の前記第1の端縁が当接する当接面を備えるとともに、前記切欠部を形成する一対の開口端のうち、前記当接面に近い一方に、切欠端面を備え、
前記第1のストッパーが前記角度変更部材に対する前記第1のベース部の前記位置を固定する場合に、
前記切欠部の前記切欠端面が、前記第2のストッパーの前記一方の端面に当接することで、前記アーム部角度が最小となり、
前記角度変更部材の前記第2の端縁が、前記第2のストッパーの前記他方の端面に当接することで、前記アーム部角度が最大となることを特徴とする装具の継手装置。
【請求項2】
前記角度変更部材は、第1の係合部を備え、
前記第2のベース部の前記一方の側面に設けられる前記第2の保持部材は、前記第1の係合部に係合する第2の係合部を備え、
前記第1及び第2の係合部のいずれか一方は、前記枢軸を中心とする円弧状に形成される円弧状係合部であり、
前記円弧状係合部でない前記第1及び第2の係合部のいずれか他方は、前記円弧状係合部に沿って案内され、
前記第1のアーム部は、前記第1のストッパーが前記第1のベース部の前記位置を固定する場合に、前記第1の係合部と前記第2の係合部が係合することで、前記角度変更部材とともに前記枢軸を中心に遊動することを特徴とする請求項1に記載の装具の継手装置。
【請求項3】
前記角度変更部材は、前記第1のストッパーが係脱する鋸歯部を備え、
前記第1のストッパーは、前記鋸歯部に係脱する第1の係止部と、この第1の係止部を前記鋸歯部に対して進退させる第1の進退構造を備え、
前記第1のベース部は、前記第1のストッパーを収容する第1の収容空間が形成され、
前記第1の保持部材は、前記第1の収容空間に対応する箇所に、前記第1の進退構造の一部を露出させて収容する第1の保持窓部が形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の装具の継手装置。
【請求項4】
前記第2のベース部は、前記第2のストッパーを収容する第2の収容空間が形成され、
前記第2の保持部材は、前記第2の収容空間に対応する箇所に、前記第2の進退構造の一部を露出させて収容する第2の保持窓部が形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の装具の継手装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の長尺部材を連結する装具の継手装置に係り、特に、一方の長尺部材を他方の長尺部材に対して遊動させる遊動角度を、簡単な操作で変更可能な装具の継手装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、脳卒中による重度機能障害によって起立や歩行といった運動が制限される患者に対し、運動能力の獲得や向上をさせるために、大腿部と下腿部を連結して固定することで、機能障害のある下肢を支持する装具が使用されている。この装具は、大まかには、大腿部と下腿部にそれぞれ固定される一対の長尺部材と、これらの長尺部材を連結し、膝の高さに配置されるジョイントからなる。
そして、装具を使用するリハビリテーションでは、ジョイントによって膝を伸展位に固定した状態で、立位訓練に続いて、歩行訓練が実施される。しかし、脳卒中の発症から6か月が経過するまでは脳機能の回復が活発な時期であり、この時期に誤った歩行パターンで歩行訓練を行うと、この誤った歩行パターンを脳が学習してしまう。また、本来、正常歩行パターンとは膝を交互に伸展、屈曲させるものであるから、膝を伸展位に固定した状態は、誤った歩行パターンに該当する。そのため、早期から膝固定を継続していると、将来の回復を妨げることになる。
このような課題を解決するためには、患者の回復状況に応じて、膝の伸展と屈曲を可能とする機能が、装具に備えられることが望ましい。
そこで、近年、歩行時に膝を伸展、屈曲させることを可能とする技術が開発されており、それに関して既に発明が開示されている。
【0003】
特許文献1には「装具の継手装置」という名称で、装具を装着する患者の回復状況に対応して継手の軸回り可動域を任意に変更できる装具の継手装置に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示された発明は、装具の一部をなす第1部材と、第1部材に回動可能に接続する第2部材と、第1部材と第2部材とを回動可能に枢支接続する枢軸と、第1、第2部材の軸回り回動について軸回りに複数の可動角度範囲を設定する軸回り可動域設定機構と、を含み、この軸回り可動域設定機構は、ガイド部と、 第2部材に係止されつつガイド部に案内されて枢軸周りに円弧移動する1個又は複数の移動体と、を含み、移動体は長さの異なる複数種類の範囲設定スライダのうちの一つを選択して、固定手段を介して第2部材に対して着脱交換可能に固定されることを特徴とする。
このような特徴を有する発明においては、複数種類の範囲設定スライダのうちの一つを選択することで、第1、第2部材が枢軸回りに可動する角度範囲が変更される。そのため、1つの装具の継手装置で患部の症状等に対応して、第1、第2部材が回動する可動角度範囲を調整可能であるとともに、この可動角度範囲内で第2部材を遊動させることができる。よって、膝を伸展、屈曲させて歩行訓練をすることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-38593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された発明においては、可動角度範囲を調整するには、範囲設定スライダを交換しなければならない。この場合、固定手段を緩めたり、締め付けたりする操作が必要になるので、第2部材が遊動する範囲を手早く調整することができず煩雑である。また、可動角度範囲が適切でなかった場合、範囲設定スライダの交換に伴う煩雑さは、さらに増大する。
【0006】
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、部品の交換やこれに伴う作業の煩雑さがないために、装具の遊動角度を簡単な操作によって変更可能な装具の継手装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、第1の発明は、第1のアーム部と、第2のアーム部を備え、上肢又は下肢に装着される装具の継手装置であって、第1のアーム部の下端に設けられる第1のベース部と、下端に対向する、第2のアーム部の上端に設けられる第2のベース部と、第1のベース部と第2のベース部に並列して配置され、第1のアーム部と第2のアーム部がなすアーム部角度を変更する角度変更部材と、第1のベース部の少なくとも一方の側面に設けられる第1の保持部材と、第2のベース部の少なくとも一方の側面に設けられる第2の保持部材と、第1のベース部と第1の保持部材に保持され、角度変更部材に対する第1のベース部の位置を変更可能に固定する第1のストッパーと、第2の保持部材と角度変更部材を枢支する枢軸を備え、角度変更部材が枢軸を中心として回動しない場合において、第1のアーム部は、第1のストッパーが、角度変更部材に対する第1のベース部の位置を固定する場合に、アーム部角度が変化することなく枢軸を中心として回動不能であり、第1のアーム部は、第1のストッパーが、角度変更部材に対する第1のベース部の位置の固定を解除する場合に、アーム部角度が変化して枢軸を中心として回動可能であることを特徴とする。
【0008】
このような構成の発明において、第1のアーム部は、上腕部や大腿部の側面に半月を介して固定される長尺部材であり、第2のアーム部は、前腕部や下腿部の側面に半月を介して固定される長尺部材である。
また、第1及び第2のベース部と、第1及び第2の保持部材は、例えば、平板状の部材がそれぞれ使用される。このうち、第1及び第2のベース部の長軸は、第1及び第2のアーム部の長軸とそれぞれ平行である。そのため、第1のアーム部と第2のアーム部がなすアーム部角度とは、第1のベース部と第2のベース部がなす角度でもある。
さらに、第1のストッパーとして、例えば、角度変更部材に接近又は角度変更部材から離隔して、それぞれ、第1のストッパーの一端が角度変更部材に係止又は係止解除される構成が考えられる。
【0009】
そして、第2のベース部の少なくとも一方の側面に設けられる第2の保持部材と、第1のベース部と第2のベース部に並列して角度変更部材は、枢軸によって枢支されることから、第1のベース部は、第2の保持部材、角度変更部材及び枢軸を介し、第2のベース部と連結されている。
このうち、角度変更部材は、枢軸に枢支されているため、第1のアーム部と第2のアーム部がなすアーム部角度の変更は、第1のアーム部と第2のアーム部間での枢軸を中心とする相対的な回動運動によってもたらされる。
【0010】
なお、詳細には、アーム部角度の変更は、角度変更部材が枢軸を中心として回動せずに、第1のストッパーの一端が角度変更部材に係止される位置が変化することにより、第1のアーム部と第2のアーム部間での相対的な回動運動が行われる場合と、第1のストッパーの一端が角度変更部材に係止された状態のまま角度変更部材が枢軸を中心として回動する結果、第1のアーム部と第2のアーム部間での相対的な回動運動が行われる場合、の二通りの運動によってもたらされる。
本願では、前者の場合の回動運動を単に回動と称し、後者の場合の回動運動を遊動と称することで、両者を区別する。
【0011】
上記構成の発明においては、第1のストッパーは、第1のベース部と第1の保持部材に保持されているため、角度変更部材が枢軸を中心として回動せず、かつ、第1のストッパーの一端が角度変更部材に係止される場合、角度変更部材に対する第1のベース部の位置が固定される。これにより、第1のアーム部は、アーム部角度が変化することなく枢軸を中心として回動不能となる。
これに対し、角度変更部材が枢軸を中心として回動せず、かつ、第1のストッパーの一端が角度変更部材に係止されない場合では、角度変更部材に対する第1のベース部の位置が移動可能である。これにより、第1のアーム部は、アーム部角度が変化して枢軸を中心として回動可能である。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、角度変更部材は、第1の係合部を備え、第2のベース部の一方の側面に設けられる第2の保持部材は、第1の係合部に係合する第2の係合部を備え、第1及び第2の係合部のいずれか一方は、枢軸を中心とする円弧状に形成される円弧状係合部であり、円弧状係合部でない第1及び第2の係合部のいずれか他方は、円弧状係合部に沿って案内され、第1のアーム部は、第1のストッパーが第1のベース部の位置を固定する場合に、第1の係合部と第2の係合部が係合することで、角度変更部材とともに枢軸を中心に遊動することを特徴とする。
【0013】
このような構成の発明において、円弧状係合部でない第1及び第2の係合部のいずれか他方は、円弧状係合部に沿った長さが、円弧状係合部の長さよりも短い。これにより、上記のいずれか他方は、円弧状係合部に沿って案内される。
一例として、第1の係合部が円弧状係合部でなく、第2の係合部が円弧状係合部である場合、第1の係合部は、第2の保持部材に向かって突出するピンであり、第2の係合部は、ピンが係合する溝部や孔部である構成が考えられる。これとは逆に、第1の係合部が溝部や孔部であり、第2の係合部が角度変更部材に向かって突出するピンであってもよい。
【0014】
上記構成の発明においては、第1の発明の作用に加えて、角度変更部材が備える第1の係合部は、第2の保持部材が備える第2の係合部に係合するため、例えば、第2の係合部が円弧状係合部である場合では、第1の係合部は第2の係合部に沿って案内され、枢軸を中心とする円弧状に往復可能である。
よって、第1のストッパーの一端が角度変更部材に係止された状態であり、角度変更部材に対する第1のベース部の位置が固定されたままであっても、角度変更部材は枢軸を中心とする円弧状に往復可能、すなわち遊動可能である。
したがって、第1のストッパーが角度変更部材に対する第1のベース部の位置を固定する場合に、第1のベース部が設けられる第1のアーム部は、角度変更部材とともに枢軸を中心に遊動する。
【0015】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、角度変更部材は、第1のストッパーが係脱する鋸歯部を備え、第1のストッパーは、鋸歯部に係脱する第1の係止部と、この第1の係止部を鋸歯部に対して進退させる第1の進退構造を備え、第1のベース部は、第1のストッパーを収容する第1の収容空間が形成され、第1の保持部材は、第1の収容空間に対応する箇所に、第1の進退構造の一部を露出させて収容する第1の保持窓部が形成されることを特徴とする。
【0016】
このような構成の発明においては、第1又は第2の発明の作用に加えて、第1のベース部に第1のストッパーを収容する第1の収容空間が形成されるため、第1のベース部と、第1のストッパーと、第1の保持部材を重ねた際の厚みが嵩張ることが防止される。
また、第1の保持部材は、第1の保持窓部が、第1のストッパーが備える第1の進退構造の一部を露出させて収容することから、この露出した一部に装具の操作者が直接接触し、第1の係止部を鋸歯部に対して接近させるほか、鋸歯部から離隔させることができる。
【0017】
第4の発明は、第1又は第2の発明において、第2のベース部と第2の保持部材に保持され、角度変更部材の枢軸を中心とする回動を制限する第2のストッパーを備え、第2のストッパーは、角度変更部材に接離する先端面と、この先端面を挟んで設けられる一方及び他方の端面を有する第2の係止部と、この第2の係止部を角度変更部材に対して進退させる第2の進退構造を備え、角度変更部材は、円弧状をなす外周縁と、円弧状をなす内周縁と、外周縁の両端と内周縁の両端をそれぞれ連結する第1及び第2の端縁を備えるとともに、内周縁に枢軸が貫通する貫通孔を備え、第1のベース部は、角度変更部材を収容する切欠部が形成され、切欠部は、その内周面に、角度変更部材の第1の端縁が当接する当接面を備えるとともに、切欠部を形成する一対の開口端のうち、当接面に近い一方に、切欠端面を備え、第1のストッパーが角度変更部材に対する第1のベース部の位置を固定する場合に、切欠部の切欠端面が、第2のストッパーの一方の端面に当接することで、アーム部角度が最小となり、角度変更部材の第2の端縁が、第2のストッパーの他方の端面に当接することで、アーム部角度が最大となることを特徴とする。
【0018】
このような構成の発明において、第1のベース部と、角度変更部材の枢軸を中心とする回動を制限する第2のストッパーは、第1のベース部と、角度変更部材の双方を同じタイミングで制限してもよく、異なるタイミングでいずれか一方のみを制限してもよい。これは、第1のストッパーの角度変更部材に対する係止位置や、第1及び第2の係合部の有無や形状によって異なってくる。
また、角度変更部材は、円弧状をなす外周縁と、内周縁と、第1及び第2の端縁を備えるため、例えば、半円板状に形成される。この場合、角度変更部材を収容する第1のベース部の切欠部は、その内周面が円弧状に形成される。
【0019】
上記構成の発明においては、第1又は第2の発明の作用に加えて、第1のアーム部が、アーム部角度が増大する方向に回動や遊動をすることにより、角度変更部材の第2の端縁が第2のストッパーの一方の端面に近づいてくる。第1のアーム部が、同方向にさらに回動等すると、角度変更部材の第2の端縁が第2のストッパーの一方の端面に当接するため、角度変更部材と、第1のベース部はこれ以上、同方向に回動等をすることができない。よって、第2のストッパーの一方の端面により、アーム部角度の最大角度が制限される。
【0020】
また、第1のアーム部が、アーム部角度が減少する方向に回動や遊動をすることにより、切欠部の切欠端面が、第2のストッパーの他方の端面に近づいてくる。第1のアーム部が、同方向にさらに回動等すると、切欠部の切欠端面が、第2のストッパーの他方の端面に当接するため、角度変更部材と、第1のベース部はこれ以上、同方向に回動等をすることができない。よって、第2のストッパーの他方の端面により、アーム部角度の最小角度が制限される。
【0021】
第5の発明は、第4の発明において、第2のベース部は、第2のストッパーを収容する第2の収容空間が形成され、第2の保持部材は、第2の収容空間に対応する箇所に、第2の進退構造の一部を露出させて収容する第2の保持窓部が形成されることを特徴とする。
【0022】
このような構成の発明においては、第4の発明の作用に加えて、第2の保持部材は、第2の保持窓部が、第2のストッパーが備える第2の進退構造の一部を露出させて収容することから、この露出した一部に装具の操作者が直接接触し、第2の係止部を角度変更部材に対して接近させるほか、角度変更部材から離隔させることができる。
【発明の効果】
【0023】
第1の発明によれば、角度変更部材が枢軸を中心として回動しない場合において、第1のストッパーの一端が角度変更部材に係止される場合と、係止されない場合のいずれかを選択することで、第1のアーム部が、枢軸を中心として回動不能な状態と、回動可能な状態を切り替えることができる。
【0024】
第2の発明によれば、第1の発明の効果に加えて、第1のアーム部は、アーム部角度が変化して、角度変更部材とともに枢軸を中心に遊動するため、例えば歩行訓練時における膝の伸展や屈曲を実現可能である。
【0025】
第3の発明によれば、第1又は第2の発明の効果に加えて、第1のベース部と、第1のストッパーと、第1の保持部材を重ねた際の厚みが嵩張ることが防止されるので、装具を装着した際の荷重を軽減できる。
また、露出した進退構造の一部に装具の操作者等が直接接触し、第1の係止部を鋸歯部に対して接近させるほか、鋸歯部から離隔させることができるため、部品交換といった作業や工具を用いることなく、第1のアーム部の回動不能な状態と、回動可能な状態の切り替えが可能となる。よって、簡単な操作によって、第1のアーム部の回動の切り替えや回動角度を調整できる。
【0026】
第4の発明によれば、第1又は第2の発明の効果に加えて、第2のストッパーの一方の端面により、アーム部角度の最大角度が制限され、また第2のストッパーの他方の端面により、アーム部角度の最小角度が制限されるので、第1のアーム部が、第2のアーム部に対して行う回動や遊動の角度を、患者毎に調整することができる。よって、患者の回復状況に応じて、歩行訓練時の負荷を適切に増減可能である。
【0027】
第5の発明によれば、第1又は第2の発明の効果に加えて、第2の進退構造の一部を露出させて収容することから、操作者がこの露出した一部に直接接触し、第2の係止部を角度変更部材に対して接近させるほか、角度変更部材から離隔させることができる。
よって、例えば、第1のアーム部の遊動が不要な場合では、第2の係止部を角度変更部材に対して当接させて、角度変更部材が枢軸を中心として回動することを抑制できる。この一方で、第2の係止部を角度変更部材からやや離隔させると、角度変更部材が枢軸を中心として遊動し易くなるので、装具を装着した際の歩行動作が妨げられない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施例に係る装具の継手装置の分解斜視図である。
図2】実施例に係る装具を構成する第1のベース部についての部分拡大図である。
図3】実施例に係る装具を構成する角度変更部材部及びその周辺部についての部分拡大図である。
図4】実施例に係る装具を構成する第1の保持部材についての部分拡大図である。
図5】実施例に係る装具を構成する第2のベース部及びその周辺部についての部分拡大図である。
図6】実施例に係る装具を構成する第2の保持部材についての部分拡大図である。
図7】実施例に係る装具の継手装置の平面図である。
図8図7におけるA-A線矢視断面図である。
図9】第1のアーム部が60度のアーム部角度で回動した場合の平面図である。
図10】第1のアーム部が60度のアーム部角度で遊動する場合の平面図である。
図11】第1のアーム部が30度のアーム部角度で遊動する場合の平面図である。
図12】第1のアーム部が30度のアーム部角度で遊動する場合の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例
【0029】
本発明の実施の形態に係る装具の継手装置について、図1乃至図12を用いて詳細に説明する。図1は、実施例に係る装具の継手装置の分解斜視図である。
図1に示すように、実施例に係る装具の継手装置1(以下、継手装置1という。)は、機能障害によって起立や歩行が制限される患者の下肢に装着される装具50の継手装置である。この装具50は、既設の第1のアーム部51と、既設の第2のアーム部52と、これらを連結する継手装置1を備える。詳細には、図1に示す装具50は、左側の下肢の外側に装着される。
以下、継手装置1の構成について、詳細に説明する。
【0030】
継手装置1は、第1のベース部2と、第2のベース部3と、角度変更部材4と、第1の保持部材5,5´と、第2の保持部材6,6´と、第1のストッパー7と、第2のストッパー8と、枢軸9を備える。なお、図中矢印X、Y、Zは、継手装置1の、互いに直交する幅方向、高さ方向、厚み方向をそれぞれ示す。
【0031】
第1のベース部2は、第1のアーム部51の下端51aに設けられる。また、第2のベース部3は、下端51aに対向する、第2のアーム部52の上端52aに設けられる。
この第1のベース部2と、第2のベース部3は、いずれも平板状をなしている。さらに、第1のベース部2の長軸Aは、第1のアーム部51の長軸A51と平行であり、第2のベース部3の長軸Aは、第2のアーム部52の長軸A52と平行である。
【0032】
角度変更部材4は、第1のベース部2の長軸Aと第2のベース部3の長軸Aがなすアーム部角度α(図9参照)を変更する部材であって、座金10を介して枢軸9に枢支される。具体的には、角度変更部材4は、略半円形の面状部材である。よって、角度変更部材4は、第1のベース部2と第2のベース部3に並列し、かつ、第1のベース部2と第2のベース部3によって高さ方向Yにおいて上下に挟まれて配置される。
【0033】
第1の保持部材5,5´は、第1のベース部2の一方の側面2aと、他方の側面2bに設けられる平板状の部材である。具体的には、第1の保持部材5は、第1のベース部2に複数本の留めネジ11によって固定され、第1の保持部材5´は、第1のベース部2に複数本の留めピン12によって固定される。
また、第1の保持部材5,5´は、円弧状をなす切欠部5a,5a´がそれぞれ形成される。この切欠部5a,5a´は、角度変更部材4の外周縁4a(図3参照)へ接する形状に、切り欠かれている。
【0034】
第2の保持部材6,6´は、第2のベース部3の一方の側面3aと、他方の側面3bに設けられる平板状の部材である。具体的には、第2の保持部材6は、第2のベース部3に複数本の留めネジ11によって固定され、第2の保持部材6´は、第2のベース部3に複数本の留めピン12によって固定される。さらに、第2の保持部材6,6´は、枢軸9を挿通するための枢軸用挿通孔6a,6a´が形成される。
なお、第1のベース部2において、一方の側面2aと、他方の側面2bは入れ替わってもよい。第2のベース部3においても、一方の側面3aと、他方の側面3bが入れ替わってもよい。
【0035】
第1のストッパー7は、第1のベース部2と第1の保持部材5´に保持され、角度変更部材4に対する第1のベース部2の位置を変更可能に固定する部材である。角度変更部材4に対する第1のベース部2の位置とは、角度変更部材4の外周縁4a(図3参照)に存在する任意の点に対する、第1のベース部2の長軸Aの相対的位置である。
第2のストッパー8は、第2のベース部3と第2の保持部材6に保持され、角度変更部材4の枢軸9の中心軸Aを中心とする回動を制限する部材である。
枢軸9は、留めピン9aと、この留めピン9aを内部に差し込んで保持するキャップ9bからなり、第2の保持部材6,6´と、角度変更部材4と、座金10を枢支する。
また、枢軸9の中心軸Aから第1のアーム部51の上端51bまでの距離と、中心軸Aから第2のアーム部52の下端52bまでの距離は、いずれも360mmである。
【0036】
次に、第1のベース部の構成について、図2を用いながら説明する。図2は、実施例に係る装具を構成する第1のベース部についての部分拡大図である。なお、図1で示した構成要素については、図2においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図2に示すように、第1のベース部2は、長端面2cと、短端面2dと、角度変更部材4(図1参照)を収容する切欠部13を備える。長端面2cは、下端51aと反対側になる下方が、第1のベース部2から外方に向かって凸に湾曲する湾曲面2cとなっている。
【0037】
切欠部13は、その内周面13aに、階段状の当接面13b,13bを備える。また、切欠部13は、切欠端面13cを備える。この切欠端面13cは、切欠部13を形成する一対の開口端13d,13eのうち、当接面13b,13bに近い一方の開口端13dに、この開口端13dと湾曲面2cを連結するように設けられる。
さらに、第1のベース部2は、第1のストッパー7を収容する第1の収容空間14を備える。この第1の収容空間14は、内周面13aの中央部付近に開口している。
【0038】
続いて、角度変更部材と、第1のストッパーの構成について、図3を用いながら説明する。図3は、実施例に係る装具を構成する角度変更部材部及びその周辺部についての部分拡大図である。なお、図1及び図2で示した構成要素については、図3においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図3に示すように、角度変更部材4は、外周縁4aと、内周縁4bと、第1の端縁4cと、第2の端縁4dと、環状部4eを備える。
このうち、外周縁4aは、円弧状をなしている。また、内周縁4bは、円弧状をなし、外周縁4aの内側に同心円状に並列する。第1の端縁4cは、外周縁4aの端部4aと内周縁4bの端部4bを連結する。第2の端縁4dは、外周縁4aの端部4aと内周縁4bの端部4bを連結する。
さらに、環状部4eは、内周縁4bに設けられる。この環状部4eには、枢軸9(図1参照)が貫通する貫通孔4fが形成される。なお、座金10(図1参照)は、その外周縁及び一方の側面が、それぞれ内周縁4b及び環状部4eに接する状態で、角度変更部材4に嵌合される。
【0039】
次に、外周縁4aは、下端51a寄りの一部に、第1のストッパー7が係脱する鋸歯部15を備える。この鋸歯部15は、第1の谷部15aから第7の谷部15aが形成されており、これらは、枢軸9の中心軸Aを中心として10度毎に異なる角度で傾斜している。よって、第1の谷部15aから第7の谷部15aは、中心軸Aを中心として60度の範囲に設けられる。
さらに、第1の端縁4cは、階段状の当接面4c,4cを備える。この当接面4c,4cは、第1のベース部2の切欠部13に形成される当接面13b,13b(図2参照)とそれぞれ一致する形状である。
【0040】
そして、外周縁4aのうち、下端51aと反対側になる下方の一部を、湾曲面4aと称すると、第2の端縁4dと、湾曲面4aがなす角部Kに、第1の係合部16を備える。具体的には、第1の係合部16は、角度変更部材4から第2の保持部材6(図1参照)に向かって突出するピンである。
【0041】
さらに、第1のストッパー7は、鋸歯部15に係脱する尖端を有する第1の係止部7aと、この第1の係止部7aを鋸歯部15に対して進退させる第1の進退構造17を備える。
具体的には、第1の進退構造17は、第1の雄ネジ部18aが外周面に刻設される第1のネジ体17aと、第1の雄ネジ部18aに螺合する第1の雌ネジ部18bが内周面に刻設される第1のナット17bである。この第1のナット17bは、ダブルナットである。
【0042】
ここで、図2を参照すると、第1のベース部2の第1の収容空間14は、第1のストッパー7の第1のネジ体17aを収容する第1の空間部14aと、第1のナット17b,17bを露出させて収容する第1のベース窓部14bが形成されている。
よって、図3に示すように、第1のナット17b,17bを、第1のベース部2の長軸Aに直交する方向へ、双方向(図中白抜矢印)に回動させると、第1の雄ネジ部18aが送り出される。よって、第1のネジ体17aが長軸Aに沿って上方(下端51aに近づく方向)又は下方(下端51aから遠ざかる方向)にスライド移動を行う。これにより、第1のストッパー7の第1の係止部7aが、鋸歯部15に対して進退運動を行う。
【0043】
次に、第1の保持部材の構成について、図4を用いながら説明する。図4は、実施例に係る装具を構成する第1の保持部材についての部分拡大図である。なお、図1乃至図3で示した構成要素については、図4においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図4に示すように、第1の保持部材5は、切欠部5aと、長端面5bと、短端面5cを備える。長端面5b及び短端面5cは、第1のベース部2の長端面2c及び短端面2d(図2参照)と、それぞれ一致する形状である。
さらに、第1の保持部材5は、第1の保持窓部5dが形成される。第1の保持窓部5dは、第1のベース部2の第1の収容空間14の第1のベース窓部14b(図2参照)に対応する箇所に、第1の進退構造17の第1のナット17b,17bを、厚み方向Zに露出させて収容する。第1の保持部材5´も、第1の保持部材5と同様の構成である。
【0044】
続いて、第2のベース部と、第2のストッパーの構成について、図5を用いながら説明する。図5は、実施例に係る装具を構成する第2のベース部及びその周辺部についての部分拡大図である。なお、図1乃至図4で示した構成要素については、図5においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図5に示すように、第2のベース部3は、上端52aとは反対側に、第2のベース部3の内方に向かって凹に湾曲する湾曲端面3c,3c´と、この湾曲端面3c,3c´にそれぞれ連なる側端面3d,3eを備える。湾曲端面3cは、第1のベース部2の湾曲面2c(図2参照)と接する箇所であり、湾曲端面3c´は、角度変更部材4の湾曲面4a(図3参照)に接する箇所である。
【0045】
また、第2のベース部3は、第2のストッパー8を収容する第2の収容空間19を備える。この第2の収容空間19は、湾曲端面3cと、湾曲端面3c´との間に開口し、後述する第2のネジ体20aを収容する第2の空間部19aと、第2のナット20b,20bを、厚み方向Zに露出させて収容する第2のベース窓部19bが形成されている。
【0046】
次に、第2のストッパー8は、第2の係止部8aと、この第2の係止部8aを角度変更部材4に対して進退させる第2の進退構造20を備える。
第2の係止部8aは、角度変更部材4の環状部4eに接離する先端面8aと、この先端面8aを挟んで設けられる一方の端面8a及び他方の端面8aを有する。
【0047】
第2の進退構造20の構成は、第1の進退構造17と同様である。すなわち、第2の進退構造20は、第2の雄ネジ部21aが外周面に刻設される第2のネジ体20aと、第2の雄ネジ部21aに螺合する第2の雌ネジ部21bが内周面に刻設される第2のナット20bである。この第2のナット20bは、ダブルナットである。
よって、第2のナット20b,20bを、第2のベース部3の長軸Aに直交する方向へ、双方向(図中白抜矢印)に回動させると、第2の雄ネジ部21aが送り出される。よって、第2のネジ体20aが長軸Aに沿って上方(上端52aから遠ざかる方向)又は下方(上端52aに近づく方向)にスライド移動を行う。これにより、第2のストッパー8の第2の係止部8aが、角度変更部材4の環状部4eに対して進退運動を行う。
【0048】
次に、第2の保持部材の構成について、図6を用いながら説明する。図6は、実施例に係る装具を構成する第2の保持部材についての部分拡大図である。なお、図1乃至図5で示した構成要素については、図6においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図6に示すように、第2の保持部材6は、第2のベース部3の一方の側面3aに設けられ (図1参照)、第1の保持部材5の切欠部5a(図1参照)に嵌合する略円形状の上部6Aと、この上部6Aに連なる略長方形状の下部6Bからなる。
【0049】
上部6Aは、その中央に、枢軸9が挿通する枢軸用挿通孔6aを備えるとともに、この枢軸用挿通孔6aの外側に、角度変更部材4の第1の係合部16に係合する第2の係合部22を備える。この第2の係合部22は、枢軸9の中心軸Aを中心として、約100度の角度に亘って円弧状に形成される円弧状係合部である。
【0050】
具体的には、第2の係合部22は、破線で示す第1の係合部16であるピンが係合する溝部である。よって、円弧状係合部でない第1の係合部16は、第2の係合部22に沿って案内される。
ここで、枢軸用挿通孔6aの中心点C(中心点Cは枢軸9の中心軸Aと一致する。)を通り、かつ第2のベース部3を幅方向Xに均等分割する直線をLとすると、第2の係合部22の上端22aの位置は、直線Lを、中心点Cを中心として時計周りに90度回動させた直線L上にほぼ位置している。また、第2の係合部22の下端22bは、直線L上に位置している。
【0051】
また、下部6Bは、側端面6b,6cを備える。この側端面6b,6cは、第2のベース部3の側端面3d,3e(図5参照)とそれぞれ一致する形状である。
さらに、下部6Bは、第2のベース部3における第2の収容空間19の第2のベース窓部19b(図5参照)に対応する箇所に、第2の保持窓部6dが形成される。この第2の保持窓部6dは、第2の進退構造20の第2のナット20b,20bを、厚み方向Zに露出させて収容する。
なお、第2の保持部材6´も、第2の保持部材6と同様の構成である。
【0052】
ここから
続いて、継手装置1の全体の構成について、図7及び図8を用いて説明する。図7は、実施例に係る装具の継手装置の平面図である。図8は、図7におけるA-A線矢視断面図である。なお、図1乃至図6で示した構成要素については、図7及び図8においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図7に示すように、継手装置1においては、第1のベース部2の切欠部13に、角度変更部材4が嵌め込まれている。さらに、第1の保持部材5,5´が、厚み方向Zについて、第1のベース部2に重なっている。このとき、第1の保持部材5,5´の長端面5b及び短端面5cは、第1のベース部2の長端面2c及び短端面2dにそれぞれ一致している。
【0053】
そして、第2のベース部3の湾曲端面3c,3c´がそれぞれ第1のベース部2の湾曲面2cと、角度変更部材4の湾曲面4aに接しており、さらに第2の保持部材6,6´が、第2のベース部3に重なっている。このとき、第2の保持部材6,6´の上部6A,6Aは、第1の保持部材5,5´の切欠部5a,5a´(図1参照)にそれぞれ一致している。
【0054】
また、図8に示すように、継手装置1は、厚み方向Zについて、三層構造をなす。第1層目は、第1の保持部材5と、第2の保持部材6が形成する。また、第2層目は、第1のベース部2、第2のベース部3、角度変更部材4、第1のストッパー7及び第2のストッパー8が形成する。そして、第3層目は、第1の保持部材5´と、第2の保持部材6´が形成する。なお、図8に示す継手装置1は、左下肢用であるため、第3層目が左下肢の外側面に向き合うように装着される。また、各層の厚みは同一であるが、それぞれ異なっていてもよい。
さらに、図7と、図8によれば、継手装置1の外観は、略平板状である。よって、第1層目や第3層目の外表面は、大きい凹凸や隙間がなく、比較的滑らかである。
【0055】
さらに、第1のアーム部51の回動について、図7及び図9を用いて説明する。図9は、第1のアーム部が60度のアーム部角度で回動した場合の平面図である。なお、図1乃至図8で示した構成要素については、図9においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図7に示すように、継手装置1においては、第2のストッパー8の先端面8aが角度変更部材4の環状部4eに当接している。これにより、角度変更部材4は、枢軸9の中心軸Aを中心として回動しない状態になっている。
さらに、第1のストッパー7の第1の係止部7aが、斜線で示すように、鋸歯部15の第1の谷部15aに係止されているため、角度変更部材4に対する第1のベース部2の位置が固定されている。
【0056】
よって、角度変更部材4が枢軸9の中心軸Aを中心として回動せず、かつ、第1のストッパー7が角度変更部材4に対する第1のベース部2の位置を固定する場合、第1のアーム部51の長軸A51と第2のアーム部52の長軸A52がなすアーム部角度α(図9参照)は、変化しない。すなわち、第1のアーム部51は、アーム部角度αが変化することなく中心軸Aを中心として回動不能である。
【0057】
また、角度変更部材4が回動しない状態は、角度変更部材4の第2の端縁4dが、第2のストッパー8の他方の端面8aに当接していることによっても維持されている。
なお、第1のベース部2の切欠端面13cは、第2のストッパー8の一方の端面8aに当接している。
しかし、角度変更部材4の当接面4c,4cは、第1のベース部2の当接面13b,13bとはそれぞれ離隔している。
【0058】
これに対し、第1のストッパー7の第1の係止部7aが、鋸歯部15に係止されていない場合、角度変更部材4に対する第1のベース部2の位置の固定が解除される。これにより、アーム部角度αが変化し得る。ただし、第2のストッパー8の先端面8aは、角度変更部材4の環状部4eに依然として当接している。
そのため、角度変更部材4が枢軸9の中心軸Aを中心として回動せず、かつ、第1のストッパー7が角度変更部材4に対する第1のベース部2の位置の固定を解除する場合、第1のアーム部51のみが、アーム部角度αが変化して中心軸Aを中心として回動可能である。
【0059】
図9は、第2のストッパー8の先端面8aが角度変更部材4の環状部4eに当接し、かつ、第1の係止部7a(斜線部)が、鋸歯部15の第7の谷部15aに係止されている場合を示している。
この場合も、角度変更部材4が枢軸9の中心軸Aを中心として回動せず、かつ、第1のストッパー7が角度変更部材4に対する第1のベース部2の位置を固定しているため、第1のアーム部51は、アーム部角度αが変化することなく中心軸Aを中心として回動不能である。
【0060】
ここで、第1のアーム部51と第2のアーム部52がなすアーム部角度αについて説明する。アーム部角度αは、第1のアーム部51の長軸A51と、第2のアーム部52の長軸A52が、同一軸上にある場合に0度である。また、アーム部角度αは、0度から時計回りに変化する方向を正の値とし、0度から反時計回りに変化する方向を負の値として概念される。
よって、図9においては、第1のアーム部51の長軸A51と第2のアーム部52の長軸A52がなすアーム部角度αは、60度である。これは、鋸歯部15の第1の谷部15aから第7の谷部15aまでが、中心軸Aを中心として60度の範囲に設けられることによる。
【0061】
しかし、第1のアーム部51と、角度変更部材4が回動不能な場合において、第2のストッパー8の第2のナット20b,20bを操作して、先端面8aが環状部4eに当接しないようにすると、角度変更部材4が中心軸Aを中心として回動可能になる。
ただし、第1のストッパー7が角度変更部材4に対する第1のベース部2の位置を固定しているので、第1のアーム部51は、角度変更部材4とともに中心軸Aを中心として回動するようになる。また、この回動は、アーム部角度αが増減する双方向に可能である。
【0062】
このような、第1のストッパー7が角度変更部材4に係止された状態のまま、第1のアーム部51と、角度変更部材4が、中心軸Aを中心として一体的に双方向に回動する運動を遊動と称する。なお、図9は、第1のアーム部51のみが回動する場合と、第1のアーム部51と、角度変更部材4が、遊動する場合とに共通する場面、すなわち回動と遊動を相互に切り替え可能な場面を示したものである。
【0063】
さらに、第1のアーム部51と、角度変更部材4の遊動について、図9乃至図12を用いて、説明する。図10は、第1のアーム部が60度のアーム部角度で遊動する場合の平面図である。図11は、第1のアーム部が30度のアーム部角度で遊動する場合の平面図である。図12は、第1のアーム部が30度のアーム部角度で遊動する場合の平面図である。なお、図1乃至図9で示した構成要素については、図10乃至図12においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
継手装置1においては、第1のベース部2、角度変更部材4等に加えて、第2の保持部材6の方向へ突出する第1の係合部16が角度変更部材4に設けられる。そのため、第1のアーム部51と、角度変更部材4の遊動は、第2の係合部22が第1の係合部16を案内することで実現される。
また、第1のアーム部51と、角度変更部材4の遊動は、中心軸Aを中心とする所定の範囲内に限られている。この所定の範囲は、アーム部角度αの最大角度及び最小角度として反映されるため、この最大角度及び最小角度をそれぞれ規定する機構について、以下に説明する。
【0064】
まず、図9を用いて、第1のストッパー7が角度変更部材4に対する第1のベース部2の位置を固定する場合における、アーム部角度αの最大角度を規定する機構について説明する。
図9に示すように、アーム部角度αの最大角度を規定する機構は、角度変更部材4の第2の端縁4dが、第2のストッパー8の他方の端面8aに当接することによって制限されるというものである。
また、第1のストッパー7が鋸歯部15に係止される箇所が異なっていても、アーム部角度αの最大角度は、上記の機構により制限される。この点については、図12を用いて、さらに説明する。
【0065】
なお、図9では、第2のストッパー8の先端面8aが角度変更部材4の環状部4eに当接しているため、角度変更部材4は中心軸Aを中心として回動不能である。しかし、アーム部角度αの最大角度は、第2のストッパー8が角度変更部材4に当接しているか否かに関わらず、上記の機構によって規定される。そのため、第2のストッパー8が角度変更部材4に当接していない場合の図示は省略する。
【0066】
次に、図10は、第2のストッパー8の先端面8aを角度変更部材4の環状部4eからわずかに離隔させて、アーム部角度αを、図9で示した60度から、0度に減少させた場合を示している。このとき、第1の係止部7aは、鋸歯部15の第7の谷部15aに係止されたままなので、角度変更部材4に対する第1のベース部2の位置は、第1のストッパー7によって固定されている。
また、この状態から、アーム部角度αが、図10で示す0度から図9で示す60度へ、時計回りに増加することも可能である。
よって、第1のストッパー7が角度変更部材4に対する第1のベース部2の位置を固定する場合に、第1の係合部16と第2の係合部22が係合することで、第1のアーム部51は、角度変更部材4とともに枢軸9の中心軸Aを中心に遊動する。
【0067】
さらに、第1のストッパー7が角度変更部材4に対する第1のベース部2の位置を固定する場合における、アーム部角度αの最小角度を規定する機構について説明する。
アーム部角度αの最小角度を規定する機構は、第1乃至第3の機構に分けられる。第1の機構は、第1のベース部2の切欠部13と第2のストッパー8の第2の係止部8aとの間で発揮される。第2の機構は、角度変更部材4の第1の端縁4cと第1のベース部2の切欠部13との間で発揮される。第3の機構は、角度変更部材4の第1の係合部16と第2の保持部材6の第2の係合部22との間で発揮される。以下、これらの機構について、詳細に説明する。
【0068】
まず、第1の機構は、切欠部13の切欠端面13cが、第2のストッパー8の第2の係止部8aの一方の端面8aに当接することによって、第1のベース部2の回動が制限されるというものである。
次に、第2の機構は、角度変更部材4の当接面4c,4cが、第1の機構で回動が制限された切欠部13の当接面13b,13bにそれぞれ当接することによって、角度変更部材4の回動が制限されるというものである。
【0069】
さらに、第3の機構は、第1の係合部16が、第2の係合部22の上端22aに到達することによって、角度変更部材4の回動が制限されるというものである。ただし、上端22aは、反時計回りに、第2のアーム部52の長軸A52へ近づく方向へ拡張されてもよい。この場合は、第1の係合部16が上端22aに到達しないので、第3の機構は発揮されない。
【0070】
そして、第1乃至第3の機構は、いずれも第1のアーム部51と、角度変更部材4が遊動する際において、アーム部角度αが負の値になることを防止する。すなわち、第1乃至第3の機構は、遊動時でのアーム部角度αの最小角度を規定する。
また、第1の機構は、図7に示すように、第1のアーム部51のみが回動する際においても、アーム部角度αが負の値になることを防止する。すなわち、第1の機構は、回動時においてもアーム部角度αの最小角度を規定する。
【0071】
ここで、図10において、アーム部角度αが60度である場合(図9参照)の第1の係合部16を、符号[16]として示すと、第1の係合部[16]は、第2の係合部22の下端22bに到達しない。よって、第1の係合部16が中心軸Aを中心として遊動する範囲を係合部角度βとすると、係合部角度βの大きさは、常にアーム部角度αの大きさと等しくなる。
【0072】
次に、図11は、第1の係止部7aが、鋸歯部15の第4の谷部15aに係止されたときの、アーム部角度αが0度の場合を示している。第4の谷部15aは、第1の谷部15aと、第7の谷部15aの中間位置である。
また、第2のストッパー8の先端面8aが角度変更部材4の環状部4eに当接しておらず、角度変更部材4の当接面4c,4cが、切欠部13の当接面13b,13bにそれぞれ当接していない。加えて、第1の係合部16も、第2の係合部22の上端22aに到達していない。しかし、切欠部13の切欠端面13cが第2のストッパー8の一方の端面8aに当接することによって、アーム部角度αが負の値になることが防止される。
この一方で、角度変更部材4の第2の端縁4dが、第2のストッパー8の他方の端面8aに当接していないので、アーム部角度αが正の値で増加することが可能である。
【0073】
さらに、図12は、第1の係止部7aが、鋸歯部15の第4の谷部15aに係止されたときの、アーム部角度αが30度の場合を示している。これは、鋸歯部15において、第1の谷部15aから第4の谷部15aまでが、中心軸Aを中心として30度の範囲に設けられるためである。
このとき、角度変更部材4の第2の端縁4dが第2のストッパー8の他方の端面8aに当接している。よって、第1のアーム部51と、角度変更部材4が遊動する際に、アーム部角度αが最大角度を超えることが防止される。
【0074】
しかし、第2のストッパー8の先端面8aが角度変更部材4の環状部4eに当接しておらず、角度変更部材4の当接面4c,4cが、切欠部13の当接面13b,13bにそれぞれ当接していない。加えて、切欠部13の切欠端面13cが第2のストッパー8の一方の端面8aに当接しておらず、第1の係合部16も、第2の係合部22の上端22aに到達していないことから、アーム部角度αが30度から減少することが可能である。
よって、第1のアーム部51と、角度変更部材4は、アーム部角度αが0度から30度の間で、中心軸Aを中心として遊動する。
【0075】
このように、第1のアーム部51と、角度変更部材4の遊動は、第1のストッパー7が鋸歯部15に係止される箇所の違いに関わらず発揮される。また、第1のストッパー7が鋸歯部15に係止される箇所が異なっていても、アーム部角度αの最大角度は、第2の端縁4dが、他方の端面8aに当接することにより制限される。
ただし、最大角度の大きさは、第1のストッパー7が鋸歯部15に係止される箇所の違いによって異なり、第1の係止部7aが、第1の谷部15aから離れた箇所に係止されるほど、最大角度の大きさが増加する。
【0076】
以上説明したように、継手装置1おいては、角度変更部材4が枢軸9の中心軸Aを中心として回動しない場合において、第1のストッパー7の第1のナット17b,17bを双方向に回動させると、第1の係止部7aが鋸歯部15に対して進退運動を行う。そのため、継手装置1によれば、第1の係止部7aが角度変更部材4に係止される場合と、係止されない場合のいずれかを容易に選択することができる。よって、第1のアーム部51が、中心軸Aを中心として回動不能な状態と、回動可能な状態を、工具を用いることなく簡単な操作で切り替えることができる。
また、第1の係止部7aが係止される鋸歯部15の箇所を選択することによって、アーム部角度αを所望の大きさに設定することも容易である。
【0077】
さらに、回動時でのアーム部角度αの最小角度は、図7で示したように、切欠部13の切欠端面13cが、第2のストッパー8の第2の係止部8aの一方の端面8aに当接することによって、第1のベース部2の回動が制限される。
また、回動時でのアーム部角度αの最大角度は、図9で示したように、角度変更部材4の第2の端縁4dが、第2のストッパー8の他方の端面8aに当接することによって制限される。
そのため、第1の係止部7aが角度変更部材4に係止されない場合であっても、第1のアーム部51の回動が所定の角度以内に抑制されるため、第1のアーム部51が予想外の位置に回動することがなく、継手装置1を安全に取り扱うことができる。
【0078】
一方、第2のストッパー8の第2のナット20b,20bを操作して、先端面8aが環状部4eに当接しないようにすると、角度変更部材4が中心軸Aを中心として回動可能になる。よって、継手装置1によれば、工具不要、かつ、簡単な操作によって、第1のアーム部51と、角度変更部材4が、固定された状態と、遊動し得る状態とを切り替えることができる。
また、第1のアーム部51は、図9及び図10で示したように、角度変更部材4とともに中心軸Aを中心に遊動するため、例えば歩行訓練時における膝の伸展や屈曲を実現可能である。
【0079】
そして、遊動時でのアーム部角度αの最小角度は、図10で示したように、少なくとも、前述の第1及び第2の機構で規定され、アーム部角度αの最大角度は、図9で示したように、回動時の場合と同様に規定される。よって、歩行訓練時に膝が過度に伸展や屈曲することを防止できる。そのため、継手装置1を装着する患者の安全性を確保することができる。
さらに、図12で示したように、アーム部角度αの最大角度の大きさは、第1の係止部7aが、第1の谷部15aから離れた箇所に係止されるほど、最大角度の大きさが増加するので、患者の回復状況に応じて、歩行訓練時の負荷を適切に増減可能である。
【0080】
加えて、継手装置1の外観は、略平板状であることから、装着時に、継手装置1が嵩張ることがなく、患者の負担感軽減が期待できる。さらに、第1層目と第3層目の外表面は、大きい凹凸や隙間がなく、比較的滑らかとなっているため、例えば、患者の手指や膝の外側面が継手装置1に接触しても、痛みや傷が発生したり、引っかかったりするおそれが少ない。
【0081】
なお、本発明に係る装具の継手装置は、実施例に示すものに限定されない。例えば、継手装置1は、機能障害を起こした上肢に装着されてもよい。また、第1の保持部材5は省略されてもよい。さらに、第1の保持部材5´は、切欠部5a´の代わりに、枢軸9が貫通する孔部が形成されてもよい。この場合、角度変更部材4は、第1の保持部材5´と第2の保持部材6との間に保持されるから、第2の保持部材6´を省略可能である。
また、角度変更部材4は、外周縁4aの全部に鋸歯部15を備えていてもよい。このほか、第1の進退構造17は、第1のネジ体17aと、第1のナット17bの代わりに、軸体と、この軸体を角度変更部材4の鋸歯部15へ向かう方向に付勢するバネ体が用いられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、装具の継手装置として利用可能である。
【符号の説明】
【0083】
1…継手装置 2…第1のベース部 2a…一方の側面 2b…他方の側面 2c…長端面 2c…湾曲面 2d…短端面 3…第2のベース部 3a…一方の側面 3b…他方の側面 3c,3c´…湾曲端面 3d,3e…側端面 4…角度変更部材 4a…外周縁 4a,4a…端部 4a…湾曲面 4b…内周縁 4b,4b…端部 4c…第1の端縁 4c,4c…当接面 4d…第2の端縁 4e…環状部 4f…貫通孔 5,5´…第1の保持部材 5a,5a´…切欠部 5b…長端面 5c…短端面 5d…第1の保持窓部 6,6´…第2の保持部材 6A…上部 6B…下部 6a,6a´…枢軸用挿通孔 6b,6c…側端面 6d…第2の保持窓部 7…第1のストッパー 7a…第1の係止部 8…第2のストッパー 8a…第2の係止部 8a…先端面 8a…一方の端面 8a…他方の端面 9…枢軸 9a…留めピン 9b…キャップ 10…座金 11…留めネジ 12…留めピン 13…切欠部 13a…内周面 13b,13b…当接面 13c…切欠端面 13d,13e…開口端 14…第1の収容空間 14a…第1の空間部 14b…第1のベース窓部 15…鋸歯部 15a…第1の谷部 15a…第4の谷部 15a…第7の谷部 16…第1の係合部 17…第1の進退構造 17a…第1のネジ体 17b…第1のナット 18a…第1の雄ネジ部 18b…第1の雌ネジ部 19…第2の収容空間 19a…第2の空間部 19b…第2のベース窓部 20…第2の進退構造 20a…第2のネジ体 20b…第2のナット 21a…第2の雄ネジ部 21b…第2の雌ネジ部 22…第2の係合部 22a…上端 22b…下端 50…装具 51…第1のアーム部 51a…下端 51b…上端 52…第2のアーム部 52a…上端 52b…下端 A…第1のベース部の長軸 A…第2のベース部の長軸 A51…第1のアーム部の長軸 A52…第2のアーム部の長軸 A…枢軸の中心軸 α…アーム部角度 β…係合部角度
【要約】
【課題】装具の遊動角度を簡単な操作によって変更可能な装具の継手装置を提供する。
【解決手段】継手装置1は、第1のアーム部51に設けられる第1のベース部2と、第2のアーム部52に設けられる第2のベース部3と、第1のアーム部51と第2のアーム部52がなすアーム部角度を変更する角度変更部材4と、第1のベース部2の両側面に設けられる第1の保持部材5,5´と、第2のベース部3の両側面に設けられる第2の保持部材6,6´と、第1のベース部2と第1の保持部材5´に保持され、角度変更部材4に対する第1のベース部2の位置を変更可能に固定する第1のストッパー7と、第2のベース部3と第2の保持部材6に保持され、角度変更部材4の回動を制限する第2のストッパー8と、第2の保持部材6,6´と角度変更部材4を枢支する枢軸9を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12