(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-12
(45)【発行日】2025-02-20
(54)【発明の名称】ピローパウチおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 81/34 20060101AFI20250213BHJP
B65D 30/16 20060101ALI20250213BHJP
【FI】
B65D81/34 U
B65D30/16 A
B65D30/16 F
(21)【出願番号】P 2018121790
(22)【出願日】2018-06-27
【審査請求日】2021-04-20
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】P 2018048883
(32)【優先日】2018-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】龍田 有紀
(72)【発明者】
【氏名】飯尾 靖也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 麻貴子
(72)【発明者】
【氏名】阿久津 紘基
【合議体】
【審判長】神山 茂樹
【審判官】岩谷 一臣
【審判官】長清 吉範
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-117526(JP,A)
【文献】特開2014-227190(JP,A)
【文献】特許第4501019(JP,B2)
【文献】特開2005-225544(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D81/32-81/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも基材層およびシーラント層をこの順に備える包装材料により形成され、かつおもて面、裏面、および前記おもて面と前記裏面の間に内容物を収容する収容空間を有するピローパウチであって、
第1端部と、
前記第1端部とは反対側の第2端部と、
前記第1端部と前記第2端部の間で延びる第3端部および第4端部と、
前記第1端部に形成された第1端部シール部と、
前記第2端部に形成された第2端部シール部と、
前記第1端部シール部から前記第2端部シール部に跨って形成された合掌シール部と、
前記第3端部側に形成された第1ガセット折込部と、
前記内容物の加熱調理時に前記収容空間内の蒸気を自動的に抜く蒸気抜き機構と、
前記第1端部シール部および前記第2端部シール部の少なくともいずれかに設けられた開封開始手段と、
前記開封開始手段に接し、または近接する位置に設けられた開封誘導部と、を備え、
前記開封開始手段
および前記開封誘導部は、前記第3端部の外縁から前記開封開始手段までの距離
および前記第3端部の外縁から前記開封誘導部までの距離が
それぞれ前記第3端部の前記外縁から前記第4端部の外縁までの前記ピローパウチの長さの2/3以内となり、かつ前記第1ガセット折込部より前記第4端部側となる位置に設けられており、
前記第3端部および前記第4端部においてシール部が形成されていない、ピローパウチ。
【請求項2】
前記開封開始手段が、前記第1ガセット折込部から前記第4端部側に10mm以上200mm以下離れた位置に設けられている、請求項1に記載のピローパウチ。
【請求項3】
前記第4端部側に形成された第2ガセット折込部をさらに備え、前記開封開始手段が前記第2ガセット折込部よりも前記第3端部側の位置に設けられている、請求項1または2に記載のピローパウチ。
【請求項4】
前記蒸気抜き機構が、前記基材層と前記シーラント層の間に部分的に積層された熱軟化性樹脂層を備え、前記熱軟化性樹脂層が、前記第1端部シール部および前記第2端部シール部の少なくともいずれかの外縁から内縁に亘るように、または前記合掌シール部の外縁から内縁に亘るように形成されている、請求項1ないし3のいれずれか一項に記載のピローパウチ。
【請求項5】
前記開封誘導部が、前記合掌シール部が延びる方向に沿って設けられている、請求項
1ないし4のいずれか一項に記載のピローパウチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピローパウチおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、冷凍食品等の内容物を収容可能なピローパウチが広く利用に供されている。このようなピローパウチには、電子レンジ内での加熱に伴って発生する蒸気を自動的にピローパウチの外部へ逃がすための蒸気抜き機構を備えているものがある。蒸気抜き機構としては、様々な態様が知られているが、例えば、熱軟化性樹脂層を備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
蒸気抜き機構が熱軟化性樹脂層を備える場合、加熱によって熱軟化性樹脂層が軟化するので、この熱軟化樹脂層の強度低下を契機に、熱軟化性樹脂層とシーラント層の一部が部分的に破壊され、これにより、ピローパウチ内の蒸気を抜くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような蒸気抜き機構を備えるピローパウチにおいては、電子レンジでの加熱調理後にピローパウチから内容物を皿に移し替えて、内容物を食している。しかしながら、現在、ピローパウチ内の内容物を加熱調理した後に、ピローパウチから内容物を皿に移し替えずに、ピローパウチをそのまま容器として用いて、内容物を食することが要望されている。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものである。すなわち、蒸気抜きをすることができ、かつ加熱調理後に皿に移し替えることなく内容物を食することができるピローパウチおよびそのようなピローパウチの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の態様によれば、少なくとも基材層およびシーラント層をこの順に備える包装材料により形成され、かつおもて面、裏面、および前記おもて面と裏面の間に内容物を収容する収容空間を有するピローパウチであって、第1端部と、前記第1端部とは反対側の第2端部と、前記第1端部と前記第2端部の間で延びる第3端部および第4端部と、前記第1端部に形成された第1端部シール部と、前記第2端部に形成された第2端部シール部と、前記第1端部シール部から前記第2端部シール部に跨って形成された合掌シール部と、前記第3端部側に形成された第1ガセット折込部と、前記内容物の加熱調理時に前記収容空間内の蒸気を自動的に抜く蒸気抜き機構とを備える、ピローパウチが提供される。
【0008】
上記ピローパウチにおいて、前記第1端部シール部および前記第2端部シール部の少なくともいずれかに設けられた開封開始手段をさらに備え、前記開封開始手段は、前記第3端部の外縁から前記開封開始手段までの距離が前記第3端部の前記外縁から前記第4端部の外縁までの前記ピローパウチの長さの2/3以内となり、かつ前記第1ガセット折込部より第4端部側となる位置に設けられていてもよい。
【0009】
上記ピローパウチにおいて、前記第1端部シール部および前記第2端部シール部の少なくともいずれかに設けられた開封開始手段をさらに備え、前記開封開始手段が、前記第1ガセット折込部から前記第4端部側に10mm以上200mm以下離れた位置に設けられていてもよい。
【0010】
上記ピローパウチにおいて、前記第4端部側に形成された第2ガセット折込部をさらに備え、前記開封開始手段が前記第2ガセット折込部よりも前記第3端部側の位置に設けられていてもよい。
【0011】
上記ピローパウチにおいて、前記蒸気抜き機構が、前記基材層と前記シーラント層の間に部分的に積層された熱軟化性樹脂層を備え、前記熱軟化性樹脂層が、前記第1端部シール部および第2シール端部の少なくともいずれかの外縁から内縁に亘るように、または前記合掌シール部の外縁から内縁に亘るように形成されていてもよい。
【0012】
上記ピローパウチにおいて、前記開封開始手段に接し、または近接する位置に設けられた開封誘導部をさらに備えていてもよい。
【0013】
上記ピローパウチにおいて、前記開封誘導部が、前記合掌シール部が延びる方向に沿って設けられていてもよい。
【0014】
本発明の他の態様によれば、少なくとも基材層、シーラント層、および前記基材層と前記シーラント層の間に部分的に積層された熱軟化性樹脂層を含む包装材料を巻いた原反ロールを用意する工程と、前記原反ロールから前記包装材料を巻き出し、前記包装材料を前記シーラント層が内側になるように前記包装材料の流れ方向に延びる端部同士を熱融着して、第1シール部を形成して、筒体を得る工程と、前記筒体の一部を前記筒体の幅方向内側に折り込み、折込部を形成する工程と、前記折込部を形成した後、前記筒体の幅方向に前記包装材料同士を熱融着し、第2シール部を形成して、一方が開口した袋体を得る工程と、前記袋体に内容物を充填する工程と、前記内容物の充填後、前記袋体の幅方向に前記包装材料同士を熱融着して、第3シール部を形成し、密封した袋体を得る工程と、を備え、前記原反ロールに巻かれた前記包装材料の前記熱軟化性樹脂層は、前記第2シール部の形成予定領域および前記第3シール部の形成予定領域の少なくともいずれかの領域内に形成されている、ピローパウチの製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一の態様によれば、蒸気抜きをすることができ、かつ加熱調理後に皿に移し替えることなく内容物を食することができるピローパウチを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態に係るピローパウチの正面図である。
【
図2】
図1に示されるピローパウチのI-I線に沿った断面図である。
【
図3】
図1に示されるピローパウチの各構成要素の寸法を説明するための平面図である。
【
図4】第1実施形態に係る他のピローパウチの正面図である。
【
図5】第1実施形態に係る他の蒸気抜き機構を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係るピローパウチに用いられる包装材料の断面図である。
【
図7】第1実施形態に係るピローパウチを自立させて開封した図である。
【
図8】第2実施形態に係るピローパウチの正面図である。
【
図9】
図8に示されるピローパウチの各構成要素の寸法を説明するための平面図である。
【
図10】第3実施形態に係るピローパウチの正面図である。
【
図11】
図10に示されるピローパウチの各構成要素の寸法を説明するための平面図である。
【
図12】第3実施形態に係るピローパウチを自立させて開封した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係るピローパウチについて、図面を参照しながら説明する。本明細書において、「フィルム」、「シート」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「フィルム」はシートとも呼ばれるような部材も含む意味で用いられる。
図1は本実施形態に係るピローパウチの正面図であり、
図2は
図1に示されるピローパウチのI-I線に沿った断面図であり、
図3は
図1に示されるピローパウチの各構成要素の寸法を説明するための平面図である。
図4は、本実施形態に係る他のピローパウチの正面図であり、
図5は本実施形態に係る他の蒸気抜き機構を示す図であり、
図6は本実施形態に係るピローパウチに用いられる包装材料の断面図であり、
図7は本実施形態に係るピローパウチを自立させて開封した図である。
【0018】
<<ピローパウチ>>
図1に示されるピローパウチ10-1は、内容物を収容する収容空間を有している。内容物としては、特に限定されないが、食品等が挙げられる。具体的な内容物としては、冷凍食品、惣菜やスナック菓子等が挙げられる。ただし、内容物は、これらのものに限定されない。
【0019】
冷凍食品としては、冷凍麺類(冷凍パスタ、冷凍焼きそば、冷凍うどん、冷凍ラーメン、冷凍春雨等)、例えば、冷凍惣菜類(例えば、冷凍ヒジキ煮、冷凍切り干し大根煮、冷凍肉ジャガ、冷凍フキ煮、冷凍筑前煮、冷凍お浸し、冷凍野菜のゴマ和え等)、冷凍米飯(冷凍炒飯、冷凍ピラフ、冷凍チキンライス、冷凍ドライカレー、冷凍餡かけ御飯、冷凍餡かけ焼き飯、冷凍粥等)等が挙げられる。
【0020】
惣菜としては、例えば、たこ焼き、フライドポテト、フライドチキン、中華まん、ハンバーグ、ミートボール、メンチカツ、コロッケ、チキンナゲット、シュウマイ、ギョウザ、ソーセージ、トンカツ、カラアゲ、肉団子、天ぷら、枝豆等が挙げられる。
【0021】
スナック菓子としては、煎餅やあられ等の米菓類、ダイレクトパフスナック、ポテトチップス、コーンチップ、ナッツ類、プレッツェル、ポップコーン等の、主原料として、馬鈴薯、小麦粉、とうもろこし、米などの澱粉質農産物からなる菓子が挙げられる。なお、これらの原料から成型されるスナック菓子は、油揚げする場合と、油揚げしない場合がある。
【0022】
ピローパウチ10-1は、
図1および
図2に示されるように、おもて面11、裏面12および側面13を有している。おもて面11および裏面12は、矩形の輪郭を有している。ピローパウチ10-1は、第1端部10Aと、第1端部10Aとは反対側の第2端部10Bと、第1端部10Aと第2端部10Bの間で延びる第3端部10Cおよび第4端部10Dと、第1端部10Aから第2端部10Bに跨って形成された合掌部10Eとを有している。第4端部10Dは、第3端部10Cとは反対側の端部である。ピローパウチ10-1においては、第1端部10Aおよび第2端部10Bは縦方向DR2に延びており、第3端部10Cおよび第4端部10Dは横方向DR1に延びている。
【0023】
ピローパウチ10-1の幅W1(
図3参照)に対するピローパウチ10-1の長さL1(
図3参照)の比(L1/W1)は、1/4以上3/2以下であることが好ましい。L1/W1が1/4以上であれば、より多くの内容物を収容でき、またL1/W1が3/2以下であれば、電子レンジでの加熱調理後であって、開封前にピローパウチ10-1を自立させたときに、ピローパウチ10-1を安定して自立させることができる。ピローパウチ10-1の幅W1とは、ピローパウチ10-1の横方向DR1の長さである。具体的には、第1端部10Aの外縁10Fから第2端部10Bの外縁10Gまでの長さである。ピローパウチの幅W1が一定でない場合には、ピローパウチの幅は最も短い値とする。また、ピローパウチ10-1の長さL1とは、ピローパウチ10-1の縦方向DR2の長さである。具体的には、第3端部10Cの外縁10Hから第4端部10Dの外縁10Iまでの長さである。ピローパウチの長さが一定でない場合には、ピローパウチの長さは最も短い値とする。本明細書におけるピローパウチの寸法およびピローパウチを構成する各構成要素の寸法は、全て、ピローパウチのガセット折込部を広げずにピローパウチをほぼ平面状にした状態で測定した値とする。上記L1/W1の下限は、1/2以上であることがより好ましく、また上記L1/W1の上限は、1以下であることがより好ましい。
【0024】
ピローパウチ10-1の幅W1は、70mm以上300mm以下となっていてもよく、ピローパウチ10-1の長さL1は、40mm以上450mm以下となっていてもよい。
【0025】
ピローパウチ10-1は、
図1に示されるように第1端部10Aに形成された第1端部シール部14と、第2端部10Bに形成された第2端部シール部15と、第1端部シール部14から第2端部シール部15に跨って形成された合掌シール部16とを備えている。合掌シール部16は、
図2に示されるように合掌部10Eに設けられている。
【0026】
図1および
図2に示されるようにピローパウチ10-1の第3端部10Cには、ガゼット方式で折り込んだガセット折込部17(第1ガセット折込部)を有している。
【0027】
<ガセット折込部>
ガセット折込部17は、側面13を2つ折りにすることによって形成されている。第3端部10Cにガセット折込部17を設けることにより、電子レンジでの加熱調理後にピローパウチ10-1を自立させることができる。また、収容空間を大きくすることができるので、より大きな内容物を収容することができる。ガセット折込部17は、合掌シール部16が延びる方向に沿って形成されている。
【0028】
ピローパウチ10-1の幅W1に対するガセット折込部17の幅W2(
図3参照)の比(W2/W1)は、1/7以上4/7以下であることが好ましい。上記W2/W1が1/7以上であれば、より多くの内容物を収容できるとともに開封後にピローパウチ10-1を自立させたときに、ピローパウチを安定して自立させることができる。また、W2/W1が4/7以下であれば、内容物を容易に取り出すことができる。ガセット折込部17の幅W2とは、ガセット折込部17の縦方向DR2の長さである。具体的には、第3端部10Cの外縁10Hから折込線17Aまでの長さである。ガセット折込部の幅が一定でない場合には、ガセット折込部の幅は最も短い値とする。ガセット折込部17の幅W2は、10mm以上170mm以下となっていてもよい。
【0029】
<第1、第2端部シール部>
第1端部シール部14は、第1端部10Aにおいて、おもて面11と裏面12の間、おもて面11と側面13の間、および裏面12と側面13の間をシールしている部分であり、第2端部シール部15は、第2端部10Bにおいて、おもて面11と裏面12の間、おもて面11と側面13の間、および裏面12と側面13の間をシールしている部分である。第1端部シール部14および第2端部シール部15は、後述する包装材料40同士をヒートシールすることによって形成されている。
【0030】
第1端部シール部14および第2端部シール部15は、第3端部10Cの外縁10Hから第4端部10Dの外縁10Iまで形成されている。第1端部シール部14の外縁14Aは外縁10Fとなっており、第2端部シール部15の外縁15Aは外縁10Gとなっている。
【0031】
第1端部シール部14の幅W3(
図3参照)および第2端部シール部15の幅W4(
図3参照)は、例えば、それぞれ5mm以上15mm以下となっていることが好ましい。第1端部シール部14の幅W3および第2端部シール部15の幅W4がそれぞれ5mm以上であれば、第1端部シール部14および第2端部シール部15において確実にシールすることができ、また15mm以下であれば、収容空間をより広く確保することができる。本明細書において、各シール部における「幅」とは、シール部の延びる方向に直交する方向の長さを意味する。なお、シール部の幅が一定でない場合には、シール部の幅は、シール部の延びる方向に直交する方向の長さのうち最も短い値とする。
【0032】
<合掌シール部>
合掌シール部16は、おもて面11における横方向DR1に延びるピローパウチ10-1を構成する包装材料40の端部同士の間をシールしている部分である。合掌シール部16は、包装材料40の端部同士をヒートシールすることによって形成されている。
【0033】
合掌シール部16は、第1端部シール部14から第2端部シール部15に跨って形成されている。合掌シール部16は、
図1に示されるように第1端部10Aの外縁10Fから第2端部10Bの外縁10Gまで形成されている。合掌シール部16の幅W5(
図3参照)は、例えば、5mm以上15mm以下となっていることが好ましい。合掌シール部16の幅W5が、5mm以上であれば、合掌シール部16において確実にシールすることができ、また15mm以下であれば、収容空間をより広く確保することができる。
【0034】
合掌シール部16は、第4端部10D側に位置していることが好ましい。すなわち、第4端部10Dの外縁10Iから合掌シール部16までの距離は、第3端部10Cの外縁10Hから合掌シール部16までの距離よりも短くなっている。合掌シール部16が、第4端部10D側に位置していることにより、ピローパウチ10-1を開封し、自立させた際、より開封口が大きく、安定するので喫食しやすい。
できる。
【0035】
図1に示されるように第1端部シール部14および第2端部シール部15には、内容物の加熱調理時に収容空間内の蒸気を自動的に抜く蒸気抜き機構18が設けられている。
【0036】
<蒸気抜き機構>
蒸気抜き機構18は、熱軟化性樹脂層19、20から構成されている。後述する基材層41とシーラント層42の間に、熱軟化性樹脂層19、20を設けることにより、加熱調理時に熱軟化性樹脂層19、20が軟化するので、熱軟化性樹脂層19、20の強度低下が契機となり、熱軟化性樹脂層19、20とシーラント層42の一部が部分的に破壊され、これによりピローパウチ10-1内の蒸気を抜くことができる。
【0037】
図1に示されるピローパウチ10-1においては、熱軟化性樹脂層19が第1端部シール部14に部分的に設けられ、また熱軟化性樹脂層20が第2端部シール部15に部分的に設けられているが、熱軟化性樹脂層は、第1端部シールのみまたは第2端部シール部のみに部分的に設けられていてもよい。
【0038】
熱軟化性樹脂層19は第1端部シール部14の外縁14Aから内縁14Bに亘っており、熱軟化性樹脂層20は第2端部シール15の外縁15Aから内縁15Bに亘っている。熱軟化性樹脂層19が第1端部シール部14の外縁14Aから内縁14Bまで亘り、また熱軟化性樹脂層20が第2端部シール部15の外縁15Aから内縁15Bまで亘ることにより、加熱調理時の熱軟化性樹脂層19、20の軟化によってピローパウチ10-1の収容空間が横方向DR1で外部と繋がるので、ピローパウチ10-1の収容空間の蒸気を抜くことができる。
【0039】
熱軟化性樹脂層19の幅W6(
図3参照)は、第1端部シール部14の幅W3よりも大きくなるように設けられており、また熱軟化性樹脂層20の幅W7(
図3参照)は、第2端部シール部15の幅W4よりも大きくなるように設けられている。すなわち、熱軟化性樹脂層19は第1端部シール部14からはみ出しており、また熱軟化性樹脂層20は第2端部シール部15からはみ出している。熱軟化性樹脂層19、20の幅W6、W7をこのような幅にすることによって、第1端部シール部14および第2端部シール部15のシール位置が若干ずれた場合であっても、確実に第1端部シール部14や第2端部シール部15の外縁14A、15Aから内縁14B、14Bに亘って熱軟化性樹脂層19、20を配置することができる。熱軟化性樹脂層19、20の幅W6、W7は、例えば、6mm以上50mm以下となっていることが好ましい。
【0040】
第1端部シール部における合掌シール部が存在する箇所や第2端部シール部における合掌シール部が存在する箇所は、強度が弱い。このため、
図1に示されるように熱軟化性樹脂層19が第1端部シール部14に部分的に設けられ、また熱軟化性樹脂層20が第2端部シール部15に部分的に設けられている場合、第1端部シール部14における合掌シール部16が存在する箇所および第2端部シール部15における合掌シール部16が存在する箇所の強度向上の観点、および加熱調理時に蒸気抜きしやすい観点から、熱軟化性樹脂層19、20は第1端部シール部14および第2端部シール部15における合掌シール部16が存在する位置を含むように設けられていることが好ましい。
【0041】
図1に示される熱軟化性樹脂層19は第1端部シール部14に部分的に設けられ、また熱軟化性樹脂層20は第2端部シール部15に部分的に設けられているが、
図4に示されるピローパウチ10-2のように熱軟化性樹脂層31は合掌シール部16に部分的に設けられていてもよい。熱軟化性樹脂層が第1端部シール部や第2端部シール部に存在する場合、第1端部シール部および第2端部シール部のいずれかを下側にした状態で内容物を充填する縦充填を行うと、内容物の重さに耐え切れず、第1端部シール部や第2端部シール部が開いてしまうおそれがあるが、熱軟化性樹脂層31が合掌シール部16に設けられていれば、縦充填を行ったときであっても、第1端部シール部14や第2端部シール部15には熱軟化性樹脂層が存在しないので、第1端部シール部14や第2端部シール部15が開いてしまうおそれもない。熱軟化性樹脂層31は、合掌シール部16の中央部に設けられている。
【0042】
図4に示されるピローパウチ10-2においても、上記と同様の理由から、熱軟化性樹脂層31は合掌シール部16の外縁16Aから内縁16Bに亘っており、また熱軟化性樹脂層31の幅W8(
図4参照)は合掌シール部16の幅W5(
図4参照)よりも大きくなるように設けられている。
【0043】
図1に示される蒸気抜き機構18は、熱軟化性樹脂層19、20から構成されているが、シール部から構成することも可能である。この場合、熱軟化性樹脂層は設ける必要がない。蒸気抜き機構18を合掌シール部から構成する場合、
図5(A)に示されるように合掌部10Eの基部10J側に一部が突出した突出部16Cを有する合掌シール部16を用いてもよい。この場合、突出部16Cの幅と合掌シール部16における突出部以外の部分の幅はほぼ均一となっている。突出部16Cが合掌シール部16の他の部分よりも収容空間側に突出しているので、電子レンジによる加熱に伴ってピローパウチ10-1内の圧力が高まった際に、突出部16Cに応力が集中しやすくなる。これにより、突出部16Cからシール後退が進行し、蒸気を抜くことができる。本明細書における「合掌部の基部」とは、合掌部の収容空間側に位置する部分を意味するものとする。
【0044】
図5(B)に示されるように合掌シール部16における合掌部10Eの先端部10K側に切欠き16Dを設けてもよい。このような切欠き16Dが設けられた合掌シール部16においては、切欠き16Dが設けられた部分は他の部分よりもシール幅が小さいので、電子レンジによる加熱に伴ってピローパウチ10-1内の圧力が高まった際に、合掌部10Eの基部10J側から合掌シール部16がシール後退し、切欠き16Dに到達したときに切欠き16Dから蒸気を抜くことができる。
【0045】
図5(C)に示されるように合掌シール部16に貫通孔16Eを設けてもよい。このような貫通孔16Eが設けられた合掌シール部16においては、貫通孔16Eが設けられた部分は他の部分よりもシール幅が小さいので、電子レンジによる加熱に伴ってピローパウチ10-1内の圧力が高まった際に、合掌部10Eの基部10J側から合掌シール部16がシール後退し、貫通孔16Eに到達したときに貫通孔16Eから蒸気を抜くことができる。
【0046】
図1に示されるように、第1端部シール部14および第2端部シール部15には、開封の際の起点となり得る開封開始手段21、22が設けられている。開封開始手段は、第1端部シール部および第2端部シール部のいずれかに設けられていればよい。
【0047】
<開封開始手段>
開封開始手段21、22は、第3端部10Cの外縁10Hから開封開始手段21、22までの距離D1、D2がピローパウチ10-1の長さL1の2/3以内となり、かつガセット折込部17より第4端部10D側となる位置に設けられている。開封開始手段21、22がこのような位置に設けられていることにより、開封後において内容物を食するときに内容物が深すぎないので食べやすく、またガセット折込部17と重ならないので、容易にピローパウチ10-1を開封することができる。具体的には、開封開始手段21、22は、ガセット折込部17から第4端部10D側に10mm以上200mm以下離れた位置に設けられていることが好ましい。
【0048】
ガセット折込部の幅W2に対する第3端部10Cの外縁10Hから開封開始手段21、22までの距離D1、D2(
図3参照)の比(D1/W2、D2/W2)は、1を超え20以下となっていることが好ましい。ガセット折込部の位置で開封すると、包装材料が4枚重なった位置で開封しなければならないので、開封しにくいが、上記D1/W2やD2/W2が1を超えれば、包装材料が2枚重なった位置で開封することになるので、開封しやすい。また、上記D1/W2やD2/W2が1を超えれば、開封時に内容物がこぼれることを抑制できる。また、上記D1/W2やD2/W2が20以下であれば、開封後にピローパウチ10-1を安定して自立させることができるとともに、内容物が取り出しやすい。上記距離D1、D2は、例えば、30mm以上300mm以下となっていてもよい。
【0049】
ピローパウチ10-1の幅W1に対する第3端部10Cから開封開始手段21、22までの距離D1、D2の比(D1/W1、D2/W1)は、1以上20以下であることが好ましい。上記D1/W2やD2/W2が1以上であれば、より多くの内容物を収容でき、また上記D1/W2やD2/W2が20以下であれば、電子レンジでの加熱調理後であって、開封後にピローパウチ10-1を自立させたときに、ピローパウチ10-1を安定して自立させることができる。
【0050】
開封開始手段21、22は切欠き(ノッチ)となっている。開封開始手段は、切欠きに限らず、切込みであってもよい。
【0051】
図1に示されるように、開封開始手段21と開封開始手段22との間には、開封誘導部23が設けられている。開封誘導部23を設けることにより、開封開始手段21または開封開始手段22から開封したときに、開封誘導部23に沿ってピローパウチ10-1を開封することができる。
図1に示される開封誘導部23は、開封開始手段21、22に接しているが、接していなくとも例えば開封開始手段21、22の先端から2mm以内の近接する位置にあってもよい。
【0052】
<開封誘導部>
開封誘導部23は、後述する基材層41を貫通しているとともに、シーラント層42を貫通していない連続線状のハーフカット線となっている。開封誘導部は、連続線状ではなく、断続線状となっていてもよい。開封誘導部23は、例えば、レーザーや刃物で形成することが可能である。
【0053】
開封誘導部23は、直進カット性フィルムで構成されていてもよい。直進カット性フィルムは、一方の方向に直線状に引き裂くことが可能なフィルムである。直進カット性フィルムは、MD方向(フィルムの流れ方向)における引張強度がTD方向(MD方向と直交する方向)における引張強度より大きくなっている。開封誘導部を直進カット性フィルムで構成する場合には、基材層およびシーラント層の少なくともいずれかに直進カット性フィルムを用いる。基材層に直進カット性フィルムを用いる場合、基材層として、例えば、ユニチカ株式会社製のエンブレット(登録商標)PCやエンブレム(登録商標)NCを用いることができる。なお、エンブレット(登録商標)PCのMD方向における引張強度は200MPaであり、TD方向における引張強度は180MPaである。また、シーラント層に直進カット性フィルムを用いる場合、シーラント層として、例えば、東レフィルム加工株式会社製のZK500Rを用いることができる。
【0054】
ピローパウチ10-1は、
図6に示されるように、少なくとも基材層41およびシーラント層42をこの順に備える包装材料40から構成されている。
図6に示される包装材料40は、さらに、基材層41とシーラント層42との間に、印刷層43、熱軟化性樹脂層19および接合層44を備えている。
【0055】
<基材層>
ピローパウチ10-1は、電子レンジで加熱されるので、基材層41としては、耐熱性を有する材料からなることが好ましい。基材層41として、例えば、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、シリカ蒸着延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミナ蒸着延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ナイロンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルム、またはポリプロピレン/エチレン-ビニルアルコール共重合体共押共延伸フィルム、またはこれらの2以上のフィルムを積層した複合フィルムを用いることができる。
【0056】
基材層41は、二軸延伸処理されることが好ましい。これにより、基材層41を構成する分子が、延伸処理によって延伸方向に並び、基材層41が優れた寸法安定性を発揮するようになる。
【0057】
基材層41の厚みは、例えば10μm以上30μm以下とすることができる。基材層41の厚みが10μm以上であれば、パウチ10に要求される耐熱性を満たすことができ、また30μm以下であれば、製品コストを抑えることができる。基材層41の厚みは、光学顕微鏡を用いて撮影された基材層の断面写真からランダムに10箇所厚みを測定し、測定された厚みの算術平均値として求めるものとする。なお、ピローパウチにおいては、基材層41は、最も外側となるように配置される。
【0058】
<シーラント層>
シーラント層42は、2枚の包装材料40同士を重ね合わせて端部同士をヒートシールすることでピローパウチ10-1の収容空間を密封するために設けられている。このため、ピローパウチ10-1においては、シーラント層42が最も収容空間側となるように配置されている。
【0059】
シーラント層42として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体などのポリオレフィン系樹脂からなる耐熱性のあるフィルム、およびイージーピールフィルムなどを用いることができる。シーラント層42は、単層構造であってもよく、または多層構造であってもよい。ピローパウチ10-1は電子レンジで加熱されるので、シーラント層42としては、主として、低密度ポリエチレン(LDPE)を含む低密度ポリエチレン層(LDPE層)が好ましい。
【0060】
シーラント層42の厚みは、20μm以上80μm以下であることが好ましい。シーラント層42の厚みが20μm以上であれば、ピローパウチ10-1の流通過程において生じ得る落下に対する耐衝撃強度に優れ、また80μm以下であれば、内容物の充填し易さといった取扱性にも優れる。シーラント層42の厚みは、基材層41の厚みと同様の方法によって測定できる。
【0061】
<印刷層>
印刷層43は、複数のインキ層から構成することが可能である。具体的には、例えば、印刷層は、基材層からシーラント層に向けて、墨色インキ層/藍色インキ層/紅色インキ層/黄色インキ層/白色インキ層の順で形成されている。印刷層43は、グラビア印刷等の印刷によって形成することができる。
【0062】
<熱軟化性樹脂層>
熱軟化性樹脂層19は、樹脂を含み、かつ加熱により軟化する層である。熱軟化性樹脂層19は、60~110℃の融点を有する樹脂材料、例えば、エチレン-酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリアミドおよび硝化綿を含有する樹脂、またはポリアミド、硝化綿、およびポリエチレンワックスを含有する樹脂を用いて形成することができる。ポリアミドと硝化綿とポリエチレンワックスを含有する樹脂としては、DICグラフィックス株式会社製のMWOPニス(軟化点:105℃)などを用いることができる。
【0063】
熱軟化性樹脂層19の厚みは、1μm以上5μm以下であることが好ましい。熱軟化性樹脂層19の厚みが1μm以上であれば、電子レンジで加熱したときに、熱軟化性樹脂層19とシーラント層42の間で破壊を起こすことができる。また熱軟化性樹脂層の厚みが厚すぎると、熱軟化性樹脂層のパターンによっては、得られたフィルム状の包装材料をロール状に巻回したときに、一部が盛り上がり、その部分の包装材料が伸びてしまうおそれがあるが、熱軟化性樹脂層19の厚みが5μm以下であれば、そのような包装材料40の伸びを抑制できる。熱軟化性樹脂層19の厚みは、基材層41の厚みと同様の方法によって測定できる。
【0064】
上記では、熱軟化性樹脂層19について説明しているが、熱軟化性樹脂層20、31も熱軟化性樹脂層19と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
【0065】
<接合層>
接合層44としては、例えばそれ自体既知のドライラミネート法にて一般に用いられる接着剤を用いることができ、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、アミノ樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤等を用いることができる。ポリウレタン系接着剤とは、ポリオール化合物とイソシアネート化合物との硬化物のことである。
【0066】
<<ピローパウチの製造方法>>
このようなピローパウチ10-1は、以下のようにして製造することができる。以下では、複数のピローパウチ10-1を連続的に製造する例を示す。
【0067】
まず、包装材料40を巻いた原反ロールを用意する。なお、原反ロールにおいては、包装材料40における後述する第2シール部および第3シール部の形成予定領域の一部に熱軟化性樹脂層19、20の幅が第2シール部および第3端部シール部の幅よりもそれぞれ大きくなるように形成しておく。複数のピローパウチを連続的に形成する場合には、任意の1つのピローパウチに注目した場合、第2シール部はピローパウチの第2端部シール部と隣の下流側のピローパウチの第1端部シール部が繋がったものであり、また第3シール部はピローパウチの第3端部シール部と隣の上流側のピローパウチの第2端部シール部が繋がったものである。また、包装材料には、レーザーや刃物によって包装材料の流れ方向に沿って所定の位置に開封誘導部を形成しておく。
【0068】
次いで、原反ロールから包装材料40を巻き出し、包装材料40の流れ方向に延びた両端部をシーラント層42同士が内側とした状態で熱融着して、包装材料40の流れ方向に沿って延びた第1シール部を形成して、筒体を得る。第1シール部は、パウチ10-1においては、合掌シール部16となる部分である。筒体を得た後、筒体の一部を所定の幅で流れ方向に対して直交する方向である筒体の幅方向内側に折込み、折込部を形成する。
【0069】
折込部を形成した後、筒体の幅方向に包装材料40同士を熱融着し、第2シール部を形成して、一方が開口した袋体を得る。第2シール部は、第2シール部における第1シール部の部分が熱軟化性樹脂層19の形成領域内に含まれるように形成される。第2シール部は、パウチ10-1において、第2端部シール部15となる部分である。
【0070】
その後、袋体の開口から内容物を充填する。そして、袋体の幅方向に包装材料40同士を熱融着し、第3シール部を形成し、密封された袋体を得る。第3シール部は、パウチ10-1において、第1端部シール部14となる部分である。第3シール部は、第3シール部における第1シール部の部分が熱軟化性樹脂層20の形成領域内に含まれるように形成される。その後、第2シール部および第3シール部における開封誘導部23の位置に貫通孔または切込みを形成する。貫通孔または切込みは、袋体の裁断後、開封開始手段21、22となるものである。その後、貫通孔または切込みを分断する位置で、包装材料40の流れ方向と直交する方向に袋体を裁断する。これにより、
図1に示されるピローパウチ10-1が得られる。
【0071】
本実施形態によれば、蒸気抜き機構18を備えているので、電子レンジでの加熱調理時に収容空間から蒸気抜きをすることができる。また、ガセット折込部17を備えているので、加熱調理後にピローパウチ10-1を自立させることができる。これにより、開封後に、
図7に示される状態で、加熱調理後に皿に移し替えることなく内容物を食することができる。
【0072】
図4に示されるピローパウチ10-2においては、合掌シール部16に蒸気抜き機構である熱軟化性樹脂層31を備えているので、電子レンジでの加熱調理時には合掌シール部16から蒸気が抜ける。このため、ピローパウチ10-2においては、電子レンジの加熱調理の際には合掌シール部16が上側となるように配置することが必要となる。したがって、この場合には、加熱調理時に視認する合掌シール部16が存在するおもて面11に主として絵柄を形成することが多くなる。これに対し、
図1に示されるピローパウチ10-1においては、第1端部シール部14および第2端部シール部15に蒸気抜き機構18を備えているので、電子レンジでの加熱調理時にピローパウチ10-1の横方向DR1から蒸気が抜ける。このため、ピローパウチ10-1の合掌シール部16が上側および下側のいずれとなるように配置してもよい。したがって、おもて面11および裏面12のいずれにも絵柄を形成してもよいので、絵柄面の選択の自由度を向上させることができる。
【0073】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係るピローパウチについて、図面を参照しながら説明する。
図8は本実施形態に係るピローパウチの正面図であり、
図9は
図8に示されるピローパウチの各構成要素の寸法を説明するための平面図である。なお、
図8および
図9において、
図1等と同じ符号が付されている部材は、
図1等で示した部材と同じものであるので、説明を省略するものとする。
【0074】
図8に示されるピローパウチ10-3は、第3端部10C側にガセット折込部17のみならず、第4端部10D側にもガセット折込部51(第2ガセット折込部)が設けられている。ピローパウチ10-3の両側にガセット折込部17、51を設けることで、収容空間をより大きくすることができるので、さらに大きな内容物を収容することができる。
【0075】
<ガセット折込部>
ガセット折込部51は、第4端部10D側の側面を2つ折りにすることによって形成されている。ガセット折込部51は、合掌シール部16が延びる方向に沿って形成されている。
【0076】
ピローパウチ10-3の幅W1に対するガセット折込部51の幅W9(
図9参照)の比(W9/W1)は、1/7以上4/7以下であることが好ましい。上記W9/W1が1/7以上であれば、より多くの内容物を収容できる。また、W9/W1が4/7以下であれば、内容物を容易に取り出すことができる。ガセット折込部51の幅W9とは、ガセット折込部51の縦方向DR2の長さである。具体的には、第4端部10Dの外縁10Iから折込線51Aまでの長さである。ガセット折込部の幅が一定でない場合には、ガセット折込部の幅は最も短い値とする。ガセット折込部51の幅W9は、10mm以上170mm以下となっていてもよい。なお、幅W2~W7、長さL1、およびL1/W1等の比は、第1実施形態と同様となっているので、ここでは、説明を省略するものとする。
【0077】
<開封開始手段>
開封開始手段21、22は、第3端部10Cの外縁10Hから開封開始手段21、22までの距離D1、D2(
図9参照)がピローパウチ10-1の長さL1の2/3以内となり、かつガセット折込部17より第4端部10D側となる位置に設けられているが、開封開始手段21、22は、ガセット折込部51よりも第3端部10C側となる位置に設けられている。開封開始手段21、22がこのような位置に設けられていることにより、開封後に内容物を食するときに内容物が深すぎないので食べやすく、またガセット折込部17、51と重ならないので、容易にピローパウチを開封することができる。具体的には、開封開始手段21、22は、ガセット折込部17から第4端部10D側に10mm以上200mm以下離れ、かつガセット折込部51から第3端部10C側に10mm以上離れた位置に設けられていることが好ましい。
【0078】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、蒸気抜き機構18を備えているので、電子レンジでの加熱調理時に収容空間から蒸気抜きをすることができる。また、ガセット折込部17を備えているので、加熱調理後にピローパウチ10-1を自立させることができる。これにより、開封後に、加熱調理後に皿に移し替えることなく内容物を食することができる。
【0079】
ピローパウチ10-3は、両側にガセット折込部17、51を備えているので、ピローパウチ10-3により多くの内容物を収容できる。より多くの内容物を収容すると、開封時にこぼれる可能性があるので、このようなピローパウチ10-3は、加熱調理後の体積が加熱調理前の体積よりも減るような内容物(例えば、冷凍チャーハン)を収容するのに特に好適である。
【0080】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態に係るピローパウチについて、図面を参照しながら説明する。
図10は本実施形態に係るピローパウチの正面図であり、
図11は
図10に示されるピローパウチの各構成要素の寸法を説明するための平面図であり、
図12は第3実施形態に係るピローパウチを自立させて開封した図である。なお、
図10~
図12において、
図1等と同じ符号が付されている部材は、
図1等で示した部材と同じものであるので、説明を省略するものとする。
【0081】
図10に示されるピローパウチ10-4においては、ピローパウチ10-1と同様に、第1端部10A、第2端部10B、第3端部10C、第4端部10Dを有しているが、ピローパウチ10-4においては、第1端部10Aおよび第2端部10Bは横方向DR1に延びており、第3端部10Cおよび第4端部10Dは縦方向DR2に延びている。
【0082】
ピローパウチ10-4の幅W10(
図11参照)に対するピローパウチ10-4の長さL2(
図11参照)の比(L2/W10)は、1/6以上2以下であることが好ましい。L2/W10が1/6以上であれば、より多くの内容物を収容でき、またL2/W10が2以下であれば、電子レンジでの加熱調理後であって、開封前にピローパウチ10-4を自立させたときに、ピローパウチ10-4を安定して自立させることができる。上記L2/W10の下限は、1/4以上であることがより好ましく、また上記L2/W10の上限は、1以下であることがより好ましい。
【0083】
ピローパウチ10-4の幅W10は、50mm以上300mm以下となっていてもよく、ピローパウチ10-4の長さL2は、50mm以上200mm以下となっていてもよい。
【0084】
ピローパウチ10-4は、第1端部シール部61と、第2端部シール部62と、合掌シール部63と、ガセット折込部64、65と、蒸気抜き機構66とを備えている。なお、パウチ10-4においては、開封開始手段は設けられていない。
【0085】
<第1、第2端部シール部>
第1端部シール部61は第1端部10Aに形成されており、第2端部シール部62は第2端部10Bに形成されている。第1端部シール部61および第2端部シール部62は、横方向DR1に延びていること以外、第1端部シール部14および第2端部シール部15と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。なお、第1端部シール部61、62の幅W11、W12も、第1端部シール部14、15の幅W3、W4と同様である。
【0086】
<合掌シール部>
合掌シール部63は、第1端部シール部61から第2端部シール部62に跨って形成されている。合掌シール部63は、縦方向DR2に延びていること以外、合掌シール部16と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。なお、合掌シール部63の幅W13も、合掌シール部16の幅W5と同様である。
【0087】
<ガセット折込部>
ガセット折込部(第1ガセット折込部)64は、第3端部10C側に設けられており、ガセット折込部(第2ガセット折込部)65は、第4端部10D側に設けられている。ガセット折込部61、62はパウチ10-4の横方向DR1における両側に位置している。
【0088】
ピローパウチ10-4の幅W10に対するガセット折込部64、65の幅W14、W15(
図11参照)の比(W14/W10、W15/W10)は、1/20以上3/7以下であることが好ましい。上記W14/W10、W15/W10が1/20以上であれば、より多くの内容物を収容できるとともに安定してパウチ10-4を自立させることができる。また、W14/W10、W15/W10が3/7以下であれば、内容物を容易に取り出すことができる。ガセット折込部64の幅W14とは、ガセット折込部64の横方向DR1の長さである。具体的には、第3端部10Cの外縁10Hから折込線64Aまでの長さである。ガセット折込部65の幅W15とは、ガセット折込部65の横方向DR1の長さである。具体的には、第4端部10Dの外縁10Iから折込線65Aまでの長さである。ガセット折込部の幅が一定でない場合には、ガセット折込部の幅は最も短い値とする。ガセット折込部64、65の幅W14、W15は、10mm以上170mm以下となっていてもよい。
【0089】
<蒸気抜き機構>
蒸気抜き機構66は、熱軟化性樹脂層67から構成されている。熱軟化性樹脂層67は、第1端部シール部61に部分的に設けられている。
図10に示されるピローパウチ10-4においては、熱軟化性樹脂層67は、第1端部シール部61における折込線64Aの位置に設けられているが、第1端部シール部61における折込線65Aの位置に設けられていてもよく、また第1端部シール部61における折込線64A、65Aの位置の両方に設けられていてもよい。
【0090】
熱軟化性樹脂層67は第1端部シール部61の外縁61Aから内縁61Bに亘っている。熱軟化性樹脂層67が第1端部シール部61の外縁61Aから内縁61Bまで亘ることにより、加熱調理時の熱軟化性樹脂層67の軟化によってピローパウチ10-4の収容空間が縦方向DR2で外部と繋がるので、ピローパウチ10-4の収容空間の蒸気を抜くことができる。
【0091】
熱軟化性樹脂層67の幅W16(
図11参照)は、熱軟化性樹脂層19の幅W6に記載した理由と同様の理由から、第1端部シール部61の幅W11よりも大きくなるように設けられている。熱軟化性樹脂層67の幅W16は、例えば、6mm以上50mm以下となっていることが好ましい。
【0092】
第1端部シール部におけるガセット折込部の折込線が存在する箇所は、強度が弱い。このため、
図10に示されるように熱軟化性樹脂層67が第1端部シール部61に部分的に設けられている場合、第1端部シール部におけるガセット折込部の折込線が存在する箇所の強度向上の観点、および加熱調理時に蒸気抜しやすい観点から、熱軟化性樹脂層67は第1端部シール部61におけるガセット折込部64の折込線64Aを含むように設けられていることが好ましい。
【0093】
図10に示される蒸気抜き機構66は、熱軟化性樹脂層67から構成されているが、第1実施形態で説明したように蒸気抜き機構はシール部から構成することも可能である。この場合、熱軟化性樹脂層は設ける必要がない。
【0094】
パウチ10-4は、上記したように開封開始手段が設けられていないので、パウチ10-4を開封する際には、パウチ10-4の上部における合掌シール部63および裏面12を摘み、第1端部シール部61を引き剥がす。
図12に示されるようにパウチ10-4を開封することができる。
【0095】
本実施形態によれば、蒸気抜き機構66を備えているので、第1実施形態と同様に、電子レンジでの加熱調理時に収容空間から蒸気抜きをすることができる。また、ガセット折込部64、65を備えているので、第2端部10B側に多くの内容物を位置させることができ、底部にガセット折込部を設けなくとも、ピローパウチ10-4を自立させることができる。これにより、開封後に、加熱調理後に皿に移し替えることなく内容物を食することができる。
【0096】
ピローパウチ10-4は、両側にガセット折込部64、65を備えているので、ピローパウチ10-1により多くの内容物を収容できる。より多くの内容物を収容すると、開封時にこぼれる可能性があるので、このようなピローパウチ10-4は、加熱調理後の体積が加熱調理前の体積よりも減るような内容物(例えば、冷凍チャーハン)を収容するのに特に好適である。
【実施例】
【0097】
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの記載に限定されない。
【0098】
<実施例1>
実施例1においては、
図1に示されるピローパウチを作製した。具体的には、まず、ロール状に巻回された幅330mmの包装材料を用意した。
【0099】
包装材料は、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる基材層、厚さ3μmのポリウレタン系接着剤からなる接合層、および未延伸ポリエチレンフィルムからなる厚さ40μmのシーラント層をこの順で備えるものであった。なお、包装材料には、基材層と接合層の間の後述する第2シール部および第3シール部を形成する形成予定領域の一部に、熱軟化性樹脂層の幅が第2シール部および第3シール部よりも大きくなるようにそれぞれ長さ20mm、幅35mm、厚さ2μmのDICグラフィックス株式会社製のMWOPニスからなる熱軟化性樹脂層を設けた。また、包装材料には、レーザーによって包装材料の流れ方向に沿って所定の位置に、基材層を貫通し、かつシーラント層を貫通していない開封誘導部である連続線状のハーフカット線が形成されていた。
【0100】
次いで、包装材料の流れ方向に延びた両端部をシーラント層同士が内側とした状態でヒートシールして、包装材料の流れ方向に沿って延びた第1シール部を形成し、筒体を得た。筒体を得た後、筒体の片側を所定の幅で筒体の幅方向内側に折込み、片側に折込部を形成した。
【0101】
折込部を形成した後、筒体の幅方向に包装材料同士を熱融着し、第2シール部を形成して、一方が開口した袋体を得た。第2シール部は、第2シール部における第1シール部の部分が熱軟化性樹脂層の形成領域内に含まれるように形成された。
【0102】
その後、袋体の開口から内容物としてのチャーハン170gを充填した。そして、袋体の幅方向に包装材料同士を熱融着し、第3シール部を形成し、密封された袋体を得た。第3シール部は、第3シール部における第1シール部の部分が熱軟化性樹脂層の形成領域内に含まれるように形成された。
【0103】
その後、第1端部シール部および第2端部シール部におけるハーフカット線の位置に裁断後ノッチとなる貫通孔を形成し、その後、貫通孔を分断する位置で、包装材料の流れ方向とは直交する方向に袋体を裁断した。これにより、
図1に示されるピローパウチと同様の構造を有するピローパウチを作製した。作製されたピローパウチは、縦方向の長さL1が120mmであり、横方向の幅W1が180mmであった。また、作製されたピローパウチにおいては、ガセット折込部の幅W2は40mmであり、ピローパウチの第1端部シール部および第2端部シール部の幅W3、W4はそれぞれ10mmであった。また、合掌シール部の幅W5は10mmであった。第3端部の外縁からノッチまでの距離D1は、70mmであった。なお、L1、W1~W4、D1等の寸法は、
図3の示す通りとした。
【0104】
そして、得られたピローパウチを、電子レンジ(型番「RE-T3」、SHARPE株式会社製)内に、平置きの状態で配置し、600Wで3分間加熱したところ、加熱中に蒸気抜き機構から自動的に蒸気が抜けた。また、加熱後に電子レンジからピローパウチを取り出し、ガセット折込部が下側となるように台の上に置いたところ、ピローパウチは自立した。その後、ノッチからピローパウチを開封したところ、自立状態を維持できたので、チャーハンを食することができた。
【0105】
<実施例2>
実施例2においては、内容物としてポテトチップ60gを充填したこと以外は、実施例1と同様にして、ピローパウチを得た。そして、実施例2に係るパウチを、電子レンジ(型番「RE-T3」、SHARPE株式会社製)内に、平置きの状態で配置し、600Wで30秒間加熱したところ、加熱中に蒸気抜き機構から自動的に蒸気が抜けた。また、加熱後に電子レンジからピローパウチを取り出し、ガセット折込部が下側となるように台の上に置いたところ、ピローパウチは自立した。その後、ノッチからピローパウチを開封したところ、自立状態を維持できたので、ポテトチップを食することができた。
【0106】
<実施例3>
実施例3においては、
図10に示されるピローパウチを作製した。具体的には、まず、ロール状に巻回された幅360mmの包装材料を用意した。
【0107】
包装材料は、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる基材層、厚さ3μmのポリウレタン系接着剤からなる接合層、および未延伸ポリエチレンフィルムからなる厚さ40μmのシーラント層をこの順で備えるものであった。なお、包装材料には、基材層と接合層の間の後述する第3シール部を形成する形成予定領域の一部に、熱軟化性樹脂層の幅が第3シール部の幅よりも大きくなるように長さ20mm、幅35mm、厚さ2μmのDICグラフィックス株式会社製のMWOPニスからなる熱軟化性樹脂層を設けた。
【0108】
次いで、包装材料の流れ方向に延びた両端部をシーラント層同士が内側とした状態で熱融着して、包装材料の流れ方向に沿って延びた第1シール部を形成し、筒体を得た。筒体を得た後、筒体の両側を所定の幅で筒体の幅方向内側に折込み、両側に折込部を形成した。
【0109】
折込部を形成した後、筒体の幅方向に包装材料同士を熱融着し、第2シール部を形成して、一方が開口した袋体を得た。
【0110】
その後、袋体の開口から内容物としてのチャーハン170gを充填した。そして、袋体の幅方向に包装材料同士を熱融着し、第3シール部を形成し、密封された袋体を得た。第3シール部は、第3シール部におけるガセット折込部の折込線が熱軟化性樹脂層の形成領域内に含まれるように形成された。
【0111】
その後、第1端部シール部および第2端部シール部におけるハーフカット線の位置に裁断後ノッチとなる貫通孔を形成し、その後、貫通孔を分断する位置で、包装材料の流れ方向とは直交する方向に袋体を裁断した。これにより、
図10に示されるピローパウチと同様の構造を有するピローパウチを作製した。作製されたピローパウチは、縦方向の長さL2が150mmであり、横方向の幅W10が170mmであった。また、作製されたピローパウチにおいては、第1端部シール部および第2端部シール部の幅W11、W12はそれぞれ10mmであり、合掌シール部の幅W13は10mmであった。また、ガセット折込部の幅W14、15は30mmであった。なお、L2、W10~W15等の寸法は、
図11の示す通りとした。
【0112】
そして、得られたピローパウチを、電子レンジ(型番「RE-T3」、SHARPE株式会社製)内に、第2端部が下側となり、かつ自立させた状態で配置し、600Wで3分間加熱したところ、加熱中に蒸気抜き機構から自動的に蒸気が抜けた。また、加熱後に電子レンジからピローパウチを取り出し、第2端部が下側となるように台の上に置いたところ、ピローパウチは自立した。その後、合掌シール部と裏面を摘み第1端部シール部を引き剥がすようにピローパウチを開封したところ、自立状態を維持できたので、チャーハンを食することができた。
【0113】
<実施例4>
実施例4においては、内容物としてポテトチップ60gを充填したこと以外は、実施例3と同様にして、ピローパウチを得た。そして、実施例4に係るパウチを、電子レンジ(型番「RE-T3」、SHARPE株式会社製)内に、第2端部が下側となり、かつ自立させた状態で配置し、600Wで30秒間加熱したところ、加熱中に蒸気抜き機構から自動的に蒸気が抜けた。また、加熱後に電子レンジからピローパウチを取り出し、第2端部が下側となるように台の上に置いたところ、ピローパウチは自立した。その後、合掌シール部と裏面を摘み第1端部シール部を引き剥がすようにピローパウチを開封したところ、自立状態を維持できたので、ポテトチップを食することができた。
【符号の説明】
【0114】
10-1、10-2、10-3、10-4…ピローパウチ
10A…第1端部
10B…第2端部
10C…第3端部
10D…第4端部
10E…合掌部
10F~10I…外縁
11…おもて面
12…裏面
13…側面
14、61…第1端部シール部
15、62…第2端部シール部
16、63…合掌シール部
17、51、64、65…ガセット折込部
18、66…蒸気抜き機構
19、20、31、67…熱軟化性樹脂層
21、22…開封開始手段
23…開封誘導部
40…包装材料
41…基材層
42…シーラント層