(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-12
(45)【発行日】2025-02-20
(54)【発明の名称】起泡性組成物の泡付着性向上剤
(51)【国際特許分類】
C09K 23/10 20220101AFI20250213BHJP
C11D 1/86 20060101ALI20250213BHJP
C11D 1/28 20060101ALI20250213BHJP
【FI】
C09K23/10
C11D1/86
C11D1/28
(21)【出願番号】P 2020216110
(22)【出願日】2020-12-25
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【氏名又は名称】義経 和昌
(72)【発明者】
【氏名】青野 恵太
(72)【発明者】
【氏名】大村 亮介
【審査官】柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/204149(WO,A1)
【文献】特表2018-529989(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0291669(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 23/10
C11D 1/28
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)分岐アルキル基が
炭素数6又は7の主鎖と1以上の側鎖とを有し側鎖の炭素数の合計が3又は4であるスルホコハク酸分岐アルキルエステル[以下(a)成分という]からなる、
泡付着性向上剤であって、(a)成分、(b)非イオン界面活性剤、及び陰イオン界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤[ただし(a)成分を除く][以下(b)成分という]を含有し、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(a)/(b)が0.05以上1.3以下である、起泡性組成物の泡付着性向上剤。
【請求項2】
(a)成分の分岐アルキル基が、2-プロピルヘプチル基及び3,5,5-トリメチルヘキシル基から選ばれる分岐アルキル基である、請求項
1記載の起泡性組成物の泡付着性向上剤。
【請求項3】
(a)分岐アルキル基が
炭素数6又は7の主鎖と1以上の側鎖とを有し側鎖の炭素数の合計が3又は4であるスルホコハク酸分岐アルキルエステル[以下(a)成分という]、及び(b)
非イオン界面活性剤、及び陰イオン界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤[ただし(a)成分を除く][以下(b)成分という]を含有
し、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(a)/(b)が0.05以上1.3以下である、起泡性組成物を、泡形成機構を有する噴霧器により対象物に泡状で付着させる、起泡性組成物の泡付着性を向上させる方法。
【請求項4】
(a)成分の分岐アルキル基が、2-プロピルヘプチル基及び3,5,5-トリメチルヘキシル基から選ばれる分岐アルキル基である、請求項
3記載の起泡性組成物の泡付着性を向上させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、起泡性組成物の泡付着性向上剤、起泡性組成物及び起泡性組成物の泡付着性を向上させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
浴室やトイレなどの住居環境の洗浄剤はトリガースプレーヤーなどの噴霧器を用いて対象物に組成物を付着させて、スポンジなどの可撓性材料で擦る等の方法で洗浄する場合が多い。しかしながら擦り洗いする場合は洗浄に労力がかかり、家事への負担が大きくなるため、できるだけ擦り洗いの負担を軽減することが好ましい。その目的として、対象物に組成物を長く付着させることで洗浄力を高め、擦り洗いの負担を軽減する方法が有効であると考えられる。
【0003】
特許文献1には食器に泡状で洗浄剤を付着させてこすらずにすすぐ方法が提案されている。また、該公報にはアニオン界面活性剤としてスルホコハク酸エステル型界面活性剤を含有する組成物が開示されている。
特許文献2には固体脂を含む油汚れの洗浄効果に優れる界面活性剤として、特定の鎖式分岐炭化水素基を有するスルホコハク酸型界面活性剤が有効であることが記載されている。
特許文献3にはジプロピルヘプチルスルホコハク酸が界面活性剤として有効であることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-198765号公報
【文献】特開2017-214554号公報
【文献】米国特許公報2007-214999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながらこれら特許文献には特定の構造のスルホコハク酸エステル型界面活性剤が、界面活性剤を含有する起泡性組成物の泡の付着性を向上させる効果について示唆するものではなく、また想起することもできない。
【0006】
本発明は、界面活性剤を含有する起泡性組成物の対象物への泡付着性を向上させる泡付着性向上剤、対象物への泡付着性に優れた起泡性組成物、及び起泡性組成物の泡付着性を向上させる方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、(a)分岐アルキル基が炭素数9以上11以下の分岐アルキル基であるスルホコハク酸分岐アルキルエステル[以下(a)成分という]からなる、(a)成分以外の界面活性剤を含有する起泡性組成物の泡付着性向上剤に関する。ここで起泡性組成物の泡付着性向上剤とは、起泡性組成物から形成した泡の対象物への付着性を向上させる剤である。
【0008】
また、本発明は、前記泡付着性向上剤、及び(b)界面活性剤[ただし(a)成分を除く][以下(b)成分という]を含有する起泡性組成物に関する。
【0009】
また、本発明は、(a)分岐アルキル基が炭素数9以上11以下の分岐アルキル基であるスルホコハク酸分岐アルキルエステル[以下(a)成分という]、及び(b)界面活性剤[ただし(a)成分を除く][以下(b)成分という]を含有する起泡性組成物を、泡形成機構を有する噴霧器により対象物に泡状で付着させる、起泡性組成物の泡付着性を向上させる方法に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、界面活性剤を含有する起泡性組成物の対象物への泡付着性を向上させる泡付着性向上剤、対象物への泡付着性に優れた起泡性組成物、及び起泡性組成物の泡付着性を向上させる方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の泡付着性向上剤が、界面活性剤を含有する起泡性組成物の対象物への泡付着性を向上させる理由は必ずしも定かではないが以下のように推定される。
泡は空気と水の界面に界面活性剤が配列して形成し、気-液界面を安定化する。また、泡が固体表面に接触した気-液-固界面では固体表面に界面活性剤が吸着することで泡が固体表面に付着する。一方で固体表面に接触した界面では泡から水の排液が促進され、その結果気-液と固体の界面を流動化させ、泡の付着性を低下させると考えられる。
本発明により泡付着性が向上する理由は必ずしも明らかではないが、泡における(a)成分以外の界面活性剤の疎水部膜に、(a)成分の特定の分岐構造を有するアルキル基を有する化合物が存在することで、比較的結晶性の高い疎水部膜が破壊され破泡する前に、適度に柔軟で比較的結晶性の低い(a)成分の化合物が疎水部膜を修復することで破泡を抑制し、結果として泡膜内からの排水を抑制するためと考えられる。(a)成分は、その構造から、むしろ(a)成分以外の成分が形成する疎水部膜のパッキング性を低下させる成分であると考えられるため、本発明の効果は当業者には意外である。
【0012】
<泡付着性向上剤>
本発明は、(a)成分からなる、(a)成分以外の界面活性剤を含有する起泡性組成物の泡付着性向上剤を提供する。
(a)成分は、分岐アルキル基が炭素数9以上11以下の分岐アルキル基であるスルホコハク酸分岐アルキルエステルである。
【0013】
(a)成分は、エステルがモノエステルであるもの、ジエステルであるものが挙げられる。好ましくは、分岐アルキル基が炭素数9以上11以下の分岐アルキル基であるスルホコハク酸分岐アルキルジエステルである。
【0014】
(a)成分の分岐アルキル基は、固体脂などの洗浄性と泡付着性の観点から、炭素数6又は7の主鎖と1以上の側鎖とを有し側鎖の炭素数の合計が3又は4である分岐アルキル基が好ましい。
(a)成分の分岐アルキル基は、固体脂などの洗浄性と泡付着性の観点から、2-プロピルヘプチル基及び3,5,5-トリメチルヘキシル基から選ばれる分岐アルキル基が好ましい。
【0015】
(a)成分としては、下記一般式(a1)で表されるスルホコハク酸分岐エステルが挙げられる。
【0016】
【0017】
〔式中、R1a、R2aは、それぞれ独立して、炭素数9以上11以下の分岐アルキル基である。A1、A2はそれぞれ独立に炭素数2以上4以下のアルキレン基、x、yは平均付加モル数でありそれぞれ独立に0以上6以下である。M1は水素原子又は陽イオンである。〕
【0018】
R1a、R2aの炭素数は、同一あるいは異なっていてもよい。
本発明においては、第2級アルコールから水酸基を除去した炭化水素残基を、鎖式分岐炭化水素基に含める。
【0019】
本発明において、R1a、R2aの鎖式分岐炭化水素基のうち、酸素原子に結合している炭素原子から数えて炭素数が最も大きい炭化水素鎖を主鎖とし、主鎖から分岐して結合している炭化水素鎖を側鎖とする。
主鎖が2つ以上考えられる場合、即ち炭素数が最も大きい炭化水素鎖(以下、最長炭化水素鎖ともいう)が2つ以上ある場合、下記の順序で主鎖を決める。
1.最長炭化水素鎖から分岐する側鎖の炭素原子数が大きい方を主鎖とする。
2.次に、最長炭化水素鎖から分岐する側鎖の炭素原子数が同じである場合は、最長炭化水素鎖から分岐する側鎖の数が多い方を主鎖とする。
3.次に、最長炭化水素鎖から分岐する側鎖の数が同じである場合は、酸素原子に結合している炭素原子から数えて、酸素原子により近い炭素原子に側鎖を有する方を主鎖とする。
4.次に、酸素原子に最も近い、側鎖を有する炭素原子の位置が同じ場合は、酸素原子に最も近い側鎖の炭素原子数が多い方を主鎖とする。
なお、2つ以上の最長炭化水素鎖が、同一の対称構造を有する場合は、どちらを主鎖としてもよい。
【0020】
R1a、R2aのそれぞれの分岐アルキル基において、側鎖を構成する炭素数の合計は、同一あるいは異なっていてもよく、泡付着性の観点から、好ましくは3又は4である。
本発明において、側鎖を構成する炭素数の合計とは、一つの分岐アルキル基において、主鎖以外の全側鎖の炭素数を合計したものであり、側鎖が複数ある場合は、それら全側鎖の炭素数の合計である。
【0021】
R1a、R2aの側鎖の数は、同一あるいは異なっていてもよく、低温時の貯蔵安定性および泡付着性の観点から、1以上、そして、好ましくは3以下、より好ましくは2以下である。
本発明において、側鎖の数とは、主鎖から分岐する側鎖の数であり、側鎖が、更に当該側鎖から分岐する側鎖を有していても側鎖の数としては変わらない。但し、低温時の貯蔵安定性の観点から、側鎖が更に当該側鎖から分岐する側鎖を有していてもよい。
【0022】
R1a、R2aの分岐炭素の数は、同一あるいは異なっていてもよく、泡付着性の観点から、1以上、そして、好ましくは3以下、より更に好ましくは2以下である。
本発明において、分岐炭素の数とは、鎖式分岐炭化水素基中の第3級炭素原子と第4級炭素原子の数の合計である。
【0023】
R1a、R2aの好ましい態様は、R1a、R2aの鎖式分岐炭化水素基の総炭素数が、それぞれ独立して、9以上11以下、主鎖の炭素数が、それぞれ独立して、6又は7、側鎖を構成する炭素数が、それぞれ独立して、1以上3以下、側鎖の数が、それぞれ独立して、1である。
【0024】
R1a、R2aの具体的な分岐アルキル基は、それぞれ同一あるいは異なっていてもよく、2-プロピルヘプチル基及び3,5,5-トリメチルヘキシル基から選ばれる分岐アルキル基が好ましい。
【0025】
一般式(a1)中、A1、A2は、それぞれ独立に、炭素数2以上、そして、炭素数4以下、好ましくは3以下のアルキレン基である。
一般式(a1)中、x、yは、平均付加モル数であり、固体脂などの洗浄性の観点から、それぞれ独立に、0以上、そして、6以下、好ましくは4以下、より好ましくは2以下であり、更に好ましくは0である。
また、x+yは、固体脂などの洗浄性の観点から、好ましくは0以上、そして、好ましくは12以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは3以下、より更に好ましくは0である。
【0026】
一般式(a1)中、M1は、水素イオン、あるいはナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン等の無機陽イオン、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、モルホリニウムイオン等の有機陽イオンであり、好ましくはナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる無機陽イオンである。
【0027】
一般式(a1)中、R1a、R2aが同一の化合物の調製方法としては、特に限定されるものではないが、例えば米国特許明細書第2,028,091号公報に記載の方法を参考にして製造することができ、また、R1a、R2aが異なる非対称の化合物の調製方法としては、例えば特開昭58-24555号公報を参考にして製造することができる。(a)成分の原料として、所定炭素数のアルコールにアルキレンオキシドを付加したものを用いることもできる。
本発明の(a)成分の製造に用いられる好適なアルコールとしては、
(1)3,5,5-トリメチルヘキサン-1-オール、2-プロピルヘプタン-1-オールなどに代表される第1級アルコール、
(2)5-ノナノール、2,6-ジメチル-4-ヘプタノールなどに代表される第2級アルコール
が挙げられる。
【0028】
本発明の泡付着性向上剤は、界面活性剤、すなわち後述する(b)成分を含有する起泡性組成物から形成した泡の対象物への泡付着性を向上させることができる。
一般に、界面活性剤は起泡性を示すものが多く、なかでも水と併用した場合に起泡性を示すものが多い。(a)成分は、界面活性剤を水と併用した場合の対象物への泡付着性を制御できる。(a)成分と(b)成分の併用により、例えば、(a)成分と(b)成分の界面活性剤を含有する起泡性組成物から形成した泡の対象物への泡付着性を向上させることができる。(a)成分は、起泡性を示す組成物、例えば(b)成分を含有する起泡性組成物に用いられる改質剤であってよい。すなわち、(a)成分は、起泡性組成物用改質剤であってよい。なお、(b)成分の具体例や好ましい態様も、後述する本発明の起泡性組成物と同じである。
【0029】
本発明の泡付着性向上剤は、(b)成分を含有する起泡性組成物に対して、(a)成分と(b)成分との質量比(a)/(b)が、泡付着性の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.14以上、更に好ましくは0.25以上、そして、好ましくは1.3以下、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.6以下、更に好ましくは0.5以下となるように配合して用いられる。
なお、本発明では、(a)成分に係る質量に関する記述(質量%や質量比)は、ナトリウム塩に換算した化合物の質量、例えば、前記一般式(a1)中のM1をナトリウムと仮定したときの質量に基づくものとする。
【0030】
本発明の泡付着性向上剤は、(b)成分が陰イオン界面活性剤である場合、(b)成分を含有する起泡性組成物に対して、(a)成分と(b)成分との質量比(a)/(b)が、泡付着性の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.13以上、より更に好ましくは0.25以上、そして、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.0以下、更に好ましくは0.7以下、より更に好ましくは0.5以下、より更に好ましくは0.4以下となるように配合して用いられる。
なお、本発明では、(b)成分が陰イオン界面活性剤である場合、(b)成分に係る質量に関する記述(質量%や質量比)は、ナトリウム塩に換算した化合物の質量に基づくものとする。
【0031】
本発明の泡付着性向上剤は、(b)成分が非イオン界面活性剤及び陽イオン界面活性剤から選ばれる1種以上である場合、(b)成分を含有する起泡性組成物に対して、(a)成分と(b)成分との質量比(a)/(b)が、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.13以上、より更に好ましくは0.25以上、そして、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.0以下、更に好ましくは0.7以下、より更に好ましくは0.5以下、より更に好ましくは0.4以下となるように配合して用いられる。
なお、本発明では、(b)成分が陽イオン界面活性剤である場合、(b)成分に係る質量に関する記述(質量%や質量比)は、クロライド塩に換算した化合物の質量に基づくものとする。
【0032】
<起泡性組成物>
本発明は、本発明の泡付着性向上剤、及び(b)成分を含有する起泡性組成物を提供する。
また本発明は、(a)成分、及び(b)成分を含有する起泡性組成物を提供する。
本発明の起泡性組成物は、本発明の泡付着性向上剤で記載した態様を適宜適用することができる。
【0033】
(b)成分は、界面活性剤[ただし(a)成分を除く]である。
(b)成分としては、(a)成分以外の陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤が挙げられる。(b)成分としては、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、及び陽イオン界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤が好ましく、非イオン界面活性剤、及び陰イオン界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤がより好ましい。(b)成分は、起泡性に富む界面活性剤が好ましい。
【0034】
(a)成分以外の陰イオン界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級脂肪酸又はその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、N-アシルアミノ酸又はその塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などを挙げることができる。陰イオン界面活性剤のアルキル基は、例えば、炭素数8以上20以下である。陰イオン界面活性剤のオキシアルキレン基、例えばオキシエチレン基の平均付加モル数は、例えば、0以上4以下であり、好ましくは0を超え4以下である。陰イオン界面活性剤の塩は、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩である。
【0035】
非イオン界面活性剤としては、アルキルモノグリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンモノアルキル又はアルケニルエーテル、アルキル(ポリ)グリコシド(グリコシド型非イオン界面活性剤)、ソルビタン系非イオン界面活性剤、脂肪族アルカノールアミド、脂肪酸モノグリセライド、蔗糖脂肪酸エステル、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルモノエタノールアミンなどのアルカノールアミンとラウリン酸、ミリスチン酸などの脂肪酸とのアミド化物を挙げることができる。非イオン界面活性剤のアルキル基又はアルケニル基は、例えば、炭素数6以上18以下である。非イオン界面活性剤のオキシアルキレン基、例えばオキシエチレン基の平均付加モル数は、例えば、3以上25以下である。
【0036】
陽イオン界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤が挙げられる。第4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤としては、窒素原子に結合する基のうち、1つ又は2つが炭素数6以上、18以下の炭化水素基であり、残りが炭素数1以上、3以下のアルキル基、炭素数1以上、3以下のヒドロキシアルキル基及びアリールアルキル基(ベンジル基等)からなる群から選ばれる基である4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤が挙げられる。
【0037】
両性界面活性剤としては、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチルアミンオキシド、N-アルキル-N,N-ジメチルアミンオキシド、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチル-N-カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N-アルキル-N,N-ジメチル-N-カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N-アルキル-N,N-ジメチル-N-スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、N-アルキル-N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチル-N-スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、N-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタインを挙げることができる。これらにおいて、アルカノイル基は例えばラウロイル又はミリスチロイルである。また、これらにおいて、アルキル基は例えばラウリル基又はミリスチル基)である。
【0038】
本発明の起泡性組成物は、(a)成分を、泡付着性および貯蔵安定性の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上、より更に好ましくは0.4質量%以上、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは2質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.8質量%以下、より更に好ましくは0.6質量%以下含有する。
【0039】
本発明の起泡性組成物は、(b)成分を、起泡性および泡付着性の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、より更に好ましくは1質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下、より更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは2質量%以下含有する。
【0040】
本発明の起泡性組成物は、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(a)/(b)が、泡付着性の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.14以上、更に好ましくは0.25以上、そして、好ましくは1.3以下、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.6以下、更に好ましくは0.5以下である。
【0041】
本発明の起泡性組成物は、(b)成分が陰イオン界面活性剤である場合、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(a)/(b)が、起泡性および泡付着性の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.13以上、より更に好ましくは0.25以上、そして、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.0以下、更に好ましくは0.7以下、より更に好ましくは0.5以下、より更に好ましくは0.4以下である。
【0042】
本発明の起泡性組成物は、(b)成分が非イオン界面活性剤及び陽イオン界面活性剤から選ばれる1種以上である場合、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(a)/(b)が、起泡性および泡付着性の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.13以上、より更に好ましくは0.25以上、そして、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.0以下、更に好ましくは0.7以下、より更に好ましくは0.5以下、より更に好ましくは0.4以下である。
【0043】
本発明の起泡性活性剤は、(c)成分として、貯蔵安定性の改善や粘度調節の目的で、溶剤を含有してもよい。(c)成分は、貯蔵安定性を改善する観点から、好ましくは炭素数2以上、より好ましくは炭素数3以上、そして、好ましくは炭素数10以下、より好ましくは炭素数8以下の水溶性有機溶剤が好適である。
【0044】
(c)成分としては、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3-メチル-3-メトキシブタノール、フェノキシエタノール、フェニルグリコール、フェノキシイソプロパノール、ブチルジグリコール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジブチレンジグリコール及びベンジルアルコールから選ばれる1種以上の水溶性有機溶剤が好ましい。なかでも、ブチルジグリコール、エタノール及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上の水溶性有機溶剤がより好ましい。
ここで、水溶性有機溶剤とは、オクタノール/水分配係数(LogPow)が3.5以下の溶剤を指すものとする。
【0045】
本発明の起泡性組成物は、(c)成分を、貯蔵安定性及び粘度調節の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましく2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下、更に好ましくは8質量%以下含有する。
【0046】
また、(c)成分は本発明の起泡性組成物の起泡性を向上させることができるため含有することが好ましい。(c)成分は、起泡性の観点から、下記一般式(c1)のグリコールエーテル系溶剤[以下、(c1)成分という]が好ましい。
R’O(C2H4O)m(C3H6O)nR’’ (c1)
〔式中、R’及びR’’は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1以上5以下のアルキル基、フェニル基又はベンジル基を示すが、R’及びR’’の少なくとも一方は水素原子である。mは0以上5以下の数を、nは0以上3以下の数を示す。m及びnの双方が0である場合は、R’は炭素数3以上5以下のアルキル基である。〕
【0047】
(c1)成分は、具体的にはプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、及びポリオキシエチレン(平均付加モル数1以上5以下)モノフェニルエーテルから選ばれる1種以上を挙げることができる。
【0048】
本発明の起泡性組成物は、(c)成分として(c1)成分を含有する場合、起泡性の観点から、(c1)成分を、好ましくは1質量%以上、より好ましく2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下、更に好ましくは8質量%以下含有する。
【0049】
本発明の起泡性組成物は、水を含有することが好ましい。本発明の起泡性組成物は、水を含有する液体組成物であることが好ましい。
【0050】
本発明の起泡性組成物は、任意成分として、例えば、防腐剤、ハイドロトロープ剤、染料、粘度調整剤、酸化防止剤、香料などの成分を含有することができる。
【0051】
本発明の起泡性組成物の25℃におけるpHは、例えば、3以上、更に4以上、更に5以上、そして、10以下、更に9以下、更に8以下、更に7以下であってよい。pHは、起泡性組成物の用途、例えば、手肌への刺激性などを考慮して適宜選定できる。pHはガラス電極法で測定することができる。pHの調整には、pH調整剤を用いることができる。pH調整剤としては塩酸や硫酸など無機酸や、有機酸など酸剤を用いることができる。また、アルカリ剤としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを用いることができる。
【0052】
本発明の界面活性剤組成物は、用途などにもよるが、例えば、25℃での粘度が、好ましくは3mPa・s以上、より好ましくは10mPa・s以上、そして、好ましくは5000mPa・s以下、より好ましくは2500mPa・s以下である。粘度は溶剤やハイドロトロープ剤などで調整することができる。この粘度は、ブルックフィールド粘度計で測定することができる。
【0053】
本発明の起泡性組成物は、対象物への泡の付着性に優れることから、この性質を利用して種々の用途に使用できる。例えば、本発明の起泡性組成物は、硬質表面用として好適に用いることができる。硬質表面としては、食器、浴室、浴槽、洗面器、タイル、化粧室、洗面台、鏡、台所まわりのシンク、カウンタートップ、水道まわり等が挙げられる。本発明の起泡性組成物は硬質表面の洗浄に好適に用いられ、特に浴室用として好適に用いられる。ここで、浴室用とは、浴室のみならず、浴槽、洗面器など、浴室内に存在する他の硬質表面を有する物品をも対象とするものである。
本発明の起泡性組成物は、疎水性の硬質表面に好適に用いることができる。疎水性の硬質表面とは、水に対する接触角が30°以上、好ましくは40°以上、そして、120°以下、好ましくは100°以下の硬質表面の材質のものである。水に対する接触角が前記範囲の硬質表面の材質としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、軟質PVC樹脂、FRP樹脂、ABS樹脂、PP樹脂、PC樹脂、SUS、アルミ、及びPET樹脂から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0054】
<起泡性組成物の泡付着性を向上させる方法>
本発明は、(a)成分、及び(b)成分を含有する起泡性組成物を、泡形成機構を有する噴霧器により対象物に泡状で付着させる、起泡性組成物の泡付着性を向上させる方法を提供する。
本発明の方法において、(a)成分、及び(b)成分を含有する起泡性組成物は、本発明の起泡性組成物を用いてもよい。
すなわち、本発明は、本発明の起泡性組成物を、泡形成機構を有する噴霧器により対象物に泡状で付着させる、起泡性組成物の泡付着性を向上させる方法を提供する。
本発明の方法は、本発明の泡付着性向上剤、本発明の起泡性組成物に記載した態様を適宜適用することができる。
本発明の方法は、(b)成分を含有する起泡性組成物に(a)成分を含有させることで、起泡性組成物の対象物への泡付着性を向上させることができる。
すなわち、本発明は、(b)成分を含有する起泡性組成物に、(a)成分を含有させて、泡形成機構を有する噴霧器により対象物に泡状で付着させる、起泡性組成物の泡付着性を向上させる方法を提供する。
【0055】
本発明の方法は、本発明の起泡性組成物を、対象表面、好ましくは硬質表面に接触させた後、機械力などの外力をかけず(付与せず)に放置する方法が挙げられる。本発明では、本発明の起泡性組成物が泡状で対象表面に長く付着するため、スポンジ等の可撓性材料や手指等を用いることなく接触させ、機械力などの外力をかけずにそのまま放置しても高い洗浄効果が得られる。これにより、手や道具の届かない部位や届きにくい細部の洗浄に好適である。
機械力などの外力をかけずに放置するとは、例えば、組成物の接触以外に、洗浄のための意図的な操作を行わないことである。例えば、接触させた組成物が対象表面を自然に流下することや、洗浄を意図しない振動が対象表面に伝わることなどは、外力をかけずに放置すると理解できる。
放置した後は、通常、水ですすぐ。すすぐ際は、手などで外力(物理的力)を掛けてもよく、単に水流ですすいでもよい。
【0056】
本発明の方法では、本発明の起泡性組成物を、対象表面の面積100cm2に対して、泡付着性向上効果の観点から、好ましくは0.04g以上、より好ましくは0.06g以上、更に好ましくは0.08g以上、そして、好ましくは0.15g以下、より好ましくは0.12g以下、更に好ましくは0.1g以下の割合で接触させる、更に、塗布又は噴霧することが好ましい。
【0057】
本発明の方法では、洗浄性の観点から、本発明の起泡性組成物を対象表面に接触後、好ましくは10秒以上、より好ましくは15秒以上、更に好ましくは20秒以上、より更に好ましくは30秒以上、そして、好ましくは30分以下、より好ましくは10分以下、更に好ましくは5分以下、より更に好ましくは2分以下、より更に好ましくは1分以下、放置する。この場合、最初に前記組成物が対象表面に接触した時点を放置の開始としてよい。
なお、放置する際の温度は、室温でよく、例えば、10℃以上30℃以下が挙げられる。
【0058】
本発明の方法では、本発明の起泡性組成物を、泡形成機構を有する噴霧器により対象物に噴霧して泡状で付着させる。具体的には、スプレー手段を用いることができる。すなわち本発明の起泡性組成物を、スプレイヤーを具備する容器に充填してなる洗浄剤物品を用いるのが好ましい。本発明は、本発明の起泡性組成物を、スプレイヤーを具備する容器に充填してなる、スプレー容器入り洗浄剤物品を提供する。
【0059】
本発明のスプレー容器入り洗浄剤物品において、本発明の起泡性組成物を充填するスプレイヤーを具備する容器は、トリガー式スプレー容器、ポンプ式スプレー容器等の噴射剤を使用しない手動式スプレー装置、噴射剤を用いるエアゾール等が挙げられる。前記スプレイヤーを具備する容器は、内容物を泡状にして噴霧又は塗布することができるトリガー式スプレーが好ましく、泡を形成する機構(泡形成機構)を備えたトリガー式スプレーがより好ましい。
【0060】
泡形成機構を備えたトリガー式スプレーを用いる場合、本発明のスプレー容器入り洗浄剤物品は、1回の操作で、好ましくは0.5mL以上、より好ましくは1mL以上、そして、好ましくは30mL以下、より好ましくは15mL以下、更に好ましくは5mL以下の組成物を噴霧する。
【0061】
本発明で対象物に付着させる泡としては、泡比容(単位質量(g)あたりの泡の体積(ml))を5ml/g以上、好ましくは10ml/g以上、そして100ml/g以下、好ましくは70ml/g以下が好ましい。また、本発明でトリガー式スプレーにより泡を付着させる場合、泡比容(ml/g)は、5ml/g以上、好ましくは10ml/g以上、そして、100ml/g以下、好ましくは70ml/g以下、より好ましくは60ml/g以下、より好ましくは55ml/g以下、より好ましくは50ml/g以下である。
【0062】
泡比容としては以下の方法で求めることができる。
(1)測定する起泡性組成物を、使用するトリガースプレイヤーに充填する。
(2)内径3.5mmのプラスチック製200mlメスシリンダーの質量(g)を下2桁天秤で測定する(a)。
(3)スプレーから起泡性組成物を、200mlメスシリンダー内に5回トリガーを引いて泡状に吐出させ、吐出から10秒後、200mlメスシリンダーと泡の重量(g)を下2桁天秤で測定し(b)、またメスシリンダー内の泡の容量(ml)を測定する。(c)。
(4)下記の式により泡比容を求める。
泡比容(ml/g)=(c)/{(b)-(a)}
【0063】
このような泡比容は、噴出ノズルに発泡筒を装着し、吐出器の吐出操作によって噴出孔から噴出する内容液を、前記発泡筒の内壁面に衝突させて発泡した状態で吐出させる発泡吐出容器が好適である。その詳細な構造として、特開2007-167719号公報記載のものが参考にすることができる。ここで、発泡筒を構成する空気導入孔から入る空気量を調整することで、界面活性剤と混合する空気量を調整し、泡塗布時の泡比容を調整することができる。即ち、起泡性組成物に対する空気導入量を多くすることで、泡比容の大きな泡とすることができる。
【0064】
本発明の方法は、硬質物品の硬質表面、更に食器、浴室、浴槽、洗面器、タイル、化粧室、洗面台、鏡、台所まわりのシンク、カウンタートップ、水道まわり等の硬質表面、特に浴室の硬質表面の洗浄方法として好ましい。
本発明の方法は、疎水性の硬質表面に対して好適に行うことができる。疎水性の硬質表面とは、水に対する接触角が30°以上、好ましくは40°以上、そして、120°以下、好ましくは100°以下の硬質表面の材質のものである。水に対する接触角が前記範囲の硬質表面の材質としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、軟質PVC樹脂、FRP樹脂、ABS樹脂、PP樹脂、PC樹脂、SUS、アルミ、及びPET樹脂から選ばれる1種以上が挙げられる。
【実施例】
【0065】
<泡付着性試験>
市販のスプレー式食器用洗浄剤(花王株式会社、キュキュットクリア泡スプレー(2018年製))の容器を洗浄して用いた。該容器に、表1、2の起泡性組成物を充填した。水平に置いた基板(アクリル板テストピース、180mm×320mm)に、垂直に15cmの高さから該容器のトリガーを1回引き切ることにより、泡を吐出させた。基板の一端を水平位置から45°となるように持ち上げ、吐出させた泡が基板上を15cm落下するまでの時間を計測し、泡付着性試験の結果とした。泡が落下するまでの時間が長い程、基板への泡付着性がよいことが言える。結果を表1、2に示す。また、表1、2中、各起泡性組成物について、(a)成分及び(a’)成分を含有せず、(b)成分を含有する基準の組成物からの泡付着性向上効果の差δt(秒)を併せて示した。
なお、本実施例で形成した泡の泡比容はすべて10ml/g以上50ml/g以下の範囲内であった。なお泡比容は、本明細書の段落0062に記載した方法で測定した。
【0066】
【0067】
【0068】
表中の成分は、以下のものである。なお、表中、(a’)成分は、(b)成分でもあるが、(a)成分の比較として用いたため、便宜的に(a’)成分として示した。
・アルキルグリコシド:AG-124、花王(株)製
・ブチルジグリコール:BDG、日本乳化剤株式会社製、ClogPow0.66
【0069】
<配合例>
表3に、本発明の起泡性組成物の配合例を示す。これらの起泡性組成物は、対象物に泡状で付着させる場合に、泡付着性に優れる。
【0070】