(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-12
(45)【発行日】2025-02-20
(54)【発明の名称】パッケージの密閉部分の品質評価のための方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/88 20060101AFI20250213BHJP
【FI】
G01N21/88 Z
(21)【出願番号】P 2021523686
(86)(22)【出願日】2019-10-21
(86)【国際出願番号】 EP2019078505
(87)【国際公開番号】W WO2020088963
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-09-26
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】マグヌス・ロベ
(72)【発明者】
【氏名】ハンス・ハルスタディウス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクトル・ピーターソン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ズルモヴスキー
(72)【発明者】
【氏名】ホーカン・アンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ・ファテイーニ
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-189175(JP,A)
【文献】特開2009-085803(JP,A)
【文献】特表2012-502854(JP,A)
【文献】米国特許第05260766(US,A)
【文献】特開2011-063002(JP,A)
【文献】米国特許第05184190(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
B29C 65/82
B65B 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ(100)の密閉部分(414)の品質評価のための方法(1600)であって、前記パッケージ(100)は、少なくとも堅牢層(406a、406b)及びプラスチック層(408a、408b)を含み、前記密閉部分(414)は、前記パッケージ(100)の第1の部分(402a)及び第2の部分(402b)を、前記第1及び第2の部分(402a、402b)の前記プラスチック層(408a、408b)が溶解し、且つそれにより前記第1及び第2の部分(402a、402b)を互いに付着させるように熱を提供する間、互いに対して保持することによって形成され、前記方法(1600)は、
カメラ(814)を使用して、前記密閉部分(414)を描写する画像データを捕捉すること(1602)と、
前記画像データ内の基準線(1204、1304、1404、1504)を同定すること(1604)と、
前記画像データ内の密閉部分境界線(1202、1302、1402、1502)を同定すること(1606)と、
前記基準線(1204、1304、1404、1504)及び前記密閉部分境界線(1202、1302、1402、1502)に基づいて密閉部分評価特徴を決定すること(1608)と、
前記密閉部分評価特徴は、1つの特徴のみ、又は異なる態様を考慮する複数の特徴を含み、
前記密閉部分評価特徴を基準特徴と比較すること(1610)と
を含む、方法(1600)。
【請求項2】
前記密閉部分評価特徴は、前記基準線(1204、1404、1504)と前記密閉部分境界線(1202、1302、1402、1502)との間に少なくとも1つの距離測度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基準線(1204)及び前記密閉部分境界線(1202)によって画定された密閉部分評価領域(1206)を決定すること(1612)を更に含み、
前記密閉部分評価特徴は、前記密閉部分評価領域(1206)を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記密閉部分境界線(1302)を理想的密閉部分境界線(1306)と比較することにより、境界線偏差測度を決定すること(1614)を更に含み、
前
記密閉部分評価特徴は、第1の境界線偏差測度を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記基準線(1504)を理想的基準線(1512)と比較することにより、基準線偏差測度を決定すること(1616)を更に含み、
前記密閉部分評価特徴は、前記基準線偏差測度を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記密閉部分境界線(1408)に面する開口端を有する周辺非密閉部分(1410)を同定すること(1618)、
前記周辺非密閉部分(1410)と前記基準線(1404)との間の最小距離を決定することにより、前記周辺非密閉部分(1410)の深さを決定すること(1620)
を更に含み、
前
記密閉部分評価特徴は、前記周辺非密閉部分(1410)の前記深さを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記密閉部分(414)内の内部非密閉部分(1510)を同定すること(1622)、
前記内部非密閉部分(1510)の領域を決定すること(1624)
を更に含み、
前記密閉部分評価特徴は、前記内部非密閉部分(1510)の前記領域を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記パッケージ(100)は、牛乳及び他の食品製品のためのカートンベースのパッケージであり、前記堅牢層(406a、406b)は、板紙層である、
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記基準線(1204、1304、1404、1504)は、前記密閉部分(414)のリッジ圧入部を描写する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記基準線(1204、1304、1404、1504)は、切断線を描写する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
コンピュータ上で実行されるとき、前記コンピュータに、パッケージ(100)の密閉部分(414)の品質評価のための方法(1600)を実行させる命令を含むコンピュータプログラムであって、
前記パッケージ(100)は、少なくとも堅牢層(406a、406b)及びプラスチック層(408a、408b)を含み、前記密閉部分(414)は、前記パッケージ(100)の第1の部分(402a)及び第2の部分(402b)を、前記第1及び第2の部分(402a、402b)の前記プラスチック層(408a、408b)が溶解し、且つそれにより前記第1及び第2の部分(402a、402b)を互いに付着させるように熱を提供する間、互いに対して保持することによって形成され、
前記方法(1600)は、
前記コンピュータに接続された画像センサから前記密閉部分(414)を描写する画像データを読み取ること、又は前記コンピュータに接続されたカメラ(814、914)から前記画像データを受け取ること、
前記画像データ内の基準線(1204、1304、1404、1504)を同定すること(1604)と、
前記画像データ内の密閉部分境界線(1202、1302、1402、1502)を同定すること(1606)と、
前記基準線(1204、1304、1404、1504)及び前記密閉部分境界線(1202、1302、1402、1502)に基づいて密閉部分評価特徴を決定すること(1608)と、
前記密閉部分評価特徴は、1つの特徴のみ、又は異なる態様を考慮する複数の特徴を含み、
前記密閉部分評価特徴を基準特徴と比較すること(1610)と、
を含む、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、概して、パッケージの分野に関する。より詳細には、本特許出願は、例えば、食品製品のためのパッケージ内の密閉部分の品質評価に関する。
【背景技術】
【0002】
牛乳及び他の食品製品のためのカートンベースのパッケージは、周知であり、世界の多くの地域で認識されている。一例は、Tetra Pakによって市販されているブロック形状のパッケージTetra Brik(商標)である。このパッケージは、いわゆるロール供給パッケージ機で生成される。この型の機械の一般原理は、パッケージ材料の管を形成し、食品製品で管を充填し、管の下端からパッケージを形成することである。これらのステップは、連続して行われるため、利点は、1時間当たり30000個以上のパッケージの速度を達成できることである。食品製品のためのパッケージを生成するための別の型のパッケージ機は、いわゆるブランク供給パッケージ機である。この型の機械では、パッケージ材料は、ブランクの形態、すなわちスリーブ形状及びプレカットピースのパッケージ材料で提供され、それらは、充填されて1つずつパッケージに形成される。
【0003】
いずれの型のパッケージ機でも、各パッケージに対して上部及び底部がパッケージ材料の2つの部分を一緒に密封することによって形成される。溶接技術としても公知の異なる密封技術は、今日、利用可能である。アルミニウム層を含むパッケージ材料に対して誘導加熱密封技術を使用することができる。この技術の一般原理は、熱が発生するようにパッケージ材料に電流を誘導することである。次に、パッケージ材料内の外部プラスチック層が互いに対して保持するときに互いに付着することができるように、熱がこれらを溶融させる。使用できる密封技術の別の例は、超音波密封技術である。この技術は、電流を誘導する代わりに、超音波を使用して熱を発生させる。
【0004】
いずれの密封技術が使用されるかに関わらず、密閉部分は、パッケージ内に形成される。これらの密閉部分は、パッケージが漏れないようにするだけでなく、具体的には、無菌パッケージに対して、不要な微生物がパッケージ内に入ることができないようにする。今日では、密閉部分の品質評価のための異なる方法が存在する。直接手法は、不十分な密封によって起き得るずれを検出するために、操作者が、生成されたパッケージを規則的な間隔で見ることである。不十分な密封を検出するために使用する間接手法の例は、内方に膨らむ側面がパッケージに形成されるように側面に圧力を提供する間、パッケージを閉鎖することである。密閉部分が不十分である場合、空気がパッケージ内に漏れることにより、側部は、もはや内方に膨らまなくなる。その結果、これにより、不十分な密閉部分を有することがあるパッケージを容易に見分けることが可能になる。
【0005】
パッケージ内の不十分な密閉部分を検出するための直接及び間接手法の両方が今日利用可能であっても、不十分な密閉部分を有するパッケージを特定するために必要な時間及び労力を更に低減できるように改良が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
先行技術の上記に特定された1つ又は複数の制限を少なくとも部分的に克服することが本発明の目的である。具体的には、不十分な密閉部分を容易に費用効率よく特定することを可能にする装置及び方法を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、パッケージの密閉部分の品質評価のための方法であって、パッケージは、少なくとも堅牢層及びプラスチック層を含み、密閉部分は、パッケージの第1の部分及び第2の部分を、第1及び第2の部分のプラスチック層が溶解し、且つそれにより第1及び第2の部分を互いに付着させるように熱を提供する間、互いに対して保持することによって形成され、方法は、カメラを使用して、密閉部分を描写する画像データを捕捉することと、画像データ内の基準線を同定することと、画像データ内の密閉部分境界線を同定することと、基準線及び密閉部分境界線に基づいて密閉部分評価特徴集合を決定することと、密閉部分評価特徴集合を基準特徴集合と比較することとを含む、方法が提供される。
【0008】
密閉部分評価特徴集合は、基準線と密閉部分境界線との間に少なくとも1つの距離測度を含み得る。
【0009】
方法は、基準線及び密閉部分境界線によって画定された密閉部分評価領域を決定することを更に含んでもよく、密閉部分評価特徴集合は、密閉部分評価領域を含む。
【0010】
方法は、密閉部分境界線を理想的密閉部分境界線と比較することにより、境界線偏差測度を決定することを更に含んでもよく、少なくとも1つの密閉部分評価特徴集合は、第1の境界線偏差測度を含む。
【0011】
方法は、基準線を理想的基準線と比較することにより、基準線偏差測度を決定することを更に含んでもよく、密閉部分評価特徴集合は、基準線偏差測度を含む。
【0012】
方法は、密閉部分境界線に面する開口端を有する周辺非密閉部分を同定すること、周辺非密閉部分と基準線との間の最小距離を決定することにより、周辺非密閉部分の深さを決定することを更に含んでもよく、少なくとも1つの密閉部分評価特徴集合は、周辺非密閉部分の深さを含む。
【0013】
方法は、密閉部分内の内部非密閉部分を同定すること、内部非密閉部分の領域を決定することを更に含んでもよく、密閉部分評価特徴集合は、内部非密閉部分の領域を含む。
【0014】
密閉部分評価特徴集合は、入力密封エネルギーを更に含んでもよい。
【0015】
基準線は、密閉部分のリッジ圧入部を描写してもよい。
【0016】
代わりに、基準線は、切断線を描写してもよい。
【0017】
第2の態様によれば、パッケージの密閉部分の品質評価のための装置であって、パッケージは、少なくとも堅牢層及びプラスチック層を含み、密閉部分は、パッケージの第1の部分及び第2の部分を、第1及び第2の部分のプラスチック層が溶解し、且つそれにより第1及び第2の部分を互いに付着させるように熱を提供する間、互いに対して保持することによって形成され、装置は、密閉部分を描写する画像データを捕捉するように構成されたカメラ、画像データ内の基準線を同定するように構成された処理デバイスであって、基準線は、密閉部分のリッジ圧入部を描写し、画像データ内の密閉部分境界線を同定し、基準線及び密閉部分境界線に基づいて密閉部分評価特徴集合を決定し、且つ密閉部分評価特徴集合を基準特徴集合と比較する、処理デバイスとを含む。
【0018】
密閉部分評価特徴集合は、基準線と密閉部分境界線との間に少なくとも1つの距離測度を含んでもよい。
【0019】
基準線は、密閉部分のリッジ圧入部を描写してもよい。
【0020】
処理デバイスは、基準線及び密閉部分境界線によって画定された密閉部分評価領域を決定するように更に構成されてもよく、密閉部分評価特徴集合は、密閉部分評価領域を含む。
【0021】
第3の態様によれば、コンピュータ上で実行されるとき、コンピュータに、第2の態様による方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。画像データを捕捉するステップは、CMOS又はCCDなどの画像センサから画像データを読み取るステップであってもよい。代わりに、コンピュータプログラムを実行するデバイスから外部のカメラから画像データを受け取ることができる。
【0022】
本発明の更に他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳述及び図面から明らかになるであろう。
【0023】
ここで、実施形態について、添付の概略図面を参照して例として記載される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1b】
図1aに示されたパッケージに形成され得るパッケージ材料片を概して示す。
【
図4】
図1aに示されたパッケージの下部を概して示す。
【
図8a-c】密閉部分の品質評価のための装置を例として概して示す。
【
図16】密閉部分の品質評価のための方法のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1aは、
図1bに示されたパッケージ材料片から作成したカートンパッケージ100の一例を概して示す。カートンパッケージ100は、弱化線により互いから分割された多数のパネルを含む。弱化線は、パッケージ材料片を、充填機としても公知のパッケージ機により、確実に効率的にパッケージ100に折り畳むことができるようにする。
【0026】
この例では、パッケージ100は、第1の背面パネル102、左面パネル104、正面パネル106、右面パネル108及び第2の背面パネル110を含み、それらは、一緒にパッケージ100のスリーブ形状本体を形成する。第1及び第2の背面パネル102、110は、いわゆる長手方向密封により互いに取り付けられる。パッケージ内に保持された製品がパッケージ材料の内部層と接触することを回避するために、第1の背面パネル102の周辺部の内側に置かれる第2の背面パネル110の周辺部は、長手方向密封ストリップと呼ばれることがあるプラスチックストリップによって保護することができる。
【0027】
更に、パッケージ100は、第1の上背面パネル112、左角上面パネル114、上正面パネル116、右角パネル118及び第2の上背面パネル120を含み、それらは、一緒にパッケージ100の上面を形成する。第1及び第2の背面パネル102、110と同様の手法において、第1及び第2の背上面パネル112、120は、互いに取り付けられる。パッケージ100を閉じるために、第1及び第2の背上面パネル112、120は、上正面パネル116に取り付けられ、左角上面パネル114の2つの部分は、互いに取り付けられ、右角上面パネル118の2つの部分は、互いに取り付けられる。これは、パッケージが製品で充填された後にパッケージ機内で行われる横方向密封によって提供される。
【0028】
パッケージ100は、第1の底背面パネル122、左角底面パネル124、底正面パネル126、右角底面パネル128及び第2の底背面パネル130も含み、それらは、一緒にパッケージの底面を形成する。第1及び第2の背面パネル102、110と同様の手法において、第1及び第2の底背面パネル122、130は、互いに取り付けられる。パッケージ100を閉じ、それにより底面を形成するために、第1及び第2の底背面パネル122、130は、底正面パネル126に取り付けられ、左角底面パネル124の2つの部分は、互いに取り付けられ、右角底面パネル128の2つの部分は、互いに取り付けられる。
【0029】
パッケージ100がロール供給パッケージ機で生成される場合、多くのパッケージ材料片がパッケージ材料のリール上に次々に提供される。このように配置された多くのパッケージ材料片を有することにより、底面を形成する横方向密封は、次のパッケージの上面を形成する横方向密封が作成されるのと同時に作成され得る。横方向密封が作成された後、パッケージは、横方向密封間の部分を切り離すことにより互いから分離される。
【0030】
横方向密封を形成するために、第1の上密閉部分134及び第2の上密閉部分132並びに第1の底密閉部分136及び第2の上密閉部分138を提供することができる。横方向密封が作成された後、パッケージ材料は、第1の上密閉部分132及び第2の上密閉部分134がパッケージ100の上面の上部を形成し、第1の底密閉部分136及び第2の底密閉部分138がパッケージ100の底面の下部を形成するように分離され得る。長手方向密封を形成するために、長手方向密閉部分140を使用することができる。
【0031】
パッケージがブランク供給パッケージ機で生成される場合、長手方向密封が事前に提供され、すなわち、第1の背面パネル102は、パッケージ材料のスリーブ形状片が提供されるように、長手方向部分140を介して第2の背面パネル110に取り付けられる。加えて、切断とも呼ばれる分離は、ブランク供給パッケージ機で行われるのではなく、ブランク供給パッケージ機内に供給されるブランクを生成するときに行われる。
【0032】
図2は、ロール供給パッケージ機200の原理を概して示す。パッケージ材料のウェブ202は、リールを介して提供され、パッケージ機200を通して供給方向Aに供給される。管204は、ウェブ202から形成される。食品製品は、弁208と組み合わせたパイプ206を使用して上から管204内に供給することができる。折畳み及び密封デバイス210内において、パッケージ212は、管204から形成される。
【0033】
図3は、パッケージ100を形成するために使用することができるパッケージ材料300を例として概して示す。
【0034】
周辺空間に面して、外部被覆302が提供され得る。外部被覆302は、水の湿度が、外部被覆302の内側に置かれた印刷層304と接触することを回避する目的に役立つことがある。印刷層304は、インク又はパッケージ100上に印刷を提供するために使用されるあらゆる他の材料を含むことができる。
【0035】
印刷層304の内側に第1及び第2の板紙層306、308を提供することができる。第1及び第2の板紙層306、308は、パッケージ100に堅牢性を提供する。第1の板紙層306は、クレーコートの有無に関わらず、漂白した板紙であってもよい。第2の板紙層308は、漂白した又は漂白していない板紙であってもよい。
【0036】
次に、プラスチック材料から作成された積層310を提供することができる。積層310は、微生物がパッケージ100の内側に保持された製品と接触することを妨げるために提供することができる。
【0037】
積層310の内側にアルミニウム箔312を提供することができる。アルミニウム箔312は、光、酸素及び臭気が、パッケージ100の内側に保持された製品と接触することを妨げるが、パッケージの内側の香りをパッケージ100から放つこともできるように提供されてもよい。しかし、アルミニウム箔312は、全ての型のパッケージ材料に存在するわけではない。例えば、冷蔵製品、すなわち冷却される製品のためのパッケージに使用するパッケージ材料では、アルミニウム箔312は、ほとんどの場合に除外され、積層と板紙層との組合せに取って代わる。
【0038】
パッケージ100の内側に保持された製品の最も近くに、例えばプラスチック材料から作成された第1及び第2の内部被覆314、316を提供することができる。これらを備える1つの目的は、製品がアルミニウム箔312と直接接触することを妨げることである。
【0039】
図4は、概して、パッケージ100の下部400の断面図を例としてより詳細に示す。下部400は、第1の部分402a及び第2の部分402bによって形成することができる。更に、パッケージ100は、外層404a、404b、板紙層であり得る堅牢層406a、406b及びプラスチック層408a、408bを含むことができる。
図3に示されるように、これらの異なる層は、従って、複数の層を含んでもよい。パッケージ機200内で密封するステップ中、プラスチック層408a、408bは、これが例えば誘導加熱密封技術又は超音波密封を使用することにより溶融するように加熱することができる。これを、第1及び第2の部分402a、402bを互いに対して保持することと組み合わせることにより、プラスチック層408a、408bは、形成される融合層410a、410bを形成することができ、これにより従って下部400を形成することができるようになる。
【0040】
密封するステップ中、第1及び第2の部分402a、402bを互いに対して保持するとき、リッジを備えた密封要素を使用することができる。リッジは、追加の圧力をリッジ圧入領域412に提供することを可能にし、リッジ圧入領域412は、密閉部分414のサブ領域であってもよい。
【0041】
図5は、パッケージ100内の密閉部分414及びリッジ圧入領域412の断面図の一例をより詳細に示す。
【0042】
図6は、密閉部分の更に別の断面図を例として示す。しかし、
図6に示された例では、プラスチック層408a、408bが、密封するステップによってどのように影響を及ぼされるかを明白に示すように、プラスチック層408a、408bを除いた全層が取り除かれている。プラスチック層408a、408bは、すなわち、密封するステップ中に加えられた圧力に起因してこれらがより薄くなる点で影響を及ぼされる。
【0043】
図7は、密閉部分414の更に別の例であるが、正面図として示される。密封するステップ中にプラスチック層408a、408bが影響を及ぼされる効果は、光が、下部400又は密閉部分414を含むあらゆる他の部分を通して透過されるとき、異なる屈折率に面することである。これは、次に、制御された手法で下部400を照明することにより、密閉部分414の品質評価を行うことができるようにする。
【0044】
図8a~cは、密封するステップ中にパッケージ材料300がどのように影響を及ぼされるかに依存して、密閉部分414を通して伝送された光が異なる影響を及ぼされるという事実を使用する、密閉部分414の品質評価のための装置800を例として概して示す。
【0045】
図8aに示されるように、
図4に示された下部400であり得る試料802は、多数の透明板806を含む試料ホルダ804内に置くことができる。光は、試料ホルダ804の第1の側面I上に置かれた照明デバイス808により、光放射領域812を備えた光制御デバイス810を通して提供される。多数の透明板806及び試料802を通して伝送された後、光は、カメラホルダ816に連結することができるカメラ814によって捕捉され、カメラ814は、試料ホルダ804の第2の側面II上に置くことができる。
【0046】
カメラ814によって捕捉された画像データは、コンピュータ818に伝送することができ、コンピュータ818は、示されるようにラップトップコンピュータであってもよいが、カメラ814に内蔵された処理デバイス又は画像データを操作するように構成されたあらゆる他の処理デバイスであってもよい。コンピュータ818は、画面820を具備してもよい。
【0047】
図8bは、上から見た光制御デバイス810を示す。光放射領域812は、第1の長さ方向L1Dに延在する第1の長さL1及び第1の幅方向W1Dに延在する第1の幅W1を有し得る。第1の長さ方向L1D及び第1の幅方向W1Dは、垂直であり得る。第1の長さL1は、第1の幅W1より大きいことができる。
【0048】
図8cは、上から見た多数の透明板806を示す。密閉部分414を含む試料802は、第2の長さ方向L2Dに延在する第2の長さL2及び第2の幅方向W2Dに延在する第2の幅W2を有してもよい。第2の長さ方向L2D及び第2の幅方向W2Dは、垂直であってもよい。第2の長さL2は、第2の幅W2より大きいことができる。試料802は、第1の長さ方向L1Dが第2の長さ方向L2Dと平行であるように置くことができる。
【0049】
図9a及び9bは、密閉部分414の品質評価のための装置900の2つの例を示す。
図9aでは、装置900は、偏向フィルタなしで示され、
図9bでは、装置900は、偏向フィルタを備えて示されている。
【0050】
より詳細には、
図9aに示されるように、試料ホルダ902は、リッジ圧入領域906を有する試料904を保持するために提供することができる。光908は、照明デバイス910から放射され、試料ホルダ902及び試料904に到達する前に光制御デバイス912を通過する。試料ホルダ902及び試料906を通過する光は、カメラ914によって捕捉することができる。
【0051】
図9bに示されるように、装置900は、試料ホルダ902と試料904との間に置かれた第1の偏向フィルタ916及び試料904とカメラ914との間に置かれた第2の偏向フィルタ918を更に含む。第1の偏向フィルタ916は、-45度の偏向フィルタであってもよく、第2の偏向フィルタ918は、+45度の偏向フィルタであってもよい。偏向フィルタ916、918を有する効果は、密閉部分904を通して伝送されるとき、その極性が影響を及ぼされる光のみがカメラ914によって捕捉され得ることである。
【0052】
光制御デバイスは、画像データが散光位置における光制御デバイス及び高コントラスト位置における光制御デバイスで捕捉されることが可能であるようにも使用されてもよい。2つの異なる光設定で捕捉された画像データを有することは、異なる特徴がより正確に決定され得るという利点を有する。これは、異なる偏光、例えば高コントラスト及び散光を使用することを組み合わせることができる。直線偏光は、試料に対して0°、30°、45°、90°などのような異なる角度を有することができ、これは、異なる特徴が画像内で決定され得るという利点を有する。画像内の異なる特徴を検出することを可能にする利点も有する、円偏光を使用することも可能である。
【0053】
装置1000は、多数の異なる方法で具現化されてもよい。装置1000の実施形態の一例は、
図10に示されている。この実施形態では、密閉部分を通して伝送される光を捕捉するために提供されたカメラはなく、代わりにここではとりわけ照明デバイスを含む試料ホルダ1002及び拡大デバイス1004のみが提供されている。密閉部分の品質を評価するために、操作者、すなわち使用者は、拡大デバイス1004を通して密閉部分を見ることができる。カメラが提供される場合、拡大デバイス1004は、コンピュータの一部を形成することができる。
【0054】
図11a及び11bは、装置1000の別の実施形態を示す。
図10に示された装置1000の実施形態に即して、試料ホルダ1002及び拡大デバイス1004を提供することができる。しかし、
図10に示された実施形態に加えて、カメラホルダ1100を提供することができる。カメラホルダ1100を使用することにより、カメラを備えた携帯電話1102又はあらゆる他のカメラを具備したデバイスは、画像データが携帯電話1102のカメラを使用して捕捉され得るように置くことができる。
【0055】
密閉部分の品質を評価するために、異なる特徴が考慮されてもよい。
図12は、密閉部分1200の例を示す。この例では、密封境界線1202は、画像解析アルゴリズムを使用して決定される。これは、密閉部分に属さない、すなわち
図12の密封境界線1202の上に置かれたピクセルと、密閉部分に属する、すなわち
図12の密封境界線1202の下に置かれたピクセルにおけるピクセル値との間にピクセル値の差が存在することを利用することによって行われてもよい。更に、基準線1204が決定されてもよい。この例では、基準線1204は、リッジ圧入線、すなわち密封するステップで使用したシールジョーの一方又は両方の上に置かれたリッジによって形成された線に基づく。基準線1204としてリッジ圧入線を使用する代わりに、切断線、すなわちパッケージの端部が基準線として使用されてもよい。密封境界線1202及び基準線1204の両方を決定したとき、密閉部分評価領域1206が決定されてもよい。パッケージの幅の一部のみを覆うように示されているが、密閉部分1206は、パッケージの全幅を覆いてもよいことを理解するべきである。更に、密封境界線1202及び基準線1204として示された上密封境界線に基づいて密閉部分1206を決定する代わりに、密閉部分評価領域1206は、基準線1204の反対側に置かれた下密封境界線及び基準線1204に基づいてもよい。更なる選択肢は、上及び下密封境界線上の密閉部分評価領域1206を決定することである。この選択肢を使用する場合、基準線1204は、上及び下密封境界線を確実に同定するための指針として使用されてもよい。
【0056】
密閉部分評価領域1206を決定する代わりに又は密閉部分評価領域1206を決定することと組み合わせて、基準線1204と密閉部分境界線1202との間に1つ又は複数の距離測度が決定され得る。
【0057】
上に指摘したように、密閉部分の品質を評価するときに異なる特徴が考慮されてもよい。密閉部分領域1206は、これらの特徴の1つであり得る。異なる特徴が密閉部分評価特徴集合を形成してもよい。一般規則として、異なる態様を考慮する複数の特徴は、評価の信頼性を向上させるが、密閉部分評価特徴集合は、1つの特徴のみも同様に含んでもよい。
【0058】
密閉部分評価特徴集合の一部を形成し得る別の特徴は、境界線偏差測度である。
図13は、この測度が決定される密閉部分1300の例を示す。
図12に示されたように、密閉部分境界線1302及び基準線1304が決定されてもよい。境界線偏差測度を決定するために、理想的密閉部分境界線1306が使用されてもよい。理想的密閉部分境界線1306は、異なる方法で決定されてもよい。決定する1つの方法は、基準線1304を使用することである。基準線1304及び理論的モデルに基づいて、すなわち密閉部分境界線1302が理想的な状況でどのようなものであるべきかを決定することができる。
図13に示されたように、密閉部分の実際の境界線である密閉部分境界線1302及び理論的境界線、すなわち定点値である理想的密閉部分境界線1306は、数点で互いからずれる。一般規則として、2つのずれが多いほど、密封が不十分である可能性が高い。
【0059】
密閉部分評価特徴集合の一部を形成し得る一層別の特徴が
図14に例として示されている。この例では、密閉部分は、上密閉部分境界線1402、第1の基準線1404、第2の基準線1406及び下密閉部分境界線1408を含む。第1及び第2の基準線1404、1406は、第1及び第2のリッジ圧入線であってもよい。
【0060】
図14に示されたように、下密閉部分境界線1408は、周辺非密閉部分1410を含んでもよい。これらの周辺非密閉部分1410の深さが決定されてもよく、密閉部分評価特徴集合の特徴として使用されてもよい。一般規則として、周辺非密閉部分1410が深いほど、密封が不十分である可能性が高い。
【0061】
図15は、密閉部分1500の更に別の例を示す。
図14に示された例に即して、密閉部分1500は、上密閉部分境界線1502、第1の基準線1504、第2の基準線1506及び下密閉部分境界線1508を含む。しかし、
図14に示された例と異なり、
図15に示された例は、内部非密閉部分1510を含む。内部非密閉部分1510は、密封が十分ではないことを表すことがあるため、内部非密閉部分1510の領域が決定され、密閉部分評価特徴集合の一部を形成することができる。複数の内部非密閉部分1510が例として示されているが、単一の内部非密閉部分も同様に使用されてもよい。一般規則として、非密閉部分1510の領域が大きいほど、密封が不十分である可能性が高い。
【0062】
密閉部分評価特徴集合の一部を形成し得る更に別の特徴は、基準線偏差測度である。この特徴は、
図15に示された例で第1の基準線1504が使用されている基準線を理想的基準線1512と比較することによって決定されてもよい。理想的基準線1512は異なる方法で決定されてもよい。理想的基準線1512を決定するための1つの選択肢は、基準線1504を同定するとき、例えば回帰分析を使用することによって行った多数の観察に直線を合わせることによる。基準線1506が直線であるべきであるという仮定が正しいときの1つの状況は、基準線1504がリッジ圧入線を描写し、シールジョーのリッジが直線であるときである。一般規則として、2つのずれが多いほど、密封が不十分である可能性が高い。
【0063】
更に、密閉部分評価特徴集合は、入力密封エネルギーを含んでもよい。密封するステップ中にエネルギー入力の量を登録することにより、基準特徴集合は、例えば、密閉部分評価領域1206が密封中に使用したエネルギーに依存する場合、これが補償され得るように適合されてもよい。入力密封エネルギーは、不十分な密封が直接的な方法で達成されたかどうかを決定するためにも使用されてもよい。例えば、入力密封エネルギーが設定閾値より高い場合、これは、密封が正しく実行されなかったため、密閉部分が設定品質条件を満たさない危険性が高くなったことを示すことがある。
【0064】
基準線としてリッジ圧入線を使用する代わりに、切断線、すなわちパッケージの縁部が基準線として使用されてもよい。一層更なる選択肢は、基準線としてリッジ圧入線及び切断線の両方を使用することである。
【0065】
図16は、密閉部分414の品質評価のための方法のステップを示すフローチャートである。第1のステップ1602では、画像データを捕捉することができる。第2のステップ1604では、画像データ内において、基準線1204、1304、1404、1504が同定されてもよい。その後、密閉部分境界線1202、1302、1402、1502は、第3のステップ1606で同定されてもよい。基準線1204、1304、1404、1504及び密閉部分境界線1202、1302、1402、1502に基づいて、密閉部分評価特徴集合は、第4のステップ1608で決定することができる。第5のステップ1610では、密閉部分評価特徴集合は、基準特徴集合と比較することができる。許容差内で一致が見つかる場合、密閉部分は、設定条件を満たす、すなわち十分な密封が達成されたとみなすことができる。
【0066】
任意選択的に、第6のステップ1612では、基準線及び密閉部分境界線に基づいて密閉部分評価領域1206が決定され、密閉部分評価特徴集合の一部を形成してもよい。
【0067】
任意選択的に、第7のステップ1614では、境界線偏差測度は、密閉部分境界線1302を理想的密閉部分境界線1306と比較することによって決定され、密閉部分評価特徴集合の一部を形成することができる。
【0068】
任意選択的に、第8のステップ1616では、境界線偏差測度は、基準線1504を理想的基準線1512と比較することによって決定され、密閉部分評価特徴集合の一部を形成することができる。
【0069】
任意選択的に、第9のステップ1618では、周辺非密閉部分1410が同定され得、第10のステップ1620では、周辺非密閉部分1410の深さが決定され、密閉部分評価特徴集合の一部を形成することができる。
【0070】
任意選択的に、第11のステップ1622では、内部非密閉部分1510が同定され得、第12のステップ1624では、内部非密閉部分1510の領域が決定され、密閉部分評価特徴集合の一部を形成することができる。
【0071】
ステップは、特定の順番で提示されているが、これは、多くの可能性の一例とみなすべきである。
【0072】
上記から、本発明の様々な実施形態が記載され且つ示されているが、本発明は、それに限定されず、以下の特許請求の範囲に定義された主題の範囲内の他の方法で具現化されてもよい。