(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-12
(45)【発行日】2025-02-20
(54)【発明の名称】物流支援装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20240101AFI20250213BHJP
【FI】
G06Q10/083
(21)【出願番号】P 2022039596
(22)【出願日】2022-03-14
【審査請求日】2024-06-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年10月14日に以下のウェブサイトの掲載アドレスで公開した。・https://www.nipponexpress-holdings.com/ja/press/2021/20211014-1.html
(73)【特許権者】
【識別番号】591135440
【氏名又は名称】日本通運株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】田村 秀二
(72)【発明者】
【氏名】藏田 隆典
【審査官】田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-013816(JP,A)
【文献】特開2021-149241(JP,A)
【文献】特開2003-012156(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を輸送するための輸送情報を取得する輸送情報取得部と、
前記物品を輸送するための輸送に関する走行距離を記憶する走行距離記憶部と、
前記輸送情報及び前記輸送に関する走行距離に基づいて、前記物品を輸送するための輸送距離を算出する輸送距離算出部と、
前記輸送情報及び前記輸送距離に基づいて、前記物品を輸送するための複数の輸送モードのそれぞれにおけるCO
2排出量、前記物品の輸送に関する日程情報及び前記物品の輸送に関する料金情報を算出する環境関連情報算出部と、
前記複数の輸送モードのそれぞれにおける前記CO
2排出量、前記日程情報、前記料金情報、及び前記物品の輸送を担当する店舗情報を含む出力情報を生成し、一括して提示する情報提示部と、
を備える物流支援装置。
【請求項2】
前記情報提示部は、前記CO
2排出量の削減効果を示す報告書を生成し、生成した前記報告書を前記出力情報と共に提示する、請求項1に記載の物流支援装置。
【請求項3】
前記環境関連情報算出部は、前記輸送情報及び前記輸送に関する走行距離に基づいて、現状の輸送モードにおける前記CO
2排出量及び輸送モードの変更後における前記CO
2排出量を算出する、請求項1又は2に記載の物流支援装置。
【請求項4】
前記輸送情報取得部は、前記物品の輸送を依頼する顧客が新規顧客の場合、前記輸送情報を取得するためのCO
2排出量算出依頼フォームを前記顧客に提示し、前記CO
2排出量算出依頼フォームに入力された前記輸送情報を取得する、請求項1から3のいずれか一項に記載の物流支援装置。
【請求項5】
前記輸送情報取得部は、前記物品の輸送を依頼する顧客が既存顧客の場合、前記顧客の出荷データ及び/又は請求データに基づいて前記輸送情報を取得する、請求項1から4のいずれか一項に記載の物流支援装置。
【請求項6】
前記輸送情報は、少なくとも、発地住所、着地住所、発送日、総重量、総個数及び輸送モードを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の物流支援装置。
【請求項7】
前記報告書は、前記CO
2排出量の削減効果を示すと共に、前記CO
2排出量を記載した公的行政機関に提出する指定帳票を含む、請求項2に記載の物流支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の輸送において、CO2排出量等のような環境負荷を算出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のシミュレーション装置は、地図情報に重畳して輸送手段ごとの輸送経路及び輸送評価指標を並べて表示部に表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、現状では、単に環境負荷を把握するだけに留まっており、環境負荷を低減する効果は十分とは言えない。そこで、本発明は、物流輸送におけるCO2排出量の削減効果を可視化し、脱炭素効果の検証を支援することができる物流支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、物品を輸送するための輸送情報を取得する輸送情報取得部と、前記物品を輸送するための輸送に関する走行距離を記憶する走行距離記憶部と、前記輸送情報及び前記輸送に関する走行距離に基づいて、前記物品を輸送するための輸送距離を算出する輸送距離算出部と、前記輸送情報及び前記輸送距離に基づいて、前記物品を輸送するための複数の輸送モードのそれぞれにおけるCO2排出量、前記物品の輸送に関する日程情報及び前記物品の輸送に関する料金情報を算出する環境関連情報算出部と、前記複数の輸送モードのそれぞれにおける前記CO2排出量、前記日程情報、前記料金情報、及び前記物品の輸送を担当する店舗情報を含む出力情報を生成し、一括して提示する情報提示部と、を備える物流支援装置に関する。
【0006】
また、前記情報提示部は、前記CO2排出量の削減効果を示す報告書を生成し、生成した前記報告書を前記出力情報と共に提示することが好ましい。
【0007】
また、前記環境関連情報算出部は、前記輸送情報及び前記輸送に関する走行距離に基づいて、現状の輸送モードにおける前記CO2排出量及び輸送モードの変更後における前記CO2排出量を算出することが好ましい。
【0008】
また、前記輸送情報取得部は、前記物品の輸送を依頼する顧客が新規顧客の場合、前記輸送情報を取得するためのCO2排出量算出依頼フォームを前記顧客に提示し、前記CO2排出量算出依頼フォームに入力された前記輸送情報を取得することが好ましい。
【0009】
また、前記輸送情報取得部は、前記物品の輸送を依頼する顧客が既存顧客の場合、前記顧客の出荷データ及び/又は請求データに基づいて前記輸送情報を取得することが好ましい。
【0010】
また、前記輸送情報は、少なくとも、発地住所、着地住所、発送日、総重量、総個数及び輸送モードを含むことが好ましい。
【0011】
また、前記報告書は、前記CO2排出量の削減効果を示すと共に、前記CO2排出量を記載した公的行政機関に提出する指定帳票を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、物流輸送におけるCO2排出量の削減効果を可視化し、脱炭素効果の検証を支援することができる物流支援装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態に係る物流支援システムの実施形態の全体構成を示す模式図である。
【
図2】本実施形態に係る物流支援装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る端末装置の構成の一例を示す図である。
【
図4】CO
2排出量算出依頼フォームの一例を示す図である。
【
図7D】国土交通省に提出する物流効率化申請書(別紙)の例である。
【
図7E】資源エネルギー庁に提出する特定荷主定期報告書(付表3)の例である。
【
図8】本実施形態に係る物流支援装置による処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の物流支援システム1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る物流支援システム1の実施形態の全体構成を示す模式図である。
図1に示すように、物流支援システム1は、物流支援装置2と、端末装置3と、を備える。
【0015】
物流支援装置2は、物流輸送におけるCO2排出量の削減効果を可視化することを目的として設けられたコンピュータ装置である。物流支援装置2は、ネットワーク4を介して端末装置3と通信可能に構成される。物流支援装置2は、単一のコンピュータ装置によって構成されてもよく、複数のコンピュータ装置によって構成されてもよい。物流支援装置2は、例えば、物品を輸送する物流輸送事業者等によって管理される。
【0016】
端末装置3は、物流支援装置2にアクセスするためのコンピュータ装置である。端末装置3は、ネットワーク4を介して物流支援装置2と通信可能に構成される。端末装置3は、例えば、物流支援装置2にアクセスする物流輸送事業者、物流支援装置2によって提供されるサービスを利用する顧客(ユーザ)等によって操作される。
【0017】
図2は、本実施形態に係る物流支援装置2の機能的な構成を示すブロック図である。
図2に示すように、物流支援装置2は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、を備える。
【0018】
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0019】
プログラムは、予め記憶部22(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されると、インストールされてもよい。
【0020】
記憶部22は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)等の非一過性の記憶媒体を備える記憶装置、又はRAM(Random Access Memory)等により実現される。
【0021】
具体的には、記憶部22は、物品を輸送するための輸送に関する走行距離をデータベース化して、記憶した走行距離データベース(DB)221を備える。例えば、走行距離データベース(DB)221は、集配に関する走行距離として集配距離、及び幹線に関する走行距離として幹線距離を記憶する。
【0022】
集配距離は、輸送モード毎に各集配拠点の作業エリアが特定されており、各集配拠点郵便番号から作業エリア内のすべての郵便番号間の距離をデータベース化したものである。郵便番号間距離は、全国の道路地図に対応しており、1年毎に地図データが更新される道路地図データを使用して算出される実道路距離を使用する。
【0023】
幹線距離は、貸切輸送及び企業向け小口貨物輸送用として全国貨物自動車営業キロ程図を使用し、国内船舶用として国土交通省届出航路計画図を使用し、国内航空用として政府統計資料(国内定期航空路線)、鉄道輸送用として貨物営業キロ程表を使用する。
【0024】
また、記憶部22は、下記で説明するような輸送距離、出力情報、報告書等を算出又は生成するための各種情報を記憶する。
【0025】
通信部23は、ネットワークを介して外部機器と通信するための通信インターフェースである。
【0026】
また、制御部21は、輸送情報取得部211と、輸送距離算出部212と、環境関連情報算出部213と、情報提示部214と、を備える。
【0027】
輸送情報取得部211は、物品を輸送するための輸送情報を取得する。具体的には、輸送情報取得部211は、物品の輸送を依頼する顧客が新規顧客の場合、輸送情報を取得するためのCO2排出量算出依頼フォームを顧客に提示し、CO2排出量算出依頼フォームに入力された輸送情報を取得する。
【0028】
輸送距離算出部212は、輸送情報及び輸送に関する走行距離に基づいて、物品を輸送するための輸送距離を算出する。具体的には、環境関連情報算出部213は、輸送情報及び輸送に関する走行距離に基づいて、現状の輸送モードにおけるCO2排出量及び輸送モードの変更後におけるCO2排出量を算出する。
【0029】
また、輸送情報取得部211は、物品の輸送を依頼する顧客が既存顧客の場合、顧客の出荷データ及び/又は請求データに基づいて輸送情報を取得する。
輸送情報は、少なくとも、発地住所、着地住所、発送日、総重量、総個数及び輸送モードを含む。
【0030】
環境関連情報算出部213は、輸送情報及び輸送距離に基づいて、物品を輸送するための複数の輸送モードのそれぞれにおけるCO2排出量、物品の輸送に関する日程情報及び物品の輸送に関する料金情報を算出する。
【0031】
情報提示部214は、複数の輸送モードのそれぞれにおけるCO2排出量、日程情報、料金情報、及び物品の輸送を担当する店舗情報を含む出力情報を生成し、一括して提示する。更に、情報提示部214は、出力情報と共に、CO2排出量の削減効果を示す報告書を生成し、生成した報告書を出力情報と共に提示する。
【0032】
図3は、本実施形態に係る端末装置3の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、端末装置3は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、表示部34と、操作部35と、を備える。
【0033】
制御部31は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部又は全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部を含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0034】
記憶部32は、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、ROM等の非一過性の記憶媒体を備える記憶装置、又はRAM等により実現される。
【0035】
通信部33は、ネットワークを介して外部機器と通信するための通信インターフェースである。
表示部34は、画像を表示する装置である。表示部34は、例えば、LCDや有機EL等である。
【0036】
操作部35は、表示部34を操作するためのボタン等で構成される。また、表示部34及び操作部35は、これらの機能が一体に構成されたタッチパネルであってもよい。この場合、操作部35は、表示部34に表示されるGUIスイッチであってもよい。また、操作部35は、機械式のボタンであってもよい。
【0037】
図4は、CO
2排出量算出依頼フォーム5の一例を示す図である。上述したように、CO
2排出量算出依頼フォーム5は、輸送情報取得部211によって生成され、物流支援装置2にアクセスした端末装置3に提示される。端末装置3を操作するユーザは、CO
2排出量算出依頼フォーム5に各項目を入力することによって、輸送情報を入力し、輸送情報を物流支援装置2へ出力する。
【0038】
図4に示すように、CO
2排出量算出依頼フォーム5は、項目51~項目55を有する。
項目51は、詳細見積依頼番号を検索するためのテキストボックスである。端末装置3を操作する顧客が項目51に詳細見積依頼番号を入力した場合、物流支援装置2は、過去に入力された輸送情報を記憶部22から読み出し、CO
2排出量算出依頼フォーム5に自動的に入力する。
【0039】
項目52は、発地住所及び着地住所を入力するためのテキストボックスである。端末装置3を操作する顧客は、プルダウンから都道府県及び市区町村を選択することによって都道府県及び市区町村名を入力する。また、郵便番号を入力し、郵便番号検索をクリックすることによっても都道府県及び市区町村名を入力できる。補助住所は、任意の入力項目であり、住所検索をクリックし、補助住所画面から入力することができる。
【0040】
項目53は、総重量、総個数等を入力するためのテキストボックスである。端末装置3を操作する顧客は、貨物の総重量、総容量及び総個数を入力する。詳細サイズ入力では、寸法の入力及び最大で5種類までの貨物情報を入力できる。貨物の詳細を入力することによって、容量や寸法等を考慮した車両を選択することができる。
【0041】
項目54は、発送日、輸送モード等を入力するための選択項目である。端末装置3を操作する顧客は、品目、商品(輸送モードに相当)、集貨・配達日時指定(発送日に相当)及び表示順を選択することができる。
【0042】
詳細には、品目は、ドライ、冷蔵及び冷凍のうち1つを選択可能であり、危険物、貴重品、易損品、信書及び個人情報のうち、該当する項目を選択可能である。商品は、検索対象となる輸送モードを選択するプルダウンリストであり、すべて、航空、アロー(企業向け小口貨物輸送)、鉄道、内航(内航海運)貸切及びSea&Railを選択可能である。「すべて」を選択した場合、物流支援装置2は、全輸送モードにおける検索を実行する。
【0043】
日時指定は、集貨・配達の日時を指定する欄であり、集貨・配達条件を選択し、日付箇所をクリックした後に、カレンダーから日にちを選択可能である。時間条件は、AM又はPMのいずれかを選択可能である。表示順は、検索結果の表示順序の条件を示し、料金優先、リードタイム優先及びCO2排出量優先のいずれかを選択可能である。
【0044】
項目55は、検索を実行するためのボタンであり、端末装置3を操作する顧客は、項目55をクリックすることによって、CO2排出量算出依頼フォーム5に入力された輸送情報を物流支援装置2へ出力する。そして、物流支援装置2から出力情報及び報告書が端末装置3へ提示され、端末装置3の表示部34に表示される画面は、CO2排出量算出依頼フォーム5の画面から出力情報6の画面に遷移される。
【0045】
図5は、出力情報6の一例を示す図である。上述したように、出力情報6は、情報提示部214によって生成され、物流支援装置2にアクセスした端末装置3に提示される。
図5に示すように、出力情報6は、項目61~71を有する。
【0046】
項目61は、出発地(集荷場所)及び到着地(配達場所)を示し、CO2排出量算出依頼フォーム5において入力した集貨住所及び配達住所を示す。
項目62は、項目63~項目70で示される検索結果が、CO2排出量の少ない順(CO2排出量優先)、リードタイム順(リードタイム優先)又は料金の安い順(料金優先)のいずれの条件で示されているかを示す。
【0047】
項目63は、検索結果として示される各輸送サービス(希望商品)を選択するためのチェックボックスである。
項目64は、画面内遷移ボタンであり、当該ボタンをクリックすると、特定の輸送サービス(商品)の詳細情報へ画面遷移できる。
【0048】
項目65は、各輸送モードで検索された輸送モードの候補のサービス名を示す。
また、項目65には、円形状のアイコン内に「i」の文字が示されたインフォメーションアイコン及び三角形状のアイコン内に「!」の文字が示された注意アイコンが表示される。インフォメーションアイコンは、当該輸送モードに複数の輸送候補が存在することを示し、クリックすると、当該輸送モードの他の輸送候補を確認できる。注意アイコンは、当該輸送モードに固有の注意事項等が存在することを示し、クリックすると、別の注意喚起子画面に注意事項等が表示される、内容を確認できる。
【0049】
項目66は、各輸送モードで算出されたCO2排出量を示す。
項目67は、発送日時(集貨日時)を示し、項目68は、発送日時(配達日時)を示す。
項目69は、集貨料、配達料、輸送料及びその他割増料を加算した運賃を示す。
項目70は、集貨を担当する営業窓口店を示し、項目70に示されるリンクをクリックすると、店所情報紹介画面が別の子画面で表示され、営業窓口店の店所名、店所コード、電話番号等を確認することができる。
項目71は、端末装置3のユーザが顧客の場合、サービス提供者に対して問い合わせを作成及び送信するためのメッセージ画面へ遷移する。
【0050】
図6A及び
図6Bは、CO
2排出量試算結果の報告書の例を示す図であり、
図6Aは、新規顧客向けの報告書の一例を示し、
図6Bは、既存顧客向けの報告書の一例を示す。
図6Aに示すように、新規顧客向けのCO
2排出量試算結果報告書81は、現輸送モードのCO
2排出量、変更後輸送モードのCO
2排出量、CO
2排出量の削減効果及びCO
2排出量の削減率の値を、端末装置3を操作する顧客へ提示する。
【0051】
同様に、
図6Bに示すように、既存顧客向けのCO
2排出量試算結果報告書82は、現輸送モードのCO
2排出量、比較対象輸送モードのCO
2排出量、CO
2排出量に関する環境貢献効果及びCO
2排出量に関する環境貢献率の値を、端末装置3を操作する顧客へ提示する。
【0052】
【0053】
図7Aは、CO
2排出量の実績値と予測値とを比較し、年間排出CO
2量の削減効果を具体的に示す。
図7Bは、年間運賃及び年間排出CO
2量の現行輸送モードと変更後(ご提案)輸送モードとの年間の削減効果を示す。
図7Cは、発エリアごとの総運賃、総CO
2量及び平均輸送日数の削減効果を示す。このような詳細な報告書によって、顧客は、CO
2量の削減効果、運賃の削減効果等を明確に把握することができる。
【0054】
図7D及び
図7Eは、報告書のオプションとして追加される公的行政機関に提出する指定帳票にCO
2排出量を記載する例を示す図である。
図7Dは、事業者である顧客が、国土交通省に提出する物流効率化申請書(別紙)の例である。
図7Dに示すように、物流支援装置2は、算出された現行の輸送モード及び輸送モードの変更後におけるCO
2排出量を物流効率化申請書(別紙)に記載(すなわち、入力)する。
【0055】
図7Eは、事業者である顧客が、資源エネルギー庁に提出する特定荷主定期報告書(付表3)の例である。なお、
図7Eは、特定荷主定期報告書(付表3)の一部を抜粋したものである。物流支援装置2は、算出された現行の輸送モード及び輸送モードの変更後におけるCO
2排出量を
図7Eに示す特定荷主定期報告書(付表3)に記載する。このように報告書のオプションとして公的行政機関に提出する指定帳票にCO
2排出量を記載することによって、事業者である顧客の事務作業を軽減することができる。
【0056】
図8は、本実施形態に係る物流支援装置2による処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1において、輸送情報取得部211は、物品の輸送を依頼する顧客が新規顧客の場合、輸送情報を取得するためのCO
2排出量算出依頼フォームを顧客に提示し、CO
2排出量算出依頼フォームに入力された輸送情報を取得する。顧客が既存顧客の場合、顧客の出荷データ及び/又は請求データに基づいて輸送情報を取得する。
【0057】
ステップS2において、輸送距離算出部212は、輸送情報及び輸送に関する走行距離に基づいて、物品を輸送するための輸送距離を算出する。
【0058】
ステップS3において、環境関連情報算出部213は、輸送情報及び輸送距離に基づいて、物品を輸送するための複数の輸送モードのそれぞれにおけるCO2排出量、物品の輸送に関する日程情報及び物品の輸送に関する料金情報を算出する。
【0059】
ステップS4において、情報提示部214は、複数の輸送モードのそれぞれにおけるCO2排出量、日程情報、料金情報、及び物品の輸送を担当する店舗情報を含む出力情報を生成し、出力情報と共に、CO2排出量の削減効果を示す報告書を生成し、生成した報告書を出力情報と共に提示する。
【0060】
以上説明したように、本実施形態に係る物流支援装置2は、物品を輸送するための輸送情報を取得する輸送情報取得部211と、物品を輸送するための輸送に関する走行距離を記憶した走行距離データベース221と、輸送情報及び輸送に関する走行距離に基づいて、物品を輸送するための輸送距離を算出する輸送距離算出部212と、輸送情報及び輸送距離に基づいて、物品を輸送するための複数の輸送モードのそれぞれにおけるCO2排出量、物品の輸送に関する日程情報及び物品の輸送に関する料金情報を算出する環境関連情報算出部213と、複数の輸送モードのそれぞれにおけるCO2排出量、日程情報、料金情報、及び物品の輸送を担当する店舗情報を含む出力情報を生成し、一括して提示する情報提示部214と、を備える。
【0061】
このような構成によって、物流支援装置2は、CO2排出量等を含む出力情報を、端末装置3を操作するユーザ等に提示することによって、物流輸送におけるCO2排出量の削減効果を可視化し、脱炭素効果の検証を支援することができる。
【0062】
また、情報提示部214は、CO2排出量の削減効果を示す報告書を生成し、生成した報告書を出力情報と共に提示する。これにより、物流支援装置2は、出力情報と共に報告書を提示することによって、ユーザは、CO2排出量の削減効果をより明確に認識することができ、詳細な脱炭素効果の検証を行うことができる。
【0063】
また、環境関連情報算出部213は、輸送情報及び輸送に関する走行距離に基づいて、現状の輸送モードにおけるCO2排出量及び輸送モードの変更後におけるCO2排出量を算出する。このような構成によって、物流支援装置2は、変更前と変更後のCO2排出量を算出し、変更前と変更後のCO2排出量を比較することができるため、ユーザは、CO2排出量の削減効果をより明確に認識することができ、詳細な脱炭素効果の検証を行うことができる。
【0064】
また、輸送情報取得部211は、物品の輸送を依頼する顧客が新規顧客の場合、輸送情報を取得するためのCO2排出量算出依頼フォームを顧客に提示し、CO2排出量算出依頼フォームに入力された輸送情報を取得する。これにより、新規顧客は、CO2排出量等を算出するための必要となる輸送情報を適切に入力することができる。
【0065】
また、輸送情報取得部211は、物品の輸送を依頼する顧客が既存顧客の場合、顧客の出荷データ及び/又は請求データに基づいて輸送情報を取得する。これにより、既存顧客は、CO2排出量等を算出するための必要となる輸送情報を、過去の出荷データや、請求データ等から入力することができる。
【0066】
また、輸送情報は、少なくとも、発地住所、着地住所、発送日、総重量、総個数及び輸送モードを含む。これにより、物流支援装置2は、適切なデータを用いてより正確なCO2排出量等を算出し、ユーザに提示することができる。
【0067】
また、報告書は、前記CO2排出量の削減効果を示すと共に、前記CO2排出量を記載した公的行政機関に提出する指定帳票を含む。これにより、物流支援装置2は、ユーザによる指定帳票への入力の手間を削減することができる。
【0068】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0069】
1 物流支援システム
2 物流支援装置
3 端末装置
4 ネットワーク
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
34 表示部
35 操作部
211 輸送情報取得部
212 輸送距離算出部
213 環境関連情報算出部
214 情報提示部
221 走行距離データベース