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▶ 矢崎総業株式会社の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-12
(45)【発行日】2025-02-20
(54)【発明の名称】電気接続箱
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/16 20060101AFI20250213BHJP
   H02G 3/14 20060101ALI20250213BHJP
   B60R 16/02 20060101ALN20250213BHJP
【FI】
H02G3/16
H02G3/14
B60R16/02 610B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022187139
(22)【出願日】2022-11-24
(65)【公開番号】P2024075891
(43)【公開日】2024-06-05
【審査請求日】2024-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】清田 浩孝
(72)【発明者】
【氏名】小野田 健
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-90296(JP,A)
【文献】特開2021-90295(JP,A)
【文献】特開2017-28767(JP,A)
【文献】特開2019-68635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/16
H02G 3/14
B60R 16/02
H01R 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品と、
前記電子部品を外部電源に電気接続させる内部導電部材と、
前記電子部品及び前記内部導電部材を保持するブロックと、
前記ブロックを筒内に収容し且つ保持する両端開口の筒壁から成る筒部を有し、前記筒部における一方の前記開口が鉛直上方に向けられて設置されるフレームと、
前記筒部における一方の前記開口の周縁の第1開口周縁部に嵌合させ且つ当該筒部の一方の前記開口を塞ぐ第1カバー部材と、
前記筒部における他方の前記開口の周縁の第2開口周縁部に嵌合させ且つ当該筒部の他方の前記開口を塞ぐ第2カバー部材と、
前記筒部の筒外で前記フレームの外に配置され、前記外部電源と外部負荷との間に介在させる回路分岐部品と、
を備え、
前記内部導電部材は、前記筒部の筒内で前記電子部品に対して物理的且つ電気的に接続させる第1電気接続部と、第2電気接続部と、を有し、
前記回路分岐部品は、前記筒部の筒外で前記フレームの外に配置され、前記外部電源に電気接続された電源側電線の端末の電源側端子金具と前記内部導電部材の前記第2電気接続部を物理的且つ電気的に接続させる電源接続部と、前記外部負荷に電気接続された負荷側電線を電気的に接続させる負荷接続部と、を有し、
前記筒部の前記筒壁は、自身の筒内と筒外とを連通させ、かつ、前記内部導電部材の前記第2電気接続部を前記筒部の筒外で前記フレームの外に突出させる切欠きを有し、
前記ブロックは、前記切欠きから前記筒部の筒外に突出させる突出ブロック部と、前記切欠きを塞ぐ切欠き閉塞部と、を有し、
前記筒部の筒外で前記フレームの外には、前記突出ブロック部に保持させ、かつ、前記電源側電線の端末の電源側端子金具と前記内部導電部材の前記第2電気接続部と前記回路分岐部品の前記電源接続部とを前記突出ブロック部における前記第1開口周縁部側の端面から突出させた位置で物理的且つ電気的に接続させる電源側電気接続構造を設け、
前記筒部の前記筒壁における前記切欠きの前記第1開口周縁部側の周縁部と前記切欠き閉塞部における前記第1開口周縁部側の端部との間にできる間隙は、前記筒部の筒軸方向で前記突出ブロック部の前記端面よりも前記第2開口周縁部側に設けることを特徴とした電気接続箱。
【請求項2】
前記ブロックは、前記筒部の筒内で前記切欠きの前記周縁部に対向配置させた壁面であり、前記第1開口周縁部側に延在させて前記間隙からの沿面距離を延ばす対向壁面を有することを特徴とした請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記ブロックは、前記第1開口周縁部側から差し込まれた前記電子部品が載せ置かれる設置面を前記間隙よりも前記第1開口周縁部側に設けることを特徴とした請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項4】
前記フレームは、前記筒部の前記筒壁から前記筒部の筒外で前記フレームの外に向けて膨出させた形の両端開口の筒状の部位であり、前記切欠きを介して前記筒部の筒内に連通させた筒内に前記突出ブロック部と前記電源側電気接続構造を配置する副筒部を有し、
前記副筒部における前記第1開口周縁部側の一方の開口は、前記間隙よりも前記第1開口周縁部側に設けることを特徴とした請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項5】
前記第2カバー部材は、前記副筒部における前記第2開口周縁部側の他方の開口を塞ぐ閉塞部を有することを特徴とした請求項4に記載の電気接続箱。
【請求項6】
前記第1カバー部材は、前記筒部の一方の前記開口に対向配置させるカバー主体と、前記第1開口周縁部を前記筒部の筒外から覆う環状の外周壁体と、前記カバー主体と前記外周壁体の間の隙間を塞ぐ閉塞壁体と、前記外周壁体の内方で当該外周壁体に間隔を空けて配置され、前記第1開口周縁部に嵌合させる環状の内周壁体と、前記間隙と前記電源側電気接続構造とを前記筒部の前記筒壁との間で覆い隠す位置まで前記外周壁体から突出させる防水カバー壁体と、を有することを特徴とした請求項1,2,3,4又は5に記載の電気接続箱。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
電気接続箱においては、外部の電源と負荷との間に介在させるリレー等の電子部品が筐体に収容されている。この電気接続箱においては、その電子部品に対して電気的に接続された電線を筐体の中で引き回し、この電線を筐体の外に引き出して電源や負荷に電気的に接続させる。例えば、この従来の電気接続箱については、下記の特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-93888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の車両においては、軽量化対応で電線の芯線の素材を変更するために電線径を太くしたり、大電流対応で電線径を太くしたりするなど、折り曲げ難い電線の採用が増えている。このため、電気接続箱においては、筐体の中の狭い空間での電線の引き回しが難しく、筐体内でその電線から周辺に過荷重が加えられてしまう可能性がある。電気接続箱においては、例えば、そのような電線と当該電線に繋がる部品とを筐体の外に配置することによって、その電線による筐体内での過荷重を抑えることができる。一方、この電気接続箱においては、その筐体の外の部品と筐体の中の部品とを導電部材で電気的に接続させる必要がある。よって、この電気接続箱においては、その導電部材を内外に亘って配置させるための挿通路(切欠きや貫通孔等)を筐体に設けなければならず、その挿通路から筐体内への水の浸入を如何にして抑えるのかが次なる問題となる。
【0005】
そこで、本発明は、筐体内での過荷重を抑えつつ防水性を確保し得る電気接続箱を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電子部品と、前記電子部品を外部電源に電気接続させる内部導電部材と、前記電子部品及び前記内部導電部材を保持するブロックと、前記ブロックを筒内に収容し且つ保持する両端開口の筒壁から成る筒部を有し、前記筒部における一方の前記開口が鉛直上方に向けられて設置されるフレームと、前記筒部における一方の前記開口の周縁の第1開口周縁部に嵌合させ且つ当該筒部の一方の前記開口を塞ぐ第1カバー部材と、前記筒部における他方の前記開口の周縁の第2開口周縁部に嵌合させ且つ当該筒部の他方の前記開口を塞ぐ第2カバー部材と、前記筒部の筒外で前記フレームの外に配置され、前記外部電源と外部負荷との間に介在させる回路分岐部品と、を備え、前記内部導電部材は、前記筒部の筒内で前記電子部品に対して物理的且つ電気的に接続させる第1電気接続部と、第2電気接続部と、を有し、前記回路分岐部品は、前記筒部の筒外で前記フレームの外に配置され、前記外部電源に電気接続された電源側電線の端末の電源側端子金具と前記内部導電部材の前記第2電気接続部を物理的且つ電気的に接続させる電源接続部と、前記外部負荷に電気接続された負荷側電線を電気的に接続させる負荷接続部と、を有し、前記筒部の前記筒壁は、自身の筒内と筒外とを連通させ、かつ、前記内部導電部材の前記第2電気接続部を前記筒部の筒外で前記フレームの外に突出させる切欠きを有し、前記ブロックは、前記切欠きから前記筒部の筒外に突出させる突出ブロック部と、前記切欠きを塞ぐ切欠き閉塞部と、を有し、前記筒部の筒外で前記フレームの外には、前記突出ブロック部に保持させ、かつ、前記電源側電線の端末の電源側端子金具と前記内部導電部材の前記第2電気接続部と前記回路分岐部品の前記電源接続部とを前記突出ブロック部における前記第1開口周縁部側の端面から突出させた位置で物理的且つ電気的に接続させる電源側電気接続構造を設け、前記筒部の前記筒壁における前記切欠きの前記第1開口周縁部側の周縁部と前記切欠き閉塞部における前記第1開口周縁部側の端部との間にできる間隙は、前記筒部の筒軸方向で前記突出ブロック部の前記端面よりも前記第2開口周縁部側に設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る電気接続箱は、回路分岐部品を筒部の筒外でフレームの外に配置することによって、その回路分岐部品に繋がった電線による筐体内での過荷重を抑えることができる。そして、この電気接続箱においては、電源側電気接続構造よりも第2開口周縁部側に間隙が存在しているので、その電源側電気接続構造に当たって跳ね返るなどした水を間隙に向かわせずに、例えば、筒壁の外壁面に向かわせることができ、その水を鉛直下方に落とすことができる。従って、本発明に係る電気接続箱は、筐体内での過荷重を抑えつつ防水性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態の電気接続箱を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態の電気接続箱をフレームの側方から見た平面図である。
図3図3は、実施形態の電気接続箱(第1カバー部材無し)をフレームの一方の開口側から見た平面図である。
図4図4は、図2のX-X線断面図である。
図5図5は、図2のY1-Y1線断面図である。
図6図6は、実施形態の電気接続箱(第1カバー部材と第2カバー部材無し)を示す分解斜視図である。
図7図7は、実施形態の電気接続箱におけるフレームと第1カバー部材の分解斜視図である。
図8図8は、ブロックと、これに収容される内部導電部材及び雄螺子部材と、を示す分解斜視図である。
図9図9は、実施形態の電気接続箱(第1カバー部材無し)におけるフレームと第2カバー部材の分解斜視図である。
図10図10は、第1カバー部材を示す斜視図である。
図11図11は、負荷側電気接続構造について説明する分解斜視図である。
図12図12は、回路保護部材を示す斜視図である。
図13図13は、フレームを示す斜視図である。
図14図14は、ブロックにおける電子部品の設置面と間隙との位置関係について説明する断面図である。
図15図15は、図2のY2-Y2線断面の部分拡大図である。
図16図16は、第1分割カバーを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係る電気接続箱の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
[実施形態]
本発明に係る電気接続箱の実施形態の1つを図1から図16に基づいて説明する。
【0011】
図1から図7の符号1は、本実施形態の電気接続箱を示す。この電気接続箱1は、自動車等の車両に搭載され、その車両における二次電池等の外部電源Bと電源分配対象物(例えば、給電対象となる補記類等)等の外部負荷Lとの間に介在させることによって、その外部電源Bの電力を外部負荷Lに供給する(図1)。
【0012】
電気接続箱1は、リレーやヒューズ等の電子部品10を備え(図2)、この電子部品10を外部電源Bと外部負荷Lとの間に介在させる。更に、この電気接続箱1は、外部電源Bと外部負荷Lとの間に介在させる回路分岐部品20を備える(図1から図7)。この回路分岐部品20は、外部電源Bからの電力を複数の外部負荷Lへと分配させるための部品である。電気接続箱1は、電子部品10を複数備える一方、回路分岐部品20を少なくとも1つ備える。
【0013】
この電気接続箱1は、電子部品10を保持するブロック30と、このブロック30を筒内に収容し且つ保持する両端開口(開口41a,41b)の筒壁41cから成る筒部41を有するフレーム40と、を備える(図1から図9)。そして、この電気接続箱1は、その筒部41における一方の開口41aの周縁の周縁部(以下、「第1開口周縁部」という。)41dに嵌合させ且つ当該筒部41の一方の開口41aを塞ぐカバー部材(以下、「第1カバー部材」という。)51と、その筒部41における他方の開口41bの周縁の周縁部(以下、「第2開口周縁部」という。)41eに嵌合させ且つ当該筒部41の他方の開口41bを塞ぐカバー部材(以下、「第2カバー部材」という。)52と、を備える(図1図2図5図7図9及び図10)。そのブロック30とフレーム40と第1カバー部材51と第2カバー部材52は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。
【0014】
この電気接続箱1においては、フレーム40と第1カバー部材51と第2カバー部材52とで筐体が構成され、この筐体の中で電子部品10に電気的に接続された電線(図示略)がその中を引き回されて筐体の外に開口から引き出される。
【0015】
フレーム40においては、他方の開口41bから筒部41の筒内にブロック30が挿入される。このフレーム40は、1つの筒部41で構成されている場合、その外枠を成す外壁の全てが筒部41の筒壁41cで形成される。また、フレーム40は、一方の開口41aの開口方向をそれぞれに合わせ且つ他方の開口41bの開口方向をそれぞれに合わせた複数の筒部41の組み合わせで構成されている場合、その外枠を成す外壁が複数の筒部41における筒壁41cの一部の組み合わせで形成される。つまり、フレーム40の外枠を成す外壁は、その全て又は一部が筒部41の筒壁41cで形成されている。
【0016】
このフレーム40は、筒部41における一方の開口41aを鉛直上方に向けて設置される。ここで示すフレーム40は、2つの筒部41を組み合わせたものとなっており、一方の開口41aを車両上方に向けて車両に搭載される。ここで示す第1カバー部材51は、その筒部41毎に設ける。また、ここで示す第2カバー部材52は、相互間で組み付けられる第1分割カバー52Aと第2分割カバー52Bに分割されており、この第1分割カバー52Aと第2分割カバー52Bとを組み付けた形で2つの筒部41におけるそれぞれの他方の開口41bを塞ぐ(図1図2図7及び図9)。
【0017】
この電気接続箱1は、電子部品10を外部電源Bに電気接続させ、かつ、この電子部品10と一緒にブロック30に保持される内部導電部材60を備える(図6及び図8)。この内部導電部材60は、筒部41の筒内で電子部品10に対して物理的且つ電気的に接続させる第1電気接続部61を有する(図8)。この第1電気接続部61は、電子部品10毎に設けられている。また、この内部導電部材60は、外部電源Bに電気接続させる第2電気接続部62を有する(図6及び図8)。この内部導電部材60においては、複数の第1電気接続部61と第2電気接続部62とが連結部63で繋がれている(図8)。この内部導電部材60は、その連結部63を筒部41の筒外まで延在させ、その延在させた先のフレーム40の外で連結部63に第2電気接続部62が連結された形状を採っている。つまり、第2電気接続部62は、筒部41の筒外でフレーム40の外に配置される。
【0018】
この内部導電部材60は、所謂バスバであり、例えば、金属板を母材にして板状に成形される。ブロック30は、筒部41の筒内で電子部品10と内部導電部材60を保持するブロック本体31を有している(図1及び図4から図9)。
【0019】
回路分岐部品20は、筒部41の筒外でフレーム40の外に配置される。そして、この回路分岐部品20は、外部電源Bと外部負荷Lとの間に介在させる導電性の回路分岐部材21を備える(図4図6図11及び図12)。
【0020】
ここで、この回路分岐部品20は、後述する電源接続部22と負荷接続部23を少なくとも有するものである。そして、この回路分岐部品20は、電源接続部22と複数の負荷接続部23とを電気的に繋ぐ後述する連結部25を有している。但し、ここで示す回路分岐部品20は、電源接続部22と負荷接続部23に加えて、外部電源Bと外部負荷Lとの間の過電流を遮断するための後述する可溶部24を有しており、これに伴い後述する連結部25を有している。つまり、ここでは、回路分岐部品20の一例として、外部電源Bと外部負荷Lとの間の過電流を遮断するための回路保護部品を挙げている。よって、ここで示す回路分岐部品(回路保護部品)20は、回路分岐部材21として、外部電源Bと外部負荷Lとの間に介在させる導電性の回路保護部材を備えている。
【0021】
この回路分岐部材(回路保護部材)21は、筒部41の筒外でフレーム40の外に配置され、外部電源Bに電気接続された電源側電線WBの端末の電源側端子金具Tと内部導電部材60の第2電気接続部62を物理的且つ電気的に接続させる電源接続部22を有する(図2から図6図11及び図12)。
【0022】
また、回路分岐部材(回路保護部材)21は、筒部41の筒外でフレーム40の外に配置され、外部負荷Lに電気接続された負荷側電線WLを電気的に接続させる負荷接続部23と、電源接続部22と負荷接続部23との間に介在させ、過電流が流れた際に溶断させる可溶部24と、を有する(図11及び図12)。この回路分岐部材(回路保護部材)21においては、その負荷接続部23と可溶部24が外部負荷L毎に設けられている。そして、この回路分岐部材(回路保護部材)21は、電源接続部22と可溶部24とを連結させる連結部25を有する(図12)。この連結部25には、電源接続部22と外部負荷L毎の可溶部24とが連結される。
【0023】
この回路分岐部材(回路保護部材)21は、所謂バスバであり、例えば、金属板を母材にして板状に成形される。この回路分岐部品(回路保護部品)20においては、電源接続部22と負荷接続部23と可溶部24とを露出させた状態で回路分岐部材(回路保護部材)21に対して合成樹脂材料で樹脂部26が一体成形される(図6及び図11)。そして、この回路分岐部品(回路保護部品)20においては、露出している可溶部24を覆い隠す合成樹脂材料から成る透明の樹脂カバー27が樹脂部26に対して組み付けられる(図6及び図11)。
【0024】
この回路分岐部品(回路保護部品)20は、筒部41の筒軸方向で負荷接続部23よりも第1開口周縁部41d側に電源接続部22が配置されている(図6及び図11)。
【0025】
電気接続箱1は、電源側電線WBの端末の電源側端子金具TBと内部導電部材60の第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の電源接続部22とを相互間で物理的且つ電気的に接続させる電源側電気接続構造70を備える(図3から図6及び図8)。この電源側電気接続構造70は、筒部41の筒外でフレーム40の外に配置される。よって、この電源側電気接続構造70は、フレーム40の外で電源側電線WBの端末の電源側端子金具TBと内部導電部材60の第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の電源接続部22とを物理的且つ電気的に接続させる。
【0026】
ここで示す電源側電気接続構造70は、雄螺子部材71と、雄螺子部を露出させた状態で雄螺子部材71を保持する螺子保持部材72と、雄螺子部材71の雄螺子部に螺合させる雌螺子部材73と、を備える(図4図6及び図8)。この電源側電気接続構造70は、電源側端子金具TBと内部導電部材60の第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の電源接続部22とに各々設けた貫通孔TBa,62a,22aに雄螺子部材71の雄螺子部を挿通させ、その雄螺子部に雌螺子部材73を螺合させることによって、その電源側端子金具TBと内部導電部材60の第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の電源接続部22とを共締め固定する(図6及び図8)。
【0027】
ここで、この電源側電気接続構造70においては、雄螺子部の螺子軸を鉛直方向(つまり、車両上下方向)に合わせ、かつ、この雄螺子部を鉛直上方(つまり、車両上方)に向けて螺子保持部材72から突出させた形で雄螺子部材71を配置する。
【0028】
また、電気接続箱1は、負荷側電線WLと回路分岐部材(回路保護部材)21の負荷接続部23とを相互間で電気的に接続させる負荷側電気接続構造75を備える(図2図6及び図11)。負荷側電線WLの端末には、負荷側端子金具TLが取り付けられている(図2及び図11)。よって、負荷側電気接続構造75は、その負荷側端子金具TLと回路分岐部材(回路保護部材)21の負荷接続部23とを相互間で物理的且つ電気的に接続させるものとする。
【0029】
ここで示す負荷側電気接続構造75は、雄螺子部材76と、この雄螺子部材76の雄螺子部に螺合させる雌螺子部材77と、を備える(図11)。雄螺子部材76には、回路分岐部材(回路保護部材)21の負荷接続部23の貫通孔23a(図12)に雄螺子部材76の雄螺子部を挿通させ、かつ、その雄螺子部を露出させた状態で、樹脂部26が一体成形されている。この負荷側電気接続構造75は、負荷側端子金具TLに設けた貫通孔TLaに雄螺子部材76の雄螺子部を挿通させ、その雄螺子部に雌螺子部材77を螺合させることによって、その負荷側端子金具TLと回路分岐部材(回路保護部材)21の負荷接続部23とを共締め固定する(図11)。
【0030】
ここで、この負荷側電気接続構造75においては、雄螺子部を筒部41の筒壁41c側とは逆側に向けて突出させた形で雄螺子部材76を配置する。この例示では、雄螺子部の螺子軸を鉛直方向(つまり、車両上下方向)に対する直交方向に合わせ、かつ、この雄螺子部を筒部41の筒壁41c側とは逆側に向けて突出させた形で雄螺子部材76を配置している。
【0031】
具体的に、回路分岐部品(回路保護部品)20は、フレーム40の外で次のように配置される。
【0032】
フレーム40は、その外枠を成す外壁を筒部41の筒内側に凹ませて、回路分岐部品(回路保護部品)20を配置させる凹部42を有する(図2図3図5図6及び図13)。この凹部42は、回路分岐部品(回路保護部品)20の体格と同等以上の容積を有し、かつ、この回路分岐部品(回路保護部品)20を食み出させずに収め得るものとして形成することが望ましい。例えば、筒部41の筒壁41cは、筒外で回路分岐部品(回路保護部品)20に対向配置させる対向壁体41fを有している。凹部42は、この対向壁体41fを筒内側に凹ませて形成されている。
【0033】
また、フレーム40は、筒部41の筒外でフレーム40の外に副筒部43を有する(図1から図6図9及び図13)。この副筒部43は、筒部41の筒壁41cから筒部41の筒外でフレーム40の外に向けて膨出させた形の両端開口(開口43a,43b)の筒状の部位である。この副筒部43においては、一方の開口43aが筒部41の一方の開口41a側(つまり、第1開口周縁部41d側)に配置され、他方の開口43bが筒部41の他方の開口41b側(つまり、第2開口周縁部41e側)に配置される。ここでは、対向壁体41fから筒部41の筒外でフレーム40の外に向けて膨出させた形の両端開口(開口43a,43b)の副筒部43が形成されている。この副筒部43は、フレーム40の凹部42の中に設けられている。
【0034】
また、筒部41の筒壁41cは、自身の筒内と筒外とを連通させ、かつ、内部導電部材60の第2電気接続部62を筒部41の筒外でフレーム40の外に突出させる切欠き44を有している(図4図6及び図13)。この切欠き44は、筒部41の筒軸方向で第2開口周縁部41eから第1開口周縁部41dに向けて筒壁41cを切り欠いたものである。ここでは、対向壁体41fに切欠き44が形成されている。フレーム40の外では、この切欠き44を介してフレーム40の外に突出させた第2電気接続部62の貫通孔62aに、電源側電気接続構造70にて螺子保持部材72から突出させた雄螺子部材71の雄螺子部を挿通させる。
【0035】
また、ブロック30は、その切欠き44から筒部41の筒外に突出させる突出ブロック部32を有する(図4図6及び図8)。この突出ブロック部32には、螺子保持部材72が組み付けられ、これにより電源側電気接続構造70が保持される。
【0036】
電源側電気接続構造70は、この突出ブロック部32における第1開口周縁部41d側の端面32aから突出させた位置で、電源側端子金具TBと内部導電部材60の第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の電源接続部22とを物理的且つ電気的に接続させる(図4図6及び図8)。ここでは、雄螺子部材71の雄螺子部を突出ブロック部32の端面32aから鉛直上方(車両上方)に突出させている。電源側端子金具TBと第2電気接続部62と電源接続部22は、その端面32aよりも第1開口周縁部41d側でそれぞれの貫通孔TBa,62a,22aに雄螺子部を挿通させ、この雄螺子部に雌螺子部材73を螺合させることによって物理的且つ電気的に接続させる。
【0037】
この電気接続箱1においては、内部導電部材60をブロック本体31に保持させ且つ電源側電気接続構造70を突出ブロック部32に保持させた状態で、内部導電部材60の第2電気接続部62の貫通孔62aに電源側電気接続構造70の雄螺子部材71の雄螺子部を挿通させている。この電気接続箱1においては、内部導電部材60が保持されたブロック本体31を他方の開口41bから筒部41の筒内に挿入することによって、突出ブロック部32が電源側電気接続構造70及び内部導電部材60の第2電気接続部62と一緒に筒部41の筒外でフレーム40の外に配置される。その挿入の際、ブロック30は、内部導電部材60と一緒に切欠き44に差し込まれる。つまり、ブロック30においては、筒部41への組付け完了位置で切欠き44に配置される部位が存在している。ここでは、その部位が組付け完了位置で切欠き44を塞ぐ閉塞部(以下、「切欠き閉塞部」という。)33として利用される(図4)。
【0038】
ここで、ブロック30と筒部41の組付け完了位置では、筒部41の筒壁41cにおける切欠き44の周縁部と切欠き閉塞部33との間に、その組付けを可能にし且つ組付け作業性を高めるための間隙Gが形成されてしまう(図4)。この電気接続箱1においては、突出ブロック部32の端面32aよりも第1開口周縁部41d側で水が電源側電気接続構造70に当たって跳ね返るなどした際に、その水を切欠き44と切欠き閉塞部33の間隙Gから筒部41の筒内に浸入させないようにする。
【0039】
その間隙Gにおいては、筒部41の筒軸方向にて、筒壁41cにおける切欠き44の第1開口周縁部41d側の周縁部41cと切欠き閉塞部33における第1開口周縁部41d側の端部33aとの間に間隙gができる(図4)。ここでは、その間隙Gの一部としての間隙gと突出ブロック部32の端面32aとの位置関係を次のように設定して、間隙Gから筒部41の筒内への水の浸入を抑止する。その間隙gは、筒部41の筒軸方向で突出ブロック部32の端面32aよりも第2開口周縁部41e側に設ける。換言するならば、ここでは、その筒壁41cの周縁部41cにおける第2開口周縁部41e側の端面を筒部41の筒軸方向で組付け完了位置の突出ブロック部32の端面32aよりも第2開口周縁部41e側に設けることによって、その間隙gを筒部41の筒軸方向で突出ブロック部32の端面32aよりも第2開口周縁部41e側に形成させる。これにより、この電気接続箱1においては、電源側電気接続構造70に当たって跳ね返るなどした水を間隙gに向かわせずに、例えば、筒壁41c(対向壁体41f)の外壁面に向かわせることができ、その水を間隙Gから筒部41の筒内へと浸入させずに鉛直下方(車両下方)に落とすことができる。
【0040】
また、ブロック30は、筒部41の筒内で切欠き44の周縁部41cに対向配置させた壁面であり、第1開口周縁部41d側に延在させて間隙gからの沿面距離を延ばす対向壁面34を有していることが望ましい(図4)。これにより、この電気接続箱1においては、その間隙gに染み入るなどして水が入り込んでしまったとしても、その水の筒部41の筒内への浸入を対向壁面34によって抑止することができる。
【0041】
また、ブロック30は、ブロック本体31にて、第1開口周縁部41d側から差し込まれた電子部品10が載せ置かれる設置面31aを間隙gよりも第1開口周縁部41d側に設けることが望ましい(図14)。この電気接続箱1においては、その設置面31aの配置を採用することによって、例えば、上記の対向壁面34を設けておらず、間隙gに染み入るなどして水が筒部41の筒内に入り込んでしまったとしても、その水を設置面31aに伝えずに鉛直下方(車両下方)に落とすことができる。これにより、この電気接続箱1においては、その設置面31aに位置している電子部品10の端子金具等に水を伝えずとも済む。尚、本図の例示では、その設置面31aの配置と対向壁面34を併用している。
【0042】
ところで、先に示した副筒部43は、その筒内が切欠き44を介して筒部41の筒内に連通している。そして、この副筒部43の筒内には、突出ブロック部32と電源側電気接続構造70が配置される。このため、ここでは、この副筒部43を利用して、水が間隙Gに向かい難くなるようにする。よって、副筒部43における第1開口周縁部41d側の一方の開口43aは、間隙gよりも第1開口周縁部41d側に設けることが望ましい(図4)。これにより、この電気接続箱1においては、副筒部43の一方の開口43aから間隙Gに水が向かい難くなるので、間隙Gから筒部41の筒内への水の浸入を抑止することができる。
【0043】
この電気接続箱1においては、内部導電部材60が保持されたブロック本体31を他方の開口41bから筒部41の筒内に挿入し、かつ、電源側電気接続構造70が保持された突出ブロック部32を内部導電部材60の第2電気接続部62と共に第2開口周縁部41e側の他方の開口43bから副筒部43の筒内に挿入する。この電気接続箱1においては、雄螺子部材71の雄螺子部を副筒部43の一方の開口43aから鉛直上方(車両上方)に抜け出させた状態で、副筒部43の筒内に突出ブロック部32と電源側電気接続構造70と内部導電部材60の第2電気接続部62を収容させる(図4)。
【0044】
この電気接続箱1においては、その雄螺子部材71の雄螺子部を貫通孔22aに差し込んで回路分岐部材(回路保護部材)21の電源接続部22を電源側電気接続構造70に組み付け、更に、この雄螺子部材71の雄螺子部を貫通孔TBaに差し込んで電源側端子金具TBを電源側電気接続構造70に組み付ける。そして、この電気接続箱1においては、その雄螺子部材71の雄螺子部に雌螺子部材73を螺合して、電源側端子金具TBと内部導電部材60の第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の電源接続部22とを共締め固定する。この電気接続箱1においては、電源側端子金具TBと回路分岐部品(回路保護部品)20が電源側電気接続構造70を介してブロック30に組み付けられる。
【0045】
副筒部43の一方の開口43aは、電源側端子金具TB、内部導電部材60の第2電気接続部62、回路分岐部材(回路保護部材)21の電源接続部22及び電源側電気接続構造70と一緒に、フレーム40に組み付けた第1カバー部材51で覆われて、この第1カバー部材51の中に収められる。また、この第1カバー部材51は、フレーム40の凹部42を覆っており、この凹部42の中の回路分岐部品(回路保護部品)20を凹部42との間の空間内に収める。
【0046】
具体的に、第1カバー部材51は、筒部41の一方の開口41aに対向配置させるカバー主体51aと、第1開口周縁部41dを筒部41の筒外から覆う環状の外周壁体51bと、カバー主体51aと外周壁体51bの間の隙間を塞ぐ閉塞壁体51cと、外周壁体51bの内方で当該外周壁体51bに間隔を空けて配置され、第1開口周縁部41dに嵌合させる環状の内周壁体51dと、間隙gと電源側電気接続構造70とを筒部41の筒壁41cとの間で覆い隠す位置まで外周壁体51bから突出させる防水カバー壁体51eと、を有している。
【0047】
この第1カバー部材51においては、カバー主体51aの周縁部と外周壁体51bにおけるカバー主体51a側の一方の開口の周縁部との間の隙間が閉塞壁体51cによって塞がれる。このため、この第1カバー部材51は、そのカバー主体51aと外周壁体51bと閉塞壁体51cによって、外周壁体51bにおけるカバー主体51aとは逆側で口を開けた内部空間が形成される。
【0048】
外周壁体51bは、少なくとも回路分岐部品(回路保護部品)20を存在させるスペース分だけ対向壁体41fに対して間隔を空けて対向配置させる(図5)。このため、第1カバー部材51は、カバー主体51aと外周壁体51bと閉塞壁体51cによって、回路分岐部品(回路保護部品)20を筒部41の筒外で一方の開口41a側から覆い隠すことができる。よって、この第1カバー部材51は、鉛直上方(車両上方)からの回路分岐部品(回路保護部品)20への水の掛かりを抑えることができる。ここでは、そのカバー主体51aと外周壁体51bと閉塞壁体51cによって、回路分岐部品(回路保護部品)20と一緒に副筒部43の一方の開口43aと電源側電線WBを筒部41の筒外で一方の開口41a側から覆い隠している。このため、この第1カバー部材51は、回路分岐部品(回路保護部品)20、電源側端子金具TB、内部導電部材60の第2電気接続部62及び電源側電気接続構造70を筒部41の筒外で一方の開口41a側から覆い隠すことができる。よって、この第1カバー部材51は、鉛直上方(車両上方)からの回路分岐部品(回路保護部品)20や電源側端子金具TB等への水の掛かりを抑えることができる。従って、この第1カバー部材51は、鉛直上方(車両上方)から来た水が副筒部43の一方の開口43aから間隙Gに伝わることを抑止することができる。
【0049】
内周壁体51dは、カバー主体51aと外周壁体51bと閉塞壁体51cとで形成される内部空間に配置される。この内周壁体51dは、カバー主体51aまで延在させ且つカバー主体51aに連結された環状の壁体である。第1カバー部材51においては、そのカバー主体51aと内周壁体51dによって、内周壁体51dにおけるカバー主体51aとは逆側で口を開けた内部空間が形成される。つまり、内周壁体51dは、カバー主体51aと外周壁体51bと閉塞壁体51cによって形成された内部空間を二分する間仕切り壁を成している。
【0050】
この内周壁体51dは、第1開口周縁部41dの一部である対向壁体41fの一方の開口41a側の周縁部41fに筒外から嵌合させ、この対向壁体41fの周縁部41fを筒外から覆う防水壁部51fを有する(図5図7及び図10)。
【0051】
ここで示す防水カバー壁体51eは、回路分岐部品(回路保護部品)20への水掛かりを抑止するための壁体として設けられている。この防水カバー壁体51eは、対向壁体41fとの間の回路分岐部品(回路保護部品)20を覆い隠す位置まで外周壁体51bから突出させる(図1及び図2)。この防水カバー壁体51eは、筒部41の筒軸方向で外周壁体51bから筒部41の他方の開口41b側に向けて突出させ、かつ、対向壁体41fに対して間隔を空けて対向配置させる。これにより、第1カバー部材51は、カバー主体51aと外周壁体51bと閉塞壁体51cによって回路分岐部品(回路保護部品)20を筒部41の筒外で一方の開口41a側から覆い隠しつつ、この回路分岐部品(回路保護部品)20を防水カバー壁体51eによって筒部41の筒外で対向壁体41f側(つまり、フレーム40の側方側)から覆い隠すことができる。よって、この第1カバー部材51は、鉛直上方(車両上方)からの回路分岐部品(回路保護部品)20への水の掛かりを抑えることができ、かつ、車両前方や車両後方、車両側方などからの回路分岐部品(回路保護部品)20への水の掛かりを抑えることができる。
【0052】
更に、この防水カバー壁体51eは、回路分岐部品(回路保護部品)20と一緒に副筒部43と電源側電線WBを覆い隠す形状に形成される(図1及び図2)。このため、第1カバー部材51は、カバー主体51aと外周壁体51bと閉塞壁体51cによって、回路分岐部品(回路保護部品)20、電源側端子金具TB、内部導電部材60の第2電気接続部62及び電源側電気接続構造70を筒部41の筒外で一方の開口41a側から覆い隠しつつ、この回路分岐部品(回路保護部品)20、電源側端子金具TB、内部導電部材60の第2電気接続部62及び電源側電気接続構造70を防水カバー壁体51eによって筒部41の筒外で対向壁体41f側(フレーム40の側方側)から覆い隠すことができる。よって、この第1カバー部材51は、鉛直上方(車両上方)からの回路分岐部品(回路保護部品)20や電源側端子金具TB等への水の掛かりを抑えることができ、かつ、車両前方や車両後方、車両側方などからの回路分岐部品(回路保護部品)20や電源側端子金具TB等への水の掛かりを抑えることができる。例えば、この第1カバー部材51は、防水カバー壁体51eによって、車両前方や車両後方、車両側方などから来た水が副筒部43の一方の開口43aから間隙Gに伝わることを抑止することができる。
【0053】
また、この第1カバー部材51は、防水カバー壁体51eによって、筒部41の筒外で対向壁体41f側(フレーム40の側方側)から回路分岐部品(回路保護部品)20の全体を覆い隠している。つまり、防水カバー壁体51eは、回路分岐部品(回路保護部品)20を筒部41の一方の開口41a側の端部から他方の開口41b側の端部まで覆い隠している。このため、防水カバー壁体51eは、鉛直下方(車両下方)から跳ね上げるなどした水を回路分岐部品(回路保護部品)20における他方の開口41b側の端部に届き難くしており電源側電気接続構造70や負荷側電気接続構造75への水の到達を抑止することができる。従って、この防水カバー壁体51eは、鉛直下方(車両下方)から跳ね上げるなどした水が副筒部43の一方の開口43aから間隙Gに伝わることを抑止することができる。
【0054】
このように、この第1カバー部材51は、筒部41の筒外で回路分岐部品(回路保護部品)20や電源側電気接続構造70等に対する防水性を確保することができる。
【0055】
ここで、この防水カバー壁体51eは、外周壁体51b側を固定端とし、外周壁体51bから突出させた先の他方の開口41b側の端部を自由端とする片持ちの平板として形成されている。このため、この防水カバー壁体51eは、回路分岐部品(回路保護部品)20から離れる方向へと変形し、他方の開口41b側の端部で対向壁体41fとの間隔を拡げてしまうと、その隙間から水が浸入し易くなる。
【0056】
そこで、フレーム40は、防水カバー壁体51eの周縁を嵌め込ませ、回路分岐部品(回路保護部品)20から離れる方向への防水カバー壁体51eの変形を抑止するカバー変形抑止部45を少なくとも2つ有している(図1から図3図5から図7図9及び図15)。防水カバー壁体51eは、外周壁体51bからの突出方向に沿う2つの側端部51e,51eを有している(図15)。ここでは、カバー変形抑止部45として、防水カバー壁体51eの一方の側端部51eで外壁面(回路分岐部品(回路保護部品)20とは逆側の壁面)を係止する第1カバー変形抑止部45Aと、防水カバー壁体51eの他方の側端部51eで外壁面(回路分岐部品(回路保護部品)20とは逆側の壁面)を係止する第2カバー変形抑止部45Bと、が筒部41の筒壁41cに突出状態で設けられている。
【0057】
第1カバー変形抑止部45Aは、筒部41の筒外で筒壁41cから突出させ、かつ、筒部41への第1カバー部材51の組付け方向に延在させた一対の突出部45a,45aを有する。この一対の突出部45a,45aは、その相互間が防水カバー壁体51eの板厚よりも隙間を拡げて配置され、その相互間の隙間に防水カバー壁体51eの一方の側端部51eを侵入させる。この第1カバー変形抑止部45Aにおいては、筒部41への第1カバー部材51の組付け動作に伴い、防水カバー壁体51eの一方の側端部51eが一対の突出部45a,45aの間に差し込まれていく。この第1カバー変形抑止部45Aにおいては、防水カバー壁体51eの一方の側端部51eの外壁面に対向配置された一方の突出部45aがその外壁面を係止する。
【0058】
第2カバー変形抑止部45Bは、筒部41の筒外で筒壁41cから突出させた突出体であり、筒部41への第1カバー部材51の組付け方向に対する直交断面がL字形状のL型突出体として形成されて、防水カバー壁体51eの他方の側端部51eの外壁面を係止する。
【0059】
ここでは、この第1カバー変形抑止部45Aによって防水カバー壁体51eの一方の側端部51eを外壁面側から係止し、かつ、第2カバー変形抑止部45Bによって防水カバー壁体51eの他方の側端部51eを外壁面側から係止して、回路分岐部品(回路保護部品)20から離れる方向への防水カバー壁体51eの変形を抑止している。このため、第1カバー部材51は、防水カバー壁体51eによって、鉛直下方(車両下方)から跳ね上げるなどした水の電源側電気接続構造70や負荷側電気接続構造75への到達を抑止し続けることができる。従って、この第1カバー部材51は、鉛直下方(車両下方)から跳ね上げるなどした水が副筒部43の一方の開口43aから間隙Gに伝わることを抑止することができる。
【0060】
第2カバー部材52は、副筒部43の他方の開口43bを塞ぐ閉塞部53を有する(図1図2図7図9及び図16)。副筒部43の他方の開口43bは、フレーム40に組み付けた第2カバー部材52の閉塞部53によって、フレーム40の外に露出させぬように塞がれる。
【0061】
この電気接続箱1において、電源側電線WBと負荷側電線WLは、その全ての芯線が銅又は銅合金で成形されたものであってもよい。但し、この電源側電線WBと負荷側電線WLは、軽量化を図るべく、その内の少なくとも1本の芯線がアルミニウム又はアルミニウム合金で成形されたものであることが望ましい。例えば、電源側電線WBと負荷側電線WLは、その全ての芯線がアルミニウム又はアルミニウム合金で成形されたものであってもよく、少なくとも1本の芯線がアルミニウム又はアルミニウム合金で成形され、残りの芯線が銅又は銅合金で成形されたものであってもよい。
【0062】
電源側電線WBと負荷側電線WLは、その芯線がアルミニウム又はアルミニウム合金で成形されている場合、その芯線が銅又は銅合金で成形されているものと比較して、軽量化を図れるが、大電流対応に伴い太く且つ硬いものとなり、曲げ難くなっている。しかしながら、この電気接続箱1においては、回路分岐部品(回路保護部品)20を筒部41の筒外でフレーム40の外に配置して、そのような曲げ難い電源側電線WBや負荷側電線WLをフレーム40の外で配策する。このため、この電気接続箱1は、その電源側電線WB等による筐体内での周辺への過荷重を抑止することができ、また、筒部41の筒内での他の電線の収容性を向上させることができる。
【0063】
具体的に、ここで示す電気接続箱1は、内部導電部材60として、第1内部導電部材60Aと第2内部導電部材60Bを備えており、この第1内部導電部材60Aと第2内部導電部材60Bをブロック30に保持させる(図6及び図8)。ここでは、内部導電部材60として、2種類の第1内部導電部材60Aを備えている。
【0064】
また、ここで示す回路分岐部材(回路保護部材)21は、電源接続部22として、第1電源接続部22Aと第2電源接続部22Bを備えており、この第1電源接続部22Aと第2電源接続部22Bを電源側電線WBとしての第1電源側電線WB1と第2電源側電線WB2とに各々電気的に接続させる(図6図11及び図12)。この回路分岐部材(回路保護部材)21においては、連結部25によって第1電源接続部22Aと第2電源接続部22Bとが連結され、この連結部25を介して可溶部24が第1電源接続部22Aと第2電源接続部22Bとに連結される。つまり、可溶部24は、第1電源接続部22Aと負荷接続部23との間に介在させ、かつ、第2電源接続部22Bと負荷接続部23との間に介在させている。
【0065】
第1電源側電線WB1は、回路分岐部材(回路保護部材)21から見て第1電源接続部22Aと外部電源Bとの間に介在させて、その第1電源接続部22Aを外部電源Bに電気接続させる。また、第2電源側電線WB2は、筐体の外に配置されているオルタネータやDC-DCコンバータ等の外部電気部品Pに電気接続され、かつ、回路分岐部材(回路保護部材)21と第1電源側電線WB1を介して外部電源Bに電気接続される。つまり、この第2電源側電線WB2は、回路分岐部材(回路保護部材)21と第1電源側電線WB1を介して外部電気部品Pを外部電源Bに電気接続させる。
【0066】
第1電源接続部22Aは、第1電源側電線WB1の端末の電源側端子金具TBと第1内部導電部材60Aの第2電気接続部62を物理的且つ電気的に接続させる。電気接続箱1は、電源側電気接続構造70として、その第1電源側電線WB1の端末の電源側端子金具TBと第1内部導電部材60Aの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第1電源接続部22Aとを相互間で物理的且つ電気的に接続させる第1電源側電気接続構造70Aを備える(図2図3図5図6及び図8)。この第1電源側電気接続構造70Aは、第1電源側電線WB1の端末の電源側端子金具TBと第1内部導電部材60Aの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第1電源接続部22Aのそれぞれの貫通孔TBa,62a,22aに雄螺子部材71の雄螺子部を挿通させ、その雄螺子部に雌螺子部材73を螺合させることによって、その電源側端子金具TBと第1内部導電部材60Aの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第1電源接続部22Aとを共締め固定する。ここでは、電源側端子金具TBと2つの第1内部導電部材60Aのそれぞれの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第1電源接続部22Aとを共締め固定している。
【0067】
ここで示すフレーム40は、副筒部43として、その第1電源側電気接続構造70Aを筒内に収容し、かつ、この第1電源側電気接続構造70Aにおける雄螺子部材71の雄螺子部を一方の開口43aから突出させる第1副筒部43Aを有している(図1から図3図5図6図9及び図13)。この第1副筒部43Aは、フレーム40の凹部42の中に設けられている。筒部41の筒壁41cには、切欠き44として、自身の筒内と第1副筒部43Aの筒内とを連通させ、かつ、第1内部導電部材60Aの第2電気接続部62を筒部41の筒外でフレーム40の外に突出させる第1切欠き44Aが設けられている(図6)。そして、ブロック30には、第1電源側電気接続構造70Aの螺子保持部材72が組み付けられる突出ブロック部32として、その第1切欠き44Aから筒部41の筒外に突出させ、かつ、第1副筒部43Aの筒内に収容させる第1突出ブロック部32Aが設けられている(図6及び図8)。
【0068】
この電気接続箱1においては、雄螺子部材71の雄螺子部を第1副筒部43Aの一方の開口43aから鉛直上方(車両上方)に抜け出させた状態で、第1副筒部43Aの筒内に第1突出ブロック部32Aと第1電源側電気接続構造70Aと2つの第1内部導電部材60Aのそれぞれの第2電気接続部62を収容させる(図4)。
【0069】
第2電源接続部22Bは、第2電源側電線WB2の端末の電源側端子金具TBと第2内部導電部材60Bの第2電気接続部62を物理的且つ電気的に接続させる。電気接続箱1は、電源側電気接続構造70として、その第2電源側電線WB2の端末の電源側端子金具TBと第2内部導電部材60Bの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第2電源接続部22Bとを相互間で物理的且つ電気的に接続させる第2電源側電気接続構造70Bを備える(図2図3図5図6及び図8)。この第2電源側電気接続構造70Bは、第2電源側電線WB2の端末の電源側端子金具TBと第2内部導電部材60Bの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第2電源接続部22Bのそれぞれの貫通孔TBa,62a,22aに雄螺子部材71の雄螺子部を挿通させ、その雄螺子部に雌螺子部材73を螺合させることによって、その電源側端子金具TBと第2内部導電部材60Bの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第2電源接続部22Bとを共締め固定する。
【0070】
ここで示すフレーム40は、副筒部43として、その第2電源側電気接続構造70Bを筒内に収容し、かつ、この第2電源側電気接続構造70Bにおける雄螺子部材71の雄螺子部を一方の開口43aから突出させる第2副筒部43Bを有している(図1から図3図5図6図9及び図13)。この第2副筒部43Bは、フレーム40の凹部42の中に設けられている。筒部41の筒壁41cには、切欠き44として、自身の筒内と第2副筒部43Bの筒内とを連通させ、かつ、第2内部導電部材60Bの第2電気接続部62を筒部41の筒外でフレーム40の外に突出させる第2切欠き44Bが設けられている(図5)。そして、ブロック30には、第2電源側電気接続構造70Bの螺子保持部材72が組み付けられる突出ブロック部32として、その第2切欠き44Bから筒部41の筒外に突出させ、かつ、第2副筒部43Bの筒内に収容させる第2突出ブロック部32Bが設けられている(図6及び図8)。
【0071】
この電気接続箱1においては、雄螺子部材71の雄螺子部を第2副筒部43Bの一方の開口43aから鉛直上方(車両上方)に抜け出させた状態で、第2副筒部43Bの筒内に第2突出ブロック部32Bと第2電源側電気接続構造70Bと第2内部導電部材60Bの第2電気接続部62を収容させる。
【0072】
この電気接続箱1においては、第1電源側電気接続構造70Aの雄螺子部材71の雄螺子部を第1電源接続部22Aの貫通孔22aに差し込んで第1電源接続部22Aを第1電源側電気接続構造70Aに組み付け、かつ、第2電源側電気接続構造70Bの雄螺子部材71の雄螺子部を第2電源接続部22Bの貫通孔22aに差し込んで第2電源接続部22Bを第2電源側電気接続構造70Bに組み付ける。そして、この電気接続箱1においては、第1電源側電気接続構造70Aの雄螺子部材71の雄螺子部を第1電源側電線WB1の電源側端子金具TBの貫通孔TBaに差し込んでその電源側端子金具TBを第1電源側電気接続構造70Aに組み付け、かつ、第2電源側電気接続構造70Bの雄螺子部材71の雄螺子部を第2電源側電線WB2の電源側端子金具TBの貫通孔TBaに差し込んでその電源側端子金具TBを第2電源側電気接続構造70Bに組み付ける。この電気接続箱1においては、それぞれの雄螺子部材71の雄螺子部に雌螺子部材73を各々螺合して、第1電源側電線WB1の電源側端子金具TBと2つの第1内部導電部材60Aのそれぞれの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第1電源接続部22Aとを共締め固定し、かつ、第2電源側電線WB2の電源側端子金具TBと第2内部導電部材60Bの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第2電源接続部22Bとを共締め固定する。この電気接続箱1においては、2つの電源側端子金具TBと回路分岐部品(回路保護部品)20が第1電源側電気接続構造70Aと第2電源側電気接続構造70Bを介してブロック30に組み付けられる。
【0073】
第1電源側電気接続構造70Aは、この第1突出ブロック部32Aにおける第1開口周縁部41d側の端面32aから突出させた位置で、第1電源側電線WB1の電源側端子金具TBと2つの第1内部導電部材60Aのそれぞれの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第1電源接続部22Aとを物理的且つ電気的に接続させる(図4)。そして、筒壁41cにおける第1切欠き44Aの第1開口周縁部41d側の周縁部41cと第1突出ブロック部32A側の切欠き閉塞部33における第1開口周縁部41d側の端部33aとの間にできる間隙gは、筒部41の筒軸方向で第1突出ブロック部32Aの端面32aよりも第2開口周縁部41e側に設ける。これにより、この電気接続箱1においては、第1電源側電気接続構造70Aに当たって跳ね返るなどした水を間隙gに向かわせずに、鉛直下方(車両下方)に落とすことができる。
【0074】
また、この電気接続箱1においては、筒部41の筒内で第1切欠き44Aの周縁部41cに対向配置させた対向壁面34をブロック30が有しており、これにより、第1切欠き44A側の間隙gに染み入るなどして水が入り込んでしまったとしても、その水の筒部41の筒内への浸入を対向壁面34によって抑止することができる。
【0075】
また、この電気接続箱1においては、ブロック30における電子部品10の設置面31aを第1切欠き44A側の間隙gよりも第1開口周縁部41d側に設けることによって、その間隙gに染み入るなどして水が筒部41の筒内に入り込んでしまったとしても、設置面31aに位置している電子部品10の端子金具等に水を伝えずとも済む。
【0076】
また、この電気接続箱1においては、第1副筒部43Aにおける第1開口周縁部41d側の一方の開口43aを第1切欠き44A側の間隙gよりも第1開口周縁部41d側に設けており、第1副筒部43Aの一方の開口43aから第1切欠き44A側の間隙Gに水が向かい難くなるので、その間隙Gから筒部41の筒内への水の浸入を抑止することができる。
【0077】
また、第2電源側電気接続構造70Bは、この第2突出ブロック部32Bにおける第1開口周縁部41d側の端面32aから突出させた位置で、第2電源側電線WB2の電源側端子金具TBと第2内部導電部材60Bの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第2電源接続部22Bとを物理的且つ電気的に接続させる。そして、筒壁41cにおける第2切欠き44Bの第1開口周縁部41d側の周縁部41cと第2突出ブロック部32B側の切欠き閉塞部33における第1開口周縁部41d側の端部33aとの間にできる間隙gは、筒部41の筒軸方向で第2突出ブロック部32Bの端面32aよりも第2開口周縁部41e側に設ける。これにより、この電気接続箱1においては、第2電源側電気接続構造70Bに当たって跳ね返るなどした水を間隙gに向かわせずに、鉛直下方(車両下方)に落とすことができる。
【0078】
また、この電気接続箱1においては、筒部41の筒内で第2切欠き44Bの周縁部41cに対向配置させた対向壁面34をブロック30が有しており、これにより、第2切欠き44B側の間隙gに染み入るなどして水が入り込んでしまったとしても、その水の筒部41の筒内への浸入を対向壁面34によって抑止することができる。
【0079】
また、この電気接続箱1においては、ブロック30における電子部品10の設置面31aを第2切欠き44B側の間隙gよりも第1開口周縁部41d側に設けることによって、その間隙gに染み入るなどして水が筒部41の筒内に入り込んでしまったとしても、設置面31aに位置している電子部品10の端子金具等に水を伝えずとも済む。
【0080】
また、この電気接続箱1においては、第2副筒部43Bにおける第1開口周縁部41d側の一方の開口43aを第2切欠き44B側の間隙gよりも第1開口周縁部41d側に設けており、第2副筒部43Bの一方の開口43aから第2切欠き44B側の間隙Gに水が向かい難くなるので、その間隙Gから筒部41の筒内への水の浸入を抑止することができる。
【0081】
第1副筒部43Aと第2副筒部43Bにおけるそれぞれの一方の開口43aは、2つの電源側端子金具TB、2つの第1内部導電部材60Aと第2内部導電部材60Bのそれぞれの第2電気接続部62、回路分岐部材(回路保護部材)21の第1電源接続部22Aと第2電源接続部22B、第1電源側電気接続構造70A及び第2電源側電気接続構造70Bと一緒に第1カバー部材51で覆われて、この第1カバー部材51の中に収められる。
【0082】
この第1カバー部材51は、カバー主体51aと外周壁体51bと閉塞壁体51cによって、回路分岐部品(回路保護部品)20と一緒に第1副筒部43Aと第2副筒部43Bにおけるそれぞれの一方の開口43aと第1電源側電線WB1と第2電源側電線WB2を筒部41の筒外で一方の開口41a側から覆い隠している。このため、この第1カバー部材51は、回路分岐部品(回路保護部品)20、2つの電源側端子金具TB、2つの第1内部導電部材60Aと第2内部導電部材60Bのそれぞれの第2電気接続部62、第1電源側電気接続構造70A及び第2電源側電気接続構造70Bを筒部41の筒外で一方の開口41a側から覆い隠すことができる。よって、この第1カバー部材51は、鉛直上方(車両上方)からの回路分岐部品(回路保護部品)20や電源側端子金具TB等への水の掛かりを抑えることができる。従って、この第1カバー部材51は、鉛直上方(車両上方)から水が来た際に、その水が第1副筒部43Aの一方の開口43aから第1切欠き44A側の間隙Gに伝わることを抑止することができ、かつ、その水が第2副筒部43Bの一方の開口43aから第2切欠き44B側の間隙Gに伝わることを抑止することができる。
【0083】
更に、この第1カバー部材51は、防水カバー壁体51eによって、回路分岐部品(回路保護部品)20、2つの電源側端子金具TB、2つの第1内部導電部材60Aと第2内部導電部材60Bのそれぞれの第2電気接続部62、第1電源側電気接続構造70A及び第2電源側電気接続構造70Bを筒部41の筒外で対向壁体41f側(フレーム40の側方側)から覆い隠している。このため、防水カバー壁体51eは、車両前方や車両後方、車両側方などから水が来た際に、その水が第1副筒部43Aの一方の開口43aから第1切欠き44A側の間隙Gに伝わることを抑止することができ、かつ、その水が第2副筒部43Bの一方の開口43aから第2切欠き44B側の間隙Gに伝わることを抑止することができる。従って、この第1カバー部材51は、鉛直上方(車両上方)からの回路分岐部品(回路保護部品)20や電源側端子金具TB等への水の掛かりを抑えることができ、かつ、車両前方や車両後方、車両側方などからの回路分岐部品(回路保護部品)20や電源側端子金具TB等への水の掛かりを抑えることができる。
【0084】
また、この第1カバー部材51は、防水カバー壁体51eによって、鉛直下方から跳ね上げるなどした水の第1電源側電気接続構造70Aや第2電源側電気接続構造70B、負荷側電気接続構造75への到達を抑止することができる。また、この第1カバー部材51は、その抑止機能をカバー変形抑止部45(第1カバー変形抑止部45A、第2カバー変形抑止部45B)によって維持し続けることができる。従って、この第1カバー部材51は、鉛直下方(車両下方)から跳ね上げるなどした水が第1副筒部43Aや第2副筒部43Bの一方の開口43aからそれぞれの間隙Gに伝わることを抑止することができる。
【0085】
このように、この第1カバー部材51は、筒部41の筒外で回路分岐部品(回路保護部品)20、第1電源側電気接続構造70Aや第2電源側電気接続構造70B等に対する防水性を確保することができる。
【0086】
第2カバー部材52は、閉塞部53として、第1副筒部43Aの他方の開口43bをフレーム40の外に露出させぬように塞ぐ第1閉塞部53Aと、第2副筒部43Bの他方の開口43bをフレーム40の外に露出させぬように塞ぐ第2閉塞部53Bと、を有する(図1図2図9及び図16)。この第1閉塞部53Aと第2閉塞部53Bは、他方の開口43bを第1切欠き44Aや第2切欠き44Bと一緒にフレーム40の外から塞ぐ1枚の板状の壁部であってもよく、他方の開口43bを第1切欠き44Aや第2切欠き44Bと一緒にフレーム40の外から囲って覆い隠す複数の壁部から成るものであってもよい。ここでは、第1副筒部43Aと第2副筒部43Bが設けられた筒部41の第2開口周縁部41eに、第1分割カバー52Aが組み付けられる。このため、第1閉塞部53Aと第2閉塞部53Bは、第1分割カバー52Aに設けている。
【0087】
以上示したように、本実施形態の電気接続箱1は、回路分岐部品(回路保護部品)20を筒部41の筒外でフレーム40の外に配置しているので、この回路分岐部品(回路保護部品)20に接続された電源側電線WB(第1電源側電線WB1、第2電源側電線WB2)や負荷側電線WLによる筐体内での周辺への過荷重を抑止することができる。特に、この電気接続箱1は、電線径が太くなるほど電源側電線WB(第1電源側電線WB1、第2電源側電線WB2)や負荷側電線WLが曲がり難いので、この電源側電線WB等による筐体内での周辺への過荷重を抑止することができる。例えば、この電気接続箱1においては、電源側電線WB等による筐体内での第2カバー部材52への過荷重を抑止することで、この第2カバー部材52の変形を抑えることができる。また、この電気接続箱1は、曲げ難い電源側電線WB等をフレーム40の外で配策することによって、筒部41の筒内での他の電線の収容性を向上させることができる。また、この電気接続箱1は、電源側電線WB等をフレーム40の外で配策することによって、この電源側電線WB等で発生した熱が筐体内で籠もることがなくなるので、筐体内の温度上昇を抑えることができる。そして、この電気接続箱1は、これらの効果を奏しつつ、間隙Gから筒部41の筒内への水の浸入を抑止することができるので、筐体内での過荷重を抑えつつ防水性を確保することができる。
【符号の説明】
【0088】
1 電気接続箱
10 電子部品
20 回路分岐部品(回路保護部品)
21 回路分岐部材(回路保護部材)
22 電源接続部
22A 第1電源接続部
22B 第2電源接続部
23 負荷接続部
24 可溶部
30 ブロック
31a 設置面
32 突出ブロック部
32a 端面
32A 第1突出ブロック部
32B 第2突出ブロック部
33 切欠き閉塞部
33a 端部
34 対向壁面
40 フレーム
41 筒部
41a 一方の開口
41b 他方の開口
41c 筒壁
41c 周縁部
41d 第1開口周縁部
41e 第2開口周縁部
43 副筒部
43A 第1副筒部
43B 第2副筒部
43a 一方の開口
43b 他方の開口
44 切欠き
44A 第1切欠き
44B 第2切欠き
51 第1カバー部材
51a カバー主体
51b 外周壁体
51c 閉塞壁体
51d 内周壁体
51e 防水カバー壁体
52 第2カバー部材
53 閉塞部
53A 第1閉塞部
53B 第2閉塞部
60 内部導電部材
60A 第1内部導電部材
60B 第2内部導電部材
61 第1電気接続部
62 第2電気接続部
70 電源側電気接続構造
70A 第1電源側電気接続構造
70B 第2電源側電気接続構造
71 雄螺子部材
72 螺子保持部材
73 雌螺子部材
B 外部電源
g 間隙
L 外部負荷
TB 電源側端子金具
WB 電源側電線
WB1 第1電源側電線
WB2 第2電源側電線
WL 負荷側電線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16