(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-12
(45)【発行日】2025-02-20
(54)【発明の名称】電気接続箱
(51)【国際特許分類】
H02G 3/16 20060101AFI20250213BHJP
H02G 3/14 20060101ALI20250213BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20250213BHJP
H01R 9/00 20060101ALI20250213BHJP
【FI】
H02G3/16
H02G3/14
B60R16/02 610A
H01R9/00 A
(21)【出願番号】P 2022187141
(22)【出願日】2022-11-24
【審査請求日】2024-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】清田 浩孝
(72)【発明者】
【氏名】小野田 健
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-90296(JP,A)
【文献】特開2021-90295(JP,A)
【文献】特開2017-28767(JP,A)
【文献】特開2019-68635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/16
H02G 3/14
B60R 16/02
H01R 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品と、
前記電子部品を外部電源に電気接続させる内部導電部材と、
少なくとも一端に開口が設けられた筒壁から成り、その筒内に前記電子部品及び前記内部導電部材を収容し且つ保持する筒部を有するフレームと、
前記筒部の前記開口を塞ぐカバー部材と、
前記筒部の筒外で前記フレームの外に配置され、樹脂部材に内在させた導電性の回路分岐部材を前記外部電源と外部負荷との間に介在させる回路分岐部品と、
を備え、
前記内部導電部材は、前記筒部の筒内で前記電子部品に対して物理的且つ電気的に接続させる第1電気接続部と、第2電気接続部と、を有し、
前記回路分岐部材は、前記樹脂部材の外に露出させ且つ前記筒部の筒外で前記フレームの外に配置され、前記外部電源に電気接続された電源側電線の端末の電源側端子金具と前記内部導電部材の前記第2電気接続部を物理的且つ電気的に接続させる電源接続部と、前記樹脂部材の外に露出させ且つ前記筒部の筒外で前記フレームの外に配置され、前記外部負荷に電気接続された負荷側電線の端末の負荷側端子金具を物理的且つ電気的に接続させる負荷接続部と、を有し、
前記筒部の前記筒壁は、筒外で前記回路分岐部品に対向配置させる対向壁体を有し、
前記樹脂部材は、前記負荷接続部の露出面を露出させた状態で当該負荷接続部を保持する保持部を有し、
前記回路分岐部品は、前記負荷接続部の前記露出面を前記対向壁体と向かい合わせに配置して、前記保持部と前記対向壁体との間に前記露出面を介在させることを特徴とした電気接続箱。
【請求項2】
前記筒部の筒外で前記フレームの外には、前記負荷側電線の端末の前記負荷側端子金具と前記回路分岐部材の前記負荷接続部とを前記保持部よりも前記対向壁体側で物理的且つ電気的に接続させる負荷側電気接続構造を設けることを特徴とした請求項1に記載の電気接続箱。
【請求項3】
前記樹脂部材から露出させた前記電源接続部は、前記樹脂部材よりも前記対向壁体側に配置することを特徴とした請求項1又は2に記載の電気接続箱。
【請求項4】
前記筒部の筒外で前記フレームの外には、前記電源側電線の端末の前記電源側端子金具と前記内部導電部材の前記第2電気接続部と前記回路分岐部材の前記電源接続部とを前記樹脂部材よりも前記対向壁体側で物理的且つ電気的に接続させる電源側電気接続構造を設けることを特徴とした請求項3に記載の電気接続箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
電気接続箱においては、外部の電源と負荷との間に介在させるリレー等の電子部品が筐体に収容されている。この電気接続箱においては、その電子部品に対して電気的に接続された電線を筐体の中で引き回し、この電線を筐体の外に引き出して電源や負荷に電気的に接続させる。例えば、この従来の電気接続箱については、下記の特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の車両においては、軽量化対応で電線の芯線の素材を変更するために電線径を太くしたり、大電流対応で電線径を太くしたりするなど、折り曲げ難い電線の採用が増えている。このため、電気接続箱においては、筐体の中の狭い空間での電線の引き回しが難しく、筐体内でその電線から周辺に過荷重が加えられてしまう可能性がある。電気接続箱においては、例えば、そのような電線と当該電線に繋がる部品とを筐体の外に配置することによって、その電線による筐体内での過荷重を抑えることができる。しかしながら、電気接続箱においては、その部品を筐体の外に配置することで、この部品とこれに繋がる電線との間で物理的に接続された電気接続箇所を筐体の外に配置した場合、筐体の外でその周辺部品の組付け作業やメンテナンス作業を行う際に、その電気接続箇所に金属製の部品や工具等の他部品が触れてしまう可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、筐体の外の電気接続箇所への他部品の接触を抑え得る電気接続箱を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電子部品と、前記電子部品を外部電源に電気接続させる内部導電部材と、少なくとも一端に開口が設けられた筒壁から成り、その筒内に前記電子部品及び前記内部導電部材を収容し且つ保持する筒部を有するフレームと、前記筒部の前記開口を塞ぐカバー部材と、前記筒部の筒外で前記フレームの外に配置され、樹脂部材に内在させた導電性の回路分岐部材を前記外部電源と外部負荷との間に介在させる回路分岐部品と、を備え、前記内部導電部材は、前記筒部の筒内で前記電子部品に対して物理的且つ電気的に接続させる第1電気接続部と、第2電気接続部と、を有し、前記回路分岐部材は、前記樹脂部材の外に露出させ且つ前記筒部の筒外で前記フレームの外に配置され、前記外部電源に電気接続された電源側電線の端末の電源側端子金具と前記内部導電部材の前記第2電気接続部を物理的且つ電気的に接続させる電源接続部と、前記樹脂部材の外に露出させ且つ前記筒部の筒外で前記フレームの外に配置され、前記外部負荷に電気接続された負荷側電線の端末の負荷側端子金具を物理的且つ電気的に接続させる負荷接続部と、を有し、前記筒部の前記筒壁は、筒外で前記回路分岐部品に対向配置させる対向壁体を有し、前記樹脂部材は、前記負荷接続部の露出面を露出させた状態で当該負荷接続部を保持する保持部を有し、前記回路分岐部品は、前記負荷接続部の前記露出面を前記対向壁体と向かい合わせに配置して、前記保持部と前記対向壁体との間に前記露出面を介在させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る電気接続箱は、回路分岐部品を筒部の筒外でフレームの外に配置することによって、その回路分岐部品に繋がった電線による筐体内での過荷重を抑えることができる。そして、この電気接続箱においては、その回路分岐部品における物理的且つ電気的な接続箇所(第1電源側電気接続構造や第2電源側電気接続構造等)が樹脂部材よりも筐体側に配置されているので、その接続箇所に対する他部品の接触を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態の電気接続箱を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態の電気接続箱(第1カバー部材無し)をフレームの一方の開口側から見た平面図である。
【
図3】
図3は、実施形態の電気接続箱(第1カバー部材無し)をフレームの側方から見た平面図である。
【
図4】
図4は、実施形態の電気接続箱(第1カバー部材と第2カバー部材無し)を示す分解斜視図である。
【
図5】
図5は、実施形態の電気接続箱(第1カバー部材と第2カバー部材無し)を別角度から見た分解斜視図である。
【
図8】
図8は、ブロックと、これに収容される内部導電部材及び雄螺子部材と、を示す分解斜視図である。
【
図9】
図9は、実施形態の電気接続箱(第1カバー部材無し)におけるフレームと第2カバー部材の分解斜視図である。
【
図10】
図10は、負荷側電気接続構造について説明する分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係る電気接続箱の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
[実施形態]
本発明に係る電気接続箱の実施形態の1つを
図1から
図13に基づいて説明する。
【0011】
図1から
図7の符号1は、本実施形態の電気接続箱を示す。この電気接続箱1は、自動車等の車両に搭載され、その車両における二次電池等の外部電源Bと電源分配対象物(例えば、給電対象となる補記類等)等の外部負荷Lとの間に介在させることによって、その外部電源Bの電力を外部負荷Lに供給する(
図1)。
【0012】
電気接続箱1は、リレーやヒューズ等の電子部品10を備え(
図2)、この電子部品10を外部電源Bと外部負荷Lとの間に介在させる。更に、この電気接続箱1は、外部電源Bと外部負荷Lとの間に介在させる回路分岐部品20を備える(
図1から
図5)。この回路分岐部品20は、外部電源Bからの電力を複数の外部負荷Lへと分配させるための部品である。電気接続箱1は、電子部品10を複数備える一方、回路分岐部品20を少なくとも1つ備える。
【0013】
この電気接続箱1は、電子部品10を保持するブロック30と、このブロック30を筒内に収容し且つ保持する両端開口(開口41a,41b)の筒壁41cから成る筒部41を有するフレーム40と、を備える(
図1から
図8)。そして、この電気接続箱1は、その筒部41における一方の開口41aを塞ぐカバー部材(以下、「第1カバー部材」という。)51と、その筒部41における他方の開口41bを塞ぐカバー部材(以下、「第2カバー部材」という。)52と、を備える(
図1、
図3及び
図9)。そのブロック30とフレーム40と第1カバー部材51と第2カバー部材52は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。
【0014】
この電気接続箱1においては、フレーム40と第1カバー部材51と第2カバー部材52とで筐体が構成され、この筐体の中で電子部品10に電気的に接続された電線(図示略)がその中を引き回されて筐体の外に開口から引き出される。
【0015】
フレーム40においては、他方の開口41bから筒部41の筒内にブロック30が挿入される。このフレーム40は、1つの筒部41で構成されている場合、その外枠を成す外壁の全てが筒部41の筒壁41cで形成される。また、フレーム40は、一方の開口41aの開口方向をそれぞれに合わせ且つ他方の開口41bの開口方向をそれぞれに合わせた複数の筒部41の組み合わせで構成されている場合、その外枠を成す外壁が複数の筒部41における筒壁41cの一部の組み合わせで形成される。つまり、フレーム40の外枠を成す外壁は、その全て又は一部が筒部41の筒壁41cで形成されている。
【0016】
ここで示すフレーム40は、2つの筒部41を組み合わせたものとなっており、一方の開口41aを車両上方に向けて車両に搭載される。ここで示す第1カバー部材51は、その筒部41毎に設ける。また、ここで示す第2カバー部材52は、相互間で組み付けられる第1分割カバー52Aと第2分割カバー52Bに分割されており、この第1分割カバー52Aと第2分割カバー52Bとを組み付けた形で2つの筒部41におけるそれぞれの他方の開口41bを塞ぐ(
図1、
図3及び
図9)。
【0017】
この電気接続箱1は、電子部品10を外部電源Bに電気接続させ、かつ、この電子部品10と一緒にブロック30に保持される内部導電部材60を備える(
図5、
図6及び
図8)。この内部導電部材60は、筒部41の筒内で電子部品10に対して物理的且つ電気的に接続させる第1電気接続部61を有する(
図8)。この第1電気接続部61は、電子部品10毎に設けられている。また、この内部導電部材60は、外部電源Bに電気接続させる第2電気接続部62を有する(
図5、
図6及び
図8)。この内部導電部材60においては、複数の第1電気接続部61と第2電気接続部62とが連結部63で繋がれている(
図8)。この内部導電部材60は、その連結部63を筒部41の筒外まで延在させ、その延在させた先のフレーム40の外で連結部63に第2電気接続部62が連結された形状を採っている。つまり、第2電気接続部62は、筒部41の筒外でフレーム40の外に配置される。
【0018】
この内部導電部材60は、所謂バスバであり、例えば、金属板を母材にして板状に成形される。ブロック30は、筒部41の筒内で電子部品10と内部導電部材60を保持するブロック本体31を有している(
図1、
図2、
図4、
図5、
図8及び
図9)。
【0019】
尚、電気接続箱1は、ブロック30と一体になったフレーム40を備えるものであってもよい。このフレーム40とは、少なくとも一端に開口41aが設けられた筒壁41cから成り、その筒内に電子部品10及び内部導電部材60を収容し且つ保持する筒部41を有するものである。例えば、電気接続箱1は、フレーム40が両端開口(開口41a,41b)の筒壁41cから成る筒部41を有するものであれば、先の例示と同じように第1カバー部材51と第2カバー部材52を備える。一方、電気接続箱1は、フレーム40が開口41aのみの筒壁41cから成る筒部41(つまり、開口41bが塞がれている筒部41)を有するものであれば、第1カバー部材51だけを備える。
【0020】
回路分岐部品20は、筒部41の筒外でフレーム40の外に配置される。そして、この回路分岐部品20は、外部電源Bと外部負荷Lとの間に介在させる導電性の回路分岐部材21を備える(
図4、
図5、
図10及び
図11)。
【0021】
ここで、この回路分岐部品20は、後述する電源接続部22と負荷接続部23を少なくとも有するものである。そして、この回路分岐部品20は、電源接続部22と複数の負荷接続部23とを電気的に繋ぐ後述する連結部25を有している。但し、ここで示す回路分岐部品20は、電源接続部22と負荷接続部23に加えて、外部電源Bと外部負荷Lとの間の過電流を遮断するための後述する可溶部24を有しており、これに伴い後述する連結部25を有している。つまり、ここでは、回路分岐部品20の一例として、外部電源Bと外部負荷Lとの間の過電流を遮断するための回路保護部品を挙げている。よって、ここで示す回路分岐部品(回路保護部品)20は、回路分岐部材21として、外部電源Bと外部負荷Lとの間に介在させる導電性の回路保護部材を備えている。
【0022】
この回路分岐部材(回路保護部材)21は、筒部41の筒外でフレーム40の外に配置され、外部電源Bに電気接続された電源側電線WBの端末の電源側端子金具Tと内部導電部材60の第2電気接続部62を物理的且つ電気的に接続させる電源接続部22を有する(
図4から
図6、
図10及び
図11)。
【0023】
また、回路分岐部材(回路保護部材)21は、筒部41の筒外でフレーム40の外に配置され、外部負荷Lに電気接続された負荷側電線WLの端末の負荷側端子金具TLを物理的且つ電気的に接続させる負荷接続部23と、電源接続部22と負荷接続部23との間に介在させ、過電流が流れた際に溶断させる可溶部24と、を有する(
図10及び
図11)。この回路分岐部材(回路保護部材)21においては、その負荷接続部23と可溶部24が外部負荷L毎に設けられている。そして、この回路分岐部材(回路保護部材)21は、電源接続部22と可溶部24とを連結させる連結部25を有する(
図11)。この連結部25には、電源接続部22と外部負荷L毎の可溶部24とが連結される。
【0024】
この回路分岐部材(回路保護部材)21は、所謂バスバであり、例えば、金属板を母材にして板状に成形される。この回路分岐部品(回路保護部品)20は、樹脂部材26に内在させた回路分岐部材(回路保護部材)21を外部電源Bと外部負荷Lとの間に介在させる。このため、この回路分岐部品(回路保護部品)20においては、電源接続部22と負荷接続部23と可溶部24とを樹脂部材26の外に露出させる(
図7、
図10及び
図11)。そこで、この回路分岐部品(回路保護部品)20においては、電源接続部22と負荷接続部23と可溶部24とを露出させた状態で回路分岐部材(回路保護部材)21に対して合成樹脂材料で樹脂部材26が一体成形される。そして、この回路分岐部品(回路保護部品)20においては、露出している可溶部24を覆い隠す合成樹脂材料から成る透明の樹脂カバー27が樹脂部材26に対して組み付けられる(
図7及び
図10)。
【0025】
電気接続箱1は、電源側電線WBの端末の電源側端子金具TBと内部導電部材60の第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の電源接続部22とを相互間で物理的且つ電気的に接続させる電源側電気接続構造70を備える(
図2、
図5、
図6及び
図8)。この電源側電気接続構造70は、筒部41の筒外でフレーム40の外に配置される。よって、この電源側電気接続構造70は、フレーム40の外で電源側電線WBの端末の電源側端子金具TBと内部導電部材60の第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の電源接続部22とを物理的且つ電気的に接続させる。
【0026】
ここで示す電源側電気接続構造70は、雄螺子部材71と、雄螺子部を露出させた状態で雄螺子部材71を保持する螺子保持部材72と、雄螺子部材71の雄螺子部に螺合させる雌螺子部材73と、を備える(
図5、
図6及び
図8)。この電源側電気接続構造70は、電源側端子金具TBと内部導電部材60の第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の電源接続部22とに各々設けた貫通孔TBa,62a,22aに雄螺子部材71の雄螺子部を挿通させ、その雄螺子部に雌螺子部材73を螺合させることによって、その電源側端子金具TBと内部導電部材60の第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の電源接続部22とを共締め固定する(
図5、
図6及び
図8)。
【0027】
ここで、この電源側電気接続構造70においては、雄螺子部の螺子軸を鉛直方向(つまり、車両上下方向)に合わせ、かつ、この雄螺子部を鉛直上方(つまり、車両上方)に向けて螺子保持部材72から突出させた形で雄螺子部材71を配置する。
【0028】
また、電気接続箱1は、負荷側電線WLの端末の負荷側端子金具TLと回路分岐部材(回路保護部材)21の負荷接続部23とを相互間で物理的且つ電気的に接続させる負荷側電気接続構造75を備える(
図4、
図7及び
図10)。この負荷側電気接続構造75は、筒部41の筒外でフレーム40の外に配置される。よって、この負荷側電気接続構造75は、フレーム40の外で負荷側電線WLの端末の負荷側端子金具TLと回路分岐部材(回路保護部材)21の負荷接続部23とを物理的且つ電気的に接続させる。
【0029】
ここで示す負荷側電気接続構造75は、雄螺子部材76と、この雄螺子部材76の雄螺子部に螺合させる雌螺子部材77と、を備える(
図7及び
図10)。雄螺子部材76には、回路分岐部材(回路保護部材)21の負荷接続部23の貫通孔23a(
図11)に雄螺子部材76の雄螺子部を挿通させ、かつ、その雄螺子部を露出させた状態で、樹脂部材26が一体成形されている。また、その樹脂部材26は、負荷接続部23の露出面23bを露出させた状態で当該負荷接続部23を保持する保持部26aを有している(
図3から
図5、
図7及び
図10)。この負荷側電気接続構造75は、負荷側端子金具TLに設けた貫通孔TLaに雄螺子部材76の雄螺子部を挿通させ、その雄螺子部に雌螺子部材77を螺合させることによって、その負荷側端子金具TLと回路分岐部材(回路保護部材)21の負荷接続部23とを共締め固定する(
図7及び
図10)。これにより、この負荷側電気接続構造75は、負荷側端子金具TLを負荷接続部23の露出面23bに密着させ、その相互間を物理的且つ電気的に接続させる。
【0030】
具体的に、回路分岐部品(回路保護部品)20は、フレーム40の外で次のように配置される。
【0031】
フレーム40は、その外枠を成す外壁を筒部41の筒内側に凹ませて、回路分岐部品(回路保護部品)20を配置させる凹部42を有する(
図2、
図3、
図5及び
図12)。この凹部42は、回路分岐部品(回路保護部品)20の体格と同等以上の容積を有し、かつ、この回路分岐部品(回路保護部品)20を食み出させずに収め得るものとして形成することが望ましい。例えば、筒部41の筒壁41cは、筒外で回路分岐部品(回路保護部品)20に対向配置させる対向壁体41fを有している。凹部42は、この対向壁体41fを筒内側に凹ませて形成されている。
【0032】
また、フレーム40は、筒部41における一方の開口41aと同じ向きに口を開けた開口43aが設けられ、筒部41の筒壁41cから筒部41の筒外でフレーム40の外に向けて膨出させた形の副筒部43を有する(
図1から
図3、
図5、
図9及び
図12)。この副筒部43は、フレーム40の凹部42の中に設けられている。ここで示す副筒部43は、両端開口(開口43a,43b)の筒体として形成されている。よって、この副筒部43においては、一方の開口43aが筒部41の一方の開口41a側に配置され、他方の開口43bが筒部41の他方の開口41b側に配置される。
【0033】
この副筒部43の筒内には、電源側電気接続構造70を設ける。この副筒部43においては、電源側電気接続構造70の螺子保持部材72を筒内に収容し、かつ、この電源側電気接続構造70における雄螺子部材71の雄螺子部を一方の開口43aから突出させる。よって、内部導電部材60の第2電気接続部62は、この副筒部43の一方の開口43aから突出させた雄螺子部材71の雄螺子部を貫通孔62aに挿通させる。そこで、筒部41の筒壁41cは、自身の筒内と副筒部43の筒内とを連通させ、かつ、内部導電部材60の第2電気接続部62を筒部41の筒外でフレーム40の外に突出させる切欠き44を有している(
図5及び
図6)。この切欠き44は、他方の開口41b側の端部から一方の開口41aに向けて筒部41の筒壁41cを切り欠いた切欠きである。
【0034】
ブロック30は、その切欠き44から筒部41の筒外に突出させ、かつ、副筒部43の筒内に収容させる突出ブロック部32を有する(
図5、
図6及び
図8)。この突出ブロック部32には、螺子保持部材72が組み付けられ、これにより電源側電気接続構造70が保持される。
【0035】
この電気接続箱1においては、内部導電部材60をブロック本体31に保持させ且つ電源側電気接続構造70を突出ブロック部32に保持させた状態で、内部導電部材60の第2電気接続部62の貫通孔62aに電源側電気接続構造70の雄螺子部材71の雄螺子部を挿通させている。この電気接続箱1においては、内部導電部材60が保持されたブロック本体31を他方の開口41bから筒部41の筒内に挿入し、かつ、電源側電気接続構造70が保持された突出ブロック部32を内部導電部材60の第2電気接続部62と共に他方の開口43bから副筒部43の筒内に挿入する。
【0036】
この電気接続箱1においては、その雄螺子部材71の雄螺子部を貫通孔22aに差し込んで回路分岐部材(回路保護部材)21の電源接続部22を電源側電気接続構造70に組み付け、更に、この雄螺子部材71の雄螺子部を貫通孔TBaに差し込んで電源側端子金具TBを電源側電気接続構造70に組み付ける。そして、この電気接続箱1においては、その雄螺子部材71の雄螺子部に雌螺子部材73を螺合して、電源側端子金具TBと内部導電部材60の第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の電源接続部22とを共締め固定する。この電気接続箱1においては、電源側端子金具TBと回路分岐部品(回路保護部品)20が電源側電気接続構造70を介してブロック30に組み付けられる。
【0037】
副筒部43の一方の開口43aは、電源側端子金具TB、内部導電部材60の第2電気接続部62、回路分岐部材(回路保護部材)21の電源接続部22及び電源側電気接続構造70と一緒に、フレーム40に組み付けた第1カバー部材51で覆われて、この第1カバー部材51の中に収められる。また、この第1カバー部材51は、フレーム40の凹部42を覆っており、この凹部42の中の回路分岐部品(回路保護部品)20を凹部42との間の空間内に収める。
【0038】
副筒部43の他方の開口43bは、フレーム40に組み付けた第2カバー部材52に設けた閉塞部53によって、フレーム40の外に露出させぬように塞がれる(
図1、
図3、
図9及び
図13)。
【0039】
ここで、回路分岐部品(回路保護部品)20は、電源接続部22を電源側電気接続構造70に組み付けた状態で、負荷接続部23の露出面23bを対向壁体41fと向かい合わせに配置して、樹脂部材26の保持部26aと対向壁体41fとの間に露出面23bを介在させる(
図7)。この回路分岐部品(回路保護部品)20は、全ての負荷接続部23の露出面23bを対向壁体41fと向かい合わせに配置している。つまり、この回路分岐部品(回路保護部品)20においては、その保持部26aよりも対向壁体41f側に全ての負荷側電気接続構造75を設ける。このため、この負荷側電気接続構造75は、負荷側電線WLの端末の負荷側端子金具TLと回路分岐部材(回路保護部材)21の負荷接続部23とを保持部26aよりも対向壁体41f側で物理的且つ電気的に接続させる。これにより、この電気接続箱1においては、負荷側電気接続構造75を樹脂部材26の保持部26aと対向壁体41fとの間に隠した状態で回路分岐部品(回路保護部品)20が組み付けられる。よって、この電気接続箱1においては、第1カバー部材51が取り外されているときに、その負荷側電気接続構造75と負荷側端子金具TLと回路分岐部材(回路保護部材)21の負荷接続部23に対する他部品の接触を抑止することができる。従って、この電気接続箱1は、例えば、周辺部品の組付け作業や周辺部品のメンテナンス作業を行う際に、負荷側電気接続構造75等に対する金属製の部品や工具等の他部品の接触を抑止できるので、その他部品と負荷側電気接続構造75等との間の通電を回避することができる。
【0040】
また、回路分岐部品(回路保護部品)20は、電源接続部22を電源側電気接続構造70に組み付けた状態で、樹脂部材26から露出させた電源接続部22を当該樹脂部材26よりも対向壁体41f側に配置する(
図6)。つまり、この回路分岐部品(回路保護部品)20においては、樹脂部材26よりも対向壁体41f側に電源側電気接続構造70を設ける。このため、この電源側電気接続構造70は、電源側電線WBの端末の電源側端子金具TBと内部導電部材60の第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の電源接続部22とを樹脂部材26よりも対向壁体41f側で物理的且つ電気的に接続させる。これにより、この電気接続箱1においては、電源側電気接続構造70を樹脂部材26と対向壁体41fとの間に隠した状態で回路分岐部品(回路保護部品)20が組み付けられる。よって、この電気接続箱1においては、第1カバー部材51が取り外されているときに、その電源側電気接続構造70と電源側電線WBの端末の電源側端子金具TBと内部導電部材60の第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の電源接続部22に対する側方からの他部品の接触を抑止することができる。従って、この電気接続箱1は、例えば、周辺部品の組付け作業や周辺部品のメンテナンス作業を行う際に、電源側電気接続構造70等に対する金属製の部品や工具等の他部品の側方からの接触を抑止できるので、その他部品と負荷側電気接続構造75等との間の通電を回避することができる。
【0041】
この電気接続箱1において、電源側電線WBと負荷側電線WLは、その全ての芯線が銅又は銅合金で成形されたものであってもよい。但し、この電源側電線WBと負荷側電線WLは、軽量化を図るべく、その内の少なくとも1本の芯線がアルミニウム又はアルミニウム合金で成形されたものであることが望ましい。例えば、電源側電線WBと負荷側電線WLは、その全ての芯線がアルミニウム又はアルミニウム合金で成形されたものであってもよく、少なくとも1本の芯線がアルミニウム又はアルミニウム合金で成形され、残りの芯線が銅又は銅合金で成形されたものであってもよい。
【0042】
電源側電線WBと負荷側電線WLは、その芯線がアルミニウム又はアルミニウム合金で成形されている場合、その芯線が銅又は銅合金で成形されているものと比較して、軽量化を図れるが、大電流対応に伴い太く且つ硬いものとなり、曲げ難くなっている。しかしながら、この電気接続箱1においては、回路分岐部品(回路保護部品)20を筒部41の筒外でフレーム40の外に配置して、そのような曲げ難い電源側電線WBや負荷側電線WLをフレーム40の外で配策する。このため、この電気接続箱1は、その電源側電線WB等による筐体内での周辺への過荷重を抑止することができ、また、筒部41の筒内での他の電線の収容性を向上させることができる。
【0043】
具体的に、ここで示す電気接続箱1は、内部導電部材60として、第1内部導電部材60Aと第2内部導電部材60Bを備えており、この第1内部導電部材60Aと第2内部導電部材60Bをブロック30に保持させる(
図5及び
図8)。ここでは、内部導電部材60として、2種類の第1内部導電部材60Aを備えている。
【0044】
また、ここで示す回路分岐部材(回路保護部材)21は、電源接続部22として、第1電源接続部22Aと第2電源接続部22Bを備えており、この第1電源接続部22Aと第2電源接続部22Bを電源側電線WBとしての第1電源側電線WB1と第2電源側電線WB2とに各々電気的に接続させる(
図5、
図10及び
図11)。この回路分岐部材(回路保護部材)21においては、連結部25によって第1電源接続部22Aと第2電源接続部22Bとが連結され、この連結部25を介して可溶部24が第1電源接続部22Aと第2電源接続部22Bとに連結される。つまり、可溶部24は、第1電源接続部22Aと負荷接続部23との間に介在させ、かつ、第2電源接続部22Bと負荷接続部23との間に介在させている。
【0045】
第1電源側電線WB1は、回路分岐部材(回路保護部材)21から見て第1電源接続部22Aと外部電源Bとの間に介在させて、その第1電源接続部22Aを外部電源Bに電気接続させる。また、第2電源側電線WB2は、筐体の外に配置されているオルタネータやDC-DCコンバータ等の外部電気部品Pに電気接続され、かつ、回路分岐部材(回路保護部材)21と第1電源側電線WB1を介して外部電源Bに電気接続される。つまり、この第2電源側電線WB2は、回路分岐部材(回路保護部材)21と第1電源側電線WB1を介して外部電気部品Pを外部電源Bに電気接続させる。
【0046】
第1電源接続部22Aは、第1電源側電線WB1の端末の電源側端子金具TBと第1内部導電部材60Aの第2電気接続部62を物理的且つ電気的に接続させる。電気接続箱1は、電源側電気接続構造70として、その第1電源側電線WB1の端末の電源側端子金具TBと第1内部導電部材60Aの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第1電源接続部22Aとを相互間で物理的且つ電気的に接続させる第1電源側電気接続構造70Aを備える(
図2、
図5、
図6及び
図8)。この第1電源側電気接続構造70Aは、第1電源側電線WB1の端末の電源側端子金具TBと第1内部導電部材60Aの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第1電源接続部22Aのそれぞれの貫通孔TBa,62a,22aに雄螺子部材71の雄螺子部を挿通させ、その雄螺子部に雌螺子部材73を螺合させることによって、その電源側端子金具TBと第1内部導電部材60Aの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第1電源接続部22Aとを共締め固定する。ここでは、電源側端子金具TBと2つの第1内部導電部材60Aのそれぞれの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第1電源接続部22Aとを共締め固定している。
【0047】
ここで示すフレーム40は、副筒部43として、筒部41における一方の開口41aと同じ向きに口を開けた開口(一方の開口43a)が設けられた第1副筒部43Aを有している(
図1から
図3、
図5、
図6、
図9及び
図12)。この第1副筒部43Aは、第1電源側電気接続構造70Aを筒内に収容し、かつ、この第1電源側電気接続構造70Aにおける雄螺子部材71の雄螺子部を一方の開口43aから突出させる。この第1副筒部43Aは、フレーム40の凹部42の中に設けられている。筒部41の筒壁41cには、切欠き44として、自身の筒内と第1副筒部43Aの筒内とを連通させ、かつ、第1内部導電部材60Aの第2電気接続部62を筒部41の筒外でフレーム40の外に突出させる第1切欠き44Aが設けられている(
図5及び
図6)。そして、ブロック30には、第1電源側電気接続構造70Aの螺子保持部材72が組み付けられる突出ブロック部32として、その第1切欠き44Aから筒部41の筒外に突出させ、かつ、第1副筒部43Aの筒内に収容させる第1突出ブロック部32Aが設けられている(
図5、
図6及び
図8)。
【0048】
この電気接続箱1においては、雄螺子部材71の雄螺子部を第1副筒部43Aの一方の開口43aから抜け出させた状態で、第1副筒部43Aの筒内に第1突出ブロック部32Aと第1電源側電気接続構造70Aと2つの第1内部導電部材60Aのそれぞれの第2電気接続部62を収容させる(
図6)。
【0049】
第2電源接続部22Bは、第2電源側電線WB2の端末の電源側端子金具TBと第2内部導電部材60Bの第2電気接続部62を物理的且つ電気的に接続させる。電気接続箱1は、電源側電気接続構造70として、その第2電源側電線WB2の端末の電源側端子金具TBと第2内部導電部材60Bの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第2電源接続部22Bとを相互間で物理的且つ電気的に接続させる第2電源側電気接続構造70Bを備える(
図2、
図5及び
図8)。この第2電源側電気接続構造70Bは、第2電源側電線WB2の端末の電源側端子金具TBと第2内部導電部材60Bの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第2電源接続部22Bのそれぞれの貫通孔TBa,62a,22aに雄螺子部材71の雄螺子部を挿通させ、その雄螺子部に雌螺子部材73を螺合させることによって、その電源側端子金具TBと第2内部導電部材60Bの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第2電源接続部22Bとを共締め固定する。
【0050】
ここで示すフレーム40は、副筒部43として、筒部41における一方の開口41aと同じ向きに口を開けた開口(一方の開口43a)が設けられた第2副筒部43Bを有している(
図1から
図3、
図5、
図9及び
図12)。この第2副筒部43Bは、第2電源側電気接続構造70Bを筒内に収容し、かつ、この第2電源側電気接続構造70Bにおける雄螺子部材71の雄螺子部を一方の開口43aから突出させる。この第2副筒部43Bは、フレーム40の凹部42の中に設けられている。筒部41の筒壁41cには、切欠き44として、自身の筒内と第2副筒部43Bの筒内とを連通させ、かつ、第2内部導電部材60Bの第2電気接続部62を筒部41の筒外でフレーム40の外に突出させる第2切欠き44Bが設けられている(
図5)。そして、ブロック30には、第2電源側電気接続構造70Bの螺子保持部材72が組み付けられる突出ブロック部32として、その第2切欠き44Bから筒部41の筒外に突出させ、かつ、第2副筒部43Bの筒内に収容させる第2突出ブロック部32Bが設けられている(
図5及び
図8)。
【0051】
この電気接続箱1においては、雄螺子部材71の雄螺子部を第2副筒部43Bの一方の開口43aから抜け出させた状態で、第2副筒部43Bの筒内に第2突出ブロック部32Bと第2電源側電気接続構造70Bと第2内部導電部材60Bの第2電気接続部62を収容させる。
【0052】
この電気接続箱1においては、第1電源側電気接続構造70Aの雄螺子部材71の雄螺子部を第1電源接続部22Aの貫通孔22aに差し込んで第1電源接続部22Aを第1電源側電気接続構造70Aに組み付け、かつ、第2電源側電気接続構造70Bの雄螺子部材71の雄螺子部を第2電源接続部22Bの貫通孔22aに差し込んで第2電源接続部22Bを第2電源側電気接続構造70Bに組み付ける。そして、この電気接続箱1においては、第1電源側電気接続構造70Aの雄螺子部材71の雄螺子部を第1電源側電線WB1の電源側端子金具TBの貫通孔TBaに差し込んでその電源側端子金具TBを第1電源側電気接続構造70Aに組み付け、かつ、第2電源側電気接続構造70Bの雄螺子部材71の雄螺子部を第2電源側電線WB2の電源側端子金具TBの貫通孔TBaに差し込んでその電源側端子金具TBを第2電源側電気接続構造70Bに組み付ける。この電気接続箱1においては、それぞれの雄螺子部材71の雄螺子部に雌螺子部材73を各々螺合して、第1電源側電線WB1の電源側端子金具TBと2つの第1内部導電部材60Aのそれぞれの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第1電源接続部22Aとを共締め固定し、かつ、第2電源側電線WB2の電源側端子金具TBと第2内部導電部材60Bの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第2電源接続部22Bとを共締め固定する。この電気接続箱1においては、2つの電源側端子金具TBと回路分岐部品(回路保護部品)20が第1電源側電気接続構造70Aと第2電源側電気接続構造70Bを介してブロック30に組み付けられる。
【0053】
第1副筒部43Aと第2副筒部43Bにおけるそれぞれの一方の開口43aは、2つの電源側端子金具TB、2つの第1内部導電部材60Aと第2内部導電部材60Bのそれぞれの第2電気接続部62、回路分岐部材(回路保護部材)21の第1電源接続部22Aと第2電源接続部22B、第1電源側電気接続構造70A及び第2電源側電気接続構造70Bと一緒に第1カバー部材51で覆われて、この第1カバー部材51の中に収められる。
【0054】
第2カバー部材52は、閉塞部53として、第1副筒部43Aの他方の開口43bをフレーム40の外に露出させぬように塞ぐ第1閉塞部53Aと、第2副筒部43Bの他方の開口43bをフレーム40の外に露出させぬように塞ぐ第2閉塞部53Bと、を有する(
図1、
図3、
図9及び
図13)。この第1閉塞部53Aと第2閉塞部53Bは、他方の開口43bを第1切欠き44Aや第2切欠き44Bと一緒にフレーム40の外から塞ぐ1枚の板状の壁部であってもよく、他方の開口43bを第1切欠き44Aや第2切欠き44Bと一緒にフレーム40の外から囲って覆い隠す複数の壁部から成るものであってもよい。ここでは、第1副筒部43Aと第2副筒部43Bが設けられた筒部41の他方の開口41bの周縁に、第1分割カバー52Aが組み付けられる。このため、第1閉塞部53Aと第2閉塞部53Bは、第1分割カバー52Aに設けている。
【0055】
ここで、回路分岐部品(回路保護部品)20は、第1電源接続部22Aを第1電源側電気接続構造70Aに組み付け且つ第2電源接続部22Bを第2電源側電気接続構造70Bに組み付けた状態で、全ての負荷接続部23の露出面23bを対向壁体41fと向かい合わせに配置して、樹脂部材26の保持部26aと対向壁体41fとの間に露出面23bを介在させる(
図7)。このため、全ての負荷側電気接続構造75は、負荷側電線WLの端末の負荷側端子金具TLと回路分岐部材(回路保護部材)21の負荷接続部23とを保持部26aよりも対向壁体41f側で物理的且つ電気的に接続させる。よって、この電気接続箱1においては、第1カバー部材51が取り外されているときに、その負荷側電気接続構造75と負荷側端子金具TLと回路分岐部材(回路保護部材)21の負荷接続部23に対する他部品の接触を抑止することができる。
【0056】
また、回路分岐部品(回路保護部品)20は、第1電源接続部22Aを第1電源側電気接続構造70Aに組み付け且つ第2電源接続部22Bを第2電源側電気接続構造70Bに組み付けた状態で、樹脂部材26から露出させた第1電源接続部22Aと第2電源接続部22Bを当該樹脂部材26よりも対向壁体41f側に配置する(
図6)。このため、第1電源側電気接続構造70Aは、第1電源側電線WB1の端末の電源側端子金具TBと2つの第1内部導電部材60Aのそれぞれの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第1電源接続部22Aとを樹脂部材26よりも対向壁体41f側で物理的且つ電気的に接続させる。更に、第2電源側電気接続構造70Bは、第2電源側電線WB2の端末の電源側端子金具TBと第2内部導電部材60Aの第2電気接続部62と回路分岐部材(回路保護部材)21の第2電源接続部22Bとを樹脂部材26よりも対向壁体41f側で物理的且つ電気的に接続させる。よって、この電気接続箱1においては、第1カバー部材51が取り外されているときに、第1電源側電気接続構造70A、第2電源側電気接続構造70B、第1電源側電線WB1の端末の電源側端子金具TB、第2電源側電線WB2の端末の電源側端子金具TB、2つの第1内部導電部材60Aのそれぞれの第2電気接続部62、第2内部導電部材60Aの第2電気接続部62並びに回路分岐部材(回路保護部材)21の第1電源接続部22A及び第2電源接続部22Bに対する側方からの他部品の接触を抑止することができる。
【0057】
以上示したように、本実施形態の電気接続箱1は、回路分岐部品(回路保護部品)20を筒部41の筒外でフレーム40の外に配置しているので、この回路分岐部品(回路保護部品)20に接続された電源側電線WB(第1電源側電線WB1、第2電源側電線WB2)や負荷側電線WLによる筐体内での周辺への過荷重を抑止することができる。特に、この電気接続箱1は、電線径が太くなるほど電源側電線WB(第1電源側電線WB1、第2電源側電線WB2)や負荷側電線WLが曲がり難いので、この電源側電線WB等による筐体内での周辺への過荷重を抑止することができる。例えば、この電気接続箱1においては、電源側電線WB等による筐体内での第2カバー部材52への過荷重を抑止することで、この第2カバー部材52の変形を抑えることができる。また、この電気接続箱1は、曲げ難い電源側電線WB等をフレーム40の外で配策することによって、筒部41の筒内での他の電線の収容性を向上させることができる。また、この電気接続箱1は、電源側電線WB等をフレーム40の外で配策することによって、この電源側電線WB等で発生した熱が筐体内で籠もることがなくなるので、筐体内の温度上昇を抑えることができる。そして、この電気接続箱1は、これらの効果を奏しつつ、回路分岐部品(回路保護部品)20における物理的且つ電気的な接続箇所(第1電源側電気接続構造70Aや第2電源側電気接続構造70B等)が樹脂部材26よりも筐体側に配置されているので、その接続箇所に対する他部品の接触を抑止することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 電気接続箱
10 電子部品
20 回路分岐部品(回路保護部品)
21 回路分岐部材(回路保護部材)
22 電源接続部
22A 第1電源接続部
22B 第2電源接続部
23 負荷接続部
23b 露出面
24 可溶部
26 樹脂部材
26a 保持部
40 フレーム
41 筒部
41a 一方の開口(開口)
41c 筒壁
41f 対向壁体
51 第1カバー部材(カバー部材)
60 内部導電部材
60A 第1内部導電部材
60B 第2内部導電部材
61 第1電気接続部
62 第2電気接続部
70 電源側電気接続構造
70A 第1電源側電気接続構造
70B 第2電源側電気接続構造
75 負荷側電気接続構造
B 外部電源
L 外部負荷
TB 電源側端子金具
TL 負荷側端子金具
WB 電源側電線
WB1 第1電源側電線
WB2 第2電源側電線
WL 負荷側電線