(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-12
(45)【発行日】2025-02-20
(54)【発明の名称】部品実装システムおよび部品実装方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/00 20060101AFI20250213BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
(21)【出願番号】P 2023538198
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(86)【国際出願番号】 JP2021028478
(87)【国際公開番号】W WO2023007741
(87)【国際公開日】2023-02-02
【審査請求日】2023-09-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】藤本 猛志
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-153098(JP,A)
【文献】国際公開第2020/161827(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/090006(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品供給部を使用して基板に部品を実装する部品実装装置と、
前記部品実装装置に対して前記部品供給部を搬送する搬送ロボットと、
前記搬送ロボットが搬送する複数の前記部品供給部が配置される配置装置と、
前記搬送ロボットにより前記配置装置から前記部品供給部を取得して前記部品実装装置に搬送する場合に、搬送対象の前記部品供給部の前記配置装置における配置位置を表す情報を含む段取りリストを作成するとともに、作成した前記段取りリストを作業者に通知する制御装置と、を備え
、
前記部品実装装置、前記搬送ロボット、および、前記配置装置
の各々は、
前記部品供給部が配置される複数の部品供給部配置部を有し、
前記部品実装装置、前記搬送ロボット、および、前記配置装置の各々の前記複数の部品供給部配置部は、互いに対応する
前記部品供給部配置部に前記部品供給部を配置可能に構成されており、
前記制御装置は、前記配置装置において前記部品供給部を配置する
前記部品供給部配置部の位置が、前記搬送ロボットにおいて前記部品供給部を配置する
前記部品供給部配置部の位置、および、前記部品実装装置において前記部品供給部を配置する
前記部品供給部配置部の位置と対応するように、前記段取りリストを作成するように構成されている、部品実装システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記段取りリストが前記部品供給部の使用開始時刻順に並ぶように、前記段取りリストを作成するように構成されている、請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項3】
前記配置装置は、前記段取りリストにより指定された位置に前記部品供給部が配置されたか否かを検出可能であるとともに、前記段取りリストにより指定された位置以外の誤った位置に前記部品供給部が配置されたことを検出した場合、前記段取りリストにより指定された正しい位置に前記部品供給部を配置するように、前記作業者に通知を行うように構成されている、請求項1または2に記載の部品実装システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記段取りリストを表示部に表示させるように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の部品実装システム。
【請求項5】
前記表示部は、前記配置装置が設けられたエリアに設けられたエリア表示部、前記作業者が携帯する携帯端末に設けられた携帯端末表示部、および、前記配置装置に設けられた配置装置表示部のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の部品実装システム。
【請求項6】
部品供給部を使用して基板に部品を実装する部品実装装置と、
前記部品実装装置に対して前記部品供給部を搬送する搬送ロボットと、
前記搬送ロボットが搬送する複数の前記部品供給部が配置される配置装置と、
前記搬送ロボットにより前記配置装置から前記部品供給部を取得して前記部品実装装置に搬送する場合に、搬送対象の前記部品供給部の前記配置装置における配置位置を表す情報を含む段取りリストを作成するとともに、作成した前記段取りリストを作業者に通知する制御装置と、を備え、
前記部品実装装置、前記搬送ロボット、および、前記配置装置は、互いに対応する位置に前記部品供給部を配置可能に構成されており、
前記制御装置は、前記配置装置において前記部品供給部を配置する位置が、前記搬送ロボットにおいて前記部品供給部を配置する位置、および、前記部品実装装置において前記部品供給部を配置する位置と対応するように、前記段取りリストを作成するように構成されており、
前記搬送ロボットは、前記部品供給部が配置される複数のスロットを有し、
前記制御装置は、生産する前記基板の品種を現在の品種から次の品種に切り替える段取り替えを行う場合に、前記搬送ロボットの前記複数のスロットのうちに、前記部品供給部を回収するための空きスロットを設けることが可能なように、前記段取りリストを作成するように構成されている、部品実装システム。
【請求項7】
部品供給部を使用して基板に部品を実装する部品実装装置と、
前記部品実装装置に対して前記部品供給部を搬送する搬送ロボットと、
前記搬送ロボットが搬送する複数の前記部品供給部が配置される配置装置と、
前記搬送ロボットにより前記配置装置から前記部品供給部を取得して前記部品実装装置に搬送する場合に、搬送対象の前記部品供給部の前記配置装置における配置位置を表す情報を含む段取りリストを作成するとともに、作成した前記段取りリストを作業者に通知する制御装置と、を備え、
前記搬送ロボットは、前記部品供給部が配置される複数のスロットを有し、
前記制御装置は、生産する前記基板の品種を現在の品種から次の品種に切り替える段取り替えを行う場合に、前記搬送ロボットの前記複数のスロットのうちに、前記部品供給部を回収するための空きスロットを設けることが可能なように、前記段取りリストを作成するように構成されており、
前記制御装置は、前記空きスロットを設けることが可能なように、前記段取りリストを分割するように構成されている、部品実装システム。
【請求項8】
前記制御装置は、前記搬送ロボットにより、前記部品実装装置に配置された前記部品供給部を前記空きスロットに回収するとともに、前記複数のスロットをスライド移動させ、前記スロットに配置された前記部品供給部を前記部品実装装置に補給することが可能なように、前記段取りリストを分割するように構成されている、請求項7に記載の部品実装システム。
【請求項9】
部品供給部を使用して基板に部品を実装する部品実装装置と、
前記部品実装装置に対して前記部品供給部を搬送する搬送ロボットと、
前記搬送ロボットが搬送する複数の前記部品供給部が配置される配置装置と、
前記搬送ロボットにより前記配置装置から前記部品供給部を取得して前記部品実装装置に搬送する場合に、搬送対象の前記部品供給部の前記配置装置における配置位置を表す情報を含む段取りリストを作成するとともに、作成した前記段取りリストを作業者に通知する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、部品切れによる前記部品供給部の補給を行う場合に、前記段取りリストが複数の補給グループに分かれるように、前記段取りリストを分割するように構成されている、部品実装システム。
【請求項10】
前記制御装置は、前記段取りリストの前記部品供給部のうち、使用開始時刻が所定の時間内の前記部品供給部が1つのグループになるように、前記段取りリストを分割するように構成されている、請求項9に記載の部品実装システム。
【請求項11】
前記制御装置は、前記段取りリストの前記部品供給部のうち、前記部品供給部の使用開始時刻の間隔が前記搬送ロボットが前記部品供給部を搬送して前記配置装置に戻るまでの時間よりも短い範囲内の前記部品供給部が1つのグループになるように、前記段取りリストを分割するように構成されている、請求項9に記載の部品実装システム。
【請求項12】
部品供給部を使用して基板に部品を実装する部品実装装置と、
前記部品実装装置に対して前記部品供給部を搬送する搬送ロボットと、
前記搬送ロボットが搬送する複数の前記部品供給部が配置される配置装置と、
前記搬送ロボットにより前記配置装置から前記部品供給部を取得して前記部品実装装置に搬送する場合に、搬送対象の前記部品供給部の前記配置装置における配置位置を表す情報を含む段取りリストを作成するとともに、作成した前記段取りリストを作業者に通知する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記搬送ロボットにより複数の前記部品実装装置に前記部品供給部を搬送可能な場合に、前記複数の部品実装装置に搬送される前記部品供給部を組み合わせて前記段取りリストを作成するように構成されている、部品実装システム。
【請求項13】
前記制御装置は、優先順位に基づいて、前記複数の部品実装装置の前記部品供給部の前記配置装置における配置位置に重なりがあるか否かを確認するとともに、重なりがない場合に、前記複数の部品実装装置に搬送される前記部品供給部を組み合わせて前記段取りリストを作成するように構成されている、請求項12に記載の部品実装システム。
【請求項14】
前記制御装置は、前記優先順位に基づいて、前記複数の部品実装装置の前記部品供給部の前記配置装置における配置位置に重なりがあるか否かを確認するとともに、重なりがある場合に、前記優先順位が低い方の前記部品実装装置の前記部品供給部の前記配置装置における配置位置をオフセットし、重なりがなくなった場合には、前記複数の部品実装装置に搬送される前記部品供給部を組み合わせて前記段取りリストを作成するように構成されている、請求項13に記載の部品実装システム。
【請求項15】
前記優先順位は、前記部品供給部の使用開始時刻、搬送対象の前記部品供給部の数、または、前記配置装置から前記部品実装装置までの距離に基づいて、設定されている、請求項13または14に記載の部品実装システム。
【請求項16】
部品供給部を使用して基板に部品を実装する部品実装装置と、
前記部品実装装置に対して前記部品供給部を搬送する搬送ロボットと、
前記搬送ロボットが搬送する複数の前記部品供給部が配置される配置装置と、
前記搬送ロボットにより前記配置装置から前記部品供給部を取得して前記部品実装装置に搬送する場合に、搬送対象の前記部品供給部の前記配置装置における配置位置を表す情報を含む段取りリストを作成するとともに、作成した前記段取りリストを作業者に通知する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記部品供給部の前記配置装置への配置が前記搬送ロボットの搬送開始時刻に間に合わなかった場合、前記段取りリストで指定された前記配置装置である第1配置装置とは異なる第2配置装置に前記部品供給部を配置可能であるか否かを確認するとともに、前記第2配置装置に前記部品供給部を配置可能である場合、前記第2配置装置に前記部品供給部を配置することを前記作業者に通知するように、前記段取りリストを変更するように構成されている、部品実装システム。
【請求項17】
前記制御装置は、前記第2配置装置に前記部品供給部を配置可能ではない場合、前記作業者が前記部品供給部を搬送するように、前記作業者に通知を行うように構成されている、請求項16に記載の部品実装システム。
【請求項18】
部品供給部を使用して基板に部品を実装する部品実装装置と、前記部品実装装置に対して前記部品供給部を搬送する搬送ロボットと、前記搬送ロボットが搬送する複数の前記部品供給部が配置される配置装置と、を備える、部品実装システムのための部品実装方法であって、
前記搬送ロボットにより前記配置装置から前記部品供給部を取得して前記部品実装装置に搬送する場合に、搬送対象の前記部品供給部の前記配置装置における配置位置を表す情報を含む段取りリストを作成するステップと、
作成した前記段取りリストを作業者に通知するステップと、を備え、
前記部品実装装置、前記搬送ロボット、および、前記配置装置
の各々は、
前記部品供給部が配置される複数の部品供給部配置部を有し、
前記部品実装装置、前記搬送ロボット、および、前記配置装置の各々の前記複数の部品供給部配置部は、互いに対応する
前記部品供給部配置部に前記部品供給部を配置可能に構成されており、
前記段取りリストを作成するステップは、前記配置装置において前記部品供給部を配置する
前記部品供給部配置部の位置が、前記搬送ロボットにおいて前記部品供給部を配置する
前記部品供給部配置部の位置、および、前記部品実装装置において前記部品供給部を配置する
前記部品供給部配置部の位置と対応するように、前記段取りリストを作成するステップを含む、部品実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部品実装システムおよび部品実装方法に関し、特に、部品供給部を搬送する部品実装システムおよび部品実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品供給部を搬送する部品実装システムが知られている。このような部品実装システムは、たとえば、特許第6266621号公報に開示されている。
【0003】
上記特許第6266621号公報には、フィーダ(部品供給部)を搬送する自動搬送車と、フィーダが配置される部品装着機と、を備える部品実装システムが開示されている。この部品実装システムでは、準備エリアの作業者が、搬送すべきフィーダを準備し、準備したフィーダが自動搬送車により生産エリアに搬送される。そして、生産エリアの作業者が、自動搬送車により搬送されたフィーダを部品装着機に補給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許第6266621号公報には明記されていないものの、上記特許第6266621号公報に記載されるような部品実装システムでは、準備エリアの作業者が準備したフィーダが、仮置き台に配置されるとともに、仮置き台に配置されたフィーダが、自動搬送車により取得されて搬送される場合がある。この場合、準備エリアの作業者によるフィーダの仮置き台への配置ミス(フィーダを仮置き台の間違った配置位置に配置するなど)が発生する場合がある。この場合、作業者によるフィーダ(部品供給部)の仮置き台(配置装置)への配置作業を効率良く行うことが困難であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、搬送ロボットにより配置装置から部品供給部を取得して部品実装装置に搬送する場合に、作業者による部品供給部の配置装置への配置作業を効率良く行うことが可能な部品実装システムおよび部品実装方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1~第6の局面による部品実装システムは、部品供給部を使用して基板に部品を実装する部品実装装置と、部品実装装置に対して部品供給部を搬送する搬送ロボットと、搬送ロボットが搬送する複数の部品供給部が配置される配置装置と、搬送ロボットにより配置装置から部品供給部を取得して部品実装装置に搬送する場合に、搬送対象の部品供給部の配置装置における配置位置を表す情報を含む段取りリストを作成するとともに、作成した段取りリストを作業者に通知する制御装置と、を備える。また、この発明の第1の局面による部品実装システムでは、部品実装装置、搬送ロボット、および、配置装置の各々は、部品供給部が配置される複数の部品供給部配置部を有し、部品実装装置、搬送ロボット、および、配置装置の各々の複数の部品供給部配置部は、互いに対応する部品供給部配置部に部品供給部を配置可能に構成されており、制御装置は、配置装置において部品供給部を配置する部品供給部配置部の位置が、搬送ロボットにおいて部品供給部を配置する部品供給部配置部の位置、および、部品実装装置において部品供給部を配置する部品供給部配置部の位置と対応するように、段取りリストを作成するように構成されている。また、この発明の第2の局面による部品実装システムでは、部品実装装置、搬送ロボット、および、配置装置は、互いに対応する位置に部品供給部を配置可能に構成されており、制御装置は、配置装置において部品供給部を配置する位置が、搬送ロボットにおいて部品供給部を配置する位置、および、部品実装装置において部品供給部を配置する位置と対応するように、段取りリストを作成するように構成されている。
【0008】
この発明の第1~第6の局面による部品実装システムでは、搬送ロボットにより配置装置から部品供給部を取得して部品実装装置に搬送する場合に、搬送対象の部品供給部の配置装置における配置位置を表す情報を含む段取りリストを作成するとともに、作成した段取りリストを作業者に通知する制御装置を設ける。これにより、段取りリストにより、配置装置における部品供給部の配置位置を作業者に対して明確に示すことができる。その結果、作業者による部品供給部の配置装置への配置ミス(部品供給部を配置装置の間違った配置位置に配置するなど)が発生することを抑制することができる。これにより、搬送ロボットにより配置装置から部品供給部を取得して部品実装装置に搬送する場合に、作業者による部品供給部の配置装置への配置作業を効率良く行うことが可能な部品実装システムを提供することができる。
【0009】
上記第1の局面による部品実装システムにおいて、好ましくは、制御装置は、段取りリストが部品供給部の使用開始時刻順に並ぶように、段取りリストを作成するように構成されている。このように構成すれば、作業者は、段取りリストにより、使用開始時刻が早い部品供給部(優先順位が高い部品供給部)を容易に認識することができる。その結果、作業者は、使用開始時刻が早い部品供給部(優先順位が高い部品供給部)から順に配置装置への配置作業を行うことができる。
【0011】
上記第1の局面による部品実装システムにおいて、好ましくは、配置装置は、段取りリストにより指定された位置に部品供給部が配置されたか否かを検出可能であるとともに、段取りリストにより指定された位置以外の誤った位置に部品供給部が配置されたことを検出した場合、段取りリストにより指定された正しい位置に部品供給部を配置するように、作業者に通知を行うように構成されている。このように構成すれば、作業者は、部品供給部を誤った位置に配置した場合、部品供給部を誤った位置に配置したことを容易に認識することができるとともに、誤った位置に配置した部品供給部を正しい位置に容易に配置し直すことができる。
【0012】
上記第1の局面による部品実装システムにおいて、好ましくは、制御装置は、段取りリストを表示部に表示させるように構成されている。このように構成すれば、作業者は、表示部に表示された段取りリストを容易に確認することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、表示部は、配置装置が設けられたエリアに設けられたエリア表示部、作業者が携帯する携帯端末に設けられた携帯端末表示部、および、配置装置に設けられた配置装置表示部のうちの少なくとも1つを含む。このように構成すれば、表示部がエリア表示部である場合、エリアに複数の作業者が存在する場合に、複数の作業者が段取りリストを容易に確認することができる。また、表示部が携帯端末表示部である場合、携帯端末を携帯する作業者が所望のタイミングで段取りリストを容易に確認することができる。また、表示部が配置装置表示部である場合、作業者は、実際に作業が行われる配置装置の近傍で、段取りリストを容易に確認することができる。
【0014】
上記第2の局面による部品実装システムにおいて、搬送ロボットは、部品供給部が配置される複数のスロットを有し、制御装置は、生産する基板の品種を現在の品種から次の品種に切り替える段取り替えを行う場合に、搬送ロボットの複数のスロットのうちに、部品供給部を回収するための空きスロットを設けることが可能なように、段取りリストを作成するように構成されている。このように構成すれば、搬送ロボットにより、部品実装装置に配置された部品供給部を空きスロットに回収しつつ、空きスロット以外のスロットに配置された部品供給部を部品実装装置に補給することができる。その結果、搬送ロボットにより、部品実装装置に配置された部品供給部の回収のみ、または、部品供給部の部品実装装置への補給のみを行う場合に比べて、搬送ロボットを効率良く利用することができる。
【0015】
上記第3の局面による部品実装システムにおいて、搬送ロボットは、部品供給部が配置される複数のスロットを有し、制御装置は、生産する基板の品種を現在の品種から次の品種に切り替える段取り替えを行う場合に、搬送ロボットの複数のスロットのうちに、部品供給部を回収するための空きスロットを設けることが可能なように、段取りリストを作成するように構成されている。また、制御装置は、空きスロットを設けることが可能なように、段取りリストを分割するように構成されている。このように構成すれば、段取りリストの分割により、空きスロットを設けることが可能な段取りリストを容易に作成することができる。その結果、搬送ロボットを容易に効率良く利用することができる。
【0016】
上記空きスロットを設けることが可能なように段取りリストを分割する構成において、好ましくは、制御装置は、搬送ロボットにより、部品実装装置に配置された部品供給部を空きスロットに回収するとともに、複数のスロットをスライド移動させ、スロットに配置された部品供給部を部品実装装置に補給することが可能なように、段取りリストを分割するように構成されている。このように構成すれば、搬送ロボット全体を移動させずに複数のスロットをスライド移動させるだけで、搬送ロボットにより、部品実装装置に配置された部品供給部の回収と、部品供給部の部品実装装置への補給とを行うことができる。その結果、搬送ロボット全体を移動させながら、搬送ロボットにより、部品実装装置に配置された部品供給部の回収と、部品供給部の部品実装装置への補給とを行う場合と異なり、搬送ロボットの部品実装装置に対する位置決めを何度も行う必要がない。これにより、搬送ロボットにより、部品実装装置に配置された部品供給部の回収と、部品供給部の部品実装装置への補給とを容易に行うことができる。
【0017】
上記第4の局面による部品実装システムにおいて、制御装置は、部品切れによる部品供給部の補給を行う場合に、段取りリストが複数の補給グループに分かれるように、段取りリストを分割するように構成されている。このように構成すれば、段取りリストが複数の補給グループに分かれるので、段取りリストが複数の補給グループに分かれない場合に比べて、補給グループに含まれる個々の部品供給部の部品切れのタイミングにより合わせたタイミングで、搬送ロボットにより部品供給部を搬送することができる。その結果、搬送ロボットによる部品供給部の搬送が、部品供給部の部品切れのタイミングと合わないことに起因して、搬送ロボットが部品供給部の部品切れを待つ時間(停止時間)が発生することを抑制することができる。これにより、搬送ロボットの稼働率が低下することを抑制することができる。
【0018】
この場合、好ましくは、制御装置は、段取りリストの部品供給部のうち、使用開始時刻が所定の時間内の部品供給部が1つのグループになるように、段取りリストを分割するように構成されている。このように構成すれば、使用開始時刻が所定の時間内の部品供給部が1つのグループとするだけでよいので、段取りリストを容易に複数の補給グループに分けることができる。
【0019】
上記段取りリストが複数の補給グループに分かれるように、段取りリストを分割する構成において、好ましくは、制御装置は、段取りリストの部品供給部のうち、部品供給部の使用開始時刻の間隔が搬送ロボットが部品供給部を搬送して配置装置に戻るまでの時間よりも短い範囲内の部品供給部が1つのグループになるように、段取りリストを分割するように構成されている。このように構成すれば、部品供給部の使用開始時刻の間隔が搬送ロボットが部品供給部を搬送して配置装置に戻るまでの時間の範囲内で、補給グループを作成することができるので、搬送ロボットを効率良く利用することが可能な補給グループに段取りリストを分けることができる。
【0020】
上記第5の局面による部品実装システムにおいて、制御装置は、搬送ロボットにより複数の部品実装装置に部品供給部を搬送可能な場合に、複数の部品実装装置に搬送される部品供給部を組み合わせて段取りリストを作成するように構成されている。このように構成すれば、複数の部品実装装置の部品供給部を一度に搬送することができる。その結果、複数の部品実装装置に別々に部品供給部を搬送する場合に比べて、搬送ロボットの移動を減らすことができる。
【0021】
この場合、好ましくは、制御装置は、優先順位に基づいて、複数の部品実装装置の部品供給部の配置装置における配置位置に重なりがあるか否かを確認するとともに、重なりがない場合に、複数の部品実装装置に搬送される部品供給部を組み合わせて段取りリストを作成するように構成されている。このように構成すれば、複数の部品実装装置に搬送される部品供給部の配置装置における配置位置を確保可能であるか否かを確認し、確保可能である場合に、複数の部品実装装置に搬送される部品供給部を組み合わせた段取りリストを作成することができる。
【0022】
上記複数の部品実装装置に搬送される部品供給部を組み合わせて段取りリストを作成する構成において、好ましくは、制御装置は、優先順位に基づいて、複数の部品実装装置の部品供給部の配置装置における配置位置に重なりがあるか否かを確認するとともに、重なりがある場合に、優先順位が低い方の部品実装装置の部品供給部の配置装置における配置位置をオフセットし、重なりがなくなった場合には、複数の部品実装装置に搬送される部品供給部を組み合わせて段取りリストを作成するように構成されている。このように構成すれば、部品供給部の配置装置における配置位置のオフセットにより、複数の部品実装装置に搬送される部品供給部を組み合わせた段取りリストを作成できる可能性を高めることができる。その結果、複数の部品実装装置に搬送される部品供給部を組み合わせた段取りリストを作成しやすくすることができる。
【0023】
上記複数の部品実装装置に搬送される部品供給部を組み合わせて段取りリストを作成する構成において、好ましくは、優先順位は、部品供給部の使用開始時刻、搬送対象の部品供給部の数、または、配置装置から部品実装装置までの距離に基づいて、設定されている。このように構成すれば、緊急度に関する部品供給部の使用開始時刻、作業量に関する搬送対象の部品供給部の数、または、搬送時間に関する配置装置から部品実装装置までの距離に基づいて、優先順位を適切に設定することができる。
【0024】
上記第6の局面による部品実装システムにおいて、制御装置は、部品供給部の配置装置への配置が搬送ロボットの搬送開始時刻に間に合わなかった場合、段取りリストで指定された配置装置である第1配置装置とは異なる第2配置装置に部品供給部を配置可能であるか否かを確認するとともに、第2配置装置に部品供給部を配置可能である場合、第2配置装置に部品供給部を配置することを作業者に通知するように、段取りリストを変更するように構成されている。このように構成すれば、部品供給部の第1配置装置への配置が間に合わなかった場合に、別の搬送ロボットにより搬送が行われる第2配置装置に部品供給部を配置することができる。その結果、第1配置装置への配置が間に合わずに第2配置装置に配置された部品供給部を、別の搬送ロボットにより迅速に搬送することができる。
【0025】
この場合、好ましくは、制御装置は、第2配置装置に部品供給部を配置可能ではない場合、作業者が部品供給部を搬送するように、作業者に通知を行うように構成されている。このように構成すれば、第1配置装置への配置が間に合わなかった部品供給部を、作業者に搬送させることができるので、部品供給部の搬送が間に合わなかったことに起因して、部品実装装置が停止することを抑制することができる。
【0026】
上記目的を達成するために、この発明の第7の局面による部品実装方法は、部品供給部を使用して基板に部品を実装する部品実装装置と、部品実装装置に対して部品供給部を搬送する搬送ロボットと、搬送ロボットが搬送する複数の部品供給部が配置される配置装置と、を備える、部品実装システムのための部品実装方法であって、搬送ロボットにより配置装置から部品供給部を取得して部品実装装置に搬送する場合に、搬送対象の部品供給部の配置装置における配置位置を表す情報を含む段取りリストを作成するステップと、作成した段取りリストを作業者に通知するステップと、を備え、部品実装装置、搬送ロボット、および、配置装置の各々は、部品供給部が配置される複数の部品供給部配置部を有し、部品実装装置、搬送ロボット、および、配置装置の各々の複数の部品供給部配置部は、互いに対応する部品供給部配置部に部品供給部を配置可能に構成されており、段取りリストを作成するステップは、配置装置において部品供給部を配置する部品供給部配置部の位置が、搬送ロボットにおいて部品供給部を配置する部品供給部配置部の位置、および、部品実装装置において部品供給部を配置する部品供給部配置部の位置と対応するように、段取りリストを作成するステップを含む。
【0027】
この発明の第7の局面による部品実装方法では、搬送ロボットにより配置装置から部品供給部を取得して部品実装装置に搬送する場合に、搬送対象の部品供給部の配置装置における配置位置を表す情報を含む段取りリストを作成するステップと、作成した段取りリストを作業者に通知するステップと、を設ける。これにより、段取りリストにより、配置装置における部品供給部の配置位置を作業者に対して明確に示すことができる。その結果、作業者による部品供給部の配置装置への配置ミスが発生することを抑制することができる。これにより、搬送ロボットにより配置装置から部品供給部を取得して部品実装装置に搬送する場合に、作業者による部品供給部の配置装置への配置作業を効率良く行うことが可能な部品実装方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、上記のように、搬送ロボットにより配置装置から部品供給部を取得して部品実装装置に搬送する場合に、作業者による部品供給部の配置装置への配置作業を効率良く行うことが可能な部品実装システムおよび部品実装方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態による部品実装システムを示したブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態による作業エリアを示した斜視図である。
【
図3】(A)は、本発明の一実施形態による搬送ロボットによる配置装置からの部品供給部の取得を示した模式図である。(B)は、搬送ロボットから部品実装装置への部品供給部の補給を示した模式図である。
【
図4】本発明の一実施形態による配置装置、搬送ロボットおよび生産管理装置を示したブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態による初回段取りの場合の要求部品リストおよび段取りリストを説明するための図である。
【
図6】本発明の一実施形態による初回段取りの場合の段取りリストの配置状態の項目の変更を説明するための図である。
【
図7】本発明の一実施形態による配置装置による部品供給部の位置の通知を説明するための図である。
【
図8】本発明の一実施形態による初回段取りの場合の制御処理を説明するためのシーケンス図である。
【
図9】本発明の一実施形態による段取り替えの場合の段取りリストを説明するための図である。
【
図10】本発明の一実施形態による段取り替えの場合の搬送ロボットによる部品供給部の補給および回収を説明するための図である。
【
図11】本発明の一実施形態による段取り替えの場合の制御処理を説明するためのシーケンス図である。
【
図12】本発明の一実施形態による部品切れ補給の場合の要求部品リストおよび段取りリストを説明するための図である。
【
図13】本発明の一実施形態による複数の部品実装装置の組み合わせの場合の要求部品リストおよび段取りリストを説明するための図(1)である。
【
図14】本発明の一実施形態による複数の部品実装装置の組み合わせの場合の要求部品リストおよび段取りリストを説明するための図(2)である。
【
図15】本発明の一実施形態による搬送開始時刻に間に合わない場合の段取りリストの変更を説明するための図である。
【
図16】本発明の一実施形態による搬送開始時刻に間に合わない場合の作業者への通知を説明するための図である。
【
図17】本発明の一実施形態による搬送開始時刻に間に合わない場合の制御処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
(部品実装システムの構成)
図1~
図4を参照して、本発明の一実施形態による部品実装システム100の構成について説明する。
【0032】
本実施形態による部品実装システム100は、基板Sに部品を実装して、部品が実装された基板Sを製造するように構成されている。なお、基板Sは、導体の配線が形成されたプリント基板である。また、部品は、LSI、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗器などの電子部品である。
【0033】
図1に示すように、部品実装システム100は、実装ライン10と、配置装置20と、返却装置30と、搬送ロボット40と、管理システム50と、を備えている。実装ライン10は、基板Sの製造が行われる実装エリアAR1に配置されている。配置装置20および返却装置30は、作業者Wによる作業が行われる作業エリアAR2に配置されている。
【0034】
実装ライン10は、実装エリアAR1に複数設けられている。また、実装ライン10は、印刷機11と、印刷検査機12と、部品実装装置13と、外観検査装置14と、リフロー装置15と、を含んでいる。また、実装ライン10は、製造ラインに沿って上流側から下流側に向かって基板Sが搬送されるように構成されている。
【0035】
印刷機11は、スクリーン印刷機であり、クリーム半田を基板Sの実装面上に塗布する機能を有している。
【0036】
印刷検査機12は、印刷機11により印刷したクリーム半田の状態を検査する機能を有している。
【0037】
部品実装装置13は、実装ヘッドを含み、クリーム半田が印刷された基板Sの所定の実装位置に部品を実装する機能を有している。また、部品実装装置13は、基板Sの搬送方向に沿って複数設けられている。複数の部品実装装置13は、同様の構成を有している。また、
図3(B)に示すように、部品実装装置13は、複数の部品供給部60を水平方向に配列可能なフィーダバンク13aを有している。フィーダバンク13aには、各々に部品供給部60が配置される複数(10個)のスロット13bが設けられている。スロット13bには、部品供給部60が取り外し可能に取り付けられる。部品実装装置13は、部品供給部60を使用して基板Sに部品を実装するように構成されている。
【0038】
図2に示すように、部品供給部60は、部品を保持する部品供給テープTにより部品を供給するテープフィーダである。具体的には、部品供給部60は、カセット式の本体60aを有するカセットフィーダである。部品供給部60は、カセット式の本体60a内に、部品供給テープTを保持するリールRと、部品供給テープTを送るためのスプロケットおよびギヤなどを含む駆動機構60bとを本体60a内に有している。
【0039】
図1に示すように、外観検査装置14は、部品実装装置13により部品が実装された基板Sの外観を検査する機能を有している。
【0040】
リフロー装置15は、加熱処理を行うことにより半田を溶融させて部品を基板Sの電極部に接合する機能を有している。
【0041】
図1および
図2に示すように、配置装置20は、部品実装装置13に補給(装着)する使用予定の部品供給部60が配置される仮置き台として設けられている。配置装置20は、作業エリアAR2に複数設けられている。配置装置20は、複数の部品供給部60を水平方向に配列可能な収容部20aを有する棚である。また、
図3(A)に示すように、収容部20aには、各々に部品供給部60が配置される複数(10個)のスロット20bが設けられている。スロット20bには、部品供給部60が取り外し可能に取り付けられる。配置装置20には、部品実装装置13に補給される部品供給部60が、作業者Wにより準備されて配置される。そして、配置装置20に配置された部品供給部60が、搬送ロボット40に搭載されて、部品実装装置13に搬送される。
【0042】
また、
図4に示すように、配置装置20は、制御部20cと、通信部20dと、点灯部20eと、表示部20fと、読取部20gと、部品供給部通信部20hと、をさらに有している。制御部20cは、配置装置20の動作を制御する制御回路である。制御部20cは、所定の配置プログラムを実行するためのプロセッサと、所定の配置プログラムを記憶するメモリと、を有している。通信部20dは、管理システム50などの外部の装置と通信するように構成されている。通信部20dは、たとえば、無線通信により管理システム50などの外部の装置と通信するように構成されている。点灯部20eは、LEDなどの光源部を含み、制御部20cの制御の下、点灯して発光するように構成されている。また、点灯部20eは、複数のスロット20bの各々に対応する位置に設けられており、部品供給部60のスロット20bへの取り付けを通知するインジケータとして機能する。なお、表示部20fは、請求の範囲の「配置装置表示部」の一例である。
【0043】
表示部20fは、液晶モニタなどのモニタであり、情報を表示可能である。読取部20gは、部品供給部60に付された部品供給部60のIDを表す情報を含むバーコードを読み取るバーコードリーダである。部品供給部通信部20hは、スロット20bに配置された部品供給部60と配置装置20とを通信可能に接続するように構成されている。また、制御部20cは、部品供給部通信部20hによる部品供給部60との通信状態に基づいて、スロット20bに配置された部品供給部60を検出可能である。
【0044】
図1および
図2に示すように、返却装置30は、部品実装装置13から回収された使用済みの部品供給部60が返却されるように構成されている。返却装置30は、作業エリアAR2に複数設けられている。返却装置30は、複数の部品供給部60を水平方向に配列可能な収容部30aを有する棚である。また、返却装置30には、部品実装装置13から回収された部品供給部60が、搬送ロボット40により配置される。そして、返却装置30に配置された部品供給部60が、作業者Wにより回収される。
【0045】
図1および
図2に示すように、搬送ロボット40は、自律走行するロボットである。搬送ロボット40は、部品実装装置13と配置装置20および返却装置30との間で部品供給部60を搬送するように構成されている。搬送ロボット40は、部品実装装置13に対して、配置装置20から取得した使用予定の部品供給部60を搬送するように構成されている。また、搬送ロボット40は、返却装置30に対して、部品実装装置13から回収した使用済みの部品供給部60を搬送するように構成されている。なお、
図1および
図2では、便宜上、搬送ロボット40を1つだけ示しているが、搬送ロボット40は、複数設けられている。
【0046】
搬送ロボット40は、走行部40aと、走行部40a上に設けられた収容部40bと、を有している。走行部40aは、モータにより回転駆動する駆動輪としての複数の車輪40aaを有し、自律走行するように構成されている。走行部40aは、たとえば、AGV(Automatic Guided Vehicle)である。収容部40bは、複数の部品供給部60を水平方向に配列して状態で収容可能に構成されている。また、
図3(A)(B)に示すように、収容部40bには、各々に部品供給部60が配置される複数(10個)のスロット40cが設けられている。スロット40cには、部品供給部60が取り外し可能に取り付けられる。なお、配置装置20のスロット20bと、搬送ロボット40のスロット40cとは、部品実装装置13のスロット13bに対応するように設けられている。
【0047】
また、
図4に示すように、搬送ロボット40は、制御部40dと、通信部40eと、挿抜ユニット40fと、スライドユニット40gと、をさらに有している。制御部40dは、搬送ロボット40の動作を制御する制御回路である。制御部40dは、所定の搬送プログラムを実行するためのプロセッサと、所定の搬送プログラムを記憶するメモリと、を有している。また、通信部40eは、管理システム50などの外部の装置と通信するように構成されている。通信部40eは、たとえば、無線通信により管理システム50などの外部の装置と通信するように構成されている。
【0048】
図3(A)(B)に示すように、挿抜ユニット40fは、制御部40dの制御の下、収容部40bに部品供給部60を引き入れたり、収容部40bから部品供給部60を押し出したりするように構成されている。
図3(A)に示すように、挿抜ユニット40fは、配置装置20の収容部20aのスロット20bから部品供給部60を抜去して、収容部40bのスロット40cに引き入れることによって、配置装置20から搬送ロボット40に部品供給部60を回収する。また、
図3(B)に示すように、挿抜ユニット40fは、収容部40bのスロット40cから部品供給部60を押し出して、部品実装装置13のスロット13bに挿入することによって、搬送ロボット40から部品実装装置13に部品供給部60を補給する。
【0049】
また、挿抜ユニット40fは、部品実装装置13のスロット13bから部品供給部60を抜去して、収容部40bのスロット40cに引き入れることによって、部品実装装置13から搬送ロボット40に部品供給部60を回収する。また、挿抜ユニット40fは、収容部40bのスロット40cから部品供給部60を押し出して、返却装置30の収容部30aのスロットに挿入することによって、搬送ロボット40から返却装置30に部品供給部60を返却する。挿抜ユニット40fは、部品供給部60の挿抜(押し引き)を行うことが可能なボールねじ機構などの送り機構と、送り機構を駆動するモータとを有している。
【0050】
スライドユニット40gは、複数のスロット40cを複数のスロット40cが並ぶ水平方向にスライド移動させるように構成されている。スライドユニット40gは、複数のスロット40cのスライド移動を行うことが可能なボールねじ機構などの送り機構と、送り機構を駆動するモータとを有している。
【0051】
図1に示すように、管理システム50は、部品実装システム100を管理する複数のコンピュータである。具体的には、管理システム50は、ライン管理装置51と、部材管理装置52と、生産管理装置53と、を含んでいる。ライン管理装置51は、実装ライン10を管理するコンピュータである。ライン管理装置51は、実装ライン10の各装置で使用されるプログラムを管理するように構成されている。また、ライン管理装置51は、実装ライン10により生産する基板Sの品種ごとの、部品実装装置13における部品供給部60の配置位置の情報を表す段取り一覧リストを管理するように構成されている。また、ライン管理装置51は、実装ライン10ごとに設けられている。また、部材管理装置52は、実装ライン10の各装置の使用部材の状況を管理するように構成されている。たとえば、部材管理装置52は、部品実装装置13で使用されている部品の残数(部品供給部60が保持する部品の残数)の情報を管理するように構成されている。なお、生産管理装置53は、請求の範囲の「制御装置」の一例である。
【0052】
生産管理装置53は、基板Sの生産計画情報を管理するように構成されている。また、生産管理装置53は、生産計画情報および部品残数情報などに基づいて、部品供給部60の補給および回収を管理するように構成されている。
図4に示すように、生産管理装置53は、制御部53aと、通信部53bと、を有している。制御部53aは、生産管理装置53の動作を制御する制御回路である。制御部53aは、所定の管理プログラムを実行するためのプロセッサと、所定の管理プログラムを記憶するメモリと、を有している。また、通信部53bは、部品実装装置13を含む実装ライン10、配置装置20、返却装置30および搬送ロボット40などの外部の装置と通信するように構成されている。通信部53bは、たとえば、無線通信により、実装ライン10、配置装置20、返却装置30および搬送ロボット40などの外部の装置と通信するように構成されている。
【0053】
(作業者の作業エリアでの作業)
次に、
図2を参照して、作業者Wの作業エリアAR2での作業について説明する。
【0054】
図2に示すように、作業エリアAR2には、リール棚101と、作業机102と、配置装置20と、返却装置30と、が設けられている。リール棚101には、使用予定のリールRまたは使用済みのリールRを配置する棚である。作業机102は、作業者Wが作業を行うための机である。
【0055】
作業者Wは、配置装置20に使用予定の部品供給部60を配置する場合、使用予定のリールRと、使用予定の部品供給部60の本体60aとを準備する。そして、作業者Wは、準備した使用予定のリールRと、準備した使用予定の部品供給部60の本体60aとを作業机102に配置する。そして、作業者Wは、作業机102において、部品供給部60の本体60aにリールRを取り付ける作業を行う。そして、作業者Wは、リールRを取り付けて完成した部品供給部60を、配置装置20の所定のスロット20bに配置する作業を行う。そして、搬送ロボット40は、作業者Wにより配置装置20の所定のスロット20bに配置された部品供給部60を取得し(
図3(A)参照)、取得した部品供給部60を部品実装装置13の所定のスロット13bに搬送して配置する(
図3(B)参照)。
【0056】
また、作業者Wは、返却装置30の所定のスロットから使用済みの部品供給部60を回収し、回収した部品供給部60を作業机102に配置する。そして、作業者Wは、作業机102において、部品供給部60の本体60aから、使用済みのリールRを取り外す作業を行う。
【0057】
また、作業エリアAR2には、表示部103が設けられている。表示部103は、液晶モニタなどのモニタである。表示部103は、作業エリアAR2に存在する1または複数の作業者Wが視認可能な位置に設けられている。また、作業者Wは、携帯端末104を携帯している。携帯端末104には、表示部104aが設けられている。表示部104aは、液晶モニタなどのモニタである。なお、表示部103は、請求の範囲の「エリア表示部」の一例である。また、表示部104aは、請求の範囲の「携帯端末表示部」の一例である。
【0058】
(作業エリアでの段取りに関する構成)
次に、
図5~
図17を参照して、作業エリアAR2での作業者Wによる部品供給部60の配置装置20への配置作業(段取り作業)に関する構成について説明する。
【0059】
ここで、本実施形態では、
図5に示すように、生産管理装置53は、搬送ロボット40により配置装置20から部品供給部60を取得して部品実装装置13に搬送する場合に、搬送対象の部品供給部60の配置装置20における配置位置を表す情報を含む段取りリストL2を作成するとともに、作成した段取りリストL2を作業者Wに通知するように構成されている。具体的には、本実施形態では、生産管理装置53は、段取りリストL2を表示部に表示させるように構成されている。より具体的には、生産管理装置53は、段取りリストL2を、作業エリアAR2の表示部103、携帯端末104の表示部104a、および、配置装置20の表示部20fに表示させるように構成されている。たとえば、生産管理装置53は、段取りリストL2を表示部103に表示させつつ、作業者Wの要求に応じて、携帯端末104の表示部104a、および、配置装置20の表示部20fに表示させるように構成されている。
【0060】
生産管理装置53は、実装エリアAR1の部品実装装置13ごとの要求部品リストL1を作成するとともに、作成した要求部品リストL1に基づいて、実装エリアAR1の部品実装装置13ごとの段取りリストL2を作成するように構成されている。なお、
図5では、部品実装装置13に部品供給部60が配置されていない状態で行われる初回段取りの場合の要求部品リストL1および段取りリストL2を示している。
【0061】
要求部品リストL1は、どの部品が、どの部品実装装置13のどの位置に、どの時刻までに必要であるかを表している。具体的には、要求部品リストL1は、部品実装装置13で要求される部品の種類を表す情報と、部品を要求する部品実装装置13の位置を表す情報と、部品を要求する部品実装装置13における部品供給部60の配置位置(スロット13bの位置)を表す情報と、部品実装装置13で部品を必要とする時刻(使用開始時刻)を表す情報と、を含んでいる。
図5に示す例では、たとえば、「A」の種類の部品が、「Mch001―A」の位置の部品実装装置13の「1」のスロット13bの位置に、9:00までに必要であることが表されている。
【0062】
段取りリストL2は、どの部品が、どの部品供給部60に取り付けられ、どの配置装置20のどの位置に、どの時刻までに必要であるかと、部品供給部60の配置装置20への配置状態とを表している。具体的には、段取りリストL2は、部品実装装置13で要求される部品の種類を表す情報と、部品の種類に対応する部品供給部60のIDを表す情報と、部品供給部60を配置する配置装置20を表す情報と、配置装置20における部品供給部60の配置位置(スロット20bの位置)を表す情報と、部品供給部60の配置装置20への配置する作業の期限時刻を表す情報と、部品供給部60の配置装置20への配置状態を表す情報と、を含んでいる。
図5に示す例では、たとえば、「A」の種類の部品が、「FEEDER-11A」のIDの部品供給部60に取り付けられ、「CART001」の配置装置20の「1」のスロット20bの位置に、8:40までに必要であることと、「未」により部品供給部60が配置装置20に未配置であることと、が表されている。
【0063】
また、本実施形態では、生産管理装置53は、段取りリストL2が部品供給部60の使用開始時刻順に並ぶように、段取りリストL2を作成するように構成されている。具体的には、生産管理装置53は、使用開始時刻が早い部品供給部60が段取りリストL2の上段に配置されるように、段取りリストL2を作成するように構成されている。たとえば、使用開始時刻(必要時刻)が「9:00」、「9:10」および「9:20」の3つの部品供給部60が存在する場合、生産管理装置53は、段取りリストL2の上段から下段に向かって、使用開始時刻が「9:00」の部品供給部60、使用開始時刻が「9:10」の部品供給部60、使用開始時刻が「9:20」の部品供給部60の順に並ぶように、段取りリストL2を作成する。
【0064】
また、本実施形態では、生産管理装置53は、配置装置20において部品供給部60を配置する位置(スロット20bの位置)が、部品実装装置13において部品供給部60を配置する位置(スロット13bの位置)と対応するように、段取りリストL2を作成するように構成されている。たとえば、
図5に示す例では、生産管理装置53は、部品実装装置13の「1」、「2」、「5」、「7」および「10」のスロット13bに部品供給部60が配置されるため、配置装置20の「1」、「2」、「5」、「7」および「10」のスロット20bに部品供給部60が配置されるように、段取りリストL2を作成する。この場合、搬送ロボット40は、配置装置20の「1」、「2」、「5」、「7」および「10」のスロット20bに配置された部品供給部60を、「1」、「2」、「5」、「7」および「10」のスロット40cに取得する。そして、搬送ロボット40は、部品実装装置13の「1」、「2」、「5」、「7」および「10」のスロット13bに、取得した部品供給部60を搬送して配置する。
【0065】
また、本実施形態では、配置装置20は、段取りリストL2により指定された位置(スロット20b)に部品供給部60が配置されたか否かを検出可能である。具体的には、配置装置20は、部品供給部60がスロット20bに配置された場合、スロット20bに配置された部品供給部60のIDを部品供給部通信部20hにより取得するように構成されている。また、配置装置20は、取得した部品供給部60のIDに基づいて、段取りリストL2のスロット20bの位置を表す情報を取得するように構成されている。そして、配置装置20は、取得した段取りリストL2のスロット20bの位置を表す情報と、実際に配置されたスロット20bの位置を表す情報とが一致するか否かを検出することによって、段取りリストL2により指定された位置に部品供給部60が配置されたか否かを検出するように構成されている。
【0066】
図6に示すように、生産管理装置53は、配置装置20において段取りリストL2により指定された位置(スロット20b)に部品供給部60が配置されたことを検出した場合、表示部103などに表示されている段取りリストL2の配置状態の項目を「未」から「済」に変更するように構成されている。
【0067】
また、本実施形態では、
図7に示すように、配置装置20は、段取りリストL2により指定された位置以外の誤った位置(スロット20b)に部品供給部60が配置されたことを検出した場合、段取りリストL2により指定された正しい位置(スロット20b)に部品供給部60を配置するように、作業者Wに通知を行うように構成されている。たとえば、配置装置20は、表示部103、104aまたは20fに情報を表示させることによって、作業者Wに通知を行うように構成されている。
【0068】
また、配置装置20は、作業者Wが配置装置20のスロット20bに部品供給部60を配置する場合に、点灯部20eにより、段取りリストL2により指定された位置(スロット20b)を作業者Wに通知するように構成されている。具体的には、配置装置20は、部品供給部60のスロット20bへの配置に際して作業者Wが読取部20gにより部品供給部60のバーコードを読み取った場合、読み取ったバーコードに基づいて、部品供給部60のIDを取得するように構成されている。また、配置装置20は、取得した部品供給部60のIDに基づいて、段取りリストL2のスロット20bの位置を表す情報を取得するように構成されている。そして、配置装置20は、取得した段取りリストL2のスロット20bの位置を表す情報に対応する位置の点灯部20eを点灯させることにより、段取りリストL2により指定された位置(スロット20b)を作業者Wに通知するように構成されている。
【0069】
ここで、
図8を参照して、初回段取りの場合の制御処理をシーケンス図に基づいて説明する。
【0070】
図8に示すように、まず、ステップS1において、生産管理装置53は、生産する基板Sの品種を特定する。そして、ステップS2において、生産管理装置53は、生産開始予定時刻を取得する。そして、ステップS3において、生産管理装置53は、ライン管理装置51に対して段取り一覧リストを要求する。そして、ステップS4において、ライン管理装置51は、生産管理装置53に対して段取り一覧リストを通知する。
【0071】
そして、ステップS5において、生産管理装置53は、ライン管理装置51から取得した段取り一覧リストに基づいて、部品実装装置13ごとの要求部品リストL1を作成する。そして、ステップS6において、生産管理装置53は、部品実装装置13ごとの要求部品リストL1に基づいて、部品実装装置13ごとの段取りリストL2を作成する。そして、ステップS7において、生産管理装置53は、作成した段取りリストL2を表示部103などに通知する。そして、ステップS8において、表示部103などに段取りリストL2が表示される。そして、表示部103などに表示された段取りリストL2に基づいて、作業者Wによる部品供給部60の配置装置20への配置作業が行われる。
【0072】
そして、作業者Wによる部品供給部60の配置装置20への配置作業が完了すると、ステップS9において、生産管理装置53は、配置装置20における段取り作業が完了したことを認識する。たとえば、配置装置20からの作業完了信号に基づいて、生産管理装置53は、配置装置20における段取り作業が完了したことを認識する。そして、ステップS10において、生産管理装置53は、搬送ロボット40に対して、配置装置20に配置された部品供給部60の搬送指示を行う。
【0073】
そして、ステップS11において、搬送ロボット40は、配置装置20に移動するとともに、配置装置20から部品供給部60を取得する。そして、ステップS12において、搬送ロボット40は、部品実装装置13に移動するとともに、部品実装装置13に部品供給部60を補給(装着)する。これにより、初回段取りが行われる。
【0074】
〈段取り替えの場合〉
また、本実施形態では、
図9および
図10に示すように、生産管理装置53は、生産する基板Sの品種を現在の品種から次の品種に切り替える段取り替えを行う場合に、搬送ロボット40の複数のスロット40cのうちに、部品供給部60を回収するための空きスロット40cを設けることが可能なように、段取りリストL2を作成するように構成されている。すなわち、生産管理装置53は、生産する基板Sの品種を現在の品種から次の品種に切り替える段取り替えを行う場合に、配置装置20の複数のスロット20bのうちに、搬送ロボット40に空きスロット40cを設けるための空きスロット20bを設けるように、段取りリストL2を作成するように構成されている。
【0075】
具体的には、本実施形態では、生産管理装置53は、空きスロット40cを設けることが可能なように、段取りリストL2を分割するように構成されている。より具体的には、生産管理装置53は、搬送ロボット40により、部品実装装置13に配置された部品供給部60を空きスロット40cに回収するとともに、複数のスロット40cをスライド移動させ、スロット40cに配置された部品供給部60を部品実装装置13に補給することが可能なように、段取りリストL2を分割するように構成されている。たとえば、生産管理装置53は、1スロット置きに空きスロット40cを設けることが可能なように、段取りリストL2を分割するように構成されている。
【0076】
また、生産管理装置53は、段取りリストL2を分割する場合、分割した段取りリストL2において、互いに異なる配置装置20を指定するように構成されている。また、生産管理装置53は、段取りリストL2を分割する場合、分割した段取りリストL2において、作業期限を前倒しするように構成されている。これにより、段取りリストL2の分割により搬送ロボット40の搬送回数が増加する場合にも、部品供給部60の搬送に遅れが発生することを抑制することが可能である。
【0077】
図9に示す例では、1つの段取りリストL2が、2つの段取りリストL2a、L2bに分割されている。分割前の段取りリストL2では、「CART001」の配置装置20の「1~10」のスロット20bが、部品供給部60の配置位置として指定されている。また、分割後の段取りリストL2aでは、「CART001」の配置装置20の「1、3、5、7、9」の奇数番目のスロット20bが、部品供給部60の配置位置として指定されている。また、分割後の段取りリストL2bでは、「CART001」とは異なる「CART002」の配置装置20の「2、4、6、8、10」の偶数番目のスロット20bが、部品供給部60の配置位置として指定されている。これにより、搬送ロボット40において、1スロット置きに空きスロット40cを設けることが可能である。
【0078】
また、分割後の段取りリストL2aでは、分割前の段取りリストL2の「8:40」よりも前倒しされた「8:20」が、作業期限として指定されている。
【0079】
この場合、
図10に示すように、搬送ロボット40は、段取りリストL2aに基づいて「1、3、5、7、9」のスロット20bに、次の品種の基板Sの生産で使用予定の部品供給部60が配置された配置装置20から、「1、3、5、7、9」のスロット40cに部品供給部60を取得する。この際、「2、4、6、8、10」のスロット40cが、空きスロット40cとなる。そして、搬送ロボット40は、「1、3、5、7、9」のスロット40cに、次の品種の基板Sの生産で使用予定の部品供給部60が配置された状態で、部品実装装置13に移動するとともに、部品実装装置13に対して位置決めされる。部品実装装置13には、現在の品種の基板Sの生産で使用された部品供給部60が、「1~10」のスロット13bに配置されている。
【0080】
そして、搬送ロボット40は、挿抜ユニット40fにより、「2、4、6、8、10」の空きスロット40cに、部品実装装置13の「1、3、5、7、9」のスロット13bに配置された部品供給部60を回収する。そして、搬送ロボット40は、スライドユニット40gにより、複数のスロット40cを水平方向に1スロット分スライド移動させる。そして、搬送ロボット40は、挿抜ユニット40fにより、「1、3、5、7、9」のスロット40cに配置された部品供給部60を、部品実装装置13の「1、3、5、7、9」のスロット13bに補給する。これにより、部品実装装置13の「1、3、5、7、9」のスロット13bの部品供給部60が交換される。また、詳細な説明は省略するが、段取りリストL2bに基づいた搬送ロボット40の動作も同様である。これらの結果、部品実装装置13の「1~10」のスロット13bの部品供給部60が交換される。
【0081】
ここで、
図11を参照して、段取り替えの場合の制御処理をシーケンス図に基づいて説明する。なお、
図8に示す制御処理と同一の処理については、同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0082】
図11に示すように、まず、
図8に示す制御処理と同様に、ステップS1~S5の処理が行われる。そして、ステップS6aにおいて、生産管理装置53は、部品実装装置13ごとの要求部品リストL1に基づいて、部品実装装置13ごとの段取りリストL2を作成する。この際、段取りリストL2を分割可能である場合、生産管理装置53は、空きスロット40cを設けることが可能なように、段取りリストL2を分割する。
【0083】
そして、
図8に示す制御処理と同様に、ステップS7~S11の処理が行われる。そして、ステップS12aにおいて、搬送ロボット40は、部品実装装置13に移動するとともに、部品実装装置13から部品供給部60を空きスロット40cに回収するとともに、複数のスロット40cをスライド移動させ、空きスロット40c以外のスロット40cから部品実装装置13に部品供給部60を補給(装着)する。これにより、段取り替えが行われる。
【0084】
〈部品切れ補給の場合〉
また、本実施形態では、
図12に示すように、生産管理装置53は、部品切れによる部品供給部60の補給を行う場合に、段取りリストL2が複数の補給グループに分かれるように、段取りリストL2を分割するように構成されている。たとえば、生産管理装置53は、段取りリストL2の部品供給部60のうち、使用開始時刻が所定の時間内(たとえば、5分以内)の部品供給部60が1つのグループになるように、段取りリストL2を分割するように構成されている。また、たとえば、生産管理装置53は、段取りリストL2の部品供給部60のうち、部品供給部60の使用開始時刻の間隔が搬送ロボット40が部品供給部60を搬送して配置装置20に戻るまでの時間よりも短い範囲内の部品供給部60が1つのグループになるように、段取りリストL2を分割するように構成されている。
【0085】
図12に示す例では、「Mch001-A」の部品実装装置13で、「Parts_A」、「Parts_B」、「Parts_C」、「Parts_D」、および、「Parts_E」の5つの部品に部品切れが発生しそうであるため、「Parts_A」、「Parts_B」、「Parts_C」、「Parts_D」、および、「Parts_E」の5つの部品を含む1つの要求部品リストL1が作成されている。そして、1つの要求部品リストL1に基づいて、「Parts_A」、「Parts_B」、「Parts_C」、「Parts_D」、および、「Parts_E」の5つの部品を含む1つの段取りリストL2が作成されるが、1つの段取りリストL2が、2つの補給グループに分かれるように、2つの段取りリストL2c、L2dに分割されている。
【0086】
分割後の段取りリストL2cでは、上記5つの部品のうち、「Parts_A」、「Parts_B」、および、「Parts_C」の3つの部品が含まれている。また、分割後の段取りリストL2dでは、上記5つの部品のうち、「Parts_D」、および、「Parts_E」の2つの部品が含まれている。
【0087】
この場合、
図10に示すように、搬送ロボット40は、段取りリストL2cに基づいて「Parts_A」、「Parts_B」、および、「Parts_C」の3つの部品を保持する3つの部品供給部60が配置された配置装置20から、3つの部品供給部60を取得する。そして、搬送ロボット40は、3つの部品供給部60が配置された状態で、部品実装装置13に移動するとともに、3つの部品供給部60を部品実装装置13に補給する。
【0088】
また、別のタイミングで、搬送ロボット40は、段取りリストL2dに基づいて「Parts_D」、および、「Parts_E」の2つの部品を保持する2つの部品供給部60が配置された配置装置20から、2つの部品供給部60を取得する。そして、搬送ロボット40は、2つの部品供給部60が配置された状態で、部品実装装置13に移動するとともに、2つの部品供給部60を部品実装装置13に補給する。
【0089】
〈複数の部品実装装置の組み合わせの場合〉
また、本実施形態では、
図13に示すように、生産管理装置53は、搬送ロボット40により複数の部品実装装置13に部品供給部60を搬送可能な場合に、複数の部品実装装置13に搬送される部品供給部60を組み合わせて段取りリストL2を作成するように構成されている。具体的には、生産管理装置53は、複数の部品実装装置13の各々の要求部品リストL1を作成するとともに、作成した複数の部品実装装置13の各々の要求部品リストL1を組み合わせることが可能な場合、複数の部品実装装置13に搬送される部品供給部60を組み合わせて段取りリストL2を作成するように構成されている。
【0090】
具体的には、本実施形態では、生産管理装置53は、優先順位に基づいて、複数の部品実装装置13の部品供給部60の配置装置20における配置位置に重なりがあるか否かを確認するとともに、重なりがない場合に、複数の部品実装装置13に搬送される部品供給部60を組み合わせて段取りリストL2を作成するように構成されている。また、生産管理装置53は、優先順位に基づいて、確認の対象となる部品実装装置13を変更しながら、重なりがあるか否かを繰り返して確認することを、複数の部品実装装置13の部品供給部60の組み合わせがなくなるまで、継続するように構成されている。
【0091】
また、本実施形態では、優先順位は、部品供給部60の使用開始時刻、搬送対象の部品供給部60の数、または、配置装置20から部品実装装置13までの距離に基づいて、設定されている。たとえば、優先順位は、部品供給部60の使用開始時刻が早い部品実装装置13ほど、高くなるように設定されている。また、たとえば、優先順位は、搬送対象の部品供給部60の数が多い部品実装装置13ほど、高くなるように設定されている。また、たとえば、優先順位は、配置装置20からの距離が近い部品実装装置13ほど、高くなるように設定されている。
【0092】
図13に示す例では、「Mch001-A」の部品実装装置13における部品供給部60の配置位置(スロット13bの位置)が、「1、2、5、7、10」である。すなわち、「Mch001-A」の部品実装装置13の配置装置20における部品供給部60の配置位置(スロット20bの位置)が、「1、2、5、7、10」である。また、「Mch002-A」の部品実装装置13における部品供給部60の配置位置(スロット13bの位置)が、「4、6、9」である。すなわち、「Mch002-A」の部品実装装置13の配置装置20における部品供給部60の配置位置(スロット20bの位置)が、「4、6、9」である。
【0093】
そして、「Mch001-A」の部品実装装置13の「1、2、5、7、10」という位置と、「Mch002-A」の部品実装装置13の「4、6、9」という位置とが重ならないため、「Mch001-A」および「Mch002-A」の2つの部品実装装置13に搬送される部品供給部60を組み合わせて段取りリストL2が作成されている。この場合、搬送ロボット40は、「Mch001-A」および「Mch002-A」の2つの部品実装装置13の分の8つの部品供給部60が配置された配置装置20から、8つの部品供給部60を取得する。そして、搬送ロボット40は、「Mch001-A」および「Mch002-A」の2つの部品実装装置13の分の8つの部品供給部60の搬送を、一度の搬送で行う。
【0094】
また、本実施形態では、
図14に示すように、生産管理装置53は、優先順位に基づいて、複数の部品実装装置13の部品供給部60の配置装置20における配置位置に重なりがあるか否かを確認するとともに、重なりがある場合に、優先順位が低い方の部品実装装置13の部品供給部60の配置装置20における配置位置をオフセットし、重なりがなくなった場合には、複数の部品実装装置13に搬送される部品供給部60を組み合わせて段取りリストL2を作成するように構成されている。具体的には、生産管理装置53は、重なりがある場合に、優先順位が低い方の部品実装装置13の部品供給部60の配置装置20における配置位置を1スロット分オフセットし、重なりがなくなった場合には、複数の部品実装装置13に搬送される部品供給部60を組み合わせて段取りリストL2を作成するとともに、1スロット分オフセットしても、重なりがなくならない場合には、複数の部品実装装置13に搬送される部品供給部60を組み合わせて段取りリストL2を作成しないように構成されている。
【0095】
図14に示す例では、「Mch001-A」の部品実装装置13における部品供給部60の配置位置(スロット13bの位置)が、「1、2、5、7、10」である。すなわち、「Mch001-A」の部品実装装置13の配置装置20における部品供給部60の配置位置(スロット20bの位置)が、「1、2、5、7、10」である。また、「Mch002-A」の部品実装装置13における部品供給部60の配置位置(スロット13bの位置)が、「5、7、10」である。すなわち、「Mch002-A」の部品実装装置13の配置装置20における部品供給部60の配置位置(スロット20bの位置)が、「5、7、10」である。
【0096】
そして、「Mch001-A」の部品実装装置13の「1、2、5、7、10」という位置と、「Mch002-A」の部品実装装置13の「5、7、10」という位置とが重なるため、優先順位が低い方の「Mch002-A」の部品実装装置13の「5、7、10」という位置を1スロット分オフセットする。この結果、「Mch002-A」の部品実装装置13の配置装置20における部品供給部60の配置位置(スロット20bの位置)が、「4、6、9」に変更される。
【0097】
そして、「Mch001-A」の部品実装装置13の「1、2、5、7、10」という位置と、「Mch002-A」の部品実装装置13の「4、6、9」という位置とが重ならなくなったため、「Mch001-A」および「Mch002-A」の2つの部品実装装置13に搬送される部品供給部60を組み合わせて段取りリストL2が作成される。この場合、搬送ロボット40は、「Mch001-A」および「Mch002-A」の2つの部品実装装置13の分の8つの部品供給部60が配置された配置装置20から、8つの部品供給部60を取得する。そして、搬送ロボット40は、「Mch001-A」および「Mch002-A」の2つの部品実装装置13の分の8つの部品供給部60の搬送を、一度の搬送で行う。また、搬送ロボット40は、オフセットした「Mch002-A」の部品実装装置13への部品供給部60の補給を行う場合には、スライドユニット40gにより、複数のスロット40cを水平方向に1スロット分スライド移動させるとともに、部品供給部60の補給を行う。
【0098】
〈搬送開始時刻に間に合わない場合〉
また、本実施形態では、
図15に示すように、生産管理装置53は、部品供給部60の配置装置20への配置が搬送ロボット40の搬送開始時刻に間に合わなかった場合、段取りリストL2で指定された配置装置20である第1配置装置21(「CART001」の配置装置20)とは異なる第2配置装置22(「CART002」の配置装置20)に部品供給部60を配置可能であるか否かを確認するとともに、第2配置装置22に部品供給部60を配置可能である場合、第2配置装置22に部品供給部60を配置することを作業者Wに通知するように、段取りリストL2を変更するように構成されている。具体的には、生産管理装置53は、表示部103などに表示されている段取りリストL2の配置装置20の項目の表示を、第1配置装置21から第2配置装置22に変更することによって、第2配置装置22に部品供給部60を配置することを作業者Wに通知するように構成されている。
【0099】
また、本実施形態では、
図16に示すように、生産管理装置53は、第2配置装置22に部品供給部60を配置可能ではない場合、作業者Wが部品供給部60を搬送するように、作業者Wに通知を行うように構成されている。具体的には、生産管理装置53は、表示部103などに情報を表示させることによって、作業者Wが部品供給部60を搬送するように、作業者Wに通知を行うように構成されている。
【0100】
ここで、
図17を参照して、搬送開始時刻に間に合わない場合の制御処理をフローチャートに基づいて説明する。
【0101】
図17に示すように、まず、ステップS21において、生産管理装置53は、搬送対象の全ての部品供給部60が配置装置20に配置されたか否かを判断する。搬送対象の全ての部品供給部60が配置装置20に配置されたと判断された場合、ステップS22に進む。そして、ステップS22において、生産管理装置53は、搬送ロボット40に搬送指示を行う。
【0102】
また、ステップS21において、搬送対象の全ての部品供給部60が配置装置20に配置されていないと判断された場合、ステップS23に進む。そして、ステップS23において、生産管理装置53は、搬送ロボット40の搬送開始時刻を過ぎたか否かを判断する。搬送ロボット40の搬送開始時刻を過ぎていないと判断された場合、ステップS21に進み、ステップS21の処理が繰り返される。また、搬送ロボット40の搬送開始時刻を過ぎていると判断された場合、ステップS24に進む。
【0103】
そして、ステップS24において、生産管理装置53は、搬送開始時刻で搬送を開始した搬送ロボット40の次の搬送でもよいか否かを判断する。搬送ロボット40の次の搬送でもよいと判断された場合、搬送ロボット40が帰還した後、帰還した搬送ロボット40により、搬送開始時刻に間に合わなかった部品供給部60の搬送が行われる。この場合、搬送開始時刻に間に合わなかった部品供給部60は、元の配置装置20(
図15では、「CART001」の配置装置20)に配置されたまま放置される。
【0104】
また、ステップS24において、搬送ロボット40の次の搬送ではよくないと判断された場合、ステップS25に進む。そして、ステップS25において、生産管理装置53は、段取りリストL2で指定された元の配置装置20(第1配置装置21)とは異なる配置装置20(第2配置装置22)に部品供給部60を配置可能であるか否かを判断する。第2配置装置22に部品供給部60を配置可能であると判断された場合、ステップS26に進む。そして、ステップS26において、生産管理装置53は、表示部103などに表示されている段取りリストL2の配置装置20の表示を第1配置装置21から第2配置装置22に変更する。そして、作業者Wは、変更された段取りリストL2に基づいて、第2配置装置22に部品供給部60を配置する作業を行う。
【0105】
また、ステップS25において、第2配置装置22に部品供給部60を配置可能ではないと判断された場合、ステップS27に進む。そして、ステップS27において、生産管理装置53は、表示部103などに表示させることによって、作業者Wが部品供給部60を搬送するように、作業者Wに搬送指示を行う。そして、作業者Wは、搬送指示に基づいて、部品供給部60を要求する部品実装装置13のスロット13bに、部品供給部60を搬送する。
【0106】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0107】
本実施形態では、上記のように、搬送ロボット40により配置装置20から部品供給部60を取得して部品実装装置13に搬送する場合に、搬送対象の部品供給部60の配置装置20における配置位置を表す情報を含む段取りリストL2を作成するとともに、作成した段取りリストL2を作業者Wに通知する生産管理装置53を設ける。これにより、段取りリストL2により、配置装置20における部品供給部60の配置位置を作業者Wに対して明確に示すことができる。その結果、作業者Wによる部品供給部60の配置装置20への配置ミスが発生することを抑制することができる。これにより、搬送ロボット40により配置装置20から部品供給部60を取得して部品実装装置13に搬送する場合に、作業者Wによる部品供給部60の配置装置20への配置作業を効率良く行うことができる。
【0108】
また、本実施形態では、上記のように、生産管理装置53は、段取りリストL2が部品供給部60の使用開始時刻順に並ぶように、段取りリストL2を作成するように構成されている。これにより、作業者Wは、段取りリストL2により、使用開始時刻が早い部品供給部60(優先順位が高い部品供給部60)を容易に認識することができる。その結果、作業者Wは、使用開始時刻が早い部品供給部60(優先順位が高い部品供給部60)から順に配置装置20への配置作業を行うことができる。
【0109】
また、本実施形態では、上記のように、生産管理装置53は、配置装置20において部品供給部60を配置する位置が、部品実装装置13において部品供給部60を配置する位置と対応するように、段取りリストL2を作成するように構成されている。これにより、作業者Wは、段取りリストL2に基づいて、配置装置20において部品供給部60を配置する位置が、部品実装装置13において部品供給部60を配置する位置と対応するように、部品供給部60を配置装置20に配置することができる。その結果、搬送ロボット40は、搬送ロボット40において部品供給部60を配置する位置が、部品実装装置13において部品供給部60を配置する位置と対応するように、部品供給部60を配置装置20から取得することができる。換言すれば、搬送ロボット40は、部品供給部60を部品実装装置13に補給しやすいように、部品供給部60を配置装置20から取得することができる。その結果、搬送ロボット40において部品供給部60を配置する位置が、部品実装装置13において部品供給部60を配置する位置と対応していない場合に比べて、搬送ロボット40による部品供給部60の部品実装装置13への補給動作を効率良く行うことができる。
【0110】
また、本実施形態では、上記のように、配置装置20は、段取りリストL2により指定された位置に部品供給部60が配置されたか否かを検出可能であるとともに、段取りリストL2により指定された位置以外の誤った位置に部品供給部60が配置されたことを検出した場合、段取りリストL2により指定された正しい位置に部品供給部60を配置するように、作業者Wに通知を行うように構成されている。これにより、作業者Wは、部品供給部60を誤った位置に配置した場合、部品供給部60を誤った位置に配置したことを容易に認識することができるとともに、誤った位置に配置した部品供給部60を正しい位置に容易に配置し直すことができる。
【0111】
また、本実施形態では、上記のように、生産管理装置53は、段取りリストL2を表示部103、104a、20fに表示させるように構成されている。これにより、作業者Wは、表示部に表示された段取りリストL2を容易に確認することができる。
【0112】
また、本実施形態では、上記のように、表示部103、104a、20fは、配置装置20が設けられた作業エリアAR2に設けられた表示部103、作業者Wが携帯する携帯端末104に設けられた表示部104a、および、配置装置20に設けられた表示部20fのうちの少なくとも1つを含む。これにより、表示部が表示部103である場合、作業エリアAR2に複数の作業者Wが存在する場合に、複数の作業者Wが段取りリストL2を容易に確認することができる。また、表示部が表示部104aである場合、携帯端末104を携帯する作業者Wが所望のタイミングで段取りリストL2を容易に確認することができる。また、表示部が表示部20fである場合、作業者Wは、実際に作業が行われる配置装置20の近傍で、段取りリストL2を容易に確認することができる。
【0113】
また、本実施形態では、上記のように、搬送ロボット40は、部品供給部60が配置される複数のスロット40cを有する。また、生産管理装置53は、生産する基板Sの品種を現在の品種から次の品種に切り替える段取り替えを行う場合に、搬送ロボット40の複数のスロット40cのうちに、部品供給部60を回収するための空きスロット40cを設けることが可能なように、段取りリストL2を作成するように構成されている。これにより、搬送ロボット40により、部品実装装置13に配置された部品供給部60を空きスロット40cに回収しつつ、空きスロット40c以外のスロット40cに配置された部品供給部60を部品実装装置13に補給することができる。その結果、搬送ロボット40により、部品実装装置13に配置された部品供給部60の回収のみ、または、部品供給部60の部品実装装置13への補給のみを行う場合に比べて、搬送ロボット40を効率良く利用することができる。
【0114】
また、本実施形態では、上記のように、生産管理装置53は、空きスロット40cを設けることが可能なように、段取りリストL2を分割するように構成されている。これにより、段取りリストL2の分割により、空きスロット40cを設けることが可能な段取りリストL2を容易に作成することができる。その結果、搬送ロボット40を容易に効率良く利用することができる。
【0115】
また、本実施形態では、上記のように、生産管理装置53は、搬送ロボット40により、部品実装装置13に配置された部品供給部60を空きスロット40cに回収するとともに、複数のスロット40cをスライド移動させ、スロット40cに配置された部品供給部60を部品実装装置13に補給することが可能なように、段取りリストL2を分割するように構成されている。これにより、搬送ロボット40全体を移動させずに複数のスロット40cをスライド移動させるだけで、搬送ロボット40により、部品実装装置13に配置された部品供給部60の回収と、部品供給部60の部品実装装置13への補給とを行うことができる。その結果、搬送ロボット40全体を移動させながら、搬送ロボット40により、部品実装装置13に配置された部品供給部60の回収と、部品供給部60の部品実装装置13への補給とを行う場合と異なり、搬送ロボット40の部品実装装置13に対する位置決めを何度も行う必要がない。これにより、搬送ロボット40により、部品実装装置13に配置された部品供給部60の回収と、部品供給部60の部品実装装置13への補給とを容易に行うことができる。
【0116】
また、本実施形態では、上記のように、生産管理装置53は、部品切れによる部品供給部60の補給を行う場合に、段取りリストL2が複数の補給グループに分かれるように、段取りリストL2を分割するように構成されている。これにより、段取りリストL2が複数の補給グループに分かれるので、段取りリストL2が複数の補給グループに分かれない場合に比べて、補給グループに含まれる個々の部品供給部60の部品切れのタイミングにより合わせたタイミングで、搬送ロボット40により部品供給部60を搬送することができる。その結果、搬送ロボット40による部品供給部60の搬送が、部品供給部60の部品切れのタイミングと合わないことに起因して、搬送ロボット40が部品供給部60の部品切れを待つ時間(停止時間)が発生することを抑制することができる。これにより、搬送ロボット40の稼働率が低下することを抑制することができる。
【0117】
また、本実施形態では、上記のように、生産管理装置53は、段取りリストL2の部品供給部60のうち、使用開始時刻が所定の時間内の部品供給部60が1つのグループになるように、段取りリストL2を分割するように構成されている。これにより、使用開始時刻が所定の時間内の部品供給部60が1つのグループとするだけでよいので、段取りリストL2を容易に複数の補給グループに分けることができる。
【0118】
また、本実施形態では、上記のように、生産管理装置53は、段取りリストL2の部品供給部60のうち、部品供給部60の使用開始時刻の間隔が搬送ロボット40が部品供給部60を搬送して配置装置20に戻るまでの時間よりも短い範囲内の部品供給部60が1つのグループになるように、段取りリストL2を分割するように構成されている。これにより、部品供給部60の使用開始時刻の間隔が搬送ロボット40が部品供給部60を搬送して配置装置20に戻るまでの時間の範囲内で、補給グループを作成することができるので、搬送ロボット40を効率良く利用することが可能な補給グループに段取りリストL2を分けることができる。
【0119】
また、本実施形態では、上記のように、生産管理装置53は、搬送ロボット40により複数の部品実装装置13に部品供給部60を搬送可能な場合に、複数の部品実装装置13に搬送される部品供給部60を組み合わせて段取りリストL2を作成するように構成されている。これにより、複数の部品実装装置13の部品供給部60を一度に搬送することができる。その結果、複数の部品実装装置13に別々に部品供給部60を搬送する場合に比べて、搬送ロボット40の移動を減らすことができる。
【0120】
また、本実施形態では、上記のように、生産管理装置53は、優先順位に基づいて、複数の部品実装装置13の部品供給部60の配置装置20における配置位置に重なりがあるか否かを確認するとともに、重なりがない場合に、複数の部品実装装置13に搬送される部品供給部60を組み合わせて段取りリストL2を作成するように構成されている。これにより、複数の部品実装装置13に搬送される部品供給部60の配置装置20における配置位置を確保可能であるか否かを確認し、確保可能である場合に、複数の部品実装装置13に搬送される部品供給部60を組み合わせた段取りリストL2を作成することができる。
【0121】
また、本実施形態では、上記のように、生産管理装置53は、優先順位に基づいて、複数の部品実装装置13の部品供給部60の配置装置20における配置位置に重なりがあるか否かを確認するとともに、重なりがある場合に、優先順位が低い方の部品実装装置13の部品供給部60の配置装置20における配置位置をオフセットし、重なりがなくなった場合には、複数の部品実装装置13に搬送される部品供給部60を組み合わせて段取りリストL2を作成するように構成されている。これにより、部品供給部60の配置装置20における配置位置のオフセットにより、複数の部品実装装置13に搬送される部品供給部60を組み合わせた段取りリストL2を作成できる可能性を高めることができる。その結果、複数の部品実装装置13に搬送される部品供給部60を組み合わせた段取りリストL2を作成しやすくすることができる。
【0122】
また、本実施形態では、上記のように、優先順位は、部品供給部60の使用開始時刻、搬送対象の部品供給部60の数、または、配置装置20から部品実装装置13までの距離に基づいて、設定されている。これにより、緊急度に関する部品供給部60の使用開始時刻、作業量に関する搬送対象の部品供給部60の数、または、搬送時間に関する配置装置20から部品実装装置13までの距離に基づいて、優先順位を適切に設定することができる。
【0123】
また、本実施形態では、上記のように、生産管理装置53は、部品供給部60の配置装置20への配置が搬送ロボット40の搬送開始時刻に間に合わなかった場合、段取りリストL2で指定された配置装置20である第1配置装置21とは異なる第2配置装置22に部品供給部60を配置可能であるか否かを確認するとともに、第2配置装置22に部品供給部60を配置可能である場合、第2配置装置22に部品供給部60を配置することを作業者Wに通知するように、段取りリストL2を変更するように構成されている。これにより、部品供給部60の第1配置装置21への配置が間に合わなかった場合に、別の搬送ロボット40により搬送が行われる第2配置装置22に部品供給部60を配置することができる。その結果、第1配置装置21への配置が間に合わずに第2配置装置22に配置された部品供給部60を、別の搬送ロボット40により迅速に搬送することができる。
【0124】
また、本実施形態では、上記のように、生産管理装置53は、第2配置装置22に部品供給部60を配置可能ではない場合、作業者Wが部品供給部60を搬送するように、作業者Wに通知を行うように構成されている。これにより、第1配置装置21への配置が間に合わなかった部品供給部60を、作業者Wに搬送させることができるので、部品供給部60の搬送が間に合わなかったことに起因して、部品実装装置13が停止することを抑制することができる。
【0125】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0126】
たとえば、上記実施形態では、生産管理装置が、本発明の制御装置として機能する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ライン管理装置、部材管理装置、部品実装装置の制御部、搬送ロボットの制御部、および、配置装置の制御部などが、本発明の制御装置として機能してもよい。
【0127】
また、上記実施形態では、段取りリストが部品供給部の使用開始時刻順に並ぶように、段取りリストを作成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、段取りリストが部品供給部の使用開始時刻順に並ぶように、段取りリストを作成しなくてもよい。
【0128】
また、上記実施形態では、配置装置において部品供給部を配置する位置が、部品実装装置において部品供給部を配置する位置と対応するように、段取りリストを作成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、配置装置において部品供給部を配置する位置が、部品実装装置において部品供給部を配置する位置と対応するように、段取りリストを作成しなくてもよい。
【0129】
また、上記実施形態では、エリア表示部、携帯端末表示部、および、配置装置表示部に、段取りリストが表示される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、エリア表示部、携帯端末表示部、および、配置装置表示部のうちの1つまたは2つに、段取りリストが表示されてもよい。また、エリア表示部、携帯端末表示部、および、配置装置表示部以外の表示部に、段取りリストが表示されてもよい。
【0130】
また、上記実施形態では、空きスロットを設けることが可能なように、段取りリストを作成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、部品供給部を部品実装装置から回収する回収専用の搬送ロボットと、部品供給部を部品実装装置に補給する補給専用の搬送ロボットとが設けられている場合、補給専用の搬送ロボットに対して、空きスロットを設けることが可能なように、段取りリストを作成しなくてもよい。
【0131】
また、上記実施形態では、空きスロットを設けることが可能なように、段取りリストを2つに分割する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、空きスロットを設けることが可能なように、段取りリストを3つ以上に分割してもよい。
【0132】
また、上記実施形態では、段取りリストが2つの補給グループに分かれるように、段取りリストを分割する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、段取りリストが3つ以上の補給グループに分かれるように、段取りリストを分割してもよい。
【0133】
また、上記実施形態では、部品供給部の配置装置への配置が搬送ロボットの搬送開始時刻に間に合わなかった場合、第2配置装置に部品供給部を配置することを作業者に通知するように、段取りリストを変更する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、部品供給部の配置装置への配置が搬送ロボットの搬送開始時刻に間に合わなかった場合、段取りリストを変更することなく、作業者が部品供給部を搬送するように、作業者に通知を行ってもよい。
【符号の説明】
【0134】
13 部品実装装置
20 配置装置
20f 表示部(配置装置表示部)
21 第1配置装置
22 第2配置装置
40 搬送ロボット
40c スロット
53 生産管理装置(制御装置)
60 部品供給部
100 部品実装システム
103 表示部(エリア表示部)
104 携帯端末
104a 表示部(携帯端末表示部)
AR2 作業エリア(エリア)
L2 段取りリスト
S 基板
W 作業者