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特許7634115風力発電電力予測誤差決定方法、プロセッサ及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-12
(45)【発行日】2025-02-20
(54)【発明の名称】風力発電電力予測誤差決定方法、プロセッサ及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20250213BHJP
   G01W 1/00 20060101ALI20250213BHJP
   G06N 20/20 20190101ALI20250213BHJP
   G06N 3/0442 20230101ALI20250213BHJP
   G06N 3/0464 20230101ALI20250213BHJP
   G06N 3/084 20230101ALI20250213BHJP
【FI】
G06Q50/06
G01W1/00 Z
G06N20/20
G06N3/0442
G06N3/0464
G06N3/084
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023571294
(86)(22)【出願日】2023-08-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-28
(86)【国際出願番号】 CN2023116000
(87)【国際公開番号】W WO2024087876
(87)【国際公開日】2024-05-02
【審査請求日】2023-11-14
(31)【優先権主張番号】202211336429.9
(32)【優先日】2022-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523430744
【氏名又は名称】国网湖南省電力有限公司電力科学研究院
(73)【特許権者】
【識別番号】522209136
【氏名又は名称】国网湖南省▲電▼力有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】519325072
【氏名又は名称】国家▲電▼网有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲カク▼露茜
(72)【発明者】
【氏名】王▲テイ▼
(72)【発明者】
【氏名】瀋陽武
(72)【発明者】
【氏名】胡宇▲カン▼
(72)【発明者】
【氏名】咼虎
(72)【発明者】
【氏名】叶建興
(72)【発明者】
【氏名】曽憲東
(72)【発明者】
【氏名】朱利鵬
(72)【発明者】
【氏名】李佳勇
(72)【発明者】
【氏名】瀋非凡
(72)【発明者】
【氏名】何立夫
(72)【発明者】
【氏名】王小源
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-161932(JP,A)
【文献】特開2023-85635(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第114118499(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112733462(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G01W 1/00
G06N 20/20
G06N 3/0442
G06N 3/0464
G06N 3/084
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスパッチング側サーバが、風力発電所で記憶された履歴運行データから、風力発電所実測天気データ、数値天気予報データ、設備容量、リアルタイム起動容量、計画起動容量、風力発電電力予測データ、風力発電所実際出力電力を含むデータを取得することと、
ディスパッチング側サーバが、風力発電電力予測過程における予測結果補正操作による第1目標誤差を決定することと、
ディスパッチング側サーバが、前記取得されたデータに応じて風力発電所の風-電変換モデルに対してフィッティングを行って、風電変換フィッティングモデルを構築することと、
ディスパッチング側サーバが、前記風力発電所実測天気データを前記風電変換フィッティングモデルに入力して、実の気象条件でのモデル出力を得ることと、
ディスパッチング側サーバが、前記設備容量、前記計画起動容量及び前記実の気象条件でのモデル出力に応じて実の気象条件での風力発電予測電力を決定することと、
ディスパッチング側サーバが、前記リアルタイム起動容量、前記計画起動容量及び前記実の気象条件での風力発電予測電力に応じて実の気象条件での予測結果補正誤差を決定することと、
ディスパッチング側サーバが、前記実の気象条件での風力発電予測電力、前記風力発電所実際出力電力及び前記実の気象条件での予測結果補正誤差に応じて実の気象条件での風-電変換モデル誤差を決定することと、
ディスパッチング側サーバが、前記実の気象条件でのモデル出力に対応する数値天気予報でのモデル出力を取得することと、
ディスパッチング側サーバが、前記実の気象条件でのモデル出力、前記数値天気予報でのモデル出力及び前記実の気象条件での風-電変換モデル誤差に応じて前記風力発電電力予測過程における風-電変換操作による第2目標誤差を決定することと、
ディスパッチング側サーバが、前記風力発電電力予測データ、前記風力発電所実際出力電力、前記第1目標誤差及び前記第2目標誤差に応じて前記風力発電電力予測過程における数値天気予報操作による第3目標誤差を決定することと、
ディスパッチング側サーバが、前記第1目標誤差、前記第2目標誤差及び前記第3目標誤差に応じて、各目標誤差が前記第1目標誤差、前記第2目標誤差及び前記第3目標誤差の和において占める比値を決定することと、を含む、
風力発電電力予測誤差決定方法。
【請求項2】
各目標誤差の占める比値に応じて前記風力発電電力予測過程における前記予測結果補正操作、前記風-電変換操作、及び前記数値天気予報操作のいずれかに対応する目標誤差を主要誤差として決定することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記した、前記風力発電電力予測過程における予測結果補正操作による第1目標誤差を決定することは、
前記風力発電電力予測データ、前記リアルタイム起動容量及び前記計画起動容量に応じて等価風力発電電力予測値を決定することと、
前記風力発電電力予測データから前記等価風力発電電力予測値を差し引いて前記第1目標誤差を得ることと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記した、取得されたデータに応じて風力発電所の風-電変換モデルに対してフィッティングを行って、風電変換フィッティングモデルを構築することは、
前記設備容量、前記計画起動容量及び前記風力発電電力予測データに応じて風-電変換モデルの出力を決定することと、
前記数値天気予報データを風-電変換モデルの入力とし、前記風-電変換モデルの出力とトレーニングセット及びテストセットを形成することと、
XGBoostを利用して前記トレーニングセットに対してトレーニングを行って、風-電変換モデルをフィッティングすることと、
トレーニング完了後に、前記テストセットを使用してフィッティングされた風-電変換モデルが精度要求を満たすか否かを判断することと、
フィッティングされた風-電変換モデルが精度要求を満たすまで、XGBoostの初期パラメータを修正し、トレーニングセットに対するトレーニングを繰り返すことと、
精度要求を満たしたフィッティングされた風-電変換モデルを前記風電変換フィッティングモデルとすることと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記風-電変換モデルは、
フィードフォワードBPニューラルネットワークに基づく風-電変換モデル、長短期記憶LSTMニューラルネットワークに基づく風-電変換モデル及び畳み込み-長短期記憶CNN-LSTMハイブリッドニューラルネットワークに基づく風-電変換モデル、のうちの一者を含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記設備容量、前記計画起動容量及び前記実の気象条件でのモデル出力に応じて実の気象条件での風力発電予測電力を決定することは、
以下の数式に応じて実の気象条件での風力発電予測電力を計算することを含み、

windは、実の気象条件での風力発電予測電力であり、C’は、前記計画起動容量であり、Cは、前記設備容量であり、fwind,mは、前記実の気象条件でのモデル出力である、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記した、前記リアルタイム起動容量、前記計画起動容量及び前記実の気象条件での風力発電予測電力に応じて実の気象条件での予測結果補正誤差を決定することは、
以下の数式に応じて実の気象条件での予測結果補正誤差を計算することを含み、

wind,rは、実の気象条件での予測結果補正誤差であり、Cは、前記リアルタイム起動容量であり、C’は、前記計画起動容量であり、Pwindは、前記実の気象条件での風力発電予測電力である、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記した、前記実の気象条件での風力発電予測電力、前記風力発電所実際出力電力及び前記実の気象条件での予測結果補正誤差に応じて実の気象条件での風-電変換モデル誤差を決定することは、
以下の数式に応じて実の気象条件での風-電変換モデル誤差を計算することを含み、

windは、前記実の気象条件での風力発電予測電力であり、Pは、前記風力発電所実際出力電力であり、Ewind,mは、実の気象条件での風-電変換モデル誤差であり、Ewind,rは、実の気象条件での予測結果補正誤差である、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記した、前記実の気象条件でのモデル出力、前記数値天気予報でのモデル出力及び前記実の気象条件での風-電変換モデル誤差に応じて前記風力発電電力予測過程における風-電変換による第2目標誤差を決定することは、
以下の数式に応じて前記第2目標誤差を計算することを含み、

は、前記第2目標誤差であり、fは、前記数値天気予報でのモデル出力であり、Ewind,mは、前記実の気象条件での風-電変換モデル誤差であり、fwind,mは、前記実の気象条件でのモデル出力である、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記した、前記風力発電電力予測データ、前記風力発電所実際出力電力、前記第1目標誤差及び前記第2目標誤差に応じて前記風力発電電力予測過程における数値天気予報操作による第3目標誤差を決定することは、
以下の数式に応じて前記第3目標誤差を計算することを含み、

は、前記風力発電電力予測データであり、Eは、前記第1目標誤差であり、Eは、前記第2目標誤差であり、Eは、前記第3目標誤差である、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の風力発電電力予測誤差決定方法を実行するように構成される、
プロセッサ。
【請求項12】
プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに請求項1ないし10のいずれか1項に記載の風力発電電力予測誤差決定方法を実現させる命令が記憶された、
機械可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2022年10月28日に中国専利局に出願された、出願番号が202211336429.9である中国特許出願の優先権を主張し、以上の出願の全ての内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、風力発電電力予測の分野に関し、例えば風力発電電力予測誤差決定方法、プロセッサ及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
風力エネルギーは、1つの重要な再生可能クリーンエネルギーであり、貯蔵量が豊富で、分布が広いため、風力発電は、既に再生可能エネルギーの発展及び利用の1つの重要な研究方向になっている。しかしながら、自然界の風力資源にはランダム性及び間欠性等の特性が有り、ランダムな風速及び風向により、風力発電プラントの出力電力は明らかな変動性を呈してしまい、電力システムの電圧及び周波数の安定性に極めて大きな脅威を与える。電力システムにアクセスされた風力による電気が一定の比率を超えると、システム全体の安全安定は巨大な挑戦に直面することになる。間欠性及びランダム性が際立つ風力による電気等の新エネルギーを有効に消化吸収するために、電力システムには、余分な予備容量を追加する必要があり、電力システムの総運行コストが上がってしまう。電力システムの予備容量の配置コストを低減し、電力システム全体の運行の安全性及び信頼性を高めるために、如何に風力発電電力を正確に予測するかは、電力システムの運行及び制御の分野の早急に突破すべき重要な難題になっている。
【0004】
関連技術における風力発電電力予測技術は、風力発電の内在特性の精確な描写及び表現が困難であり、予測結果に誤差が不可避的に存在する。風力発電電力予測の誤差への客観的で全面的な分析及び評価の展開は、風力発電電力予測過程におけるカギとなる影響因子及び薄弱な段階の識別に寄与して、風力発電予測技術をさらに改良及び最適化するように指導し、風力発電電力予測の精度の向上にとって重要な意味が有る。しかしながら、関連技術における風力発電予測誤差分析方法は、環境、天気等の条件の影響で信頼性が悪くなる。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施例は、風力発電電力予測誤差決定方法、プロセッサ及び記憶媒体を提供する。
【0006】
本願は、風力発電電力予測誤差決定方法を提供し、風力発電電力予測過程は、数値天気予報操作、風-電変換操作及び予測結果補正操作を含み、風力発電電力予測誤差決定方法は、
風力発電所の履歴運行データから、風力発電所実測天気データ、数値天気予報データ、設備容量、リアルタイム起動容量、計画起動容量、風力発電電力予測データ、風力発電所実際出力電力を含む、風力発電電力予測誤差分析に必要なデータを取得することと、
予測結果補正操作による第1目標誤差を決定することと、
必要なデータに応じて風力発電所の風-電変換モデルに対してフィッティングを行って、風電変換フィッティングモデルを構築することと、
風力発電所実測天気データを風電変換フィッティングモデルに入力して、実の気象条件でのモデル出力を得ることと、
設備容量、計画起動容量及び実の気象条件でのモデル出力に応じて実の気象条件での風力発電予測電力を決定することと、
リアルタイム起動容量、計画起動容量及び実の気象条件での風力発電予測電力に応じて実の気象条件での予測結果補正誤差を決定することと、
実の気象条件での風力発電予測電力、風力発電所実際出力電力及び実の気象条件での予測結果補正誤差に応じて実の気象条件での風-電変換モデル誤差を決定することと、
実の気象条件でのモデル出力に対応する数値天気予報でのモデル出力を取得することと、
実の気象条件でのモデル出力、数値天気予報でのモデル出力及び実の気象条件での風-電変換モデル誤差に応じて風-電変換操作による第2目標誤差を決定することと、
風力発電電力予測データ、風力発電所実際出力電力、第1目標誤差及び第2目標誤差に応じて数値天気予報操作による第3目標誤差を決定することと、
第1目標誤差、第2目標誤差及び第3目標誤差に応じて各目標誤差の割合を決定することと、を含む。
【0007】
本願は、上述した風力発電電力予測誤差決定方法を実行するように構成されるプロセッサをさらに提供する。
【0008】
本願は、プロセッサにより実行されると、プロセッサに上述した風力発電電力予測誤差決定方法を実現させる命令が記憶された機械可読記憶媒体をさらに提供する。
【0009】
図面は、以下の具体的な実施形態とともに本願の実施例を解釈するために用いられるが、本願の実施例を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本願の一実施例における風力発電電力予測誤差決定方法の模式的なフロー図を模式的に示している。
図2】本願の一実施例におけるコンピュータ機器の内部構造図を模式的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本願の実施例の具体的な実施形態を説明する。ここで説明される具体的な実施形態は、本願の実施例を説明及び解釈するためのものに過ぎず、本願の実施例を制限するためのものではないことを理解すべきである。
【0012】
本願の実施例は、誤差変化特性が考慮された風力発電電力予測誤差決定方法を提出し、該方法は、気象データ等の条件が変化した後の風力発電電力予測における複数の操作の誤差の変化を考慮し、風力発電予測方法の改良及び予測誤差のカギとなる影響因子の識別のために、より信頼できる根拠を提供する。
【0013】
本願は、風力発電電力予測過程を数値天気予報、風-電変換モデル、予測結果補正の3つのカギとなる操作に分解し、風-電変換操作に対してフィッティングモデルを構築し、実の気象条件での風-電変換モデルの出力をフィッティングし、実の気象条件及び数値天気予報条件での予測結果を考慮し、複数の操作の誤差変化を考慮して予測し、異なる条件での同一操作の予測誤差をそれぞれ求解し、誤差デカップリング方程を構築し、誤差デカップリング方程に基づいて各操作の誤差を求解して、風力発電予測の薄弱な操作に対する精確な位置特定を実現する。
【0014】
図1には、本願の実施例による風力発電電力予測誤差決定方法の模式的なフロー図が模式的に示される。本願の実施例において、風力発電電力予測誤差決定方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0015】
ステップS101において、風力発電所の履歴運行データから、風力発電所実測天気データ、数値天気予報データ、設備容量C、リアルタイム起動容量C、計画起動容量C’、風力発電電力予測データP、風力発電所実際出力電力Pを含む、風力発電電力予測誤差分析に必要なデータを取得する。
【0016】
風力発電所実測天気データは、採取装置(例えば測風塔)により採取された風力発電所の実測データを含んでもよい。1つの例において、風力発電所実測天気データは、例えばある時間(例えば、1か月、1四半期、1年又は複数年等)内の複数の時刻の風力発電所の実測風速(例えば、異なる高さでの風速、例えば10メートルの高さ、70メートルの高さでの風速等)を含んでもよい。風力発電所実測天気データは、風力発電所の実測風向、実測気温、実測湿度、実測気圧等々をさらに含んでもよい。
【0017】
数値天気予報データは、風力発電所の所在地の数値天気予報データを含んでもよく、様々な気象因子、例えば風力発電所予測風速、風力発電所予測風向、風力発電所予測気温、風力発電所予測湿度、風力発電所予測気圧等を含んでもよい。
【0018】
1つの例において、数値天気予報データは、風力発電所予測風速(例えば、異なる高さでの予測風速、例えば10メートルの高さ、70メートルの高さでの予測風速等)を含んでもよい。数値天気予報データは、風力発電所予測風向、風力発電所予測気温、風力発電所予測湿度、風力発電所予測気圧等をさらに含んでもよい。
【0019】
数値天気予報(Numerical Weather Prediction、NWP)は、大気の実際状況に応じて、一定の初期値及び境界値の条件で、大型コンピュータにより数値計算を行い、天気変遷過程を書き表す流体力学及び熱力学の連立方程式を求解し、将来の一定の時間帯の大気の運動状態及び天気現象を予測する方法である。
【0020】
風力発電電力予測データPは、風力発電所の予測モデルにより予測して得られるか又は道路予測サービスプロバイダにより予測して得られ、且つ、風力発電所側により、記憶された風力発電電力予測データ(予測電力)をディスパッチング側サーバに上申する。
【0021】
風力発電所実際出力電力Pは、電力測定装置により現場で実測して得られる。
【0022】
ステップS102において、予測結果補正操作による第1目標誤差Eを決定する。
【0023】
風力発電電力の予測フローに応じて、風力発電所電力予測過程を数値天気予報、風-電変換モデル、予測結果補正の3つのカギとなる操作に分けることができる。上述3つのカギとなる操作の誤差は、それぞれE、E、Eであり、風力発電電力予測データPは、以下のように表すことができる。
数式(1)
【0024】
数式(2)に示すように、風力発電電力予測データP、風力発電所のリアルタイム起動容量C及び計画起動容量C’に応じて正確(リアルタイム)な起動容量条件での等価風力発電電力予測値Pcapを計算することができる。
数式(2)
【0025】
数式(3)に示すように、風力発電電力予測データPと等価風力発電電力予測値Pcapとを減算すると、予測結果補正における誤差(即ち第1目標誤差)Eが得られる。
数式(3)
【0026】
ステップS103において、必要なデータに応じて風力発電所の風-電変換モデルに対してフィッティングを行って、風電変換フィッティングモデルを構築する。
【0027】
、Eをデカップリングするために、ステップS101におけるデータに基づいて、風力発電所の風-電変換モデルに対してフィッティングを行う。風-電変換モデルの例は、フィードフォワード(Back Propagation、BP)ニューラルネットワークに基づく風-電変換モデル、長短期記憶(Long Short-Term Memory、LSTM)ニューラルネットワークに基づく風-電変換モデル及び畳み込み-長短期記憶(Convolutional Neural Networks-Long Short Term Memory、CNN-LSTM)ハイブリッドニューラルネットワークに基づく風-電変換モデル、のうちの一者を含んでもよい。
【0028】
風-電変換モデルとは、風力資源気象要素と風力発電設備有効電力との間の関係を記述する数学モデルである。実際の生産において、天気条件、プラントの発電性能等の因子の影響を受けているため、風力資源気象要素と電力とは、往々にして複雑なマッピング関係を呈し、電力予測の正確性を保証するために、特定の風力発電所及び特定の時間帯に対して、電力予測の要求によりよく適応できるように、風電変換フィッティングモデルを構築することができる。
【0029】
ステップS103は、以下のサブステップを含んでもよい。
【0030】
ステップS103の1番目のサブステップにおいて、数式(4)に示すように、設備容量C、計画起動容量C’及び風力発電電力予測データPを使用して、風-電変換モデルの出力fを計算する。
数式(4)
【0031】
ステップS103の2番目のサブステップにおいて、数値天気予報データを風-電変換モデルの入力(以下、モデル入力と略称する)として選び、fを風-電変換モデルの出力(モデル出力)とし、風-電変換モデルのモデル入力及びモデル出力データを正規化する。風力発電所の履歴運行データから予定の時間帯(例えば1か月、1四半期、1年又は複数年等)の複数の時刻の数値天気予報データ(例えば、風力発電所予測風速、及び好ましくは、風力発電所予測風向、風力発電所予測気温、風力発電所予測湿度、風力発電所予測気圧等)を選択して、算出された風-電変換モデルの出力fとデータセットを構成する。データセットを一定の比率でトレーニングセットとテストセットとに分けることができる。
【0032】
ステップS103の3番目のサブステップにおいて、トレーニングセットに対してトレーニングを行って、風電変換モデルをフィッティングする。XGBoostを利用してトレーニングセットに対してトレーニングを行うことができる。
【0033】
ステップS103の4番目のサブステップにおいて、トレーニング完了後(例えば、設定トレーニング回数に到達する)に、テストセットを使用してフィッティングされた風-電変換モデルが精度要求を満たすか否かを判断する。
【0034】
ステップS103の5番目のサブステップにおいて、精度要求を満たさなければ、フィッティングされた風-電変換モデルが精度要求を満たすまで、XGBoostの初期パラメータを修正し、ステップS103の4番目のサブステップを繰り返すことができる。精度要求を満たしたフィッティングされた風-電変換モデルを構築される風電変換フィッティングモデルとすることができる。
【0035】
本願の実施例に係る風電変換フィッティングモデルの構築(又はフィッティング)態様は、既存の風-電変換モデルの取得が不可能又は困難である場合、正確な風-電変換モデルを自発的に得ることができる。
【0036】
ステップS104において、風力発電所実測天気データを風電変換フィッティングモデルに入力して、実の気象条件でのモデル出力fwind,mを得る。
【0037】
ステップS105において、設備容量C、計画起動容量C’及び実の気象条件でのモデル出力fwind,mに応じて実の気象条件での風力発電予測電力Pwindを決定する。
【0038】
風力発電所実測天気データ(例えば測風塔により採取されたデータ、例えば実測風速等)を風電変換フィッティングモデルに入力して、実の気象条件でのモデル出力fwind,mを得ることができ、且つ数式(5)に応じて実の気象条件での風力発電予測電力Pwindを計算することができる。
数式(5)
【0039】
ステップS106において、リアルタイム起動容量C、計画起動容量C’及び実の気象条件での風力発電予測電力に応じて実の気象条件での予測結果補正誤差Ewind,rを決定する。
【0040】
実の気象条件では、数値天気予報による誤差が存在しないため、この時、風力発電予測電力Pwindの予測誤差には、風-電変換モデルにおける誤差Ewind,m、予測結果補正における誤差Ewind,rしか含まれず、従って、以下の数式がある。
数式(6)
【0041】
また、数式(3)に類似する以下の数式がある。
数式(7)
【0042】
ステップS107において、実の気象条件での風力発電予測電力Pwind、風力発電所実際出力電力P及び実の気象条件での予測結果補正誤差Ewind,rに応じて実の気象条件での風-電変換モデル誤差Ewind,mを決定する。
【0043】
数式(7)に応じて算出された誤差Ewind,rを数式(6)に代入し、実の気象条件での風-電変換モデル誤差Ewind,mを得ることができる。
【0044】
ステップS108において、実の気象条件でのモデル出力fwind,mに対応する数値天気予報でのモデル出力fを取得する。
【0045】
ここで、実の気象条件でのモデル出力に対応する数値天気予報でのモデル出力のうちの「対応」とは、同一の参考対象に対する2つの条件での値である。例えば、1つの風力発電所に対して、1つの参考時刻での実測風速がxで、xを風電変換フィッティングモデルに入力した後に得られたモデル出力がfwind,m(x)であると仮定すると、対応する数値天気予報でのモデル出力は、数式(4)に応じて計算することができ、この時、数式(4)における風力発電電力予測データPは、該参考時刻で得られた風力発電電力予測データである。
【0046】
ステップS109において、実の気象条件でのモデル出力fwind,m、数値天気予報でのモデル出力f及び実の気象条件での風-電変換モデル誤差Ewind,mに応じて風-電変換操作による第2目標誤差Eを決定する。
【0047】
風-電変換モデルにおける誤差だけを考慮する場合、風-電変換操作による第2目標誤差E、実の気象条件での風-電変換モデル誤差Ewind,m、入力データがそれぞれ数値天気予報データ及び実の気象データでの風-電変換モデルの出力f、fwind,mには、以下の関係が存在する。
数式(8)
【0048】
ステップS110において、風力発電電力予測データP、風力発電所実際出力電力P、第1目標誤差E及び第2目標誤差Eに応じて数値天気予報操作による第3目標誤差Eを決定する。
【0049】
数式(1)に応じて第3目標誤差Eを算出することができる。
【0050】
以上のステップにおける数式に応じて誤差デカップリング方程を構築することができ、

該誤差デカップリング方程を使用して第1目標誤差E、第2目標誤差E、第3目標誤差Eを計算することができる。
【0051】
ステップS111において、第1目標誤差E、第2目標誤差E及び第3目標誤差Eに応じて各目標誤差の割合を決定する。
【0052】
数式(9)に応じて各目標誤差の割合を計算することができ、
数式(9)
そのうち、R、R、Rは、それぞれ第3目標誤差、第2目標誤差、第1目標誤差の割合である。
【0053】
複数の目標誤差の割合の決定後、方法は、複数の目標誤差の割合に応じて風力発電電力予測過程における複数の操作のうち、誤差を引き起こす要因である操作を分析し、即ち各目標誤差の占める比値に応じて分析し、風力発電電力予測過程における予測結果補正操作、風-電変換操作、及び数値天気予報操作のいずれかに対応する目標誤差を主要誤差として決定する、ことをさらに含んでもよい。例えば、R、R、Rを比較し、Rが最大値であれば、数値天気予報は誤差を引き起こす要因であり、Rが最大値であれば、風-電変換モデルは誤差を引き起こす要因であり、Rが最大値であれば、予測結果補正は誤差を引き起こす要因である。
【0054】
入力された気象データが風力発電所の実際予測モデルのトレーニングに影響を与え、さらに「風-電変換モデル」の出力結果に影響を与え、それからさらに予測結果補正に影響を与えるため、単に、数値天気予報での風-電変換操作による誤差(第2目標誤差)Eと実の気象条件での風-電変換モデル誤差Ewind,mとを同等のもの(即ち、E=Ewind,m)と、数値天気予報での予測結果補正操作による誤差(第1目標誤差)Eと実の気象条件での予測結果補正操作の誤差Ewind,rとを同等のもの(即ち、E=Ewind,r)と簡単に考えれば、このような場合で誤差を分析する結果は、十分に合理的なものではない。
【0055】
本願の1つの具体的な実施例は、湖南チン州白雲仙風力発電所(113.5576°E、25.3931°N)の2021年8月から2021年12月までのデータに基づいて、サンプリング間隔時間が15minであり、1日で計96回のサンプリングを行っている。表1には、該具体的な実施例における誤差デカップリング結果及び誤差割合が示される。
【0056】
【表1】
【0057】
本願の実施例は、上述の任意の実施例の風力発電電力予測誤差決定方法を実行するように構成されるプロセッサを提供する。
【0058】
プロセッサは、風力発電所の履歴運行データから、風力発電所実測天気データ、数値天気予報データ、設備容量、リアルタイム起動容量、計画起動容量、風力発電電力予測データ、風力発電所実際出力電力を含む、風力発電電力予測誤差分析に必要なデータを取得し、予測結果補正操作による第1目標誤差を決定し、必要なデータに応じて風力発電所の風-電変換モデルに対してフィッティングを行って、風電変換フィッティングモデルを構築し、風力発電所実測天気データを風電変換フィッティングモデルに入力して、実の気象条件でのモデル出力を得て、設備容量、計画起動容量及び実の気象条件でのモデル出力に応じて実の気象条件での風力発電予測電力を決定し、リアルタイム起動容量、計画起動容量及び実の気象条件での風力発電予測電力に応じて実の気象条件での予測結果補正誤差を決定し、実の気象条件での風力発電予測電力、風力発電所実際出力電力及び実の気象条件での予測結果補正誤差に応じて実の気象条件での風-電変換モデル誤差を決定し、実の気象条件でのモデル出力に対応する数値天気予報でのモデル出力を取得し、実の気象条件でのモデル出力、数値天気予報でのモデル出力及び実の気象条件での風-電変換モデル誤差に応じて風-電変換操作による第2目標誤差を決定し、風力発電電力予測データ、風力発電所実際出力電力、第1目標誤差及び第2目標誤差に応じて数値天気予報操作による第3目標誤差を決定し、第1目標誤差、第2目標誤差及び第3目標誤差に応じて各目標誤差の割合を決定する、という方法を実行するように構成されてもよい。
【0059】
本願の実施例において、プロセッサは、さらに、複数の目標誤差の割合に応じて風力発電電力予測過程において誤差を引き起こす要因である操作を分析する、という方法を実行するように構成されてもよい。
【0060】
本願の実施例において、予測結果補正操作による第1目標誤差を決定することは、風力発電電力予測データ、リアルタイム起動容量及び計画起動容量に応じて等価風力発電電力予測値を決定することと、風力発電電力予測データから等価風力発電電力予測値を差し引いて第1目標誤差を得ることと、を含む。
【0061】
本願の実施例において、必要なデータに応じて風力発電所の風-電変換モデルに対してフィッティングを行って、風電変換フィッティングモデルを構築することは、設備容量、計画起動容量及び風力発電電力予測データに応じて風-電変換モデルの出力を決定することと、数値天気予報データを風-電変換モデルの入力とし、風-電変換モデルの出力とトレーニングセット及びテストセットを形成することと、XGBoostを利用してトレーニングセットに対してトレーニングを行って、風-電変換モデルをフィッティングすることと、トレーニング完了後に、テストセットを使用してフィッティングされた風-電変換モデルが精度要求を満たすか否かを判断することと、フィッティングされた風-電変換モデルが精度要求を満たすまで、XGBoostの初期パラメータを修正し、トレーニングセットに対するトレーニングを繰り返すことと、精度要求を満たしたフィッティングされた風-電変換モデルを風電変換フィッティングモデルとすることと、を含む。
【0062】
本願の実施例において、風-電変換モデルは、BPニューラルネットワークに基づく風-電変換モデル、LSTMニューラルネットワークに基づく風-電変換モデル及びCNN-LSTMハイブリッドニューラルネットワークに基づく風-電変換モデル、のうちの一者を含む。
【0063】
本願の実施例において、設備容量、計画起動容量及び実の気象条件でのモデル出力に応じて実の気象条件での風力発電予測電力を決定することは、以下の数式に応じて実の気象条件での風力発電予測電力を計算することを含み、

そのうち、Pwindは、実の気象条件での風力発電予測電力であり、C’は、計画起動容量であり、Cは、設備容量であり、fwind,mは、実の気象条件でのモデル出力である。
【0064】
本願の実施例において、リアルタイム起動容量、計画起動容量及び実の気象条件での風力発電予測電力に応じて実の気象条件での予測結果補正誤差を決定することは、以下の数式に応じて実の気象条件での予測結果補正誤差を計算することを含み、

そのうち、Ewind,rは、実の気象条件での予測結果補正誤差であり、Cは、リアルタイム起動容量であり、C’は、計画起動容量であり、Pwindは、実の気象条件での風力発電予測電力である。
【0065】
本願の実施例において、実の気象条件での風力発電予測電力、風力発電所実際出力電力及び実の気象条件での予測結果補正誤差に応じて実の気象条件での風-電変換モデル誤差を決定することは、以下の数式に応じて実の気象条件での風-電変換モデル誤差を計算することを含み、

そのうち、Pwindは、実の気象条件での風力発電予測電力であり、Pは、風力発電所実際出力電力であり、Ewind,mは、実の気象条件での風-電変換モデル誤差であり、Ewind,rは、実の気象条件での予測結果補正誤差である。
【0066】
本願の実施例において、実の気象条件でのモデル出力、数値天気予報でのモデル出力及び実の気象条件での風-電変換モデル誤差に応じて風-電変換操作による第2目標誤差を決定することは、以下の数式に応じて第2目標誤差を計算することを含み、

そのうち、Eは、第2目標誤差であり、fは、数値天気予報でのモデル出力であり、Ewind,mは、実の気象条件での風-電変換モデル誤差であり、fwind,mは、実の気象条件でのモデル出力である。
【0067】
本願の実施例において、風力発電電力予測データ、風力発電所実際出力電力、第1目標誤差及び第2目標誤差に応じて数値天気予報操作による第3目標誤差を決定することは、以下の数式に応じて第3目標誤差を計算することを含み、

そのうち、Pは、風力発電電力予測データであり、Eは、第1目標誤差であり、Eは、第2目標誤差であり、Eは、第3目標誤差である。
【0068】
本願は、気象データ等の条件が変化した後の、風力発電電力予測過程における各操作誤差の変化を考慮し、風力発電予測誤差分析方法の信頼性を向上させる。
【0069】
本願の実施例は、プロセッサにより実行されると、プロセッサに上述の任意の実施例の風力発電電力予測誤差決定方法を実現させる命令が記憶された機械可読記憶媒体を提供する。
【0070】
1つの実施例において、コンピュータ機器を提供し、該コンピュータ機器は、サーバであってもよく、その内部構造図は図2に示すものであってもよい。該コンピュータ機器は、システムバスにより接続されるプロセッサA01、ネットワークインターフェースA02、メモリ(図示せず)及びデータベース(図示せず)を備える。そのうち、該コンピュータ機器のプロセッサA01は、計算及び制御能力を提供するように構成される。該コンピュータ機器のメモリは、内部メモリA03及び不揮発性記憶媒体A04を含む。該不揮発性記憶媒体A04には、オペレーティングシステムB01、コンピュータプログラムB02及びデータベース(図示せず)が記憶される。該内部メモリA03は、不揮発性記憶媒体A04におけるオペレーティングシステムB01及びコンピュータプログラムB02の運行のために環境を提供する。該コンピュータ機器のデータベースは、データ、例えば履歴気象実測データ、数値天気予報データ、風力発電所設備容量、リアルタイム起動容量、計画起動容量、風力発電電力予測データ、実際出力電力等を記憶するために用いられる。該コンピュータ機器のネットワークインターフェースA02は、外部の端末とネットワーク接続により通信するように構成される。該コンピュータプログラムB02がプロセッサA01により実行されると風力発電電力予測誤差決定方法を実現する。
【0071】
本願の実施例は、プロセッサ、メモリ及びメモリに記憶されてプロセッサで運行可能なプログラムを備える機器を提供し、プロセッサがプログラムを実行すると、上述の任意の実施例の風力発電電力予測誤差決定方法を実現する。
【0072】
本願の実施例に係る上述技術態様は、実の気象条件及び数値天気予報条件での予測結果に基づいて、気象条件が変化する時に各操作に与える影響を総合的に考慮し、これにより、誤差を引き起こす複数の操作を正確にデカップリングし、これを踏まえて各操作の誤差割合を計算し、風力発電所の予測方法の改善のために理論的指導を提供することができる。
【0073】
風力発電電力の予測フローに応じて、風力発電所電力予測過程を順次数値天気予報、風-電変換モデル、予測結果補正の3つのカギとなる操作に分けることができる。気象条件が変化すると、数値天気予報に影響を与えるだけでなく、風-電変換モデル及び予測結果補正にも影響を与える。
【0074】
本願の実施例の風力発電電力予測方法は、以下を含む。
【0075】
(1)数値天気予報操作の誤差に対して、本願の実施例は、予測電力の求解過程において風-電変換操作及び予測結果補正操作による数値天気予報操作の誤差への影響を考慮する。
【0076】
(2)風-電変換操作の誤差に対して、本願の実施例は、風-電変換モデル誤差に関連する方程(数式8)に基づいて求解を行う。
【0077】
(3)本願の実施例は、誤差デカップリング方程を改善するために、実の気象条件での予測結果補正操作の誤差の計算数式を追加的に補充する。
【0078】
そのため、本願の実施例に係る技術態様は、複数の操作の誤差変化特性を全面的に考慮し、実際気象条件での風-電変換操作及び予測結果補正操作の誤差変化の推定を補充することにより、風力発電電力予測の複数の操作の誤差に対して、より全面的で合理的なデカップリング分析を行い、得られた誤差分析結果は風力発電予測技術の改良及び最適化のために、より信頼できる指導を提供できる。当業者であれば、本願の実施例は、方法、システム、又はコンピュータプログラムプロダクトであってもよいことを理解すべきである。そのため、本願は、全てハードウェアである実施例、全てソフトウェアである実施例、又はソフトウェア及びハードウェア方面が結合された実施例の形式を採用することができる。さらに、本願は、コンピュータ使用可能なプログラムコードが備えられたコンピュータ使用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、ポータブルコンパクト磁気ディスクリードオンリーメモリ(Compact Disc Read-Only Memory、CD-ROM)、光学メモリ等を含むが、これらに限定されない)で実施されるコンピュータプログラムプロダクトの形式を採用することができる。
【0079】
本願は、本願の実施例による方法、機器(システム)、並びにコンピュータプログラムプロダクトのフロー図及び/又はブロック図を参照して説明する。コンピュータプログラム命令によりフロー図及び/又はブロック図における各フロー及び/又はブロック、並びにフロー図及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はブロックの結合を実現可能であることを理解すべきである。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組込み式処理機又は他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサに提供して1つのマシンを生成することができ、これにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサにより実行される命令が、フロー図の1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロック又は複数のブロックで指定された機能を実現するように構成される装置を生成する。
【0080】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器を特定の方式で動作するように案内可能なコンピュータ可読メモリに記憶されてもよく、これにより、該コンピュータ可読メモリに記憶された命令が命令装置を含む製造品を生成し、該命令装置は、フロー図の1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロック又は複数のブロックで指定された機能を実現する。
【0081】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器に搭載されてもよく、これにより、コンピュータ又は他のプログラマブル機器で一連の操作ステップを実行してコンピュータにより実現される処理を生成して、コンピュータ又は他のプログラマブル機器で実行される命令が、フロー図の1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つのブロック又は複数のブロックで指定される機能を実現するためのステップを提供する。
【0082】
1つの配置において、計算機器は、1つ又は複数のプロセッサ、例えば中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、入力/出力インターフェース、ネットワークインターフェース及び内部メモリ、を備える。
【0083】
メモリには、コンピュータ可読媒体における、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)の非永続性メモリ、及び/又は、例えばリードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)又はフラッシュメモリ(flash RAM)の、不揮発性内部メモリ等の形式が含まれる可能性がある。メモリは、コンピュータ可読媒体の例である。
【0084】
コンピュータ可読媒体は、永続性及び非永続性、可搬及び非可搬メディアを含み、あらゆる方法又は技術により情報の記憶を実現してもよい。情報は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムのモジュール又は他のデータであってもよい。コンピュータの記憶媒体の例は、相変化ランダムアクセスメモリ(Phase-change Random Access Memory、PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(Static Random Access Memory、SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memory、DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory、EEPROM)、フラッシュ記憶体又は他の内部メモリ技術、ポータブルコンパクト磁気ディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途光ディスク(Digital Versatile Disc、DVD)又は他の光学記憶、磁気ケース式磁気テープ、磁気テープ磁気ディスク記憶や他の磁気記憶機器又はあらゆる他の非伝送媒体を含むが、これらに限定されず、計算機器によりアクセス可能な情報を記憶するために使用可能である。本稿における画定に従って、コンピュータ可読媒体には、一時的なコンピュータ可読メディア(transitory media)、例えば変調されたデータ信号及び搬送波は含まれない。
【0085】
用語「備える」、「含む」又はそれらの任意の他の変形は、非排他的包含をカバーすることを意図し、従って、一連の要素を含む過程、方法、商品又は機器は、それらの要素だけでなく、明確に挙げられていない他の要素も含み、若しくはこのような過程、方法、商品又は機器に固有される要素も含む。さらなる制限がない場合、語句「1つの…を含むこと」で限定される要素は、要素を含む過程、方法、商品又は機器にさらに他の同じ要素が存在することを排除するものではない。
図1
図2