(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-12
(45)【発行日】2025-02-20
(54)【発明の名称】プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/488 20110101AFI20250213BHJP
H04N 21/435 20110101ALI20250213BHJP
H04L 51/046 20220101ALI20250213BHJP
H04L 67/131 20220101ALI20250213BHJP
【FI】
H04N21/488
H04N21/435
H04L51/046
H04L67/131
(21)【出願番号】P 2024127614
(22)【出願日】2024-08-02
【審査請求日】2024-08-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516164173
【氏名又は名称】NHN PlayArt株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】井上 直紀
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-135925(JP,A)
【文献】特開2020-088838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/858
H04L 51/00 - 51/58
H04L 67/00 - 67/75
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示されている動画に対して投稿されるコメントを受信し、
順次設定される第1の期間および第2の期間の各々において、受信した前記コメントを少なくとも第1のグループおよび第2のグループに分類し、
前記第1の期間および前記第2の期間の各々において、受信した前記コメントの数に対する前記第1のグループに分類されたコメントの数の第1の割合を算出し、
前記第1の期間および前記第2の期間の各々において、前記第1の割合が第1の閾値以上であるとき、前記第1のグループを識別するための第1の表示態様を有する第1のオブジェクトを決定し、
前記第1の期間における前記第1の割合に基づいて決定された前記第1のオブジェクトを、前記第2の期間における前記第1の割合に基づいて決定された前記第1のオブジェクトに切り替えて表示する、ことをコンピュータに実行させるための
プログラムであって、
前記第2の期間の開始時は、前記第1の期間の終了時よりも前である、プログラム。
【請求項2】
表示されている動画に対して投稿されるコメントを受信し、
順次設定される第1の期間および第2の期間の各々において、受信した前記コメントを少なくとも第1のグループおよび第2のグループに分類し、
前記第1の期間および前記第2の期間の各々において、受信した前記コメントの数に対する前記第1のグループに分類されたコメントの数の第1の割合を算出し、
前記第1の期間および前記第2の期間の各々において、前記第1の割合が第1の閾値以上であるとき、前記第1のグループを識別するための第1の表示態様を有する第1のオブジェクトを決定し、
前記第1の期間における前記第1の割合に基づいて決定された前記第1のオブジェクトを、前記第2の期間における前記第1の割合に基づいて決定された前記第1のオブジェクトに切り替えて表示する、ことをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記第1の期間および前記第2の期間の各々において、受信した前記コメントの数が設定値以上であるとき、前記第1の期間および前記第2の期間の各々が終了される、プログラム。
【請求項3】
前記第1の期間および前記第2の期間の各々において、受信した前記コメントの数に対応する前記第2のグループに分類されたコメントの数の第2の割合を算出し、
前記第1の期間および前記第2の期間の少なくとも一方において、前記第2の割合が第2の閾値以上であるとき、前記第2のグループを識別するための第2の表示態様を有する第2のオブジェクトを決定し、
前記第1の割合および前記第2の割合に応じて前記第1の表示態様および前記第2の表示態様を決定して、前記第1のオブジェクトおよび前記第2のオブジェクトを表示する、請求項1
または請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第1の表示態様および前記第2の表示態様は、それぞれ、前記第1のオブジェクトの第1の面積および前記第2のオブジェクトの第2の面積であり、
前記第1の面積に対する前記第2の面積は、前記第1の割合に対する前記第2の割合に対応する、請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
表示されている動画に対して投稿されるコメントを受信し、
順次設定される第1の期間および第2の期間の各々において、受信した前記コメントを少なくとも第1のグループおよび第2のグループに分類し、
前記第1の期間および前記第2の期間の各々において、受信した前記コメントの数に対する前記第1のグループに分類されたコメントの数の第1の割合を算出し、
前記第1の期間および前記第2の期間の各々において、前記第1の割合が第1の閾値以上であるとき、前記第1のグループを識別するための第1の表示態様を有する第1のオブジェクトを決定し、
前記第1の期間における前記第1の割合に基づいて決定された前記第1のオブジェクトを、前記第2の期間における前記第1の割合に基づいて決定された前記第1のオブジェクトに切り替えて表示する、ことをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記第1の期間および前記第2の期間の各々において、受信した前記コメントの数に対応する前記第2のグループに分類されたコメントの数の第2の割合を算出し、
前記第1の期間および前記第2の期間の少なくとも一方において、前記第2の割合が第2の閾値以上であるとき、前記第2のグループを識別するための第2の表示態様を有する第2のオブジェクトを決定し、
前記第1の割合および前記第2の割合に応じて前記第1の表示態様および前記第2の表示態様を決定して、前記第1のオブジェクトおよび前記第2のオブジェクトを表示し、
前記第1の期間における前記第2の割合に基づいて前記第2のオブジェクトが決定されず、前記第2の期間における前記第2の割合に基づいて前記第2のオブジェクトが決定されるとき、前記第2のオブジェクトを前記第1のオブジェクトの上に重畳するように表示する
、プログラム。
【請求項6】
前記第1の表示態様は、前記第1のオブジェクトの面積、色、または移動である、請求項1、請求項2、および請求項5のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第1の期間および前記第2の期間における前記第1のオブジェクトの前記第1の表示態様は、前記第1の割合に基づいて異なっている、請求項1
、請求項2、および請求項5のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第1の割合に基づく前記第1の表示態様は、前記第1のオブジェクトの色の濃淡または前記第1のオブジェクトに含まれるテキストの大きさである、請求項
7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記第1の期間および前記第2の期間の少なくとも一方は、前記動画を提供する配信者の指示要求に基づいて開始される、請求項1
、請求項2、および請求項5のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記配信者の指示要求は、前記配信者による所定の目の動きもしく顔の動き、または前記配信者が発する所定のキーワードと連動している、請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記第1のオブジェクトは、前記第1のグループを表すテキストを含み、
前記テキストは、予め登録された単語の中から決定される、請求項1
、請求項2、および請求項5のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記第1のオブジェクトは、前記第1のグループを表すテキストを含み、
前記テキストは、前記第1のグループに分類されたコメントの中の単語を抽出して決定される、請求項1
、請求項2、および請求項5のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
以前に受信されたコメントに基づいて学習されたディープラーニングモデルを用いて、受信した前記コメントを、少なくとも前記第1のグループおよび前記第2のグループに分類する、請求項1
、請求項2、および請求項5のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記動画は、ゲームプレイ動画である、請求項1
、請求項2、および請求項5のいずれか一項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、ライブ動画配信サービスにおいて視聴者からリアルタイムに投稿されるコメントを分類し、表示するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の情報端末の高性能化および高機能化と、インターネットによる通信の高速化とに伴い、各種のライブ動画配信サービスが普及している。例えば、配信者がゲームをプレイする動画(すなわち、ゲームプレイ動画)を、配信者の音声実況とともにリアルタイムで多数の視聴者の情報端末に配信するライブ動画配信サービスが提供されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ライブ動画配信サービスでは、配信者がライブ動画を配信するとともに、ライブ動画を視聴する視聴者がライブ動画に対するコメントを投稿することができる。視聴者から投稿されたコメントは、配信者の情報端末に表示されるため、配信者は、視聴者から投稿されたコメントを確認し、視聴者のコメントに反応したライブ動画配信を行うことにより、対話しているかのような印象を視聴者に与え、視聴者とより密接なコミュニケーションを図ることができる。しかしながら、ライブ動画配信サービスでは、多数の視聴者がコメントを投稿するため、配信者が全てのコメントを確認することが困難な場合も多い。また、配信者は、視聴者が投稿する全てのコメントの中で、より多くの視聴者によって支持され、もしくは共感される多数意見、または現時点における主流の考えを瞬時に把握することが困難な場合もある。
【0005】
本発明の一実施形態は、ライブ動画配信サービスにおいて、視聴者から投稿されるコメントを、コメントが類似するグループごとに分類し、より多くの類似するコメントを含むグループをオブジェクトとして表示するプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、表示されている動画に対して投稿されるコメントを受信し、順次設定される第1の期間および第2の期間の各々において、受信したコメントを少なくとも第1のグループおよび第2のグループに分類し、第1の期間および第2の期間の各々において、受信したコメントの数に対する第1のグループに分類されたコメントの数の第1の割合を算出し、第1の期間および第2の期間の各々において、第1の割合が第1の閾値以上であるとき、第1のグループを識別するための第1の表示態様を有する第1のオブジェクトを決定し、第1の期間における第1の割合に基づいて決定された第1のオブジェクトを、第2の期間における第1の割合に基づいて決定された第1のオブジェクトに切り替えて表示する、ことをコンピュータに実行させる。
【0007】
第1の表示態様は、第1のオブジェクトの面積、色、または動きであってもよい。
【0008】
第1の期間および第2の期間の各々において、受信したコメントの数に対応する第2のグループに分類されたコメントの数の第2の割合を算出し、第1の期間および第2の期間の少なくとも一方において、第2の割合が第2の閾値以上であるとき、第2のグループを識別するための第2の表示態様を有する第2のオブジェクトを決定し、第1の割合および第2の割合に応じて第1の表示態様および第2の表示態様を決定して、第1のオブジェクトおよび第2のオブジェクトを表示してもよい。
【0009】
第1の表示態様および第2の表示態様は、それぞれ、第1のオブジェクトの第1の面積および第2のオブジェクトの第2の面積であり、第1の面積に対する第2の面積は、第1の割合に対する第2の割合に対応してもよい。
【0010】
第1の期間における第2の割合に基づいて第2のオブジェクトが決定されず、第2の期間における第2の割合に基づいて第2のオブジェクトが決定されるとき、第2のオブジェクトを第1のオブジェクトの上に重畳するように表示してもよい。
【0011】
第1の期間および第2の期間における第1のオブジェクトの第1の表示態様は、第1の割合に基づいて異なっていてもよい。
【0012】
第1の割合に基づく第1の表示態様は、第1のオブジェクトの色の濃淡または第1のオブジェクトに含まれるテキストの大きさであってもよい。
【0013】
第2の期間の開始時は、第1の期間の終了時よりも前であってもよい。
【0014】
第1の期間および第2の期間の少なくとも一方は、動画を提供する配信者の指示に基づいて開始されてもよい。
【0015】
配信者の指示は、配信者による所定の目の動きもしく顔の動き、または配信者が発する所定のキーワードと連動していてもよい。
【0016】
第1の期間および第2の期間の各々において、受信したコメントの数が設定値以上であるとき、第1の期間および第2の期間の各々が終了されてもよい。
【0017】
第1のオブジェクトは、第1のグループを表すテキストを含み、テキストは、予め登録された単語の中から決定されてもよい。
【0018】
第1のオブジェクトは、第1のグループを表すテキストを含み、テキストは、第1のグループに分類されたコメントの中の単語を抽出して決定されてもよい。
【0019】
以前に受信されたコメントに基づいて学習されたディープラーニングモデルを用いて、受信したコメントを、少なくとも第1のグループおよび第2のグループに分類してもよい。
【0020】
動画は、ゲーム配信動画であってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一実施形態によれば、ライブ動画配信サービスにおいて、視聴者から投稿されるコメントが類似するコメントごとのグループに分類され、より多くの類似するコメントを含むグループが、配信者用情報端末の表示部にオブジェクトとして表示される。すなわち、表示されるオブジェクトは、視聴者の多数意見を反映したものである。また、多数意見として分類されるグループが複数存在する場合であっても、オブジェクトをグループ内のコメントの数と対応させた大きさとすることで、表示された複数のオブジェクトの相対的な大きさから主流の多数意見を把握することが可能である。また、オブジェクトにはグループ内のコメントを代表するテキストが付されている。そのため、配信者は、オブジェクトを視認することにより、視聴者の多数意見を容易に把握し、視聴者のコメントに反応したライブ動画配信を行うことができる。これは、視聴者に配信者と対話しているかのような印象を与え、配信者は、視聴者とより密接なコミュニケーションを図ることができる。また、視聴者は、自分のコメントに寄り添ったライブ動画を視聴することで、ライブ動画を身近なものに感じることができる。配信者と視聴者との一体感の向上によってライブ動画配信サービスが盛り上がり、結果として、ライブ動画配信サービスにおける視聴者数を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係るライブ動画配信システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るライブ動画配信システムを利用して生成されるライブ動画データ500の構成を説明する模式図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る配信サーバの構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る配信者用情報端末の構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る視聴者用情報端末の構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るライブ動画配信処理を説明するシーケンス図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るライブ動画データ生成処理を説明するフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態に係るライブ動画データ生成処理において、コメント情報をグループに分類する処理を説明する模式図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係るライブ動画データ生成処理において、コメント情報を取得する処理を説明する模式図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係るライブ動画データ生成処理において、オブジェクトを生成する処理を説明する模式図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係るライブ動画データ生成処理において生成されるオブジェクトの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明の実施形態は、その技術的思想の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下で説明する実施形態に限定して解釈されるものではない。
【0024】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、幅、厚さ、または形状等について模式的に表される場合がある。また、図面において、同一または同様の機能を有する構成要素には、同一の符号または同一の符号の後にアルファベットを付した符号を用い、その構成要素の繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0025】
明細書および特許請求の範囲において、各用語は、次のように定義される。
【0026】
「プログラム」とは、プロセッサおよびメモリを備えたコンピュータにおいてプロセッサより実行される命令または命令群を指す。「コンピュータ」は、プログラムの実行主体を指す総称である。例えば、サーバ(またはクライアント)によりプログラムが実行される場合、「コンピュータ」は、サーバ(またはクライアント)を指す。また、サーバとクライアントとの間の分散処理により「プログラム」が実行される場合、「コンピュータ」は、サーバおよびクライアントの両方を含む。この場合、「プログラム」は、「サーバで実行されるプログラム」および「クライアントで実行されるプログラム」を含む。「プログラム」が、複数のサーバ間で分散処理される場合も同様に、「コンピュータ」は、複数のサーバを含み、「プログラム」は、各サーバで実行される各プログラムを含む。
【0027】
「ライブ動画配信サービス」とは、ネットワークを介して、リアルタイムにライブ動画を配信するサービスをいう。ライブ動画は、例えば、ゲームプレイ動画であるが、これに限られない。
【0028】
「配信者」とは、ライブ動画配信サービスにおいて、配信するためのライブ動画を提供する者をいう。
【0029】
「視聴者」とは、ライブ動画配信サービスにおいて、ライブ動画を視聴し、コメントを投稿する者をいう。
【0030】
[1.ライブ動画配信システム1000の概要]
図1は、本発明の一実施形態に係るライブ動画配信システム1000の構成を示すブロック図である。
【0031】
ライブ動画配信システム1000は、配信サーバ200、配信者用情報端末300、および複数の視聴者用情報端末400(
図1中の400-1、400-2、・・・、400-n)を含む。配信サーバ200、配信者用情報端末300、および複数の視聴者用情報端末400は、インターネットまたはLANなどのネットワークNWを介して通信可能に接続されている。ネットワークNWは、有線であってもよく、無線であってもよい。配信者用情報端末300および視聴者用情報端末400は、配信サーバ200が提供するサービスを受けることができるクライアントである。
【0032】
配信サーバ200は、配信者用情報端末300および視聴者用情報端末400に、ライブ動画配信サービスを提供し、またはライブ動画配信サービスに関連する各種サービスを提供する情報処理装置である。ライブ動画配信サービスは、ライブ動画配信プログラムを実行することによって提供することができる。配信サーバ200における各種サービスには、例えば、ライブ動画配信サービスを実行する際におけるログイン処理、または同期処理などのサービスが含まれていてもよい。また、各種サービスには、コメント投稿機能が含まれていてもよい。ライブ動画配信プログラムは、配信サーバ200に含まれる記憶装置、配信サーバ200が読み出し可能な記録媒体、または配信サーバ200がネットワークNWを介して通信接続可能なデータベースに記録される。
図1において、配信サーバ200は、単一の情報処理装置として図示されているが、複数の情報処理装置で構成されてもよい。
【0033】
配信者用情報端末300は、配信者が利用する情報端末である。視聴者用情報端末400は、視聴者が利用する情報端末である。配信者用情報端末300および視聴者用情報端末400の各々は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、据え置き型ゲーム機、または携帯型ゲーム機などの情報処理装置である。配信者用情報端末300および視聴者用情報端末400は、ネットワークNWを介して、配信サーバ200と通信接続することができる。配信者用情報端末300は、配信サーバ200と通信接続することによりライブ動画配信プログラムが実行され、ライブ動画に対応するライブ動画データを配信サーバ200に送信することができる。また、視聴者用情報端末400は、配信サーバ200と通信接続することによりライブ動画配信プログラムが実行され、ライブ動画データを受信することができる。また、視聴者用情報端末400では、ライブ動画を視聴した視聴者がコメントを投稿することができ、投稿するコメントを含むコメント情報を視聴者用情報端末400から配信サーバに送信することができる。このように、ライブ動画配信システム1000では、ライブ動画配信プログラムが実行されることにより、配信者用情報端末300から配信サーバ200にリアルタイムにライブ動画データを送信することができるとともに、視聴者用情報端末400から配信サーバ200にアクセスして、配信サーバ200から送信されるライブ動画データを視聴者用情報端末400でリアルタイムに受信し、視聴者用情報端末400から配信サーバ200にリアルタイムにコメント情報を送信することができる。
【0034】
ライブ動画配信システム1000では、様々なライブ動画を配信することができる。例えば、配信者は、配信者自身を撮影した動画とともに、視聴者から投稿されるコメントに基づいて発言するライブ動画を配信することができる。また、配信者は、配信者がプレイするゲーム画面を撮影した動画とともに、視聴者から投稿されるコメントに反応しながら音声実況するライブ動画(いわゆる、ゲームプレイ動画)を配信することもできる。ゲームは、例えば、ソーシャルゲームまたはモバイルゲームなどのオンラインゲームであるが、これらに限られない。
【0035】
配信者が提供するライブ動画に対応するライブ動画データは、配信者用情報端末300において生成されるが、ライブ動画データの一部は、ネットワークNWを介して他のサーバと通信接続して取得されるデータであってもよい。例えば、ゲームプレイ動画におけるゲーム画面データは、配信者用情報端末300によって撮影されたものだけでなく、ネットワークNWを介してゲームサーバから送信されるゲーム画面データを取得したものであってもよい。
【0036】
[2.ライブ動画データ500の構成]
図2を参照して、配信者用情報端末300によって生成されるライブ動画データの構成について説明する。
【0037】
図2は、本発明の一実施形態に係るライブ動画配信システム1000を利用して生成されるライブ動画データ500の構成を説明する模式図である。
図2には、便宜上、ライブ動画データ500が画面上に表示されるライブ動画の構成として示されている。すなわち、ライブ動画配信サービスにおいては、ライブ動画データ500に対応するライブ動画が視聴者用情報端末400に提供され、表示される。なお、ライブ動画データ500は配信者用情報端末300において生成されるが、視聴者用情報端末400に提供されるライブ動画は、配信者用情報端末300に表示されている表示レイアウトと異なっている場合がある。この場合、視聴者用情報端末400に提供されるライブ動画が配信者用情報端末300にも提供され、表示されてもよい。
【0038】
図2に示すように、ライブ動画データ500は、ゲームプレイ動画510、配信者動画520、コメント表示領域530、およびオブジェクト表示領域540を含む。また、
図2には図示されないが、ライブ動画データ500は音声データを含む。ゲームプレイ動画510は、配信者がプレイするゲームの進行に応じてリアルタイムに変化する動画である。配信者動画520は、配信者の動きに応じてリアルタイムに変化する動画である。配信者動画520は、配信者が撮影された動画そのものであってもよく、配信者が撮影された動画を基にして加工された動画(例えば、アバターなど)であってもよい。コメント表示領域530は、視聴者から投稿されたコメントが順次表示される領域である。コメント表示領域530には、最新のコメントを含む一定の数のコメントが表示される。そのため、一定の数のコメントよりも前に投稿されたコメントは、順次スクロールされ、コメント表示領域530から消える。オブジェクト表示領域540は、オブジェクト541(
図8中の第1のオブジェクト541-1、第2のオブジェクト541-2、および第3のオブジェクト541-3)が表示される領域である。オブジェクト541は、視聴者から投稿されるコメントが類似するコメントごとのグループに分類され、より多くの類似するコメントを含むグループが視覚的に表示されたものである。そのため、配信者は、オブジェクト541を視認することにより、視聴者の多数意見または要望事項などを把握することができる。
図2のオブジェクト表示領域540には3つのオブジェクトが表示されているが、オブジェクト541の数はこれに限られない。オブジェクト541の生成処理および表示態様の詳細は後述する。
【0039】
なお、
図2を参照して、ゲームプレイ動画510および配信者動画520を含むライブ動画データ500を説明したが、ライブ動画データ500は、ゲームプレイ動画510および配信者動画520のうちの1つのみを含む構成を有していてもよい。
【0040】
[3.ライブ動画配信システム1000の構成要素の構成]
図3~
図5を参照して、ライブ動画配信システム1000に含まれる配信サーバ200、配信者用情報端末300、および視聴者用情報端末400の構成の詳細について説明する。
【0041】
[3-1.配信サーバ200の構成]
図3は、本発明の一実施形態に係る配信サーバ200の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、配信サーバ200は、制御部210、記憶部220、および通信部230を含む。なお、配信サーバ200は、さらなる構成要素を含んでいてもよい。
【0042】
制御部210は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ(演算処理装置)およびRAMなどの記憶装置を備える。制御部210は、記憶装置に記憶されたプログラムをプロセッサにより実行し、ライブ動画配信サービスに関連する様々な機能を実現させる。例えば、制御部210は、ライブ動画データ処理部211およびコメント情報処理部212を機能として実現することができる。
【0043】
ライブ動画データ処理部211は、配信者用情報端末300から送信されるライブ動画データ500を取得し、配信サーバ200と通信接続されている視聴者用情報端末400に取得したライブ動画データ500を送信する。ライブ動画データ処理部211が取得したライブ動画データ500は、記憶部220に記憶されてもよい。また、ライブ動画データ処理部211は、配信者用情報端末300から送信されるライブ動画データ500の構成に変更または修正を行うこともできる。例えば、ライブ動画データ処理部211は、ライブ動画データ500の構成をライブ動画配信用の表示レイアウトに変更し、修正することができる。なお、ライブ動画データ処理部211は、視聴者用情報端末400だけでなく、配信者用情報端末300にも、取得したライブ動画データ500または変更し、もしくは修正したライブ動画データ500を送信することもできる。
【0044】
コメント情報処理部212は、視聴者用情報端末400から送信されるコメント情報を取得し、配信者用情報端末300および視聴者用情報端末400にコメント情報を送信する。コメント情報処理部212が取得したコメント情報は、記憶部220に記憶されてもよい。配信者用情報端末300および視聴者用情報端末400に送信されるコメント情報は、取得したコメント情報の全てであってもよく、一部であってもよい。例えば、コメント情報が、視聴者ID、視聴者ニックネーム、およびコメントを含む場合、コメント情報処理部212は、取得したコメント情報からコメントを抽出し、抽出したコメントをコメント情報として配信者用情報端末300および視聴者用情報端末400に送信することができる。また、コメント情報処理部212は、コメントのフィルタリング処理を行うこともできる。具体的には、コメント情報処理部212は、取得したコメント情報から不適切または不快な表現を含むコメントを除外した上で、配信者用情報端末300および視聴者用情報端末400に送信するコメント情報を生成することができる。なお、配信者用情報端末300に送信するコメント情報と視聴者用情報端末400に送信するコメント情報は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0045】
記憶部220は、不揮発性メモリまたはハードディスクドライブなどの恒久的な情報保持および情報の書き換えが可能な記録装置(記録媒体)である。例えば、記憶部には、ライブ動画データ処理部211が取得したライブ動画データ500またはコメント情報処理部212が取得したコメント情報を記憶することができる。
【0046】
通信部230は、制御部210の制御によってネットワークNWと通信接続し、データまたは情報の送受信を行う通信モジュールである。ネットワークNWが無線である場合、通信部230には、赤外線通信または近距離無線通信などの通信モジュールが含まれてもよい。
【0047】
[2-2.配信者用情報端末300の構成]
図4は、本発明の一実施形態に係る配信者用情報端末300の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、配信者用情報端末300は、制御部310、記憶部320、通信部330、表示部340、音入出力部350、操作部360、および撮像部370を含む。なお、配信者用情報端末300には、さらなる構成要素が含まれてもよい。
【0048】
制御部310は、制御部210と同様の構成である。但し、制御部310は、プログラムをプロセッサにより実行し、主に、ライブ動画配信サービスにおけるライブ動画データ生成処理に関する様々な機能を実現させる。例えば、制御部310は、コメント情報取得部311、グループ分類部312、オブジェクト生成部313、およびライブ動画データ生成部314を機能として実現することができる。
【0049】
コメント情報取得部311は、配信サーバ200から送信されるコメント情報を取得する。また、コメント情報取得部311は、コメントのフィルタリング処理を行ってもよい。具体的には、送信されたコメント情報に、配信者用情報端末300において予め設定された単語(除外キーワード)、または不適切もしくは不快な表現を含むコメントが含まれる場合、コメント情報取得部311は、取得されるコメント情報からそのようなコメント情報を除外することができる。
【0050】
グループ分類部312は、コメント情報取得部311によって取得されたコメント情報を類似するコメントごとのグループに分類する。
【0051】
オブジェクト生成部313は、所定期間内に取得されたコメント情報の総数に対するグループ内のコメント情報の数の割合を算出する。また、オブジェクト生成部313は、所定期間内に取得されたコメント情報の総数に対するグループ内のコメント情報の数の割合を判定し、判定条件を満たす複数のグループがある場合には、それぞれのグループ内のコメント情報の数の割合と対応し、相対的な変化を有するオブジェクト541を生成する。
【0052】
ライブ動画データ生成部314は、ゲームプレイ動画510、配信者動画520、コメント表示領域530、およびオブジェクト表示領域540を含むライブ動画データ500を生成する。
【0053】
なお、コメント情報取得部311、グループ分類部312、オブジェクト生成部313、およびライブ動画データ生成部314の機能の詳細は後述する。
【0054】
記憶部320は、記憶部220と同様の構成である。記憶部320には、ライブ動画データ生成処理に用いられるデータまたは情報が記憶される。例えば、記憶部320には、閾値、設定値、除外キーワード、コメント情報、またはオブジェクト541に関するデータなどを記憶することができる。
【0055】
通信部330は、通信部230と同様の構成を有する。
【0056】
表示部340は、制御部310の制御に応じて、各種の表示画像(例えば、ゲームプレイ動画510、配信者動画520、コメント表示領域530、オブジェクト表示領域540、またはライブ動画など)を表示する表示領域を有する。表示部340は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどの表示装置である。
【0057】
音入出力部350は、音データの入力および出力を行う。音入出力部350は、例えば、マイクおよびスピーカによって構成される。この場合、音データの入力は、音入出力部350のマイクにより行われ、音の出力は、音入出力部350のスピーカにより行われる。音入出力部350は、ゲームの音楽などの出力に用いることもできる。
【0058】
操作部360は、配信者の操作に応じた信号(例えば、命令または情報を示す信号)を制御部310に出力する操作装置である。例えば、配信者は、操作部360によってゲームをプレイし、または配信操作を行うことができる。操作部360は、表示部340の表面に配置されたタッチセンサであってもよい。
【0059】
撮像部370は、撮像対象の像を信号に変換する撮像装置(カメラ)である。例えば、配信者は、撮像部370を用いて、配信者がプレイするゲーム画面および配信者自身を撮影し、ゲームプレイ動画510および配信者動画520を生成することができる。
【0060】
[2-3.視聴者用情報端末400の構成]
図5は、本発明の一実施形態に係る視聴者用情報端末400の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、視聴者用情報端末400は、制御部410、記憶部420、通信部430、表示部440、音入出力部450、および操作部460を含む。なお、視聴者用情報端末400は、さらなる構成要素を含んでいてもよい。
【0061】
制御部410は、制御部210と同様の構成である。但し、制御部410は、プログラムをプロセッサにより実行し、主に、ライブ動画配信サービスにおける
コメント生成処理に関する様々な機能を実現させる。例えば、制御部410は、コメント情報生成部411を機能として実現することができる。
【0062】
コメント情報生成部411は、操作部460によってコメントが入力されると、コメントを含むコメント情報を生成する。コメント情報には、コメントだけでなく、視聴者を識別するための視聴者IDまたは視聴者ニックネームなどが含まれてもよい。コメント情報生成部411によって生成されたコメント情報は、配信サーバ200に送信される。
【0063】
記憶部420は、記憶部220と同様の構成を有する。記憶部320には、コメント生成処理に用いられるデータまたは情報が記憶される。例えば、記憶部420には、視聴者IDまたは視聴者ニックネームなどを記憶することができる。
【0064】
通信部430は、通信部230と同様の構成を有する。
【0065】
表示部440は、表示部340と同様の構成を有する。表示部440には、配信サーバ200から送信されるライブ動画データ500に対応するライブ動画が表示されるため、視聴者は、リアルタイムにライブ動画を視聴することができる。
【0066】
音入出力部450は、音入出力部350と同様の構成を有する。音入出力部450のスピーカからはライブ動画に含まれる音データを出力することができる。
【0067】
操作部460は、操作部360と同様の構成を有する。視聴者は、表示部440に表示されたライブ動画を視聴しながら、操作部460を用いてコメントを入力することができる。
【0068】
[3.ライブ動画配信処理]
[3-1.ライブ動画配信処理の全体的なフロー]
図6を参照して、ライブ動画配信システム1000で実行されるライブ動画配信処理について説明する。
【0069】
図6は、本発明の一実施形態に係るライブ動画配信処理を説明するシーケンス図である。
図6に示すシーケンス図は、ステップS100~ステップS160を含む。以下では、便宜上、ステップS100~ステップS160を順に説明するが、ライブ動画配信処理におけるステップは、並列に実行され、または順序が入れ替わる場合がある。また、ライブ動画配信処理は、さらなるステップを含む場合がある。
【0070】
ステップS100では、配信者用情報端末300において、ライブ動画データ500が生成される。ステップS100におけるライブ動画データ生成処理の詳細は後述する。
【0071】
ステップS110では、生成されたライブ動画データ500が、配信者用情報端末300から配信サーバ200にリアルタイムに送信される。
【0072】
ステップS120では、ライブ動画データ500が、配信サーバ200から視聴者用情報端末400にリアルタイムに送信される。これにより、視聴者用情報端末400の表示部440にライブ動画データに対応するライブ動画が表示されるため、視聴者は、ライブ動画を視聴することができる。なお、図示しないが、ライブ動画データ500は、配信サーバ200から配信者用情報端末300にリアルタイムに送信されてもよい。
【0073】
ステップS130では、視聴者用情報端末400において、コメント情報が生成される。具体的には、ライブ動画を視聴している視聴者が操作部460による操作によってコメントを入力すると、コメント情報生成部411が入力されたコメントを含むコメント情報を生成する。
【0074】
ステップS140では、生成されたコメント情報が、視聴者用情報端末400から配信サーバ200に送信される。すなわち、配信サーバ200は、1つまたは複数の視聴者用情報端末400において生成された複数のコメント情報を順次受信することができる。配信サーバ200によって受信されたコメント情報は、記憶部220に記憶される。
【0075】
ステップS150では、コメント情報が、配信サーバ200から配信者用情報端末300に順次送信される。これにより、配信者用情報端末300の表示部340にコメント情報に含まれるコメントが表示されるため、配信者は、ライブ動画に対する視聴者のコメントを視認することができる。
【0076】
ステップS160では、コメント情報が、配信サーバ200から視聴者用情報端末400に順次送信される。これにより、視聴者用情報端末400の表示部440にコメント情報に含まれるコメントが表示されるため、視聴者は、自分または他人のコメントを視認することができる。
【0077】
[3-2.ライブ動画データ生成処理のフロー]
図7~
図10を参照して、ステップS100におけるライブ動画データ生成処理の詳細について説明する。
【0078】
図7は、本発明の一実施形態に係るライブ動画データ生成処理を説明するフローチャートである。
図8(A)~
図8(D)の各々は、本発明の一実施形態に係るライブ動画データ生成処理において、コメント情報を取得する処理を説明する模式図である。
図9は、本発明の一実施形態に係るライブ動画データ生成処理において、コメント情報をグループに分類する処理を説明する模式図である。
図10は、本発明の一実施形態に係るライブ動画データ生成処理において、オブジェクト541を生成する処理を説明する模式図である。
【0079】
図7に示すように、ライブ動画データ生成処理(S100)は、ステップS101~ステップS107を含む。以下では、
図8~
図10を適宜参照しながら、ステップS101~ステップS107を順に説明する。
【0080】
ステップS101では、コメント情報取得部311がコメント情報を取得する。視聴者によってコメントが投稿される(すなわち、視聴者用情報端末400から配信サーバ200にコメント情報が送信される(
図6のステップS140参照))と、配信サーバ200から配信者用情報端末300にコメント情報が送信される(
図6のステップS160参照)。そのため、コメント情報取得部311は、配信者用情報端末300において受信されたコメント情報を取得することができる。コメント情報取得部311によって取得されるコメント情報は、配信者用情報端末300がコメント情報を受信した受信日時もしくは受信時刻、またはコメント情報取得部311が取得した取得日時もしくは取得時刻と紐付けられ、記憶部320に記憶される。
【0081】
ステップS102では、グループ分類部312が、ステップS101において取得されたコメント情報をグループに分類する。具体的には、グループ分類部312は、コメント情報に含まれるコメントを判定し、コメント情報をコメントが類似するグループごとに分類する。コメント情報の分類は、従来のあらゆる方法を適用することができる。例えば、グループ分類部312は、コメントを文節に区切り、区切られた単語のうちの1つの類似度を判定して、コメント情報が属するグループを決定することができる。また、グループ分類部312は、ニューラルネットワークまたはディープラーニングなどの機械学習による学習によって得られるコメント分類モデルを用いて、コメントが入力されるとグループが出力されることにより、コメント情報が属するグループを決定することもできる。この場合、グループ分類部312は、ネットワークNWを介して外部のサーバと通信接続して、コメント情報が属するグループを取得することもできる。
【0082】
コメント情報は、決定されたグループが紐付けられて記憶部320に記憶される。例えば、グループが紐付けられたコメント情報は、
図8に示すようなデータベースとして記憶されてもよい。
図8には、配信者用情報端末300がコメント情報を受信した「受信時刻」、受信したコメント情報に含まれる「視聴者ID」、「視聴者ニックネーム」、および「コメント」、ならびにステップS102において決定された「グループ」がデータベースの項目として示されている。例えば、
図8を参照すると、「震える~」および「感動!!!」などの視聴者の感情を表すコメントが、「エモい」のグループに分類されている。また、「これ以上はムリ」などの否定的なコメントが、「ムリゲー」のグループに分類されている。同じグループ内のコメント情報は、コメントが互いに類似しており、グループを表す「エモい」または「ムリゲー」などの単語は、グループ内の複数のコメント情報のコメントを包括するテキストということができる。このようなグループの類似性を表すテキストは、グループ分類部312がコメント情報を分類する過程において生成されてもよく、予め設定されていてもよい。
【0083】
なお、グループ分類部312は、グループを分類する際に、除外キーワード、または不適切もしくは不快な表現を含むコメントが含まれるコメント情報を1つの特定のグループに分類してもよい。これは、グループ分類部312によるフィルタリング処理ということができる。
【0084】
ステップS103では、オブジェクト生成部313が、所定期間内に取得されたコメント情報の総数に対するグループ内のコメント情報の数の割合(以下では、便宜上、「コメント情報割合」という。)を算出する。コメント情報割合は、グループごとに算出される。また、コメント情報割合は、所定期間ごとに算出される。
【0085】
ここで、
図9(A)~
図9(D)を参照して、コメント情報割合が算出される期間について説明する。
図9(A)~
図9(D)の各々は、コメント情報割合が算出される期間の一例である。
【0086】
図9(A)の例では、第1の期間T1、第2の期間T2、および第3の期間T3が、重複することなく順に設定されている。第3の期間T3の後も同様の期間が設定されるが、ここでは説明を省略する。
【0087】
第1の期間T1では、時刻t1から時刻t2までの間に取得されたコメント情報に基づいてコメント情報割合が算出される。同様に、第2の期間T2では、時刻t2から時刻t3までの間に取得されたコメント情報に基づいてコメント情報割合が算出され、第3の期間T3では、時刻t3から時刻t4までの間に取得されたコメント情報に基づいてコメント情報割合が算出される。ここで、コメント情報が取得される時刻とは、配信者用情報端末300においてコメント情報が受信された時刻であってもよく、コメント情報取得部311によってコメント情報が取得された時刻であってもよい。例えば、オブジェクト生成部313は、
図8に示す「グループ」および「受信時刻」が紐付けられたコメント情報に基づいて、各期間内におけるコメント情報割合を算出することができる。
【0088】
図9(A)の例では、期間の長さに対応する時間が予め設定されている。これにより、設定された時間ごとに各期間が設定され、コメント情報割合が算出される。そのため、第1の期間T1、第2の期間T2、および第3の期間T3は、同じ長さを有する。
【0089】
図9(B)の例では、第1の期間T1、第2の期間T2、および第3の期間T3が、重複しながら順に設定されている。第3の期間T3の後も同様の期間が設定されるが、ここでは説明を省略する。
【0090】
第1の期間T1では、時刻t1から時刻t3までの間に取得されたコメント情報に基づいてコメント情報割合が算出される。第2の期間T2では、時刻t3の前の時刻t2から時刻t5までの間に取得されたコメント情報に基づいてコメント情報割合が算出される。第3の期間T3では、時刻t5の前の時刻t4から時刻t7までの間に取得されたコメント情報に基づいてコメント情報割合が算出される。上述したように、第1の期間T1と第2の期間T2とは重複しており、第1の期間T1と第2の期間T2におけるコメント情報割合の算出において、同じコメント情報が用いられる場合がある。同様に、第2の期間T2と第3の期間T3とは重複しており、第2の期間T2と第3の期間T3におけるコメント情報割合の算出においても、同じコメント情報が用いられる場合がある。
【0091】
図9(B)の例では、期間の長さに対応する第1の時間だけでなく、期間が重複する第2の時間(<第1の時間)も予め設定されている。これにより、期間が終了する前に後の期間が開始されてコメント情報割合が算出されるが、第1の期間T1、第2の期間T2、および第3の期間T3は、同じ長さ(第1の時間)を有する。
【0092】
詳細は後述するが、算出されたコメント情報割合は、オブジェクト541の生成に用いられる。
図9(A)の例のように第1の期間T1と第2の期間T2とが独立していると、オブジェクト541の切り替わりが急激な変化を伴う場合がある。しかしながら、
図9(B)の例のように第1の期間T1と第2の期間T2とが重複していると、オブジェクトの541の切り替わりをスムーズにすることができる。
【0093】
図9(C)の例では、第1の期間T1および第2の期間T2が、重複することなく順に設定されている。第2の期間T2の後も同様の期間が設定されるが、ここでは説明を省略する。
【0094】
図9(C)の例では、第1の期間T1および第2の期間T2は、オブジェクト生成要求に基づいて設定される。具体的には、時刻t1において、配信者による操作部360の操作によってオブジェクト541の生成に関するオブジェクト生成要求が生成されると、コメント情報取得部311によるコメント情報の取得およびグループ分類部312によるコメント情報の分類が開始される。時刻t2において、再度オブジェクト生成要求が生成されると、オブジェクト生成部313は、時刻t1から時刻t2までの第1の期間T1内に取得されたコメント情報に基づいて、第1の期間T1におけるコメント情報割合を算出する。同様に、時刻t3において、さらにオブジェクト生成要求が生成されると、オブジェクト生成部313は、時刻t2から時刻t3までの第2の期間T2内に取得されたコメント情報に基づいて、第2の期間T2におけるコメント情報割合を算出する。
【0095】
上述した
図9(C)の例では、配信者の操作部360による操作によって生成されるオブジェクト生成要求に基づいて期間の開始時刻および終了時刻が設定されるため、各期間の長さは異なる。しかしながら、オブジェクト生成要求は、期間の開示時刻のみを設定するものであってもよい。この場合、期間の長さに対応する時間を予め設定しておくことにより、オブジェクト生成要求に基づいて開始される期間は、予め設定された時間の経過後に終了する。各期間の長さは予め設定された時間となるため、各期間は、同じ長さを有する。
【0096】
また、ライブ動画を提供する配信者は、配信者がゲームをプレイしている場合など、操作部360による操作が困難な場合がある。そのため、オブジェクト生成要求は、撮像部370によって撮影された配信者動画における配信者の目の動きまたは顔の動きなどに基づいて生成されてもよい。また、オブジェクト生成要求は、音入出力部350によって入力された配信者が発するキーワードなどに基づいて生成されてもよい。すなわち、オブジェクト生成要求は、配信者の所定の動作または配信者が発する所定のキーワードと連動して生成することもできる。
【0097】
図9(C)の例では、配信者の要望するタイミングでコメント情報を取得し、オブジェクト541を生成することができる。
【0098】
図9(D)の例では、第1の期間T1および第2の期間T2が、重複することなく順に設定されている。第2の期間T2の後も同様の期間が設定されるが、ここでは説明を省略する。
【0099】
図9(D)の例では、時刻t1においてコメント情報の取得が開始されると、取得されたコメントの数が計測され、取得されるコメント情報の数が設定値に達する(すなわち、設定値以上である)時刻t2において第1の期間T1が終了する。また、時刻t2からあらためて取得されたコメントの数が計測され、取得されるコメント情報の数が設定値に達する(すなわち、設定値以上である)時刻t3において第2の期間T2が終了する。オブジェクト生成部313は、第1の期間T1内および第2の期間T2内のそれぞれで取得されたコメント情報に基づいて、第1の期間T1および第2の期間T2におけるコメント情報割合を算出する。
【0100】
図9(D)の例では、取得されるコメントの数の上限値が設定値として予め設定されている。そのため、第1の期間T1および第2の期間T2において取得されるコメント情報の数は同じであるが、第1の期間T1および第2の期間T2の長さが異なる。
【0101】
図9(D)の例では、時間に依存することなくコメント情報が取得され、上限値までコメント情報が取得されるとオブジェクト541が生成される。そのため、ライブ動画の進行に合わせたオブジェクト541の生成が可能である。
【0102】
以上、
図9(A)~
図9(D)の各々について説明したが、コメント情報割合が算出される期間の一例であって、コメント情報割合が算出される期間はこれらに限られない。
【0103】
ステップS104では、オブジェクト生成部313が、ステップS103において算出されたコメント情報割合が閾値以上であるか否かを判定する。ここで、閾値は予め設定される設定値であり、ステップS104における判定は、グループのそれぞれのコメント情報割合に対して実行される。コメント情報割合が閾値以上であるとき(ステップS104:YES)、ステップS105が実行される。一方、コメント情報割合が閾値未満であるとき(ステップS104:NO)、ステップS107が実行される。詳細は後述するが、コメント情報割合が閾値以上であるグループに対してはオブジェクト541が生成され、コメント情報割合が閾値未満であるグループに対してはオブジェクト541が生成されない。コメント情報割合が高いグループは、視聴者からの類似するコメントが多いグループである。すなわち、ステップS104が実行されることにより、視聴者の多数意見が反映されたグループを決定することができる。
【0104】
なお、ステップS104では、グループ分類部312によるフィルタリング処理によって分類された特定のグループ(すなわち、除外キーワード等のコメントが含まれるグループ)に対しても判定が行われるが、特定のグループのコメント情報割合が閾値以上である場合においても、ステップS107が実行され、オブジェクト541を生成しないようにしてもよい。
【0105】
ステップS105では、オブジェクト生成部313が、ステップS103の判定条件を満たすグループ(以下では、便宜上、「選択されたグループ」という。)のオブジェクト比を算出する。オブジェクト生成部313は、全ての選択されたグループのコメント情報割合の合計値を100%として再設定し、選択されたグループどうしのコメント情報割合の比をオブジェクト比として算出する。すなわち、オブジェクト比は、選択されたグループ間におけるコメント情報割合の大きさを表すパラメータであり、オブジェクト比が大きいグループは、選択されたグループの中でも視聴者の類似するコメントが多いグループであると言える。
【0106】
ここで、
図10を参照して、オブジェクト比について説明する。
【0107】
図10において、閾値が14%と設定されている場合(
図10中の(1)参照)には、3つのグループ(「エモい」、「マジか」、および「ムリゲー」)が選択されたグループとなる。この場合、「エモい」、「マジか」、および「ムリゲー」のグループのオブジェクト比は、それぞれ、60%(=45.0/(45.0+15.4+14.3)×100)、21%(=15.4/(45.0+15.4+14.3)×100)、および19%(=14.3/(45.0+15.4+14.3)×100)と算出される。また、閾値が15%と設定されている場合(
図10中の(2)参照)には、2つのグループ(「エモい」および「マジか」)が選択されたグループとなる。この場合、「エモい」および「マジか」のグループのオブジェクト比は、それぞれ、75%(=45.0/(45.0+15.4)×100)および25%(=15.4/(45.0+15.4)×100)と算出される。このように、「エモい」のグループが選択されたグループであっても、選択されたグループの数によってオブジェクト比は異なる。なお、選択されたグループ間におけるオブジェクト比は、算出時における分母の合計値が共通しているため、選択されたグループどうしのコメント情報割合の比と対応している。
【0108】
ステップS106では、オブジェクト生成部313が、ステップS105において算出されたオブジェクト比に対応するオブジェクト541を生成する。上述したように、オブジェクト541が生成されるグループは、視聴者の多数意見が反映されたグループである。配信者は、コメントの全てを確認することなく、オブジェクト541を視認することで視聴者の多数意見を容易に把握することができる。また、オブジェクト541は、オブジェクト比が表示態様の違いとして表れるように生成される。そのため、複数のオブジェクト541が生成され、表示された場合であっても、配信者は、オブジェクト541の表示態様の違いに基づき、視聴者の多数意見が特に多いグループを容易に把握することができる。
【0109】
ここで、
図10を参照して、生成されるオブジェクト541の表示態様について説明する。
【0110】
図10には、「エモい」のグループに対応する第1のオブジェクト541-1、「マジか」のグループに対応する第2のオブジェクト541-2、および「ムリゲー」のグループに対応する第3のオブジェクト541-3が示されている(
図10中の(1)参照)。第1のオブジェクト541-1、第2のオブジェクト541-2、および第3のオブジェクト541-3のそれぞれは、面積が異なる。各オブジェクト541は、オブジェクト比に対応する面積を持つ円形状を有する。そのため、オブジェクト541の面積の大きさに基づいて、特に視聴者の多数意見の多いグループを把握することが可能である。また、各オブジェクト541には、グループを表すテキストが付されている。すなわち、第1のオブジェクト541-1、第2のオブジェクト541-2、および第3のオブジェクト541-3には、それぞれ、「エモい」、「マジか」、および「ムリゲー」のテキストが付されている。
【0111】
オブジェクト541において、面積の大きさはコメント情報割合を示し、テキストは類似するコメントの代表的な単語を示す。すなわち、オブジェクト541の面積が大きいと、グループ内に含まれる類似のコメントが多いことを意味する。そのため、複数のオブジェクト541が生成され、表示された場合であっても、配信者は、オブジェクト541の面積の大きさおよびオブジェクト541に付されたテキストを視認することで、特に視聴者の多数意見や要望事項を容易に把握することができる。そして、配信者は、把握した多数意見や要望事項に基づいて、ライブ動画配信を行うことができる。
【0112】
なお、
図10を参照して、オブジェクト比がオブジェクト541の面積に対応するように変換される構成について説明したが、オブジェクト比が対応するオブジェクト541のパラメータは面積に限られない。オブジェクト比は、オブジェクト541の半径と対応するように変換されてもよい。この場合であっても、複数のオブジェクト541は異なる大きさで表示されるため、オブジェクト541の大きさに基づいて、特に視聴者の多数意見の多いグループを把握することが可能である。また、
図10に示すオブジェクト541の表示態様は一例であり、オブジェクト541の形状は、円形状だけでなく、多角形状であってもよい。オブジェクト541の他の表示態様については後述する。
【0113】
ステップS107では、ライブ動画データ生成部314が、ライブ動画データ500を生成する(
図2参照)。例えば、配信者用情報端末300の表示部340には、ゲーム画面、撮影された配信者の映像、受信したコメント情報、および生成されたオブジェクト541が表示されている。この場合、ライブ動画データ生成部314は、撮像部370によって撮影される表示部340の撮影データおよび音入出力部350によって入力される音データを用いて、ライブ動画データ500を生成することができる。また、ライブ動画データ生成部314は、個別に撮影された撮影データを用いて、所定の表示レイアウトに合わせたライブ動画データ500を生成することもできる。さらに、ライブ動画データ生成部314は、撮影データだけでなく、ゲーム画面データなどのように取得したデータを用いてライブ動画データ500を生成することもできる。
【0114】
ステップS107が実行されると、ライブ動画データ生成処理(S100)は終了する。例えば、ライブ動画データ500は、
図2に示すものである。上述したように、ライブ動画データ500は配信サーバ200に送信され、ライブ動画配信サービスにおいて提供される。
【0115】
本実施形態に係るライブ動画データ生成処理においては、ライブ動画データ500はリアルタイムに送信されるが、ライブ動画データ500におけるオブジェクト表示領域540には、所定の期間ごとに、コメント情報割合に対応するオブジェクト541が生成され、各期間において生成されたオブジェクト541が切り替えて表示されることになる。これにより、配信するライブ動画の進行に合わせてオブジェクト541が更新されるため、配信者は、常に最新の視聴者の多数意見を把握することができる。
【0116】
[4.オブジェクト541の表示態様]
オブジェクト541の表示態様は、
図10に示すものに限られない。ここでは
図11(A)~
図11(C)を参照して、オブジェクト541の表示態様の別の例について説明する。
【0117】
図11(A)~
図11(C)の各々は、本発明の一実施形態に係るライブ動画データ生成処理において生成されるオブジェクト541の一例である。
【0118】
図11(A)~
図11(C)の各々には、第1のオブジェクト比を有する第1のオブジェクト541-1(「エモい」のグループ)、第2のオブジェクト比を有する第2のオブジェクト541-2(「マジか」のグループ)、第3のオブジェクト比を有する第3のオブジェクト541-3(「ムリゲー」のグループ)が表示されている。ここで、オブジェクト比は、第1のオブジェクト比、第2のオブジェクト比、および第3のオブジェクト比の順で小さくなるものとする。
【0119】
図11(A)では、オブジェクト表示領域540に第1のオブジェクト541-1、第2のオブジェクト541-2、および第3のオブジェクト541-3が示されているが、これらのオブジェクト541はオブジェクト表示領域540の領域内で移動するように制御されている。オブジェクト541を移動する場合、オブジェクト541どうしの衝突、またはオブジェクト541とオブジェクト表示領域540の境界との衝突によって、オブジェクト541が跳ね返るように制御してもよい。また、オブジェクト比の大きさに応じて、オブジェクト541の移動速度を変化させてもよい。例えば、オブジェクト比が大きくなるにつれてオブジェクト541の移動速度を遅くする。これにより、移動速度の速い第3のオブジェクト541-3よりも移動速度の遅い第1のオブジェクト541-1の方が視認しやすくなり、配信者は、第1のオブジェクト541-1を視認し、視聴者の多数意見を把握することが容易となる。このように、オブジェクト541の表示態様の1つとしては、オブジェクト541の移動が挙げられる。
【0120】
図11(B)では、第1のオブジェクト541-1、第2のオブジェクト541-2、および第3のオブジェクト541-3の色が互いに異なっている。例えば、オブジェクト比が小さくなるにつれて、オブジェクト541の色を薄くしたり、オブジェクト541に付されるテキストをオブジェクト541の背景の色に近づける。この場合、第3のオブジェクト541-3よりも第1のオブジェクト541-1の方が視認しやすくなり、配信者は、第1のオブジェクト541-1を視認し、視聴者の多数意見を把握することが容易となる。このように、オブジェクト541の表示態様の1つとして、オブジェクト541の色が挙げられる。
【0121】
図11(C)では、オブジェクト541が重畳して表示されている。具体的には、第3のオブジェクト541-3の上に第2のオブジェクト541-2が重畳され、さらに、第2のオブジェクト541-2の上に第1のオブジェクト541-1が重畳されている。すなわち、第1のオブジェクト541-1が最も上に表示されている。この場合、配信者は、最も上に表示されるオブジェクト541を視認することで、視聴者の多数意見を把握することが容易となる。このように、オブジェクト541の表示態様の1つとして、オブジェクト541の重畳する順序が挙げられる。
【0122】
本実施形態に係るライブ動画配信システム1000を用いたライブ動画配信サービスでは、視聴者から投稿されるコメントが類似するコメントごとのグループに分類され、より多くの類似するコメントを含むグループが、配信者用情報端末300の表示部340にオブジェクト541として表示される。すなわち、表示されるオブジェクト541は、視聴者の多数意見を反映したものである。また、多数意見として分類されるグループが複数存在する場合(複数のオブジェクト541が生成される場合)であっても、オブジェクト541をグループ内のコメントの数と対応させた大きさ(オブジェクト比に基づく大きさ)とすることで、表示された複数のオブジェクトの相対的な大きさから主流の多数意見を把握することが可能である。また、オブジェクト541にはグループ内のコメントを代表するテキストが付されている。そのため、配信者は、オブジェクト541を視認することにより、視聴者の多数意見を容易に把握し、視聴者のコメントに反応したライブ動画配信を行うことができる。これは、視聴者に配信者と対話しているかのような印象を与え、配信者は、視聴者とより密接なコミュニケーションを図ることができる。また、視聴者は、自分のコメントに寄り添ったライブ動画を視聴することで、ライブ動画を身近なものに感じることができる。このように、配信者と視聴者との一体感の向上によってライブ動画配信サービスが盛り上がる。また、ライブ動画配信サービスによっては、配信者のタスクが煩雑である場合がある。例えば、ゲームプレイ動画の配信の場合、配信者はゲームをプレイしながら音声実況し、かつ、視聴者が逐次投稿するコメントを確認してコメントに反応した対話またはリアクションをしなければならない。しかしながら、ライブ動画配信システム1000は、オブジェクト541によって視聴者の多数意見の把握が容易となるため、同時に進行するタスクのうちの少なくともコメントへの対応における配信者の負担を軽減することができる。
【0123】
以上、本発明について図面を参照しながら説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施形態(変形例を含む)を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、上述した実施形態の変形例は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能である。
【0124】
上述した実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0125】
200:配信サーバ、 210:制御部、 211:ライブ動画データ処理部、 212:コメント情報処理部、 220:記憶部、 230:通信部、 300:配信者用情報端末、 310:制御部、 311:コメント情報取得部、 312:グループ分類部、 313:オブジェクト生成部、 314:ライブ動画データ生成部、 320:記憶部、 330:通信部、 340:表示部、 350:音入出力部、 360:操作部、 370:撮像部、 400:視聴者用情報端末、 410:制御部、 411:コメント情報生成部、 420:記憶部、 430:通信部、 440:表示部、 450:音入出力部、 460:操作部、 500:ライブ動画データ、 510:ゲームプレイ動画、 520:配信者動画、 530:コメント表示領域、 540:オブジェクト表示領域、 541:オブジェクト、 541-1:第1のオブジェクト、 541-2:第2のオブジェクト、 541-3:第3のオブジェクト、 1000:ライブ動画配信システム
【要約】
【課題】ライブ動画配信サービスにおいて、視聴者から投稿されるコメントを、コメントが類似するグループごとに分類し、より多くの類似するコメントを含むグループをオブジェクトとして表示するプログラムを提供する。
【解決手段】プログラムは、表示されている動画に対して投稿されるコメントを受信し、順次設定される第1の期間および第2の期間の各々において、受信したコメントを少なくとも第1のグループおよび第2のグループに分類し、受信したコメントの総数に対する第1のグループに分類されたコメントの数の第1の割合を算出し、第1の期間における第1の割合に基づいて決定された第1のオブジェクトを、第2の期間における第1の割合に基づいて決定された第1のオブジェクトに切り替えて表示する、ことをコンピュータに実行させる。
【選択図】
図1