(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-13
(45)【発行日】2025-02-21
(54)【発明の名称】フィルタ内蔵継手
(51)【国際特許分類】
F16L 55/00 20060101AFI20250214BHJP
B01D 46/24 20060101ALI20250214BHJP
C01B 3/00 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
F16L55/00 L
B01D46/24 B
C01B3/00 Z
(21)【出願番号】P 2023546795
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(86)【国際出願番号】 JP2022026215
(87)【国際公開番号】W WO2023037730
(87)【国際公開日】2023-03-16
【審査請求日】2023-12-26
(31)【優先権主張番号】P 2021145648
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100199369
【氏名又は名称】玉井 尚之
(72)【発明者】
【氏名】柳田 保昌
(72)【発明者】
【氏名】平松 浩司
(72)【発明者】
【氏名】毛利 友裕
(72)【発明者】
【氏名】薬師神 忠幸
(72)【発明者】
【氏名】大道 邦彦
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-89004(JP,A)
【文献】特開2016-155061(JP,A)
【文献】特開昭61-230714(JP,A)
【文献】特開平9-206535(JP,A)
【文献】特開平2-107310(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 55/00
B01D 46/24
C01B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項3】
前記係止手段が、ねじ穴であることを特徴とする請求項
2に記載のフィルタ内蔵継手。
【請求項7】
前記連結機構は、前記先端部と前記突出部のいずれか一方にT型突起が形成され、他方に、前記T型突起とはめ合わせられるT型凹所が形成され、前記T型突起及び前記T型凹所の連結によることを特徴とする請求項4に記載のフィルタ内蔵継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水素等の高圧流体が流れる流路内に配置され不純物を除去するフィルタを内蔵する継手に関する。
【背景技術】
【0002】
高圧水素ガスは、燃料電池車等用に利用が拡大されつつある。例えば、水素ステーション等で燃料電池用の高圧水素ガスを供給する場合には、ガス中に不純物が混入していると燃料電池に悪影響を及ぼすおそれがあるため、水素ガス内の不純物は除去されなければならない。水素ガス配管流路には、不純物を除去するためのフィルタ装置の設置が必要となる。
【0003】
水素ガスから不純物を除去する装置としては、特許文献1及び特許文献2に記載の配管途中にフィルタを内蔵する継手が開示されている。特許文献1に開示の継手を
図6に示す。特許文献2に開示の継手を
図7に示す。
【0004】
図6の継手においては、ボデー110は配管と接続する管接続部120を有し、キャ
ップ111は、配管と接続する管接続部130を有する、配管途中に配置される継手となっている。ボデー110の内部には、円筒空間部122が形成され、円筒空間部122の内部に有底部140を備えるフィルタエレメント113が配置され、フィルタエレメント113は、シール機構115を介してホルダ143と接続させられ、ホルダ143には貫通孔があけられ、管接続部120と連通している。キャップ111には、配管と連通する流路128が形成され、キャップ111とボデー110とは螺合しており、キャップ111をねじ込んでいくと、キャップ111の右側に備えられたスプリング114を圧縮し、その圧縮力によってフィルタエレメント113が右方向に押圧され、ホルダ143とボデー110間のOリングが圧縮されて封止されるようになっている。
【0005】
図7の継手において、フィルタ内蔵継手210の継手本体220は、第1流出入口部221、第2流出入口部222を備え、これらの流出入口部は、配管と接続される。継手本体220の内部には、連通空間224が形成されている。連通空間224の内部にフィルタエレメント240が配置されており、フィルタ本体241と、フィルタ本体241の開口部と第2流出入口部222と連通する基端部貫通孔242bがあき、フィルタ本体241の開口部に一端が気密的に固定されて、継手本体220の内周に形成されたフィルタエレメント設置用雌ねじ
225に他端がねじ合わされて気密的に接合される筒状の基端部242とが備えられている。基端部242には、フィルタ本体241の外形よりも大きな径を有するフランジ部242aが形成されている。このフランジ部242aに工具係合部243が形成されている。継手本体
220には、さらに、保守用開口部223が形成されている。保守時には、保守用開口部223から工具を挿入し、工具先端を工具係合部243に係止させ、工具を回転してフィルタエレメント240の取付け取り外しをすることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-155061号公報
【文献】特開2021-089004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図6に示すフィルタ内蔵継手では、フィルタエレメント113のメンテナンス時に流体が流れる管接続部130を取り外さなければならないという問題と、管接続部120側の流体圧力が高くなった場合に、フィルタエレメント113がスプリング114の付勢力に抗して左側に移動をし、ボデー110とホルダ143との間のシール(Oリング)が緩んでしまうという問題がある。
図7に示すフィルタ内蔵継手210では、フィルタエレメント240は、継手本体220に螺合させられているので第2流出入口部側の流体圧力が高まってもフィルタエレメント240が移動をすることはなくなるが、連通空間224の奥にある工具係合部243に工具を係合させて螺合を解除させなければならないため、フィルタエレメント240の取り付け・取り外しに少し手間がかかるという問題がある。
【0008】
この発明の目的は、配管から継手を外さなくともフィルタの交換が可能であり、フィルタの交換が容易となるフィルタ内蔵継手を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明(1)は、流体が流れる配管と繋がる第1流出入口部及び第2流出入口部と、前記第1流出入口部及び第2流出入口部と連通するように形成された連通空間と、当該連通空間と連通し、非保守時には気密に密封される保守用開口部と、を備える継手本体と、
筒状のフィルタ本体と、当該フィルタ本体の一端の開口部に気密に前記第1流出入口部または第2流出入口部に連通する貫通孔があけられた基端部と、前記フィルタ本体の他端の開口部を気密に封鎖するように配設させられた先端部と、を備える前記連通空間に配置されたフィルタエレメントと、を有するフィルタ内蔵継手であって、
前記フィルタエレメントは、前記連通空間に移動可能に摺接状態で配置され、
前記基端部の外周面には、前記連通空間の内周面との隙間を気密に封止するシールリングを備えるようにしたフィルタ内蔵継手である。
【0010】
本発明(1)のフィルタ内蔵継手では、フィルタエレメントが連通空間に移動可能に摺接状態で配置され、基端部の外周面には、前記連通空間の内周面との隙間を気密に封止するシールリングを備えているので、流体流路の上流側または下流側で流体圧力が変動してフィルタエレメントが動いても継手本体とフィルタエレメントとの間の気密性が低下することはない。
【0011】
本発明(2)は、前記保守用開口部が、保守時に前記フィルタエレメントを出し入れできるように所定の開口の大きさを有し、かつ、前記継手本体の所定の位置に配設させられており、前記先端部の前記保守開口部側の面には、前記フィルタエレメントを、工具を用いて出し入れするための係止手段が備えられている本発明(1)のフィルタ内蔵継手である。
【0012】
本発明(2)のフィルタ内蔵継手では、また、フィルタエレメントを出し入れする際に、フィルタエレメントの先端部に設けられた係止手段が保守用開口部に近いために、フィルタエレメントを出し入れする作業が容易になる。さらに、フィルタエレメントと継手本体とが螺合により固定されていないので、螺合を解除するフィルタエレメントの回転動作が必要でなく、フィルタエレメントを直線的に出し入れすればよいので、作業がさらに容易になる。
【0013】
本発明(3)は、前記係止手段が、ねじ穴であることを特徴とする本発明(1)又は(2)のフィルタ内蔵継手である。
【0014】
本発明(3)では、係止手段がねじ穴であるので加工が容易となりコストダウンを図ることができ、工具も先端に雄ねじが形成されていればよいので簡便な工具を使用することができる。
【0015】
本発明(4)は、流体が流れる配管と繋がる第1流出入口部及び第2流出入口部と、前記第1流出入口部及び第2流出入口部と連通するように形成された連通空間と、当該連通空間と連通し、非保守時には気密に密封される保守用開口部と、を備える継手本体と、
筒状のフィルタ本体と、当該フィルタ本体の一端の開口部に気密に前記第1流出入口部または第2流出入口部に連通する貫通孔があけられた基端部と、前記フィルタ本体の他端の開口部を気密に封鎖するように配設させられた先端部と、を備える前記連通空間に配置されたフィルタエレメントと、を有するフィルタ内蔵継手であって、
前記フィルタエレメントは、前記連通空間に移動可能に摺接状態で配置され、
前記基端部の外周面には、前記連通空間の内周面との隙間を気密に封止するシールリングを備え、
前記保守用開口部は、保守時に前記フィルタエレメントを出し入れできるように所定の開口の大きさを有し、かつ、前記継手本体の所定の位置に配設させられ、さらに、前記保守用開口部には、前記連通空間に貫入する突出部を備える封止キャップが配設させられており、
前記先端部の前記保守開口部側の面と、前記突出部の前記先端部側の面との間に、前記先端部と前記突出部を連結する連結機構が設けられているフィルタ内蔵継手である。
【0016】
本発明(4)では、保守用開口部に挿入された封止キャップの先端の突出部が連通空間に貫入しており、この突出部とフィルタエレメントの先端部とが連結機構で連結されているため、フィルタエレメントの出し入れを行うための工具を用いなくとも、封止キャップとフィルタエレメントが連結しているので、封止キャップを用いてフィルタエレメントの出し入れが可能となる。
【0017】
本発明(5)は、前記連結機構が、前記先端部と前記突出部とが一体となる一体構造であることを特徴とする本発明(4)のフィルタ内蔵継手である。
【0018】
本発明(5)は、先端部と突出部とが一体となる一体構造であるので、部品点数を減らして、先端部と突出部とを連結させる手間がいらなくなる。
【0019】
本発明(6)は、前記連結機構が、前記先端部と前記突出部のいずれか一方に雄ねじが形成され、他方に雌ねじが形成され、前記雄ねじ及び前記雌ねじの螺合によることを特徴とする本発明(4)のフィルタ内蔵継手である。
【0020】
本発明(6)では、前記先端部と突出部のいずれか一方に雄ねじが形成され、他方に雌ねじが形成され、連結機構が、雄ねじ及び雌ねじの螺合によるので、簡便かつ容易にフィルタエレメントの出し入れが可能となる。
【0021】
本発明(7)は、前記連結機構は、前記先端部と前記突出部のいずれか一方にT型突起が形成され、他方に、前記T型突起とはめ合わせられるT型凹所が形成され、前記T型突起及び前記T型凹所の連結によることを特徴とする本発明(4)のフィルタ内蔵継手である。
【0022】
本発明(7)では、前記先端部と前記突出部のいずれか一方にT型突起が形成され、他方に、前記T型突起とはめ合わせられるT型凹所が形成され、前記連結機構は、前記T型突起及び前記T型凹所の連結によるので、簡便かつ容易にフィルタエレメントの出し入れが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
この発明のフィルタ内蔵継手によると、配管から継手を外さなくともフィルタの交換が可能であり、フィルタの交換が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】この発明によるフィルタ内蔵継手の第1実施例を示す。
【
図2】この発明によるフィルタ内蔵継手の第2実施例を示す。
【
図3】この発明によるフィルタ内蔵継手の第3実施例を示す。
【
図4】この発明によるフィルタ内蔵継手の第4実施例を示す。
【
図5】この発明によるフィルタ内蔵継手の第5実施例を示す。
【
図6】特許文献1に記載の従前のフィルタ内蔵継手を示す。
【
図7】特許文献2に記載の従前のフィルタ内蔵継手を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。以下の説明において、上下左右は、図の上下左右をいうものとする。この「上下左右」は便宜的なもので、設置に際しては、上下や左右が逆になったりすることもある。
【0026】
図1は、この発明によるフィルタ内蔵継手の第1実施例を示す。フィルタ内蔵継手10の継手本体20は、第1流出入口部21、第2流出入口部22を備え、これらの流出入口部は、配管と接続される。配管との接続に、第1流出入口部雌ねじ21aと第2流出入口部雌ねじ22aが用いられる。継手本体20の内部には、連通空間24が形成され、連通空間24と第1流出入口部21及び第2流出入口部22とは、それぞれ、第1連通路21b及び第2連通路22bとで連通している。
【0027】
連通空間24の内部にフィルタエレメント50が配置されている。フィルタエレメント50は、フィルタ材で作られたフィルタ本体51と、フィルタ本体51の開口部と第2流出入口部22と連通する基端部貫通孔53があき、フィルタ本体51の開口部に一端が気密的に固定されている基端部52が配設されている。
【0028】
基端部52の外周面には基端部シーリング溝54が形成され、この基端部シーリング溝54には基端部シールリング55がはめ合わされ、この基端部シールリング55が連通空間24の内周壁と密接している。
【0029】
フィルタ本体51の他の開口部には、先端部56が気密に配設させられており、先端部56の左側の面に係止手段57が形成されている。実施例1では、係止手段57は、ねじ孔となっている。この係止手段57に工具が係止して、フィルタエレメントは出し入れされる。
【0030】
継手本体20の左の面には、保守用開口部23が形成されている。この保守用開口部32は、フィルタエレメント50の出し入れのための開口となっている。フィルタエレメント50の出し入れのために、保守用開口部23は、適切な開口の大きさを有し、適切な位置に配置させられている。
【0031】
保守用開口部23には、封止キャップ30が入り込んでいる。封止キャップ30は、穴あきボルト31とキャップ36を備えている。穴あきボルト31には、内部に小径孔33、テーパー穴部34、大径孔35が形成され、外周面には、封止キャップ雄ねじ32が形成され、継手本体20に形成された保守用開口部雌ねじ23aと螺合する。
【0032】
穴あきボルト31の中に、キャップ36が挿入させられており、キャップ36は、小径部37、テーパー部38、大径部39及び突出部40を有しており、突出部40は、連通空間24に貫入している。突出部40の外周面には、シールリング溝41が形成され、この溝にシールリング42が配置させられている。シールリング42は、連通空間24の内周面とも密着しているので、第1連通路21bと第2連通路22bを通る流体は、これらの連通路以外の連通空間24から外部に漏れ出ることがないようになっている。また、封止キャップ30は、図に示すように、穴あきボルト31とキャップ36のように構成されているので、穴あきボルト31を回してもキャップ36が供回りしにくくなっている。
【0033】
突出部40の右端面の突出部端面40aは、先端部56の左端面近くに配されており、第2連通路側の流体の圧力が高くなって、フィルタエレメント24が左方に移動させられてもこの突出部端面40aが壁となってフィルタエレメント24はそれ以上左方に移動することなく、連通空間24の所定の流通路以外から、流体が外部に漏れだすことがない。
【0034】
図1の実施例1のフィルタ内蔵継手10において、フィルタエレメント50を連通空間24から取り出す手順を説明する。配管に取り付けられた流体開閉弁を閉として流体の流れを遮断する。次に封止キャップ30を回して取り外す。次に、キャップ36の小径部31をつかんで引っ張り出す。この段階で保守用開口部23からフィルタエレメント50の先端部56の左端面に形成された係止手段(ねじ穴)57が見えるので、先端に雄ねじが形成された工具の雄ねじをねじ穴57に螺合させて引っ張り出すと、フィルタエレメント50を外部に取り出すことができる。フィルタエレメント50を連通空間24に配置するときは、取り出す手順の逆を行えば簡単に配置することができる。
【0035】
図2は、第2実施例を示すが、
図1と異なっている点は、シールリング溝41’が先端部56の外周面に形成され、シールリング42’がこのシールリング溝41’にはめ入れられている点だけである。このような構造にしても、フィルタエレメント24が左方に移動させられてもこの突出部端面40aが壁となってフィルタエレメント24はそれ以上左方に移動することなく、連通空間24の所定の流通路以外から、流体が外部に漏れだすことがない。フィルタエレメント50の出し入れの方法は、実施例1の場合と同じである。
【0036】
図3は、第3実施例を示すが、
図1と異なっている点は、先端部56と突出部40とが一体化している点である。この一体化のために、
図1の係止手段57が不要となり、なくなっている。この一体化によって、第2連通路22b側の流体圧力が高くなってもフィルタエレメント50は横に移動することがなくなる。さらに、専用工具を用いなくとも容易にフィルタエレメント50を出し入れすることができる。
【0037】
図3の実施例3のフィルタ内蔵継手10において、フィルタエレメント50を連通空間24から取り出す手順を説明する。配管に取り付けられた流体開閉弁を閉として流体の流れを遮断する。次に封止キャップ30を回して取り外す。次に、キャップ36の小径部37をつかんで引き出す。キャップ36とフィルタエレメント50とは一体化しているのでフィルタエレメント50を取り出すことができる。フィルタエレメント50を連通空間24に配置するときは、取り出す手順の逆を行えば簡単に配置することができる。
【0038】
図4は、第4実施例を示すが、
図3の第3実施例と異なっている点は、突出部40と先端部56とが一体でなく分離しており、突出部40と先端部56とは、係止手段(雄ねじ)57aと係止手段(雌ねじ)57bとで連結していることである。この連結によって、第2連通路22b側の流体圧力が高くなってもフィルタエレメント50は横に移動することがなくなる。さらに、専用工具を用いなくとも容易にフィルタエレメント50を出し入れすることができる。
【0039】
図4の実施例4のフィルタ内蔵継手10において、フィルタエレメント50を連通空間24から取り出す手順を説明する。配管に取り付けられた流体開閉弁を閉として流体の流れを遮断する。次に封止キャップ30を回して取り外す。次に、キャップ36の小径部37をつかんで引き出す。キャップ36とフィルタエレメント50とは、係止手段(雄ねじ)57aと係止手段(雌ねじ)57bとで連結しているだけなので、フィルタエレメント50を手で回して容易に取り外すことができる。フィルタエレメント50を連通空間24に配置するときは、取り出す手順の逆を行えば簡単に配置することができる。
【0040】
図5は、第5実施例を示すが、
図4の第4実施例と異なっている点は、係止手段(雄ねじ)57aが係止手段(T型突起)57cとなっていることと、係止手段(雌ねじ)57bが係止手段(T型凹所)57dとなっていることである。係止手段(T型凹所)57dは、突出部端面40aに形成された溝であり、係止手段(T型凹所)57dを突出部40の側面に開口した箇所から係止手段(T型突起)57cをはめ合わせて連結することができる。実施例5では係止手段はT型であるが、その他の形状で係止できればT型にかぎる必要はなく、あり溝形状、優弧形状等であってもよい。
【0041】
図5の実施例5のフィルタ内蔵継手10において、フィルタエレメント50を連通空間24から取り出す手順を説明する。配管に取り付けられた流体開閉弁を閉として流体の流れを遮断する。次に封止キャップ30を回して取り外す。次に、キャップ36の小径部37をつかんで引き出す。キャップ36とフィルタエレメント50とは、係止手段(T型突起)57cと係止手段(T型凹所)57dとが組み合わせられて連結しているだけなので、フィルタエレメント50を横方向にずらせば容易に取り外すことができる。フィルタエレメント50を連通空間24に配置するときは、取り出す手順の逆を行えば簡単に配置することができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
この発明によるフィルタ内蔵継手を用いると、配管とこの継手を分離しなくとも、フィルタの取付け取り外しを行うことができ手間がかからなくなる。
【符号の説明】
【0043】
10:フィルタ内蔵継手
20:継手本体
21:第1流出入口部
21a:第1流出入口部雌ねじ
21b:第1連通路
22:第2流出入口部
22a:第2流出入口部雌ねじ
22b:第2連通路
23:保守用開口部
23a:保守用開口部雌ねじ
24:連通空間
30:封止キャップ
31:穴あきボルト
32:封止キャップ雄ねじ
33:小径孔
34:テーパー穴部
35:大径孔
36:キャップ
37:小径部
38:テーパー部
39:大径部
40:突出部
40a:突出部端面
41、41’:シールリング溝
42、42’:シールリング
50:フィルタエレメント
51:フィルタ本体
52:基端部
53:基端部貫通孔
54:基端部シーリング溝
55:基端部シールリング
56:先端部
57:係止手段
57a:係止手段(雄ねじ)
57b:係止手段(雌ねじ)
57c:係止手段(T型突起)
57d:係止手段(T型凹所)