(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-13
(45)【発行日】2025-02-21
(54)【発明の名称】匂い検出装置及び匂い検出方法
(51)【国際特許分類】
G01N 5/02 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
G01N5/02 A
(21)【出願番号】P 2022570889
(86)(22)【出願日】2020-12-24
(86)【国際出願番号】 JP2020048470
(87)【国際公開番号】W WO2022137438
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004370
【氏名又は名称】弁理士法人片山特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾下 順二
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-083820(JP,A)
【文献】実開昭62-121545(JP,U)
【文献】特開2002-168748(JP,A)
【文献】特表2018-536984(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ素子が収容され、第1吸入口と、前記センサ素子を介して前記第1吸入口と反対側の位置に設けられた第1排出口と、第2吸入口と、前記センサ素子を介して前記第2吸入口と反対側の位置に設けられた第2排出口とを有するセンサ室と、
フィルタが内部にあり、前記
第2排出口に接続され、前記
第2吸入口へ接続される流路と、
前記第1吸入口から前記センサ室内に気体を流入させ、前記第1排出口から排出させる第1気体送出部と、
前記センサ室から前記第2排出口を介して前記流路に気体を流入させ、前記流路から前記第2吸入口を介して前記センサ室に気体を流入させる第2気体送出部と
を具備する匂い検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の匂い検出装置であって、
前記センサ室の上部または下部に
、上方から見て前記センサ室と重なるように前記流路が設けられる
匂い検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の匂い検出装置であって、
前記流路は
、上下方向に対し直交する平面において蛇行した形状を有する匂い検出装置。
【請求項4】
請求項3に記載の匂い検出装置であって、
前記流路は、第1の方向に延伸する第1部分と、前記第
1部分の下流であって前記第1の方向と反対方向である第2の方向に延伸する第2部分と、前記第2部分の下流であって前記第1の方向に延伸する第3部分を有する
匂い検出装置。
【請求項5】
請求項1から4のうちいずれか
1項に記載の匂い検出装置であって、
前記センサ室は、前記第1吸入口及び前記第2吸入口が設けられた第1のチャンバと、前記第1のチャンバと連通し、前記第1排出口及び前記第2排出口が設けられた第2のチャンバと、前記第1のチャンバから前記第2のチャンバへの気体の流れを制限する絞り部とを有する
匂い検出装置。
【請求項6】
請求項1から5のうちいずれか
1項に記載の匂い検出装置であって、
前記第1気体送出部を動作させ、前記
第2気体送出部を停止させる第1の状態と、前記第1気体送出部を停止させ、前記第2気体送出部を動作させる第2の状態を切り替える制御部と
をさらに具備する匂い検出装置。
【請求項7】
第1気体送出部を駆動し、第2気体送出部を停止させ、匂い成分を検出するセンサ素子を収容するセンサ室に第1吸入口から気体を流入させ、第1排出口から排出させる検出ステップと、
前記第1気体送出部を停止させ、前記第2気体送出部を駆動し、前記センサ室に設けられた第2排出口と前記センサ室に設けられた第2吸入口を接続して前記匂い成分を除去するフィルタが内部にある流路に前記センサ室から前記第2排出口を介して気体を流入させ、前記流路から前記第2吸入口を介して前記センサ室に気体を流入させるクリーニングステップと
を含む匂い検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体中の匂い成分を検出する匂い検出装置及び匂い検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
匂いセンサは、気体中の匂い成分を吸着する感応膜を備える。感応膜を所定の周波数で振動させ、匂い成分の吸着による周波数変動を観測することで匂い成分を検出することができる。このような匂いセンサでは、匂い成分の測定後、次回の測定までに感応膜をクリーニングし、感応膜に吸着した匂い成分を除去する必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、バルブにより流路を切り替え、サンプルガスとクリーニング用空気を切り替える技術が開示されている。また、特許文献2にも被検流体と対照流体(クリーニングガス)の流路を物理的に切り替えることが可能な技術が開示されている。さらに、特許文献3には、弁の開閉を用いて流路を切り替えることで、ガスのクリーニング時にクリーンガスを循環させる技術が開示されている。また、特許文献4には、ガスクリーニング時にクリーンガス(パージガス)を循環させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-170461号公報
【文献】特開2019-120561号公報
【文献】特開2002-39939号公報
【文献】特開2016-90484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、装置が大掛かりとなっており、バルブの切り替えも容易ではない。また、特許文献2に記載の構成では、クリーニングガスは成分が安定していることが要求されるが、空気では十分安定しているとは言えず、別途標準ガスを準備すると装置が大掛かりとなる。さらに、特許文献3に記載の構成では、弁の開閉の制御が必要となる他、具体的な流路構造は開示されていない。また、特許文献4に記載の構成では、具体的にどのように制御してグリーンガスを循環させるかは開示されていない。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、構造が単純でクリーニング効果が高い匂い検出装置及び匂い検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る匂い検出装置は、センサ室と、流路と、第1気体送出部と、第2気体送出部とを具備する。
上記センサ室は、センサ素子が収容され、第1吸入口と、上記センサ素子を介して、上記第1吸入口と反対側の位置に設けられた第1排出口と、第2吸入口と、上記センサ素子を介して、上記第2吸入口と反対側の位置に設けられた第2排出口とを有する。
上記流路は、フィルタが内部にあり、上記第2排出口に接続され、上記第2吸入口へ接続される。
上記第1気体送出部は、上記第1吸入口から上記センサ室内に気体を流入させ、上記第1排出口から排出させる。
上記第2気体送出部は、上記センサ室から上記第2排出口を介して上記流路に気体を流入させ、上記流路から上記第2吸入口を介して上記センサ室に気体を流入させる。
【0008】
上記検出装置は、上記センサ室の上部または下部に、上方から見て前記センサ室と重なるように上記流路が設けられていてもよい。
【0009】
上記流路は、上下方向に対し直交する平面において蛇行した形状を有してもよい。
【0010】
上記流路は、第1の方向に延伸する第1部分と、上記第1部分の下流であって上記第1の方向と反対方向である第2の方向に延伸する第2部分と、上記第2部分の下流であって上記第1の方向に延伸する第3部分を有してもよい。
【0011】
上記センサ室は、上記第1吸入口及び上記第2吸入口が設けられた第1のチャンバと、上記第1のチャンバと連通し、上記第1排出口及び上記第2排出口が設けられた第2のチャンバと、上記第1のチャンバから上記第2のチャンバへの気体の流れを制限する絞り部とを有してもよい。
【0012】
上記検出装置は、上記第1気体送出部を動作させ、上記第2気体送出部を停止させる第1の状態と、上記第1気体送出部を停止させ、上記第2気体送出部を動作させる第2の状態を切り替える制御部をさらに具備してもよい。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る匂い検出方法は、検出ステップと、クリーニングステップとを含む。
上記検出ステップは、第1気体送出部を駆動し、第2気体送出部を停止させ、匂い成分を検出するセンサ素子を収容するセンサ室に第1吸入口から気体を流入させ、第1排出口から排出させる。
上記クリーニングステップは、上記第1気体送出部を停止させ、上記第2気体送出部を駆動し、上記センサ室に設けられた第2排出口と上記センサ室に設けられた第2吸入口を接続して上記匂い成分を除去するフィルタが内部にある流路に上記センサ室から上記第2排出口を介して気体を流入させ、上記流路から上記第2吸入口を介して上記センサ室に気体を流入させる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明によれば、構造が単純でクリーニング効果が高い匂い検出装置及び匂い検出方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係る匂い検出装置の斜視図である。
【
図2】上記匂い検出装置を別方向から見た斜視図である。
【
図4】上記匂い検出装置の概略構成を示す模式図である。
【
図5】上記匂い検出装置が備えるセンサユニットの斜視図である。
【
図6】上記センサユニットが備えるセンサモジュールの斜視図である。
【
図7】上記センサモジュールの一部を透視した斜視図である。
【
図9】上記センサモジュールが備える配線基板の平面図である。
【
図10】上記匂い検出装置が備える下部ケースの斜視図である。
【
図11】上記下部ケースを別方向から見た斜視図である。
【
図12】上記匂い検出装置が備える上部ケースの斜視図である。
【
図13】上記上部ケースを別方向から見た斜視図である。
【
図14】上記上部ケース及びフィルタの斜視図である。
【
図15】上記匂い検出装置が備える循環流路を示す斜視図である。
【
図16】上記匂い検出装置が備える循環流路を示す斜視図である。
【
図17】上記匂い検出装置が備える循環流路を示す平面図である。
【
図18】上記匂い検出装置の検出フローを示す模式図である。
【
図19】上記上部ケースにおける検出フローを示す模式図である。
【
図20】上記上部センサユニットにおける検出フローを示す模式図である。
【
図21】上記センサモジュールにおける検出フローを示す模式図である。
【
図22】上記下部ケースにおける検出フローを示す模式図である。
【
図23】上記匂い検出装置のクリーニングフローを示す模式図である。
【
図24】上記センサモジュールにおけるクリーニングフローを示す模式図である。
【
図25】上記センサユニットにおけるクリーニングフローを示す模式図である。
【
図26】上記下部ケースにおけるクリーニングフローを示す模式図である。
【
図27】本発明の比較例に係る匂い検出装置の概略構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態に係る匂い検出装置について説明する。
【0017】
[匂い検出装置の構成]
図1は本実施形態に係る匂い検出装置100の斜視図であり、
図2は
図1とは別方向から見た匂い検出装置100の斜視図である。
図3は匂い検出装置100の分解斜視図であり、
図4は匂い検出装置100の概略構成を示す模式図である。なお、各図において相互に直交する3方向をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向とする。
【0018】
先ず、概略図である
図4を説明する。
図4に示すように、匂い検出装置100は、センサ室171、センサ素子154、流路101、第1ポンプ152、第2ポンプ153及びフィルタ181を備える。センサ室171には第1吸入口172、第2吸入口173、第1排出口174及び第2排出口175が設けられており、センサ素子154が収容されている。
【0019】
第2排出口175は流路101によって第2吸入口173と接続されている。第1ポンプ152は第1吸入口172からセンサ室171内に、測定対象の気体を流入させ、第1排出口174から排出させる。一方、第2ポンプ153は、センサ室171から第2排出口175を介して流路101に気体を流入させ、流路101から第2吸入口173を介してセンサ室171に気体を流入させる。フィルタ181は流路101内に配置されている。
【0020】
よって、測定対象の気体は、センサ室のセンサ素子154で測定され、その後、流路101内に配置されたフィルタ181で清浄化(クリーニング)されて、再度センサ室171に流入することになる。この様に、クリーニングする時には、センサ室171の内部の気体(空気)を複数回で循環させることができ、フィルタサイズを小さくできる。
【0021】
仮に外部からの気体をクリーニングするには、不純物を一度にクリーニングする必要があり、フィルタの量が多くなるが、循環させると何回も同じフィルタ181を通るため、フィルタ181の量を減らせ、その分のフィルタサイズを小さくでき、結果的には、サイズを小さくすることができる。循環させる度にクリーン度が増すため、クリーン度が高いクリーニングガスでセンサをリフレッシュできる。よって、センサ素子154の寿命を高めることができる。クリーニングガスは、余分な成分が混入されず、クリーン度が安定していることが要求されるが、この循環により、安定した気体を供給できる。
【0022】
これらの構成は、
図3に示すセンサユニット111、下部ケース112、上部ケース113及び蓋114によって形成されている。センサユニット111は、センサモジュール150を内蔵する。
図5はセンサユニット111の斜視図であり、
図6はセンサモジュール150の斜視図である。
【0023】
センサユニット111は、センサ筐体121を有する。
図5に示すように、センサ筐体121は、センサモジュール150を収容する中空の箱状部材である。センサ筐体121は、直方体形状を有し、上面121a、下面121b及び側面121cを有する。上面121aと下面121bは対向した位置にある。直方体形状の場合は、側面121cは4つの面からなる。
【0024】
上面121aには第1開口122及び第2開口123が設けられている。側面121cの一面には、第3開口124及び第4開口125が設けられている。第1開口122及び第2開口123から気体が入り、第3開口124及び第4開口125から排出される。側面121cのうち第3開口124及び第4開口125が設けられた面とその対向面はアルミニウムからなり、他の面は樹脂からなるものとすることができる。上面121a及び下面121bはアルミニウムからなるものとすることができる。
【0025】
図6に示すように、センサモジュール150は、ケース151、第1ポンプ152、第2ポンプ153及びセンサ素子154を備える。
図7乃至
図9はセンサモジュール150の内部構造を示す図であり、
図7は、ケース151を透視した斜視図、
図8はセンサモジュール150の断面図、
図9は配線基板161の内側の平面図である。
図8に示すように、ケース151は、配線基板161と、ケース本体162とを有し、これらを組み合わせて構成される。
【0026】
図8に示すように配線基板161は、センサ素子154が搭載される第1主面161aと、その反対側の第2主面161bとを有する。第1主面161aは、ケース本体162と対向する内側の主面であり、ケース本体162の内面と配線基板161の第1主面161aで内部空間を構成する。また、第2主面161bは、外側の主面である。
【0027】
配線基板161は、X軸方向を長辺とする矩形の基板であり、第1主面161aおよび第2主面161bに形成された配線層を有する両面配線基板である。配線基板161は、典型的には、ガラスエポキシ基板であるが、これ以外にも、セラミック基板やメタル基板等の他のリジッド性を有する基板が採用可能である。
【0028】
ケース本体162は、略直方体の形状のうち1つの面が取り除かれて開口をなす形状のものである。この開口は、配線基板161と接する側が開口され、開口端部162aが設けられている。本実施形態においては、X-Y面に平行な一つの面が取り除かれて開口をなす形状である。このケース本体162の開口をなす側壁の下端部である開口端部162aが、配線基板161の第1主面161aの周縁部に気密性を保つように接着固定される。ケース本体162は、底部162b(空間壁)を有し、底部162bは配線基板161の第1主面161aと対向する位置にある。こうして、配線基板161とケース本体162との間にセンサ室171が形成される。
【0029】
本実施形態においてケース本体162は、複数のネジ155(
図6参照)によって配線基板161と固定される。配線基板161の第1主面161aとケース本体162の開口端部162aとの間に図示しないシール部材(パッキンなど)が配置されることで、配線基板161とケース本体162との間の気密性が確保される。ケース本体162は、例えば、合成樹脂材料の射出成型体である。樹脂材料の種類は特に限定されず、例えば、ポリテトラフルオロエチレンである。
【0030】
ケース151(
図6参照)は、センサ室171、第1吸入口172、第2吸入口173、第1排出口174及び第2排出口175を有する。第1吸入口172及び第2吸入口173は配線基板161に設けられ、第1排出口174及び第2排出口175はケース本体162に設けられる。ケース151は第1吸入口172、第2吸入口173、第1排出口174及び第2排出口175以外の開口を有しない。
【0031】
センサ室171(
図8参照)は、第1チャンバ171aと第2チャンバ171bとを有する。第1チャンバ171aは、第1主面161aと底面162cの間に形成され、第2チャンバ171bは第1主面161aと底面162dの間に形成されている。第1チャンバ171aは第1吸入口172及び第2吸入口173と連通し、第2チャンバ171bは、第1排出口174及び第2排出口175と連通する。
【0032】
図8に示すように、第1チャンバ171aにおける第1主面161aと底面162cの距離を距離D1とし、第2チャンバ171bにおける第1主面161aと底面162dの距離を距離D2とすると、距離D1は距離D2より大きいものとすることができる。これにより、第1チャンバ171aと第2チャンバ171bの境界には段部162eが形成されている。
【0033】
段部162eは第1吸入口172及び第2吸入口173と第1排出口174及び第2排出口175の間にY軸方向に沿って延伸する壁面であり、第1チャンバ171aから第2チャンバ171bへ流れる気体の流路を制限する絞りとして機能する。
【0034】
具体的には、第1吸入口172又は第2吸入口173から第1チャンバ171aに流入した気体は、段部162eにより第2チャンバ171bへの流入が制限される結果、第1チャンバ171a内を乱流状態で等方的に拡散する。さらに、第1チャンバ171aに流入した気体は、段部162eによる絞りによって層流状態で第2チャンバ171bへ流入する。
【0035】
これにより、第1吸入口172及び第2吸入口173の位置に関係なく、第1チャンバ171aに流入した気体を第2チャンバ171bの全域にわたって均一に供給することができる。また、第1吸入口172及び第2吸入口173が第1チャンバ171aの底部(底面162c)に対向するように配線基板161に設けられているため、第1チャンバ171aにおける気体の拡散効果をより高めることができる。
【0036】
なお、段部162eは必ずしも設けられなくてもよく、底面162cと底面162dは同一面上であってもよい。また、底面162cと底面162dが同一面上の場合でも、底面162cと底面162dの間に、底部162bから第1主面161aに向かって延伸する壁を設け、段部162eと同等の絞り機能を持たせてもよい。
【0037】
第1吸入口172及び第2吸入口173は、それぞれ配線基板161に設けられた貫通孔である。第1吸入口172及び第2吸入口173の形状は図示する矩形に限られず、円形であってもよい。第1吸入口172及び第2吸入口173の形成位置は
図9に示すように、配線基板161の一方側(-X軸方向側)の領域に、Y軸方向に隣接するように設けられるものとすることができる。
【0038】
第1排出口174及び第2排出口175は、それぞれケース本体162に設けられた貫通孔である。第1排出口174及び第2排出口175の形状は図示する円形に限られず、矩形等であってもよい。また、第1排出口174と第2排出口175の大きさは同程度が好適である。第1排出口174及び第2排出口175の形成位置は、
図9に示すように、ケース本体162の他方側(+X軸方向側)の側壁に、Y軸方向に隣接するように設けられるものとすることができる。
【0039】
第1吸入口172、第2吸入口173、第1排出口174及び第2排出口175の位置関係は特に限定されないが、第1吸入口172と第1排出口174はセンサ室171においてセンサ素子154を挟んで反対側に位置するものが好適である。また、第2吸入口173と第2排出口175もセンサ室171においてセンサ素子154を挟んで反対側に位置するものが好適である。具体的には、
図8に示すように、第1吸入口172と第2吸入口173は、配線基板161の長手方向(X軸方向)の一端に近接して配置され、第1排出口174及び第2排出口175は配線基板161の長手方向(X軸方向)の他端に接合される側壁162fに設けられるものとすることができる。第1吸入口172及び第2吸入口173と、第1排出口174及び第2排出口175を、センサ素子154を介して反対側の位置とすることにより、センサ素子154に効率よく気体を流入させることができる。
【0040】
第1ポンプ152は、第1吸入口172に設けられ、第1吸入口172からセンサ室171内に気体を送出する。第2ポンプ153は、第2吸入口173に設けられ、第2吸入口173からセンサ室171内に気体を送出する。第1ポンプ152及び第2ポンプ153は、配線基板161の第2主面161bに配置することができる。第1ポンプ152及び第2ポンプ153の種類は特に限定されないが、動作停止中は気体を通しにくいものが好適であり、特にダイアフラムポンプが好適である。なお、匂い検出装置100は、第1ポンプ152の代わりに気体の送出が可能なものを備えてもよい。例えば、ファンを備えていてもよい。また、匂い検出装置100は、第2ポンプ153の代わりに気体の送出が可能なものを備えていてもよい。例えば、ファンを備えていてもよい。
【0041】
センサ素子154は、匂い成分を検出する。センサ素子154は、例えばQCM(Quartz Crystal Microbalance:水晶振動子マイクロバランス)センサを用いることができる。QCMセンサは、水晶振動子の電極表面に検出対象成分を吸着するための感応膜が設けられた構成を有する。水晶振動子の電極表面に検出対象成分が吸着すると、その質量に応じて共振周波数が変動する(下がる)ため、微量な質量変化を検出することができる。QCMセンサは感応膜の材料により異なる成分を検出することが可能であり、センサ素子154はそれぞれが異なる匂い成分を検出可能なものとすることができる。なお、センサ素子154は、QCMセンサ以外のセンサであってもよい。
【0042】
センサ素子154が検出する匂い成分は、典型的には高分子化合物等の空気中において比較的重い分子であるが、特に限定されない。センサ素子154が検出する匂い成分は人間が嗅覚で感知可能な成分に限られず、気体中に存在する化学種であればよい。
【0043】
センサモジュール150は8個のセンサ素子154を有し、センサ素子154毎に異なる感応膜が用いることにより、8種類の匂い成分が検出可能である。なお、1種類の匂い成分を1つのセンサ素子154で検出する例に限られず、1種類の匂い成分を複数のセンサ素子154で検出するようにしてもよい。また、1つのセンサ素子154で複数種の匂い成分を検出可能に構成されてもよい。この場合、匂い成分に応じて感度が異なる感応膜を用いるのが好ましい。
【0044】
センサ素子154は、センサ室171に面する配線基板161の第1主面161aに搭載される。本実施形態では、8個のセンサ素子154が2行4列で配置された例を示しているが、レイアウトはこれに限られない。また、センサ素子154の数は8個に限られず、検出対象の成分の数に応じて任意に設定可能であり、1個であってもよい。
【0045】
配線基板161の第1主面161aには、温度センサ156および湿度センサ157がそれぞれ搭載されてもよい。温度センサ156および湿度センサ157の実装領域は特に限定されず、本実施形態では、センサ素子154と第1排出口174及び第2排出口175の間の任意の領域に配置される。センサ素子154のQCM特性に温度依存性がある場合、温度センサ156の出力に基づいて当該センサ素子154の出力の補正が行われる。
【0046】
また、湿度センサ157は、例えば水蒸気の検出センサとして使用されてもよい。温度センサ156には例えばサーミスタが、湿度センサ157には例えば水蒸気に対して吸着性を有する感応膜を備えたQCMセンサが適用可能である。
【0047】
図6に示すように、配線基板161の第2主面161b側には制御基板158が設置される。制御基板158には電源回路や信号処理回路が接続されている。制御基板158は配線基板161と電気的に接続されており、配線基板161上の配線層を介して各センサ素子154、第1ポンプ152、第2ポンプ153、温度センサ156及び湿度センサ1157へ必要な電力を供給する。
【0048】
信号処理回路は、各センサ素子154、温度センサ156及び湿度センサ157の出力に基づいて、センサ室171内における検出対象成分の有無、種類、量などを検出する。なお、制御基板158には、上記素子あるいはセンサのほか、他の電子部品(例えば、第1ポンプ152及び第2ポンプ153の駆動回路等)が搭載されてもよい。
【0049】
センサモジュール150下記に述べる構成を有する。センサモジュール150は上記のようにセンサ筐体121(
図5参照)に収容され、配線基板161が上面121a側となる向き(
図6とは表裏反対)でセンサ筐体121に固定される。これにより、第1吸入口172は第1ポンプ152を挟んで第1開口122と接続され、第2吸入口173は第2ポンプ153を挟んで第2開口123と接続される。また、第1排出口174は第3開口124と接続され、第2排出口175は第4開口125と接続される。
【0050】
下部ケース112は、センサユニット111を保持する部材であり、例えば樹脂からなる。
図10は下部ケース112の斜視図であり、
図11は別方向から見た下部ケース112の斜視図である。これらの図に示すように下部ケース112は、底面部112a、側壁部112b及び固定部112cを有する。
【0051】
底面部112aは平板状部分であり、センサ筐体121の下面121b(
図5参照)に当接する。側壁部112bは、底面部112aの周縁に底面部112aに対して垂直面状に設けられ、センサ筐体121の側面121cに当接する。固定部112cは、側壁部112bに設けられ、上部ケース113との固定に用いられる。さらに、側壁部112bには、開口131と管状部132が隣接して設けられている。
【0052】
開口131は、側壁部112bを貫通する開口であり、センサユニット111が下部ケース112に収容されると、第3開口124(
図5参照)に接続される。管状部132は、管132a、管口132b(
図11参照)及び管口132c(
図10参照)を有する。管132aは管口132bと管口132cを接続する。管口132bは、側壁部112bを貫通する管口であり、センサユニット111が下部ケース112に収容されると、第4開口125(
図5参照)に接続される。管口132cは、上方(+Z方向)に臨む管口であり、上部ケース113が備える管口と接続される。
【0053】
上部ケース113は、下部ケース112と接続され、導入空間及び流路空間を形成する部材であり、例えば樹脂からなる。
図12は上部ケース113の斜視図であり、
図13は別方向から見た上部ケース113の斜視図である。
【0054】
これらの図に示すように上部ケース113は、底面部113a、側壁部113b、内壁部113c、固定部113d及び固定部113eを有する。底面部113aは平板状部分であり、センサ筐体121(
図5参照)の上面121aに当接する。底面部113aには、第1開口141及び第2開口142が設けられている。第1開口141及び第2開口142はそれぞれ底面部113aを貫通する開口である。
【0055】
第1開口141は、上部ケース113がセンサユニット111に装着されると、センサ筐体121の第1開口122に接続される。第2開口142は、上部ケース113がセンサユニット111に装着されると、センサ筐体121の第2開口123に接続される。
【0056】
側壁部113bは、底面部113aの周縁に底面部113aに対して垂直面状に設けられ、センサ筐体121の側面121cに当接する。側壁部113bには開口113fが設けられている。内壁部113cは、底面部113aの内部に底面部113aに対して垂直面状に設けられ、側壁部113bと共に後述する導入空間及び流路空間を形成する。固定部113dは、側壁部113bに設けられ、下部ケース112との固定に用いられる。固定部113eは、側壁部113bに設けられ、蓋114との固定に用いられる。
【0057】
さらに、側壁部113bには、管状部144が設けられている。管状部144は、管144a、管口144b(
図13参照)及び管口144c(
図12参照)を有する。管144aは管口144bと管口144cを接続する。管口144bは、下方(-Z方向)に臨む管口であり、下部ケース112の管口132c(
図10参照)と接続される。管口144cは、側壁部113bを貫通する管口である。
【0058】
図12において、上部ケース113が形成する導入空間143及び流路空間145を示す。導入空間143は底面部113a、側壁部113b、内壁部113c及び開口113fの間の空間であり、第1開口141に連通する。流路空間145は、底面部113a、側壁部113b及び内壁部113cの間の空間であり、内壁部113cによって導入空間143とは隔離されている。流路空間145は、管口144c及び第2開口142に連通する。
【0059】
蓋114は、上部ケース113に接合され、上部ケース113の上面を閉塞する(
図3参照)部材であり、例えば樹脂からなる。蓋114により、流路空間145は封止され、導入空間143は開口113fを除いて封止される(
図12参照)。なお、蓋114と上部ケース113の間には、パッキン等のシール部材が配置されてもよい。蓋114は平板状部材であり、周縁に設けられた固定部114aを有する。固定部114aは、上部ケース113との固定に用いられる。
【0060】
フィルタ181は、流路空間145に収容され、流路空間145を流れる気体から匂い成分を除去する。フィルタ181は、少なくとも各センサ素子154の検出対象である匂い成分を除去可能なフィルタである。
図14は、流路空間145に収容されたフィルタ181を示す模式図である。同図に示すようにフィルタ181は、流路空間145の全体にわたって収容されたものとすることができる。また、フィルタ181は、流路空間145の一部のみに収容されてもよいが、流路空間145の多くを占めるものが好適である。
【0061】
[流路について]
匂い検出装置100では、下部ケース112の管状部132、上部ケース113の管状部144及び流路空間145によって流路101(
図4参照)が形成される。
図15は、流路101の一部を示す模式図である。同図に示すように、下部ケース112の管状部132と上部ケース113の管状部144が接合され、管口132b(
図11参照)と管口144c(
図12参照)が連通する。
【0062】
これにより、第2排出口175(
図7参照)から管状部132、管状部144及び流路空間145を経由し、第2吸入口173に到る流路101(
図4参照)が形成される。
図16は、流路空間145における流路101を示す斜視図であり、
図17は、流路空間145における流路101の形状を示す平面図である。
【0063】
図17に示すように、流路101は流路空間145において、第1部分101a、第2部分101b及び第3部分101cを含む。第1部分101aは底面部113a(X-Y平面)と平行な一方向(+Y軸方向)に延伸する。第2部分101bは第1部分101aの下流であって、第1部分101aとは反対方向(-Y軸方向)に延伸する。第3部分101cは第2部分101bの下流であって第1部分101aと同方向(+Y軸方向)に延伸する。
【0064】
このように流路101を蛇行した形状とすることにより、上部ケース113の大きさの範囲内で流路101の長さをできるだけ長くすることができる。なお、流路空間145はこのような形状に限られず、管口144cから第2開口142に到る流路が実現可能な他の形状であってもよい。
【0065】
匂い検出装置100は以上のような構成を有する。
図3に示すように、匂い検出装置100は下部ケース112、センサユニット111、上部ケース113及び蓋114がこの順に積み重ねられ、固定部112cと固定部113d、固定部113eと固定部114aがそれぞれネジ留め等により固定されることにより形成される。
【0066】
この構造ではセンサ室171の上部に流路101が設けられるため、流路101を設けながら匂い検出装置100のサイズを小型化することが可能である。また、流路101はセンサ室171の下部に設けることも可能である。匂い検出装置100のサイズは特に限定されないが、例えば長さ(X軸方向)70~90mm、幅(Y軸方向)65~85mm、高さ(Z軸方向)50~70mmとすることができる。
【0067】
[気体の流れについて]
匂い検出装置100では、匂い検出用の気体の流れ(以下、検出フロー)と、クリーニング用の気体の流れ(以下、クリーニングフロー)の2種類の気体の流れが形成される。
【0068】
図18乃至
図22は、検出フローを示す模式図である。検出フローでは、第1ポンプ152が駆動され、第2ポンプ153は停止される。以下、匂い検出装置100のこの状態を第1の状態とする。第1の状態では、
図18に矢印F1で示すように、気体は第1吸入口172からセンサ室171内に流入し、第1排出口174から排出される。より具体的には、気体は開口113f(
図19参照)から導入空間143に流入し、第1開口141及び第1開口122(
図20参照)を通過して第1吸入口172(
図21参照)からセンサ室171内に流入する。さらに、第1排出口174から第3開口124(
図20参照)及び開口131(
図22参照)を通過して排出される。
【0069】
図23乃至
図27は、クリーニングフローを示す模式図である。クリーニングフローでは、第1ポンプ152は停止され、第2ポンプ153が駆動される。以下、匂い検出装置100のこの状態を第2の状態とする。第2の状態では、
図23に矢印F2で示すように、気体は、センサ室171から第2排出口175を介して流路101に流入し、流路101から第2吸入口173を介してセンサ室171に流入する。さらに、センサ室171から第2排出口175を通過して流路101に再度流入し、以降、流路101とセンサ室171を循環する。
【0070】
より具体的には、気体はセンサ室171から第2排出口175(
図24参照)及び第4開口125(
図25参照)を通過して流路101(
図15、
図16参照)に流入する。さらに、流路101から第2開口142及び第2開口123(
図25参照)を通過してセンサ室171に流入し、循環する。
【0071】
[匂い検出装置の動作]
匂い検出装置100の動作について説明する。匂い検出装置100では匂い成分の検出とクリーニングを行う。匂い成分の検出では上記のように、第1ポンプ152を駆動し、第2ポンプ153を停止する(第1の状態)ことにより検出フロー(
図18参照)を発生させる。これにより、匂い検出装置100の近傍の外気がセンサ室171内に吸入される。各センサ素子154の感応膜に外気に含まれる匂いの成分が吸着され、検出される。匂い成分の検出後、クリーニングが実行される。
【0072】
クリーニングでは上記のように、第1ポンプ152を停止し、第2ポンプ153を駆動する(第2の状態)ことによりクリーニングフロー(
図23参照)を発生させる。これにより、センサ室171内の気体は流路101に吸入され、気体中の匂い成分はフィルタ181により除去される。センサ素子154に吸着している匂い成分は気体中の匂い成分の希薄化に伴い、センサ素子154から次第に脱離し、フィルタ181により除去される。一定時間クリーニングを実行することにより、気体が何度も流路101を通過し、フィルタ181によって匂い成分が除去されるため、センサ素子154に吸着している匂い成分が除去され、クリーニング(リフレッシュ)が完了する。これにより、高いクリーニング効果を得ることができる。このクリーニングによりセンサ素子154がリフレッシュされ、次回の検出を行うことが可能となる。
【0073】
なお、検出フロー(
図18参照)の実行時においては、流路101は閉ざされた経路であるため気体が流れず、検出対象の匂い成分がフィルタ181により除去されることはない。また、クリーニングフロー(
図23参照)の実行時においては、第1排出口174又は停止中の第1ポンプ152を介してセンサ室171内に外気が入り得る。
【0074】
しかしながら、第1ポンプ152をダイアフラムポンプ等の停止中に気体を通しにくいものとすることにより、第1ポンプ152からの外気の流入を防止することができる。また、第1排出口174から外気が流入する場合も、センサ室171からの出口は第1ポンプ152のみであるため、第1ポンプ152を停止中に気体を通しにくいものとすることにより、センサ室171への外気の流入をほとんど防止することができる。
【0075】
したがって、匂い検出装置100では、第1ポンプ152と第2ポンプ153の切り替えによって検査フローとクリーニングフローを切り替えることが可能であり、バルブや管路の切り替えが不要である。なお、第1の状態と第2の状態の切り替えはユーザが行ってもよく、第1ポンプ152と第2ポンプ153の駆動をそれぞれ制御することが可能な制御部によって行ってもよい。制御部は例えば、制御基板158(
図6参照)に実装されるものとすることができる。
【0076】
[匂い検出装置の効果]
匂い検出装置100の効果を従来構造との比較の上で説明する。
図27は、従来構造を有する匂い検出装置200の模式図である。同図に示すように匂い検出装置200は、センサ室271、センサ素子254、流路201、第1ポンプ252、第2ポンプ253及びフィルタ281を備える。
【0077】
センサ室271には第1吸入口272、第2吸入口273及び排出口274が設けられており、センサ素子254が収容されている。流路201は第2吸入口273に接続されており、流路201中にはフィルタ281が配置されている。第1ポンプ252は第1吸入口272からセンサ室271内に気体を流入させる。第2ポンプ253は気体を、流路201を通過させて第2吸入口273からセンサ室271内に流入させる。
【0078】
匂い検出装置200では、匂い成分の検出を実行する際、第1ポンプ252を駆動させ、第2ポンプ253を停止させる。これにより、外気は第1吸入口272からセンサ室271内に流入し、排出口274から排出される。センサ素子254は気体中の匂い成分を吸着し、検出する。
【0079】
匂い検出装置200においても、匂い成分の検出後、クリーニングが実行される。クリーニングでは、第1ポンプ252を停止させ、第2ポンプ253を駆動させる。これにより、外気は流路201を通過して第2吸入口273からセンサ室271内に流入し、排出口274から排出される。外気が流路201を通過する際、フィルタ281により匂い成分が除去され、匂い成分が除去された気体によりセンサ素子254がクリーニングされる。
【0080】
ここで、匂い検出装置200では上記のように、フィルタ281により流路201に流入する外気から匂い成分を除去する必要がある。除去すべき匂い成分の分量は環境によっては多量となり、クリーニング時間の経過に伴ってフィルタ281に吸着する匂い成分の分量も増加し続ける。このため、フィルタ281は強力なフィルタあるいはサイズが大きいフィルタとする必要がある。また、外気に含まれる匂い成分が多量の場合、フィルタ281による除去効果が小さくなり、クリーニング時間も長くなる上、フィルタ281の寿命も短くなる。
【0081】
一方、クリーニングに外気を利用せず、別途クリーンガスをセンサ室内に供給してクリーニングを行うことも可能である。この場合、バルブ等により検出用流路とクリーンガス流路を切り替える必要があり、装置が複雑で大掛かりとなる。
【0082】
これに対し、匂い検出装置100では、クリーニングにおいて
図23に示すように、流路101とセンサ室171で気体を循環させ、フィルタ181により匂い成分を除去する。循環を重ねるほど匂い成分が除去され、クリーンな気体をセンサ素子154に供給することが可能となる。
【0083】
また、除去すべき匂い成分の分量はクリーニング開始時にセンサ室171及び流路101内に含まれていた分量と、センサ素子154に吸着している分量のみとなるため、従来構造のように多量とならず、フィルタ181のサイズを小さくすることができ、寿命も長くなる。さらに、検出フローとクリーニングフローは駆動するポンプの選択によって切り替えることが可能であり、バルブ等の操作が不要であるため、制御が容易である。したがって、匂い検出装置100は、構造が単純でクリーニング効果が高いものである。
【0084】
加えて、匂い検出装置100では、センサ室171を備えるセンサユニット111とフィルタ181を備える上部ケース113が積み重ねられた構造を有している。このため、装置の小型化が実現可能である。
【0085】
さらに、センサ室171において絞り機能を有する段部162eを設けることにより、第1チャンバ171aに流入させた気体を第2チャンバ171bの全体にわたって均一に供給することができる。これにより、上記検出フローでは、外気を複数のセンサ素子154に均一に供給し、検出精度を向上させることが可能である。また、上記クリーニングフローでは、各センサ素子154に吸着している匂い成分を速やかに除去することが可能となる。
【0086】
[変形例]
匂い検出装置100はセンサユニット111、下部ケース112、上部ケース113及び蓋114によって構成されるものとしたが、これに限られず、
図4に示す概略構成を実現可能な他の構成とすることも可能である。また、上述した検出フロー及びクリーニングフローを実行可能な範囲で
図4に示す構成を変形することも可能であり、例えば、第1ポンプ152はセンサ室171の室内(第1吸入口172近傍)に配置してもよく、第2ポンプ153もセンサ室171の室内(第2吸入口173近傍)に配置してもよい。また、第2ポンプ153は流路101においてフィルタ181の上流に設けてもよい。さらに、第1排出口174には、外気の流入を防止する逆止弁を設けてもよい。
【符号の説明】
【0087】
100…検出装置
101…循環流路
111…センサユニット
112…下部ケース
113…上部ケース
114…蓋
150…センサモジュール
151…ケーシング
152…第1ポンプ
153…第2ポンプ
154…センサ素子
171…センサ室
172…第1吸入口
173…第2吸入口
174…第1排出口
175…第2排出口
181…フィルタ