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特許7634580フィルター構造体及び空気清浄機の吸気構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-13
(45)【発行日】2025-02-21
(54)【発明の名称】フィルター構造体及び空気清浄機の吸気構造
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/10 20060101AFI20250214BHJP
   B01D 46/42 20060101ALI20250214BHJP
   F24F 8/108 20210101ALI20250214BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20250214BHJP
【FI】
B01D46/10 B
B01D46/42 A
F24F8/108 210
F24F8/80 214
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023004796
(22)【出願日】2023-01-17
(62)【分割の表示】P 2018542824の分割
【原出願日】2017-09-28
(65)【公開番号】P2023052428
(43)【公開日】2023-04-11
【審査請求日】2023-02-15
(31)【優先権主張番号】P 2016194519
(32)【優先日】2016-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000222141
【氏名又は名称】東洋アルミエコープロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100206195
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100224650
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 晴加
(72)【発明者】
【氏名】足立 将司
(72)【発明者】
【氏名】山岸 拓人
【審査官】太田 一平
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-114044(JP,A)
【文献】特開2002-085927(JP,A)
【文献】登録実用新案第3101063(JP,U)
【文献】特開2004-116971(JP,A)
【文献】特開2001-029720(JP,A)
【文献】特開平10-028825(JP,A)
【文献】特開平10-235125(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/10
B01D 46/42
F24F 8/108
F24F 8/80
F24F 7/00
F24F 13/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気清浄機の吸気口に取り付けて、前記吸気口を通過する空気をろ過するためのフィルター構造体(1、2)であって、
可撓性を有し、前記吸気口を被覆可能なサイズに設定され、シート状に形成されてなるフィルター本体(10、15)と、
前記フィルター本体の一方面において、前記吸気口の外周のサイズに応じた寸法関係に設定されると共に、前記フィルター本体の前記一方面における外周より中央側に位置する内方部を連続的に取り囲むように形成され、前記吸気口の外周に対して前記フィルター本体を固定するための固定部(20、22)とを備え、
前記固定部は、
前記フィルター本体の内方部を連続的に取り囲む外周部分と、前記フィルター本体の内方部に設けられる格子部分とを含み、
前記外周部分は、
端縁部に沿って延びる第2の帯状部と、
前記第2の帯状部の一端に接続し、端縁部に沿って延びる第4の帯状部とを有し、
前記格子部分は、前記第2の帯状部に対して平行に延びる第5の帯状部及び第6の帯状部と、前記第2の帯状部、前記第5の帯状部及び前記第6の帯状部に対して交差するように延びる第7の帯状部及び第8の帯状部とを有し、
前記第5の帯状部は、前記第6の帯状部よりも前記第2の帯状部に近い位置に形成されており、
前記第7の帯状部は、前記第8の帯状部よりも前記第4の帯状部に近い位置に形成されており、
前記第2の帯状部と前記第5の帯状部との間隔は、前記第5の帯状部と前記第6の帯状部との間隔よりも小さく設定されており、
前記第4の帯状部と前記第7の帯状部との間隔は、前記第7の帯状部と前記第8の帯状部との間隔よりも大きく設定されており、
前記固定部は、粘着剤が塗布されて形成され、
更に、前記フィルター本体の内方部において、フィルター構造体の取り換え時期を示す標識状に粘着剤が塗布されてなる標識部を含み、
前記標識部は、複数の標識要素から構成され、
前記外周部分の各帯状部及び前記格子部分の各帯状部により囲まれる領域部分には前記複数の標識要素が島状に散在するように形成されており、
ある一の前記領域部分内の前記複数の標識要素を結んだラインと、別の前記領域部分内の前記複数の標識要素を結んだラインとは、平行関係にあり、延長しても交わらないようずらして配置され、
前記固定部は、前記空気清浄機の背面吸気口の縦又は横のサイズに応じて、前記第5の帯状部、前記第6の帯状部、前記第7の帯状部及び前記第8の帯状部のいずれかに沿って切断して、前記空気清浄機の前記背面吸気口の周囲を取り囲むような粘着パターンである、フィルター構造体。
【請求項2】
前記フィルター本体の通気量は、1500~5000cc/cm/secに設定されている、請求項1記載のフィルター構造体。
【請求項3】
前記固定部は、粘着剤が塗布されて形成され、
更に、前記フィルター本体の内方部を通り、所定の間隔で帯状に形成された帯状部(31、35、36、37)を含む、請求項1又は請求項2記載のフィルター構造体。
【請求項4】
前記フィルター本体は、抗菌加工及び抗ウイルス加工の少なくとも一方が施されている、請求項1から請求項3のいずれかに記載のフィルター構造体。
【請求項5】
前記標識要素は、一辺が6~15mm且つ他辺が6~15mmである正方形又は長方形で形成される範囲内に収まる大きさである、請求項1から請求項4のいずれかに記載のフィルター構造体。
【請求項6】
前記複数の標識要素は、最も近接する標識要素同士が、上下左右のいずれかに互いにずらした状態で設けられている、請求項1から請求項5のいずれかに記載のフィルター構造体。
【請求項7】
空気清浄機の吸気口に取り付けて、前記吸気口を通過する空気をろ過するためのフィルター構造体であって、
可撓性を有し、前記吸気口を被覆可能なサイズに設定され、シート状に形成されてなるフィルター本体と、
前記フィルター本体の一方面において、前記吸気口の外周のサイズに応じた寸法関係に設定されると共に、前記フィルター本体の前記一方面における外周より中央側に位置する内方部を連続的に取り囲むように形成され、前記吸気口の外周に対して前記フィルター本体を固定するための固定部とを備え、
前記固定部は、
前記フィルター本体の内方部を連続的に取り囲む外周部分と、前記フィルター本体の内方部に設けられる格子部分とを含み、
前記外周部分は、
端縁部に沿って延びる第2の帯状部と、
前記第2の帯状部の一端に接続し、端縁部に沿って延びる第4の帯状部とを有し、
前記格子部分は、前記第2の帯状部に対して平行に延びる第5の帯状部及び第6の帯状部と、前記第2の帯状部、前記第5の帯状部及び前記第6の帯状部に対して交差するように延びる第7の帯状部及び第8の帯状部とを有し、
前記第5の帯状部は、前記第6の帯状部よりも前記第2の帯状部に近い位置に形成されており、
前記第7の帯状部は、前記第8の帯状部よりも前記第4の帯状部に近い位置に形成されており、
前記第2の帯状部と前記第5の帯状部との間隔は、前記第5の帯状部と前記第6の帯状部との間隔よりも小さく設定されており、
前記第4の帯状部と前記第7の帯状部との間隔は、前記第7の帯状部と前記第8の帯状部との間隔よりも大きく設定されており、
前記固定部は、粘着剤が塗布されて形成され、
更に、前記フィルター本体の内方部において、フィルター構造体の取り換え時期を示す標識状に粘着剤が塗布されてなる標識部を含み、
前記標識部は、複数の標識要素から構成され、
前記外周部分の各帯状部及び前記格子部分の各帯状部により囲まれる領域部分には前記複数の標識要素が島状に散在するように形成されており、
前記標識要素は、一辺が6~15mm且つ他辺が6~15mmである正方形又は長方形で形成される範囲内に収まる大きさであり、
前記複数の標識要素は、最も近接する標識要素同士が、上下左右のいずれかに互いにずらした状態で設けられており、
前記フィルター本体は、縦35~45cm、幅19~38cmのサイズに設定され、
前記固定部は、前記空気清浄機の背面吸気口の縦又は横のサイズに応じて、前記第5の帯状部、前記第6の帯状部、前記第7の帯状部及び前記第8の帯状部のいずれかに沿って切断して、前記空気清浄機の前記背面吸気口の周囲を取り囲むような粘着パターンである、フィルター構造体。
【請求項8】
空気清浄機の吸気構造(70)であって、
空気清浄機の背面に設けられ、縦33~55cm、幅19~38cmのサイズに設定されている背面吸気口と、
前記背面吸気口の外周に位置合わせをして取り付けられた、請求項1から請求項のいずれかに記載のフィルター構造体とを備える、空気清浄機の吸気構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はフィルター構造体及び空気清浄機の吸気構造に関し、特に、空気清浄機の吸気口に取り付けて、吸気口を通過する空気をろ過するための空気清浄機用のフィルター構造体及びこれを取り付けた空気清浄機の吸気構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、クーラーやエアーコンディショナー、除湿機又は空気清浄機等の空気吸入面を有する機械にカバーを取り付けて、空気吸入面をはじめとする機械外部へのよごれの付着を防止することが提案されている。
【0003】
例えば、日本国特開平11-83069号公報では、カバー本体にひも又はひもの先端に面ファスナーを設けたものや、カバー本体にゴムを設けたものを、機械に対して脱着自在に装着する技術が開示されている。又、カバー本体に折り込み部分を設けて、様々なメーカーや機種のサイズの空気吸入面に対応することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】日本国特開平11-83069号公報
【0005】
しかしながら、一般的に、エアーコンディショナーの空気吸入面のサイズのほうが、床置式の除湿機、空気清浄機の空気吸入面のサイズよりも大きい傾向がある。このため、上述の従来技術では、除湿機、空気清浄機にカバーを装着する際には、相当程度折り込み部分を設けなければならない場合があった。よって、上述の従来技術では、エアーコンディショナーや空気清浄機等と兼用としたことにより、折り込み部分で空気吸入の抵抗が低下するおそれがあった。
【0006】
空気清浄機用のフィルターとしては、空気清浄機の吸気口にフィルターを取り付ける手法として、フィルターの四隅に、面ファスナーを取り付け、面ファスナーを介してフィルターを吸気口の周囲に固定することも提案されている。しかしながら、この手法では、フィルター本体の通気抵抗のほうが、面ファスナーで固定されていない隙間の部分の通気抵抗よりも大きいため、空気が、あまりフィルター本体を通過せずに、当該隙間の部分を通過してしまう傾向があった。このため、フィルター本体のろ過性能を充分に生かし切れないという課題があった。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、空気がフィルター本体を通過し、フィルター本体のろ過性能を生かすことができるフィルター構造体及び空気清浄機の吸気構造を提供することを目的とする。
【発明の開示】
【0008】
上記の目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるフィルター構造体は、空気清浄機の吸気口に取り付けて、吸気口を通過する空気をろ過するためのフィルター構造体であって、可撓性を有し、吸気口を被覆可能なサイズに設定され、シート状に形成されてなるフィルター本体と、フィルター本体の一方面において、吸気口の外周のサイズに応じた寸法関係に設定されると共に、フィルター本体の一方面における外周より中央側に位置する内方部を連続的に取り囲むように形成され、吸気口の外周に対してフィルター本体を固定するための固定部とを備え、固定部は、フィルター本体の内方部を連続的に取り囲む外周部分と、フィルター本体の内方部に設けられる格子部分とを含み、外周部分は、端縁部に沿って延びる第2の帯状部と、第2の帯状部の一端に接続し、端縁部に沿って延びる第4の帯状部とを有し、格子部分は、第2の帯状部に対して平行に延びる第5の帯状部及び第6の帯状部と、第2の帯状部、第5の帯状部及び第6の帯状部に対して交差するように延びる第7の帯状部及び第8の帯状部とを有し、第5の帯状部は、第6の帯状部よりも第2の帯状部に近い位置に形成されており、第7の帯状部は、第8の帯状部よりも第4の帯状部に近い位置に形成されており、第2の帯状部と第5の帯状部との間隔は、第5の帯状部と第6の帯状部との間隔よりも小さく設定されており、第4の帯状部と第7の帯状部との間隔は、第7の帯状部と第8の帯状部との間隔よりも大きく設定されており、固定部は、粘着剤が塗布されて形成され、更に、フィルター本体の内方部において、フィルター構造体の取り換え時期を示す標識状に粘着剤が塗布されてなる標識部を含み、標識部は、複数の標識要素から構成され、外周部分の各帯状部及び格子部分の各帯状部により囲まれる領域部分には複数の標識要素が島状に散在するように形成されており、ある一の領域部分内の複数の標識要素を結んだラインと、別の領域部分内の複数の標識要素を結んだラインとは、平行関係にあり、延長しても交わらないようずらして配置され、固定部は、空気清浄機の背面吸気口の縦又は横のサイズに応じて、第5の帯状部、第6の帯状部、第7の帯状部及び第8の帯状部のいずれかに沿って切断して、空気清浄機の背面吸気口の周囲を取り囲むような粘着パターンであるものである。
【0009】
このように構成すると、使用時において、空気がフィルター本体を通過するようになる。又、使用が進むと、標識部の周囲に埃が付着する。更に、標識要素が空気清浄機の背面吸気口の格子の間を防ぐことを抑制でき、且つ使用が進んだときの標識要素の視認性が高まる。更に、標識要素の位置関係を領域部分ごとにずらすことができる。
【0010】
この発明の第2の局面におけるフィルター構造体は、第1の局面における発明の構成において、フィルター本体の通気量は、1500~5000cc/cm/secに設定されているものである。
【0011】
このように構成すると、空気清浄機の通気を過度には妨げない通気量となる。
【0012】
この発明の第3の局面におけるフィルター構造体は、第1の局面又は第2の局面における発明の構成において、固定部は、粘着剤が塗布されて形成され、更に、フィルター本体の内方部を通り、所定の間隔で帯状に形成された帯状部を含むものである。
【0013】
このように構成すると、フィルター本体の内方部において固定のための粘着力が生じる。
【0014】
この発明の第4の局面におけるフィルター構造体は、第1の局面から第3の局面のいずれかにおける発明の構成において、フィルター本体は、抗菌加工及び抗ウイルス加工の少なくとも一方が施されているものである。
【0015】
このように構成すると、菌又はウイルスの発生又は増殖を抑制することができる。
【0020】
この発明の第の局面におけるフィルター構造体は、第1の局面から第4の局面のいずれかにおける発明の構成において、標識要素は、一辺が6~15mm且つ他辺が6~15mmである正方形又は長方形で形成される範囲内に収まる大きさであるものである。
【0021】
このように構成すると、標識要素が空気清浄機の背面吸気口の格子の間を防ぐことを抑制でき、且つ使用が進んだときの標識要素の視認性が高まる。
【0022】
この発明の第の局面におけるフィルター構造体は、第1の局面から第5の局面のいずれかにおける発明の構成において、複数の標識要素は、最も近接する標識要素同士が、上下左右のいずれかに互いにずらした状態で設けられているものである。
【0023】
このように構成すると、より確実に標識部の標識要素の周囲に埃が付着する。
この発明の第7の局面におけるフィルター構造体は、空気清浄機の吸気口に取り付けて、吸気口を通過する空気をろ過するためのフィルター構造体であって、可撓性を有し、吸気口を被覆可能なサイズに設定され、シート状に形成されてなるフィルター本体と、フィルター本体の一方面において、吸気口の外周のサイズに応じた寸法関係に設定されると共に、フィルター本体の一方面における外周より中央側に位置する内方部を連続的に取り囲むように形成され、吸気口の外周に対してフィルター本体を固定するための固定部とを備え、固定部は、フィルター本体の内方部を連続的に取り囲む外周部分と、フィルター本体の内方部に設けられる格子部分とを含み、外周部分は、端縁部に沿って延びる第2の帯状部と、第2の帯状部の一端に接続し、端縁部に沿って延びる第4の帯状部とを有し、格子部分は、第2の帯状部に対して平行に延びる第5の帯状部及び第6の帯状部と、第2の帯状部、第5の帯状部及び第6の帯状部に対して交差するように延びる第7の帯状部及び第8の帯状部とを有し、第5の帯状部は、第6の帯状部よりも第2の帯状部に近い位置に形成されており、第7の帯状部は、第8の帯状部よりも第4の帯状部に近い位置に形成されており、第2の帯状部と第5の帯状部との間隔は、第5の帯状部と第6の帯状部との間隔よりも小さく設定されており、第4の帯状部と第7の帯状部との間隔は、第7の帯状部と第8の帯状部との間隔よりも大きく設定されており、固定部は、粘着剤が塗布されて形成され、更に、フィルター本体の内方部において、フィルター構造体の取り換え時期を示す標識状に粘着剤が塗布されてなる標識部を含み、標識部は、複数の標識要素から構成され、外周部分の各帯状部及び格子部分の各帯状部により囲まれる領域部分には複数の標識要素が島状に散在するように形成されており、標識要素は、一辺が6~15mm且つ他辺が6~15mmである正方形又は長方形で形成される範囲内に収まる大きさであり、複数の標識要素は、最も近接する標識要素同士が、上下左右のいずれかに互いにずらした状態で設けられており、フィルター本体は、縦35~45cm、幅19~38cmのサイズに設定され、固定部は、空気清浄機の背面吸気口の縦又は横のサイズに応じて、第5の帯状部、第6の帯状部、第7の帯状部及び第8の帯状部のいずれかに沿って切断して、空気清浄機の背面吸気口の周囲を取り囲むような粘着パターンであるものである。
このように構成すると、使用時において、空気がフィルター本体を通過するようになる。又、使用が進むと、標識部の周囲に埃が付着する。更に、標識要素が空気清浄機の背面吸気口の格子の間を防ぐことを抑制でき、且つ使用が進んだときの標識要素の視認性が高まる。更に、標識要素の位置関係を領域部分ごとにずらすことができる。
【0024】
この発明の第8の局面における空気清浄機の吸気構造は、空気清浄機の吸気構造であって、空気清浄機の背面に設けられ、縦33~55cm、幅19~38cmのサイズに設定されている背面吸気口と、背面吸気口の外周に位置合わせをして取り付けられた、第1の局面から第の局面のいずれかにおけるフィルター構造体とを備えたものである。
【0025】
このように構成すると、使用時において、空気がフィルター本体を通過する空気清浄機の吸気構造が得られる。
【0028】
以上説明したように、この発明の第1の局面におけるフィルター構造体は、使用時において、空気がフィルター本体を通過するようになるので、フィルター本体の機能を有効に活用することができる。又、使用が進むと、標識部の周囲に埃が付着するため、標識部が埃によって浮き上がりフィルター構造体の取り換え時期を示すことができる。更に、標識要素が空気清浄機の背面吸気口の格子の間を防ぐことを抑制でき、且つ使用が進んだときの標識要素の視認性が高まるので、標識要素が、より確実にフィルター構造体の取り換え時期を示す標識として機能する。更に、標識要素の位置関係を領域部分ごとにずらすことができるため、すべての標識要素がうまく浮き上がらなくなってしまうことを避けることができる。
【0029】
この発明の第2の局面におけるフィルター構造体は、第1の局面における発明の効果に加えて、空気清浄機の通気を過度には妨げない通気量となるため、空気清浄機の運転に支障が生じることを避けることができる。
【0030】
この発明の第3の局面におけるフィルター構造体は、第1の局面又は第2の局面における発明の効果に加えて、フィルター本体の内方部において固定のための粘着力が生じるので、空気清浄機への取り付けがより確実なものとなる。
【0031】
この発明の第4の局面におけるフィルター構造体は、第1の局面から第3の局面のいずれかにおける発明の効果に加えて、菌又はウイルスの発生又は増殖を抑制することができるので、衛生面で有利となる。
【0034】
この発明の第の局面におけるフィルター構造体は、第1の局面から第4の局面のいずれかにおける発明の効果に加えて、標識要素が空気清浄機の背面吸気口の格子の間を防ぐことを抑制でき、且つ使用が進んだときの標識要素の視認性が高まるので、標識要素が、より確実にフィルター構造体の取り換え時期を示す標識として機能する。
【0035】
この発明の第6の局面におけるフィルター構造体は、第1の局面から第5の局面のいずれかにおける発明の効果に加えて、より確実に標識部の標識要素の周囲に埃が付着するので、標識部の標識要素がうまく浮き上がらなくなってしまうことを避けることができる。
この発明の第7の局面におけるフィルター構造体は、使用時において、空気がフィルター本体を通過するようになるので、フィルター本体の機能を有効に活用することができる。又、使用が進むと、標識部の周囲に埃が付着するため、標識部が埃によって浮き上がりフィルター構造体の取り換え時期を示すことができる。更に、標識要素が空気清浄機の背面吸気口の格子の間を防ぐことを抑制でき、且つ使用が進んだときの標識要素の視認性が高まるので、標識要素が、より確実にフィルター構造体の取り換え時期を示す標識として機能する
【0036】
この発明の第の局面における空気清浄機の吸気構造は、第1の局面から第の局面のいずれかにおける発明の効果に加えて、使用時において、空気がフィルター本体を通過する空気清浄機の吸気構造が得られるようになるので、フィルター本体の機能を有効に活用することができる一方で、空気清浄機の内部の埃汚れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】この発明の第1の実施の形態による空気清浄機用フィルター構造体の外観形状を示した平面図である。
図2図1に示したII-IIラインの端面図である。
図3図2に示したX1部分の拡大図である。
図4】空気清浄機の外観を示す図であり、(a)は、空気清浄機の正面側の外観形状を示しており、(b)は、空気清浄機の背面側の外観形状を示している。
図5】フィルター構造体を空気清浄機に取り付ける取付工程を示す図である。
図6】この発明の第2の実施の形態による空気清浄機の吸気構造の外観形状を示す平面図であって、図1に対応するものである。
図7】この発明の第3の実施の形態による空気清浄機の吸気構造の外観形状を示す平面図であって、図6に対応するものである。
図8】この発明の第4の実施の形態によるフィルター構造体の外観形状を示した平面図であり、図6に対応するものである。
図9】この発明の第5の実施の形態によるフィルター構造体の外観形状を示した平面図であり、図7に対応するものである。
図10】この発明の第6の実施の形態によるフィルター構造体の外観形状を示した平面図であり、図6に対応するものである。
図11】フィルター構造体をエアーコンディショナーに取り付ける取付工程を示す図である。
図12】フィルター構造体を空気清浄機に取り付ける取付工程を示す図である。
図13図12に示した取付工程に続く工程を示す図である。
図14】この発明の第7の実施の形態によるフィルター構造体の外観形状を示した平面図であり、図12のS31に対応するものである。
図15】この発明の第8の実施の形態によるフィルター構造体の外観形状を示した平面図であり、図1に対応するものである。
図16図15に示したフィルター構造体の底面図である。
図17】この発明の第9の実施の形態によるフィルター構造体の外観形状を示した平面図であり、図15に対応するものである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、この発明の第1の実施の形態による空気清浄機用フィルター構造体の外観形状を示した平面図であり、図2は、図1に示したII-IIラインの端面図であり、図3は、図2に示したX1部分の拡大図である。
【0040】
これらの図を参照して、フィルター構造体1は、空気清浄機の吸気口に取り付けて、吸気口を通過する空気をろ過するための空気清浄機用のものであり、フィルター本体10と、固定部20とを備える。
【0041】
フィルター本体10は、可撓性を有し、吸気口を被覆可能なサイズに設定され、シート状に形成されてなる不織布等により構成されている。
【0042】
又、フィルター本体10は、平面視において略矩形形状に形成されており、略矩形形状の長辺の長さW11が略38.5cmに設定され、短辺の長さW12が略25cmに設定されている。又、フィルター本体10には、光触媒の無機系薬剤が添加される抗ウイルス加工がなされており、ウイルスの発生を抑制することができ衛生面で有利である。又、フィルター本体10の通気量は、1500~5000cc/cm/secに設定されている。このような通気量に設定されているので、空気清浄機の通気を過度には妨げず、空気清浄機の運転に支障が生じることを避けることができる。例えば、使用時に、空気清浄機において目詰まりのエラーが発生することを避けることができる。
【0043】
固定部20は、フィルター本体10の一方面において、吸気口の外周のサイズに応じた寸法関係に設定されると共に、フィルター本体10の内方部を略連続的に取り囲むように形成される。
【0044】
又、固定部20は、フィルター本体10の一方面において、フィルター本体10の略矩形形状の端縁部に沿って、粘着剤(ウレタン系粘着剤等)が略ロの字形状の帯状に塗布されて形成される。固定部20は、この塗布された粘着剤により、空気清浄機の吸気口の外周に対してフィルター本体10を固定することができる。固定部20の帯状の幅W21は、1.0cmに設定されている。
【0045】
以上のようにフィルター構造体1を構成する効果については後述する。
【0046】
次に、フィルター構造体1を空気清浄機に取り付ける場合について説明する。
【0047】
図4は、空気清浄機の外観を示す図であり、(a)は、空気清浄機の正面側の外観形状を示しており、(b)は、空気清浄機の背面側の外観形状を示しており、図5は、フィルター構造体を空気清浄機に取り付ける取付工程を示す図である。
【0048】
まず、図4の(a)及び(b)に示すように、空気清浄機60は、縦H61=64cm、幅W61=24cmに設定されている背面部61と、背面部61に設けられ、縦H62=37cm、幅W62=24cm(=W61)のサイズに設定されている背面吸気口部62とを備える。背面吸気口部62は、略直角四角形形状の開口が縦横に整列された状態で配置されてなる構成である。
【0049】
次に、図5を参照して、S1に示すように、粘着部20の側を背面吸気口部62に対向させて、矢印方向に、フィルター本体10を背面吸気口部62の外方に位置する外周63に位置合わせをして取り付けると、S2に示すように取り付けが完了し空気清浄機の吸気構造70が完成する。
【0050】
このような吸気構造70では、空気清浄機の使用時において、空気がフィルター本体10を通過して空気清浄機の吸気口に流入するようになるので、フィルター本体10のろ過機能及び抗ウイルス機能を有効に活用することができる。
【0051】
図6は、この発明の第2の実施の形態による空気清浄機の吸気構造の外観形状を示す平面図であって、図1に対応するものである。
【0052】
尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0053】
同図を参照して、この第2の実施の形態によるフィルター構造体1の固定部20では、第1の実施の形態のものにおいて、更に、帯状部31と、標識部32と、輪郭部33とを備える。
【0054】
帯状部31は、略矩形形状の短辺に対し、θ=45°の角度で交差するようにフィルター本体10の内方部を通り、長辺方向に所定の間隔W31=6.0cmで形成されている。又、帯状部31の幅W32は、0.8cmに設定されている。
【0055】
標識部32は、帯状部31の少なくとも一部に重なり合うようにして設けられ、フィルター構造体1の取り換え時期を示す標識状、すなわち「とりかえてネ(日本語)」の反転文字状に粘着剤が塗布されたものである。
【0056】
輪郭部33は、標識部32の周囲に設けられ、粘着剤が塗布されていない部分である。
【0057】
このように構成すると、フィルター本体10の内方部において固定のための粘着力が生じるので、空気清浄機への取り付けがより確実なものとなる。
【0058】
図7は、この発明の第3の実施の形態による空気清浄機の吸気構造の外観形状を示す平面図であって、図6に対応するものである。
【0059】
尚、説明に当たっては、基本的には第2の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0060】
同図を参照して、この第3の実施の形態によるフィルター構造体1の固定部20では、第2の実施の形態における帯状部31を、帯状部35に置き換えている。
【0061】
帯状部35は、略矩形形状の短辺に対して、θ=略45°及びγ=略135°のそれぞれの角度で交差する構成である。言い換えれば、帯状部35は、X字状の格子形状を有する。このため、第2の実施の形態のものと比べて、より粘着力を補強することができる。
【0062】
図8は、この発明の第4の実施の形態によるフィルター構造体の外観形状を示した平面図であり、図6に対応するものである。
【0063】
尚、説明に当たっては、基本的には第2の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0064】
同図を参照して、この第4の実施の形態にあっては、第2の実施の形態における帯状部31を、帯状部36に置き換えている。
【0065】
帯状部36は、略矩形形状の短辺に対して、略直交するように、フィルター本体10の内方部を通り延びる帯が、長辺方向に所定の間隔で形成されてなる構成である。言い換えれば、帯状部36は、I字状の堅格子形状を有する。
【0066】
このような構成によっても、フィルター本体10の内方部において固定のための粘着力が生じるので、空気清浄機への取り付けがより確実なものとなる。
【0067】
図9は、この発明の第5の実施の形態によるフィルター構造体の外観形状を示した平面図であり、図7に対応するものである。
【0068】
尚、説明に当たっては、基本的には第3の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0069】
同図を参照して、この第5の実施の形態にあっては、固定部20は、第3の実施の形態における固定部20から、外周の略ロの字形状の帯状の部分を取り除いたような構成である。すなわち、固定部20は、略矩形形状の短辺に対して、θ=略45°及びγ=略135°のそれぞれの角度で交差するX字状の格子形状を有する帯状部37を備える。
【0070】
帯状部37の外周部、すなわち折れ線Lに沿って延びる部分は、フィルター本体内方部を連続的に取り囲むように形成されている。又、帯状部37の外周部のサイズ(すなわち、閉じた折れ線Lのサイズ)は、取り付け対象となる空気清浄機の吸気口の外周の形状Pよりも一回り大きく設定されている。
【0071】
このように、固定部20では、ロの字形状には限られず、吸気口の外周のサイズに応じた寸法関係に設定されると共に、フィルター本体10の内方部を略連続的に取り囲むような形状であれば、任意の形状を採用することができる。このような構成によれば、使用時において、空気がフィルター本体を通過するようになる。
【0072】
図10は、この発明の第6の実施の形態によるフィルター構造体の外観形状を示した平面図であり、図6に対応するものである。
【0073】
尚、説明に当たっては、基本的には第2の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0074】
同図を参照して、この第6の実施の形態にあっては、フィルター構造体2は、一部を切り取ったものを又は全部を対象物に貼着して、通過する空気をろ過するためのものであって、空気清浄機用だけでなく、エアーコンディショナー用を兼ねる。
【0075】
具体的には、フィルター構造体2は、可撓性を有し、エアーコンディショナーの吸気口を被覆可能なサイズに設定され、平面視において略矩形形状のシート状よりなるフィルター本体15と、フィルター本体15の一方面において設けられ、対象物に対してフィルター本体15を固定するための固定部22とを備える構成である。
【0076】
フィルター本体15のサイズは、略矩形形状の長辺の長さW41が略80cmに設定され、短辺の長さW42が略38cmに設定されている。
【0077】
固定部22は、粘着剤が塗布されて形成されるものであり、第2の実施の形態による固定部20と同様、帯状部31と、標識部32と、輪郭部33とを含むと共に、更に、以下に説明する9つの帯状部を含む。
【0078】
第1の帯状部41は、略矩形形状の一辺の端縁部11に沿って延びる。
【0079】
第2の帯状部42は、略矩形形状の一辺に対向する対向辺の端縁部12に沿って延びる。
【0080】
第3の帯状部43は、略矩形形状の一辺と対向辺とを結ぶ接続辺の端縁部13に沿って延びる。
【0081】
第4の帯状部44は、第3の帯状部43と平行に延び、第3の帯状部43から所定の幅だけ離間して設けられる。
【0082】
第5の帯状部45は、上述の接続辺に対向する辺の端縁部14に沿って延びる。すなわち、第5の帯状部45は、第3の帯状部43に対向する位置関係にある。
【0083】
第6の帯状部46は、フィルター本体15の略矩形形状の一対の短辺の中央同士を結ぶ仮想線Mの第1の帯状部41側において仮想線Mに沿って延びるように形成されている。
【0084】
第7の帯状部47は、仮想線Mの第2の帯状部42側において仮想線Mに沿って延びるように形成されている。
【0085】
第8の帯状部48は、第6の帯状部46に対して、第1の帯状部41側に離間して形成される。
【0086】
第9の帯状部49は、第7の帯状部47に対して、第2の帯状部42側に離間して形成される。
【0087】
又、固定部22では、第1の帯状部の一部41a、第2の帯状部の一部42a、第3の帯状部43及び第4の帯状部44からなるロの字形状のサイズ(すなわち、閉じた折れ線Lのサイズ)は、空気清浄機の吸気口の外周のサイズに応じた寸法関係に設定されている。
【0088】
このように構成すると、フィルター構造体2は、フィルター本体15をカットしない状態では、エアーコンディショナー用のものとなり、フィルター本体15を第4の帯状部44におけるロの字形状の外方側(すなわち、直線C)に沿ってカットした状態では、空気清浄機用のものとなる。
【0089】
以下、フィルター構造体2をエアーコンディショナー及び空気清浄機のそれぞれに取り付ける場合について順に説明する。
【0090】
図11は、フィルター構造体をエアーコンディショナーに取り付ける取付工程を示す図である。
【0091】
同図を参照して、S21に示すように、フィルター構造体2を、仮想線M(図10参照)に沿って、山折りに折り曲げた状態で、フィルター本体15の固定部22側を、エアーコンディショナー50の前面吸気口51に対向させて、矢印方向にフィルター構造体2を前面吸気口51に貼り付ける。
【0092】
次に、S22に示すように、更に、上面吸気口52を覆うようにフィルター構造体2を矢印方向に取り付けると、S23に示すように取付完了状態となる。
【0093】
尚、フィルター構造体2のフィルター本体15は、図10を用いて説明した通り、略矩形形状の長辺の長さW41が略80cmに設定され、短辺の長さW42が略38cmに設定されているため、よく用いられる家庭用のエアーコンディショナーの吸気口のサイズによく適合する。よって、メーカー・機種が異なるエアーコンディショナーの間で汎用性の高いフィルター構造体2が得られる。
【0094】
又、第6の帯状部46~第9の帯状部49により、中央付近において粘着力を生じさせることができるため、エアーコンディショナーの取付工程のときのように、中央付近でフィルター本体を折り曲げて使用するような場合において、対象物への固定がより確実なものとなる。
【0095】
次に、フィルター構造体2を空気清浄機に取り付ける場合について説明する。
【0096】
図12は、フィルター構造体を空気清浄機に取り付ける取付工程を示す図であり、図13は、図12に示した取付工程に続く工程を示す図である。
【0097】
まず、図12を参照して、S31に示すように、フィルター本体15の長辺を、直線Cでカットして、カット後のフィルター本体16を準備する。
【0098】
次に、S32に示すように、固定部22を背面吸気口部62に対向させて、矢印方向に、カット後のフィルター本体16を背面吸気口部62の外周63に位置合わせをして取り付けると、図13のS33に示すように取り付けが完了し空気清浄機の吸気構造70が完成する。
【0099】
フィルター構造体2は、カット前のフィルター本体15の長辺方向が、水平方向に一致するように、空気清浄機の背面吸気口部62に取り付けられている。フィルター本体16において、固定部に含まれるロの字形状のサイズ(すなわち、閉じた折れ線Lのサイズ)は、背面吸気口部62が収まるような寸法関係(閉じた折れ線Lが、外周63に対応するような寸法関係)に設定されている。
【0100】
以上のように、フィルター構造体2は、カットに応じて、エアーコンディショナーと、空気清浄機とのいずれかの機器に手軽に取り付け可能で、且つ、塵埃の侵入をより確実に抑制できるものである。
【0101】
図14は、この発明の第7の実施の形態によるフィルター構造体の外観形状を示した平面図であり、図12のS31に対応するものである。
【0102】
尚、説明に当たっては、基本的には第6の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0103】
同図を参照して、この第7の実施の形態にあっては、第6の実施の形態によるものとフィルター構造体2の取り付けの向きが異なる。
【0104】
フィルター構造体2は、カット前のフィルター本体15の長辺方向が、上下方向に一致するように、空気清浄機の吸気口(不図示)に取り付けられている。フィルター本体16において、固定部に含まれるロの字形状のサイズ(すなわち、閉じた折れ線Lのサイズ)は、空気清浄機の吸気口の外周の形状Pに応じた寸法関係に設定されている。
【0105】
空気清浄機の吸気口のサイズなどに応じて、このような向きにフィルター構造体2を取り付けてもよい。
【0106】
尚、上記の各実施の形態では特定の寸法を有するフィルター構造体について説明したが、これに限られない。例えば、フィルター本体の略矩形形状の長辺の長さ及び短辺の長さを入れ替えてもよい。
【0107】
又、上記の各実施の形態では、特定の目付及び通気量のフィルター本体について説明したが、これに限られない。
【0108】
更に、上記の各実施の形態では特定の形状の部分を有する固定部について説明したが、これに限られない。固定部は、フィルター本体の一方面において、空気清浄機の吸気口の外周のサイズに応じた寸法関係に設定されると共に、フィルター本体の内方部を略連続的に取り囲むように形成される部分を含んでいれば、特に限定されない。又、空気清浄機の吸気口への直接の空気の侵入が防げるようであれば、フィルター本体の内方部を完全に連続的に取り囲む形状でなくても構わない。
【0109】
更に、上記の各実施の形態では、空気清浄機に対してフィルター本体を固定するため固定部が、粘着剤が塗布されて形成されていることについて説明したがこれに限られない。固定部は、面ファスナーや両面テープから形成されていても構わない。
【0110】
更に、上記の各実施の形態では、フィルター構造体を、空気清浄機の背面吸気口に取り付ける例について主に説明したが、背面吸気口だけでなくその他の吸気口に取り付けても構わない。
【0111】
更に、上記の第2の実施の形態等では固定部が標識部及び輪郭部を備える構成について説明したが、これら標識部及び輪郭部は省略してもよい。
【0112】
更に、上記の各実施の形態では、フィルター本体に抗ウイルス加工が施されていることについて説明したが、これに限られない。フィルター本体には、抗菌加工及び抗ウイルス加工の少なくとも一方が施されていればよい。又、これらの加工は、上述したような光触媒等の無機系薬剤によるものでも、有機系薬剤によるものでも、或いはこれらの組み合わせでもよく、特に制限はない。又、例えば、光触媒を構成する酸化チタン粒子に銅を担持したものを用いてもよい。これにより菌又はウイルスの発生又は増殖を抑制することができる。
【0113】
更に、上記の各実施の形態では特に説明しなかったが、空気清浄機の背面吸気口のサイズは、幅(W62)24、25、26、30、33cm、縦(H62)38、40cmの組み合わせのものが多く、概ね縦33~45cm、幅19~38cmのサイズに設定されているといえる。すなわち、フィルター本体は、このような背面吸気口を被覆可能なサイズ、例えば、縦35~45cm、幅19~38cmのサイズに設定されていればよい。
【0114】
更に、上記の第6及び第7の実施の形態では、対象物に応じてカットすることで、エアーコンディショナーと、空気清浄機との両方の機器に手軽に取り付け可能なようにフィルター本体のサイズが長辺の長さW11が略80cmに設定され、短辺の長さW12が略38cmに設定されていたが、これに限られない。
【0115】
更に、上記の各実施の形態では特に説明しなかったが、空気清浄機の背面及び背面吸気口は、粘着剤による接着の観点から言えば、ポリスチレン(PS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)などの合成樹脂からなる部材により構成されていることが好ましい。
【0116】
更に、上記の第1の実施の形態では、粘着部がウレタン系粘着剤からなることを説明したがこれに限られない。粘着部を、アクリル系粘着剤又はシリコーン系粘着剤等により形成してもよい。
【0117】
更に、上記の各実施の形態では、特に説明しなかったが、固定部の面積のフィルター本体の面積に対する割合は、約40%であっても構わない。又、上記割合は、60%以下であることが好ましく、55%以下であることがより好ましい。
【0118】
図15は、この発明の第8の実施の形態によるフィルター構造体の外観形状を示した平面図であり、図1に対応するものであり、図16は、図15に示したフィルター構造体の底面図である。
【0119】
尚、説明に当たっては、第1の実施の形態によるものとの相違点を中心に説明する。
【0120】
これらの図を参照して、この第8の実施の形態にあっては、フィルター構造体80は、空気清浄機の吸気口のサイズに応じてカットすることが可能である。具体的には、固定部20は、フィルター本体10の内方部を略連続的に取り囲む外周部分と、外周部分の内方領域、すなわち、フィルター本体10の内方部に設けられる格子部分とを含む。
【0121】
外周部分は、略矩形形状の一辺の端縁部11に沿って延びる第1の帯状部41と、略矩形形状の一辺に対向する対向辺の端縁部12に沿って延びる第2の帯状部42と、略矩形形状の一辺と対向辺とを結ぶ接続辺の端縁部13に沿って延びる第3の帯状部43と、上述の接続辺に対向する辺の端縁部14に沿って延びる第4の帯状部81とから構成される。
【0122】
格子部分は、第1の帯状部41及び第2の帯状部42に対して平行に延びる第5の帯状部82及び第6の帯状部83と、第1の帯状部41、第2の帯状部42、第5の帯状部82及び第6の帯状部83に対して略直交するように延びる第7の帯状部84及び第8の帯状部85とから構成される。
【0123】
すなわち、第7の帯状部84及び第8の帯状部85は、第3の帯状部43と平行に延び、第3の帯状部43から所定の幅だけ離間して設けられている。又、第4の帯状部81は、第3の帯状部43に対向する位置関係にある。
【0124】
そして、フィルター構造体80のサイズは以下の通り設定されている。
【0125】
第3の帯状部43、第4の帯状部81、第7の帯状部84、第8の帯状部85の幅(H90):10.0mm
フィルター本体10の長辺の長さ(H80) :560.0mm
第4の帯状部81の外方端から第3の帯状部43の外方端までの長さ(H81):550.0mm
第7の帯状部84の外方端から第3の帯状部43の外方端までの長さ(H82):440.0mm
第8の帯状部85の外方端から第3の帯状部43の外方端までの長さ(H83):380.0mm
第4の帯状部81の内方端から第3の帯状部43の内方端までの長さ(H84):530.0mm
第7の帯状部84の内方端から第3の帯状部43の内方端までの長さ(H85):420.0mm
第8の帯状部85の内方端から第3の帯状部43の内方端までの長さ(H86):360.0mm
第1の帯状部41、第2の帯状部42、第5の帯状部82及び第6の帯状部83の幅(W90):10.0mm
フィルター本体10の短辺の長さ(W80):380.0mm
第1の帯状部41の外方端から第2の帯状部42の外方端までの長さ(W81):370.0mm
第1の帯状部41の外方端から第5の帯状部82の外方端までの長さ(W82):350.0mm
第1の帯状部41の外方端から第6の帯状部83の外方端までの長さ(W83):270.0mm
第1の帯状部41の内方端から第2の帯状部42の内方端までの長さ(W84):350.0mm
第1の帯状部41の内方端から第5の帯状部82の内方端までの長さ(W85):330.0mm
第1の帯状部41の内方端から第6の帯状部83の内方端までの長さ(W86):250.0mm
このように設定する効果について説明すると以下の通りである。
【0126】
まず、空気清浄機の背面吸気口のサイズは大別すると、250mm×360mm、330mm×420mm、350mm×530mmの3種類のものがよく見受けられる。
【0127】
これら3種類のサイズの背面吸気口の外周部分で接着剤による接着を行おうとすると、粘着剤の幅を10.0mmとすると、固定部20の外郭のサイズ(外周部分の外郭のサイズ)は、270mm×380mm、350mm×440mm、370mm×550mmと設定すればよく、上述のH81~H86、W81~W86の各サイズはこれに適合するような設定となっている。
【0128】
尚、フィルター構造体80の製造上、原反を切り出して製造するが、粘着剤が塗布された箇所では裁断しないので、フィルター本体10全体のサイズは、耳となる部分を両サイド5mmずつ設けた380mm(W80)×560mm(H80)となる。
【0129】
空気清浄機の背面吸気口への取り付けに際しては、フィルター構造体80を、上述したような空気清浄機の背面吸気口の縦又は横のサイズに応じて、格子部分の帯状部(82、83、84、85)に沿って切断すれば、空気清浄機の背面吸気口の周囲を取り囲むような粘着パターンが得られる。
【0130】
図17は、この発明の第9の実施の形態によるフィルター構造体の外観形状を示した平面図であり、図15に対応するものである。
【0131】
尚、説明に当たっては、基本的には第8の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0132】
同図を参照して、この第9の実施の形態にあっては、第8の実施の形態における固定部20において、更に、格子部分において、第1の帯状部41等に対して平行に延びる第9の帯状部91及び第10の帯状部92と、第1の帯状部41等に対して略直交するように延びる第11の帯状部93及び第12の帯状部94とが含まれる。更に、固定部20は、外周部分の帯状部(41、42、43、81)及び格子部分の帯状部(82、83、84、85、91、92、93、94)により囲まれる各領域部分内に設けられる標識部95を含む。
【0133】
第9の帯状部91及び第10の帯状部92は、それぞれ、フィルター本体10の略矩形形状の一対の短辺の中央同士を結ぶ中心線に関し、第5の帯状部82及び第6の帯状部83と線対称になるように配置される。
【0134】
第11の帯状部93及び第12の帯状部94は、それぞれ、フィルター本体10の略矩形形状の一対の長辺の中央同士を結ぶ中心線に関し、第7の帯状部84及び第8の帯状部85と線対称になるように配置される。
【0135】
標識部95は、複数のハート形状により構成され、使用が進むと標識部95のハート形状の周囲に埃が付着することで標識部95のハート形状が浮き上がり、フィルター構造体80の取り換え時期を示すことができる。このハート形状のサイズは、特に制限はないが、13mm×13mmに設定することが好ましい。
【0136】
このようにハート形状のサイズを設定することの効果について以下に説明する。
【0137】
まず、空気清浄機の背面吸気口は略直角四角形形状の開口が縦横に複数個整列された状態で配置された格子状に形成されていることが多く、その格子状の格子サイズは、15mm×15mmに設定されていることがある。
【0138】
このような15mm×15mmの格子サイズの場合、格子間の隙間を塞いでしまわないように標識部95のハート形状のサイズは、15mm×15mm以下に設定することが好ましいといえる。一方、使用が進み、ハート形状が浮き上がった際の視認性を考慮すると、ハート形状のサイズは、縦7mm×横6mm又は縦6mm×横7mmよりも大きいことが好ましい。以上より、ハート形状のサイズは、縦7mm×横6mm又は縦6mm×横7mm、或いは、縦7mm×横7mm~縦15mm×横15mmに設定することが好ましいと言える。
【0139】
又、標識部95に含まれる各ハート形状は、それぞれの領域部分内において千鳥状に帯状部(41、42、43、81、82、83、84、85、91、92、93、94)とは重なり合わないように配置される。ここで、例えば、ある領域部分B81内のハート形状は、斜め45°のラインL81上に配置され、別の領域部分B82内のハート形状は、斜め45°のラインL82上に配置されるが、ラインL81とライン82とは平行関係にあり、延長しても交わらないようずらして配置される。
【0140】
ここで、フィルター構造体80を空気清浄機の背面吸気口に取り付ける際、空気清浄機の背面吸気口は格子との位置関係によっては、使用が進んでもハート形状がうまく浮き上がらないことがある。上述の通り配置することで、ハート形状と空気清浄機の背面吸気口の格子との位置関係を領域部分ごとにずらすことができるため、すべてのハート形状がうまく浮き上がらなくなってしまうことを避けることができる。
【0141】
尚、上記の第8の実施の形態及び上記の第9の実施の形態では、特定の数の帯状部から構成されるフィルター構造体について説明したが、その数に制限はない。例えば、上記の第8の実施の形態において、上記の第9の実施の形態と同じような帯状部を設けることも可能である。
【0142】
又、上記の各実施の形態では特に説明しなかったが、上記の第9の実施の形態によるフィルター構造体における標識部を、上記の第8の実施の形態や、上記の第1の実施の形態~第7の実施の形態によるフィルター構造体において採用することも可能である。
【0143】
更に、上記の第9の実施の形態では、標識部は複数のハート形状により構成されていたがこれに限られない。標識部は、フィルター構造体の取り換え時期を示す標識状に粘着剤が塗布されたものであれば、他の模様、文字等の標識要素から構成されていてもよい。又、標識要素は、一辺が6~15mm且つ他辺が6~15mmである正方形又は長方形で形成される範囲内に収まる大きさであってもよい。このように構成すると、標識要素が空気清浄機の背面吸気口の格子の間を防ぐことを抑制でき、且つ使用が進んだときの標識要素の視認性が高まる。これにより、標識要素が、より確実にフィルター構造体の取り換え時期を示す標識として機能する。
【0144】
更に、上記の第9の実施の形態では、複数のハート形状は、各領域部分において千鳥状に配置されていたが、これに限られない。複数のハート形状は、互いに離間して配置されるように構成することができる。すなわち、領域部分には複数のハート形状が島状に散在するように形成されていてもよい。
【0145】
更に、上記の第9の実施の形態では、複数のハート形状は、特定のライン上に配置されていたが、これに限られない。複数のハート形状は、最も近接するハート形状同士が、上下左右のいずれかに互いにずらした状態で設けられているような構成を採用することができる。より確実に標識部の標識要素の周囲に埃が付着するので、標識部の標識要素がうまく浮き上がらなくなってしまうことを避けることができる。
【0146】
更に、上記の第8の実施の形態及び上記の第9の実施の形態では特に説明しなかったが、フィルター構造体は、上記の第6の実施の形態で説明したように、エアーコンディショナー用のサイズに形成されたものを、所定のサイズでカットしてなるものであってもよい。
【実施例
【0147】
以下、実施例に基づいて本発明について具体的に説明する。尚、本実施の形態は実施例に限定されるものではない。
I.試験に用いたフィルター構造体の構成
実施例として、上述したような不織布からなるフィルター本体に、図1等に示した粘着パターンの固定部が形成されたフィルター構造体(すなわち第1の実施の形態によるもの)で、目付及び通気量が異なるものを合わせて7種準備した。
【0148】
実施例1~実施例7は、JIS L 1096 A法(フラジール法)に基づき計測されるフィルター本体の通気量が1500~5000cc/cm/secの範囲に収まるように構成されている。
【0149】
又、比較例1として、不織布からなるフィルター本体において、実施例1~実施例7のような固定部を備えないものを準備した。尚、比較例1の目付及び通気量は、実施例2と同様、40g/m及び4654cc/cm/secに設定されている。
【0150】
更に、比較例2として、空気清浄機の背面吸気口にフィルターを設けない場合についても検討した。
【0151】
尚、実施例1~実施例7及び比較例1においてそれぞれのサイズは以下の通りである。
【0152】
・縦の長さ : 約38cm
・横の長さ : 約26cm
II.試験の詳細及び結果
以上、実施例1~実施例7の7種のフィルター構造体を用いて、それぞれ、以下に示すように、空気清浄機の対象機種に対して、粘着剤が塗布された固定部を介して取り付け、試験を行った。
【0153】
又、比較例1については、空気清浄機の背面吸気口の外周部の四隅に面ファスナーを貼着し、面ファスナーを介して空気清浄機の背面吸気口に取り付けて、以下の試験を行った。
【0154】
又、比較例2については、空気清浄機の背面吸気口にフィルターを取り付けずに、以下の試験を行った。
1.空気清浄機の対象機種
シャープ株式会社社製 製品番号:KI-FX55-W
外形寸法(mm) :幅392×奥行265×高さ635
背面吸込口寸法(mm):幅227×高さ345
2.試験内容
(1)空気清浄機の内部フィルターの状況確認試験
実施例1~実施例7及び比較例1については、空気清浄機の背面吸気口に、この背面吸気口を完全に覆うようにフィルター構造体を取り付けた後、運転を開始し、自動運転モードに設定した状態で、1日24時間の運転を2週間にわたって継続し、その後、空気清浄機の内部フィルター(HEPAフィルター等)の汚れを目視にて確認した。
【0155】
尚、比較例2については、フィルターなしで空気清浄機の運転を開始し、自動運転モードに設定した状態で、1日24時間の運転を2週間にわたって継続したうえで、空気清浄機の内部フィルター(HEPAフィルター等)の汚れを目視にて確認している。
【0156】
結果は以下の表1に示す通りであった。
【0157】
【表1】
表1を参照して、「空気清浄機の内部フィルター枠周辺の埃汚れの状況」では、空気清浄機の内部フィルター枠周辺に埃汚れがそれほどたまっていない“小”、埃汚れがかなりたまっている“大”及び“小”と“大”との間の程度の“中”の3段階で評価した。
【0158】
その結果、実施例1~実施例7においては、“小”であった。又、比較例1では、“中”であった。更に、比較例2では、“大”であった。
【0159】
フィルターを取り付けない比較例2では比較的埃汚れがたまっていた。比較例1でも、フィルターを取り付けない比較例2よりは汚れが軽減されるが、フィルター本体の四隅を面ファスナーで固定しただけでは、固定されていない部分から、埃が空気清浄機の内部フィルター側へ侵入するものと推察される。結論としては、ロの字形状に粘着剤が塗布された固定部を介して、フィルター構造体を空気清浄機に取り付ける実施例1~実施例7の汚れ防止性能が優位であったといえる。
(2)空気清浄機の異常確認試験
・異音感知試験
空気清浄機にフィルター構造体を取り付けた後、運転を開始し、通常の運転音とは異なるような異音が発生していないか否かを官能試験により確認した。
・お掃除サイン確認試験
空気清浄機にフィルター構造体を取り付けた後、運転開始後、お掃除サインが点灯するか否かを確認した。対象機種では、フィルターに目詰まりが起こっているような場合、お掃除サインが点灯する。点灯すればフィルター構造体の通気性が低いと考えられる。
【0160】
結果は以下の表2に示す通りであった。
【0161】
【表2】
表2を参照して、異音感知試験にて、異音が確認されなかったものは、○印とし、異音が確認されたものは×印としている。又、お掃除サイン確認試験にて、お掃除サインが点灯しなかったものは、○印とし、お掃除サインが点灯したものは、×印としている。
【0162】
これにより、通気量1500cc/cm/sec以上が設定されている実施例1~4については、いずれも○の評価となった一方で、通気量1342cc/cm/sec以下が設定されている実施例5~7については、いずれも×の評価となった。
【産業上の利用可能性】
【0163】
以上のように、本発明に係る空気清浄機用フィルター構造体及びこれを取り付けた空気清浄機の吸気構造は、例えば、対象物に貼着して、通過する気体をろ過するのに適している。
図1
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