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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-13
(45)【発行日】2025-02-21
(54)【発明の名称】ガスタービン設備、及び燃焼システム
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/00 20060101AFI20250214BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20250214BHJP
   F02C 9/00 20060101ALI20250214BHJP
   B01D 53/86 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
F02C7/00 B
F01D25/00 P
F02C9/00 A
B01D53/86 222
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2024213431
(22)【出願日】2024-12-06
(62)【分割の表示】P 2021115757の分割
【原出願日】2021-07-13
【審査請求日】2024-12-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】石井 弘実
(72)【発明者】
【氏名】池田 亮
(72)【発明者】
【氏名】服部 亮
(72)【発明者】
【氏名】武石 裕行
【審査官】佐々木 淳
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-004284(JP,A)
【文献】特開2019-178840(JP,A)
【文献】特開2018-162752(JP,A)
【文献】特開2004-036983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 7/00- 9/00
F01D 25/00
F01N 3/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼器を有するガスタービンと、
前記燃焼器にアンモニアを供給するアンモニア供給装置と、
前記ガスタービンの排気ガスが流れる排気ガス流路内からアンモニアを回収し、外部にアンモニアが排出されるのを抑制するアンモニア排出抑制手段と、
を備え
前記アンモニア排出抑制手段は散水装置を含む、
ことを特徴とするガスタービン設備。
【請求項2】
前記散水装置は、前記排気ガス流路に配置されて当該排気ガス流路内に散水できる散水器を有する、
ことを特徴とする請求項に記載のガスタービン設備。
【請求項3】
前記散水装置は、散水によって水に吸収されたアンモニアをアンモニア水として回収して貯留するタンクを有する、
ことを特徴とする請求項またはに記載のガスタービン設備。
【請求項4】
前記散水装置の動作を制御する制御装置を備える、
ことを特徴とする請求項の何れか1項に記載のガスタービン設備。
【請求項5】
燃料を燃焼させる内燃機関と、
前記内燃機関にアンモニアを燃料として供給するアンモニア供給装置と、
外部にアンモニアが排出されるのを抑制するアンモニア排出抑制手段と、
制御装置と、
を備え、
前記アンモニア排出抑制手段は散水装置を含み、
前記制御装置は、前記内燃機関へのアンモニアの供給と前記散水装置の動作を制御する
ことを特徴とする燃焼システム。
【請求項6】
燃料を燃焼させる燃焼装置と、
前記燃焼装置にアンモニアを燃料として供給するアンモニア供給装置と、
燃料の燃焼によって発生する熱で水を加熱して水蒸気に状態変化させる熱交換手段と、
外部にアンモニアが排出されるのを抑制するアンモニア排出抑制手段と、
制御装置と、
を備え、
前記アンモニア排出抑制手段は散水装置を含み、
前記制御装置は、前記燃焼装置へのアンモニアの供給と前記散水装置の動作を制御する
ことを特徴とする燃焼システム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記燃焼器へのアンモニアの供給に関連付けて前記散水装置の動作を制御する、
ことを特徴とする請求項に記載のガスタービン設備。
【請求項8】
前記制御装置は、前記ガスタービンのガスタービンロータの回転に関連付けて前記散水装置に散水を開始させる、
ことを特徴とする請求項に記載のガスタービン設備。
【請求項9】
前記制御装置は、前記ガスタービンのガスタービンロータの回転数を上げていく過程で回転数が予め定められた回転数になったときに前記散水装置に散水を開始させる、
ことを特徴とする請求項に記載のガスタービン設備。
【請求項10】
前記制御装置は、燃料としてのアンモニアの燃焼が失火した場合に前記散水装置に散水を開始させる、
ことを特徴とする請求項に記載のガスタービン設備。
【請求項11】
燃焼器を有するガスタービンと、
前記燃焼器にアンモニアを供給するアンモニア供給装置と、
前記ガスタービンの排気ガスが流れる排気ガス流路内からアンモニアを回収し、外部にアンモニアが排出されるのを抑制するアンモニア排出抑制手段と、
を備え、
前記アンモニア排出抑制手段よりも排気ガスの流れ方向における上流側に配置され、排気ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置を
備えるガスタービン設備。
【請求項12】
前記アンモニア排出抑制手段よりも排気ガスの流れ方向における上流側に配置され、排気ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置を
備える請求項1~の何れか1項に記載のガスタービン設備。
【請求項13】
前記アンモニア排出抑制手段よりも排気ガスの流れ方向における上流側に配置され、排気ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置と、
前記タンクに貯留されたアンモニア水を前記脱硝装置に供給できるアンモニア水供給ラインと、
を備える請求項に記載のガスタービン設備。
【請求項14】
前記アンモニア排出抑制手段よりも排気ガスの流れ方向における上流側に配置され、排気ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置と、
前記タンクに貯留されたアンモニア水を前記脱硝装置に供給できるアンモニア水供給装置と、
を備え、
前記散水装置は、水または前記タンク内のアンモニア水を排気ガスに散水し、
前記アンモニア水供給装置は、前記タンクに貯留されたアンモニア水のアンモニア濃度が予め定められた濃度以上になると、前記タンク内のアンモニア水を前記脱硝装置に供給する、
ことを特徴とする請求項に記載のガスタービン設備。
【請求項15】
前記脱硝装置は、前記タンクから供給されたアンモニア水を利用して、触媒の働きにより、排気ガス中に含まれるNOxを窒素と水蒸気とに分解する、
ことを特徴とする請求項13または14に記載のガスタービン設備。
【請求項16】
前記アンモニア供給装置は、燃料としてのアンモニアを供給するアンモニアラインを有し、
前記アンモニアラインには、パージ用ガス供給源からパージガスを供給するためのパージガスラインの一端が接続されており、
前記散水装置は、パージされたアンモニアに散水してアンモニア水として回収する
ことを特徴とする請求項に記載のガスタービン設備。
【請求項17】
前記制御装置は、燃料としてのアンモニアの供給に関連付けて前記散水装置に散水を開始させる、
ことを特徴とする請求項またはに記載の燃焼システム。
【請求項18】
前記制御装置は、燃料としてのアンモニアの供給開始条件又は供給停止条件を満たしたと判断したら、前記散水装置に散水を開始させる、
ことを特徴とする請求項またはに記載の燃焼システム。
【請求項19】
前記制御装置は、燃料としてのアンモニアの燃焼が失火した場合に前記散水装置に散水を開始させる、
ことを特徴とする請求項またはに記載の燃焼システム。
【請求項20】
前記アンモニア排出抑制手段よりも排気ガスの流れ方向における上流側に配置され、排気ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置を
備える請求項またはに記載の燃焼システム。
【請求項21】
前記アンモニア排出抑制手段は、散水によって水に吸収されたアンモニアをアンモニア水として回収して貯留するタンクを含み、
前記燃焼システムは、
前記アンモニア排出抑制手段よりも排気ガスの流れ方向における上流側に配置され、排気ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置と、
前記タンクに貯留されたアンモニア水を前記脱硝装置に供給できるアンモニア水供給ラインと、
を備える請求項またはに記載の燃焼システム。
【請求項22】
前記アンモニア排出抑制手段は、散水によって水に吸収されたアンモニアをアンモニア水として回収して貯留するタンクを含み、
前記燃焼システムは、
前記アンモニア排出抑制手段よりも排気ガスの流れ方向における上流側に配置され、排気ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置と、
前記タンクに貯留されたアンモニア水を前記脱硝装置に供給できるアンモニア水供給装置と、
を備え、
前記散水装置は、水または前記タンク内のアンモニア水を散水し、
前記アンモニア水供給装置は、前記タンクに貯留されたアンモニア水のアンモニア濃度が予め定められた濃度以上になると、前記タンク内のアンモニア水を前記脱硝装置に供給する、
ことを特徴とする請求項またはに記載の燃焼システム。
【請求項23】
前記脱硝装置は、前記タンクから供給されたアンモニア水を利用して、触媒の働きにより、排気ガス中に含まれるNOxを窒素と水蒸気とに分解する、
ことを特徴とする請求項21または22に記載の燃焼システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アンモニアを燃料とするガスタービン設備、及び燃焼システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンは、空気を圧縮する圧縮機と、圧縮機で圧縮された空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、燃焼ガスにより駆動するタービンと、を備えている。以下の特許文献1には、燃焼器に供給する燃料として、アンモニアを用いるガスタービン設備が開示されている。アンモニアをガスタービンの燃料として用いる場合、アンモニアが燃焼すると、このアンモニアを形成する窒素の一部がNOxになる。このため、このガスタービン設備は、ガスタービンからの排気ガスが流れる流路中に脱硝装置を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-178840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アンモニアをガスタービンの燃料として用いる場合、NOxのみならず、このアンモニア自体も未燃焼のまま外部に排出されることを抑制することが望ましい。
【0005】
そこで、本開示は、アンモニアをガスタービンの燃料として用いる場合、外部へのアンモニアの排出を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための一態様としてのガスタービン設備は、燃焼器を有するガスタービンと、前記燃焼器にアンモニアを供給するアンモニア供給装置と、前記ガスタービンの排気ガスが流れる排気ガス流路内からアンモニアを回収し、外部にアンモニアが排出されるのを抑制するアンモニア排出抑制手段と、を備え、前記アンモニア排出抑制手段は散水装置を含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一態様では、アンモニアをガスタービンの燃料として用いる場合、外部へのアンモニアの排出を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示に係る第一実施形態におけるガスタービン設備の系統図である。
図2】本開示に係る一実施形態におけるアンモニアの供給開始過程における制御装置の動作を示すフローチャートである。
図3】本開示に係る一実施形態におけるアンモニアの供給停止過程における制御装置の動作を示すフローチャートである。
図4】本開示に係る第二実施形態におけるガスタービン設備の系統図である。
図5】本開示に係る第二実施形態における煙突の断面図である。
図6】本開示に係る第三実施形態におけるガスタービン設備の系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示に係るガスタービン設備の各種実施形態及び各種変形例について、図面を用いて説明する。
【0015】
「第一実施形態」
以下、本開示に係るガスタービン設備の第一実施形態について、図1図3を用いて説明する。
【0016】
本実施形態のガスタービン設備は、図1に示すように、ガスタービン10と、ガスタービン10に燃料としてのアンモニアを供給するアンモニア供給装置20と、ガスタービン10から排気された排気ガスの熱を利用して蒸気を発生させる排熱回収ボイラ30と、排熱回収ボイラ30からの蒸気で駆動する蒸気タービン41と、蒸気タービン41からの蒸気を水に戻す復水器43と、復水器43内の水を排熱回収ボイラ30に送るポンプ45と、排熱回収ボイラ30からの排気ガスを外部に排気する煙突33と、ガスタービン10からの排気ガス中に含まれるNOx分を分解する脱硝装置50と、排熱回収ボイラ30内に散水する散水装置60と、ミストエリミネータ70と、水回収ライン71と、アンモニア水供給装置74と、制御装置90と、を備える。
【0017】
ガスタービン10は、空気Aを圧縮する圧縮機14と、圧縮機14で圧縮された空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器15と、高温高圧の燃焼ガスにより駆動するタービン16と、を備える。
【0018】
圧縮機14は、ロータ軸線Arを中心として回転する圧縮機ロータ14rと、この圧縮機ロータ14rを覆う圧縮機ケーシング14cと、と、を有する。タービン16は、燃焼器15からの燃焼ガスにより、ロータ軸線Arを中心として回転するタービンロータ16rと、このタービンロータ16rを覆うタービンケーシング16cと、を有する。タービンロータ16rと圧縮機ロータ14rとは、同一のロータ軸線Arを中心として回転可能に相互に連結されて、ガスタービンロータ11を成す。このガスタービンロータ11には、例えば、発電機Gのロータが接続されている。なお、このガスタービン10は、一のガスタービンロータを有する一軸ガスタービンであるが、ガスタービンは、二軸ガスタービンや三軸ガスタービンであってもよい。
【0019】
ガスタービン10は、さらに、中間ケーシング12を備える。中間ケーシング12は、ロータ軸線Arが延びている方向で、圧縮機ケーシング14cとタービンケーシング16cとの間に配置され、圧縮機ケーシング14cとタービンケーシング16cとを連結する。この中間ケーシング12内には、圧縮機14から吐出された圧縮空気が流入する。燃焼器15は、中間ケーシング12に固定されている。この燃焼器15は、燃焼筒(又は尾筒)15cと、燃焼筒15c内に燃料を噴射する燃料ノズル15nと、燃焼筒15c内に噴射された燃料を点火する点火栓15iと、有する。
【0020】
アンモニア供給装置20は、アンモニアタンク21と、アンモニアライン22と、アンモニアポンプ23と、気化器24と、燃料調節弁25と、パージガスライン26と、パージガス調節弁27と、を有する。
【0021】
アンモニアタンク21には、液体アンモニアが貯留される。アンモニアライン22の一端は、このアンモニアタンク21に接続され、このアンモニアライン22の他端は、燃焼器15の燃料ノズル15nに接続されている。アンモニアポンプ23は、このアンモニアライン22中に設けられている。このアンモニアポンプ23は、アンモニアタンク21内のアンモニアを昇圧して、このアンモニアを燃焼器15に送る。気化器24は、アンモニアライン22中で、アンモニアポンプ23よりも燃焼器15側の位置に設けられている。この気化器24は、加熱媒体と液体アンモニアとを熱交換させて、液体アンモニアを加熱し気化させる熱交器である。なお、アンモニア供給装置は、この気化器24の替りに、液体アンモニアを空間中に噴霧して、液体アンモニアをミストアンモニアに替える噴霧器を備えてもよい。燃料調節弁25は、アンモニアライン22中で、気化器24よりも燃焼器15側の位置に設けられている。この燃料調節弁25は、燃焼器15に供給する燃料としてのアンモニアの流量を調節する。アンモニアライン22中で、燃料調節弁25よりも燃焼器15側の位置には、パージガスライン26の一端が接続されている。このパージガスライン26の他端には、パージ用ガス供給源(不図示)が接続されている。このパージガス調節弁27は、このパージガスライン26中に設けられている。パージガス調節弁27は、パージ用ガス供給源からアンモニアライン22に送るパージ用ガスの流量を調節する。パージ用ガスは、例えば、窒素ガスである。
【0022】
排熱回収ボイラ30は、ガスタービン10から排気された排気ガスと水とを熱交換させて、この水を加熱して蒸気にする。この排熱回収ボイラ30は、ガスタービン10に接続されているダクト31、ダクト31内に配置されている伝熱管32と、を有する。ダクト31は、ガスタービン10からの排気ガスが流れるダクトガス流路36を形成する。伝熱管32には、液体又は気体の水が流れる。なお、伝熱管32内には、水以外の熱媒体が流れてもよい。
【0023】
排熱回収ボイラ30における伝熱管32の一端と蒸気タービン41の蒸気入口とは、主蒸気ライン42で接続されている。伝熱管32からの蒸気は、この主蒸気ライン42を介して蒸気タービン41に送られる。蒸気タービン41のロータには、例えば、発電機のロータが接続されている。蒸気タービン41から排気された蒸気は、復水器43で水に戻される。排熱回収ボイラ30における伝熱管32の他端と復水器43とは、給水ライン44で接続されている。この給水ライン44には、復水器43内の水を排熱回収ボイラ30に送るポンプ45が設けられている。
【0024】
煙突33は、排熱回収ボイラ30のダクト31に接続されている。煙突33には、ダクト31からの排気ガスを外部に排気する煙突ガス流路37が形成されている。この煙突ガス流路37は、鉛直方向に延びる。本実施形態において、ガスタービン10からの排気ガスが流れる排気ガス流路35は、ダクトガス流路36と煙突ガス流路37とを有する。よって、本実施形態において、排気ガス流路35を形成する流路形成枠34は、排熱回収ボイラ30のダクト31と煙突33とを有する。
【0025】
脱硝装置50は、排熱回収ボイラ30のダクト31内に配置されている触媒層51と、この触媒層51のガス流れ方向における上流側にアンモニア水を散布するアンモニア散布器52と、このアンモニア散布器52にアンモニア水を供給するアンモニア水供給ライン53と、アンモニア水調節弁54と、を有する。アンモニア水調節弁54は、アンモニア水供給ライン53を流れるアンモニア水の流量を調節する。脱硝装置50は、アンモニア水を利用して、触媒の働きにより、ガスタービン10からの排気ガス中に含まれるNOxを窒素と水蒸気とに分解する。
【0026】
散水装置60は、ダクトガス流路36内に水を散水することが可能な散水器61と、この散水器61が散水する水を溜めておくことができる水タンク62と、水タンク62内の水を散水器61に供給できる水供給装置66と、を有する。散水器61は、ダクト31内で、脱硝装置50及び伝熱管32よりも、ガス流れの下流側に配置されている。ダクト31内で、散水器61よりガス流れ方向における下流側には、ダクトガス流路36中のミストを捕捉できるミストエリミネータ70が配置されている。ミストエリミネータ70は、例えば、網又は複数の繊維で形成されたパッド等で構成されている。水供給装置66は、水タンク62と散水器61とを接続する水ライン67と、この水ライン67に設けられている水供給ポンプ68と、水ライン67中で、水供給ポンプ68よりも散水器61側に設けられている水調節弁69と、を有する。
【0027】
水回収ライン71の一端は、ダクト31中で、ミストエリミネータ70よりもガス流れ方向における下流側の位置、又はガス流れ方向でミストエリミネータ70が配置されている領域、に接続されている。この水回収ライン71の他端は、水タンク62に接続されている。すなわち、この水回収ライン71は、散水器61からダクト31内に散水された水を水タンク62に戻すラインである。水タンク62には、この水タンク62内に水を供給することができる補給水ライン63が設けられている。水タンク62には、さらに、水タンク62内のアンモニア濃度を検知できるアンモニア濃度計64が設けられている。
【0028】
アンモニア水供給装置74は、アンモニア水サブライン75と、アンモニア水サブ調節弁76と、前述の水供給ポンプ68と、を有する。アンモニア水サブライン75は、散水装置60における水ライン67中で、水供給ポンプ68よりも散水器61側で且つ水調節弁69よりも水タンク62側の位置と、アンモニア水供給ライン53中で、アンモニア水調節弁54よりもアンモニア散布器52側の位置とを接続する。アンモニア水サブ調節弁76は、このアンモニア水サブライン75中に設けられている。なお、水供給ポンプ68は、このアンモニア水供給装置74の構成要素の一つであると共に、散水装置60の構成要素の一つでもある。
【0029】
制御装置90は、ガスタービン制御器91と、散水制御器92と、を有する。ガスタービン制御器91は、ガスタービン10に設けられている各種計器や外部からの指示等に応じて、燃料調節弁25やパージガス調節弁27の動作等を制御する。散水制御器92は、散水装置60の動作を制御する。散水制御器92は、具体的に、水供給ポンプ68及び水調節弁69の動作を制御する。ガスタービン制御器91及び散水制御器92は、いずれも、各種演算を実行するCPU(Central Processing Unit)と、このCPUのワークエリアであるメモリ等を有する。なお、ガスタービン制御器91及び散水制御器92は、互に共有するCPUと、互に共有するメモリ等で構成されてもよい。
【0030】
次に、以上で説明したガスタービン設備の動作について説明する。
【0031】
ガスタービン10を起動させる際、起動モータを駆動させて、ガスタービンロータ11を回転させる。なお、起動モータは、ガスタービンロータ11に別途接続されている場合もあるが、ガスタービンロータ11に接続されている発電機が、起動モータとしての役割を担う場合もある。また、ガスタービン10を起動させる際、ディーゼルエンジンを起動させて、ガスタービンロータ11を回転させてもよいし、蒸気タービンでガスタービンロータ11を回転させてもよい。
【0032】
起動モータの駆動で、ガスタービンロータ11の回転数が次第に高まる。この過程で、燃焼器15に、燃料としてのアンモニアが供給される。ここで、燃焼器15へのアンモニアの供給開始過程における制御装置90の動作について、図2に示すフローチャートに従って説明する。
【0033】
ガスタービン制御器91は、ガスタービン10の起動過程で、燃料としてのアンモニアの供給開始条件を満たした否かを判断する(S10:供給開始条件の判断工程)。ガスタービン制御器91は、起動モータの駆動で、ガスタービンロータ11の回転数が予め定められた回転数になると、燃料としてのアンモニアの供給開始条件を満たしたと判断して、燃料調節弁25及び散水制御器92に対してアンモニアの供給開始を指示する(S11:供給開始の指示工程)。具体的に、ガスタービン制御器91は、燃料調節弁25に開状態になるよう指示する。燃料調節弁25は、この指示を受けると、開状態になる。この結果、燃焼器15へのアンモニアの供給が開始される。具体的には、アンモニアライン22中で燃料調節弁25よりも燃焼器15側の部分、及び燃焼器15の燃料ノズル15n内がアンモニアで満たされ、燃焼器15の燃焼筒15c内にアンモニアが噴射され始める。
【0034】
燃焼器15へのアンモニアの供給が開始されてから、予め定められた時間(例えば、数分間)が経過すると、ガスタービン制御器91は、点火栓15iにより、燃焼筒15c内のアンモニアを点火させる(S12:点火の指示工程)。この結果、燃焼筒15c内のアンモニアの燃焼が開始される。
【0035】
前述したように、ガスタービン制御器91は、燃料調節弁25のみならず、散水制御器92にも、アンモニアの供給開始を指示する。散水制御器92は、この指示を受け付けると(S15:供給開始指示の受付工程)、散水装置60に対して散水開始を指示する(S17:散水開始の指示工程)。散水制御器92は、具体的に、散水装置60の水供給ポンプ68に対して駆動を指示すると共に、水調節弁69に対して開状態になるよう指示する。この結果、水タンク62内の水が水ライン67を介して、排熱回収ボイラ30のダクト31内に配置されている散水器61に供給され始め、ダクトガス流路36内に散水が開始される(S16:散水工程)。
【0036】
散水制御器92は、アンモニア供給開始の指示を受け付けてから、予め定められた時間(例えば、数分間)経過したか否かを判断する(S18:散水停止条件の判断工程)。この予め定められた時間の終了時点は、アンモニアの点火が完了する時点よりも後である。言い換えると、この予め定められた時間の終了時点は、ガスタービン10から未燃焼のアンモニアが排気されなくなると想定される時点よりも後の時点である。散水制御器92は、アンモニア供給開始の指示を受け付けてから、予め定められた時間経過したと判断すると、散水装置60に対して散水停止を指示する(S19:散水停止の指示工程)。散水制御器92は、具体的に、散水装置60の水供給ポンプ68に対して駆動停止を指示すると共に、水調節弁69に対して閉状態になるよう指示する。この結果、散水器61からダクトガス流路36内へ散水が停止し、散水工程(S16)が終了する。
【0037】
燃料調節弁25が開いてから、燃焼筒15c内のアンモニアが点火されるまでの間に、燃料調節弁25から流出したアンモニアは、燃焼せずに、ガスタービン10から排気される。このアンモニアは、排熱回収ボイラ30のダクト31内であるダクトガス流路36内を流れる。本実施形態では、ガスタービン制御器91が燃料調節弁25に対してアンモニア供給開始を指示する(S11)と共に、散水が開始される(S16)。このため、燃焼器15へのアンモニアの供給開始過程で、ガスタービン10から排気されたアンモニアは、散水器61からの水滴に吸収される。アンモニアを吸収した水滴は、ミストエリミネータ70に捕集された後、ダクト31の下部に溜まり、水回収ライン71を介して、水タンク62に戻る。すなわち、排気ガス流路35の一部であるダクトガス流路36内に散水された水を含む液体が流路形成枠34の一部であるダクト31外に導かれる。この流路形成枠34外に水を導く水回収工程は、散水工程と並行して実行させる。
【0038】
燃焼筒15c内でアンモニアが点火されると、失火しない限り、燃焼器15に供給されているアンモニアは、燃焼筒15c内に燃焼し続ける。このため、燃焼筒15c内でアンモニアが点火されると、失火しない限り、ガスタービン10からアンモニアは排気されなくなる。このため、本実施形態では、アンモニア供給開始の指示を受け付けてから、予め定められた時間が経過して、アンモニアの点火が完了した後に、散水器61からダクトガス流路36内へ散水が停止する。
【0039】
前述したように、燃焼筒15c内でアンモニアが点火されると、アンモニアの燃焼が開始される。この燃焼で生成された燃焼ガスは、タービン16に送られ、タービンロータを回転させる。タービンロータを回転させた燃焼ガスは、排気ガスとして、ガスタービン10から排気され、排熱回収ボイラ30のダクト31内を流れる。アンモニアを燃焼させた場合、排気ガス中には、NOxが含まれている。このため、本実施形態では、アンモニアの燃焼が開始された後、アンモニア水供給源からアンモニア水供給ライン53を介して脱硝装置50へのアンモニア水の供給が開始され、排気ガス中に含まれるNOxが窒素と水蒸気とに分解される。
【0040】
散水工程(S16)が繰り返し実行され、そのたびに、アンモニアを吸収した水が水タンク62に戻ってくると、水タンク62内の水中におけるアンモニア濃度は次第に高まる。水タンク62内のアンモニア濃度は、アンモニア濃度計64により検知される。このアンモニア濃度計64で検知されたアンモニア濃度が予め定められた濃度以上で、且つ脱硝装置50による脱硝処理が必要な条件下では、アンモニア水サブ調節弁76が開き、水タンク62内のアンモニアを吸収した水は、アンモニア水サブライン75を介して、脱硝装置50に供給される。脱硝装置50は、このアンモニア水を用いて、排気ガス中に含まれるNOxを窒素と水蒸気とに分解する。よって、本実施形態では、脱硝処理に用いるアンモニア水供給源からのアンモニア水の使用量を抑えることができる。
【0041】
次に、燃焼器15へのアンモニアの供給停止過程における制御装置90の動作について、図3に示すフローチャートに従って説明する。
【0042】
ガスタービン制御器91は、燃焼器15にアンモニアを供給している間、燃料としてのアンモニアの供給停止条件を満たした否かを判断している(S20:供給停止条件の判断工程)。
【0043】
ここで、アンモニアの供給停止条件を満たす場合とは、
a.ガスタービン10の通常停止を外部から受け付けた場合
b.何らかのトラブルで、外部からの指示若しくはガスタービン10に設けられている各種センサからの信号により、ガスタービン10を緊急停止する必要が生じた場合
である。
ガスタービン10を緊急停止する必要が生じた場合とは、具体的に、燃焼筒15c内でのアンモニアの失火した場合、ガスタービン10に接続されている発電機と外部電力系統との緊急遮断を外部から受けた場合等がある。
【0044】
ガスタービン制御器91は、アンモニアの供給停止条件を満たしたと判断すると、燃料調節弁25及び散水制御器92に対してアンモニアの供給停止を指示する(S21:供給停止の指示工程)。具体的に、ガスタービン制御器91は、燃料調節弁25に閉状態になるよう指示する。燃料調節弁25は、この指示を受けると、閉状態になる。この結果、燃焼器15へのアンモニアの供給が停止される。さらに、ガスタービン制御器91は、パージガス調節弁27に開状態になるよう指示する(S22:パージ開始指示工程)。パージガス調節弁27は、この指示を受けると、開状態になる。この結果、パージ用ガス供給源から窒素等のパージ用ガスがアンモニアライン22に送られる。このパージ用ガスにより、アンモニアライン22中で燃料調節弁25よりも燃焼器15側の部分、及び燃焼器15の燃料ノズル15n内のアンモニアが燃焼筒15c内に押し出される。
【0045】
燃焼器15へのアンモニアの供給が停止されてから、予め定められた時間(例えば、数分間)が経過すると、ガスタービン制御器91は、パージガス調節弁27に閉状態になるよう指示する(S23:パージ終了指示工程)。この予め定められた時間の終了時点は、燃焼器15へのアンモニア供給が停止し、ガスタービンロータ11の回転数が次第に低下して、タービンケーシング内のガスの空筒速度が予め定められた速度以下になった時点である。言い換えると、この予め定められた時間の終了時点は、ガスタービン10から未燃焼のアンモニアが実質的に排気されなくなると想定される時点よりも後の時点である。パージガス調節弁27は、この指示を受けると、閉状態になり、パージ用ガス供給源からパージ用ガスがアンモニアライン22に送られなくなる。
【0046】
前述したように、ガスタービン制御器91は、燃料調節弁25のみならず、散水制御器92にも、アンモニアの供給停止を指示する。散水制御器92は、この指示を受け付けると(S25:供給停止指示の受付工程)、散水装置60に対して散水開始を指示する(S27:散水開始の指示工程)。散水制御器92は、具体的に、散水装置60の水供給ポンプ68に対して駆動を指示すると共に、水調節弁69に対して開状態になるよう指示する。この結果、水タンク62内の水が水ライン67を介して、排熱回収ボイラ30のダクト31内に配置されている散水器61に供給され始め、ダクトガス流路36内に散水が開始される(S26:散水工程)。
【0047】
散水制御器92は、アンモニア供給開始の指示を受け付けてから、予め定められた時間(例えば、数分間)経過したか否かを判断する(S28:散水停止条件の判断工程)。この予め定められた時間の終了時点は、パージガス調節弁27が閉状態になった時点よりも後である。散水制御器92は、アンモニア供給停止の指示を受け付けてから、予め定められた時間経過したと判断すると、散水装置60に対して散水停止を指示する(S29:散水停止の指示工程)。散水制御器92は、具体的に、散水装置60の水供給ポンプ68に対して駆動停止を指示すると共に、水調節弁69に対して閉状態になるよう指示する。この結果、散水器61からダクトガス流路36内へ散水が停止し、散水工程(S26)が終了する。
【0048】
前述したように、燃料調節弁25が閉状態になった後、パージ用ガスにより、アンモニアライン22中で燃料調節弁25よりも燃焼器15側の部分、及び燃焼器15の燃料ノズル15n内のアンモニアが燃焼筒15c内に押し出される。このアンモニアは、燃焼せずに、ガスタービン10から排気される。このアンモニアは、排熱回収ボイラ30のダクト31内であるダクトガス流路36内を流れる。本実施形態では、前述したように、ガスタービン制御器91が燃料調節弁25に対してアンモニア供給停止を指示する(S21)と共に、散水が開始される(S26)。このため、燃焼器15へのアンモニアの供給停止過程で、ガスタービン10から排気されたアンモニアは、散水器61からの水滴に吸収される。アンモニアを吸収した水滴は、ミストエリミネータ70に捕集された後、ダクト31の下部に溜まり、水回収ライン71を介して、水タンク62に戻る。
【0049】
パージガス調節弁27を閉状態にした時点では、前述したように、タービンケーシングからガスがほとんど排気されなくたった時点である。このため、本実施形態では、アンモニア供給停止の指示を受け付けてから、予め定められた時間が経過して、パージ調節弁が閉状態になった後に、散水器61からダクトガス流路36内へ散水が停止する。
【0050】
以上で説明したように、燃焼器15へのアンモニアの供給開始過程、及び燃焼器15へのアンモニアの供給停止過程では、未燃焼のアンモニアがガスタービン10から排気される。本実施形態では、これらの過程で、未燃焼のアンモニアがガスタービン10から排気されるときに、散水装置60により、ダクトガス流路36内に水が散水され、この水にアンモニアが吸収される。よって、本実施形態では、外部へのアンモニアの排出を抑制することができる。
【0051】
「第二実施形態」
以下、本開示に係るガスタービン設備の第二実施形態について、図4及び図5を用いて説明する。
【0052】
本実施形態のガスタービン設備は、第一実施形態のガスタービン設備と同様、図4に示すように、ガスタービン10と、アンモニア供給装置20と、排熱回収ボイラ30と、蒸気タービン41と、復水器43と、ポンプ45と、煙突33と、脱硝装置50と、散水装置60aと、水回収ライン71aと、アンモニア水供給装置74と、制御装置90と、を備える。但し、本実施形態の散水装置60aは、第一実施形態の散水装置60と異なる。この関係で、本実施形態の水回収ライン71aも、第一実施形態の水回収ライン71と異なる。また、本実施形態のガスタービン設備は、第一実施形態のガスタービン設備におけるミストエリミネータ70を備えていない。
【0053】
本実施形態の散水装置60aは、第一実施形態の散水装置60と同様、散水器61aと、水タンク62と、水供給装置66と、を有する。但し、本実施形態の散水器61aは、第一実施形態の散水器61と、配置及び構成が異なる。本実施形態の散水器61aは、排熱回収ボイラ30のダクト31内でなく、煙突33内、言い換えると煙突ガス流路37内に配置されている。この散水器61aは、図5に示すように、煙突33の内周面に沿って環状のリングヘッダ61hと、このリングヘッダ61hの内周側に設けられている複数のノズル61nと、を有する。リングヘッダ61hは、水タンク62(図4参照)から延びる水ライン67に接続されている。複数のノズル61nは、リングヘッダ61hに供給された水を、水平方向成分を有する方向であって、環状のリングヘッダ61hの内周側に向かって散水できるように設けられている。
【0054】
図4に示すように、水回収ライン71aの一端は、煙突33中で、散水器61aが配置されている位置よりも下側の位置に接続されている。また、この水回収ライン71aの他端は、第一実施形態の水回収ライン71の他端と同様、水タンク62に接続されている。
【0055】
本実施形態の制御装置90は、第一実施形態の制御装置90と同様に構成で、ガスタービン制御器91及び散水制御器92を有する。また、本実施形態の制御装置90は、第一実施形態の制御装置90と同様に動作する。このため、燃焼器15へのアンモニアの供給開始過程では、ガスタービン制御器91及び散水制御器92が、図2のフローチャートで示す動作をする。また、燃焼器15へのアンモニアの供給停止過程では、ガスタービン制御器91及び散水制御器92が、図3のフローチャートで示す動作をする。
【0056】
本実施形態においても、第一実施形態と同様、燃焼器15へのアンモニアの供給開始過程、及び燃焼器15へのアンモニアの供給停止過程で、未燃焼のアンモニアがガスタービン10から排気されるときに、散水装置60aにより、煙突ガス流路37内に水が散布され、このアンモニアを吸収する。よって、本実施形態でも、外部へのアンモニアの排気を抑制することができる。
【0057】
ところで、本実施形態では、散水器61aから散水された水滴が煙突33外に放出されないよう、散水器61aからの散水される水滴の粒径が、煙突33内を流れる排気ガスの上昇速度以上の沈降速度を持つ粒径にしている。このため、本実施形態では、散水器61aよりも、ガス流れ方向における下流側(上側)に水滴が実質的に流れず、第一実施形態のように、散水器61よりガス流れ方向における下流側にミストエリミネータ70を配置する必要性がない。よって、本実施形態では、第一実施形態よりも、排気ガス流路35中における圧力損失を抑えることができる。但し、本実施形態の水滴の粒径を第一実施形態の水滴の粒径よりも大きくする必要性があるため、アンモニアの吸収効率が第一実施形態よりも低い。
【0058】
すなわち、本実施形態は、第一実施形態よりも排気ガス流路35中における圧力損失を抑えることができるというメリットを有するものの、第一実施形態よりもアンモニアの吸収効率が低いというディメリットを有する。言い換えると、第一実施形態は、本実施形態よりもアンモニアの吸収効率が高いというメリットを有するものの、本実施形態よりも排気ガス流路35中における圧力損失が高まるというディメリットを有する。このため、第一実施形態の散水器61と本実施形態の散水器61aとのうち、いずれを採用するかについては、両者のメリット及びディメリットを比較して決めることが好ましい。
【0059】
本実施形態は、煙突33内に散水器61aを設け、この散水器61aよりも下流側(上側)にミストエリミネータを設けない例である。しかしながら、煙突33内に散水器61aを設けると共に、この散水器61aよりも下流側(上側)にミストエリミネータを設けてもよい。
【0060】
「第三実施形態」
以下、本開示に係るガスタービン設備の第三実施形態について、図6を用いて説明する。
【0061】
本実施形態のガスタービン設備は、第一実施形態のガスタービン設備と同様、図6に示すように、ガスタービン10と、アンモニア供給装置20と、排熱回収ボイラ30と、蒸気タービン41と、復水器43と、ポンプ45と、煙突33と、脱硝装置50と、散水装置60と、水回収ライン71と、制御装置90と、を備える。但し、本実施形態のガスタービン設備は、第一実施形態のガスタービン設備におけるアンモニア水供給装置74を備えていない。本実施形態のガスタービン設備は、このアンモニア水供給装置74の替りに、処理水供給装置77を備える。さらに、本実施形態のガスタービン設備は、酸供給装置80を備える。
【0062】
酸供給装置80は、アンモニアとの反応で塩が生成される酸の水溶液を溜めることができる酸タンク81と、酸タンク81と水タンク62とを接続する酸ライン82と、酸ライン82中に設けられている酸供給ポンプ83及び酸調節弁84と、を有する。アンモニアとの反応で塩が生成される酸の水溶液としては、例えば、塩酸水溶液、硫酸水溶液等である。また、アンモニアと塩酸水溶液との反応で生成される塩は、塩化アンモニウムであり、アンモニアと硫酸水溶液との反応で生成される塩は、硫酸アンモニウムである。水タンク62には、第一実施形態と同様、水回収ライン71及び補給水ライン63も接続されている。この水タンク62には、第一実施形態におけるアンモニア濃度計64の替りに、水タンク62内の塩の量を検知できる塩量検知器65が設けられている。この塩量検知器65は、例えば、水タンク62内の塩の濃度を検知するものでもよいが、水タンク62内の水のpHを検知することで、間接的に水タンク62内の塩の量を検知するものでもよい。
【0063】
処理水供給装置77は、水タンク62内の水を排水処理装置89に導くことができる。この処理水供給装置77は、処理水ライン78と、処理水調節弁79と、散水装置60の水供給ポンプ68と、を有する。処理水ライン78は、散水装置60における水ライン67中で、水供給ポンプ68よりも散水器61側で水調節弁69よりも水タンク62側の位置と、排水処理装置89とを接続する。処理水調節弁79は、この処理水ライン78中に設けられている。なお、水供給ポンプ68は、この処理水供給装置77の構成要素の一つであると共に、散水装置60の構成要素の一つでもある。
【0064】
本実施形態の制御装置90は、第一実施形態の制御装置90と同様に構成で、ガスタービン制御器91及び散水制御器92を有する。また、本実施形態の制御装置90は、第一実施形態の制御装置90と同様に動作する。このため、燃焼器15へのアンモニアの供給開始過程では、ガスタービン制御器91及び散水制御器92が、図2のフローチャートで示す動作をする。また、燃焼器15へのアンモニアの供給停止過程では、ガスタービン制御器91及び散水制御器92が、図3のフローチャートで示す動作をする。
【0065】
本実施形態では、散水器61に供給する水中に、酸を投入する。よって、散水器61から散水される水は、弱酸性になる。このため、本実施形態では、排気ガス流路35中のアンモニアの吸収効率を高めることができる。アンモニアを吸収した水中には、アンモニアと酸との反応で生成された塩が含まれる。このアンモニア及び塩を含む水は、ダクト31の下部に溜まり、水回収ライン71を介して、水タンク62に戻る。塩量検知器65は、水タンク62内の水中の塩の量を検知する。この塩量検知器65により検知された塩の量が予め定められた値以上になると、水供給ポンプ68が駆動し、処理水調節弁79が開いて、塩を含む水が、処理水ライン78を介して、排水処理装置89に送られる。その後、補給水ライン63から水タンク62内に水が補給されると共に、酸供給装置80から水タンク62内に酸水溶液が供給される。
【0066】
なお、本実施形態は、第一実施形態の変形例であるが、第二実施形態に関しても、本実施形態のように変形してもよい。すなわち、第二実施形態においても、第二実施形態のガスタービン設備におけるアンモニア水供給装置74の替りに処理水供給装置77を備え、さらに、酸供給装置80を備えてもよい。
【0067】
「付記」
以上の実施形態におけるガスタービン設備は、例えば、以下のように把握される。
【0068】
(1)第一態様におけるガスタービン設備は、
燃焼器15を有するガスタービン10と、前記燃焼器15にアンモニアを供給するアンモニア供給装置20と、前記ガスタービン10からの排気ガスが流れる排気ガス流路35を形成する流路形成枠34と、前記排気ガス流路35内に配置され、前記排気ガス流路35内に散水できる散水器61,61aを有する散水装置60,60aと、前記散水装置60,60aの動作を制御する散水制御器92と、を備える。前記散水制御器92は、前記アンモニア供給装置20から前記燃焼器15へのアンモニアの供給開始指示、又はアンモニアの供給停止指示を受け付けることを条件として、前記散水装置60,60aに対して散水開始を指示する。
【0069】
アンモニア供給装置20は、一般的に、燃料としてのアンモニアが流れるアンモニアライン22と、このアンモニアライン22中に設けられている燃料調節弁25と、を有する。アンモニア供給装置20から燃焼器15へのアンモニアの供給開始過程では、アンモニアライン22中で燃料調節弁25よりも燃焼器15側の部分、及び燃焼器15の燃料ノズル15n内がアンモニアで満たされ、燃焼器15の燃焼筒15c内にアンモニアが噴射され始める。その後、燃焼筒15c内のアンモニアに点火される。燃料調節弁25がアンモニアの供給開始指示を受け付けて、この燃料調節弁25が開いてから、燃焼筒15c内のアンモニアが点火されるまでの間に、燃料調節弁25から流出したアンモニアは、燃焼せずに、ガスタービン10から排気される。このアンモニアは、排気ガス流路35内を流れる。また、燃焼器15へのアンモニアの供給停止過程では、燃料調節弁25がアンモニアの供給停止指示を受け付けて、この燃料調節弁25が閉じた後、アンモニアライン22中で燃料調節弁25よりも燃焼器15側の部分、及び燃焼器15の燃料ノズル15n内のアンモニアが燃焼筒15c内に流出する。このアンモニアも、燃焼せずに、ガスタービン10から排気される。
【0070】
本態様の散水制御器92は、アンモニアの供給開始指示、又はアンモニアの供給停止を受け付けると、散水装置60,60aに対して散水開始を指示する。この結果は、散水器61,61aから排気ガス流路35内に散水が開始され、この水に排気ガス流路35内を流れるアンモニアが吸収される。
【0071】
よって、本態様では、アンモニア供給装置20から燃焼器15へのアンモニアの供給開始過程、又はアンモニアの供給停止過程におけるアンモニアの外部への排出を抑えることができる。
【0072】
(2)第二態様におけるガスタービン設備は、
前記第一態様におけるガスタービン設備において、前記散水制御器92は、前記アンモニアの供給開始指示、又は前記アンモニアの供給停止指示を受け付けてから、予め定められた時間の経過後に、前記散水装置60,60aに対して散水停止を指示する。前記予め定められた時間の終了時点は、ガスタービン10から未燃焼のアンモニアが排気されなくなると想定される時点よりも後の時点である。
【0073】
本態様では、未燃焼のアンモニアがガスタービン10から排気され始めてから、未燃焼のアンモニアがガスタービン10から排気されなくなると想定される時点の間、散水装置60,60aにより、排気ガス流路35内に水が散水され、この水に排気ガス流路35内のアンモニアが吸収される。そして、未燃焼のアンモニアがガスタービン10から排気されなくなると想定される時点よりも後に、散水装置60,60aから排気ガス流路35内への散水が停止される。よって、本態様では、散水装置60,60aの駆動時間を制限することができ、散水装置60,60aの駆動電力及び散水する水の消費量を抑えることができる。
【0074】
(3)第三態様におけるガスタービン設備は、
前記第一態様又は前記第二態様におけるガスタービン設備において、前記排気ガス流路35内に散水された水を含む液体を流路形成枠34の外に導く水回収ライン71,71aをさらに備える。
【0075】
散水器61,61aから排気ガス流路35内に散水されて、アンモニアを吸収した水は、排気ガス流路35内に溜まる。本態様では、この水が水回収ライン71,71aにより、流路形成枠34の外に導かれる。
【0076】
(4)第四態様におけるガスタービン設備は、
前記第三態様におけるガスタービン設備において、ミストを捕集できるミストエリミネータ70をさらに備える。前記流路形成枠34は、前記ガスタービン10に接続されているダクト31を有する。前記ダクト31には、前記排気ガス流路35の少なくとも一部を形成するダクトガス流路36が形成されている。前記散水器61は、前記ダクトガス流路36中に配置され、前記ダクトガス流路36中の前記排気ガスの流れの下流側に向かって、散水可能に構成されている。前記ミストエリミネータ70は、前記ダクトガス流路36中であって、前記散水器61よりも前記下流側に配置されている。前記水回収ライン71は、前記ダクト31中で、前記ミストエリミネータ70よりも前記排気ガスの流れ方向における下流側の位置、又は前記排気ガスの流れ方向で前記ミストエリミネータ70が配置されている領域、に接続されている。
【0077】
本態様では、ダクトガス流路36内を流れるアンモニアが、ダクトガス流路36内に配置される散水器61から散水された水滴により吸収される。アンモニアを吸収してダクトガス流路36内を下流側に流れた水滴は、ミストエリミネータ70により捕集される。ミストエリミネータ70に捕集された水滴は、ダクト31内に溜まる。ダクト31内に溜まった水は、水回収ライン71により、ダクト31の外に導かれる。
【0078】
(5)第五態様におけるガスタービン設備は、
前記第三態様におけるガスタービン設備において、前記流路形成枠34は、前記ガスタービン10に接続されているダクト31と、前記ダクト31に接続されている煙突33と、を有する。前記煙突33には、前記排気ガス流路35の少なくとも一部を形成し、鉛直方向に延びる煙突ガス流路37が形成されている。前記散水器61aは、前記煙突ガス流路37中に配置され、水平方向成分を有する方向に向かって、散水可能に構成されている。前記水回収ライン71aは、前記煙突33中で、前記散水器61aが配置されている位置よりも下側の位置に接続されている。
【0079】
本態様では、煙突ガス流路37内を流れるアンモニアが、煙突ガス流路37内に配置される散水器61,61aから散水された水滴により吸収される。アンモニアを吸収した水滴は、煙突33内に溜まる。この水は、水回収ライン71aにより、煙突33の外に導かれる。
【0080】
(6)第六態様におけるガスタービン設備は、
前記第三態様から前記第五態様のいずれか一態様におけるガスタービン設備において、前記散水装置60,60aは、前記排気ガス流路35内に散水する水を溜めておくことができる水タンク62と、前記水タンク62内の水を前記散水器61,61aに供給できる水供給装置66と、を有する。前記散水制御器92は、前記水供給装置66を制御する。
【0081】
(7)第七態様におけるガスタービン設備は、
前記第六態様におけるガスタービン設備において、前記排気ガス流路35中であって、前記散水器61,61aよりも、前記排気ガスの流れ方向における上流側に配置され、前記排気ガス中の窒素酸化物を除去する脱硝装置50と、前記水タンク62内の水を前記脱硝装置50に供給できるアンモニア水供給装置74と、をさらに備える。前記水回収ライン71,71aは、前記水タンク62に接続されている。前記水タンク62には、前記水タンク62内のアンモニア濃度を検知できるアンモニア濃度計64が設けられている。前記アンモニア水供給装置74は、前記アンモニア濃度計64で検知されたアンモニア濃度が予め定められた濃度以上になると、前記水タンク62内の水を前記脱硝装置50に供給する。
【0082】
排気ガス流路35内への散水が繰り返し実行され、そのたびに、アンモニアを吸収した水が水タンク62に戻ってくると、水タンク62内の水中におけるアンモニア濃度は次第に高まる。水タンク62内のアンモニア濃度は、アンモニア濃度計64により検知される。このアンモニア濃度計64で検知されたアンモニア濃度が予め定められた濃度以上で、且つ脱硝装置50の脱硝処理が必要な条件下では、アンモニア水供給装置74により、アンモニアを含む水タンク62内の水が脱硝装置50に供給される。脱硝装置50は、このアンモニア水を用いて、排気ガス中に含まれるNOxを窒素と水蒸気とに分解する。よって、本実施形態では、脱硝処理に用いるアンモニア水供給源からのアンモニア水の使用量を抑えることができる。
【0083】
(8)第八態様におけるガスタービン設備は、
前記第六態様におけるガスタービン設備において、前記アンモニアとの反応で塩が生成される酸を前記水タンク62内に供給できる酸供給装置80と、前記水タンク62内の水を排水処理装置89に導くことができる処理水供給装置77と、をさらに備える。前記水回収ライン71,71aは、前記水タンク62に接続されている。前記水タンク62には、前記水タンク62内の前記塩の量を検知できる塩量検知器65が設けられている。前記処理水供給装置77は、前記塩量検知器65で検知された前記塩の量が予め定められた量以上になると、前記水タンク62内の水を排水処理装置89に導く。
【0084】
散水器61,61aに供給する水中に、酸供給装置80からの酸を供給すると、散水器61,61aから散水される水は、弱酸性になる。このため、本態様では、排気ガス流路35中のアンモニアの吸収効率を高めることができる。アンモニアを吸収した水中には、アンモニアと酸との反応で生成された塩が含まれる。このアンモニア及び塩を含む水は、水回収ライン71,71aを介して、水タンク62に戻る。塩量検知器65は、水タンク62内の水中の塩の量を検知する。この塩量検知器65により検知された塩の量が予め定められた値以上になると、塩を含む水が、処理水供給装置77により、排水処理装置89に送られる。
【0085】
以上の各実施形態におけるガスタービン設備のアンモニア排出抑制方法は、例えば、以下のように把握される。
(9)第九態様におけるガスタービン設備のアンモニア排出抑制方法は、以下のガスタービン設備に適用される。
ガスタービン設備は、燃焼器15を有するガスタービン10と、前記燃焼器15にアンモニアを供給するアンモニア供給装置20と、前記ガスタービン10からの排気ガスが流れる排気ガス流路35を形成する流路形成枠34と、を備える。
本態様におけるアンモニア排出抑制方法では、前記排気ガス流路35内に散水する散水工程S16を実行する。前記散水工程S16では、前記アンモニア供給装置20から前記燃焼器15へのアンモニアの供給開始指示、又はアンモニアの供給停止指示を受け付けることを条件として、前記排気ガス流路35内への散水を開始する。
【0086】
本態様では、第一態様におけるガスタービン設備と同様、アンモニアの供給開始指示、又はアンモニアの供給停止を受け付けると、排気ガス流路35内に散水が開始される。この水に排気ガス流路35内を流れるアンモニアが吸収される。よって、本態様でも、第一態様におけるガスタービン設備と同様、アンモニア供給装置20から燃焼器15へのアンモニアの供給開始過程、又はアンモニアの供給停止過程におけるアンモニアの外部への排出を抑えることができる。
【0087】
(10)第十態様におけるガスタービン設備のアンモニア排出抑制方法は、
前記第九態様におけるガスタービン設備のアンモニア排出抑制方法において、前記散水工程S16では、前記アンモニアの供給開始指示、又は前記アンモニアの供給停止指示を受け付けてから、予め定められた時間の経過後に、前記排気ガス流路35内への散水を停止する。前記予め定められた時間の終了時点は、ガスタービン10から未燃焼のアンモニアが排気されなくなると想定される時点よりも後の時点である。
【0088】
本態様では、第二態様におけるガスタービン設備と同様、散水工程S16の実行時間を制限することができ、散水工程S16を実行するために必要な電力及び散水する水の消費量を抑えることができる。
【符号の説明】
【0089】
10:ガスタービン
11:ガスタービンロータ
12:中間ケーシング
14:圧縮機
14r:圧縮機ロータ
14c:圧縮機ケーシング
15:燃焼器
15c:燃焼筒(又は尾筒)
15n:燃料ノズル
15i:点火栓
16:タービン
16r:タービンロータ
16c:タービンケーシング
20:アンモニア供給装置
21:アンモニアタンク
22:アンモニアライン
23:アンモニアポンプ
24:気化器
25:燃料調節弁
26:パージガスライン
27:パージガス調節弁
30:排熱回収ボイラ
31:ダクト
32:伝熱管
33:煙突
34:流路形成枠
35:排気ガス流路
36:ダクトガス流路
37:煙突ガス流路
41:蒸気タービン
42:主蒸気ライン
43:復水器
44:給水ライン
45:ポンプ
50:脱硝装置
51:触媒層
52:アンモニア散布器
53:アンモニア水供給ライン
54:アンモニア水調節弁
60,60a:散水装置
61,61a:散水器
61h:リングヘッダ
61n:ノズル
62:水タンク
63:補給水ライン
64:アンモニア濃度計
65:塩量検知器
66:水供給装置
67:水ライン
68:水供給ポンプ
69:水調節弁
70:ミストエリミネータ
71,71a:水回収ライン
74:アンモニア水供給装置
75:アンモニア水サブライン
76:アンモニア水サブ調節弁
77:処理水供給装置
78:処理水ライン
79:処理水調節弁
80:酸供給装置
81:酸タンク
82:酸ライン
83:酸供給ポンプ
84:酸調節弁
89:排水処理装置
90:制御装置
91:ガスタービン制御器
92:散水制御器
【要約】
【課題】アンモニアをガスタービンの燃料として用いる場合、外部へのアンモニアの排出を抑制する。
【解決手段】ガスタービン設備は、ガスタービンと、前記ガスタービンの燃焼器にアンモニアを供給するアンモニア供給装置と、前記ガスタービンからの排気ガスが流れる排気ガス流路を形成する流路形成枠と、前記排気ガス流路内に散水できる散水器を有する散水装置と、前記散水装置の動作を制御する散水制御器と、を備える。前記散水制御器は、前記アンモニア供給装置から前記燃焼器へのアンモニア供給開始指示又はアンモニア供給停止指示を受け付けることを条件として、前記散水装置に対して散水開始を指示する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6