IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機モビリティ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-半導体モジュール 図1
  • 特許-半導体モジュール 図2
  • 特許-半導体モジュール 図3
  • 特許-半導体モジュール 図4A
  • 特許-半導体モジュール 図4B
  • 特許-半導体モジュール 図4C
  • 特許-半導体モジュール 図5A
  • 特許-半導体モジュール 図5B
  • 特許-半導体モジュール 図6A
  • 特許-半導体モジュール 図6B
  • 特許-半導体モジュール 図7
  • 特許-半導体モジュール 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-14
(45)【発行日】2025-02-25
(54)【発明の名称】半導体モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20250217BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20250217BHJP
   H01L 23/48 20060101ALI20250217BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/48 G
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023503312
(86)(22)【出願日】2021-03-05
(86)【国際出願番号】 JP2021008614
(87)【国際公開番号】W WO2022185515
(87)【国際公開日】2022-09-09
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】324003048
【氏名又は名称】三菱電機モビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】竹内 謙介
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-061412(JP,A)
【文献】特開2005-072266(JP,A)
【文献】特開平05-067724(JP,A)
【文献】特開平04-039958(JP,A)
【文献】特開2001-177037(JP,A)
【文献】特開平06-104374(JP,A)
【文献】特開平05-152485(JP,A)
【文献】実公平06-035476(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
H01L 23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の半導体スイッチング素子と、
側面を有し、前記複数の半導体スイッチング素子を囲む樹脂モールドと、
前記樹脂モールドの内部において前記複数の半導体スイッチング素子に電気的に接続された複数の内部端子と、前記樹脂モールドの前記側面から突出する複数の外部端子とを有する端子部材と、
前記樹脂モールドの前記側面から離間した位置に配置され、前記複数の外部端子が配列する方向に延在し、前記複数の外部端子の各々の外周の一部を覆い、前記複数の外部端子が互いに離間するように前記複数の外部端子を固定するサポート部材と、
を備え
前記複数の外部端子の各々は、
前記樹脂モールドの前記側面から突出する第1端子部と、
前記複数の外部端子が配列する方向における前記第1端子部の幅よりも小さい幅を有し、前記第1端子部に連続し、前記樹脂モールドの前記側面とは反対側に位置する端部を有する第2端子部と、
前記第1端子部と前記第2端子部との間に形成された段差部と、
を有し、
前記サポート部材は、前記第1端子部と前記第2端子部との間の境界に配置されており、かつ、前記段差部を覆う、
半導体モジュール。
【請求項2】
複数の半導体スイッチング素子と、
側面を有し、前記複数の半導体スイッチング素子を囲む樹脂モールドと、
前記樹脂モールドの内部において前記複数の半導体スイッチング素子に電気的に接続された複数の内部端子と、前記樹脂モールドの前記側面から突出する複数の外部端子とを有する端子部材と、
前記樹脂モールドの前記側面から離間した位置に配置され、前記複数の外部端子が配列する方向に延在し、前記複数の外部端子の各々の外周の一部を覆い、前記複数の外部端子が互いに離間するように前記複数の外部端子を固定するサポート部材と、
を備え、
前記複数の外部端子は、
前記樹脂モールドの前記側面と前記サポート部材との間に位置する第1屈曲部を有する複数の第1外部端子で構成された第1端子グループと、
前記樹脂モールドの前記側面と前記サポート部材との間に位置する第2屈曲部を有する複数の第2外部端子で構成された第2端子グループと、
によって構成され、
前記樹脂モールドの前記側面から前記第2屈曲部までの距離は、前記樹脂モールドの前記側面から前記第1屈曲部までの距離よりも大きく、
前記サポート部材は、互いに平行な第1サポート部材と第2サポート部材とで構成され、
前記第1サポート部材は、前記第1端子グループの前記複数の第1外部端子が互いに離間するように前記複数の第1外部端子を固定し、
前記第2サポート部材は、前記第2端子グループの前記複数の第2外部端子が互いに離間するように前記複数の第2外部端子を固定し、
前記樹脂モールドの前記側面に沿った方向において、前記複数の第2外部端子のうち2つの第2外部端子の間に、前記複数の第1外部端子のち2つ以上の第1外部端子が配置されている、
半導体モジュール。
【請求項3】
複数の半導体スイッチング素子と、
側面を有し、前記複数の半導体スイッチング素子を囲む樹脂モールドと、
前記樹脂モールドの内部において前記複数の半導体スイッチング素子に電気的に接続された複数の内部端子と、前記樹脂モールドの前記側面から突出する複数の外部端子とを有する端子部材と、
前記樹脂モールドの前記側面から離間した位置に配置され、前記複数の外部端子が配列する方向に延在し、前記複数の外部端子の各々の外周の一部を覆い、前記複数の外部端子が互いに離間するように前記複数の外部端子を固定するサポート部材と、
を備え、
前記複数の外部端子は、
前記樹脂モールドの前記側面と前記サポート部材との間に位置する第1屈曲部を有する複数の第1外部端子で構成された第1端子グループと、
前記樹脂モールドの前記側面と前記サポート部材との間に位置する第2屈曲部を有する複数の第2外部端子で構成された第2端子グループと、
によって構成され、
前記樹脂モールドの前記側面から前記第2屈曲部までの距離は、前記樹脂モールドの前記側面から前記第1屈曲部までの距離よりも大きく、
前記サポート部材は、前記第1端子グループの前記複数の第1外部端子が互いに離間するように前記複数の第1外部端子を固定し、かつ、前記第2端子グループの前記複数の第2外部端子が互いに離間するように前記複数の第2外部端子を固定する、
半導体モジュール。
【請求項4】
前記樹脂モールドの材料は、前記サポート部材の材料と同じである、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
【請求項5】
前記サポート部材の形状は、直方体形状であり、
前記サポート部材は、前記樹脂モールドの前記側面に平行に配置されている、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
【請求項6】
前記サポート部材の厚さ方向において、
前記サポート部材の中心位置は、前記複数の外部端子の各々の中心位置と一致している、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
【請求項7】
前記複数の外部端子の各々は、前記樹脂モールドの前記側面とは反対側に位置する端部を有し、
前記サポート部材は、前記樹脂モールドの前記側面よりも前記端部の近くに配置されている、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
【請求項8】
前記サポート部材の厚さは、前記樹脂モールドの厚さ以下である、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
【請求項9】
前記複数の外部端子の各々は、
前記複数の外部端子が延在する方向に及び前記複数の外部端子が配列する方向に対して直交する方向に平行な2つの第1面と、
前記複数の外部端子が配列する方向に平行な2つの第2面と、
を有し、
前記サポート部材は、前記2つの第1面及び前記2つの第2面を覆っている、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
【請求項10】
前記複数の外部端子の各々は、
前記樹脂モールドの前記側面と前記サポート部材との間に位置する屈曲部を有する、
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の半導体モジュール。
【請求項11】
前記複数の外部端子の各々は、
前記樹脂モールドの前記側面から突出する第1端子部と、
前記複数の外部端子が配列する方向における前記第1端子部の幅よりも小さい幅を有し、前記第1端子部に連続し、前記樹脂モールドの前記側面とは反対側に位置する端部を有する第2端子部と
を有し、
前記サポート部材は、前記第1端子部と前記第2端子部との間の境界に配置されている、
請求項2又は請求項3に記載の半導体モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2には、従来の半導体モジュールが記載されている。このような半導体モジュールは、例えば、複数の端子と、複数の半導体スイッチング素子と、端子間を接続する配線、及び端子と半導体スイッチング素子とを接続する配線等を有する。複数の端子は、例えば、プラス極の電源端子、マイナス極の電源端子、出力端子(負荷端子)、制御端子等である。
【0003】
特許文献1には、制御端子及びパワー端子が折り曲げられた立体的な構造が記載されている。特許文献2には、端子の周囲に形成された高熱伝導樹脂製の部材が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】日本国特許第4336713号
【文献】日本国特許第4979909号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2の構造では、樹脂モールドに生じる反りや変形、或いは、端子のスプリングバックに起因して、端子の位置ずれや変形が生じるという課題があった。
【0006】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、端子の位置ずれや変形を抑制することが可能な半導体モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る半導体モジュールは、複数の半導体スイッチング素子と、側面を有し、前記複数の半導体スイッチング素子を囲む樹脂モールドと、前記樹脂モールドの内部において前記複数の半導体スイッチング素子に電気的に接続された複数の内部端子と、前記樹脂モールドの前記側面から突出する複数の外部端子とを有する端子部材と、前記樹脂モールドの前記側面から離間した位置に配置され、前記複数の外部端子が配列する方向に延在し、前記複数の外部端子の各々の外周の一部を覆い、前記複数の外部端子が互いに離間するように前記複数の外部端子を固定するサポート部材と、を備える。前記複数の外部端子の各々は、第1端子部と、第2端子部と、段差部とを有する。前記第1端子部は、前記樹脂モールドの前記側面から突出する。前記第2端子部は、前記複数の外部端子が配列する方向における前記第1端子部の幅よりも小さい幅を有する。前記第2端子部は、前記第1端子部に連続する。前記第2端子部は、前記樹脂モールドの前記側面とは反対側に位置する端部を有する。前記段差部は、前記第1端子部と前記第2端子部との間に形成されている。前記サポート部材は、前記第1端子部と前記第2端子部との間の境界に配置されており、かつ、前記段差部を覆う。
本開示に係る半導体モジュールは、複数の半導体スイッチング素子と、側面を有し、前記複数の半導体スイッチング素子を囲む樹脂モールドと、前記樹脂モールドの内部において前記複数の半導体スイッチング素子に電気的に接続された複数の内部端子と、前記樹脂モールドの前記側面から突出する複数の外部端子とを有する端子部材と、前記樹脂モールドの前記側面から離間した位置に配置され、前記複数の外部端子が配列する方向に延在し、前記複数の外部端子の各々の外周の一部を覆い、前記複数の外部端子が互いに離間するように前記複数の外部端子を固定するサポート部材と、を備える。前記複数の外部端子は、第1端子グループと第2端子グループとによって構成されている。第1端子グループは、前記樹脂モールドの前記側面と前記サポート部材との間に位置する第1屈曲部を有する複数の第1外部端子で構成されている。前記第2端子グループは、前記樹脂モールドの前記側面と前記サポート部材との間に位置する第2屈曲部を有する複数の第2外部端子で構成されている。前記樹脂モールドの前記側面から前記第2屈曲部までの距離は、前記樹脂モールドの前記側面から前記第1屈曲部までの距離よりも大きい。前記サポート部材は、互いに平行な第1サポート部材と第2サポート部材とで構成されている。前記第1サポート部材は、前記第1端子グループの前記複数の第1外部端子が互いに離間するように前記複数の第1外部端子を固定する。前記第2サポート部材は、前記第2端子グループの前記複数の第2外部端子が互いに離間するように前記複数の第2外部端子を固定する。前記樹脂モールドの前記側面に沿った方向において、前記複数の第2外部端子のうち2つの第2外部端子の間に、前記複数の第1外部端子のち2つ以上の第1外部端子が配置されている。
本開示に係る半導体モジュールは、複数の半導体スイッチング素子と、側面を有し、前記複数の半導体スイッチング素子を囲む樹脂モールドと、前記樹脂モールドの内部において前記複数の半導体スイッチング素子に電気的に接続された複数の内部端子と、前記樹脂モールドの前記側面から突出する複数の外部端子とを有する端子部材と、前記樹脂モールドの前記側面から離間した位置に配置され、前記複数の外部端子が配列する方向に延在し、前記複数の外部端子の各々の外周の一部を覆い、前記複数の外部端子が互いに離間するように前記複数の外部端子を固定するサポート部材と、を備える。前記複数の外部端子は、第1端子グループと第2端子グループとによって構成されている。前記第1端子グループは、前記樹脂モールドの前記側面と前記サポート部材との間に位置する第1屈曲部を有する複数の第1外部端子で構成されている。前記第2端子グループは、前記樹脂モールドの前記側面と前記サポート部材との間に位置する第2屈曲部を有する複数の第2外部端子で構成されている。前記樹脂モールドの前記側面から前記第2屈曲部までの距離は、前記樹脂モールドの前記側面から前記第1屈曲部までの距離よりも大きい。前記サポート部材は、前記第1端子グループの前記複数の第1外部端子が互いに離間するように前記複数の第1外部端子を固定し、かつ、前記第2端子グループの前記複数の第2外部端子が互いに離間するように前記複数の第2外部端子を固定する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、端子の位置ずれや変形を抑制することが可能な半導体モジュールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る半導体モジュールを備えた車両用電動パワーステアリング装置の全体構成を示す回路図である。
図2】実施の形態1に係る半導体モジュールの内部構造を示す平面図である。
図3】実施の形態1に係る半導体モジュールを示す斜視図である。
図4A】実施の形態1に係る半導体モジュールの要部を示す平面図である。
図4B】実施の形態1に係る半導体モジュールの要部を示す平面図である。
図4C】実施の形態1に係る半導体モジュールの要部を示す拡大断面図である。
図5A】実施の形態1に係る半導体モジュールの要部を示す拡大断面図であり、外部端子を折り曲げる工程を示す図である。
図5B】実施の形態1に係る半導体モジュールの要部を示す拡大断面図であり、外部端子を折り曲げる工程を示す図である。
図6A】実施の形態1の変形例に係る半導体モジュールを示す平面図である。
図6B】実施の形態1の変形例に係る半導体モジュールを示す側面図である。
図7】実施の形態2に係る半導体モジュールを示す斜視図である。
図8】実施の形態3に係る半導体モジュールを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る半導体モジュールを備えた車両用電動パワーステアリング装置の全体構成(システム全体構成)を示す回路図である。
車両用電動パワーステアリング装置100は、例えば、制御ユニット1、モータ2、第1センサ6、第2センサ8、バッテリ9(電源)、イグニションスイッチ10等から構成されている。
【0011】
制御ユニット1は、複数の半導体スイッチング素子が内蔵された半導体モジュール60a(図2参照、後述)を備える。
制御ユニット1は、例えば、制御回路3、インバータ回路4、電源リレー5、コンデンサ7U、7V、7W等から構成されている。
制御回路3は、イグニションスイッチ10を介してバッテリ9に接続されている。制御回路3は、例えば、CPU30、駆動回路31、入力回路32、及び電源回路33を備える。
【0012】
電源リレー5は、インバータ回路4の上流側、すなわち、インバータ回路4とバッテリ9との間に配置されている。電源リレー5は、互いに直列に接続された2個のスイッチング素子5a、5bで構成されている。電源リレー5は、バッテリ9とインバータ回路4とを接続したり、遮断したりするリレー機能を有する。つまり、電源リレー5は、インバータ回路4に対する電力供給のスイッチングを行う。
【0013】
コンデンサ7U、7V、7Wは、平滑コンデンサであり、互いに並列に配置されている。コンデンサ7U、7V、7Wの各々は、バッテリ9のプラス極とグランド(マイナス極)との間に接続されている。
【0014】
インバータ回路4は、モータ2の巻線に電流を供給する。
インバータ回路4は、複数のスイッチング素子(半導体スイッチング素子)を有する。電源リレー5は、バッテリ9に接続されている。インバータ回路4は、モータ2を構成する3相(U相、V相、W相)巻線に対応する3個のブリッジ回路で構成されている。
【0015】
3相の各々は、同一の回路で構成されている。以下の説明では、1つの相(U相)について説明し、V相及びW相に関する説明を省略する。
インバータ回路4においては、高電位側スイッチング素子41Uと低電位側スイッチング素子42Uが直列に接続されている。高電位側スイッチング素子41Uと低電位側スイッチング素子42Uとの間に位置する中間接続部には、リレースイッチング素子44Uが接続されている。リレースイッチング素子44Uは、モータ2のコイルに加わる負荷やコイルからの出力に応じて、モータ2のコイルとインバータ回路4とを接続したり、遮断したりするリレー機能を有する。
【0016】
低電位側スイッチング素子42Uの下流側(高電位側スイッチング素子41Uの反対側)には、電流を検出するシャント抵抗43Uが接続されている。
シャント抵抗43Uの両端には、端子群TMが設けられている。端子群TMは、シャント抵抗43Uの両端の電位差を検出し、電流値に変換するために用いられる。インバータ回路4には、インバータ回路4の状態(モニタ信号)を検出するためのモニタ端子が設けられている。モニタ信号は、制御回路3の入力回路32を介してCPU30へ伝達される。
【0017】
モータ2は、3相の巻線(U相、V相、W相)で構成されたブラシレスモータである。U相巻線、V相巻線、及びW相巻線は、インバータ回路4の3個のブリッジ回路に対応している。
第1センサ6は、モータの回転角を検出する回転センサであり、モータ2の隣に配置されている。第1センサ6によって検出された回転角信号は、第1センサ6から出力され、制御回路3に入力される。
第2センサ8は、ハンドル操作力を検出するトルクセンサ、車両の速度を検出する車速センサ等である。第2センサ8によって検出された信号は、第2センサ8から出力され、制御回路3に入力される。
【0018】
制御回路3のCPU30は、モータ2の回転に必要な電流値を演算し、演算結果に基づく制御信号を駆動回路31に出力する。駆動回路31は、インバータ回路4を構成する複数のスイッチング素子の各々を駆動する。
インバータ回路4は、電流検出を検出し、電流検出信号を制御回路3に出力する。制御回路3には電流検出信号が入力され、制御回路3は、制御回路3とインバータ回路4との間でフィードバック制御を行う。
上述した全てのスイッチング素子は、CPU30の指令に基づき、駆動回路31の出力信号により制御される。
【0019】
なお、制御ユニット1を構成する半導体モジュール60aに内蔵される回路は、図1に示す構造に限定されない。例えば、半導体モジュール60aに内蔵されるインバータ回路4のブリッジ回路の個数は1~3個でもよいし、4個以上でもよい。また、電源リレー5を省かれた回路、シャント抵抗43Uを省かれた回路、スイッチング素子の一部を省いた回路等が、半導体モジュール60aに内蔵されてもよい。
【0020】
(半導体モジュール)
図2は、半導体モジュール60aの内部構造を示す平面図である。図2においては、半導体モジュール60aの内部構造を説明するために、樹脂モールド70の図示を省略し、樹脂モールド70の外周70aが二点鎖線で示されている。
図3は、半導体モジュール60aを示す斜視図である。
図4Aは、半導体モジュール60aの要部を示す平面図であり、制御端子50iの構造を説明する図である。
図4Bは、半導体モジュール60aの要部を示す平面図であり、パワー端子50c、50eの構造を説明する図である。
図4Cは、半導体モジュール60aの要部を示す拡大断面図であり、第1サポート部材60Aと制御端子50iとの位置関係、及び、第2サポート部材60Bとパワー端子50c、50eとの位置関係を説明する図である。
【0021】
半導体モジュール60aは、高電位側スイッチング素子41U(半導体スイッチング素子)と、低電位側スイッチング素子42U(半導体スイッチング素子)と、シャント抵抗43Uと、リレースイッチング素子44U(半導体スイッチング素子)と、樹脂モールド70と、端子部材50を備える。
【0022】
(樹脂モールド)
樹脂モールド70は、半導体モジュール60aの全体を包むように形成されている。樹脂モールド70は、スイッチング素子41U、42U、44U、及びシャント抵抗43Uを囲んでいる。換言すると、スイッチング素子41U、42U、44U、及びシャント抵抗43Uは、樹脂モールド70の外周70aよりも内側の領域70bに配置されている。
樹脂モールド70を構成する材料としては、公知の樹脂が用いられ、材料の種類は限定されない。樹脂モールド70は、端子部材50の片面上のみにおいて、樹脂を成型することによって形成されている。
【0023】
(端子部材)
端子部材50は、樹脂モールド70の内部に配置されている内部端子50a、50g、50f、50g、50h、50j、50kと、樹脂モールド70の外部に配置されている複数のパワー端子50c、50d、50e(外部端子)及び複数の制御端子50i(外部端子)とを有する。
内部端子50aは、リレースイッチング素子44Uに接続されている。内部端子50bは、高電位側スイッチング素子41Uに接続されている。内部端子50fは、低電位側スイッチング素子42Uに接続されている。内部端子50g、50h、50j、50kは、制御端子50iに接続されている。
複数のパワー端子50c、50d、50e及び複数の制御端子50iは、樹脂モールド70の側面70cから突出している(図3参照)。換言すると、パワー端子50c、50d、50e及び制御端子50iは、樹脂モールド70から引き出されている。
【0024】
樹脂モールド70の内部には、接続配線45a、45b、46a、46b、46cが設けられている。
接続配線45aは、高電位側スイッチング素子41U、リレースイッチング素子44U、及び内部端子50fを電気的に接続する。
接続配線45bは、低電位側スイッチング素子42Uと内部端子50gとを電気的に接続する。
接続配線46aは、複数の制御端子50iのうちの一つである第1制御端子50iaと、低電位側スイッチング素子42Uとを電気的に接続する。
接続配線46bは、複数の制御端子50iのうちの一つである第2制御端子50ibと、内部端子50aとを電気的に接続する。
接続配線46cは、複数の制御端子50iのうちの一つである第3制御端子50icと、リレースイッチング素子44Uとを電気的に接続する。
接続配線46dは、複数の制御端子50iのうちの一つである第4制御端子50idと、高電位側スイッチング素子41Uとを電気的に接続する。
シャント抵抗43Uは、内部端子50gと内部端子50gとを電気的に接続する。
【0025】
(サポート部材)
図3に示すように、半導体モジュール60aは、サポート部材60を有する。サポート部材60は、樹脂モールド70の外部において、樹脂モールド70の側面70cから引き出されたパワー端子50c、50e及び制御端子50iを固定する。
具体的に、サポート部材60は、複数の制御端子50iを固定する第1サポート部材60Aと、パワー端子50c、50eを固定する第2サポート部材60Bとで構成されている。第1サポート部材60A及び第2サポート部材60Bを構成する材料としては、公知の樹脂が用いられ、材料の種類は限定されない。
【0026】
(第1サポート部材)
第1サポート部材60Aは、樹脂モールド70の側面70cから離間した位置に配置され、複数の制御端子50iが配列する方向に延在する。つまり、第1サポート部材60Aは、複数の制御端子50iの各々が延在する方向に略直角に交差する方向に延在する。第1サポート部材60Aは、複数の制御端子50iの各々の外周の一部を覆い、複数の制御端子50iが互いに離間するように複数の制御端子50iを固定する。換言すると、第1サポート部材60Aは、複数の制御端子50iを束ねて、互いに隣り合う制御端子50iの間の間隔を維持する。
複数の制御端子50iの各々は、樹脂モールド70の側面70cとは反対側に位置する端部50ieを有する。第1サポート部材60Aは、樹脂モールド70の側面70cよりも端部50ieの近くに配置されている。
複数の制御端子50iの各々は、樹脂モールド70の側面70cと第1サポート部材60Aとの間に位置する屈曲部50ifを有する。
【0027】
図4Aに示すように、複数の制御端子50iの各々は、樹脂モールド70の側面70cから突出する第1端子部50igと、端部50ieを有する第2端子部50ihとを有する。第2端子部50ihは、第1端子部50igに連続している。第2端子部50ihは、複数の制御端子50iが配列する方向における第1端子部50igの幅よりも小さい幅を有する。
第1サポート部材60Aは、第2端子部50ihの外周の一部を覆い、第2端子部50ihを固定する。第1サポート部材60Aは、第1端子部50igと第2端子部50ihとの間の境界に配置されている。換言すると、第1サポート部材60Aは、第1端子部50igと第2端子部50ihとの間に形成された段差部を覆うように形成されている。
【0028】
(第2サポート部材)
第2サポート部材60Bは、樹脂モールド70の側面70cから離間した位置に配置され、複数のパワー端子50c、50eが配列する方向に延在する。つまり、第2サポート部材60Bは、複数のパワー端子50c、50eの各々が延在する方向に略直角に交差する方向に延在する。第2サポート部材60Bは、複数のパワー端子50c、50eの各々の外周の一部を覆い、複数のパワー端子50c、50eが互いに離間するように複数のパワー端子50c、50eを固定する。換言すると、第2サポート部材60Bは、複数のパワー端子50c、50eを束ねて、パワー端子50c、50eの間の間隔を維持する。
パワー端子50cは、樹脂モールド70の側面70cとは反対側に位置する端部50ceをする。パワー端子50eは、樹脂モールド70の側面70cとは反対側に位置する端部50eeを有する。第2サポート部材60Bは、樹脂モールド70の側面70cよりも端部50ce、50eeの近くに配置されている。
パワー端子50cは、樹脂モールド70の側面70cと第2サポート部材60Bとの間に位置する屈曲部50cfを有する。
パワー端子50eは、樹脂モールド70の側面70cと第2サポート部材60Bとの間に位置する屈曲部50efを有する。
【0029】
図4Bに示すように、パワー端子50cは、樹脂モールド70の側面70cから突出する第1端子部50cgと、端部50ceを有する第2端子部50chとを有する。第2端子部50chは、第1端子部50cgに連続している。第2端子部50chは、パワー端子50c、50eが配列する方向における第1端子部50cgの幅よりも小さい幅を有する。
パワー端子50eは、樹脂モールド70の側面70cから突出する第1端子部50egと、端部50eeを有する第2端子部50ehとを有する。第2端子部50ehは、第1端子部50egに連続している。第2端子部50ehは、パワー端子50c、50eが配列する方向における第1端子部50egの幅よりも小さい幅を有する。
【0030】
なお、図4Bには、パワー端子50dが示されていないが、パワー端子50c、50eと同様の構成がパワー端子50dに適用されてもよい。
この場合、パワー端子50dは、樹脂モールド70の側面70cから突出する第1端子部50dgと、端部50deを有する第2端子部50dhとを有する。第2端子部50dhは、第1端子部50dgに連続している。第2端子部50dhは、複数のパワー端子が配列する方向における第1端子部50dgの幅よりも小さい幅を有する。
【0031】
第2サポート部材60Bは、第2端子部50ch、50ehの外周の一部を覆い、第2端子部50ch、50ehを固定する。第2サポート部材60Bは、第1端子部50cgと第2端子部50chとの間の境界に配置され、かつ、第1端子部50egと第2端子部50ehとの間の境界に配置されている。換言すると、第2サポート部材60Bは、第1端子部50egと第2端子部50ehとの間に形成された段差部と、第1端子部50cgと第2端子部50chとの間に形成された段差部とを覆うように形成されている。
【0032】
第1サポート部材60A及び第2サポート部材60Bの各々の形状は、例えば、直方体形状である。ここで、直方体形状とは、樹脂モールド70の辺方向に沿う長辺を有する形状である。第1サポート部材60A及び第2サポート部材60Bの各々は、樹脂モールド70の側面70cに平行に配置されている。
【0033】
図4Cに示すように、第1サポート部材60Aの厚さ方向THにおいて、第1サポート部材60Aの中心位置P1は、制御端子50iの中心位置P2と一致している。また、第1サポート部材60Aの厚さは、制御端子50iの厚さ以上である。つまり、中心位置P1、P2を通る中心線Cに対して第1サポート部材60Aの構造及び制御端子50iの構造が対称となるように、第1サポート部材60Aの厚さ及び制御端子50iの厚さが設定されている。
【0034】
同様に、第2サポート部材60Bの厚さ方向においても、第2サポート部材60Bの中心位置は、パワー端子50c、50eの各々の中心位置と一致している。また、第2サポート部材60Bの厚さは、パワー端子50c、50eの各々の厚さ以上である。つまり、中心位置P1、P2を通る中心線Cに対して第2サポート部材60B及びパワー端子50c、50eが対称となるように、パワー端子50c、50eが第2サポート部材60Bによって固定されている。
【0035】
複数の制御端子50iの各々は、2つの第1面Fと、2つの第2面Sとを有する。第1面Fは、制御端子50iが延在する方向(図3に示す符号D1)及び制御端子50iが配列する方向(図3に示す符号D2)に対して直交する方向(図3に示す符号D3)に平行な面である。第2面Sは、制御端子50iが配列する方向(図3に示す符号D2)に平行な面である。第1サポート部材60Aは、複数の制御端子50iの各々の2つの第1面F及び2つの第2面Sを覆っている。
【0036】
同様に、パワー端子50c、50eの各々は、2つの第1面Fと、2つの第2面Sとを有する。第1面Fは、パワー端子50c、50eが延在する方向(図3に示す符号E1)及びパワー端子50c、50eが配列する方向(図3に示す符号E2)に対して直交する方向(図3に示す符号E3)に平行な面である。第2面Sは、パワー端子50c、50eが配列する方向(図3に示す符号E2)に平行な面である。第2サポート部材60Bは、パワー端子50c、50eの各々の2つの第1面F及び2つの第2面Sを覆っている。
【0037】
なお、サポート部材60の厚さは、樹脂モールド70の厚さ以下である。
その理由は、複数の半導体スイッチング素子、端子部材、及び接続配線を覆う樹脂モールド70に比べて、サポート部材60は、制御端子50i及びパワー端子50c、50eを固定するだけであり、サポート部材60に加わる圧力も小さいからである。
【0038】
次に、図5A及び図5Bを参照し、外部端子を折り曲げて屈曲部を形成する工程について説明する。
図5A及び図5Bは、半導体モジュール60a要部を示す拡大断面図であり、外部端子を折り曲げる工程を示す図である。
以下の説明では、制御端子50iを折り曲げる工程を説明する。パワー端子50c、50eを折り曲げる工程は、制御端子50iを折り曲げる工程と同じであるため、説明を省略する。
【0039】
まず、図5Aに示すように、第1サポート部材60Aを複数の制御端子50iに形成する。第1サポート部材60Aが形成される位置は、樹脂モールド70の側面70cよりも端部50ieに近い位置である。これによって、複数の制御端子50iは、第1サポート部材60Aによって束ねられる。
【0040】
次に、制御端子50iの下方に治具200を配置し、治具200を下から上に向けて移動させる。治具200は、制御端子50iに接触する。さらに、治具200の上方向への移動に伴って、治具200は制御端子50iを折り曲げる。これにより、樹脂モールド70の側面70cと第1サポート部材60Aとの間において、屈曲部50ifが制御端子50iに形成される。
【0041】
実施の形態1に係る半導体モジュール60aによれば、第1サポート部材60Aによって複数の制御端子50iを束ねて固定することができる。第2サポート部材60Bによって複数のパワー端子50c、50eを束ねて固定することができる。これにより、端子部材50を加工した時の端子部材50の変形を抑制し、加工後における複数の制御端子50i及び複数のパワー端子50c、50eの各々の寸法を安定させることができる。
【0042】
さらに、第1サポート部材60A及び第2サポート部材60Bの各々が直方体形状を有するので、第1サポート部材60A及び第2サポート部材60Bの各々の形状を最小限の大きさにすることができる。これによって、第1サポート部材60A及び第2サポート部材60Bの各々が装着された半導体モジュール60aの形状を小型にすることができる。
【0043】
また、厚さ方向THにおいて、サポート部材60(第1サポート部材60A、第2サポート部材60B)の中心位置と、外部端子(制御端子50i、パワー端子50c、50e)の中心位置とが一致している。このため、サポート部材60の反り、ねじれ等の変形が抑制され、制御端子50i、パワー端子50c、50eの端子の寸法精度を安定させることができる。
【0044】
さらに、サポート部材60によって外部端子(制御端子50i、パワー端子50c、50e)を固定するので、半導体モジュール60aを製造する工程において外部端子を切断する際に外部端子に加わる応力をサポート部材60で緩和することができる。これによって、樹脂モールド70及び外部端子を製作する工程において、樹脂モールド70を構成する樹脂が外部端子から剥離することを抑制できる。また、サポート部材60を設けたことによって、外部端子を製作する工程における外部端子のねじれや曲がり等の変形を抑制することができる。
【0045】
また、実施の形態1においては、樹脂モールド70の側面70cよりも端部50ieの近くに第1サポート部材60Aが配置されている。また、樹脂モールド70の側面70cよりも端部50ce、50eeの近くに第2サポート部材60Bが配置されている。これにより、半導体モジュール60aを製作する工程において外部端子(制御端子50i、パワー端子50c、50e)の位置がずれた場合であっても、サポート部材60(第1サポート部材60A、第2サポート部材60B)が外部端子の位置を元の位置に戻す効果、すなわち、外部端子の位置を矯正する効果を得ることができる。
【0046】
サポート部材60(第1サポート部材60A、第2サポート部材60B)は、複数の外部端子(制御端子50i、パワー端子50c、50e)が配列する方向に延在している。また、外部端子が形成されていない部分にはサポート部材60は形成されていない。このため、サポート部材60の長さを短くすることができ、半導体モジュール60aの小型化に寄与する。
【0047】
第1サポート部材60Aは、複数の制御端子50iの各々の2つの第1面F及び2つの第2面Sを覆っているので、第1面F及び第2面Sの各々に平行な方向にける複数の制御端子50iの変形を抑制することができる。
同様に、第2サポート部材60Bは、パワー端子50c、50eの各々の2つの第1面F及び2つの第2面Sを覆っているので、第1面F及び第2面Sの各々に平行な方向にけるパワー端子50c、50eの変形を抑制することができる。
【0048】
さらに、図5A及び図5Bに示すように、樹脂モールド70の側面70cよりも端部50ieの近くに第1サポート部材60Aが配置されているので、治具200を用いて屈曲部50ifを形成したとしても、治具200が第1サポート部材60Aに接触するといった干渉を回避することができる。
【0049】
実施の形態1の変形例1.
本変形例1においては、サポート部材60(第1サポート部材60A及び第2サポート部材60B)の材料が樹脂モールド70の材料と同じである。
これにより、樹脂モールド70を形成する際に、樹脂モールド70と同じ材料を用いてサポート部材60を形成することができる。つまり、同一の工程において、樹脂モールド70及びサポート部材60を形成することができる。これにより、樹脂モールド70を形成する工程とは別の工程によりサポート部材60を形成する必要がない。したがって、サポート部材60のみを形成する工程を省略することができる。
【0050】
実施の形態1の変形例2.
本変形例2は、樹脂モールド70が矩形形状を有する点で、上述した実施の形態1とは相違する。
図6Aは、半導体モジュール61aを示す平面図である。図6Bは、半導体モジュール61aを示す側面図である。また、図6Bに示す符号Xは、樹脂モールド70の成型時において樹脂モールド70に反りが生じた場合を模式的に示している。
なお、図6Aにおいては、第2サポート部材60Bが省略されている。
【0051】
図6Aに示すように、矩形形状を有する樹脂モールド70は、平面視において、長辺70Lと短辺70Sとを有する。
第1サポート部材60A(60)は、長辺70Lに沿って延在し、複数の制御端子50iを束ねて固定している。
【0052】
樹脂モールド70の成型時においては、樹脂モールド70に反りが生じる場合がある。この反りは、符号Xで示すように、樹脂モールド70の長辺70Lの方向に沿って生じやすい。このような反りが樹脂モールド70に発生すると、制御端子50iの端部50ieの位置がずれてしまう場合がある。
【0053】
これに対し、図6Bに示すように、本変形例2においては第1サポート部材60Aが設けられているので、樹脂モールド70が矩形形状を有していたとしても、第1サポート部材60Aによって樹脂モールド70に反りが発生することを抑制できる。
【0054】
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係る半導体モジュール62aを示す斜視図である。
実施の形態2は、樹脂モールド70が矩形形状を有するとともに複数の外部端子が2列で配置されている点で、上述した実施の形態1とは相違する。
【0055】
図7に示すように、半導体モジュール62aは、矩形形状を有する樹脂モールド70と、複数の制御端子50iとパワー端子50c、50d、50eとを備える。複数の制御端子50i及びパワー端子50c、50d、50eは、樹脂モールド70を構成する一つの長辺70Lから引き出されている。
複数の制御端子50i(第1外部端子)は、第1列目に並んだ複数の外部端子を含む第1端子グループ55を構成する。複数の制御端子50iの各々は、樹脂モールド70の側面70cと第1サポート部材60Aとの間に位置する屈曲部50if(第1屈曲部)を有する。第1サポート部材60Aは、第1端子グループ55を構成する複数の制御端子50iが互いに離間するように、複数の制御端子50iを束ねて固定する。
【0056】
パワー端子50c、50d、50e(第2外部端子)は、第2列目に並んだ複数の外部端子を含む第2端子グループ56を構成する。パワー端子50c、50d、50eの各々は、樹脂モールド70の側面70cと第2サポート部材60Bとの間に位置する屈曲部50cf、50df、50ef(第2屈曲部)を有する。第2サポート部材60Bは、第2端子グループ56を構成するパワー端子50c、50d、50eが互いに離間するように、パワー端子50c、50d、50eを束ねて固定する。
【0057】
図4Bに示すように、第2サポート部材60Bは、第1端子部50egと第2端子部50ehとの間に形成された段差部と、第1端子部50cgと第2端子部50chとの間に形成された段差部とを覆うように形成されている。これにより、第2サポート部材60Bは、段差部によって掛かり止めされ、固定されている。
【0058】
樹脂モールド70の側面70cから屈曲部50cf、50df、50efまでの距離は、樹脂モールド70の側面70cから屈曲部50ifまでの距離よりも大きい。また、第1サポート部材60A及び第2サポート部材60Bは、互いに平行である。
【0059】
実施の形態2に係る半導体モジュール62aによれば、第1サポート部材60Aによって複数の制御端子50iを束ねて固定することができる。第2サポート部材60Bによって複数のパワー端子50c、50d、50eを束ねて固定することができる。これにより、端子部材50を加工した時の端子部材50の変形を抑制し、加工後における複数の制御端子50i及び複数のパワー端子50c、50d、50eの各々の寸法を安定させることができる。さらに、上述した実施の形態1と同様又は類似の効果を得ることができる。
【0060】
実施の形態2の変形例.
なお、図7に示すように複数の屈曲部が2列に配列されている場合においては、屈曲部50cf、50df、50efの位置に応じたサポート部材を設けてもよい。この構造によれば、複数の屈曲部が配列されていても、サポート部材によって複数のパワー端子50c、50d、50eの屈曲部の位置を矯正することができる。
【0061】
実施の形態3.
図8は、実施の形態3に係る半導体モジュールを示す斜視図である。
実施の形態3は、2列に配置された複数の外部端子が一つのサポート部材60によって固定されている点で、上述した実施の形態2とは相違する。
【0062】
図8に示すように、半導体モジュール63aは、矩形形状を有する樹脂モールド70と、複数の制御端子50iとパワー端子50c、50d、50eとを備える。複数の制御端子50i及びパワー端子50c、50d、50eは、樹脂モールド70を構成する一つの長辺70Lから引き出されている。
複数の制御端子50i(第1外部端子)は、第1列目に並んだ複数の外部端子を含む第1端子グループ55を構成する。複数の制御端子50iの各々は、樹脂モールド70の側面70cとサポート部材60との間に位置する屈曲部50if(第1屈曲部)を有する。
【0063】
パワー端子50c、50d、50e(第2外部端子)及び複数の制御端子50i(第2外部端子)は、第2列目に並んだ複数の外部端子を含む第2端子グループ56を構成する。パワー端子50c、50d、50eの各々は、樹脂モールド70の側面70cとサポート部材60との間に位置する屈曲部50cf、50df、50ef(第2屈曲部)を有する。さらに、第2列目に並んだ複数の制御端子50iの各々は、樹脂モールド70の側面70cとサポート部材60との間に位置する屈曲部50ii(第2屈曲部)を有する。
【0064】
樹脂モールド70の側面70cから屈曲部50cf、50df、50ef、50iiまでの距離は、樹脂モールド70の側面70cから屈曲部50ifまでの距離よりも大きい。
サポート部材60は、第1端子グループ55を構成する複数の制御端子50iと、第2端子グループ56を構成するパワー端子50c、50d、50e及び複数の制御端子50iとが互いに離間するように束ねて固定する。
【0065】
実施の形態3に係る半導体モジュール63aによれば、1つのサポート部材60Aによって複数の制御端子50i及び複数のパワー端子50c、50d、50eを束ねて固定することができる。これにより、端子部材50を加工した時の端子部材50の変形を抑制し、加工後における複数の制御端子50i及び複数のパワー端子50c、50d、50eの各々の寸法を安定させることができる。さらに、上述した実施の形態1と同様又は類似の効果を得ることができる。
【0066】
さらに、サポート部材60の個数が1つであるので、サポート部材の点数を削減することができる。複数の制御端子50i及び複数のパワー端子50c、50d、50eを一括して束ねて固定するので、寸法精度を高めることができる。
【符号の説明】
【0067】
1…制御ユニット 2…モータ 3…制御回路 4…インバータ回路 5…電源リレー 5a、5b…スイッチング素子 6…第1センサ 7U、7V、7W…コンデンサ 8…第2センサ 9…バッテリ 10…イグニションスイッチ 31…駆動回路 32…入力回路 33…電源回路 41U…高電位側スイッチング素子(半導体スイッチング素子) 42U…低電位側スイッチング素子(半導体スイッチング素子) 43U…シャント抵抗 44U…リレースイッチング素子(半導体スイッチング素子) 45a、45b、46a、46b、46c、46d…接続配線 50…端子部材 50a、50b、50f、50g、50h…内部端子 50c、50d、50e…パワー端子 50ce、50de、50ee、50ie…端部 50cf、50df、50ef、50if、50ii…屈曲部 50cg、50dg、50eg…第1端子部 50dh、50ch、50eh…第2端子部 50i…制御端子 50ia…第1制御端子(制御端子) 50ib…第2制御端子(制御端子) 50ic…第3制御端子(制御端子) 50id…第4制御端子(制御端子) 50ig…第1端子部 50ih…第2端子部 50j、50k…内部端子 55…第1端子グループ 56…第2端子グループ 60…サポート部材 60a、61a、62a、63a…半導体モジュール 60A…第1サポート部材(サポート部材) 60B…第2サポート部材(サポート部材) 70…樹脂モールド 70a…外周 70b…領域 70c…側面 70L…長辺 70S…短辺 100…車両用電動パワーステアリング装置 200…治具 F…第1面 S…第2面 P1…中心位置 P2…中心位置 TM…端子群
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8