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特許7634809営業支援方法、プログラム及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-14
(45)【発行日】2025-02-25
(54)【発明の名称】営業支援方法、プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/01 20230101AFI20250217BHJP
   G06F 16/9035 20190101ALI20250217BHJP
   G06F 16/908 20190101ALI20250217BHJP
【FI】
G06Q30/01
G06F16/9035
G06F16/908
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2024020608
(22)【出願日】2024-02-14
【審査請求日】2024-02-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522417041
【氏名又は名称】株式会社TMC
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】村田 隆雄
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-128762(JP,A)
【文献】特開2016-224873(JP,A)
【文献】特開2006-031417(JP,A)
【文献】特開2021-012646(JP,A)
【文献】特開2022-049045(JP,A)
【文献】特開2022-049036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 16/9035
G06F 16/908
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムが行う営業支援方法であって、
商品に関する情報として入力された商品情報と、それぞれ一の事業者の事業上の課題に関する情報を含んだ複数の事業者情報とに基づいて、当該商品と前記事業上の課題との関連性が高い前記事業者である見込み客を特定する処理、及び/又は、前記商品情報に基づいて前記見込み客を特定する第1サーバへ、入力された前記商品情報を提供し、当該商品情報に基づいて特定された前記見込み客の情報を前記第1サーバから取得する処理を行う第1工程と、
それぞれ一の前記事業者において商品購入の決裁に関与する一の関係者の個人情報を含んだ複数の関係者情報に基づいて、特定された前記見込み客における前記関係者の前記個人情報を取得する第2工程と、
取得された前記関係者の前記個人情報に基づいて、当該関係者の性格に関する性格情報を取得する第3工程と、
一の前記見込み客における一の前記関係者について取得された前記性格情報に基づいて、前記商品の売り込みのために当該一の見込み客へ提示する営業用コンテンツであって、当該売り込みが成功し易くなるように当該一の関係者の性格に合わせて構成された文章及び画像の少なくとも一方を含む前記営業用コンテンツを生成する第4工程と
を有する営業支援方法。
【請求項2】
前記性格情報は、人物の性格を分類する複数のタイプから、前記個人情報に基づいて決定された一の前記タイプを示す情報を含んでおり、
前記第4工程は、前記性格情報が示す前記関係者の前記タイプに応じて構成された文章及び画像の少なくとも一方を含む前記営業用コンテンツを生成することを含む、
請求項1に記載の営業支援方法。
【請求項3】
複数の前記タイプがそれぞれ1以上のコンテンツ構成情報に関連付けられており、
一の前記コンテンツ構成情報は、前記営業用コンテンツを構成する1以上の項目に関する情報を含んでおり、
一の前記項目は、文書及び画像の少なくとも一方をコンテンツ要素として含んでおり、
前記第4工程は、
複数の前記コンテンツ構成情報から、前記性格情報が示す前記関係者の前記タイプに関連付けられた一の前記コンテンツ構成情報を選択することと、
選択した前記コンテンツ構成情報において指定された1以上の前記項目の各々について前記コンテンツ要素を入力することと、
入力した1以上の前記項目の前記コンテンツ要素に基づいて前記営業用コンテンツを生成することとを含む、
請求項2に記載の営業支援方法。
【請求項4】
複数の前記タイプがそれぞれ1以上のコンテンツ構成情報に関連付けられており、
一の前記コンテンツ構成情報は、前記営業用コンテンツ構成する1以上の項目に関する情報を含んでおり、
一の前記項目は、文書及び画像の少なくとも一方をコンテンツ要素として含んでおり、
一の前記項目の前記コンテンツ要素を生成するために参照される情報を、第1コンテンツ生成用情報と呼び、
前記情報処理システムは、文書及び画像の少なくとも一方を生成可能な1以上の生成AIの機能を提供する生成AIシステムにアクセス可能であり、
前記第1コンテンツ生成用情報に基づいて前記コンテンツ要素を生成するように前記生成AIに対して指示を与えるプロンプトを、第1プロンプトと呼び、
前記第4工程は、
複数の前記コンテンツ構成情報から、取得された前記性格情報が示す前記関係者の前記タイプに関連付けられた一の前記コンテンツ構成情報を選択することと、
選択した前記コンテンツ構成情報において指定された1以上の前記項目に対応する1以上の前記第1コンテンツ生成用情報を入力することと、
入力した1以上の前記項目の前記第1コンテンツ生成用情報に基づいて1以上の前記項目の前記コンテンツ要素を生成するように前記生成AIへ指示を与える少なくとも1つの前記第1プロンプトを生成することと、
生成した少なくとも1つの前記第1プロンプトを前記生成AIシステムに提供し、前記第1プロンプトに従って生成された1以上の前記項目の前記コンテンツ要素を前記生成AIシステムから取得することと、
取得した1以上の前記項目の前記コンテンツ要素に基づいて前記営業用コンテンツを生成することとを含む、
請求項2に記載の営業支援方法。
【請求項5】
複数の前記タイプがそれぞれ1以上のコンテンツ構成情報に関連付けられており、
一の前記コンテンツ構成情報は、前記営業用コンテンツを構成する1以上の項目に関する情報を含んでおり、
一の前記項目は、文書及び画像の少なくとも一方をコンテンツ要素として含んでおり、
一の前記項目の前記コンテンツ要素を生成するために参照される情報を、第1コンテンツ生成用情報と呼び、
前記営業用コンテンツに含まれる文章及び画像の少なくとも一方を生成するために参照される情報を、第2コンテンツ生成用情報と呼び、
前記情報処理システムは、文書及び画像の少なくとも一方を生成可能な1以上の生成AIの機能を提供する生成AIシステムにアクセス可能であり、
前記第1コンテンツ生成用情報に基づいて前記コンテンツ要素を生成するように前記生成AIに対して指示を与えるプロンプトを、第1プロンプトと呼び、
前記第2コンテンツ生成用情報に基づいて前記第1コンテンツ生成用情報を取得するように前記生成AIに対して指示を与えるプロンプトを、第2プロンプトと呼び、
前記第4工程は、
前記第2コンテンツ生成用情報を入力することと、
複数の前記コンテンツ構成情報から、取得された前記性格情報が示す前記関係者の前記タイプに関連付けられた一の前記コンテンツ構成情報を選択することと、
選択した前記コンテンツ構成情報において指定された1以上の前記項目の前記コンテンツ要素を生成するために参照される1以上の前記第1コンテンツ生成用情報を、入力した前記第2コンテンツ生成用情報に基づいて取得するように前記生成AIへ指示を与える少なくとも1つの前記第2プロンプトであって、選択した前記コンテンツ構成情報に含まれる各前記項目の説明に応じた少なくとも1つの前記第2プロンプトを生成することと、
生成した少なくとも1つの前記第2プロンプトを前記生成AIシステムに提供し、前記第2プロンプトに従って生成された1以上の前記項目の前記第1コンテンツ生成用情報を取得することと、
取得した1以上の前記項目の前記第1コンテンツ生成用情報に基づいて1以上の前記項目の前記コンテンツ要素を生成するように前記生成AIへ指示を与える少なくとも1つの前記第1プロンプトを生成することと、
生成した少なくとも1つの前記第1プロンプトを前記生成AIシステムに提供し、前記第1プロンプトに従って生成された1以上の前記項目の前記コンテンツ要素を前記生成AIシステムから取得することと、
取得した1以上の前記項目の前記コンテンツ要素に基づいて前記営業用コンテンツを生成することとを含む、
請求項2に記載の営業支援方法。
【請求項6】
前記第3工程は、
人物の前記個人情報から当該人物の性格に関する前記性格情報を生成する第2サーバへ、取得された前記個人情報を提供し、当該個人情報に基づいて生成された前記性格情報を前記第2サーバから取得すること、
又は、
それぞれ個人の属性に関連付けられた複数の前記性格情報から、取得された前記個人情報に含まれる個人の属性に関連付けられた前記性格情報を取得すること、
又は、
人物の前記個人情報から当該人物の性格に関する前記性格情報を出力するように機械学習された学習済モデルに対して、取得された前記個人情報を適用することにより、前記学習済モデルから出力される前記性格情報を取得することを含む、
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の営業支援方法。
【請求項7】
各前記事業者情報は、事業上の課題に関する情報である少なくとも1つの事業課題情報を含んでおり、
各前記事業者情報に含まれる少なくとも1つの前記事業課題情報は、事業課題の内容を表現するベクトルである事業課題ベクトルに関連付けられており、
前記第1工程は、
入力された前記商品情報に基づいて、商品の内容を表現するベクトルである商品ベクトルを取得することと、
複数の前記事業者情報から、取得した前記商品ベクトルに類似する前記事業課題ベクトルに関連付けられている前記事業課題情報を含んだ前記事業者情報を特定することとを含む、
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の営業支援方法。
【請求項8】
一の前記コンテンツ構成情報は、各前記項目の前記コンテンツ要素のレイアウトに関するレイアウト情報を含んでおり、
前記第4工程は、選択した前記コンテンツ構成情報に含まれる前記レイアウト情報に応じて各前記項目の前記コンテンツ要素が配置された前記営業用コンテンツを生成することを含む、
請求項3~請求項5のいずれか一項に記載の営業支援方法。
【請求項9】
前記レイアウト情報は、各前記項目の前記コンテンツ要素における文章の書式、文字の書体、文字のサイズ、文字の間隔、行内の文字数、ページ内の行数、行の間隔、文字の色、見出しの色、背景の色、及び、画像の位置の少なくとも一部を含んでおり、
前記第4工程は、選択した前記コンテンツ構成情報に含まれる前記レイアウト情報に応じて、各前記項目における文章の書式、文字の書体、文字のサイズ、文字の間隔、行内の文字数、ページ内の行数、行の間隔、文字の色、見出しの色、背景の色、及び、画像の位置の少なくとも一部が整えられた前記営業用コンテンツを生成することを含む、
請求項8に記載の営業支援方法。
【請求項10】
営業を支援する処理を情報処理システムに行わせる命令を含んだプログラムであって、
前記命令に従って前記情報処理システムが行う処理は、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載された方法の各工程を含む、
プログラム。
【請求項11】
営業を支援する処理を行う情報処理システムであって、
処理部と、
前記処理部において実行される命令を記憶した記憶部とを有し、
前記処理部が前記命令に従って行う処理は、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載された方法の各工程を含む、
情報処理システム。
【請求項12】
営業を支援する処理を行う情報処理システムであって、
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載された方法の各工程を行う手段を備えた、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、営業支援方法、プログラム及び情報処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
商品(物品、サービス)を効率的に売るためには、売れる見込みの高い顧客にアプローチすることが重要である。下記の特許文献には、予め見込み客を抽出した資料に基づいて営業活動を行うことを支援する営業支援システムが記載されている。この営業支援システムを用いて、電話帳データベースから一定区域内の架電先が抽出され、これに基づいて架電作業が行われて、見込み客が特定される。特定された見込み客の所在地情報と地図データベースに基づいて、見込み客の地図上の位置が定められ、その位置を表示した地図が作成される。見込み客の位置を表示した地図に従って、顧客を訪問する営業活動が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-58691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献の記載によれば、電話帳データベースから抽出された架電先に対してオペレータが電話をかけて、勤務先、年齢、姓別、商品への好感度等の情報を対話により収集し、商品に対する潜在的な需要を探る作業が行われる。そのため、見込み客の特定はオペレータの対話の技量に依存しており、対話の技量が低い場合には見込み客を特定できる確率が低くなる。また、技量のばらつきを考慮してオペレータの人数を増やすと、営業にかかるコストが上昇する。
【0005】
更に、上記の特許文献の記載によれば、営業担当者が見込み客を訪問して商品を売り込む場合、売り込みの成功は営業担当者の営業の技量に依存しており、営業の技量が低い場合には売り込みの成功の確率が低くなる。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、個人の営業の技量に依存する度合いを低減しつつ売り込みの成功確率を高めることができる営業支援方法、プログラム及び情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、情報処理システムが行う営業支援方法であって、商品に関する情報として入力された商品情報と、それぞれ一の事業者の事業上の課題に関する情報を含んだ複数の事業者情報とに基づいて、当該商品と前記事業上の課題との関連性が高い前記事業者である見込み客を特定する処理、及び/又は、前記商品情報に基づいて前記見込み客を特定する第1サーバへ、入力された前記商品情報を提供し、当該商品情報に基づいて特定された前記見込み客の情報を前記第1サーバから取得する処理を行う第1工程と、それぞれ一の前記事業者において商品購入の決裁に関与する一の関係者の個人情報を含んだ複数の関係者情報に基づいて、特定された前記見込み客における前記関係者の前記個人情報を取得する第2工程と、取得された前記関係者の前記個人情報に基づいて、当該関係者の性格に関する性格情報を取得する第3工程と、一の前記見込み客における一の前記関係者について取得された前記性格情報に基づいて、前記商品の売り込みのために当該一の見込み客へ提示する営業用コンテンツであって、当該売り込みが成功し易くなるように当該一の関係者の性格に合わせて構成された文章及び画像の少なくとも一方を含む前記営業用コンテンツを生成する第4工程と、を有する営業支援方法である。
【0008】
本発明の第2の態様は、営業を支援する処理を情報処理システムに行わせる命令を含んだプログラムであって、前記命令に従って前記情報処理システムが行う処理は、商品に関する情報として入力された商品情報と、それぞれ一の事業者の事業上の課題に関する情報を含んだ複数の事業者情報とに基づいて、当該商品と前記事業上の課題との関連性が高い前記事業者である見込み客を特定する処理、及び/又は、前記商品情報に基づいて前記見込み客を特定する第1サーバへ、入力された前記商品情報を提供し、当該商品情報に基づいて特定された前記見込み客の情報を前記第1サーバから取得する処理を行う第1工程と、それぞれ一の前記事業者において商品購入の決裁に関与する一の関係者の個人情報を含んだ複数の関係者情報に基づいて、特定された前記見込み客における前記関係者の前記個人情報を取得する第2工程と、取得された前記関係者の前記個人情報に基づいて、当該関係者の性格に関する性格情報を取得する第3工程と、一の前記見込み客における一の前記関係者について取得された前記性格情報に基づいて、前記商品の売り込みのために当該一の見込み客へ提示する営業用コンテンツであって、当該売り込みが成功し易くなるように当該一の関係者の性格に合わせて構成された文章及び画像の少なくとも一方を含む前記営業用コンテンツを生成する第4工程と、を有するプログラムである。
【0009】
本発明の第3の態様は、営業を支援する処理を行う情報処理システムであって、処理部と、前記処理部において実行される命令を記憶した記憶部とを有し、前記処理部が前記命令に従って行う処理は、商品に関する情報として入力された商品情報と、それぞれ一の事業者の事業上の課題に関する情報を含んだ複数の事業者情報とに基づいて、当該商品と前記事業上の課題との関連性が高い前記事業者である見込み客を特定する処理、及び/又は、前記商品情報に基づいて前記見込み客を特定する第1サーバへ、入力された前記商品情報を提供し、当該商品情報に基づいて特定された前記見込み客の情報を前記第1サーバから取得する処理を行う第1工程と、それぞれ一の前記事業者において商品購入の決裁に関与する一の関係者の個人情報を含んだ複数の関係者情報に基づいて、特定された前記見込み客における前記関係者の前記個人情報を取得する第2工程と、取得された前記関係者の前記個人情報に基づいて、当該関係者の性格に関する性格情報を取得する第3工程と、一の前記見込み客における一の前記関係者について取得された前記性格情報に基づいて、前記商品の売り込みのために当該一の見込み客へ提示する営業用コンテンツであって、当該売り込みが成功し易くなるように当該一の関係者の性格に合わせて構成された文章及び画像の少なくとも一方を含む前記営業用コンテンツを生成する第4工程と、を有する情報処理システムである。
【0010】
本発明の第4の態様は、営業を支援する処理を行う情報処理システムであって、商品に関する情報として入力された商品情報と、それぞれ一の事業者の事業上の課題に関する情報を含んだ複数の事業者情報とに基づいて、当該商品と前記事業上の課題との関連性が高い前記事業者である見込み客を特定する処理、及び/又は、前記商品情報に基づいて前記見込み客を特定する第1サーバへ、入力された前記商品情報を提供し、当該商品情報に基づいて特定された前記見込み客の情報を前記第1サーバから取得する処理を行う手段と、それぞれ一の前記事業者において商品購入の決裁に関与する一の関係者の個人情報を含んだ複数の関係者情報に基づいて、特定された前記見込み客における前記関係者の前記個人情報を取得する手段と、取得された前記関係者の前記個人情報に基づいて、当該関係者の性格に関する性格情報を取得する手段と、一の前記見込み客における一の前記関係者について取得された前記性格情報に基づいて、前記商品の売り込みのために当該一の見込み客へ提示する営業用コンテンツであって、当該売り込みが成功し易くなるように当該一の関係者の性格に合わせて構成された文章及び画像の少なくとも一方を含む前記営業用コンテンツを生成する手段と、を有する情報処理システムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、個人の営業の技量に依存する度合いを低減しつつ売り込みの成功確率を高めることができる営業支援方法、プログラム及び情報処理システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、情報処理システムにおける処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図3図3は、営業用コンテンツを生成する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図4図4は、本実施形態に係るシステムの構成の一変形例を示す図である。
図5図5は、営業用コンテンツを生成する処理の一変形例を説明するためのフローチャートである。
図6図6は、営業用コンテンツを生成する処理の一変形例を説明するためのフローチャートである。
図7図7は、見込み客を特定する処理の一変形例を説明するためのフローチャートである。
図8図8は、本実施形態に係るシステムの構成の一変形例を示す図である。
図9図9は、本実施形態に係るシステムの構成の一変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。図1の例に示すシステムは、インターネット等の通信ネットワーク9を介して通信可能な情報処理システム1と、端末装置3と、第1サーバ4と、第2サーバ5を有する。
【0014】
図1における情報処理システム1では、営業担当者が操作する端末装置3から提供される商品情報に基づいて、商品の売り込み先となり得る事業者である見込み客が特定される。見込み客が特定されると、その見込み客において商品購入の決裁に関与する関係者(例えば会社の代表者等)の個人情報(名前、生年月日等)が取得され、その個人情報に基づいて、関係者の性格に関する性格情報が取得される。そして、関係者の性格情報に基づいて、売り込みが成功し易くなるように関係者の性格に合わせて構成された見込み客向けの営業用コンテンツ(企画書、ダイレクトメール、メールマガジン等)が生成される。
【0015】
本明細書において「商品」は、売買の対象になるものを広く意味しており、物品(製品等)に限定されず、例えばサービス、権利(証券等)、情報、コンテンツ等も含む。
【0016】
[情報処理システム1]
情報処理システム1は、端末装置3から提供される商品情報に基づいて見込み客となる事業者を特定する処理、見込み客において商品購入の決裁に関与する関係者の個人情報を取得する処理、関係者の個人情報に基づいて関係者の性格情報を取得する処理、関係者の性格情報に基づいて見込み客向けの営業用コンテンツを生成する処理を行う。例えば情報処理システム1は、1台若しくは複数台のコンピュータを含んで構成される。図1の例に示す情報処理システム1は、通信部11と、記憶部12と、処理部13を有する。
【0017】
通信部11は、通信ネットワーク9を介して他の装置(端末装置3、第1サーバ4、第2サーバ5など)と通信を行う。通信部11は、例えばイーサネット(登録商標)や無線LAN等の所定の通信規格に準拠して通信を行う装置(ネットワークインターフェースカード等)を含む。
【0018】
記憶部12は、処理部13が実行する命令を含んだ1以上のプログラム121、処理部13による処理の過程で一時的に保存されるデータ、処理部13の処理に利用されるデータ、処理部13の処理の結果として得られたデータ等を記憶する。記憶部12は、例えば、主記憶装置(RAM、ROM等)と補助記憶装置(フラッシュメモリ、SSD、ハードディスク、メモリカード、光ディスク等)を含んでよい。記憶部12は、1つの記憶装置から構成されてもよいし、複数の記憶装置から構成されてもよい。記憶部12が複数の記憶装置から構成される場合、各記憶装置は、コンピュータのバスや他の任意の通信手段を介して処理部13と接続される。
【0019】
処理部13は、情報処理システム1の全体的な動作を統括的に司り、所定の情報処理を実行する。処理部13は、例えば、記憶部12に格納された1以上のプログラム121の命令に従って処理を行う1以上のプロセッサ(CPU(central processing unit)、MPU(micro-processing unit)、DSP(digital signal processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等)を含む。処理部13は、記憶部12に記憶される1以上のプログラム121の命令を1以上のプロセッサが実行することにより、コンピュータとして動作する。情報処理システム1は、このようなコンピュータを複数有していてもよく、本実施形態に係る処理の少なくとも一部は、任意の通信路を介して通信可能な複数のコンピュータが連携して実行してもよい。
【0020】
処理部13は、特定の機能を実現するように構成された1つ以上の専用のハードウェア(ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field-programmable gate array)等)を含んでもよい。この場合、処理部13は、本実施形態において説明する全ての処理をコンピュータにおいて実行してもよいし、少なくとも一部の処理を専用のハードウェアにおいて実行してもよい。
【0021】
プログラム121は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体(光ディスク、メモリカード、USBメモリ、その他の非一時的な有形の媒体)に記録されていてもよい。処理部13は、そのような記録媒体に記録された1以上のプログラム121の少なくとも一部を不図示の記録媒体読み取り装置(光ディスク装置等)やインターフェース装置(USBインターフェース等)により読み込んで、記憶部12に書き込んでもよい。あるいは処理部13は、通信ネットワーク9に接続される他の装置から通信部11により1以上のプログラム121の少なくとも一部をダウンロードして、記憶部12に書き込んでもよい。1以上のプログラム121は、後述する本実施形態に係る処理の少なくとも一部を処理部13に行わせる命令を含む。
【0022】
[記憶装置2]
記憶装置2は、情報処理システム1の処理において使用される種々の情報を記憶する。情報処理システム1と記憶装置2は、任意の通信路(LAN、専用回線網、インターネット等)介して通信可能である。例えば記憶装置2は、複数の装置からのアクセスを受け付けるファイルサーバ、データベースサーバ、クラウドサーバ等に含まれていてもよいし、情報処理システム1のみアクセス可能な専用の記憶装置でもよい。図1の例において、記憶装置2は、事業者データベース21と、関係者データベース22と、コンテンツ構成データベース23とを記憶する。以下の説明では、データベースを「DB」と省略して記載する場合がある。
【0023】
事業者DB21は、商品の売り込み先となり得る複数の事業者に対応した複数の事業者情報を含む。一の事業者情報は、一の事業者に関する情報を含む。一の事業者情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・事業者を識別する情報(事業者ID)
・事業者の名称
・事業者の住所
・事業者の連絡先(電話番号、メールアドレス等)
・事業上の課題に関する情報(事業課題情報)
(例)特定の人材を探している/事業売却したい/工場の新設を予定している等
【0024】
1つの事業課題情報は、概ね1つの事業上の課題に関する情報である。事業者情報は、2以上の事業上の課題に対応した2以上の事業課題情報を含んでいてもよい。
【0025】
関係者DB22は、それぞれ事業者の組織(企業等)に属する複数の関係者に対応した複数の関係者情報を含む。一の関係者情報は、一の関係者に関する情報を含む。関係者は、商品購入の決裁に関与する人であり、組織において決済権限を持つ役職者(代表者等)が関係者に該当する。一の関係者情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・関係者を識別する情報(関係者ID)
・関係者の所属する事業者を示す事業者ID
・関係者の個人情報
(例)氏名/生年月日/性別/住所/出身地/学歴/趣味・嗜好/身体的特徴等
【0026】
コンテンツ構成DB23は、それぞれ営業用コンテンツの構成に関する情報を含んだ複数のコンテンツ構成情報を含む。営業用コンテンツは、商品の売り込みのために見込み客へ提示されるコンテンツであり、例えば企画書、ダイレクトメール、メールマガジン等である。コンテンツ構成情報は、例えば以下の情報の少なくとも一部を含む。
・コンテンツの種類
(例)企画書/ダイレクトメール/メールマガジン/メール文章等
・コンテンツが提示される人物の性格に関する情報(性格のタイプ等)
・コンテンツを構成する1以上の項目に関する情報(項目情報)
(例)企画書を構成する項目
表紙/概要/課題/解決策/メリット/費用の比較/売り文句等
・各項目に含まれる文章や画像のレイアウトに関する情報(レイアウト情報)
(例)
項目の順序・配置/文章の書式/文字の書体/文字のサイズ/文字の間隔/
行内の文字数/ページ内の行数/行の間隔/文字の色/見出しの色/
背景の色/画像の位置等
【0027】
コンテンツ構成情報における項目情報は、例えば、各項目の説明(項目の趣旨、項目に含まれるべき文章や画像についての説明等)、各項目の重要度等を含む。以下の説明では、1つの項目に含まれる文章及び画像の少なくとも一方を「コンテンツ要素」と呼ぶ場合がある。
【0028】
[第1サーバ4]
第1サーバ4は、商品に関する情報(商品情報)に基づいて、商品の有望な売り込み先となり得る事業者である見込み客を特定する処理を行う。例えば第1サーバ4は、事業者がインターネットのアクセスに利用しているIPアドレス(internet protocol address)と、IPアドレスに関連付けられたインターネット上での情報収集履歴(検索クエリの履歴、ウェブ閲覧履歴等)とに基づいて、事業者の組織に属する社員等が興味、関心を向けている事柄を把握し、これにより事業者の事業上の課題を分析する処理を行う。
【0029】
第1サーバ4は、情報処理システム1から商品情報を取得すると、その商品情報に関わる商品と事業上の課題との関連性が高い1以上の事業者を見込み客として特定し、特定した1以上の見込み客の情報を情報処理システム1に提供する。
【0030】
第1サーバ4は、例えば上述した情報処理システム1の通信部11、記憶部12、処理部13と同様な通信部、記憶部、処理部を有してよい。
【0031】
[第2サーバ5]
第2サーバ5は、人物の個人情報(氏名、生年月日、性別等)から当該人物の性格に関する性格情報を生成する処理を行う。例えば第2サーバ5は、多数の個人の行動特性、意思決定の傾向等に関する情報(ビッグデータ等)を統計的に分析することにより導きだされた個人の性格と個人情報との相関関係に基づいて、個人の性格を分類する所定の複数のタイプから、個人情報に基づいて一のタイプを決定する処理を行う。
【0032】
第2サーバ5は、情報処理システム1から関係者の個人情報を取得すると、その個人情報に基づいて関係者の性格情報を生成し、生成した性格情報を情報処理システム1に提供する。性格情報は、例えば関係者の性格のタイプを示す情報を含む。
【0033】
第2サーバ5は、例えば上述した情報処理システム1の通信部11、記憶部12、処理部13と同様な通信部、記憶部、処理部を有してよい。
【0034】
[端末装置3]
端末装置3は、営業担当者によって操作される装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等の情報通信機能を備える。端末装置3は、例えば上述した情報処理システム1の通信部11、記憶部12、処理部13と同様な通信部、記憶部、処理部を有してよく、更に入力部と表示部を有してもよい。入力部は、ユーザ(営業担当者)の指示を処理部に入力する装置であり、例えばタッチパネル、マウス、キーボード等の入力装置を含む。表示部は、処理部において生成される映像データに応じた映像を表示する装置であり、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プロジェクタ等の表示装置を含む。
【0035】
ここで、上述した構成を有する図1に示すシステムの動作について説明する。図2は、情報処理システム1における処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0036】
ST100:
情報処理システム1は、営業担当者の操作する端末装置3から、売り込みを行う商品に関する商品情報を入力する。商品情報は、例えば商品の名称、分類、特長、効能・効果、使い方などを含んでよい。また商品情報は、商品に関連するキーワードを含んでもよい。
【0037】
ST105:
情報処理システム1は、端末装置3から入力した商品情報と、事業者DB21に登録される複数の事業者の事業者情報とに基づいて、商品情報に関わる商品と事業上の課題との関連性が高い1以上の事業者を見込み客として特定する。例えば情報処理システム1は、事業者情報の事業課題情報に含まれる語及びその類義語と、端末装置3から入力した商品情報に含まれる語及びその類義語との間で一致する語の数を関連度として取得し、関連度の大きい事業課題情報に関わる事業者を見込み客として特定する。事業者を見込み客として特定する条件は、例えば、関連度が所定のしきい値より大きいことであってもよいし、関連度が所定のしきい値より大きく、かつ、関連度の順位における上位の所定数以内の事業者に含まれることであってもよい。
【0038】
また情報処理システム1は、端末装置3から入力した商品情報を第1サーバ4へ提供し、この商品情報に基づいて特定された1以上の見込み客の情報を第1サーバ4から取得する。
【0039】
ST110:
情報処理システム1は、関係者DB22に登録される複数の関係者情報に基づいて、特定された1以上の見込み客における関係者(商品購入の決裁に関与する人)の個人情報を取得する。すなわち情報処理システム1は、ステップST105で特定された見込み客の事業者IDを含む関係者情報を関係者DB22において検索し、その関係者情報に含まれる関係者の個人情報を取得する。情報処理システム1は、1以上の見込み客の各々について1以上の関係者の個人情報を取得する。
【0040】
ST115:
情報処理システムは、ステップST110において取得された関係者の個人情報(氏名、生年月日、性別等)に基づいて、当該関係者の性格に関する性格情報を取得する。例えば情報処理システム1は、ステップST110において取得された関係者の個人情報を第2サーバ5へ提供し、当該個人情報に基づいて生成された性格情報を第2サーバ5から取得する。情報処理システム1は、1以上の関係者の各々について性格情報を取得する。
【0041】
ST120:
情報処理システム1は、一の見込み客における一の関係者について取得された性格情報に基づいて、商品の売り込みのために当該一の見込み客へ提示する営業用コンテンツを生成する。すなわち情報処理システム1は、一の関係者の性格情報に基づいて、商品の売り込みが成功し易くなるように当該一の関係者の性格に合わせて構成された文章及び画像の少なくとも一方を含む営業用コンテンツを生成する。
【0042】
情報処理システム1は、ステップST115において生成される性格情報に性格のタイプを示す情報が含まれる場合、この性格のタイプに応じて構成された文書及び画像の少なくとも一方を含む営業用コンテンツを生成する。
【0043】
例えば、安全性や品質を重視するタイプの場合、情報処理システム1は、商品の効果に対する裏付け(効果に寄与する成分等)を優先して提示するように文書・画像が構成された営業用コンテンツを生成する。
目に見える利益やコストパフォーマンスを重視するタイプの場合、情報処理システム1は、商品の効果、メリットを優先して提示するように文書・画像が構成された営業用コンテンツを生成する。
感覚や気分、権威付けを重視するタイプの場合、情報処理システム1は、商品の印象や使用結果のイメージを優先して提示するように文書・画像が構成された営業用コンテンツを生成する。
【0044】
ステップST105において複数の見込み客が特定された場合、情報処理システム1は、複数の見込み客の各々について営業用コンテンツを生成する。情報処理システム1は、生成した営業用コンテンツを端末装置3に提供する。
【0045】
図3は、営業用コンテンツを生成する処理(ST120:図2)の一例を説明するためのフローチャートである。
この例において、情報処理システム1は、コンテンツ構成DB23に登録される複数のコンテンツ構成情報から、ステップST115(図2)で生成された性格情報が示す関係者のタイプに関連付けられたコンテンツ構成情報を選択する(ST200)。すなわち情報処理システム1は、性格情報が示すタイプを含んだコンテンツ構成情報をコンテンツ構成DB23から取得する。該当するコンテンツ構成情報が複数存在する場合、情報処理システム1は、端末装置3から入力される営業担当者の指示に応じて、一のコンテンツ構成情報を選択してもよい。
【0046】
情報処理システム1は、選択したコンテンツ構成情報において指定される1以上の項目の各々について、端末装置3からコンテンツ要素(文書、画像)を入力する(ST205)。例えば情報処理システム1は、コンテンツ構成情報に含まれる項目情報に基づいて、各項目の説明(項目の趣旨、項目に含まれるべき文章や画像についての説明等)を端末装置3に表示させてもよい。これにより、営業担当者に対して、項目ごとに入力するべきコンテンツ要素を案内することができる。
【0047】
情報処理システム1は、ステップST205において入力した各項目のコンテンツ要素に基づいて営業用コンテンツを生成する(ST210)。例えば情報処理システム1は、各項目のコンテンツ要素(文章、画像)が、コンテンツ構成情報(ST200)に含まれるレイアウト情報において指定された順序で配置されるように営業用コンテンツを生成する。また情報処理システム1は、このレイアウト情報に応じて、各項目における文章の書式、文字の書体、文字のサイズ、文字の間隔、行内の文字数、ページ内の行数、行の間隔、文字の色、見出しの色、背景の色、画像の位置等が整えられるように営業用コンテンツを生成する。
【0048】
以上説明したように、本実施形態によれば、営業担当者によって端末装置3から入力される商品情報に基づいて見込み客が特定される。これにより、営業担当者が顧客との対話等により潜在的な需要を探って見込み客を特定する従来の方法のように、営業担当者の技量に依存することなく、有望な見込み客を特定することができる。従って、営業担当者の技量が低い場合でも、売り込みの成功確率を高めることができる。
【0049】
また本実施形態によれば、商品購入の決裁に関与する関係者の個人情報に基づいて関係者の性格情報が生成され、この性格情報に基づいて、商品の売り込みが成功し易くなるように当該関係者の性格に合わせて構成された文章や画像を含む営業用コンテンツが生成される。従って、営業担当者の技量が低い場合でも、関係者の性格に合った適切な営業用コンテンツを用いて営業活動を行うことにより、売り込みの成功確率を高めることができる。
【0050】
次に、上述した実施形態における幾つかの変形例について説明する。
【0051】
<変形例1>
図4は、本実施形態に係るシステムの構成の一変形例を示す図であり、図1の例に示すシステムに生成AIシステム6が加わったものである。生成AIシステム6は、文書及び画像の少なくとも一方を生成可能な1以上の生成AI(generative artificial intelligence)の機能を提供するシステムであり、通信ネットワーク9を介して情報処理システム1と通信可能である。生成AIは、大量のパラメータ(例えば数十億~数千億)を持つ人工ニューラルネットワークに大量のデータ(テキストデータ、画像データ等)を学習させることにより、与えられたプロンプトに応答して文章、画像等を生成するように構成された人工知能である。生成AIとしては、例えば米国のOpenAI社により運営されるGPTシリーズ(Chat GPT等)、米国のGoogle社により運営されるGeminiシリーズ(Gemini Pro等)が挙げられる。
【0052】
図5は、営業用コンテンツを生成する処理(ST120:図2)の一変形例を説明するためのフローチャートである。
この変形例において、情報処理システム1は、生成AIシステム6が提供する生成AIの機能を利用して、営業用コンテンツの各項目に含まれるコンテンツ要素を生成する。
【0053】
まず情報処理システム1は、コンテンツ構成DB23に登録される複数のコンテンツ構成情報から、ステップST115(図2)で生成された性格情報が示す関係者のタイプに関連付けられたコンテンツ構成情報を選択する(ST305)。すなわち情報処理システム1は、性格情報が示すタイプを含んだコンテンツ構成情報をコンテンツ構成DB23から取得する。該当するコンテンツ構成情報が複数存在する場合、情報処理システム1は、端末装置3から入力される営業担当者の指示に応じて、一のコンテンツ構成情報を選択してもよい。
【0054】
次に情報処理システム1は、ステップST305で選択したコンテンツ構成情報において指定された1以上の項目に対応する1以上の第1コンテンツ生成用情報を端末装置3から入力する(ST310)。ここで「第1コンテンツ生成用情報」は、営業用コンテンツにおける1つの項目のコンテンツ要素(文章、画像)を生成するために生成AIによって参照される情報である。例えば情報処理システム1は、コンテンツ構成情報に含まれる項目情報に基づいて、各項目の説明(項目の趣旨、項目に含まれるべき文章や画像についての説明等)を端末装置3に表示させてもよい。これにより、営業担当者に対して、項目ごとに入力するべき第1コンテンツ生成用情報を案内することができる。
【0055】
例えば、「商品の特長」に関する項目の場合、営業担当者は、既に作成されている商品の資料の中から、商品の特長に関連する文章を抜粋し、第1コンテンツ生成用情報として入力してもよい。また、「商品の印象を表す画像」に関する項目の場合、営業担当者は、既に作成されている商品の資料の中から、商品の印象に関連する文章(コンセプト等)を抜粋し、第1コンテンツ生成用情報として入力してもよい。
【0056】
情報処理システム1は、ステップST310において入力した1以上の項目の第1コンテンツ生成用情報に基づいて1以上の項目のコンテンツ要素(文章、画像)を生成するように生成AIへ指示を与える少なくとも1つのプロンプト(以下「第1プロンプト」と呼ぶ。)を生成する(ST325)。例えば情報処理システム1は、コンテンツ構成情報の項目情報に含まれる各項目の説明(項目の趣旨、項目に含まれるべき文章や画像についての説明等)と、ステップST310において入力した各項目の第1コンテンツ生成用情報とを用いて、各項目のコンテンツ要素を生成させる第1プロンプトを生成する。情報処理システム1は、項目ごとに第1プロンプトを生成してもよいし、複数の項目について1つの第1プロンプトを生成してもよい。
【0057】
情報処理システム1は、ステップST325において生成した少なくとも1つの第1プロンプトを生成AIシステム6に提供し、第1プロンプトに従って生成された1以上の項目のコンテンツ要素を生成AIシステム6から取得する(ST330)。
【0058】
情報処理システム1は、ステップST330において生成AIシステム6から取得した各項目のコンテンツ要素に基づいて、営業用コンテンツを生成する(ST335)。例えば情報処理システム1は、各項目のコンテンツ要素(文章、画像)が、コンテンツ構成情報(ST305)に含まれるレイアウト情報において指定された順序で配置されるように営業用コンテンツを生成する。また情報処理システム1は、このレイアウト情報に応じて、各項目における文章の書式、文字の書体、文字のサイズ、文字の間隔、行内の文字数、ページ内の行数、行の間隔、文字の色、見出しの色、背景の色、画像の位置等が整えられるように営業用コンテンツを生成する。
【0059】
この変形例によれば、営業用コンテンツにおける各項目のコンテンツ要素が生成AIによって生成される。営業担当者は、各項目のコンテンツ要素を生成AIにおいて生成させるために必要な情報(第1コンテンツ生成用情報)のみを入力すればよい。従って、営業担当者が営業用コンテンツを生成する労力を大幅に削減することが可能となる。
【0060】
<変形例2>
この変形例において、情報処理システム1は、第1コンテンツ生成用情報(コンテンツ要素を生成するために参照される情報)を端末装置3から入力する代わりに、生成AIにおいて生成させる。
【0061】
図6は、営業用コンテンツを生成する処理(ST120:図2)の一変形例を説明するためのフローチャートである。図6に示すフローチャートは、図5に示すフローチャートにおいてステップST305の前にステップST300を挿入し、ステップST310をステップST315及びST320に置き換えたものであり、他のステップは図5に示すフローチャートと同じである。
【0062】
この変形例において、情報処理システム1は、営業用コンテンツに含まれる文章及び画像の少なくとも一方を生成するために参照される情報として、第2コンテンツ生成用情報を端末装置3から入力する(ST300)。第2コンテンツ生成用情報は、例えば、既に作成されている商品の資料でもよい。
【0063】
また情報処理システム1は、コンテンツ構成DB23に登録される複数のコンテンツ構成情報から、ステップST115(図2)で生成された性格情報が示す関係者のタイプに関連付けられたコンテンツ構成情報を選択する(ST305)。
【0064】
情報処理システム1は、ステップST305で選択したコンテンツ構成情報において指定された1以上の項目のコンテンツ要素を生成するために参照される1以上の第1コンテンツ生成用情報を、ステップST300で入力した第2コンテンツ生成用情報に基づいて取得するように生成AIへ指示を与える少なくとも1つの第2プロンプトを生成する(ST315)。ここで「第2プロンプト」は、第2コンテンツ生成用情報(ST300)に基づいて第1コンテンツ生成用情報を取得するように生成AIに対して指示を与えるプロンプトである。
【0065】
情報処理システム1は、ステップST305で選択したコンテンツ構成情報の項目情報に含まれる各項目の説明(項目の趣旨、項目に含まれるべき文章や画像についての説明等)に基づいて、第2プロンプトを生成する。例えば情報処理システム1は、「商品の特長」に関する項目の場合、ステップST300で入力した第2コンテンツ生成用情報のうち、商品の特長に関連する文章等に基づいて、この項目に対応した第1コンテンツ生成用情報を生成するように指示する第2プロンプトを生成する。また情報処理システム1は、「商品の印象を表す画像」に関する項目の場合、ステップST300で入力した第2コンテンツ生成用情報から、商品の印象に関連する文章や画像に基づいて、この項目に対応した第1コンテンツ生成用情報を生成するように指示する第2プロンプトを生成する。
【0066】
情報処理システム1は、ステップST315において生成した少なくとも1つの第2プロンプトを生成AIシステム6に提供し、第2プロンプトに従って生成された1以上の項目の第1コンテンツ生成用情報を生成AIシステム6から取得する(ST320)。
【0067】
情報処理システム1は、ステップST320において取得した各項目の第1コンテンツ生成用情報に基づいて、1以上の項目のコンテンツ要素(文章、画像)を生成するように生成AIへ指示を与える少なくとも1つの第1プロンプトを生成する(ST325)。ステップST325以降の処理は、図5に示すフローチャートと同じである。
【0068】
この変形例によれば、営業用コンテンツにおける各項目のコンテンツ要素が生成AIによって生成されるのみならず、コンテンツ要素の生成のために参照される情報(第1コンテンツ生成用情報)も生成AIによって生成される。営業担当者は、営業用コンテンツに含まれる文章及び画像の少なくとも一方を生成するために参照される情報(第2コンテンツ生成用情報)として、例えば既存の商品の資料のみを入力すればよい。従って、営業担当者が営業用コンテンツを生成する労力を更に大幅に削減することが可能となる。
【0069】
<変形例3>
この変形例では、見込み客を特定する処理(ステップST105:図2)において、商品情報に関わる商品と事業上の課題との関連性を評価するために、商品情報と事業課題情報がそれぞれベクトル化され、ベクトル同士の類似が評価される。
【0070】
この変形例において、事業者DB21の事業者情報には、事業課題情報が示す事業課題の内容(意味等)を表現したベクトル(事業課題ベクトル)が含まれる。事業者情報に複数の事業課題情報が含まれる場合、事業課題情報ごとに事業課題ベクトルが含まれる。事業課題ベクトルは、例えば、Word2vec、BERT(bidirectional encoder representations from transformers)などの既知の学習済モデルを利用することにより、事業課題情報に含まれるテキストの分散表現として取得される。
【0071】
図8は、見込み客を特定する処理(ST105:図2)の一変形例を説明するためのフローチャートである。
この変形例において、情報処理システム1は、ステップST100(図2)において入力された商品情報に基づいて、商品の内容を表現するベクトルである商品ベクトルを取得する(ST400)。情報処理システム1は、例えばWord2vec、BERTなどの学習済モデルを利用することにより、商品情報に含まれるテキストの分散表現として商品ベクトルを取得する。
【0072】
情報処理システム1は、事業者DB21に登録される事業者情報の事業課題ベクトルと、ステップST400で取得した商品ベクトルとの類似度(コサイン類似度等)をそれぞれ算出する(ST405)。
【0073】
情報処理システム1は、ステップST405で算出した類似度に基づいて、商品ベクトルに類似する事業課題ベクトルを検索する(ST410)。例えば情報処理システム1は、類似度が所定のしきい値より高い事業課題ベクトルを、商品ベクトルに類似する事業課題ベクトルとして検索する。情報処理システム1は、この検索により見つかった事業課題ベクトルを含む事業者情報を特定することにより、見込み客としての事業者を特定する。
【0074】
この変形例によれば、独自に収集された事業者情報の事業課題情報を利用して見込み客を特定することが可能となる。
【0075】
<変形例4>
図8は、本実施形態に係るシステムの構成の一変形例を示す図であり、情報処理システム1がアクセスする記憶装置2において性格情報DB24を追加したものである。
【0076】
性格情報DB24は、それぞれ個人の属性に関連付けられた複数の性格情報を含む。一の性格情報は、例えば、個人の属性を示す情報(生年月日、性別等)と、その個人の性格に関する情報(性格のタイプ等)を含む。
【0077】
情報処理システム1は、この変形例において関係者の性格情報を取得する場合(ST115:図2)、性格情報DB24に登録される複数の性格情報から、関係者の個人情報(ST110:図2)に当てはまる性格情報を取得する。すなわち、情報処理システム1は、ステップST110において取得した関係者の個人情報に含まれる個人の属性(生年月日、性別等)が含まれた性格情報を性格情報DB24において検索し、該当する性格情報を取得する。
【0078】
この変形例によれば、独自に収集された性格情報(性格情報DB24)を利用して、関係者の性格情報を取得することが可能となる。
【0079】
<変形例5>
図9は、本実施形態に係るシステムの構成の一変形例を示す図であり、情報処理システム1がアクセスする記憶装置2において学習済モデル25を追加したものである。
【0080】
学習済モデル25は、人物の個人情報から当該人物の性格に関する性格情報(性格のタイプ等)を出力するように機械学習されたモデルである。学習済モデル25の生成には、公知の機械学習アルゴリズム(線形回帰、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン、決定木、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ナイーブベイズなど)を用いることができる。
【0081】
情報処理システム1は、この変形例において関係者の性格情報を取得する場合(ST115:図2)、ステップST110(図2)で取得された関係者の個人情報を学習済モデル25に適用することにより、学習済モデル25から出力される関係者の性格情報を取得する。
【0082】
この変形例によれば、独自に収集された性格情報を基に生成された学習済モデル25を利用して、関係者の性格情報を取得することが可能となる。
【0083】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、更に種々のバリエーションを含む。当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更や代替を施すことが可能である。
【0084】
上述した実施形態において情報処理システム1により行われる処理の一部は、他の装置(例えば端末装置3)において実行されてもよい。この場合、情報処理システム1と当該他の装置とを含んだシステム(複数のコンピュータを含んだシステム)は、本実施形態の営業支援に関わる処理を行う情報処理システムとして機能していると言える。
【0085】
以下、本実施形態に関連する技術を記す。
【0086】
[1]
情報処理システムが行う営業支援方法であって、
一の事業者において商品購入の決裁に関与する一の関係者の性格に関する性格情報を取得する工程と、
商品の売り込みのために一の前記事業者へ提示する営業用コンテンツを、当該一の事業者における一の前記関係者について取得された前記性格情報に基づいて、当該売り込みが成功し易くなるように当該一の関係者の性格に合わせて構成された文章及び画像の少なくとも一方を含むように生成する工程と
を有する営業支援方法。
※ [1]の営業支援方法によれば、一の事業者における関係者の性格に合わせて構成された文章及び画像の少なくとも一方を含む営業用コンテンツを用いて当該一の事業者への売り込みを行うことが可能になるため、売り込みの成功の確率を高め易くなる。

[2]
前記性格情報は、人物の性格を分類する所定の複数のタイプから決定された一の前記タイプを示す情報を含んでおり、
前記営業コンテンツを生成する工程は、前記性格情報が示す前記関係者の前記タイプに応じて構成された文章及び画像の少なくとも一方を含む前記営業用コンテンツを生成することを含む、
[1]に記載の営業支援方法。
※ [2]の営業支援方法によれば、一の事業者における関係者の性格のタイプに応じて構成された文章及び画像の少なくとも一方を含む営業用コンテンツを用いて当該一の事業者への売り込みを行うことが可能になるため、売り込みの成功の確率を高め易くなる。

[3]
複数の前記タイプがそれぞれ1以上のコンテンツ構成情報に関連付けられており、
一の前記コンテンツ構成情報は、前記営業用コンテンツを構成する1以上の項目に関する情報を含んでおり、
一の前記項目は、文書及び画像の少なくとも一方をコンテンツ要素として含んでおり、
前記営業コンテンツを生成する工程は、
複数の前記コンテンツ構成情報から、前記性格情報が示す前記関係者の前記タイプに関連付けられた一の前記コンテンツ構成情報を選択することと、
選択した前記コンテンツ構成情報において指定された1以上の前記項目の各々について前記コンテンツ要素を入力することと、
入力した1以上の前記項目の前記コンテンツ要素に基づいて前記営業用コンテンツを生成することとを含む、
[2]に記載の営業支援方法。
※ [3]の営業支援方法によれば、関係者の性格のタイプに関連付けられたコンテンツ構成情報において、営業用コンテンツの各項目が指定される。これにより、指定された項目のコンテンツ要素を入力する比較的簡単な作業により営業用コンテンツを生成することが可能になり、営業用コンテンツの作成に携わるユーザの負担が軽減される。

[4]
複数の前記タイプがそれぞれ1以上のコンテンツ構成情報に関連付けられており、
一の前記コンテンツ構成情報は、前記営業用コンテンツ構成する1以上の項目に関する情報を含んでおり、
一の前記項目は、文書及び画像の少なくとも一方をコンテンツ要素として含んでおり、
一の前記項目の前記コンテンツ要素を生成するために参照される情報を、第1コンテンツ生成用情報と呼び、
前記情報処理システムは、文書及び画像の少なくとも一方を生成可能な1以上の生成AIの機能を提供する生成AIシステムにアクセス可能であり、
前記第1コンテンツ生成用情報に基づいて前記コンテンツ要素を生成するように前記生成AIに対して指示を与えるプロンプトを、第1プロンプトと呼び、
前記営業コンテンツを生成する工程は、
複数の前記コンテンツ構成情報から、取得された前記性格情報が示す前記関係者の前記タイプに関連付けられた一の前記コンテンツ構成情報を選択することと、
選択した前記コンテンツ構成情報において指定された1以上の前記項目に対応する1以上の前記第1コンテンツ生成用情報を入力することと、
入力した1以上の前記項目の前記第1コンテンツ生成用情報に基づいて1以上の前記項目の前記コンテンツ要素を生成するように前記生成AIへ指示を与える少なくとも1つの前記第1プロンプトを生成することと、
生成した少なくとも1つの前記第1プロンプトを前記生成AIシステムに提供し、前記第1プロンプトに従って生成された1以上の前記項目の前記コンテンツ要素を前記生成AIシステムから取得することと、
取得した1以上の前記項目の前記コンテンツ要素に基づいて前記営業用コンテンツを生成することとを含む、
[2]に記載の営業支援方法。
※ [4]の営業支援方法によれば、営業用コンテンツにおける各項目のコンテンツ要素が生成AIにより生成されるため、営業用コンテンツの作成に携わるユーザの負担が大幅に軽減される。

[5]
複数の前記タイプがそれぞれ1以上のコンテンツ構成情報に関連付けられており、
一の前記コンテンツ構成情報は、前記営業用コンテンツを構成する1以上の項目に関する情報を含んでおり、
一の前記項目は、文書及び画像の少なくとも一方をコンテンツ要素として含んでおり、
一の前記項目の前記コンテンツ要素を生成するために参照される情報を、第1コンテンツ生成用情報と呼び、
前記営業用コンテンツに含まれる文章及び画像の少なくとも一方を生成するために参照される情報を、第2コンテンツ生成用情報と呼び、
前記情報処理システムは、文書及び画像の少なくとも一方を生成可能な1以上の生成AIの機能を提供する生成AIシステムにアクセス可能であり、
前記第1コンテンツ生成用情報に基づいて前記コンテンツ要素を生成するように前記生成AIに対して指示を与えるプロンプトを、第1プロンプトと呼び、
前記第2コンテンツ生成用情報に基づいて前記第1コンテンツ生成用情報を取得するように前記生成AIに対して指示を与えるプロンプトを、第2プロンプトと呼び、
前記営業コンテンツを生成する工程は、
前記第2コンテンツ生成用情報を入力することと、
複数の前記コンテンツ構成情報から、取得された前記性格情報が示す前記関係者の前記タイプに関連付けられた一の前記コンテンツ構成情報を選択することと、
選択した前記コンテンツ構成情報において指定された1以上の前記項目の前記コンテンツ要素を生成するために参照される1以上の前記第1コンテンツ生成用情報を、入力した前記第2コンテンツ生成用情報に基づいて取得するように前記生成AIへ指示を与える少なくとも1つの前記第2プロンプトであって、選択した前記コンテンツ構成情報に含まれる各前記項目の説明に応じた少なくとも1つの前記第2プロンプトを生成することと、
生成した少なくとも1つの前記第2プロンプトを前記生成AIシステムに提供し、前記第2プロンプトに従って生成された1以上の前記項目の前記第1コンテンツ生成用情報を取得することと、
取得した1以上の前記項目の前記第1コンテンツ生成用情報に基づいて1以上の前記項目の前記コンテンツ要素を生成するように前記生成AIへ指示を与える少なくとも1つの前記第1プロンプトを生成することと、
生成した少なくとも1つの前記第1プロンプトを前記生成AIシステムに提供し、前記第1プロンプトに従って生成された1以上の前記項目の前記コンテンツ要素を前記生成AIシステムから取得することと、
取得した1以上の前記項目の前記コンテンツ要素に基づいて前記営業用コンテンツを生成することとを含む、
[2]に記載の営業支援方法。
※ [5]の営業支援方法によれば、営業用コンテンツにおける各項目のコンテンツ要素が生成AIにより生成されるとともに、生成AIに対してコンテンツ要素の生成を指示するプロンプト(第1プロンプト)も生成AIにより生成されるため、営業用コンテンツの作成に携わるユーザの負担が更に大幅に軽減される。

[6]
一の前記コンテンツ構成情報は、各前記項目の前記コンテンツ要素のレイアウトに関するレイアウト情報を含んでおり、
前記営業コンテンツを生成する工程は、選択した前記コンテンツ構成情報に含まれる前記レイアウト情報に応じて各前記項目の前記コンテンツ要素が配置された前記営業用コンテンツを生成することを含む、
[1]~[5]のいずれか一つに記載の営業支援方法。

[7]
前記レイアウト情報は、各前記項目の前記コンテンツ要素における文章の書式、文字の書体、文字のサイズ、文字の間隔、行内の文字数、ページ内の行数、行の間隔、文字の色、見出しの色、背景の色、及び、画像の位置の少なくとも一部を含んでおり、
前記営業コンテンツを生成する工程は、選択した前記コンテンツ構成情報に含まれる前記レイアウト情報に応じて、各前記項目における文章の書式、文字の書体、文字のサイズ、文字の間隔、行内の文字数、ページ内の行数、行の間隔、文字の色、見出しの色、背景の色、及び、画像の位置の少なくとも一部が整えられた前記営業用コンテンツを生成することを含む、
[6]に記載の営業支援方法。

[8]
営業を支援する処理を情報処理システムに行わせる命令を含んだプログラムであって、
前記命令に従って情報処理システムが行う処理は、[1]~[7]のいずれか一つに記載された方法の各工程を含む、
プログラム。

[9]
営業を支援する処理を行う情報処理システムであって、
処理部と、
前記処理部において実行される命令を記憶した記憶部とを有し、
前記処理部が前記命令に従って行う処理は、[1]~[7]のいずれか一つに記載された方法の各工程を含む、
情報処理システム。

[10]
営業を支援する処理を行う情報処理システムであって、
[1]~[7]のいずれか一つに記載された方法の各工程を行う手段を備えた、
情報処理システム。
【符号の説明】
【0087】
1…情報処理システム、11…通信部、12…記憶部、121…プログラム、13…処理部、2…記憶装置、21…事業者DB、22…関係者DB、23…コンテンツ構成DB、24…性格情報DB、25…学習済モデル、3…端末装置、4…第1サーバ、5…第2サーバ、6…生成AIシステム、9…通信ネットワーク
【要約】
【課題】個人の営業の技量に依存する度合いを低減しつつ売り込みの成功確率を高めることができる営業支援方法、プログラム及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】営業支援方法は、端末装置3から入力された商品情報を第1サーバ4に提供し、当該商品情報に基づいて特定された見込み客の情報を第1サーバ4から取得する工程(ST105)と、商品購入の決裁に関与する関係者の個人情報を含んだ複数の関係者情報に基づいて、特定された見込み客における関係者の個人情報を取得する工程(ST110)と、取得された関係者の個人情報に基づいて、当該関係者の性格情報を取得する工程(ST115)と、関係者の性格情報に基づいて、商品の売り込みが成功し易くなるように関係者の性格に合わせて構成された文章や画像を含む営業用コンテンツを生成する工程(ST120)とを有する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9