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特許7634846根際散布装置およびこれを備えた根際散布車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-14
(45)【発行日】2025-02-25
(54)【発明の名称】根際散布装置およびこれを備えた根際散布車両
(51)【国際特許分類】
   A01M 7/00 20060101AFI20250217BHJP
【FI】
A01M7/00 J
A01M7/00 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021120293
(22)【出願日】2021-07-21
(65)【公開番号】P2022022171
(43)【公開日】2022-02-03
【審査請求日】2024-05-15
(31)【優先権主張番号】P 2020125423
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000222978
【氏名又は名称】東洋農機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】303020956
【氏名又は名称】三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004392
【氏名又は名称】弁理士法人佐川国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100110766
【弁理士】
【氏名又は名称】佐川 慎悟
(74)【代理人】
【識別番号】100165515
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 清子
(74)【代理人】
【識別番号】100169340
【弁理士】
【氏名又は名称】川野 陽輔
(74)【代理人】
【識別番号】100195682
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 陽子
(74)【代理人】
【識別番号】100206623
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 智行
(72)【発明者】
【氏名】野村 誠
(72)【発明者】
【氏名】太田 耕二
(72)【発明者】
【氏名】船引 邦弘
(72)【発明者】
【氏名】白川 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】礒村 誠
(72)【発明者】
【氏名】若菜 慎也
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】実開平5-021678(JP,U)
【文献】特開2006-345835(JP,A)
【文献】特開2007-319049(JP,A)
【文献】特開2013-215127(JP,A)
【文献】特開平10-085633(JP,A)
【文献】米国特許第4439948(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 7/00
A01C 3/00- 3/08
A01C 15/00-23/04
B05B 17/00-17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車両に装着されて圃場に植えられた農作物の根際に液剤を散布する根際散布装置であって、
前記走行車両から左右の略水平方向に延出されるブーム部と、
このブーム部に所定の間隔を隔ててに固定される複数の取付台と、
前記各取付台に連結されるとともに液剤を散布する散布ノズルを四節リンク機構により上下動可能に支持する散布ノズル上下機構と、
前記取付台と前記散布ノズル上下機構とを連結する連結部材と
を有しており、
前記連結部材は、前後方向の水平軸に対して上下方向に傾斜された傾斜支持軸を有しており、当該傾斜支持軸に前記散布ノズル上下機構を左右揺動可能に軸支している、前記根際散布装置。
【請求項2】
前記連結部材は、一端部を前記散布ノズル上下機構に固定されているとともに他端部を前記傾斜支持軸に揺動自在に軸支されている揺動棒材と、この揺動棒材を挟持した状態で前記傾斜支持軸を支点に左右外側開方向に揺動する左右一対の挟持部材と、これら挟持部材の開放端に連結されており当該挟持部材を中央方向に引き寄せるように付勢して前記揺動棒材に固定された前記散布ノズル上下機構を中央位置に回帰させる位置回帰バネとを有する、請求項1に記載の根際散布装置。
【請求項3】
前記傾斜支持軸が水平軸に対して15度~80度の範囲内で上下方向に傾斜されている、請求項1または請求項2に記載の根際散布装置。
【請求項4】
前記散布ノズル上下機構は、前側で前記連結部材に固定される前側固定リンクと、この前側固定リンクに回動自在に連結される上リンクおよび下リンクと、前記上リンクおよび前記下リンクを平行状態にして各端部に回動自在に連結される後側ノズル支持リンクとを有しており、前記上リンクと前記下リンクとの間には上下方向に弾性力を発揮させて前記後側ノズル支持リンクの上下動を安定させる上下動安定バネが設けられている、請求項1から請求項3のいずれかに記載の根際散布装置。
【請求項5】
前記散布ノズル上下機構が、前記後側ノズル支持リンクから直線状に垂下された直線部と、この直線部の下端から前方に湾曲された弾性部と、この弾性部の下端から後方に水平状に延出された接地部とを有するタインを備えている、請求項4に記載の根際散布装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の根際散布装置を、走行車両の前方位置に装着してなる、根際散布車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に植えられた農作物の根もとである根際に液剤等を散布するための根際散布装置およびこれを備えた根際散布用車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、圃場に植えられた農作物の成長を促したり、害虫を駆除するために除草剤や殺菌剤の散布作業が行われる。例えば、ダイズやアズキ、インゲン等の豆類は、比較的背の低い農作物であるため雑草により成長が阻害されやすい。また、菌核病、灰色かび病等に感染すると、収量や品質に多大な被害を及ぼしてしまう。そのため、除草剤や殺菌剤の散布作業は非常に重要である。
【0003】
一方、豆類は茎の先端部等にある生長点に除草剤等がかかると成長が止まってしまうという問題がある。そのため豆類に対しては、液剤が生長点にかからないように根の際に散布する必要がある。
【0004】
このような根際に液剤等を散布するものとして、実開平5-21678号公報では、四節リンク機構を用いた根際散布機に係る発明が開示されている(特許文献1)。この特許文献1によれば、当該根際散布機の足バネが地面に接触して散布ノズルを上下に移動させることができるため、地面の高低に関係なく一定に農作物の根際に散布することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開平5-21678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載された発明を含む従来の散布装置は、図15に示すように、四節リンク機構が水平に配置された支持軸(水平支持軸)によって軸支されており、農作物等の障害物に接触した場合には、図16に示すように、四節リンク機構が前記水平支持軸を中心に回動し、下方リンク棒を真横の上方へ逃がして農作物を傷めないようになっている。
【0007】
しかしながら、図16に示すように、左右方向に回動した状態で地面と接触して、地面からの抵抗を受けても、接地部と進行方向とが平行になるため中央位置に戻す力は生じない。よって、四節リンク機構が下方に伸びたままの状態となってしまい中央の原点位置に回帰できなくなる。このように四節リンク機構が中央位置に戻らない状態では、散布ノズルの角度や散布ノズルと農作物との距離が変化し、根際ではなく、農作物に散布してしまうという問題がある。
【0008】
また、圃場の折り返し位置で旋回するときには、一度持ち上げて旋回を行い、次の畦間に根際散布装置を配置しなければならない。しかしながら、特許文献1に記載された発明では、旋回時の四節リンク機構の左右側方への揺れが収まり難い。このため、揺れがある程度収まるまで待つ必要があり、無駄な時間を費やしてしまうという問題もある。
【0009】
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであって、支持軸を中心に左右に回動した四節リンク機構を速やかに中央位置に回帰させるとともに、車両旋回時に持ち上げた際の揺れを速やかに抑えることができる、根際散布装置およびこれを備えた根際散布車両を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る根際散布装置は、支持軸を中心に左右に回動した四節リンク機構を速やかに中央位置に回帰させるという課題を解決するために、走行車両に装着されて圃場に植えられた農作物の根際に液剤を散布する根際散布装置であって、前記走行車両から左右の略水平方向に延出されるブーム部と、このブーム部に所定の間隔を隔ててに固定される複数の取付台と、前記各取付台に連結されるとともに液剤を散布する散布ノズルを四節リンク機構により上下動可能に支持する散布ノズル上下機構と、前記取付台と前記散布ノズル上下機構とを連結する連結部材とを有しており、前記連結部材は、前後方向の水平軸に対して上下方向に傾斜された傾斜支持軸を有しており、当該傾斜支持軸に前記散布ノズル上下機構を左右揺動可能に軸支している。
【0011】
また、本発明の一態様として、支持軸を中心に左右に回動した四節リンク機構を速やかに中央位置に回帰させ易くするとともに、車両旋回時に持ち上げた際の揺れを抑えるという課題を解決するために、前記連結部材は、一端部を前記散布ノズル上下機構に固定されているとともに他端部を前記傾斜支持軸に揺動自在に軸支されている揺動棒材と、この揺動棒材を挟持した状態で前記傾斜支持軸を支点に左右外側開方向に揺動する左右一対の挟持部材と、これら挟持部材の開放端に連結されており当該挟持部材を中央方向に引き寄せるように付勢して前記揺動棒材に固定された前記散布ノズル上下機構を中央位置に回帰させる位置回帰バネとを有するようにしてもよい。
【0012】
さらに、本発明の一態様として、四節リンク機構が農作物等の障害物に接触した場合には左右後方に揺れて傷つけず、かつ左右後方に傾いた四節リンク機構を速やかに中央位置に回帰させるという課題を解決するために、前記傾斜支持軸が水平軸に対して15度~80度の範囲内で上下方向に傾斜されていてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様として、地面の起伏に追従する四節リンク機構の上下動を安定させるという課題を解決するために、前記散布ノズル上下機構は、前側で前記連結部材に固定される前側固定リンクと、この前側固定リンクに回動自在に連結される上リンクおよび下リンクと、前記上リンクおよび前記下リンクを平行状態にして各端部に回動自在に連結される後側ノズル支持リンクとを有しており、前記上リンクと前記下リンクとの間には上下方向に弾性力を発揮させて前記後側ノズル支持リンクの上下動を安定させる上下動安定バネが設けられていてもよい。
【0014】
さらに、本発明の一態様として、地面に対する後側ノズル支持リンクの高さを高くして、雑草をかき分けながら前進できるようにするという課題を解決するために、前記散布ノズル上下機構が、前記後側ノズル支持リンクから直線状に垂下された直線部と、この直線部の下端から前方に湾曲された弾性部と、この弾性部の下端から後方に水平状に延出された接地部とを有するタインを備えていてもよい。
【0015】
本発明に係る根際散布車両は、支持軸を中心に左右に回動した四節リンク機構を速やかに中央位置に回帰させるという課題を解決するために、前記根際散布装置を、走行車両の前方位置に装着してなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、支持軸を中心に左右に回動した四節リンク機構を速やかに中央位置に回帰させるとともに、車両旋回時に持ち上げた際の揺れを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る根際散布車両の一実施形態を示す斜視図である。
図2】本実施形態においてブーム部を折り畳んだ状態の根際散布車両を示す斜視図である。
図3】本実施形態の根際散布装置を示す側面図である。
図4】他の実施形態の根際散布装置を示す側面図である
図5】本実施形態における取付台、連結部材および散布ノズル上下機構の前側固定リンクを示す斜視図である。
図6】本実施形態における取付台、連結部材および散布ノズル上下機構の前側固定リンクを示す側面図である。
図7図6のA方向から見た取付台および連結部材を示す図である。
図8】本実施形態における挟持部材を示す斜視図である。
図9】本実施形態における散布ノズル上下機構が傾斜支持軸を支点に左右方向に回動した状態を示す背面図である。
図10図9の平面図であって、矢印で示す地面との抵抗力により、散布ノズル上下機構が中央位置に回帰する作用を示す図である。
図11】本実施形態において取付台、連結部材および前側固定リンクが左右外側開方向に限界となる角度まで開いた状態を示す傾斜支持軸の軸線方向から見た図であって、位置回帰バネによって散布ノズル上下機構を中央位置に回帰させる作用を示す図である。
図12】本実施形態において散布ノズルの高さにより散布範囲を調整する方法を示す模式図である。
図13】本実施形態において散布ノズルの角度により散布範囲を調整する方法を示す模式図である。
図14】本実施形態において地面の起伏に追従して散布ノズル上下機構が上下動する状態を示す模式図である。
図15】従来の根際散布装置を示す側面図である。
図16】従来の根際散布装置が水平な支持軸により左右に揺動した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る根際散布装置およびこれを備えた根際散布車両の一実施形態について図面を用いて説明する。
【0019】
本実施形態の根際散布車両1は、図1に示すように、主に、走行車両2と、この走行車両2の前方位置に装着される根際散布装置3と、この根際散布装置3に液剤を供給する液剤供給装置4とを有する。以下、各構成について詳細に説明する。
【0020】
走行車両2は、圃場を自走することのできる車両であり、農作業用アタッチメントを装着可能なトラクターや根際散布専用の車両などが例示される。本実施形態における走行車両2は、トラクターにより構成されており、後側には農作業用アタッチメントとして液剤を農作物の上方から散布することのできるブームスプレーヤ21が装着されている。
【0021】
根際散布装置3は、走行車両2に装着されて圃場の農作物の根の際に液剤を散布するためのものである。本実施形態の根際散布装置3は、図3に示すように、走行車両2の前方位置に左右の略水平方向に延出されるブーム部5と、このブーム部5に固定される取付台6と、この取付台6に連結される散布ノズル上下機構7と、取付台6と散布ノズル上下機構7とを連結する連結部材8とを有する。
【0022】
ブーム部5は、根際散布装置3を走行車両2に装着するためのものであり、走行車両2の前方位置に左右の略水平方向に延出されている。本実施形態におけるブーム部5は、図2に示すように、折り畳み可能に構成されており、道路移動時や車庫へ収納時に折り畳むことができるようになっている。また、ブーム部5は、持ち上げることができる構成になっており、圃場の折り返し位置での旋回時等では、農作物に散布ノズル上下機構7等が接触しないように持ち上げられるようになっている。
【0023】
取付台6は、散布ノズル上下機構7等をブーム部5に固定するための構成であり、本実施形態では、図3に示すように、側面視で略コの字状に形成されて前記ブーム部5を嵌め入れる嵌入部61と、この嵌入部61の開口端側を締結するボルトおよびナットからなる締結固定部62とを有する。
【0024】
なお、取付台6の構成は、嵌入部61および締結固定部62とからなる構成に限定されるものではなく、ブーム部5に固定可能な構成から適宜選択することができる。
【0025】
散布ノズル上下機構7は、四節リンク機構を利用して散布ノズル76を地面の起伏に追従させて上下動するようにしたものである。本実施形態における散布ノズル上下機構7は、図3に示すように、前側で垂直方向に配置されて連結部材8に固定される前側固定リンク71と、この前側固定リンク71に連結される上リンク72および下リンク73と、上リンク72および下リンク73の各端部に連結される後側ノズル支持リンク74と、この後側ノズル支持リンク74から垂下されたタイン75と、後側ノズル支持リンク74またはタイン75に装着される散布ノズル76と、後側ノズル支持リンク74の上下動を安定させる上下動安定バネ77とを有する。
【0026】
前側固定リンク71は、四節リンク機構の前方側で鉛直方向に向けた状態で連結部材8に固定される部材であり、四節リンク機構における固定リンクに相当する。本実施形態における前側固定リンク71は、接触したときに農作物を傷めないように円柱状の棒材により構成されている。
【0027】
上リンク72は、前側固定リンク71の上端部近傍に回動自在に連結されている。
【0028】
下リンク73は、上リンク72と同じ長さに形成されており、前記上リンク72よりも下方であって、前側固定リンク71の上下略中間位置に回動自在に連結されている。また、下リンク73の前端部は前側固定リンク71より前方に延出されており、農作物の茎葉を削ぎ落として傷つけないように、先端が船底のように先細状に形成されている。
【0029】
後側ノズル支持リンク74は、上リンク72および下リンク73を平行状態にして各端部に回動自在に連結されて前側固定リンク71に対して平行を保ちながら上下動する部材である。
【0030】
なお、散布ノズル上下機構7は、本実施形態において上リンク72および下リンク73が同じ長さで平行配置されているとともに、前側固定リンク71および後側ノズル支持リンク74が同じ長さで平行配置されている、いわゆる平行リンク機構からなるが、これに限定されるものではなく、各リンクが異なる長さでかつ非平行配置されているものであってもよい。
【0031】
タイン75は、スキー板のように地面の起伏や地面との抵抗力に応じて散布ノズル上下機構7の上下方向および左右方向の動きをガイドし、つる草等の雑草をかき分け、ときには雑草を切断しながら前進する機能を備えており、後側ノズル支持リンク74から直線状に垂下される直線部751と、この直線部751の下端に形成される弾性部752と、この弾性部752の下端から延出されて地面に接する接地部753とを有する。
【0032】
直線部751は、散布ノズル76を雑草等に接しないように地面から高い位置に保持するためのものであり、後側ノズル支持リンク74から直線状に垂下されている。
【0033】
弾性部752は、地面の起伏による衝撃を緩和するために形成された部分であり、本実施形態では、直線部の下端から船首形状の一種である球状船首(バルバスバウ)のように前方に湾曲されている。
【0034】
接地部753は、地面と接する部分であり、弾性部752の下端から後方に水平状に延出され、その後端部が上向きに屈曲されている。この接地部753は、散布ノズル上下機構7が傾斜支持軸81を中心に左右方向へ回動したときに、スキーのボーゲンのように後方が開いた状態で地面からの抵抗力を受け、前記散布ノズル上下機構7を中央位置に回帰させるようにガイドする。
【0035】
なお、本実施形態におけるタイン75は、強度を保ちつつ夾雑物が挟まらないように棒状の鋼材を湾曲させることにより形成されている。
【0036】
散布ノズル76は、除草剤などの液剤を散布するためのノズルであり、後側ノズル支持リンク74またはタイン75に装着される。本実施形態における散布ノズル76は、扇状に散布することができるノズルである。この散布ノズル76は、後側ノズル支持リンク74から垂下されたタイン75の直線部751に装着されており、散布する高さと散布する角度とを調整できるように構成されている。
【0037】
上下動安定バネ77は、後側ノズル支持リンク74の上下動を安定させるためのバネであり、上リンク72と下リンク73との間に上下方向の弾性力を発揮させるように設けられている。本実施形態における上下動安定バネ77は、図3に示すように、上リンク72の前後中央からやや後方の位置と、下リンク73の前後中央からやや前方位置とを連結するように設けられており、地面から受ける押圧力に対して収縮するように構成されている。
【0038】
なお、散布ノズル上下機構7の四節リンク機構は、前側固定リンク71を鉛直方向に向けた状態にしたものに限定されるものではなく、前後方向に傾けた状態であってもよい。例えば、図4に示すように、揺動棒材82と直交するように前側固定リンク71の上端側を後方に傾けた状態で連結部材8に固定してもよい。
【0039】
次に、連結部材8について説明する。連結部材8は、取付台6と散布ノズル上下機構7とを連結する部材であり、図5ないし図7に示すように、散布ノズル上下機構7を左右揺動可能に軸支するための傾斜支持軸81と、散布ノズル上下機構7と傾斜支持軸81とを連結する揺動棒材82と、この揺動棒材82を挟持する左右一対の挟持部材83と、これら挟持部材83の開放端を中央方向に引き寄せるように付勢する位置回帰バネ84とを有する。
【0040】
傾斜支持軸81は、散布ノズル上下機構7を左右揺動可能に軸支させるための軸であり、前後方向の水平軸に対して上下方向に傾斜されている。本実施形態における傾斜支持軸81は、図3および図6に示すように、前方に向けて下り傾斜状に傾斜している。このように傾斜支持軸81を傾斜させることにより、図9および図10に示すように、散布ノズル上下機構7が左右方向に回転したときに、スキーのボーゲンのように、後側が左右外側方向に開くようになっている。
【0041】
傾斜支持軸81の傾斜角度は、特に限定されるものではないが、散布ノズル上下機構7が農作物に接触したときに左右に揺れ易く、かつ左右に揺れたときに平面視において左右へ傾斜し易くするために、水平軸に対して15度~80度の角度範囲内で傾斜しているのが好ましく、30度~45度の範囲内がより好ましい。
【0042】
なお、傾斜支持軸81の傾斜方向は、前方に向けて下り傾斜状に傾斜させたものに限定されるものではなく、図示しないが、前方に向けて上り傾斜状に傾斜させてもよい。
【0043】
揺動棒材82は、散布ノズル上下機構7と傾斜支持軸81とを連結する棒材であり、一端部を散布ノズル上下機構7に固定されているとともに、他端部を傾斜支持軸81に揺動自在に軸支されている。本実施形態における揺動棒材82は、図5および図6に示すように、断面略円形状の棒材により形成されており、前側固定リンク71の上リンク72の連結位置と下リンク73の連結位置との略中央位置から前方上り傾斜状に延出されており、傾斜支持軸81に対しては直交するように軸支されている。
【0044】
挟持部材83は、揺動棒材82を左右から挟持し当該揺動棒材82の左右揺動に追従して揺動できるようにしたものであり、前記揺動棒材82を挟持した状態で傾斜支持軸81を支点として、左右外側開方向に揺動できるように支持されている。
【0045】
本実施形態における挟持部材83は、図7および図8に示すように、傾斜支持軸81より後側は断面コの字状に形成されているとともに、傾斜支持軸81より前側は後側とは逆方向にL字形を形成するように延出されている。一対の挟持部材83は、互いにコの字の開放されている側を向かい合わせ、上下方向にずらして重なり合うように配置し、それぞれ傾斜支持軸81に軸支されている。
【0046】
これにより右側に設けられた挟持部材83は、L字形に延出させた部分が取付台6の後面に当接することで左側への揺動が規制されるため、中央位置にある前記揺動棒材82と当接する位置から右外側開方向にのみ揺動できるように構成されている。同様に、左側に設けられた挟持部材83は、L字形に延出させた部分が取付台6の後面に当接することで右側への揺動が規制されるため、中央位置にある前記揺動棒材82と当接する位置から左外側開方向にのみ揺動できるように構成されている。
【0047】
また、一方の挟持部材83が、外側開方向に揺動したときには、他方のL字形に延出させた部分に掛止されて、それ以上、外側開方向に揺動できないようになっている。
【0048】
位置回帰バネ84は、挟持部材83を中央方向に引き寄せるように付勢して揺動棒材82に固定された散布ノズル上下機構7を中央位置に回帰させるためのバネであり、左右一対の挟持部材83,83の開放端を連結している。本実施形態における位置回帰バネ84は、図7に示すように、左右一対の挟持部材83,83からそれぞれ左右外側方向に向けて延出されたバネ連結部85,85の先端同士に連結されている。この位置回帰バネ84の付勢力を調整することで、散布ノズル上下機構7が農作物等に当接したときに傷つけないような揺動のし易さと、揺動した散布ノズル上下機構7の中央位置への回帰させ易さとのバランスを調整できるように構成されている。
【0049】
液剤供給装置4は、根際散布装置3に液剤を供給するためのものであり、主に、液剤を貯留する貯留タンク41および貯留された液剤を根際散布装置3に供給する供給ポンプ42とを有する。本実施形態における貯留タンク41は、図1および図2に示すように、走行車両2の後方側に搭載されている。供給ポンプ42は、貯留タンク41に装着されており、ホース等を介して散布ノズル76に液剤を供給するように構成されている。
【0050】
次に、本実施形態の根際散布装置3およびこれを備えた根際散布車両1の各構成の作用について説明する。
【0051】
根際散布車両1では、図1に示すように、ブーム部5を左右の略水平方向に展開する。そして、図示しないが、各散布ノズル76が畦同士の間に配置されるように位置を決定する。
【0052】
液剤供給装置4は、供給ポンプ42により貯留タンク41内の液剤を根際散布装置3に供給する。散布ノズル76は、供給された液剤を下方に向けて扇形状に散布する。この際、散布された液剤が農作物の根際にかかるように散布ノズル76の高さや角度を設定して散布範囲を調整する。例えば、図12に示すように、散布ノズル76の高さを高くすると散布範囲を広げることができ、高さを低くすることで散布範囲を狭くすることができる。また、図13に示すように、散布ノズルの角度を地面に対して浅くすると散布範囲を広げることができ、角度を深くすると散布範囲を狭くすることができる。
【0053】
本実施形態の根際散布装置3およびこれを備えた根際散布車両1を使用して施用する除草剤が対象とする草種は、特に限定されるものではないが、イネ科、アカザ科、ナス科、マメ科、ヒルガオ科、タデ科、カヤツリグサ科、キク科、ナデシコ科、トクサ科、ツユクサ科、ヒユ科、スベリヒユ科、ウリ科、アオイ科などに属する草種で、好ましくはイネ科、アカザ科、ナデシコ科、タデ科などが例示される。
【0054】
除草剤の有効成分としては、グルホシネート及びその塩、グルホシネート-P及びその塩、グリホサート及びその塩、パラコート、ジクワット、イマザモックス及びその塩、メタミトロン、フェンメディファム、S-メトラクロール、ジメテナミド-P 、フルアジホップP、セトキシジム、クレトジム、キザロホップエチルなどから選ばれる一種の化合物および二種以上の化合物の組み合わせなどが例示される。グルホシネート、グルホシネート-P、グリホサート、イマザモックスにおける塩の形態としては、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩等が挙げられ、グルホシネートではアンモニウム塩が好ましく、グルホシネート-Pではナトリウム塩またはアンモニウム塩が好ましい。
【0055】
また、殺菌剤が対象とする病害は、トマト、キュウリ、イチゴ、ナス、豆類、ばれいしょ、たまねぎ等の野菜類灰色かび病(Botrytis cinerea)、コムギ赤さび病(Puccina recondite)、コムギうどんこ病(Erysiphe graminis)、ばれいしょ軟腐病(Erwinia carotovora carotovora)、ばれいしょ疫病(Phytophthora infestans)、ばれいしょ夏疫病(Alternaria solani)、ばれいしょ銀か病(Spondylocladium atrovirens)、ばれいしょ黒あし病(Erwinia carotovora atroseptica)、ばれいしょそうか病(Streptomyces scabies)、ばれいしょ黒あざ病(Thanatephorus cucumeris)、だいずべと病(Peronospora manshurica)、だいず紫斑病(Cercosporakikuchii)、あずきさび病(Uromyces phaseoli)、あずき炭疽病(Colletotrichum phaseolorum)、たまねぎ軟腐病(Erwinia carotovora carotovora)たまねぎ白色疫病(Phytophthora porri)、たまねぎ灰色腐敗病(Botrytis allii)、たまねぎべと病(Peronospora destructor)、にんじん黒葉枯病(Alternaria dauci)、だいこん白さび病(Albugo macrospora)、だいこん炭疽病(Colletotrichum higginsianum)、だいこん白斑病(Pseudocercosporella capsellae)、だいこんワッカ症(Albugo macrospora)、てんさい根腐病(Aphanomyces larvis)、てんさい葉腐病(Thanatephorus cucumeris)、てんさい褐斑病(Cercospora beticola)などであるが、好ましくはばれいしょ軟腐病(Erwinia carotovora carotovora)、ばれいしょ疫病(Phytophthora infestana)、てんさい根腐病(Albugo macrospora)、てんさい葉腐病(Thanatephorus cucumeris)、てんさい褐斑病(Cercospora beticola)などが例示される。
【0056】
殺菌剤の有効成分としては、アゾキシストロビン、フルトラニル、フラメトピル、メプロニル、シモキサニル、テトラコナゾール、ジフェノコナザール、シプロコナゾール、フェンブコナゾール、ストレプトマイシン、オキシテトラサイクリン、カスガマイシン、塩基性塩化銅、塩基性硫酸銅、水酸化第二銅、エタボキサム、マンネブ、マンゼブ、オキソリニック酸、ベンチアバリカルブイソプロピル、アメトクトラジン、ジメトモルフ、オキサチアピプロリン、ファモキサドン、テトラクロロインソフタロニトリル、ジメトモルフ、アミスルブロム、シアゾファミド、メタラキシルM、フルオピコリド、プロパモカルブ塩酸塩、マンジプロパミドなどから選ばれる一種の化合物および二種以上の化合物の組み合わせなどが例示される。
【0057】
また、本実施形態の根際散布装置3およびこれを備えた根際散布車両1を使用して施用される除草剤および殺菌剤の使用量は、その使用環境、施用時期、施用方法、気象条件等に応じて実質的な範囲で適宜変更可能であるが、除草剤においては10アール当りの有効成分量が1g~3000gの範囲内が好ましく、2g~300gの範囲内がより好ましい。また、殺菌剤においては10アール当りの有効成分量が0.01kg~10kgの範囲内が好ましく、100g~400gの範囲内がより好ましい。
【0058】
走行中の散布ノズル上下機構7においては、図14に示すように、地面の起伏に合わせて後側ノズル支持リンク74が上下動する。本実施形態における散布ノズル上下機構7は、四節リンク機構を用いているため、後側ノズル支持リンク74は前側固定リンク71に対して平行を保ちながら上下動する。よって、散布ノズル76は、地面との高さが一定になるとともに、地面に対する角度も変わらず、液剤を根際に散布し続けることができる。
【0059】
上下動安定バネ77は、収縮する上下方向の弾性力により後側ノズル支持リンク74を下方向に押さえつける力を発揮する。後側ノズル支持リンク74は、地面に押さえつけられるため、地面の起伏に応じた上下動が安定する。よって、高速走行で散布するような場合であっても起伏によって跳ね上がることを抑制し、地面に対する散布ノズル76の位置を安定させることができる。
【0060】
また、タイン75は、弾性部752により地面の起伏による衝撃を吸収することができる。また、弾性部752の弾性により地面の起伏に追従しやすくなる。また、タイン75が、棒状の鋼材で形成されているため、つる草等の雑草をかきわけ、ときには切断しながら前進することができる。また、直線部751が、散布ノズル76の位置を高く保持しているため、当該散布ノズル76周辺に夾雑物が挟まることを防ぐことができる。
【0061】
さらに、下リンク73の前側は、先端が船底のように先細状に形成されているため、接触した農作物を左右に受け流すことができ、茎葉を削ぎ落とすことなく傷つけることもない。
【0062】
散布ノズル上下機構7は、農作物などに接触した場合、図9および図10に示すように、傾斜支持軸81を支点として左右に揺動する。これにより農作物と衝突する力を弱めて農作物を傷めないようになっている。
【0063】
また、散布ノズル上下機構7は左右に揺動すると、図9および図10に示すように、スキーにおけるボーゲンのように、後側が外側方向に開くように傾斜する。本実施形態では、接地部753が水平状に形成されており、スキー板のように機能する。よって、この状態で前方方向に走行すると、散布ノズル上下機構7(タイン75)は、側面に地面から抵抗を受ける。この抵抗力は、散布ノズル上下機構7を中央位置に押し戻そうとする力になる。よって、傾斜した散布ノズル上下機構7は、地面から受ける抵抗力により自動的に中央位置に回帰される。
【0064】
また、散布ノズル上下機構7の揺動にともない、連結部材8の揺動棒材82が傾斜支持軸81を支点に揺動する。このとき揺動した側の挟持部材83は、図11に示すように、揺動棒材82に押されて同方向に揺動する。一方、揺動棒材82の揺動方向とは逆側の挟持部材83は、L字形に延出された前側が取付台6の後面で規制されるため中央位置から揺動方向には揺動されない。よって、一対の挟持部材83,83の開放端に連結された位置回帰バネ84は、揺動した挟持部材83によって外側方向に引っ張られる。
【0065】
散布ノズル上下機構7が揺動させる力から解放されると、揺動した挟持部材83は、位置回帰バネ84が収縮する力により中央位置に引き寄せられる。揺動棒材82および当該揺動棒材82に固定された散布ノズル上下機構7は、位置回帰バネ84により中央位置に引き寄せられ、挟持部材83に押されて中央位置に回帰する。
【0066】
このように、散布中に散布ノズル上下機構7が左右方向揺動した場合には、散布ノズル上下機構7は地面からの抵抗力と、位置回帰バネ84の収縮力によって自動的に中央位置に回帰することができ、散布ノズル76を左右方向の所望の位置に安定させることができる。
【0067】
また、圃場の折り返し位置で根際散布車両1を旋回させるときは、農作物に接触しないように根際散布装置3を持ち上げる。地面と接しない高さまで持ち上げられた散布ノズル上下機構7は、旋回するときの振動等によって傾斜支持軸81を支点として左右に揺動する。
【0068】
このとき散布ノズル上下機構7は傾斜した傾斜支持軸81により軸支されているため、重力は散布ノズル上下機構7の揺れが収まる力として働く。また、位置回帰バネ84により揺動棒材82に固定された散布ノズル上下機構7を中央位置に回帰させる力が加わるため、揺れを早期に収めることができる。よって、根際散布車両1は、旋回後など散布ノズル上下機構7が揺れやすい状況においても位置決めがし易く作業性が向上する。
【0069】
また、育成後期などの草丈の高い農作物に散布する場合は、図4に示すように、前側固定リンク71が傾斜した状態の四節リンク機構を用いることにより、ブーム部5との取り付け位置(取付台6の位置)から地面までの高さを高くすることができる。これにより、農作物との接触を回避することができる。また、前側固定リンク71に対する上リンク72および下リンク73の初期角度(タイン75が平坦な地面に接地した状態の角度)を略直角状態とすることで、後側ノズル支持リンク74やタイン75の上下方向の可動域を広くすることができ、地面の起伏に対する追従性がよくなるとともに、地面からの抵抗を低減し、かつタイン75の上下方向の振動を抑制することができる。
【0070】
以上のような本実施形態の根際散布装置3およびこれを備えた根際散布車両1によれば、以下の効果を奏することができる。
1.傾斜支持軸81が水平軸に対して傾斜しているため、軸支される散布ノズル上下機構7は農作物等に接触して左右に揺れたときに地面からの抵抗力によって自動的に中央位置に回帰することができる。
2.同様に、散布ノズル上下機構7が揺れたときには、位置回帰バネ84の付勢力により揺動する散布ノズル上下機構7を中央位置に回帰させることができる。
3.地面と接しない高さまで持ち上げられた散布ノズル上下機構7が走行車両2の旋回時の振動等により揺動した場合には、自らの重力とともに位置回帰バネ84の付勢力によって揺れを速やかに収めることができる。
4.上リンク72および下リンク73との間に上下動安定バネ77を設けたことにより、後側ノズル支持リンク74を地面に押さえつけることができ、地面の起伏に応じた上下動を安定させることができる。
【0071】
なお、本発明に係る根際散布装置およびこれを備えた根際散布車両は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、散布ノズル76は、油圧モータや電動モータによる遠隔操作により高さや角度を調整できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 根際散布車両
2 走行車両
3 根際散布装置
4 液剤供給装置
5 ブーム部
6 取付台
7 散布ノズル上下機構
8 連結部材
21 ブームスプレーヤ
41 貯留タンク
42 供給ポンプ
61 嵌入部
62 締結固定部
71 前側固定リンク
72 上リンク
73 下リンク
74 後側ノズル支持リンク
75 タイン
76 散布ノズル
77 上下動安定バネ
81 傾斜支持軸
82 揺動棒材
83 挟持部材
84 位置回帰バネ
85 バネ連結部
751 直線部
752 弾性部
753 接地部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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