(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-14
(45)【発行日】2025-02-25
(54)【発明の名称】ネットワークコンポーネント、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/121 20230101AFI20250217BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20250217BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20250217BHJP
H04W 72/1268 20230101ALI20250217BHJP
H04W 72/54 20230101ALI20250217BHJP
H04W 72/52 20230101ALI20250217BHJP
H04W 72/40 20230101ALI20250217BHJP
【FI】
H04W72/121
H04W92/18
H04W24/10
H04W72/1268
H04W72/54
H04W72/52
H04W72/40
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020158388
(22)【出願日】2020-09-23
【審査請求日】2023-09-01
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】オフェル ハレウヴェニ
(72)【発明者】
【氏名】ロニー ロス
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ブラヴォ
(72)【発明者】
【氏名】エフド レシェフ
(72)【発明者】
【氏名】ローラン カリュー
【審査官】桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/029952(WO,A1)
【文献】特表2019-503626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークコンポーネントであって、
1つ以上のプロセッサを含み、前記1つ以上のプロセッサは、
無線ネットワーククライアントへの第1メッセージを生成し、前記第1メッセージは、前記無線ネットワーククライアントの通信範囲内の無線ネットワークに関する情報を報告する要求を含み、
前記情報は、以下:受信チャネル電力指示、受信信号強度指示、受信信号対雑音指示、ビーコン報告、チャネル負荷報告、のうちの1つ以上を含み、
前記情報に基づき、前記無線ネットワーククライアントに、複数のスケジューリンググループのうちのスケジューリンググループを割り当て、
前記無線ネットワーククライアントに割り当てられた前記スケジューリンググループに従い、前記無線ネットワーククライアントに、第1無線ネットワークプロトコルに従う1つ以上の送信をスケジューリングし、
前記無線ネットワーククライアントへの第2メッセージを生成し、前記第2メッセージは、前記無線ネットワーククライアントに割り当てられた前記スケジューリンググループに従い、前記無線ネットワーククライアントからの第2無線ネットワークプロトコルに従う1つ以上の送信をスケジューリングする命令を含む、
よう構成される、ネットワークコンポーネント。
【請求項2】
前記第1無線ネットワークプロトコルに従い、通信結合を提供するよう構成されるトランシーバ、
を更に含む請求項1に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項3】
前記第1メッセージは、周期的に、及び/又は、
前記第2無線ネットワークプロトコルに従いネットワーク装置に前記無線ネットワーククライアントを通信可能に結合する要求、又は、
前記第2無線ネットワークプロトコルに従う、前記無線ネットワーククライアント及び前記ネットワーク装置の通信結合の変化、
に応答して、生成される、請求項1又は2に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項4】
前記第1無線ネットワークプロトコルは、基地局ネットワークプロトコルである、請求項1又2に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項5】
前記第2無線ネットワークプロトコルは、ピアツーピアネットワークプロトコルである、請求項1又2に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項6】
前記1つ以上のプロセッサは、以下のイベント:
前記無線ネットワーククライアントの通信範囲内の無線ネットワークに関する前記情報の変化、
前記第2無線ネットワークプロトコルに従う前記無線ネットワーククライアント及びネットワーク装置の通信結合の変化、
のうちの1つ以上を決定することに応答して、前記無線ネットワーククライアントに割り当てられる、前記複数のスケジューリンググループのうちの前記スケジューリンググループを更新するよう更に構成される、請求項1又は2に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項7】
前記1つ以上のプロセッサは、前記第2無線ネットワークプロトコルに従う前記無線ネットワーククライアント及びネットワーク装置の要求されたリソース割り当ての変化に応答して、前記無線ネットワーククライアントへの前記複数のスケジューリンググループのうちの前記スケジューリンググループの割り当ての結果を更新するよう更に構成される、請求項1又は2に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項8】
前記第2メッセージは、
前記第2無線ネットワークプロトコルに従う送信レート、
前記第2無線ネットワークプロトコルに従う変調及び符号化方式、及び/又は、
前記第2無線ネットワークプロトコルに従う送信電力、
を構成する命令を更に含む、請求項1又2に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項9】
前記1つ以上のプロセッサは、前記無線ネットワーククライアントの通信範囲内の無線ネットワークに関する前記情報に基づき、環境ネットワークモデルを決定し又は更新するよう更に構成され、前記環境ネットワークモデルは、前記第2無線ネットワークプロトコルに従う、及び/又は前記第1無線ネットワークプロトコルに従う送信の範囲内の、無線周波数の使用を表す、請求項1又2に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項10】
前記1つ以上のプロセッサは、前記環境ネットワークモデルに基づき、前記複数のスケジュー
リンググループを決定し又は更新するよう更に構成される、請求項
9に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項11】
前記1つ以上のプロセッサは、前記環境ネットワークモデルに基づき、前記複数のスケジュー
リンググループの数を決定し又は更新するよう更に構成される、請求項
10に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項12】
前記複数のスケジューリンググループは、前記環境ネットワークモデルに基づき決定された前記第2無線ネットワークプロトコルに従う送信の通信無線周波数干渉に基づき、決定され又は更新される、請求項
10又は
11に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項13】
前記命令は、
前記無線ネットワーククライアントに割り当てられた前記スケジューリンググループ、及び/又は、
前記第1無線ネットワークプロトコルに従う前記1つ以上の送信の前記スケジューリングの結果、
を示す、請求項1又2に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項14】
前記スケジューリングの前記結果は、方式を含み、前記方式に従い、第1無線ネットワークプロトコルに従う前記1つ以上の送信がスケジューリングされる、請求項
13に記載のネットワークコンポーネント。
【請求項15】
方法であって、
無線ネットワーククライアントへの第1メッセージを生成するステップであって、前記第1メッセージは、前記無線ネットワーククライアントの通信範囲内の無線ネットワークに関する情報を報告する要求を含み、
前記情報は、以下:受信チャネル電力指示、受信信号強度指示、受信信号対雑音指示、ビーコン報告、チャネル負荷報告、のうちの1つ以上を含む、ステップと、
前記情報に基づき、前記無線ネットワーククライアントに、複数のスケジューリンググループのうちのスケジューリンググループを割り当てるステップと、
前記無線ネットワーククライアントに割り当てられた前記スケジューリンググループに従い、前記無線ネットワーククライアントに、第1無線ネットワークプロトコルに従う1つ以上の送信をスケジューリングするステップと、
前記無線ネットワーククライアントへの第2メッセージを生成するステップであって、前記第2メッセージは、前記無線ネットワーククライアントに割り当てられた前記スケジューリンググループに従い、前記無線ネットワーククライアントからの第2無線ネットワークプロトコルに従う1つ以上の送信をスケジューリングする、ステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
種々の態様は、概して、ネットワークコンポーネント、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高密度の無線ネットワークが所与の領域内(例えば、エンタープライズ環境、及び利用可能スペクトルに起因する制限による)に展開されるとき、無線通信性能は影響を受けることがある。結果として生じる干渉は、例えば、無線ネットワークのうちの1つ以上の送信レートを低下させ、場合によっては、エンタープライズ使用例において作業効率を低下させることがある。周辺装置とラップトップのようなモバイルワークステーションとの間のピアツーピア(peer-to-peer(P2P))無線ドッキングが普及するにつれ、無線ネットワーク密度が増大する可能性がある。現在、エンタープライズにおいて、近隣のP2P活動からの干渉を経験する無線ドッキングのために利用可能な強靱なソリューションは存在しない。例えば、IEEE802.11は、通信協調ネットワーク(Communication Collaborative Network(CCN))又はマッシブMIMO(Multiple Input Multiple Output)ネットワーク、特に階層的ネットワークのためのリソース割り当てシグナリングをサポートしない。現在、アクセスポイント(AP)は、単独で、(直接接続された)APのクライアントから/へのトラフィックを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図面を通じて、同じ又は同様の要素、特徴、及び構造を示すために同様の参照符号が使用されることに留意する。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、むしろ、通常、本開示の態様を説明する際に強調される。以下の説明では、本開示の幾つかの態様は、以下の図面を参照して説明される。
【
図1】種々の態様に従い、方法の例示的なネットワークコンポーネントを概略フロー図で示す。
【
図2】種々の態様に従い、例示的なシステムを概略通信図で示す。
【
図3】種々の態様に従い、例示的な方法を通信図で示す。
【
図4】種々の態様に従い、無線ネットワークに関する例示的な情報を種々の図で示す。
【
図5】種々の態様に従い、IEEE802.11に従う例示的なビーコン要求をフィールド図で示す。
【
図6】種々の態様に従い、IEEE802.11に従うビーコン要求に対する例示的な応答をフィールド図で示す。
【
図7】種々の態様に従い、例示的なシステムを概略グループ図で示す。
【
図8】種々の態様に従い、例示的な方法を概略通信図で示す。
【
図9】種々の態様に従い、P2Pネットワークの例示的な性能を概略図で示す。
【
図10】種々の態様に従い、例示的なネットワークモデルを概略図で示す。
【
図11】種々の態様に従い、例示的なネットワークモデルを概略図で示す。
【
図12】無線通信のための例示的なネットワーク及び装置アーキテクチャを概略図で示す。
【
図13】無線通信のための例示的なネットワーク及び装置アーキテクチャを概略図で示す。
【
図14】クライアントの例示的な装置アーキテクチャを示す。
【
図15】ネットワークコンポーネントの一例として、ネットワークアクセスの例示的な内部構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
以下の詳細な説明は、図を用いて、特定の詳細及び本開示の実施され得る態様を示す添付の図面を参照する。1つ以上の態様は、当業者が本開示を実施できる程度に十分に詳細に記載される。他の態様が利用されてよく、本発明の範囲から逸脱することなく構造的、論理的、及び電気的変更が行われてよいことが理解される。ここに記載する種々の態様は、必ずしも、相互に排他的ではなく、幾つかの態様は新しい態様を形成するために1つ以上の他の態様と結合できる。種々の態様が方法と関連して記載され、種々の態様が装置と関連して記載され、逆も同様である。しかしながら、方法と関連して記載された態様は同様に装置に適用されてよいこと、逆も同様であることが理解され得る。図面を通じて、同じ又は同様の要素、特徴、及び構造を示すために同様の参照符号が使用されることに留意する。
【0005】
以下は、方法の種々のステップ及び詳細を説明する。説明されるもの(例えば、方法の個々のステップ)は、ハードウェア(例えば、ハード結線回路)及び/又はソフトウェア(例えば、コードセグメント又はアプリケーション全体)を用いて同様に実装でき、逆も同様であることが理解できる。例えば、対応するコードセグメント(例えば、プログラムコード)を有するアプリケーション(「プログラム」とも呼ばれる)が存在し又は提供されてよい。コードセグメントは、プロセッサ上で及び/又はプロセッサを有する回路を用いて実行されてよい。例えば、プロセッサ(又は回路)は、ネットワーク装置又はコンピューティング装置の部分であってよい。例えば、装置は、物理的に相互接続されたネットワーク内の中央に配置される又は(無線又は有線のような)ネットワークにより非集中的に相互接続される複数のプロセッサを有してよい。同じ方法で、コードセグメント又はアプリケーションは、同じプロセッサ上で実行でき、又はその部分は、ネットワーク(例えば、無線又は有線)を介して互いに通信する幾つかのプロセッサの間で分散できる。それぞれの機能の任意の他の種類の実装は、以下に更に詳細に記載され、例えば制御部の1つ以上のプロセッサにより提供されるとも理解されてよい。
【0006】
用語「例示的な」は、ここで、「例、インスタンス、又は説明として機能する」ことを意味するために使用される。ここに「例示的な」と記載される任意の例又は設計は、必ずしも、他の例又は設計に対して好適な又は有利なと考えられるべきではない。
【0007】
説明又は請求の範囲における用語「複数の」(plurality、multiple)は、明示的に1より大きい数を表す。説明又は請求の範囲における用語「(の)グループ」、「(の)セット」、「(の)集合」、「(の)シリーズ」、「(の)シーケンス」、「(の)グループ化」、等は、1以上の、つまり1つ以上の数を表す。明示的に「複数の」(plurality又はmultiple)と記載しない複数形で表現される任意の用語は、同様に、1以上の又は1より多いこことを表す。
【0008】
例えばここで使用される用語「プロセッサ」は、例としてデータ、信号、を処理可能な任意の種類のエンティティとして理解されてよい。例としてデータ、信号は、プロセッサにより実行される1つ以上の特定の機能に従い処理されてよい。
【0009】
プロセッサは、従って、例えばアナログ回路、デジタル回路、混合信号回路、論理回路、プロセッサ、マイクロプロセッサ、中央処理ユニット(CPU)、グラフィックプロセッサユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はそれらの任意の組み合わせであり又はそれを含んでよい。それぞれの機能の任意の他の種類の実装は、以下に更に詳細に記載され、プロセッサ又は論理回路としても理解されてよい。ここで詳述されるプロセッサ又は論理回路のうちの任意の2つ(以上)は、等価な機能を備える単一のエンティティとして実現されてよく、逆に、ここに詳述される任意の単一のプロセッサ又は論理回路は、等価な機能を備える2つ(以上)の個別エンティティとして実現されてよいことが理解される。ここに詳述される方法ステップのうちの1つ以上は、プロセッサにより実行され(例えば、実現され)てよく、プロセッサにより実行される1つ以上の特定の機能によってよい。
【0010】
ここに詳述される用語「システム」は、相互作用する要素のセットとして理解されてよく、要素は、例えば限定ではなく、1つ以上の物理コンポーネント(例えば、プロセッサ、送信機及び/又受信機)及び/又は1つ以上のデジタルコンポーネント(例えば、コードセグメント、命令、プロトコル)であってよい。通常、システムは、操作されるべき1つ以上の機能(「動作機能(operating function)」とも呼ばれる)を含んでよく、該機能の各々は、システム全体を作動するために制御されてよい。
【0011】
プロセッサは、例えば、コードセグメント(例えば、ソフトウェア)により、システム、例えばネットワーク又はその部分の動作(例えば、その動作シーケンス等)、例えばネットワークを介する少なくとも1つの送信を制御するよう構成されてよい。それにより、プロセッサは、制御部(例えばネットワークコンポーネントとして提供される、例えばスケジューリング制御部)を実装してよい。制御部(例えば、ネットワークコンポーネント)は、任意で、例えば制御部の提供する処理、例えば1つ以上の動作機能の制御を表すコードセグメントを格納するメモリを含んでよい。追加又は代替として、メモリは、例えばここに詳述されるように、1つ以上のモデル、基準、ルール、及びアルゴリズムを格納してよい。ここで詳述される制御部のうちの任意の2つ(以上)は、実質的に等価な機能を備える単一の制御部として実現されてよく、逆に、ここに詳述される任意の単一の制御部は、実質的に等価な機能を備える2つ(以上)の個別制御部として実現されてよいことが理解される。更に、「制御部」の言及は、集合的に単一の制御部を形成する2つ以上の制御部を表してよい。
【0012】
ここで使用されるように、「メモリ」(「記憶」とも呼ばれる)は、読み出しのためにデータ又は情報が格納できる非一時的コンピュータ可読媒体として理解されてよい。ここに含まれる「メモリ」又は「記憶」への言及は、従って、例えば、特定種類のランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、個体記憶、磁気テープ、ハードディスクドライブ、光ドライブ、又はそれらの任意の組み合わせを含む、揮発性又は不揮発性メモリへの言及として理解されてよい。更に、例えば、レジスタ、シフトレジスタ、プロセッサレジスタ、データバッファも用語メモリによりここに入れられる。「メモリ」又は「メモリ」として参照される単一のプロセッサは、1つより多くの異なる種類のメモリにより川迫されてよく、従って、1つ以上の種類のメモリを含む集合的なコンポーネントを表してよいことが理解される。任意の単一のメモリコンポーネントは、複数の集合的に等価なメモリコンポーネントに分離でき、逆も同様であることが直ちに理解される。更に、メモリは1つ以上の他のコンポーネントと別に示されることがあるが(例えば、図中で)、メモリは、例えば共通集積回路上の別のコンポーネントの内部に統合されてよいことが理解される。
【0013】
用語「ソフトウェア」は、ソフトウェアを含む任意の種類の実行可能命令を表す。
【0014】
本開示の種々の態様は、無線通信技術を利用し又は関連し得る。幾つかの例は特定の無線通信技術を参照するが、ここで提供される例は、既存の及び未だ纏められていない種々の他の無線通信技術に、特にこのような無線通信技術が以下の例に関して開示されるような同様の特徴を共有する場合に、同様に適用されてよい。
【0015】
種々の態様によると、用語「結合される」又は「結合する」は、例えば(例えば通信の及び/又は電気的な)直接又は間接の接続及び/又は相互作用の意味であると理解できる。例えば、幾つかの要素は、通信チェーンに沿って一緒に結合できる。通信チェーンに沿って、通信(例えばデータ)が送信され、例えば交換できる。例えば、2つの結合されたエンティティは、情報を送信するために、互いにデータを交換してよい。ネットワークに又はネットワークにより結合される(例えばアタッチされる)エンティティ(例えば、ネットワークコンポーネント、クライアント、又はネットワーク装置)は、例えば1つ以上の無線通信技術を用いて、ネットワークにより登録されてよく及び/又はネットワークによりアドレス可能であってよい。エンティティは、ネットワーク内での通信でネットワークアドレスとして使用するための、ネットワークインタフェース制御部(network interface controller(NIC))に割り当てられる媒体アクセス制御アドレス(MACアドレス)を有してよい。物理ネットワークエンティティは、ネットワークにアタッチされ及び例えばネットワークコンポーネントによりスケジューリングされたネットワークにより使用される通信チャネルを介して情報を生成し、受信し又は送信できる電子装置を表す。
【0016】
幾つかの態様では、ネットワークコンポーネントは、ネットワークの物理層、データリンク層、及び/又はネットワーク層を含むOSI(Open Systems Interconnection)参照モデルの種々のレイヤに実装されてよく、ハードウェア、例えばネットワーク対応装置(例えばアクセスポイント)のような装置、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実装されてよい。アクセスポイント(AP)は、例えば、1つ以上の他の無線ネットワーク装置を有線ネットワークに接続させるよう構成されるネットワーキングハードウェア装置を含んでよい。APは、単独装置として(有線/無線ネットワークを介して)ルータに接続するよう構成されてよいが、代替として、ルータ自体の統合コンポーネントであってよい。
【0017】
BSSネットワーク(Basic Service Set network、例えば基地局サブシステムネットワークとして提供される)の文脈では、APは基地局を表し、無線ネットワーククライアント(「クライアント」とも呼ばれる)はBSSネットワークのクライアント局を表す。用語「基本サービスセット(basic service sets(BSS)”)」は、サービスセットの中の装置のサブグループを表す。これらの装置は、同じ物理層、媒体アクセス特性(つまり、無線周波数、変調方式、セキュリティ設定、等)により動作しており、その結果、それらは無線でネットワーク接続される。基本サービスセットの中の装置は、BSSID(basic service set identifier)により識別される。
【0018】
インフラストラクチャモードで設定されると、無線ネットワーク基本サービスセット(BSS)は、1つの再分配点(WAP又はAPとも呼ばれる)、及び該再分配点に関連付けられる(つまり接続される)1つ以上のクライアント局(クライアントとも呼ばれる)を含んでよい。IEEE802.11の例では、IEEE802.11プロトコルを使用可能な両方の種類の局は、STAとも呼ばれる。APは、例えば、分配サービスへのアクセスを提供するSTAにより提供されてよい。この文脈では、1つ以上のクライアント局(例えば、他の局及び/又はユーザ機器)は「非AP-STA」と呼ばれる。WFA(Wi-Fi Alliance)技術では、1種類以上の非AP-STAが、それ自体のWPANサービスを提供可能であってよいが、ネットワークの階層構造を反映するために非AP-STAーCFON(APではない)と呼ばれる。
【0019】
「アドホックモード」で設定されたBSS内の局は、互いに直接、つまりそれらの間でトラフィックを中継するために分配点に依存し又はそれを必要とすることなく、通信する。この形式のピアツーピア無線ネットワーキングでは、ピアは、独立基本サービスセット(independent basic service set(IBSS))を形成する。他のビーコン機能及びネットワークパラメータを定義するようなインフラストラクチャモードの1つ以上の分配点により提供される機能のうちの1つ以上は、アドホックモードの「第1」局(例えば、オーナ)により提供される。インフラストラクチャモードと対照的に、アドホックモードでは、「第1」局は、他の局の間のトラフィックを中継しない。代わりに、アドホックモードのピアは、アドホックモードで互いに直接通信する。
【0020】
例えば、クライアントは、BSSネットワークのベースと又はそれを通じて、通信するよう(例えばそれだけ)構成されてよい。クライアント(非AP-STAとも呼ばれる)は、例えば、仮想ネットワーク装置を実装するソフトウェア等を含む任意の物理無線ネットワーク対応装置(「ネットワーク装置」とも呼ばれる)により実装されてよい。ネットワーク装置は、1つ以上のモバイル装置及び/又は1つ以上の固定装置を含んでよい。モバイル装置の例は、特に、携帯電話機、例えばフィーチャフォン又はスマートフォン、無線メッセージ受信機、タブレット、ラップトップ、スマートウォッチ、これらの装置種類の任意の混合形態を含む。ネットワーク装置の他の例は、無線ネットワークと結合可能な無線ヘッドフォン、無線ドック、無線スピーカ、又は他の装置も含む。
【0021】
ここに記載するネットワークの例は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN(WLAN)、又は個人域ネットワーク(PAN)、例えば無線PAN(WPAN)、例えばBluetoothネットワーク、又は非ローカルネットワーク(例えば、都市域ネットワーク(MAN)、広域ネットワーク(WAN)、又はグローバルエリアネットワーク(GAN))を含んでよい。送信種別により区別すると、ネットワークの例は、無線ネットワーク(「ワイヤレスネットワーク」とも呼ばれる)、有線ネットワーク、又はそれらの何からの組み合わせ(例えば、ハイブリッドネットワーク)を含んでよい。例えば、無線ネットワークは、セルラ無線ネットワーク(例えば、IEEE802.11、Bluetoothネットワーク、又は別のモバイル無線ネットワーク)を含み又はそれらにより形成されてよい。
【0022】
無線ネットワークの更なる例は、超広帯域(Ultra Wide Band (UWB))ネットワーク、及び/又は無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を含んでよい。WLANは、通常の、Zigbee、Bluetooth(登録商標)、WiGig(Wireless Gigabit Alliance)標準、mmWave標準(WiGig、IEEE802.11ad、IEEE802.11ay、等のような10~300GHz以上で動作する無線システム)、HiperLAN/2((High Performance Radio LAN)、代替のATMのような5GHz標準技術)、車車間(Vehicle-to-Vehicle(V2V))及び車車間/路車間(Vehicle-to-X(V2X))及び路車間(Vehicle-to-Infrastructure(V2I))及び車路間(Infrastructure-to-Vehicle(I2V))通信技術に従い提供されてよい。IEEE802.11無線通信標準(「IEEE802.11」とも呼ばれる)の例は、IEEE802.11b、IEEE802.11b、IEEE802.11n(Wi-Fi4)、IEEE802.11ac(Wi-Fi5)、IEEE802.11ax(Wi-Fi6)、IEEE802.11a(5GHz)、IEEE802.11g(2.4GHz)、高機能輸送システム(Intelligent-Transport-System)のようなDSRC(Dedicated Short Range Communications)通信構成、及び他の既存の、開発中の、又は将来の無線通信技術を含んでよい。ここで使用されるように、例えば第1及び第2無線通信技術が異なる通信標準に基づく及び/又はそれらの基本ネットワークプロトコル(network protocol(NP))が互いに異なる場合、(例えば第1無線通信技術に従う)第1ネットワークは、(例えば第2無線通信技術に従う)第2ネットワークと異なってよい。
【0023】
ここに記載の種々の態様は、例えば、限定ではないが、専用認可スペクトル、未認可スペクトル、(許可)共有スペクトル(例えば、2.3~2.4GHz、3.4~3.6GHz、3.6~3.8GHz、及び更なる周波数におけるLSA(Licensed Shared Access)、3.55~3.7GHz及び更なる周波数におけるSAS(Spectrum Access System))、IMT-2020スペクトル(3600~3800MGz、3.5GHz帯、700MHz帯、24.25~86GHz範囲内の帯域、未認可スペクトル範囲2.4~2.5GHz、5~6GHz、6~7GHz、等)、FCCの「Spectrum Frontier」5Gイニシアチブの下で利用可能にされたスペクトル(27.5~28.35GHz、29.1~29.25GHz、31~31.3GHz、37~38.6GHz、38.6~40GHz、42~42.5GHz、57~64GHz、64~71GHz、71~76GHz、81~86GHz、及び92~94GHz、等)、ITS(Intelligent Transport Systems)帯、5.9GHz帯(標準的には5.58~5.925GHz)及び63~64GH帯、WiGig帯1(57.24~59.40GHz)のような現在WiGigに割り当てられている帯域、WiGig帯2(59.40~61.56GHz)及びWiGig帯3(61.56~63.72GHz)及びWiGig帯4(63.72~65.88GHz)、70.2GHz~71GHz帯、65.88GHzと71GHとの間の任意の帯域、自76~81GHzのような動車レーダ用途に現在割り当てられている帯域、及び94~300GHz以上を含む将来の帯域、を含む種々のスペクトル管理方式に従う無線通信技術を使用してよい。更に、ここに記載の幾つかの態様は、特に400MHz及び700MHz帯が見込みある候補であるTVホワイトスペース帯(標準的には790MHzより低い)のような帯域に二次的に基づく無線通信技術も利用できる。セルラ用途に加えて、垂直的市場の特定用途は、PMSE(Program Making and Special Events)、医療、健康、手術、自動車、低遅延、ドローン、等の用途に対応できる。更に、ここに記載の態様は、例えば異なる種類のユーザのための使用の階層構造優先度(例えば、低/中/高優先度、等)を導入することにより、スペクトルへの優先順位付けされたアクセスに基づき、例えば最高優先度がティア1ユーザに、次にティア2、次にティア3等のユーザを有する階層構造アプリケーションを有する無線通信技術も使用してよい。ここに記載の態様は、異なるシングルキャリアまたはOFDM種類(CP-OFDM、SC-FDMA、SC-OFDM、フィルタバンクに基づくマルチキャリア(filter bank-based multicarrier(FBMC))、OFDMA、等)、特に3GPPでは、OFDMキャリアデータビットベクトルを対応するシンボルリソースに割り当てる新無線(NR、New Radio)を有する無線通信技術も使用できる。更に、ここに記載の態様は、U-NII-5又は7(Unlicensed National Information Infrastructure 5 or 7)のための「AFC((Automatic Frequency Coordination)」を有する無線通信技術も使用できる。
【0024】
短距離無線通信技術は、Bluetooth、WLAN(例えば、任意の802.11標準に従う)、及び他の同様の無線通信技術を含んでよい。セルラ広域無線通信技術は、GSM(Global System for Mobile Communications)、CDMA2000(Code Division Multiple Access 2000)、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、LTE(Long Term Evolution)、GPRS(General Packet Radio Service)、EV-DO(Evolution-Data Optimized)、EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)、HSPA(High Speed Packet Access)(HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)、HSDPA+(HSDPA Plus)、及びHSUPA+(HSUPA Plus)を含む)、WiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)(例えば、IEEE802.16無線通信標準に従う、例えばWiMaxフィクス又はWiMaxモバイル)、等、及び他の同様の無線通信技術を含んでよい。セルラ広域無線通信技術は、マイクロセル、フェムトセル、及びピコセルのような技術のような「スモールセル」も含む。セルラ広域無線通信技術は、通常、ここでは「セルラ」通信技術と呼ばれてよい。
【0025】
明示的に断りのない限り、用語「送信(transmit)」は、直接(ポイントツーポイント)及び間接送信(1つ以上の中間点を介する)の両方を包含する。同様に、用語「受信(receive)」は、直接及び間接受信の両方を包含する。更に、用語「送信」、「受信」、「通信」、及び他の同様の用語は、物理的送信(例えば、無線信号の送信)及び論理的送信(例えば、論理的なソフトウェアレベルの接続を介するデジタルデータの送信)の両方を包含する。例えば、プロセッサ又は制御部は、無線信号の形式で、別のプロセッサ又は制御部とのソフトウェアレベルの接続を介して、データを送信又は受信してよい。物理的送信及び受信は、RF(radio frequency、無線周波数)トランシーバ及びアンテナのような無線レイヤコンポーネントにより処理されてよい。論理的送信及び受信は、例えばプロセッサ又は制御部により実行される、ソフトウェアレベルの接続を介して処理されてよい。用語「通信」は、入ってくる及び出て行く方向の一方又は両方の、送信及び受信、つまり一方向又は両方向の一方又は両方を包含する。用語「計算」は、算術表現/式/関係による「直接」計算、及びルックアップ又はハッシュテーブル及び他のアレイインデックスまたは検索動作による「間接」計算の両方を包含する。
【0026】
種々の態様によると、情報の送信(少なくとも1つの態様では「情報送信」又は単に「送信」とも呼ばれる)は、1つ以上のネットワークプロトコル(NP)、例えば送信のために使用されるネットワークの無線通信技術に従うプロトコル、に従い提供されてよい。送信は、例えば、NPに従い、情報を含むメッセージを生成し及び/又は送信することを含んでよい。NPは、合意を指定でき、該合意の下で、ネットワークに結合される2つ以上のエンティティの間で送信が行われる。最も簡単な形式では、NPは、シンタックス、意味、及び/又は送信の同期を定義するルールのセットとして定義できる。使用されるネットワークプロトコル(例えば1つ以上の無線ネットワークプロトコル)は、要件に従い選択でき、OSI(Open System Interconnect)参照モデルに従い構成できる(しかし必須ではない)。任意のプロトコルは、それぞれのプロトコル層で使用できる。例えば、NPは、Bluetoothプロトコル又は別の無線に基づく通信プロトコルに従い使用できる。例えば、Bluetoothを介する情報の送信は、Bluetoothプロトコルスタックに従い情報を含むメッセージを生成し及び/又は送信することを含んでよい。Bluetoothプロトコルスタックは、任意で、低エネルギ通信プロトコルスタック(low-energy protocol stack)に従い設定できる。例えば、情報は低エネルギBluetoothにより送信できる。例えば、WLANを介する情報の送信は、WLANプロトコルスタックに従い情報を含むメッセージを生成し及び/又は送信することを含んでよい。
【0027】
概して、NPに従い生成されるメッセージは、受信側(例えば、メッセージにより指定される)へ送られ及び/又は送信されてよい。メッセージは、受信側及び/又は受信側の中間へとアドレス指定される。
【0028】
種々の態様は、少なくとも2つの別個のネットワークを含む階層構造ネットワークアーキテクチャに関連する。階層構造ネットワークアーキテクチャは、それぞれが1つ以上のネットワークを含む個別の階層構造層への分割を含む。階層構造の中の各層又はティアは、通信チェーン全体の中でその役割を定義する固有機能を提供する。概して、階層構造ネットワークアーキテクチャは、例えば、それぞれのネットワークの1つ以上のクライアントへ、例えばネットワークのうちの1つに結合される1つ以上の装置へ、データを送信するために、通信システムの中で使用されてよい。ここで使用されるように、クライアントは、幾つかの態様では階層構造ネットワークアーキテクチャの少なくとも2つの個別階層構造層に接続されるノードを実装してよい。
【0029】
更に、(例えば、スケジューリング方式に従う)送信のスケジューリングは、ネットワークの各々に適用されてよい。スケジューリングにより、同じスケジュールグループ(例えば、スケジュールグループA)の1つ以上のクライアントの送信は、同じタイムスロット(例えば、タイムスロットA)の中で生じてよい。異なるスケジュールグループ(例えば、スケジュールグループA、それと異なるスケジュールグループB)のクライアントは、異なるタイムスロット(例えば、それぞれタイムスロットA及びB)の中で送信するよう構成されてよい。この種のスケジューリングは、送信間の干渉を低減してよい。種々の態様によると、1つ以上のスケジューリンググループは、各クライアントに割り当てられてよい。以下では、説明を目的として、1つ以上のスケジューリンググループのうちの1つが参照され、これは限定を意図しない。スケジューリンググループへの言及は、クライアントに割り当てられる複数のスケジューリンググループに同様に適用されてよい。
【0030】
種々の態様によると、ネットワークコンポーネントは、階層構造ネットワークアーキテクチャの階層構造層(例えば、ネットワーク)のうちの1つの中の送信のスケジューリングを制御するよう構成されてよい。更に、ネットワークコンポーネントは、例えば、階層構造ネットワークアーキテクチャの別の層(例えば、ネットワーク)を通じて自身の送信のうちの1つ以上を採用するようクライアントに命令するよう構成されてよい。従って、スケジューリング情報は、互いに(例えば、ノードとして)階層構造ネットワークアーキテクチャの個別階層構造層(例えば、ネットワーク)の両方に結合するクライアントのうちの1つを通じて提供されてよい。
【0031】
種々の態様によると、複数の短距離ピアツーピアネットワーク(P2Pネットワーク)及びインフラストラクチャネットワークの空間及びスペクトル再利用の最適化が提供され、エンタープライズにおける高密度無線ドッキングを可能にする。種々の態様によると、既存のIEEE802.11プロトコルは、測定をトリガし、空間データを収集し、及び/又はP2Pネットワークパラメータ及び時間割り当てを最小の無線容量オーバヘッドで制御するために使用されてよい。提供されるメカニズムは、マルチAP環境に合わせて変更可能であってよい。複数のスケジューリング可能な短距離P2Pネットワークを有する環境における、フロー、及び干渉マッピングの認識、及び全体のスループット遅延及び/又はジッタの最適化、が提供され、例えばフロー及びグループ化処理を有する。
【0032】
種々の態様によると、ここに記載したように構成されるネットワークコンポーネントは、クライアントの結合されるP2Pネットワークを制御することを検出されるよう傍受されて(sniffed)よい。
【0033】
以下では、ネットワーク、それらのプロトコル、及びネットワークを介して送信されるメッセージの特定の態様が参照される。同じ例示的な実施形態では、IEEE802.11ax、Revision A及びBに従う実装が使用されてよい。また、将来のIEEE802.11は、例えば更なるP2Pによりトリガされる能力を追加し得る実装のために使用されてよい。
【0034】
図1は、種々の態様に従い、方法の例示的なネットワークコンポーネント100を概略フロー図で示す。ネットワークコンポーネント100は、例えば複数回、方法を実行するよう(例えば、破線矢印により示される順序で)構成される1つ以上のプロセッサ102を含んでよい。方法は、無線ネットワーククライアントのために第1メッセージ106(「要求メッセージ」106とも呼ばれる)を生成するステップ101を含んでよい。要求メッセージ106は、無線ネットワーククライアント(「被要求クライアント」とも呼ばれる)の通信範囲内の無線ネットワークに関する情報を報告するための(例えば、無線ネットワーククライアントに対する)要求を含んでよい。要求メッセージ106は、被要求クライアントとネットワークコンポーネント100との間の通信接続を介して、例えば第1無線ネットワークを介して、例えば第1無線ネットワークのNPに従い、被要求クライアントへ送信されてよい。
【0035】
方法は、更に、複数のスケジューリンググループのうちのスケジューリンググループ(例えば、スケジュールグループA又はスケジュールグループB)を、無線ネットワーククライアントに、情報に基づき割り当てるステップ103(グループ化103とも呼ばれる)を含んでよい。複数のスケジューリンググループは、2より多くの、例えば3以上、例えば4以上、例えば5以上、例えば10以上、例えば20以上、例えば30以上、例えば50以上、例えば100以上のスケジュールグループを含んでよい。スケジューリンググループの各々に割り当てられたクライアントの数(ここでは例示的にn及びmと示される)は、例えば1つ以上、例えば2以上、例えば3以上、例えば4以上、例えば5以上、例えば10以上、例えば20以上、例えば30以上、例えば50以上、例えば100以上であってよい。グループ化103されたクライアントの各々は、例えば、第1無線ネットワークに(例えば、そのBSSIDに)通信可能に結合されてよい。
【0036】
方法は、更に、無線ネットワーククライアントに割り当てられたスケジュールグループに従う無線ネットワーククライアントに、第1NP(例えば、第1無線ネットワークに従うプロトコル)に従い1つ以上の送信をスケジューリングするステップ105(スケジュールを生成する処理とも呼ばれる)を含んでよい。第1無線ネットワークは、クライアントの各々(例えば、被要求クライアント)とネットワークコンポーネント100との間の通信接続の部分であり又はそれを形成してよい。第1無線ネットワークは、例えば、IEEE802.11に従うネットワークとして、例えばインフラストラクチャモードで、又は別の無線BSSネットワークとして、実装されてよい。
【0037】
スケジューリングするステップ105は、複数のスケジューリンググループのうちのスケジュールグループの各々に、送信期間111の少なくとも1つのタイムスロットを割り当てるステップを含んでよい。IEEE802.11を参照すると、タイムスロットは、スケジュールグループ及びそのメンバ、例えばクライアント及び/又は他のネットワーク装置に割り当てられる送信機会(transmit opportunity(TxOP))を表してよい。タイムスロットは、スケジュールグループ及びそのメンバがネットワークコンポーネント100へ及び/又は互いに第1無線ネットワークを用いてフレームを送信することを許可される時間量(説明のために、送信権)を定めてよい。
【0038】
種々の態様によると、送信期間111は、グループ化に従いタイムスロットに分割されてよい。例えば、送信期間111のタイムスロットの数は、複数のスケジュールグループのスケジュールグループの数に等しくて(又はそれより多くて)よい。
【0039】
送信期間111は、例えば連続的に及び/又はループで繰り返されてよい117。つまり、被要求クライアントは、第1無線ネットワークを介して、複数のスケジューリンググループのうちの被要求クライアントに割り当てられるスケジュールグループに割り当てられるようなタイムスロット(スロットとも呼ばれる)の中(例えばそれだけ)で、通信するよう(例えば、1つ以上のメッセージを送信するよう)構成されてよい。同様に、グループ化103されたクライアントは、第1無線ネットワークを介して、複数のスケジューリンググループのうちのそれぞれのクライアントに割り当てられるスケジュールグループに割り当てられるようなタイムスロットの中(例えばそれだけ)で、通信するよう(例えば、1つ以上のメッセージを送信するよう)構成されてよい。
【0040】
本例では、タイムスロットA(「スロットA」とも呼ばれる)はスケジュールグループAに割り当てられ、タイムスロットB(「スロットB」とも呼ばれる)はスケジュールグループBに割り当てられる。従って、スケジュールグループAに割り当てられたクライアントの各々は、第1無線ネットワークを介して、スロットAの中(例えばそれだけ)で通信するよう構成されてよい。同様に、スケジュールグループBに割り当てられたクライアントの各々は、第1無線ネットワークを介して、スロットBの中(例えばそれだけ)で通信するよう構成されてよい。
【0041】
方法は、更に、報告が被要求クライアントから返されることに基づき(例えばそれに応答して)被要求クライアントへの第2メッセージ116(「命令メッセージ」116とも呼ばれる)を生成するステップ107を含んでよい。命令メッセージ116は、被要求クライアントに割り当てられたスケジュールグループに従い、被要求クライアントからの第2無線ネットワークプロトコル(例えば、第2無線ネットワークに従うプロトコル)に従い、1つ以上の送信をスケジューリングする命令を含んでよい。例えば、クライアントの各々は、それぞれのクライアントへ送信された命令メッセージ116に基づきスケジューリングされる、個々の第2無線ネットワークに結合されてよい。
【0042】
第2無線ネットワーク(又は各第2無線ネットワーク)は、1つ以上のクライアントとネットワークコンポーネント100との間の通信接続とは別個であって(例えば、異なって)よい。第2無線ネットワーク(又は各第2無線ネットワーク)は、第1無線ネットワークを含む階層構造層と異なる(例えばその下の)階層構造層の部分であってよい。第2無線ネットワークは、例えば、IEEE802.11に従うネットワークとして、例えばアドホックモードで、Bluetoothネットワーク又はピアツーピア(P2P)接続を提供できる別のネットワークとして、実装されてよい。
【0043】
ネットワーク装置214a~214fのようなP2P装置(例えば、WLAN Direct装置)は、伝統的なWLANインフラストラクチャネットワークと同様に、P2Pネットワーク接続を確立することにより、通信してよい。P2Pネットワーク接続の中でAPに似た機能を実装する装置は、P2Pグループオーナ(P2P Group Owner(P2P-GO))と呼ばれ、P2Pネットワーク接続の中でピアとして動作する装置は、P2Pクライアントと呼ばれてよい。
【0044】
例示的目的で、被要求クライアントは、クライアント1と呼ばれてよく、これは、グループ化の結果、スケジュールグループAに割り当てられる。クライアント1は、第1および第2無線ネットワークを介して、スケジュールグループAに割り当てられるようなスロットAの中で、通信するよう命令されてよい。従って、クライアント1により受信される又はそれから送信される、第1無線ネットワークを介する及び/又は第2ネットワークを介する送信は、タイムスロットAの中(例えばそれだけ)で行われてよい(説明のために、ネットワーク間スケジューリング同期)。
【0045】
第1無線ネットワーク及び第2無線ネットワークは、(必須ではないが)基礎にあるネットワーク無線通信技術が互いに異なってよい。追加又は代替として、第1無線ネットワーク及び第2無線ネットワークは、(必須ではないが)、基礎にあるネットワークプロトコル(第1及び第2ネットワークプロトコルとも呼ばれる)が互いに異なってよく、それぞれの送信は第1無線ネットワーク及び第2無線ネットワークを介する。
【0046】
幾つかの態様では、第1無線ネットワークは、第2無線ネットワークより広い通信範囲(ネットワーク範囲とも呼ばれる)を有してよい。その結果、第1無線ネットワークは、例えば、第2無線ネットワークより多くの他のネットワークと、又は各第2無線ネットワークと、重なり合ってよい。少なくとも1つの態様によると、第1無線ネットワークは、ここに詳述されるように、各第2無線ネットワークと重なりあってよい。
【0047】
ここで使用されるように、無線ネットワークの範囲(通信範囲とも呼ばれる)は、例えば空中の(例えば、見通し線に沿う)(例えば、無線波による)無線送信の減衰(例えばそれだけ)により範囲を定められる最大範囲として理解されてよい。例えば、範囲は、送信に使用される電力を増大すること及び/又は周波数を低減することにより、増大されてよい。つまり、無線波の電力及び/又は周波数は、ネットワーク範囲を示す。これとは対照的に、送信を損なう環境パラメータ、例えば無線障壁または干渉は、最大範囲を変化させない(例えば、環境と独立である)。
【0048】
幾つかの態様では、第1無線ネットワークのスケジューリングは、ネットワークコンポーネント100の制御下にあってよい。命令メッセージ116に基づき、第2無線ネットワークのスケジューリングは、ネットワークコンポーネント100の制御下にあってよい。クライアント又は各クライアントは、ネットワークコンポーネント100により、(クライアントの結合されている)第2無線ネットワークのスケジューリングのためのネゴシエータを実装してよい。
【0049】
例えば、ネットワークコンポーネント100は、アクセスポイント(AP)を含み又はその部分であってよい。APは、例えばトランシーバの部分として、第1無線ネットワークを提供する無線送信機(Tx)及び/又は無線受信機(Rx)を含んでよい。トランシーバは、1つ以上の送信機及び1つ以上の受信機を含んでよい。APは、例えば、有線ネットワークを提供するために、有線送信機及び/又は有線受信機を含んでよい。任意で、APは、第1無線ネットワークと有線ネットワークとの間で論理通信の少なくとも一部を転送してよい。
【0050】
幾つかの態様では、ネットワークコンポーネント100は、第1無線ネットワークの基地局制御部(base station controller(BSC))又は別の制御部を含み又はその部分であってよい。少なくとも1つの態様によると、ネットワークコンポーネント100は、連れの(companion)スケジューリング装置を含み又はその部分であってよい。
【0051】
例示的な実装では、ネットワークコンポーネント100は、1つ以上のクライアントの各々について、例えば第1無線ネットワークに結合された各クライアントについて、方法を実行するよう構成されてよい。追加又は代替として、ネットワークコンポーネント100は、要求メッセージ106の送信が開始されると又はその逆のとき、方法を実行するよう構成されてよい。
【0052】
方法が1つ以上のクライアントの各々について開始され得るレート(例えば頻度)及び/又は回数は、個々に取り扱われてよく、又は1つ以上のクライアントのうちの少なくとも2つ(例えば各々)について同一であってよい。追加又は代替として、方法の実行は、イベント(トリガイベントとも呼ばれる)によりトリガされてよく、イベントの例はここに与えられる。
【0053】
説明のために、ネットワークコンポーネント100は、命令メッセージ116に基づき、クライアントを介して第2無線ネットワークのスケジューリングを制御するよう構成されてよい。クライアントは、幾つかの態様では、第1無線ネットワークと第2無線ネットワークとの間のインタフェースとして機能してよく、命令メッセージ116に従い第2無線ネットワークに自動的に適応してよい。例えば、第1無線ネットワークのスケジューリングは、第2無線ネットワークへ、クライアントを介して転送されてよい(例えば、ネットワーク間スケジューリング同期化)。
【0054】
幾つかの態様では、ネットワークコンポーネント100は、例えばスケジューリングと同様の方法で、命令メッセージ116を介して、第2無線ネットワークの又は各第2無線ネットワークの1つ以上の他のネットワークリソースの割り当てを(例えば、送信時間に加えて)指示するよう構成されてよい。1つ以上の他のネットワークリソースの例は、特に、送信レート、送信チャネル、変調及び符号化方式(modulation and coding scheme(MCS))を含む。
【0055】
任意で、ネットワークコンポーネント100は、例えば、命令メッセージ116の後に、1つ以上の交渉メッセージを交換することにより、スケジューリングをクライアントと交渉するよう構成されてよい。1つ以上の交渉メッセージは、スケジューリングの交渉を実施するよう構成されてよい。説明のために、クライアントは、任意で、第1および第2無線ネットワークのスケジューリングに参加してよい。
【0056】
以下では、説明を目的として、第1無線ネットワークを提供するAP202により実装されるネットワークコンポーネント100を参照する。アクセスポイント(AP)202への言及は、ネットワークコンポーネント100の別の実装に同様に、並びに(例えばメッシュを提供する)複数のアクセスポイント202により提供される第1無線ネットワークに同様に、適用されてよい。幾つかの態様では、AP202のうちの1つ以上は、ネットワークコンポーネント100を実装してよい。例えば、複数のAP202は、無線ネットワークメッシュを提供するよう構成されてよい。ここで、AP202のうちの1つ以上は、ネットワークコンポーネント100により実装されてよい。
【0057】
図2は、種々の態様に従い、例示的なシステム200を概略通信図で示す。システム200は、(例えば、ネットワークコンポーネント200により実装される)1つ以上のアクセスポイント202を含み、1つ以上のクライアント212a~212fを含む。
【0058】
例えば、1つ以上のクライアント212a~212fの各々は、第1無線ネットワークに結合するよう構成される第1無線送信機(Tx)及び/又は第1無線受信機(Rx)を含んでよい。更に、1つ以上のクライアント212a~212fの各々は、第2無線ネットワークに結合するよう又はそれを提供するよう構成される第2無線送信機(Tx)及び/又は第2無線受信機(Rx)を含んでよい。
【0059】
幾つかの態様では、第1無線ネットワーク211は、(例えば、IEEE802.11に従いインフラストラクチャモードで)BSSネットワークとして実装されてよく、第2無線ネットワーク216a及び216fは、ピアツーピア(P2P)ネットワークとして実装されてよい。P2Pネットワーク216a~216f及びBSSネットワークへの言及は、それぞれのネットワークの別の構成に同様に適用されてよい。例えば、WPANは、第2無線ネットワーク216a~216fの別の例であってよい。
【0060】
ピアツーピアネットワーク(P2Pネットワーク)は、ピア間でタスク又は負荷をパーティショニングする分散型アプリケーションアーキテクチャとして理解されてよい。ピアは、幾つかの態様では、等しく権利を与えられた、アプリケーションにおける等力の参加者であってよい。ピアは、ノードのピアツーピアネットワークを形成するよう構成されてよい。例えば、P2Pネットワークでは、相互接続されたノード(ピア)は、中央管理システムの使用を伴わずに、それぞれ他者との間でリソースを共有してよい。
【0061】
ここで、クライアント212a~212fのうちの1つ以上は、説明を目的として、装置(例えば、ドッキングステーション、モニタを含むドッキングステーション)により実装されるそれぞれのネットワーク装置214a~214fにドッキング可能な装置(例えば、ラップトップ)により実装されてよい。ラップトップへの及びドッキングステーションへの言及は、システム200のコンポーネントの別の構成に同様に適用されてよい。
【0062】
図2に示すような例示的な構成では、システム200は、複数のP2Pペア216a~216f(ここでは例示的にdocking#1~docking#6と呼ばれる)を含んでよい。各P2Pペアは、1つ以上のラップトップ212a~212fのうちの少なくとも1つ、及び少なくとも1つのドッキングステーション214a~214fを含んでよく、これらはP2Pネットワーク216a~216fのうちの1つにより互いに通信可能に結合される。P2Pペアは、それらのP2Pネットワーク、それらのラップトップ212a~212f及び/又はそれらのドッキングステーション214a~214fが互いに異なってよい。
【0063】
例えば、第1P2Pペア212a、214a、216aは、第1ラップトップ212a及び第1ドッキングステーション214aを含んでよく、これらは第1P2Pネットワーク216aにより互いに通信可能に結合される。同様に、第2P2Pペア212b、214b、216bは、第2ラップトップ212b及び第2ドッキングステーション214bを含んでよく、これらは第2P2Pネットワーク216bにより互いに通信可能に結合される。従って、第nP2Pペアは、第nラップトップ及び第nドッキングステーションを含んでよく、これらは第nP2Pネットワークにより互いに通信可能に結合される。P2Pペアの番号「n」は、例えば、2より大きく、例えば5より大きく、例えば10より大きく、例えば20より大きく、例えば50より大きく、例えば100より大きくてよい。
【0064】
システム200の構成は、図示の実施形態と異なってよく(例えば時間の経過と共に変化する)、(例えば、P2Pペア当たり)例えばより多くの又は少ないクライアント212a~212f、より多くの又は少ないP2Pペア、より多くの又は少ないP2Pネットワーク216a~216f、及び/又は(例えば、P2Pペア当たり)より多くの又は少ないネットワーク装置214a~214fを有する。例えば、1つ以上のクライアント212a~212fの必ずしも全部がネットワーク装置214a~214fに通信可能に結合されなくてよい。各ネットワーク装置214a~214fも同様である。例えば、1つ以上のクライアント212a~212fのうちの少なくとも1つは、システム200の構成を変更するために、ネットワーク装置214a~214f又はBSSネットワーク211から切断され又はそれに接続されてよい。
【0065】
一例として(例えば、トリガイベントでは)、1つ以上のクライアント212a~212fのうちの少なくとも1つは、例えば、BSSネットワーク211に及び/又はP2Pネットワーク216a~216fに結合することにより、システム200の構成を変更してよい。更なる例として(例えば、トリガイベントでは)、1つ以上のクライアント212a~212fのうちの少なくとも1つは、例えば、BSSネットワーク211から及び/又はP2Pネットワーク216a~216fから切断することにより、システム200の構成を変更してよい。
【0066】
別の例として(例えば、トリガイベントでは)、1つ以上のネットワーク装置214a~214fのうちの少なくとも1つは、例えば、BSSネットワーク211から及び/又はP2Pネットワーク216a~216fから分離(切断)することにより、システム200の構成を変更してよい。更なる例として(例えば、トリガイベントでは)、1つ以上のネットワーク装置2142a~214fのうちの少なくとも1つは、例えば、BSSネットワーク211に及び/又はP2Pネットワーク216a~216fに結合することにより、システム200の構成を変更してよい。
【0067】
更に別の例として(例えば、トリガイベントでは)、1つ以上のP2Pペア216a~216fのうちの少なくとも1つは、例えばP2Pペア216a~216fのクライアント212a~212fを、P2Pペア216a~216fのそれぞれのネットワーク装置214a~214fから分離することにより(「ペア解除」又は「ドッキング解除」とも呼ばれる)、システム200の構成を変更してよい。更に別の例として(例えば、トリガイベントでは)、1つ以上のP2Pペア216a~216fのうちの少なくとも1つは、例えばクライアント212a~212fを、P2Pネットワークを介して非結合ネットワーク装置214a~214fに結合することにより(「ペアリング」又は「ドッキング」とも呼ばれる)、システム200の構成を変更してよい。ペアリングは、例えば、結合要求(例えば、トリガイベントとして)を含んでよい。ペア解除は、例えば、分離要求(例えば、トリガイベントとして)を含んでよい。
【0068】
より一般的には、トリガイベントの例は、通信結合の変更(結合変更とも呼ばれる)、又はラップトップの通信可能結合を変更する要求を含む。要求及び/又は結合変更(例えば、結合又は分離することによる)は、BSSネットワーク211に従って、及び/又はP2Pネットワーク216a~216fに従ってよい。例えば、結合変更は、ラップトップとドッキングステーションとの間、又はラップトップとAP202との間であってよい。例えば、ラップトップは、結合又はモニタをAP202に通信可能に結合するための要求を(例えば自動的に)報告してよい。
【0069】
ネットワーク装置214a~214fとしてドッキングステーション(ディスプレイとも呼ばれる)を参照した。通常、ネットワーク装置214a~214fは、例えばP2Pネットワーク216a~216fを介する通信を提供する送信機を含み、P2Pネットワーク216a~216fを介して通信するよう構成されてよい。ネットワーク装置214a~214fのより一般的な例は、周辺装置、モバイル装置、スマート装置、ゲーム装置、等を含む。
【0070】
周辺装置の例は、特に、マウス、キーボード、グラフィックタブレット、画像スキャナ、バーコードリーダ、ゲームコントローラ、ライトペン、ライトガン、マイクロフォン、デジタルカメラ、ウェブカメラ、モニタ、ダンスパッド、読み出し専用メモリ、のような(クライアントに入力機能を提供する)入力装置を含む。周辺装置の他の例は、特に、モニタ、プロジェクタ、プリンタ、ヘッドフォン、コンピュータスピーカ、のような(クライアントに出力機能を提供する)出力装置を含む。周辺装置の更なる例は、徳手に、コンピュータ、データ記憶装置(例えば、ディスクドライブ、USBフラッシュドライブ、メモリカード及びテープドライブ等)、デジタルウォッチ、多機能キーボード、頭部搭載ディスプレイ、タッチディスプレイ、のような(クライアントに入力機能及び出力機能を提供する)入力/出力装置を含む。
【0071】
通信チェーン内のラップトップ及びドッキングステーションの役割は逆にされてよいことが理解され得る。つまり、ドッキングステーションは、BSSネットワーク211のクライアント及びP2Pネットワーク216a~216fのピアであってよく、一方で、ラップトップは、P2Pネットワーク216a~216fを介してモニタにペアリングするよう構成されてよい(例えば、P2Pネットワーク216a~216fのピアだけになる)。同様に、ドッキングステーション又はラップトップはP2P-GOであってよい。
【0072】
図2に示すような例示的な構成は、エンタープライズシナリオを著してよい。ここで、空間再利用の最適化は、ここに詳述するような適正なマルチユーザグループ化から利益を享受できる。一例によると、エンタープライズにおける空間認識による無線ドッキングの管理は、ここに詳述するように可能にされ、例えば、P2Pネットワーク216a~216fの間の起こり得る干渉及び/又はそれらのBSSネットワーク211との干渉の知識を考慮する。干渉に関するデータを収集し及び空間再利用を最適化する際に、空間マップを学習し及びAP202をサポートするメカニズムが提供される。ここで、複数の短距離P2Pネットワークがその近傍に存在する。
【0073】
図3は、種々の態様による例示的な方法を、時間301に渡る送信のシーケンスを示す通信
図300で示す。以下では、説明を目的として、ビーコン報告の要求を含む要求メッセージ106を参照する。ビーコン報告への言及は、要求メッセージ106の別の実装に同様に適用されてよい。要求を実装する例は、以下:チャネル負荷報告、アクセス能力の要求、アクセス優先度の要求、近隣報告の要求、及び/又は範囲内の無線ネットワークの1つ以上の測定を実行する別の要求、のうちの1つ以上を含んでよい。
【0074】
例えば、要求メッセージ106(例えば、その構成)の要求は、第1無線ネットワークプロトコル、例えばその長さ、フィールドフォーマット、データ型、等により定義されてよい。これは、例えば標準化ネットワークプロトコルである場合に、第1無線ネットワークプロトコルの変更を伴わずに方法を使用できる。例えば、第1無線ネットワークプロトコルは、IEEE802.11に従うネットワークプロトコルであってよい。
【0075】
図300に示すように、ネットワークコンポーネント100は、要求メッセージ106を複数のクライアントの各々に、例えば少なくとも3つのクライアント(本例では、Laptop#1~Laptop#3)に送信するよう構成されてよい。複数のクライアントの各々は、要求された報告を含む別のメッセージ306(報告メッセージ306とも呼ばれる)により、要求メッセージ106に応答するよう構成されてよい。要求メッセージ106及び報告メッセージ306のペアは、複数のクライアントに対してシーケンスであってよい。例えば、ネットワークコンポーネント100は、報告メッセージ306を受信すること(例としてトリガイベント)に応答して、要求メッセージ106を次のクライアントへ送信するよう構成されてよい。追加又は代替として、ネットワークコンポーネント100は、ここに詳述するように、1つ以上の他のトリガイベントに応答して、要求メッセージ106を送信するよう構成されてよい。
【0076】
被要求クライアントがビーコン報告の要求(「ビーコン要求」とも呼ばれる)を受け付けた場合、被要求クライアントは、クライアントがビーコン又はプローブ応答を検知するBSSID(Basic Service Set Identification)毎に少なくとも1つのビーコン報告要素を含む無線測定報告フレームを含む報告メッセージ306により応答するよう構成されてよい。範囲内のビーコンネットワーク毎に、ビーコン報告は、以下のビーコン報告要素:チャネル番号、チャネル帯域、実際の測定開始時間、測定期間、物理層の種類(PHY Typeとも呼ばれる)、そのBSSID、そのRCPI(received channel power indicator、受信チャネル電力指示)、1つ以上のタイミング同期関数、ビーコン間隔、能力情報、のうちの1つ以上を含んでよい。
【0077】
被要求クライアントがチャネル負荷の要求(「チャネル負荷要求」とも呼ばれる)を受け付けた場合、被要求クライアントは、少なくとも1つのチャネル負荷報告要素を含む無線測定報告フレームを含む報告メッセージ306により応答してよい。チャネル負荷報告要素は、例えばチャネルビジー断片(fraction)により示された指定されたチャネル上で何が生じたかというクライアントの観点から、チャネルビジー状態を指定してよい。チャネル負荷報告要素の例は、チャネル番号、チャネル帯域、実際の測定開始時間、測定期間、及びチャネルビジー断片を含んでよい。
【0078】
同様に、近隣報告は、ピア又はアクセスポイントが被要求クライアントの範囲内にあるかどうかの情報を含んでよい。
【0079】
例示的な実装では、クライアント又は各クライアント(例えば無線局)は、AP202から1つ以上のネットワークリソースを要求するよう構成されてよい。要求及びネットワークプロトコルの実装は、幾つかの態様では、標準における定義の影響を受けてよく、(例えば、P2Pネットワーク216a~216fの発見の結果として)無線ドック接続が要求されるときを示すクライアントの動作能力において専用のビット(a dedication of a bit)を要求してよい。
【0080】
図4は、被要求クライアントが報告し得るそれぞれのRCPI
図400a、400bに、無線ネットワーククライアントの通信範囲内にある無線ネットワークに関する例示的な情報を図式的に示す。例えば、情報は、被要求クライアントの通信範囲内にある1つ以上の無線ネットワークから又はそれにより受信された測定指示を含んでよい。測定指示の例は、特に、受信チャネル電力指示(received channel power indicator(RCPI))、受信信号強度指示(received signal strength indicator(RSSI))、及び/又は受信信号対雑音指示(received signal to noise indicator(RSNI))を含んでよい。測定指示(例えば、RCPI、RSNI、又はRSSI)は、例えばIEEE802.11に従う、BSSネットワークプロトコルに従ってよい。
【0081】
RCPIの提供は、クライアントにより、プロアンブル及び受信フレーム全体に渡る選択されたチャネルにおける受信無線周波数電力を測定するステップを含んでよい。RSSIの提供は、クライアントにより、受信無線信号の中に現れる電力を測定するステップを含んでよい。RSSIの提供は、クライアントにより、受信無線信号に対して現れる信号対雑音及び干渉比を測定するステップを含んでよい。
【0082】
ここで、説明を目的として、報告される情報としてRCPIを参照する。RCPIへの言及は、ここに概説される別の種類の情報、例えば、RSSI及び/又はRSNIに同様に適用されてよい。
【0083】
図4に示す説明のための例では、第1クライアント212aは、例えばチャネル2で高チャネル電力、チャネル5で中チャネル電力、及びチャネル1、3、4、6、7で低電力を示すRCPI400aを報告してよい。
図4に示す説明のための例では、第2クライアント212bは、例えばチャネル1で高チャネル電力、チャネル6で中チャネル電力、及びチャネル2~5、7で低電力を示すRCPI400bを報告してよい。例えば、第1クライアント212aはチャネル1を使用して、第1P2Pネットワーク216aを介して通信してよい。例えば、第2クライアント212bはチャネル2を使用して、第2P2Pネットワーク216bを介して通信してよい。
【0084】
チャネル(通信チャネルとも呼ばれる)は、固有無線周波数、例えば文字(letter)、番号(ここでは1~7)、又はコードワードにより命名される及び/又は国際協定により割り当てられる周波数のペア又は帯域として理解されてよい。各チャネルは、例えばその帯域幅をHz(ヘルツ)で又はそのデータレートを(例えばビット毎秒で)測定した情報を送信するための特定の能力を有してよい。例えば、IEEE802.11に従うネットワークは、2412MHz(メガヘルツ)~2484MHzの5MHz間隔(step)の13個のチャネルを使用してよい。
【0085】
クライアント又は各クライアントの通信範囲内にある1つ以上の無線ネットワークから又はそれにより受信された測定指示(indication)に基づき、ネットワークコンポーネント100は、ネットワークモデル(環境ネットワークモデルとも呼ばれる)を決定してよい。ネットワークモデル(network model(NM))は、1つ以上の被要求クライアントの範囲内にある及び/又は第1無線ネットワークの範囲内にある、第2無線ネットワークによる無線周波数(例えば、チャネル)の使用を表してよい。
【0086】
同様に、無線周波数の使用も、RSNI及び/又はRSSIに基づき決定されてよい。追加又は代替として、クライアントの通信範囲内にある1つ以上の無線ネットワークに関する種々の種類の情報を提供する他の指標が使用されてよい。
【0087】
報告される情報及び/又はネットワークモデルにより実装される情報の例は、チャネル、サブキャリアの位相、空間分布(例えば、範囲及び/又はアクセス可能性)、送信レート、BSSID、それぞれの無線ネットワークに接続された1つ以上のエンティティ、それぞれの無線ネットワークの時間及び/又は期間、等、を含んでよい。前記の情報は、1つ以上のクライアントのうちの少なくとも1つの範囲内にある各第2無線ネットワークに適用されてよい。
【0088】
ここで更に詳細に説明するように、グループ化は、任意で、ネットワークモデルに基づいてよい。例えば、ネットワークコンポーネント100は、クライアント又は各クライアントの範囲内にあるP2Pネットワーク216a~216fの間の干渉の量を表すパラメータ(干渉パラメータとも呼ばれる)を決定してよい。干渉パラメータが所定の(例えば、保存された)基準を満たす場合、2つのP2PペアのP2Pネットワーク216a~216fについて、該2つのP2Pペアのクライアントは、異なるスケジュールグループに割り当てられる。説明のために、干渉パラメータは、2つのP2Pネットワーク216a~216fの間の重なり合いの量を表してよい。
【0089】
実装の一例では、RCPIは、干渉パラメータとして使用されてよい。例えば、2つのP2Pネットワーク216a~216fが同じチャネル内で干渉している場合、それぞれのクライアントは、異なるスケジュールグループに割り当てられる。追加又は代替として、干渉パラメータは、上述の指標のうちの1つ以上を含んでよい。ネットワーク環境に関する追加情報は、ネットワークモデルの精度を向上し、従ってグループ化を最適化し得る。WLANネットワークが規制機関及び802.11により決定されるRCPI閾値により衝突検出及びLBT(Listen Before Talk)を実装しているので、ピアのRCPIを閾値と比較することは、十分な空間分解能を達成するネットワークの能力を示す主要な機能であるが不十分であり得る。RCPIが閾値より低い場合、2次基準は、送信レート、等であってよい。
【0090】
他の例では、ネットワークモデルは、P2Pネットワーク216a~216fに従い予約された能力、及び/又はP2Pネットワーク216a~216fに従う媒体アクセスの周期を示してよい。例えば、干渉パラメータは、予約された能力及び/又は媒体アクセスの周期も含んでよい。これは、利用可能なネットワーク環境に関する情報の量を増大させる。
【0091】
同様に、BSSネットワーク211を提供するAP又は各APは、任意で、自身の通信範囲内にある無線ネットワークに関する上述の情報種類のうちの1つ以上を提供するよう構成されてよい。これは、利用可能なネットワーク環境に関する情報の量を増大させる。
【0092】
例示的な実装では、AP202は、自身の受信機(Rx)による測定を集約することにより、及び例えば近隣報告のような例えばBSSネットワークプロトコルを用いて(例えばIEEE802.11プロトコルを用いて)自身の制御下にある1つ以上のクライアントからの報告を集約することにより、ネットワークモデルとしての空間マップを決定するよう構成されてよい。追加又は代替として、AP202は、ビーコン報告要求を自身の制御下にある1つ以上のクライアントへ送信して、クライアントのうちの1つ以上(例えば、クライアントの各々)に、RCPI及びP2P-GOビーコンを送信している近隣ネットワーク装置214a~214f(例えば、ドック)の他の測定値(例えば、自身のピアに対するサウンディング)を報告するよう要求するよう構成されてよい。
【0093】
図5は、IEEE802.11に従う例示的なビーコン要求を、ビーコン要求のための測定要求フィールドフォーマットを示す種々の態様に従うフィールド
図500で示す。
【0094】
図6は、IEEE802.11に従う例示的なビーコン要求に対する応答(「ビーコン応答」とも呼ばれる)を、ビーコン応答のための測定報告フィールドフォーマットを示す種々の態様に従うフィールド
図600で示す。
【0095】
図7は、種々の態様に従い、例示的なシステム200を概略グループ化
図700で示す。
【0096】
図7に示すグループ化の例示的な結果では、1つ以上のスケジュールグループが、2つ以上のラップトップにそれぞれ割り当てられる。図示のように、ドッキング(Docking)#1及びドッキング#6のラップトップ212a、212fは、スケジュールグループAに割り当てられ、ドッキング#3及びドッキング#4のラップトップ212a~212f212c、212dはスケジュールグループBに割り当てられる。
【0097】
図7に示すグループ化の例示的な結果では、1つ以上のスケジュールグループが、最大で1つのラップトップに割り当てられる。例えば、ドッキング#2のラップトップ212bはスケジュールグループCに割り当てられ、ドッキング#5のラップトップ212eはスケジュールグループDに割り当てられる。
【0098】
ここで例を簡単にするために、ラップトップのみが、AP202と、つまりBSSネットワーク211を介して通信していると仮定する。しかしながら、上述のように、ラップトップ及びドッキングステーションの役割は予約されてよい。つまり、BSSネットワーク211のクライアントは、P2Pペアのうちのいずれか1つ、例えばラップトップ又はドッキングステーション又は両方であってよく、又はどちらでもなくてよい。
【0099】
AP202は、ラップトップの応答メッセージ306に基づき及び任意でビーコン報告により報告されるRSSI及び/又はRCPI以外の追加データに基づき決定されたネットワークモデルを決定するよう構成されてよい。これは、より良い空間及び干渉マッピングに貢献し得る。AP202は、例えば要求メッセージ106を介して、このような追加データを要求するよう構成されてよい。例えば、要求メッセージ106は、(例えば、ビームフォーミングのために行われるような)P2Pサウンディングを実行する命令を含んでよく、結果としてピア間のチャネルに追加データを生じる。追加又は代替として、要求メッセージ106は、既にスケジューリングされた、スケジュールグループによりトリガされた送信に基づき、他のリンクのサウンディングを実行するための命令を含んでよい。追加又は代替として、要求メッセージ106は、例えば1つ以上の候補P2Pピアからダミー送信により応答するための命令を含んでよい。
【0100】
AP202は、例えば、トリガイベントとしての新しいリンク参加(例えば、結合することによる)、及び/又はトリガイベントとしてのリンク退去(例えば、切断することによる)に応答して、グループ化を絶えず適応するよう構成されてよい。この場合、AP202が特定のスケジュールグループを要求するとき、全ての他のクライアントは、信号対雑音(signal-to-noise(SNR))及び/又はチャネル推定を実行するよう構成されてよい。これらは、ネットワークモデル、グループ化決定、及び/又は局パラメータ(例えば、Tx電力、ビームフォーミング、変調及び符号化方式(MSC))を一層改良するために、ビーコン報告の要素以外に、AP202へフィードバックされてよい。
【0101】
この方法では、AP202は、スモールセルP2Pネットワークの部分である特定クライアントをマルチユーザグループに割り当てることにより、クライアント間の空間干渉を最小化/最適化するよう試みながら、P2Pネットワーク216a~216fをグループ化し、任意で、クライアント要求に基づきリソースを割り当てるよう構成されてよい。スケジュールグループの各々は、P2Pネットワークに跨がり輻輳及び干渉を最適化するために、十分な空間分離を有するメンバを含み又はそれらから形成されてよい。グループ化アルゴリズムは、幾つかの態様では、実装固有であってよい。
【0102】
図7の構成は、1つ以上のAP202のカバレッジの下にあるオフィス環境に適用可能であってよい。AP202は、1つ以上のビーコン報告を受信(例えば、収集し)、及び任意でAP202のセンサにより自身のクライアントの信号強度を検知するよう構成されてよい。更に、AP202は、P2Pペアがスケジュールグループに、例えば4個のマルチ使用P2PグループA~Dにどのように割り当てられるか及び割り当てられるかどうかを決定するよう構成されてよい。
【0103】
AP202は、トリガイベントに応答してシステム200を再グループ化するよう構成されてよいことが理解され得る。再グループ化は、少なくとも1つのクライアントに割り当てられたスケジュールグループを変更するステップ、及び/又は(例えば、クライアントがBSSネットワーク211から切断するとき)複数のスケジュールグループの数を変更するステップを含んでよい。再グループ化に対する応答として、AP202は、クライアントのうちの1つ以上(例えば各々)を再スケジューリングしてよい。
【0104】
図8は、例示的な方法を種々の態様による通信
図800で示し、時間301に渡る送信のシーケンスを示し、ここで、BSSネットワークプロトコル及びP2Pネットワークプロトコルに従う(フレームに従う)送信のスケジューリングの例が示される。通信
図800は、複数の送信スロットA~C(スロットとも呼ばれる)が見られる送信期間111の抜粋を示す。本例では、スロットAはスケジュールグループAに割り当てられ、スロットBはスケジュールグループBに割り当てられ、スロットCはスケジュールグループCに割り当てられる。スケジューリングの結果、送信期間111のスロットは、(グループ化の結果として生じる)スケジュールグループの各々に、又はスケジュールグループのそれぞれのクライアントに、割り当てられてよい。スケジュールグループは、それらに割り当てられるスロットに基づき、互いに異なってよい。同じスケジュールグループのクライアントは、それらに割り当てられた共通スロットを共有してよい。同様jに、異なるスケジュールグループのクライアントは、それらに割り当てられるスロットに基づき、互いに異なる。
【0105】
理解を促すために、スケジュールグループに割り当てられるコンポーネント、例えば、スケジュールグループに割り当てられる1つ以上のP2Pペア、スケジュールグループに割り当てられるクライアント、及びスケジュールグループに割り当てられるネットワーク装置は、それらにスロットが割り当てられ、スロットのP2Pペア、スロットのクライアント、及びスロットのネットワーク装置とも呼ばれる。
【0106】
スロットA~Cの各々で、ネットワークコンポーネント100aは、スロットの1つ以上のクライアントへのトリガメッセージ802a~802c(「トリガアップリンク」とも呼ばれる)を生成するよう構成されてよい。これに応答して、スロットの1つ以上のクライアントは、スロット内でBSSネットワーク211を介してデータ804a~804cを送信するよう構成されてよい。
【0107】
更に、スロットA~Cの各々の送信ブロック804a~804cは、スロットのクライアントの各々への命令メッセージ116を含んでよい。スロット内でのP2Pネットワークを介する(例えば、クライアントによる)送信のスケジューリングは、スロットの送信ブロック804a~804cを受信することに対する応答であってよい。例えば、スロットの各クライアントは、スロットのスケジューリングに従い、クライアントの結合される自身の個々のP2Pネットワーク216a~216fを介する送信のスケジューリングを制御するよう構成されてよい。
【0108】
スロットのクライアント及び/又はネットワークコンポーネント100は、スロットの各々の中で、BSSネットワーク211を介して送信804a~804cに肯定応答するよう構成されてよい。同様に、スロットのクライアント及び/又はスロットのネットワーク装置214a~214fは、スロットの各々の中で、P2Pネットワーク216a~216fを介して送信804a~804cに肯定応答816a、816b、826a、826bするよう構成されてよい。
【0109】
肯定応答806a、806b、816a、816b、826a、826bのために、それぞれのコンポーネント(例えば、スロットのクライアント、スロットのネットワーク装置、又はネットワークコンポーネント)は、送信804a~804cのソースへの肯定応答メッセージ806a、806b、816a、816b、826a、826bを生成するよう構成されてよい。例示的な通信
図800では、肯定応答メッセージ806a、806b、816a、816b、826a、826bは、ブロック肯定応答(BACK又はBAとも呼ばれる)を含んでよい。肯定応答メッセージ806a、806b、816a、816b、826a、826bは、1つ以上のプロトコルデータユニット(PDU)を含む送信ブロック804a~804cに対して肯定応答してよい。各PDUは、ネットワークプロトコル固有制御情報及びユーザデータを含んでよい。例えば、肯定応答メッセージ806a、806bは、特に、送信ブロック804a~804cのPDU毎に少なくとも1つの肯定応答指示子(例えば、ビット)を含んでよい。
【0110】
送信ブロック804a~804cは、別個に割り当てられたリソースユニット(RU)を含んでよい。RUは、例えば、ダウンリンク(DL)及びアップリンク(UL)送信方向の両方で使用されるサブキャリアのグループ(トーン)を表すために802.11ax WLANで使用される直交周波数分割多元接続(orthogonal frequency-division multiple access(OFDMA))の用語におけるユニットを表してよい。
【0111】
図9は、グラフ900にP2Pネットワーク216a~216fの例示的な性能を示す。ここで、P2Pネットワーク216a~216fを介する送信の、単位メガビット毎秒(Mbps)のスループット(TPT、これは転送される情報のレートである)が、単位デシベルミリワット(dBM)のTx電力に対して示される。グラフ901は、例えば本方法を適用することにより達成される、種々の態様による性能を示す。グラフ903は、例えばネットワーク間干渉を受けている従来の性能を示す。例えば、グラフ900は、20メガヘルツのチャネルでP2P無線ドッキングを有するWi-Fi6環境に対応してよい。
【0112】
例えば、エンタープライズ環境における各P2Pセルについて達成可能な最大TPT901は、従来のTPT903の400%より多くなり得る。
【0113】
種々の態様によると、リソース割り当て(例えば、サービングエンティティによる他の未接続エンティティへの送信/受信)の「次のホップ」(説明のために、ネットワーク間スケジューリング同期化)は、例えばIEEE802.11ax及びIEEE802.11be(例えば、寄稿及び草案)に従い無線協調ネットワーク(Wireless Collaborative Network(WCN))を確立するために提供される。提供されるメカニズムは、例えば、基盤ネットワーク及び複数の無線ドッキングステーションの効率的なスペクトル共有を可能にすることにより、無線ドッキングの際に助けになり得る。
【0114】
種々の態様によると、(例えば、APにより実装される)本方法は、無線協調ネットワーク(Wireless Collaborative Network(WCN))のリソース割り当てメカニズムを制御するステップを含む。割り当てメカニズムは、幾つかの場合には、例えばP2Pネットワークが、例えばラップトップ及びそのピアドッキングステーション(「ドック」とも呼ばれる)のような非常に短距離のピアに限られるとき、簡略化され得る。説明のために、後者は、ドック環境がそのピアのラップトップ環境と同様であると仮定することができる。ドックは必ずしもBSSネットワークのメンバではないので、ドックからのデータ収集は、必要な場合には、解決策を複雑にし得る。
【0115】
例えば、メカニズムは、トリガフレームに対する拡張を用いてP2Pトラフィックをスケジューリングすることにより、例えばIEEE802.11ax(Wi-Fi6)又はIEEE802.11be(Wi-Fi7)に従うEHT(Extremely High Throughput、超高スループット)アクセスポイントにより管理される基盤ネットワークにり、1つ以上のP2Pネットワーク共有スペクトルの送信時間(airtime)及び輻輳を制御してよい。
【0116】
APが複数のP2PネットワークのP2Pトラフィックをスケジューリング及び制御することを可能にするために必要な処理又はプロトコルは、例えば空間再利用及び送信時間使用を最適化するための要件に従い提供され(例えば、適応され)てよい。
【0117】
上述の例に適用可能な更なる態様は、以下に記載される。
【0118】
AP202により提供される空間最適化の一部として、AP202は、自身の使用する送信機会(TxOP)期間、及びトリガ間隔を最適化するよう構成されてよく、P2Pペアに、Tx電力バックオフ及び送信レート(PHYレート)及び/又はMCSに関する任意の制約を指示するよう構成されてよい。これは、空間分離及びチャネル利用の間の最適なトレードオフの達成を提供し得る。
【0119】
上述のメカニズムは、空間データ収集を共有するため及び相応してそれらのスケジューリングマッピングを調整するために互いに通信するAPを有することにより領域をカバーする複数のAP202を有するシナリオに拡張されてよい。
【0120】
AP202は、周期的に(又は新しい関連付け又は自身の制御下にある局のローミングにより、又は自身のクライアントのうちの1つからのドッキング状態の通知に従い)、1つ以上のP2P-GOビーコン及び自身の関連付けられたクライアント(ステーション、局とも呼ばれる)からのRSSIを検知するよう構成されてよく、検知したデータをビーコン報告及び関連付けられたクライアントから収集した任意の他の(例えばサウンディング)報告と結合するよう構成されてよい。データ及び/又は報告に基づき、AP202は、グループ化を実行するよう、又は空間再利用を最適化するためにグループ化の結果を更新するよう、構成されてよい。
【0121】
AP202は、幾つかの態様では、階層構造ネットワークアーキテクチャの空間及び無線時間再利用を最適化するために追加制御を実装するよう構成されてよい。追加制御の例は、スペクトル分離を利用するP2Pペアの同時送信を可能にする直交周波数分割多元接続(OFDMA)リソースユニット割り当て、例えば各P2Pネットワーク及び/又は自身の制御下にあるそれぞれのクライアントへの送信スケジュールの配信(例えば、IEEE802.1Qで定義されるようなスケジューリングマップ、IEEE802.1as又はIEEE802.11beへの寄稿で定義されるような時間同期化)のような直接トリガされる以外の別の方法による1つ以上のP2P送信のスケジューリング、トラフィックの別個のスケジューリング及びTxOP割り当てをサポートするためのスケジューリングの拡張(例えば、ビデオ、オーディオ、又は制御を含むフレームに好適な遅延を提供する、送信フレームのサービス品質に基づく)、を含んでよい。
【0122】
種々の態様によると、第2無線ネットワークは、媒体アクセスのための自身の予約された能力の要求及び周期性を、ネットワークコンポーネント100へと通信するよう構成されてよい。例えば、グループ化は、任意で、リソース割り当て、及び/又はリソース割り当ての要求に基づいてよい。
【0123】
種々の態様によると、複数のスケジューリンググループの各々は、(スケジューリング装置を提供する)ネットワークコンポーネント100のスケジューリング制御の下にある1つ以上の第2無線ネットワーク、例えばP2Pネットワーク216a~216fに割り当てられてよい。
【0124】
ここに記載のメカニズムから利益を享受し得る可能性のある環境は、特に、コールセンタ、オフィス、エンジニアリング環境を含み得る。
【0125】
図10は、種々の態様に従い、ネットワークモデルを概略
図1000で示す。例えば、概略
図1000の中の円は、第2無線ネットワーク、例えばP2Pネットワーク216a~216fの各々の信号強度の等電位線を表し得る。
【0126】
図10に示すネットワークモデルの例示的な実装では、ネットワークモデルは、第2無線216a~216fの各々の空間分布を表す、例えばそれらの互いからの及び/又はAP202からの距離を示す、それらの範囲を示す、及び/又はそれらの空間的重なり合いを示す、複数のパラメータ(例えば、座標)を実装してよい。より一般的に言うと、概略
図1000の中のネットワークモデルは、システム200のネットワークの仮想表現を含み得る。パラメータに基づき、ネットワークコンポーネント100は、重なり合いの程度を決定してよく、以下の
図1100の情報を提供する。
【0127】
図11は、種々の態様に従い、ネットワークモデルを概略
図1100で示す。
図11に示すネットワークモデルの例示的な実装では、ネットワークモデルは、第2無線216a~216fのペア毎の重なり合いの程度を表す、例えばそれらの互いとの干渉の等級を示す、それらの周波数の重なり合いを示す、及び/又はそれらの空間的重なり合いを示す、複数のパラメータ(ここでは例えば、0~10の間の値)を実装してよい。
【0128】
2つ以上の第2無線ネットワークの重なり合いの程度が(例えば、所定の)基準を満たす場合(例えば、閾値より低い、例えば0である)、2つ以上の第2無線ネットワークは、同じスケジューリンググループに割り当てられてよい。その他の場合、2つ以上の第2無線ネットワークは、異なるスケジューリンググループに割り当てられてよい。基準及びパラメータの種類は、それぞれの用途、重なり合いの許容可能な程度、及び/又は現在の環境に従い選択されてよい。
【0129】
図12及び13は、無線通信のための例示的なネットワーク及び装置アーキテクチャを概略図で示す。特に、
図12は、幾つかの態様による例示的な無線通信ネットワーク1200を示す。無線通信ネットワーク1200は、クライアントとしての端末装置1202及び1204と、ネットワークアクセスノード110及び120と、を含んでよい。無線通信ネットワーク1200は、端末装置1202及び1204とネットワークアクセスノード110及び120を介して、例えば第1無線ネットワークのための無線アクセスネットワークを通じて通信してよい。ここに記載される特定の例は、特定の無線アクセスネットワークコンテキスト(例えば、WLAN/WiFi、Bluetooth、mmWave、等)を参照し得るが、これらの例は説明のためであり、従って、任意の他の種類又は構成の無線アクセスネットワークに直ちに適用されてよい。無線通信ネットワーク1200内のネットワークアクセスノード及び端末装置の数は、例であり、任意の量に変更可能である。
【0130】
例示的なWLANコンテキストでは、ネットワークアクセスノード110及び120は、基地局(例えば、無線ルータ、又は任意の他の種類の基地局)であってよく、一方、端末装置1202及び1204は、WLAN端末装置(例えば、移動局(Mobile Station(MS))、ユーザ機器(User Equipment(UE))、又は任意の種類のWLAN端末装置)であってよい。ネットワークアクセスノード110及び120は、任意で、無線通信ネットワーク1200の部分と考えられてよい無線WLANコアネットワーク又は有線コアネットワークと(例えば、バックホールインタフェースを介して)インタフェースしてよい。WLANコアネットワークは、1つ以上の外部データネットワークとインタフェースしてよい。例示的な短距離コンテキストでは、ネットワークアクセスノード110及び120は、アクセスポイント202(AP、例えば、WLAN又はWi-Fi AP)であってよく、一方で、端末装置1202及び1204は、短距離端末装置(例えば、局(STA))であってよい。ネットワークアクセスノード110及び120は、1つ以上の外部データネットワークと(例えば、内部又は外部ルータを介して)インタフェースしてよい。
【0131】
ネットワークアクセスノード110及び120(及び任意で、
図12に明示的に示されない無線通信ネットワーク1200の他のネットワークアクセスノード)は、従って、無線アクセスネットワークを端末装置1202及び1204(及び任意で、
図12に明示的に示されない無線通信ネットワーク1200の他の端末装置)に提供してよい。例示的なWLANコンテキストでは、無線アクセスノード110及び120により提供される無線アクセスネットワークは、端末装置1202及び1204が無線通信によりコアネットワークに無線アクセスできるようにしてよい。コアネットワークは、端末装置1202及び1204に関連するトラフィックデータのためにスイッチ、ルーティング、及び送信を提供してよく、種々の内部データネットワーク(例えば、制御ノード、無線通信ネットワーク1200上の他の端末装置の間で情報を転送するルーティングノード)、及び外部データネットワーク(例えば、音声、テキスト、マルチメディア(オーディオ、ビデオ、画像)及び他のインターネット及びアプリケーションデータを提供するデータネットワーク)へのアクセスを更に提供してよい。例示的な短距離コンテキストでは、無線アクセスノード110及び120により提供される無線アクセスネットワークは、(例えば、無線通信ネットワーク1200に接続された端末装置間でデータを転送するための)内部データネットワーク、及び外部データネットワーク(例えば、音声、テキスト、マルチメディア(オーディオ、ビデオ、画像)、及び他のインターネット及びアプリケーションデータを提供するデータネットワーク)へのアクセスを提供してよい。
【0132】
無線通信ネットワーク1200の無線アクセスネットワーク及びコアネットワーク(適用可能ならば、セルラコンテキストのような)は、無線通信ネットワーク1200の仕様に依存して変化し得るネットワーク通信プロトコル(ネットワークプロトコルとも呼ばれる)により支配されてよい。このようなネットワークプロトコルは、無線通信ネットワーク1200を通るユーザ及び制御データトラフィックの両方の、このようなデータの無線通信ネットワーク1200の無線アクセス領域及びコアネットワーク領域の両方を通じる送信及び受信を含む、スケジューリング、フォーマット化、及びルーティングを定義してよい。従って、端末装置1202及び1204及びネットワークアクセスノード110及び120は、定義されたネットワークプロトコルに従い、無線通信ネットワーク1200の無線アクセスネットワークドメインを介してデータを送信し及び受信してよく、一方で、コアネットワークは、定義されたネットワークプロトコルに従い、コアネットワークの内部で及び外部へデータをルーティングしてよい。例示的なネットワークプロトコルは、Bluetooth、WiFi、mmwave、等を含み、それらのうちの任意のものが無線通信ネットワーク1200に適用可能であってよい。
【0133】
図13は、幾つかの態様によるクライアントの例として、端末装置1202の例示的な内部構成を
図1300に示す。端末装置1202は、アンテナシステム1302、無線周波数(RF)トランシーバ204、ベースバンドモデム206(デジタル信号プロせっsあ208及びプロトコル制御部1310を含む)、アプリケーションプロせっsあ212、及びメモリ1314を含んでよい。
図13に明示的に示されないが、幾つかの態様では、端末装置1202は、プロセッサ/マイクロプロセッサ、コントローラ/マイクロコントローラ、他の専門又は汎用ハードウェア/プロセッサ/回路、周辺装置、メモリ、電源、外部装置インタフェース、加入者識別モジュール(SIM)、ユーザ入力/出力装置(ディスプレイ、キーボード、タッチスクリーン、スピーカ、外部ボタン、カメラ、マイクロフォン、等)、又は他の関連するコンポーネントのような、1つ以上の追加ハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネントを含んでよい。
【0134】
端末装置1202は、1つ以上の無線アクセスネットワーク上で、無線信号を送信し及び受信してよい。ベースバンドモデム206は、端末装置1202のこのような通信機能を、各無線アクセスネットワークに関連するネットワークプロトコルに従い指示してよく、各ネットワークプロトコルにより定義されたフォーマット及びスケジューリングパラメータに従い無線信号を送信し及び受信するよう、アンテナシステム1302及びRFトランシーバ204に対する制御を実行してよい。種々の実際の設計は、サポートされる無線通信技術毎に別個の通信コンポーネント(例えば、別個のアンテナ、RFトランシーバ、デジタル信号プロセッサ、及び制御部)を含んでよいが、簡潔さを目的として、
図13に示す端末装置1202の構成は、このようなコンポーネントのうちの単一のインスタンスのみを示す。
【0135】
端末装置1202は、単一のアンテナ又は複数のアンテナを含むアンテナアレイであってよいアンテナシステム1302により無線信号を送信し及び受信してよい。幾つかの態様では、アンテナシステム1302は、アナログアンテナ結合及び/又はビームフォーミング回路を追加で含んでよい。受信(Rx)パスでは、RFトランシーバ204は、アンテナシステム1302からアナログ無線周波数信号を受信し、アナログ及びデジタルRFフロントエンド処理を該アナログ無線周波数信号に対して実行して、デジタルベースバンドサンプル(例えば、同相/直交位相(IQ)サンプル)を生成し、ベースバンドモデム206に提供してよい。RFトランシーバ204は、RFトランシーバ204が受信無線周波数信号をデジタルベースバンドサンプルに変換するために利用し得る、増幅器(例えば、低雑音増幅器(LNA))、フィルタ、RF復調器(例えば、RF IQ復調器)、及びアナログ-デジタル変換器(ADC)を含む、アナログ及びデジタル受信コンポーネントを含んでよい。送信(Tx)パスでは、RFトランシーバ204は、デジタルベースバンドサンプルをベースバンドモデム206から受信し、アナログ及びデジタルRFフロントエンド処理を該デジタルベースバンドサンプルに対して実行して、アナログ無線周波数信号を生成し、無線送信のためにアンテナシステム1302に提供してよい。RFトランシーバ204は、従って、RFトランシーバ204がベースバンドモデム206から受信したデジタルベースバンドサンプルをミックスしてアンテナシステム1302による無線送信のためにアナログ無線周波数信号を生成するために利用し得る、増幅器(例えば、電力増幅器(PA))、フィルタ、RF変調器(例えば、RF IQ変調器)、及びデジタル-アナログ変換器(DAC))、を含むアナログ及びデジタル送信コンポーネントを含んでよい。幾つかの態様では、ベースバンドモデム206は、RFトランシーバ204の動作のために送信及び受信無線周波数を指定することを含む、RFトランシーバ204の無線送信及び受信を制御してよい。
【0136】
図13に示すように、ベースバンドモデム206は、RFトランシーバ204を介する送信のためにプロトコル制御部1310により提供される、送信パスで出て行く送信データを準備するために、及びプロトコル制御部1310による処理のためにRFトランシーバ204により提供される、受信パスで入ってくる受信データを準備するために、物理層(PHY層1)送信及び受信処理を実行し得るデジタル信号プロセッサ208を含んでよい。デジタル信号プロセッサ208は、誤り検出、前方誤り訂正符号化/復号、チャネル符号化及びインターリービング、チャネル変調/副業、物理チャネルマッピング、無線測定及び探索、周波数及び時間同期化、アンテナダイバーシティ処理、電力制御及び重み付け、レートマッチング/マッチング解除、再送処理、干渉キャンセル、及び任意の他の物理層処理機能のうちの1つ以上を実行するよう構成されてよい。デジタル信号プロセッサ208は、構造的にハードウェアコンポーネントとして(例えば、1つ以上のデジタル方式で構成されるハードウェア回路またはFPGA)、ソフトウェア定義コンポーネント(例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に格納された計算、制御、及び/又はI/O命令(例えば、ソフトウェア及び/又はファームウェア)を定義するプログラムコードを実行するよう構成される1つ以上のプロセッサ)、又はハードウェア及びソフトウェアコンポーネントの組み合わせとして、実現されてよい。幾つかの態様では、デジタル信号プロセッサ208は、物理層処理動作のための制御及び処理ロジックを定義するプログラムコードを読み出し及び実行するよう構成される1つ以上のプロセッサを含んでよい。幾つかの態様では、デジタル信号プロセッサ208は、ソフトウェアによる処理機能を、実行可能命令の実行により実行してよい。幾つかの態様では、デジタル信号プロセッサ208は、専用に処理機能を実行するようデジタル方式で構成される1つ以上の専用ハードウェア回路(例えば、ASIC、FPGA、及び他のハードウェア)を含んでよい。ここで、デジタル信号プロセッサ208の1つ以上のプロセッサは、特定の処理タスクをこれらの専用ハードウェア回路にオフロードしてよく、これはハードウェアアクセラレーションとして知られる。例示的なハードウェアアクセラレーションは、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform(FFT))回路及び/又はエンコーダ/デコーダ回路を含み得る。幾つかの態様では、デジタル信号プロセッサ208のプロセッサ及びハードウェアアクセラレータコンポーネントは、結合された集積回路として実現されてよい。
【0137】
端末装置1202は、1つ以上の無線通信技術に従い動作するよう構成されてよい。デジタル信号プロセッサ208は、無線通信技術の下位層の処理機能(例えば、第1層/PHY)を担ってよい。一方、プロトコル制御部1310は、上位層プロトコルスタック機能(例えば、データリンク層/第2層、及び/又はネットワーク層/第3層)を担ってよい。プロトコル制御部1310は、従って、各々のサポートされる無線通信技術のネットワークプロトコルに従い、端末装置1202の無線通信コンポーネント(アンテナシステム1302、RFトランシーバ204、及びデジタル信号プロセッサ208)を制御することを担ってよく、従って、各々のサポートされる無線通信技術のアクセスストラタム及び非アクセスストラタム(Non-Access Stratum(NAS))(第2層及び第3層も包含する)を表してよい。プロトコル制御部1310は、構造的に、(制御部メモリから読み出される)プロトコルスタックソフトウェアを実行し、続いて、プロトコルスタックソフトウェアで定義された対応するプロトコルスタック制御ロジックに従い通信信号を送信し及び受信するよう端末装置1202の無線通信コンポーネントを制御するよう構成されるプロセッサとして実現されてよい。プロトコル制御部1310は、データリンク層/第2層及びネットワーク層/第3層機能を含み得る1つ以上の無線通信技術の上位層プロトコルスタックロジックを定義するプログラムコードを読み出し及び実行するよう構成される1つ以上のプロセッサを含んでよい。プロトコル制御部1310は、サポートされる無線通信技術の特定プロトコルに従いアプリケーション層データの無線端末装置1202へ及びそれからの転送を実現するために、ユーザプレーン及び制御プレーン機能の両方を実行するよう構成されてよい。ユーザプレーン機能は、ヘッダ圧縮及びカプセル化、セキュリティ、誤り検査及び訂正、チャネル多重化、スケジューリング及び優先度、を含むことができる。一方、制御プレーン機能は、無線ベアラの設定及び維持を含んでよい。プロトコル制御部1310により読み出され実行されるプログラムコードは、このような機能のロジックを定義する実行可能命令を含んでよい。
【0138】
幾つかの態様では、端末装置1202は、複数の無線通信技術に従いデータを送信し及び受信するよう構成されてよい。従って、幾つかの態様では、アンテナシステム1302、RFトランシーバ204、デジタル信号プロセッサ208、及びプロトコル制御部1310のうちの1つ以上は、異なる無線通信技術に専用の別個のコンポーネント又はインスタンス、及び/又は異なる無線通信技術の間で共有される統合コンポーネントを含んでよい。例えば、幾つかの態様では、プロトコル制御部1310は、異なる無線通信技術にそれぞれ専用である複数のプロトコルスタックを、同じプロセッサ又は異なるプロセッサで実行するよ構成されてよい。幾つかの態様では、デジタル信号プロセッサ208は、異なるそれぞれの無線通信技術に専用の別個のプロセッサ及び/又はハードウェアアクセラレータ、及び/又は複数の無線通信技術の間で要求される1つ以上のプロセッサ及び/又はハードウェアアクセラレータを含んでよい。幾つかの態様では、RFトランシーバ204は、異なるそれぞれの無線通信技術に専用の別個のRFトランシーバ204回路部分、及び/又は複数の無線通信技術の間で共有されるRF回路部分を含んでよい。幾つかの態様では、アンテナシステム1302は、異なるそれぞれの無線通信技術に専用の別個のアンテナ、及び/又は複数の無線通信技術の間で共有されるアンテナを含んでよい。従って、アンテナシステム1302、RFトランシーバ204、デジタル信号プロセッサ208、及びプロトコル制御部1310が個別コンポーネントとして図に示されるが、幾つかの態様では、アンテナシステム1302、RFトランシーバ204、デジタル信号プロセッサ208、及び/又はプロトコル制御部1310は、異なる無線通信技術に専用の別個のコンポーネントを包含できる。従って、アンテナシステム1302、RFトランシーバ204、デジタル信号プロセッサ208、及び制御部1310が個別コンポーネントとして
図3に示されるが、幾つかの態様では、アンテナシステム1302、RFトランシーバ204、デジタル信号プロセッサ208、及び/又は制御部1310は、異なる無線通信技術に専用の別個のコンポーネントを包含できる。
【0139】
図14は、RFトランシーバ204が、第1無線通信技術のための(例えば、第1無線ネットワークを介する通信のための)RFトランシーバ204aと、第2無線通信技術のための(例えば、第2無線ネットワークを介する通信のための)RFトランシーバ204bと、第3無線通信技術のための任意的なRFトランシーバ204cと、を含む一例1400を示す。同様に、デジタル信号プロセッサ208は、第1無線通信技術のためのデジタル信号プロセッサ208aと、第2無線通信技術のためのデジタル信号プロセッサ208bと、第3無線通信技術のための任意的なデジタル信号プロセッサ208cと、を含む。同様に、制御部1310は、第1無線通信技術のための制御部1310aと、第2無線通信技術のための制御部1310bと、第3無線通信技術のための任意的な制御部1310cと、を含む。RFトランシーバ204a、デジタル信号プロセッサ208a、及び制御部1310aは、従って、第1無線通信技術のための(例えば、第1無線ネットワークを介する通信のための)通信構成(例えば、特定の無線通信技術に専用のハードウェア及びソフトウェアコンポーネント)を形成する。RFトランシーバ204b、デジタル信号プロセッサ208b、及び制御部1310bは、従って、第2無線通信技術のための(例えば、第2無線ネットワークを介する通信のための)通信構成を形成する。そして、RFトランシーバ204c、デジタル信号プロセッサ208c、及び制御部1310cは、従って、第3無線通信技術のための通信構成を形成する。
図4に論理的に別個であるとして示されたが、通信構成の任意のコンポーネントは、共通コンポーネントに統合されてよい。
【0140】
端末装置1202は、アプリケーションプロセッサ1312及びメモリ1314も含んでよい。アプリケーションプロセッサ1312は、CPUであってよく、トランスポート及びアプリケーション層を含むプロトコルスタックの上の層を処理するよう構成されてよい。アプリケーションプロセッサ1312は、端末装置1202のアプリケーション層で、オペレーティングシステム(OS)、端末装置1202とのユーザ相互作用をサポートするユーザインタフェース(UI)、及び/又は種々のユーザアプリケーションのような、端末装置1202の種々のアプリケーション及び/又はプログラムを実行するよう構成されてよい。アプリケーションプロセッサは、ベースバンドモデム206とインタフェースして、音声データ、オーディオ/ビデオ/画像データ、メッセージデータ、アプリケーションデータ、基本インターネット/ウェブアクセスデータ、等のようなユーザデータの(送信パスの中の)ソース及び(受信パスの中の)シンクとして動作してよい。送信パスでは、プロトコル制御部1310は、従って、プロトコルスタックの層固有の機能に従いアプリケーションプロセッサ1312により提供された出て行くデータを受信し及び処理し、結果として生じるデータをデジタル信号プロセッサ208に提供してよい。デジタル信号プロセッサ208は、次に、物理層処理を受信したデータに対して実行して、デジタル信号プロセッサがRFトランシーバ204に提供し得るデジタルベースバンドサンプルを生成してよい。RFトランシーバ204は、次に、デジタルベースバンドサンプルを処理して、デジタルベースバンドサンプルを、RFトランシーバ204がアンテナシステム1302を介して無線で送信し得るアナログRF信号に変換してよい。受信パスでは、RFトランシーバ204は、アンテナシステム1302からアナログRF信号を受信し、アナログRF信号を処理して、デジタルベースバンドサンプルを取得してよい。RFトランシーバ204は、デジタルベースバンドサンプルをデジタル信号プロセッサ208に提供してよい。デジタル信号プロセッサ208は、デジタルベースバンドサンプルに対して物理層処理を実行してよい。デジタル信号プロセッサ208は、次に、結果として生じるデータをプロトコル制御部1310に提供してよい。プロトコル制御部1310は、結果として生じたデータを、プロトコルスタックの層固有の機能に従い処理して、結果として生じた入ってくるデータをアプリケーションプロセッサ1312に提供してよい。アプリケーションプロセッサ1312は、次に、アプリケーション層で入ってくるデータを処理してよい。これは、データ及び/又はユーザインタフェースを介するユーザへのデータの提示を有する1つ以上のアプリケーションプログラムの実行を含み得る。
【0141】
メモリ1314は、ハードドライブ又は別のそのような永久メモリ装置のような、端末装置1202のメモリコンポーネントを具現化してよい。
図14に明示的に示されないが、
図14に示すう端末装置1202の種々の他のコンポーネントは、更にそれぞれが、統合コンポーネント、及びソフトウェアプログラムコードを格納する、データをバッファリングする、等のような非永久メモリコンポーネントを含んでよい。
【0142】
幾つかの無線通信ネットワークによると、端末装置1202及び1204は、無線通信ネットワーク1200の無線アクセスネットワークの利用可能なネットワークアクセスノードの間の接続、切断、及び切り替えのためのモビリティ手順を実行してよい。無線通信ネットワーク1200の各ネットワークアクセスノードは、特定のカバレッジ領域を有し得るので、端末装置1202及び1204は、無線通信ネットワーク1200の無線アクセスネットワークとの強力な無線アクセス接続を維持するために、利用可能なネットワークアクセスノードの間で選択及び再選択するよう構成されてよい。例えば、端末装置1202は、ネットワークアクセスノード110との無線アクセス接続を確立してよく、一方で、端末装置1204は、ネットワークアクセスノード120との無線アクセス接続を確立してよい。現在の無線アクセス接続が劣化した場合、端末装置1202又は1204は、無線通信ネットワーク1200の別のネットワークアクセスノードとの新しい無線アクセス接続を探してよい。例えば、端末装置1204は、ネットワークアクセスノード112のカバレッジ領域から、ネットワークアクセスノード110のカバレッジ領域へと移動して(例えば、第1無線ネットワークへの結合を維持して)よい。結果として、ネットワークアクセスノード112との無線アクセス接続は劣化してよく、端末装置1204は、この劣化を、ネットワークアクセスノード112の信号強度又は信号品質測定のような無線測定により検出してよい。無線通信ネットワーク1200の適切なネットワークプロトコルで定義されたモビリティ手順に依存して、端末装置1204は、例えば近隣ネットワークアクセスノードに対して無線測定を実行して、任意の近隣ネットワークアクセスノードが適切な無線アクセス接続を提供できるか否かを決定することにより、新しい無線アクセス接続を探してよい(これは、例えば、端末装置1204において又は無線アクセスネットワークによりトリガされてよい)。端末装置1204は、ネットワークアクセスノード110のカバレッジ領域へと移動しているので、端末装置1204は、ネットワークアクセスノード110(これは、端末装置1204により識別され、又は無線アクセスネットワークにより選択されてよい)を識別し、(例えば、トリガイベントの例のように)ネットワークアクセスノード110との新しい無線アクセス接続へと移転してよい。このようなモビリティ手順は、無線測定、セル選択/再選択、及びハンドオーバを含み、種々のネットワークプロトコルで確立され、任意の数の異なる無線アクセスネットワークシナリオに渡り各端末装置と無線アクセスネットワークとの間の強力な無線アクセス接続を維持するために、端末装置及び無線アクセスネットワークにより利用されてよい。
【0143】
図15は、幾つかの態様による、ネットワークアクセスノード110のような、ネットワークコンポーネント100及び/又AP202の例として、ネットワークアクセスノードの例示的な内部構成1500を示す。
図15に示すように、ネットワークアクセスノード110は、アンテナシステム402、無線トランシーバ404、及びベースバンドサブシステム406(物理層プロセッサ408及びプロトコル制御部410を含む)を含んでよい。ネットワークアクセスノード110の動作の要約された概要では、ネットワークアクセスノード110は、複数のアンテナを含むアンテナアレイであってよいアンテナシステム402を介してえ無線信号を送信し及び受信してよい。無線トランシーバ404は、送信及び受信RF処理を実行して、ベースバンドサブシステム406から出て行くベースバンドサンプルを、アナログ無線信号に変換し、無線送信のためにアンテナシステム402に提供し、並びに、アンテナシステム402から入ってくるアナログ無線信号をベースバンドサンプルに変換して、ベースバンドサブシステム406に提供してよい。物理層プロセッサ408は、送信及び受信PHY処理を、無線トランシーバ404から受信したベースバンドサンプルに対して実行して、制御部410に提供するよう、及び制御部410から受信したベースバンドサンプルに対して実行して、無線トランシーバ404に提供するよう、構成されてよい。制御部410は、アンテナシステム402、無線トランシーバ404、及び物理層プロセッサ408に対する制御の実行を含んでよい、対応する無線通信技術プロトコルに従い、ネットワークアクセスノード110の通信機能を制御してよい。無線トランシーバ404、物理層プロセッサ408、及び制御部410の各々は、構造的にハードウェアにより(例えば、1つ以上のデジタル方式で構成されるハードウェア回路またはFPGAにより)、ソフトウェアとして(例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に格納された計算、制御、及び/又はI/O命令を定義するプログラムコードを実行する1つ以上のプロセッサとして)、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして、実現されてよい。幾つかの態様では、無線トランシーバ404は、デジタル及びアナログ無線周波数処理及び増幅回路を含む無線トランシーバであってよい。幾つかの態様では、無線トランシーバ404は、無線周波数処理ルーチンを指定するソフトウェア定義命令を実行するよう構成されるプロセッサとして実装されるソフトウェア定義無線(software-defined radio(SDR))コンポーネントであってよい。幾つかの態様では、物理層プロセッサ408は、プロセッサ及び1つ以上のハードウェアアクセラレータを含んでよい。ここで、プロセッサは、物理層処理を制御し,特定の処理タスクを1つ以上のハードウェアアクセラレータにオフロードするよう構成される。幾つかの態様では、制御部410は、上位層制御機能を指定するソフトウェア定義命令を実行するよう構成される制御部であってよい。幾つかの態様では、制御部310は、無線ネットワークプロトコルスタック層機能に制限されてよく、一方で、他の態様では、制御部410は、トランスポート、インターネット、及びアプリケーション層機能のために構成されてもよい。
【0144】
例えば、ネットワークアクセスノードのベースバンドサブシステム406のコンポーネントは、ここに記載の方法を制御し及び実行してよい。
【0145】
ネットワークアクセスノード110は、従って、サービスされる端末装置が通信データにアクセスできるよう、無線アクセスネットワークを提供することにより、無線通信ネットワーク内のネットワークアクセスノードの機能を提供してよい。例えば、ネットワークアクセスノード110は、コアネットワーク、1つ以上の他のネットワークアクセスノード、又は種々の他のデータネットワーク及びサーバと、有線又は無線バックホールインタフェースを介してインタフェースしてもよい。
【0146】
ここで利用される用語「端末装置」は、コアネットワーク及び/又は外部データネットワークに無線アクセスネットワークを介して接続できるユーザ側装置(ポータブル及び固定の両方)を表す。「端末装置」は、ユーザ機器(UE)、移動局(MS)、局(STA)、セルラフォン、タブレット、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル機器、マルチメディアプレイバック及び他のハンドヘルド若しくは身体装着電子装置、消費者/家庭/オフィス/商用機器、車両、及びユーザ側の無線通信の可能な任意の他の電子装置、を含む任意のモバイル又は非モバイル無線通信装置を含むことができる。一般性を喪失することなく、幾つかの場合には、端末装置は、アプリケーションプロセッサ又は無線通信以外の機能に専用の他の汎用処理コンポーネントのようなアプリケーション層コンポーネントも含むことができる。端末装置は、任意で、無線通信に加えて有線通信をサポートできる。更に、端末装置は、端末装置として機能する車両通信装置を含むことができる。
【0147】
幾つかの態様では、無線ネットワーククライアント(例えば、1つ以上のクライアント212a~212f)は、ここに詳述されるように、端末装置により実装されてよい。
【0148】
ここで利用される用語「ネットワークアクセスノード」(アクセスノードとも呼ばれる)は、無線アクセスネットワークを提供するネットワーク側装置を表す。該無線アクセスネットワークにより、端末装置は、コアネットワーク及び/又は外部データネットワークと、ネットワークアクセスノードを通じて接続し、情報を交換できる。「ネットワークアクセスノード」は、非モバイルおよびモバイル装置(例えば、車両ネットワークアクセスノード、移動セル、及び他の移動可能なネットワークアクセスノード)を含む、の両方を含む、マクロ基地局、マイクロ基地局、ホーム基地局、リモート無線ヘッド(Remote Radio Head(RRH))、中継点、Wi-Fi/WLANアクセスポイント(AP)、Bluetoothマスタ装置、DSRC RSU(路側ユニット)、ネットワークアクセスノードとして動作する端末装置、及びネットワーク側無線通信の可能な任意の他の電子装置、を含む任意の種類の基地局またはアクセスポイントを含むことができる。ここで使用されるように、電気通信の文脈における「セル」は、ネットワークアクセスノードによりサービスされるセクタとして理解され得る。従って、セルは、ネットワークアクセスノードの特定のセクタ化に対応する地理的に同一位置に置かれたアンテナのセットであってよい。ネットワークアクセスノードは、1つ以上のセル(又はセクタ)を提供できる。ここで、セルは、異なる通信チャネルにより特徴付けられる。更に、用語「セル」は、マクロセル、マイクロセル、フェムトセル、ピコセル、等を表すために利用されてよい。特定の通信装置は、他の端末装置のためにネットワーク接続を提供する端末装置のように、端末装置及びネットワークアクセスノードの両方として動作できる。
【0149】
幾つかの態様では、ネットワークコンポーネント100は、ここに詳述されるようにネットワークアクセスノードにより実装されてよい。
【0150】
以下に、上述の態様を参照して種々の例が提供される。
【0151】
例1は、(例えば、無線送信のための)ネットワークコンポーネントであって、
1つ以上のプロセッサを含み、前記1つ以上のプロセッサは、
無線ネットワーククライアントへの第1メッセージを生成し、前記第1メッセージは、前記無線ネットワーククライアントの通信範囲内の無線ネットワークに関する情報を報告する要求を含み、
前記情報に基づき、前記無線ネットワーククライアントに、複数のスケジューリンググループのうちのスケジューリンググループを割り当て、
前記無線ネットワーククライアントに割り当てられた前記スケジューリンググループに従い、前記無線ネットワーククライアントに、第1無線ネットワークプロトコルに従う1つ以上の送信をスケジューリングし、
前記無線ネットワーククライアントへの第2メッセージを生成し、前記第2メッセージは、前記無線ネットワーククライアントに割り当てられた前記スケジューリンググループに従い、前記無線ネットワーククライアントからの第2無線ネットワークプロトコルに従う1つ以上の送信をスケジューリングする命令を含む、
よう構成される、ネットワークコンポーネントである。
【0152】
例2は、前記第1無線ネットワークプロトコルに従い、通信結合を提供するよう構成されるトランシーバを更に含み、例えば、前記トランシーバは、前記第1無線ネットワークプロトコルに従い(前記第1メッセージ及び前記第2メッセージ)を送信するよう構成される、例1に記載のネットワークコンポーネントである。
【0153】
例3は、前記第1メッセージは、周期的に、及び/又は、
前記第2無線ネットワークプロトコルに従いネットワーク装置に前記無線ネットワーククライアントを通信可能に結合する要求、又は、
前記第2無線ネットワークプロトコルに従う、前記無線ネットワーククライアント及び前記ネットワーク装置の通信結合の変化、
に応答して、生成される、例1又は2に記載のネットワークコンポーネントである。
【0154】
例4は、前記第1無線ネットワークプロトコル及び前記第2無線ネットワークプロトコルは、例えばそれらの通信周波数又は周波数範囲において互いに異なる、例1乃至3のいずれか1つに記載のネットワークコンポーネントである。
【0155】
例5は、前記第1無線ネットワークプロトコルは、基地局ネットワークプロトコルである、例1乃至4のいずれか1つに記載のネットワークコンポーネントである。
【0156】
例6は、前記第2無線ネットワークプロトコルは、ピアツーピアネットワークプロトコルである、例1乃至5のいずれか1つに記載のネットワークコンポーネントである。
【0157】
例7は、前記1つ以上のプロセッサは、前記第2無線ネットワークプロトコルに従い、予約容量の要求及び/又は媒体アクセスの周期性に更に基づき、前記スケジューリンググループを割り当てるよう構成される例1乃至6のいずれか1つに記載のネットワークコンポーネントである。
【0158】
例8は、前記1つ以上のプロセッサは、以下のイベント:
前記無線ネットワーククライアントの通信範囲内の無線ネットワークに関する前記情報の変化、
前記第2無線ネットワークプロトコルに従う前記無線ネットワーククライアント及び前記ネットワーク装置の通信結合の変化、
のうちの1つ以上を決定することに応答して、前記無線ネットワーククライアントに割り当てられる、前記複数のスケジューリンググループのうちの前記スケジューリンググループの割り当ての結果を更新するよう更に構成される、例1乃至7のいずれか1つに記載のネットワークコンポーネントである。
【0159】
例9は、前記1つ以上のプロセッサは、前記第2無線ネットワークプロトコルに従う前記無線ネットワーククライアント及びネットワーク装置の要求されたリソース割り当ての変化に応答して、前記無線ネットワーククライアントへの前記複数のスケジューリンググループのうちの前記スケジューリンググループの割り当ての結果を更新するよう更に構成される、例1乃至8のいずれか1つに記載のネットワークコンポーネントである。
【0160】
例10は、前記情報は、以下:
受信チャネル電力指示、
受信信号強度指示、及び/又は、
受信信号対雑音指示、
のうちの1つ以上を含む、例1乃至9のいずれか1つに記載のネットワークコンポーネントである。
【0161】
例11は、前記第2メッセージは、
前記第2無線ネットワークプロトコルに従う送信レート、
前記第2無線ネットワークプロトコルに従う変調及び符号化方式、及び/又は、
前記第2無線ネットワークプロトコルに従う送信電力、
を構成する命令を更に含む、例1乃至10のいずれか1つに記載のネットワークコンポーネントである。
【0162】
例12は、前記複数のスケジューリンググループのうちの各スケジューリンググループは、少なくとも1つのネットワークコンポーネントに割り当てられる、例1乃至11のいずれか1つに記載のネットワークコンポーネントである。
【0163】
例13は、前記複数のスケジューリンググループのうちの前記スケジューリンググループを前記無線ネットワーククライアントに割り当てることは、前記少なくとも1つのネットワークコンポーネントの通信範囲内にある無線ネットワークに関する情報に更に基づく、例12に記載のネットワークコンポーネントである。
【0164】
例14は、前記1つ以上のプロセッサは、前記無線ネットワーククライアントの通信範囲内の無線ネットワークに関する前記情報に基づき、環境ネットワークモデルを決定し又は更新するよう更に構成され、前記環境ネットワークモデルは、前記第2無線ネットワークプロトコルに従う、及び/又は前記第1無線ネットワークプロトコルに従う送信の範囲内の、無線周波数の(空間)使用を表す、例1乃至13のいずれか1つに記載のネットワークコンポーネントである。
【0165】
例15は、前記1つ以上のプロセッサは、前記環境ネットワークモデルに基づき、前記複数のスケジュールグループを決定し又は更新するよう更に構成される、例14に記載のネットワークコンポーネントである。
【0166】
例16は、前記1つ以上のプロセッサは、前記環境ネットワークモデルに基づき、前記複数のスケジュールグループの数を決定し又は更新するよう更に構成される、例15に記載のネットワークコンポーネントである。
【0167】
例17は、前記複数のスケジューリンググループは、前記環境ネットワークモデルに基づき決定された前記第2無線ネットワークプロトコルに従う送信の通信無線周波数干渉に基づき、決定され又は更新される、例15又は16に記載のネットワークコンポーネントである。
【0168】
例18は、情報を報告する前記要求は、以下:
ビーコン報告の要求、
チャネル負荷報告の要求、
アクセス能力の要求の要求、
アクセス周期性の要求、及び/又は
近隣報告の要求、
のうりの1つ以上についての要求を含む、例1乃至17のいずれか1つに記載のネットワークコンポーネントである。
【0169】
例19は、前記命令は、
前記無線ネットワーククライアントに割り当てられた前記スケジューリンググループ、及び/又は、
前記第1無線ネットワークプロトコルに従う前記1つ以上の送信の前記スケジューリングの結果、
を示す、例1乃至18のいずれか1つに記載のネットワークコンポーネントである。
【0170】
例20は、前記スケジューリングの前記結果は、方式を含み、前記方式に従い、前記第1無線ネットワークプロトコルに従う前記1つ以上の送信がスケジューリングされ、及び/又は前記方式に従い、第2無線ネットワークプロトコルに従う前記1つ以上の送信がスケジューリングされる、例19に記載のネットワークコンポーネントである。
【0171】
例21は、(例えば、無線送信のための)システムであって、
例1乃至20のいずれか1つに記載のネットワークコンポーネントと、
1つ以上のプロセッサを含むネットワークコンポーネントであって、前記1つ以上のプロセッサは、
無線ネットワーククライアントへの第1メッセージを生成し、前記第1メッセージは、前記無線ネットワーククライアントの通信範囲内の無線ネットワークに関する情報を報告する要求を含み、
前記情報に基づき、前記無線ネットワーククライアントに、複数のスケジューリンググループのうちのスケジューリンググループを割り当て、
前記無線ネットワーククライアントに割り当てられた前記スケジューリンググループに従い、前記無線ネットワーククライアントに、第1無線ネットワークプロトコルに従う1つ以上の送信をスケジューリングし、
前記無線ネットワーククライアントへの第2メッセージを生成し、前記第2メッセージは、前記無線ネットワーククライアントに割り当てられた前記スケジューリンググループに従い、前記無線ネットワーククライアントからの第2無線ネットワークプロトコルに従う1つ以上の送信をスケジューリングする命令を含む、
よう構成される、ネットワークコンポーネントと、
を含み、
前記ネットワークコンポーネント及び前記の又は各々の無線ネットワーククライアントは、前記第1無線ネットワークプロトコルに従い互いに通信可能に結合されるよう構成される、システムである。
【0172】
例22は、前記の又は各々の無線ネットワーククライアントは、前記第2無線ネットワークプロトコルに従いネットワーク装置に通信可能に結合される、例21に記載のシステムである。
【0173】
例23は、(例えば、無線送信のための)方法であって、
無線ネットワーククライアントへの第1メッセージを生成するステップであって、前記第1メッセージは、前記無線ネットワーククライアントの通信範囲内の無線ネットワークに関する情報を報告する要求を含む、ステップと、
前記情報に基づき、前記無線ネットワーククライアントに、複数のスケジューリンググループのうちのスケジューリンググループを割り当てるステップと、
前記無線ネットワーククライアントに割り当てられた前記スケジューリンググループに従い、前記無線ネットワーククライアントに、第1無線ネットワークプロトコルに従う1つ以上の送信をスケジューリングするステップと、
前記無線ネットワーククライアントへの第2メッセージを生成するステップであって、前記第2メッセージは、前記無線ネットワーククライアントに割り当てられた前記スケジューリンググループに従い、前記無線ネットワーククライアントからの第2無線ネットワークプロトコルに従う1つ以上の送信をスケジューリングする命令を含む、ステップと、
を含み、例えば、前記方法は例1乃至22のいずれか1つに従い構成される、方法である。
【0174】
例24は、前記命令は、方式を含み、前記方式に従い、第2無線ネットワークプロトコルに従う前記1つ以上の送信がスケジューリングされる、例23に記載の方法である。
【0175】
例25は、命令を格納している1つ以上の非一時的機械可読(例えば、コンピュータ可読)媒体であって、前記命令は、ネットワークコンポーネントの少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、前記ネットワークコンポーネントに、例23又は24に記載の方法を実施させ、及び/又は、
無線ネットワーククライアントへの第1メッセージを生成させ、前記第1メッセージは、前記無線ネットワーククライアントの通信範囲内の無線ネットワークに関する情報を報告する要求を含み、
前記情報に基づき、前記無線ネットワーククライアントに、複数のスケジューリンググループのうちのスケジューリンググループを割り当てさせ、
前記無線ネットワーククライアントに割り当てられた前記スケジューリンググループに従い、前記無線ネットワーククライアントに、第1無線ネットワークプロトコルに従う1つ以上の送信をスケジューリングさせ、
前記無線ネットワーククライアントへの第2メッセージを生成させ、前記第2メッセージは、前記無線ネットワーククライアントに割り当てられた前記スケジューリンググループに従い、前記無線ネットワーククライアントからの第2無線ネットワークプロトコルに従う1つ以上の送信をスケジューリングする命令を含む、
1つ以上の非一時的機械可読媒体である。
【0176】
例26は、ネットワークコンポーネントであって、
無線ネットワーククライアントへの第1メッセージを生成する手段であって、前記第1メッセージは、前記無線ネットワーククライアントの通信範囲内の無線ネットワークに関する情報を報告する要求を含む、手段と、
前記情報に基づき、前記無線ネットワーククライアントに、複数のスケジューリンググループのうちのスケジューリンググループを割り当てる手段と、
前記無線ネットワーククライアントに割り当てられた前記スケジューリンググループに従い、前記無線ネットワーククライアントに、第1無線ネットワークプロトコルに従う1つ以上の送信をスケジューリングする手段と、
前記無線ネットワーククライアントへの第2メッセージを生成する手段であって、前記第2メッセージは、前記無線ネットワーククライアントに割り当てられた前記スケジューリンググループに従い、前記無線ネットワーククライアントからの第2無線ネットワークプロトコルに従う1つ以上の送信をスケジューリングする命令を含む、手段と、
を含み、例えば、前記ネットワークコンポーネントは例1乃至25のいずれか1つに従う1つ以上の態様を実行する手段を更に含む、ネットワークコンポーネントである。
【0177】
上述の説明及び可憐する図面は、電子装置コンポーネントを別個の要素として示すことがあるが、当業者は、別個の要素を単一の要素に結合し又は統合する様々な可能性を理解する。これらは、2つ以上の回路を結合して単一の回路を形成すること、2つ以上の回路を共通チップ又は筐体に搭載して統合要素を形成すること、個別ソフトウェアコンポーネントを共通プロセッサコア上で実行すること、等を含んでよい。逆に言えば、当業者は、単一の回路を2つ以上の別個の回路に分離する、元々その上に設けられたチップ又は筐体を別個の要素に分離する、ソフトウェアコンポーネントを2つ以上の部分に分離する、及び別個のプロセッサコア上で実行する、等のように、単一の要素を2つ以上の個別要素に分離する可能性を認識する。また、ハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネントの特定の実装は、単に説明のためであり、ここの記載の方法を実行するハードウェア及び/又はソフトウェアの他の組み合わせは本開示の範囲内にあることが理解される。
【0178】
ここに詳述した方法の実装は、本来、例であることが理解され、従って、対応する装置に実装されることが可能であると理解される。同様に、ここに詳述した装置の実装は、対応する方法として実装できることが理解される。従って、ここに詳述した方法に対応する嘘うちは、関連する方法の各態様を実行するよう構成される1つ以上のコンポーネントを含み得ることが理解される。
【0179】
上述の説明において定義された全ての頭字語は、ここに含まれる全ての請求項において更に維持される。
【0180】
本発明は、特定の実施形態を参照して特に示され説明されたが、当業者は、形式及び詳細事項の種々の変更が、添付のと挙請求の範囲に定められるような発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われてよいことを理解する。本発明の範囲は、従って、添付の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の均等な意味及び範囲内に含まれる全ての変更が包含されるべきである。
【符号の説明】
【0181】
100 ネットワークコンポーネント
106 要求メッセージ
116 命令メッセージ
102 プロセッサ
111 送信期間