(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-14
(45)【発行日】2025-02-25
(54)【発明の名称】管理システム、管理装置、管理方法、および、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
B60R 25/102 20130101AFI20250217BHJP
B60R 25/24 20130101ALI20250217BHJP
B62J 45/00 20200101ALI20250217BHJP
B62H 5/00 20060101ALN20250217BHJP
【FI】
B60R25/102
B60R25/24
B62J45/00
B62H5/00 Z
(21)【出願番号】P 2020217572
(22)【出願日】2020-12-25
【審査請求日】2023-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】道川 慧太
(72)【発明者】
【氏名】菰淵 瞬
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-322875(JP,A)
【文献】特表2020-504255(JP,A)
【文献】特開2015-200098(JP,A)
【文献】特表2007-535250(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102011006444(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0322603(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109319021(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 25/00 - 99/00
E05B 1/00 - 85/28
B62H 1/00 - 7/00
B62J 1/00 - 99/00
B62M 1/00 - 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車および前記人力駆動車に搭載されたコンポーネントの少なくとも1つに関する第1識別情報を取得するように構成され、第1ユーザによる操作に基づいて、前記第1識別情報、および前記第1ユーザに関する第1ユーザ情報を外部へ送信する電子装置と、
前記電子装置と通信可能に構成され、前記人力駆動車に関する情報を管理する管理装置と、
を備え、
前記管理装置は、
前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つに関する第2識別情報、前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つのステータスに関するステータス情報、および第2ユーザに関する第2ユーザ情報をそれぞれ関連付けて記憶する記憶部と、
前記電子装置から受信する前記第1識別情報と前記第2識別情報とが対応し、かつ、前記電子装置から受信する前記第1ユーザ情報と前記第2ユーザ情報とが対応しない場合、前記第2識別情報と関連付けられる前記ステータス情報を前記記憶部から外部へ送信する制御部と、
を備え、
前記
制御部は、前記人力駆動車に関する盗難通知を外部から受信したか否かに応じて、前記ステータス情報として、前記人力駆動車または前記コンポーネントが盗難されていない状態を示す第1ステータス、
または、前記人力駆動車または前記コンポーネントが盗難されている状態を示す第2ステータス
の何れか一方のステータスを表すステータス情報を前記記憶部に記憶させる、管理システム。
【請求項2】
前記電子装置は、前記人力駆動車に搭載される、請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記電子装置は、前記第1ユーザにより携帯される、請求項1に記載の管理システム。
【請求項4】
前記第2ユーザは、前記人力駆動車の正規ユーザであり、
前記第1ユーザは、前記第2ユーザにより承認された第三者である、請求項1から3のいずれかに記載の管理システム。
【請求項5】
前記電子装置は、人力駆動車およびコンポーネントの少なくとも1つが動作制限されている人力駆動車に関して前記管理装置からステータス情報を取得し、取得したステータス情報に基づき、前記人力駆動車および前記コンポーネントのステータスが前記第1ステータスにあると判断した場合、前記動作制限を解除するための解除要求を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記電子装置からの前記解除要求の受信に応じて、前記動作制限を解除するための解除コマンドを前記電子装置に送信する、請求項4に記載の管理システム。
【請求項6】
前記電子装置は、人力駆動車およびコンポーネントの少なくとも1つが動作制限されている人力駆動車に関して前記管理装置からステータス情報を取得し、取得したステータス情報に基づき、前記人力駆動車および前記コンポーネントのステータスが前記第1ステータスにあると判断した場合、乱数を生成して前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、あらかじめ生成された秘密鍵を用いて前記乱数を暗号化し、暗号化された前記乱数を前記電子装置に送信し、
前記電子装置は、前記秘密鍵に対応する公開鍵を用いて、暗号化された前記乱数を復号し、
暗号化される前の前記乱数と、復号された後の前記乱数と、が一致する場合、前記動作制限が解除される、請求項4に記載の管理システム。
【請求項7】
第1ユーザによる操作に基づいて、人力駆動車および前記人力駆動車に搭載されたコンポーネントの少なくとも1つに関する第1識別情報、および前記第1ユーザに関する第1ユーザ情報を外部へ送信する電子装置と通信可能に構成される通信部と、
前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つに関する第2識別情報、前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つのステータスに関するステータス情報、および第2ユーザに関する第2ユーザ情報をそれぞれ関連付けて記憶する記憶部と、
前記電子装置から受信する前記第1識別情報と前記第2識別情報とが対応し、かつ、前記電子装置から受信する前記第1ユーザ情報と前記第2ユーザ情報とが対応しない場合、前記第2識別情報と関連付けられる前記ステータス情報を前記記憶部から外部へ送信する制御部と、
を備え、
前記
制御部は、前記人力駆動車に関する盗難通知を外部から受信したか否かに応じて、前記ステータス情報として、前記人力駆動車または前記コンポーネントが盗難されていない状態を示す第1ステータス、
または、前記人力駆動車または前記コンポーネントが盗難されている状態を示す第2ステータス
の何れか一方のステータスを表すステータス情報を前記記憶部に記憶させる、管理装置。
【請求項8】
第1ユーザによる操作に基づいて、人力駆動車および前記人力駆動車に搭載されたコンポーネントの少なくとも1つに関する第1識別情報、および前記第1ユーザに関する第1ユーザ情報を外部へ送信する電子装置から、前記第1識別情報および前記第1ユーザ情報を取得し、
前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つに関する第2識別情報、前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つの
ステータスとして、前記人力駆動車に関する盗難通知を外部から受信したか否かに応じて登録される、前記人力駆動車または前記コンポーネントが盗難されていない状態を示す第1ステータス、
または、前記人力駆動車または前記コンポーネントが盗難されている状態を示す第2ステータス
の何れか一方のステータスを表すステータス情報、および第2ユーザに関する第2ユーザ情報をそれぞれ関連付けて記憶する記憶部から、前記第2識別情報および前記第2ユーザ情報を取得し、
前記電子装置から取得した前記第1識別情報と前記記憶部から取得した前記第2識別情報とが対応し、かつ、前記電子装置から取得した前記第1ユーザ情報と前記記憶部から取得した前記第2ユーザ情報とが対応しない場合、前記第2識別情報と関連付けられる前記ステータス情報を前記記憶部から外部へ送信する、
管理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
第1ユーザによる操作に基づいて、人力駆動車および前記人力駆動車に搭載されたコンポーネントの少なくとも1つに関する第1識別情報、および前記第1ユーザに関する第1ユーザ情報を外部へ送信する電子装置から、前記第1識別情報および前記第1ユーザ情報を取得し、
前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つに関する第2識別情報、前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つの
ステータスとして、前記人力駆動車に関する盗難通知を外部から受信したか否かに応じて登録される、前記人力駆動車または前記コンポーネントが盗難されていない状態を示す第1ステータス、
または、前記人力駆動車または前記コンポーネントが盗難されている状態を示す第2ステータス
の何れか一方のステータスを表すステータス情報、および第2ユーザに関する第2ユーザ情報をそれぞれ関連付けて記憶する記憶部から、前記第2識別情報および前記第2ユーザ情報を取得し、
前記電子装置から取得した前記第1識別情報と前記記憶部から取得した前記第2識別情報とが対応し、かつ、前記電子装置から取得した前記第1ユーザ情報と前記記憶部から取得した前記第2ユーザ情報とが対応しない場合、前記第2識別情報と関連付けられる前記ステータス情報を前記記憶部から外部へ送信する、
処理を実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム、管理装置、管理方法、および、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電動コンポーネントが装備されたロードバイク、マウンテンバイク、電動アシストバイク(e-bike)などの人力駆動車が流通している。人力駆動車の駐車スペースは、屋外に設けられていることが多く、不特定多数の者がアクセス可能である。このため、所有者は人力駆動車の盗難被害に遭う可能性がある。電動コンポーネントが装備された人力駆動車は高価であることが多く、盗難被害に遭った場合の所有者のダメージは大きい。
【0003】
特許文献1には、自転車に生じる振動を監視し、振動が検出された場合に通信によって警報を通知する盗難防止機能が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、ユーザの携帯電話機等に異常を通知することによって、盗難防止を図っている。
【0006】
本発明は、正規ユーザ以外の第三者に人力駆動車のステータス情報を通知できる管理システム、管理装置、管理方法、および、コンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1側面に従う管理システムは、人力駆動車および前記人力駆動車に搭載されたコンポーネントの少なくとも1つに関する第1識別情報を取得するように構成され、第1ユーザによる操作に基づいて、前記第1識別情報、および前記第1ユーザに関する第1ユーザ情報を外部へ送信する電子装置と、前記電子装置と通信可能に構成され、前記人力駆動車に関する情報を管理する管理装置と、を備え、前記管理装置は、前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つに関する第2識別情報、前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つのステータスに関するステータス情報、および第2ユーザに関する第2ユーザ情報をそれぞれ関連付けて記憶する記憶部と、前記電子装置から受信する前記第1識別情報と前記第2識別情報とが対応し、かつ、前記電子装置から受信する前記第1ユーザ情報と前記第2ユーザ情報とが対応しない場合、前記第2識別情報と関連付けられる前記ステータス情報を前記記憶部から外部へ送信する制御部と、を備える。
【0008】
上記第1側面の管理システムによれば、管理装置は、例えば正規ユーザとは異なる第三者のユーザ情報を電子装置から受信する場合、その時点で登録されている人力駆動車のステータス情報を通知する。ステータス情報が人力駆動車の盗難の有無を示す情報を含む場合、第三者は、管理装置から通知されるステータス情報に基づき、人力駆動車の盗難の有無を把握できる。
【0009】
前記第1側面に従う第2側面の管理システムにおいて、前記電子装置は、前記人力駆動車に搭載される。
【0010】
上記第2側面の管理システムによれば、人力駆動車に搭載された電子装置を操作することによって、第1ユーザに関する第1ユーザ情報を電子装置から外部へ送信できる。
【0011】
上記第1側面に従う第3側面の管理システムにおいて、前記電子装置は、前記第1ユーザにより携帯される。
【0012】
上記第3側面の管理システムによれば、ユーザが携帯する電子装置を操作することによって、第1ユーザに関する第1ユーザ情報を電子装置から外部へ送信できる。
【0013】
上記第1側面から上記第3側面のいずれか1つに従う第4側面の管理システムにおいて、前記ステータス情報は、前記人力駆動車の盗難の有無を示す情報である。
【0014】
上記第4側面の管理システムによれば、人力駆動車の盗難の有無を示すステータス情報を、第2ユーザとは異なる第1ユーザに通知できる。
【0015】
上記第1側面から上記第4側面のいずれか1つに従う第5側面の管理システムにおいて、前記第2ユーザは、前記人力駆動車の正規ユーザであり、前記第1ユーザは、前記第2ユーザにより承認された第三者である。
【0016】
上記第5側面の管理システムによれば、人力駆動車の正規ユーザとは異なる承認された第三者に人力駆動車のステータス情報を通知できる。
【0017】
上記第5側面に従う第6側面の管理システムにおいて、前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つの動作制限がなされ、かつ、前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つに関する前記ステータスが第1ステータスにある場合、前記電子装置は、前記動作制限を解除するための解除要求を前記管理装置に送信し、前記管理装置は、前記電子装置からの前記解除要求の受信に応じて、前記動作制限を解除するための解除コマンドを前記電子装置に送信する。
【0018】
上記第6側面の管理システムによれば、人力駆動車およびコンポーネントの少なくとも1つが動作制限されている場合であっても、正規ユーザの手を介すことなく、電子装置を操作する第1ユーザからの解除要求によって動作制限を解除できる。
【0019】
本発明の第5側面に従う第7側面の管理システムにおいて、前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つの動作制限がなされ、かつ、前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つ前記ステータスが第1ステータスにある場合、前記電子装置は、乱数を生成して前記管理装置に送信し、前記管理装置は、あらかじめ生成された秘密鍵を用いて前記乱数を暗号化し、暗号化された前記乱数を前記電子装置に送信し、前記電子装置は、前記秘密鍵に対応する公開鍵を用いて、暗号化された前記乱数を復号し、暗号化される前の前記乱数と、復号された後の前記乱数と、が一致する場合、前記動作制限が解除される。
【0020】
上記第7側面の管理システムによれば、管理装置は秘密鍵を用いてデジタル署名を行い、電子装置は管理装置の秘密鍵に対応する公開鍵を用いてデジタル署名を検証する。電子装置は、デジタル署名の検証によって、管理装置を承認する場合、人力駆動車およびコンポーネントの動作制限を解除する。このため、何らかの理由によって動作制限された人力駆動車がディーラなどの第三者に持ち込まれた場合であっても、第三者が公開鍵を有していれば、正規ユーザの手を介すことなく、動作制限を解除できる。
【0021】
上記第6側面または上記第7側面に従う第8側面の管理システムにおいて、前記第1ステータスは、前記人力駆動車が盗難されていないというステータスである。
【0022】
上記第8側面の管理システムによれば、人力駆動車が盗難されていない場合、第1ユーザからの解除要求によって動作制限を解除できる。
【0023】
本発明の第9側面に従う管理装置は、第1ユーザによる操作に基づいて、人力駆動車および前記人力駆動車に搭載されたコンポーネントの少なくとも1つに関する第1識別情報、および前記第1ユーザに関する第1ユーザ情報を外部へ送信する電子装置と通信可能に構成される通信部と、前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つに関する第2識別情報、前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つのステータスに関するステータス情報、および第2ユーザに関する第2ユーザ情報をそれぞれ関連付けて記憶する記憶部と、前記電子装置から受信する前記第1識別情報と前記第2識別情報とが対応し、かつ、前記電子装置から受信する前記第1ユーザ情報と前記第2ユーザ情報とが対応しない場合、前記第2識別情報と関連付けられる前記ステータス情報を前記記憶部から外部へ送信する制御部と、を備える。
【0024】
上記第9側面の管理装置によれば、管理装置は、例えば正規ユーザとは異なる第三者のユーザ情報を電子装置から受信する場合、その時点で登録されている人力駆動車のステータス情報を通知する。ステータス情報が人力駆動車の盗難の有無を示す情報を含む場合、第三者は、管理装置から通知されるステータス情報に基づき、人力駆動車の盗難の有無を把握できる。
【0025】
本発明の第10側面に従う管理方法は、第1ユーザによる操作に基づいて、人力駆動車および前記人力駆動車に搭載されたコンポーネントの少なくとも1つに関する第1識別情報、および前記第1ユーザに関する第1ユーザ情報を外部へ送信する電子装置から、前記第1識別情報および前記第1ユーザ情報を取得し、前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つに関する第2識別情報、前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つのステータスに関するステータス情報、および第2ユーザに関する第2ユーザ情報をそれぞれ関連付けて記憶する記憶部から、前記第2識別情報および前記第2ユーザ情報を取得し、前記電子装置から取得した前記第1識別情報と前記記憶部から取得した前記第2識別情報とが対応し、かつ、前記電子装置から取得した前記第1ユーザ情報と前記記憶部から取得した前記第2ユーザ情報とが対応しない場合、前記第2識別情報と関連付けられる前記ステータス情報を前記記憶部から外部へ送信する。
【0026】
上記第10側面の管理方法によれば、管理装置は、例えば正規ユーザとは異なる第三者のユーザ情報を電子装置から受信した場合、その時点で登録されている人力駆動車のステータス情報を通知する。ステータス情報が人力駆動車の盗難の有無を示す情報を含む場合、第三者は、管理装置から通知されるステータス情報に基づき、人力駆動車の盗難の有無を把握できる。
【0027】
本発明の第11側面に従うコンピュータプログラムは、コンピュータに、第1ユーザによる操作に基づいて、人力駆動車および前記人力駆動車に搭載されたコンポーネントの少なくとも1つに関する第1識別情報、および前記第1ユーザに関する第1ユーザ情報を外部へ送信する電子装置から、前記第1識別情報および前記第1ユーザ情報を取得し、前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つに関する第2識別情報、前記人力駆動車および前記コンポーネントの少なくとも1つのステータスに関するステータス情報、および第2ユーザに関する第2ユーザ情報をそれぞれ関連付けて記憶する記憶部から、前記第2識別情報および前記第2ユーザ情報を取得し、前記電子装置から取得した前記第1識別情報と前記記憶部から取得した前記第2識別情報とが対応し、かつ、前記電子装置から取得した前記第1ユーザ情報と前記記憶部から取得した前記第2ユーザ情報とが対応しない場合、前記第2識別情報と関連付けられる前記ステータス情報を前記記憶部から外部へ送信する、処理を実行させる。
【0028】
上記第11側面のコンピュータプログラムによれば、人力駆動車のステータス情報を、例えば正規ユーザとは異なる第三者に通知する実行環境をコンピュータを用いて構築できる。
【発明の効果】
【0029】
本願によれば、正規ユーザ以外の第三者に人力駆動車のステータス情報を通知できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】第1実施形態における管理システムの全体構成を説明する模式図である。
【
図3】人力駆動車の制御系の構成を説明するブロック図である。
【
図4】管理装置の構成を説明するブロック図である。
【
図6】管理装置におけるステータス登録処理の処理手順を説明するフローチャートである。
【
図7】第1実施形態の管理システムにおいて実行される処理の手順を説明するフローチャートである。
【
図8】第2実施形態におけるロック解除の処理を説明するフローチャートである。
【
図9】第3実施形態における電子装置および管理装置の構成を説明する説明図である。
【
図10】第3実施形態におけるロック解除の処理手順を説明するフローチャートである。
【
図11】第4実施形態における管理システムの全体構成を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態における管理システムの全体構成を説明する模式図である。第1実施形態における管理システムは、人力駆動車1に搭載される電子装置100と、人力駆動車1の情報を管理する管理装置200とを備える。電子装置100および管理装置200は、通信ネットワークNを介して、互いに通信可能に構成される。通信ネットワークNは、3G、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、インターネット回線、専用回線、衛星回線などの通信回線や基地局などの通信設備により構成される。管理システムには、通信ネットワークNを介して管理装置200と通信可能に構成されるユーザ端末300が含まれてもよい。
【0032】
人力駆動車1は、走行のための原動力に関して、少なくとも部分的に人力を用いる車両である。内燃機関または電動機のみを原動力に用いる車両は、本実施形態の人力駆動車1から除外される。人力駆動車1は、例えば、マウンテンバイク、ロードバイク、クロスバイク、シティサイクル、電動アシストバイク(e-bike)等を含む自転車である。人力駆動車1の構成については後に詳述する。
【0033】
電子装置100は、一例では、人力駆動車1に搭載されるサイクルコンピュータなどの端末装置である。電子装置100は、第1ユーザの操作に基づき、通信ネットワークNを介して管理装置200にアクセスする。電子装置100は、管理装置200にアクセスする際、第1識別情報および第1ユーザ情報を管理装置200へ送信する。電子装置100の構成については後に詳述する。
【0034】
第1識別情報は、人力駆動車1および人力駆動車1に搭載されたコンポーネントの少なくとも1つに関する識別情報であり、製造者名、販売者名、製品名、型番、製造日、および製造番号の少なくとも1つを含む。第1識別情報は、人力駆動車1およびコンポーネントの少なくとも1つに付された二次元コードから読み取ることも可能である。第1ユーザ情報は、電子装置100を操作する第1ユーザに関する情報であり、例えば、氏名、生年月日、電話番号、メールアドレス、ユーザID、パスワード、および生体情報の少なくとも1つを含む。第1ユーザは、例えば、正規ユーザ以外の第三者であり、人力駆動車1の窃盗者、および所定のルートで持ち込まれる人力駆動車1を扱うディーラを含む。正規ユーザは、例えば、人力駆動車1を購入した正規の所有者である。「所定ルートで持ち込まれる」とは、窃盗者自身が人力駆動車1を持ち込む場合、および窃盗者から人力駆動車1を譲り受けた譲受人が人力駆動車1を持ち込む場合を含む。例えば、ディーラは、正規ユーザが認知していないディーラおよび正規ユーザが認知しているディーラのいずれかであり、後者の場合、ディーラは、正規ユーザによって承認された第三者となり得る。
【0035】
管理装置200は、人力駆動車1に関する情報を管理するサーバ装置である。管理装置200は、第2識別情報、ステータス情報、および、第2ユーザ情報をそれぞれ関連付けて記憶する記憶部204を備える。管理装置200の構成については後に詳述する。
【0036】
第2識別情報は、人力駆動車1およびコンポーネントの少なくとも1つに関する識別情報であり、製造者名、販売者名、製品名、型番、製造日、および製造番号の少なくとも1つを含む。第2識別情報は、人力駆動車1およびコンポーネントの少なくとも1つに付された二次元コードから読み取ることも可能である。ステータス情報は、人力駆動車1およびコンポーネントの少なくとも1つのステータスに関する情報であり、例えば、「通常」、「ロック状態」、「盗難中」などのステータスを含む。「通常」とは、人力駆動車1が盗難されておらず、通常に使用されている状態を意味する。「ロック状態」とは、人力駆動車1およびコンポーネントの少なくとも1つの動作が物理的または電子的に制限された状態を意味し、車輪がロックされた状態を含む。「盗難中」とは、人力駆動車1が盗難されている状態を意味する。ステータス情報は、例えば、正規ユーザからの通知に基づき、管理装置200に登録され、人力駆動車1が盗難されている場合、「盗難中」のステータス情報が登録される。人力駆動車1およびコンポーネントの少なくとも1つにステータスを判別する機能が搭載されている場合、ステータス情報は、人力駆動車1に搭載された電子装置100からの通知に基づき、管理装置200に登録されてもよい。第2ユーザ情報は、管理装置200に登録されるユーザに関する情報であり、例えば、氏名、生年月日、電話番号、メールアドレス、ユーザID、パスワード、および生体情報の少なくとも1つを含む。第2ユーザは、例えば、人力駆動車1の正規ユーザである。
【0037】
管理装置200は、電子装置100から第1識別情報および第1ユーザ情報を受信した場合、記憶部204に記憶されている第2識別情報および第2ユーザ情報とそれぞれ対応するか否かを判断する。第1識別情報と第2識別情報とが対応し、かつ、第1ユーザ情報と第2ユーザ情報とが対応しない場合、管理装置200は、第2識別情報に関連付けられている人力駆動車1のステータス情報を外部へ送信する。例えば、管理装置200は、正規ユーザ以外の第三者による操作に基づいて、電子装置100から正規ユーザ以外の第三者のユーザ情報を受信する場合、その時点で登録されている人力駆動車1のステータス情報を通知する。ステータス情報の通知先は、例えば電子装置100である。ステータス情報の通知先は、正規ユーザが携帯するユーザ端末300であってもよい。ユーザ端末300は、ユーザによって携帯されるスマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末などの端末を含む。
【0038】
図2は人力駆動車1の構成を説明する側面図である。人力駆動車1は、車両本体10、前輪12、後輪14、ハンドルバー16、シート18、および、駆動機構20を備える。以下の説明において、前後、左右、および、上下の各方向を表す用語は、ライダーが人力駆動車1のシート18に着座した状態における方向を基準として用いられる。
【0039】
車両本体10は、フレーム10Aおよびフロントフォーク10Bを備える。前輪12は、フロントフォーク10Bに回転可能に支持される。後輪14は、フレーム10Aに回転可能に支持される。ハンドルバー16は、前輪12の進行方向を変更できるように、フレーム10Aに支持される。
【0040】
駆動機構20は、人力駆動力を後輪14へ伝達する。駆動機構20は、クランク22、フロントスプロケットアセンブリ24A、リアスプロケットアセンブリ24B、チェーン26、および、一対のペダル28,28を含む。駆動機構20は、更に、チェーン26が外れることを抑制するためのチェーンデバイスを備えてもよい。
【0041】
クランク22は、右クランク22A、左クランク22B、および、クランク軸22Cを含む。クランク軸22Cは、フレーム10Aに回転可能に支持される。右クランク22Aおよび左クランク22Bは、それぞれクランク軸22Cに連結される。一対のペダル28,28の一方は右クランク22Aに回転可能に支持され、他方は左クランク22Bに回転可能に支持される。
【0042】
フロントスプロケットアセンブリ24Aは、クランク軸22Cに連結されており、クランク軸22Cと一体的に回転する。フロントスプロケットアセンブリ24Aは、一例では、外径が異なる複数のフロントスプロケットを含む。複数のフロントスプロケットの外径は、クランク軸22Cの回転軸心と平行な方向において、車両本体10の中心面から外側に向かって大きくなる。
【0043】
リアスプロケットアセンブリ24Bは、後輪14のリアハブ14Aに回転可能に支持される。リアスプロケットアセンブリ24Bは、一例では、外径が異なる複数のリアスプロケットを含む。複数のリアスプロケットの外径は、ハブアセンブリの回転軸心と平行な方向において、車両本体10の中心面から外側に向かって小さくなる。
【0044】
チェーン26は、フロントスプロケットアセンブリ24Aおよびリアスプロケットアセンブリ24Bに巻き掛けられる。ペダル28,28に加えられる人力駆動力によってクランク22が前転すると、フロントスプロケットアセンブリ24Aがクランク22と共に前転する。フロントスプロケットアセンブリ24Aの回転は、チェーン26を介してリアスプロケットアセンブリ24Bに伝達し、後輪14を回転させる。チェーン26の代わりに、ベルトまたはシャフトを用いてもよい。
【0045】
人力駆動車1は、バッテリユニット60から供給される電力によって動作し、制御装置120によって動作が制御されるコンポーネントを備える。制御装置120は
図3において示される。コンポーネントは、変速装置32、アシスト装置34、ブレーキ装置36、アンチロックブレーキ(ABS:Anti-lock Brake System)装置38、サスペンション装置40、および、アジャスタブルシートポスト42の少なくとも1を含む。コンポーネントは、例えば操作装置30によって制御状態が切り替えられる。
【0046】
操作装置30は、ハンドルバー16に設けられる。操作装置30は、例えば、ライダーの指によって操作される操作スイッチ30A,30Bを備える。操作スイッチ30A,30Bは、変速装置32、アシスト装置34、ブレーキ装置36、アンチロックブレーキ装置38、サスペンション装置40、および、アジャスタブルシートポスト42の少なくとも1つの制御状態を切り替えるためのスイッチである。操作装置30は、例えば、人力駆動車1に設けられるサイクルコンピュータであってもよいし、人力駆動車1のライダーが所持するスマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末などであってもよい。
【0047】
人力駆動車1に搭載される操作装置30の数は1つである必要はなく、複数であってもよい。
図1に示した例では、操作装置30が2つの操作スイッチ30A,30Bを備える構成としたが、1つまたは3つ以上の操作スイッチを備える構成であってもよい。操作装置30は、スイッチを備える構成に限定されず、操作レバーまたは操作ダイヤル等を備える構成であってもよい。
【0048】
操作装置30は、制御装置120に接続されており、操作スイッチ30Aまたは操作スイッチ30Bの操作に応じた操作信号を制御装置120へ与える。
【0049】
制御装置120は、例えば、操作装置30から与えられる操作信号に応じて、人力駆動車1が備えるコンポーネントの動作を制御するコンピュータである。制御装置120には、制御対象のコンポーネントが通信線を介して接続される。制御装置120に接続されるコンポーネントは、変速装置32、アシスト装置34、ブレーキ装置36、アンチロックブレーキ装置38、サスペンション装置40、および、アジャスタブルシートポスト42の少なくとも1つを含む。制御装置120は、操作装置30から与えられる操作信号に応じて制御信号を生成し、生成した制御信号を制御対象のコンポーネントへ送信することによって、コンポーネントの動作を制御する。
【0050】
制御装置120およびコンポーネントを接続する通信線は、PLC(Power Line Communication)において用いられる電力供給線であってもよい。制御装置120およびコンポーネントは有線接続に限らず、ANT(登録商標)、ANT+(登録商標)、Bluetooth(登録商標) 、WiFi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)などの無線によって接続されてもよい。
【0051】
変速装置32は、例えば、リアスプロケットアセンブリ24Bに設けられる。変速装置32は、駆動回路32A、電動アクチュエータ32B、および、チェーンガイド32Cを備える。駆動回路32Aおよび電動アクチュエータ32Bは
図3において示される。変速装置32の駆動回路32Aは、制御装置120からの制御信号によって、電動アクチュエータ32Bを駆動する。電動アクチュエータ32Bは、チェーンガイド32Cを駆動して、チェーン26が巻き掛けられるリアスプロケットを変更し、人力駆動車1の変速比を切り替える。変速装置32は、フロントスプロケットアセンブリ24Aに設けられてもよい。
【0052】
変速装置32は、一例では、外装変速機である。変速装置32が外装変速機である場合、リアスプロケットアセンブリ24Bは、外径が異なる複数のリアスプロケットを含む。シフトアップが指示される場合、駆動回路32Aは電動アクチュエータ32Bを駆動し、チェーン26が巻き掛けられるリアスプロケットを現在のリアスプロケットよりも外径が小さいリアスプロケットに変更する。シフトダウンが指示される場合、駆動回路32Aは電動アクチュエータ32Bを駆動し、チェーン26が巻き掛けられるリアスプロケットを現在のリアスプロケットよりも外径が大きいリアスプロケットに変更する。
【0053】
他の例では、変速装置32は内装変速機である。内装変速機は、例えばリアハブ14Aに設けられ、リアスプロケットアセンブリ24Bに入力された回転を変速して後輪14に伝達する。内装変速機のリアスプロケットアセンブリ24Bに含まれるリアスプロケットは単一である。変速装置32は、無段変速機であってもよい。
【0054】
アシスト装置34は、駆動機構20に対して設けられる。アシスト装置34は、駆動回路34Aおよび電動アクチュエータ34Bを備える。駆動回路34Aおよび電動アクチュエータ34Bは
図3において示される。アシスト装置34の駆動回路34Aは、制御装置120からの制御信号によって、電動アクチュエータ34Bを駆動する。電動アクチュエータ34Bの駆動力は、人力駆動車1の走行を補助する補助駆動力として出力される。アシスト装置34の制御状態は、補助駆動力が異なる複数の制御状態を含む。アシスト装置34における制御状態はアシストレベルともいう。アシスト装置34は、例えばクランク22に作用する人力駆動力に応じて、アシストレベルを変更する。アシストレベルは、たとえば4段階設けられる場合、強アシストレベル、中アシストレベル、弱アシストレベル、およびゼロアシストレベルを含む。ゼロアシストレベルでは、電動アクチュエータ34Bを駆動せず、アシストが行われない。アシスト装置34は、人力駆動車1を制動する回生ブレーキ装置としても機能するように構成されてもよい。
【0055】
ブレーキ装置36は、例えば、前輪12および後輪14に設けられるリムブレーキである。前輪12に設けられるブレーキ装置36は、駆動回路36A、電動アクチュエータ36B、および、前輪12のホイールに接触可能なブレーキパッドを含むキャリパ36Cを備える。駆動回路36Aおよび電動アクチュエータ36Bは
図3において示される。ブレーキ装置36は、ハンドルバー16に設けられるブレーキ操作装置36Dに接続されてもよい。ブレーキ装置36の駆動回路36Aは、制御装置120からの制御信号、または、ブレーキ操作装置36Dの操作に応じて、電動アクチュエータ36Bを駆動する。電動アクチュエータ36Bは、キャリパ36Cを駆動し、ブレーキパッドを前輪12のホイールに接触させることによって、前輪12の回転力を減衰させる。
【0056】
後輪14に設けられるブレーキ装置36は、駆動回路36A、電動アクチュエータ36B、および、後輪14のホイールに接触可能なブレーキパッドを含むキャリパ36Cを備える。駆動回路36Aおよび電動アクチュエータ36Bは
図3において示される。ブレーキ装置36は、ハンドルバー16に設けられるブレーキ操作装置36Dに接続されてもよい。ブレーキ装置36の駆動回路36Aは、制御装置120からの制御信号、または、ブレーキ操作装置36Dの操作に応じて、電動アクチュエータ36Bを駆動する。電動アクチュエータ36Bは、キャリパ36Cを駆動し、ブレーキパッドを後輪14のホイールに接触させることによって、後輪14の回転力を減衰させる。
【0057】
ブレーキ装置36は、前輪12のハブおよび後輪14のハブに取り付けられる回転体に接触可能なブレーキパッドを含むディスクブレーキであってもよい。ディスクブレーキでは、例えば、電動アクチュエータによって流体を制御してブレーキパッドを移動させ、ブレーキパッドを回転体(ディスクブレーキロータ)に押し当てることによって、前輪12または後輪14の回転力を減衰させる。または、ディスクブレーキは、電動アクチュエータによって直接的にブレーキパッドを移動させ、ブレーキパッドを回転体に押し当てることによって、前輪12または後輪14の回転力を減衰させる。
【0058】
アンチロックブレーキ装置38は、ブレーキ装置36に対して設けられる。アンチロックブレーキ装置38は、作動油を溜めるリザーバ、ブレーキ装置36のキャリパ36Cに作動油を供給して油圧を与えるポンプ、キャリパ36Cに与えられる油圧を調節するバルブ、および、バルブの開閉を制御する駆動回路38Aを備える。駆動回路38Aは
図3において示される。アンチロックブレーキ装置38の駆動回路38Aは、制御装置120からの制御信号によって、バルブの開閉を制御し、キャリパ36Cに与える油圧を調節して、ブレーキ装置36から前輪12または後輪14に与えられる制動力を制御する。アンチロックブレーキ装置38は、キャリパ36Cに与える油圧の大きさが異なる複数の制御状態にて動作できる。
【0059】
サスペンション装置40は、例えば、フロントフォーク10Bに設けられ、前輪12に加えられる衝撃を減衰するフロントサスペンションである。サスペンション装置40は、駆動回路40Aおよび電動アクチュエータ40Bを備える。駆動回路40Aおよび電動アクチュエータ40Bは
図3において示される。サスペンション装置40は、動作パラメータとして、例えば、減衰率、反発力、ストローク量、およびロックアウト状態を設定することによって制御される。サスペンション装置40の駆動回路40Aは、制御装置120からの制御信号によって、電動アクチュエータ40Bを駆動し、前輪12に加えられた衝撃を減衰させる。サスペンション装置40は、後輪14に加えられる衝撃を減衰するリアサスペンションであってもよい。
【0060】
アジャスタブルシートポスト42は、フレーム10Aに取り付けられる。アジャスタブルシートポスト42は、駆動回路42Aおよび電動アクチュエータ42Bを備える。駆動回路42Aおよび電動アクチュエータ42Bは
図3において示される。アジャスタブルシートポスト42の駆動回路42Aは、制御装置120からの制御信号によって、電動アクチュエータ42Bを駆動し、シート18をフレーム10Aに対して上昇および下降させる。
【0061】
人力駆動車1は、人力駆動車1の状態をロック状態およびロック解除状態の一方から他方に切り替えるロック装置50を備える。ロック状態は、人力駆動車1の動作、および、人力駆動車1に搭載されるコンポーネントの動作の少なくとも一方が制限される動作制限状態である。ロック解除状態は、人力駆動車1およびコンポーネントの動作制限が解除される非動作制限状態である。
【0062】
図1に一例として示すロック装置50は後輪14に対して設けられている。ロック装置50は、駆動回路50Aおよび電動アクチュエータ50Bを備える。駆動回路50Aおよび電動アクチュエータ50Bは
図3において示される。ロック装置50の駆動回路50Aは、ライダーのロック操作に応じて、電動アクチュエータ50Bを駆動し、後輪14の回転を物理的に規制する。ロック装置50は、後輪14の回転を物理的に規制することによって、人力駆動車1の状態をロック解除状態からロック状態に切り替える。ロック装置50の駆動回路50Aは、ライダーのロック解除操作に応じて、電動アクチュエータ50Bの駆動を解除し、後輪14の回転を許容する。ロック装置50は、後輪14の回転を許容することによって、人力駆動車1の状態をロック状態からロック解除状態に切り替える。ライダーによるロック操作およびロック解除操作は、物理的な鍵を用いた操作であってもよく、電子装置100を用いた電子キーの入力操作であってもよい。
【0063】
ロック装置50は、後輪14の回転を規制する構成に限らず、前輪12またはクランク22の回転を規制する構成であってもよい。この場合、ロック装置50は、ライダーによるロック操作に応じて、前輪12またはクランク22の回転を規制し、人力駆動車1の状態をロック状態に切り替える。また、ロック装置50は、ライダーによるロック解除操作に応じて、前輪12またはクランク22の回転を許容し、人力駆動車1の状態をロック解除状態に切り替える。
【0064】
ロック装置50は、人力駆動車1に搭載されるコンポーネントの動作を制限する構成であってもよい。例えば、ロック装置50が変速装置32の動作を制限する場合、ロック装置50は、ライダーのロック操作に応じて、駆動回路32Aを制御し、電動アクチュエータ32Bの動作を禁止すればよい。また、ロック装置50は、ライダーのロック解除操作に応じて、動作制限を解除し、電動アクチュエータ32Bの動作を許容すればよい。ロック装置50は、変速装置32に限らず、アシスト装置34、アンチロックブレーキ装置38、サスペンション装置40、アジャスタブルシートポスト42の動作を制限する構成としてもよい。
【0065】
バッテリユニット60は、バッテリ60Aおよびバッテリホルダ60Bを含む。バッテリ60Aは、1または複数のバッテリセルを含む蓄電池である。バッテリホルダ60Bは、人力駆動車1のフレーム10Aに固定される。バッテリ60Aは、バッテリホルダ60Bに、着脱可能に取り付けられる。バッテリ60Aは、変速装置32、アシスト装置34、ブレーキ装置36、アンチロックブレーキ装置38、サスペンション装置40、アジャスタブルシートポスト42、ロック装置50、制御装置120などにそれぞれ電気的に接続され、必要に応じて電力を供給する。
【0066】
人力駆動車1は、更に、車速センサS1、加速度センサS2、トルクセンサS3、および、ケイデンスセンサS4などのセンサを備える。以下の説明において、それぞれを個別に説明する必要がない場合、センサS1~S4とも記載する。
【0067】
人力駆動車1は、さらに、電子装置100を備える。電子装置100は、人力駆動車1のフレーム10Aに設けられるサイクルコンピュータなどの専用端末である。電子装置100は、他の例では、人力駆動車1のライダーが所持するスマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末などの汎用端末である。電子装置100の構成については、
図3を用いて詳細に説明する。
【0068】
図3は人力駆動車1の制御系の構成を説明するブロック図である。人力駆動車1は、電子装置100および制御装置120、ならびに、制御装置120によって動作が制御される電動のコンポーネントを備える。コンポーネントは、変速装置32、アシスト装置34、ブレーキ装置36、アンチロックブレーキ装置38、サスペンション装置40、アジャスタブルシートポスト42、および、ロック装置50を含む。
【0069】
電子装置100は、制御部102、記憶部104、操作部106、表示部108、および、通信部110を備える。制御部102は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備える。制御部102が備えるROMには、電子装置100が備えるハードウェア各部の動作を制御する制御プログラムが記憶される。制御部102が備えるCPUは、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより、装置全体を本発明の電子装置として機能させる。制御部102が備えるRAMには、制御の実行中に生成される一時的なデータが記憶される。
【0070】
記憶部104は、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read Only Memory)などのメモリを備える。記憶部104には、例えば、人力駆動車1を識別する識別情報、および、人力駆動車1に搭載されたコンポーネントを識別する識別情報の少なくとも1つを含む第1識別情報が記憶される。第1識別情報は、例えば、人手により入力され、記憶部104に記憶される。電子装置100は、各コンポーネントと通信して、それぞれの識別情報を取得し、記憶部104に記憶させてもよい。
【0071】
操作部106は、タッチパネル、ボタン、スイッチなどのユーザの操作を受付けるためのユーザインタフェースを備える。操作部106は、ユーザの操作によって各種の情報を受付ける。受付けた情報は、制御部102へ出力される。制御部102は、操作部106から入力された情報に基づき適宜の制御を実行し、必要に応じて入力された情報を記憶部104に記憶させる。例えば、操作部106を通じて第1ユーザ情報を受付けた場合、制御部102は、記憶部104から第1識別情報を読み出し、受付けた第1ユーザ情報と共に、管理装置200へ送信する。
【0072】
表示部108は、液晶表示パネル、有機EL(Electro-Luminescence)表示パネル等の表示デバイスを備えており、制御部102からの指示に基づき、ユーザに通知すべき情報を表示する。
【0073】
通信部110は、通信ネットワークNに接続するための通信インタフェースを備える。通信部110が備える通信インタフェースは、3G、4G、5G、LTE、WAN、LAN、インターネット回線、専用回線、衛星回線などの通信ネットワークに準拠した通信インタフェースである。通信部110は、送信すべきデータが制御部102から入力された場合、指定された宛先へ送信すべきデータを送信する。また、通信部110は、外部から送信されたデータを受信する場合、受信したデータを制御部102へ出力する。
【0074】
通信部110は、人力駆動車1に搭載されたコンポーネントと通信するために、ANT(登録商標)、ANT+(登録商標)、Bluetooth(登録商標) 、WiFi(登録商標)、ZigBee(登録商標)などの通信インタフェースを備えてもよい。
【0075】
制御装置120は、制御部122および記憶部124を備える。制御部122は、CPU、ROM、RAMなどを備える。制御部122が備えるROMには、コンポーネントの動作を制御するために必要な制御プログラムが記憶される。制御部122が備えるCPUは、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出して実行し、操作装置30を通じて入力される操作に応じて、各コンポーネントの動作を制御する。制御部122が備えるRAMには、制御の実行中に生成される一時的なデータが記憶される。制御装置120は、各種センサS1~S4のセンサ出力を取得し、センサS1~S4によって計測される車速、加速度、トルク、ケイデンスの値に応じて、各コンポーネントの動作を制御してもよい。
【0076】
記憶部124は、EEPROMなどのメモリを備える。記憶部124には、例えば、人力駆動車1の状態が記憶される。記憶部124に記憶される人力駆動車1の状態は、人力駆動車1および人力駆動車1のコンポーネントの少なくとも1つの動作が制限されているロック状態、および、動作制限が解除されているロック解除状態を含む。制御部122は、ロック装置50を作動させた場合、人力駆動車1および人力駆動車1のコンポーネントの少なくとも1つがロック状態であると判別する。制御部122は、ロック装置50の作動を解除する場合、人力駆動車1および人力駆動車1のコンポーネントがロック解除状態であると判別する。制御部122は、判別したロック状態またはロック解除状態を、人力駆動車1の状態として記憶部124に記憶させる。
【0077】
図3の例では、電子装置100および制御装置120を別体の装置として記載したが、電子装置100および制御装置120は一体の装置であってもよい。例えば、電子装置100は、操作装置30を通じて入力される操作に応じて、各コンポーネントの動作を制御する機能を有してもよい。
【0078】
図4は管理装置200の構成を説明するブロック図である。管理装置200は、制御部202、記憶部204、および、通信部206を備える。
【0079】
制御部202は、CPU、ROM、RAMなどを備える。制御部202が備えるROMには、管理装置200が備えるハードウェア各部の動作を制御するための制御プログラム等が記憶される。制御部202が備えるCPUは、ROMに記憶される制御プログラム、および、後述する記憶部204に記憶される管理プログラムPGを実行し、ハードウェア各部の動作を制御することによって、人力駆動車1に関する情報を管理する装置として機能させる。制御部202が備えるRAMには、判定処理等の実行中に利用されるデータが記憶される。
【0080】
制御部202は、CPU、ROM、およびRAMを備える構成に限らず、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、量子プロセッサ、揮発性または不揮発性のメモリ等を備える1または複数の処理回路であってもよい。
【0081】
記憶部204は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などのストレージを備える。記憶部204は、制御部202によって実行される管理プログラムPG、および、管理対象の情報などを記憶する。
【0082】
管理プログラムPGは、例えば、電子装置100から受信した第1識別情報と記憶部204から読み出した第2識別情報とが対応し、かつ、電子装置100から受信した第1ユーザ情報と記憶部204から読み出した第2ユーザ情報とが対応しない場合、第2識別情報と関連付けられている人力駆動車1のステータス情報を記憶部204から外部へ送信する処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムである。
【0083】
管理プログラムPGは、例えば記録媒体Mによって提供される。記録媒体Mは、CD-ROM、USBメモリ、SD(Secure Digital)カード、コンパクトフラッシュ(登録商標)などの可搬型メモリである。記録媒体Mは、管理プログラムPGを読み取り可能に記憶する非一時的な記録媒体である。制御部202は、図に示していない読取装置を用いて記録媒体Mから管理プログラムPGを読み取り、読み取った管理プログラムPGを記憶部204にインストールする。管理プログラムPGは、通信によって提供されてもよい。この場合、制御部202は、外部装置との通信によって管理プログラムPGを取得し、取得した管理プログラムPGを記憶部204にインストールすればよい。
【0084】
記憶部204は、管理対象の情報が登録される管理テーブルTBを備える。
図5は管理テーブルTBの一例を示す概念図である。管理テーブルTBは、人力駆動車1およびコンポーネントの少なくとも1つに関する第2識別情報、人力駆動車1およびコンポーネントの少なくとも1つのステータスに関するステータス情報、および、第2ユーザに関する第2ユーザ情報を互いに関連付けて記憶する。
図5の例では、「B001」のIDによって識別される人力駆動車1に関して、搭載されているコンポーネントのIDが「C001」、第2ユーザのIDが「U001」、およびステータスが「通常」であることが、管理テーブルTBに互いに関連付けられて記憶されている。「B002」のIDによって識別される人力駆動車1についても同様である。「B001」および「B002」のIDによって識別される人力駆動車1のステータスは共に「通常」であるため、これらの人力駆動車1は盗難されていない状態であることを示している。一方、「B003」のIDによって識別される人力駆動車1のステータスは、「通常」から「盗難中」に変更されているので、この人力駆動車1は盗難中であることを示している。
【0085】
図5の例では、簡略化のために、人力駆動車1に搭載されているコンポーネントのIDをまとめてコンポーネントIDとして記載した。実際には、人力駆動車1に搭載されている変速装置32、アシスト装置34、ブレーキ装置36、アンチロックブレーキ装置38、サスペンション装置40、アジャスタブルシートポスト42、およびロック装置50のそれぞれのIDが管理テーブルTBに登録されていてもよい。また、人力駆動車1がロック状態である場合、人力駆動車1のステータスとして、「ロック状態」が管理テーブルTBに登録されてもよい。
【0086】
通信部206は、通信ネットワークNに接続するための通信インタフェースを備える。通信部206が備える通信インタフェースは、3G、4G、5G、LTE、WAN、LAN、インターネット回線、専用回線、衛星回線などの通信ネットワークに準拠した通信インタフェースである。通信部206は、送信すべきデータが制御部202から入力される場合、指定される宛先へ送信すべきデータを送信する。また、通信部206は、外部から送信されるデータを受信する場合、受信するデータを制御部202へ出力する。
【0087】
以下、第1実施形態における管理システムの動作について説明する。
図6は管理装置200におけるステータス登録処理の処理手順を説明するフローチャートである。ステップS101において、管理装置200の制御部202は、通信部206を通じて、人力駆動車1の識別情報を含む盗難通知を受信したか否かを判断する。第2ユーザは、人力駆動車1が盗難されている場合、ユーザ端末300を用いて、人力駆動車1の識別情報を含む盗難通知を管理装置200へ送信する。人力駆動車1およびコンポーネントの少なくとも1つがステータスを判別する機能を備えており、当該機能によって人力駆動車1の盗難を検知する場合、電子装置100から管理装置200へ人力駆動車1の識別情報を含む盗難通知を送信してもよい。
【0088】
盗難通知を受信していない場合、制御部202は、本フローチャートによる処理を終了する。
【0089】
盗難通知を受信する場合、ステップS102において、制御部202は、盗難通知と共に受信した識別情報によって識別される人力駆動車1のステータスを「通常」から「盗難中」に変更する。例えば、制御部202は、盗難通知に含まれる人力駆動車1の識別情報を検索キーとして管理テーブルTBを検索し、検索されたレコードのステータス項目を「通常」から「盗難中」に変更する。
【0090】
図7は第1実施形態の管理システムにおいて実行される処理の手順を説明するフローチャートである。電子装置100から管理装置200にアクセスする際、電子装置100の制御部102は、操作部106を通じて第1ユーザ情報を受付け、記憶部104から人力駆動車1およびコンポーネントの少なくとも1つに関する第1識別情報を読み出す。
【0091】
ステップS121において、制御部102は、通信部110を通じて、第1識別情報および第1ユーザ情報を管理装置200へ送信する。
【0092】
ステップS122において、管理装置200は、電子装置100から送信される第1識別情報および第1ユーザ情報を通信部206にて受信する。受信した第1識別情報および第1ユーザ情報は、制御部202へ出力される。
【0093】
ステップS123において、制御部202は、受信した第1識別情報を検索キーとして管理テーブルTBを検索する。第1識別情報と対応する第2識別情報を含んだレコードが管理テーブルTBから検索される場合、制御部202は、検索されたレコードに含まれる第2ユーザ情報を読み出す。ステップS124において、制御部202は、ステップS122において受信した第1ユーザ情報と、管理テーブルTBから読み出した第2ユーザ情報とが対応するか否かを判断する。
【0094】
第1ユーザ情報と第2ユーザ情報とが対応しないと判断する場合、ステップS125において、制御部202は、第2ユーザ情報と関連付けて記憶されている人力駆動車1のステータス情報を電子装置100へ送信する。一方、第1ユーザ情報と第2ユーザ情報とが対応する場合、制御部202は、ステータス情報を送信せずに、本フローチャートによる処理を終了する。本実施の形態では、例えば、第2ユーザとして正規ユーザのユーザ情報が管理テーブルTBに記憶されている。このため、管理装置200は、例えば、ディーラなどの第1ユーザから送信される第1ユーザ情報を受信する場合、第1ユーザ情報と第2ユーザ情報とが対応しないことになるので、ステータス情報を返信する。一方、管理装置200は、正規ユーザから送信される第1ユーザ情報を受信する場合、第1ユーザ情報と第2ユーザ情報とが対応することになるので、ステータス情報の返信を行わない。
【0095】
ステップS126において、電子装置100は、管理装置200から送信されるステータス情報を通信部110にて受信する。受信したステータス情報は、制御部102へ出力される。
【0096】
ステップS127において、制御部102は、人力駆動車1のステータス情報を表示部108に表示させる。ステータス情報は、文字情報または画像情報として表示部108に表示される。制御部102は、図に示してない音声出力装置を用いてステータス情報を音声情報として出力してもよい。
【0097】
第1ユーザがディーラなどの善意の第三者である場合、表示部108に表示される人力駆動車1のステータス情報を確認することによって、人力駆動車1が正規ユーザから持ち込まれたものか、盗難されたものかを判別できる。
【0098】
第1ユーザが窃盗者などの悪意の第三者である場合、電子装置100の表示部108には盗難中であることが表示されるため、人力駆動車1を保持したり、他者に転売したりする意欲を減退させることができる。また、上記画像情報や音声情報に加えて、人力駆動車1に設けられるブザー、ライト、またはバイブレーションにより窃盗者に警告することもできる。
【0099】
本フローチャートでは、ステップS124において第1ユーザ情報と第2ユーザ情報とが対応しないと判断する場合、ステータス情報を管理装置200から電子装置100へ送信する構成とした。管理装置200は、正規ユーザのユーザ端末300に人力駆動車1のステータス情報を送信してもよい。これにより、正規ユーザは第三者による管理装置200へのアクセスを知ることができる。
【0100】
(第2実施形態)
第2実施形態では、人力駆動車1およびコンポーネントの少なくとも1つがロック状態である場合、電子装置100から管理装置200に対してロック状態の解除を要求する構成について説明する。
管理システムの全体構成、ならびに、電子装置100および管理装置200の構成については、第1実施形態と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【0101】
図8は第2実施形態におけるロック解除の処理を説明するフローチャートである。ロック状態の人力駆動車1がディーラに持ち込まれた場合等において、電子装置100は、以下の処理を実行する。ステップS201において、電子装置100の制御部102は、管理装置200から受信したステータス情報を参照し、人力駆動車1が盗難中であるか否かを判断する。ステータス情報の受信手順については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0102】
人力駆動車1が盗難中である場合、ステップS202において、制御部102は、人力駆動車1のロック状態を維持し、本フローチャートによる処理を終了する。
【0103】
人力駆動車1が盗難中でない場合、ステップS203において、制御部102は、ロック解除要求を管理装置200へ送信する。管理装置200へ送信するロック解除要求には、第1識別情報および第1ユーザ情報が添付されてもよい。
【0104】
ステップS204において、管理装置200は、電子装置100から送信されるロック解除要求を通信部206にて受信する。ステップS205において、管理装置200の制御部202は、受信したロック解除要求が正当なロック解除要求であるか否かを判断する。例えば、制御部202は、ロック解除要求に添付されている第1ユーザ情報に基づき、送信元が予め第2ユーザにより承認された第三者であるか否かを判断することによって、ロック解除要求が正当であるか否かを判断する。第2ユーザにより承認された第三者とは、例えば、正規ユーザにより承認されたディーラである。正当なロック解除要求でないと判断する場合、制御部202は、本フローチャートによる処理を終了する。
【0105】
正当なロック解除要求であると判断する場合、ステップS206において、制御部202は、ロック解除コマンドを電子装置100へ送信する。ロック解除コマンドは、例えば制御装置120に対する制御コマンドである。
【0106】
ステップS207において、電子装置100は、管理装置200から送信されるロック解除コマンドを通信部110にて受信する。ステップS208において、制御部102は、受信したロック解除コマンドを制御装置120へ出力し、ロック状態を解除する。
【0107】
以上のように、第2実施形態では、例えば、ディーラに持ち込まれた人力駆動車1およびコンポーネントの少なくとも1つが何らかの理由でロック状態になる局面であっても、人力駆動車1が盗難中でなければ、正規ユーザの手を介すことなくロック状態を解除できる。これにより、ディーラが迅速にメンテナンス等を行うことができるようになる。
【0108】
(第3実施形態)
第3実施形態では、人力駆動車1およびコンポーネントの少なくとも1つがロック状態である場合、電子署名を検証することによって、ロック状態を解除する構成について説明する。
管理システムの全体構成については、第1実施形態と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【0109】
図9は第3実施形態における電子装置100および管理装置200の構成を説明する説明図である。第3実施形態における管理装置200は秘密鍵SKを備える。秘密鍵SKはあらかじめ生成され、管理装置200の記憶部204に記憶される。管理装置200の構成は、秘密鍵SKを備えることを除き、第1実施形態と同様である。電子装置100は、秘密鍵SKに対応する公開鍵PKを備える。公開鍵PKはあらかじめ生成され、電子装置100の記憶部104に記憶される。電子装置100の構成は、公開鍵PKを備えることを除き、第1実施形態と同様である。
【0110】
図10は第3実施形態におけるロック解除の処理手順を説明するフローチャートである。ロック状態の人力駆動車1がディーラに持ち込まれた場合等において、電子装置100は、以下の処理を実行する。ステップS301において、電子装置100の制御部102は、管理装置200から受信したステータス情報を参照し、人力駆動車1が盗難中であるか否かを判断する。ステータス情報の受信手順については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0111】
人力駆動車1が盗難中である場合、ステップS302において、制御部102は、人力駆動車1のロック状態を維持し、本フローチャートによる処理を終了する。
【0112】
人力駆動車1が盗難中でない場合、ステップS303において、電子装置100の制御部102は乱数を生成する。乱数は公知の手法を用いて生成される。生成される乱数は疑似乱数であってもよい。制御部102は、生成した乱数を記憶部104に記憶させる。
【0113】
ステップS304において、制御部102は、生成した乱数を通信部110から管理装置200へ送信する。
【0114】
ステップS305において、管理装置200は、電子装置100から送信される乱数を通信部206にて受信する。ステップS306において、管理装置200の制御部202は、記憶部204から秘密鍵SKを読み出し、読み出した秘密鍵SKを用いて、受信した乱数を暗号化する。ステップS307において、制御部202は、暗号化された乱数を通信部206から電子装置100へ送信する。
【0115】
ステップS308において、電子装置100は、管理装置200から送信される暗号化された乱数を通信部110にて受信する。ステップS309において、電子装置100の制御部102は、記憶部104から公開鍵PKを読み出し、読み出した公開鍵PKを用いて、受信した暗号化された乱数を復号する。ステップS310において、制御部102は、記憶部104に記憶させた暗号化される前の乱数と、復号された後の乱数とが一致するか否か判断する。
【0116】
暗号化される前の乱数と、復号された後の乱数とが一致すると判断する場合、ステップS311において、制御部102は、ロック解除指示を制御装置120へ出力し、制御装置120は、電子装置100からのロック解除指示に基づきロック状態を解除する。
【0117】
一方、暗号化される前の乱数と、復号された後の乱数とが一致しないと判断する場合、制御部102は、ロック解除を行わずに本フローチャートによる処理を終了する。
【0118】
以上により、第3実施形態では、秘密鍵SKと公開鍵PKとを用いて通信相手を認証するので、通信相手が相互に正当であると認証できる場合にのみ、ロック状態を解除できる。
【0119】
(第4実施形態)
第4実施形態では、電子装置100が第1ユーザによって携帯される端末である構成について説明する。
【0120】
図11は第4実施形態における管理システムの全体構成を説明する模式図である。第1実施形態では、電子装置100が人力駆動車1に搭載されるサイクルコンピュータなどの端末装置である構成について説明した。電子装置100は、人力駆動車1に搭載されるサイクルコンピュータなどの端末装置に限らず、第1ユーザによって携帯されるスマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末などであってもよい。
【0121】
電子装置100は、第1ユーザの操作に基づき、通信ネットワークNを介して管理装置200にアクセスする。電子装置100は、管理装置200にアクセスする際、第1識別情報および第1ユーザ情報を管理装置200へ送信する。第1識別情報は、電子装置100に予め登録されていてもよく、管理装置200にアクセスする際に、人力駆動車100および人力駆動車100に搭載されるコンポーネントの少なくとも1つと通信することよって取得してもよい。第1ユーザ情報は、電子装置100に予め登録されていてもよく、管理装置200にアクセスする際に第1ユーザによって入力されてもよい。
【0122】
第1識別情報および第1ユーザ情報の送信後の処理は第1実施形態と同様である。管理装置200は、電子装置100から第1識別情報および第1ユーザ情報を受信する。管理装置200は、第1識別情報に基づいて管理テーブルTBを検索し、第1ユーザ情報が第2ユーザ情報に対応するか否かを判断する。第1ユーザ情報が第2ユーザ情報に対応しない場合、管理装置200は、ステータス情報を電子装置100へ送信する。電子装置100は、管理装置200からステータス情報を受信し、表示部108にステータス情報を表示する。
【0123】
以上のように、第4実施形態では、第1ユーザが携帯する端末において人力駆動車1のステータス情報を表示できる。
【0124】
今回開示された実施形態は、全ての点において例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0125】
1…人力駆動車、30…操作装置、32…変速装置、34…アシスト装置、36…ブレーキ装置、38…アンチロックブレーキ装置、40…サスペンション装置、42…アジャスタブルシートポスト、50…ロック装置、60…バッテリユニット、100…電子装置、102…制御部、104…記憶部、106…操作部、108…表示部、110…通信部、120…制御装置、122…制御部、124…記憶部、200…管理装置、202…制御部、204…記憶部、206…通信部、300…ユーザ端末、PG…管理プログラム、M…記録媒体