(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-14
(45)【発行日】2025-02-25
(54)【発明の名称】清掃装置および清掃方法
(51)【国際特許分類】
B26D 7/18 20060101AFI20250217BHJP
B08B 1/32 20240101ALI20250217BHJP
【FI】
B26D7/18 E
B08B1/32
(21)【出願番号】P 2021047890
(22)【出願日】2021-03-22
【審査請求日】2024-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】高野 健
(72)【発明者】
【氏名】丸山 孝之
【審査官】飯田 義久
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-044772(JP,A)
【文献】特開昭57-159264(JP,A)
【文献】特公昭49-033857(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/18
B08B 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断刃に当接する当接部を有する複数の清掃部材と、
前記複数の清掃部材を回転させ、前記当接部で前記切断刃を清掃する駆動手段とを備え、
前記駆動手段は、前記清掃部材による前記切断刃の清掃が終了して当該切断刃が前記清掃部材から離間された後も、前記複数の清掃部材における互いの当接部が
当接して相対的に異なる速度で回転するように当該複数の清掃部材を所定時間回転させ、前記所定時間が経過すると前記清掃部材の回転を停止することを特徴とする清掃装置。
【請求項2】
複数の清掃部材の当接部を切断刃に当接させる当接工程と、
前記複数の清掃部材における互いの当接部が相対的に異なる速度で回転するように当該複数の清掃部材を回転させ、前記当接部で前記切断刃を清掃する清掃工程と、
前記清掃部材による前記切断刃の清掃が終了して当該切断刃が前記清掃部材から離間された後も、互いの当接部が
当接して相対的に異なる速度で回転するように前記複数の清掃部材を所定時間回転させ、前記所定時間が経過すると前記清掃部材の回転を停止する工程とを実施することを特徴とする清掃方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃装置および清掃方法に関する。
【背景技術】
【0002】
清掃部材で切断刃を清掃する清掃装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたストック装置(清掃装置)では、回転ブラシ50(清掃部材)によってカッター刃21(切断刃)の清掃が繰り返されると、清掃部材に異物が付着し、切断刃の清掃能力が低下するという不都合がある。
【0005】
本発明の目的は、切断刃の清掃能力が低下することを防止することができる清掃装置および清掃方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の清掃部材における互いの当接部が相対的に異なる速度で回転するように当該複数の清掃部材を回転させるので、清掃部材に付着した異物を当接部同士の擦れによって除去することができ、切断刃の清掃能力が低下することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシート貼付装置の説明図。
【
図2】(A)は、シート貼付装置の動作説明図。(B)、(C)は、本発明の変形例に係るシート貼付装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な
図1の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸の矢印方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
本発明の清掃装置EAは、切断刃33Cに当接する当接部12Aを有する複数の清掃部材10と、複数の清掃部材10を回転させ、当接部12Aで切断刃33Cを清掃する駆動手段20(
図2(A)参照)とを備え、被着体WKに接着シート基材ABを貼付する貼付手段30と、被着体WKを支持する支持手段40とでシート貼付装置EA1を構成している。
【0011】
清掃部材10は、前後方向に延設された一対の回転軸11と、基部が各回転軸11に支持され、当該基部の反対側が当接部12Aとされたブラシ部材12とを備えている(
図2(A)参照)。
【0012】
駆動手段20は、切断刃33Cを挿入する貫通孔21Aを有するとともに、清掃部材10を収容する収容部21Bを有するケース21と、ケース21に支持され、出力軸22Aで左方の清掃部材10を支持する駆動機器としての回動モータ22と、回動モータ22の回転駆動力を出力軸22Aから右方の清掃部材10に伝達するギアやベルト等の駆動力伝達手段23とを備え、複数の清掃部材10における互いの当接部12Aが相対的に異なる速度で回転するように当該複数の清掃部材10を回転させる構成となっている。本実施形態の場合、駆動手段20は、左方の清掃部材10を所定の速度で時計回転方向に回転させるとともに、右方の清掃部材10を左方の清掃部材10と異なる所定の速度で反時計回転方向に回転させるようになっている。
【0013】
貼付手段30は、接着シート基材ABを繰り出す繰出手段31と、繰り出された接着シート基材ABを被着体WKに押圧して貼付する押圧手段32と、被着体WKに貼付された接着シート基材ABを貫通する閉ループ状の切込を設け、当該切込の内側に接着シートAS(
図1(B)参照)を形成し、切込の外側に不要シートUSを形成する切断手段33とを備えている。
繰出手段31は、剥離シートRLの一方の面に接着シート基材ABが仮着された原反RSを支持する支持ローラ31Aと、原反RSを案内するガイドローラ31B、31Cと、ガイドローラ31Bとの間に原反RSを挟み込む押付部材31Dを出力軸31Eで支持する駆動機器としての直動モータ31Fと、ガイドローラ31Cを支持し、接着シート基材ABの張力を測定可能な張力検出手段としてのロードセル31Gと、剥離縁31Hで剥離シートRLを折り返し、当該剥離シートRLから接着シート基材ABを剥離する剥離部材としての剥離板31Jと、図示しない出力軸で駆動ローラ31Kを支持する駆動機器としての回動モータ31Lと、駆動ローラ31Kとで剥離シートRLを挟み込むピンチローラ31Mと、図示しない駆動機器の出力軸に支持され、シート貼付装置EA1の自動運転が行われている間、ピンチローラ31Mとの間に存在する剥離シートRLに常に所定の張力を付与し、当該剥離シートRLを回収する回収ローラ31Nと、駆動機器としてのリニアモータ31Pのスライダ31Q(
図1(B)参照)に支持された駆動機器としてのリニアモータ31Rと、リニアモータ31Rの図示しないスライダに支持され、当該繰出手段31を構成する前述の構成部材のうち支持ローラ31Aおよび回収ローラ31N以外の各部材を支持するフレーム31Sと、駆動機器としてのリニアモータ31Tのスライダ31Uに支持されたフレーム31Vと、フレーム31Vに支持された駆動機器としての回動モータ31Wの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ31Xとで不要シートUSを挟み込む駆動ローラ31Yと、フレーム31Vに支持された図示しない駆動機器の出力軸に支持され、シート貼付装置EA1の自動運転が行われている間、駆動ローラ31Yとの間に存在する不要シートUSに常に所定の張力を付与し、当該不要シートUSを回収する回収ローラ31Zとを備えている。
押圧手段32は、リニアモータ31Tのスライダ32Aにブラケット32Bを介して支持された駆動機器としての直動モータ32Cと、直動モータ32Cの出力軸32Dにブラケット32Eを介して回転可能に支持された押圧ローラ32Fとを備えている。
切断手段33は、駆動機器としての多関節ロボット33Aと、多関節ロボット33Aの作業アーム33Bにブラケット33Dを介して支持された切断刃33Cとを備えている。
多関節ロボット33Aは、その作業範囲内において切断刃33Cを何れの位置、何れの角度にでも変位可能な所謂6軸ロボットである。
【0014】
支持手段40は、駆動機器としての直動モータ41と、直動モータ41の出力軸41Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な被着体支持面42Aとシート支持面42Bとを有するテーブル42とを備えている。
【0015】
以上の清掃装置EAを備えたシート貼付装置EA1の動作を説明する。
先ず、
図1(A)中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート貼付装置EA1に対し、当該シート貼付装置EA1の使用者(以下、単に「使用者」という)が同図のように原反RSをセットした後、図示しない操作パネルやパーソナルコンピュータ等の操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。次いで、使用者または、多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、
図1(A)に示すように、被着体WKを被着体支持面42A上の所定の位置に載置すると、支持手段40が図示しない減圧手段および直動モータ41を駆動し、被着体支持面42Aでの被着体WKの吸着保持を開始するとともに、テーブル42を上昇させる。
【0016】
その後、貼付手段30が直動モータ32Cを駆動し、
図1(A)中二点鎖線で示すように、押圧ローラ32Fを下降させて接着シート基材ABをシート支持面42Bに所定の押圧力で押さえ付ける。次に、貼付手段30が回動モータ31Lを駆動し、剥離シートRLおよび接着シート基材ABを巻き取り、支持手段40上に位置する接着シート基材ABの張力が所定値となったことがロードセル31Gによって検知されると、回動モータ31Lの駆動を停止する。そして、貼付手段30が直動モータ31Fを駆動し、押付部材31Dとガイドローラ31Bとで原反RSを挟み込み、接着シート基材ABの繰り出しを抑制する。次いで、貼付手段30がリニアモータ31P、31R、31Tを駆動し、
図1(B)に示すように、押圧ローラ32Fを右方に移動させつつ、ロードセル31Gで検出される張力が所定値からずれないようにフレーム31Sを左右方向および上下方向へ移動させ、押圧ローラ32Fで接着シート基材ABを被着体WKおよびシート支持面42Bに押圧して貼付する。
【0017】
被着体WKへの接着シート基材ABの貼付が完了すると、貼付手段30が多関節ロボット33Aを駆動し、
図1(B)中二点鎖線で示すように、切断刃33Cを接着シート基材ABに突き刺し、当該切断刃33Cを被着体WKの外周に沿って移動させる。これにより、被着体WK上に接着シートASが貼付された状態で残り、当該接着シートASの外周に不要シートUSが形成される。その後、貼付手段30がリニアモータ31Tおよび回動モータ31Wを駆動し、
図1(B)中二点鎖線で示すように、フレーム31Vを右方に移動させながら回収ローラ31Zで不要シートUSを回収する。次に、支持手段40が図示しない減圧手段の駆動を停止し、被着体支持面42Aでの被着体WKの吸着保持を解除する。そして、使用者または図示しない搬送手段が、接着シートASが貼付された被着体WKを次工程に搬送すると、貼付手段30が直動モータ31F、32Cを駆動し、押付部材31Dとガイドローラ31Bとによる原反RSの挟み込みを解除するとともに、押圧ローラ32Fを上昇させる。次いで、貼付手段30が回動モータ31Wの駆動を停止させた状態で、各手段がそれぞれの駆動機器を駆動し、各部材を初期位置に復帰させて接着シート基材ABを支持手段40上に繰り出し、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0018】
ここで、上記同様の動作が所定回数繰り返されると、貼付手段30が多関節ロボット33Aを駆動し、
図2(A)に示すように、切断刃33Cを清掃装置EAの貫通孔21Aに挿入した後、駆動手段20が回動モータ22を駆動し、左右の清掃部材10を回転させてブラシ部材12で切断刃33Cを清掃する。その後、貼付手段30が多関節ロボット33Aを駆動し、切断刃33Cを初期位置に復帰させた後、所定時間が経過すると駆動手段20が回動モータ22の駆動を停止する。この切断刃33Cが抜けて所定時間が経過する間、各清掃部材10が相互に擦れ合うため、切断刃33Cの清掃時にブラシ部材12に付着した異物が、当該ブラシ部材12から叩き落とされることとなる。
【0019】
以上のような実施形態によれば、複数の清掃部材10における互いの当接部12Aが相対的に異なる速度で回転するように当該複数の清掃部材10を回転させるので、清掃部材10に付着した異物を当接部12A同士の擦れによって除去することができ、切断刃33Cの清掃能力が低下することを防止することができる。
【0020】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0021】
例えば、清掃部材10は、採用する部材の材質、種別、形状等が特に限定されることはなく、例えば、ブラシ部材12の材質としては、ゴム、樹脂、プラスチック、スポンジ、ガラス繊維等、どのようなものであってもよいし、グラインダや砥石等の研磨部材、布や不織布等のシート部材等、ブラシ部材12以外の部材であってもよいし、球、円柱、三角柱や四角柱等の多角柱、その他の形状であってもよいし、同じものが複数あってもよいし、例えば、砥石とブラシ部材12や、不織布とスポンジ材といったように、異なるものが複数あってもよいし、3体以上あってもよい。
【0022】
駆動手段20は、駆動機器としての回動モータを清掃部材10毎に設けてもよいし、複数の清掃部材10を切断刃33Cに向かって同じ方向に回転させてもよいし、異なる方向に回転させてもよく、複数の清掃部材10を切断刃33Cに向かって同じ方向に回転させる場合、
図2(B)に示すように、大きさが異なる複数の清掃部材10を同じ速度で回転させることで、互いの当接部12Aが相対的に異なる速度で回転するようにしてもよいし、複数の清掃部材10を切断刃33Cに向かって異なる方向に回転させる場合、複数の清掃部材10を同じ速度で回転させたり、異なる速度で回転させたりして、互いの当接部12Aが相対的に異なる速度で回転するようにしてもよいし、
図2(C)に示すように、左右方向(切断刃33Cの厚み方向)に出力軸24Aを有する駆動機器としての回動モータ24で、複数の清掃部材10における互いの当接部12Aが相対的に異なる速度で回転するように当該複数の清掃部材10を回転させる構成であってもよい。
駆動手段20は、複数の清掃部材10が相互に接近離間するように、複数の清掃部材10を相対移動させる駆動機器としてのリニアモータや、駆動機器としての直動モータ等の清掃部材移動手段を備えていてもよく、例えば、切断刃33Cを清掃するときは、互いの当接部12A同士が当接しない位置に複数の清掃部材10を離間させ、互いの清掃部材10の異物を除去するときは、互いの当接部12A同士が当接する位置に複数の清掃部材10を接近させてもよいし、互いの清掃部材10の異物を除去している最中に、当接部12A同士の接触距離を増減可能に複数の清掃部材10を接近離間させてもよい。
【0023】
貼付手段30は、枚葉の接着シート基材を被着体WKに貼付する構成でもよく、例えば、剥離シートRLに仮着された帯状の接着シート基材ABに閉ループ状または短寸幅方向全体の切込が形成されることで、その切込で仕切られた所定の領域が枚葉の接着シート基材とされた原反を採用し、当該枚葉の接着シート基材を剥離シートRLから剥離して被着体WKに貼付してもよいし、剥離シートRLに仮着されていない接着シート基材ABを被着体WKに貼付してもよいし、本発明の清掃装置EAやシート貼付装置EA1に備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
繰出手段31は、張力検出手段として、圧力センサやレギュレータ等、接着シート基材ABの張力を検出可能なものであれば、どのようなものを採用してもよいし、支持ローラ31Aやガイドローラ31B、31C等の各ローラの代わりに板状部材やシャフト部材等で、原反RSを支持したり案内したり、剥離シートRLや不要シートUSを回収したりしてもよいし、原反RSを巻回することなく例えばファンフォールド折りにして支持してもよいし、剥離シートRLや不要シートUSを巻回することなく例えばファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだりして回収してもよいし、巻回したりファンフォールド折りにしたりすることなく単に集積して剥離シートRLや不要シートUSを回収してもよいし、剥離シートRLや不要シートUSを回収しなくてもよいし、単一の駆動機器でフレーム31Sを移動させてもよい。
切断手段33は、被着体WK上に貼付された状態で残す接着シートASの形状として、被着体WKの外周形状と同形状に切断することなく、異なる形状に切断したり、被着体WKよりも大きく切断したり、被着体WKよりも小さく切断したりしてもよい。
【0024】
支持手段40は、本発明の清掃装置EAやシート貼付装置EA1に備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0025】
清掃装置EAは、ケース21内の空間に連通する減圧ポンプや真空エジェクタ等の吸引手段を備え、当該吸引手段でケース21内の異物を吸引してもよい。
清掃装置EAで切断刃33Cを清掃するタイミングとしては、5体や10体等といった所定数の被着体WKについて接着シート基材ABが切断されたときや、15分や30分等といった所定時間が経過したとき等、任意のタイミングでもよいし、切断刃33Cに異物が付着したことをカメラや投影機等の撮像手段や、光学センサや超音波センサ等の各種センサ等の図示しない検知手段で検知したときであってもよい。
【0026】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、清掃部材は、切断刃に当接する当接部を有するものであればどのようなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0027】
接着シート基材AB、接着シートASおよび被着体WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シート基材AB、接着シートASおよび被着体WKは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、接着シート基材ABは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性のものが採用された場合は、当該接着シート基材ABを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプ等の加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。
また、接着シート基材ABは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層との間に中間層を有するもの、基材の上面にカバー層を有する等3層以上のもの、さらには、基材を接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シート基材ABを機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意の形状の任意のシート、フィルム、テープ等を前述のような任意の被着体WKに貼付することができる。
【0028】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによるものを採用してもよいし、押圧するものをゴム、樹脂、スポンジ等の変形可能な部材で構成してもよいし、金属や樹脂等の変形しない部材で構成してもよいし、剥離板や剥離ローラ等の剥離手段や剥離部材といった被剥離物を剥離するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、板状部材、丸棒、ローラ等の部材を採用してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0029】
EA…清掃装置
10…清掃部材
12A…当接部
20…駆動手段
33C…切断刃