(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-14
(45)【発行日】2025-02-25
(54)【発明の名称】エアモビリティのプロペラ装置
(51)【国際特許分類】
B64C 27/50 20060101AFI20250217BHJP
B64C 11/28 20060101ALI20250217BHJP
B64C 11/30 20060101ALI20250217BHJP
B64C 27/605 20060101ALI20250217BHJP
F16C 11/04 20060101ALI20250217BHJP
【FI】
B64C27/50
B64C11/28
B64C11/30 A
B64C27/605
F16C11/04 N
(21)【出願番号】P 2021140419
(22)【出願日】2021-08-30
【審査請求日】2023-11-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0175428
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジェヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、サンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イム、チョンシク
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ギュフン
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03254725(US,A)
【文献】特公昭46-031506(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 11/00
B64C 27/00
F16C 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブおよび該ハブに連結された複数のウイングと、
前記ハブに回転力を伝達することにより、前記ハブおよび前記ウイングを回転させる回転軸と、
前記回転軸上で独立して上下運動するように設けられた第1移動部および第2移動部と、
前記第1移動部と前記複数のウイングとを連結し、前記第1移動部の上下運動時に前記複数のウイングがその場で回転してピッチング動作が実現されるようにする第1リンク組立体と、
前記第2移動部と前記複数のウイングとを連結し、前記第2移動部の上下運動時に前記複数のウイングが回転移動して折り畳み動作または展開動作が実現されるようにする第2リンク組立体と、を備
え、
前記複数のウイングのうち、いずれか一つのウイングは、前記第1リンク組立体を介して前記第1移動部に連結され前記第2移動部には連結されず、残りのウイングは、前記第1リンク組立体および前記第2リンク組立体を介して前記第1移動部および前記第2移動部に連結されたことを特徴とする、エアモビリティのプロペラ装置。
【請求項2】
前記ウイングが連結部を介して前記ハブに回転可能に連結され、前記第1リンク組立体および前記第2リンク組立体が互いに異なる位置で前記連結部に回転可能に連結されたことを特徴とする、請求項1に記載のエアモビリティのプロペラ装置。
【請求項3】
前記連結部は、前記ウイングと連結され、前記ハブに垂直軸を基準に回転可能に連結されたことを特徴とする、請求項2に記載のエアモビリティのプロペラ装置。
【請求項4】
前記第1リンク組立体は、前記第1移動部に回転可能に連結された第1連結リンクと、前記ウイングに連結され、前記連結部に回転可能に連結された第2連結リンクと、前記第1連結リンクおよび前記第2連結リンクに回転可能に連結された第3連結リンクと、を含むことを特徴とする、請求項2に記載のエアモビリティのプロペラ装置。
【請求項5】
前記第1連結リンクは、前記第1移動部に垂直軸を基準に回転可能に連結され、
前記第2連結リンクは、前記連結部に水平軸を基準に回転可能に連結され、
前記第3連結リンクは、前記第1連結リンクおよび前記第2連結リンクに水平軸を基準に回転可能に連結されたことを特徴とする、請求項4に記載のエアモビリティのプロペラ装置。
【請求項6】
前記第1移動部が上下運動する場合、前記第1連結リンクおよび前記第3連結リンクが前記第1移動部と共に上下方向に移動して前記第2連結リンクを回転させることにより、前記第2連結リンクに連結された前記ウイングが前記連結部に対して回転して前記ウイングのピッチが変化することを特徴とする、請求項4に記載のエアモビリティのプロペラ装置。
【請求項7】
前記第2リンク組立体は、前記回転軸に設置された固定リンクと、前記連結部に回転可能に連結された第1回転リンクと、前記第2移動部および前記第1回転リンクに回転可能に連結された第2回転リンクと、前記固定リンクおよび前記第2回転リンクに回転可能に連結された第3回転リンクと、を含むことを特徴とする、請求項2に記載のエアモビリティのプロペラ装置。
【請求項8】
前記第1回転リンクは、前記連結部に垂直軸を基準に回転可能に連結される第1付加リンクと、一端が前記第1付加リンクに垂直軸を基準に回転可能に連結され、他端が前記第2回転リンクに水平軸を基準に回転可能に連結される第2付加リンクと、を含むことを特徴とする、請求項7に記載のエアモビリティのプロペラ装置。
【請求項9】
前記固定リンクが前記第2移動部よりも上方に位置し、前記第2移動部が前記固定リンクの下側で上下方向に移動することを特徴とする、請求項7に記載のエアモビリティのプロペラ装置。
【請求項10】
前記第2回転リンクは、前記第3回転リンクよりも長く延びたことを特徴とする、請求項7に記載のエアモビリティのプロペラ装置。
【請求項11】
前記第2移動部が上下運動する場合、前記第2回転リンクが前記第3回転リンクに支持されて前記回転軸に対して窄まったり広がったりするように回転することにより、前記ハブに連結された前記連結部が回転して前記ウイングの位置が変動することを特徴とする、請求項7に記載のエアモビリティのプロペラ装置。
【請求項12】
前記第1移動部には前記ハブと同一の形状に形成される補助ハブが含まれ、前記第1リンク組立体が前記ハブおよび前記補助ハブに連結されたことを特徴とする、請求項1に記載のエアモビリティのプロペラ装置。
【請求項13】
前記第2移動部は、前記回転軸上で一緒に上下運動する上部スライダーおよび下部スライダーによって構成され、前記上部スライダーおよび前記下部スライダーが前記第1移動部の上下側に離隔配置され、前記第1移動部を貫通する連結軸を介して前記上部スライダーと前記下部スライダーとが互いに連結されたことを特徴とする、請求項1に記載のエアモビリティのプロペラ装置。
【請求項14】
前記第2リンク組立体は前記上部スライダーおよび前記ウイングに回転可能に連結されたことを特徴とする、請求項13に記載のエアモビリティのプロペラ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアモビリティのプロペラ装置に係り、特に、飛行状態に応じてウイングが展開されたり折り畳まれたりするエアモビリティのプロペラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、貨物コンテナー、医療輸送などのさまざまな方面で使用可能なエアモビリティが開発中にあり、飛行モビリティのエネルギー効率化および安定化が改善されて実用化の段階に至っている。
【0003】
このようなエアモビリティは、プロペラの起動によって飛行し、これにより垂直離着陸が実現される。但し、エアモビリティの垂直離着陸の際には、飛行状態よりもさらに大きい推力と多くのプロペラの使用が要求される。一方、エアモビリティが飛行状態に進入すると、翼による揚力によって飛行が可能であるため、垂直離着陸の際に使用される一部のプロペラの起動が要求されない。特に、エアモビリティが高速飛行に進入する場合、プロペラが空気抵抗力を発生させて飛行時にエネルギー損失を発生させる。
【0004】
このため、エアモビリティは、飛行状態に応じてプロペラが選択的に展開されたり折り畳まれたりする技術が求められる。
【0005】
前述の背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解増進のためのものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者に既に知られている従来技術に該当することを認めるものと受け止められてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0104582号公報(2020年9月4日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するために提案されたもので、その目的は、エアモビリティの飛行状態に応じてウイングが展開されたり折り畳まれたりすることにより、エアモビリティの各飛行状況でウイングの効率的な使用によってエネルギー効率が向上し、飛行距離が増大するエアモビリティのプロペラ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明に係るエアモビリティのプロペラ装置は、ハブおよび該ハブに連結された複数のウイングと、ハブに回転力を伝達することにより、ハブおよびウイングを回転させる回転軸と、回転軸上で独立して上下運動するように設けられた第1移動部および第2移動部と、第1移動部と複数のウイングとを連結し、第1移動部の上下運動時に複数のウイングがその場で回転してピッチング動作が実現されるようにする第1リンク組立体と、第2移動部と複数のウイングとを連結し、第2移動部の上下運動時に複数のウイングが回転移動して折り畳み動作または展開動作が実現されるようにする第2リンク組立体と、を含む。
【0009】
ウイングが連結部を介してハブに回転可能に連結され、第1リンク組立体および第2リンク組立体が互いに異なる位置で連結部に回転可能に連結されてもよい。
【0010】
連結部は、ウイングに連結され、ハブに垂直軸を基準に回転可能に連結されてもよい。
【0011】
第1リンク組立体は、第1移動部に回転可能に連結された第1連結リンクと、ウイングに連結され、連結部に回転可能に連結された第2連結リンクと、第1連結リンクおよび第2連結リンクに回転可能に連結された第3連結リンクと、を含んでもよい。
【0012】
第1連結リンクは、第1移動部に垂直軸を基準に回転可能に連結され、第2連結リンクは、連結部に水平軸を基準に回転可能に連結され、第3連結リンクは、第1連結リンクおよび第2連結リンクに水平軸を基準に回転可能に連結されてもよい。
【0013】
第1移動部が上下運動する場合、第1連結リンクおよび第3連結リンクが第1移動部と共に上下方向に移動して第2連結リンクを回転させることにより、第2連結リンクに連結されたウイングが連結部で回転してウイングのピッチが変化してもよい。
【0014】
第2リンク組立体は、回転軸に設置された固定リンクと、連結部に回転可能に連結された第1回転リンクと、第2移動部および第1回転リンクに回転可能に連結された第2回転リンクと、固定リンクおよび第2回転リンクに回転可能に連結された第3回転リンクと、を含んでもよい。
【0015】
第1回転リンクは、連結部に垂直軸を基準に回転可能に連結される第1付加リンクと、一端が第1付加リンクに垂直軸を基準に回転可能に連結され、他端が第2回転リンクに水平軸を基準に回転可能に連結される第2付加リンクと、を含んでもよい。
【0016】
固定リンクが第2移動部よりも上方に位置し、第2移動部が固定リンクの下側で上下方向に移動してもよい。
【0017】
第2回転リンクは、第3回転リンクよりも長く延長されてもよい。
【0018】
第2移動部が上下運動する場合、第2回転リンクが第3回転リンクに支持されて回転軸に対して窄まったり広がったりするように回転することにより、ハブに連結された連結部が回転してウイングの位置が変動してもよい。
【0019】
第1移動部にはハブと同一の形状に形成される補助ハブが備えられ、第1リンク組立体がハブおよび補助ハブに連結されてもよい。
【0020】
第2移動部は、回転軸上で一緒に上下運動する上部スライダーおよび下部スライダーによって構成され、上部スライダーおよび下部スライダーが第1移動部の上下側に離隔配置され、第1移動部を貫通する連結軸を介して上部スライダーと下部スライダーとが互いに連結されてもよい。
【0021】
第2リンク組立体は、上部スライダーおよびウイングに回転可能に連結されてもよい。
【0022】
複数のウイングのうち、いずれか一つのウイングは、第1リンク組立体を介して第1移動部に連結され、残りのウイングは、第1リンク組立体および第2リンク組立体を介して第1移動部および第2移動部に連結されてもよい。
【発明の効果】
【0023】
上述した構造を持つエアモビリティのプロペラ装置は、エアモビリティの飛行状態に応じてウイングが展開されたり折り畳まれたりすることにより、各飛行状況でウイングの効率的な使用によってエネルギー効率が向上し、飛行距離が増大する。また、ウイングの展開動作または折り畳み動作と共に、ピッチング動作も実現されることにより、飛行性能が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係るエアモビリティのプロペラ装置を示す図である。
【
図2】
図1に示されたエアモビリティのプロペラ装置を説明するための図である。
【
図3】ウイングのピッチング動作を説明するための図である。
【
図4】ウイングのピッチング動作を説明するための図である。
【
図5】ウイングの展開動作または折り畳み動作を説明するための図である。
【
図6】
図1に示されたエアモビリティのプロペラ装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係るエアモビリティのプロペラ装置について説明する。
【0026】
図1は本発明に係るエアモビリティのプロペラ装置を示す図、
図2は
図1に示されたエアモビリティのプロペラ装置を説明するための図、
図3および
図4はウイングのピッチング動作を説明するための図、
図5はウイングの展開動作または折り畳み動作を説明するための図、
図6は
図1に示されたエアモビリティのプロペラ装置を説明するための図である。
【0027】
本発明に係るエアモビリティのプロペラ装置は、
図1および
図2に示すように、ハブ10および該ハブ10に連結された複数のウイング20と、ハブ10に回転力を伝達することにより、ハブ10およびウイング20を回転させる回転軸30と、回転軸30上で独立して上下運動するように設けられた第1移動部40および第2移動部50と、第1移動部40と複数のウイング20とを連結し、第1移動部40の上下運動時に複数のウイング20がその場で回転してピッチング動作が実現されるようにする第1リンク組立体60と、第2移動部50と複数のウイング20とを連結し、第2移動部50の上下運動時に複数のウイング20が回転移動して折り畳み動作または展開動作が実現されるようにする第2リンク組立体70と、を含む。
【0028】
本発明は、エアモビリティの機体または翼側に設置でき、回転軸30が駆動モータMに連結され、駆動モータMから伝達される回転力によって回転軸30およびハブ10と一緒にウイング20が回転することにより推進力が生成され、エアモビリティの飛行が行われ得る。また、本発明の構成は、上下反転されるように設置できる。
【0029】
このように、回転軸30は、駆動モータMに連結され、駆動モータMの回転力の伝達を受けて回転し、回転軸30に連結されたハブ10、およびハブ10に連結された複数のウイング20も回転軸30と一緒に回転する。
【0030】
ここで、回転軸30上には、独立して上下運動するように設けられた第1移動部40および第2移動部50が設けられ、第1移動部40および第2移動部50は、それぞれ第1リンク組立体60および第2リンク組立体70を介してウイング20に連結される。すなわち、第1移動部40が上下運動する場合、第1リンク組立体60によってウイング20がその場で回転してピッチング動作が実現されることにより、エアモビリティの姿勢制御が行われ得る。第2移動部50が上下運動する場合、第2リンク組立体70によってウイング20が回転移動して折り畳み動作または展開動作が実現されることにより、エアモビリティに対してウイング20が収納されたり繰り広げられたりすることができる。
【0031】
ここで、第1移動部40および第2移動部50は、それぞれロータリーまたはリニアアクチュエータで動作することができ、別途のコントロールロッドに連結されて上下運動することができる。
【0032】
上述した本発明について具体的に説明すると、ウイング20が連結部80を介してハブ10に回転可能に連結され、第1リンク組立体60および第2リンク組立体70が互いに異なる位置で連結部80に回転可能に連結され得る。
【0033】
図2に示すように、ハブ10には連結部80が回転可能に連結され、連結部80にはウイング20が回転可能に連結される。また、連結部80には、互いに異なる位置で第1リンク組立体60および第2リンク組立体70が回転可能に連結される。これにより、ウイング20を連結部80を介してハブ10に連結でき、第1移動部40の上下運動時に第1リンク組立体60によってウイング20がその場で回転するか、或いは第2移動部50の上下運動時に第2リンク組立体70が連結部80を直接回転させてウイング20が回転移動するようにする。
【0034】
これにより、連結部80は、第1リンク組立体60と第2リンク組立体70が互いに異なる位置で連結できるように垂直に折り曲げられた形態で形成でき、連結部80の垂直部81には、ウイング20が第1リンク組立体60と一緒に水平軸を基準に回転可能に連結され、水平部82を介してハブ10に垂直軸を基準に回転可能に設置され、第2リンク組立体70が垂直軸を基準に回転可能に連結され得る。
【0035】
このように、ハブ10に連結された連結部80を介してウイング20、第1リンク組立体60、第2リンク組立体70が連結されることにより、第1移動部40および第2移動部50の各上下運動によるウイング20の姿勢および位置調節が行われ得る。
【0036】
以下、ウイング20の姿勢制御および回転位置調節に応じて各構成について詳細に説明する。
【0037】
ウイング20の姿勢制御のための第1リンク組立体60は、第1移動部40に回転可能に連結された第1連結リンク61と、ウイング20に連結され、連結部80に回転可能に連結された第2連結リンク62と、第1連結リンク61および第2連結リンク62に回転可能に連結された第3連結リンク63と、を含む。
【0038】
図2に示すように、第1リンク組立体60においては、第1連結リンク61、第2連結リンク62、第3連結リンク63がそれぞれ回転可能に連結され、第1移動部40の上下運動時にウイング20が連結部80に対してその場で回転することにより、ピッチング動作が実現されるようにする。
【0039】
これにより、第1連結リンク61は、第1移動部40に垂直軸を基準に回転可能に連結され、第2連結リンク62は、連結部80に水平軸を基準に回転可能に連結され、第3連結リンク63は、第1連結リンク61および第2連結リンク62に水平軸を基準に回転可能に連結され得る。本発明において、各リンクは、ヒンジ構造を介して回転可能に連結できる。このように第1連結リンク61、第2連結リンク62、第3連結リンク63の回転可能な方向が設定されることにより、第1移動部40の上下運動時に第1連結リンク61、第2連結リンク62、第3連結リンク63が連携動作して上下移動しながら、ウイング20のピッチング動作が実現されるようにすることができる。
【0040】
すなわち、第1移動部40が上下運動する場合、第1連結リンク61および第3連結リンク63が第1移動部40と共に上下方向に移動して、第2連結リンク62を回転させることにより、第2連結リンク62に連結されたウイング20が連結部80に対して回転してウイング20のピッチが変化する。このとき、第1移動部40の上下位置はウイング20の姿勢制御に応じて決定され、これは別の制御器によって制御できる。
【0041】
図3に示すように、第1移動部40が上方に移動すると、第1移動部40に連結された第1連結リンク61と一緒に、第3連結リンク63が上方に移動する。このとき、第3連結リンク63に連結された第2連結リンク62が、連結部80に対して回転することにより、連結部80に連結されたウイング20は、上方に回転する。
【0042】
逆に、
図4に示すように、第1移動部40が下方に移動すると、第1移動部40に連結された第1連結リンク61と一緒に、第3連結リンク63が下方に移動する。このとき、第3連結リンク63に連結された第2連結リンク62が、連結部80に対して回転することにより、連結部80に連結されたウイング20は、下方に回転する。
【0043】
このように、本発明は、第1移動部40の上下移動によってウイング20のピッチを調節することができる。
【0044】
一方、ウイング20の回転位置制御のための第2リンク組立体70は、回転軸30に設置された固定リンク71と、連結部80に回転可能に連結された第1回転リンク72と、第2移動部50および第1回転リンク72に回転可能に連結された第2回転リンク73と、固定リンク71および第2回転リンク73に回転可能に連結された第3回転リンク74と、を含む。
【0045】
図2に示すように、第2リンク組立体70は、固定リンク71、第1回転リンク72、第2回転リンク73、第3回転リンク74がそれぞれ回転可能に連結されて、第2移動部50の上下運動時に、連結部80がハブ10に対して回転することにより、ウイング20が連結部80と一緒に回転移動して折り畳み動作または展開動作が実現されるようにする。
【0046】
ここで、固定リンク71、第2回転リンク73、第3回転リンク74が水平軸を基準に回転可能に連結される。第1回転リンク72が、連結部80に対して垂直軸を基準に回転可能に連結され、且つ、第2回転リンク73に水平軸を基準に回転可能に連結される。このような第1回転リンク72は、連結部80に垂直軸を基準に回転可能に連結される第1付加リンク72aと、一端が第1付加リンク72aに垂直軸を基準に回転可能に連結され、他端が第2回転リンク73に水平軸を基準に回転可能に連結される第2付加リンク72bと、を含むことができる。これにより、第1付加リンク72aは、一定の長さ延長されるように形成でき、第2付加リンク72bは、垂直に折り曲げられるように形成できる。これにより、第2移動部50の上下移動時に第2回転リンク73が回転すると、第1回転リンク72の第2付加リンク72bが第2回転リンク73に連動して回転軸30に対して離れたり近づいたりする方向に移動する。これと同時に、第1付加リンク72aは、連結部80に連結された状態で第2付加リンク72bの移動によって回転し、連結部80は、第1付加リンク72aの回転によって回転しながらウイング20の回転位置が変化する。
【0047】
一方、固定リンク71は、第2移動部50よりも上方に位置し、第2移動部50が固定リンク71の下側で上下方向に移動することができる。また、第2回転リンク73は、第3回転リンク74よりも長く延びることができる。これにより、第2移動部50の上下運動時に第2回転リンク73が第3回転リンク74に支持されて広がったり窄まったりする形態で動作することができる。
【0048】
このように、第2移動部50が上下運動する場合、第2回転リンク73が第3回転リンク74に支持されて回転軸30に対して窄まったり広がったりするように回転することにより、第1回転リンク72に連結された連結部80がハブ10に対して回転してウイング20の回転位置が変動する。このとき、第2移動部50の上下位置はウイング20の回転位置に応じて決定され、これは別の制御器によって制御できる。
【0049】
図3に示すように、第2移動部50が上方に移動すると、第2移動部50に連結された第2回転リンク73が第3回転リンク74に支持されて、第2回転リンク73は時計回りに回転し、第3回転リンク74は反時計回りに回転する。これにより、第2回転リンク73は広がる動作が行われ、第2回転リンク73に連結された第1回転リンク72が、ハブ10に連結された連結部80を回転させる。これにより、連結部80に連結されたウイング20は、展開される方向に回転移動する。
【0050】
逆に、
図5に示すように、第2移動部50が下方に移動すると、第2移動部50に連結された第2回転リンク73が第3回転リンク74に支持されて、第2回転リンク73は反時計回りに回転し、第3回転リンク74は時計回りに回転する。これにより、第2回転リンク73は窄まる動作が行われ、第2回転リンク73に連結された第1回転リンク72が、ハブ10に連結された連結部80を回転させる。これにより、連結部80に連結されたウイング20は、折り畳まれる方向に回転移動する。
【0051】
一方、第1移動部40にはハブ10と同一の形状に形成される補助ハブ41が含まれ、第1リンク組立体60がハブ10および補助ハブ41に連結され得る。このように、第1移動部40にはハブ10と同じ形状の補助ハブ41が含まれることにより、ハブ10の周りに沿って複数設置されるウイング20に対して第1リンク組立体60が上下方向に安定的に設置され得る。
【0052】
第2移動部50は、回転軸30上で一緒に上下運動する上部スライダー51および下部スライダー52によって構成され、上部スライダー51および下部スライダー52が第1移動部40の上下側に離隔配置され、第1移動部40を貫通する連結軸53を介して上部スライダー51と下部スライダー52とが互いに連結され得る。ここで、第2リンク組立体70は、上部スライダー51およびウイング20に回転可能に連結され得る。すなわち、第2移動部50は、ロータリーまたはリニアアクチュエータにより上下移動する下部スライダー52と、連結軸53を介して下部スライダー52に連結されて一緒に上下運動し、第2リンク組立体70が連結される上部スライダー51と、によって構成される。このように、第2移動部50を上部スライダー51および下部スライダー52に分割することにより、第2リンク組立体70と他の部品との干渉を最小限に抑えることができる。また、下部スライダー52および上部スライダー51は、第1移動部40を貫通する連結軸53を介して連結されることにより、パッケージが縮小される。
【0053】
一方、複数のウイング20のうち、いずれか一つのウイング20aは、第1リンク組立体60を介して第1移動部40に連結され、残りのウイング20bは、第1リンク組立体60および第2リンク組立体70を介して第1移動部40および第2移動部50に連結され得る。
【0054】
このように、第1リンク組立体60を介して第1移動部40がすべてのウイング20に連結されることで、すべてのウイング20はピッチング動作を実現できる。ここで、いずれか一つのウイング20aを除いた残りのウイング20bには、第2リンク組立体70を介して第2移動部50が連結されることにより、残りのウイング20bが固定された一つのウイング20aに向かって回転移動して、折り畳み動作または展開動作を実現できる。一例として、
図6に示すように、3つのウイング20のうち、いずれか一つのウイング20aには第1リンク組立体60および第1移動部40が連結されてピッチング動作のみが実現され、残りのウイング20bには第1リンク組立体60および第2リンク組立体70を介して第1移動部40および第2移動部50が連結されることにより、ピッチング動作と共に回転位置の変化による展開動作または折り畳み動作を実現できる。
【0055】
上述したような構造を持つエアモビリティのプロペラ装置は、エアモビリティの飛行状態に応じてウイングが展開されたり折り畳まれたりすることにより、各飛行状況でウイングの効率的な使用によってエネルギー効率が向上し、飛行距離が増大する。また、ウイングの展開動作または折り畳み動作と共に、ピッチング動作も実現されることにより、飛行性能が確保される。
【0056】
本発明は特定の実施形態について図示および説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想から逸脱することなく、本発明に様々な改良および変化を加え得るのは、当該分野における通常の知識を有する者にとって自明なことである。
【符号の説明】
【0057】
10 ハブ
20 ウイング
30 回転軸
40 第1移動部
41 補助ハブ
50 第2移動部
51 上部スライダー
52 下部スライダー
53 連結軸
60 第1リンク組立体
61 第1連結リンク
62 第2連結リンク
63 第3連結リンク
70 第2リンク組立体
71 固定リンク
72 第1回転リンク
72a 第1付加リンク
72b 第2付加リンク
73 第2回転リンク
74 第3回転リンク
80 連結部