(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-14
(45)【発行日】2025-02-25
(54)【発明の名称】自動運転の遠隔制御方法、自動運転車両及びクラウド機器
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20250217BHJP
B60W 30/08 20120101ALI20250217BHJP
B60W 40/04 20060101ALI20250217BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20250217BHJP
G05D 1/00 20240101ALI20250217BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20250217BHJP
G08G 1/123 20060101ALI20250217BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20250217BHJP
【FI】
G08G1/09 V
B60W30/08
B60W40/04
B60W60/00
G05D1/00
G08G1/00 X
G08G1/123 A
G08G1/16 C
(21)【出願番号】P 2021208348
(22)【出願日】2021-12-22
【審査請求日】2021-12-22
【審判番号】
【審判請求日】2023-11-06
(31)【優先権主張番号】202011534514.7
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514322098
【氏名又は名称】ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】2/F Baidu Campus, No.10, Shangdi 10th Street, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【氏名又は名称】上田 邦生
(72)【発明者】
【氏名】フェン, ジンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】スン, キンルイ
(72)【発明者】
【氏名】ツェン, ペンジー
(72)【発明者】
【氏名】クイ, ティアンシャン
(72)【発明者】
【氏名】シア, リミン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ツオ
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】梶尾 誠哉
【審判官】小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-131897(JP,A)
【文献】特開2020-177292(JP,A)
【文献】特表2020-519975(JP,A)
【文献】特開2016-162229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W30/00-60/00
G05D1/00
G08G1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在対応する前方道路区間が通行できないことが検出された場合、クラウドサーバに支援要求を送信するステップと、
前記クラウドサーバから返信された迂回参照ルートを取得するステップと、
前記迂回参照ルート及び前記車両の現在の運転環境に基づいて、制御命令を生成するステップと、
前記制御命令に基づいて前記車両の運転を制御するステップと、
を含み、
前記迂回参照ルート及び前記車両の現在の運転環境に基づいて、制御命令を生成するステップは、
前記迂回参照ルートが目標点の座標である場合、前記車両が、現在の運転環境に基づいて、現在の位置から前記目標点までの間のルートを算出し、前記ルートに基づいて、対応する制御命令を生成
するものであり、
前記車両の現在の運転環境に基づいて、前記迂回参照ルートの安全チェックを行って、前記車両の現在の位置から前記目標点までの間に安全上のリスクが存在するか否かを決定するステップであって、前記安全上のリスクが、車両後方から他の車両が急に追い越すことがあるか否か、他の車両が反対方向から運転してくるか否か、又は歩行者が急に侵入するか否かを含むステップと、
安全上のリスクが存在しない場合、自動運転車両の現在の位置、現在の運転環境及び前記目標点の座標に基づいて、現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻を算出し、前記現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻に基づいて、前記車両における各実行機構にそれぞれ対応する各制御命令を生成するステップと、
前記現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻を算出するステップの後に、前記現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻
が異常な場合、前記クラウドサーバが前記目標点を更新するように、前記クラウドサーバに目標点エラーのメッセージを返信するステップと、
を含む、自動運転の遠隔制御方法。
【請求項2】
クラウドサーバに支援要求を送信するステップの前に、
前記車両を停車するように制御するか、又は前記車両の運転速度を下げるように制御するステップを含む請求項1に記載の自動運転の遠隔制御方法。
【請求項3】
前記制御命令に基づいて前記車両の運転を制御する過程において、障害物の検出を行うステップと、
障害物が検出された場合、前記自動運転車両を停車するように制御し、且つ前記クラウドサーバに支援要求を再度送信するステップと、
を含む請求項1に記載の自動運転の遠隔制御方法。
【請求項4】
取得された車両からの支援要求に応答して、目標運転データを決定するステップであって、前記支援要求には前記車両の識別子が含まれ、前記目標運転データは、前記車両の識別子に関連する車両状態データ及び運転環境データであるステップと、
前記目標運転データに基づいて、前記車両に対応する迂回参照ルートを決定するステップと、
前記車両に前記迂回参照ルートを返信するステップと、
を含み、
前記車両は、
前記迂回参照ルートが目標点の座標である場合
、現在の運転環境に基づいて、現在の位置から前記目標点までの間のルートを算出し、前記ルートに基づいて、対応する制御命令を生成
するものであり、
前記現在の運転環境に基づいて、現在の位置から前記目標点までの間のルートを算出し、前記ルートに基づいて、対応する制御命令を生成することが、
前記車両の現在の運転環境に基づいて、前記迂回参照ルートの安全チェックを行って、前記車両の現在の位置から前記目標点までの間に安全上のリスクが存在するか否かを決定するステップであって、前記安全上のリスクが、車両後方から他の車両が急に追い越すことがあるか否か、他の車両が反対方向から運転してくるか否か、又は歩行者が急に侵入するか否かを含むステップと、
安全上のリスクが存在しない場合、自動運転車両の現在の位置、現在の運転環境及び前記目標点の座標に基づいて、現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻を算出し、前記現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻に基づいて、前記車両における各実行機構にそれぞれ対応する各制御命令を生成するステップと、
前記現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻を算出するステップの後に、前記現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻
が異常な場合、クラウドサーバが前記目標点を更新するように、前記クラウドサーバに目標点エラーのメッセージを返信するステップと、
を含む、自動運転の遠隔制御方法。
【請求項5】
前記目標運転データに基づいて、前記車両に対応する迂回参照ルートを決定するステップが、
前記目標運転データに基づいて、前記車両の現在対応する運転環境参照マップを表示画面で構築するステップと、
前記表示画面で取得されたタッチ操作に応答して、前記迂回参照ルートにおける各目標点を決定するステップと、
前記各目標点を順次接続することにより、前記迂回参照ルートを生成するステップと、
を含む請求項4に記載の自動運転の遠隔制御方法。
【請求項6】
車両の現在対応する前方道路区間が通行できないことが検出された場合、クラウドサーバに支援要求を送信するように構成される送信モジュールと、
前記クラウドサーバから返信された迂回参照ルートを取得するように構成される取得モジュールと、
前記迂回参照ルート及び前記車両の現在の運転環境に基づいて、制御命令を生成するように構成される生成モジュールと、
前記制御命令に基づいて前記車両の運転を制御するように構成される第1制御モジュールと、
を備え、
前記生成モジュールは、
前記迂回参照ルートが目標点の座標である場合、前記車両が、現在の運転環境に基づいて、現在の位置から前記目標点までの間のルートを算出し、前記ルートに基づいて、対応する制御命令を生成
するものであり、
前記車両の現在の運転環境に基づいて、前記迂回参照ルートの安全チェックを行って、前記車両の現在の位置から前記目標点までの間に安全上のリスクが存在するか否かを決定するように構成されるチェックユニットであって、前記安全上のリスクが、車両後方から他の車両が急に追い越すことがあるか否か、他の車両が反対方向から運転してくるか否か、又は歩行者が急に侵入するか否かを含むチェックユニットと、
安全上のリスクが存在しない場合、自動運転車両の現在の位置、現在の運転環境及び前記目標点の座標に基づいて、現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻を算出するように構成される算出ユニットと、
前記現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻に基づいて、前記車両における各実行機構にそれぞれ対応する各制御命令を生成するように構成される生成ユニットと、
を備え、
前記算出ユニットが、前記現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻を算出した後に、前記生成ユニットが、前記現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻
が異常な場合、前記クラウドサーバが前記目標点を更新するように、前記クラウドサーバに目標点エラーのメッセージを返信する、自動運転の遠隔制御装置。
【請求項7】
前記車両を停車するように制御するか、又は前記車両の運転速度を下げるように制御するように構成される第2制御モジュールを備える請求項6に記載の自動運転の遠隔制御装置。
【請求項8】
前記制御命令に基づいて前記車両の運転が制御される過程において、障害物の検出を行い、
障害物を検出した場合、前記自動運転車両を停車するように制御し、且つクラウドサーバに支援要求を再度送信するように構成される検出モジュールを備える請求項6に記載の自動運転の遠隔制御装置。
【請求項9】
取得された車両からの支援要求に応答して、目標運転データを決定するように構成される第1決定モジュールであって、前記支援要求には前記車両の識別子が含まれ、前記目標運転データは、前記車両の識別子に関連する車両状態データ及び運転環境データである第1決定モジュールと、
前記目標運転データに基づいて、前記車両に対応する迂回参照ルートを決定するように構成される第2決定モジュールと、
前記車両に前記迂回参照ルートを返信するように構成される第2返信モジュールと、
を備え、
前記車両は、
前記迂回参照ルートが目標点の座標である場合
、現在の運転環境に基づいて、現在の位置から前記目標点までの間のルートを算出し、前記ルートに基づいて、対応する制御命令を生成
するものであり、
前記車両の現在の運転環境に基づいて、前記迂回参照ルートの安全チェックを行って、前記車両の現在の位置から前記目標点までの間に安全上のリスクが存在するか否かを決定し、前記安全上のリスクが、車両後方から他の車両が急に追い越すことがあるか否か、他の車両が反対方向から運転してくるか否か、又は歩行者が急に侵入するか否かを含み、
安全上のリスクが存在しない場合、自動運転車両の現在の位置、現在の運転環境及び前記目標点の座標に基づいて、現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻を算出し、前記現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻に基づいて、前記車両における各実行機構にそれぞれ対応する各制御命令を生成し、
前記現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻を算出した後に、前記現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻
が異常な場合、クラウドサーバが前記目標点を更新するように、前記クラウドサーバに目標点エラーのメッセージを返信する、自動運転の遠隔制御装置。
【請求項10】
前記第2決定モジュールが、
前記目標運転データに基づいて、前記車両の現在対応する運転環境参照マップを表示画面で構築するように構成される構築ユニットと、
前記表示画面で取得したタッチ操作に応答して、前記迂回参照ルートにおける各目標点を決定するように構成される決定ユニットと、
前記各目標点を順次接続することにより、前記迂回参照ルートを生成するように構成される生成ユニットと、
を備える請求項9に記載の自動運転の遠隔制御装置。
【請求項11】
少なくとも1つのプロセッサと、
該少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリと、
を備え、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1から3のいずれか一項に記載の自動運転の遠隔制御方法を実行できる車両側電子機器。
【請求項12】
コンピュータに請求項1から5のいずれか一項に記載の自動運転の遠隔制御方法を実行させるためのコンピュータ命令を記憶している、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項13】
少なくとも1つのプロセッサと、
該少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリと、
を備え、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項4又は5に記載の自動運転の遠隔制御方法を実行できるクラウド電子機器。
【請求項14】
請求項11に記載の車両側電子機器を備える自動運転車両。
【請求項15】
請求項13に記載のクラウド電子機器を備えるクラウド機器。
【請求項16】
プロセッサによって実行される場合に請求項1から5のいずれか一項に記載の自動運転の遠隔制御方法を実現するコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
プロセッサによって実行される場合に請求項1から5のいずれか一項に記載の自動運転の遠隔制御方法を実現するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータ技術分野に関し、具体的には、自動運転、スマート交通などの人工知能技術分野に関し、特に、自動運転の遠隔制御方法、自動運転車両及びクラウド機器に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ技術の急速な発展に伴い、人工知能分野も急速に発展し、スマート交通、スマート自動車、スマート運転などの技術もますます広く使用されるようになった。自動運転は、スマート交通、スマート自動車、スマート運転などの分野の欠かせない一部として、自動運転の遠隔制御をいかに迅速かつ正確に実現するかが重要になる。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、自動運転の遠隔制御方法、自動運転車両及びクラウド機器を提供する。
【0004】
本開示の第1の態様は、車両の現在対応する前方道路区間が通行できないことが検出された場合、クラウドサーバに支援要求を送信するステップと、前記クラウドサーバから返信された迂回参照ルートを取得するステップと、前記迂回参照ルート及び前記車両の現在の運転環境に基づいて、制御命令を生成するステップと、前記制御命令に基づいて前記車両の運転を制御するステップとを含む、自動運転の遠隔制御方法である。
【0005】
本開示の第2の態様は、取得された車両から送信の支援要求に応答して、目標運転データを決定するステップであって、前記支援要求には前記車両の識別子が含まれ、前記目標運転データは、前記車両の識別子に関連する車両状態データ及び運転環境データであるステップと、前記目標運転データに基づいて、前記車両に対応する迂回参照ルートを決定するステップと、前記車両に前記迂回参照ルートを返信するステップとを含む、自動運転の遠隔制御方法である。
【0006】
本開示の第3の態様は、車両の現在対応する前方道路区間が通行できないことが検出された場合、前記クラウドサーバに支援要求を送信するように構成される送信モジュールと、前記クラウドサーバから返信された迂回参照ルートを取得するように構成される取得モジュールと、前記迂回参照ルート及び前記車両の現在の運転環境に基づいて、制御命令を生成するように構成される生成モジュールと、前記制御命令に基づいて前記車両の運転を制御するように構成される第1制御モジュールとを備える、自動運転の遠隔制御装置である。
【0007】
本開示の第4の態様は、取得された車両からの支援要求に応答して、目標運転データを決定するように構成される第1決定モジュールであって、前記支援要求には前記車両の識別子が含まれ、前記目標運転データは、前記車両の識別子に関連する車両状態データ及び運転環境データである第1決定モジュールと、前記目標運転データに基づいて、前記車両に対応する迂回参照ルートを決定するように構成される第2決定モジュールと、前記車両に前記迂回参照ルートを返信するように構成される第2返信モジュールとを備える、自動運転の遠隔制御装置である。
【0008】
本開示の第5の態様は、少なくとも1つのプロセッサと、該少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリと、を備え、前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合、前記少なくとも1つのプロセッサが上記第1の態様に記載の自動運転の遠隔制御方法を実行できる車両側電子機器である。
【0009】
本開示の第6の態様は、少なくとも1つのプロセッサと、該少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリと、を備え、前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶されており、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される場合、前記少なくとも1つのプロセッサが上記第1の態様に記載の自動運転の遠隔制御方法を実行できる、クラウド電子機器である。
【0010】
本開示の第7の態様は、プロセッサによって実行される場合上記第1の態様に記載の自動運転の遠隔制御方法を実現するコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品である。
【0011】
本開示の第8の態様は、コンピュータに上記第1の態様に記載の自動運転の遠隔制御方法を実行させるためのコンピュータ命令を記憶している、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
【0012】
本開示の第9の態様は、上記第5の態様に記載の車両側電子機器を備える自動運転車両である。
【0013】
本開示の第10の態様は、上記第6の態様の実施例に記載のクラウド電子機器を備えるクラウド機器である。
本開示の第11の態様は、プロセッサによって実行される場合に上記第1の態様に記載の自動運転の遠隔制御方法を実現するコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本開示に係る自動運転の遠隔制御方法、自動運転車両及びクラウド機器は、次のような有益な効果を有する。
車両の現在対応する前方道路区間が通行できないことが検出された場合、クラウドサーバに支援要求を送信し、前記クラウドサーバから返信された迂回参照ルートを取得し、前記迂回参照ルート及び前記車両の現在の運転環境に基づいて、制御命令を生成し、前記制御命令に基づいて前記車両の運転を制御する。クラウドサーバが迂回参照ルートのみを提供し、その後、車両が迂回参照ルート及び現在の運転環境に基づいて具体的な制御命令を生成することにより、制御命令が車両の実際の運転環境とより一致するようになり、安全性及び信頼性がより高くなる。
【0015】
なお、この概要部分に記載されている内容は、本開示の実施例の肝心な又は重要な特徴を特定することを意図しておらず、本開示の範囲を限定するものでもない。本開示の他の特徴は、以下の説明を通じて容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図面は、本技術案をよりよく理解するために使用され、本開示を限定するものではない。
【
図1A】本開示の一実施例に係る自動運転の遠隔制御方法の概略フローチャートである。
【
図1B】本開示の実施例に係る迂回参照ルートの概略図である。
【
図2】本開示の別の実施例に係る自動運転の遠隔制御方法の概略フローチャートである。
【
図3】本開示のさらに別の実施例に係る自動運転の遠隔制御方法の概略フローチャートである。
【
図4】本開示の一実施例に係る自動運転の遠隔制御装置の概略構成図である。
【
図5】本開示の別の実施例に係る自動運転の遠隔制御装置の概略構成図である。
【
図6】本開示のさらに別の実施例に係る自動運転の遠隔制御装置の概略構成図である。
【
図7】本開示の実施例に係る自動運転の遠隔制御方法を実行する車両側電子機器のブロック図である。
【
図8】本開示の実施例に係る自動運転の遠隔制御方法を実行するクラウド電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を組み合わせて本開示の例示的な実施例を説明し、理解を容易にするためにその中には本開示の実施例の様々な詳細事項が含まれており、それらは単なる例示的なものと見なされるべきである。したがって、当業者は、本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、ここで説明される実施例に対して様々な変更と修正を行うことができる。同様に、わかりやすくかつ簡潔にするために、以下の説明では、周知の機能及び構成の説明を省略する。
【0018】
人工知能は、コンピュータに人間の一部の思考過程と知能行為(例えば学習、推理、思考、計画など)を模擬させることを研究する学科であり、ハードウェアレベルの技術もソフトウェアレベルの技術もある。人工知能ハードウェア技術は、一般的に、例えばセンサ、専用人工知能チップ、クラウドコンピューティング、分散型ストレージ、ビッグデータ処理などの技術を含み、人工知能ソフトウェア技術は、主にコンピュータビジョン技術、音声認識技術、自然言語処理技術及び機械学習、深層学習、ビッグデータ処理技術、知識グラフ技術などの技術を含む。
【0019】
自動運転とは、ドライバーのステアリングや道路内での運転を支援することにより、前進やブレーキかけ、車線変更などの一連の操作を実現できる補助運転システムであり、ドライバーがいつでも車両を制御でき、また、システムは、一部の特定の状況ではドライバーに制御を介入するように通知することができる。
【0020】
スマート交通は、先進的な情報技術、データ通信伝送技術、電子センシング技術、制御技術及びコンピュータ技術などを地上交通管理システム全体に効果的に統合して運用することによって構築された、広範囲で総合的に機能する、リアルタイムで正確かつ効率的な総合交通運輸管理システムであり、交通情報サービスシステム及び交通管理システムの2つの部分からなる。
【0021】
なお、本開示の実施例に係る自動運転の遠隔制御方法は、並列運転が可能な任意の車両に適用可能である。本開示における並列運転車両とは、手動運転が可能で、自動運転も可能で、ネットワーク接続を介して並列運転プラットフォームによって制御も可能な任意の車両を意味する。
【0022】
また、本開示の実施例における並列運転プラットフォームは、クラウドサーバ及び少なくとも1つのコックピットを備えることができる。このうち、クラウドサーバ及びコックピットはいずれも必要に応じて車両にネットワークを介して接続し、車両とデータのやり取りを行うことができる。また、コックピットには、必要に応じて、ハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダルなどの車両制御模擬モジュールや、並列運転車両を制御可能なモジュールを他の設けることにより、ドライバーがコックピット側で必要に応じて並列運転車両を遠隔制御することができる。
【0023】
なお、本開示におけるクラウドサーバ及びコックピットの名称は、あくまでも模式的なものであって、本開示の保護範囲を限定するものではなく、実際の使用において、クラウドサーバは並列運転サーバ、並列運転コンソールなどとも呼ばれ、コックピットはスマート車室、スマートキャビン、クラウドサーバコックピット、クラウドサーバキャビンなどとも呼ばれ、本開示はこれについて限定するものではない。
【0024】
以下、図面を参照して、本開示の実施例に係る自動運転の遠隔制御方法、自動運転車両及びクラウド機器を詳細に説明する。
【0025】
図1Aは、本開示の実施例に係る自動運転の遠隔制御方法の概略フローチャートである。
【0026】
本開示の実施例に係る自動運転の遠隔制御方法は、本開示の実施例に係る自動運転の遠隔制御装置によって実行することができ、当該装置は車両に配置することができる。
【0027】
図1Aに示すように、当該自動運転の遠隔制御方法は以下のステップ101~ステップ104を含む。
【0028】
ステップ101において、車両の現在対応する前方道路区間が通行できないことが検出された場合、クラウドサーバに支援要求を送信する。
【0029】
ここで、車両は自動運転中にバリケード遮断や道路の一時変更、交通規制などの突発的な状況に遭遇する可能性があり、車両が正常に通過できなかったり、車両が即応できず不測の事態を引き起こしたりするおそれがある。本開示の実施例では、自動運転車両が運転中に、車両が現在の道路区間を通過できないことを検出した場合、クラウドサーバに支援要求を送信することができる。
【0030】
車両及び乗客の安全をさらに確保するために、車両は、クラウドサーバに支援要求を送信する前に、停車するか又は運転速度を下げることを選択することにより、安全上のリスクを低減することができることを理解されたい。
【0031】
ステップ102において、クラウドサーバから返信された迂回参照ルートを取得する。
【0032】
ここで、迂回参照ルートは、クラウドサーバが車両から送信された支援要求を受信した後、収集した車両の運転環境データに基づいて生成したルートである。
【0033】
また、車両が取得した迂回参照ルートは、様々な形態であってもよい。例えば、迂回参照ルートは、1つの目標点の座標であってもよく、あるいは、迂回参照ルートは、一連の連続した目標点の座標であってもよい。即ち、クラウドサーバは、車両から送信された支援要求を取得した後、車両に具体的な制御命令を提供必要がなく、単に車両運転ルートを提供するだけでよい。
【0034】
なお、上記形態は例にすぎず、本開示の実施例における迂回参照ルートの形態を限定するものではない。
【0035】
ステップ103において、迂回参照ルート及び車両の現在の運転環境に基づいて、制御命令を生成する。
【0036】
ここで、現在の運転環境は、車両に搭載された各センサ及びカメラが収集したデータに基づいて車両が決定するものであり、例えば、車両と様々な方向の障害物との間の距離、路面幅、天候などを含んでもよく、本開示はこれを限定しない。
【0037】
実際の使用時には、迂回参照ルートが1つの目標点の座標である場合、車両は、現在の運転環境に基づいて、現在の位置から当該目標点までの間のルートを算出し、且つ、当該ルートに基づいて、対応する制御命令を生成することができる。あるいは、迂回参照ルートが一連の目標点の座標であり、車両は一連の目標点の座標を受信した後、まずこの一連の目標点に基づいて1つのルートを構築し、その後、現在の運転環境及び当該ルートに合わせて、対応する制御命令を生成する。あるいは、迂回参照ルートが一連の目標点の座標であり、車両は一連の目標点の座標を受信した後、この一連の目標点の座標及び順序に基づいて、隣接する2つの目標点間のルート及び対応する制御命令を順次構築する。
【0038】
例えば、
図1Bに示すような迂回参照ルートには、A、B、C、D、Eの各目標点が含まれており、車両は、まず各目標点の位置に基づいて、
図1Bに示すような迂回参照ルートを構築し、その後、現在の運転環境に合わせて、当該迂回参照ルートを分析し、対応する制御命令を生成する。例えば、車両は、まず現在の位置から目標点Aまで運転する運転ルートを決定し、さらに当該運転ルートに基づいて対応する制御命令を生成し、当該制御命令は、車両が現在速度を維持して運転することによりあってもよいし、減速して運転することによりあってもよい。
【0039】
あるいは、車両が目標点Bまで運転すると、車両は、現在の位置及び車両に搭載された各センサ及びカメラが収集したデータに基づいてC目標点までの運転ルートを決定し、さらに当該運転ルートに基づいて対応する制御命令を生成し、当該制御命令は、車両のハンドルが左へ45度だけ回転して運転することによりあってもよいし、直進してから左へ運転することによりあってもよい。
【0040】
なお、上記例は例にすぎず、本開示における制御命令を限定するものではない。
【0041】
ステップ104において、制御命令に基づいて車両の運転を制御する。
【0042】
車両運転の安全性をさらに高め、不測の事態のリスクを低減するために、制御命令に基づいて車両の運転を制御する過程において、障害物の検出を継続してもよいことを理解されたい。車両が障害物を検出した場合、現在の迂回参照ルートに安全上のリスクが存在する可能性があることを示し、それによって当該自動運転車両を停車するように制御し、且つクラウドサーバに支援要求を再度送信することができる。
【0043】
本開示の実施例では、車両が前方道路区間通行不能なことに遭遇した場合、クラウドサーバに支援要求を送信する際に、クラウドサーバが車両に迂回参照ルートのみを提供し、その後、車両が現在のリアルタイムの運転環境に基づいて、対応する制御命令を生成することにより、自動運転中に車両が停滞する事態を回避できるだけでなく、車両を制御する命令が、車両が最新の運転環境に基づいて生成したものであることを確保することができ、即ち車両の運転を制御するための制御命令の安全性及び信頼性が高いことを理解されたい。
【0044】
本開示の実施例では、車両の現在対応する前方道路区間が通行できないことが検出された場合、クラウドサーバに支援要求を送信し、クラウドサーバから返信された迂回参照ルートを取得し、当該迂回参照ルート及び車両の現在の運転環境に基づいて、制御命令を生成し、制御命令に基づいて車両の運転を制御する。クラウドサーバが迂回参照ルートのみを提供し、その後、車両が迂回参照ルート及び現在の運転環境に基づいて具体的な制御命令を生成することにより、制御命令が車両の実際の運転環境とより一致するようになり、安全性及び信頼性がより高くなる。
【0045】
なお、迂回参照ルートが、クラウドサーバが既知の車両運転環境に基づいて決定したものであり、車両が迂回参照ルートを取得した時点での運転環境が既に変化した可能性があるため、車両が迂回参照ルート及び車両の現在の運転環境に基づいて、制御命令を生成する際に、正確な制御命令を得ることができない場合がある。したがって、本開示の可能な一実施形態では、車両がクラウドサーバから返信された迂回参照ルートを取得した後、まず当該迂回参照ルートの安全チェックを行い、安全チェックの結果に基づいて、制御命令を生成するか否かを決定することができる。以下、
図2を参照して、本開示の実施例に係るさらに別の自動運転の遠隔制御方法をさらに説明する。
【0046】
図2は、本開示の別の実施例に係る自動運転の遠隔制御方法の概略フローチャートである。
【0047】
ステップ201において、車両の現在対応する前方道路区間が通行できないことが検出された場合、クラウドサーバに支援要求を送信する。
【0048】
ステップ202において、クラウドサーバから返信された迂回参照ルートを取得する。
【0049】
ステップ203において、車両の現在の運転環境に基づいて、迂回参照ルートの安全チェックを行う。
【0050】
クラウドサーバが当該迂回参照ルートを生成するための運転環境は、車両の現在の実際の運転環境と完全に一致しない可能性があることを理解されたい。したがって、車両が当該迂回参照ルートに基づいて、制御命令を生成する前に、当該迂回ルートの安全チェックを行う必要があり、それによって対応するチェック結果に基づいて、対応する制御命令を生成する。
【0051】
迂回参照ルートの安全チックを行う場合、様々な面からチェックを行うことができる。
【0052】
例えば、車両に搭載された各センサ及びカメラが収集したデータに基づいて、車両が現在の位置から目標点まで運転する過程において車両後方から他の車両が急に追い越すことがあるか否か、他の車両が反対方向から運転してくることがあるか否か、又は歩行者が急に侵入することがあるか否かを判断することができる。即ち、車両が現在の位置から目標点まで運転する過程において、安全上のリスクがあるか否かをチェックする。
【0053】
あるいは、車両は、各センサ及びカメラが収集したデータに基づいて、車両と障害物との間の距離を取得し、その後、当該迂回参照ルートに従って運転する際に障害物との距離が近すぎて安全上の問題が発生するか否かをチェックする。
【0054】
あるいは、検出した車両の路面からの幅に基づいて、現在の車両が参照ルートに従って運転する際に安全であるか否かをチェックする。
【0055】
なお、上記チェック方式は例にすぎず、本開示の実施例では迂回参照ルートの安全チェックを行うことを限定するものではない。
【0056】
ステップ204において、迂回参照ルートが安全チェックに合格した場合、自動運転車両の現在の位置、現在の運転環境及び目標点の座標に基づいて、現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻を算出する。
【0057】
ここで、迂回参照ルートが安全チェックに合格した場合、車両が当該迂回参照ルートに従って運転することができることを示す。
【0058】
生成された制御命令の信頼性をさらに確保し、不測の事態の発生リスクを低減するために、具体的な運転中に、車両はまず現在の位置、運転環境及び目標点の座標に基づいて、対応する運転軌跡、運転速度及び/又は出発時刻を算出することができる。
【0059】
例えば、
図1Bに示すような迂回参照ルートでは、A、B、C、D、Eの各目標点がある。車両が現在の位置から目標点Aまで運転しようとすると、車両はまず現在の位置、運転環境及びA点の座標に基づいて、現在の位置からA目標点までの運転軌跡、速度及び出発時刻を算出する。
【0060】
なお、上記例は例にすぎず、本開示の実施例では対応する運転軌跡、運転速度及び/又は出発時刻を算出することを限定するものではない。
【0061】
ステップ205において、現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻に基づいて、車両における各実行機構にそれぞれ対応する各制御命令を生成する。
【0062】
ここで、車両は、算出した現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻の異なる状況に基づいて、対応する制御命令を生成する。
【0063】
例えば、
図1Bに示すような迂回参照ルートでは、現在の位置から目標点Aまでの運転軌跡、速度及び出発時刻が既に算出され、それによって、対応する制御命令を生成することができ、当該制御命令は、ハンドルが現在の角度を維持し、現在の速度で運転し、2秒後に出発することであり得る。
【0064】
あるいは、
図1Bに示すような迂回参照ルートでは、目標点Aから目標点Bまでの運転軌跡、速度及び出発時刻が既に算出され、それによって、対応する制御命令を生成することができ、当該制御命令は、車両のハンドルが左へ45度だけ回転し、現在の速度で運転し、1秒後に出発することであり得る。
【0065】
なお、上記例は例にすぎず、本開示における制御命令を限定するものではない。
【0066】
生成された制御命令には速度が含まれていなくてもよく、この場合、自動運転車両の現在の運転速度よりも小さい所定の速度で車両が当該シナリオで運転していることがデフォルト設定されてもよい。あるいは、当該所定の速度は、設定された固定値であり、車両が遠隔操作で運転するときにその速度で運転してもよいことを理解されたい。
【0067】
また、実際の運転中に、現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻が異常な場合、クラウドサーバが目標点を更新するように、クラウドサーバに目標点エラーのメッセージを返信することができる。
【0068】
ここで、エラーのメッセージには、収集した画像、又は実行機構における車両の運転パラメータなど、目標点との衝突の証拠を含むことができる。
【0069】
例えば、車両が算出した現在の運転軌跡が、実際の運転状況及び収集した画像から実現可能性がない場合、クラウドサーバが目標点を更新するように、クラウドサーバに当該目標点エラー及び収集した画像を返信することができる。
【0070】
あるいは、車両が算出した現在の運転速度が明らかに高すぎる場合、クラウドサーバが目標点を更新するように、クラウドサーバに当該目標点エラー及び車両の運転パラメータを返信することができる。
【0071】
なお、上記状況は例にすぎず、本開示の実施例における異常状況を限定するものではない。
【0072】
ステップ206において、制御命令に基づいて車両の運転を制御する。
【0073】
本実施例では、車両がクラウドサーバから返信された迂回参照ルートを取得した後、まず当該迂回参照ルートの安全チェックを行い、チェックに合格した場合に限って、自動運転車両の現在の位置、現在の運転環境、及び目標点の座標に基づいて、現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻を算出し、さらに、当該算出結果に基づいて対応する制御命令を生成することにより、当該制御命令を用いて車両の運転を制御する。まず迂回参照ルートの安全チェックを行うことにより、当該迂回参照ルートの安全性をさらに確保することができるだけでなく、生成した各制御命令の正確性、実行可能性をさらに向上させることができ、また、迂回参照ルートが異常な場合に、車両が資源及び時間を浪費して運転パラメータを算出することを回避する。
【0074】
上記実施例では、自動運転過程における車両側の遠隔制御方法について説明した。以下、
図3を参照して、自動運転過程において、クラウドサーバ側の車両の遠隔制御方法を詳細に説明する。
【0075】
図3は、本開示の実施例に係る自動運転過程における遠隔制御方法の概略フローチャートである。
【0076】
本開示の実施例に係る自動運転過程における遠隔制御方法は、本開示の実施例に係る自動運転過程における遠隔制御装置によって実行することができ、当該装置はクラウドサーバに配置することができる。
【0077】
ステップ301において、取得された車両からの支援要求に応答して、目標運転データを決定する。
【0078】
ここで、支援要求には車両の識別子が含まれる。
【0079】
目標運転データは、車両の識別子に関連する車両状態データ及び運転環境データである。
【0080】
車両がクラウドサーバにアップロードするデータは、車両の現在の位置、車載カメラで収集した写真、各種車載機器の現在の動作状態、例えば速度、ハンドルステアリング角度などを含むことができることを理解されたい。
【0081】
クラウドサーバは、車両から送信された車両識別子を受信すると、当該支援要求を送信した車両を決定することができ、それによって、当該車両がクラウドサーバにアップロードしたデータに基づいて、目標運転データを決定する。
【0082】
ステップ302において、目標運転データに基づいて、車両に対応する迂回参照ルートを決定する。
【0083】
ここで、迂回参照ルートの正確性を向上させるために、クラウドサーバはまず目標運転データに基づいて、車両の現在対応する運転環境参照マップを表示画面で構築することができることを理解されたい。
【0084】
ここで、運転環境参照マップは、車両の現在の位置、車両と各方向の障害物との間の距離、周囲の他の車両、歩行者、路面などの状況を含むことができ、本開示はこれを限定するものではない。
【0085】
また、様々な方式で迂回参照ルートを決定することができる。
【0086】
コックピット内のドライバーは、当該運転環境参照マップに基づいて、画面において各参照点を選択することができ、バックグラウンドシステムは、当該タッチ操作を取得した後、ドライバーが選択した各参照点を当該迂回参照ルートにおける各目標点として決定し、その後各目標点を順次接続することにより、迂回参照ルートを生成するようにしてもよい。
【0087】
クラウドサーバのバックグラウンドシステムは、目標運転データに基づいて、運転環境参照マップにおいて対応する各目標点を自動的に選択し、その後対応する迂回参照ルートを生成するようにしてもよい。
【0088】
あるいは、クラウドサーバのバックグラウンドシステムは、目標運転データに基づいて、運転環境参照マップにおいて対応する各参照点を自動的に選択し、その後ドライバーがそれをチェックし、チェックに合格した点を迂回参照ルートの目標点とすることにより、対応する迂回参照ルートを生成する。
【0089】
例えば、
図1Bに示すような迂回参照ルートマップでは、コックピット内のドライバーは、運転環境参照マップに基づいて、画面においてA、B、C、D、Eの各点を各参照点として選択し、バックグラウンドシステムは、このタッチ操作を取得すると、A、B、C、D、Eの各点を迂回参照ルートにおける各目標点として決定することができ、その後A、B、C、D、Eの各目標点を順次接続することにより、対応する迂回参照ルートを生成することができる。
【0090】
なお、上記方式は例にすぎず、本開示の実施例では迂回参照ルートを決定することを限定するものではない。
【0091】
ステップ303において、車両に迂回参照ルートを返信する。
【0092】
ここで、クラウドサーバは、迂回参照ルートを決定した後、車両に当該迂回参照ルートを返信することができる。
【0093】
迂回参照ルートは様々な形態であってもよいことを理解されたい。
【0094】
クラウドサーバは、迂回参照ルートにおける各点の位置順序に基づいて、車両に各点の座標を1つずつ送信することによりあってもよい。
【0095】
あるいは、クラウドサーバは、迂回参照ルートにおける各点の位置順序に基づいて、車両に当該迂回参照ルートにおける各点の座標を一括して送信することによりあってもよい。
【0096】
なお、上記例は例にすぎず、本開示の実施例ではクラウドサーバが車両に迂回参照ルートを送信する形態を限定するものではない。
【0097】
本開示の実施例では、クラウドサーバが車両の支援要求を取得した後、まず目標運転データを決定し、当該目標運転データに基づいて車両に対応する迂回参照ルートを決定し、その後当該迂回参照ルートを車両に返信し、車両がクラウドサーバから返信された迂回参照ルート、及び現在の運転環境に基づいて、対応する制御命令を生成し、さらに車両の運転を制御する。クラウドサーバが迂回参照ルートのみを提供し、その後、車両が迂回参照ルート及び現在の運転環境に基づいて具体的な制御命令を生成することにより、制御命令が車両の実際の運転環境とより一致するようになり、安全性及び信頼性がより高くなる。
【0098】
本開示の実施例によれば、本開示は、自動運転の遠隔制御装置をさらに提供する。
【0099】
図4は、本開示の実施例に係る自動運転の遠隔制御装置の概略構成図である。
【0100】
図4に示すように、当該自動運転の遠隔制御装置400は、送信モジュール410と、取得モジュール420と、生成モジュール430と、第1制御モジュール440とを備える。
【0101】
ここで、送信モジュール410は、車両の現在対応する前方道路区間が通行できないことが検出された場合、クラウドサーバに支援要求を送信するように構成される。
【0102】
取得モジュール420は、クラウドサーバから返信された迂回参照ルートを取得するように構成される。
【0103】
生成モジュール430は、迂回参照ルート及び車両の現在の運転環境に基づいて、制御命令を生成するように構成される。
【0104】
第1制御モジュール440は、制御命令に基づいて、車両の運転を制御するように構成される。
【0105】
なお、自動運転過程における遠隔制御方法の実施例についての前述の説明は、本開示の実施例に係る自動運転過程における遠隔制御装置にも適用可能であり、その実現原理は類似しており、ここでは説明を省略する。
【0106】
本開示の実施例に係る自動運転の遠隔制御装置は、車両の現在対応する前方道路区間が通行できないことが検出された場合、クラウドサーバに支援要求を送信し、クラウドサーバから返信された迂回参照ルートを取得し、当該迂回参照ルート及び車両の現在の運転環境に基づいて、制御命令を生成し、制御命令に基づいて車両の運転を制御する。クラウドサーバが迂回参照ルートのみを提供し、その後、車両が迂回参照ルート及び現在の運転環境に基づいて具体的な制御命令を生成することにより、制御命令が車両の実際の運転環境とより一致するようになり、安全性及び信頼性がより高くなる。
【0107】
図5は、本開示の別の実施例に係る自動運転の遠隔制御装置の概略構成図である。
【0108】
図5に示すように、当該自動運転の遠隔制御装置500は、送信モジュール510と、取得モジュール520と、生成モジュール530と、第1制御モジュール540と、第1返信モジュール550と、第2制御モジュール560と、検出モジュール570とを備える。
【0109】
ここで、送信モジュール510は、車両の現在対応する前方道路区間が通行できないことが検出された場合、クラウドサーバに支援要求を送信するように構成される。
【0110】
本実施例における送信モジュール510は、上記実施例における送信モジュール410と同様の機能及び構成を有することができることを理解されたい。
【0111】
取得モジュール520は、クラウドサーバから返信された迂回参照ルートを取得するように構成される。
【0112】
本実施例における取得モジュール520は、上記実施例における取得モジュール420と同様の機能及び構成を有することができることを理解されたい。
【0113】
生成モジュール530は、車両の現在の運転環境に基づいて、迂回参照ルートの安全チェックを行うように構成されるチェックユニット5310と、迂回参照ルートが安全チェックに合格した場合、迂回参照ルートに対応する制御命令を生成し、現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻に基づいて、車両における各実行機構にそれぞれ対応する各制御命令を生成するように構成される生成ユニット5320と、
自動運転車両の現在の位置、現在の運転環境及び目標点の座標に基づいて、現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻を算出するように構成される算出ユニット5330と、を備える。
【0114】
本実施例における生成モジュール530は、上記実施例における生成モジュール430と同様の機能及び構成を有することができることを理解されたい。
【0115】
第1制御モジュール540は、制御命令に基づいて車両の運転を制御するように構成される。
【0116】
本実施例における第1制御モジュール540は、上記実施例における第1制御モジュール440と同様の機能及び構成を有することができることを理解されたい。
【0117】
第1返信モジュール550は、現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻が異常な場合、クラウドサーバが目標点を更新するように、クラウドサーバに目標点エラーのメッセージを返信するように構成される。
【0118】
第2制御モジュール560は、車両を停車するように制御するか、又は車両の運転速度を下げるように制御するように構成される。
【0119】
検出モジュール570は、制御命令に基づいて車両の運転が制御される過程において、障害物の検出を行うように構成され、障害物が検出された場合、自動運転車両を停車するように制御し、且つクラウドサーバに支援要求を再度送信するように構成される。
【0120】
なお、自動運転過程における遠隔制御方法の実施例についての前述の説明は、本開示の実施例に係る自動運転過程における遠隔制御装置にも適用可能であり、その実現原理は類似しており、ここでは説明を省略する。
【0121】
本開示の実施例に係る自動運転の遠隔制御装置は、車両がクラウドサーバから返信された迂回参照ルートを取得した後、まず当該迂回参照ルートの安全チェックを行い、チェックに合格した場合に限って、自動運転車両の現在の位置、現在の運転環境、及び目標点の座標に基づいて、現在の運転軌跡、速度及び/又は出発時刻を算出し、さらに当該算出結果に基づいて対応する制御命令を生成することにより、当該制御命令を用いて車両の運転を制御する。まず迂回参照ルートの安全チェックを行うことにより、当該迂回参照ルートの安全性をさらに確保することができるだけでなく、生成した各制御命令の正確性、実行可能性をさらに向上させることができ、また、迂回参照ルートが異常な場合に、車両が資源及び時間を浪費して運転パラメータを算出することを回避する。
【0122】
図6は、本開示のさらに別の実施例に係る自動運転過程における遠隔制御装置の概略構成図である。
【0123】
図6に示すように、当該自動運転の遠隔制御装置600は、第1決定モジュール610と、第2決定モジュール620と、第2返信モジュール630とを備える。
【0124】
ここで、第1決定モジュール610は、取得された車両からの支援要求に応答して、目標運転データを決定するように構成され、支援要求には車両の識別子が含まれ、目標運転データは、車両の識別子に関連する車両状態データ及び運転環境データである。
【0125】
第2決定モジュール620は、目標運転データに基づいて、車両に対応する迂回参照ルートを決定するように構成される。
【0126】
可能な実現形態では、第2決定モジュール620は、目標運転データに基づいて、車両の現在対応する運転環境参照マップを表示画面で構築するように構成される構築ユニット6210と、表示画面で取得したタッチ操作に応答して、迂回参照ルートにおける各目標点を決定するように構成される決定ユニット6220と、各目標点を順次接続することにより、迂回参照ルートを生成するように構成される生成ユニット6230と、をさらに備える。
【0127】
第2返信モジュール630は、車両に迂回参照ルートを返信するように構成される。
【0128】
なお、自動運転過程における遠隔制御方法の実施例についての前述の説明は、本開示の実施例に係る自動運転過程における遠隔制御装置にも適用可能であり、その実現原理は類似しており、ここでは説明を省略する。
【0129】
本開示の実施例に係る自動運転の遠隔制御装置は、クラウドサーバが車両の支援要求を取得した後、まず目標運転データを決定し、当該目標運転データに基づいて、車両に対応する迂回参照ルートを決定し、その後、当該迂回参照ルートを車両に返信し、車両がクラウドサーバから返信された迂回参照ルート、及び現在の運転環境に基づいて、対応する制御命令を生成し、さらに車両の運転を制御する。クラウドサーバが迂回参照ルートのみを提供し、その後、車両が迂回参照ルート及び現在の運転環境に基づいて具体的な制御命令を生成することにより、制御命令が車両の実際の運転環境とより一致するようになり、安全性及び信頼性がより高くなる。
【0130】
本開示の実施例によれば、本開示は、電子機器及び読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0131】
電子機器は、車両側電子機器又はクラウド電子機器であってもよいことを理解されたい。
【0132】
図7は、本開示の実施例に係る自動運転の遠隔制御方法を実行する車両側電子機器のブロック図である。電子機器は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームコンピュータ、及び他の適切なコンピュータなどの様々な形態のデジタルコンピュータを表すことを目的とする。電子機器は、パーソナルデジタルプロセッサ、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、他の類似するコンピューティングデバイスなどの様々な形態のモバイルデバイスを表すこともできる。本明細書で示されるコンポーネント、それらの接続と関係、及びそれらの機能は単なる例であり、本明細書の説明及び/又は要求される本開示の実現を制限することを意図したものではない。
【0133】
図7に示すように、当該車両側電子機器は、1つ又は複数のプロセッサ701と、メモリ702と、高速インタフェース及び低速インタフェースを備える各コンポーネントを接続するためのインタフェースと、を備える。各コンポーネントは、異なるバスで相互に接続され、共通のマザーボードに取り付けられるか、又は必要に応じて他の方式で取り付けることができる。プロセッサは、電子機器内で実行される命令を処理することができ、当該命令は、外部入力/出力装置(例えば、インタフェースに結合されたディスプレイデバイスなど)にGUIの図形情報をディスプレイするためにメモリ内又はメモリに記憶されている命令を含む。他の実施形態では、必要に応じて、複数のプロセッサ及び/又は複数のバスを、複数のメモリと一緒に使用することができる。同様に、複数の電子機器を接続することができ、各機器は、一部の必要な操作(例えば、サーバアレイ、1グループのブレードサーバ、又はマルチプロセッサシステムとする)を提供することができる。
図7では、1つのプロセッサ701を例とする。
【0134】
メモリ702は、本開示により提供される非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。その中で、前記メモリには、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、前記少なくとも1つのプロセッサが本開示により提供される自動運転の遠隔制御方法を実行するようにする。本開示の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、コンピュータに本開示により提供される自動運転の遠隔制御方法を実行させるためのコンピュータ命令が記憶されている。
【0135】
メモリ702は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、本開示の実施例における自動運転の遠隔制御方法に対応するプログラム命令/モジュール(例えば、
図4に示す送信モジュール410、取得モジュール420、生成モジュール430及び第1制御モジュール440)のような、非一時的なソフトウェアプログラム、非一時的なコンピュータ実行可能なプログラム及びモジュールを記憶する。プロセッサ701は、メモリ702に記憶されている非一時的なソフトウェアプログラム、命令及びモジュールを実行することによって、サーバの様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、即ち上記の方法の実施例における自動運転の遠隔制御方法を実現する。
【0136】
メモリ702は、ストレージプログラムエリアとストレージデータエリアとを含むことができ、その中で、ストレージプログラムエリアは、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができ、ストレージデータエリアは、自動運転の遠隔制御の電子機器の使用によって作成されたデータなどを記憶することができる。また、メモリ702は、高速ランダムアクセスメモリを備えることができ、非一時的なメモリをさらに備えることができ、例えば、少なくとも1つの磁気ディスクストレージデバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の非一時的なソリッドステートストレージデバイスである。いくつかの実施例では、メモリ702は、プロセッサ701に対して遠隔に設定されたメモリを選択的に備えることができ、これらの遠隔メモリは、ネットワークを介して自動運転の遠隔制御方法の電子機器に接続されることができる。上記のネットワークの例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク、及びその組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0137】
自動運転の遠隔制御方法の車両側電子機器は、入力装置703と出力装置704とをさらに備えることができる。プロセッサ701、メモリ702、入力装置703、及び出力装置704は、バス又は他の方式を介して接続することができ、
図7では、バスを介して接続することを例とする。
【0138】
入力装置703は、入力された数字又は文字情報を受信し、自動運転の遠隔制御方法の電子機器のユーザ設定及び機能制御に関するキー信号入力を生成することができ、例えば、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、ポインティングスティック、1つ又は複数のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティックなどの入力装置である。出力装置704は、ディスプレイデバイス、補助照明装置(例えば、LED)、及び触覚フィードバックデバイス(例えば、振動モータ)などを備えることができる。当該ディスプレイデバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、及びプラズマディスプレイを備えることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態で、ディスプレイデバイスは、タッチスクリーンであってもよい。
【0139】
図8に示すように、本開示の実施例に係る自動運転の遠隔制御方法を実行するクラウド電子機器のブロック図である。
【0140】
図8に示すように、当該クラウド電子機器は、1つ又は複数のプロセッサ801と、メモリ802と、高速インタフェース及び低速インタフェースを備える各コンポーネントを接続するためのインタフェースと、を備える。各コンポーネントは、異なるバスで相互に接続され、共通のマザーボードに取り付けられるか、又は必要に応じて他の方式で取り付けることができる。プロセッサは、電子機器内で実行される命令を処理することができ、当該命令は、外部入力/出力装置(例えば、インタフェースに結合されたディスプレイデバイスなど)にGUIの図形情報をディスプレイするためにメモリ内又はメモリに記憶されている命令を含む。他の実施形態では、必要に応じて、複数のプロセッサ及び/又は複数のバスを、複数のメモリと一緒に使用することができる。同様に、複数の電子機器を接続することができ、各電子機器は、一部の必要な操作(例えば、サーバアレイ、1グループのブレードサーバ、又はマルチプロセッサシステムとする)を提供することができる。
図8では、1つのプロセッサ801を例とする。
【0141】
上記クラウド電子機器は、入力装置803と出力装置804とをさらに備えることができる。
【0142】
なお、クラウド電子機器におけるメモリ802、入力装置803及び出力装置804は、それぞれ上記車両側電子機器におけるメモリ702、入力装置703及び出力装置704と同様の構成及び機能を有することができ、ここでは説明を省略する。
【0143】
本開示は、自動運転車両をさらに提供し、当該車両は上記実施例における車両側電子機器を備えることができ、車両を操作することができる他の関連機器などを備えることもでき、本開示はこれを限定するものではない。
【0144】
本開示は、クラウド機器をさらに提供し、当該クラウド機器は上記実施例におけるクラウド電子機器を備えることができる。
【0145】
具体的には、クラウド電子機器は、上記実施例におけるクラウドサーバであってもよい。
【0146】
さらに、クラウド機器は、上記実施例におけるコックピットをさらに備えることができる。
【0147】
本明細書で説明されるシステムと技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、特定用途向けASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現することができる。これらの様々な実施形態は、1つ又は複数のコンピュータプログラムで実施され、当該1つ又は複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを備えるプログラム可能なシステムで実行及び/又は解釈されることができ、当該プログラマブルプロセッサは、専用又は汎用のプログラマブルプロセッサであってもよく、ストレージシステム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置からデータ及び命令を受信し、データ及び命令を当該ストレージシステム、当該少なくとも1つの入力装置、及び当該少なくとも1つの出力装置に伝送することができる。
【0148】
これらのコンピューティングプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサの機械命令を含むことができ、高レベルのプロセス及び/又は対象指向プログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械言語でこれらのコンピューティングプログラムを実施することができる。本明細書に使用されるような、「機械読み取り可能な媒体」及び「コンピュータ読み取り可能な媒体」の用語は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意のコンピュータプログラム製品、機器、及び/又は装置(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を指し、機械読み取り可能な信号である機械命令を受信する機械読み取り可能な媒体を含む。「機械読み取り可能な信号」の用語は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意の信号を指す。
【0149】
ユーザとのインタラクションを提供するために、コンピュータ上で、ここで説明されているシステム及び技術を実施することができ、当該コンピュータは、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ装置(例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、キーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)とを有し、ユーザは、当該キーボード及び当該ポインティングデバイスによって入力をコンピュータに提供することができる。他の種類の装置も、ユーザとのインタラクションを提供することができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態のセンシングフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であってもよく、任意の形態(音響入力と、音声入力と、触覚入力とを含む)でユーザからの入力を受信することができる。
【0150】
ここで説明されるシステム及び技術は、バックエンドコンポーネントを備えるコンピューティングシステム(例えば、データサーバとする)、又はミドルウェアコンポーネントを備えるコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)、又はフロントエンドコンポーネントを備えるコンピューティングシステム(例えば、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータであり、ユーザは、当該グラフィカルユーザインタフェース又は当該ウェブブラウザによってここで説明されるシステム及び技術の実施形態とインタラクションする)、又はこのようなバックエンドコンポーネントと、ミドルウェアコンポーネントと、フロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを備えるコンピューティングシステムで実施することができる。任意の形態又は媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によってシステムのコンポーネントを相互に接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)と、ワイドエリアネットワーク(WAN)と、インターネットと、ブロックチェーンネットワークとを含む。
【0151】
コンピュータシステムは、クライアントとサーバとを備えることができる。クライアントとサーバは、一般に、互いに離れており、通常に通信ネットワークを介してインタラクションする。対応するコンピュータ上で実行され、かつ互いにクライアント-サーバの関係を有するコンピュータプログラムによって、クライアントとサーバとの関係が生成される。サーバはクラウドサーバであってもよく、クラウドコンピューティングサーバ又はクラウドホストとも呼ばれ、クラウドコンピューティングサービスシステムのホスト製品であり、従来の物理ホストとVPS(Virtual Private Server、仮想専用サーバ)サービスでは、管理が難しく、業務の拡張性が弱いという欠点を解決する。サーバは、分散システムのサーバであってもよいし、ブロックチェーンを組み合わせたサーバであってもよい。
【0152】
本開示の実施例の技術案によれば、車両の現在対応する前方道路区間が通行できないことが検出された場合、クラウドサーバに支援要求を送信し、クラウドサーバから返信された迂回参照ルートを取得し、迂回参照ルート及び車両の現在の運転環境に基づいて、制御命令を生成し、制御命令に基づいて、車両の運転を制御する。クラウドサーバが迂回参照ルートのみを提供し、その後車両が迂回参照ルート及び現在の運転環境に基づいて具体的な制御命令を生成することにより、制御命令が車両の実際の運転環境とより一致するようになり、安全性及び信頼性がより高くなる。
【0153】
本開示の実施例は、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。当該コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、上記の実施例のいずれかに記載の自動運転の遠隔制御方法を実現することができる。
【0154】
コンピュータプログラムが実行されるときに、次のような有益な効果を有する。
車両の現在対応する前方道路区間が通行できないことが検出された場合、クラウドサーバに支援要求を送信し、クラウドサーバから返信された迂回参照ルートを取得し、迂回参照ルート及び車両の現在の運転環境に基づいて、制御命令を生成し、制御命令に基づいて、車両の運転を制御する。クラウドサーバが迂回参照ルートのみを提供し、その後車両が迂回参照ルート及び現在の運転環境に基づいて具体的な制御命令を生成することにより、制御命令が車両の実際の運転環境とより一致するようになり、安全性及び信頼性がより高くなる。
【0155】
上記に示される様々な形態のフローを使用して、ステップを並べ替え、追加、又は削除することができることを理解されたい。例えば、本開示に記載されている各ステップは、並列に実行されてもよいし、順次的に実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよいが、本開示で開示されている技術案が所望の結果を実現することができれば、本明細書では限定しない。
【0156】
上記の具体的な実施方式は、本開示の保護範囲を制限するものではない。当業者は、設計要件と他の要因に基づいて、様々な修正、組み合わせ、サブコンビネーション、及び代替を行うことができる。本開示の精神と原則内で行われる任意の修正、同等の置換、及び改善などは、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。