(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-14
(45)【発行日】2025-02-25
(54)【発明の名称】可変倍率型無限焦点テレスコープ要素
(51)【国際特許分類】
G02B 13/08 20060101AFI20250217BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20250217BHJP
G02B 27/09 20060101ALI20250217BHJP
H01S 5/02253 20210101ALI20250217BHJP
H01S 5/02251 20210101ALI20250217BHJP
【FI】
G02B13/08
G02B13/18
G02B27/09
H01S5/02253
H01S5/02251
(21)【出願番号】P 2022508812
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(86)【国際出願番号】 US2020046443
(87)【国際公開番号】W WO2021030721
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2023-08-09
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518055899
【氏名又は名称】エヌライト,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】スモール, ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ジガン
(72)【発明者】
【氏名】カンスカル, マノジ
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0235057(US,A1)
【文献】特開2014-206740(JP,A)
【文献】米国特許第07061690(US,B1)
【文献】特開2019-028218(JP,A)
【文献】米国特許第06947220(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
G02B 27/00 - 30/60
H01S 5/00 - 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
透過性光学基板であって、前記透過性光学基板は、
前記透過性光学基板の光軸に対する個別の初期ビーム変位において個別の平行ビーム軸に沿って伝搬する複数のレーザビームを受け取るように構成され、低減された変位を有するレーザ出力ビームを生産するように構成され、前記透過性光学基板は
、入力ビーム
のビーム変位
が増加するにつれて前記レーザ出力ビームの出力ビーム倍率
が増加
するように構成される個別の第1の曲率
および第2の曲
率を伴う第1の表面
および第2の表
面を含む、透過性光学基板
を備え
、
前記第1の曲率および第2の曲率のうちの少なくとも一方は、双曲線である、装置。
【請求項2】
前記第1の曲率および第2の曲率は、前記光軸からの入力変位を線形に増加させるために、前記光軸からの出力ビーム変位を非線形に増加させるように定義される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2の曲率は、双曲線状凹面である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の曲率は、放物線状凸面である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の曲率および第2の曲率
のうちの少なくとも一方は、非球面である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記初期ビーム変位は、前記レーザビームの共通高速軸に沿った変位に対応する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の曲率および第2の曲率は、前記光軸に対してより小さい入力ビーム変位を有するレーザダイオードビームのために、前記共通高速軸に沿ってアンサンブル結合平面における結像を伸長させ、前記光軸に対してより大きい入力ビーム変位を有するレーザダイオードビームのために、前記共通高速軸に沿って前記アンサンブル結合平面における結像を短縮することによって、
前記アンサンブル結合平面における前記レーザ出力ビームのアンサンブル結像空間およびNA空間を円形化するように構成される、請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
前記透過性光学基板は、円筒形のメニスカスレンズである、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記円筒形のメニスカスレンズは、前記光軸に対して平行に延在する基準表面と、前記第1の表面および第2の表面と関連付けられる円筒形の軸とを含む、請求項
8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の曲率および第2の曲率は、前記増加される出力ビーム倍率と関連付けられる平行入力ビーム位置と透過される出力ビーム位置との間の可変曲率比を定義する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
対物レンズであって、前記対物レンズは、前記透過性光学基板から前記レーザ出力ビームを受け取り、前記レーザ出力ビームをアンサンブル結合平面において集束するように構成される、対物レンズと、
光ファイバであって、前記光ファイバは、前記アンサンブル結合平面において前記レーザ出力ビームを受け取るように構成される端面を含む、光ファイバと
をさらに備え、
前記透過性光学基板は、前記増加する出力ビーム倍率および非線形に増加する出力ビーム変位に基づいて、前記アンサンブル結合平面における前記レーザ出力ビームのアンサンブル結像空間およびNA空間を円形化するように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項12】
前記出力ビーム倍率は、前記透過性光学基板の入力開口内で受け取られる前記レーザビームのそれぞれのためのもの未満である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記透過性光学基板は、円筒形の高速軸テレスコープを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記透過性光学基板は、低速軸テレスコープを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記透過性光学基板は、組み合わせられた高速軸テレスコープと、低速軸テレスコープとを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
レーザダイオードパッケージであって、請求項1
~15のいずれかに記載の装置を備える、レーザダイオードパッケージ。
【請求項17】
方法であって、請求項1
~15のいずれかに記載の透過性光学基板を作製することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2019年8月14日に出願された、米国仮出願第62/886,912号の利益を主張する。本願はまた、2019年8月14日に出願された、「HIGH BRIGHTNESS FIBER COUPLED DIODE LASERS WITH CIRCULARIZED BEAMS」と題された、米国仮出願第62/886,907号の利益も主張する。これらの出願は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、参照することによって本明細書に組み込まれる、2017年2月16日に出願(および第US10,261,261号として発行)された、米国出願第15/435,117号に関する。
【0003】
(分野)
本分野は、無限焦点テレスコープおよびレーザダイオードビームの組み合わせである。
【背景技術】
【0004】
ファイバレーザ励起および材料処理等の用途のために、ファイバ結合型の高出力高輝度ダイオードレーザに関する大きな需要が、存在する。既存のファイバ結合レーザダイオードパッケージデバイスでは、複数の単一エミッタ型ダイオードレーザが、高速軸内にスタックされ、出力スケーリングおよび輝度改良を達成する、個別のビームを放出する。しかしながら、輝度に対する付加的な改良が、少なくとも上記に述べられる用途のために望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
装置および方法は、入射するダイオードレーザビーム位置に基づいて退出するダイオードレーザビームに対して可変倍率を付与するために使用され得る、無限焦点テレスコープ要素を伴う。
【0006】
開示される技術のある側面によると、装置は、透過性光学基板の光軸に対する個別の初期ビーム変位において個別の平行ビーム軸に沿って伝搬する、複数のレーザビームを受け取るように構成され、低減された変位を有するレーザ出力ビームを生産するように構成される、透過性光学基板であって、光軸からの増加する入力ビーム変位のために出力ビーム倍率を増加させるように定義される、個別の第1の曲率と、第2の曲率とを伴う、第1の表面と、第2の表面とを含む、透過性光学基板を含む。いくつかの実施例では、第1の曲率および第2の曲率は、光軸からの入力変位を線形に増加させるために、光軸からの出力ビーム変位を非線形に増加させるように定義される。任意の前述の実施例では、第1の曲率および第2の曲率のうちの少なくとも一方は、双曲線である。任意の前述の実施例では、第2の曲率は、双曲線状凹面である。任意の先行する実施例では、第1の曲率は、放物線状凸面である。任意の前述の実施例では、第1の曲率および第2の曲率は、非球面である。任意の前述の実施例では、初期ビーム変位は、レーザビームの共通高速軸に沿った変位に対応する。いくつかの実施例では、第1の曲率および第2の曲率は、光軸に対してより小さい入力ビーム変位を有するレーザ出力ビームのために、共通高速軸に沿ってアンサンブル結合平面における結像を伸長させ、光軸に対してより大きい入力ビーム変位を有するレーザ出力ビームのために、共通高速軸に沿ってアンサンブル結合平面における結像を短縮することによって、アンサンブル結合平面におけるレーザ出力ビームのアンサンブル結像空間およびNA空間を円形化するように構成される。任意の前述の実施例では、透過性光学基板は、円筒形のメニスカスレンズである。いくつかの実施例では、円筒形のメニスカスレンズは、光軸に対して平行に延在する、基準表面と、第1の表面および第2の表面と関連付けられる、円筒形の軸とを含む。任意の前述の実施例では、第1の曲率および第2の曲率は、増加される出力ビーム倍率と関連付けられる、平行入力ビーム位置と透過される出力ビーム位置との間の可変曲率比を定義する。任意の先行する実施例はさらに、透過性光学基板からレーザ出力ビームを受け取り、複数のレーザ出力ビームをアンサンブル結合平面において集束するように構成される、対物レンズと、アンサンブル結合平面においてレーザ出力ビームを受け取るように構成される、端面を含む、光ファイバとを含むことができ、透過性光学基板は、増加する出力ビーム倍率および非線形に増加する出力ビーム変位に基づいて、アンサンブル結合平面におけるレーザ出力ビームのアンサンブル結像空間およびNA空間を円形化するように構成される。任意の前述の実施例では、出力ビーム倍率は、透過性光学基板の入力開口内で受け取られるレーザビームのそれぞれのためのもの未満である。任意の前述の実施例では、透過性光学基板は、円筒形の高速軸テレスコープを備える。任意の前述の実施例では、透過性光学基板は、低速軸テレスコープを備える。任意の前述の実施例では、透過性光学基板は、組み合わせられた高速軸テレスコープと、低速軸テレスコープとを備える。装置は、任意の先行する実施例の透過性光学基板を含む、レーザダイオードパッケージを含むことができる。方法は、任意の先行する実施例の透過性光学基板を作製することを含むことができる。
【0007】
開示される技術の前述および他の目的、特徴、および利点は、付随の図を参照して進行する、以下の詳細な説明からより明白な状態となるであろう。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
装置であって、
透過性光学基板であって、前記透過性光学基板は、透過性光学基板の光軸に対する個別の初期ビーム変位において個別の平行ビーム軸に沿って伝搬する複数のレーザビームを受け取るように構成され、低減された変位を有するレーザ出力ビームを生産するように構成され、前記透過性光学基板は、前記光軸からの増加する入力ビーム変位のために出力ビーム倍率を増加させるように定義される個別の第1の曲率と、第2の曲率とを伴う第1の表面と、第2の表面とを含む、透過性光学基板
を備える、装置。
(項目2)
前記第1の曲率および第2の曲率は、前記光軸からの入力変位を線形に増加させるために、前記光軸からの出力ビーム変位を非線形に増加させるように定義される、項目1に記載の装置。
(項目3)
前記第1の曲率および第2の曲率のうちの少なくとも一方は、双曲線である、項目1に記載の装置。
(項目4)
前記第2の曲率は、双曲線状凹面である、項目1に記載の装置。
(項目5)
前記第1の曲率は、放物線状凸面である、項目1に記載の装置。
(項目6)
前記第1の曲率および第2の曲率は、非球面である、項目1に記載の装置。
(項目7)
前記初期ビーム変位は、前記レーザビームの共通高速軸に沿った変位に対応する、項目1に記載の装置。
(項目8)
前記第1の曲率および第2の曲率は、前記光軸に対してより小さい入力ビーム変位を有するレーザダイオードビームのために、前記共通高速軸に沿ってアンサンブル結合平面における結像を伸長させ、前記光軸に対してより大きい入力ビーム変位を有するレーザダイオードビームのために、前記共通高速軸に沿って前記アンサンブル結合平面における結像を短縮することによって、アンサンブル結合平面における前記レーザ出力ビームのアンサンブル結像空間およびNA空間を円形化するように構成される、項目7に記載の装置。
(項目9)
前記透過性光学基板は、円筒形のメニスカスレンズである、項目1に記載の装置。
(項目10)
前記円筒形のメニスカスレンズは、前記光軸に対して平行に延在する基準表面と、前記第1の表面および第2の表面と関連付けられる円筒形の軸とを含む、項目9に記載の装置。
(項目11)
前記第1の曲率および第2の曲率は、前記増加される出力ビーム倍率と関連付けられる平行入力ビーム位置と透過される出力ビーム位置との間の可変曲率比を定義する、項目1に記載の装置。
(項目12)
対物レンズであって、前記対物レンズは、前記透過性光学基板から前記レーザ出力ビームを受け取り、前記レーザ出力ビームをアンサンブル結合平面において集束するように構成される、対物レンズと、
光ファイバであって、前記光ファイバは、前記アンサンブル結合平面において前記レーザ出力ビームを受け取るように構成される端面を含む、光ファイバと
をさらに備え、
前記透過性光学基板は、前記増加する出力ビーム倍率および非線形に増加する出力ビーム変位に基づいて、前記アンサンブル結合平面における前記レーザ出力ビームのアンサンブル結像空間およびNA空間を円形化するように構成される、項目2に記載の装置。
(項目13)
前記出力ビーム倍率は、前記透過性光学基板の入力開口内で受け取られる前記レーザビームのそれぞれのためのもの未満である、項目1に記載の装置。
(項目14)
前記透過性光学基板は、円筒形の高速軸テレスコープを備える、項目1に記載の装置。
(項目15)
前記透過性光学基板は、低速軸テレスコープを備える、項目1に記載の装置。
(項目16)
前記透過性光学基板は、組み合わせられた高速軸テレスコープと、低速軸テレスコープとを備える、項目1に記載の装置。
(項目17)
レーザダイオードパッケージであって、項目1-16のいずれかに記載の装置を備える、レーザダイオードパッケージ。
(項目18)
方法であって、項目1-16のいずれかに記載の透過性光学基板を作製することを含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、例示的な可変型無限焦点テレスコープの側面概略図および光線トレースである。
【
図2】
図2は、
図1に示される可変型無限焦点テレスコープ実施例のための、かつレーザダイオードパッケージ内で使用され得る非可変型無限焦点テレスコープのための、開口高さに関する倍率のグラフである。
【
図3A】
図3Aは、可変型無限焦点テレスコープを使用して、ファイバ入力面において集束される、レーザダイオードビームスポットのモデル化された画像である。
【
図3B】
図3Bは、非可変型無限焦点テレスコープを使用して(またはテレスコープを用いることなく)ファイバ入力面において集束される、レーザダイオードビームスポットのモデル化された画像である。
【
図4A】
図4Aは、例示的高速軸テレスコープの側面図および端面図である。
【
図4B】
図4Bは、
図4Aの例示的高速軸テレスコープのためのSAG方程式および関連付けられる係数である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(詳細な説明)
上記に議論されるように、レーザダイオードパッケージは、典型的には、長方形ダイオードファセットから放出されるレーザダイオードビームを円形のファイバの中に結合する。これは、(ファイバ入力面等の)アンサンブル結合平面におけるファイバ結合のために光学的および物理的に配列されるレーザダイオードアンサンブルと関連付けられる、未使用空間および角のあるレーザ性質につながる。物理的空間および角のある空間の両方におけるレーザダイオードの長方形部の高いアスペクト比、およびファイバの円形空間との不整合と関連付けられる、重大な問題が、存在する。ファイバの円形空間が、レーザダイオードチップ幾何学形状を変動させる、または異なるレーザダイオードのためのFACレンズを変動させることによってより完全に充填されることができるが、そのようなアプローチは、典型的には、コスト効率的ではない。
【0010】
本明細書に説明される1つまたはそれを上回る可変型無限焦点テレスコープ実施例を使用することによって、チャネル特有の光学系またはレイアウトが、コリメートビームの可変倍率を提供することによって、低減または回避されることができる。その凝集ビームを角度的にかつ空間的に円形化するためにレーザダイオードパッケージに適用されると、個々のダイオードチャネルは、例えば、それらの特定のNA空間の並置または配列に基づいて、具体的な異なる倍率を受け取ることができる。本様々な倍率は、焦点におけるそれらの垂直の物理的寸法を変動させ、これは、例えば、付加的なレーザチャネルが、ファイバ入力の同一のNA内で追加され得るように、凝集ビーム空間の正味のより高い圧縮を可能にすることができる。
【0011】
モノリシックテレスコープ光学系が、典型的には、異なるものであるが、一定の曲率の表面と関連付けられる、単一の倍率比を提供する。代替として、表面は、その有効開口を横断して球面収差を低減させるために非球面に作製される。本明細書におけるいくつかの実施例では、可変倍率は、可変型無限焦点テレスコープを提供され、種々のレーザダイオードパッケージ実施例では、最大22%の出力明度(すなわち、放射輝度)の向上を可能にすることができる。例えば、ビームを発生させるための18個の単一エミッタ型レーザダイオードと、ビームを0.15NAの105μm出力ファイバの中に結合するための光学系とを使用する、ファイバ結合レーザダイオードパッケージは、代わりに、ビームを発生させるための同一のタイプの22個の単一エミッタ型レーザダイオードと、ビームを同一の0.15NAの105μm出力ファイバの中に結合するための(可変型無限焦点テレスコープを含む)光学系とを使用することができる。
【0012】
図1は、例示的無限焦点テレスコープ100のための物理的形状因子および表面形状を示す。無限焦点テレスコープ100は、それぞれが、それらに関して定義される個別の曲率を有する、凸面形である、第1の表面102と、凹面形である、第2の表面104とを有する、透過性光学基板101を含む。透過性光学基板101は、異なる材料から成る、またはガラス、プラスチック、溶融シリカ、透明な結晶質または非結晶質材料を含む、異なる材料を伴う部分を有することができる。第1および第2の表面102、104のための曲率は、
図1の平面内の無限焦点テレスコープ100の光軸106を横断して対称的であることができる。代表的実施例では、無限焦点テレスコープ100は、円筒の一定の曲率ではなく、(球状レンズを伴う等)光軸106を中心とした回転対称性の欠如と関連付けられる円筒度を伴う、一体型の円筒形のメニスカスレンズである。付加的な実施例では、相互から離間される別個のレンズ要素が、非一体型レンズを形成するために使用されることができる、または別個のレンズ要素が、複数の要素を有する一体型レンズを形成するためにともに継合されることができる。第1および第2の表面102、104の一方または両方とも、双曲線形状を有することができる。示されるように、第1の表面102は、放物形状を有し、第2の表面104は、双曲線形状を有する。形状は、中心の近傍に(例えば、光軸106により近接して)より高い曲率対(倍率)を、および無限焦点テレスコープ100の開口の縁の近傍により緩やかな曲率を画定することができる。さらなる実施例では、無限焦点テレスコープは、可変の低速軸倍率を提供するように構成されることができる、または可変の高速軸倍率および低速軸倍率の両方を提供するように構成される、複雑な形状を有することができる。
【0013】
図1はまた、相互に対して平行であり、光軸106に対して平行である、複数の入力ビーム軸108a-108kも示す。入力ビーム軸108a-108kはそれぞれ、高速軸寸法および低速軸寸法の両方においてコリメートされる、レーザダイオードビームと関連付けられることができる。隣接して配列される平行入力ビーム軸108a-108kを用いると、無限焦点テレスコープ100は、レーザダイオードビームの共通高速軸が、
図1の平面内の光軸106に対して略直角に(例えば、上方および下方に)延在するように、高速軸テレスコープとして構成される。光線トレースを辿って、レーザダイオードビームは、基板101を通して伝搬し、圧縮された状態になり、出力ビーム軸110a-110kに沿って伝搬し、2つの外側出力ビーム軸110a、110k間の距離は、2つの外側入力ビーム軸108a、108k間の距離より短い。
【0014】
示されるように、入力ビーム軸108-108kは、相互からの変位を有し、均一な間隔を形成する。代表的実施例では、第1および第2の表面102、104の選択される曲率に基づいて、圧縮された出力ビーム軸110a-110kは、均一に離間されていない。代わりに、光軸106からの変位距離が、増加するにつれて、隣接する出力ビーム軸が、相互からますます変位され、したがって、出力ビーム軸110e、110f間の変位が、出力ビーム軸110d、110e間の変位より小さくなり、これが、出力ビーム軸110c、110d間の変位より小さくなり、これが、出力ビーム軸110b、110c間の変位より小さくなり、これが、出力ビーム軸110a、110b間の変位より小さくなる等となる。したがって、線形入力間隔は、光軸106からの入力ビーム変位を線形に増加させること(例えば、均一な間隔)が、出力ビーム変位の非線形増加(例えば、不均一間隔)を生産するように、可変の出力間隔を生産することができる。光軸106を横断した曲率対称性に基づいて、類似の効果が、
図1の光軸106の下方においても達成され、したがって、出力ビーム軸110g、110h間の変位が、出力ビーム軸110h、110i間の変位より小さくなり、これが、出力ビーム軸110i、110j間の変位より小さくなり、これが、出力ビーム軸110j、110k間の変位より小さくなる等となる。
【0015】
代表的実施例では、共通の断面形状を伴う(例えば、それぞれが、同じ面積と、アスペクト比とを有する)入力ビーム軸108a-108kに沿って伝搬するレーザダイオードビームに関して、無限焦点テレスコープ100は、光軸106からの個別の入力ビーム軸108a-108kの変位距離に依存する、出力ビーム軸110a-110kに沿って伝搬するレーザダイオードビームのための、可変倍率を導入する。例えば、
図2を参照すると、可変倍率は、光軸106からの増加する距離のために、倍率が、透過されるレーザダイオードビームのために増加するように、生産され、倍率の線200に沿ってプロットされることができる。比較のために、倍率の線202は、可変倍率を提供しない無限焦点テレスコープの平坦な倍率を示す。したがって、入力ビーム軸108a、108kに沿って伝搬するレーザダイオードビームは、高速軸方向において、入力ビーム軸108f、108gに沿って伝搬するレーザダイオードビームより少量だけ圧縮される。入力ビーム軸108a、108kに沿って伝搬するレーザダイオードビームのための低減された圧縮は、対物レンズを通した伝搬後、(光ファイバ等の)後続の結合平面において、物理的空間内に、高速軸方向におけるより小さいスポットサイズを生産する。対照的に、入力ビーム軸108f、108gに沿って伝搬するレーザダイオードビームのための増加された圧縮は、対物レンズを通した伝搬後、後続の結合平面において、物理的空間内に、高速軸方向におけるより大きいスポットサイズを生産する。低速軸倍率を別個に選択することによって、入力ビーム軸108f、108gに沿って伝搬するレーザダイオードビームは、結合平面における、より大きい高速軸結像寸法と、結合平面における、より小さい低速軸結像寸法とを有することができ、入力ビーム軸108a、108kに沿って伝搬するレーザダイオードビームは、結合平面における、より小さい高速軸結像寸法と、結合平面における、より大きい低速軸結像寸法とを有することができる。物理的空間内に結果として生じるアンサンブルまたは凝集ビームの画像が、
図3Aに示される。異なるレーザダイオードビームのための異なるアスペクト比が、ファイバ上に結像され、物理的空間内に円形化されたアンサンブル結像を生産する。
図3Bは、ビームが、可変倍率を提供する無限焦点テレスコープを通して伝搬せず、各ビームが、共通の重複面積を結像するにつれて、正方形形状の画像をもたらす、アンサンブルビーム結像のある実施例を示す。無限焦点テレスコープ100を用いて出力ビーム軸110a-110k間に可変間隔および可変倍率を導入することによって、付加的なレーザダイオードビームが、結合平面において集束され、結合輝度を向上させることができる。
【0016】
図4Aは、可変倍率を提供するように構成される、無限焦点テレスコープ400の別の実施例を示し、
図4Bは、表面S1、S2のためのSAG方程式と、好適な係数とを含む。係数は、概して、表面S1を、kが-1に近接している、放物線または楕円形として定義し、表面S2を、k<-1である、双曲面として定義する。示されるように、無限焦点テレスコープ400は、レーザダイオードパッケージの内部を通して指向される、複数のレーザダイオードビームとの整合性を改良するように、無限焦点テレスコープ400をレーザダイオードパッケージ筐体の基部に対して位置合わせするために使用され得る、平坦な基準表面402を含む。
【0017】
一般的考慮点
【0018】
本願および請求項において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別様に指示しない限り、複数形を含む。加えて、用語「~を含む(includes)」は、「~を備える(comprises)」を意味する。さらに、用語「結合される(coupled)」は、結合されるアイテムの間の中間要素の存在を除外するものではない。
【0019】
本明細書に説明されるシステム、装置、および方法は、いかようにも限定するものとして解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独で、および相互との種々の組み合わせおよび副次的組み合わせにおいて、種々の開示される実施形態の全ての新規かつ非自明な特徴および側面を対象とする。開示されるシステム、方法、および装置は、いかなる具体的な側面または特徴またはそれらの組み合わせにも限定されず、開示されるシステム、方法、および装置は、いかなる1つまたはそれを上回る具体的な利点が存在することも、または問題が解決されることも要求しない。動作のいかなる理論も、解説を促進するためのものであるが、開示されるシステム、方法、および装置は、動作のそのような理論に限定されるものではない。
【0020】
開示される方法のいくつかのものの動作が、便宜的提示のために特定の順次順序で説明されているが、本説明の様式が、特定の順序付けが、下記に記載される具体的な言い回しによって要求されない限り、再配列を包含することを理解されたい。例えば、順次説明される動作は、ある場合には、再配列される、または同時に実施され得る。また、単純にするために、添付される図は、開示されるシステム、方法、および装置が、他のシステム、方法、および装置と連動して使用され得る種々の方法を示さない場合がある。加えて、説明は、時として、開示される方法を説明するために「生産する(produce)」および「提供する(provide)」のような用語を使用する。これらの用語は、実施される実際の動作の高レベルの抽象化である。これらの用語に対応する実際の動作は、実装に応じて変動し、当業者によって容易に判別可能である。
【0021】
いくつかの実施例では、値、手順、または装置は、「最低」、「最良」、「最小」、または同等物と称される。そのような説明が、多くの使用される機能代替物間の選択が行われ得ること、およびそのような選択が、他の選択より優れている、小さい、または別様に好ましくある必要がないことを示すことを意図することを理解されたい。実施例が、「上方」、「下方」、「上側」、「下側」、および同等物のように示される方向を参照して説明される。これらの用語は、便宜的な説明のために使用され、いかなる特定の空間配向も含意するものではない。
【0022】
本開示の装置または方法を参照して本明細書に提示される、動作の理論、科学的原理、または他の理論説明は、より深い理解の目的のために提供されており、範囲を限定することを意図していない。添付の請求項内の装置および方法は、そのような動作理論によって説明される様式において機能する、それらの装置および方法に限定されない。
【0023】
開示される技術の原理が適応され得る、多くの可能性として考えられる実施形態に照らして、例証される実施形態が、代表的な実施例にすぎず、本開示の範囲を限定するものとして捉えられるべきではないことを認識されたい。これらの節において具体的に取り上げられる代替物は、例示にすぎず、本明細書に説明される実施形態に対する全ての可能性として考えられる代替物を成すものではない。例えば、本明細書に説明されるシステムの種々のコンポーネントは、機能および使用において組み合わせられ得る。したがって、添付の請求項の範囲内に入る全てのものを請求する。