(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-14
(45)【発行日】2025-02-25
(54)【発明の名称】過度の摩耗状態を知らせるための手段を備えたソリッドタイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 11/24 20060101AFI20250217BHJP
B60C 7/00 20060101ALI20250217BHJP
B60C 1/00 20060101ALI20250217BHJP
C08L 21/00 20060101ALI20250217BHJP
C08K 3/36 20060101ALI20250217BHJP
C08K 5/5425 20060101ALI20250217BHJP
C08K 5/13 20060101ALI20250217BHJP
C08K 3/013 20180101ALI20250217BHJP
【FI】
B60C11/24 A
B60C7/00 B
B60C1/00 Z
C08L21/00
C08K3/36
C08K5/5425
C08K5/13
C08K3/013
(21)【出願番号】P 2022525203
(86)(22)【出願日】2020-10-14
(86)【国際出願番号】 IB2020059649
(87)【国際公開番号】W WO2021084360
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-07-19
(31)【優先権主張番号】102019000020092
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】520363410
【氏名又は名称】トレルボルグ ホイール システムズ イタリア ソチエタ ペル アチオーニ
(74)【代理人】
【識別番号】110000095
【氏名又は名称】弁理士法人T.S.パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100082887
【氏名又は名称】小川 利春
(74)【代理人】
【識別番号】100181331
【氏名又は名称】金 鎭文
(74)【代理人】
【識別番号】100183597
【氏名又は名称】比企野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100161997
【氏名又は名称】横井 大一郎
(72)【発明者】
【氏名】アッバティ ジャンルカ
(72)【発明者】
【氏名】メローロ ジャンルカ
(72)【発明者】
【氏名】グナセカーラ ディネシュ
(72)【発明者】
【氏名】プラディーパ スムドゥ
(72)【発明者】
【氏名】スレッチャ マリオ
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-211316(JP,A)
【文献】特開2017-206670(JP,A)
【文献】特表2018-501371(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0041774(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 1/00-19/12
C08K 3/00-13/08
C08L 1/00-101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半径方向に重なり合った2つ以上の円形層を含む
フォークリフト用のソリッドタイヤ(4;8)であって、
少なくとも最外層が弾性材料でできており、外側部分またはトレッド(16)からなり、
前記ソリッドタイヤ(4;8)は、前記外側部分またはトレッド(16)の内側の所定の位置に配置された、過度の摩耗を知らせるための少なくとも1つの層(10)をさらに含み、
前記過度の摩耗を知らせるための少なくとも1つの層(10)は、前記外側部分またはトレッド(16)の色とは異なる色で作られ、
前記過度の摩耗を知らせるための少なくとも1つの層(10)は、下記の重量パーセントの下記の材料
の化合物を用いて製造され、
-ゴム:50%から60%;
-シリカ:20%から30%;
-1つ以上の可塑化添加剤:2%から8%;
-ゴムとシリカの間の1つ以上の相溶化剤:2%から3%;
-顔料:3%から8%;
-1つ以上の保護剤:1%;
-1つ以上の架橋剤:3%から8%、
顔料とミネラルバインダーの結合によりミネラルカラーが生じるように、ミネラルバインダーが前記顔料に添加され
、
前記保護剤が、いわゆる「無染色」タイプであり、前記ミネラルカラーをより明るく保つことに寄与し、したがって着色成分の前記化合物の表面への移動を回避することを特徴とする、前記ソリッドタイヤ(4;8)。
【請求項2】
前記保護剤が、ヒンダードフェノールのカテゴリーで選択されることを特徴とする、請求項1に記載のソリッドタイヤ(4;8)。
【請求項3】
前記ヒンダードフェノールのカテゴリーで選択される保護剤が、商品名「WingstayL」または商品名「LowinoxGP45」であることを特徴とする、請求項2に記載のソリッドタイヤ(4;8)。
【請求項4】
ゴムとシリカとの間の前記相溶化剤が、シランのカテゴリーで選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のソリッドタイヤ(4;8)。
【請求項5】
前記ゴムが、合成タイプであることを特徴とする、請求項1に記載のソリッドタイヤ(4;8)。
【請求項6】
前記ゴムが、天然タイプであることを特徴とする、請求項1に記載のソリッドタイヤ(4;8)。
【請求項7】
前記ソリッドタイヤ(4;8)は、半径方向に重なり合った弾性材料の複数の円形層を含む超弾性タイヤ(4)からなり、前記層は、超弾性タイヤ(4)の中心から周辺に向かって、内側部分またはビード(12)、中央部分または中間部分(14)、および
前記外側部分またはトレッド16を形成することを特徴とする、請求項1から6
のいずれか一項に記載のソリッドタイヤ(4;8)。
【請求項8】
前記外側部分またはトレッド(16)と、前記中央部分または中間部分(14)との間の接触領域の側面において、超弾性タイヤ(4)の肩部に配置された、隆起した円形部分(22)をさらに備えることを特徴とする、請求項7に記載のソリッドタイヤ(4;8)。
【請求項9】
前記過度の摩耗を知らせるための少なくとも1つの層(10)は、
前記外側部分またはトレッド(16)において、前記隆起した円形部分(22)に配置されることを特徴とする、請求項8に記載のソリッドタイヤ(4;8)。
【請求項10】
前記ソリッドタイヤ(4;8)は、POS/POBタイヤ(8)の中心から周辺に向かって、金属リング(24)からなる内側部分と、前記金属リング(24)の周りに取り付けられた前記外
側部分またはトレッド(16)を備えるPOS/POBタイヤ(8)からなることを特徴とする、請求項1から6に記載のソリッドタイヤ(4;8)。
【請求項11】
前記ソリッドタイヤ(4;8)は、前記外側部分またはトレッド(16)の内側の所定の位置に、前記外側部分またはトレッド(16)の過度の摩耗のポイントを知らせるように設計された摩耗限界(26)をさらに備えることを特徴とする、請求項10に記載のソリッドタイヤ(4;8)。
【請求項12】
前記過度の摩耗を知らせるための少なくとも1つの層(10)が、
前記外側部分またはトレッド(16)において、前記摩耗限界(26)に配置されることを特徴とする、請求項11に記載のソリッドタイヤ(4;8)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ソリッドタイヤ、特に、過度の摩耗を知らせることができる手段を備えたソリッドタイヤに関する。具体的には、本発明は、過度の摩耗状態を視覚的に知らせるための手段を備えたソリッドタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、産業及び商業用途において、空気で膨張しないが、固体ゴムおよびプラスチック複合材料で作られた構造を備えたタイヤがしばしば使用される。成形作業によって得られるこの構造は、特にパンクに強く、向上した耐荷重性を有する。一例として、ソリッドタイヤは、さまざまなタイプの産業用車両および操作手段に使用されている。 特に、ソリッドタイヤの最も一般的な用途の1つは、物を扱うための機器(フォークリフト)である。
【0003】
ソリッドタイヤの最初のタイプは、いわゆる超弾性タイヤ又は「弾力性のあるタイヤ」と表される。構造的には、従来技術による超弾性タイヤの厚さが断面図で示されている
図1を参照すると、このタイプのタイヤは、参照番号2によって全体として示されるように、2つ以上の弾性材料からなる円形の層によって形成され、半径方向に重なっている。これらの層は、超弾性タイヤ2の中心から周辺に向かって、ビード12と呼ばれる内側部分、単に中間部分14と呼ばれる中間部分、およびトレッド16と呼ばれる外側部分を形成する。
【0004】
特に、ビード12は、ホイールリムの周りに取り付けられた超弾性タイヤ2の部分であり、これは、ホイールを回転させる車軸と一体にされる。一方、トレッド16は、車輪が回転する地面と接触する超弾性タイヤ2の構造部分である。中間部分14は、代わりに、超弾性タイヤ2の弾性を保証する機能を委任された構造部分である。前述の理由から、ビード12およびトレッド16は、特に耐性のある材料で製造されなければならない。
【0005】
より具体的には、超弾性タイヤ2の構造は、ビード12における複数の金属ストランド18によって補強することができる。一方、トレッド16は、滑らかであるか、または溝20を設けることができる。溝20の数、形状、および深さは、超弾性タイヤ2の用途により異なる。
【0006】
低速車両(通常25km/h未満)で使用するように設計された超弾性タイヤの場合、トレッドの溝の機能はほとんど重要ではない。実際、このタイプの超弾性タイヤの耐用年数は、トレッドの溝の摩耗に依存するのではなく、トレッド自体の全体的な摩耗に依存する。実際、中間部分は、十分な厚さのトレッドによって提供される範囲を奪われると、超弾性タイヤの使用に適した特性を保証できない。
【0007】
このため、再び
図1を参照すると、超弾性タイヤ2は、隆起した円形部分22からなる、過度の摩耗の指標を備える。該円形部分22は、超弾性タイヤ2の肩部、すなわち超弾性タイヤ2の側面、特に、特にトレッド16と中間部分12との間の接触領域の側面に配置される。これらの隆起した円形部分22のそれぞれは、過度の摩耗を知らせる機能を有し、「60J line」と呼ばれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、超弾性タイヤのユーザーは、摩耗レベルがトレッドの溝の底に達したとき、新しいタイヤと交換するようにしばしば求められる。超弾性タイヤの種類、すなわち使用目的に応じて、超弾性タイヤの過度の摩耗点に到達するずっと前に、トレッドの溝の底に到達する。つまり、「60J line」に到達するずっと前に、溝の底に到達する。場合によっては、中間部分を保護し、超弾性タイヤの正しい動作を保証するのに役立つトレッドの残りの厚さは、初期の厚さの20~40%にさえなる可能性がある。その結果、このタイプの超弾性タイヤのユーザーは、実際の耐用年数が製造業者で述べられているものと一致しないと誤って不満を言う。上記のことを考慮すると、従来技術による過度の摩耗の指標によって提供される解決策、特に「60J line」によって提供される解決策は、この超弾性タイヤの耐用年数の終わりに実際に達したことをユーザーに知らせるという必要を満たない。
【0009】
そのため、過度の摩耗状態を視覚的に知らせる手段を備えた超弾性タイヤが達成された。過度の摩耗状態を視覚的に知らせるこれらの手段により、ユーザーは、その可能性の限界まで、すなわち、超弾性タイヤ自体の実際の耐用年数の終わりに達するまで、超弾性タイヤを利用することができる。例えば、同じ出願人が出願した文書GB 2505034Aは、過度の摩耗状態を視覚的に知らせる手段を備えた超弾性タイヤを開示する。これらの視覚的に知らせる手段は、超弾性タイヤの実際の耐用年数の終わりに到達したことを効率的に知らせると同時に、ユーザーに過度の摩耗状態にはまだ達していないことを十分に安心させるために、トレッドの色とは異なる色を有する。
【0010】
頭字語POS(「Press On Steel」)またはPOB(「Press On Band」)で既知の2番目のタイプのソリッドタイヤがさらに知られている。構造的には、従来技術によるPOS/POBタイヤの厚さが断面図で示されている
図3を参照すると、全体として参照番号6で示されている、この種のタイヤは、常に半径方向に重なり合った2つ以上の円形層から形成される。ただし、これらの層はすべて弾性材料でできているわけではない。POS/POBタイヤ6の中心から周辺に向かって進むと、実際には、以下のものを識別することができる:ホイールリムの周りのPOS/POBタイヤ6の取り付けを単純化するように構成された、金属リング24からなる内側部分、および弾性材料でできており、金属リング24の周りに取り付けられている、通常の外側部分またはトレッド(16)。
【0011】
POS/POBタイヤと超弾性タイヤの違いは、POS/POBタイヤの場合、トレッドの摩耗の上限が明確かつ公式に確立されていないという事実にある。欧州タイヤリム技術機構(ETRTO)からの推奨事項は、1つだけであり、トレッドの厚さの1/3でこの摩耗限界を特定している。ただし、同様の米国の協会(TRAまたは「タイヤリム協会」)は、このタイプのソリッドタイヤに関する推奨事項を提供していない。
【0012】
したがって、POS/POBタイヤのトレッドの摩耗限界を特定することが、POS/POBタイヤの製造業者に委ねられている。例えば、再び
図3を参照すると、POS/POBタイヤ6は、対応するトレッド16内の所定の位置に、トレッド16自体の過度の摩耗のポイントを知らせるように設計された、いわゆる摩耗限界26を備える。すなわち、トレッド16の劣化後、摩耗限界26に達したら、POS/POBタイヤ6を交換しなければならない。
【0013】
POS/POBタイヤに関して、過度の摩耗状態を視覚的に知らせるための手段が開示されている。これらは、例えば、同じ出願人が出願した文書WO2019/092756A1に示されている。しかしながら、出願人は、これらの視覚的に知らせるための手段は、超弾性タイヤまたはPOS/POBタイヤに取り付けられていたとしても、特に明るい色で製造できること、したがって、特定の材料の化合物で製造された場合、見やすくなることを発見した。これに加えて、この特定の材料の化合物は、視覚的に知らせるための手段、結果的には、ソリッドタイヤ全体を、低ヒステリシスとし、したがって、熱の発生の影響を受けにくくする。
【0014】
したがって、本発明の目的は、非常に単純で、安価で、特に機能的な方法で、従来技術の前述の欠点を解決することができるソリッドタイヤを製造することである。
【0015】
詳細には、本発明の目的は、既知のタイプの同様のソリッドタイヤと比較して見やすい、過度の摩耗状態を視覚的に知らせる手段を備えたソリッドタイヤを製造することである。
【0016】
本発明の別の目的は、既知のタイプの同様のソリッドタイヤと比較して耐性のある、過度の摩耗状態を視覚的に知らせる手段を備えたソリッドタイヤを製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によるこれらおよび他の目的は、請求項1に記載されるソリッドタイヤを製造することによって達成される。
【0018】
本発明のさらなる特徴は、本発明の重要な部分を形成する従属請求項に概説されている。
【0019】
本発明によるソリッドタイヤの特徴および利点は、下記の記載からより明確になる。該記載は、添付の図面を参照するところ、説明的かつ非限定的なものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】従来技術による超弾性タイヤの厚さの断面図である。
【
図2】本発明による、過度の摩耗状態を視覚的に知らせる手段を備えたソリッドタイヤの第1の実施形態(超弾性タイヤ)の厚さの断面図である。
【
図3】従来技術によるPOS/POBタイヤの厚さの断面図である。
【
図4】本発明による、過度の摩耗状態を視覚的に知らせる手段を備えたソリッドタイヤの第2の実施形態(POS/POBタイヤ)の厚さの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
特に
図2および4を参照すると、本発明によるソリッドタイヤの2つの好ましい実施形態が示されている。詳細には、
図2では、ソリッドタイヤは、全体として参照番号4で示されている超弾性タイヤからなる。
図4では、ソリッドタイヤは、全体として参照番号8で示されているPOS/POBタイヤからなる。
【0022】
超弾性タイヤ4およびPOS/POBタイヤ8の両方は、従来技術による超弾性タイヤおよびPOS/POBタイヤの各々を形成する同じ部品によって実質的に製造される。したがって、前述したのと同じ参照番号が、これらの部品に使用されている。よって、一般に、ソリッドタイヤ4または8は、半径方向に重なり合う2つ以上の円形層を備え、少なくとも最外層は、弾性材料でできており、外側部分またはトレッド16からなる。
【0023】
さらに、ソリッドタイヤ4または8は、外側部分またはトレッド16の内側の所定の位置に配置された、過度の摩耗を知らせるための少なくとも1つの層10を含む。例えば、超弾性タイヤ4では、過度の摩耗を知らせるための層10は、外側部分またはトレッド16において、隆起した円形部分22(「60J line」)に配置することができる。POS/POBタイヤ8では、前記過度の摩耗を知らせるための層10は、外側部分またはトレッド16において、摩耗限界26に配置することができる。
【0024】
過度の摩耗を知らせるための層10は、いずれの場合も、トレッド16の色と明確に区別できる色で作られている。特に、過度の摩耗を知らせるための層10は、トレッド16の色とは異なる色で作られている。これにより、トレッド16の摩耗が、過度の摩耗を知らせるための層10が露出するようなものである場合、それを即座に且つ容易に視認し得る。
【0025】
本発明によれば、過度の摩耗を知らせるための層は、下記の重量パーセントの下記の材料化合物を用いて製造される。
-ゴム:50%から60%;
-シリカ:20%から30%;
-1つ以上の可塑化添加剤:2%から8%;
-ゴムとシリカの間の1つ以上の相溶化剤:2%から3%;
-顔料:3%から8%;
-1つ以上の保護剤:1%;
-1つ以上の架橋剤:3%から8%。
【0026】
ゴムは、合成タイプと天然タイプの両方であり得る。ミネラルバインダーが顔料に添加されているため、顔料とミネラルバインダーの結合によりミネラルカラーが生じる。
【0027】
特に、保護剤は、いわゆる「無染色」タイプであり、ミネラルカラーをより明るく保つことに寄与し、したがって、同時に、化合物の表面への着色成分の移動を回避する。保護剤はさらに、ゴムの老化効果の低減に貢献する。化合物で通常使用される非染色保護剤の特定のカテゴリーは、例えば、商品名「WingstayL」および「LowinoxGP45」で知られているヒンダードフェノールのカテゴリーからなる。
【0028】
ソリッドタイヤの主な性能要件の1つは、熱の蓄積に対する耐性である。ソリッドタイヤは、その使用中、回転速度とそれにかかる荷重の組み合わせにより、疲労のサイクルに継続的にさらされる。これらの疲労のサイクルは、熱を発生させ、それは、ソリッドタイヤの内側に蓄積される。作業サイクルが長く、それぞれが1日8時間以上続く場合、ソリッドタイヤは、休息して冷却する時間がない。ソリッドタイヤの内側温度が130℃を超えると、老朽化が加速し、ソリッドタイヤが劣化しやすくなる。
【0029】
シリカおよびゴムとシリカの間の相溶化剤(該相溶化剤は、例えば、ビニルトリメトキシシランなどのシランのカテゴリーから選択することができる。)は、特定の化合物を形成させる。該特定の化合物は、従来技術による同様のソリッドタイヤと比較して、固体タイヤ4または8を低ヒステリシスとし、したがって、熱の発生の影響を受けにくくする。実際、過度の摩耗を知らせるための層10は、前述の化合物を含むので、前記過度の摩耗を知らせるための層10は、ソリッドタイヤ4または8に不連続性を与え、蓄積された熱を低減させ、ソリッドタイヤ4または8を重い仕事(2~3回の連続シフトまたは18~24時間の作業サイクル)に適したものにする。
【0030】
このように、本発明によるソリッドタイヤは前述の目的を達成していることがわかった。
【0031】
しかしながら、このように考案された本発明のソリッドタイヤにおいては、多くの修正および変形が可能であり、全ては、同じ発明の概念に含まれる。さらに、全ての内容は、技術的に同等の要素で置き換えることができる。実際には、使用される材料、および形状とサイズは、技術的なニーズに応じて任意のタイプにすることができる。
【0032】
よって、本発明の保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。