(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-14
(45)【発行日】2025-02-25
(54)【発明の名称】イメージセンサ
(51)【国際特許分類】
H10F 39/12 20250101AFI20250217BHJP
H10F 39/18 20250101ALI20250217BHJP
G02B 5/04 20060101ALN20250217BHJP
G02B 3/00 20060101ALN20250217BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H01L27/146 A
G02B5/04 F
G02B3/00 A
(21)【出願番号】P 2023074436
(22)【出願日】2023-04-28
【審査請求日】2023-04-28
(32)【優先日】2023-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【氏名又は名称】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】劉 浩偉
(72)【発明者】
【氏名】鄭 聖傳
(72)【発明者】
【氏名】呉 慶強
【審査官】加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-065270(JP,A)
【文献】国際公開第2019/065143(WO,A1)
【文献】特開2017-028241(JP,A)
【文献】国際公開第2017/073321(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
G02B 5/04
G02B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のユニットを備える、イメージセンサであって、
前記第一のユニットが、
第一の寸法を有する第一のフォトダイオードと、
前記第一のフォトダイオードに隣接して配置され、前記第一の寸法よりも大きい第二の寸法を有する第二のフォトダイオードと、
前記第一のフォトダイオード及び前記第二のフォトダイオードに重な
り、前記第一のフォトダイオードの上面全体及び第二のフォトダイオードの上面全体を覆う第一のカラーフィルタと、
前記第一のカラーフィルタに配置され、前記第一のフォトダイオードと重なる第一の内部リフレクタであって、前記第一の内部リフレクタは前記第一のカラーフィルタの上面から前記第二のフォトダイオードに向かって傾斜した傾斜受光面を有し、前記第一の内部リフレクタの屈折率は前記第一のカラーフィルタの屈折率よりも小さい、第一の内部リフレクタと、
を備える、イメージセンサ。
【請求項2】
前記第一の内部リフレクタの屈折率と前記第一のカラーフィルタの屈折率との差が0.2より大きい、
請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記第一のユニットは、前記第一のカラーフィルタを取り囲むグリッドを備え、前記グリッドの高さに対する前記第一の内部リフレクタの高さの比は0.3~1であり、前記第一の内部リフレクタは第五の寸法を有し、前記第五の寸法は前記第一のフォトダイオードの前記第一の寸法より大きく、前記第一のフォトダイオードの前記第一の寸法と、前記第二のフォトダイオードの前記第二の寸法の半分との和より小さい、
請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記第一のユニットは、前記第一のカラーフィルタを取り囲むグリッドを備え、前記第一の内部リフレクタは、前記傾斜受光面と前記第一のフォトダイオードとの間に角度θ
1を有する、
請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記角度θ
1は、
【数1】
を満たし、
H
1は前記グリッドの高さ、W
1は前記第一のフォトダイオードの前記第一の寸法、W
2は前記第二のフォトダイオードの前記第二の寸法である、
請求項4に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記第一の内部リフレクタは前記第二のフォトダイオードの一部と重なり、前記第一の内部リフレクタは透明な有機材料で作られ、前記第一の内部リフレクタは三角プリズムである、
請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
第二のユニットをさらに備える、請求項1に記載のイメージセンサであって、
前記第二のユニットが、
第三の寸法を有する第三のフォトダイオードと、
前記第三のフォトダイオードに隣接して配置され、前記第三の寸法よりも大きい第四の寸法を有する第四のフォトダイオードと、
前記第三のフォトダイオード及び前記第四のフォトダイオードに重なる第二のカラーフィルタと、
前記第二のカラーフィルタに配置され、前記第三のフォトダイオードと重なる第二の内部リフレクタであって、前記第二の内部リフレクタは前記第二のカラーフィルタの上面から前記第四のフォトダイオードに向かって傾斜した傾斜受光面を有し、前記第二の内部リフレクタの屈折率は前記第二のカラーフィルタの屈折率よりも小さく、前記第二の内部リフレクタの透明度は前記第一の内部リフレクタの透明度と異なる、第二の内部リフレクタと、
を備える、イメージセンサ。
【請求項8】
前記第二の内部リフレクタの屈折率と前記第二のカラーフィルタの屈折率との差が0.2より大きく、前記第二のユニットは前記第二のカラーフィルタを取り囲むグリッドを備え、前記グリッドの高さに対する前記第二の内部リフレクタの高さの比は0.3~1である、
請求項
7に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記第二の内部リフレクタは第六の寸法を有し、前記第六の寸法は前記第三のフォトダイオードの前記第三の寸法より大きく、前記第三のフォトダイオードの前記第三の寸法と、前記第四のフォトダイオードの前記第四の寸法の半分との和より小さい、
請求項
7に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
前記第二のユニットは、前記第二のカラーフィルタを取り囲むグリッドを備え、前記第二の内部リフレクタは、前記傾斜受光面と前記第三のフォトダイオードとの間に角度θ
2を有し、前記角度θ
2は、
【数2】
を満たし、
H
1は前記グリッドの高さ、W
3は前記第三のフォトダイオードの前記第三の寸法、W
4は前記第四のフォトダイオードの前記第四の寸法である、
請求項
7に記載のイメージセンサ。
【請求項11】
前記第二のカラーフィルタは、前記第三のフォトダイオードから前記第四のフォトダイオードまで連続的に延び、前記第二の内部リフレクタの消衰係数は0.1~0.3であり、前記第二の内部リフレクタは三角プリズムであり、前記第二の内部リフレクタは前記第四のフォトダイオードの一部と重なる、
請求項
7に記載のイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、イメージセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
高速イメージセンサは、自動車、マシンビジョン、プロフェッショナルなビデオ撮影など、様々な分野の多くの用途で幅広く使用されてきた。イメージセンサ、特に相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサを製造する技術は、急速に進歩し続けてきた。例えば、フレームレートをより高くして、電力消費を削減することが必要なために、そのようなイメージセンサのさらなる小型化及び統合が促進されてきた。
【0003】
自動車産業のようないくつかの技術分野では、デジタルビデオカメラを車両に配置し、運転手のために車室内に小型ディスプレイを提供することによって、運転中の車両の全体的な安全性を向上させる取り組みが継続的に行われている。移動体を正確に認識し、あらゆる光条件下で高い色再現性で検出することが望まれている。このような用途では、10-1ルクス(暗視用)から105ルクス(明るい太陽光やヘッドライトの直接照射条件)までのシーン照明の範囲をキャプチャするためのハイダイナミックレンジ(HDR)が必要である。このハイダイナミックレンジは、少なくとも100dB以上のダイナミックレンジに相当する。現在のCMOSセンサは、フルウェル限界とノイズフロア限界のため、このレンジを実現するのは困難である。CMOSイメージセンサの用途をハイダイナミックレンジ分野まで拡大するためには、ハイダイナミックレンジセンサ設計が必要である。
【発明の概要】
【0004】
本開示の態様は、第一のユニットを含むイメージセンサを提供する。第一のユニットは、第一の寸法を有する第一のフォトダイオードと、第一のフォトダイオードに隣接して配置され、第一の寸法よりも大きい第二の寸法を有する第二のフォトダイオードと、第一のフォトダイオード及び第二のフォトダイオードに重なる第一のカラーフィルタと、第一のカラーフィルタに配置され、第一のフォトダイオードと重なる第一の内部リフレクタと、を備える。第一の内部リフレクタは、第一のカラーフィルタの上面から第二のフォトダイオードに向かって傾斜した傾斜受光面を有し、第一の内部リフレクタの屈折率は、第一のカラーフィルタの屈折率よりも小さい。
【0005】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第一の内部リフレクタの屈折率は、1より大きい。
【0006】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第一の内部リフレクタの屈折率と第一のカラーフィルタの屈折率との差は、0.2より大きい。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第一のユニットは、第一のカラーフィルタを取り囲むグリッドをさらに含み、グリッドの高さに対する第一の内部リフレクタの高さの比は、0.3~1である。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第一の内部リフレクタは第五の寸法を有し、第五の寸法は第一のフォトダイオードの第一の寸法より大きく、第一のフォトダイオードの第一の寸法と、第二のフォトダイオードの第二の寸法の半分との和より小さい。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第一のユニットは、第一のカラーフィルタを取り囲むグリッドをさらに含む。第一の内部リフレクタは、傾斜受光面と第一のフォトダイオードとの間に角度θ
1を有し、角度θ
1は、
【数1】
を満たし、H
1はグリッドの高さ、W
1は第一のフォトダイオードの第一の寸法、W
2は第二のフォトダイオードの第二の寸法である。
【0010】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第一のカラーフィルタは、第一のフォトダイオードから第二のフォトダイオードまで連続的に延びる。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第一のフォトダイオード及び第二のフォトダイオードは、対称軸を共有する。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第一の内部リフレクタは、透明な有機材料で作られている。
【0013】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第一の内部リフレクタは、三角プリズムである。
【0014】
本開示のいくつかの実施形態によれば、イメージセンサは、第二のユニットをさらに備え、第二のユニットは、第三の寸法を有する第三のフォトダイオードと、第三のフォトダイオードに隣接して配置され、第三の寸法よりも大きい第四の寸法を有する第四のフォトダイオードと、第三のフォトダイオード及び第四のフォトダイオードに重なる第二のカラーフィルタと、第二のカラーフィルタに配置され、第三のフォトダイオードと重なる第二の内部リフレクタと、を含む。第二の内部リフレクタは、第二のカラーフィルタの上面から第四のフォトダイオードに向かって傾斜した傾斜受光面を有し、第二の内部リフレクタの屈折率は第二のカラーフィルタの屈折率より小さく、第二の内部リフレクタの透明度は第一の内部リフレクタの透明度と異なる。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第二の内部リフレクタの屈折率は、1より大きい。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第二の内部リフレクタの屈折率と第二のカラーフィルタの屈折率との差は、0.2より大きい。
【0017】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第二のユニットは、第二のカラーフィルタを取り囲むグリッドをさらに含み、グリッドの高さに対する第二の内部リフレクタの高さの比は、0.3~1である。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第二の内部リフレクタは第六の寸法を有し、第六の寸法は第三のフォトダイオードの第三の寸法より大きく、第三のフォトダイオードの第三の寸法と、第四のフォトダイオードの第四の寸法の半分との和より小さい。
【0019】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第二のユニットは、第二のカラーフィルタを取り囲むグリッドをさらに含み、第二の内部リフレクタは、傾斜受光面と第三のフォトダイオードとの間に角度θ
2を有し、角度θ
2が
【数2】
を満たし、H
1はグリッドの高さ、W
3は第三のフォトダイオードの第三の寸法、W
4は第四のフォトダイオードの第四の寸法である。
【0020】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第二のカラーフィルタは、第三のフォトダイオードから第四のフォトダイオードまで連続的に延びる。
【0021】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第二の内部リフレクタの消衰係数は、0.1~0.3である。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第二の内部リフレクタは、三角プリズムである。
【0023】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第一のユニットは、第一のフォトダイオード上の第一のレンズと、第二のフォトダイオード上の第二のレンズとをさらに含む。
【0024】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、いずれも例によるものであり、特許請求される本発明のさらなる説明を提供することを意図していることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
添付の図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本発明の実施形態を示すものであり、説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0026】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態によるイメージセンサの上面図である。
【
図2】
図1の線A-Aに沿って取られた断面図であり、本開示のいくつかの実施形態による第一のユニットの断面を示す。
【
図3A】本開示のいくつかの実施形態による第一のユニットの異なる光路の概略図である。
【
図3B】本開示のいくつかの実施形態による第一のユニットの異なる光路の概略図である。
【
図3C】本開示のいくつかの実施形態による第一のユニットの異なる光路の概略図である。
【
図4】本開示の第一のユニットの異なる実施形態の断面図である。
【
図5】本開示の第一のユニットの異なる実施形態の断面図である。
【
図6】
図1の線B-Bに沿って取られた断面図であり、本開示のいくつかの実施形態による第二のユニットの断面を示す。
【
図7】
図1の線C-Cに沿って取られた断面図であり、本開示のいくつかの実施形態による第三のユニットの断面を示す。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサのユニットの大型フォトダイオードの正規化された感度ピークである。
【
図9】本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサのユニットの小型フォトダイオードの正規化された感度ピークである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ここで、本発明の本実施形態について詳細に言及するが、その例は、添付の図面に例示されている。可能な限り、図面及び説明において、同じ参照番号は、同様又は類似のパーツを参照するために使用される。
【0028】
図1を参照すると、この図は、本開示のいくつかの実施形態によるイメージセンサの上面図である。イメージセンサ10は、複数の第一のユニット100、複数の第二のユニット200、及び複数の第三のユニット300を含む。第一のユニット100、第二のユニット200、及び第三のユニット300は、異なる光学特性及び構造設計を有する。いくつかの実施形態では、イメージセンサ10の第一のユニット100、第二のユニット200、及び第三のユニット300の比率及び配置は、異なる要件に従って設計することができる。
【0029】
図1及び
図2を参照すると、
図2は、
図1の線A-Aに沿って取られた断面図で、本開示のいくつかの実施形態による第一のユニットの断面を示す。第一のユニット100は、第一の寸法W
1を有する第一のフォトダイオード110と、第二の寸法W
2を有する第二のフォトダイオード120とを含む。第二のフォトダイオード120は、第一のフォトダイオード110に隣接して配置され、第二のフォトダイオード120の第二の寸法W
2は、第一のフォトダイオード110の第一の寸法W
1より大きい。いくつかの実施形態では、第一のフォトダイオード110及び第二のフォトダイオード120は、対称軸Lを共有する。
【0030】
より具体的には、第一のユニット100は、第一のフォトダイオード110を第二のフォトダイオード120から分離するように構成されたディープトレンチ分離構造102を含む。第一のフォトダイオード110の第一の寸法W1は、対称軸Lの方向において第一のフォトダイオード110の反対側にある一対のディープトレンチ分離構造102の中心間距離の間で測定され、第二のフォトダイオード120の第二の寸法W2は、対称軸Lの方向において第二のフォトダイオード120の反対側にある一対のディープトレンチ分離構造102の中心間距離の間で測定される。
【0031】
第一のユニット100は、第一のフォトダイオード110及び第二のフォトダイオード120に重なる第一のカラーフィルタ130をさらに含む。第一のカラーフィルタ130は、R/G/Bカラーフィルタ又はC/Y/Mカラーフィルタであり得る。第一のカラーフィルタ130は、第一のフォトダイオード110から第二のフォトダイオード120まで連続的に延びる。
【0032】
第一のユニット100は、第一のカラーフィルタ130を取り囲む第一のグリッド140をさらに含む。第一のカラーフィルタ130は、第一のフォトダイオード110と第二のフォトダイオード120に重なり、第二のフォトダイオード120の第二の寸法W2は、第一のフォトダイオード110の第一の寸法W1より大きいので、第一のグリッド140は、矩形の形状ではなく、第一のフォトダイオード110と第二のフォトダイオード120との間の部分を有さない。
【0033】
より具体的には、第一のカラーフィルタ130は、第一のフォトダイオード110の真上にある第一の部分132と、第二のフォトダイオード120の真上にある第二の部分134とを有し、第一の部分132と第二の部分134とは、同じ波長帯を透過させる。第一のカラーフィルタ130の第一の部分132は、第一のグリッド140のいかなる部分もその間に介在することなく、第一のカラーフィルタ130の第二の部分134に直接接続される。
【0034】
第一のユニット100は、第一のカラーフィルタ130内に配置され、第一のフォトダイオード110に重なる第一の内部リフレクタ150をさらに含む。いくつかの実施形態では、第一の内部リフレクタ150は、三角プリズムである。いくつかの実施形態では、第一の内部リフレクタ150は、透明な有機材料で作られている。第一の内部リフレクタ150は、傾斜受光面152と、第二のフォトダイオード120を指す頂点154とを有する。より具体的には、第一の内部リフレクタ150は三角形の断面を有し、第一の内部リフレクタ150の底面151は第一のフォトダイオード110の受光面に平行かつ隣接し、第一の内部リフレクタ150の側面153は第一のフォトダイオード110の受光面に垂直であり、傾斜受光面152は第一の内部リフレクタ150の底面151と側面153を相互接続し、第一のカラーフィルタ130の上面から第二のフォトダイオード120に向かって傾斜している。いくつかの実施形態では、第一の内部リフレクタ150は、第一のカラーフィルタ130に完全に埋め込まれる。
【0035】
第一の内部リフレクタ150の屈折率は、第一のカラーフィルタ130の屈折率よりも小さく、第一の内部リフレクタ150と第一のカラーフィルタ130との間の界面によって指示光の光路が変更され、より大きな寸法W2を有する第二のフォトダイオード120に、より多くの光量を入れることができるようになっている。いくつかの実施形態では、第一の内部リフレクタ150の屈折率は、1より大きい。いくつかの実施形態では、第一の内部リフレクタ150の屈折率と第一のカラーフィルタ130の屈折率との差は、0.2より大きい。
【0036】
第一のユニット100は、第一のレンズ160と、第二のレンズ170とをさらに含む。第一のレンズ160は、第一のフォトダイオード110上に配置され、第二のレンズ170は、第二のフォトダイオード120上に配置される。また、第二のレンズ170のサイズは、第一のレンズ160のサイズよりも大きい。
【0037】
図3A~
図3Cを参照する。
図3A~
図3Cは、本開示のいくつかの実施形態による第一のユニット100の異なる光路の概略図である。第一のユニット100の光路は、少なくとも、第一の内部リフレクタ150と第一のカラーフィルタ130との屈折率の差、第一の内部リフレクタ150の傾斜角、及び入射光の入射角に従って決定される。
【0038】
いくつかの状況では、
図3Aに示すように、入射光L
1の入射角Φ
1は、第一の内部リフレクタ150と第一のカラーフィルタ130との間の界面の全内部反射(TIR)角と実質的に等しい。入射光L
1が第一のカラーフィルタ130から第一の内部リフレクタ150への界面に到達すると、入射光L
1は第一の内部リフレクタ150に屈折せず、第一のカラーフィルタ130に反射しない。入射光L
1は、第一の内部リフレクタ150と第一のカラーフィルタ130との間の界面に沿って実質的に透過し、したがって、ほとんどの入射光L
1が第二のフォトダイオード120に行く。
【0039】
いくつかの他の状況では、
図3Bに示すように、入射光L
2の入射角Φ
2は、第一の内部リフレクタ150と第一のカラーフィルタ130との間の界面のTIR角よりも大きい。入射光L
2が第一のカラーフィルタ130から第一の内部リフレクタ150への界面に到達すると、入射光L
2は第一の内部リフレクタ150に屈折せず、第一のカラーフィルタ130に全反射する。入射光L
2は、第一のカラーフィルタ130において実質的に透過し、したがって、ほとんどの入射光L
2が第二のフォトダイオード120に行く。
【0040】
さらに他のいくつかの状況では、
図3Cに示すように、入射光L
3の入射角Φ
3は、第一の内部リフレクタ150と第一のカラーフィルタ130との間の界面のTIR角よりも小さい。入射光
L3が第一のカラーフィルタ130から第一の内部リフレクタ150への界面に到達すると、入射光L
3の一部は第一の内部リフレクタ150に屈折して、その後、第一のフォトダイオード110に入射し、入射光L
3の別の一部は第一のカラーフィルタ130に反射して、その後、第二のフォトダイオード120に入射する。第二のフォトダイオード120の受光量は、第二のフォトダイオード120に直接入射する入射光と、第一のフォトダイオード110からの入射光の一部とを含む。
【0041】
図3A~
図3Cで説明したように、第一のカラーフィルタ130に第一の内部リフレクタ150を追加することによって、第一のユニット100への入射光の光路が再配列され、寸法W
1が小さい第一のフォトダイオード110の感度は、第一の内部リフレクタ150により低下するようになる。一方、寸法W
2が大きい第二のフォトダイオード120の感度は、第一の内部リフレクタ150によって向上され得る。
【0042】
図2に戻って参照する。第一の内部リフレクタ150の構造は、入射光の光路を制御するために慎重に設計される。いくつかの実施形態では、第一のグリッド140の高さH
1に対する第一の内部リフレクタ150の高さH
2の比は、0.3~1である。第一の内部リフレクタ150が高すぎたり短すぎたりすると、入射光の少なくとも一部を第二のフォトダイオード120に案内する機能が破綻する。いくつかの実施形態では、第一の内部リフレクタ150は第五の寸法W
5を有し、第五の寸法W
5は第一のフォトダイオード110の第一の寸法W
1よりも大きく、第一のフォトダイオード110の第一の寸法W
1と、第二のフォトダイオード120の第二の寸法W
2の半分との和より小さい。すなわち、第一の内部リフレクタ150は、少なくとも第一のフォトダイオード110と重なり、第二のフォトダイオード120の半分以上とは重ならない。いくつかの実施形態では、第一の内部リフレクタ150は、第一のフォトダイオード110と、第二のフォトダイオード120の一部分とに重なっている。
【0043】
いくつかの実施形態では、第一の内部リフレクタ150は、傾斜受光面152と第一のフォトダイオード110(例えば、第一の内部リフレクタ150の底面151)との間に角度θ
1を有し、角度θ
1は、
【数3】
を満たし、ここで、H
1は第一のグリッド140の高さ、W
1は第一のフォトダイオード110の第一の寸法、W
2は第二のフォトダイオード120の第二の寸法である。第一の内部リフレクタ150の角度θ
1が上記式を満たさない場合、入射光の光路は、所望のように再配列されない。
【0044】
したがって、本開示の第一のユニットの異なる実施形態の断面図である
図4及び
図5に示すように、第一の内部リフレクタ150の高さH
2が高くなると、第一の内部リフレクタ150の第五の寸法W
5もそれに伴って大きくなる。一方、第一の内部リフレクタ150の高さH
2が低くなると、第一の内部リフレクタ150の第五の寸法W
5は、それに伴って小さくなる。いくつかの実施形態では、
図4に示すように、第一の内部リフレクタ150は、第一のカラーフィルタ130よりも短く、第一の内部リフレクタ150は、第一のフォトダイオード110上にあり、第二のフォトダイオード120上にない。いくつかの実施形態では、
図5に示すように、第一の内部リフレクタ150は、第一のフォトダイオード110上、第一のフォトダイオード110と第二のフォトダイオード120との間のディープトレンチ分離構造102の部分上、及び部分的に第二のフォトダイオード120上にある。
【0045】
図6を参照すると、この図は、
図1の線B-Bに沿って取られた断面図で、本開示のいくつかの実施形態による第二のユニットの断面を示す。第二のユニット200は、第三の寸法W
3を有する第三のフォトダイオード210と、第四の寸法W
4を有する第四のフォトダイオード220とを含む。第四のフォトダイオード220は、第三のフォトダイオード210に隣接して配置され、第四のフォトダイオード220の第四の寸法W
4は、第三のフォトダイオード210の第三の寸法W
3より大きい。いくつかの実施形態では、第三のフォトダイオード210及び第四のフォトダイオード220は、対称軸L’を共有する。
【0046】
より具体的には、第二のユニット200は、第三のフォトダイオード210を第四のフォトダイオード220から分離するように構成されたディープトレンチ分離構造202を含む。第三のフォトダイオード210の第三の寸法W3は、対称軸L’の方向において第三のフォトダイオード210の反対側にある一対のディープトレンチ分離構造202の中心間距離の間で測定され、第四のフォトダイオード220の第四の寸法W4は、対称軸L’の方向において第四のフォトダイオード220の反対側にある一対のディープトレンチ分離構造202の中心間距離の間で測定される。
【0047】
第二のユニット200は、第三のフォトダイオード210及び第四のフォトダイオード220に重なる第二のカラーフィルタ230をさらに含む。第二のカラーフィルタ230は、R/G/Bカラーフィルタ又はC/Y/Mカラーフィルタであり得る。第二のカラーフィルタ230は、第三のフォトダイオード210から第四のフォトダイオード220まで連続的に延びる。いくつかの実施形態では、第二のカラーフィルタ230の色は、第一のカラーフィルタ130の色と同じにすることも、異なるようにすることも可能である。
【0048】
第二のユニット200は、第二のカラーフィルタ230を取り囲む第二のグリッド240をさらに含む。第二のカラーフィルタ230は、第三のフォトダイオード210と第四のフォトダイオード220に重なり、第四のフォトダイオード220の第四の寸法W4は、第三のフォトダイオード210の第三の寸法W3より大きいので、第二のグリッド240は、矩形の形状ではなく、第三のフォトダイオード210と第四のフォトダイオード220の間の部分を有さない。
【0049】
より具体的には、第二のカラーフィルタ230は、第三のフォトダイオード210の真上にある第一の部分232と、第四のフォトダイオード220の真上にある第二の部分234とを有し、第一の部分232と第二の部分234とは、同じ波長帯を透過させる。第二のカラーフィルタ230の第一の部分232は、第二のグリッド240のいかなる部分もその間に介在することなく、第二のカラーフィルタ230の第二の部分234に直接接続される。
【0050】
第二のユニット200は、第二のカラーフィルタ230に配置され、第三のフォトダイオード210に重なる第二の内部リフレクタ250をさらに含む。第二の内部リフレクタ250の屈折率は第二のカラーフィルタ230の屈折率よりも小さく、第二の内部リフレクタ250の透明度は第一の内部リフレクタ150の透明度とは異なる。例えば、第一の内部リフレクタ150は透明な材料から作られており、第二の内部リフレクタ250の透明度は、第一の内部リフレクタ150の透明度よりも小さい。すなわち、第二の内部リフレクタ250は、ゼロより大きい消衰係数を有する。いくつかの実施形態では、第二の内部リフレクタ250の消衰係数は、0.1~0.3である。
【0051】
いくつかの実施形態では、第二の内部リフレクタ250は、ゼロより大きい消衰係数を有する三角プリズムである。第二の内部リフレクタ250は、傾斜受光面252と、第四のフォトダイオード220を指す頂点254とを有する。より具体的には、第二の内部リフレクタ250は三角形の断面を有し、第二の内部リフレクタ250の底面251は第三のフォトダイオード210の受光面に平行かつ隣接し、第二の内部リフレクタ250の側面253は第三のフォトダイオード210の受光面に垂直であり、傾斜受光面252は第二の内部リフレクタ250の底面251と側面253を相互接続し、第二のカラーフィルタ230の上面から第四のフォトダイオード220に向かって傾斜している。いくつかの実施形態では、第二の内部リフレクタ250は、第二のカラーフィルタ230に完全に埋め込まれる。第二のユニット200は、第三のフォトダイオード210上の第三のレンズ260と、第四のフォトダイオード220上の第四のレンズ270とをさらに含む。
【0052】
第一のユニット100と同様に、第二の内部リフレクタ250の屈折率は、第二のカラーフィルタ230の屈折率よりも小さく、
図3A~
図3Cで説明したように、第二の内部リフレクタ250と第二のカラーフィルタ230との間の界面によって指示光の光路が変更され、より大きな寸法W
4を有する第四のフォトダイオード220に、より多くの光量を入れることができるようになっている。いくつかの実施形態では、第二の内部リフレクタ250の屈折率は、1より大きい。いくつかの実施形態では、第二の内部リフレクタ250の屈折率と第二のカラーフィルタ230の屈折率との間の差は、0.2より大きい。
【0053】
いくつかの実施形態では、第二のグリッド240の高さH1に対する第二の内部リフレクタ250の高さH3の比は、0.3~1である。第二の内部リフレクタ250が高すぎたり短すぎたりすると、入射光の少なくとも一部を第四のフォトダイオード220に案内する機能が破綻する。いくつかの実施形態では、第二の内部リフレクタ250は第六の寸法W6を有し、第六の寸法W6は第三のフォトダイオード210の第三の寸法W3より大きく、第三のフォトダイオード210の第三の寸法W3と、第四のフォトダイオード220の第四の寸法W4の半分との和より小さい。すなわち、第二の内部リフレクタ250は、少なくとも第三のフォトダイオード210と重なり、第四のフォトダイオード220の半分以上とは重ならない。いくつかの実施形態では、第二の内部リフレクタ250は、第三のフォトダイオード210と、第四のフォトダイオード220の一部分とに重なっている。
【0054】
いくつかの実施形態では、第二の内部リフレクタ250は、傾斜受光面252と第三のフォトダイオード210(例えば、第二の内部リフレクタ250の底面251)との間に角度θ
2を有し、角度θ
2は、
【数4】
を満たし、ここで、H
1は第二のグリッド240の高さ、W
3は第三のフォトダイオード210の第三の寸法、W
4は第四のフォトダイオード220の第四の寸法である。第二の内部リフレクタ250の角度θ
2が上記式を満たさない場合、入射光の光路は、所望のように再配列されない。第一のグリッド140と第二のグリッド240は、実質的に同じプロセスで形成され、したがって、第一のグリッド140と第二のグリッド240の高さは、実質的に同じであることに留意されたい。
【0055】
図7を参照すると、この図は、
図1の線C-Cに沿って取られた断面図で、本開示のいくつかの実施形態による第三のユニットの断面を示す。第三のユニット300は、第七の寸法W
7を有する第五のフォトダイオード310と、第八の寸法W
8を有する第六のフォトダイオード320とを含む。第五のフォトダイオード310は、第六のフォトダイオード320に隣接して配置され、第六のフォトダイオード320の第八の寸法W
8は、第五のフォトダイオード310の第七の寸法W
7より大きい。第三のユニット300は、第五のフォトダイオード310及び第六のフォトダイオード320に重なる第三のカラーフィルタ330をさらに含む。第三のカラーフィルタ330は、R/G/Bカラーフィルタ又はC/Y/Mカラーフィルタであり得る。いくつかの実施形態では、第三のカラーフィルタ330の色は、第一のカラーフィルタ130及び/又は第二のカラーフィルタ230の色と同じであることも、あるいは異なることもできる。第三のカラーフィルタ330には、内部リフレクタは存在しない。
【0056】
第三のユニット300は、第三のカラーフィルタ330を取り囲む第三のグリッド340をさらに含む。より具体的には、第三のカラーフィルタ330は、第五のフォトダイオード310の真上にある第一の部分332と、第六のフォトダイオード320の真上にある第二の部分334とを有し、第一の部分332と第二の部分334とは、同じ波長帯を透過させる。第三のカラーフィルタ330の第一の部分332は、第三のグリッド340の一部分によって第三のカラーフィルタ330の第二の部分334と間隔を空けて配置される。すなわち、第三のグリッド340は、第三のカラーフィルタ330の第一の部分332及び第二の部分334を取り囲み、その間に介在する部分を有している。第三のユニット300は、第五のフォトダイオード310上の第五のレンズ360と、第六のフォトダイオード320上の第六のレンズ370とをさらに含む。
【0057】
図8及び
図9を参照すると、これらの図は、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサのユニットの大型フォトダイオード及び小型フォトダイオードの正規化された感度ピークである。第三のユニットの第六のフォトダイオードのように、内部リフレクタなし(w/o ITR)のユニットの大型フォトダイオードの感度ピークは、1として決定される。第一のユニットの第二のフォトダイオードのように、透明内部リフレクタ(ITR1)を有するユニットの大型フォトダイオードの感度ピークは、1より大きい。第二のユニットの第四のフォトダイオードのように、消衰係数を有する内部リフレクタ(ITR2)を有するユニットの大型フォトダイオードの感度ピークも、1より大きい。
【0058】
第三のユニットの第五のフォトダイオードのように、内部リフレクタなし(w/o ITR)のユニットの小型フォトダイオードの感度ピークは、1として決定される。第一のユニットの第一のフォトダイオードのように、透明内部リフレクタ(ITR 1)を有するユニットの小型フォトダイオードの感度ピークは、1未満である。第二のユニットの第三のフォトダイオードのように、消衰係数を有する内部リフレクタ(ITR2)を有するユニットの小型フォトダイオードの感度ピークも、1未満である。
【0059】
図8及び
図9の結果によれば、ユニット内に内部リフレクタを追加することにより、大型フォトダイオードへの入射光は増加し、小型フォトダイオードへの入射光は減少する。第一、第二、及び第三のユニットを混合する利用は、イメージセンサのより多くの感度の組み合わせを生成することができるので、ハイダイナミックレンジ(HDR)のための多感度比の目的を達成することができる。
【0060】
本発明は、その特定の実施形態を参照して、かなり詳細に説明されたが、他の実施形態も可能である。したがって、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲は、本明細書に含まれる実施形態の説明に限定されるべきではない。
【0061】
本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、本発明の構造に様々な修正及び変形を加えることができることは、当業者にとって明らかである。以上のことから、本発明は、本発明の修正及び変形が以下の特許請求の範囲及びその均等物の範囲に入るのであれば、それらの修正及び変形もカバーすることが意図される。