(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-14
(45)【発行日】2025-02-25
(54)【発明の名称】電磁加熱コイル、加熱アセンブリ及び電子霧化装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20250217BHJP
A24F 40/20 20200101ALN20250217BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2023074577
(22)【出願日】2023-04-28
【審査請求日】2023-04-28
(31)【優先権主張番号】202221366482.9
(32)【優先日】2022-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517419906
【氏名又は名称】深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】16#, Dongcai Industrial Park, Gushu Town, Xixiang Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】范吉昌
(72)【発明者】
【氏名】楊保民
(72)【発明者】
【氏名】羅永傑
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/116241(WO,A1)
【文献】特表2022-522751(JP,A)
【文献】特開2022-075874(JP,A)
【文献】特表2021-511018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
H05B 6/10、6/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子霧化装置に用いられる電磁加熱コイルであって、
前記電磁加熱コイルは、少なくとも1束の導線束が軸線に沿って螺旋状に延びて構成され、前記電磁加熱コイルは、前記軸線の延伸方向において少なくとも1ターンのサブコイルを含み、各前記導線束は、少なくとも2筋の導線を含み、
各ターンの前記サブコイルは、前記軸線の延伸方向における第1の寸法と、前記軸線の延伸方向に垂直な第1の方向における第2の寸法と、を有し、前記第1の寸法は、前記第2の寸法よりも大きく、
前記電磁加熱コイルは、2束~3束の前記導線束を含み、各前記導
線束は、100筋~300筋の前記導線を含む
ことを特徴とする電磁加熱コイル。
【請求項2】
各ターンの前記サブコイルの断面形状は、長方形又は楕円形である
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁加熱コイル。
【請求項3】
各筋の前記導線の直径は、0.02mm~0.5mmである
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁加熱コイル。
【請求項4】
各筋の前記導線の直径は、0.1mmである
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁加熱コイル。
【請求項5】
発熱体と、請求項1に記載の電磁加熱コイルと、を備え、前記電磁加熱コイルは、前記発熱体の外部に設けられ、
前記発熱体内には、収容キャビティが設けられ、前記発熱体は、前記軸線の延伸方向において前記収容キャビティに連通する開口部が設けられている
ことを特徴とする加熱アセンブリ。
【請求項6】
前記加熱アセンブリは、取付フレームを更に備え、前記電磁加熱コイルは、前記取付フレームの外部を取り囲んで設けられ、前記発熱体は、前記取付フレーム内に設けられ、且つ前記第1の方向において前記電磁加熱コイルの少なくとも一部に対向する
ことを特徴とする請求項5に記載の加熱アセンブリ。
【請求項7】
前記加熱アセンブリは、前記電磁加熱コイルの外部に設けられる磁気シールド部材を更に備える、
ことを特徴とする請求項5に記載の加熱アセンブリ。
【請求項8】
前記電磁加熱コイルの動作電流の周波数は、20KHZ-1MHZである
ことを特徴とする請求項5に記載の加熱アセンブリ。
【請求項9】
前記電磁加熱コイルの動作電流の周波数は、100KHZ-600KHZである
ことを特徴とする請求項8に記載の加熱アセンブリ。
【請求項10】
請求項5~9のいずれか1項に記載の加熱アセンブリを備える
ことを特徴とする電子霧化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、霧化技術分野に関し、特に、電磁加熱コイル、加熱アセンブリ及び電子霧化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾルは、固体又は液体の小さな粒子が気体媒体中に分散・浮遊して形成されるコロイド分散体であり、エアロゾルは呼吸器系から人体に吸収されるので、ユーザに新しい代替吸収手段を提供する。例えば、ハーブ又はペースト状のエアロゾル発生基質をベーク・加熱することでエアロゾルを生成する電子霧化装置は、様々な分野に適用され、従来の製品形態及び吸収手段の代わりに、ユーザに吸入可能なエアロゾルを供給する。
【0003】
電子霧化装置は、加熱アセンブリを利用してエアロゾル発生基質を加熱することにより、ユーザが吸うエアロゾルを発生させる。一方、電磁加熱方式を採用した電子霧化装置の場合、その加熱アセンブリは、電磁加熱コイルと発熱体とを含み、電磁加熱コイルが通電して磁場を発生させ、電磁加熱コイルによって発生した磁場中の発熱体が昇温し、エアロゾル発生基質が発熱体に接触し、発熱体がエアロゾル発生基質を加熱して霧化させる。
【0004】
電磁加熱コイルは、一般的に、導線が螺旋状に取り囲まれて構成されるが、従来の螺旋状コイルは径方向における寸法がより大きいため、電子霧化装置全体の径方向における寸法がより大きくなり、電子霧化装置の小型化に不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑みて、従来の電磁加熱コイルが電子霧化装置の小型化に不利である問題に対して、電子霧化装置の小型化に有利である電磁加熱コイル、加熱アセンブリ及び電子霧化装置を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
電子霧化装置に用いられる電磁加熱コイルであって、前記電磁加熱コイルは、少なくとも1束の導線束が軸線に沿って螺旋状に延びて構成され、前記電磁加熱コイルは、前記軸線の延伸方向において少なくとも1ターンのサブコイルを含み、各前記導線束は、少なくとも2筋の導線を含み、各ターンの前記サブコイルは、前記軸線の延伸方向における第1の寸法と、前記軸線の延伸方向に垂直な第1の方向における第2の寸法と、を有し、前記第1の寸法は、前記第2の寸法よりも大きい。
【0007】
一実施例において、各ターンの前記サブコイルの断面形状は、長方形又は楕円形である。
【0008】
一実施例において、各前記導線束に含まれた導線の数は、15筋~300筋であり、各筋の前記導線の直径は、0.02mm~0.5mmである。
【0009】
一実施例において、前記電磁加熱コイルは、1束~3束の前記導線束を含み、各前記導線束は、100筋の前記導線を含み、各筋の前記導線の直径は、0.1mmである。
【0010】
加熱アセンブリであって、発熱体と上記のいずれか1項に記載の電磁加熱コイルとを備え、前記電磁加熱コイルは、前記発熱体の外部に設けられ、前記発熱体内には、収容キャビティが設けられ、前記発熱体は、前記軸線の延伸方向において前記収容キャビティに連通する開口部が設けられている。
【0011】
一実施例において、前記加熱アセンブリは、取付フレームを更に備え、前記電磁加熱コイルは、前記取付フレームの外部を取り囲んで設けられ、前記発熱体は、前記取付フレーム内に設けられ、且つ前記第1の方向において前記電磁加熱コイルの少なくとも一部に対向する。
【0012】
一実施例において、前記加熱アセンブリは、前記電磁加熱コイルの外部に設けられる磁気シールド部材を更に備える。
【0013】
一実施例において、前記電磁加熱コイルの動作電流の周波数は、20KHZ-1MHZである。
【0014】
一実施例において、前記電磁加熱コイルの動作電流の周波数は、100KHZ-600KHZである。
【0015】
電子霧化装置であって、上記のいずれか1項に記載の加熱アセンブリを備える。
【発明の効果】
【0016】
上記電磁コイル、加熱アセンブリ及び電子霧化装置によれば、各ターンのサブコイルの径方向における寸法は軸方向における寸法よりも小さいので、従来技術の電磁加熱コイルの各ターンのサブコイルの断面が円形である場合と比較すると、電磁加熱コイルの径方向における寸法を小さくすることにより、電子霧化装置の径方向における寸法が小さくなり、電子霧化装置の小型化に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施例によって提供される電子霧化装置の軸測図である。
【
図3】
図1に示す電子霧化装置の加熱アセンブリの断面図である。
【
図4】
図3に示す加熱アセンブリの電磁加熱コイルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、本発明を十分に理解するために、多くの具体的な細部を説明する。しかしながら、本発明は、ここで説明される実施形態とは異なる多くの他の形態で実施することができ、当業者であれば、本発明の趣旨から逸脱することなく類似な改善を行うことができる。したがって、本発明は以下に開示される具体的な実施例に限定されるものではない。
【0019】
本発明の説明において、理解すべきものとして、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などが指示する方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明しやすく且つ説明を簡略化するためのものだけであり、言及される装置又は素子は特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作しなければならないことを意味又は示唆するものではなく、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0020】
なお、用語「第1」、「第2」は説明の目的だけであり、相対的な重要性を意味又は示唆し、又は説明された技術的特徴の数を示唆すると理解されるものではない。従って、「第1」、「第2」で限定された特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、特に明示的かつ具体的に制限されない限り、「複数」の意味は少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどである。
【0021】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、着脱可能な接続であってもよいし、一体になってもよい。また、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよい。また、特に明確に限定されない限り、直接に接続されてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されてもよいし、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて本発明における上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0022】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1及び第2の特徴が直接に接触してもよいし、第1及び第2の特徴が中間媒体を介して間接的に接触してもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上又は斜め上にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも大きいことを示すだけであってもよい。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の直下又は斜め下にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも小さいことを示すだけであってもよい。
【0023】
説明すべきものとして、一方の素子が他方の素子に「固定される」又は「設けられる」と呼ばれる場合、他方の素子に直接存在してもよく、又は介在する要素が存在してもよい。一方の素子が他方の素子に「接続される」と考えられる場合、他方の素子に直接接続されてもよく、又は介在する要素が存在してもよい。本明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」及び類似の表現は説明の目的だけであり、唯一の実施形態を示すものではない。
【0024】
背景技術で記載されたように、従来の電磁加熱コイルは径方向における寸法がより大きいため、電子霧化装置全体の径方向における寸法がより大きくなり、電子霧化装置の小型化に不利である。
【0025】
本発明者が検討したところ、上記問題の根本的な原因は、電磁加熱方式を採用した電子霧化装置は、加熱アセンブリが電磁加熱コイルと発熱体とを含み、電磁加熱コイルが発熱体の外部に外嵌され且つ軸線に沿って螺旋状に延びることにあることを見出した。一方、導線が螺旋状に取り囲まれて形成された電磁加熱コイルを採用すると、各ターンのサブコイルの断面形状が円形であり、このように、電磁加熱コイルの径方向における寸法がより大きくなることにより、電子霧化装置全体の径方向における寸法がより大きくなり、電子霧化装置の小型化に不利である。
【0026】
上記問題に基づいて、
図1を参照すると、
図1は本発明の一実施例によって提供される電子霧化装置100の軸測図である。本発明は、花蕾系、草本系、合成系の液体、固体又はペースト状のエアロゾル発生基質300を加熱して霧化するための電子霧化装置100を提供する。
【0027】
図2及び
図3を参照すると、
図2は
図1に示す電子霧化装置100の断面図であり、
図3は
図1に示す電子霧化装置100の加熱アセンブリ200の断面図である。電子霧化装置100は、加熱アセンブリ200を備え、加熱アセンブリ200は、発熱体10と発熱体10の外部に外嵌された電磁加熱コイル20とを備え、電磁加熱コイル20は、通電して磁場を発生させ、発熱体10は、電磁加熱コイル20によって発生させた磁場中で発熱することにより、エアロゾル発生基質300を加熱する。
【0028】
具体的に、発熱体10内には、収容キャビティ11が設けられ、発熱体10には、収容キャビティ11に連通する開口部12が設けられ、エアロゾル発生基質300は、開口部12を通じて収容キャビティ11内に収容され得る。電磁加熱コイル20は、通電して磁場を発生させ、発熱体10は、上記磁場中で発熱する。エアロゾル発生基質300が収容キャビティ11内に収容されるため、この時、発熱体10は熱をエアロゾル発生基質300に伝達し、エアロゾル発生基質300の温度が上昇して霧化されてエアロゾルを形成する。
【0029】
一実施例において、電磁加熱コイル20は、少なくとも1束の導線束が軸線に沿って螺旋状に延びて構成され、上記開口部12は、軸線の延伸方向において発熱体10の一端に設けられる。ここで、各導線束は、少なくとも2筋の導線を含み、即ち、各束の導線束は、少なくとも2本の導線を含み、各導線束は、少なくとも2筋(2本)の導線が撚ることによって構成される。
【0030】
図4を参照すると、
図4は
図3に示す加熱アセンブリ200の電磁加熱コイル20の断面図である。電磁加熱コイル20は、軸線の延伸方向において少なくとも1ターンのサブコイル21を含み、即ち、電磁加熱コイル20は、電磁加熱コイル20の軸方向において、少なくとも1ターンのサブコイル21を含む。各ターンのサブコイル21は、軸線の延伸方向における第1の寸法Hと、軸線の延伸方向に垂直な第1の方向(径方向)における第2の寸法Wと、を有し、第1の寸法Hは第2の寸法Wよりも大きい。
【0031】
上記電磁加熱コイル20は、各ターンのサブコイル21の径方向における寸法が軸方向における寸法よりも小さいので、従来技術の電磁加熱コイル20の各ターンのサブコイル21の断面が円形(電磁加熱コイル20の断面が円形であると、各ターンのサブコイル21の径方向の寸法と軸方向の寸法が等しい)である場合と比較すると、以下のようなメリットがある。
1、電磁加熱コイル20の径方向における寸法を小さくすることにより、電子霧化装置100の径方向(横方向における空間)における寸法が小さくなり、電子霧化装置100の小型化に有利である。
2、電磁加熱コイル20全体の直径が同一である場合、外周の周長がより大きいと、電磁加熱コイル20の放熱により有利であり、電磁加熱コイル20の温度及び電磁加熱コイル20の損失を低減し、電磁加熱コイル20の使用寿命を向上させる。
3、電磁加熱コイル20全体の直径が同一である場合、発熱体10が位置する平面への電磁加熱コイル20の正投影の投影面積はより大きくなり、加熱面積を増加させ、磁場の均一性を向上させることができる。
【0032】
それと同時に、本実施例によって提供される電磁加熱コイル20は、少なくとも1束の導線束が上記軸線に沿って螺旋状に延びて構成され、且つ、各導線束は、少なくとも2筋の導線を含むので、従来技術の電磁加熱コイル20が扁平状の金属帯材で螺旋状に延びて構成される場合と比較すると、電磁加熱コイル20の高周波電流での交流抵抗を小さくすることができ、電子霧化装置100自体のエネルギーの損失を低減することができる。
【0033】
一実施例において、各ターンのサブコイル21の断面形状は、長方形である。長方形の1組の辺の長さが他の組の辺の長さよりも長いので、各ターンのサブコイル21の断面形状が長方形である場合、長方形の1組の長辺を軸線の延伸方向に配置し、1組の短辺を第1の方向(径方向)に沿って配置することにより、各ターンのサブコイル21の軸方向における寸法が径方向における寸法よりも大きくなるように保証することができ、即ち、第1の寸法Hが第2の寸法Wよりも大きくなるように保証することができる。
【0034】
他の実施例において、各ターンのサブコイル21の断面形状は、楕円形である。楕円形が1つの長軸と1つの短軸とを有するので、各ターンのサブコイル21の断面形状が楕円形である場合、長軸を軸線の延伸方向に配置し、短軸を第1の方向(径方向)に配置することにより、各ターンのサブコイル21の軸方向における寸法が径方向における寸法よりも大きくなるように保証することができ、即ち、第1の寸法Hが第2の寸法Wよりも大きくなるように保証することができる。
【0035】
理解できるものとして、また他の実施例において、各ターンのサブコイル21の断面形状は、上記の長方形及び楕円形に限定されず、必要に応じて設定することができる。
【0036】
一実施例において、電磁加熱コイル20は、1束の導線束が上記軸線に沿って螺旋状に延びて構成され、各導線束に含まれた導線の数は、15筋~300筋であり、各筋の導線の直径は、0.02mm~0.5mmである。具体的に、各導線束は、100筋の導線を含み、各筋の導線の直径は、0.1mmである。電磁加熱コイル20を製作する際には、まず直径が0.1mmである100筋の導線を撚り合わせて1束の導線束を形成し、次に専用の設備で導線束を所望の形状にプレスし、最後に当該導線束を軸線に沿って螺旋状に延びるようにして電磁加熱コイル20を形成する。
【0037】
他の実施例において、電磁加熱コイル20は、複数束の導線束が上記軸線に沿って螺旋状に延びて構成され、各束の導線束に含まれた導線の数は、15筋~300筋であり、各筋の導線の直径は、0.02mm~0.5mmである。具体的に、電磁加熱コイル20は、3束の導線束が上記軸線に沿って螺旋状に延びて構成され、各導線束は、100筋の導線を含み、各筋の導線の直径は、0.1mmである。電磁加熱コイル20を製作する際には、まず直径が0.1mmである100筋の導線を撚り合わせて1束の導線束を形成し、次に3束の導線を撚り合わせ、専用の設備で撚り合わせた導線束を所望の形状にプレスし、最後に特定の形状にプレスされた3束の導線束を軸線に沿って螺旋状に延びるようにして電磁加熱コイル20を形成する。
【0038】
もちろん、他の実施例において、電磁加熱コイル20に含まれた導線束の数や各導線束に含まれた導線の筋数、各筋の導線の直径は、特に限定されない。例えば、一部の実施例において、電磁加熱コイル20は、2束の導線束が上記軸線に沿って螺旋状に延びて構成され、各導線束は、150筋の導線を含み、各筋の導線の直径は、0.05mmである。
【0039】
一実施例において、引き続き
図2及び
図3を参照すると、加熱アセンブリ200は、取付フレーム30を更に備え、電磁加熱コイル20は、取付フレーム30の外部を取り囲んで設けられ、発熱体10は、取付フレーム30内に設けられ、且つ第1の方向上において電磁加熱コイル20の少なくとも一部に対向する。このように、発熱体10と電磁加熱コイル20との組み立てと固定が容易になる。
【0040】
加熱アセンブリ200は、電磁加熱コイル20の外部に設けられる磁気シールド部材40を更に備える。一方、磁気シールド部材40は、電磁加熱コイル20を固定することができ、磁気シールド部材40は、電磁加熱コイル20から外部に電磁波が放射されることを回避することができる。
【0041】
一実施例において、電磁加熱コイル20の動作電流の周波数は、20KHZ-1MHZである。このように、電磁加熱コイル20は中低周波数の電流で動作し、当該周波数では電流密度がより大きいため、電磁加熱コイル20が中間位置に位置する導線に電流を流して、導線を効果的に利用することができる。
【0042】
更に、電磁加熱コイル20の動作電流の周波数は、100KHZ-600KHZである。これにより、電磁加熱コイル20は適切な周波数の電流で動作することを確保し、電磁加熱コイル20に含まれた全ての導線に電流が流れているように確保し、導線の利用率を更に向上させることができる。
【0043】
本発明の他の実施例は、上記電子霧化装置100に含まれた加熱アセンブリ200を更に提供する。
【0044】
本発明のまた他の実施例は、上記加熱アセンブリ200に含まれた電磁加熱コイル20を更に提供する。電磁加熱コイル20は、少なくとも1束の導線束が軸線に沿って螺旋状に延びて構成され、各導線束は、少なくとも2筋の導線を含む。電磁加熱コイル20は、軸線の延伸方向において少なくとも1ターンのサブコイル21を含む。各ターンのサブコイル21は、軸線の延伸方向における第1の寸法Hと、軸線の延伸方向に垂直な第1の方向における第2の寸法Wと、を有し、第1の寸法Hは第2の寸法Wよりも大きい。
【0045】
上記電磁加熱コイル20によれば、各ターンのサブコイル21の径方向における寸法は軸方向における寸法よりも小さいので、従来技術の電磁加熱コイル20の各ターンのサブコイル21の断面が円形である場合と比較すると、電磁加熱コイル20の径方向における寸法を小さくすることにより、電子霧化装置100の径方向(横方向における空間)における寸法が小さくなり、電子霧化装置100の小型化に有利である。
【0046】
以上説明した実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることが可能であり、説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせについては説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書に記載される範囲内であると考えられるべきである。
【0047】
上記の実施例は、本願のいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、その叙述は具体的かつ詳細であるが、本願の発明の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。当業者であれば、本願の思想から逸脱することなく、本願の範囲に含まれるいくつかの変形および改善を行うことができることに留意されたい。したがって、本願の特許の範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0048】
100 電子霧化装置
200 加熱アセンブリ
300 エアロゾル発生基質
10 発熱体
11 収容キャビティ
12 開口部
20 電磁加熱コイル
21 サブコイル
H 第1の寸法
W 第2の寸法;
30 取付フレーム
40 磁気シールド部材