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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-14
(45)【発行日】2025-02-25
(54)【発明の名称】サンプル分析設備
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/02 20060101AFI20250217BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20250217BHJP
【FI】
G01N35/02 Z
C12M1/00 A
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023199070
(22)【出願日】2023-11-24
(65)【公開番号】P2024102811
(43)【公開日】2024-07-31
【審査請求日】2023-11-24
(31)【優先権主張番号】202310125153.8
(32)【優先日】2023-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518344542
【氏名又は名称】シェンチェン・ニュー・インダストリーズ・バイオメディカル・エンジニアリング・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100158920
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 英樹
(72)【発明者】
【氏名】▲饒▼ 捷
(72)【発明者】
【氏名】尹 力
(72)【発明者】
【氏名】▲湯▼ 俊▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】朱 亮
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲逸▼▲賢▼
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ ▲曉▼林
(72)【発明者】
【氏名】何 国耀
(72)【発明者】
【氏名】肖 豪
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第114561279(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112410204(CN,A)
【文献】中国実用新案第211057123(CN,U)
【文献】国際公開第2012/098931(WO,A1)
【文献】特開2015-206737(JP,A)
【文献】特開2010-256345(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0114344(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/02
C12M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル分析設備であって、
ハウジング(1-10)と、試薬調製装置(1.1)と、サンプル処理装置(1.2)と、分析装置(1.3)と、を含み、
前記ハウジング(1-10)内には、第1独立空間(1-21)、第2独立空間(1-22)及び第3独立空間(1-23)が順次間隔を置いて設けられており、
前記試薬調製装置(1.1)は、抽出試薬及び増幅試薬を調製するためのものであり、前記第1独立空間(1-21)内に設けられており、
前記サンプル処理装置(1.2)はサンプルから分析物を抽出してから前記分析物を前記増幅試薬に混入して検査対象混合物を形成するためのものであり、前記サンプル処理装置(1.2)は前記第2独立空間(1-22)内に設けられており、前記試薬調製装置(1.1)と前記サンプル処理装置(1.2)の間には第1搬送経路が設けられており、前記第1搬送経路上には第1開閉部材(11-81)が設けられており、前記第1開閉部材(11-81)には第1開状態と第1閉状態があり、前記第1開閉部材(11-81)が前記第1開状態にあるとき、前記第1搬送経路が開放されて前記第1独立空間(1-21)と前記第2独立空間(1-22)を連通させ、一方、前記第1開閉部材(11-81)が前記第1閉状態にあるとき、前記第1搬送経路が閉鎖されて前記第1独立空間(1-21)と前記第2独立空間(1-22)を互いに独立させ、
前記分析装置(1.3)は前記検査対象混合物の分析を行うためのものであり、前記分析装置(1.3)は前記第3独立空間(1-23)内に設けられており、前記分析装置(1.3)と前記サンプル処理装置(1.2)の間には第2搬送経路が設けられており、前記第2搬送経路上には第2開閉部材(11-21)が設けられており、前記第2開閉部材(11-21)には第2開状態と第2閉状態があり、前記第2開閉部材(11-21)が前記第2開状態にあるとき、前記第2搬送経路が開放されて前記第2独立空間(1-22)と前記第3独立空間(1-23)を連通させ、一方、前記第2開閉部材(11-21)が前記第2閉状態にあるとき、前記第2搬送経路が閉鎖されて前記第2独立空間(1-22)と前記第3独立空間(1-23)を互いに独立させる、ことを特徴とするサンプル分析設備。
【請求項2】
請求項1に記載のサンプル分析設備において、
前記試薬調製装置(1.1)は、前記抽出試薬が収容される第1容器(11-20)と、前記増幅試薬が収容される第2容器(11-30)と、をさらに含み、
前記ハウジング(1-10)内には、前記ハウジング(1-10)の内部空間を仕切って前記第1独立空間(1-21)、前記第2独立空間(1-22)及び前記第3独立空間(1-23)を形成するための第1仕切り板(1-11)と第2仕切り板(1-12)が間隔を置いて設けられており、
前記第1仕切り板(1-11)には前記第1搬送経路が設けられ、前記第2仕切り板(1-12)には前記第2搬送経路が設けられ、前記第1搬送経路によって前記第1独立空間(1-21)内の前記第1容器(11-20)及び前記第2容器(11-30)が前記第2独立空間(1-22)内に搬送され、前記第2搬送経路によって前記第2独立空間(1-22)内の前記第2容器(11-30)が前記第3独立空間(1-23)内に搬送される、ことを特徴とするサンプル分析設備。
【請求項3】
請求項2に記載のサンプル分析設備において、
前記サンプル分析設備は、前記第1独立空間(1-21)又は第2独立空間(1-22)内に設けられた第1搬送機構(5-01)と、前記第2独立空間(1-22)又は第3独立空間(1-23)内に設けられた第2搬送機構(6-01)と、をさらに含み、
前記第1搬送機構(5-01)は、前記第1搬送経路によって前記第1容器(11-20)及び前記第2容器(11-30)を搬送するとともに、前記第1開閉部材(11-81)が前記第1開状態と前記第1閉状態との間で切り替えられるように駆動し、
前記第2搬送機構(6-01)は、前記第2搬送経路によって前記第2容器(11-30)を搬送するとともに、前記第2開閉部材(11-21)が前記第2開状態と前記第2閉状態との間で切り替えられるように駆動する、ことを特徴とするサンプル分析設備。
【請求項4】
請求項3に記載のサンプル分析設備において、
前記第1搬送機構(5-01)は、前記第2独立空間(1-22)内に設けられた第1支持ラック(5-10)と、前記第1支持ラック(5-10)に第1方向に沿って可動的に設けられた第1載置部材(5-20)と、前記第1載置部材(5-20)の先端部に設けられた第1押し付け構造(5-30)と、を含み、
前記第1方向は、前記第1独立空間(1-21)、前記第2独立空間(1-22)及び前記第3独立空間(1-23)が順次配置される方向であり、
前記第1載置部材(5-20)は、前記第2独立空間(1-22)内に位置する第1材料装填位置と、前記第1押し付け構造(5-30)によって前記第1開閉部材(11-81)を前記第1開状態に押し付けて前記第1独立空間(1-21)内に入り込む第1材料取出位置と、を有する、ことを特徴とするサンプル分析設備。
【請求項5】
請求項4に記載のサンプル分析設備において、
前記第1押し付け構造(5-30)は、前記第1載置部材(5-20)から前方に突出して設けられた第1回転部材(5-31)を含み、前記第1回転部材(5-31)の回転軸線は、水平面内で前記第1方向に垂直な第2方向に沿って延在しており、
前記第1載置部材(5-20)が前記第1材料装填位置から前記第1材料取出位置に移動したとき、前記第1回転部材(5-31)は前記第1開閉部材(11-81)を押し付けて係合されることが可能である、ことを特徴とするサンプル分析設備。
【請求項6】
請求項4に記載のサンプル分析設備において、
前記第1仕切り板(1-11)は、前記第1方向に沿って間隔を置いて設けられた第1板体(1-111)及び第2板体(1-112)を含み、前記ハウジング(1-10)の内壁の一部と前記第1板体(1-111)によって前記第1独立空間(1-21)が囲まれており、前記ハウジング(1-10)の内壁の別の一部、前記第2板体(1-112)及び前記第2仕切り板(1-12)によって前記第2独立空間(1-22)が囲まれており、
前記第1板体(1-111)には第1搬送窓(1-131)が設けられ、前記第2板体(1-112)には前記第1搬送窓(1-131)に対応する第2搬送窓(1-132)が設けられ、前記第1搬送窓(1-131)と前記第2搬送窓(1-132)との両方によって前記第1搬送経路が形成され、
前記第1開閉部材(11-81)は、前記第1板体(1-111)又は前記第2板体(1-112)に第1回転軸によって枢動可能に設けられ、前記第1回転軸と、対応する前記第1板体(1-111)又は前記第2板体(1-112)との間には第1復帰部材(11-83)が設けられ、
前記第1復帰部材(11-83)から前記第1開閉部材(11-81)に第1復帰力を付与している場合、前記第1開閉部材(11-81)が前記第1閉状態に維持される、ことを特徴とするサンプル分析設備。
【請求項7】
請求項3に記載のサンプル分析設備において、
前記第2搬送機構(6-01)は、前記第3独立空間(1-23)内に設けられた第2支持ラック(6-31)と、前記第2支持ラック(6-31)に第1方向に沿って可動的に設けられた第2載置部材(6-32)と、前記第2載置部材(6-32)の先端部に設けられた第2押し付け構造(6-322)と、前記第2開閉部材(11-21)に設けられた摩擦低減部と、を含み、
前記第2載置部材(6-32)は、前記第3独立空間(1-23)内に位置する第2材料装填位置と、前記第2押し付け構造(6-322)によって前記第2開閉部材(11-21)を前記第2開状態に押し付けて前記第2独立空間(1-22)内に入り込む第2材料取出位置と、を有する、ことを特徴とするサンプル分析設備。
【請求項8】
請求項7に記載のサンプル分析設備において、
前記第2押し付け構造(6-322)は、前記第2載置部材(6-32)から前方に突出して設けられた第2回転部材(6-3221)を含み、前記第2回転部材(6-3221)の回転軸線は、水平面内で前記第1方向に垂直な第2方向に沿って延在しており、
前記摩擦低減部は、前記第2開閉部材(11-21)に設けられた第3回転部材(6-40)を含み、前記第3回転部材(6-40)の回転軸線は、前記第2回転部材(6-3221)の回転軸線に平行して設けられ、
前記第2載置部材(6-32)が前記第2材料装填位置から前記第2材料取出位置に移動したとき、前記第2回転部材(6-3221)は前記第2開閉部材(11-21)を押し付けて係合されることが可能であり、前記第3回転部材(6-40)は前記第2載置部材(6-32)に接触して係合されることが可能である、ことを特徴とするサンプル分析設備。
【請求項9】
請求項3に記載のサンプル分析設備において、
前記第2仕切り板(1-12)は、第1方向に沿って間隔を置いて設けられた第3板体(1-121)及び第4板体(1-122)を含み、前記ハウジング(1-10)の内壁の別の一部、前記第1仕切り板(1-11)及び前記第3板体(1-121)によって前記第2独立空間(1-22)が囲まれており、前記ハウジング(1-10)の内壁の残りの部分及び前記第4板体(1-122)によって前記第3独立空間(1-23)が囲まれており、
前記第3板体(1-121)には第3搬送窓(1-133)が設けられ、前記第4板体(1-122)には前記第3搬送窓(1-133)に対応する第4搬送窓(1-134)が設けられ、前記第3搬送窓(1-133)と前記第4搬送窓(1-134)との両方によって前記第2搬送経路が形成され、
前記第2開閉部材(11-21)は、前記第3板体(1-121)又は前記第4板体(1-122)に第2回転軸によって枢動可能に設けられ、前記第2回転軸と、対応する前記第3板体(1-121)又は前記第4板体(1-122)との間には第2復帰部材(11-22)が設けられ、
前記第2復帰部材(11-22)から前記第2開閉部材(11-21)に第2復帰力を付与している場合、前記第2開閉部材(11-21)が前記第2閉状態に維持される、ことを特徴とするサンプル分析設備。
【請求項10】
請求項2に記載のサンプル分析設備において、
前記第1容器(11-20)は、複数の第1載置孔(11-211)が設けられている第1多孔板であり、
前記試薬調製装置(1.1)は、前記第1独立空間(1-21)内に設けられた第1枠体(10-10)と、分離試薬モジュール(10-30)及び濃縮試薬モジュール(10-40)を含む抽出試薬モジュールと、を含み、
前記第1枠体(10-10)は試薬調製作業台(10-11)を有し、前記試薬調製作業台(10-11)には前記第1容器(11-20)を載置するための第1容器載置台座が設けられており、
前記分離試薬モジュール(10-30)は、前記第1枠体(10-10)内に可動的に設けられ且つ前記試薬調製作業台(10-11)の上方に位置する複数の注液針(10-31)を含み、前記注液針(10-31)のそれぞれは、対応する分離試薬と連通可能であり、複数の前記注液針(10-31)は、前記第1容器載置台座の上方まで移動する第1注液位置と、前記第1容器(11-20)から離れる退避位置と、を有し、
前記濃縮試薬モジュール(10-40)は、前記第1枠体(10-10)に可動的に設けられ且つ前記試薬調製作業台(10-11)の上方に位置するピペット針(10-41)と、溶離液及び磁気ビーズが収容される濃縮試薬室(10-42)と、を含み、前記濃縮試薬室(10-42)が前記試薬調製作業台(10-11)に設けられ、
前記ピペット針(10-41)は、前記濃縮試薬室(10-42)の上方まで移動して前記溶離液及び前記磁気ビーズをローディングする第1吸引位置と、前記第1容器載置台座の上方まで移動する第2注液位置と、を有する、ことを特徴とするサンプル分析設備。
【請求項11】
請求項10に記載のサンプル分析設備において、
前記分離試薬モジュール(10-30)は、前記第1枠体(10-10)内に鉛直方向に沿って移動可能に設けられ且つ前記試薬調製作業台(10-11)の上方に位置する注入ラック(10-32)をさらに含み、前記注入ラック(10-32)には、複数の前記注液針(10-31)が第1方向に沿って移動可能に設けられ、前記試薬調製作業台(10-11)には、前記第1容器載置台座が水平面内で前記第1方向に垂直な第2方向に沿って移動可能に設けられ、前記第1容器載置台座は第1作動位置を有し、前記第1容器載置台座が前記第1作動位置に位置するとき、前記注入ラック(10-32)は鉛直方向に沿って移動して複数の前記注液針(10-31)を前記第1注液位置に位置させることができ、
前記濃縮試薬モジュール(10-40)は、前記第1枠体(10-10)に水平移動可能に設けられ且つ前記試薬調製作業台(10-11)の上方に位置する試薬アーム(10-44)をさらに含み、前記試薬アーム(10-44)には前記ピペット針(10-41)が鉛直方向に沿って移動可能に設けられ、前記第1容器載置台座は、第1作動位置の一方側に位置する第2作動位置をさらに有し、前記第1容器載置台座が前記第2作動位置に位置するとき、前記試薬アーム(10-44)は水平方向に沿って移動して前記ピペット針(10-41)を前記第2注液位置に位置させることができる、ことを特徴とするサンプル分析設備。
【請求項12】
請求項11に記載のサンプル分析設備において、
前記試薬調製作業台(10-11)には、予混合プレートを載置するための予混合箇所(10-111)と、第2容器(11-30)を載置するための第2容器載置箇所(10-112)が設けられており、
前記試薬調製装置(1.1)は、第1試薬ボトル及び第2試薬ボトルを載置するための試薬調製室(10-22)をさらに含み、前記試薬調製室(10-22)が前記試薬調製作業台(10-11)に設けられており、
前記ピペット針(10-41)は、前記試薬調製室(10-22)の上方まで移動して前記試薬調製室(10-22)中の増幅試薬を吸引する第2吸引位置と、前記予混合プレートの上方まで移動して前記増幅試薬を前記予混合プレートに注入する混合位置と、前記第2容器(11-30)の上方まで移動して前記予混合プレート中の混合液を前記第2容器(11-30)に注入する注入位置と、をさらに有する、ことを特徴とするサンプル分析設備。
【請求項13】
請求項11に記載のサンプル分析設備において、
前記試薬調製装置(1.1)は、横方向ガイドレール(2-40)及び縦方向ガイドレール(2-41)をさらに含み、前記横方向ガイドレール(2-40)及び前記縦方向ガイドレール(2-41)が共に前記試薬調製作業台(10-11)の上方に位置し、
前記縦方向ガイドレール(2-41)は、前記第1枠体(10-10)に設けられ且つ前記第1方向に沿って延在しており、前記横方向ガイドレール(2-40)は、水平面内で前記第1方向に垂直な第2方向に沿って延在しており、
前記横方向ガイドレール(2-40)は、前記縦方向ガイドレール(2-41)の下方に、前記縦方向ガイドレール(2-41)の延在方向に沿って移動可能に設けられ、
前記横方向ガイドレール(2-40)には前記試薬アーム(10-44)が前記横方向ガイドレール(2-40)の延在方向に沿って移動可能に設けられ、前記試薬アーム(10-44)には前記ピペット針(10-41)が鉛直方向に沿って移動可能に設けられている、ことを特徴とするサンプル分析設備。
【請求項14】
請求項10に記載のサンプル分析設備において、
前記第2容器(11-30)は、複数の第2載置孔(11-31)が設けられている第2多孔板であり、
前記第1載置孔(11-211)の数は、前記第2載置孔(11-31)の数よりも多い、ことを特徴とするサンプル分析設備。
【請求項15】
請求項2に記載のサンプル分析設備において、
前記サンプル処理装置(1.2)は、サンプル移送機構(31-10)と、注入機構(32-20)と、抽出機構と、を含み、
前記サンプル移送機構(31-10)は、第2方向に沿って移動可能な移送ラック(31-11)を含み、前記移送ラック(31-11)は第1載置箇所を有し、且つその移動方向において移送位置及びサンプル投入位置を有し、
前記注入機構(32-20)は、サンプルアーム(31-13)を含み、前記移送ラック(31-11)が前記サンプル投入位置に移動したとき、前記サンプルアーム(31-13)は、前記サンプル投入位置に移動して、前記第1載置箇所にある前記第1容器(11-20)にサンプルを注入、或いは、前記第1容器(11-20)から分析物を吸引し、
前記抽出機構は、分析物抽出部材(31-21)と、前記第2方向に沿って移動可能に設けられ且つ第2載置箇所を有する抽出ラック(31-22)と、を含み、前記抽出ラック(31-22)はその移動方向において載置位置及び抽出位置を有し、前記抽出ラック(31-22)が前記載置位置に移動し、且つ前記移送ラック(31-11)が前記移送位置に移動したとき、前記第1容器(11-20)が前記第1載置箇所から前記第2載置箇所に移動され、一方、前記抽出ラック(31-22)が前記抽出位置に移動したとき、前記分析物抽出部材(31-21)は前記第2載置箇所にある前記第1容器(11-20)に対して前記分析物の抽出を実施することができる、ことを特徴とするサンプル分析設備。
【請求項16】
請求項15に記載のサンプル分析設備において、
前記サンプル処理装置(1.2)は、格納機構(32-10)と、搬送機構(31-30)と、をさらに含み、
前記格納機構(32-10)は、サンプルチューブを載置するためのサンプル格納室(32―11)と、品質管理物の入った品質管理チューブを載置するための品質管理物格納室(32―12)と、を含み、
前記注入機構(32―20)は、消耗品が格納される消耗品ローディング機構(32-21)をさらに含み、前記サンプルアーム(31-13)は、前記サンプルチューブ中のサンプル、又は前記品質管理チューブ中の品質管理物を前記第1容器(11-20)に注入することができ、前記サンプルアーム(31-13)には、前記消耗品に係合連結可能なサンプル投入針(31-14)が設けられており、
前記搬送機構(31-30)は、移動可能に設けられた移動ラック(31-31)を含み、前記移動ラック(31-31)には、前記サンプルチューブ又は前記品質管理チューブを載置するための載置箇所(31-311)が設けられており、前記移動ラック(31-31)は、前記格納機構(32-10)に対応して設けられた格納搬送位置と、前記注入機構(32―20)に対応して設けられた注入搬送位置と、を有し、且つ前記格納搬送位置と前記注入搬送位置との間で移動可能であり、
移送機構(31―40)は、前記サンプルチューブを前記移動ラック(31-31)と前記サンプル格納室(32―11)との間で移送すること、及び前記品質管理チューブを前記移動ラック(31-31)と前記品質管理物格納室(32-12)との間で移送することが可能な把持部材(31-411)を含み、前記把持部材(31-411)は、前記サンプル格納室(32―11)から前記サンプルチューブを把持、或いは、前記品質管理物格納室(32-12)から前記品質管理チューブを把持することが可能である、ことを特徴とするサンプル分析設備。
【請求項17】
請求項2に記載のサンプル分析設備において、
前記サンプル分析設備は、試薬調製用把持ハンド(7-50)と、サンプル処理用把持ハンド(7-20)と、分析用把持ハンド(7-30)と、をさらに含み、
前記試薬調製用把持ハンド(7-50)は、第1独立空間(1-21)内で第1方向及び/又は水平面内で前記第1方向に垂直な第2方向に沿って移動可能であり、鉛直方向に沿って移動可能な第1把持ハンド構造(7-52)を備え、前記第1把持ハンド構造(7-52)は前記第1独立空間(1-21)内に位置する前記第1容器(11-20)又は前記第2容器(11-30)を把持するためのものであり、
前記サンプル処理用把持ハンド(7-20)は、前記第2独立空間(1-22)内で第1方向に沿って移動可能であり、鉛直方向に沿って移動可能な第2把持ハンド構造(7-21)を備え、前記第2把持ハンド構造(7-21)は前記第2独立空間(1-22)内に位置する前記第1容器(11-20)又は前記第2容器(11-30)を把持するためのものであり、
前記分析用把持ハンド(7-30)は、前記第3独立空間(1-23)内で第2方向に沿って移動可能であり、鉛直方向に沿って移動可能な第3把持ハンド構造(7-31)を備え、前記第3把持ハンド構造(7-31)は前記第3独立空間(1-23)内に位置する前記第2容器(11-30)を把持するためのものである、ことを特徴とするサンプル分析設備。
【請求項18】
請求項2に記載のサンプル分析設備において、
前記サンプル分析設備は、第2把持ハンド構造(7-21)を備えるサンプル処理用把持ハンド(7-20)をさらに含み、前記サンプル処理装置(1.2)は、前記第2独立空間(1-22)内に設けられた膜封止機構(33-30)をさらに含み、
前記膜封止機構(33-30)は、第3支持ラック(33-10)と、熱プレス機構(33-20)と、載置機構(33-40)と、を含み、
前記熱プレス機構(33-20)は、前記第3支持ラック(33-10)に鉛直方向に沿って移動可能に設けられ、その一方側に前記第2把持ハンド構造(7-21)が設けられており、
前記載置機構(33-40)は、互いに隣接して設けられた第1載置領域及び第2載置領域を含み、且つ前記熱プレス機構(33-20)と前記第2把持ハンド構造(7-21)との間で移動可能に設けられ、それによって前記載置機構(33-40)は、前記第1載置領域を前記熱プレス機構(33-20)に係合させる熱プレス位置と、前記第2載置領域を前記第2把持ハンド構造(7-21)に係合させる把持位置と、前記第1載置領域を前記第2把持ハンド構造(7-21)に係合させる装着位置と、を有することとなり、
前記第1載置領域は、前記検査対象混合物が収容される前記第2容器(11-30)を載置するためのものであり、前記第2載置領域は、蓋体(11-40)を載置するためのものである、ことを特徴とするサンプル分析設備。
【請求項19】
請求項2に記載のサンプル分析設備において、
前記分析装置(1.3)は、第2方向に沿って順次配置された複数の増幅機構(4-01)を含み、
前記増幅機構(4-01)のそれぞれは、第2枠体(4-100)と、検査装置(4-200)と、試薬ローディング装置(4-300)と、温度制御モジュール(4-410)と、を含み、
前記第2枠体(4-100)には、検査窓(4-110)が設けられており、
前記検査装置(4-200)は、前記第2枠体(4-100)に設けられ、且つ前記検査窓(4-110)に位置し、
前記試薬ローディング装置(4-300)は、前記第2容器(11-30)が取り外し可能に設けられたキャリッジ(4-310)を含み、前記キャリッジ(4-310)は、前記第2枠体(4-100)に、第1方向に沿って移動可能に設けられ、前記第2方向は水平面内で前記第1方向に垂直であり、前記第2容器(11-30)は、前記キャリッジ(4-310)に伴って移動し、且つ前記検査窓(4-110)の下方に位置する格納位置と、前記第2枠体(4-100)の外方まで移動するローディング位置と、を有し、
前記温度制御モジュール(4-410)は、前記第2枠体(4-100)に、鉛直方向に沿って移動可能に設けられ、且つ、前記第2容器(11-30)が前記検査装置(4-200)とドッキング係合する検査位置まで上昇するように、前記第2容器(11-30)を昇降駆動することができる、ことを特徴とするサンプル分析設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の技術分野に関し、具体的には、サンプル分析設備に関する。
【背景技術】
【0002】
分子診断技術は他の技術に比べて迅速、高感度、高特異性などのメリットを有しており、体外診断技術の最も重要な発展及び研究の方向である。核酸検査は分子診断技術の1つの重要な応用として益々重要な役割を果たしていく。
【0003】
核酸検査として最も一般的なのは蛍光定量PCR(polymerase chain reaction、ポリメラーゼ連鎖反応)であり、それは、核酸増幅過程において蛍光染料又は蛍光標識物を利用し、光学装置によって蛍光信号の強さを検査し、蛍光信号の処理分析によって診断結果を得る過程である。
【0004】
従来のPCR検査では、多くの手動作業が要求され、自動化程度が低く、且つPCR増幅、検査過程の大部分が異なる機器に依存しており、それ故、サンプルが異なる機器の間で移送されなければならず、このことはサンプル、環境及び作業者に汚染リスクをもたらすこととなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、サンプル、環境及び作業者に汚染リスクをもたらすという関連技術の問題を解決することのできるサンプル分析設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明では、サンプル分析設備が提供されており、かかるサンプル分析設備は、ハウジングと、試薬調製装置と、サンプル処理装置と、分析装置と、を含み、ハウジング内には、第1独立空間、第2独立空間及び第3独立空間が順次間隔を置いて設けられており、試薬調製装置は、抽出試薬及び増幅試薬を調製するためのものであり、第1独立空間内に設けられており、サンプル処理装置は、サンプルから分析物を抽出してから分析物を増幅試薬に混入して検査対象混合物を形成するためのものであり、第2独立空間内に設けられており、試薬調製装置とサンプル処理装置の間には第1搬送経路が設けられており、第1搬送経路上には第1開閉部材が設けられており、第1開閉部材には第1開状態と第1閉状態があり、第1開閉部材が第1開状態にあるとき、第1搬送経路が開放されて第1独立空間と第2独立空間を連通させ、一方、第1開閉部材が第1閉状態にあるとき、第1搬送経路が閉鎖されて第1独立空間と第2独立空間を互いに独立させ、分析装置は、検査対象混合物の分析を行うためのものであり、第3独立空間内に設けられており、分析装置とサンプル処理装置の間には第2搬送経路が設けられており、第2搬送経路上には第2開閉部材が設けられており、第2開閉部材には第2開状態と第2閉状態があり、第2開閉部材が第2開状態にあるとき、第2搬送経路が開放されて第2独立空間と第3独立空間を連通させ、一方、第2開閉部材が第2閉状態にあるとき、第2搬送経路が閉鎖されて第2独立空間と第3独立空間を互いに独立させる。
【0007】
さらには、試薬調製装置は、抽出試薬が収容される第1容器と、増幅試薬が収容される第2容器と、をさらに含み、ハウジング内には、ハウジングの内部空間を仕切って第1独立空間、第2独立空間及び第3独立空間を形成するための第1仕切り板と第2仕切り板が間隔を置いて設けられており、第1仕切り板には第1搬送経路が設けられ、第2仕切り板には第2搬送経路が設けられ、第1搬送経路によって第1独立空間内の第1容器及び第2容器が第2独立空間内に搬送され、第2搬送経路によって第2独立空間内の第2容器が第3独立空間内に搬送される。
【0008】
さらには、サンプル分析設備は、第1独立空間又は第2独立空間内に設けられた第1搬送機構と、第2独立空間又は第3独立空間内に設けられた第2搬送機構と、をさらに含み、第1搬送機構は、第1搬送経路によって第1容器及び第2容器を搬送するとともに、第1開閉部材が第1開状態と第1閉状態との間で切り替えられるように駆動し、第2搬送機構は、第2搬送経路によって第2容器を搬送するとともに、第2開閉部材が第2開状態と第2閉状態との間で切り替えられるように駆動する。
【0009】
さらには、第1搬送機構は、第2独立空間内に設けられた第1支持ラックと、第1支持ラックに第1方向に沿って可動的に設けられた第1載置部材と、第1載置部材の先端部に設けられた第1押し付け構造と、を含み、第1方向は、第1独立空間、第2独立空間及び第3独立空間が順次配置される方向であり、第1載置部材は、第2独立空間内に位置する第1材料装填位置と、第1押し付け構造によって第1開閉部材を第1開状態に押し付けて第1独立空間内に入り込む第1材料取出位置と、を有する。
【0010】
さらには、第1押し付け構造は、第1載置部材から前方に突出して設けられた第1回転部材を含み、第1回転部材の回転軸線は、水平面内で第1方向に垂直な第2方向に沿って延在しており、第1載置部材が第1材料装填位置から第1材料取出位置に移動したとき、第1回転部材は第1開閉部材を押し付けて係合されることが可能である。
【0011】
さらには、第1仕切り板は、第1方向に沿って間隔を置いて設けられた第1板体及び第2板体を含み、ハウジングの内壁の一部と第1板体によって第1独立空間が囲まれており、ハウジングの内壁の別の一部、第2板体及び第2仕切り板によって第2独立空間が囲まれており、第1板体には第1搬送窓が設けられ、第2板体には第1搬送窓に対応する第2搬送窓が設けられ、第1搬送窓と第2搬送窓との両方によって第1搬送経路が形成される。第1開閉部材は、第1板体又は第2板体に第1回転軸によって枢動可能に設けられ、第1回転軸と、対応する第1板体又は第2板体との間には第1復帰部材が設けられ、第1復帰部材から第1開閉部材に第1復帰力を付与している場合、第1開閉部材は第1閉状態に維持される。
【0012】
さらには、第2搬送機構は、第3独立空間内に設けられた第2支持ラックと、第2支持ラックに第1方向に沿って可動的に設けられた第2載置部材と、第2載置部材の先端部に設けられた第2押し付け構造と、第2開閉部材に設けられた摩擦低減部と、を含み、第2載置部材は、第3独立空間内に位置する第2材料装填位置と、第2押し付け構造によって第2開閉部材を第2開状態に押し付けて第2独立空間内に入り込む第2材料取出位置と、を有する。
【0013】
さらには、第2押し付け構造は、第2載置部材から前方に突出して設けられた第2回転部材を含み、第2回転部材の回転軸線は、水平面内で第1方向に垂直な第2方向に沿って延在しており、摩擦低減部は、第2開閉部材に設けられた第3回転部材を含み、第3回転部材の回転軸線は、第2回転部材の回転軸線に平行して設けられ、第2載置部材が第2材料装填位置から第2材料取出位置に移動したとき、第2回転部材は第2開閉部材を押し付けて係合されることが可能であり、第3回転部材は第2載置部材に接触して係合されることが可能である。
【0014】
さらには、第2仕切り板は、第1方向に沿って間隔を置いて設けられた第3板体及び第4板体を含み、ハウジングの内壁の別の一部、第1仕切り板及び第3板体によって第2独立空間が囲まれており、ハウジングの内壁の残りの部分及び第4板体によって第3独立空間が囲まれており、第3板体には第3搬送窓が設けられ、第4板体には第3搬送窓に対応する第4搬送窓が設けられ、第3搬送窓と第4搬送窓との両方によって第2搬送経路が形成され、第2開閉部材は、第3板体又は第4板体に第2回転軸によって枢動可能に設けられ、第2回転軸と、対応する第3板体又は第4板体との間には第2復帰部材が設けられ、第2復帰部材から第2開閉部材に第2復帰力を付与している場合、第2開閉部材は第2閉状態に維持される。
【0015】
さらには、第1容器は、複数の第1載置孔が設けられている第1多孔板であり、試薬調製装置は、第1独立空間内に設けられた第1枠体と、分離試薬モジュール及び濃縮試薬モジュールを含む抽出試薬モジュールと、を含み、第1枠体は試薬調製作業台を有し、試薬調製作業台には第1容器を載置するための第1容器載置台座が設けられており、分離試薬モジュールは、第1枠体内に可動的に設けられ且つ試薬調製作業台の上方に位置する複数の注液針を含み、注液針のそれぞれは、対応する分離試薬と連通可能であり、複数の注液針は、第1容器載置台座の上方まで移動する第1注液位置と、第1容器から離れる退避位置と、を有し、濃縮試薬モジュールは、第1枠体に可動的に設けられ且つ試薬調製作業台の上方に位置するピペット針と、溶離液及び磁気ビーズが収容される濃縮試薬室と、を含み、濃縮試薬室が試薬調製作業台に設けられ、ピペット針は、濃縮試薬室の上方まで移動して溶離液及び磁気ビーズをローディングする第1吸引位置と、第1容器載置台座の上方まで移動する第2注液位置と、を有する。
【0016】
さらには、分離試薬モジュールは、第1枠体内に鉛直方向に沿って移動可能に設けられ且つ試薬調製作業台の上方に位置する注入ラックをさらに含み、注入ラックには、複数の注液針が第1方向に沿って移動可能に設けられ、試薬調製作業台には、第1容器載置台座が水平面内で第1方向に垂直な第2方向に沿って移動可能に設けられ、第1容器載置台座は第1作動位置を有し、第1容器載置台座が第1作動位置に位置するとき、注入ラックは鉛直方向に沿って移動して複数の注液針を第1注液位置に位置させることができ、濃縮試薬モジュールは、第1枠体に水平移動可能に設けられ且つ試薬調製作業台の上方に位置する試薬アームをさらに含み、試薬アームにはピペット針が鉛直方向に沿って移動可能に設けられ、第1容器載置台座は、第1作動位置の一方側に位置する第2作動位置をさらに有し、第1容器載置台座が第2作動位置に位置するとき、試薬アームは水平方向に沿って移動してピペット針を第2注液位置に位置させることができる。
【0017】
さらには、試薬調製作業台には、予混合プレートを載置するための予混合箇所と、第2容器を載置するための第2容器載置箇所が設けられており、試薬調製装置は、第1試薬ボトル及び第2試薬ボトルを載置するための試薬調製室をさらに含み、試薬調製室が試薬調製作業台に設けられており、ピペット針は、試薬調製室の上方まで移動して試薬調製室中の増幅試薬を吸引する第2吸引位置と、予混合プレートの上方まで移動して増幅試薬を予混合プレートに注入する混合位置と、第2容器の上方まで移動して予混合プレート中の混合液を第2容器に注入する注入位置と、をさらに有する。
【0018】
さらには、試薬調製装置は、横方向ガイドレール及び縦方向ガイドレールをさらに含み、横方向ガイドレール及び縦方向ガイドレールが共に試薬調製作業台の上方に位置し、縦方向ガイドレールは、第1枠体に設けられ且つ第1方向に沿って延在しており、横方向ガイドレールは、水平面内で第1方向に垂直な第2方向に沿って延在しており、横方向ガイドレールは、縦方向ガイドレールの下方に、縦方向ガイドレールの延在方向に沿って移動可能に設けられ、横方向ガイドレールには試薬アームが横方向ガイドレールの延在方向に沿って移動可能に設けられ、試薬アームにはピペット針が鉛直方向に沿って移動可能に設けられている。
【0019】
さらには、第2容器は、複数の第2載置孔が設けられている第2多孔板であり、第1載置孔の数は、第2載置孔の数よりも多い。
【0020】
さらには、サンプル処理装置は、サンプル移送機構と、注入機構と、抽出機構と、を含み、サンプル移送機構は、第2方向に沿って移動可能な移送ラックを含み、移送ラックは第1載置箇所を有し、且つその移動方向において移送位置及びサンプル投入位置を有し、注入機構は、サンプルアームを含み、移送ラックがサンプル投入位置に移動したとき、サンプルアームは、サンプル投入位置に移動して、第1載置箇所にある第1容器にサンプルを注入、或いは、第1容器から分析物を吸引し、抽出機構は、分析物抽出部材と、第2方向に沿って移動可能に設けられ且つ第2載置箇所を有する抽出ラックと、を含み、抽出ラックはその移動方向において載置位置及び抽出位置を有し、抽出ラックが載置位置に移動し且つ移送ラックが移送位置に移動したとき、第1容器は第1載置箇所から第2載置箇所に移動され、一方、抽出ラックが抽出位置に移動したとき、分析物抽出部材は第2載置箇所にある第1容器に対して分析物の抽出を実施することができる。
【0021】
さらには、サンプル処理装置は、格納機構と、搬送機構と、をさらに含み、格納機構は、サンプルチューブを載置するためのサンプル格納室と、品質管理物の入った品質管理チューブを載置するための品質管理物格納室と、を含み、注入機構は、消耗品が格納される消耗品ローディング機構をさらに含み、サンプルアームは、サンプルチューブ中のサンプル、又は品質管理チューブ中の品質管理物を第1容器に注入することができ、サンプルアームには、消耗品に係合連結可能なサンプル投入針が設けられており、搬送機構は、移動可能に設けられた移動ラックを含み、移動ラックには、サンプルチューブ又は品質管理チューブを載置するための載置箇所が設けられており、移動ラックは、格納機構に対応して設けられた格納搬送位置と、注入機構に対応して設けられた注入搬送位置と、を有し、且つ格納搬送位置と注入搬送位置との間で移動可能であり、移送機構は、サンプルチューブを移動ラックとサンプル格納室との間で移送すること、及び品質管理チューブを移動ラックと品質管理物格納室との間で移送することが可能な把持部材を含み、把持部材は、サンプル格納室からサンプルチューブを把持、或いは、品質管理物格納室から品質管理チューブを把持することが可能である。
【0022】
さらには、サンプル分析設備は、第2把持ハンド構造を備えるサンプル処理用把持ハンドをさらに含み、サンプル処理装置は、第2独立空間内に設けられた膜封止機構をさらに含み、膜封止機構は、第3支持ラックと、熱プレス機構と、載置機構と、を含み、熱プレス機構は、第3支持ラックに鉛直方向に沿って移動可能に設けられ、その一方側に第2把持ハンド構造が設けられており、載置機構は、互いに隣接して設けられた第1載置領域及び第2載置領域を含み、且つ熱プレス機構と第2把持ハンド構造との間で移動可能に設けられ、それによって載置機構は、第1載置領域を熱プレス機構に係合させる熱プレス位置と、第2載置領域を第2把持ハンド構造に係合させる把持位置と、第1載置領域を第2把持ハンド構造に係合させる装着位置と、を有することとなり、第1載置領域は、検査対象混合物が収容される第2容器を載置するためのものであり、第2載置領域は、蓋体を載置するためのものである。
【0023】
さらには、分析装置は、第2方向に沿って順次配置された複数の増幅機構を含み、増幅機構のそれぞれは、第2枠体と、検査装置と、試薬ローディング装置と、温度制御モジュールと、を含み、第2枠体には、検査窓が設けられており、検査装置は、第2枠体に設けられ且つ検査窓に位置し、試薬ローディング装置は、第2容器が取り外し可能に設けられたキャリッジを含み、キャリッジは、第2枠体に、第1方向に沿って移動可能に設けられ、第2方向は水平面内で第1方向に垂直であり、第2容器は、キャリッジに伴って移動し、且つ検査窓の下方に位置する格納位置と、第2枠体の外方まで移動するローディング位置と、を有し、温度制御モジュールは、第2枠体に、鉛直方向に沿って移動可能に設けられ、且つ、第2容器が検査装置とドッキング係合する検査位置まで上昇するように、第2容器を昇降駆動することができる。
【0024】
さらには、サンプル分析設備は、試薬調製用把持ハンドと、サンプル処理用把持ハンドと、分析用把持ハンドと、をさらに含み、試薬調製用把持ハンドは、第1独立空間内で第1方向及び/又は水平面内で第1方向に垂直な第2方向に沿って移動可能であり、鉛直方向に沿って移動可能な第1把持ハンド構造を備え、第1把持ハンド構造は第1独立空間内に位置する第1容器又は第2容器を把持するためのものであり、サンプル処理用把持ハンドは、第2独立空間内で第1方向に沿って移動可能であり、鉛直方向に沿って移動可能な第2把持ハンド構造を備え、第2把持ハンド構造は第2独立空間内に位置する第1容器又は第2容器を把持するためのものであり、分析用把持ハンドは、第3独立空間内で第2方向に沿って移動可能であり、鉛直方向に沿って移動可能な第3把持ハンド構造を備え、第3把持ハンド構造は第3独立空間内に位置する第2容器を把持するためのものである。
【0025】
本発明の技術案によるサンプル分析設備は、ハウジングと、試薬調製装置と、サンプル処理装置と、分析装置と、を含む。ハウジング内には、第1独立空間、第2独立空間及び第3独立空間が順次間隔を置いて設けられている。試薬調製装置は、抽出試薬及び増幅試薬を調製するためのものである。試薬調製装置は第1独立空間内に設けられている。サンプル処理装置は、サンプルから分析物を抽出してから、分析物を増幅試薬に混入して検査対象混合物を形成するためのものである。サンプル処理装置は、第2独立空間内に設けられており、試薬調製装置との間には第1搬送経路が設けられており、第1搬送経路上には第1開閉部材が設けられており、第1開閉部材には第1開状態と第1閉状態があり、第1開閉部材が第1開状態にあるとき、第1搬送経路が開放されて第1独立空間と第2独立空間を連通させ、一方、第1開閉部材が第1閉状態にあるとき、第1搬送経路が閉鎖されて第1独立空間と第2独立空間を互いに独立させる。分析装置は、検査対象混合物の分析を行うためのものである。分析装置は、第3独立空間内に設けられており、サンプル処理装置との間には第2搬送経路が設けられており、第2搬送経路上には第2開閉部材が設けられており、第2開閉部材には第2開状態と第2閉状態があり、第2開閉部材が第2開状態にあるとき、第2搬送経路が開放されて第2独立空間と第3独立空間を連通させ、一方、第2開閉部材が第2閉状態にあるとき、第2搬送経路が閉鎖されて第2独立空間と第3独立空間を互いに独立させる。
【0026】
第1開閉部材が第1閉状態にあり、且つ第2開閉部材が第2閉状態にあるとき、第1独立空間、第2独立空間及び第3独立空間は互いに独立な空間になる。このとき、第1独立空間内で抽出試薬及び増幅試薬が調製されており、第2独立空間内にあるサンプルは、第1独立空間内に入ることができず、サンプル分析設備の外部に移動することもできず、それによって環境及び作業者に汚染をもたらすことが避けられることとなる。同時に、外部の潜在的な汚染源もサンプル分析設備の内部に入ることができず、それによって検査の正確性に影響を与えることが避けられることとなる。第1搬送経路によって調製済み抽出試薬及び増幅試薬を第2独立空間内に搬送する過程において、第1開閉部材を第1開状態にしており、抽出試薬及び増幅試薬を第2独立空間内に搬送した後、再び第1開閉部材を第1閉状態にしており、このとき第2独立空間内に位置するサンプル処理装置によってサンプルの処理を行い、サンプルを抽出試薬内に投入し、サンプルから分析物を抽出してから分析物を増幅試薬に混入して検査対象混合物を形成する。第2搬送経路によって検査対象混合物を第3独立空間内に搬送する過程において、第2開閉部材を第2開状態にしており、検査対象混合物を第3独立空間内に搬送した後、再び第2開閉部材を第2閉状態にしており、このとき第3独立空間内に位置する分析装置によって検査対象混合物の分析を行う。このように、抽出試薬及び増幅試薬の調製、抽出試薬へのサンプル投入、サンプルから分析物の抽出、検査対象混合物の形成、検査対象混合物の分析は、共にハウジング内で行われており、サンプルを関連技術による場合における異なる機器の間で移送することが不要となり、ハウジングの内部で一方向に沿って移送すればよい。このことによって、サンプル、環境及び作業者への汚染リスクを低減させるだけでなく、検査時にサンプル分析設備の外部との余計な相互作用が不要となり、検査の正確性を確保することもできる。そして、第1独立空間、第2独立空間及び第3独立空間のそれぞれの独立空間内で作動するとき、互いに隣接する独立空間が第1開閉部材及び/又は第2開閉部材によって隔離されているので、異なる空間の交差汚染が防止され、抽出試薬及び増幅試薬又は検査対象混合物を搬送する必要がある場合にのみ、第1開閉部材及び/又は第2開閉部材が開放されており、搬送が不要な場合、3つの独立空間が互いに独立して閉鎖的なものとなり、それらの間では汚染が伝達されることがなく、サンプル、環境及び作業者への汚染リスクが低減することができる。したがって、本出願の技術案によれば、サンプル、環境及び作業者に汚染リスクをもたらすという関連技術の問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本発明に対する更なる理解を提供するためのものであり、本発明の例示的な実施例及びその説明は、本発明を説明するためのもので、本発明を不当に限定するものではない。以下、図面について簡単に説明する。
図1図1は、本発明によるサンプル分析設備の実施例に係るハウジングの斜視構造概略図を示す。
図2図2は、図1によるサンプル分析設備に含まれる試薬調製装置、サンプル処理装置及び分析装置の主視野角での斜視構造概略図を示す。
図3図3は、図2による試薬調製装置、サンプル処理装置及び分析装置における箇所Aの部分拡大概略図を示す。
図4図4は、図2による試薬調製装置、サンプル処理装置及び分析装置における箇所Bの部分拡大概略図を示す。
図5図5は、図1によるサンプル分析設備に含まれる試薬調製装置、サンプル処理装置及び分析装置の後視野角での斜視構造概略図を示す。
図6図6は、図5による試薬調製装置、サンプル処理装置及び分析装置における箇所Cの部分拡大概略図を示す。
図7図7は、図1によるサンプル分析設備の第2搬送機構が第2搬送経路を通過している際の部分概略図を示す。
図8図8は、図2による試薬調製装置、サンプル処理装置及び分析装置の平面図を示す。
図9図9は、図2によるサンプル分析設備の第1搬送機構が第1容器を受けている際の斜視構造概略図を示す。
図10図10は、図2によるサンプル分析設備の第1搬送機構が第2容器を受けている際の斜視構造概略図を示す。
図11図11は、図1によるサンプル分析設備の第1載置部材が第1開閉部材を駆動して第1搬送経路を開放する際の部分側面図を示す。
図12図12は、図1によるサンプル分析設備の第2載置部材が第2開閉部材を駆動して第2搬送経路を開放する際の部分斜視構造概略図を示す。
図13図13は、図1によるサンプル分析設備に含まれる試薬調製装置の第1視野角での斜視構造概略図を示す。
図14図14は、図1によるサンプル分析設備に含まれる試薬調製装置の第2視野角での斜視構造概略図を示す。
図15図15は、図14による試薬調製装置の試薬アームの斜視構造概略図を示す。
図16図16は、図14による試薬調製装置の分離試薬モジュールの斜視構造概略図を示す。
図17図17は、図1によるサンプル分析設備に含まれるサンプル処理装置の平面図を示す。
図18図18は、図17によるサンプル処理装置の移送機構の斜視構造概略図を示す。
図19図19は、図17によるサンプル処理装置のサンプルアーム及びサンプル投入針の斜視構造概略図を示す。
図20図20は、図17によるサンプル処理装置の膜封止機構の斜視構造概略図を示す。
図21図21は、図1によるサンプル分析設備に含まれる分析装置の増幅機構の斜視構造概略図を示す。
図22図22は、図21による増幅機構の枠体モジュール及び温度制御モジュールの斜視構造概略図を示す。
【符号の説明】
【0028】
さらに、上記の図面には以下の符号が含まれている。
1-10 ハウジング、1-11 第1仕切り板、1-111 第1板体、1-131 第1搬送窓、1-112 第2板体、1-132 第2搬送窓、1-12 第2仕切り板、1-121 第3板体、1-133 第3搬送窓、1-122 第4板体、1-134 第4搬送窓、1-21 第1独立空間、1-22 第2独立空間、1-23 第3独立空間、
1.1 試薬調製装置、11-20 第1容器、10-21 第1載置孔群、11-211 第1載置孔、11-30 第2容器、11-31 第2載置孔、11-81 第1開閉部材、11-83 第1復帰部材、11-21 第2開閉部材、11-22 第2復帰部材、11-40 蓋体、10-10 第1枠体、10-11 試薬調製作業台、10-111 予混合箇所、10-112 第2容器載置箇所、10-22 試薬調製室、10-30 分離試薬モジュール、10-31 注液針、10-32 注入ラック、10-40 濃縮試薬モジュール、10-41 ピペット針、10-42 濃縮試薬室、10-44 試薬アーム、2-40 横方向ガイドレール、2-41 縦方向ガイドレール、
1.2 サンプル処理装置、31-10 サンプル移送機構、31-11 移送ラック、31-13 サンプルアーム、31-14 サンプル投入針、31-21 分析物抽出部材、31-22 抽出ラック、31-30 搬送機構、31-31 移動ラック、31-311 載置箇所、31-40 移送機構、31-411 把持部材、32-10 格納機構、32-11 サンプル格納室、32-12 品質管理物格納室、32-123 扉、32-20 注入機構、32-21 消耗品ローディング機構、34-30 廃液回収機構、34-311 回収箇所、33-30 膜封止機構、33-10 第3支持ラック、33-20 熱プレス機構、33-40 載置機構、
1.3 分析装置、4-01 増幅機構、4-100 第2枠体、4-10 外枠体、4-20 内枠体、4-30 昇降枠体、4-33 荷重ビーム、4-200 検査装置、4-110 検査窓、4-300 試薬ローディング装置、4-310 キャリッジ、4-410 温度制御モジュール、4-210 遮熱蓋、4-420 駆動モジュール、
5-01 第1搬送機構、5-10 第1支持ラック、5-20 第1載置部材、5-30 第1押し付け構造、5-31 第1回転部材、6-01 第2搬送機構、6-31 第2支持ラック、6-32 第2載置部材、6-322 第1押し付け構造、6-40 第3回転部材、6-3221 第2回転部材、
7-50 試薬調製用把持ハンド、7-52 第1把持ハンド構造、7-20 サンプル処理用把持ハンド、7-21 第2把持ハンド構造、7-30 分析用把持ハンド、7-31 第3把持ハンド構造。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施例に係る図面を参照しながら、本発明の実施例に係る技術案について明晰で完全に説明し、言うまでもなく、以下に記載される実施例は、本発明の実施例の全部ではなく、その一部に過ぎない。少なくとも1つの例示的な実施例に関する以下の説明は、実質的には単なる説明するためのものに過ぎず、本発明及びその適用や使用に対するいかなる限定ではない。本発明の実施例に基づいて当分野の通常の技術者が創造的な労働をせずに得られる全ての他の実施例は、本発明の保護範囲内に入るものとする。
【0030】
特に注意されたいこととして、本明細書に用いられる用語は、本出願による例示的な実施形態を限定することを意図したものではなく、具体的な実施形態を説明するためのものである。例えば、文脈に特に明記されない限り、本明細書に使用される単数形は複数形も含むものとし、また、本明細書には用語「含有する」及び/又は「含む」が用いられる場合、特徴、ステップ、作業、部品、モジュール及び/又はそれらの組合せが存在すると表明することは、理解されるべきであろう。
【0031】
特に明記されない限り、これらの実施例に記載されている部材とステップの相対配置、数式及び数値は、本発明の範囲を限定するものではない。同時に、説明の便宜上、図面に示される各部分の寸法は実際の比例関係に従って描かれたものではないことは、明白であろう。関連分野の通常の技術者に知られている技術、方法及び設備については詳しく検討しないことがあるが、適切な場合には、上記の技術、方法及び設備は権利化される明細書の一部とみなされるべきである。本明細書に示され検討されるすべての例示では、如何なる具体的な値は、限定するためのものではなく、単なる例示として解釈されるべきである。したがって、例示的な実施例とは別の例示では値が異なることもある。特に注意されたいこととして、類似する符号とアルファベットは以下の図面において類似する要素を表すので、ある要素が1つの図面において定義されたと、それ以降の図面においてそれについてさらに検討する必要がない。
【0032】
図1乃至図8に示すように、本実施例に係るサンプル分析設備は、ハウジング1-10と、試薬調製装置1.1と、サンプル処理装置1.2と、分析装置1.3と、を含む。ハウジング1-10内には、第1独立空間1-21、第2独立空間1-22及び第3独立空間1-23が順次間隔を置いて設けられている。試薬調製装置1.1は、抽出試薬及び増幅試薬を調製するためのものである。試薬調製装置1.1は第1独立空間1-21内に設けられている。サンプル処理装置1.2は、サンプルから分析物を抽出してから、分析物を増幅試薬に混入して検査対象混合物を形成するためのものである。サンプル処理装置1.2は、第2独立空間1-22内に設けられており、試薬調製装置1.1との間には第1搬送経路が設けられており、第1搬送経路上には第1開閉部材11-81が設けられており、第1開閉部材11-81には第1開状態と第1閉状態があり、第1開閉部材11-81が第1開状態にあるとき、第1搬送経路が開放されて第1独立空間1-21と第2独立空間1-22を連通させ、一方、第1開閉部材11-81が第1閉状態にあるとき、第1搬送経路が閉鎖されて第1独立空間1-21と第2独立空間1-22を互いに独立させる。分析装置1.3は、検査対象混合物の分析を行うためのものである。分析装置1.3は、第3独立空間1-23内に設けられており、サンプル処理装置1.2との間には第2搬送経路が設けられており、第2搬送経路上には第2開閉部材11-21が設けられており、第2開閉部材11-21には第2開状態と第2閉状態があり、第2開閉部材11-21が第2開状態にあるとき、第2搬送経路が開放されて第2独立空間1-22と第3独立空間1-23を連通させ、一方、第2開閉部材11-21が第2閉状態にあるとき、第2搬送経路が閉鎖されて第2独立空間1-22と第3独立空間1-23を互いに独立させる。
【0033】
本実施例に係る技術案では、試薬調製装置1.1は、抽出試薬及び増幅試薬を調製するためのものである。試薬調製装置1.1は第1独立空間1-21内に設けられている。サンプル処理装置1.2は、サンプルから分析物を抽出してから、分析物を増幅試薬に混入して検査対象混合物を形成するためのものである。サンプル処理装置1.2は第2独立空間1-22内に設けられており、分析装置1.3は検査対象混合物の分析を行うためのものである。分析装置1.3は第3独立空間1-23内に設けられている。第1開閉部材11-81が第1閉状態にあり、且つ第2開閉部材11-21が第2閉状態にあるとき、第1独立空間1-21、第2独立空間1-22及び第3独立空間1-23は互いに独立な空間になる。このとき、第1独立空間1-21内で抽出試薬及び増幅試薬が調製されており、第2独立空間1-22内にあるサンプルは、第1独立空間1-21内に入ることができず、サンプル分析設備の外部に移動することもできず、それによって環境及び作業者に汚染をもたらすことが避けられることとなる。同時に、外部の潜在的な汚染源もサンプル分析設備の内部に入ることができず、それによって検査の正確性に影響を与えることが避けられることとなる。第1搬送経路によって調製済み抽出試薬及び増幅試薬を第2独立空間1-22内に搬送する過程において、第1開閉部材11-81を第1開状態にしており、抽出試薬及び増幅試薬を第2独立空間1-22内に搬送した後、再び第1開閉部材11-81を第1閉状態にしており、このとき第2独立空間1-22内に位置するサンプル処理装置1.2によってサンプルの処理を行い、サンプルを抽出試薬内に投入し、サンプルから分析物を抽出してから、分析物を増幅試薬に混入して検査対象混合物を形成する。第2搬送経路によって検査対象混合物を第3独立空間1-23内に搬送する過程において、第2開閉部材11-21を第2開状態にしており、検査対象混合物を第3独立空間1-23内に搬送した後、再び第2開閉部材11-21を第2閉状態にしており、このとき第3独立空間1-23内に位置する分析装置1.3によって検査対象混合物の分析を行う。このように、抽出試薬及び増幅試薬の調製、抽出試薬へのサンプル投入、サンプルから分析物の抽出、検査対象混合物の形成、検査対象混合物の分析は、共にハウジング1-10内で行われており、サンプルを関連技術による場合における異なる機器の間で移送することが不要となり、ハウジング1-10の内部で一方向に沿って移送すればよい。このことによって、サンプル、環境及び作業者への汚染リスクを低減させるだけでなく、検査時にサンプル分析設備の外部との余計な相互作用が不要となり、検査の正確性を確保することもできる。そして、第1独立空間1-21、第2独立空間1-22及び第3独立空間1-23のそれぞれの独立空間内で作動するとき、互いに隣接する独立空間が第1開閉部材11-81及び/又は第2開閉部材11-21によって隔離されているので、異なる空間の交差汚染が防止され、抽出試薬及び増幅試薬又は検査対象混合物を搬送する必要がある場合にのみ、第1開閉部材11-81及び/又は第2開閉部材11-21が開放されており、搬送が不要な場合、3つの独立空間が互いに独立して閉鎖的なものとなり、それらの間では汚染が伝達されることがなく、サンプル、環境及び作業者への汚染リスクが低減することができる。したがって、本実施例の技術案によれば、サンプル、環境及び作業者に汚染リスクをもたらすという関連技術の問題を解決することができる。
【0034】
本実施例では、上記したハウジング1-10の内部で一方向に沿って移送することは、第1容器11-20及び第2容器11-30が第1独立空間1-21から第2独立空間1-22内に移送され、第2容器11-30が第2独立空間1-22から第3独立空間1-23内に移送され、逆方向に沿って移送されることが許可されないことを意味する。第1開閉部材11-81は第1開閉扉であることが好ましく、第2開閉部材11-21は第2開閉扉であることが好ましい。
【0035】
図7乃至図10に示すように、試薬調製装置1.1は、抽出試薬が収容される第1容器11-20と、増幅試薬が収容される第2容器11-30と、をさらに含む。第1独立空間1-21、第2独立空間1-22及び第3独立空間1-23を互いに独立し密閉された空間にするために、ハウジング1-10内には、ハウジング1-10の内部空間を仕切って第1独立空間1-21、第2独立空間1-22及び第3独立空間1-23を形成するための第1仕切り板1-11と第2仕切り板1-12が間隔を置いて設けられている。第1独立空間1-21内の第1容器11-20及び第2容器11-30を第2独立空間1-22内に簡単に搬送するとともに、第2独立空間1-22内の第2容器11-30を第3独立空間1-23内に簡単に搬送するために、第1仕切り板1-11には第1搬送経路が設けられ、第2仕切り板1-12には第2搬送経路が設けられ、第1搬送経路によって第1独立空間1-21内の第1容器11-20及び第2容器11-30が第2独立空間1-22内に搬送され、第2搬送経路によって第2独立空間1-22内の第2容器11-30が第3独立空間1-23内に搬送されることとなる。
【0036】
図8乃至図11に示すように、サンプル分析設備は、第2独立空間1-22内に設けられた第1搬送機構5-01と、第3独立空間1-23内に設けられた第2搬送機構6-01と、をさらに含み、第1搬送機構5-01は、第1搬送経路によって第1容器11-20及び第2容器11-30を搬送するとともに、第1開閉部材11-81が第1開状態と第1閉状態との間で切り替えられるように駆動し、第2搬送機構6-01は、第2搬送経路によって第2容器11-30を搬送するとともに、第2開閉部材11-21が第2開状態と第2閉状態との間で切り替えられるように駆動する。このように、第1容器11-20及び第2容器11-30の搬送に専用する第1搬送機構5-01が設けられているので、第1搬送経路による搬送時、第1容器11-20及び第2容器11-30が円滑かつ簡便に通過すると同時に、第1開閉部材11-81が開放又は閉鎖されるように駆動することとなり、それによって、開放動作又は閉鎖動作が自動的に行われ、第1開閉部材11-81が開放又は閉鎖されるように駆動するための駆動機構を別途設けることが不要となり、第1開閉部材11-81を第1開状態と第1閉状態との間でより迅速に切り換えることができ、第2独立空間1-22内にあるサンプルによって第1独立空間1-21内が感染する可能性が低減し、第1開閉部材11-81によって隔離して汚染を防止する効果が確保される。同様に、第2容器11-30を搬送するための第2搬送機構6-01と第2開閉部材11-21との駆動係合も同様の技術効果を奏することができる。
【0037】
勿論、その他の実施例では、サンプル分析設備は、第1独立空間内に設けられた第1搬送機構と、第2独立空間内に設けられた第2搬送機構と、をさらに含むように構成されることもある。
【0038】
図1乃至図10に示すように、第1搬送機構5-01に対して第1容器11-20又は第2容器11-30を簡単にローディングしたり取り外したりするとともに、第2搬送機構6-01に対して第2容器11-30を簡単にローディングしたり取り外したりするために、サンプル分析設備は、試薬調製用把持ハンド7-50と、サンプル処理用把持ハンド7-20と、分析用把持ハンド7-30と、をさらに含むように構成され、試薬調製用把持ハンド7-50は、第1独立空間1-21内で第1方向及び/又は水平面内で第1方向に垂直な第2方向に沿って移動可能であり、鉛直方向に沿って移動可能な第1把持ハンド構造7-52を備え、第1把持ハンド構造7-52は第1独立空間1-21内に位置する第1容器11-20又は第2容器11-30を把持するためのものである。サンプル処理用把持ハンド7-20は、第2独立空間1-22内で第1方向に沿って移動可能であり、鉛直方向に沿って移動可能な第2把持ハンド構造7-21を備え、第2把持ハンド構造7-21は第2独立空間1-22内に位置する第1容器11-20又は第2容器11-30を把持するためのものである。このように、第1把持ハンド構造7-52によって第1容器11-20及び第2容器11-30をそれぞれ把持して第1搬送機構5-01に送入し、第1搬送機構5-01によって第1独立空間1-21及び第2独立空間1-22を横断して第1容器11-20及び第2容器11-30を搬送し、それによって、第1独立空間1-21内に位置し且つ抽出試薬が載置された第1容器11-20、及び増幅試薬が載置された第1容器11-30を第2独立空間1-22内に搬送することができる。第2把持ハンド構造7-21によっては、第2独立空間1-22内の第1搬送機構5-01に位置する第1容器11-20又は第2容器11-30を把持して離すこともできる。サンプル処理装置1.2で第1容器11-20内のサンプルを処理して検査対象混合物を形成した後、第2把持ハンド構造7-21によって第2独立空間1-22内に位置する第2容器11-30を把持して第2搬送機構6-01に送入し、第2搬送機構6-01によって第2独立空間1-22及び第3独立空間1-23を横断して第2容器11-30を搬送し、それによって、第2独立空間1-22内に位置し且つ検査対象混合物が載置された第2容器11-30を第3独立空間1-23内に搬送することができる。分析用把持ハンド7-30は、第3独立空間1-23内で第2方向に沿って移動可能であり、鉛直方向に沿って移動可能な第3把持ハンド構造7-31を備え、第3把持ハンド構造7-31は第3独立空間1-23内に位置する第2容器11-30を把持するためのものである。第3把持ハンド構造7-31によっては、第3独立空間1-23内の第2搬送機構6-01に位置する第2容器11-30を把持して離すことができる。このように、第1容器11-20を第1独立空間1-21と第2独立空間1-22内で移送することができ、第2容器11-30を第1独立空間1-21、第2独立空間1-22及び第3独立空間1-23内で移送することができ、さらにサンプル分析設備による第1容器11-20及び第2容器11-30の自動移送を達成することができる。
【0039】
なお、本実施例では、第1方向は水平面内のX軸方向、第2方向は水平面内のY軸方向を指し、垂直方向はZ軸方向である。言うまでもなく、その他の実施例では、第1方向は水平面内のY軸方向、第2方向は水平面内のX軸方向を指すこともある。
【0040】
図5図8乃至図11に示すように、第1搬送機構5-01は、第2独立空間1-22内に設けられた第1支持ラック5-10と、第1支持ラック5-10に第1方向に沿って可動的に設けられた第1載置部材5-20と、第1載置部材5-20の先端部に設けられた第1押し付け構造5-30と、を含み、第1方向は、第1独立空間1-21、第2独立空間1-22及び第3独立空間1-23が順次配置されている方向であり、第1載置部材5-20は、第2独立空間1-22内に位置する第1材料装填位置と、第1押し付け構造5-30によって第1開閉部材11-81を第1開状態に押し付けて第1独立空間1-21内に入り込む第1材料取出位置と、を有する。このように、第1容器11-20又は第2容器11-30を異なる位置の間で搬送することができる。構造が複雑で、コストが高く、しかも空間に対する要求が高く、比較的大きな空間を用意しなければならないという関連技術による把持ハンド構造に比べ、上記の構成では、構造がより簡単になり、生産コストがより低くなる。同時に、第1搬送機構5-01の構造が簡単であるので、第1搬送機構5-01の故障率を効果的に低下させ、第1搬送機構5-01の作動時の安定性を確保することもできる。
【0041】
なお、第1載置部材5-20の先端部は、第1載置部材5-20の、X軸の反対方向において第1独立空間に向かう端部を指す。
【0042】
発明者らは長期にわたって研究した結果、ハウジング1-10内において、独立空間内のサンプルが多ければ多いほど、それが汚染される可能性が高くなることを見出した。具体的には、ハウジング1-10内は第1方向に沿って第1独立空間1-21、第2独立空間1-22及び第3独立空間1-23に分割されている。ここで、試薬調製装置1.1は第1独立空間1-21内で抽出試薬及び増幅試薬を調製するためのものであり、第1独立空間1-21内はサンプルを含有しておらず、低汚染レベルの領域に属する。サンプル処理装置1.2は第2独立空間1-22内でサンプルから分析物を抽出してから分析物を増幅試薬に混入して検査対象混合物を形成するためのものであり、第2独立空間1-22内はサンプルを含有しているが、サンプルの含有量が低く、中汚染レベルの領域に属する。分析装置1.3は第3独立空間1-23内で検査対象混合物の分析を行うためのものであり、第3独立空間1-23内は第2独立空間1-22内よりもサンプルの含有量が高く、高汚染レベルの領域に属する。高汚染レベルの空間によって低汚染レベルの空間が汚染されるリスクを低減させるために、本実施例では、第1独立空間1-21、第2独立空間1-22及び第3独立空間1-23が設計されており、それに加えて、互いに隣接する2つの独立空間の間に仕切り板が設けられており、それによって互いに隣接する2つの独立空間の間に物理的な隔離が形成されることとなる。しかしながら、仕切り板を設けると、サンプル又は試薬の別の空間への移動に支障をもたらすこととなる。この問題を解決するために、本実施例に係るサンプル分析設備では、第1仕切り板1-11に第1開閉部材11-81を設け、第2仕切り板1-12に第2開閉部材11-21を設け、それに加えて、空間を横断して試薬を搬送するのを達成するために、第1搬送機構5-01が第1開閉部材11-81を押し付けて係合されるように設計し、同様に、空間を横断してサンプルを搬送するのを達成するために、第2搬送機構6-01が第2開閉部材11-21を押し付けて係合されるように設計することとなる。以下、具体的に説明する。
【0043】
図8乃至図11に示すように、第1押し付け構造5-30は、第1載置部材5-20から前方に突出して設けられた第1回転部材5-31を含み、第1回転部材5-31の回転軸線は水平面内で第1方向に垂直な第2方向に沿って延在しており、第1載置部材5-20が第1材料装填位置から第1材料取出位置に移動したとき、第1回転部材5-31は第1開閉部材11-81を押し付けて係合されることが可能である。
【0044】
上記の構成では、第1搬送機構5-01の取り付け時に、第1支持ラック5-10を第1独立空間1-21又は第2独立空間1-22内に固定することができ、第1載置部材5-20が第1方向に沿って移動可能で、且つ第1材料装填位置及び第1材料取出位置を有するため、第1載置部材5-20が移動する際に、空間を横断してサンプル又は試薬を搬送するのを達成することができる。具体的には、第1載置部材5-20が第1材料装填位置に位置する場合、第1支持ラック5-10と第1載置部材5-20は同じく第2独立空間1-22内に位置し、一方、第1載置部材5-20が第1材料取出位置に位置する場合、第1載置部材5-20が第1支持ラック5-10から前方に伸び出しており、このとき、第1載置部材5-20が第1独立空間1-21内に入り込むことができ、それによって空間を横断してサンプル又は試薬を搬送するのを達成することができる。互いに隣接する第1独立空間1-21と第2独立空間1-22との間には第1開閉部材11-81が設けられているので、第1載置部材5-20は、第1材料装填位置から第1材料取出位置に移動する過程において、第1開閉部材11-81を押し付ける必要がある。本実施例では、第1載置部材5-20の先端部に第1押し付け構造5-30が設けられており、第1押し付け構造5-30は、第1載置部材5-20から前方に突出して設けられた第1回転部材5-31を含むように構成されるので、第1載置部材5-20が第1材料装填位置から第1材料取出位置に移動する過程において、第1回転部材5-31は第1載置部材5-20よりも先に第1開閉部材11-81を押し付けて係合されることとなり、さらに、第1開閉部材11-81が押し開けられる過程において、第1回転部材5-31によって摺動摩擦が回転摩擦に変換されるので、第1搬送機構5-01と第1開閉部材11-81との擦り時の摩擦力が効果的に低減し、一方では、第1開閉部材11-81が第1開状態に切替えられる過程中のノイズが効果的に低減し、他方では、第1搬送機構5-01及び第1開閉部材11-81の使用寿命も確保され、第1搬送機構5-01が第1独立空間1-21と第2独立空間1-22との一方から他方に円滑に入り込むことができる。
【0045】
図8乃至図11に示すように、第1仕切り板1-11は、第1方向に沿って間隔を置いて設けられた第1板体1-111及び第2板体1-112を含み、ハウジング1-10の内壁の一部と第1板体1-111によって第1独立空間1-21が囲まれており、ハウジング1-10の内壁の別の一部、第2板体1-112及び第2仕切り板1-12によって第2独立空間1-22が囲まれている。第1板体1-111と第2板体1-112を設けることで、互いに隣接する第1独立空間1-21と第2独立空間1-22との間に物理的な隔離を形成することができる。第1板体1-111には第1搬送窓1-131が設けられ、第2板体1-112には第1搬送窓1-131に対応する第2搬送窓1-132が設けられ、第1搬送窓1-131と第2搬送窓1-132との両方によって第1搬送経路が形成される。第1開閉部材11-81は、第1板体1-111に第1回転軸によって枢動可能に設けられ、第1回転軸と、対応する第1板体1-111との間には第1復帰部材11-83が設けられ、第1復帰部材11-83から第1開閉部材11-81に第1復帰力を付与している場合、第1開閉部材11-81は、第1閉状態に維持される。このように、第1開閉部材11-81は、第1押し付け構造5-30によって第1開閉部材11-81が押し付けられた場合にのみ、第1搬送窓1-131の開放された第1開状態に切り替えられるようになる。第1開閉部材11-81が第1搬送窓1-131の閉鎖された第1閉状態にある場合、第2搬送窓1-132の周囲に封止綿を接着することで封止を達成することができる。このような設置方法によれば、第1板体1-111と第2板体1-112によって第1独立空間1-21と第2独立空間1-22を隔離する効果を向上させるのに役立ち、第1載置部材5-20の移動円滑性を確保することもできる。上記の第1復帰部材11-83は、第1捩じりバネであることが好ましい。
【0046】
その他の実施例では、第1開閉部材は第2板体に第1回転軸によって枢動可能に設けられ、第1回転軸と、対応する第2板体との間には第1復帰部材が設けられることもある。
【0047】
本実施例では、第1回転軸は第1載置部材5-20の下方に位置する。上記の構成では、第1載置部材5-20は、第1材料取出位置に近づくほど、第1支持ラック5-10から前方に伸び出した部分が多くなり、安定性が悪くなる。さらに、第1回転軸が第1載置部材5-20の下方に位置するので、第1開閉部材11-81は、第1搬送機構5-01によって押し開けられた後、第1復帰部材11-83からの第1復帰力によって第1閉状態に移動する傾向があり、それによって第1開閉部材11-81は第1載置部材5-20に上向きの支持力をもたらすことができる。このことによって、第1載置部材5-20は第1材料装填位置から第1材料取出位置に安定して移動することができ、第1載置部材5-20の移動過程中の安定性が向上することとなる。
【0048】
図7図8及び図12に示すように、第2搬送機構6-01は、第3独立空間1-23内に設けられた第2支持ラック6-31と、第2支持ラック6-31に第1方向に沿って可動的に設けられた第2載置部材6-32と、第2載置部材6-32の先端部に設けられた第2押し付け構造6-322と、第2開閉部材11-21に設けられた摩擦低減部と、を含み、第2載置部材6-32は、第3独立空間1-23内に位置する第2材料装填位置と、第2押し付け構造6-322によって第2開閉部材11-21を第2開状態に押し付けて第2独立空間1-22内に入り込む第2材料取出位置と、を有する。上記の第2容器11-30を第2載置部材6-32上に載置し、第2載置部材6-32の移動によって第3独立空間1-23及び第2独立空間1-22を横断して第2容器11-30を搬送するのを達成することができる。また、第2載置部材6-32が第2開閉部材11-21を押し付ける際に、第2載置部材6-32が摩擦低減部に接触して係合されることができ、それによって第2載置部材6-32が第2開閉部材11-21を押し付ける際の円滑性が向上し、空間を横断して第2容器11-30を安定搬送するのを達成することができる。
【0049】
なお、第2載置部材6-32の先端部は、第2載置部材6-32の、X軸の反対方向において第2独立空間に向かう端部を指す。
【0050】
図7図8及び図12に示すように、第2押し付け構造6-322は、第2載置部材6-32から前方に突出して設けられた第2回転部材6-3221を含み、第2回転部材6-3221の回転軸線は、水平面内で第1方向に垂直な第2方向に沿って延在している。このように、第2載置部材6-32が第2材料装填位置から第2材料取出位置に移動する過程において、第2回転部材6-3221は第2載置部材6-32よりも先に第2開閉部材11-21を押し付けて係合されることとなり、さらに、第2開閉部材11-21が押し開けられる過程において、第2回転部材6-3221によって摺動摩擦が回転摩擦に変換されるので、第2載置部材6-32と第2開閉部材11-21との擦り時の摩擦力が効果的に低減し、一方では、開扉過程中のノイズが効果的に低減され、他方では、第2載置部材6-32及び第2開閉部材11-21の使用寿命も確保され、第2載置部材6-32が第3独立空間1-23から第2独立空間1-22に円滑に入り込むことができる。
【0051】
図7図8及び図12に示すように、摩擦低減部は、第2開閉部材11-21に設けられた第3回転部材6-40を含み、第3回転部材6-40の回転軸線は、第2回転部材6-3221の回転軸線に平行して設けられ、第2載置部材6-32が第2材料装填位置から第2材料取出位置に移動する過程において、第2回転部材6-3221は第2開閉部材11-21を押し付けて係合されることが可能であり、第3回転部材6-40は第2載置部材6-32に接触して係合されることが可能である。このように、第2載置部材6-32によって第2開閉部材11-21が押し付けられる過程において、第3回転部材6-40は最初に第2載置部材6-32の端部に接触し、第2載置部材6-32が引き続き移動するにつれて、第2開閉部材11-21の開放角度は徐々に大きくなり、第3回転部材6-40は第2載置部材6-32の端部との接触係合から第2載置部材6-32の底部との接触係合に移行し、第3回転部材6-40が第2載置部材6-32の底部に接触して係合されるとき、第2開閉部材11-21は常に第2開状態にある。上記の構成によれば、第2開閉部材11-21が小さく設けられていても、第2載置部材6-32は移動過程中に第2開閉部材11-21の第3回転部材6-40に常時接触して係合されることができ、摺動摩擦が回転摩擦に変換され、第2載置部材6-32の移動円滑性が向上することとなる。
【0052】
図7図8及び図12に示すように、第2仕切り板1-12は、第1方向に沿って間隔を置いて設けられた第3板体1-121及び第4板体1-122を含み、ハウジング1-10の内壁の別の一部、第1仕切り板1-11及び第3板体1-121によって第2独立空間1-22が囲まれており、ハウジング1-10の内壁の残りの部分及び第4板体1-122によって第3独立空間1-23が囲まれている。第3板体1-121及び第4板体1-122を設けることで、互いに隣接する第2独立空間1-22と第3独立空間1-23との間に物理的な隔離を形成することができる。第3板体1-121には第3搬送窓1-133が設けられ、第4板体1-122には第3搬送窓1-133に対応する第4搬送窓1-134が設けられ、第3搬送窓1-133と第4搬送窓1-134との両方によって第2搬送経路が形成される。第2開閉部材11-21は第3板体1-121に第2回転軸によって枢動可能に設けられ、第2回転軸と、対応する第3板体1-121との間には第2復帰部材11-22が設けられ、第2復帰部材11-22から第2開閉部材11-21に第2復帰力を付与している場合、第2開閉部材11-21は第2閉状態に維持される。このように、第2開閉部材11-21は外力を受けていない場合に第3搬送窓1-133の閉鎖された第2閉状態にあり、さらに第4搬送窓1-134の周囲に封止綿を接着することで封止を達成することができる。このような方法によれば、第2開閉部材11-21によって、第2独立空間1-22と第3独立空間1-23が互いに独立するように設けられ、さらにサンプル、試薬及び消耗品の間で交差汚染の発生リスクが低減されることとなる。上記の第2復帰部材11-22は、第2捩じりバネであることが好ましい。
【0053】
具体的には、本実施例では、第1回転部材5-31、第2回転部材6-3221及び第3回転部材6-40は何れもローラ構造であることが好ましい。
【0054】
その他の実施例では、第2開閉部材は第4板体に第2回転軸によって枢動可能に設けられ、第2回転軸と、対応する第4板体との間には第2復帰部材が設けられることもある。
【0055】
図8乃至図10及び図13乃至図16に示すように、第1容器11-20は第1多孔板である。第1多孔板には、異なる抽出試薬を簡単に収容するための複数の第1載置孔11-211が設けられている。試薬調製装置1.1は、第1独立空間1-21内に設けられた第1枠体10-10と、抽出試薬モジュールと、を含む。抽出試薬モジュールは、分離試薬モジュール10-30及び濃縮試薬モジュール10-40を含む。第1枠体10-10は試薬調製作業台10-11を有し、試薬調製作業台10-11には第1容器11-20を載置するための第1容器載置台座が設けられている。分離試薬モジュール10-30は、第1枠体10-10内に可動的に設けられ且つ試薬調製作業台10-11の上方に位置する複数の注液針10-31を含み、注液針10-31のそれぞれは、対応する分離試薬と連通可能であり、複数の注液針10-31は、第1容器載置台座の上方まで移動する第1注液位置と、第1容器11-20から離れる退避位置と、を有する。濃縮試薬モジュール10-40は、ピペット針10-41と、溶離液及び磁気ビーズを収容するための濃縮試薬室10-42と、を含む。ピペット針10-41は第1枠体10-10に可動的に設けられ且つ試薬調製作業台10-11の上方に位置し、濃縮試薬室10-42は試薬調製作業台10-11上に設けられ、ピペット針10-41は、濃縮試薬室10-42の上方に移動して溶離液及び磁気ビーズをローディングする第1吸引位置と、第1容器載置台座の上方に移動する第2注液位置と、を有する。かかる試薬調製装置1.1を用いて試薬の調製を行う場合、第1枠体10-10内に設けられた複数の注液針10-31を、第1容器載置台座の上方に位置する第1注液位置に移動し、注液針10-31によって分離試薬を第1容器11-20の対応する第1載置孔11-211内に注入することとなる。第1枠体10-10内に設けられたピペット針10-41を、濃縮試薬室10-42の上方に位置する第1吸引位置に移動して、濃縮試薬室10-42内の溶離液及び磁気ビーズをそれぞれ吸引し、それから、ピペット針10-41を第1容器載置台座の上方に位置する第2注液位置に移動して、溶離液及び磁気ビーズを、対応する第1載置孔11-211内に注入することとなる。このようにすれば、抽出試薬のローディング過程を完了することができる。関連技術に比べ、本試薬調製装置1.1によれば、所要する検査量に応じて相応量の抽出試薬を調製することができる。同時に、濃縮試薬室10-42によって異なる試薬タイプを格納することができる。即ち、異なるサンプルタイプに応じて異なる試薬をローディングすることで、様々なサンプルタイプの抽出を達成することができる。
【0056】
本実施例では、分離試薬とは、分解液、第1洗浄液、第2洗浄液及び第3洗浄液などのような、サンプルにおける分析物を除外する細胞成分などの不純物を除去するための反応中試薬を指す。濃縮試薬とは、磁気ビーズ及び溶離液などのような、精製された分析物を吸着及び溶解するための試薬を指す。ここで、複数の注液針10-31は複数の第1載置孔11-211とは1対1で対応しており、例えば、第1枠体10-10内には4つの注液針10-31が設けられており、かかる4つの注液針10-31によっては、分解液、第1洗浄液、第2洗浄液及び第3洗浄液をそれぞれ、第1容器11-20のうち対応する4つの第1載置孔11-211内に注入することができる。
【0057】
なお、6つの第1載置孔11-211はそれぞれ、分解液、第1洗浄液、第2洗浄液、第3洗浄液、磁気ビーズ、及び溶離液に対応している。
【0058】
本実施例では、複数の注液針10-31が退避位置にある場合、ピペット針10-41によって濃縮試薬を注入することができる。その他の具体的な実施形態では、注液針10-31の退避位置は、注液針10-31が水平方向において第1容器11-20から離れる位置であることがあり、それによって注液針10-31とピペット針10-41との干渉を回避することができる。
【0059】
図8乃至図10及び図13乃至図16に示すように、分離試薬モジュール10-30は、第1枠体10-10内に鉛直方向に沿って移動可能に設けられ且つ試薬調製作業台10-11の上方に位置する注入ラック10-32をさらに含み、注入ラック10-32には、複数の注液針10-31が第1方向に沿って移動可能に設けられ、試薬調製作業台10-11には、第1容器載置台座が水平面内で第1方向に垂直な第2方向に沿って移動可能に設けられ、第1容器載置台座は第1作動位置を有し、第1容器載置台座が第1作動位置に位置するとき、注入ラック10-32は鉛直方向に沿って移動して複数の注液針10-31を第1注液位置に位置させることができる。注入ラック10-32によれば、複数の注液針10-31が何れも第1方向及び鉛直方向において移動可能であり、さらに複数の注液針10-31によって分離試薬の第1容器11-20への注入作業を完了することができる。
【0060】
図8乃至図10及び図13乃至図15に示すように、濃縮試薬モジュール10-40は、第1枠体10-10に水平移動可能に設けられ且つ試薬調製作業台10-11の上方に位置する試薬アーム10-44をさらに含み、試薬アーム10-44には、ピペット針10-41が鉛直方向に沿って移動可能に設けられ、第1容器載置台座は、第1作動位置の一方側に位置する第2作動位置をさらに有し、第1容器載置台座が第2作動位置に位置するとき、試薬アーム10-44は水平方向に沿って移動してピペット針10-41を第2注液位置に位置させることができる。このようにすれば、ピペット針10-41の三軸移動を実現することができ、さらに試薬アーム10-44を濃縮試薬室10-42の上方及び第1容器11-20の上方に簡単に移動することができる。
【0061】
ここで、第1容器載置台座は、第1作動位置に隣接して設けられた第3作動位置をさらに有し、複数の第1載置孔11-211のうちの一部は、第1方向に沿って順次配列されて2列の第1載置孔群10-21を形成し、複数の第1載置孔11-211のうちの別の一部は、第2方向に沿って間隔を置いて配列されて複数行の第1載置孔群10-21を形成し、複数の注液針10-31が第1注液位置に位置するとき、第1作動位置は1列の第1載置孔群10-21に対応し、第3作動位置は別の1列の第1載置孔群10-21に対応するようになる。上記の設置方法によれば、複数部の抽出試薬を同時に注入することで、サンプル分析設備の核酸検査能力を強くすることができる。
【0062】
具体的には、図9及び図15に示すように、第1容器11-20は2列の第1載置孔群10-21を有し、各列の第1載置孔群10-21では合計6つの第1載置孔11-211が形成され、第1容器11-20は8行の第1載置孔群10-21を有し、即ち第1容器11-20では合計8×12個の第1載置孔11-211が設けられている。ここで、各列の第1載置孔群10-21における6つの第1載置孔11-211はそれぞれ、分解液、第1洗浄液、第2洗浄液、第3洗浄液、磁気ビーズ、及び溶離液に対応している。4つの注液針10-31によれば、4種類の分離試薬を、対応する4つの第1載置孔11-211内に注入することができ、ピペット針10-41によれば、2種類の濃縮試薬を、対応する2つの第1載置孔11-211内に注入することができる。
【0063】
本実施例では、試薬調製機構の体積を小さくするために、第1容器11-20は、注液針10-31の注入作業に補助するように第2方向に沿って移動可能に構成される。
【0064】
なお、注液針10-31は鉛直平面内における2軸移動のみが可能であり、ピペット針10-41は空間における3軸移動が可能であるので、注入ラック10-32と試薬アーム10-44の移動過程中の干渉を回避するために、第1容器11-20は第2方向に沿って移動して複数の作動位置を有するようにすることが必要である。
【0065】
図8乃至図10図13及び図14に示すように、試薬調製作業台10-11には、予混合プレートを載置するための予混合箇所10-111と、第2容器11-30を載置するための第2容器載置箇所10-112が設けられている。試薬調製装置1.1は、第1試薬ボトル及び第2試薬ボトルを載置するための試薬調製室10-22をさらに含み、試薬調製室10-22が試薬調製作業台10-11上に設けられており、ピペット針10-41は、試薬調製室10-22の上方に移動して試薬調製室10-22中の増幅試薬を吸引する第2吸引位置と、予混合プレートの上方に移動して増幅試薬を予混合プレートに注入する混合位置と、第2容器11-30の上方に移動して予混合プレート中の混合液を第2容器11-30に注入する注入位置と、をさらに有する。
【0066】
かかる試薬調製装置1.1を用いて増幅試薬の調製を行う場合、予混合プレートを試薬調製作業台10-11に設けられた予混合箇所10-111に載置し、第2容器11-30を第2容器載置箇所10-112に載置し、試薬調製作業台10-11の上方に設けられたピペット針10-41を、試薬調製室10-22の上方に位置する第2吸引位置に移動して、第1試薬ボトル中の第1試薬及び第2試薬ボトル中の第2試薬をそれぞれ吸引し、それから、ピペット針10-41を予混合プレートの上方に位置する予混合箇所に移動して、第1試薬及び第2試薬を共に予混合プレート内に注入して混合液に混合し、その後に、ピペット針10-41によって混合済み混合液を吸引してから注入位置に移動して、混合液を第2容器11-30内に注入することとなる。このようによれば、増幅試薬の調製を完了することができる。増幅試薬を手動で調製する方法に比べ、効率が高いメリットを有している。
【0067】
本実施例では、予混合プレートは、その上面を貫通する予混合溝を複数備える。
【0068】
なお、増幅試薬は2種類あり、第1試薬ボトル中には第1試薬があり、第2試薬ボトルには第2試薬があり、第1試薬と第2試薬が混合された混合液はサンプルの増幅に利用されることができる。
【0069】
ここで、ピペット針10-41には、固定ピペットヘッドが設けられてもよいし、交換可能なピペットヘッドが設けられてもよく、1つのピペットヘッドが設けられてもよいし、複数のピペットヘッドが設けられてもよい。ピペット針10-41には固定ピペットヘッドが設けられている場合、試薬調製機構は2つのピペット針10-41を含み、2つのピペット針10-41のピペットヘッドによって異なる増幅試薬をそれぞれ吸引することとなる。ピペット針10-41には交換可能なピペットヘッドが設けられている場合、ピペットヘッドによって第1試薬の吸引を完了した後、かかるピペットヘッドを取り外し、新たなピペットヘッドをローディングして第2試薬を吸引することとなる。上記の方案によれば、第1試薬と第2試薬との相互汚染を回避することができる。
【0070】
本実施例では、ピペット針10-41には交換可能なピペットヘッドが設けられており、新たなピペットヘッドによって第2試薬の吸引を完了した後、かかるピペットヘッドを取り外すことなく、このピペットヘッドを引き続き利用して予混合溝中の混合液を繰り返し吸引・吐出することにより、混合液を均一に混合することができる。
【0071】
ここで、増幅試薬の調製前に、サンプル量に基づいて第1試薬及び第2試薬の使用量を決め、検査の必要に応じて増幅試薬を定量的に調製するものとし、それによって現場調製してから利用するのを達成でき、混合後置き時間が長すぎることによる試薬変質問題が回避され、試薬の浪費も防止される。
【0072】
図13乃至図15に示すように、試薬調製装置1.1は、横方向ガイドレール2-40及び縦方向ガイドレール2-41をさらに含み、横方向ガイドレール2-40及び縦方向ガイドレール2-41が共に試薬調製作業台10-11の上方に位置し、縦方向ガイドレール2-41は、第1枠体10-10に設けられ且つ第1方向に沿って延在しており、横方向ガイドレール2-40は、水平面内で第1方向に垂直な第2方向に沿って延在しており、横方向ガイドレール2-40は、縦方向ガイドレール2-41の下方に、縦方向ガイドレール2-41の延在方向に沿って移動可能に設けられ、横方向ガイドレール2-40には試薬アーム10-44が横方向ガイドレール2-40の延在方向に沿って移動可能に設けられ、試薬アーム10-44にはピペット針10-41が鉛直方向に沿って移動可能に設けられている。このように、横方向ガイドレール2-40及び縦方向ガイドレール2-41によって試薬アーム10-44の水平方向における移動を達成することができ、さらにピペット針10-41の三軸移動を達成することができ、構造が簡単であるというメリットを有している。
【0073】
さらに、第2容器11-30は第2多孔板であり、第1多孔板には複数の第1載置孔11-211が設けられ、第2多孔板には複数の第2載置孔11-31が設けられ、第1載置孔11-211の数は第2載置孔11-31の数よりも多い。このように、第1多孔板によって、抽出試薬の使用量を満たすのに十分に多くの抽出試薬を混合することができる。上記の複数の予混合溝の容積は複数の第2載置孔11-31の容積よりも大きくなり、それによって十分に多くの増幅試薬を混合することができる。
【0074】
図4図17乃至図19に示すように、サンプル処理装置1.2は、サンプル移送機構31-10と、注入機構32-20と、抽出機構と、を含む。サンプル移送機構31-10は、第2方向に沿って移動可能な移送ラック31-11を含む。移送ラック31-11は、第1載置箇所を有し、且つその移動方向において移送位置及びサンプル投入位置を有する。注入機構32-20は、サンプルアーム31-13を含む。移送ラック31-11がサンプル投入位置に移動したとき、サンプルアーム31-13は、サンプル投入位置に移動して、第1載置箇所にある第1容器11-20にサンプルを注入、或いは、第1容器11-20から分析物を吸引する。抽出機構は、分析物抽出部材31-21と、抽出ラック31-22と、を含む。抽出ラック31-22は第2方向に沿って移動可能に設けられ且つ第2載置箇所を有し、抽出ラック31-22はその移動方向において載置位置及び抽出位置を有する。抽出ラック31-22が載置位置に移動し、且つ移送ラック31-11が移送位置に移動したとき、第1容器11-20は第1載置箇所から第2載置箇所に移動され、一方、抽出ラック31-22が抽出位置に移動したとき、分析物抽出部材31-21は、第2載置箇所にある第1容器11-20に対して分析物の抽出を行うことができる。上記の分析物は核酸である。
【0075】
図4図17乃至図19に示すように、第2把持ハンド構造7-21は、抽出試薬が収容される第1容器11-20を、移送位置の第1載置箇所に載置し、サンプルアーム31-13は、サンプル投入位置にあり且つ抽出試薬が収容される第1容器11-20にサンプルを投入し、第2把持ハンド構造7-21は、移送位置にある第1容器11-20を、抽出ラック31-22の載置位置の第2載置箇所に移動し、分析物抽出部材31-21は、抽出位置にある第1容器11-20に対して核酸抽出を行い、第2把持ハンド構造7-21は、抽出ラック31-22の載置位置にある第1容器11-20を第1載置箇所に移動し、サンプルアーム31-13は、第1容器11-20中の核酸を第2容器11-30に移送して増幅検査を行う。第1容器11-20の搬送過程において、第2把持ハンド構造7-21によって第1容器11-20を第2方向に沿ってサンプル移送機構31-10と抽出機構との間で移送し、このことは、移送ラック31-11及び抽出ラック31-22の第2方向に垂直な第1方向における移動と合わせて、マルチ作業位置が同時に作動するような第1容器11-20の搬送を達成することとなる。
【0076】
本実施例では、サンプル処理装置1.2は、第2把持ハンド構造7-21の移動経路上に設けられた一時保存箇所を有する。前ロットの第1容器11-20に対して抽出位置での核酸抽出が完了し、且つ現行ロットの第1容器11-20に対してサンプル投入位置でのサンプル投入が完了した場合、第2把持ハンド構造7-21の移動経路上に一時保存箇所が設けられているので、一時保存箇所を利用して、サンプル投入が完了した現行ロットの第1容器11-20、又は核酸抽出が完了した前ロットの第1容器11-20を載置することができ、それによって抽出ラック31-22と移送ラック31―11に第1容器11-20の移送中衝突の発生が回避され、第1容器11-20の移送効率が高くなり、サンプル処理装置1.2の核酸抽出効率が高くなる。
【0077】
ここで、前ロットの第1容器11-20に対して抽出位置での核酸抽出が完了し、且つ現行ロットの第1容器11-20に対してサンプル投入位置でのサンプル投入が完了した場合、第2把持ハンド構造7-21を利用して、核酸抽出が完了した第1容器11-20を一時保存箇所に移送するか、又はサンプル投入が完了した第1容器11-20を一時保存箇所に移送することができ、それによって抽出ラック31-22と移送ラック31―11に第1容器11-20の移送中衝突の発生が回避されることとなる。
【0078】
図4図17乃至図19に示すように、サンプル処理装置1.2は、回収ラックを備える廃液回収機構34-30をさらに含み、回収ラックには回収箇所34-311が設けられている。サンプルアーム31-13によって第1容器11-20中の核酸を第2容器11-30に移送した後、移送ラック31-11を移送位置に移動し、第2把持ハンド構造7-21によって、移送位置にある移送ラック31-11上の第1容器11-20を、回収ラックの回収箇所34-311に移送し、第1容器11-20に対して廃液吸引及び回収を実施することとなる。上記の回収箇所34-311の少なくとも一部が一時保存箇所を構成する。
【0079】
図4図17乃至図19に示すように、サンプル処理装置1.2は、格納機構32-10と、搬送機構31-30と、移送機構31―40と、をさらに含む。格納機構32-10は、サンプルチューブを載置するためのサンプル格納室32―11と、品質管理物の入った品質管理チューブを載置するための品質管理物格納室32―12と、を含む。品質管理物(Quality control materials)は、品質管理品や標準品などのような、品質を監視や管理するための物質である。注入機構32―20は、消耗品が収容される消耗品ローディング機構32-21をさらに含み、サンプルアーム31-13は、サンプルチューブ中のサンプル、又は品質管理チューブ中の品質管理物を第1容器11-20に注入することができる。サンプルアーム31-13には、消耗品に係合連結可能なサンプル投入針31-14が設けられている。搬送機構31-30は、移動可能に設けられた移動ラック31-31を含み、移動ラック31-31には、サンプルチューブ又は品質管理チューブを載置するための載置箇所31-311が設けられており、移動ラック31-31は、格納機構32-10に対応して設けられた格納搬送位置と、注入機構32―20に対応して設けられた注入搬送位置と、を有し、且つ格納搬送位置と注入搬送位置との間で移動可能である。移送機構31―40は、サンプルチューブを移動ラック31-31とサンプル格納室32―11との間で移送すること、及び品質管理チューブを移動ラック31-31と品質管理物格納室32-12との間で移送することが可能な把持部材31-411を含む。把持部材31-411は、サンプル格納室32―11からサンプルチューブを把持、或いは、品質管理物格納室32-12から品質管理チューブを把持することが可能である。
【0080】
サンプル格納室32-11中のサンプルチューブで、採取したサンプルを格納し、品質管理物格納室32-12中の品質管理チューブで、既知情報の品質管理物を格納する。核酸検査過程において、移動ラック31-31が格納搬送位置にあるとき、把持部材31-411によってサンプル格納室32-11からサンプルチューブを移動ラック31-31の載置箇所31-311に移送し、一方、移動ラック31-31が注入搬送位置に移動したとき、サンプル投入針31-14によってサンプルチューブ中のサンプルを第1容器11-20に注入することとなる。ここで、核酸検査の検査中、移動ラック31-31が格納搬送位置にあるとき、把持部材31-411によって品質管理物格納室32-12から品質管理チューブを移動ラック31-31の載置箇所31-311に移送し、一方、移動ラック31-31が注入搬送位置に移動したとき、サンプル投入針31-14によって品質管理チューブ中の品質管理物を第1容器11-20に注入し、それから、採取したサンプルに対して核酸検査を実施することは、少なくとも1回発生し、さらに、品質管理物検査の結果が品質管理物の既知情報と一致するか否かにより、サンプル分析設備が正常に作動しているか否かを分かり、それによってサンプル分析設備による検査の正確度が確保されることとなり、しかも、品質管理物を品質管理物格納室32-12の品質管理チューブに格納することによって、品質管理物の抽出とサンプルの採取には同一セットのサンプルアーム31-13、搬送機構31-30及び移送機構31-40が共用され、品質管理物のローディングの自動化程度が高くなり、品質管理物検査の作業手順が簡素化され、品質管理物検査の所要時間が短縮されることとなる。
【0081】
本実施例では、把持部材31-411によって、サンプル格納室32-11からサンプルチューブを把持し、品質管理物格納室32-12から品質管理チューブを把持することとなり、さらに、把持部材31-411によってサンプルチューブをサンプル格納室32-11から移動ラック31-31の載置箇所31-311に移送する過程中、及び把持部材31-411によって品質管理チューブを品質管理物格納室32-12から移動ラック31-31の載置箇所31-311に移送する過程において、把持部材31-411によってサンプルチューブ又は品質管理チューブを把持するので、サンプルチューブ又は品質管理チューブの移送過程中の安定性が高くなり、サンプルチューブ又は品質管理チューブの移送過程中の落下が回避され、検査対象物ローディング装置の正常運行が確保されることとなる。
【0082】
また、品質管理物の手動ローディングに所要する作業時間が長く、検査員の作業時間と休憩時間によって品質管理物の手動ローディング回数が限られているため、ローディングの頻度では、各ロットの核酸検査の何れにも品質管理物検査を行うことを満足できない。
【0083】
本実施例では、各ロットの核酸検査のそれぞれにおいても品質管理物が第1容器11-20に注入されるため、各ロットの核酸検査のそれぞれにおいても、かかるロットの品質管理物検査の結果が品質管理物の既知情報と一致するか否かにより、かかるロットの核酸検査ではサンプル分析設備が正常に作動しているか否かを分かり、さらに各ロットの核酸検査ではサンプル分析設備の作動が正常であるか否かを分かり、それによって、各ロットの核酸検査の検査正確度が確保され、検査精度が向上することとなる。
【0084】
本実施例では、品質管理チューブは第1品質管理チューブと第2品質管理チューブを含み、第1品質管理チューブと第2品質管理チューブはそれぞれ陽性品質管理物と陰性品質管理物を保存するためのものである。品質管理チューブは、陽性品質管理物を保存するための第1品質管理チューブと、陰性品質管理物を保存するための第2品質管理チューブを含むように構成されるので、各ロットの核酸検査において、陽性品質管理物と陰性品質管理物を第1容器11-20に注入して、サンプル分析設備による各ロットの核酸検査における陽性品質管理物への検査結果及び陰性品質管理物への検査結果を得ることができ、さらにサンプル分析設備による陽性品質管理物と陰性品質管理物への検査の正否により、各ロットの核酸検査の検査精度を確保することとなる。
【0085】
ここで、品質管理チューブは、外源性の内部標準物質(exogenous internal standards)を保存するための第3品質管理チューブをさらに含む。
【0086】
なお、第1品質管理チューブは強陽性品質管理チューブと弱陽性品質管理チューブを含み、強陽性品質管理チューブと弱陽性品質管理チューブはそれぞれ強陽性品質管理物と弱陽性品質管理物を保存するように構成されるので、各ロットの核酸検査において、強陽性品質管理物、弱陽性品質管理物及び陰性品質管理物を第1容器11-20に注入することができ、さらにサンプル分析設備による強陽性品質管理物、弱陽性品質管理物及び陰性品質管理物への検査の正否により、各ロットの核酸検査の検査正確度を確保することとなる。
【0087】
本実施例では、格納機構32-10は、品質管理チューブを冷蔵するための冷蔵ユニットをさらに含む。冷蔵ユニットで品質管理チューブを冷蔵することによって、品質管理チューブ中の品質管理物の失効が回避され、品質管理物の安定性が維持され、サンプル分析設備による品質管理物への検査結果でサンプル分析設備が正常に作動しているか否かを体現できることが確保され、核酸検査の検査正確度が確保され、検査精度が向上することとなる。
【0088】
図4図17乃至図19に示すように、品質管理物格納室32-12は、開閉可能に設けられた扉32-123を備えるように構成され、把持部材31-411による品質管理チューブの把持が必要になる場合、扉32-123が開き、把持部材31-411は品質管理物格納室32-12の内部キャビティから品質管理チューブを把持し、一方、把持部材31-411による品質管理チューブの把持が不要である場合、扉32-123が閉鎖されているので、扉32-123によって品質管理物格納室32-12の内部キャビティが密閉されるようになり、それによって品質管理物格納室32-12の冷凍効果が確保されることとなる。サンプル格納室32-11と品質管理物格納室32-12とは独立して設けられている。サンプル格納室32-11が開放的な構造であるため、サンプル格納室32-11と品質管理物格納室32-12とは独立して設けられることにより、サンプル格納室32-11と品質管理物格納室32-12は別途に制御されるようになり、扉32-123が閉鎖されている場合、サンプル格納室32-11中のサンプルチューブと品質管理物格納室32-12中の品質管理チューブとの間で汚染の発生が回避され、核酸検査の検査正確度が確保され、検査精度が向上することとなる。
【0089】
なお、「サンプル格納室32-11と品質管理物格納室32-12とは独立して設けられる」とは、サンプル格納室32-11の格納条件と品質管理物格納室32-12の格納条件が互いに独立しており、且つサンプル格納室32-11と品質管理物格納室32-12のそれぞれが所定の独立空間を占め、両者が混在しないことを指し、それによってサンプルチューブと品質管理チューブを別途に管理することは簡単になる。
【0090】
図4図7乃至図20に示すように、サンプル分析設備は、第2把持ハンド構造7-21を備えるサンプル処理用把持ハンド7-20をさらに含み、サンプル処理装置1.2は、第2独立空間1-22内に設けられた膜封止機構33-30をさらに含み、膜封止機構33-30は、第3支持ラック33-10と、熱プレス機構33-20と、載置機構33-40と、を含む。熱プレス機構33-20は、第3支持ラック33-10に鉛直方向に沿って移動可能に設けられ、その一方側に第2把持ハンド構造7-21が設けられている。載置機構33-40は、互いに隣接して設けられた第1載置領域及び第2載置領域を含み、且つ熱プレス機構33-20と第2把持ハンド構造7-21との間において移動可能に設けられ、それによって載置機構33-40は、第1載置領域を熱プレス機構33-20に係合させる熱プレス位置と、第2載置領域を第2把持ハンド構造7-21に係合させる把持位置と、第1載置領域を第2把持ハンド構造7-21に係合させる装着位置と、を有することとなり、第1載置領域は、検査対象混合物が収容される第2容器11-30を載置するためのものであり、第2載置領域は、蓋体11-40を載置するためのものである。
【0091】
上記の蓋体11-40は、枠体と、枠体に設けられた封止膜と、を含む。熱プレス機構33-20は、封止膜で各第2載置孔11-31のそれぞれを封止できるように、封止膜を熱プレスによって第2容器11-30に封止することができる。膜封止を行う際に、先ず載置機構33-40を把持位置に移動し、このとき第2把持ハンド構造7-21によって蓋体11-40を第2載置領域から持ち上げることができ、それから載置機構33-40を装着位置に移動し、このとき第2把持ハンド構造7-21によって蓋体11-40を、検査対象混合物が収容される第2容器11-30上に置くことができ、最後に載置機構33-40を熱プレス位置に移動し、このとき熱プレス機構33-20によって膜封止作業を完成することができる。上記の構成は、膜封止機構33-30によって蓋体11-40と第2容器11-30の組立て及び膜封止作業を完成することができ、膜封止機構33-30をより機能的にさせることができる。同時に、上記の構成では、蓋体11-40及び第2容器11-30の膜封止作業を1台の膜封止機構33-30だけで実現でき、工程が簡単で、膜封止効率が高く、他の補助設備を設けることが不要である。
【0092】
図8図21及び図22に示すように、分析装置1.3は、第2方向に沿って順次配置された複数の増幅機構4-01を含む。増幅機構4-01のそれぞれは、第2枠体4-100と、検査装置4-200と、試薬ローディング装置4-300と、温度制御モジュール4-410と、を含む。第2枠体4-100には、検査窓4-110が設けられている。検査装置4-200は、第2枠体4-100に設けられ、且つ検査窓4-110に位置する。検査装置4-200は、第2枠体4-100に設けられ、且つ検査窓4-110に位置するように構成されることで、検査窓4-110を利用して試薬の検査を行うことができる。試薬ローディング装置4-300は、第2容器11-30が取り外し可能に設けられたキャリッジ4-310を含み、キャリッジ4-310は、第2枠体4-100に、第1方向に沿って移動可能に設けられ、第2方向は水平面内で第1方向に垂直であり、第2容器11-30は、キャリッジ4-310に伴って移動し、且つ検査窓4-110の下方に位置する格納位置と、第2枠体4-100の外方まで移動するローディング位置と、を有する。温度制御モジュール4-410は、第2枠体4-100に、鉛直方向に沿って移動可能に設けられ、第2容器11-30が検査装置4-200とドッキング係合する検査位置まで上昇するように、第2容器11-30を昇降駆動することができる。第2容器11-30内には検査対象混合物を入れることもできる。第2容器11-30は、キャリッジ4-310に伴って移動することによって、検査窓4-110の下方に位置する格納位置と、第2枠体4-100の外方まで移動するローディング位置と、を有する。検査対象混合物の入った第2容器11-30は、分析装置1.3の外部からキャリッジ4-310上に搬送されてから、キャリッジ4-310に伴って格納位置とローディング位置との間で移動する。温度制御モジュール4-410は、第2枠体4-100に、鉛直方向に沿って移動可能に設けられ、第2容器11-30が検査装置4-200とドッキング係合する検査位置まで上昇するように、第2容器11-30を昇降駆動することができる。このように、検査位置にある第2容器11-30によって、温度制御モジュール4-410と検査対象混合物の入った第2容器11-30との間の距離を小さくすることができ、さらに第2容器11-30中の検査対象混合物をより良く加熱して増幅の目的を達成することができ、そして、このとき第2容器11-30が検査位置にあるので、検査装置4-200によって、第2容器11-30中の検査対象混合物を検査して検査対象混合物の増幅効果を判断することができる。このように、第2枠体4-100によって検査装置4-200、試薬ローディング装置4-300及び温度制御モジュール4-410が鉛直方向に設けられるようになり、分析装置1.3の敷地面積が減少し、構造がコンパクトになり、空間利用率が向上し、複数の増幅機構4-01が並んで設けられ且つ同時に処理を行うことができ、高スループットの目標を達成することができる。なお、上記の「ドッキング係合」とは、接触して係合することであってもよいし、一定の隙間を持って係合することであってもよい。
【0093】
図8図21及び図22に示すように、第2枠体4-100は枠体モジュールを含む。枠体モジュールは、外枠体4-10と、内枠体4-20と、昇降枠体4-30と、を含む。外枠体4-10は、間隔を置いて設けられた頂板、底板、及び頂板と底板との間に設けられた第1支持部材と第2支持部材を含む。検査窓4-110は枠体モジュールの頂板に設けられている。キャリッジ4-310は頂板に設けられている。頂板、底板、第1支持部材、第2支持部材によって昇降空間が囲まれている。内枠体4-20は、底板と頂板との間において間隔を置いて設けられた第3支持部材と第4支持部材を含む。昇降枠体4-30は、昇降空間内で昇降可能に設けられ、しかも、第3支持部材と第4支持部材との間を穿設し且つ昇降可能に設けられた昇降板と、第3支持部材を穿設して設けられた第1支持ガイドと、第4支持部材を穿設して設けられた第2支持ガイドと、第1支持ガイド及び第2支持ガイドに動揺可能に連結された荷重ビーム4-33と、を含む。このように、第1支持ガイドと第2支持ガイドは昇降枠体4-30の昇降時にガイドとして機能でき、それによって昇降枠体4-30の昇降がより安定になる。第1支持ガイドと第2支持ガイドは共に昇降板に連結され、第3支持部材、第4支持部材及び昇降板よって載置空間が囲まれている。駆動モジュール4-420は底板に設けられ且つ昇降板に駆動連結されている。温度制御モジュール4-410は、載置空間内に載置されて、第1支持ガイドと第2支持ガイドによってガイドされながら支持されることができ、それによって昇降枠体4-30によって支持されることとなる。駆動モジュール4-420は、昇降枠体4-30に伴って温度制御モジュール4-410が昇降するように、昇降板を昇降駆動する。検査対象混合物の入った第2容器11-30を頂板のところに載置し、昇降枠体4-30に伴って温度制御モジュール4-410を上昇させ、さらに温度制御モジュール4-410によって頂板にある検査対象混合物の入った第2容器11-30を温度制御することができる。このように、内枠体4-20が外枠体4-10内に嵌合され、昇降枠体4-30が内枠体4-20内に嵌合され、このような互いに嵌合されてなる構造により、枠体モジュールの構造がコンパクトになり、温度制御モジュール4-410の体積及び敷地面積が減少することとなる。しかも、昇降枠体4-30が内枠体4-20内に嵌合されて昇降するため、垂直方向における昇降空間が十分に利用され、関連技術のような温度制御モジュール4-410の水平移動が回避され、温度制御モジュール4-410の敷地面積が減少し、温度制御モジュール4-410を備える分析装置1.3の敷地面積が減少し、複数の増幅機構4-01の配置に所要する敷地面積が減少し、高スループットの達成に有利である。
【0094】
図8図21及び図22に示すように、上記の荷重ビーム4-33に伴って温度制御モジュール4-410が検査対象混合物の入った第2容器11-30に当接する位置まで上昇した後、荷重ビーム4-33が動揺可能であるため、温度制御モジュール4-410が検査対象混合物の入った第2容器11-30に当接する際に、第2容器11-30の受けた当接力が大きすぎて第2容器11-30や第2容器11-30の上方に当接する他の装置が破損するという問題が回避され、緩衝の役割を果たすことができる。
【0095】
温度制御モジュール4-410は、多孔板台座、多孔板台座の下方に設けられた放熱器、回路基板及び均温板をさらに含む。放熱器の頂部には突出縁部が設けられており、突出縁部が放熱器の頂部の周方向外側に配置されており、それによって、枠体モジュールの荷重ビーム4-33は上面で放熱器の突出縁部に当接して、放熱器を受けながら昇降させることができる。第2容器11-30が格納位置にある場合、第2容器11-30、検査窓4-110、多孔板台座、遮熱蓋4-210及び温度制御モジュール4-410は同じ鉛直方向に位置する。
【0096】
図8図21及び図22に示すように、本実施例では、検査窓4-110は、頂板の上面及び頂板の下面を貫通する矩形の開口であり、遮熱蓋4-210は、頂板の下面に設けられ且つ検査窓4-110を遮蔽している。検査装置4-200は、頂板に設けられた光ファイバ取付け構造をさらに含み、光ファイバ取付け構造は、取付け台座と、取付け台座に設けられた複数の光ファイバ取付け柱と、を含み、光ファイバ取付け柱は、光信号を用いて第2容器11-30中の検査対象混合物の検査を行う。遮熱蓋4-210には、第2容器11-30の複数の第2載置孔11-31に1対1対応する複数の退避孔が設けられており、それによって、検査装置4-200の光ファイバ取付け柱は、遮熱蓋4-210の退避孔内に入り込んで、第2容器11-30の第2載置孔11-31中の検査対象混合物の分析を行うことができる。分析過程において、検査装置4-200は、検査対象混合物からの蛍光信号を収集して検査結果を形成する。増幅検査及び分析が完了した後に、温度制御モジュール4-410が降下し、第2容器11-30が温度制御モジュール4-410に伴って所定の距離で降下して格納位置に到達し、このときの第2容器11-30がキャリッジ4-310に受けられて温度制御モジュール4-410から分離するようになる。キャリッジ4-310に伴って第2容器11-30が横方向に移動して第2容器11-30をローディング位置に位置させ、第3把持ハンド構造7-31が第2容器11-30を把持して回収機構に移動してから、第2容器11-30が回収され、それによって第2容器11-30の1回増幅検査及び分析過程が完了することとなる。
【0097】
さらに、本出願では、移動可能に設けられた第1載置部材5-20、第2載置部材6-32、注液針10-31、ピペット針10-41、注入ラック10-32、第1容器載置台座、試薬アーム10-44、移送ラック31-11、サンプルアーム31-13、抽出ラック31-22、移動ラック31-31、試剤調製用把持ハンド7-50、第1把持ハンド構造7-52、サンプル処理用把持ハンド7-20、第2把持ハンド構造7-21、分析用把持ハンド7-30、第3把持ハンド構造7-31、熱プレス機構33-20、載置機構33-40、キャリッジ4-310及び温度制御モジュール4-410の移動について、モータによって伝動機構を駆動して達成することができ、それらが移動時に所定の軌跡に沿って安定に移動可能になるために、ガイドレール構造も設けられている。
【0098】
本発明の説明において、方位表現、例えば「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」、「横方向、縦方向、垂直、水平」及び「上部、底部」等の用語が指示する方位又は位置関係は、一般的に図面に示す方位又は位置関係に基づき、本発明を説明しやすくし、説明を簡略化するためのものに過ぎず、説明しない場合、これらの方位表現は対象の装置や素子が特定の方位を有し、又は特定の方位で構成され及び操作されるべきであることを指示及び暗示するものではなく、従って本発明の保護範囲を限定するものと理解すべきではなく、方位表現のうち「内、外」は、各部材自体の輪郭に対する内外を指す。
【0099】
説明を容易にするために、本明細書で使用される「…の上に」、「…の上方に」、「…の上面に」、「上面の」などの空間的に相対的な用語は、図に示される1つのデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間的な位置関係を説明するために用いられる。なお、空間的に相対的な用語は、図に示された向き以外に、使用又は動作中のデバイスの異なる向きを包含する。例えば、図中のデバイスが反転した場合、「他のデバイス又は構造の上方に」又は「他のデバイス又は構造の上に」と説明されたデバイスは、その後、「他のデバイス又は構造の下方に」又は「他のデバイス又は構造の下に」位置決めされる。したがって、例としての「…の上方に」という用語には、「…の上方に」及び「…の下方に」という2つの方位が含まれる。該デバイスは他の異なる方法で位置決めされてもよく(90度又は他の方位に回転)、本明細書で使用される空間的に相対的な説明は、それに応じて解釈されるべきである。
【0100】
なお、「第1」、「第2」などの語句を使用して部品を限定することは、対応する部品の区別を容易にするために過ぎず、別途説明しない限り、上記語句は特別な意味を持たず、従って本発明の保護範囲を限定するものと理解すべきではない。

図1
図2
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図6
図7
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図9
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