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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-14
(45)【発行日】2025-02-25
(54)【発明の名称】電動弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20250217BHJP
【FI】
F16K31/04 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023560135
(86)(22)【出願日】2022-01-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 CN2022074463
(87)【国際公開番号】W WO2022206164
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】202110329751.8
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505241533
【氏名又は名称】浙江三花智能控制股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG SANHUA INTELLIGENT CONTROLS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】XIALIQUAN,QIXING STREET,XINCHANG COUNTY,SHAOXING,ZHEJIANG 312500,PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】袁 沢
(72)【発明者】
【氏名】劉 剛
(72)【発明者】
【氏名】王 暁 武
(72)【発明者】
【氏名】魏 先 譲
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-032094(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0146147(US,A1)
【文献】特開2012-102798(JP,A)
【文献】中国実用新案第212480175(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動弁であって、弁ボディ及びコイル(40)を含み、前記コイル(40)は前記弁ボディに外嵌され、前記弁ボディは弁座部材(10)及び弁体ロータユニット(20)を含み、前記弁体ロータユニット(20)は弁軸ユニット(201)、弁体(202)、第1弾性部品(204)、当接部材(206)及び第2弾性部品(208)を含み、
前記弁軸ユニット(201)は弁軸当接部(20154)を含み、前記第2弾性部品(208)は前記弁軸当接部(20154)に支持され、
前記弁体(202)は、前記弁軸ユニット(201)に穿設されており、前記第2弾性部品(208)の上端部に当接可能である第1弁体当接部(202b)を含み、
前記第1弾性部品(204)の上端部は前記弁軸ユニット(201)に当接され、前記当接部材(206)は第1当接部(206a)を含み、前記第1弾性部品(204)の下端部は前記第1当接部(206a)に当接され、前記当接部材(206)は第2当接部(206b)を含み、前記弁体(202)は前記第2当接部(206b)に当接可能である第2弁体当接部(202c)を含み、前記当接部材(206)は前記弁軸ユニット(201)に当接可能である第3当接部(206c)を含み、
前記弁座部材(10)は前記弁体(202)に当接可能である弁口(10a)を含み、
前記第3当接部(206c)が前記弁軸ユニット(201)に当接され、前記第1弁体当接部(202b)が前記第2弾性部品(208)の上端部に当接された場合、前記第2当接部(206b)は前記第2弁体当接部(202c)に当接されていないことを特徴とする電動弁。
【請求項2】
前記当接部材(206)はワッシャ―部材(2061)を含み、前記弁軸ユニット(201)は、弁軸内壁部(2015)を含み、前記弁軸内壁部(2015)は段部(20152)を含み、前記ワッシャ―部材(2061)は、前記第1弾性部品(204)に当接されており、前記第1当接部(206a)を含み、前記ワッシャ―部材(2061)は、前記第2弁体当接部(202c)に当接可能であり、前記第2当接部(206b)を含み、前記ワッシャ―部材(2061)は、前記段部(20152)に当接可能であり、前記第3当接部(206c)を含むことを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項3】
前記ワッシャ―部材(2061)はワッシャ―孔部(201611)をさらに含み、前記弁体(202)は前記ワッシャ―孔部(201611)及び前記第1弾性部品(204)を貫通することを特徴とする請求項2に記載の電動弁。
【請求項4】
前記当接部材(206)は当接ホルダ(2062)を含み、前記当接ホルダ(2062)は当接ホルダ天井部(20621)及び当接ホルダ側部(20622)を含み、前記当接ホルダ天井部(20621)は、前記第1弾性部品(204)に当接されており、前記第1当接部(206a)を含み、前記当接ホルダ天井部(20621)は、前記第2弁体当接部(202c)に当接可能であり、前記当接ホルダ天井部(20621)は前記第2当接部(206b)を含み、前記当接ホルダ側部(20622)は、前記弁軸ユニット(201)に当接可能であり、前記第3当接部(206c)を含むことを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項5】
前記当接ホルダ側部(20622)は前記弁軸当接部(20154)に当接可能であることを特徴とする請求項4に記載の電動弁。
【請求項6】
前記当接ホルダ(2062)は当接ホルダ孔部(20623)を含み、前記弁体(202)は前記当接ホルダ孔部(20623)及び前記第1弾性部品(204)を貫通することを特徴とする請求項4又は5の何れか1項に記載の電動弁。
【請求項7】
前記弁体(202)は弁体本体部(2021)及び弁体スリーブ(2022)をさらに含み、前記弁体スリーブ(2022)は弁体スリーブ孔部(20221)を含み、前記弁体本体部(2021)の一部は前記弁体スリーブ孔部(20221)に位置し、前記弁体本体部(2021)は前記弁体スリーブ(2022)に固定されて接続されることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の電動弁。
【請求項8】
前記弁体スリーブ(2022)は前記第2弾性部品(208)の上端部に当接可能であり、前記弁体スリーブ(2022)は前記第1弁体当接部(202b)を含んでおり、前記第2当接部(206b)に当接可能であり、前記弁体スリーブ(2022)は前記第2弁体当接部(202c)を含むことを特徴とする請求項7に記載の電動弁。
【請求項9】
前記弁軸ユニット(201)は弁軸(2011)及びブッシュ(2012)を含み、前記ブッシュ(2012)は前記弁軸(2011)に固定されて接続されるとともに、前記第1弾性部品(204)に当接されており、ブッシュ孔部(20121)を含み、前記弁体(202)は前記ブッシュ孔部(20121)を貫通することを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の電動弁。
【請求項10】
前記弁軸ユニット(201)は弁軸本体部(2013)及び筒状部品(2014)を含み、前記弁軸本体部(2013)は前記筒状部品(2014)に固定されて接続され、前記筒状部品(2014)は前記第1弾性部品(204)に当接される筒状部品当接部(20141)を含み、前記筒状部品(2014)は筒状部品貫通孔部(201411)をさらに含み、前記弁体(202)は前記筒状部品貫通孔部(201411)を貫通することを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の電動弁。
【請求項11】
前記電動弁は制限部(20b)及びハウジング(30)を含み、前記弁体(202)は前記ハウジング(30)に当接可能である第3弁体当接部(202d)を含み、前記ハウジング(30)は前記制限部(20b)を含むことを特徴とする請求項10に記載の電動弁。
【請求項12】
前記電動弁は制限部(20b)、ハウジング(30)及びハウジング接続部品を含み、前記ハウジング接続部品は前記ハウジング(30)に固定されて接続され、前記弁体(202)は前記ハウジング接続部品に当接可能である第3弁体当接部(202d)を含み、前記ハウジング接続部品は前記制限部(20d)を含むことを特徴とする請求項10又は11に記載の電動弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2021年03月29にて中国特許庁に提出され、出願番号が202110329751.8であり、発明名称が「電動弁」である中国特許出願の優先権を主張して、その全ての内容は本出願に援用されている。
【0002】
本発明は冷却制御の技術分野に関して、特に電動弁に関している。
【背景技術】
【0003】
図11を参照し、CN109723884Aは電動弁を開示し、当該電動弁はガイドブッシュ20及び弁軸ホルダ30を備え、ガイドブッシュ20には固定雄ねじ部23が設けられ、弁軸ホルダ30には可動雌ねじ部33が設けられ、前記固定雄ねじ部23と可動雌ねじ部33とは当該電動弁のねじ送り機構28を構成する。当該電動弁の弁ボディは主に3つの部分から構成される。
【0004】
当該電動弁の弁軸10の上部小径部11と下部大径部12との間に形成された段差面13と弁軸ホルダ30の天井部32の下面との間には、前記弁軸ホルダ30の天井部32の下面側に配置された円板状の押さえ板61を挟んでおり、弁軸10の上部小径部11に外挿されるように、前記弁軸10が前記弁軸ホルダ30と昇降方向(軸線O方向)で離れる方向に付勢する、言い換えれば前記弁軸10(弁体14)を常時下方(閉弁方向)に付勢する圧縮コイルばね(付勢部材)60が縮装されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は電動弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
電動弁であって、弁ボディ及びコイルを含み、前記コイルは前記弁ボディに外嵌され、前記弁ボディは弁座部材及び弁体ロータユニットを含み、前記弁体ロータユニットは弁軸ユニット、弁体、第1弾性部品、当接部材及び第2弾性部品を含み、
前記弁軸ユニットは弁軸当接部を含み、前記第2弾性部品は前記弁軸当接部に支持され、
前記弁体は第1弁体当接部を含み、前記弁体は前記弁軸ユニットに穿設され、前記第1弁体当接部は前記第2弾性部品に当接可能であり、
前記第1弾性部品の上端部は前記弁軸ユニットに当接され、前記当接部材は第1当接部を含み、前記第1弾性部品の下端部は前記第1当接部に当接され、前記当接部材は第2当接部を含み、前記弁体は前記第2当接部に当接可能である第2弁体当接部を含み、前記当接部材は前記弁軸ユニットに当接可能である第3当接部を含み、
前記弁座部材は前記弁体に当接可能である弁口を含み、
前記第3当接部が前記弁軸ユニットに当接され、前記第1弁体当接部が前記第2弾性部品に当接された場合、前記第2当接部は前記第2弁体当接部に当接されていない。
【発明の効果】
【0007】
本出願が提供する電動弁によれば、前記第3当接部が前記弁軸ユニットに当接され、前記第1弁体当接部が前記第2弾性部品に当接された場合、前記第2当接部は前記第2弁体当接部に当接されず、弁体は第1弾性部品の弾性荷重を受けることなく、弁体と弁口との接触の瞬間で弁体の弁口に対する衝撃力を減少する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の電動弁が全閉状態にある断面図である。
図2】本発明の電動弁の弁座部材の構造模式図である。
図3a】本発明の電動弁が全閉状態にある時、ロータ部材の構造模式図であり、図3bは図3aの局所拡大図である。
図4a】本発明の電動弁は、弁体がちょうど第1弾性部品の弾力を負荷しないまで開いた時の弁ボディの断面図であり、図4bは図4aの局所拡大図である。
図5a】本発明の電動弁は、弁体頭部がちょうど弁口に接触しないまで開いた時の弁ボディの断面図であり、図5bは図5aの局所拡大図である。
図6a】本発明の電動弁が最大開度まで開いた時の弁ボディの断面図であり、図6bは図6aの局所拡大図である。
図7a】本発明の電動弁は、ねじペアが螺合を外すまで過度に開いた時の弁ボディの断面図であり、図7bは図7aの局所拡大図である。
図8a】本発明の第2実施例の電動弁が最大開度まで開いた時の弁ボディの断面図であり、図8bは図8aの局所拡大図である。
図9a】本発明の第3実施例の電動弁が最大開度まで開いた時の弁ボディの断面図であり、図9bは図9aの局所拡大図である。
図10a】本発明の第4実施例の電動弁が最大開度まで開いた時の弁ボディの断面図であり、図10bは図10aの局所拡大図である。
図11】背景技術における電動弁の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
当業者が本発明の技術案をよりよく理解するために、以下、図面及び具体的な実施例を結合して本発明をさらに詳しく説明する。
【0010】
図1図7を参照し、図1は本発明の電動弁が全閉状態にある断面図であり、図2は本発明の電動弁の弁座部材の構造模式図であり、図3aは本発明の電動弁が全閉状態にある時、ロータ部材の構造模式図であり、図3bは図3aの局所拡大図であり、図4aは、本発明の電動弁は弁体がちょうど弁体ばねの弾力を負荷しないまで開いた時の弁ボディの断面図であり、図4bは図4aの局所拡大図であり、図5aは、本発明の電動弁は弁体頭部がちょうど弁口に接触しないまで開いた時の弁ボディの断面図であり、図5bは図5aの局所拡大図であり、図6aは本発明の電動弁が最大開度まで開いた時の弁ボディの断面図であり、図6bは図6aの局所拡大図であり、図7aは、本発明の電動弁はねじペアが螺合を外すまで過度に開いた時の弁ボディの断面図であり、図7bは図7aの局所拡大図である。
【0011】
具体的に図1図3bを参照し、1つの具体的な実施例において、本発明が提供する電動弁は弁ボディ及びコイル40を含み、コイル40は弁ボディに外嵌される。弁ボディは弁体ロータユニット20(図3a、3b)、弁座部材10(図2)及びハウジング30(図1)を含む。
【0012】
図1を参照し、ハウジング30の一端は開口状を呈し、ハウジング30は薄肉部材であり、エンクロージャ状を呈し、その下端の開口側は弁座部材10に密閉溶接されて、ナット102(以下説明)の上半分及び弁体ロータユニット20(以下説明)の本体部分を収容できる収容室を形成する。
【0013】
図3a、3bを参照し、当該電動弁の弁体ロータユニット20は、円周方向で磁極を有するロータ203、及びロータ203に固定されて接続される弁軸ユニット201を含み、本実施例において、弁軸ユニット201は弁軸2011及びブッシュ2012を含み、ブッシュ2012は弁軸2011の略上端位置に固定され、圧入又は溶接などの方式で弁軸2011に固定されて接続されており、その上面、下面を貫通したブッシュ孔部20121を含む。弁体ロータユニット20は、弁軸2011の中心貫通孔内に挿着される弁体202、弁軸2011の第1弁軸内壁部20151(以下説明)内に設けられる第1弾性部品204、弁軸2011の第2弁軸内壁部20153(以下説明)内に設けられる第2弾性部品208、及び弁軸2011の第1弁軸内壁部20151内に設けられる当接部材206をさらに含む。
【0014】
図1を参照し、電動弁のコイル40は駆動コントローラに接続され、通電した後、駆動コントローラはコイル40にパルス駆動信号を送信し、コイル40は変化する磁界を生成して、時計回り又は反時計回り回転させるように電動弁の弁体ロータユニット20を駆動する。本実施例において、弁軸2011はロータ203に固定されて接続されるため、ロータ203に連れて同期に回動し、弁軸2011及びナット102の螺旋送り機構はロータ203の回転運動を軸方向移動に変換して、弁体頭部202aが弁口10aに対して接近し又は離れるように弁体202を駆動し、これによって、電動弁流量の線形スイッチの調節機能を実現する。
【0015】
図2を参照して、図1を結合し、弁座部材10は弁口10a、第1入出通路10d及び第2入出通路10eを備え、弁口10aは第1入出通路10d及び第2入出通路10eに連通することで、流体媒体(例えば、冷媒)を通過させ、また、弁座部材10の略中心位置には、上下に貫通している貫通孔が設けられ、貫通孔の内壁には雌ねじ部10b(固定ねじ部とも呼ばれる)が設けられ、当該雌ねじ部10bと、弁軸2011の略下方位置に設けられる雄ねじ部201a(可動ねじ部とも呼ばれる)とを組み合わせて、当該電動弁の螺旋送り機構、即ち、ねじペアを構成する。
【0016】
本実施例において、弁座部材10はナット102を含み、ナット102は貫通孔を含み、ナット102の貫通孔の内縁には雌ねじ部10bが設けられ、弁座部材10は弁座101をさらに含み、ナット102の一部は当該弁座101内に位置して、ナット102は弁座101に固定されて接続され、例えば、接続体をインサートとして、ナット102と一体として射出成形されて、溶接又は圧入の方式で接続体と弁座101とを固定して接続し、又はナット102と弁座101とは直接的な圧入固定などの方式を採用し、本実施例において、接続体をインサートとしてナット102と一体として射出成形され、接続体と弁座101とを溶接固定するようにナット102と弁座101との固定接続を実現する。無論、ナット102と弁座101とは一体加工成形の方式を採用してもよい。
【0017】
ナット102は環状基体から突出するように固定ストッパ部10cが設けられ、弁体ロータユニット20に設けられる可動ストッパ部201bと係合して、当該電動弁のストロークの下端のストッパ機構を構成し、即ち、弁体ロータユニット20が弁座部材10に対して所定程度まで下へ動作した場合、可動ストッパ部201bは固定ストッパ部10cに当接されて、弁体ロータユニット20の、弁座部材10に対する回動を制限して、さらに、弁体ロータユニット20が軸方向で継続的に下へ動作することを制限し、これによって、弁体ロータユニット20の下向きの運動のストロークを制御する。
【0018】
本実施例において、弁座101には弁口10aが一体的に加工成形され、無論、弁口10aが他の部材に形成されてから、この部材が弁座10に固定されて接続されてもよい。本実施例において、弁口10aは弁体202の弁体頭部202aに当接可能であり、また、弁座101は第1接合管部103、第2接合管部104に固定されて接続され、電動弁の流体媒体の流入又は流出通路として第1接合管部103及び第2接合管部104は一般的に、エアコンなどの冷却、加熱システムに取り付けられる時、システム管路に接続される。
【0019】
本実施例において、第1接合管部103、第2接合管部104が弁座101に溶接されて接続される方式を採用し、無論、本発明は、冷媒流体が通過する流路を直接的に弁座101に配置する形態を採用してもよいし、又は、例えば、当該電動弁がカーエアコン、ヒートポンプなどの迅速補修を必要とする状況に用いられる場合、第1接合管部103、第2接合管部104と弁座101とはフランジによるシール接続の形態を採用してもよい。本実施例において、第1接合管部103、第2接合管部104が弁座101に溶接されて固定されることを例として説明する。
【0020】
図3a、3bを参照し、本実施例において、弁軸2011は上下に貫通している孔を含み、当該貫通孔の内側壁は弁軸内壁部2015を略形成し、弁軸2011の軸方向で、弁軸内壁部2015の内径は等しくなく、具体的に、弁軸内壁部2015は第1弁軸内壁部20151、段部20152、第2弁軸内壁部20153、弁軸当接部20154及び第3弁軸内壁部20155を含み、電動弁の軸方向で、第1弁軸内壁部20151は第2弁軸内壁部20153の上方に位置し、第2弁軸内壁部20153は第3弁軸内壁部20155の上方に位置し、弁軸2011の横断面が所在する平面で、第1弁軸内壁部20151の当該平面に沿う正投影(当該正投影は閉じた線又は環状面である)は、第2弁軸内壁部20153の当該平面に沿う正投影(当該正投影は閉じた線又は環状面である)外部に位置し、第2弁軸内壁部20153の当該平面に沿う正投影(当該正投影は閉じた線又は環状面である)は、第3弁軸内壁部20155の当該平面に沿う正投影(当該正投影は閉じた線又は環状面である)外部に位置し、一般的に、加工製造を容易にするために、第1弁軸内壁部20151、第2弁軸内壁部20153、第3弁軸内壁部20155の断面は何れも円形に設置され、この場合、第1弁軸内壁部20151の直径は第2弁軸内壁部20153の直径より大きく、第2弁軸内壁部20153の直径は第3弁軸内壁部20155の直径より大きく、本実施例において、高さ方向で第1弁軸内壁部20151、第2弁軸内壁部20153、第3弁軸内壁部20155はそれぞれ等径であるため、第1弁軸内壁部20151、第2弁軸内壁部20153及び第3弁軸内壁部20155の、弁軸2011の横断面が所在する平面に沿う正投影は円形である。
【0021】
図3a、3bを引き続いて参照し、段部20152と弁軸当接部20154とは水平方向で延在距離を有し、段部20152は弁軸当接部20154より高く、その外縁は第1弁軸内壁部20151と交差し、内縁は第2弁軸内壁部20153と交差し、弁軸当接部20154の外縁は第2弁軸内壁部20153と交差し、内縁は第3弁軸内壁部20155と交差し、第1弁軸内壁部20151、第2弁軸内壁部20153及び第3弁軸内壁部20155の断面は何れも円形である場合、段部20152及び弁軸当接部20154の、弁軸2011の横断面が所在する平面に沿う正投影は何れも円環状を呈し、本実施例において、段部20152及び弁軸当接部20154は水平方向であり、無論、段部20152及び弁軸当接部20154は不完全な平面形態に設置されてもよく、例えば、弁軸当接部20154の中心から離れた方向で、弁軸当接部20154は上又は下へ徐々に延在し、段部20152と同じように、弁軸当接部20154と段部20152とは水平方向で延在距離を有すればよい。
【0022】
無論、以上は第1弁軸内壁部20151、段部20152、第2弁軸内壁部20153、弁軸当接部20154、及び第3弁軸内壁部20155の1つの構造を記載したが、本発明の第1弁軸内壁部20151、段部20152、第2弁軸内壁部20153、弁軸当接部20154、及び第3弁軸内壁部20155は上記構造に限定されず、本実施例において、第1弁軸内壁部20151と第2弁軸内壁部20153との間には、水平方向で延在距離を有する1つの段部20152があり、第2弁軸内壁部20153と第3弁軸内壁部20155との間には、水平方向で延在距離を有する1つの弁軸当接部20154があればよく、当該弁軸当接部20154は弁体202に当接され、当該段部20152は当接部材206に当接される。
【0023】
図1を参照し、本実施例において、弁軸2011は外縁部2016を含み、具体的に、外縁部2016は第1外縁部20161及び第2外縁部20162を含み、電動弁の軸方向で、第1外縁部20161は第2外縁部20162の上方に位置し、弁軸2011の横断面が所在する平面で、第1外縁部20161の当該平面に沿う正投影の外縁は、第2外縁部20162の当該平面に沿う正投影の外縁の外部に位置し、加工を容易にするために、第1外縁部20161、第2外縁部20162の外縁は何れも円形に設置され、第1外縁部20161の、弁軸2011に位置する部分にはロータ固定部201cが設けられ、ロータ203とロータ固定部201cとは、直接又は間接溶接、カシメ、磁性プラスチック材料による射出接続、接着剤による接着などの方式で固定され、本実施例において、接続部品はインサートとして、射出されるように磁性プラスチック材料に接続されてから、溶接の方式で弁軸2011に固定されて接続され、ロータ203と弁軸2011とは直接接続の方式を採用する場合、弁軸2011はインサートとして、射出されるように磁性プラスチック材料に接続されてもよい。
【0024】
第2外縁部20162には雄ねじ部201aが設けられ、当該雄ねじ部201aとナット102の内孔部位に設けられる雌ねじ部10bとを組み合わせて当該電動弁の螺旋送り機構(ねじペア)を構成する。
【0025】
図3a、3bを参照し、本実施例において、電動弁は第2弾性部品208をさらに含み、本実施例において、第2弾性部品208は円柱コイルばねであり、第2弁軸内壁部20153内に位置して、弁体202に外嵌され、その上端部は弁体202の第1弁体当接部202bに当接可能であり(図3a、3bの電動弁において、第2弾性部品208の上端部は、まだ第1弁体当接部202bに当接されていない)、第2弾性部品208は弁軸当接部20154に支持される。
【0026】
弁軸ユニット201の横断面が所在する平面で、弁軸当接部20154の当該平面に沿う正投影と、第2弾性部品208の当該平面に沿う正投影とは重畳領域が存在するため、第2弾性部品208は弁軸当接部20154に支持可能であり、無論、弁軸当接部20154と第2弾性部品208との間には、直接的に当接させないためのワッシャ―などの部材が設けられる場合、弁軸当接部20154と第2弾性部品208との投影関係は、以上の関係を満たしなくてもよい。
【0027】
図3a、3bを参照し、本実施例において、弁体202は弁軸ユニット201(弁体202の一部は弁軸内壁部2015内に位置する)に穿設され、また、弁体202は段付き軸状構造を備えるとともに、弁体頭部202aを含み、弁体頭部202aは弁体202の略下端に位置するとともに、第3弁軸内壁部20155の下方に位置し、その先端形状は電動弁の必要な流量調節曲線に関連している。
【0028】
弁体202は第2弾性部品208に当接可能である第1弁体当接部202bをさらに含み、図3a、3bの状態では、第1弁体当接部202bはまだ第2弾性部品208に当接されていない。弁体202の横断面が所在する平面で、第1弁体当接部202bの当該平面に沿う正投影と、第2弾性部品208の当該平面に沿う正投影とは重畳領域が存在するため、第1弁体当接部202bは第2弾性部品208に当接可能であり、無論、第1弁体当接部202bと第2弾性部品208との間には、直接的に当接させないためのワッシャ―などの部材が設けられる場合、第1弁体当接部202bと第2弾性部品208との投影関係は、以上の関係を満たしなくてもよい。
【0029】
本実施例において、第1弁体当接部202bの外縁及び第2弁軸内壁部20153の断面は何れも円形を呈し、第1弁体当接部202bの直径は第2弁軸内壁部20153の直径よりわずかに小さく、第2弾性部品208の外径は第2弁軸内壁部20153の直径よりわずかに小さく、第2弾性部品208の外径は第3弁軸内壁部20155の直径より大きく、この場合、弁体202は第2弾性部品208に支持可能である。
【0030】
図3a、3bを引き続いて参照し、本実施例の弁体202は弁体本体部2021及び弁体スリーブ2022を含み、弁体スリーブ2022は弁体スリーブ孔部20221を含み、弁体スリーブ孔部20221は弁体スリーブ2022の上面、下面を貫通し、弁体本体部2021の上端は当該弁体スリーブ孔部20221を貫通し、弁体本体部2021と弁体スリーブ2022とは圧入又は溶接、或いは接着などの方式で固定されて接続される。
【0031】
本実施例において、弁体頭部202aの直径は第3弁軸内壁部20155の直径より大きく設置され、弁体本体部2021は下から上へ弁軸2011の中心貫通孔に挿着され、弁体スリーブ2022は上から下へ嵌着されて弁体本体部2021に固定される。
【0032】
図3a、3bを参照し、本実施例の電動弁の弁体ロータユニット20は第1弾性部品204をさらに含み、第1弾性部品204は円柱コイルばねに設計され、第1弁軸内壁部20151内に位置する。
【0033】
本実施例が提供する電動弁はばね当接部20aを含み、ばね当接部20aは大体、弁軸ユニット201の、第1弾性部品204の上端部に当接される部分であり、ここで、当接は直接当接又は間接当接を含み、例えば、ブッシュ2012と第1弾性部品204との間にはワッシャ―などの部材が設けられた場合、ブッシュ2012は依然的に第1弾性部品204の弾性荷重を受け、弁軸ユニット201は依然的に第1弾性部品204に当接される。本実施例において、ブッシュ2012は第1弾性部品204に当接されており、ばね当接部20aを含む。
【0034】
本出願が提供する電動弁は当接部材206をさらに含み、当接部材206は第1当接部206aを含み、第1弾性部品204の下端部は第1当接部206aに当接され、当接部材206は第2弁体当接部202cに当接可能である第2当接部206bをさらに含み、当接部材206は弁軸ユニット201に当接可能である第3当接部206cをさらに含む。
【0035】
本実施例において、弁体スリーブ2022の下端面は第2弾性部品208に当接可能であり(例えば、図5a、5bの電動弁の状態であり、以下説明する)、弁体スリーブ2022の上端面はワッシャ―部材2061に当接可能であり(例えば、図3a、3bの状態)、弁体スリーブ2022は第1弁体当接部202b及び第2弁体当接部202cを含む。
【0036】
図3a、3bを引き続いて参照し、本実施例において、当接部材206はワッシャ―部材2061であり、ワッシャ―部材2061はワッシャ―孔部20611を含み、ワッシャ―孔部20611はワッシャ―2061の上面、下面を貫通し、弁体202の上端はワッシャ―孔部20611を貫通するととともに、第1弾性部品204及びワッシャ―孔部20221を貫通し、その一部はワッシャ―孔部20221に位置する。
【0037】
以上の設置によって、径方向ずれが生じようとすると、第1弾性部品204は弁体202に制限され、径方向ずれを減少し、弁軸ユニット201内で第1弾性部品204はより安定になり、電動弁の耐用年数を延長する。
【0038】
ワッシャ―部材2061は段部20152に当接可能であり、具体的に、電動弁の横断面が所在する平面で、ワッシャ―部材2061の当該平面に沿う正投影と、段部20152の当該平面に沿う正投影とは重畳領域が存在するため、そのワッシャ―部材2061は段部20152に当接可能であり、無論、ワッシャ―部材2061と段部20152との間には2つ又は複数のワッシャ―部材2061が設けられる場合、それぞれのワッシャ―部材2061と段部20152とは何れも以上の関係を満たしているわけではない。本実施例において、ワッシャ―部材2061の外縁及び段部20152の内縁は何れも円形を呈し、ワッシャ―部材2061の外径は弁軸第1弁軸内壁部20151の直径よりわずかに小さく、ワッシャ―部材2061の外径は第2弁軸内壁部20153の直径より大きい。
【0039】
図3a、3bを参照して、図1を結合し、電動弁が全閉になった時の状態(即ち、弁体ロータユニット20がそのストロークの最下端にある状態)であり、図1を結合し、この場合、弁体頭部202aは弁口10aに当接されて押し付けられ、第1弾性部品204は被圧縮の状態にあり、この状態で、第1弁体当接部202bと第2弾性部品208とは軸方向距離が存在し、両者は非当接の状態にあり、第2弁体当接部202cはワッシャ―部材2061の第2当接部206bに当接され、段部20152とワッシャ―部材2061の第3当接部206cとは軸方向距離が存在し、両者は非当接の状態にある。
【0040】
図4a、4bを参照し、図4aは、本発明の電動弁は弁体202がちょうど第1弾性部品204の弾力を負荷しないまで開いた時の弁ボディの断面図であり、図4bは図4aの局所拡大図である。図1の電動弁の全閉時の弁体ロータユニット20の位置より、図4a、4bの弁体ロータユニット20の位置は、上へ一定高さだけ開いて、この場合、弁体頭部202aは依然的に弁口10aに当接される。図4a、4bのロータ位置を臨界点として、弁体ロータユニット20が継続的に上へ開くと、第1弾性部品204の弾力はワッシャ―部材2061によって伝達されて、段部20152に負荷され、弁体202は第1弾性部品204の弾性荷重を受けていない。
【0041】
本明細書において、第1入出通路10dの圧力が第2入出通路10eの圧力より大きいことを例として説明し、弁口10aの両側には圧力差が存在するため、弁体202は常に圧力差による差圧力を受け、図4a、4bの弁体202は差圧力及び自体重力の作用を受けて、その弁体頭部202aが弁口10aに当接される。図4a、4bの状態にある電動弁に対して、第1弁体当接部202bと第2弾性部品208との間は軸方向距離が存在する。
【0042】
図5a、5bを参照し、図5aは、本発明の電動弁は弁体頭部がちょうど弁口に接触しないまで開いた時の弁ボディの断面図であり、図5bは図5aの局所拡大図である。図4a、4bより、図5a、5bの弁体ロータユニット20の位置は上へ一定高さだけ開いて、この場合、弁体頭部202aはちょうど弁口10aに接触と非接触の臨界状態にある。弁口10aの両端の差圧力及び自体重力の作用を受けて、弁体202は第2弾性部品208に支持され、弁体202の重力及び弁体202が受けた差圧力の作用を受けて、第2弾性部品208は一定程度のひずみが生じて、この場合、第1弁体当接部202bは第2弾性部品208の上端部に当接され、第2弾性部品208の下端部は弁軸当接部20154に当接され、ワッシャ―部材2061の第3当接部206cは段部20152に当接され、第1弾性部品204の弾力はワッシャ―部材2061によって伝達されて、段部20152に負荷される。第2弁体当接部202cと第2当接部206bとは軸方向距離hが存在し、h>0である。
【0043】
図5a、5bを引き続いて参照し、第3当接部206cが段部20152に当接され、第1弁体当接部202bが第2弾性部品208に当接される場合、第2弁体当接部202cとワッシャ―部材2061とは軸方向距離hが存在し、この場合、第2弁体当接部202cと第2当接部206bとは軸方向距離が存在し、第2弁体当接部202cはワッシャ―部材2061に当接されず、第1弾性部品204の弾力はワッシャ―部材2061によって段部20152に負荷され、第2弁体当接部202cはワッシャ―部材2061の伝達によって第1弾性部品204の弾性荷重を受けていなく、即ち、弁体202は第1弾性部品204の弾性荷重を受けることなく、この場合、弁体202は第2弾性部品208に支持されて吊り下げられる。
【0044】
図6a、6bを参照し、図6aは、本発明の電動弁が最大開度まで開いた時の弁ボディの断面図であり、図6bは図6aの局所拡大図である。電動弁の弁体ロータユニット20は図5a、5bの位置から、図6a、6bの位置まで開いて、その弁体202は常に弁口10aの両端の差圧力及び自体重力の作用を受け、その第1弁体当接部202bは常に第2弾性部品208の上端部に当接され、第1弾性部品204の弾力はワッシャ―部材2061によって伝達され、常に段部20152に負荷される。図6a、6bの位置にある場合、ロータ部材20は正常動作状態での最大開度位置まで開く。
【0045】
本出願の電動弁は制限部20bをさらに含み、弁体202は第3弁体当接部202dをさらに含み、制限部20bは第3弁体当接部202dに当接可能であり、本実施例において、第3弁体当接部202dは弁体本体部2021の上端に位置しており、ハウジング30に当接可能であり、ハウジング30は制限部20bを含み、例えば、図6a、6bの電動弁において、弁体202はハウジング30に接触したばっかりである。
【0046】
図7a、7bを参照し、図7aは、本発明の電動弁はねじペアが螺合を外すまで過度に開いた時の弁ボディの断面図であり、図7bは図7aの局所拡大図である。図6a、6bの状態から、弁体ロータユニット20が継続的に上へ開くと、過度に開いた状態になり、過度に開くことは、弁体ロータユニット20が所定の上限ストロークを超えるまで上へ開いた状態である。過度に開いた状態で、弁体ロータユニット20が継続的に上へ運動することに連れて、第2弾性部品208は圧縮され、図7a、7bにおいて、図6a、6bの状態に対して第2弾性部品208のさらなる被圧縮の圧縮量はmであり、第3弁体当接部202dはハウジング30に既に当接され、即ち、制限部20bに当接され、弁軸ユニット201は第2弾性部品208の下向きの弾性荷重を受ける。弁体ロータユニット20がさらに過度に開くと、弁軸ユニット201の雄ねじ部201aとナット102の雌ねじ部10bとは螺合を外し(即ち、図7a、7bの状態)、螺合を外した後、弁体ロータユニット20は上へ運動していなく、コイル40は弁体ロータユニット20を電動弁の閉じ方向へ駆動すると、弁軸ユニット201が第2弾性部品208の下向きの弾性荷重を受けるため、弁体ロータユニット20が回転運動を行う時、ねじペアは改めて螺合する。
【0047】
図1図4a、4b、図5a、5b及び図6a、6bを結合し、弁体ロータユニット20は全閉状態から全開状態になり、図4a、4bの開度状態から上へ開いて、又は図6a、6bの全開状態から図4a、4bの状態へ閉じる時、弁体202は第1弾性部品204のばね力荷重を受けていない。特に、弁体頭部202aと弁口10aとの接触の瞬間で、弁体202は第2弾性部品208に吊り下げられ、第1弾性部品204の弾性荷重を受けず、弁体頭部202aと弁口10aとの接触の瞬間の衝撃力を減少して、両者の接触部位の摩耗を低減して、電動弁の耐用年数を延長し、また、この期間、両者の接触部位の摩擦力(当該摩擦力は弁体202の、弁口10aに対する圧力に関連する)を減少して、弁体202及び弁口10bの摩耗を低減する。
【0048】
図6a、6bを参照し、本実施例において、上記機能効果を実現できる構造特徴は以下の通り、即ち、ワッシャ―部材2061が段部20152に当接され、弁体202が弁口10aに当接されず、弁体202が第2弾性部品208に支持されて吊り下げられる場合、第2弁体当接部202cとワッシャ―部材2061の第2当接部206bとは軸方向距離hが存在する。電動弁は一定の開度ストロークを有し、好ましくは、hは0.3mmより小さい。
【0049】
図8a、8bを参照し、図8aは本発明の電動弁の第2実施例が最大開度まで開いた時の弁ボディの断面図であり、図8bは図8aの局所拡大図である。同一の開度状態の図6a、6bにおける第1実施例に比べると、本実施例の相違点は主に、弁体202が一体加工成形の構造であり、弁軸2011の中心貫通孔より上から下へ挿着されることにあり、本実施例において、依然的に、ワッシャ―部材2061が段部20152に当接され、弁体202が弁口10aに当接されず、弁体202が第2弾性部品208に支持されて吊り下げられる場合、第2弁体当接部202cとワッシャ―部材2061の第2当接部206bとは軸方向距離hが存在する。
【0050】
図9a、9bを参照し、図9aは本発明の電動弁の第3実施例が最大開度まで開いた時の弁ボディの断面図であり、図9bは図9aの局所拡大図である。
【0051】
本実施例が提供する当接部材206は当接ホルダ2062を含み、当接ホルダ2062は弁軸当接部20154に当接可能であり、略筒状構造を呈し、天井部にある当接ホルダ天井部20621、及び大体、当接ホルダ天井部20621の周方向の縁に沿って下へ延在するように形成される当接ホルダ側部20622を含み、当接ホルダ側部20622は中空状を呈する。
【0052】
当接ホルダ2062は当接ホルダ孔部20623をさらに含み、当接ホルダ孔部20623は当接ホルダ天井部20621の上面、下面を貫通し、弁体202の上端は当接ホルダ孔部20623、第1弾性部品204及びブッシュ孔部20121を貫通する。
【0053】
また、本実施例において、弁軸内壁部2015には段部20152が設けられなくてもよく、具体的に、電動弁が図9a、9bの状態にある場合、弁体202は第2弾性部品208に支持されて吊り下げられ、第1弁体当接部202bは第2弾性部品208に当接され、当接ホルダ2062は弁体202に外嵌され、その当接ホルダ側部20622の下端は弁軸当接部20154に当接され(そのため、段部20152を配置しなくてもよく、段部20152の機能は弁軸当接部20154によって実現される)、本実施例において、当接ホルダ2062は第3当接部206cを含み、第3当接部206cは弁軸当接部20154に当接される部分であり、また、当接ホルダ天井部20621は第1弾性部品204に当接され、当接ホルダ2062は第1当接部206aを含み、本実施例において、当接ホルダ2062が弁軸当接部20154に当接され、弁体202が弁口10aに当接されず、弁体202が第2弾性部品208に吊り下げられて支持される場合、第2弁体当接部202cと当接ホルダ天井部20621の下面とは軸方向距離hが存在する。
【0054】
弁体202が弁軸ユニット201に対してhの距離だけ上がった場合、当接ホルダ天井部20621の下端面は第2弁体当接部202cに接触し、第1弁体当接部202bは第2弾性部品208に当接されず、弁体202が弁軸ユニット201に対してさらに上がった場合、当接ホルダ2062の第2当接部206bは第2弁体当接部202cに当接され、当接ホルダ2062の伝達によって弁体202は第1弾性部品204の弾性荷重を受けて、この場合、第1弾性部品204の弾力は弁体202によって弁口10aに伝達され、弁体202と弁口10aとの間の締付力を生成する。
【0055】
無論、本実施例に対して、段部20152が設けられない形態を採用したが、本出願にとって、段部20152は必ずしも配置できないわけではなく、例えば、弁軸内壁部2015に段部20152を配置し、段部20152は当接ホルダ側部20622の下端に当接可能であり、この場合でも、本出願の技術効果を実現できる。
【0056】
図10a、10bを参照し、図10aは本発明の電動弁の第4実施例が最大開度まで開いた時の弁ボディの断面図であり、図10bは図10の局所拡大図である。
【0057】
本実施例において、弁軸ユニット201は弁軸本体部2013及び筒状部品2014を含み、弁軸本体部2013は上下に貫通している貫通孔を有し、弁軸本体部2013には雄ねじ部201aが設けられ、弁軸本体部2013は筒状部品2014に固定されて接続され、両者が固定されて接続された後の中心貫通孔の略内側壁領域には弁軸内壁部2015が形成され、本実施例において、弁軸本体部2013の上端部分は筒状部品2014の貫通孔内に入り込んで、無論、弁軸本体部2013が筒状部品2014の貫通孔内に入り込まなく、筒状部品2014の下端に固定される形態を採用してもよい。筒状部品2014は略中空の円筒状を呈しており、筒状部品当接部20141を含み、筒状部品当接部20141は第1弾性部品204に当接され、この場合、筒状部品当接部20141はばね当接部20aを含み、筒状部品当接部20141の略中心位置には筒状部品貫通孔部201411が設けられる。弁軸本体部2013の上端面は弁軸当接部20154を形成し、第1弾性部品204は、筒状部品2014と弁軸本体部2013によって限定される空間に収容される。
【0058】
同一の開度状態の図9a、9bの第3実施例に比べると、本実施例は第3実施例に基づいて、弁軸ユニット201の構造に対して分割、整合の変更を行う。組立後、その幾何学的に対応する部位の機能は同様である。本実施例の他の部位の構造解決策は第3実施例と同様又は類似する。
【0059】
本実施例において、電動弁のいくつかの部材に対して通常の分割、整合などの変更を行ってもよいが、組立後、その幾何学的に対応する部分の機能は基本的に同様であり、依然的に本発明の構想に属し、例えば、図6a、6bの第1実施例における弁体202の構造に対して、図8a、8bにおける弁体202の構造は一定の変更が生じたが、本質的に、その幾何学的に対応する部位の機能を変更していなく、これらの適応的な変更・組み合わせの構造も本発明特許の請求項の保護範囲に該当する。
【0060】
また、本明細書の実施例において、第1弾性部品204の下端部にはワッシャ―が添設され、又は第1弁体当接部202bと第2弾性部品208との間にはワッシャ―が設けられ、或いは第1弾性部品204の上端部にはワッシャ―が添設される形態を採用してもよく、本出願の中心的内容に影響していなく、本出願の2つの部材の当接は、2つの部材の直接当接、又はそれぞれの部材の他の部材(ワッシャ―に限定されていない)による当接を含む。
【0061】
また、上記ワッシャ―又はガスケットの、回転摩擦を受けて係合する上面、下面で、その相対回転の摩擦抵抗をさらに減少するために、その表面に、潤滑性・耐摩耗機能を有するコーティング層(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、又はグラファイト、或いは二硫化モリブデン成分を含有するコーティング層)を塗装し又はメッキすることで、電動弁の耐用年数を延長する。
【0062】
本出願に記載の「当接」は、2つの部材の直接当接を含むとともに、2つの部材の間の他の部材による当接、即ち、間接当接を含む。
【0063】
上記実施例に基づいて、本発明の中核的な構造によって、減摩ワッシャ―又はガスケットの添設に対するいくつかの適応的な変更は何れも本発明特許の請求項の保護範囲に該当する。
【0064】
以上の実施例において、弁体202の第3弁体当接部202dはハウジング30に当接される形態を採用し、この場合、ハウジング30は制限部20dを含み、無論、ハウジング30にはハウジング接続部品が溶接されてもよく、弁体202はハウジング接続部品に当接可能であり、この場合、弁体202に当接される部材は制限部20dである。即ち、本出願の制限部20dは弁体202に当接可能であり部材であり、ハウジング30に限定されていない。
【0065】
ここで、上記の弁口10aの形成方式及び接合管の設置要否などに対して、本解決策は多種の解決策を提供して、明細書において「可能」という注釈を使用するため、本出願の「可能」を「必ず」として理解できない。
【0066】
ここで、本実施例に言及される上、下、左、右などの方位名詞は何れも明細書の図面を基準として、記載のために導入され、部材名称における「第1」、「第2」などの序数用語も記載のために導入され、部材の順次に対する限定ではない。
【0067】
以上は、本発明が提供する電動弁を詳しく紹介する。本明細書は具体的な例示を使用して本発明の原理及び実施形態を記載し、以上の実施例に対する説明は本発明の中心的思想を理解するためのものに過ぎない。当業者にとって、本発明の原理から逸脱しないことを前提として、本発明に対していくつかの改良及び修飾を行ってもよく、これらの改良及び修飾も本発明の請求項の保護範囲内に該当する。
【符号の説明】
【0068】
10 ・・・弁座部材;
101 ・・・弁座;
102 ・・・ナット;
103 ・・・第1接合管部;
104 ・・・第2接合管部;
10a ・・・弁口;
10b ・・・雌ねじ部;
10c ・・・固定ストッパ部;
10d ・・・第1入出通路;
10e ・・・第2入出通路;
20 ・・・弁体ロータユニット;
201 ・・・弁軸ユニット;
2011 ・・・弁軸;
2012 ・・・ブッシュ;
20121 ・・・ブッシュ孔部;
2013 ・・・弁軸本体部;
2014 ・・・筒状部品;
20141 ・・・筒状部品当接部;
201411 ・・・筒状部品貫通孔部;
2015 ・・・弁軸内壁部;
20151 ・・・第1弁軸内壁部;
20152 ・・・段部;
20153 ・・・第2弁軸内壁部;
20154 ・・・弁軸当接部;
20155 ・・・第3弁軸内壁部;
2016 ・・・外縁部;
20161 ・・・第1外縁部;
20162 ・・・第2外縁部;
201a ・・・雄ねじ部;
201b ・・・可動ストッパ部;
201c ・・・ロータ固定部;
202 ・・・弁体;
2021 ・・・弁体本体部;
2022 ・・・弁体スリーブ;
20221 ・・・弁体スリーブ孔部;
202a ・・・弁体頭部;
202b ・・・第1弁体当接部;
202c ・・・第2弁体当接部;
202d ・・・第3弁体当接部;
203 ・・・ロータ;
204 ・・・第1弾性部品;
206 ・・・当接部材;
206a ・・・第1当接部;
206b ・・・第2当接部;
206c ・・・第3当接部;
2061 ・・・ワッシャ―部材;
20611 ・・・ワッシャ―孔部;
2062 ・・・当接ホルダ;
20621 ・・・当接ホルダ天井部;
20622 ・・・当接ホルダ側部;
20623 ・・・当接ホルダ孔部;
208 ・・・第2弾性部品;
20a ・・・ばね当接部;
20b ・・・制限部;
30 ・・・ハウジング;
40 ・・・コイル。
図1
図2
図3a-3b】
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図9a
図9b
図10a-10b】
図11