(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-14
(45)【発行日】2025-02-25
(54)【発明の名称】隣接関係の競合予測
(51)【国際特許分類】
H04W 24/02 20090101AFI20250217BHJP
H04W 16/20 20090101ALI20250217BHJP
H04W 16/32 20090101ALI20250217BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20250217BHJP
H04W 76/15 20180101ALI20250217BHJP
【FI】
H04W24/02
H04W16/20
H04W16/32
H04W48/16 134
H04W76/15
(21)【出願番号】P 2023567161
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(86)【国際出願番号】 US2021065405
(87)【国際公開番号】W WO2023014392
(87)【国際公開日】2023-02-09
【審査請求日】2023-11-01
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319010088
【氏名又は名称】楽天モバイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【氏名又は名称】永岡 重幸
(72)【発明者】
【氏名】メディス,マドーキラン
(72)【発明者】
【氏名】チナム,サヴィンドゥ
(72)【発明者】
【氏名】カマー,マノジ
(72)【発明者】
【氏名】ナヒ,ペトリット
【審査官】鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-510288(JP,A)
【文献】特表2018-509858(JP,A)
【文献】CATT,(TP for NR BL CR for TS 37.340) Correction on PCI confusion[online],3GPP TSG RAN WG3 #101 R3-184765,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_101/Docs/R3-184765.zip>,2018年08月10日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに動作を実施させるために前記コンピュータによって実行可能な命令を含むコンピュータ可読媒体であって、前記動作は、
端末のサービングマスタセルグループ(MCG)から、前記端末の測定報告を受信することであって、前記測定報告は、複数の信号測定値を含み、前記信号測定値の各々は、物理セル識別子(PCI)と絶対無線周波数チャネル番号(ARFCN)とによって表されるセカンダリセルグループ(SCG)に関連付けられている、ことと、
前記複数の信号測定値の中にリストされていないSCGを識別することであって、前記リストされていないSCGは、前記サービングMCGの隣接関係テーブル(NRT)中のいずれの単一のSCGにも対応しないPCI及び関連付けられたARFCNによって表される、ことと、
前記サービングMCGの閾値距離内の1又は複数の近隣MCGを識別することと、
前記リストされていないSCGの前記PCI及び前記ARFCNを有するSCGであって、前記近隣MCGの各々の前記NRT中のSCGの数をカウントすることと、
予測値を取得するために、SCGの前記カウントされた数と、前記サービングMCG、前記PCI、及び前記ARFCNを表すMCG-PCI-ARFCN識別子とに分類モデルを適用することであって、前記予測値は、前記サービングMCG及び前記複数の近隣MCGを、前記リストされていないSCGに供給することがPCI競合をもたらすか否かを示すバイナリ値である、ことと
を含む、コンピュータ可読媒体。
【請求項2】
前記命令は、前記コンピュータに、前記予測
値を取得するために、前記サービングMCGの地理的位置又は前記ARFCNの周波数タイプのうちの少なくとも1つに前記分類モデルを適用することを実施させるように更に構成される、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項3】
前記命令は、前記コンピュータに、
前記カウントされた数及び前記MCG-PCI-ARFCN識別子をトレーニングサンプルとして記憶することと、
前記PCI及び前記ARFCNが前記サービングMCGの前記NRT中に含まれるか否かを判定することと、
前記判定の結果を示すグラウンドトゥルース予測値を用いて前記トレーニングサンプルをラベル付けすることと、
前記ラベル付けされたトレーニングサンプルを用いて前記分類モデルをトレーニングすることと
を実施させるように更に構成される、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項4】
前記判定することは、前記記憶することの後の期間に実施され、前記期間は、1日~10日の範囲である、請求項3に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項5】
前記判定すること、前記ラベル付けすること、及び前記トレーニングすることは、15分~1日の範囲の期間ごとに1回バッチで実施され、1つのバッチごとに複数の記憶されたトレーニングサンプルについて実施される、
請求項3に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項6】
前記命令は、前記コンピュータに、
前記分類モデルを初期化することと、
複数の初期トレーニングサンプルを生成することであって、前記複数の初期トレーニングサンプルの各々は、任意に選択されたMCG-PCI-ARFCN識別子を含む、ことと、
前記複数の初期トレーニングサンプルの各々について、前記MCG-PCI-ARFCN識別子によって表される前記MCGの前記閾値距離内の1又は複数の近隣MCGを識別することと、
前記複数の初期トレーニングサンプルの各々について、前記MCG-PCI-ARFCN識別子によって表される前記PCI及び前記ARFCNを有する前記近隣MCGの各々の前記NRT中のSCGの数をカウントすることと、
前記カウントされた数が閾値カウント以上であることに応答してPCI競合を示すグラウンドトゥルース予測値、又は前記カウントされた数が前記閾値カウント未満であることに応答してPCI競合がないことを示すグラウンドトゥルース予測値のうちの1つを用いて前記トレーニングサンプルをラベル付けすることと、
前記複数の初期トレーニングサンプルを用いて前記初期化された分類モデルをトレーニングすることと
を実施させるように更に構成される、請求項3に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項7】
前記分類モデルは、サポートベクターマシン分類モデルである、請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記命令は、前記コンピュータに、
セルラーネットワーク内の複数のMCGの各々について地理的位置を取得することと、
複数のMCGペアリングを形成することであって、前記複数のMCGペアリングの各々は、前記複数のMCGのうちの第1のMCGと、前記複数のMCGのうちの第2のMCGとを含む、ことと、
前記複数のMCGペアリングの各々について、前記第1のMCGの前記地理的位置及び前記第2のMCGの前記地理的位置に基づいて、前記第1のMCGと前記第2のMCGとの間の距離を計算することと、
前記第2のMCGに対応する前記第1のMCGを表すデータ、前記第1のMCGの前記地理的位置、及び近傍値を記憶することであって、前記近傍値は、前記計算された距離が前記閾値距離内にあるか否かを示すバイナリ値である、ことと
を実施させるように更に構成され、
前記1又は複数の近隣MCGを前記識別することは、前記記憶された第1のMCGとしての前記サービングMCGに対応する1又は複数の第2のMCGと、前記計算された距離が前記閾値距離内にあることを表す前記近傍値とを取り出すために、前記記憶されたデータにアクセスすることを含む、
請求項1に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記取得すること、前記形成すること、前記計算すること、及び前記記憶することは、6時間~1週間の範囲の期間ごとに1回実施される、請求項8に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記命令は、前記コンピュータに、回帰モデルを前記計算された距離に適用して前記近傍値を取得することを実施させるように更に構成される、請求項8に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記命令は、前記コンピュータに、
前記回帰モデルを初期化することと、
複数の初期トレーニングサンプルを生成することであって、前記複数の初期トレーニングサンプルの各々は、前記複数の
MCGペアリングのうちの1つのペアリングを含む、ことと、
前記複数の初期トレーニングサンプルの各々を、前記計算された距離が前記閾値距離内にあるか否かを示すグラウンドトゥルース近傍値でラベル付けすることと、
前記初期化された回帰モデルを前記複数の初期トレーニングサンプルを用いてトレーニングすることと
を実施させるように更に構成される、請求項10に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
方法であって、
端末のサービングマスタセルグループ(MCG)から、前記端末の測定報告を受信することであって、前記測定報告は、複数の信号測定値を含み、前記信号測定値の各々は、物理セル識別子(PCI)と絶対無線周波数チャネル番号(ARFCN)とによって表されるセカンダリセルグループ(SCG)に関連付けられている、ことと、
前記複数の信号測定値の中にリストされていないSCGを識別することであって、前記リストされていないSCGは、前記サービングMCGの隣接関係テーブル(NRT)中のいずれの単一のSCGにも対応しないPCI及び関連付けられたARFCNによって表される、ことと、
前記サービングMCGの閾値距離内の1又は複数の近隣MCGを識別することと、
前記リストされていないSCGの前記PCI及び前記ARFCNを有する前記近隣MCGの各々の前記NRT中のSCGの数をカウントすることと、
予測値を取得するために、SCGの前記カウントされた数と、前記サービングMCG、前記PCI、及び前記ARFCNを表すMCG-PCI-ARFCN識別子とに分類モデルを適用することであって、前記予測値は、前記サービングMCG及び前記複数の近隣MCGを、前記リストされていないSCGに供給することがPCI競合をもたらすか否かを示すバイナリ値である、ことと
を含む、方法。
【請求項13】
前記適用することは、前記予測
値を取得するために、前記サービングMCGの地理的位置又は前記ARFCNの周波数タイプのうちの少なくとも1つに前記分類モデルを適用することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記カウントされた数及び前記MCG-PCI-ARFCN識別子をトレーニングサンプルとして記憶することと、
前記PCI及び前記ARFCNが前記サービングMCGの前記NRT中に含まれるか否かを判定することと、
前記判定の結果を示すグラウンドトゥルース予測値を用いて前記トレーニングサンプルをラベル付けすることと、
前記ラベル付けされたトレーニングサンプルを用いて前記分類モデルをトレーニングすることと
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記判定することは、前記記憶することの後の期間に実施され、前記期間は、1日~10日の範囲である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記判定すること、前記ラベル付けすること、及び前記トレーニングすることは、15分~1日の範囲の期間ごとに1回バッチで実施され、1つのバッチごとに複数の記憶されたトレーニングサンプルについて実施される、
請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記分類モデルを初期化することと、
複数の初期トレーニングサンプルを生成することであって、前記複数の初期トレーニングサンプルの各々は、任意に選択されたMCG-PCI-ARFCN識別子を含む、ことと、
前記複数の初期トレーニングサンプルの各々について、前記MCG-PCI-ARFCN識別子によって表される前記MCGの前記閾値距離内の1又は複数の近隣MCGを識別することと、
前記複数の初期トレーニングサンプルの各々について、前記MCG-PCI-ARFCN識別子によって表される前記PCI及び前記ARFCNを有する前記近隣MCGの各々の前記NRT中のSCGの数をカウントすることと、
前記カウントされた数が閾値カウント以上であることに応答してPCI競合を示すグラウンドトゥルース予測値、及び前記カウントされた数が前記閾値カウント未満であることに応答してPCI競合がないことを示すグラウンドトゥルース予測値のうちの1つを用いて前記トレーニングサンプルをラベル付けすることと、
前記複数の初期トレーニングサンプルを用いて前記初期化された分類モデルをトレーニングすることと
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記分類モデルは、サポートベクターマシン分類モデルである、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
セルラーネットワーク内の複数のMCGの各々について地理的位置を取得することと、
複数のMCGペアリングを形成することであって、前記複数のMCGペアリングの各々は、前記複数のMCGのうちの第1のMCGと、前記複数のMCGのうちの第2のMCGとを含む、ことと、
前記複数のMCGペアリングの各々について、前記第1のMCGの前記地理的位置及び前記第2のMCGの前記地理的位置に基づいて、前記第1のMCGと前記第2のMCGとの間の距離を計算することと、
前記第2のMCGに対応する前記第1のMCGを表すデータ、前記第1のMCGの前記地理的位置、及び近傍値を記憶することであって、前記近傍値は、前記計算された距離が前記閾値距離内にあるか否かを示すバイナリ値である、ことと
を更に含み、
前記1又は複数の近隣MCGを前記識別することは、前記記憶された第1のMCGとして前記サービングMCGに対応する1又は複数の第2のMCGと、前記計算された距離が前記閾値距離内にあることを表す前記近傍値とを取り出すために、前記記憶されたデータにアクセスすることを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項20】
装置であって、
回路を含むコントローラを備え、前記回路は、
端末のサービングマスタセルグループ(MCG)から、前記端末の測定報告を受信することであって、前記測定報告は、複数の信号測定値を含み、前記信号測定値の各々は、物理セル識別子(PCI)と絶対無線周波数チャネル番号(ARFCN)とによって表されるセカンダリセルグループ(SCG)に関連付けられている、ことと、
前記複数の信号測定値の中にリストされていないSCGを識別することであって、前記リストされていないSCGは、前記サービングMCGの隣接関係テーブル(NRT)中のいずれの単一のSCGにも対応しないPCI及び関連付けられたARFCNによって表される、ことと、
前記サービングMCGの閾値距離内の1又は複数の近隣MCGを識別することと、
前記リストされていないSCGの前記PCI及び前記ARFCNを有する各近隣MCGの前記NRT中のSCGの数をカウントすることと、
予測値を取得するために、SCGの前記カウントされた数と、前記サービングMCG、前記PCI、及び前記ARFCNを表すMCG-PCI-ARFCN識別子とに分類モデルを適用することであって、前記予測値は、前記サービングMCG及び前記複数の近隣MCGを、前記リストされていないSCGに供給することがPCI競合をもたらすか否かを示すバイナリ値である、ことと
を行うように構成される、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張及び相互参照
本出願は、2021年8月3日に出願された仮出願第63/229,039号及び2021年12月3日に出願された非仮出願第17/542,242号の優先権を主張するものであり、これらの両方は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
E-UTRAN新無線-デュアルコネクティビティ(E-UTRAN New Radio-Dual Connectivity、EN-DC)アーキテクチャを使用することなどによって、5G技術を既存のセルラーネットワークに導入する初期には、ネットワーク環境は、頻繁に変更されることが予想されている。利用可能なセルの数は、5Gセルの周波数特性及びデータオフロードに起因して増加することが予想されている。これらの変化により、一部の近隣セルの各々へのハンドオフを実施するための情報を含む隣接関係テーブル(neighbor relation tables)が、5G技術の採用前よりも頻繁に変更されることになると予想されている。加えて、5Gセルのカバレッジエリアは4Gセルよりも小さく、ネットワークに接続されるデバイスの数は依然として着実に増加しているため、ハンドオーバの数は指数関数的に増加することが予想されている。
【0003】
5Gの展開初期には、E-UTRANが、EN-DCを介して、マルチ無線-デュアルコネクティビィティ(Multiple Radio - Dual Connectivity(MR-DC))をサポートし、MR-DCにおいては、端末が、マスタノードとして作用する1つの4Gセル(eNB)と、二次ノードとして作用する1つの5Gセル(en-gNB)とに接続される。eNBは、S1インターフェースを介して進化型パケットコア(Evolved Packet Core(EPC))に接続され、X2インターフェースを介してen-gNBに接続される。en-gNBはまた、S1-Uインターフェースを介してEPCに接続され、X2-Uインターフェースを介して他のen-gNBに接続され得る。
【0004】
5Gセルのカバレッジは4Gセルと比較して制限されるため、4Gセルよりも多くの5Gセルが、エリアをカバーするために使用されている。端末が1つのセルのカバレッジエリアから別のセルのカバレッジエリアに移動する場合、端末は、他のセルに接続し、最初のセルから切断する。この手順はハンドオーバと称される。このハンドオーバが発生するために、隣接関係は、eNBの個々の隣接関係テーブル内に供給(provision)されるべきである。
【発明の概要】
【0005】
本開示の態様は、添付の図面とともに読まれるとき、以下の詳細な説明から最もよく理解される。業界における標準的な慣行に従って、種々の特徴は一定の縮尺で描かれていないことに留意されたい。実際には、種々の特徴の寸法は、議論を明確にするために、任意に増減され得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の少なくとも1つの実施形態による、隣接関係の競合予測のデータフローの概略図である。
【
図2】本発明の少なくとも1つの実施形態による、隣接関係の競合予測のための動作フローである。
【
図3】本発明の少なくとも1つの実施形態による、連続的な分類モデルのトレーニングのデータフローの概略図である。
【
図4】本発明の少なくとも1つの実施形態による、連続的な分類モデルのトレーニングのための動作フローである。
【
図5】本発明の少なくとも1つの実施形態による、初期の分類モデルのトレーニングのためのデータフローの概略図である。
【
図6】本発明の少なくとも1つの実施形態による、初期の分類モデルのトレーニングのための動作フローである。
【
図7】本発明の少なくとも1つの実施形態による、近傍テーブルの集団化(vicinity table population)のためのデータフローの概略図である。
【
図8】本発明の少なくとも1つの実施形態による、近傍テーブルの集団化のための動作フローである。
【
図9】本発明の少なくとも1つの実施形態による、近傍判定回帰モデルのトレーニングのためのデータフローの概略図である。
【
図10】本発明の少なくとも1つの実施形態による、近傍判定回帰モデルのトレーニングのための動作フローである。
【
図11】本発明の少なくとも1つの実施形態による、隣接関係の競合予測のための例示的なハードウェア構成のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の開示は、提供される主題の異なる特徴を実装するための多くの異なる実施形態又は例を提供する。本開示を簡単にするために、構成要素、値、動作、材料、配置などの特定の例が以下で説明される。もちろん、これらは単なる例であり、限定することを意図するものではない。他の構成要素、値、動作、材料、配置などが企図される。加えて、本開示は、種々の例において参照番号及び/又は文字を繰り返すことがある。この繰り返しは、簡潔さ及び明瞭さを目的としたものであり、それ自体が、議論される種々の実施形態及び/又は構成の間の関係を規定するものではない。
【0008】
少なくとも一部の実施形態は、アンサンブル機械学習を使用して、近隣セルの隣接関係テーブルへの5Gセルの追加を提案する、あるいは、そのような追加が物理セル識別子(Physical Cell Identifier(PCI))競合をもたらし得ることを予告する。
【0009】
少なくとも一部の実施形態では、新たな近隣5Gセルがプロアクティブに発見されると、新しく発見された任意の近隣5Gセルを隣接関係テーブルに追加するための提案は、そのような追加によってPCI競合が引き起こされないと予測される場合に出される。
【0010】
特定の規格によれば、アンカーセル又はマスタセルグループ(Master Cell Group(MCG))からターゲットセル又はセカンダリセルグループ(Secondary Cell Group
(SCG))への、存在している隣接セル関係は、eNBを使用して(アンカーセルを制御して)、ターゲットセルのセルグローバル識別情報(Cell Global Identity(CGI))とPCIとを知り、アンカーセルがターゲットセルを識別するために隣接関係テーブル内にエントリを有する。eNBが隣接関係を有する各セルについて、隣接関係テーブルは、ターゲットセルを識別するターゲットセル識別子(Target Cell Identifier(TCI))を含んでいる。
【0011】
少なくとも一部の実施形態では、隣接関係の競合予測のために構成されたeNBサービングセルは、通常のコール手順の一部として、隣接セルに対して測定を実施するように各接続された端末に命令する。少なくとも一部の実施形態では、ネットワークは、端末の周囲のセルの検出及び信号測定を行うために、測定コマンド(測定制御)を端末に送信する。端末は、近隣セルの信号を検出及び測定し、測定コマンドを送信したeNBサービングセルに報告する。少なくとも一部の実施形態では、隣接関係の競合予測は、各測定報告の受信時に実施される。少なくとも一部の実施形態では、隣接関係の競合予測プロセスは、端末が測定報告において5G PCIを報告したことに応答して開始する。少なくとも一部の実施形態では、PCIの周波数は、測定報告において端末によって報告された測定IDから拡張される。少なくとも一部の実施形態では、PCI及び周波数に対応するen-gNBが、報告されたeNBの隣接関係テーブル中にすでに存在するか否かを理解するために、ネットワークの構成においてチェックが行われる。関係がすでに存在する場合、エントリは破棄され、隣接関係の競合予測プロセスは停止する。そうでない場合、隣接関係の競合予測プロセスが進行する。測定報告から5G PCIを検出したことに応答して、少なくとも一部の実施形態は、関係がすでに供給(provision)されているか否かを検証し、次いで、当該eNB並びに任意の近隣のeNBの隣接関係テーブルへの追加又は競合の提案を行う前に、隣接関係の競合予測を実施する。
【0012】
少なくとも一部の実施形態では、各MCGの隣接関係テーブルに、一部の知られている近隣5Gセルが初めに供給されるように、隣接関係の第1のレベルが、システムの初期構成において供給される。少なくとも一部の実施形態では、いったんシステムが動作可能になると、更なる隣接関係が、X2APインターフェースを経由して、端末支援の隣接関係の競合予測手順及びeNB構成更新手順を通して追加されることが可能である。少なくとも一部の実施形態は、種々のLTEセル間の距離を評価する。
【0013】
少なくとも一部の実施形態では、端末によって報告されたあらゆる隣接を捕捉及び供給するために、隣接関係の競合予測はリアルタイムで実施される。少なくとも一部の実施形態では、ネットワーク構成は、任意の競合を防止することに役立ち、カバレッジに対して正しい関係が確立されていることを確実にするのに役立つように、頻繁に更新される。
【0014】
図1は、本発明の少なくとも1つの実施形態による隣接関係の競合予測のデータフローの概略図である。この図は、装置100と、MCG130と、隣接関係テーブルのデータベース132と、MCG地理的位置のデータベース133とを含む。
【0015】
MCG130は、セルラーネットワークのノードである。少なくとも一部の実施形態では、MCG130はEN-DCネットワークにおいて動作する。EN-DCネットワークでは、MCG130は4G LTE技術のために構成されたeNBノードであり、MCG130は5G技術のために構成されたgNBノードへの接続を容易にする。少なくとも一部の実施形態では、MCG130は、MCG130によってサポートされる近隣5Gセル、MCG130と競合している近隣5Gセル、及びハンドオフのためにMCG130から供給された近隣4Gノードをリストする隣接関係テーブル(Neighbor Relation Table(NRT))を参照する。少なくとも一部の実施形態では、MCG130は、接続された端末であって、MCG130がサービングMCGである端末から測定報告を受信する。少なくとも一部の実施形態では、測定報告は、端末によって検出された各信号についての、信号強度測定値、PCI、及びARFCNを含む。少なくとも一部の実施形態では、MCG130は、測定報告131などの測定報告を装置100に転送する。
【0016】
装置100は、識別セクション(識別部)と、カウントセクション(カウント部)115と、分類モデル102とを含む。少なくとも一部の実施形態では、装置は、測定報告131などの測定報告を受信し、推奨のリスト136を出力し、各推奨は、5GセルのPCI及びARFCNを表す情報と、サービングMCG及び近隣MCGと、サービングMCG及び近隣MCGの隣接関係テーブルに5Gセルを供給すべきか否か、又は隣接関係テーブルに5Gセルを「競合」を有するものとして表記するべきか否かの表示とを含む。少なくとも一部の実施形態では、装置100は、セルラーネットワーク又はインターネットなどの別のネットワークを通して、隣接関係テーブルのデータベース132及びMCG地理的位置のデータベース133と通信する。少なくとも一部の実施形態では、隣接関係テーブルのデータベース132は、セルラーネットワーク内の各セルについての構成情報の絶えず更新される中央ソースであり、隣接関係テーブルを含む。少なくとも一部の実施形態では、MCG地理的位置のデータベース133は、地理的位置を含む、セルラーネットワーク内の各セルに関するサイトレベル情報の、毎日更新されるソースである。少なくとも一部の実施形態では、情報は、特定の情報についてのクエリ実行、又は情報の完全な「ダンプ(dump)」の取得、次いで装置100上で情報をレビューすることによって、データベース132及び133から取り出され得る。
【0017】
識別セクション112は、PCI及びARFCNによって新たな5Gセルを識別し、また、サービングMCGの近隣MCGを識別するように構成される。少なくとも一部の実施形態では、識別セクション112は、測定報告を隣接関係テーブルと比較して、測定報告に関連付けられたサービングMCGの隣接関係テーブルで見つからなかった任意のPCI及びARFCNの組み合わせを識別するように構成される。少なくとも一部の実施形態では、識別セクション112は、隣接関係テーブルのデータベース132からMCGの隣接関係テーブルを取り出すように構成される。少なくとも一部の実施形態では、識別セクション112は、PCI-ARFCN-NEARBY MCG113など、任意のかかる根拠のない組み合わせのPCI及びARFCNをサービングMCG識別子とともにカウントセクション115に出力するように構成される。少なくとも一部の実施形態では、識別セクション112は、サービングMCGの近隣(nearby)にある任意のMCGを識別するように構成される。少なくとも一部の実施形態では、識別セクション112は、近隣MCGのテーブルを参照する。少なくとも一部の実施形態では、識別セクション112は、MCG地理的位置のデータベース133からMCG地理的位置を取り出すことによって、近隣MCGのテーブルを追加(populate)するように構成される。少なくとも一部の実施形態では、識別セクション112は、地理的座標に基づいて近隣MCGを識別するように機械学習モデルをトレーニングし、結果に従って近隣MCGのテーブルを追加するように構成される。少なくとも一部の実施形態では、識別セクション112は、PCI-ARFCN-MCG114など、サービングMCGの隣接関係テーブルで見つからなかった任意の組み合わせのPCI及びARFCNとともに、任意の近隣MCGのためのMCG識別子を分類モデル102に出力するように構成される。
【0018】
カウントセクション115は、サービングMCGの近傍に存在して、同一のPCI及びARFCNを有する5Gセルをカウントするように構成されている。少なくとも一部の実施形態では、カウントセクション115は、近隣MCGの隣接関係テーブルに現れる5Gセルをカウントするように構成される。少なくとも一部の実施形態では、カウントセクション115は、近隣MCGの隣接関係テーブルを隣接関係テーブルのデータベース132から取り出すように構成される。少なくとも一部の実施形態では、カウントセクション115は、分類モデル102への入力のために構成された、PCIカウント116などの、同じPCI及びARFCNを有する5Gセルの数を出力するように構成される。
【0019】
分類モデル102は、PCIカウントに基づいて新たな5Gセルを供給することに応答してPCI競合が生じるか否かを予測するようにトレーニングされた機械学習モデルである。少なくとも一部の実施形態では、分類モデル102は、地理的位置に更に基づいて予測するようにトレーニングされる。少なくとも一部の実施形態では、分類モデル102は、MCGの地理的位置のデータベース133から緯度及び経度の形態で地理的位置を受信する。少なくとも一部の実施形態では、分類モデル102は、PCIカウント116、緯度、及び経度の連結を入力として受信する。少なくとも一部の実施形態では、分類モデル102は、PCIカウント116、緯度、経度、及び周波数タイプの連結を入力として受信する。少なくとも一部の実施形態では、周波数タイプは、Sub-6又はミリ波(mmWAVE)のいずれかである。少なくとも一部の実施形態では、分類モデル102は、入力の指標値としてPCI-ARFCN-MCG113を受信する。少なくとも一部の実施形態では、分類モデル102は、PCI及びARFCNに関連付けられた5GセルをサービングMCG及び任意の近隣MCGに供給することに応答してPCI競合が発生するか否かの予測を表すバイナリ値であるPCI競合予測103を出力する。少なくとも一部の実施形態では、分類モデル102は、サポートベクターマシン(Support Vector Machine(SVM))分類モデルである。少なくとも一部の実施形態では、分類モデル102は、LBFGS(Limited-memory Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shanno)アルゴリズムを使用して主最適化問題(primal optimization problem)を解くことによってトレーニングされる。
【0020】
図2は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、隣接関係の競合予測のための動作フローである。動作フローは、隣接関係の競合予測の方法を提供する。少なくとも一部の実施形態では、本方法は、以下に説明される、
図10に示されるコントローラ及び装置などの特定の動作を行うためのセクションを含む装置のコントローラによって行われる。
【0021】
S240において、コントローラ又はそのセクションは、測定報告を受信する。少なくとも一部の実施形態では、コントローラは、
図1の測定報告131などの測定報告をMCGから受信する。少なくとも一部の実施形態では、コントローラは、端末のサービングMCGから、端末の測定報告を受信し、測定報告は、複数の信号測定値を含み、各信号測定値は、PCI及びARFCNによって表されるSCGに関連付けられている。
【0022】
S241において、
図1に示される識別セクション112などの識別セクション、又はそのサブセクションは、PCI及びARFCNによって任意の新たなSCGを識別する。少なくとも一部の実施形態では、識別セクションは、測定報告に関連付けられたサービングMCGの隣接関係テーブルで見つからなかった、任意のPCIとARFCNとの組み合わせを識別する。少なくとも一部の実施形態では、識別セクションは、複数の信号測定値のうち、任意のリストされていないSCGを識別し、リストされていないSCGは、サービングMCGの隣接関係テーブル(Neighbor Relations Table(NRT))中のいずれの単一のSCGにも対応しないPCI及び関連付けられたARFCNによって表される。識別セクションが任意のかかるリストされていないSCGを識別することができる場合、動作フローは、S242における近隣MCGの識別に進む。隣接関係テーブルが測定報告内の各SCGについてのエントリをすでに有する場合など、識別セクションがかかるリストされていないSCGを識別することができない場合、動作フローはS249に進み、動作フローが終了する直前に測定報告が破棄される。
【0023】
S242において、識別セクション又はそのサブセクションは、測定報告においてサービングMCGの近隣にあるMCGを識別する。少なくとも一部の実施形態では、識別セクションは、サービングMCGの閾値距離内の1又は複数の近隣MCGを識別する。少なくとも一部の実施形態では、閾値距離は1キロメートルである。少なくとも一部の実施形態では、識別セクションは、MCGと、距離の表示及び/又は距離が閾値距離内にあるか否かの表示とのペアを示す近隣MCGのテーブルを参照する。
【0024】
S243において、
図1に示されるカウントセクション115などのカウントセクション、又はそのサブセクションは、サービングMCGの近傍において同じPCI及びARFCNを有するSCGをカウントする。少なくとも一部の実施形態では、カウントセクションは、リストされていないSCGのPCI及びARFCNを有する各近隣MCGのNRT中のSCGの数をカウントする。少なくとも一部の実施形態では、カウントセクションは、各隣接関係テーブルを検証し、一致するSCGが見つかるたびにPCIカウントを増加させる。
【0025】
S244において、コントローラの適用セクション(適用部)又はそのサブセクションは、
図1に示される分類モデル102などの分類モデルを最終PCIカウントに適用する。少なくとも一部の実施形態では、適用セクションは、予測値を取得するために、カウントされたSCGの数と、サービングMCG、PCI、及びARFCNを表すMCG-PCI-ARFCN識別子とに分類モデルを適用し、予測値は、サービングMCG及び複数の近隣MCGを、リストされていないSCGに供給することがPCI競合をもたらすかどうかか否かを示すバイナリ値である。少なくとも一部の実施形態では、MCG-PCI-ARFCN識別子は、競合予測のためのいかなる根拠も形成しないインデックス値である。少なくとも一部の実施形態では、適用セクションは、競合予測がPCIカウント及び地理的位置に基づくように、予測を取得するためにサービングMCGの地理的位置に分類モデルを更に適用する。少なくとも一部の実施形態では、適用セクションは、競合予測がPCIカウント、地理的位置、及び周波数タイプに基づくように、予測を取得するためにARFCNの周波数タイプに分類モデルを更に適用する。少なくとも一部の実施形態では、適用セクションは、PCI及びARFCNに関連付けられた5GセルをサービングMCG及び任意の近隣MCGに供給することに応答してPCI競合が発生するか否かの予測を表すバイナリ予測値を分類モデルが出力するようにする。
【0026】
S246において、コントローラ又はコントローラの一部は、分類モデルの出力が、競合が発生しないという予測を示すか否かを判定する。分類モデルの出力が、競合が発生しないという予測を示すとコントローラが判定した場合、動作フローは、S246における隣接関係の供給に進む。分類モデルの出力が、競合が発生するという予測を示すとコントローラが判定した場合、動作フローは、S248の「競合」の表記に進む。
【0027】
S247において、コントローラ又はその一部は、SCGがサービングMCG及び近隣MCGに供給されるようにする。少なくとも一部の実施形態では、コントローラは、サービングMCG及び各近隣MCGの隣接関係テーブルにおいてハンドオフオプションとしてSCGが現れるようにする。少なくとも一部の実施形態では、コントローラは、サービングMCG及び近隣MCGが、EN-DC接続が可能な任意の接続された端末のためにSCGへのハンドオフを実施することを可能にする。
【0028】
S248において、コントローラ又はその一部は、SCGが、サービングMCG及び各近隣MCGの隣接関係テーブルにおいて「競合」を有するものとして現れるようにする。少なくとも一部の実施形態では、コントローラは、サービングMCG及び近隣MCGが、SCGをセルラーネットワークとPCI競合するものとして認識することを可能にする。
【0029】
図3は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、連続的な分類モデルのトレーニングのデータフローの概略図である。この図は、トレーニングセクション(トレーニング部)319と、分類モデル302と、隣接関係テーブルのデータベース332とを含む。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクション319は、
図1に示される装置100などの、隣接関係の競合予測のための装置の構成要素である。分類モデル302及び隣接関係テーブルのデータベース332は、それぞれ、
図1に関して説明した分類モデル102及び隣接関係テーブルのデータベース132と構造及び機能が実質的に同様であるが、異なって説明される場合を除く。
【0030】
トレーニングセクション319は、分類モデル302をトレーニングするように構成される。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクション319は、更新された隣接関係テーブルを用いて予測を検証することによって作成された新たなトレーニングサンプルを使用して、分類モデル302を継続的にトレーニングするように構成される。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクション319は、
図2に示すS244で入力されたデータなどの入力データ305などの、分類モデル302への入力データのコピーを維持する。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクション319は、隣接関係テーブルのデータベース332をチェックし、適切なラベルを入力データに適用してトレーニングサンプルを形成するように構成される。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクション319は、分類モデル302を更新するために、トレーニングサンプル306などの新たなトレーニングサンプルのバッチを使用して分類モデル302をトレーニングするように構成される。
【0031】
図4は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、連続的な分類モデルのトレーニングのための動作フローである。動作フローは、連続的な分類モデルのトレーニングの方法を提供する。少なくとも一部の実施形態では、本方法は、
図3に示すトレーニングセクション319などのトレーニングセクションによって実施されて、
図3に示す分類モデル302などの機械学習分類モデルをトレーニングする。
【0032】
S450において、トレーニングセクション又はそのサブセクションは、入力データのコピーをトレーニングサンプルとして分類モデルに記憶する。少なくとも一部の実施形態では、記憶された入力データは、MCG-PCI-ARFCN識別子と、MCG-PCI-ARFCN識別子に対応するPCIカウントとを含む。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクションは、カウントされた数及びMCG-PCI-ARFCN識別子をトレーニングサンプルとして記憶する。少なくとも一部の実施形態では、記憶された入力データは、地理的位置及び/又は周波数タイプを更に含む。
【0033】
S452において、トレーニングセクション又はそのサブセクションは、トレーニングサンプルにおいて識別されたMCGの隣接関係テーブルを、トレーニングサンプルにおいて識別されたPCI及びARFCNと比較する。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクションは、隣接関係テーブルをチェックして、PCI及びARFCNに関連付けられた5Gセルが隣接関係テーブルに供給されたか否か、又は「PCI競合」として表記されたか否かを判定する。少なくとも一部の実施形態では、S452における比較は、S450における記憶の直後には実施されない。少なくとも一部の実施形態では、S452での比較又はS453での判定は、1日~1週間の範囲の期間だけ、又は隣接テーブルの供給が権威者(authority)によって承認され、
図3に示された隣接関係テーブル332などの構成データベースに実装されるのにかかる時間だけ、S450での記憶よりも後に実施される。
【0034】
S453において、トレーニングセクション又はそのサブセクションは、隣接関係テーブルにおいて一致が見つかったか否かを判定する。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクションは、PCI及びARFCNがサービングMCGのNRT中に含まれるか否かを判定する。隣接関係テーブルにおいて一致が見つかった場合、動作フローはS454に進み、「追加」を示すラベルがトレーニングサンプルに適用される。隣接関係テーブル内で一致が見つからない場合、動作フローはS455に進み、「競合」を示すラベルがトレーニングサンプルに適用される。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクションは、一致する5Gセルが「PCI競合」を有するという表記を隣接関係テーブルが含むと判定したことに応答して、S455に進み得る。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクションは、判定の結果を示すグラウンドトゥルース予測値を用いてトレーニングサンプルをラベル付けする。
【0035】
少なくとも一部の実施形態では、分類モデルは、15分~1日の範囲の期間ごとに1回トレーニングされる。少なくとも一部の実施形態では、S453における判定、S454又はS455におけるラベル付け、及びS459におけるトレーニングは、15分~1日の範囲の期間ごとに1回、バッチで実施され、1つのバッチごとに複数の記憶されたトレーニングサンプルについて実施される。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングデータの各バッチは、数十又は数百の記憶されたラベル付けされていないトレーニングサンプルを含む。
【0036】
S456において、トレーニングセクション又はそのサブセクションは、記憶されたラベル付けされていないトレーニングサンプルの全てが処理されたか否かを判定する。トレーニングセクションが、記憶されたラベル付けされていないトレーニングサンプルの全てが処理されたと判定した場合、動作フローは、S459におけるトレーニングに進む。トレーニングセクションが、未処理のトレーニングサンプルが残っていると判定した場合、動作フローは、S452における比較に戻る前に、S457において次のサンプルを選択することに進む。
【0037】
S459において、トレーニングセクション又はそのサブセクションは、1又は複数のトレーニングサンプルを用いて分類モデルをトレーニングする。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクションは、バッチの全てのトレーニングサンプルがラベル付けされた後に分類モデルのトレーニングを開始する。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクションは、次のサンプル(S457)に進む前に、S454及びS455でのラベル付けの結果得られた、ラベル付けされたトレーニングサンプルを用いて分類モデルをトレーニングする。
【0038】
図5は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、初期の分類モデルのトレーニングのためのデータフローの概略図である。この図は、識別セクション512、カウントセクション515、トレーニングセクション519、初期化された分類モデル502、隣接関係テーブルのデータベース532、及びMCG地理的位置のデータベース533を含む。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクション519は、
図1に示される装置100などの隣接関係の競合予測のための装置の構成要素である。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクション519の以下で説明する機能と、
図3に関して説明したトレーニングセクション319の機能とは、装置の単一のトレーニングセクションによって実施される。識別セクション512、カウントセクション515、初期化された分類モデル502、隣接関係テーブルのデータベース532、及びMCG地理的位置のデータベース533は、それぞれ、
図1に関して説明された識別セクション112、カウントセクション115、分類モデル102、隣接関係テーブルのデータベース132、及びMCG地理的位置のデータベース133と構造及び機能が実質的に同様であるが、異なって説明される場合を除く。
【0039】
トレーニングセクション519は、現在の構成情報を使用して隣接関係の競合予測をするために、初期化された分類モデル502をトレーニングするように構成される。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクション519は、PCI-ARFCN-MCGの組み合わせを任意に選択し、識別セクション512及びカウントセクション515に、PCIカウント516などの関連付けられたPCIカウントを提供させるように構成される。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクション519は、データベース533からMCG地理的位置を取り出し、PCI-ARFCN-MCG、PCIカウント、及びMCG地理的位置を組み合わせてトレーニングサンプルにするように構成される。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクション519は、PCIカウントに基づいてトレーニングサンプルをラベル付けするように構成される。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクション519は、トレーニングサンプルの1又は複数のバッチを生成し、分類モデル502がPCI競合予測503などのPCI競合予測を正確に出力するまで、1又は複数のバッチを使用して初期化された分類モデル502をトレーニングするように構成される。
【0040】
図6は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、初期の分類モデルのトレーニングのための動作フローである。動作フローは、初期の分類モデルトレーニングの方法を提供する。少なくとも一部の実施形態では、本方法は、
図5に示される初期化された分類モデル502などの初期化された機械学習分類モデルをトレーニングするために、
図5に示されるトレーニングセクション519などのトレーニングセクションによって実施される。
【0041】
S660において、トレーニングセクション又はそのサブセクションは、分類モデルを初期化する。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクションは、トレーニングを開始するための開始点として機能するように、分類モデルの各ノードに重み値をランダムに割り当てる。
【0042】
S661において、トレーニングセクション又はそのサブセクションは、MCG-PCI-ARFCN組み合わせの初期トレーニングサンプルを生成する。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクションは、複数の初期トレーニングサンプルを生成し、各初期トレーニングサンプルは、任意に選択されたMCG-PCI-ARFCN識別子を含む。
【0043】
S662において、トレーニングセクション又はそのサブセクションは、トレーニングサンプル中で識別されたMCGの近隣にあるMCGの隣接関係テーブルに供給された、一致するSCGをカウントする。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクションは、識別セクションに、各初期トレーニングサンプルについて、MCG-PCI-ARFCN識別子によって表されるMCGの閾値距離内の1又は複数の近隣MCGを識別させる。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクションは、カウントセクションに、各初期トレーニングサンプルについて、MCG-PCI-ARFCN識別子によって表されるPCI及びARFCNを有する各近隣MCGのNRT中のSCGの数をカウントさせる。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクションは、カウントセクションからPCIカウントを受信する。
【0044】
S663において、トレーニングセクション又はそのサブセクションは、S662におけるカウントの結果得られたPCIカウントが閾値PCIカウント未満であるか否かを判定する。少なくとも一部の実施形態では、閾値PCIカウントは2である。PCIカウントが閾値PCIカウント未満である場合、動作フローはS664に進み、「追加」を示すラベルがトレーニングサンプルに適用される。PCIカウントが2未満でない場合、動作フローはS665に進み、「競合」を示すラベルがトレーニングサンプルに適用される。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクションは、カウントされた数が閾値カウント以上であることに応答してPCI競合を示すグラウンドトゥルース予測値、及びカウントされた数が閾値カウント未満であることに応答してPCI競合がないことを示すグラウンドトゥルース予測値のうちの1つを用いてトレーニングサンプルをラベル付けする。
【0045】
S666において、トレーニングセクション又はそのサブセクションは、S661において生成されたトレーニングサンプルの全てが処理されたか否かを判定する。トレーニングセクションが、S661において生成されたトレーニングサンプルの全てが処理されたと判定した場合、動作フローはS669におけるトレーニングに進む。トレーニングセクションが、未処理のトレーニングサンプルが残っていると判定した場合、動作フローは、S662におけるカウントに戻る前に、S667において次のサンプルを選択することに進む。
【0046】
S669において、トレーニングセクション又はそのサブセクションは、S661において生成された複数のトレーニングサンプルを用いて、初期化された分類モデルをトレーニングする。
【0047】
図7は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、近傍テーブルの集団化(vicinity table population)のためのデータフローの概略図である。図は、ペアリングセクション(ペアリング部)770と、距離計算セクション(距離計算部)774と、近傍判定セクション(近傍判定部)777と、近傍テーブル779と、MCG地理的位置のデータベース733とを含む。少なくとも一部の実施形態では、ペアリングセクション770、距離計算セクション774、近傍判定セクション777、及び近傍テーブル779は、
図1に示す識別セクション112及び装置100などの装置の識別セクションに含まれる。MCG地理的位置のデータベース733は、異なって説明される場合を除いて、
図1に関して説明されるようなMCG地理的位置のデータベース133と構造及び機能が実質的に同様である。
【0048】
ペアリングセクション770は、セルラーネットワーク内の複数のMCGのうち、1つのMCGと他のMCGとをペアリングする。少なくとも一部の実施形態では、ペアリングセクション770は、MCGの全ての可能な組み合わせがMCGペアリングに存在するまで、各MCGを別のMCGの各々とペアリングする。少なくとも一部の実施形態では、ペアリングセクションは、MCGペアリングにおける各MCGの地理的位置を取り出し、地理的位置771などの地理的位置を距離計算セクション774に出力する。少なくとも一部の実施形態では、各地理的位置は、緯度及び経度として表される。少なくとも一部の実施形態では、ペアリングセクション770は、MCGペアリング772などのMCGペアリングを近傍テーブル779に記録するように構成される。
【0049】
距離計算セクション774は、2つの地理的位置の間の距離を計算するように構成される。少なくとも一部の実施形態では、距離計算セクション774は、ペアリングセクション770から地理的位置771などの2つの地理的位置を受信するように構成される。少なくとも一部の実施形態では、距離計算セクション774は、2つの地理的位置の緯度間の差及び経度間の差にピタゴラスの定理を適用するように構成される。少なくとも一部の実施形態では、距離計算セクション774は、距離775などの、結果として得られた距離を近傍判定セクション777に出力するように構成される。
【0050】
近傍判定セクション777は、隣接関係の競合予測のために、MCGペアリングされたMCGが互いに近くに位置するか否かを判定するように構成される。少なくとも一部の実施形態では、近傍判定セクション777は、距離計算セクション774から距離775などの距離を受信するように構成される。少なくとも一部の実施形態では、近傍判定セクション777は、距離が閾値距離内にあるか否かを判定するように構成される。少なくとも一部の実施形態では、近傍判定セクション777は、MCGが互いに近くに位置するかの判定の結果に距離を関連付けるようにトレーニングされた機械学習回帰モデルに、この距離を適用するように構成される。少なくとも一部の実施形態では、近傍判定セクション777は、近傍判定結果778などの、MCGの対が互いの近くに位置するか否かの判定結果を、MCGペアリング772などのMCGペアリングに関連付けて近傍テーブル779に記録するように構成される。
【0051】
図8は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、近傍テーブルの集団化のための動作フローである。動作フローは、近傍テーブルの集団化の方法を提供する。少なくとも一部の実施形態では、本方法は、
図1に示す識別セクション112などの識別セクションによって実施される。
【0052】
S880において、識別セクション又はそのサブセクションは、セルラーネットワーク内の複数のMCGの各々について地理的位置を取得する。少なくとも一部の実施形態では、識別セクションは、セルラーネットワーク内の各MCGの緯度及び経度を取得する。
【0053】
S881において、識別セクション又はそのサブセクションは、複数のMCGペアリングを形成し、各ペアリングは、セルラーネットワークにおける2つのMCGを含む。少なくとも一部の実施形態では、識別セクションは、複数のMCGペア(対)を形成し、各MCGペアは、複数のMCGのうちの第1のMCGと、複数のMCGのうちの第2のMCGとを含む。少なくとも一部の実施形態では、識別セクションは、セルラーネットワーク内のMCGの全ての可能な組み合わせがMCGペアリング内に存在するまで、各MCGを別のMCGの各々とペアリングする。
【0054】
S883において、識別セクション又はそのサブセクションは、MCGペアリングの地理的位置間の距離を計算する。少なくとも一部の実施形態では、識別セクションは、各MCGペアリングについて、第1のMCGの地理的位置及び第2のMCGの地理的位置に基づいて、第1のMCGと第2のMCGとの間の距離を計算する。少なくとも一部の実施形態では、識別セクションは、MCGペアリングの地理的位置の緯度間の差及び経度間の差にピタゴラスの定理を適用する。
【0055】
S884において、識別セクション又はそのサブセクションは、S883において計算された距離が閾値距離内にあるか否かを判定する。少なくとも一部の実施形態では、識別セクションは、MCGが互いに近くに位置するかの判定の結果に距離を関連付けるようにトレーニングされた機械学習回帰モデルを、S883で計算された距離に適用する。少なくとも一部の実施形態では、識別セクションは、回帰モデルを、計算された距離に適用して近傍値を取得し、近傍値は、計算された距離が閾値距離内にあるか否かを示すバイナリ値である。
【0056】
S886において、識別セクション又はそのサブセクションは、MCGペアリング及びS884における近傍判定の結果を、
図7に示される近傍テーブル779などのテーブルに追加する。少なくとも一部の実施形態では、識別セクションは、第2のMCGに対応する第1のMCGを表すデータ、第1のMCGの地理的位置、及び近傍値を記憶する。少なくとも一部の実施形態では、識別セクションは、MCGのペアリングが互いの近くに位置するか否かの判定の結果を、MCGペアリングに関連付けて近傍テーブルに記録する。少なくとも一部の実施形態では、識別セクションは、記憶された第1のMCGとしてのサービングMCGに対応する1又は複数の第2のMCGと、計算された距離が閾値距離内にあることを表す近傍値とを取り出すために、記憶されたデータにアクセスすることによって1又は複数の近隣MCGの識別が実施されるように、近傍テーブルを記憶する。
【0057】
S888において、識別セクション又はそのサブセクションは、全てのペアリングが処理されたか否かを判定する。識別セクションが、未処理のMCGペアリングが残っていると判定した場合、動作フローは、S883における距離計算に戻る前に、S889において次のペアリングを選択することに進む。識別セクションが、全てのMCGペアリングが処理されたと判定した場合、動作フローは終了する。
【0058】
少なくとも一部の実施形態では、識別セクションは、S880における取得、及びS881における形成を実施し、S883における計算及びS886における記憶の反復は、6時間~1週間の範囲の期間ごとに1回実施されて、近傍テーブルを更新された状態に保つ。
【0059】
図9は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、近傍判定回帰モデルのトレーニングのためのデータフローの概略図である。図は、ペアリングセクション970と、距離計算セクション974と、近傍判定回帰モデル907と、トレーニングセクション919と、MCG地理的位置のデータベース933とを含む。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクション919は、
図1に示される装置100などの隣接関係の競合予測のための装置の構成要素である。少なくとも一部の実施形態では、以下で説明するトレーニングセクション919の機能と、
図3に関して説明したトレーニングセクション319及び
図5に関して説明したトレーニングセクション519の機能とは、装置の単一のトレーニングセクションによって実施される。ペアリングセクション970及び距離計算セクション974は、それぞれ、
図7に関して説明したペアリングセクション770及び距離計算セクション774と構造及び機能が実質的に同様であるが、異なって説明される場合を除く。MCG地理的位置のデータベース933は、異なって説明される場合を除いて、
図1に関して説明されるようなMCG地理的位置のデータベース133と構造及び機能が実質的に同様である。
【0060】
近傍判定回帰モデル907は、MCGが互いに近くに位置するかの判定の結果に距離を関連付けるようにトレーニングされた機械学習モデルである。少なくとも一部の実施形態では、近傍判定回帰モデル907は、入力として距離を受信する。少なくとも一部の実施形態では、近傍判定回帰モデル907は、入力のインデックス値としてMCGペアリングを受信する。少なくとも一部の実施形態では、近傍判定回帰モデル907は、計算された距離が閾値距離内にあるか否かを示すバイナリ値を出力する。少なくとも一部の実施形態では、近傍判定回帰モデル907は、一対他(one-vs-rest)方式を使用してトレーニングされたロジスティック回帰機械学習モデルである。
【0061】
トレーニングセクション919は、MCGが互いに近くに位置するかの判定の結果に距離を関連付けるように、近傍判定回帰モデル907をトレーニングするように構成される。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクション919は、ペアリングセクション970からMCGペアリング972などのMCGペアリングを受信するように構成される。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクション919は、距離計算セクション974からMCGペアリングに関連付けられた距離975などの距離を受信し、距離及びMCGペアリングを組み合わせてトレーニングサンプルにするように構成される。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクション919は、距離に基づいてトレーニングサンプルをラベル付けするように構成される。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクション919は、全てのMCGペアリングのトレーニングサンプルを組み合わせて、近傍判定回帰モデル907が近傍判定結果908などの近傍判定の結果を正確に出力するまで、全てのMCGペアリングの1又は複数のバッチにおいて近傍判定回帰モデル907をトレーニングするように構成される。
【0062】
図10は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、近傍判定回帰モデルのトレーニングのための動作フローである。動作フローは、初期回帰モデルトレーニングの方法を提供する。少なくとも一部の実施形態では、本方法は、
図9に示される近傍判定回帰モデル907などの初期化された機械学習回帰モデルをトレーニングするために、
図9に示されるトレーニングセクション919などのトレーニングセクションによって実施される。
【0063】
S990において、トレーニングセクション又はそのサブセクションは、回帰モデルを初期化する。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクションは、トレーニングを開始するための開始点として機能するように、回帰モデルの各ノードに重み値をランダムに割り当てる。
【0064】
S991において、トレーニングセクション又はそのサブセクションは、MCGペアリングの初期トレーニングサンプルを生成する。少なくとも一部の実施形態では、S991の反復が進むにつれて、トレーニングセクションは、複数の初期トレーニングサンプルを生成し、各トレーニングサンプルは、複数のペアリングのうちの1つのペアリングを含む。
【0065】
S992において、トレーニングセクション又はそのサブセクションは、MCGペアリングの地理的位置間の距離を計算する。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクションは、識別セクションに、MCGペアリングの地理的位置の緯度間の差及び経度間の差にピタゴラスの定理を適用させる。
【0066】
S993において、トレーニングセクション又はそのサブセクションは、S992において計算された距離が閾値距離内にあるか否かを判定する。少なくとも一部の実施形態では、閾値距離は1キロメートルである。計算された距離が閾値距離未満である場合、動作フローはS994に進み、「内側」を示すラベルがトレーニングサンプルに適用される。計算された距離が1キロメートル以上である場合、動作フローはS995に進み、「外側」を示すラベルがトレーニングサンプルに適用される。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクションは、計算された距離が閾値距離内にあるか否かを示すグラウンドトゥルース近傍値で各トレーニングサンプルをラベル付けする。
【0067】
S996において、トレーニングセクション又はそのサブセクションは、各MCGペアリングについてS991の反復において生成されたトレーニングサンプルの全てが処理されたか否かを判定する。トレーニングセクションが、全てのMCGペアリングについてのトレーニングサンプルの全てが処理されたと判定した場合、動作フローは、S999におけるトレーニングに進む。トレーニングセクションが、未処理のトレーニングサンプルが残っていると判定した場合、動作フローは、S991における生成に戻る前に、S997において次のトレーニングサンプルを選択することに進む。
【0068】
S999において、トレーニングセクション又はそのサブセクションは、S991の反復において生成された複数のトレーニングサンプルを用いて、初期化された回帰モデルをトレーニングする。
【0069】
図11は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、隣接関係の競合予測のための例示的なハードウェア構成のブロック図である。
【0070】
例示的なハードウェア構成は、ネットワーク1136と通信し、入力デバイス1139と相互作用(interact)する装置1100を含む。装置1100は、入力デバイス1139から入力又はコマンドを受信するコンピュータ又は他のコンピューティングデバイスであり得る。装置1100は、入力デバイス1139に直接、又はネットワーク1136を介して間接的に接続するホストサーバであってもよい。一部の実施形態では、装置1100は、2つ以上のコンピュータを含むコンピュータシステムである。一部の実施形態では、装置1100は、装置1100のユーザのためのアプリケーションを実行するパーソナルコンピュータである。
【0071】
装置1100は、コントローラ1110と、記憶ユニット1120と、通信インターフェース1135と、入出力インターフェース1138とを含む。一部の実施形態では、コントローラ1110は、プロセッサ又はプログラマブル回路に、命令に従って動作を実施させるための命令を実行するプロセッサ又はプログラマブル回路を含む。一部の実施形態では、コントローラ1110は、アナログ又はデジタルプログラマブル回路、あるいはそれらの任意の組み合わせを含む。一部の実施形態では、コントローラ1110は、通信を通して相互作用する、物理的に分離された記憶装置又は回路を含む。一部の実施形態では、記憶ユニット1120は、命令の実行中にコントローラ1110がアクセスするための実行可能データ及び非実行可能データを記憶することができる不揮発性コンピュータ可読媒体を含む。通信インターフェース1135は、ネットワーク1136からデータを送受信し、それによってMCG1130との通信が可能になる。入出力インターフェース1138は、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート、モニタポートなどを介して各種の入出力ユニットを接続し、コマンドの受け付け及び情報の提示を行う。
【0072】
コントローラ1110は、識別セクション1112と、カウントセクション1115と、適用セクション1117と、トレーニングセクション1119とを含む。記憶ユニット1120は、近傍テーブル1122、モデルパラメータ1124、トレーニングサンプル1126、及びトレーニングパラメータ1128を含む。
【0073】
識別セクション1112は、測定報告及び近隣MCGから、リストされていないSCGを識別するように構成されたコントローラ1110の回路又は命令である。少なくとも一部の実施形態では、識別セクション1112は、測定報告を隣接関係テーブルと比較して、測定報告に関連付けられたサービングMCGの隣接関係テーブルで見つからなかった任意のPCI及びARFCNの組み合わせを識別するように構成される。少なくとも一部の実施形態では、識別セクション1112は、近傍1122などの記憶ユニット1120内の情報を利用する。少なくとも一部の実施形態では、識別セクション1112は、前述のフロー図で説明したように、追加の機能を実施するためのサブセクションを含む。少なくとも一部の実施形態では、かかるサブセクションは、それらの機能に関連付けられた名前によって参照され得る。
【0074】
カウントセクション1115は、一致するSCGをカウントするように構成されたコントローラ1110の回路又は命令である。少なくとも一部の実施形態では、カウントセクション1115は、MCG1130などのサービングMCGの近傍に存在して同じPCI及びARFCNを有する5Gセルをカウントするように構成される。少なくとも一部の実施形態では、カウントセクション1115は、装置1100と通信するデータベース内の情報を利用する。少なくとも一部の実施形態では、カウントセクション1115は、前述のフローチャートで説明したように、追加の機能を実施するためのサブセクションを含む。少なくとも一部の実施形態では、かかるサブセクションは、それらの機能に関連付けられた名前によって参照され得る。
【0075】
適用セクション1117は、モデルを入力データに適用して出力データを取得するように構成されたコントローラ1110の回路又は命令である。少なくとも一部の実施形態では、適用セクション1117は、入力データをモデルの入力層に供給し、中間層の中間値を計算し、出力データをモデルの出力層から読み取るように構成される。少なくとも一部の実施形態では、適用セクション1117は、モデルパラメータ1124などの、記憶ユニット1120内の情報を利用する。少なくとも一部の実施形態では、適用セクション1117は、前述のフローチャートで説明したように、追加の機能を実施するためのサブセクションを含む。少なくとも一部の実施形態では、かかるサブセクションは、それらの機能に関連付けられた名前によって参照され得る。
【0076】
トレーニングセクション1119は、モデルをトレーニングするように構成されたコントローラ1110の回路又は命令である。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクション1119は、損失関数が解に収束するまで、又は別の態様でトレーニングが完了したと見なされるまで、損失関数に基づいてモデルの重みを調整するように構成される。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクション1119は、トレーニングサンプル11126内に情報を記憶し、モデルパラメータ1124及びトレーニングパラメータ1128などの、記憶ユニット1120内の情報を利用する。少なくとも一部の実施形態では、トレーニングセクション1119は、前述のフローチャートで説明したように、追加の機能を実施するためのサブセクションを含む。少なくとも一部の実施形態では、かかるサブセクションは、対応する機能に関連付けられた名前によって参照される。
【0077】
少なくとも一部の実施形態では、装置は、本明細書の動作を実施するために論理機能を処理することが可能な別のデバイスである。少なくとも一部の実施形態では、コントローラ及び記憶ユニットは、完全に別個のデバイスである必要はなく、一部の実施形態では、回路又は1又は複数のコンピュータ可読媒体を共有する。少なくとも一部の実施形態では、記憶ユニットは、コンピュータ実行可能命令、及びコントローラによってアクセスされるデータの両方を記憶するハードドライブを含み、コントローラは、中央処理装置(central processing unit(CPU))及びRAMの組み合わせを含み、コンピュータ実行可能命令は、本明細書の動作の実施中にCPUによる実行のために全体的又は部分的にコピーされることが可能である。
【0078】
装置がコンピュータである少なくとも一部の実施形態では、コンピュータにインストールされたプログラムが、コンピュータに、本明細書に記載の実施形態の装置として機能させるか、又は本明細書に記載の実施形態の装置に関連付けられた動作を実施させることができる。少なくとも一部の実施形態では、かかるプログラムは、コンピュータに、本明細書に説明されるフローチャート及びブロック図のブロックの一部又は全部と関連付けられたある動作を行わせるように、プロセッサによって実行可能である。
【0079】
本発明の種々の実施形態は、フローチャート及びブロック図を参照して説明され、そのブロックは、(1)動作が行われるプロセスの工程、又は(2)動作を行う責任があるコントローラのセクションを表し得る。特定の工程及びセクションは、専用回路、コンピュータ可読媒体上に記憶されたコンピュータ可読命令が供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読媒体上に記憶されたコンピュータ可読命令が供給されるプロセッサによって実装される。一部の実施形態では、専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含み、集積回路(integrated circuits(IC))及び/又はディスクリート回路を含み得る。一部の実施形態では、プログラマブル回路は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate arrys(FPGA))、プログラマブル論理アレイ(programmable logic arrays(PLA))などの、論理AND、OR、XOR、NAND、NOR、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、メモリ要素などを備える再構成可能なハードウェア回路を含む。
【0080】
本発明の種々の実施形態は、システム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品を含む。一部の実施形態では、コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(又は複数の媒体)を含む。
【0081】
一部の実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用するための命令を保持及び記憶することができる有形デバイスを含む。一部の実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、又は前述の任意の好適な組み合わせを含むが、それらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストには、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(random access memory(RAM))、読み出し専用メモリ(read only memory(ROM))、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read-only memory)(EPROM又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(static random access memory(SRAM))、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(portable compact disc read-only memory(CD-ROM))、デジタル多用途ディスク(digital versatile disk(DVD))、メモリスティック、フロッピー(登録商標)ディスク、パンチカード又は溝に命令が記録された隆起構造などの機械的に符号化されたデバイス、及び上記の任意の適切な組み合わせが含まれる。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、電波若しくは他の自由に伝搬する電磁波、導波路若しくは他の伝送媒体を通って伝搬する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、又はワイヤを通って伝送される電気信号などの、一時的な信号自体であると解釈されるべきではない。
【0082】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、又はネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク及び/若しくは無線ネットワークを介して外部コンピュータ若しくは外部記憶デバイスにダウンロード可能である。一部の実施形態では、ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、及び/又はエッジサーバを含み得る。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワークアダプタカード又はネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0083】
一部の実施形態では、上述の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(instruction-set-architecture(ISA))命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれたソースコード若しくはオブジェクトコードのいずれかである。一部の実施形態では、コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で実行され、部分的にユーザのコンピュータ上で実行され、独立型ソフトウェアパッケージとして実行され、部分的にユーザのコンピュータ上及び部分的に遠隔コンピュータ上で実行され、又は完全に遠隔コンピュータ若しくはサーバ上で実行される。一部の実施形態では、後者のシナリオにおいて、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(local area network(LAN))又はワイドエリアネットワーク(wide area network(WAN))を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されるか、又は(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータへの接続が行われてもよい。一部の実施形態では、例えば、プログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はプログラマブル論理アレイ(PLA)を含む電子回路は、コンピュータ可読プログラム命令を実行し、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して電子回路を個別化することによって、本発明の態様を実施する。
【0084】
以上、本発明の実施形態について説明したが、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0085】
特許請求の範囲、実施形態、及び図面において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、工程、及び段階などの各処理の実施順序は、「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現し得ることに留意すべきである。特許請求の範囲、実施形態、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず」、「次に」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【0086】
本発明の少なくとも1つの実施形態によれば、隣接関係の競合予測は、端末のサービングマスタセルグループ(Master Cell Group(MCG))から、端末の測定報告を受信することであって、測定報告は、複数の信号測定値を含み、信号測定値の各々は、物理セル識別子(Physical Cell Identifier(PCI))と絶対無線周波数チャネル番号(Absolute Radio-Frequency Channel Number(ARFCN))とによって表されるセカンダリセルグループ(Secondary Cell Group(SCG))に関連付けられている、ことと、複数の信号測定値の中にリストされていないSCGを識別することであって、リストされていないSCGは、サービングMCGの隣接関係テーブル(Neighbor Relations Table(NRT))中のいずれの単一のSCGにも対応しないPCI及び関連付けられたARFCNによって表される、ことと、サービングMCGの閾値距離内の1又は複数の近くのMCGを識別することと、リストされていないSCGのPCI及びARFCNを有するSCGであって、近隣MCGの各々のNRT中のSCGの数をカウントすることと、予測値を取得するために、SCGのカウントされた数と、サービングMCG、PCI、及びARFCNを表すMCG-PCI-ARFCN識別子とに分類モデルを適用することであって、予測値は、サービングMCG及び複数の近隣MCGを、リストされていないSCGに供給することがPCI競合をもたらすか否かを示すバイナリ値である、こととを含む動作によって実施される。
【0087】
一部の実施形態は、コンピュータプログラム内の命令と、コンピュータプログラムの命令を実行するプロセッサによって実施される方法と、方法を実施する装置とを含む。一部の実施形態では、装置は、命令内の動作を実施するように構成された回路を含むコントローラを含む。
【0088】
上記は、当業者が本開示の態様をよりよく理解することができるように、いくつかの実施形態の特徴を概説している。当業者は、本明細書に導入された実施形態の同じ目的を実行し、及び/又は同じ利点を達成するための他のプロセス及び構造を設計又は修正するための基礎として、本開示を容易に使用し得ることを理解されたい。当業者はまた、かかる同等の構成が本開示の趣旨及び範囲から逸脱しないこと、並びに本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書において種々の変更、置換、及び変更を行うことができることを理解すべきである。